説明

チップ先端部材、医療用レーザ照射チップ、医療用レーザハンドピース及び医療用レーザ装置

【課題】レーザ治療の多様化に的確に対応し、先端が損耗した場合のチップ交換時のコスト的な負担を軽減することができる、チップ先端部材、医療用レーザ照射チップ、医療用レーザハンドピース及び医療用レーザ装置を提供する。
【解決手段】ハンドピース2のヘッド部20Cに着脱自在に装着され、レーザ発生装置11からのレーザ光を出光端62aaより目的部位にレーザ光を照射する為のレーザ照射チップ4を構成するチップ先端部材6であって、該ヘッド部20Cに着脱自在に装着されるチップ基部材5の先側部56に着脱自在に連結する為の連結基部61と、該連結基部に一体保持された出光部材62とよりなり、該出光部材は、先端に上記出光端を備え、該連結基部をしてチップ基部材に連結された時には、該チップ基部材内のレーザ導光部材55と光学的に接続されて出光端より該レーザ光の照射がなし得るよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ先端部材、該チップ先端部材を構成部分として含む医療用レーザ照射チップ、該医療用レーザ照射チップが着脱自在に接続されて構成される医療用レーザハンドピース及び該医療用レーザハンドピースを含む医療用レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用レーザ装置は、レーザ発生装置と、該レーザ発生装置で発生したレーザ光を導光する導光体と、該導光体の先端に接続されるハンドピースとより構成され、ハンドピースのヘッド部にはレーザ照射チップ(レーザプローブ)が着脱可能に装着される。歯科用のレーザ装置の場合、術者はハンドピースのグリップ部(本体部)を把持し、レーザ照射チップの先端(出光端)を歯牙や歯肉の表面に近接させ、あるいは接触させ、出光端よりレーザ光を出射させて、齲蝕の蒸散治療、歯周病の治療、止血、或いは歯石の除去等を行う。このような医療用レーザ装置(レーザ光照射装置、レーザ照射チップ)としては、例えば、特許文献1乃至5に開示されたものが挙げられる。
【0003】
上記のような医療用レーザ装置においては、使用とともにレーザ照射チップの先端が磨耗・破損し、照射効率や照射精度が低下するため、レーザ照射チップの交換が必要となる。特許文献1〜4に開示された医療用レーザ装置では、ハンドピース或いはレーザ光の導波体に対して、コネクタ等の接続手段を介して着脱可能として、レーザ照射チップの交換がなし得るように構成されている。また、特許文献5に開示された医療用レーザ装置では、レーザ照射チップとしての光ファイバの先端部を、磨耗・破損の進行に応じて切断或いは研磨し、これに伴い、光ファイバの先端部を保護する伸縮性保護管を短くし得るよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−336267号公報
【特許文献2】特開平10−221544号公報
【特許文献3】特開平06−014936号公報
【特許文献4】特開平07−155335号公報
【特許文献5】特開2001−087285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び3の医療用レーザ装置においては、ハンドピース本体に対してレーザプローブ(レーザ照射チップ)が着脱自在に装着される。従って、プローブの先端部が損耗等した場合に、プローブ全体(光ファイバ、プローブホルダー、コネクタ部等を含む)を別のものに交換することができる。しかし、これら特許文献のレーザプローブは、プローブホルダーや、コネクタ部等のハンドピースに対する接続手段を一体に備えるものであるから、高価なものとならざるを得ず、消耗品としての観点からは、ユーザに大きな負担を強いることになっていた。
【0005】
また、上記特許文献2のレーザプローブは、金属パイプからなり、保護チューブ内に保持されたレーザ光の導波路の先端に、コネクタスリーブを介して接続可能とされている。この場合も、プローブの先端が損耗した時には、コネクタスリーブと共に他のプローブと交換する必要があり、消耗品としての部品コストが高くなることは否めなかった。尚、本特許文献には、プローブの先端に封止チップを設けたものも記載されている。しかし、この封止チップをプローブの先端にどのように装着するかの記載はなく、しかも、封止チップが損耗した場合に、封止チップのみを交換すると言う技術思想は、垣間見ることができない。
