説明

チタン合金の水素化方法

【課題】特に、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であり、更に、チタン合金および同チタン合金を安価に製造しうる原料としてのチタン合金の水素化方法を提供する。
【解決手段】1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)の圧力範囲、500℃〜770℃の温度範囲にてチタン合金に水素ガスを接触させ、反応させることを特徴とするチタン合金の水素化方法。この方法においては、チタン合金に水素ガスを室温で接触させ、600℃〜770℃まで昇温し、その後、降温することが好ましく、生成された水素化チタン合金中の水素の含有率が、3.9%以上であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン合金の水素化方法およびこの方法を用いて製造した水素化物に係り、特に、チタン合金スクラップを出発原料とした水素化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金属チタンは、航空機に多く利用されてきているが、近年では、自動車や二輪車、建材やスポーツ用品等の民生用にも広く用いられている。民生用には、純チタン材が使用されてきているが、航空機に対してはチタン合金が主として使用されている。
【0003】
航空機用のチタン合金においては、溶解法で製造されたチタン合金インゴットを鍛造圧延により仕上げられた板材を加工して使用される場合や、同チタン合金インゴットに対して削り出しにより製品として仕上げて製品とされる場合がある。また、要求される製品が複雑な場合には、粉末を原料としてこれを焼結体にしてから航空機の部品として使用される場合もある。
【0004】
粉末法によるチタン合金を製造する方法として、いわゆる素粉末混合法という方法が知られている。素粉末混合法は、目的とするチタン合金を構成する金属の粉末を個別に準備してこれを均一に混合してから、成形体を製造した後、これを高温に加熱することにより、焼結体を得る方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この方法においては、個別に準備した合金素粉を均一に混合することが難しく、よって均一な組成を有する焼結チタン合金を製造することが難しいという課題が残されている。また、たとえ均一に混合できたとしても、コストが嵩み、改善の余地が残されている。
【0006】
このような点については、合金粉で構成した成形体をVAR溶解炉で溶解して均一な組成の合金を溶製する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、粉末法と溶解法の長所を併せて利用する形のものであるが、粉末冶金の特徴であるニアネットシェイプ(最終製品に近い形状を一度で付与できる加工法)の製品にはこの技術を適用できないのみならず、溶解工程が新たに含まれてくるため、コスト面での検討の余地が残されている。
【0007】
なお、6Al−4V合金の水素化処理については、水素化処理により製造された水素化チタンの粒度分布について記載されているが、具体的な水素化方法に関する記載は見当たらない(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
更には、スポンジチタンの水素化物とアルミニウム粉からなる水素含有チタン−アルミニウム合金粉も知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この技術はいわゆる前記した素粉末混合法に分類される方法であり、均一な組成の合金粉を製造し、合金組成の均一なチタン−アルミニウム合金を得るには、更なる改善が求められている。また、コストの点においても検討の余地が残されている。なお、この文献に開示されている粉末は、チタン合金が水素化されたものではなく、水素化チタンと、水素化アルミニウム合金というようにチタンと合金は別々の水素化物を構成している。
【0009】
以上述べたように、均一な組成を有したチタン合金の製造に適した水素化チタン合金粉を効率よく製造することができる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2002−077305号公報
【特許文献2】特開2005−298855号公報
【特許文献3】特開平05−247503号公報
【特許文献4】特開2000−192111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、チタン合金の水素化において、特に、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であり、更に、チタン合金および同チタン合金を安価に製造しうる原料としてのチタン合金の水素化方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題に鑑み、鋭意検討を重ねてきた結果、本発明者は、チタン合金またはチタン合金スクラップを出発原料とし、この原料をある特定の条件下で水素化させることにより、同チタン合金の製造に好適な水素化チタン合金粉を安価に製造できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明に係るチタン合金の水素化方法は、1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)の圧力範囲、500℃〜770℃の温度範囲にてチタン合金に水素ガスを接触させ、反応させることを特徴としている。
【0014】
