チェーンコンベヤ
【課題】プレート板の液体を通過させる通過孔を有するチェーンコンベヤにおいて、プレート板上に液体が残留し難く、残留した液体によるべたつきも生じ難い構造にする。
【解決手段】プレート板Pに、複数の突起部21と、液体を通過させる複数の通過孔22を設け、通過孔22はプレート板Pの載置面Pe側の流入口よりもプレート板Pの背面Pf側の流出口の方が広くなるよう形成する。また、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部21を利用して形成されている。
【解決手段】プレート板Pに、複数の突起部21と、液体を通過させる複数の通過孔22を設け、通過孔22はプレート板Pの載置面Pe側の流入口よりもプレート板Pの背面Pf側の流出口の方が広くなるよう形成する。また、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部21を利用して形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送物を搬送する複数のプレート板と、プレート板の左右に取り付けられるサイドプレートと、このサイドプレートを介して上記プレート板を取り付ける左右の無端状のチェーンとを備えたチェーンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑(金属チップ)等の搬送物を搬送して回収するに際してはチェーンコンベヤが用いられている。このチェーンコンベヤは、チップ搬送コンベヤとも呼ばれ、左右の無端状のチェーン間に複数のプレート板が連続的に取り付けられ、駆動軸と従動軸の間に掛け渡されて搬送路を形成するものであり、プレート板上に載置された搬送物(切り屑、金属チップ等)を搬送する。
【0003】
このようなチェーンコンベヤにより搬送される搬送物は、例えば旋盤やフライス盤等の工作機械からクーラント液とともに排出される切り屑のように、液体(クーラント液)が混在する場合が少なくない。しかし、この液体がプレート板上に滞留すると、液体が混在した状態のままで搬送物が回収されたり、液体の荷重で駆動軸に負荷がかかるといった問題が生じる。そこで、本願出願人は、搬送物はプレート板上に残したままで液体を排出するチェーンコンベヤを既に特許出願している(下記特許文献1参照)。このチェーンコンベヤは、プレート板に液体を通過させる通過孔が形成されており、液体をこの通過孔から通過させることで、搬送物は残したままで液体のみを排出可能としている。通過孔には、多数の細孔として形成されて通過孔が搬送物を捕捉するもの(下記特許文献1の図14、図15参照)と、大きな孔として形成されて網目が設けられ、網目にて搬送物を捕捉するもの(下記特許文献1の図11、図12、図13参照)とがある。なお、例えば旋盤やフライス盤等の工作機械からクーラント液とともに排出される切り屑(金属チップ)が液体(クーラント液)と分離されないと、クーラント液の再利用ができないこととなるが、一般的には回転ドラムのような濾過装置により濾過(分離)する。しかし、このような回転ドラム式の濾過装置では、装置が大型化する割には効率的な分離は行われず、他方、切り屑が混ざったクーラント液がプレート板上に滞留すると、液体が混在した状態のままで切り屑が回収されたり、液体の荷重で駆動軸に負荷がかかったり、切り屑やクーラント液がプレート板にこびり付いてなかなか洗浄もできない等の問題が生じる。
【特許文献1】特開2007−197222号公報
【0004】
また、本願出願人は、上記特許文献1にて、プレート板に微細な突起を多数設けたチェーンコンベヤ(特許文献1の図16参照)を開示している。プレート板にはクーラント液が付着し易いが、この微細な突起により付着し難くなり、洗浄が容易に行える等の効果が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1には、プレート板として、(1)通過孔を多数の細孔としたもの、(2)大きな通過孔に網目を設けたもの、(3)多数の突起を有するものが開示されているが、各々に以下のような問題が生じていた。
【0006】
通過孔を多数の細孔としたプレート板(特許文献1の図14参照)場合、プレート板上に液体が残留するという問題が生じていた。その原因は以下の通りである。
【0007】
第一に、プレート板の表面には通過孔が形成されていない領域(通過孔と通過孔の間の領域)があり、そこに液体が残留する事態が生じていた。特に、クーラント液等の油性の液体や粘性を有する液体はプレート板表面に付着し易く、液体が残留する大きな原因となっていた。
【0008】
第二に、切り屑等の搬送物は大きさが様々であり、搬送物が通過孔に流入することがある。このため、上記従来技術では通過孔の途中で搬送物が引っかかって目詰まりを引き起こし、液体の通過が阻害される事態が生じていた。
【0009】
第三に、上記特許文献1の図10に示されるように、チェーンコンベヤは搬送路が傾斜する傾斜領域を有する場合が少なくない。この場合、プレート板も傾斜することになり、液体は傾斜に沿ってプレート板の表面を流れることとなる。しかしながら、上記多数の細孔として形成された通過孔は流入口が上方に向いていることから(通過孔は載置面をその板厚方向を貫通し、貫通する方向で同じ大きさに形成されていることから)、プレート板表面を流れてきた液体は、その流れの勢いで流入口に流入することなく流入口上を越えてしまうことがあった(液体の表面張力により通過孔を通過しないことがあった。)。このため、特に傾斜領域では液体の通過効率が低下する事態が生じていた。
【0010】
このようにプレート板上に液体が残留すると、上記搬送物のみを回収する観点からも、液体の荷重による駆動軸への負荷を軽減する観点からも好ましくなく、更に、プレート板上がべたついて搬送物がプレート板上に付着した状態となり、プレート板上から搬送物が回収し難くなるといった事態も生じていた。
【0011】
さらに、このプレート板は通過孔により搬送物を捕捉するが、上記のように液体が残留し易いため、実効を得るためには通過孔をある程度大きく形成しなければならず、捕捉されずに通過孔を通過してしまう搬送物も少なくなかった。
【0012】
一方、液体の残留を少なくするためには、網目を設けた通過孔が形成されたプレート板(特許文献1の図11参照)が好ましいが、この場合、網目の強度不足が問題となっていた。搬送物には様々なものがあり、その重さや形状によっては網目が破損する事態が生じる。特に、旋盤から排出される切り屑は大きさが大きいため、その荷重により網目が破れるケースも少なくなく、深刻な問題となっていた。このため、高強度の構造にて液体の残留を少なくする技術が強く望まれていた。
【0013】
また、微細な突起が形成されたプレート板(特許文献1の図16参照)は通過孔が形成されておらず、プレート板上の液体は滞留したままで排出されないという問題を有している。
【0014】
そこで本発明の目的は、クーラント液等の液体はプレート板を通過させるが、金属チップ等の搬送物は小さなものでも通過させず、しかもそれをメッシュ構造を採用せずに高強度の構造にて実現することが可能なチェーンコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のチェーンコンベヤは、搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口よりもプレート板の背面側の流出口の方が広いことを特徴とする。また、搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口とプレート板の背面側の流出口とが設けられ、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、プレート板には複数の突起部と液体を通過させる複数の通過孔が形成されていることから、プレート板上に液体が混在した搬送物が載置されると、搬送物は通過孔により捕捉されるが、液体は突起部に弾かれて通過孔の流入口付近に集められ、通過孔を通過する。これにより、プレート板上に液体が残留し難くなる。金属チップ(切り屑)が液体(クーラント液)に含まれている場合は、上記通過孔が金属チップ(切り屑)を捕捉するが、液体(クーラント液)を除去した状態では、上記突起部により金属チップ(切り屑)が弾かれるように載置面から離脱する。
また、通過孔は流入口よりも流出口が広いことから、搬送物が通過孔に流入しても、通過孔の途中で詰まることなく排出される。また、従来の突起部以外の平坦な載置面に単に形成された通過孔とは異なり、載置面側の流入口が上記複数の各突起部を利用して形成されていることから、液体の表面張力が働き難く、このため金属チップ等の搬送物は通過させずに、クーラント液等の液体は通過させることとなる。
したがって、通過孔の目詰まりによりプレート板上に液体が残留する事態も防止される。搬送物は通過孔により捕捉され、通過孔に網目を設ける必要もなく、液体の残留防止を高強度の構造にて実現することができる。また、液体が残留し難いため、通過孔を小さく形成することができ、従来よりも小さな搬送物を捕捉することが可能となる。
【0017】
前記通過孔の載置面側の流入口は、前記載置面上における液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成されるとともに、この載置面側の流入口の前方には流体が流れ込むための所定のスペースが設けられていることを特徴とする。この発明によれば、プレート板の載置面上を流れる液体は、流入口の前方の所定スペースにより流れの勢いが増し、その状態にて流れ方向と対向するように突起に形成された通過孔の流入口に到達するため、通過孔を通過し易くなる。これにより、更に液体が残留し難くなる。
【0018】