【0006】
特許文献4には、ハンドピース本体に着脱自在に装着されるハンドピースヘッド部に対して、止め金具等によって保持されたファイバ型チップをアダプタを介して着脱自在に取付けられるレーザ照射チップが開示されている。この場合も、チップの先端が損耗した時には、ファイバ型チップ、止め金具及びアダプタが一体とされたレーザ照射チップを交換する必要があり、上記と同様にコストパフォーマンスの面で、ユーザのニーズに充分に応えることができるものではなかった。また、歯科診療等においては、照射目的部位(患部)の状態に応じて、チップ先端部の形状の異なるものを複数準備しておき、術者はこれらを選択使用して治療に臨むが、特許文献1〜4に示されるようなレーザ照射チップ(レーザプローブ)の場合、それぞれのコストが高く、消耗品であるにも拘わらず、これらを複数準備しておくことは、大きな負担となる。
【0007】
特許文献5の医療用レーザ装置は、上述のように、光ファイバの先端部を損耗の進行に応じて切断或いは研磨するものであるが、光ファイバが切断或いは研磨できなくなるまで短くなると、光ファイバを新品に交換する必要がある。この場合、光ファイバは、レーザ光発振源(レーザ発生装置)からレーザ光出射端面に及ぶ一連のものと解され、その為、光ファイバの交換は大変な労力を伴うことは予想されるところである。また、切断或いは研磨の仕方によっては、チップ先端からのレーザ光の照射状態が変化することが予想され、細部の治療を行う歯科治療のように治療精度が求められる場合の適性において、不充分さがあることは否めなかった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、レーザ治療の多様化に的確に対応し、先端が損耗した場合のチップ交換時のコスト的な負担を軽減することができる、チップ先端部材、医療用レーザ照射チップ、医療用レーザハンドピース及び医療用レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係るチップ先端部材は、レーザ発生装置からのレーザ光が導光体を経由して導光されるハンドピースのヘッド部に着脱自在に装着され、該ハンドピースに導光されたレーザ光を受光し、出光端より目的部位にレーザ光を照射する為のレーザ照射チップを構成するチップ先端部材であって、該ハンドピースのヘッド部に着脱自在に装着されるチップ基部材の先側部に着脱自在に連結する為の連結基部と、該連結基部に一体保持された出光部材とよりなり、該出光部材は、先端に上記出光端を備え、該連結基部をしてチップ基部材に連結された時には、該チップ基部材内のレーザ導光部材と光学的に接続されて出光端より該レーザ光の照射がなし得るよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係る医療用レーザ照射チップは、前記チップ先端部材及びチップ基部材よりなる医療用レーザ照射チップであって、該チップ先端部材の前記連結基部と、該チップ基部材の前記先側部とには連結手段が設けられ、該連結手段を介して、チップ先端部材がチップ基部材に対して着脱自在に連結可能とされ、該連結手段による連結状態では、前記ハンドピースに導光されたレーザ光を、チップ基部材内の前記レーザ導光部材及びチップ先端部材に保持された前記出光部材を介して前記出光端より目的部位に照射し得るよう構成されていることを特徴とする。
【0011】
前記連結手段としては、チップ先端部材の連結基部と、チップ基部材の先側部とを互いに嵌合関係で連結する方式のものが望ましく採用され、具体的には以下の種々の態様を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(態様1) 前記チップ基部材の先側部に、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に沿って嵌受し得る凹部を設け、該凹部及び該連結基部によって前記連結手段を構成する。
