チケット発行システム、ゲームサーバ装置およびチケット発行方法
【課題】特定アイテムを獲得した者に対し、現実世界において何らかの経済的価値を与える。
【解決手段】識別情報または当該識別情報に基づいてチケットを発行するチケット発行システムに用いられ、アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する携帯端末20とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置10であって、予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成し(S11)、特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成した識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する(S14)。
【解決手段】識別情報または当該識別情報に基づいてチケットを発行するチケット発行システムに用いられ、アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する携帯端末20とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置10であって、予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成し(S11)、特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成した識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する(S14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的なウェブサイトやSNS(Social Networking Service)サイト上で提供されるゲームシステム等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用して携帯端末でウェブページを表示させながら進行させるゲームが普及している。このようなゲームは、携帯端末でゲームプログラムが実行されるのではなく、携帯端末の入力操作に応じてゲームサーバ装置がウェブページを生成し、このウェブページが携帯端末に表示される(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」、株式会社イースト・プレス、平成23年4月1日、p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲームの実行過程において、なんらかの出来事が発生しても、それはあくまでもゲームなかの出来事の一つに過ぎない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ゲームで仮想的なアイテムを獲得したプレイヤに対し、現実世界において何らかの価値を与えて、新たなゲーム感覚を体感することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明が採用する手段を説明する。なお、本発明の理解を容易にするために、以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係るゲームサーバ装置は、識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応してチケットを発行するチケット発行システム(1)に用いられ、アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する端末(20)とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置(10)であって、予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成する第1識別情報生成部(110、S11)と、前記特定アイテムを獲得した利用者の端末に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成された識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する識別情報送信部(S14)と、を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明では、ある利用者が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が当該利用者の端末に返信される。チケット発行システムでは、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。したがって、本発明によれば、ゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。
なお、特定アイテムは、単数であっても、複数であっても良い。特定アイテムが複数である場合には、シード値が特定アイテム毎に与えられる。識別情報としては、単に数字やアルファベットなどからなる配列であっても良いし、これらの配列をエンコードしたものでも良い。
また、ここでいうチケットとは、商品との引換券や、クーポン券、サービス券などのようになんらかの経済的価値を有するものを言う。発行には、紙媒体等に印刷する形態のほか、ICカードや携帯端末などへの記憶させる形態も含まれる。
【0008】
本発明において、前記第1識別情報生成部は、与えられたシード値に対し一意な識別情報を順次生成する擬似乱数生成器(110)である構成としても良い。この構成により、特定アイテムに与えられたシード値にしたがった複数の識別情報を一意に生成することができる。さらに、前記擬似乱数生成器は、前記識別情報を設定された発行数生成する態様が好ましい。この態様によれば、設定された発行数を上限として識別情報が生成されるので、チケットの発行に制限を加えることができる。
【0009】
また、本発明に係るチケット発行システムは、上記ゲームサーバ装置(10)と、店舗装置(30)と、を含むチケット発行システム(1)であって、前記店舗装置(30)は、前記第1識別情報生成部(110)と同じアルゴリズムで、識別情報を生成する第2識別情報生成部(410)と、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報であるか否かを判別する判別部(S43)と、前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部(50)とを備える。
このチケット発行システムにおいて、ある利用者の端末が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が返信されるとともに、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。このため、チケット発行システムにおいても、同様にゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。また、このチケット発行システムにおいて、オフライン状態であること前提なので、ゲームサーバ装置および店舗装置における独立性が保たれる。
【0010】
このチケット発行システムにおいて、前記第1識別情報生成部および前記第2識別情報生成部には、前記特定アイテムに対して互いに同一のシード値が設定される。
また、このチケット発行システムにおいて、前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する構成が好ましい。この構成によれば、同じ識別情報でチケットが二重に発行されることを防止することができる。
【0011】
一方、本発明に係る他のチケット発行システムは、上記ゲームサーバ装置(10)と、前記ゲームサーバ装置(10)とネットワークを介して接続された店舗装置(30)と、を含むチケット発行システム(1)であって、前記店舗装置(30)は、前記端末側から提示された識別情報が、前記第1識別情報生成部(110)によって生成されるとともに前記ゲームサーバ装置(10)と共有される識別情報であるか否かを判別する判別部(S43)と、前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部(50)と、を備えることを特徴とする。
このチケット発行システムにおいて、ある端末が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が返信されるとともに、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。このため、チケット発行システムにおいても、同様にゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。また、このチケット発行システムにおいては、ネットワークに接続されて、識別情報が共有される状態が前提であるので、店舗装置側においては識別情報を生成するための構成が不要となる。
【0012】
また、このチケット発行システムにおいて、前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が共有された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する構成が好ましい。この構成によれば、同じ識別情報でチケットが二重に発行されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るチケット発行システムのブロック図である。
【図2】ゲームサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】センターサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】通信端末に識別情報が付与されるまでのシーケンスを示す図である。