本発明においては、1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)の雰囲気にて水素化反応を行い、反応終了後、雰囲気を3.5気圧(350kPa)以上に高めて冷却を開始することを好ましい態様としている。
【0015】
本発明においては、前記チタン合金に水素ガスを室温で接触させ、600℃〜770℃まで昇温し、その後、降温することを好ましい態様としている。
【0016】
本発明においては、前記600〜770℃までの昇温は、600〜700℃まで加熱した後、加熱を停止し、チタン合金の水素化反応熱により昇温するものであることを好ましい態様としている。
【0017】
本発明においては、前記チタン合金中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択される少なくとも1種以上であることを好ましい態様としている。
【0018】
本発明においては、前記水素化反応によって生成された水素化チタン合金中の水素の含有率が、3.9%以上であることを好ましい態様としている。
【発明の効果】
【0019】
本願発明によれば、安価なチタン合金スクラップを原料として使用することができ、これに水素ガスを接触させて反応させることにより、良好な崩壊性を有する水素化チタン合金が得られ、その結果、チタン合金水素化物を安価に製造することができるという効果を奏するものである。さらに、本発明のチタン合金水素化物によれば、組成が均一で、しかもニアネットシェイプに好適であるチタン合金を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい態様につき以下に説明する。
チタン合金製品の製造用原料となる本発明に係るチタン合金の水素化方法は、前記チタン合金を、減圧下において高温に加熱後、水素ガスを炉内に導入し、炉内の水素分圧を1気圧(100kPa)以上であって、3.5気圧(350kPa)以下の範囲で制御することを特徴とする。
【0021】
ここで、炉内の水素分圧が100kPa(1気圧)未満の場合には、炉内を冷却する際に外部より空気が侵入する恐れがあり、空気による品質汚染を生じる場合があるので、これを下限値としている。一方、炉内の水素分圧は、高い方が水素化反応速度を高めることができて好ましい。しかしながら、反応時の炉内の水素分圧が、350kPa超の場合には、水素化反応速度の改善効果は飽和し、上昇はわずかなものとなるので、この段階における上限値は350kPaとすることができる。よって、水素化反応段階においては、水素分圧を100kPa〜350kPaの範囲とする。
【0022】
よって、本願発明においては、水素化反応中の炉内圧力は、1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)を好ましい範囲とされる。
【0023】
次工程として、水素ガスを炉内に封じ込めつつ、反応炉の最大温度から室温まで炉内を冷却する。この場合には、炉内の圧力が1気圧(100kPa)以下になると、空気が侵入する恐れがあるために、炉内の最高温度時の水素分圧を3.5気圧(350kPa)以上まで高めておくことが必要である。3.5気圧以上まで炉内圧力を高めれば、冷却時に1気圧以下になることはない。これにより、この工程では、冷却開始時の水素分圧を350kPa以上としている。
【0024】
よって、本願発明においては、水素化反応中の炉内圧力は、1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)を好ましい範囲とされる。
【0025】
よって、本願発明においては、炉内の水素分圧は、反応時に100kPa以上であって、200kPaまで、また、冷却前には、350kPa以上に高めておくことを好ましい態様とするものである。
【0026】
また、チタン合金製造用原料の加熱温度は、500〜770℃の温度範囲を意味するが、本発明においては、特に、600〜700℃の範囲に加熱することが好ましい。
【0027】
以下、具体的な加熱方法を記載する。
まずは、反応炉内部にチタン合金原料を装入した後、減圧操作を開始後、ヒーターに通電して、炉内温度を500℃まで加熱後、減圧操作を停止してから炉への水素ガス分圧が1気圧以上であって3.5気圧以下の範囲になるように炉内に水素ガスを導入することが好ましい。
【0028】
炉内への水素ガスの導入開始に伴い、水素ガスとチタン合金との反応が開始する。前記水素ガスとチタン合金との反応は、発熱反応であるため、炉内温度は、次第に上昇する傾向を示すが、ヒーターの通電状態は維持したまま、600〜700℃付近まで加熱することが好ましい。
【0029】
前記温度に達した時点で、ヒーターの通電を断つと共に、炉内温度が770℃を超えないように炉内に導入する水素ガスの供給量を調整することが好ましい。前記炉内温度が770℃以上では、チタン合金の水素化物が、脱水素反応を起こすようになり、好ましくない。よって、本願発明においては前記水素化処理温度は、770℃を超えないように制御することが好ましい。
【0030】
水素ガスとチタン合金原料との水素化反応が終了すると、次第に炉内温度も低下する傾向に転じ、また、炉内圧力も減少する傾向を示す。よって室温まで冷却しても1気圧以下とならないように、炉内圧力を3.5気圧まで高めてから炉内を封じ切るように構成することが好ましい。
【0031】
本発明に係る前記のチタン合金水素化物中の水素含有率は、3.9wt%以上とすることを好ましい態様とするものである。チタン合金水素化物中の水素含有率が3.9%以上とした場合には、粉砕性が良好であり、目的とする水素化チタン粉を効率よく製造することができるという効果を奏するものである。前記のような組成の水素化物が含有されることにより、チタン合金水素化物の破砕整粒操作を効率的に進めることができるという効果を奏するものである。