(態様2) 前記チップ先端部材の連結基部に、前記チップ基部材の先側部をレーザ光の導光方向に沿って嵌受し得る凹部を設け、該凹部及び上記先側部によって前記連結手段を構成する。
(態様3) 前記チップ基部材の先側部に、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に直交する方向に沿って嵌受し得る凹部を設け、且つ、この凹部の開口幅と略同幅の開環部を有する凹部開閉用リング部材を該先側部の周体に回転可能に環装し、該凹部、該連結基部及び該凹部開閉用リング部材によって前記連結手段を構成する。この場合、凹部開閉用リング部材を、更に、該先側部の周体に対して、導光方向に沿って摺動可能としても良い。
(態様4) 前記チップ基部材の先側部に、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に直交する方向に沿って嵌受し得る凹部を設け、且つ、凹部開閉用リング部材を該先側部の周体に該導光方向に沿って摺動可能に環装し、該凹部、該連結基部及び該凹部開閉用リング部材によって前記連結手段を構成する。
【0012】
これらの医療用レーザ照射チップにおいて、前記チップ基部材をして前記ハンドピースに接続された時には、該ハンドピースに内蔵される水及びエア管路の少なくとも一つに連通して、水及びエアの少なくとも一つを目的部位に向け送出し得るよう構成された管路を更に備えているものとすることができる。
【0013】
第3の発明に係る医療用レーザハンドピースは、レーザ発生装置にレーザ光の導光体を介して接続される医療用レーザハンドピースであって、前記導光体との接続基部からヘッド部の先端部に臨むレーザ光の導光路を内蔵し、該ヘッド部には前記医療用レーザ照射チップのいずれかが着脱自在に装着され、該導光体、該導光路、前記チップ基部材内のレーザ導光部材及びチップ先端部材の出光部材を経て前記出光端より目的部位にレーザ光を照射し得るよう構成されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明に係る医療用レーザ装置は、レーザ発生装置と、該レーザ発生装置で発生したレーザ光を導光する導光体と、該導光体の先端に接続される前記医療用レーザハンドピースとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第1〜第4の発明に係るチップ先端部材、医療用レーザ照射チップ、医療用レーザハンドピース及び医療用レーザ装置によれば、レーザ発生装置で発生したレーザ光は、導光体を導光されて、医療用レーザハンドピース内の導光路を経てヘッド部の先端部に至る。ヘッド部の先端部には、医療用レーザ照射チップが装着されているから、ヘッド部に至ったレーザ光は、医療用レーザ照射チップを構成するチップ基部材内のレーザ導光部材に受光され、更に該レーザ導光部材から、チップ先端部材の出光部材に伝播され、出光端より目的部位に照射される。術者は、ハンドピースを手持ち把持し、出光端より照射されるレーザ光を目的部位に照射することにより所定の治療作業を実施することができる。
【0016】
上記目的部位へのレーザ光の照射は、特に、歯科の治療の場合、出光端を目的部位にできるだけ接近させて、あるいは接触させてなされるが、目的部位となる歯牙や歯肉の表面からのレーザ光のはね返り等が多く、また、出光端部分の特に中央へのレーザエネルギの集中が生じ易く、出光端部分が損耗し易い。出光端部分が損耗したまま使用を続けると、照射効率や照射精度が低下する。つまり、損耗前と比較して、出射されるレーザ光が減少したり、予期せぬ拡散が生じたりして、所望のレーザ光が目的部位へ照射されにくくなる。本発明の医療用レーザチップは、チップ基部材と、これに着脱自在に連結されるチップ先端部材とよりなるから、チップ先端部材のみを新しいものに交換することにより、初期の照射効率及び照射精度を維持して治療作業を続行することができる。また、形状の異なるチップ先端部材を複数種準備しておき、これらを適宜選択使用することにより、目的部位の状態に応じた治療を的確に実施することができる。このように、比較的コストのかかるチップ基部材はハンドピースのヘッド部に装着したまま、チップ先端部材のみ着脱交換し得るようにしているから、チップ先端部材を使い捨てとしてもユーザにとってのコスト的負担は左程大きくなることがない。そして、チップ基部材もハンドピースのヘッド部に対して着脱自在としているから、ハンドピースから取外し、滅菌消毒等に供することもでき、また、まっすぐなチップや湾曲したチップなど、治療対象部位や目的に応じた形状のチップを使い分けることもできる。