【図5】ゲームサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【図6】特定アイテムの獲得の例を示す図である。
【図7】識別情報が付与された通信端末での表示例を示す図である。
【図8】チケットが発行されるまでのシーケンスを示す図である。
【図9】センターサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【図10】発行されるチケットの一例を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るチケット発行システムのブロック図である。
【図12】チケットが発行されるまでのシーケンスを示す図である。
【図13】ゲームサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るチケット発行システム1の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、チケット発行システム1は、ゲームサーバ装置10と、携帯端末20−1、20−2、20−3、…と、店舗装置30とを備える。このうち、携帯端末20−1、20−2、20−3、…、は、ウェブブラウザ(ソフトウエア)がインストールされたパーソナルコンピュータや携帯電話機などであり、移動通信網などのネットワークを介してゲームサーバ装置10に接続される。
なお、ゲームサーバ装置10に接続される携帯端末の台数は、実際には1または複数である。また、以降においては便宜上、携帯端末については、ハイフン以下を省略して符号20として説明することにする。
【0015】
ゲームサーバ装置10は、本実施形態では、携帯端末20の操作等に応じたゲーム画面のウェブページを生成して、携帯端末に送信する機能を有するものである。この機能によれば、ゲームサーバ装置10に接続された携帯端末20を利用者が操作したとき、当該操作に応じたゲーム画面が当該携帯端末20に表示される。このとき、携帯端末20は、操作等に応じた情報をゲームサーバ装置10に送信するとともに、ゲームサーバ装置10からウェブページを受信して表示する、という処理によって利用者にゲームを提供する。
本実施形態では、利用者に後述する特定アイテムを獲得したときに識別情報が付与される。この付与のため、ゲームサーバ装置10は、擬似乱数生成器110とデータベース111とを有する。擬似乱数生成器110は、例えば、第1の関数と第2の関数とを呼び出し可能とするものである。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数に基づいた擬似乱数列を所定のアルゴリズムにしたがって決定する関数である。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数(擬似乱数値)を取得する関数である。
擬似乱数生成器110は、管理者によって与えられたシード値(初期値)を引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該シード値を初期値とした発行数分の擬似乱数を順次生成する。データベース111は、本実施形態では特に、生成された擬似乱数に基づく識別情報を管理する。このほかにもデータベース111は、ログインするための利用者固有の識別コードを管理したり、各携帯端末におけるゲームの進行状況を管理したりする。なお、同一の利用者が2台以上の携帯端末20について時間を異にしてゲームサーバ装置10にログインすることもあるので、ゲームの進行等については、利用者の識別コード毎に管理される。
【0016】
店舗装置30は、センターサーバ装置40と、チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、とを備える。チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、は、例えばコンビニエンスストアなどの店舗に設置された、いわゆるマルチメディア端末であり、入力部を兼ねる表示画面へのタッチ操作や、非接触式での情報授受などによって、チケットの発行等をする。チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、は、センターサーバ装置40とは、社内専用回線または公衆回線のネットワークを介してそれぞれ接続される。
なお、以降においては便宜上、チケット発行部50については、ハイフン以下を省略して符号50として説明することにする。
【0017】
センターサーバ装置40は、擬似乱数生成器410とデータベース411とを有する。このうち、擬似乱数生成器410は、ゲームサーバ装置10に備えられる擬似乱数生成器110と同じアルゴリズムにしたがって擬似乱数を生成するものである。データベース411は、擬似乱数生成器410で生成された擬似乱数に基づく識別情報や、各チケット発行部でのチケット発行状態などを管理する。
【0018】
図2は、ゲームサーバ装置10の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、ゲームサーバ装置10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)102と、ブートプログラムなどを記憶したROM(Read Only Memory)103と、各種のプログラムやデータを記憶するハードディスク104と、キーボードやマウスなどを含む入力部105と、ネットワークを介して各携帯端末20と通信するための通信インターフェース106と、を備える。
【0019】
ハードディスク104には、CPU101が擬似乱数生成器110として機能する際に呼び出される第1の関数や第2の関数のほか、上記データベース111が格納されている。
なお、ゲームサーバ装置10については、複数のサーバで構成しても良い。例えば、携帯端末とのゲームを管理・実行するサーバと、後述する識別情報の付与等を管理するサーバとに分けて構成しても良い。
【0020】
図3は、店舗装置30におけるセンターサーバ装置40の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、センターサーバ装置40は、ゲームサーバ装置10と同様に、CPU401と、RAM402と、ROM403と、ハードディスク404と、入力部405と、通信インターフェース406とを備える。ハードディスク404には、CPU401が擬似乱数生成器410として機能する際に呼び出される2つの関数のほか、上記データベース411が格納されている。なお、擬似乱数生成器410として機能する際に呼び出される2つの関数は、CPU101が擬似乱数生成器110として機能する際に呼び出される第1の関数と第2の関数と同じものである。また、通信インターフェース406は、ネットワークを介して各チケット発行部50と通信するためのものである。
【0021】
次に、チケット発行システム1の動作について説明する。
図4は、チケット発行システム1において、ゲームサーバ装置10による識別情報の生成から、携帯端末20の利用者に識別情報が付与されるまでの動作シーケンスを示す図である。
まず、チケット発行するための識別情報を付与するための前提として、擬似乱数生成器110に対し、特定アイテムに対応したシード値および発行数が設定される。
【0022】
ここで、アイテムとは、携帯端末20で提供されるゲームにおいて、当該携帯端末20の利用者(プレイヤ)によって操作されるキャラクタ等が何らかの手段・方法で入手した道具や、使用することで何らかの効果が得られる道具の全般をいう。また、本説明において、特定アイテムとは、このような複数のアイテムのうち一部のもの、または、同一種類または異なる種類のアイテム同士の合成により得られるものの一部または全部であって、ゲームという枠を超えて何らかの経済的価値をもたらし得るもの、という意味で用いている。特定アイテムは、単数であっても、複数であっても良い。特定アイテムが複数である場合には、シード値が特定アイテム毎に与えられる。
また、特定アイテムは、時期を限って、例えば夏休み期間だけ発生する場合もある。
【0023】
本実施形態において、擬似乱数生成器110は、設定されたシード値にしたがった擬似乱数を、設定された発行数だけ順次生成する(S11)。ゲームサーバ装置10は、生成した擬似乱数を識別情報としてデータベース111に登録する(S12)。なお、特定アイテムが複数である場合には、特定アイテム毎にS11、S12が実行される。
【0024】
特定アイテムに対応した識別情報をデータベース111に登録した状態において、ゲームサーバ装置10は、ログインしている利用者のいずれかが、特定アイテムを獲得したか否かを判別する(S13)。いずれの利用者も特定アイテムを獲得していなければ、ゲームサーバ装置10は、ゲームに関する処理以外、特別な処理を実行しない。
【0025】
一方、いずれかの利用者が特定アイテムを獲得したと判別したとき、ゲームサーバ装置10は、データベース111を参照して、登録した識別情報のうち利用者に未だ付与していない識別情報をサーチする。そして、ゲームサーバ装置10は、サーチした識別情報を当該特定アイテムに関連付けたウェブ画面を作成し、当該特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20に送信する(S14)。この後、ゲームサーバ装置10は、当該識別情報が送信済であることを記録するために、データベース111を更新する(S15)。
一方、特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20は、当該特定アイテムの識別情報を含むウェブ画面をゲームサーバ装置10から受領する(S21)。
【0026】
ここまでの動作について、より具体的に説明する。
図5は、データベース111の一例を示す図である。この例では、特定アイテムが例えば「チョコエクレア」であって、発行数が「50」に設定された場合の識別情報を示している。本実施形態において識別情報は、数字とアルファベットとの10文字で構成され、発行数に応じた「1」から「50」までの番号(No.)の各々に一意にそれぞれ順次生成されている。
