説明

チップを接触基板に移送する方法及び装置

本発明は、移送基板(26)上に配置されるチップ(18)を接触基板(50)に移送し、チップを接触基板に接触するための方法及び装置に関する。この間、チップは移送基板の保持表面にチップの裏面(19)を介して接着され、前記保持表面は接触基板に面している。チップの裏面は、移送基板を通過するレーザーエネルギの作用を受け、押圧手段(45、46)が移送基板を介しチップの裏面上に作用し、接触基板の接触表面(58)に対向して配置されるチップのチップ接触部(59、60)を介してチップを接触表面上に配置される基板接触部(56、57)と接触させ、チップ接触部と基板接触部との間に熱結合が確立される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送基板上に置かれたチップを接触基板に移送し、そして、チップと接触基板との間に接触を確立するための方法に関し、この方法では、チップの裏面が接触基板に面する移送基板の支持表面に接着されているチップが、後ろから移送基板を通してレーザーエネルギで充填され、接触基板の接触表面に対向して配置されるチップのチップ接触部が接触表面上に配置される基板接触部に押圧手段を使用して後ろから移送基板を介して接触させられ、そして、チップ接触部と基板接触部との間に熱接合部が作り出される。本発明はさらに、直前に述べた方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上にチップを接触させることは通常、実際の接触動作の前に基板と向き合ってチップを位置決めできるようにチップの取り扱いを必要とし、これは好結果の接触を保証するのに欠くことのできないチップ接触部の基板接触部に向かい合う相対的な位置合わせを確実にするためである。個々のチップのこの取り扱いはそれに対応して、しばしば個々のチップを位置決めするための次のプロセスステップと共に、高性能な装置を必要とし、それは全接触手順を完了するためにそれに対応して永いプロセス時間を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、比較的低級な取り扱い作業で完了させることができ、より短い接触時間を可能にする、チップを基板上に接触させるための方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法及び請求項11の特徴を有する装置で解決される。
【0005】
本発明による方法においては、チップは、チップの直接的な処理によって、基板と接触するのではなく、引き続いて行なわれる接触手順の依存するチップの位置合わせが、移送基板上のチップの配列によって決定されるように、移送基板を機械的負荷及び熱負荷に曝すことによって基板と接触させられ、それで比較的小さな寸法を有するチップの直接的な取り扱いをなくすことができる。
【0006】
本発明による方法を実施するとき、移送基板が箔である場合特に有利であることが分かってきている。箔は、そのような箔に共通する非常に薄い厚さのために、そのままで、チップを所定の位置に配列するための保持体を形成し、そして、考え得る最低の機械的、熱的抵抗も示し、その結果、接触に必要なチップの供給動作を実に小さな圧力を加えることによって行うことができ、そして、チップ接触部と基板接触部との間の熱接合部を作り出すためにチップを急速に加熱することも可能になる。
【0007】
チップを移送基板の背面に接着させることによって、チップ接触部と基板接触部との間に最初の機械的接触を作り出すために供給動作が行われると同時に、そして、チップと移送基板との間の接着接合部が溶解するのと同時に、圧力及び熱をチップの背面に加えることができる。接着接合部が溶解するのと同時に、チップの間接的な熱負荷によってチップ接触部が加熱され、それが基板接触部への熱の伝達に結果としてなり、したがって、チップ接触部と基板接触部との間の機械的に耐用性のある導電性の接合部に加えて熱接合部を作り出すことが可能になる。
【0008】
チップを箔の形態を有する移送基板に接着するために、接着剤層を使用するのが特に便利であり、この場合接着材料の選択は、所望の取り外し温度、すなわちチップが箔から分離するときの温度に正確に調整することができる。
【0009】
接着剤層が箔に適用される接着性接合フィルムとして実現される場合は、チップを箔に付着させるのは特に簡単である。
【0010】
しかしながら別法として、チップを移送基板に接合させるためにチップに接着剤層を適用することも可能である。
【0011】
熱を加えることによって硬化可能であり、そして、チップ接触部と基板接触部との間の接合領域で導電性を有するように構成される接着剤層は、チップを接触基板に接合するために、すなわち接触基板上でのチップの機械的及び電気的接触の両方のために、チップと接触基板との間に適用することができる。このことは、圧力がそれらに加えられるとき導電性の接着微粒子がピーク圧力の領域に整列する、例えば異方性接着剤について当てはまる。