【0032】
前記水素化物中の水素の含有率が3.9%未満である場合には、チタン合金製造用原料を水素化した後に行う粉砕工程においては、粉砕が困難であり、所定の大きさのチタン粉を製造するための粉砕時間が長時間に亘り、その結果、生産性の低下やコスト増を招き実用上、好ましくない。また、粉砕時間が長くなることで、粉砕中の酸素ピックアップ量も多くなり、最終的に脱水素かしたチタン合金の酸素含有量が高くなってしまい、好ましくない。
【0033】
前記のような3.9%以上の組成の水素化物が含有されることにより、原料のチタン合金に比べて脆化しているため、チタン合金水素化物を容易に所定の大きさまで粉砕することができ、破砕整粒操作を効率的に進めることができるという効果を奏するものである。
【0034】
適度な大きさに粉砕されたチタン合金水素化物は、今度は、篩別により所定の大きさに整粒しておくことが好ましい。本願発明においては、10μm〜150μmの間に整粒しておくことが好ましい。前記した粒度範囲に整粒しておくことにより、焼結時の緻密化が促進されるという効果を奏するものである。
【0035】
前記水素化チタン合金粉の粒度が、10μm未満の範囲では、脱水素化後のチタン合金粉での発火の問題が顕在化してくる。即ち、細かすぎるチタン合金粉は、安全性の点で問題があり、この点において、水素化チタン合金粉の段階でその最小粒度を10μmに調整することが望ましい。
【0036】
一方、前記水素化チタン合金粉の粒度が、150μm超の範囲では、今度は焼結の際に高密度の焼結材を得にくいという問題が生じ、品質上の新たな課題に遭遇する。
【0037】
前記した方法で製造された水素化チタン合金粉によれば、続いて、脱水素工程を行なうことにより、水素含有率の低いチタン合金粉を製造することができるという効果を奏するものである。
【0038】
本願発明に係るチタン合金の水素化物原料としては、チタン合金切粉、板材、または線材をも用いることができるが、これ以外には、チタン合金の加工工程で発生した切断片や打ち抜き時の残材等、いわゆるチタン合金スクラップも本発明のチタン合金製造用原料として好適に使用することができる。
【0039】
前記原料に使用するチタン合金には、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄の中から少なくとも1種以上の元素が含まれていることを特徴とするものである。 例えば、Ti−6Al−4V合金のみならず、Ti−10V−2Fe−3Al合金、Ti−5Al−5V−5Mo−3Cr合金等に対しても好適に適用することができる。
【0040】
前記方法で製造されたチタン粉は、HIP、CIPあるいは粉末圧延、押出等の技術により、密度の高いチタン合金製品あるいは、チタン合金素材を製造することができるが、本願発明においては、特に、前記プロセスのうち、押出あるいは粉末圧延により、緻密なチタン合金を効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
【実施例】
【0041】
以下、実施例および比較例により、本発明をより具体的かつ詳細に説明する。
[実施例1]
Ti−6Al−4V合金(以下、64合金と称する場合がある)の切削切粉を原料として、水素化用の容器に充填して水素化炉に投入した。真空排気後、加熱を開始し、真空のまま500℃まで昇温した。ここで、真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が650℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で700℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から700℃到達まで10分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで1時間かかった。炉内温度が50℃以下まで冷却後、真空排気、ベント処理で炉を開放し、水素化物を取り出した。
【0042】
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.90%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は98%、45μm以下分の製品率は70%であった。
【0043】
[実施例2]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま550℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が650℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で730℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から730℃到達まで10分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで1.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
【0044】
取り出した水素化64合金の水素含有量は4.08%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は99%、45μm以下分の製品率は80%であった。
【0045】
[温度と圧力の検討]
実施例1〜2の方法により、本願発明に係る64合金の水素化の温度と圧力に関する数値的臨界意義について調査し、その結果を表2に示した。