識別情報の各々には、その識別情報がすでに利用者に付与済みであるか、または、未付与であるかを示すフラグが付加されて、テーブル化されている。なお、このフラグのデフォルトは未付与であることを示す値である。このため、図5に示した例は、「1」から「50」までの番号の各々にそれぞれ割り当てられた識別情報のうち「1」から「24」までの番号の識別情報が、すでに付与済みであることを示している。
なお、特定アイテムが複数である場合には、図5に示されるようなテーブルが、特定アイテム毎にデータベース111に作成される。この場合でも、識別情報は一意である。
【0027】
図6は、2つの異なる種類のアイテムを合成することよって特定アイテムが発生する場合の例を示す図である。この図において、利用者は、すでに「チョコクリーム」というアイテムと「小麦」というアイテムとを獲得している状態にある。この状態において、2つのアイテムを合成する指示がなされると、その指示がゲームサーバ装置10に送信される。ゲームサーバ装置10は、「チョコクリーム」のアイテムと「小麦」のアイテムとから「チョコエクレア」という新たなアイテムを合成して、当該利用者の携帯端末20に送信するとともに、合成の元となった「チョコクリーム」のアイテムと「小麦」のアイテムとを当該利用者から削除する。
これにより、当該利用者は、「チョコエクレア」という新たなアイテムを獲得する一方で、合成の元となったアイテムを失うことになる。なお、合成の元となったアイテムを削除することなく、いずれか一方を、または双方を条件次第で残すようにしても良い。
【0028】
ここで、合成したアイテムが特定アイテムであるとき、ゲームサーバ装置10は、データベース111を参照して、特定アイテムの「チョコエクレア」に対応するテーブルにおいて、例えばフラグが未付与である識別情報のうち、最も若い番号に対応するものをサーチする。図5に示した例では、番号が「1」から「24」までの識別情報は、すでに付与済である。このため、ゲームサーバ装置10は、番号が「25」である識別情報「M43TQ56GXY」をサーチする。この後、ゲームサーバ装置10は、サーチした識別情報「M43TQ56GXY」を「チョコエクレア」に関連付けるウェブ画面を作成して、「チョコエクレア」を獲得した利用者の携帯端末20に送信する。
この後、ゲームサーバ装置10は、図5に示されるように、番号が「25」のフラグを未付与から付与済に変更する。これにより、当該番号「25」に対応する識別情報が送信済である旨が記録される。
【0029】
図7は、特定アイテムの「チョコエクレア」を獲得した利用者の携帯端末20に対して、ゲームサーバ装置10から送信されたウェブ画面の例を示す図である。この図に示されるように、識別情報「M43TQ56GXY」やメッセージが「チョコエクレア」に関連付けられて示されている。このため、当該携帯端末20の利用者は、すなわち2つのアイテムを合成した利用者は、次に何をすべきかを知ることになる。
【0030】
なお、特定アイテムである「チョコエクレア」を別の利用者が獲得したとき、次番号の「26」の識別情報(図示省略)に「チョコエクレア」に関連付けたウェブ画面が作成されて、当該別の利用者の携帯端末に送信されることになる。したがって、同じ識別情報が、異なる二人以上の利用者に送信されることはない。
また、ある利用者が特定アイテムの「チョコエクレア」を新たに獲得した場合に、データベース111の「チョコエクレア」に対応するテーブルおいて識別情報のフラグがすべて付与済であることを示しているとき、それは、発行予定数の「50」個に相当する識別情報が他の利用者にすでに送信された状態であることを意味している。このため、ゲームサーバ装置10は、その旨のコメントを、「チョコエクレア」を新たに獲得した利用者の携帯端末に送信する。
【0031】
もっともアイテムの獲得や合成についてのみいえば、ゲームにおける通常の行為であると言える。本実施形態のように、特定アイテムの獲得がなんらかの経済的価値をもたらすであろうという点については、特定アイテムに関連付けられたウェブ画面(図7参照)が表示されたときになって初めて利用者が知る、ということもあり得る。逆にいえば、特定アイテムを獲得したとしても、図7に示されるようなウェブ画面が表示されなければ、外見上、通常のゲームとなんら変わりはない。
このため、ある利用者が特定アイテムを獲得した場合に、特定アイテムに対応する識別情報がすでに発行数分送信されている状態であっても、ゲームサーバ装置10は、当該利用者の携帯端末に対してなんら情報を送信しなくても良い場合がある。
【0032】
図8は、チケット発行システム1において、チケットが発行されるまでの動作のシーケンスを示す図である。
まず、センターサーバ装置40における擬似乱数生成器410に対して、擬似乱数生成器110に設定されたものと同じシード値および発行数が設定される。擬似乱数生成器410は、設定されたシード値にしたがった擬似乱数を、設定された発行数だけ生成する(S41)。ゲームサーバ装置10は、生成した擬似乱数を識別情報としてデータベース411に格納する(S42)。なお、特定アイテムが複数である場合には、特定アイテム毎に、S41、S42が実行される。
【0033】
図9は、データベース411の一例を示す図である。
擬似乱数生成器410は、擬似乱数生成器110と同じアルゴリズムであり、本実施形態にあっては、特定アイテムに対して同一のシード値および同一の発行数が設定される。このため、図9において、例えば特定アイテムである「チョコエクレア」に対して発行数に応じた番号(No.)と生成される識別番号との関係は、図5に示したデータベース111と同一になる。
また、このデータベース111において、識別情報の各々には、その識別情報に対応したチケットが発行済みであるか、または、未発行であるかを示すフラグが付加されて、テーブル化されている。このフラグのデフォルトは未発行であることを示す値である。
なお、チケットの発行は、次に説明するように、特定アイテムを獲得した利用者が店舗に赴いてチケット発行部50を操作したときになされる。この操作は、利用者の意志によってなされるので、図9に示した例のように、識別情報に対してチケットの発行状態を示すフラグは、時間的な順番とは一切無関係である。
【0034】
説明を再び図8に戻すと、特定アイテムの識別情報を含むウェブ画面を、ゲームサーバ装置10から受領した携帯端末20側から、いずれかの店舗に設置されたチケット発行部50に当該識別情報(ID1)が提示される(S22)。
ここでいう識別情報の提示とは、
(A)携帯端末20の利用者が、当該携帯端末20に表示された識別情報、または、その識別情報をコード化したものを、チケット発行部50のリーダー部分にかざす、
(B)携帯端末20およびチケット発行部50の間で確立される短距離(赤外線・無線)通信を介して識別情報をチケット発行部50に送信する、
(C)携帯端末20の利用者がチケット発行部50の入力部を操作して識別情報を入力する、
などのように、チケット発行部50が携帯端末20から識別情報を得るために必要十分な行為をいう。
この際、提示される識別情報には、上述した数字やアルファベットからなる10文字に、パリティなどの冗長符号を付加しても良い。
【0035】
チケット発行部50は、利用者から提示された識別情報(ID1)をセンターサーバ装置40に照会する(S51)。センターサーバ装置40は、データベース411を参照して、識別情報(ID1)に応じたチケットを発行して良いのか否かについて判別する(S43)。具体的には、次のとおりである。すなわち、センターサーバ装置40は、データベース411を参照して、第1に、照会のあった識別情報(ID1)がデータベース411に登録されているのか否かを判別し、第2に、登録されているのであれば、当該識別情報に対応したフラグがチケットの未発行であることを示しているか否かを判別する(S43)。
【0036】
ここで、第1の判別結果が否定的である場合、すなわち照会のあった識別情報(ID1)がデータベース411に登録されていない場合、その識別情報は、誤って入力されたものである可能性が高い。また、第2の判別結果が否定的である場合、それは、照会のあった識別情報(ID1)に対応するチケットがすでに発行されていることを示している。
このため、センターサーバ装置40は、第1の判別結果または第2の判別結果のいずれか一方でも否定的であれば、識別情報(ID1)の提示があったチケット発行部50に発行禁止の通知(Res1)を送信する。発行禁止の通知(Res1)を受信したチケット発行部50は、当該識別情報に対応したチケットの発行ができない旨を表示する(S52)。
【0037】
また、第1の判別結果および第2の判別結果のいずれも肯定的であれば、識別情報(ID1)の提示があったチケット発行部50に発行許可の通知(Res2)を送信する。この後、センターサーバ装置40は、当該識別情報に対応したチケットが発行済であることを記録するために、データベース411を更新する(S44)。
例えば、センターサーバ装置40は、番号が「25」である識別情報「M43TQ56GXY」に対応したチケットの発行を許可したとき、図9に示されるように番号が「25」のフラグを未発行から発行済に更新する。したがって、以後、いずれかのチケット発行部50において識別情報「M43TQ56GXY」が提示されたとしても、センターサーバ装置40は、当該識別情報に基づいたチケットの発行を許可することはない。
【0038】
一方、発行許可の通知(Res2)を受信したチケット発行部50は、当該識別情報に対応したチケットを実際に発行する(S53)。
図10は、このときに発行されるチケット510の一例を示す図である。この図に示されるように、チケット510は、例えば感熱紙などの紙媒体に印刷される。
利用者は、発行されたチケット510を、当該チケット510の指示にしたがってチケット発行部50の設置された店舗のレジに提出すれば良い。レジでは、チケット510に印刷されたバーコードの読み取りによって販売/在庫管理された上で、店員が現物の「チョコエクレア」を引き渡す。この引き渡しについては、機械によって自動で行うようにしても良い。
これにより、利用者は、ゲームで獲得した仮想的な特定アイテムから、現実世界において経済的価値を有する「チョコエクレア」を得ることになる。このため、従来とは異なる感覚でゲームを体感することができる。