【0017】
チップ基部材とチップ先端部材との連結手段として、前述のようなチップ先端部材の連結基部と、チップ基部材の先側部とを互いに嵌合関係で連結する方式のものとすれば、ほぼワンタッチ操作で連結がなし得、着脱交換作業の円滑性を図ることができる。また、連結構造を簡単に構成することができるから、チップ先端部材のコストを低く抑えることができ、使い捨てされる消耗部品としての適性が増大する。
【0018】
そして、連結手段の具体的な態様として、前記態様1或いは態様2を採用した場合、チップ基部材の先側部又はチップ先端部材の連結基部に、チップ先端部材の連結基部又はチップ基部材の先側部をレーザ光の導光方向に沿って嵌受し得る凹部を設けているから、嵌合を伴うチップ先端部材の装着操作が簡易になされる。この場合、摩擦力を伴う嵌合関係とすれば、チップ先端部材が脱落することなく安定保持される。特に、レーザ光の導光方向に沿って着脱操作がなされるから、嵌合部分に摩擦力が作用しても、着脱操作時の摩擦力に抗した力がチップ先端部材を折損させる方向にかかることもない。また、態様3或いは態様4の連結手段を採用した場合、チップ基部材の先側部に形成された凹部に、チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に直交する方向に沿って嵌受し得るようにし、且つこの凹部を開閉するためのリング部材を、上記先側部の周体に回転可能及び/若しくは摺動可能に環装しているから、嵌合連結が簡易になされ、しかも、この嵌合連結状態は、リング部材を回転若しくは摺動させて凹部を閉止することによって、安定維持される。
【0019】
また、本発明の医療用レーザ照射チップが、ハンドピースに接続した時に、該ハンドピースに内蔵される水及びエア管路の少なくとも一つに連通して、水及びエアの少なくとも一つを目的部位に向け送出し得るよう構成された管路を更に備えるようにすれば、レーザ光を目的部位に照射する際、目的部位の発熱を抑え、或いは目的部位から発生する処置屑等の除去が的確になされ、治療の効率化がなされる。また、レーザ光の種類によって、例えばEr:YAGレーザのような水に吸収されやすいレーザ光を照射する場合、水を目的部位に送出することで、目的部位に付着した水にレーザ光を吸収させ、作用させることができ、治療効率の向上に資する。特に、水とエアを併用するようにすれば、水が霧化状態で送出されるから、冷却及び除去効果が一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の最良の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明の医療用レーザ装置の全体概略図、図2は図1におけるX部の部分破断拡大図、図3は同医療用レーザ装置における医療用レーザハンドピースに装着される医療用レーザ照射チップの一実施形態の正面図、図4は同医療用レーザ照射チップの断面図、図5は同医療用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図、図6は同医療用レーザ照射チップの斜視図、図7(a)(b)(c)は図4における拡大部分に対応する部分の変形例を示す断面図である。
【0021】