【0012】
別法として、チップと接触基板との間に機械的及び電気的結合をもたらすために半田付け結合部が作り出されるように、チップ接触部及び/又は基板接触部上に堆積される半田付け物質を使用することによってチップを接触基板に接合することも可能である。
【0013】
例えばチップ接触部と基板接触部との間に半田付け結合部が作り出される方法でチップと接触基板を結合させることも可能であり、この半田付け結合部は主として電気的接触を確実にするためのものであり、加熱によって硬化可能な接着剤層は他の目的のためにアンダーフィラー(underfiller)の方法でチップと接触基板との間に設けられる。
【0014】
本発明による方法の利点は、共通の箔上に配置される多数のチップが1つ又は複数の接触基板に移送され、同時にそれらと接触させられるとき、特に明白になる。このようにすると、チップと接触基板との間の多数の接触動作を熱負荷を伴う簡単な供給動作で行うことが可能になり、したがってこの方法は、チップ及び接触基板を含む構成部品の大量の組立を非常に短い時間で作り出すのを可能にする。そのような構成部品組立には、基板上に配置されるチップを含みその基板接触部がアンテナ装置の端部を形成する中継器が含まれる。
【0015】
本発明による方法の別の特に有利な変形形態は、ウェーハ複合材料からチップを分離することによって作り出されるウェーハ配列で箔上に置かれる場合可能になる。このようにするとチップは、ウェーハからのチップの分離によって作り出される、すなわちウェーハをしかるべく方形切断することによって作り出される正にその配列で移送基板に移送することができる。
【0016】
チップをウェーハ配列で移送基板に特に簡単に移送することを可能にするために、チップを分離するためにウェーハが方形切断される前に接着剤層をウェーハに適用することができ、したがって、分離されたチップをこの目的のために個々に取り扱う必要なしに、それらが方形切断された直ぐ後で全体としてウェーハ配列で移送基板に移送できる。
【0017】
上記で説明したウェーハ配列の移送基板への1:1の移送の代替として、例えばいくつかのチップをそれぞれのチップに割り当てられた基板接触部の配列で単一の接触基板上に置くとき、接触基板配列と合致する移送基板上のチップの配列を選択することも有利である可能性がある。そのような本方法の変形形態では、1つの接触基板用の全てのチップが、1つの接触動作で接触させることができる。
【0018】
本発明による装置は請求項11の特徴を有し、本発明による方法を実施する目的に特に適している。本発明による装置は、レーザー機器及び押圧手段を含む移送ツールを特に含み、それによって機械的接触を作り出すために行われるべき供給動作のみならずチップと接触基板との間の耐用性のある機械的、電気的接合部を作り出すために熱負荷を加えることが可能になる。
【0019】
特に有利な実施形態ではこの移送ツールは、レーザーエネルギを輸送するための光ファイバを接続するためのツール部材、及びレーザー供給手段を備える接触先端部を含み、したがって前に説明した機能の両方、すなわち供給動作の実施及びレーザーエネルギの充填の両方が移送ツールの特にコンパクトな設計で可能になる。
【0020】
圧力毛細管としての接触先端部の有利な構造によって、毛細管開口部を通り直接加えられるレーザーエネルギと同時に、圧力を特に個別的に加えることが可能になる。
【0021】
接触先端部が移送基板と接触する場合にピーク圧力が発生するのを防止するために、画定された荷重の下で変形可能な、特にばねによって支持された力伝達部材がツール部材と接触先端部との間に配置される場合、有利である。
【0022】
多数のチップを移送し接触させるために、移送及び接触が要求に応じて同時に又は特定の順番で行うことができるように、対応する数の移送ツールが1つの移送ヘッド内に配置される場合、特に有利である。
【0023】
移送ツールが移送ヘッド内で行列パターンで配置される場合も、例えばチップのウェーハ配列と合致するようにこの行列パターンを特に有利に選択することができる。
【0024】
別の好ましい実施形態でのように、移送基板を配列するための手段が、ウェーハ配列のいくつかのチップを有する移送基板の場合と同様に、分離箔を配列するための保持手段も含み、そして、ウェーハ配列の個々のチップを接触基板上のチップの配列に合致するように位置決めするための位置決め手段を備える場合、接触基板の設計又はその上のチップの分布に関わらず、接触中チップの画定されるウェーハ配列に従ってチップを接触基板上に任意のパターンで分布させることが可能である。
【0025】