【0039】
また、第1実施形態において、擬似乱数生成器110、410に対し、特定アイテムに対応したシード値と発行数とがそれぞれ設定された後にあっては、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とは互いに連携をとる必要がない。このため、ゲームサーバ装置10の事業主(管理者)とセンターサーバ装置40を含む店舗装置30の事業主とが異なる場合のように、ゲームサーバ装置10およびセンターサーバ装置40に、ある程度の独立性を確保するときに向いている、といえる。
くわえて、第1実施形態によれば、特定アイテムを獲得した利用者は、チケット発行部50が設置された店舗に赴く必要があるので、当該店舗への集客効果を期待することができる。
【0040】
なお、第1実施形態において、データベース411にあっては、識別情報をチケットの発行状態を示すフラグとともにテーブル化したが、初期段階でチケットの発行可能な識別情報のリストを作成するとともに、チケット発行を許可した識別情報については、当該リストから削除する構成としても良い。この構成によれば、正当かつチケット未発行の識別情報については当該リストに掲載され、不正またはチケット発行済の識別情報については、当該リストに未掲載になるので、上記S43に相当する判別が可能である。
【0041】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態に係るチケット発行システムの構成を示すブロック図である。この図に示した第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とがネットワークを介して互いに接続されている点にある。第2実施形態では、また、ゲームサーバ装置10におけるデータベース111がセンターサーバ装置40と共有されている。
第2実施形態におけるデータベース111は、第1実施形態における図5および図9を合わせてテーブル化したもの、詳細には図13に示されるように、生成した識別情報に付与状態を示すフラグとチケットの発行状態を示すフラグとを合わせてテーブル化したもの、である。
第2実施形態では、データベース111がセンターサーバ装置40と共有されるので、センターサーバ装置40は、擬似乱数生成器410およびデータベース411を有していない。
【0042】
第2実施形態において、ゲームサーバ装置10が識別情報を生成してから、特定アイテムを獲得した携帯端末20の利用者に識別情報が付与されるまでの動作シーケンスについては、第1実施形態と同様である。
また、第2実施形態において、チケットが発行されるまでの動作のシーケンスについても、図12に示されるように、概略的には第1実施形態と同様である。ただし、センターサーバ装置40は、データベース411を有していない。このため、図8に示したS43の判別、および、S44のデータベース更新は、それぞれ図12に示されるようにゲームサーバ装置10が実行することになる。
【0043】
なお、第2実施形態においてセンターサーバ装置40は、識別情報を管理するデータベース411を有していないので、チケット発行部50から照会された識別情報(ID1)をゲームサーバ装置10に転送し、ゲームサーバ装置10から発行禁止の通知(Res1)、または、発行許可の通知(Res2)をチケット発行部50に転送するだけの動作となる。
【0044】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に利用者はゲームで獲得した特定アイテムから経済的価値を得ることができる。特に第2実施形態によれば、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とがネットワークを介して接続される。このため、センターサーバ装置40の側に設けられていた擬似乱数生成器410と識別情報を管理するためのデータベース411とがそれぞれ不要となるので、構成が簡略化されるだけでなく、センターサーバ装置40の処理も転送動作程度に軽減することができる。
【0045】
なお、第2実施形態では、特定アイテムが利用者によって獲得される毎に、その特定アイテムに対応する識別情報をゲームサーバ装置10が逐次生成する構成としても良い。さらに、逐次生成した識別情報をリスト化して、リスト化した識別情報に対応してチケットの発行状態を管理しても良い。
【0046】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様にセンターサーバ装置40に擬似乱数生成器410を持たせ、ゲームサーバ装置10の側から当該擬似乱数生成器410に、シード値および発行数を通知し、センターサーバ装置40においてデータベース411を構築しても良い。
また、ゲームサーバ装置10で生成した特定アイテムの識別情報を、ネットワークを介してセンターサーバ装置40に転送する構成としても良い。
【0047】
<応用・変形例>
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の応用・変形が可能である。また、次に述べる応用・変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
【0048】
例えば、各実施形態においてゲームは、携帯端末20を利用者が操作したときに、その操作に応じたゲーム画面のウェブページをゲームサーバ装置10が生成し、当該携帯端末20に送信して、当該携帯端末20が表示する、というゲームブラウザ型で提供された。本発明では、このゲームブラウザ型に限られず、ゲームサーバ装置10からゲームを実行するためのプログラムをダウンロードするとともに、当該プログラムを携帯端末20が実行する、というネイティブアプリケーション型で提供されても良い。
【0049】
実施形態においては、ゲームサーバ装置10の側で生成する識別情報の数と、店舗装置30側で発行するチケットの数とを一致させていた。ただし実際問題として、特定アイテムの識別情報を得た利用者(プレイヤ)の全員が、店舗に赴きチケットを発行して、現物の商品等と引き換える、とは考えにくい。
そこで、店舗装置30の側で発行可能なチケット数を、ゲームサーバ装置10の側で生成する識別情報の数よりも少なくしても良い。
【0050】
また、実施形態においては、特定アイテムに対応する識別情報を、設定された発行数に制限していたが、この制限を撤廃し、特定アイテムを獲得した携帯端末に一意の識別情報を送信する一方で、識別情報の提示によって発行するチケットの数を一定数、例えば「100」に制限しても良い。送信する識別情報の数に対し発行するチケットの数を制限すると、特定アイテムを獲得した者の順ではなく、識別情報をチケット発行部50に提示した者の順にチケットが発行される、という新たなゲーム的要素を加えることができる。
【0051】
実施形態においては、チケットとして、現物商品と引き換えるための引換券として説明したが、例えばクーポン券や、優待券、サービス券などのように、なんらかの経済的価値を有するものであれば良い。
また、チケットの発行としては、図10に示したように紙媒体に印刷する態様のほか、ICカードや携帯端末20の内部メモリなどの電子的記録媒体に記憶させる態様としても良い。電子的記録媒体に記憶させた場合には、当該電子的記録媒体を、店舗のレジに接続されたリーダーで読み取れば良い。
【符号の説明】
【0052】
1…チケット発行システム、10…ゲームサーバ装置、20…携帯端末、30…店舗装置、40…センターサーバ装置、50…チケット発行部、101、401…CPU、110、410…擬似乱数生成器、111、411…データベース、510…チケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的なウェブサイトやSNS(Social Networking Service)サイト上で提供されるゲームシステム等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用して携帯端末でウェブページを表示させながら進行させるゲームが普及している。このようなゲームは、携帯端末でゲームプログラムが実行されるのではなく、携帯端末の入力操作に応じてゲームサーバ装置がウェブページを生成し、このウェブページが携帯端末に表示される(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」、株式会社イースト・プレス、平成23年4月1日、p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲームの実行過程において、なんらかの出来事が発生しても、それはあくまでもゲームなかの出来事の一つに過ぎない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ゲームで仮想的なアイテムを獲得したプレイヤに対し、現実世界において何らかの価値を与えて、新たなゲーム感覚を体感することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明が採用する手段を説明する。なお、本発明の理解を容易にするために、以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明に係るゲームサーバ装置は、識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応してチケットを発行するチケット発行システム(1)に用いられ、アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する端末(20)とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置(10)であって、予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成する第1識別情報生成部(110、S11)と、前記特定アイテムを獲得した利用者の端末に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成された識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する識別情報送信部(S14)と、を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明では、ある利用者が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が当該利用者の端末に返信される。チケット発行システムでは、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。したがって、本発明によれば、ゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。