ここで、通過孔は、前記プレート板に対して垂直に設けられていることが好ましい。この発明によれば、プレート板に対して垂直方向から流入する液体を効率良く通過させることができる。また、プレート板に対して垂直方向にプレスすることにより、突起部と通過孔とを同時に形成できる。更には、この通過孔は流出口が流入口よりも広いテーパー状であることが好ましい。この発明によれば、チップによる目詰まりを防止でき、且つ、プレス加工により背面側からプレート板をプレスして突起部と流出口を形成するだけで、背面側の凹部が流出口となるテーパー状の通過孔を形成することも可能であり、製造も非常に容易である。
【0019】
流入口は各突起に複数設けられていることが好ましい。この発明によれば、各突起部には複数の流入口が設けられるが、突起部の形状を利用して、これらの流入口を異なる方向に向けて開口させることができるため、様々な方向から流れてくる液体を各流入口から効率良く流入させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のチェーンコンベヤによれば、プレート板には複数の突起部と液体を通過させる複数の通過孔が形成されていることから、液体は突起部に弾かれ、通過孔の流入口付近に集められて通過孔を通過するため、プレート板上に液体が残留し難くなる。また、通過孔は流入口よりも流出口が広いことから通過孔の目詰まりが生じず、目詰まりを原因とする液体の残留も防止される。したがって、液体の混合率が低い状態にて搬送物を回収することができ、液体の荷重による駆動軸への負担も大幅に軽減される。残留する液体によるプレート板表面のべたつきも防止でき、搬送物の回収も容易となる。特に、液体を弾いた突起部は表面のべたつきも少なく、突起部により搬送物のプレート板との接触面積が小さくなることも相俟って、搬送物の付着防止の効果が非常に高く発揮される。搬送物は通過孔により捕捉され、通過孔に網目を設ける必要もないため、液体の残留防止を高強度の構造にて実現することが可能となる。また、上記のようにクーラント液が残留し難いことから、通過孔を従来よりも小さく形成することができ、より小さな搬送物までも漏れなく捕捉することが可能となる。
【0021】
また、通過孔をプレート板に対して垂直に設けることで、プレート板に対して垂直方向に流れる液体を効率良く通過させることができ、液体の残留を防止できる。また、プレート板を厚み方向にプレス加工することにより、突起部と通過孔を同時に形成できるため、製造が容易である。また、各突起に複数の流入口を設けることにより、様々な方向から流れてくる液体を効率よく流入させることができ、液体の残留を更に防止することができる。
【0022】
また、過孔の載置面側の流入口を液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成し、この載置面側の流入口の前方に流体が流れ込むための所定のスペースを設けることで、液体はこのスペースにて流れの勢いを増し、その状態にて流れと対向するよう形成された流入口に到達するため、通過孔を通過し易くなる。これにより、構造を高強度に維持しつつも、更に液体が残留し難くなり、切り屑等の搬送物の捕捉も小さなものでも捕捉することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に述べる。
【0024】
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、図1乃至図8に示すように、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑をクーラント液とともに排出するチップ搬送コンベヤに本発明のチェーンコンベヤを適用したもので、搬送物を搬送する複数のプレート板Pと、プレート板Pの左右に取り付けられるサイドプレートS1,S1と、このサイドプレートS1,S1を介して上記プレート板Pを取り付ける左右一対のチェーンT,Tとを備えている。この種コンベヤは、左右にチェーンが配されることからチェーンコンベヤや、切り屑を搬送することからチップ搬送コンベヤと呼ばれている。
【0025】
チェーンTは、一対のリンクプレートT1,T2間にローラTrが介在されたローラチェーンと呼ばれる市販のもので、一対のリンクプレートT1,T2(符号T1は外側のリンクプレートを示し、符号T2は内側、つまりプレート板P側のリンクプレートT2を示す。)のうちの内側のリンクプレートT2には連結用の鍔部Teがプレート板P側に断面L字状に突出して設けられている。連結用の鍔部Teは、プレート板Pの左右両端側と重ね合わせて連結ボルトBにより連結される。すなわち、連結用の鍔部Teには、ボルト止め用の穴Taと裏面側の螺合部Tbが設けられ、このボルト止め用の穴Taをプレート板Pの左右側に形成されたボルト止め用の穴Baと重ね合わせて、これらに連結ボルトBを通して連結される。一対のリンクプレートT1,T2間には、円滑なチェーンTの運動とスプロケット5の保護のためにローラTr(更にはブシュ)が介在され、一対のリンクプレートT1,T2とローラTrとはピンTpにより連結されている。このような構成のチェーンTは、無端状(エンドレス)に連結され、スプロケット5に掛けられる(図7)。これにより、図8に示されるように、プレート板Pが複数連結した搬送路Rが形成される。
【0026】
搬送路Rは、少なくとも一部において搬送路に沿って傾斜する傾斜領域Raを有する。この傾斜領域Raにおいて、プレート板Pは搬送路Rに沿って傾斜している。そして、プレート板Pは図8において露出している上面を載置面Peとし、載置面Peに切り屑が載置され、斜め上方に向かう上向き傾斜方向、又は、斜め下方に向かう下向き傾斜方向に切り屑が搬送される。
【0027】
プレート板Pは、鉄製又は鋼鉄製の板材であり、複数の突起部21と、液体を通過させる複数の通過孔22が設けられている。図3(a)はプレート板Pの正面図であり、図3(b)は背面図であり、図3(c)はA−A´の拡大断面図である。図4(a)は突起部21と通過孔22の拡大正面図であり、図4(b)はその拡大平面図である。
【0028】
突起部21は、クーラント液やこれに混ざる金属チップ(切り屑)を弾くようにするためのもので、本実施の形態では載置面Peに形成されているが、載置面Peとは反対側のプレート板Pの背面側にも形成されていても良い。また、本実施の形態の突起部21は、半球形状を一部切り欠いた形状であり、曲面21aと垂直面21bとから構成されている。大きさは搬送物によって適宜決定すれば良く、本実施の形態では、高さ(図4(b)の符号a1)3mm、幅(図4(b)の符号a2)9mm、奥行き(図4(a)の符号a3)6mmである。搬送路Rの傾斜領域Raにおいては(図8)、プレート板Pが搬送路Rに沿って傾斜するため、液体は載置面Pe上を流れ方向D(図2及び図10の符号Dの矢印の方向)に向かって流れるが、垂直面21bは流れ方向Dと対向する面となるように形成されている。この突起部21は、本実施の形態では、搬送路Rの幅方向に二列に千鳥配置で形成されているが、一列でも複数列でも良く、これに限られるものではない。なお、突起部21は、クーラント液や金属チップを弾くようにするためには、できるだけ小さな大きさのものが好ましい。
【0029】
通過孔22は、突起部21の内部が中空となるように形成され、流入口22aがプレート板Pの載置面Peの側に、流出口22bが背面Pfの側に設けられている。流出口22bは流入口22aよりも広く、流入口22aが通過孔22の中で最も狭くなっている。本実施の形態では、流入口22a及び流出口22bともに直線と円弧から成る略半円形状であり、流入口22aは幅(図4(a)の符号b1)5mm、高さ(図4(b)の符号b2)1mmであり、流出口22bは幅(図4(a)の符号b1)5mm、奥行き(図4(a)の符号b3)4mmであるが、これに限られるものではない。
通過孔22は、上記曲面形状等の突起部21を利用して形成されるもので、従来の背面Pfまで板厚方向に貫通するものとは異なり、角度が形成されるように形成されている。プレート板Pの板厚方向に貫通では、クーラント液の流れが起こるような装置構造ではないが(クーラント液の表面張力が最も働くのがプレート板の板厚方向)、上記突起部21を利用することで、所定方向に通過孔22の方向を向けることができ、クーラント液の流れを利用してクーラント液を通過させ易くなる。
【0030】
本実施の形態では、通過孔22の流入口22aは液体の流れ方向Dと対向するように形成されており、具体的には突起部21の垂直面21bに設けられている。したがって、上方からプレート板Pに付着する金属チップが流入口22aに入り込むようなことはなく、突起部21によりはじかれる。つまり、突起部21の垂直面21bに設けられる流入口22aには、非常に小さな金属チップしか入り込むことはない。
また、流入口22aの前方には流体が流れ込むためのスペース23が形成されている。スペース23は平面状であり、突起部21を千鳥配置することで液体の流れ方向Dに広く確保されている。
【0031】
突起部21と通過孔22は他の形状でも良く、多面形状や円錐形状や多角錐形状や、その他の形状でも良い。例えば、突起部21を立方体形状(図5(a))や、多角推形状(図5(b))や、半楕円球形状(図5(c))や、半円錐形状(図5(d))とし、その内部を中空にして通過孔22を形成しても良い。
【0032】
突起部21と通過孔22は射出成形により形成しても良いが、プレス加工により形成することが好ましい。まず、型抜きした鉄製又は鋼鉄製の板材に通過孔22用の切り込みを形成し、その後に、プレス加工により突起部21を形成する。プレス加工により突起部21が形成されると同時に、切り込みが開口されて流入口22aが形成されるとともに背面Pfの側が凹状となって流出口22cが形成され、プレス加工による型抜き突起部21と通過孔22を同時に形成することができる。また、通過孔22用の切り込みと突起部21の大きさを調整するだけで、流入口22aが最も狭い通過孔22を形成することができる。ただし、突起部21を形成してから通過孔22を形成することも可能である。
【0033】