移送基板を保持するための手段が箔状の移送基板を案内するためのシート案内手段を含み、そして、個々のチップを接触基板上のチップの配列に従って位置決めするための供給機構を備える場合は、やはり有利である可能性がある。このようにすると、箔シート状の移送基板上のチップの配列を接触基板上のチップの分布に合致するように選択し、それに基づいて複数のチップの接触を同時に行うことが可能になる。
【0026】
以下に、本発明による方法の好ましい変形形態及び本方法を実施するための本発明による装置の実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1a及び1bは、一実施形態の高度に簡略化した図で、この場合は押圧手段12としても働く光ファイバ11の形態のレーザー手段を含む移送ツール10を示す。光ファイバ11は、ツール部材13の溝14内を案内される。ツール部材13の下側前面は、その上に箔17が真空開口部16によって保持される接触基板配置手段15を形成できるような形状にされている。箔17は、チップ18の裏面19と箔17との間に形成される、ここでは詳細には示されない、接着剤層によって箔17に接着される複数のチップ18を備える。
【0028】
図1bは、光ファイバ11の自由接触端21に対向して配置されるチップ18が、チップ18の接触表面22と接触基板20の接触表面23との間に形成される接触隙間24を埋めるように接触基板20に押圧されている、移送形態での接触基板20上に直接位置決めされる移送ツール10を示す。この実施形態で押圧手段12としても働く光ファイバ11は、この目的のためにチップ18の裏面19に対して前進している。
【0029】
好ましくは、上記で説明した供給動作と同時に、ただしいずれにせよチップ18の接触表面22が接触基板20の接触表面23に対して面一になるよりも遅れることなく、チップ18の裏面はレーザーエネルギが通過できるように透明な箔17を通るレーザーエネルギで充填され、結果としてチップ18は加熱される。この加熱の効果は、チップ18の裏面19と箔17との間の接着層で有効である接着力を減少させ、そして、加熱されるとき硬化可能であり、接触表面22、23間に配置される接合材料の接着力を活性化させることである。これがチップ18と接触基板20との間の耐久性のある機械的接合を生じさせ、一方同時に箔17とチップ18の裏面19間の接合を解放する。
【0030】
図2及び3は、本方法に関して、実施可能な2つの考え得る方法の変形形態及び装置を示し、図2は、「ダイシング箔」から形成され、移送基板として働く分離箔25に基づき、そして、第1の移送手段87によって行われる1つの方法変形形態を示し、図3は、方法が移送基板として働く箔シート26に基づき、そして、第2の移送手段88によって行われる1つの方法変形形態を示す。
【0031】
簡単にするために、図2は後ろから分離箔25を充填するただ1つの移送ツールのみを示す。分離箔25の前面側28に複数のチップ18がいわゆるウェーハ配列29で置かれる、すなわちウェーハから個々のチップ18を製造するための分離プロセスから結果として生じる配置に正確に対応して複数のチップ18が互いに対して配置される。この場合、周辺に延びる保持フレーム31は、分離箔25を保持するための手段として働き、箔25を図2に示す位置に保持するのを可能にする真空開口部16が画定した間隔で備えられる。
【0032】
接触基板保持手段34上に配置される接触基板33は、分離箔25上にウェーハ配列29で存在するチップ18の下に置かれ、接触隙間32だけそれらから分離される。
【0033】
図2に示す設計と異なり、図3に示す移送手段88は、分離箔25の形態を有さないが、シート案内手段36によって箔シート支承手段37を通り越して前進する箔シート26の形態を有する。チップ18は、分離前にウェーハの全表面に接着剤層が行われるように、箔シート26上に配置することができる。分離後、ウェーハ配列29にあるチップ18は次いで、箔シート26の裏面19の接着剤層を使用して箔シート26に移送される。箔シート26を運送するために、シート案内手段36は、箔シート取り出しリール38、箔シート巻取りリール39、及び箔シート26を箔シート支承手段37に平行に案内するのを可能にする2つの方向転換プーリー40、41を備える。箔シート支承手段37は、箔シート26と接触基板シート支承手段43を介して前進する接触基板シート42との間に画定される接触隙間35を作り出すように箔シート26が調整されるのを可能にする、ここでは詳細には示されない、多数の真空開口部が備えられている。接触基板シート支承手段43も、接触基板シート42を画定される方式で接触基板シート支承手段43に押し付けるように働く多数の真空開口部16が備えられる。
【0034】