なお、特定アイテムは、単数であっても、複数であっても良い。特定アイテムが複数である場合には、シード値が特定アイテム毎に与えられる。識別情報としては、単に数字やアルファベットなどからなる配列であっても良いし、これらの配列をエンコードしたものでも良い。
また、ここでいうチケットとは、商品との引換券や、クーポン券、サービス券などのようになんらかの経済的価値を有するものを言う。発行には、紙媒体等に印刷する形態のほか、ICカードや携帯端末などへの記憶させる形態も含まれる。
【0008】
本発明において、前記第1識別情報生成部は、与えられたシード値に対し一意な識別情報を順次生成する擬似乱数生成器(110)である構成としても良い。この構成により、特定アイテムに与えられたシード値にしたがった複数の識別情報を一意に生成することができる。さらに、前記擬似乱数生成器は、前記識別情報を設定された発行数生成する態様が好ましい。この態様によれば、設定された発行数を上限として識別情報が生成されるので、チケットの発行に制限を加えることができる。
【0009】
また、本発明に係るチケット発行システムは、上記ゲームサーバ装置(10)と、店舗装置(30)と、を含むチケット発行システム(1)であって、前記店舗装置(30)は、前記第1識別情報生成部(110)と同じアルゴリズムで、識別情報を生成する第2識別情報生成部(410)と、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報であるか否かを判別する判別部(S43)と、前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部(50)とを備える。
このチケット発行システムにおいて、ある利用者の端末が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が返信されるとともに、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。このため、チケット発行システムにおいても、同様にゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。また、このチケット発行システムにおいて、オフライン状態であること前提なので、ゲームサーバ装置および店舗装置における独立性が保たれる。
【0010】
このチケット発行システムにおいて、前記第1識別情報生成部および前記第2識別情報生成部には、前記特定アイテムに対して互いに同一のシード値が設定される。
また、このチケット発行システムにおいて、前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する構成が好ましい。この構成によれば、同じ識別情報でチケットが二重に発行されることを防止することができる。
【0011】
一方、本発明に係る他のチケット発行システムは、上記ゲームサーバ装置(10)と、前記ゲームサーバ装置(10)とネットワークを介して接続された店舗装置(30)と、を含むチケット発行システム(1)であって、前記店舗装置(30)は、前記端末側から提示された識別情報が、前記第1識別情報生成部(110)によって生成されるとともに前記ゲームサーバ装置(10)と共有される識別情報であるか否かを判別する判別部(S43)と、前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部(50)と、を備えることを特徴とする。
このチケット発行システムにおいて、ある端末が特定アイテムを獲得したとき、特定アイテムに与えられたシード値にしたがって生成された識別情報が返信されるとともに、返信された識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応したチケットが発行される。このため、チケット発行システムにおいても、同様にゲームで特定アイテムを獲得したときに、経済的価値を有するチケットを得ることが可能になる。また、このチケット発行システムにおいては、ネットワークに接続されて、識別情報が共有される状態が前提であるので、店舗装置側においては識別情報を生成するための構成が不要となる。
【0012】
また、このチケット発行システムにおいて、前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が共有された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する構成が好ましい。この構成によれば、同じ識別情報でチケットが二重に発行されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るチケット発行システムのブロック図である。
【図2】ゲームサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】センターサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】通信端末に識別情報が付与されるまでのシーケンスを示す図である。
【図5】ゲームサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【図6】特定アイテムの獲得の例を示す図である。
【図7】識別情報が付与された通信端末での表示例を示す図である。
【図8】チケットが発行されるまでのシーケンスを示す図である。
【図9】センターサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【図10】発行されるチケットの一例を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るチケット発行システムのブロック図である。
【図12】チケットが発行されるまでのシーケンスを示す図である。
【図13】ゲームサーバ装置におけるデータベースの内容例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るチケット発行システム1の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、チケット発行システム1は、ゲームサーバ装置10と、携帯端末20−1、20−2、20−3、…と、店舗装置30とを備える。このうち、携帯端末20−1、20−2、20−3、…、は、ウェブブラウザ(ソフトウエア)がインストールされたパーソナルコンピュータや携帯電話機などであり、移動通信網などのネットワークを介してゲームサーバ装置10に接続される。
なお、ゲームサーバ装置10に接続される携帯端末の台数は、実際には1または複数である。また、以降においては便宜上、携帯端末については、ハイフン以下を省略して符号20として説明することにする。
【0015】
ゲームサーバ装置10は、本実施形態では、携帯端末20の操作等に応じたゲーム画面のウェブページを生成して、携帯端末に送信する機能を有するものである。この機能によれば、ゲームサーバ装置10に接続された携帯端末20を利用者が操作したとき、当該操作に応じたゲーム画面が当該携帯端末20に表示される。このとき、携帯端末20は、操作等に応じた情報をゲームサーバ装置10に送信するとともに、ゲームサーバ装置10からウェブページを受信して表示する、という処理によって利用者にゲームを提供する。
本実施形態では、利用者に後述する特定アイテムを獲得したときに識別情報が付与される。この付与のため、ゲームサーバ装置10は、擬似乱数生成器110とデータベース111とを有する。擬似乱数生成器110は、例えば、第1の関数と第2の関数とを呼び出し可能とするものである。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数に基づいた擬似乱数列を所定のアルゴリズムにしたがって決定する関数である。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数(擬似乱数値)を取得する関数である。
擬似乱数生成器110は、管理者によって与えられたシード値(初期値)を引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該シード値を初期値とした発行数分の擬似乱数を順次生成する。データベース111は、本実施形態では特に、生成された擬似乱数に基づく識別情報を管理する。このほかにもデータベース111は、ログインするための利用者固有の識別コードを管理したり、各携帯端末におけるゲームの進行状況を管理したりする。なお、同一の利用者が2台以上の携帯端末20について時間を異にしてゲームサーバ装置10にログインすることもあるので、ゲームの進行等については、利用者の識別コード毎に管理される。
【0016】
店舗装置30は、センターサーバ装置40と、チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、とを備える。チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、は、例えばコンビニエンスストアなどの店舗に設置された、いわゆるマルチメディア端末であり、入力部を兼ねる表示画面へのタッチ操作や、非接触式での情報授受などによって、チケットの発行等をする。チケット発行部50−1、50−2、50−3、…、は、センターサーバ装置40とは、社内専用回線または公衆回線のネットワークを介してそれぞれ接続される。