このプレート板Pは、プレート板Pの連結方向の一方端部が断面が円弧状(半円形に近い円弧状)の凹部Paが形成され、連結方向の他方端部が垂直に折り曲げられた凸部Pbが形成され、これら凹部Paと凸部Pbの間が平坦部Pcとされている。
【0034】
断面が円弧状の凹部Paは、正半円の一部をなすように形成され、その先端(一方端部)は、搬送方向(図1中の矢印方向)の先に位置するプレート板P(P1)の平坦部Pcとの間で開口(隙間)Pdが形成されている(図2)。この開口Pdにより、円弧状の凹部Paは、約120度の円弧形状に形成されている。他方側端部を垂直の凸部として折り曲げ形成される折り曲げ箇所は、チェーンTのピンTpの位置に位置合わせされ(図7)、この位置が円弧形状の凹部Paの中心になっている。上記折り曲げ箇所と円弧形状の凹部Paの中心が平坦部Pcの延長線上にすることも可能である。また、凸部Pbの先端は、凹部Paの内面に接触しないことがコーナー部での回転状態を得る上で好ましい。また、クーラント液を所定量流しながらチェーンコンベヤを回転させる場合において、クーラント液の流れを確保するためには、凸部Pbの先端が凹部Paの内面に接触しないことが好ましい。ただし、チップや金属粉の確実な排出のため等には、接触(当接)するようにしても良い。なお、本実施の形態では、突起部21と通過孔22は平坦部Pcにのみ形成され、凹部Paや凸部Pbには形成されていないが、これはクーラント液は平坦部Pcに滞留し、凹部Paや凸部Pbに滞留することがないためである。
【0035】
また、凸部Pbには平坦部Pcとの角部付近に他の通過孔7が形成されている。他の通過孔7は、通過孔22の流入口22aと同様に液体の流れ方向Dに対向するように形成されており、クーラント液が通過可能となっている。他の通過孔7は、平坦部Pcと凸部Pbの境界付近に形成されていれば良いが、流れ方向Dに対向するように凸部Pbに形成することで、クーラント液が流入し易くなるため好ましい。
【0036】
サイドプレートS1,S2は、切り屑(チップ)やクーラント液が横漏れ、つまりチェーンT側に排出することを防止するもので、チェーンTとプレート板Pとの間に配されている。サイドプレートS1,S2は、チェーンTのリンクプレートT1,T2よりも高く形成されるとともに、サイドプレートS1,S2の中央には段差部が形成され、この段差部を利用して、サイドプレートS1とサイドプレートS2が重ね合わされている。ここで、重ね合わせ部Sは、チェーンコンベヤの搬送方向における先に位置する任意の一のサイドプレートS1がプレート板P側(内側)に配され、その次のサイドプレートS2がチェーンT側(外側)に配されている。重ね合わせ部Sの隙間にチップ粉が入り込んでしまう事態を防止するためである。なお、重ね合わせられている中心にその片側に上記ピンTpの突出した先端を通し隙間が生じないようにするピン穴Sbが形成されている。さらに、サイドプレートS1,S2の下方側には、チェーンの連結用の鍔部Teが嵌合される嵌合溝8aが形成されている。この嵌合溝8aは、サイドプレートS1,S2の下端から切り欠いて形成され、狭い幅の切り欠き8bと、これよりも広い幅の上記嵌合溝8aがほぼT字状に形成されている。このような狭い幅の切り欠き8bと広い幅の嵌合溝8aにより、プレート板Pを交換したり取り付けたりするときに、サイドプレートS1,S2を斜めにしても嵌合溝8aに嵌合させ得る工夫がなされている。このような構成のサイドプレートS1,S2は、従来のようなL字状の鍔部を有していないために、その加工が容易である。また、サイドプレートS1,S2の嵌合溝8aと切り欠き8bは、このサイドプレートS1,S2をプレス打ち抜き等で成形するときに同時に成形可能である。
【0037】
本実施の形態のチェーンコンベヤを組み立てる場合は、図1に示すように、一対のリンクプレートT1,T2間にローラTrが介在されたチェ−ン(ローラチェーン)Tの組み立てとともに、チェ−ンTとサイドプレートS1,S2とを連結させる。すなわち、チェ−ンTとサイドプレートS1,S2との連結は、チェーンTの連結用の鍔部TeをサイドプレートS1,S2の嵌合溝8aに嵌合させるだけであるので、従来のようにボルト止めする必要はない。なお、上記切り欠き8bにチェーンTの鍔部Teの下方に突出した螺合部Tbの位置が通過するようになる。プレート板Pを交換したり取り付けるときには、サイドプレートS1,S2を斜めにしたりすることがあるが、上記広い幅の嵌合溝8aのほかに狭い幅の切り欠き8bも形成されていることにより、下方側から斜めにして嵌合溝8aに嵌合させることも可能である。
【0038】
サイドプレートS1,S2とチェーンTを連結させた後は、その上方からプレート板Pを順次ボルト止めする。すなわち、チェーンTの鍔部Teにプレート板Pの左右側を重ね合わせて互いのボルト止め用の穴Ba,Taに連結ボルトBを通して連結させる。そして、連結ボルトBによる各プレート板Pの互いの連結の際、搬送方向の先に位置する任意の一のプレート板P1の凸部Pbが、その次のプレート板P2の凹部Paの中に納められる。
【0039】
このように組み立てられたチェーンコンベヤは、駆動軸11aと従動軸11bの間に掛け渡される(図7)。駆動軸11aと従動軸11bには、スプロケット5が配されており、このスプロケットに無端状のチェーンTが掛け渡されて、例えば、図8に示すような、旋盤や金属加工用工作機械等により切削されたチップを搬送するチップ搬送コンベヤ1となる。
【0040】
上記チェーンコンベヤ1を使用して、実際に旋盤や金属加工用工作機械等により切削された切り屑(チップ)を上向き傾斜方向に搬送されていくと(図8)、クーラント液が混ざった状態の切り屑がプレート板Pの載置面Peに載置されて搬送されて行くが、クーラント液は突起部21によって弾かれ(金属チップも弾かれる。)、流入口22a付近に集められて通過孔22を通過する。したがって、プレート板P上にクーラント液が残留し難く、クーラント液の混合率の低い状態にて切り屑を回収することができるとともに、クーラント液の荷重による駆動軸11aへの負担も大幅に軽減される。残留するクーラント液によるべたつきも軽減され、切り屑の回収も容易となる。通過孔22は流入口22aよりも流出口22bが広く形成されているため、たとえ通過孔22にチップが流入したとしても途中で引っかかることなく通過し、通過孔22の目詰まりによるクーラント液の残留が防止される。つまり、小さな金属チップのみが通過孔22を通過するが、過孔22は流入口22aよりも流出口22bが広く形成されているため、目詰まりは生じるようなことはない。
そして、液体を弾いた突起部21は表面のべたつきも少なく、突起部21により搬送物とプレート板Pとの接触面積が小さくなることも相俟って、搬送物の付着防止効果が高く、搬送物の回収も容易である。クーラント液の通過を優先して大きな通過孔に網目を設ける構成とする必要もなく、搬送物を捕捉可能な程度の大きさの通過孔22を形成した構成としており、旋盤から排出されるような大きな切り屑によっても破損する事態が生じない。
【0041】
また、傾斜領域Raではプレート板Pが傾斜するため、プレート板Pの下向き傾斜方向(すなわち、液体の流れ方向D)にクーラント液が流れるが、流れてきたクーラント液は、通過孔22の流入口22aの前方に形成されるスペース23により流れの勢いを増して流入口22aに到達する。流入口22aは流れ方向Dに対向するように形成されているため、クーラント液はその流れの勢いのまま流入口22aに流入し、通過孔22を通過する。本実施の形態では、突起部21が千鳥配置されてスペース23が広く確保されており、流れの勢いが更に増すため非常に効果的である。
【0042】
さらに、凸部Pbの平坦部Pc付近には他の通過孔7が形成されているため、通過孔22を通過しなかったクーラント液は凸部Pbに達して他の通過孔7を通過する。他の通過孔7は、流れ方向Dに対向するように凸部Pbに形成されているので、クーラント液が流入し易く、この他の通過孔7によっても液体が残留し難くなっている。
【0043】
また、従来、網目を設けることなく通過孔にて搬送物を捕捉する場合、実効を得るためには通過孔の直径を約10mm程度の大きさとする必要があり、捕捉されずに通過孔を通過してしまう搬送物が少なくなかった。本実施の形態では、上記のようにクーラント液が残留し難くいことから、通過孔を従来よりも小さく形成することができ、より小さな搬送物までも漏れなく捕捉することが可能となっている。
また、通過孔22の流出口22bと流入口22aとで向きが異なり、従来のように流入口22aは載置面Peに垂直に設けられていないことから、垂直方向に落下するような切り屑はどんな小さな切り屑でも通過させることはない。しかも、そのような垂直方向に落下するような切り屑は、クーラント液がなくなると(通過孔22を通過したり、プレート板Pの斜め上方に傾斜した傾斜領域Raの上方ではクーラント液がなくなる位置になる)、複数の曲面形状等の突起部21の作用により、離脱させ易い状態で搬送して、下記の折り返し回転(コーナー回転)の回転方向に合わせるように切り屑を落下させることとなる。
【0044】
なお、このチェーンコンベヤは、駆動軸11aや従動軸11bの位置でコーナー回転するとき(図7中の符号Dの矢印参照)、そのコーナー回転に従って、先行する前のプレート板P1の凸部Pbがその回転方向に回転する。チェーンTのピンTpの位置と上記凹部Paの中心と凸部Pbの折り曲げ部の回転する中心が一致する上記中心出し構造となっているために、凸部Pbは凹部Paの中心位置で正確に回転する。プレート板P1の凸部Pbが回転すると、凸部Pbの先端が次の(コーナー回転の位置に至っていない)プレート板P2の凹部Paの中においてその開口Pdに向かうように回転することとなる。したがって、凹部Paの中に金属チップやクーラント液が侵入したとしても、これを凸部Pbが円弧状の凹部Paの内周に沿うようにして掻き出すこととなる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図9(a)は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板Pを示す斜視図であり、図9(b)はB−B´の一部を拡大した拡大断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。このプレート板Pは、主に搬送路Rが平坦であり液体に流れ方向のないチェーンコンベヤに好適である。プレート板Pには、半球形状の突起部21が形成されており、通過孔22は平面状の領域に形成されている。通過孔22はテーパー状(円錐状)に形成され、流出口22bは流入口22aよりも広くなっている。