移送ヘッド44が箔シート支承手段37上に配置され、横梁51を使用して複合配置で配置される複数の移送ツール45、46を含み、移送ツール45、46のツールハウジング47は移送ヘッド44を形成するように画定される方法で保持される。直線案内供給要素48が移送ツール45、46の各ツール部材47に含まれ、これらの要素の各々は、箔シート支承手段37の供給凹部49内に前進する。
【0035】
図3に示す移送手段88の移送形態では、横梁51による供給動作は、両方の移送ツール45、46内の供給要素48を供給凹部49を貫通させ、したがって、箔シート26に接着されたチップ18を、接触基板シート42上に配置される、図3にさらに図示しない、接触基板50に圧しつける(図4)。図3の双頭の矢印によって示すように、移送ヘッド44の全ての移送ツール45、46は、横梁51の対応するローディングを介して同時に供給動作を行わせることができる。箔シート26及び接触基板シート42が箔シート支承手段37及び接触基板シート支承手段43それぞれに沿って対応する速度で移動するように調整される場合は、チップ18とチップの下の、図4による拡大部分図に示すように、接触隙間35によって分離される接触基板シート42上に配置される接触基板50との間で個々に所望のオーバーラップを生じさせることが可能である。
【0036】
図4は、接触基板シート42上に配置される接触基板50に向かって供給動作を行うときの移送ツール45、46を示す。矢印53によって示すように、この供給動作は移送ツール45、46のツール要素47の移動によって起きる。ツール部材47内を案内される直線的に移動可能な供給要素48は、ツール部材47に配置されるばね機構54を介してツール部材47に押し付けて支えられる。結果として、チップの裏面19が接着フィルム55によって箔シート26に接着されるチップ18との間の接触の瞬間に、供給要素48は回避動作でばねで戻ることが可能であり、それによって損傷を防止する。図4に示す実施形態では、2つの基板接触部56、57と接触基板50との接触表面58の領域は、異方性の接着材料61で被覆され、チップ接触部59、60と基板接触部56、57との間の接触動作の結果として圧力ピークの領域に導電性接触ブリッジが形成される。接着材料61は、接触動作と同時にチップ接触部59、60に加えられる熱負荷の結果として硬化し、前述で説明した接触ブリッジを永久的に固定する。前ではないにせよこのときまでに、チップ18の裏面19と箔シート26との間の接着層55によって形成される接着接合部は溶解されており、その結果移送ツール45、46が矢印89の方向に戻り移動を行った後、チップ18と接触基板50との間の接触が保持され、箔シート26及び接触基板シート42は、引き続く移送及び接触動作を行うことができるように前進可能になる。
【0037】
図5は、共通の横梁68によって一列配列69で組み合わされたいくつかの移送ツール62から67を示す。個々の移送ツール62から67の構造及び機能は、図3及び4を参照して前に説明した移送ツール45、46に対するものと同じである。
【0038】
図5の実施形態では、全部で6つの移送ツール62から67が一列配列69で組み合わされている。勿論、異なる数の移送ツールを一列配列で組み合わせることも、行列パターン75(図6)を作り出すように、この列配列を別の列配列70から74と組み合わせることも可能である。図5の実施形態では、列配列69内の個々の移送ツール62から67の互いに対する相対的な位置合わせを調整するために調整機構76が設けられ、これらによって移送ツール62から67の長手方向軸を互いに対して位置合わせし、そして、移送ツール62から67の接触先端部92と基準表面Fとの間の一貫した距離を作り出すように移送ツール62から67の均一な高さ調整が可能になる。
【0039】
図2から明らかなように、図6に示す実施形態の分離箔25は、「ダイシング箔」である。これは、分離箔25が、ウェーハを方形切断することによって複数の個々のチップを製造するために使用されるものと同じ箔であることを意味する。このような状況では、関連する分野では、分離動作を続けることができるように、換言すればウェーハを方形切断動作のために扱うことができるように、ウェーハは箔、「ダイシング箔」上に配置される。方形切断が行われた後、個々のチップは、ダイシング箔上に「ウェーハ配列」で残される。図6に示す移送手段91については、このダイシング箔又は分離箔は、本方法を行うための移送基板として働く。
【0040】
図6に示すように、移送ヘッド78はウェーハ配列の複数のチップを同時に移送するために使用され、この移送ヘッドは、列配列69から74に配置される移送ツールに割り当てられる個々の光ファイバ11の概略図によってのみ示される。
【0041】