なお、以降においては便宜上、チケット発行部50については、ハイフン以下を省略して符号50として説明することにする。
【0017】
センターサーバ装置40は、擬似乱数生成器410とデータベース411とを有する。このうち、擬似乱数生成器410は、ゲームサーバ装置10に備えられる擬似乱数生成器110と同じアルゴリズムにしたがって擬似乱数を生成するものである。データベース411は、擬似乱数生成器410で生成された擬似乱数に基づく識別情報や、各チケット発行部でのチケット発行状態などを管理する。
【0018】
図2は、ゲームサーバ装置10の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、ゲームサーバ装置10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)102と、ブートプログラムなどを記憶したROM(Read Only Memory)103と、各種のプログラムやデータを記憶するハードディスク104と、キーボードやマウスなどを含む入力部105と、ネットワークを介して各携帯端末20と通信するための通信インターフェース106と、を備える。
【0019】
ハードディスク104には、CPU101が擬似乱数生成器110として機能する際に呼び出される第1の関数や第2の関数のほか、上記データベース111が格納されている。
なお、ゲームサーバ装置10については、複数のサーバで構成しても良い。例えば、携帯端末とのゲームを管理・実行するサーバと、後述する識別情報の付与等を管理するサーバとに分けて構成しても良い。
【0020】
図3は、店舗装置30におけるセンターサーバ装置40の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、センターサーバ装置40は、ゲームサーバ装置10と同様に、CPU401と、RAM402と、ROM403と、ハードディスク404と、入力部405と、通信インターフェース406とを備える。ハードディスク404には、CPU401が擬似乱数生成器410として機能する際に呼び出される2つの関数のほか、上記データベース411が格納されている。なお、擬似乱数生成器410として機能する際に呼び出される2つの関数は、CPU101が擬似乱数生成器110として機能する際に呼び出される第1の関数と第2の関数と同じものである。また、通信インターフェース406は、ネットワークを介して各チケット発行部50と通信するためのものである。
【0021】
次に、チケット発行システム1の動作について説明する。
図4は、チケット発行システム1において、ゲームサーバ装置10による識別情報の生成から、携帯端末20の利用者に識別情報が付与されるまでの動作シーケンスを示す図である。
まず、チケット発行するための識別情報を付与するための前提として、擬似乱数生成器110に対し、特定アイテムに対応したシード値および発行数が設定される。
【0022】
ここで、アイテムとは、携帯端末20で提供されるゲームにおいて、当該携帯端末20の利用者(プレイヤ)によって操作されるキャラクタ等が何らかの手段・方法で入手した道具や、使用することで何らかの効果が得られる道具の全般をいう。また、本説明において、特定アイテムとは、このような複数のアイテムのうち一部のもの、または、同一種類または異なる種類のアイテム同士の合成により得られるものの一部または全部であって、ゲームという枠を超えて何らかの経済的価値をもたらし得るもの、という意味で用いている。特定アイテムは、単数であっても、複数であっても良い。特定アイテムが複数である場合には、シード値が特定アイテム毎に与えられる。
また、特定アイテムは、時期を限って、例えば夏休み期間だけ発生する場合もある。
【0023】
本実施形態において、擬似乱数生成器110は、設定されたシード値にしたがった擬似乱数を、設定された発行数だけ順次生成する(S11)。ゲームサーバ装置10は、生成した擬似乱数を識別情報としてデータベース111に登録する(S12)。なお、特定アイテムが複数である場合には、特定アイテム毎にS11、S12が実行される。
【0024】
特定アイテムに対応した識別情報をデータベース111に登録した状態において、ゲームサーバ装置10は、ログインしている利用者のいずれかが、特定アイテムを獲得したか否かを判別する(S13)。いずれの利用者も特定アイテムを獲得していなければ、ゲームサーバ装置10は、ゲームに関する処理以外、特別な処理を実行しない。
【0025】
一方、いずれかの利用者が特定アイテムを獲得したと判別したとき、ゲームサーバ装置10は、データベース111を参照して、登録した識別情報のうち利用者に未だ付与していない識別情報をサーチする。そして、ゲームサーバ装置10は、サーチした識別情報を当該特定アイテムに関連付けたウェブ画面を作成し、当該特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20に送信する(S14)。この後、ゲームサーバ装置10は、当該識別情報が送信済であることを記録するために、データベース111を更新する(S15)。
一方、特定アイテムを獲得した利用者の携帯端末20は、当該特定アイテムの識別情報を含むウェブ画面をゲームサーバ装置10から受領する(S21)。
【0026】
ここまでの動作について、より具体的に説明する。
図5は、データベース111の一例を示す図である。この例では、特定アイテムが例えば「チョコエクレア」であって、発行数が「50」に設定された場合の識別情報を示している。本実施形態において識別情報は、数字とアルファベットとの10文字で構成され、発行数に応じた「1」から「50」までの番号(No.)の各々に一意にそれぞれ順次生成されている。
識別情報の各々には、その識別情報がすでに利用者に付与済みであるか、または、未付与であるかを示すフラグが付加されて、テーブル化されている。なお、このフラグのデフォルトは未付与であることを示す値である。このため、図5に示した例は、「1」から「50」までの番号の各々にそれぞれ割り当てられた識別情報のうち「1」から「24」までの番号の識別情報が、すでに付与済みであることを示している。
なお、特定アイテムが複数である場合には、図5に示されるようなテーブルが、特定アイテム毎にデータベース111に作成される。この場合でも、識別情報は一意である。
【0027】
図6は、2つの異なる種類のアイテムを合成することよって特定アイテムが発生する場合の例を示す図である。この図において、利用者は、すでに「チョコクリーム」というアイテムと「小麦」というアイテムとを獲得している状態にある。この状態において、2つのアイテムを合成する指示がなされると、その指示がゲームサーバ装置10に送信される。ゲームサーバ装置10は、「チョコクリーム」のアイテムと「小麦」のアイテムとから「チョコエクレア」という新たなアイテムを合成して、当該利用者の携帯端末20に送信するとともに、合成の元となった「チョコクリーム」のアイテムと「小麦」のアイテムとを当該利用者から削除する。
これにより、当該利用者は、「チョコエクレア」という新たなアイテムを獲得する一方で、合成の元となったアイテムを失うことになる。なお、合成の元となったアイテムを削除することなく、いずれか一方を、または双方を条件次第で残すようにしても良い。
【0028】
ここで、合成したアイテムが特定アイテムであるとき、ゲームサーバ装置10は、データベース111を参照して、特定アイテムの「チョコエクレア」に対応するテーブルにおいて、例えばフラグが未付与である識別情報のうち、最も若い番号に対応するものをサーチする。図5に示した例では、番号が「1」から「24」までの識別情報は、すでに付与済である。このため、ゲームサーバ装置10は、番号が「25」である識別情報「M43TQ56GXY」をサーチする。この後、ゲームサーバ装置10は、サーチした識別情報「M43TQ56GXY」を「チョコエクレア」に関連付けるウェブ画面を作成して、「チョコエクレア」を獲得した利用者の携帯端末20に送信する。
この後、ゲームサーバ装置10は、図5に示されるように、番号が「25」のフラグを未付与から付与済に変更する。これにより、当該番号「25」に対応する識別情報が送信済である旨が記録される。
【0029】
図7は、特定アイテムの「チョコエクレア」を獲得した利用者の携帯端末20に対して、ゲームサーバ装置10から送信されたウェブ画面の例を示す図である。この図に示されるように、識別情報「M43TQ56GXY」やメッセージが「チョコエクレア」に関連付けられて示されている。このため、当該携帯端末20の利用者は、すなわち2つのアイテムを合成した利用者は、次に何をすべきかを知ることになる。
【0030】
なお、特定アイテムである「チョコエクレア」を別の利用者が獲得したとき、次番号の「26」の識別情報(図示省略)に「チョコエクレア」に関連付けたウェブ画面が作成されて、当該別の利用者の携帯端末に送信されることになる。したがって、同じ識別情報が、異なる二人以上の利用者に送信されることはない。
また、ある利用者が特定アイテムの「チョコエクレア」を新たに獲得した場合に、データベース111の「チョコエクレア」に対応するテーブルおいて識別情報のフラグがすべて付与済であることを示しているとき、それは、発行予定数の「50」個に相当する識別情報が他の利用者にすでに送信された状態であることを意味している。このため、ゲームサーバ装置10は、その旨のコメントを、「チョコエクレア」を新たに獲得した利用者の携帯端末に送信する。
【0031】
もっともアイテムの獲得や合成についてのみいえば、ゲームにおける通常の行為であると言える。本実施形態のように、特定アイテムの獲得がなんらかの経済的価値をもたらすであろうという点については、特定アイテムに関連付けられたウェブ画面(図7参照)が表示されたときになって初めて利用者が知る、ということもあり得る。逆にいえば、特定アイテムを獲得したとしても、図7に示されるようなウェブ画面が表示されなければ、外見上、通常のゲームとなんら変わりはない。
このため、ある利用者が特定アイテムを獲得した場合に、特定アイテムに対応する識別情報がすでに発行数分送信されている状態であっても、ゲームサーバ装置10は、当該利用者の携帯端末に対してなんら情報を送信しなくても良い場合がある。