【0046】
このプレート板Pを用いたチェーンコンベヤにクーラント液が混合した切り屑が載置されると、クーラント液は突起部21に弾かれて流入口22aに集められ、通過孔22を通過する。通過孔22はテーパー状に形成されて流入口22aが最も狭くなっているため、チップが流入しても目詰まりすることがない。プレート板Pに小孔を形成して通過孔22としているため強度も高く、高強度の構造にて液体の残留を防止することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図10は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P3を示す斜視図であり、図11(a)はプレート板P3の上面図であり、(b)はE−E´の断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。プレート板P3の載置面Peには、水平方向の断面が円形であり、垂直方向の断面が略台形である突起部31が縦横複数列で形成されており、各突起部31には通過孔32が形成されている。通過孔32は、プレート板P3に対して垂直に形成されている。これにより、垂直方向から流入する液体を効率良く通過させることができる。また、通過孔32の形状は、断面がテーパー状(略円錐形状)であり、流出口32bは流入口32aよりも広くなっているため、チップによる目詰まりも生じにくい。プレート板P3の背面側からプレス加工により突起部31と流入口32aを形成するだけで、背面側の凹部が流出口42bとなるテーパー状の通過孔32を形成することも可能であり、製造が非常に容易である。
【0048】
(第4の実施の形態)
図12は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P4を示す斜視図であり、図13(a)はプレート板P4の上面図、(b)はF−F´の断面図である。プレート板P4の載置面Peには、略半球形状の突起部41が縦横複数列で形成されており、各突起部41には通過孔42が形成されている。通過孔42は、流入口42aを複数備える。例えば、本実施の形態では、流体の流れ方向(図12中の矢印D)において前方側の流入口42a1と後方側の流入口42a2の二つの流入口を備え、突起部41の内部にて合流して一つの流出口42bに通じている。複数の流入口42a1,42a2から流体が流入するため、流体を効率よく通過孔42に流入させることができる。特に、液体が滞留し易い側、例えば後方側にも流入口42a2を設けることにより、前方の流入口42a1に流入せずに後方に流れた液体を、流入口42a2から流入させることができる。この場合、後方の流入口42a2からの流入を補助するために、搬送路Rにおいて、プレート板Pの傾斜方向を一時的に逆転させても良い。
【0049】
(第5の実施の形態)
図14は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P5を示す斜視図であり、図15はプレートP5の上面図、(b)はG−G´の断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。プレート板Pの載置面Peの略半球形状の突起部51には、流体の流れ方向Dにおいて前方の流入口52a1、後方の流入口52a2,及び、突起部頂点の流入口52a3が設けられている。これにより、様々な方向から流れてくる流体が各流入口52a1〜52a3から効率よく流入する。
【0050】
流入口52aの形成位置や形状や数はこれに限られず、例えば、略半球形状の突起51の左右に設けても良い。これにより、前方の流入口から流入せずに左右に流れた液体を左右の流入口から流入させることができる。また、通過孔は前方及び左右にのみ設けても良い。これによれば、流入口から流入した液体は、プレート板の傾斜方向や液体の流れ方向に沿って後方に向かうが、後方には流入口が設けられていないため、流入した液体が後方の流入口から逆流する恐れがない。また、図16(a)(b)に示すように、突起部51を四角錐や立方体などの多面体として、各面に流入口52a,,,52aを設け、流入口の数を増やすとともに開口の向きも多方向とし、様々な方向から流れてくる液体を流入しやすくしても良い。
【0051】
(第6の実施の形態)
図17は、本実施の形態のチェーンコンベヤの突起部を説明する説明図である。プレート板Pには、異なる高さの突起部611,612が組み合わせて設けられている。なお、突起部や通過孔の形状は上記第3の実施の形態とほぼ同様である。これにより、仮に、高さの高い突起部611の上にチップが載置されて流入口621aが塞がれても、高さの低い突起部612の流入口622aから液体が流入する。なお、突起部の形状はこれに限られるものではなく、例えば第5の実施の形態の突起部51の高さを異なるものとしても良い。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、各プレート間の連結部に凹部Paと凸部Pbが形成されたプレート板Pを例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば、ヒンジ構造により連結されているものや、その他、いかなる構造により連結されているものにも適用可能である。また、上記各実施の形態では、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑(チップ)にクーラント液が混合した場合を例に説明したが、搬送物や液体はこれに限られるものではなく、本発明は固体の搬送物に液体が混在する場合に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態のチェーンコンベヤを示す分解斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態のプレート板を示す斜視図であり、(a)は一枚のプレート板の斜視図であり、(b)はプレート板を連結させた状態の斜視図である。
【図3】(a)は上記第1の実施の形態の正面図であり、(b)はその背面図であり、(c)はそのA−A´断面図である。
【図4】(a)は上記第1の実施の形態の突起部と通過孔の拡大正面図であり、(b)は拡大平面図である。
【図5】突起部と通過孔の他の例を示す斜視図である。
【図6】上記第1の実施の形態のチェーンとサイドプレートを示す平面図である。
【図7】上記第1の実施の形態のコーナー部での回転状態を説明する側面図である。
【図8】金属チップやスクラップ搬送用のチェーンコンベヤを示す斜視図である。
【図9】(a)は本発明の第2の実施の形態のプレート板を示す斜視図であり、(b)はB−B´の一部を拡大した拡大断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図11】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はE−E´の断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図13】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はF−F´の断面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図15】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はG−G´の断面図である。
【図16】上記第5の実施の形態の他の例を説明する説明図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態のチェーンコンベヤの突起部を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 チェーンコンベヤ(チップ搬送コンベヤ)、
21,31,41,51,611,612 突起部、
22,32 通過孔、
22a,32a,42a,52a,621a,622a 通過孔の流入口、
22b,32b,42b,52b 通過孔の流出口、
23 通過孔の前方のスペース、
P,P1,P2,P3,P4,P5 プレート板、
Pe プレート板の載置面、
Pf プレート板の背面、
T チェーン、
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送物を搬送する複数のプレート板と、プレート板の左右に取り付けられるサイドプレートと、このサイドプレートを介して上記プレート板を取り付ける左右の無端状のチェーンとを備えたチェーンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑(金属チップ)等の搬送物を搬送して回収するに際してはチェーンコンベヤが用いられている。このチェーンコンベヤは、チップ搬送コンベヤとも呼ばれ、左右の無端状のチェーン間に複数のプレート板が連続的に取り付けられ、駆動軸と従動軸の間に掛け渡されて搬送路を形成するものであり、プレート板上に載置された搬送物(切り屑、金属チップ等)を搬送する。
【0003】