図6に図示しない、ウェーハ配列のチップが裏面に配置される分離箔25の下に、詳細には示されない、上に複数の接触基板を有して接触基板配列80が配置される接触基板シート79が存在し、それらの基板接触部の配列は、チップのウェーハ配列によって画定されるチップ接触部の配列と合致することもしないこともできる。この接触基板配列80は、接触基板シート79を供給方向77に前進させることによって、分離箔25上のウェーハ配列の下を適切な輸送手段81、82を使用して移動することができる。この基板接触部配列がチップ接触部配列と合致する場合は、チップの全ウェーハ配列は、図4に示すのと同様に、一回の移送及び接触動作で接触基板配列80の接触基板に移送することができる。接触基板配列の接触基板のパターンがウェーハ配列に配置されるチップのチップ接触部のパターンと合致しない場合は、このチップは個々に又は群で移送し、接触させることもでき、その場合チップは、移動軸84及び85を有する対応する制御手段83を使用して接触基板に対し相対的に、適切な位置に移動させることができる。この制御手段83は、画像処理装置と組み合わされたカメラ手段86を介して作動させることができる。
【0042】
図4を参照して説明したように、図6に示す実施形態ではチップと接触基板との間の接触のために、熱的に活性化される接着剤層をチップと接触基板との間に設けることができる。このような状況では、接着材料として使用される材料が導電性を可能にする活性化された炭素繊維を含有する場合、有利であることも分かってきている。別法として、半田付け接触も行うことができ、例えば、半田材料はチップ接触部及び/又は接触基板接触部に適用することができる。チップ接触部に無電解堆積のニッケル−金被覆からなる接触金属化部を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1a】本発明の方法の基本原理を示す図である。
【図1b】本発明の方法の基本原理を示す図である。
【図2】「ダイシング箔(dicing foil)」として構成された移送基板に基づいて実施された本発明の方法に関連する方法の変形形態を示す図である。
【図3】シート箔状の移送基板に基づいて、本発明の方法を実施するための方法の変形形態を示す図である。
【図4】本発明の方法をチップの移送領域で直接行うための工程の拡大図である。
【図5】列に配列される複数の移送ツールを示す図である。
【図6】「ダイシング箔」状の移送基板に基づいて実施される本発明の方法を、移送ヘッドの概略平面図で示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送基板(17、25、26)上に置かれたチップ(18)を接触基板(20、33、50)に移送し、そして、前記チップと前記接触基板との間の接触を確立するための方法であって、
裏面(19)が、前記接触基板に面する前記移送基板の支持表面に接着されているチップ(18)に、前記移送基板を通して後方からレーザーエネルギを充填し、
前記接触基板の、接触表面(23、58)と反対側に配置される、前記チップのチップ接触部(59、60)を、前記接触表面上に配置される基板接触部(56、57)に、押圧手段(12、45、46、62から67)によって、前記移送基板を介して後方から接触させ、そして、
前記チップ接触部と前記基板接触部との間に熱接合部を形成する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移送基板として、箔(17、25、26)を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チップ(18)を前記移送基板に接着するために、前記箔(17、25、26)は、前記チップの前記裏面(19)との少なくとも接触領域に、接着剤層(55)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記箔(17、25、26)が、接着剤フィルムを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チップと前記接触基板との間に配置される接着剤層(61)が、前記チップ(18)を前記接触基板(20、33)に接合するために使用されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記チップ接触部(59、60)及び/又は前記基板接触部(56、57)上に配置される半田材層が、前記チップ(18)を前記接触基板(20、33)に接合するために使用されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