【0046】
本願発明の範囲にある反応温度が、520℃、650℃、および750℃であって、圧力が3.3atm、2.0atmおよび1.2atmの場合には、水素化反応率は、94%以上であり、また、および製品中の酸素含有率は、1,100ppm以下である製品としての要求特性が満足された。
【0047】
しかしながら、水素化反応温度が、本願発明の範囲外にある780℃では、水素化反応率が80%以下となり経済性の点で好ましくなかった。一方、水素化反応温度が、480℃では、水素化処理反応が緩慢であり実用的レベルになかった。
【0048】
また、水素化処理圧力が、0.8atmでは、水素化処理炉内に外気が侵入し、その結果、水素化チタン合金粉中の酸素含有率が、4,200〜4,600ppmにあり、炉内雰囲気圧力を1atm以上に保持した場合に得られた場合の酸素含有率は、1,000〜1,100ppmにあり、品質の点で優れていることが確認された。
【0049】
水素の圧力は、3.8atm以上であっても製品品質に悪影響を及ぼすことは無い。しかし、水素の圧力が水素化反応率に効果的に作用する現象は、3.3atm近傍で飽和し、これ以上高い水素圧力は、経済性の点で好ましくない。
【0050】
[比較例1]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま450℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が600℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で680℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。600℃到達から680℃到達まで15分かかり、炉内温度が650℃以下になるまで0.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
【0051】
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.70%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は92%、45μm以下粉の製品率は32%であった。
【0052】
[比較例2]
実施例1と同じ64合金の切削切粉を実施例1と同様に水素化炉に投入した。真空のまま650℃まで昇温してから真空排気を停止し、水素ガスを炉内が1.2気圧になるまで導入した。水素ガス導入後も加熱を継続し、炉内温度が750℃になった時点で、加熱ヒーターを停止した。この時、炉内の圧力が3.5気圧になるまで水素ガスを炉内に導入し続けた。炉内は水素化による反応熱で820℃まで上昇したが、その後冷却に転じた。650℃到達から820℃到達まで25分かかり、炉内温度が最高温度から650℃以下になるまで2.5時間かかった。実施例1と同様の手段で、炉内の水素化物を取り出した。
【0053】
取り出した水素化64合金の水素含有量は3.55%であった。ACM粉砕・分級装置を用い、水素化物の粉砕・分級を行ったところ、150μm以下粉の製品率は70%、45μm以下分の製品率は20%であった。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明で製造されたチタン合金水素化物は、脱水素によりチタン合金粉を製造することができるのみならず、発泡金属製造用原料としても好適に用いることができ、有望である。



























【特許請求の範囲】
【請求項1】
1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)の圧力範囲、500℃〜770℃の温度範囲にてチタン合金に水素ガスを接触させ、反応させることを特徴とするチタン合金の水素化方法。
【請求項2】
1気圧(100kPa)〜3.5気圧(350kPa)の雰囲気にて水素化反応を行い、反応終了後、雰囲気を3.5気圧(350kPa)以上に高めて冷却を開始することを特徴とする請求項1に記載のチタン合金水素化物。
【請求項3】
前記チタン合金に水素ガスを室温で接触させ、600℃〜770℃まで昇温し、その後、降温することを特徴とする請求項1または2に記載のチタン合金の水素化方法。
【請求項4】
前記600〜770℃までの昇温は、600〜700℃まで加熱した後、加熱を停止し、前記チタン合金の水素化反応熱により昇温するものであることを特徴とする請求項3に記載のチタン合金水素化物。
【請求項5】
前記チタン合金中の合金成分が、アルミニウム、シリコン、銅、マンガン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、クロム、モリブデン、スズ、ルテニウム、レニウム、または鉄のうちから選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金の水素化方法。
【請求項6】
前記水素化反応によって生成された水素化チタン合金中の水素の含有率が、3.9%以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金の水素化方法。

















【公開番号】特開2013−53333(P2013−53333A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191599(P2011−191599)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(390007227)東邦チタニウム株式会社 (191)
【Fターム(参考)】