このようなチェーンコンベヤにより搬送される搬送物は、例えば旋盤やフライス盤等の工作機械からクーラント液とともに排出される切り屑のように、液体(クーラント液)が混在する場合が少なくない。しかし、この液体がプレート板上に滞留すると、液体が混在した状態のままで搬送物が回収されたり、液体の荷重で駆動軸に負荷がかかるといった問題が生じる。そこで、本願出願人は、搬送物はプレート板上に残したままで液体を排出するチェーンコンベヤを既に特許出願している(下記特許文献1参照)。このチェーンコンベヤは、プレート板に液体を通過させる通過孔が形成されており、液体をこの通過孔から通過させることで、搬送物は残したままで液体のみを排出可能としている。通過孔には、多数の細孔として形成されて通過孔が搬送物を捕捉するもの(下記特許文献1の図14、図15参照)と、大きな孔として形成されて網目が設けられ、網目にて搬送物を捕捉するもの(下記特許文献1の図11、図12、図13参照)とがある。なお、例えば旋盤やフライス盤等の工作機械からクーラント液とともに排出される切り屑(金属チップ)が液体(クーラント液)と分離されないと、クーラント液の再利用ができないこととなるが、一般的には回転ドラムのような濾過装置により濾過(分離)する。しかし、このような回転ドラム式の濾過装置では、装置が大型化する割には効率的な分離は行われず、他方、切り屑が混ざったクーラント液がプレート板上に滞留すると、液体が混在した状態のままで切り屑が回収されたり、液体の荷重で駆動軸に負荷がかかったり、切り屑やクーラント液がプレート板にこびり付いてなかなか洗浄もできない等の問題が生じる。
【特許文献1】特開2007−197222号公報
【0004】
また、本願出願人は、上記特許文献1にて、プレート板に微細な突起を多数設けたチェーンコンベヤ(特許文献1の図16参照)を開示している。プレート板にはクーラント液が付着し易いが、この微細な突起により付着し難くなり、洗浄が容易に行える等の効果が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1には、プレート板として、(1)通過孔を多数の細孔としたもの、(2)大きな通過孔に網目を設けたもの、(3)多数の突起を有するものが開示されているが、各々に以下のような問題が生じていた。
【0006】
通過孔を多数の細孔としたプレート板(特許文献1の図14参照)場合、プレート板上に液体が残留するという問題が生じていた。その原因は以下の通りである。
【0007】
第一に、プレート板の表面には通過孔が形成されていない領域(通過孔と通過孔の間の領域)があり、そこに液体が残留する事態が生じていた。特に、クーラント液等の油性の液体や粘性を有する液体はプレート板表面に付着し易く、液体が残留する大きな原因となっていた。
【0008】
第二に、切り屑等の搬送物は大きさが様々であり、搬送物が通過孔に流入することがある。このため、上記従来技術では通過孔の途中で搬送物が引っかかって目詰まりを引き起こし、液体の通過が阻害される事態が生じていた。
【0009】
第三に、上記特許文献1の図10に示されるように、チェーンコンベヤは搬送路が傾斜する傾斜領域を有する場合が少なくない。この場合、プレート板も傾斜することになり、液体は傾斜に沿ってプレート板の表面を流れることとなる。しかしながら、上記多数の細孔として形成された通過孔は流入口が上方に向いていることから(通過孔は載置面をその板厚方向を貫通し、貫通する方向で同じ大きさに形成されていることから)、プレート板表面を流れてきた液体は、その流れの勢いで流入口に流入することなく流入口上を越えてしまうことがあった(液体の表面張力により通過孔を通過しないことがあった。)。このため、特に傾斜領域では液体の通過効率が低下する事態が生じていた。
【0010】
このようにプレート板上に液体が残留すると、上記搬送物のみを回収する観点からも、液体の荷重による駆動軸への負荷を軽減する観点からも好ましくなく、更に、プレート板上がべたついて搬送物がプレート板上に付着した状態となり、プレート板上から搬送物が回収し難くなるといった事態も生じていた。
【0011】
さらに、このプレート板は通過孔により搬送物を捕捉するが、上記のように液体が残留し易いため、実効を得るためには通過孔をある程度大きく形成しなければならず、捕捉されずに通過孔を通過してしまう搬送物も少なくなかった。
【0012】
一方、液体の残留を少なくするためには、網目を設けた通過孔が形成されたプレート板(特許文献1の図11参照)が好ましいが、この場合、網目の強度不足が問題となっていた。搬送物には様々なものがあり、その重さや形状によっては網目が破損する事態が生じる。特に、旋盤から排出される切り屑は大きさが大きいため、その荷重により網目が破れるケースも少なくなく、深刻な問題となっていた。このため、高強度の構造にて液体の残留を少なくする技術が強く望まれていた。
【0013】
また、微細な突起が形成されたプレート板(特許文献1の図16参照)は通過孔が形成されておらず、プレート板上の液体は滞留したままで排出されないという問題を有している。
【0014】
そこで本発明の目的は、クーラント液等の液体はプレート板を通過させるが、金属チップ等の搬送物は小さなものでも通過させず、しかもそれをメッシュ構造を採用せずに高強度の構造にて実現することが可能なチェーンコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のチェーンコンベヤは、搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口よりもプレート板の背面側の流出口の方が広いことを特徴とする。また、搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口とプレート板の背面側の流出口とが設けられ、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、プレート板には複数の突起部と液体を通過させる複数の通過孔が形成されていることから、プレート板上に液体が混在した搬送物が載置されると、搬送物は通過孔により捕捉されるが、液体は突起部に弾かれて通過孔の流入口付近に集められ、通過孔を通過する。これにより、プレート板上に液体が残留し難くなる。金属チップ(切り屑)が液体(クーラント液)に含まれている場合は、上記通過孔が金属チップ(切り屑)を捕捉するが、液体(クーラント液)を除去した状態では、上記突起部により金属チップ(切り屑)が弾かれるように載置面から離脱する。
また、通過孔は流入口よりも流出口が広いことから、搬送物が通過孔に流入しても、通過孔の途中で詰まることなく排出される。また、従来の突起部以外の平坦な載置面に単に形成された通過孔とは異なり、載置面側の流入口が上記複数の各突起部を利用して形成されていることから、液体の表面張力が働き難く、このため金属チップ等の搬送物は通過させずに、クーラント液等の液体は通過させることとなる。
したがって、通過孔の目詰まりによりプレート板上に液体が残留する事態も防止される。搬送物は通過孔により捕捉され、通過孔に網目を設ける必要もなく、液体の残留防止を高強度の構造にて実現することができる。また、液体が残留し難いため、通過孔を小さく形成することができ、従来よりも小さな搬送物を捕捉することが可能となる。
【0017】
前記通過孔の載置面側の流入口は、前記載置面上における液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成されるとともに、この載置面側の流入口の前方には流体が流れ込むための所定のスペースが設けられていることを特徴とする。この発明によれば、プレート板の載置面上を流れる液体は、流入口の前方の所定スペースにより流れの勢いが増し、その状態にて流れ方向と対向するように突起に形成された通過孔の流入口に到達するため、通過孔を通過し易くなる。これにより、更に液体が残留し難くなる。
【0018】
ここで、通過孔は、前記プレート板に対して垂直に設けられていることが好ましい。この発明によれば、プレート板に対して垂直方向から流入する液体を効率良く通過させることができる。また、プレート板に対して垂直方向にプレスすることにより、突起部と通過孔とを同時に形成できる。更には、この通過孔は流出口が流入口よりも広いテーパー状であることが好ましい。この発明によれば、チップによる目詰まりを防止でき、且つ、プレス加工により背面側からプレート板をプレスして突起部と流出口を形成するだけで、背面側の凹部が流出口となるテーパー状の通過孔を形成することも可能であり、製造も非常に容易である。
【0019】
流入口は各突起に複数設けられていることが好ましい。この発明によれば、各突起部には複数の流入口が設けられるが、突起部の形状を利用して、これらの流入口を異なる方向に向けて開口させることができるため、様々な方向から流れてくる液体を各流入口から効率良く流入させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のチェーンコンベヤによれば、プレート板には複数の突起部と液体を通過させる複数の通過孔が形成されていることから、液体は突起部に弾かれ、通過孔の流入口付近に集められて通過孔を通過するため、プレート板上に液体が残留し難くなる。また、通過孔は流入口よりも流出口が広いことから通過孔の目詰まりが生じず、目詰まりを原因とする液体の残留も防止される。したがって、液体の混合率が低い状態にて搬送物を回収することができ、液体の荷重による駆動軸への負担も大幅に軽減される。残留する液体によるプレート板表面のべたつきも防止でき、搬送物の回収も容易となる。特に、液体を弾いた突起部は表面のべたつきも少なく、突起部により搬送物のプレート板との接触面積が小さくなることも相俟って、搬送物の付着防止の効果が非常に高く発揮される。搬送物は通過孔により捕捉され、通過孔に網目を設ける必要もないため、液体の残留防止を高強度の構造にて実現することが可能となる。また、上記のようにクーラント液が残留し難いことから、通過孔を従来よりも小さく形成することができ、より小さな搬送物までも漏れなく捕捉することが可能となる。
【0021】