共通の単一の箔(25、26)上に配置される複数のチップ(18)を、前記接触基板(20、33)に移送し、同時に前記接触基板に接触させることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記複数のチップをウェーハ複合材料から分離させることによって形成されたウェーハ配列(29)内で、前記複数のチップ(18)を、前記箔(25、26)上に配置することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のチップ(18)の前記ウェーハ複合材料からの分離中に、ウェーハが配置されるところの箔(25)を前記箔として使用することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記接触基板上で、前記複数のチップ(18)の接触基板配列に合致する移送配列において、前記複数のチップが、前記箔(26)上に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
移送基板(17、25、26)上に置かれたチップ(18)を接触基板(20、33、50)に移送し、そして、チップと接触基板との間に接触を確立する装置であって、
少なくとも1つのチップを備える移送基板を配列するための手段(31、36、37)と、レーザー手段(11)及び押圧手段(12、48)を含む移送ツール(45、46、62から67)と、少なくとも1つの接触基板を配列するための手段(34、43)とを有しており、
前記レーザー手段及び前記押圧手段の両方が、裏面(19)において前記移送基板に接合された前記チップに、前記移送基板を介在させた状態で、後方から圧力及び熱を加えることを可能にするように配置されて、前記チップを前記接触基板に移送し、そして、前記チップを前記接触基板に接触させる
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記移送ツール(45、46、62から67)が、レーザーエネルギを輸送する光ファイバ(11)を接続するためのツール部材(47)と、レーザー供給手段を備える接触先端部(92)とを有することを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記接触先端部(92)が圧力毛細管として構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ばねによって支持された力伝達部材(48)が、前記ツール部材(47)と前記接触先端部(92)との間に配置されることを特徴とする、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
複数の移送ツール(62から67)が、複数のチップ(18)を移送し、そして、接触させるために、移送ヘッド(78)内に配置されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
前記複数の移送ツール(62から67)が、前記移送ヘッド(78)内に行列パターン(75)をもって配置されることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の移送ツール(62から67)が、1つ又は複数の列配列(69から74)をもって配置されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記移送基板を配列するための前記手段(31)が、ウェーハ配列(29)内で、分離箔(25)を、複数のチップ(18)を有する移送基板として配置するための保持手段を含み、そして、ウェーハ配列の個々のチップを接触基板上の複数のチップの配列に従って位置決めするための位置決め手段(83、86)を備えていることを特徴とする、請求項11から17のいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
前記移送基板を保持するための前記手段(36、37)が、箔シート(26)状の移送基板を案内するためのシート案内手段を含み、そして、前記接触基板上の前記複数のチップの配列に従って前記個々のチップ(18)を位置決めするための供給機構(39)を備えていることを特徴とする、請求項11から17のいずれか1つに記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−535275(P2008−535275A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504617(P2008−504617)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000628
【国際公開番号】WO2006/105782
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(501198796)パック テック−パッケージング テクノロジーズ ゲーエムベーハー (12)
【Fターム(参考)】