【0032】
図8は、チケット発行システム1において、チケットが発行されるまでの動作のシーケンスを示す図である。
まず、センターサーバ装置40における擬似乱数生成器410に対して、擬似乱数生成器110に設定されたものと同じシード値および発行数が設定される。擬似乱数生成器410は、設定されたシード値にしたがった擬似乱数を、設定された発行数だけ生成する(S41)。ゲームサーバ装置10は、生成した擬似乱数を識別情報としてデータベース411に格納する(S42)。なお、特定アイテムが複数である場合には、特定アイテム毎に、S41、S42が実行される。
【0033】
図9は、データベース411の一例を示す図である。
擬似乱数生成器410は、擬似乱数生成器110と同じアルゴリズムであり、本実施形態にあっては、特定アイテムに対して同一のシード値および同一の発行数が設定される。このため、図9において、例えば特定アイテムである「チョコエクレア」に対して発行数に応じた番号(No.)と生成される識別番号との関係は、図5に示したデータベース111と同一になる。
また、このデータベース111において、識別情報の各々には、その識別情報に対応したチケットが発行済みであるか、または、未発行であるかを示すフラグが付加されて、テーブル化されている。このフラグのデフォルトは未発行であることを示す値である。
なお、チケットの発行は、次に説明するように、特定アイテムを獲得した利用者が店舗に赴いてチケット発行部50を操作したときになされる。この操作は、利用者の意志によってなされるので、図9に示した例のように、識別情報に対してチケットの発行状態を示すフラグは、時間的な順番とは一切無関係である。
【0034】
説明を再び図8に戻すと、特定アイテムの識別情報を含むウェブ画面を、ゲームサーバ装置10から受領した携帯端末20側から、いずれかの店舗に設置されたチケット発行部50に当該識別情報(ID1)が提示される(S22)。
ここでいう識別情報の提示とは、
(A)携帯端末20の利用者が、当該携帯端末20に表示された識別情報、または、その識別情報をコード化したものを、チケット発行部50のリーダー部分にかざす、
(B)携帯端末20およびチケット発行部50の間で確立される短距離(赤外線・無線)通信を介して識別情報をチケット発行部50に送信する、
(C)携帯端末20の利用者がチケット発行部50の入力部を操作して識別情報を入力する、
などのように、チケット発行部50が携帯端末20から識別情報を得るために必要十分な行為をいう。
この際、提示される識別情報には、上述した数字やアルファベットからなる10文字に、パリティなどの冗長符号を付加しても良い。
【0035】
チケット発行部50は、利用者から提示された識別情報(ID1)をセンターサーバ装置40に照会する(S51)。センターサーバ装置40は、データベース411を参照して、識別情報(ID1)に応じたチケットを発行して良いのか否かについて判別する(S43)。具体的には、次のとおりである。すなわち、センターサーバ装置40は、データベース411を参照して、第1に、照会のあった識別情報(ID1)がデータベース411に登録されているのか否かを判別し、第2に、登録されているのであれば、当該識別情報に対応したフラグがチケットの未発行であることを示しているか否かを判別する(S43)。
【0036】
ここで、第1の判別結果が否定的である場合、すなわち照会のあった識別情報(ID1)がデータベース411に登録されていない場合、その識別情報は、誤って入力されたものである可能性が高い。また、第2の判別結果が否定的である場合、それは、照会のあった識別情報(ID1)に対応するチケットがすでに発行されていることを示している。
このため、センターサーバ装置40は、第1の判別結果または第2の判別結果のいずれか一方でも否定的であれば、識別情報(ID1)の提示があったチケット発行部50に発行禁止の通知(Res1)を送信する。発行禁止の通知(Res1)を受信したチケット発行部50は、当該識別情報に対応したチケットの発行ができない旨を表示する(S52)。
【0037】
また、第1の判別結果および第2の判別結果のいずれも肯定的であれば、識別情報(ID1)の提示があったチケット発行部50に発行許可の通知(Res2)を送信する。この後、センターサーバ装置40は、当該識別情報に対応したチケットが発行済であることを記録するために、データベース411を更新する(S44)。
例えば、センターサーバ装置40は、番号が「25」である識別情報「M43TQ56GXY」に対応したチケットの発行を許可したとき、図9に示されるように番号が「25」のフラグを未発行から発行済に更新する。したがって、以後、いずれかのチケット発行部50において識別情報「M43TQ56GXY」が提示されたとしても、センターサーバ装置40は、当該識別情報に基づいたチケットの発行を許可することはない。
【0038】
一方、発行許可の通知(Res2)を受信したチケット発行部50は、当該識別情報に対応したチケットを実際に発行する(S53)。
図10は、このときに発行されるチケット510の一例を示す図である。この図に示されるように、チケット510は、例えば感熱紙などの紙媒体に印刷される。
利用者は、発行されたチケット510を、当該チケット510の指示にしたがってチケット発行部50の設置された店舗のレジに提出すれば良い。レジでは、チケット510に印刷されたバーコードの読み取りによって販売/在庫管理された上で、店員が現物の「チョコエクレア」を引き渡す。この引き渡しについては、機械によって自動で行うようにしても良い。
これにより、利用者は、ゲームで獲得した仮想的な特定アイテムから、現実世界において経済的価値を有する「チョコエクレア」を得ることになる。このため、従来とは異なる感覚でゲームを体感することができる。
【0039】
また、第1実施形態において、擬似乱数生成器110、410に対し、特定アイテムに対応したシード値と発行数とがそれぞれ設定された後にあっては、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とは互いに連携をとる必要がない。このため、ゲームサーバ装置10の事業主(管理者)とセンターサーバ装置40を含む店舗装置30の事業主とが異なる場合のように、ゲームサーバ装置10およびセンターサーバ装置40に、ある程度の独立性を確保するときに向いている、といえる。
くわえて、第1実施形態によれば、特定アイテムを獲得した利用者は、チケット発行部50が設置された店舗に赴く必要があるので、当該店舗への集客効果を期待することができる。
【0040】
なお、第1実施形態において、データベース411にあっては、識別情報をチケットの発行状態を示すフラグとともにテーブル化したが、初期段階でチケットの発行可能な識別情報のリストを作成するとともに、チケット発行を許可した識別情報については、当該リストから削除する構成としても良い。この構成によれば、正当かつチケット未発行の識別情報については当該リストに掲載され、不正またはチケット発行済の識別情報については、当該リストに未掲載になるので、上記S43に相当する判別が可能である。
【0041】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態に係るチケット発行システムの構成を示すブロック図である。この図に示した第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とがネットワークを介して互いに接続されている点にある。第2実施形態では、また、ゲームサーバ装置10におけるデータベース111がセンターサーバ装置40と共有されている。
第2実施形態におけるデータベース111は、第1実施形態における図5および図9を合わせてテーブル化したもの、詳細には図13に示されるように、生成した識別情報に付与状態を示すフラグとチケットの発行状態を示すフラグとを合わせてテーブル化したもの、である。
第2実施形態では、データベース111がセンターサーバ装置40と共有されるので、センターサーバ装置40は、擬似乱数生成器410およびデータベース411を有していない。
【0042】
第2実施形態において、ゲームサーバ装置10が識別情報を生成してから、特定アイテムを獲得した携帯端末20の利用者に識別情報が付与されるまでの動作シーケンスについては、第1実施形態と同様である。
また、第2実施形態において、チケットが発行されるまでの動作のシーケンスについても、図12に示されるように、概略的には第1実施形態と同様である。ただし、センターサーバ装置40は、データベース411を有していない。このため、図8に示したS43の判別、および、S44のデータベース更新は、それぞれ図12に示されるようにゲームサーバ装置10が実行することになる。
【0043】
なお、第2実施形態においてセンターサーバ装置40は、識別情報を管理するデータベース411を有していないので、チケット発行部50から照会された識別情報(ID1)をゲームサーバ装置10に転送し、ゲームサーバ装置10から発行禁止の通知(Res1)、または、発行許可の通知(Res2)をチケット発行部50に転送するだけの動作となる。
【0044】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に利用者はゲームで獲得した特定アイテムから経済的価値を得ることができる。特に第2実施形態によれば、ゲームサーバ装置10とセンターサーバ装置40とがネットワークを介して接続される。このため、センターサーバ装置40の側に設けられていた擬似乱数生成器410と識別情報を管理するためのデータベース411とがそれぞれ不要となるので、構成が簡略化されるだけでなく、センターサーバ装置40の処理も転送動作程度に軽減することができる。
【0045】
なお、第2実施形態では、特定アイテムが利用者によって獲得される毎に、その特定アイテムに対応する識別情報をゲームサーバ装置10が逐次生成する構成としても良い。さらに、逐次生成した識別情報をリスト化して、リスト化した識別情報に対応してチケットの発行状態を管理しても良い。