また、通過孔をプレート板に対して垂直に設けることで、プレート板に対して垂直方向に流れる液体を効率良く通過させることができ、液体の残留を防止できる。また、プレート板を厚み方向にプレス加工することにより、突起部と通過孔を同時に形成できるため、製造が容易である。また、各突起に複数の流入口を設けることにより、様々な方向から流れてくる液体を効率よく流入させることができ、液体の残留を更に防止することができる。
【0022】
また、過孔の載置面側の流入口を液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成し、この載置面側の流入口の前方に流体が流れ込むための所定のスペースを設けることで、液体はこのスペースにて流れの勢いを増し、その状態にて流れと対向するよう形成された流入口に到達するため、通過孔を通過し易くなる。これにより、構造を高強度に維持しつつも、更に液体が残留し難くなり、切り屑等の搬送物の捕捉も小さなものでも捕捉することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に述べる。
【0024】
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、図1乃至図8に示すように、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑をクーラント液とともに排出するチップ搬送コンベヤに本発明のチェーンコンベヤを適用したもので、搬送物を搬送する複数のプレート板Pと、プレート板Pの左右に取り付けられるサイドプレートS1,S1と、このサイドプレートS1,S1を介して上記プレート板Pを取り付ける左右一対のチェーンT,Tとを備えている。この種コンベヤは、左右にチェーンが配されることからチェーンコンベヤや、切り屑を搬送することからチップ搬送コンベヤと呼ばれている。
【0025】
チェーンTは、一対のリンクプレートT1,T2間にローラTrが介在されたローラチェーンと呼ばれる市販のもので、一対のリンクプレートT1,T2(符号T1は外側のリンクプレートを示し、符号T2は内側、つまりプレート板P側のリンクプレートT2を示す。)のうちの内側のリンクプレートT2には連結用の鍔部Teがプレート板P側に断面L字状に突出して設けられている。連結用の鍔部Teは、プレート板Pの左右両端側と重ね合わせて連結ボルトBにより連結される。すなわち、連結用の鍔部Teには、ボルト止め用の穴Taと裏面側の螺合部Tbが設けられ、このボルト止め用の穴Taをプレート板Pの左右側に形成されたボルト止め用の穴Baと重ね合わせて、これらに連結ボルトBを通して連結される。一対のリンクプレートT1,T2間には、円滑なチェーンTの運動とスプロケット5の保護のためにローラTr(更にはブシュ)が介在され、一対のリンクプレートT1,T2とローラTrとはピンTpにより連結されている。このような構成のチェーンTは、無端状(エンドレス)に連結され、スプロケット5に掛けられる(図7)。これにより、図8に示されるように、プレート板Pが複数連結した搬送路Rが形成される。
【0026】
搬送路Rは、少なくとも一部において搬送路に沿って傾斜する傾斜領域Raを有する。この傾斜領域Raにおいて、プレート板Pは搬送路Rに沿って傾斜している。そして、プレート板Pは図8において露出している上面を載置面Peとし、載置面Peに切り屑が載置され、斜め上方に向かう上向き傾斜方向、又は、斜め下方に向かう下向き傾斜方向に切り屑が搬送される。
【0027】
プレート板Pは、鉄製又は鋼鉄製の板材であり、複数の突起部21と、液体を通過させる複数の通過孔22が設けられている。図3(a)はプレート板Pの正面図であり、図3(b)は背面図であり、図3(c)はA−A´の拡大断面図である。図4(a)は突起部21と通過孔22の拡大正面図であり、図4(b)はその拡大平面図である。
【0028】
突起部21は、クーラント液やこれに混ざる金属チップ(切り屑)を弾くようにするためのもので、本実施の形態では載置面Peに形成されているが、載置面Peとは反対側のプレート板Pの背面側にも形成されていても良い。また、本実施の形態の突起部21は、半球形状を一部切り欠いた形状であり、曲面21aと垂直面21bとから構成されている。大きさは搬送物によって適宜決定すれば良く、本実施の形態では、高さ(図4(b)の符号a1)3mm、幅(図4(b)の符号a2)9mm、奥行き(図4(a)の符号a3)6mmである。搬送路Rの傾斜領域Raにおいては(図8)、プレート板Pが搬送路Rに沿って傾斜するため、液体は載置面Pe上を流れ方向D(図2及び図10の符号Dの矢印の方向)に向かって流れるが、垂直面21bは流れ方向Dと対向する面となるように形成されている。この突起部21は、本実施の形態では、搬送路Rの幅方向に二列に千鳥配置で形成されているが、一列でも複数列でも良く、これに限られるものではない。なお、突起部21は、クーラント液や金属チップを弾くようにするためには、できるだけ小さな大きさのものが好ましい。
【0029】
通過孔22は、突起部21の内部が中空となるように形成され、流入口22aがプレート板Pの載置面Peの側に、流出口22bが背面Pfの側に設けられている。流出口22bは流入口22aよりも広く、流入口22aが通過孔22の中で最も狭くなっている。本実施の形態では、流入口22a及び流出口22bともに直線と円弧から成る略半円形状であり、流入口22aは幅(図4(a)の符号b1)5mm、高さ(図4(b)の符号b2)1mmであり、流出口22bは幅(図4(a)の符号b1)5mm、奥行き(図4(a)の符号b3)4mmであるが、これに限られるものではない。
通過孔22は、上記曲面形状等の突起部21を利用して形成されるもので、従来の背面Pfまで板厚方向に貫通するものとは異なり、角度が形成されるように形成されている。プレート板Pの板厚方向に貫通では、クーラント液の流れが起こるような装置構造ではないが(クーラント液の表面張力が最も働くのがプレート板の板厚方向)、上記突起部21を利用することで、所定方向に通過孔22の方向を向けることができ、クーラント液の流れを利用してクーラント液を通過させ易くなる。
【0030】
本実施の形態では、通過孔22の流入口22aは液体の流れ方向Dと対向するように形成されており、具体的には突起部21の垂直面21bに設けられている。したがって、上方からプレート板Pに付着する金属チップが流入口22aに入り込むようなことはなく、突起部21によりはじかれる。つまり、突起部21の垂直面21bに設けられる流入口22aには、非常に小さな金属チップしか入り込むことはない。
また、流入口22aの前方には流体が流れ込むためのスペース23が形成されている。スペース23は平面状であり、突起部21を千鳥配置することで液体の流れ方向Dに広く確保されている。
【0031】
突起部21と通過孔22は他の形状でも良く、多面形状や円錐形状や多角錐形状や、その他の形状でも良い。例えば、突起部21を立方体形状(図5(a))や、多角推形状(図5(b))や、半楕円球形状(図5(c))や、半円錐形状(図5(d))とし、その内部を中空にして通過孔22を形成しても良い。
【0032】
突起部21と通過孔22は射出成形により形成しても良いが、プレス加工により形成することが好ましい。まず、型抜きした鉄製又は鋼鉄製の板材に通過孔22用の切り込みを形成し、その後に、プレス加工により突起部21を形成する。プレス加工により突起部21が形成されると同時に、切り込みが開口されて流入口22aが形成されるとともに背面Pfの側が凹状となって流出口22cが形成され、プレス加工による型抜き突起部21と通過孔22を同時に形成することができる。また、通過孔22用の切り込みと突起部21の大きさを調整するだけで、流入口22aが最も狭い通過孔22を形成することができる。ただし、突起部21を形成してから通過孔22を形成することも可能である。
【0033】
このプレート板Pは、プレート板Pの連結方向の一方端部が断面が円弧状(半円形に近い円弧状)の凹部Paが形成され、連結方向の他方端部が垂直に折り曲げられた凸部Pbが形成され、これら凹部Paと凸部Pbの間が平坦部Pcとされている。
【0034】
断面が円弧状の凹部Paは、正半円の一部をなすように形成され、その先端(一方端部)は、搬送方向(図1中の矢印方向)の先に位置するプレート板P(P1)の平坦部Pcとの間で開口(隙間)Pdが形成されている(図2)。この開口Pdにより、円弧状の凹部Paは、約120度の円弧形状に形成されている。他方側端部を垂直の凸部として折り曲げ形成される折り曲げ箇所は、チェーンTのピンTpの位置に位置合わせされ(図7)、この位置が円弧形状の凹部Paの中心になっている。上記折り曲げ箇所と円弧形状の凹部Paの中心が平坦部Pcの延長線上にすることも可能である。また、凸部Pbの先端は、凹部Paの内面に接触しないことがコーナー部での回転状態を得る上で好ましい。また、クーラント液を所定量流しながらチェーンコンベヤを回転させる場合において、クーラント液の流れを確保するためには、凸部Pbの先端が凹部Paの内面に接触しないことが好ましい。ただし、チップや金属粉の確実な排出のため等には、接触(当接)するようにしても良い。なお、本実施の形態では、突起部21と通過孔22は平坦部Pcにのみ形成され、凹部Paや凸部Pbには形成されていないが、これはクーラント液は平坦部Pcに滞留し、凹部Paや凸部Pbに滞留することがないためである。
【0035】
また、凸部Pbには平坦部Pcとの角部付近に他の通過孔7が形成されている。他の通過孔7は、通過孔22の流入口22aと同様に液体の流れ方向Dに対向するように形成されており、クーラント液が通過可能となっている。他の通過孔7は、平坦部Pcと凸部Pbの境界付近に形成されていれば良いが、流れ方向Dに対向するように凸部Pbに形成することで、クーラント液が流入し易くなるため好ましい。
【0036】
サイドプレートS1,S2は、切り屑(チップ)やクーラント液が横漏れ、つまりチェーンT側に排出することを防止するもので、チェーンTとプレート板Pとの間に配されている。サイドプレートS1,S2は、チェーンTのリンクプレートT1,T2よりも高く形成されるとともに、サイドプレートS1,S2の中央には段差部が形成され、この段差部を利用して、サイドプレートS1とサイドプレートS2が重ね合わされている。ここで、重ね合わせ部Sは、チェーンコンベヤの搬送方向における先に位置する任意の一のサイドプレートS1がプレート板P側(内側)に配され、その次のサイドプレートS2がチェーンT側(外側)に配されている。重ね合わせ部Sの隙間にチップ粉が入り込んでしまう事態を防止するためである。なお、重ね合わせられている中心にその片側に上記ピンTpの突出した先端を通し隙間が生じないようにするピン穴Sbが形成されている。さらに、サイドプレートS1,S2の下方側には、チェーンの連結用の鍔部Teが嵌合される嵌合溝8aが形成されている。この嵌合溝8aは、サイドプレートS1,S2の下端から切り欠いて形成され、狭い幅の切り欠き8bと、これよりも広い幅の上記嵌合溝8aがほぼT字状に形成されている。このような狭い幅の切り欠き8bと広い幅の嵌合溝8aにより、プレート板Pを交換したり取り付けたりするときに、サイドプレートS1,S2を斜めにしても嵌合溝8aに嵌合させ得る工夫がなされている。このような構成のサイドプレートS1,S2は、従来のようなL字状の鍔部を有していないために、その加工が容易である。また、サイドプレートS1,S2の嵌合溝8aと切り欠き8bは、このサイドプレートS1,S2をプレス打ち抜き等で成形するときに同時に成形可能である。
【0037】
本実施の形態のチェーンコンベヤを組み立てる場合は、図1に示すように、一対のリンクプレートT1,T2間にローラTrが介在されたチェ−ン(ローラチェーン)Tの組み立てとともに、チェ−ンTとサイドプレートS1,S2とを連結させる。すなわち、チェ−ンTとサイドプレートS1,S2との連結は、チェーンTの連結用の鍔部TeをサイドプレートS1,S2の嵌合溝8aに嵌合させるだけであるので、従来のようにボルト止めする必要はない。なお、上記切り欠き8bにチェーンTの鍔部Teの下方に突出した螺合部Tbの位置が通過するようになる。プレート板Pを交換したり取り付けるときには、サイドプレートS1,S2を斜めにしたりすることがあるが、上記広い幅の嵌合溝8aのほかに狭い幅の切り欠き8bも形成されていることにより、下方側から斜めにして嵌合溝8aに嵌合させることも可能である。
【0038】
サイドプレートS1,S2とチェーンTを連結させた後は、その上方からプレート板Pを順次ボルト止めする。すなわち、チェーンTの鍔部Teにプレート板Pの左右側を重ね合わせて互いのボルト止め用の穴Ba,Taに連結ボルトBを通して連結させる。そして、連結ボルトBによる各プレート板Pの互いの連結の際、搬送方向の先に位置する任意の一のプレート板P1の凸部Pbが、その次のプレート板P2の凹部Paの中に納められる。
【0039】
このように組み立てられたチェーンコンベヤは、駆動軸11aと従動軸11bの間に掛け渡される(図7)。駆動軸11aと従動軸11bには、スプロケット5が配されており、このスプロケットに無端状のチェーンTが掛け渡されて、例えば、図8に示すような、旋盤や金属加工用工作機械等により切削されたチップを搬送するチップ搬送コンベヤ1となる。
【0040】
上記チェーンコンベヤ1を使用して、実際に旋盤や金属加工用工作機械等により切削された切り屑(チップ)を上向き傾斜方向に搬送されていくと(図8)、クーラント液が混ざった状態の切り屑がプレート板Pの載置面Peに載置されて搬送されて行くが、クーラント液は突起部21によって弾かれ(金属チップも弾かれる。)、流入口22a付近に集められて通過孔22を通過する。したがって、プレート板P上にクーラント液が残留し難く、クーラント液の混合率の低い状態にて切り屑を回収することができるとともに、クーラント液の荷重による駆動軸11aへの負担も大幅に軽減される。残留するクーラント液によるべたつきも軽減され、切り屑の回収も容易となる。通過孔22は流入口22aよりも流出口22bが広く形成されているため、たとえ通過孔22にチップが流入したとしても途中で引っかかることなく通過し、通過孔22の目詰まりによるクーラント液の残留が防止される。つまり、小さな金属チップのみが通過孔22を通過するが、過孔22は流入口22aよりも流出口22bが広く形成されているため、目詰まりは生じるようなことはない。
そして、液体を弾いた突起部21は表面のべたつきも少なく、突起部21により搬送物とプレート板Pとの接触面積が小さくなることも相俟って、搬送物の付着防止効果が高く、搬送物の回収も容易である。クーラント液の通過を優先して大きな通過孔に網目を設ける構成とする必要もなく、搬送物を捕捉可能な程度の大きさの通過孔22を形成した構成としており、旋盤から排出されるような大きな切り屑によっても破損する事態が生じない。
【0041】
また、傾斜領域Raではプレート板Pが傾斜するため、プレート板Pの下向き傾斜方向(すなわち、液体の流れ方向D)にクーラント液が流れるが、流れてきたクーラント液は、通過孔22の流入口22aの前方に形成されるスペース23により流れの勢いを増して流入口22aに到達する。流入口22aは流れ方向Dに対向するように形成されているため、クーラント液はその流れの勢いのまま流入口22aに流入し、通過孔22を通過する。本実施の形態では、突起部21が千鳥配置されてスペース23が広く確保されており、流れの勢いが更に増すため非常に効果的である。
【0042】
さらに、凸部Pbの平坦部Pc付近には他の通過孔7が形成されているため、通過孔22を通過しなかったクーラント液は凸部Pbに達して他の通過孔7を通過する。他の通過孔7は、流れ方向Dに対向するように凸部Pbに形成されているので、クーラント液が流入し易く、この他の通過孔7によっても液体が残留し難くなっている。
【0043】
また、従来、網目を設けることなく通過孔にて搬送物を捕捉する場合、実効を得るためには通過孔の直径を約10mm程度の大きさとする必要があり、捕捉されずに通過孔を通過してしまう搬送物が少なくなかった。本実施の形態では、上記のようにクーラント液が残留し難くいことから、通過孔を従来よりも小さく形成することができ、より小さな搬送物までも漏れなく捕捉することが可能となっている。
また、通過孔22の流出口22bと流入口22aとで向きが異なり、従来のように流入口22aは載置面Peに垂直に設けられていないことから、垂直方向に落下するような切り屑はどんな小さな切り屑でも通過させることはない。しかも、そのような垂直方向に落下するような切り屑は、クーラント液がなくなると(通過孔22を通過したり、プレート板Pの斜め上方に傾斜した傾斜領域Raの上方ではクーラント液がなくなる位置になる)、複数の曲面形状等の突起部21の作用により、離脱させ易い状態で搬送して、下記の折り返し回転(コーナー回転)の回転方向に合わせるように切り屑を落下させることとなる。
【0044】
なお、このチェーンコンベヤは、駆動軸11aや従動軸11bの位置でコーナー回転するとき(図7中の符号Dの矢印参照)、そのコーナー回転に従って、先行する前のプレート板P1の凸部Pbがその回転方向に回転する。チェーンTのピンTpの位置と上記凹部Paの中心と凸部Pbの折り曲げ部の回転する中心が一致する上記中心出し構造となっているために、凸部Pbは凹部Paの中心位置で正確に回転する。プレート板P1の凸部Pbが回転すると、凸部Pbの先端が次の(コーナー回転の位置に至っていない)プレート板P2の凹部Paの中においてその開口Pdに向かうように回転することとなる。したがって、凹部Paの中に金属チップやクーラント液が侵入したとしても、これを凸部Pbが円弧状の凹部Paの内周に沿うようにして掻き出すこととなる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図9(a)は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板Pを示す斜視図であり、図9(b)はB−B´の一部を拡大した拡大断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。このプレート板Pは、主に搬送路Rが平坦であり液体に流れ方向のないチェーンコンベヤに好適である。プレート板Pには、半球形状の突起部21が形成されており、通過孔22は平面状の領域に形成されている。通過孔22はテーパー状(円錐状)に形成され、流出口22bは流入口22aよりも広くなっている。
【0046】
このプレート板Pを用いたチェーンコンベヤにクーラント液が混合した切り屑が載置されると、クーラント液は突起部21に弾かれて流入口22aに集められ、通過孔22を通過する。通過孔22はテーパー状に形成されて流入口22aが最も狭くなっているため、チップが流入しても目詰まりすることがない。プレート板Pに小孔を形成して通過孔22としているため強度も高く、高強度の構造にて液体の残留を防止することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図10は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P3を示す斜視図であり、図11(a)はプレート板P3の上面図であり、(b)はE−E´の断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。プレート板P3の載置面Peには、水平方向の断面が円形であり、垂直方向の断面が略台形である突起部31が縦横複数列で形成されており、各突起部31には通過孔32が形成されている。通過孔32は、プレート板P3に対して垂直に形成されている。これにより、垂直方向から流入する液体を効率良く通過させることができる。また、通過孔32の形状は、断面がテーパー状(略円錐形状)であり、流出口32bは流入口32aよりも広くなっているため、チップによる目詰まりも生じにくい。プレート板P3の背面側からプレス加工により突起部31と流入口32aを形成するだけで、背面側の凹部が流出口42bとなるテーパー状の通過孔32を形成することも可能であり、製造が非常に容易である。