【0046】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様にセンターサーバ装置40に擬似乱数生成器410を持たせ、ゲームサーバ装置10の側から当該擬似乱数生成器410に、シード値および発行数を通知し、センターサーバ装置40においてデータベース411を構築しても良い。
また、ゲームサーバ装置10で生成した特定アイテムの識別情報を、ネットワークを介してセンターサーバ装置40に転送する構成としても良い。
【0047】
<応用・変形例>
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の応用・変形が可能である。また、次に述べる応用・変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
【0048】
例えば、各実施形態においてゲームは、携帯端末20を利用者が操作したときに、その操作に応じたゲーム画面のウェブページをゲームサーバ装置10が生成し、当該携帯端末20に送信して、当該携帯端末20が表示する、というゲームブラウザ型で提供された。本発明では、このゲームブラウザ型に限られず、ゲームサーバ装置10からゲームを実行するためのプログラムをダウンロードするとともに、当該プログラムを携帯端末20が実行する、というネイティブアプリケーション型で提供されても良い。
【0049】
実施形態においては、ゲームサーバ装置10の側で生成する識別情報の数と、店舗装置30側で発行するチケットの数とを一致させていた。ただし実際問題として、特定アイテムの識別情報を得た利用者(プレイヤ)の全員が、店舗に赴きチケットを発行して、現物の商品等と引き換える、とは考えにくい。
そこで、店舗装置30の側で発行可能なチケット数を、ゲームサーバ装置10の側で生成する識別情報の数よりも少なくしても良い。
【0050】
また、実施形態においては、特定アイテムに対応する識別情報を、設定された発行数に制限していたが、この制限を撤廃し、特定アイテムを獲得した携帯端末に一意の識別情報を送信する一方で、識別情報の提示によって発行するチケットの数を一定数、例えば「100」に制限しても良い。送信する識別情報の数に対し発行するチケットの数を制限すると、特定アイテムを獲得した者の順ではなく、識別情報をチケット発行部50に提示した者の順にチケットが発行される、という新たなゲーム的要素を加えることができる。
【0051】
実施形態においては、チケットとして、現物商品と引き換えるための引換券として説明したが、例えばクーポン券や、優待券、サービス券などのように、なんらかの経済的価値を有するものであれば良い。
また、チケットの発行としては、図10に示したように紙媒体に印刷する態様のほか、ICカードや携帯端末20の内部メモリなどの電子的記録媒体に記憶させる態様としても良い。電子的記録媒体に記憶させた場合には、当該電子的記録媒体を、店舗のレジに接続されたリーダーで読み取れば良い。
【符号の説明】
【0052】
1…チケット発行システム、10…ゲームサーバ装置、20…携帯端末、30…店舗装置、40…センターサーバ装置、50…チケット発行部、101、401…CPU、110、410…擬似乱数生成器、111、411…データベース、510…チケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応してチケットを発行するチケット発行システムに用いられ、
アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する端末とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置であって、
予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成する第1識別情報生成部と、
前記特定アイテムを獲得した利用者の端末に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成された識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する識別情報送信部と、
を具備することを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項2】
前記第1識別情報生成部は、与えられたシード値に対し一意な識別情報を順次生成する擬似乱数生成器である
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームサーバ装置。
【請求項3】
前記擬似乱数生成器は、
前記識別情報を設定された発行数生成する
ことを特徴とする請求項2に記載のゲームサーバ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のいずかに記載されたゲームサーバ装置と、
店舗装置と、
を含むチケット発行システムであって、
前記店舗装置は、
前記第1識別情報生成部と同じアルゴリズムで、識別情報を生成する第2識別情報生成部と、
前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部と、
を備えることを特徴とするチケット発行システム。
【請求項5】
前記第1識別情報生成部および前記第2識別情報生成部には、前記特定アイテムに対して互いに同一のシード値が設定される
ことを特徴とする請求項4に記載のチケット発行システム。
【請求項6】
前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する
ことを特徴とする請求項4または5に記載のチケット発行システム。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載されたゲームサーバ装置と、
前記ゲームサーバ装置とネットワークを介して接続された店舗装置と、
を含むチケット発行システムであって、
前記店舗装置は、
前記端末側から提示された識別情報が、前記第1識別情報生成部によって生成されるとともに前記ゲームサーバ装置と共有する識別情報であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部と、
を備えることを特徴とするチケット発行システム。
【請求項8】
前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が共有した識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する
ことを特徴とする請求項7に記載のチケット発行システム。
【請求項1】
識別情報または当該識別情報に基づいた情報に対応してチケットを発行するチケット発行システムに用いられ、
アイテムを獲得するゲームを利用者に提供する端末とネットワークを介して接続されたゲームサーバ装置であって、
予め定められた特定アイテムに与えられたシード値にしたがって識別情報を生成する第1識別情報生成部と、
前記特定アイテムを獲得した利用者の端末に対し、当該特定アイテムのシード値にしたがって生成された識別情報を、当該特定アイテムに関連付けて送信する識別情報送信部と、
を具備することを特徴とするゲームサーバ装置。
【請求項2】
前記第1識別情報生成部は、与えられたシード値に対し一意な識別情報を順次生成する擬似乱数生成器である
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームサーバ装置。
【請求項3】
前記擬似乱数生成器は、
前記識別情報を設定された発行数生成する
ことを特徴とする請求項2に記載のゲームサーバ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のいずかに記載されたゲームサーバ装置と、
店舗装置と、
を含むチケット発行システムであって、
前記店舗装置は、
前記第1識別情報生成部と同じアルゴリズムで、識別情報を生成する第2識別情報生成部と、
前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部と、
を備えることを特徴とするチケット発行システム。
【請求項5】
前記第1識別情報生成部および前記第2識別情報生成部には、前記特定アイテムに対して互いに同一のシード値が設定される
ことを特徴とする請求項4に記載のチケット発行システム。
【請求項6】
前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が前記第2識別情報生成部で生成された識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する
ことを特徴とする請求項4または5に記載のチケット発行システム。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載されたゲームサーバ装置と、
前記ゲームサーバ装置とネットワークを介して接続された店舗装置と、
を含むチケット発行システムであって、
前記店舗装置は、
前記端末側から提示された識別情報が、前記第1識別情報生成部によって生成されるとともに前記ゲームサーバ装置と共有する識別情報であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部による判別結果が肯定的であるときに、提示された識別情報に対応したチケットを発行するチケット発行部と、
を備えることを特徴とするチケット発行システム。
【請求項8】
前記判別部は、前記端末側から提示された識別情報が共有した識別情報である場合であって、当該提示された識別情報に対応したチケットが未発行であるときに、肯定的な判別結果を出力する
ことを特徴とする請求項7に記載のチケット発行システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−537(P2013−537A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138117(P2011−138117)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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