【0048】
(第4の実施の形態)
図12は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P4を示す斜視図であり、図13(a)はプレート板P4の上面図、(b)はF−F´の断面図である。プレート板P4の載置面Peには、略半球形状の突起部41が縦横複数列で形成されており、各突起部41には通過孔42が形成されている。通過孔42は、流入口42aを複数備える。例えば、本実施の形態では、流体の流れ方向(図12中の矢印D)において前方側の流入口42a1と後方側の流入口42a2の二つの流入口を備え、突起部41の内部にて合流して一つの流出口42bに通じている。複数の流入口42a1,42a2から流体が流入するため、流体を効率よく通過孔42に流入させることができる。特に、液体が滞留し易い側、例えば後方側にも流入口42a2を設けることにより、前方の流入口42a1に流入せずに後方に流れた液体を、流入口42a2から流入させることができる。この場合、後方の流入口42a2からの流入を補助するために、搬送路Rにおいて、プレート板Pの傾斜方向を一時的に逆転させても良い。
【0049】
(第5の実施の形態)
図14は、本実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板P5を示す斜視図であり、図15はプレートP5の上面図、(b)はG−G´の断面図である。なお、上記実施の形態と同一の部分は説明を省略する。プレート板Pの載置面Peの略半球形状の突起部51には、流体の流れ方向Dにおいて前方の流入口52a1、後方の流入口52a2,及び、突起部頂点の流入口52a3が設けられている。これにより、様々な方向から流れてくる流体が各流入口52a1〜52a3から効率よく流入する。
【0050】
流入口52aの形成位置や形状や数はこれに限られず、例えば、略半球形状の突起51の左右に設けても良い。これにより、前方の流入口から流入せずに左右に流れた液体を左右の流入口から流入させることができる。また、通過孔は前方及び左右にのみ設けても良い。これによれば、流入口から流入した液体は、プレート板の傾斜方向や液体の流れ方向に沿って後方に向かうが、後方には流入口が設けられていないため、流入した液体が後方の流入口から逆流する恐れがない。また、図16(a)(b)に示すように、突起部51を四角錐や立方体などの多面体として、各面に流入口52a,,,52aを設け、流入口の数を増やすとともに開口の向きも多方向とし、様々な方向から流れてくる液体を流入しやすくしても良い。
【0051】
(第6の実施の形態)
図17は、本実施の形態のチェーンコンベヤの突起部を説明する説明図である。プレート板Pには、異なる高さの突起部611,612が組み合わせて設けられている。なお、突起部や通過孔の形状は上記第3の実施の形態とほぼ同様である。これにより、仮に、高さの高い突起部611の上にチップが載置されて流入口621aが塞がれても、高さの低い突起部612の流入口622aから液体が流入する。なお、突起部の形状はこれに限られるものではなく、例えば第5の実施の形態の突起部51の高さを異なるものとしても良い。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、各プレート間の連結部に凹部Paと凸部Pbが形成されたプレート板Pを例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば、ヒンジ構造により連結されているものや、その他、いかなる構造により連結されているものにも適用可能である。また、上記各実施の形態では、旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑(チップ)にクーラント液が混合した場合を例に説明したが、搬送物や液体はこれに限られるものではなく、本発明は固体の搬送物に液体が混在する場合に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態のチェーンコンベヤを示す分解斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態のプレート板を示す斜視図であり、(a)は一枚のプレート板の斜視図であり、(b)はプレート板を連結させた状態の斜視図である。
【図3】(a)は上記第1の実施の形態の正面図であり、(b)はその背面図であり、(c)はそのA−A´断面図である。
【図4】(a)は上記第1の実施の形態の突起部と通過孔の拡大正面図であり、(b)は拡大平面図である。
【図5】突起部と通過孔の他の例を示す斜視図である。
【図6】上記第1の実施の形態のチェーンとサイドプレートを示す平面図である。
【図7】上記第1の実施の形態のコーナー部での回転状態を説明する側面図である。
【図8】金属チップやスクラップ搬送用のチェーンコンベヤを示す斜視図である。
【図9】(a)は本発明の第2の実施の形態のプレート板を示す斜視図であり、(b)はB−B´の一部を拡大した拡大断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図11】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はE−E´の断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図13】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はF−F´の断面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態のチェーンコンベヤのプレート板を示す斜視図である。
【図15】(a)は上記実施の形態のプレート板の上面図であり、(b)はG−G´の断面図である。
【図16】上記第5の実施の形態の他の例を説明する説明図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態のチェーンコンベヤの突起部を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 チェーンコンベヤ(チップ搬送コンベヤ)、
21,31,41,51,611,612 突起部、
22,32 通過孔、
22a,32a,42a,52a,621a,622a 通過孔の流入口、
22b,32b,42b,52b 通過孔の流出口、
23 通過孔の前方のスペース、
P,P1,P2,P3,P4,P5 プレート板、
Pe プレート板の載置面、
Pf プレート板の背面、
T チェーン、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、
前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口よりもプレート板の背面側の流出口の方が広いことを特徴とするチェーンコンベヤ。
【請求項2】
搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、
前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口とプレート板の背面側の流出口とが設けられ、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部に形成されていることを特徴とするチェーンコンベヤ。
【請求項3】
前記通過孔の載置面側の流入口は、前記載置面上における液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成されるとともに、この載置面側の流入口の前方には流体が流れ込むための所定のスペースが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のチェーンコンベヤ。
【請求項1】
搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、
前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口よりもプレート板の背面側の流出口の方が広いことを特徴とするチェーンコンベヤ。
【請求項2】
搬送物が載置される載置面を有する複数のプレート板と、当該プレート板が取り付けられるチェーンとを備えたチェーンコンベヤにおいて、
前記プレート板に、複数の突起部と、液体を通過させる複数の通過孔が設けられ、前記通過孔はプレート板の載置面側の流入口とプレート板の背面側の流出口とが設けられ、載置面側の流入口は、上記複数の各突起部に形成されていることを特徴とするチェーンコンベヤ。
【請求項3】
前記通過孔の載置面側の流入口は、前記載置面上における液体の流れ方向と対向するように前記突起部に形成されるとともに、この載置面側の流入口の前方には流体が流れ込むための所定のスペースが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のチェーンコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−298592(P2009−298592A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281302(P2008−281302)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(591234488)株式会社ヨシダ鉄工 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(591234488)株式会社ヨシダ鉄工 (13)
【Fターム(参考)】
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