図1に示す医療用レーザ装置1は歯科用のレーザ装置であって、キャスタ付のレーザ装置本体10内に、レーザ発生装置11と、噴射用水(生理食塩水を含む場合あり)などを供給する水供給源12と、エア(不活性ガスも含む場合あり)を供給するエア供給源13とが配設されている。また、装置本体10から導出され、レーザ発生装置11及び水供給源12並びにエア供給源13から供給されるレーザ光及び水並びにエアなどを装置本体10外の医療用(歯科用)レーザハンドピース2に導光及び給送するフレキシブルホース3と、装置本体10の前面上部に設けられた設定操作部14及び表示部15と、レーザ装置本体10に接続されたフートコントローラ16とを備えている。フレキシブルホース3は、レーザ発生装置11に接続されるレーザ光の導光体11a、水供給源12に接続される水供給チューブ12a及びエア供給源13に接続されるエア供給チューブ13aを束ねて内装し、歯科用レーザハンドピース2の基部に接続されている。設定操作部14は、操作キーやタッチパネル、あるいは回転摘みなどから構成され、レーザ光の照射条件や、水又はエアの噴出量あるいは噴出の有無等を設定操作し得るようになされている。表示部15は、液晶パネル(LCD)などから構成され、設定された照射条件等を表示する。また、フートコントローラ16は、レーザ光の照射、或いは、水及びエアの供給操作スイッチであり、術者の足踏み動作によってそのスイッチ操作がなされる。その他、レーザ装置本体10内には、レーザ発生装置11に付設されるレーザ発生装置用冷却器や、電源(いずれも不図示)が設置される。
【0022】
水供給源12は、精製水又は生理食塩水などの水を収容するタンクを備え、ポンプ機構などにより水を水供給チューブ12aに供給する。また、エア供給源13は、圧縮空気又は圧縮した不活性ガスを発生させ、エア供給チューブ13aに供給することができるようになっており、例えば、空気を発生させる場合には、ブロアやコンプレッサなどが用いられ、また、不活性ガスを発生させる場合には、不活性ガスを圧縮して充填したガスボンベなどが用いられる。
【0023】
レーザ発生装置11は、Er:YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、COレーザ、半導体レーザ、Er.Cr:YSGGレーザ、Ho:YAGレーザ等の医療用レーザをレーザ発生源とするものである。該レーザ発生装置11で発生したレーザ光は、前記導光体11aを経由して歯科用レーザハンドピース2に導光される。該導光体11aとしては、前記フレキシブルホース3に内装される中実又は中空の光ファイバ(導波路)が用いられるが、該フレキシブルホース3によらず、マニピュレータ(多関節伝送装置)型に構成されたものも用いられる。
【0024】
歯科用レーザハンドピース2は、前記フレキシブルホース3との接続基部20A、該接続基部20Aに連なり術者が手持ち操作するグリップ部(胴部)20B、及び該グリップ部20Bの先側に連接されるヘッド部20Cを含むハンドピース本体部20と、ヘッド部20Cに着脱自在に装着される歯科用(医療用)レーザ照射チップ4よりなる。フレキシブルホース3とハンドピース本体20の接続基部20Aとの接続部は、着脱自在なコネクタ部で構成され、この接続状態では、フレキシブルホース3内のレーザ光の導光体11a、水供給チューブ12a及びエア供給チューブ13aが、ハンドピース本体20内の後記するレーザ光の導光路21、通水管路22及び通気管路23の基端部に接合される。これによりフレキシブルホース3内のレーザ光の導光体11aとハンドピース本体20内の導光路21との光学的な接続、フレキシブルホース3内の水供給チューブ12aとハンドピース本体20内の通水管路22との水密的な接続、及び、フレキシブルホース3内のエア供給チューブ13aとハンドピース本体20内の通気管路23との気密的な接続がなされる。
【0025】
ハンドピース本体20と、歯科用レーザ照射チップ4との接続部分の詳細を、図2〜図6を参照して説明する。図2に示すように、ハンドピース本体20は、グリップ部20Bからヘッド部20Cに至る一連の円筒状本体筒部20aと、該本体筒部20aに外装された外装スリーブ部20bとを備える。前記レーザ光の導光路21は、中空或いは中実の導波路(ファイバ)からなり、ハンドピース本体20内にその長手方向に沿って同心的に配設され、先端部はフェルール24に保持されて、ヘッド部20C内に臨んでいる。フェルール24は、本体筒部20aに同心的に内嵌支持された支持リング24aに嵌挿され、該支持リング24aに螺装された固定ねじ部材24bの先端をフェルール24の周体に形成された周溝24cに整合させることによって、支持リング24aに対するフェルール24の位置決め固定がなされている。支持リング24aは、本体筒部20aの先端部内に螺合装着された筒状ホールダ部材20cにより、スペーサカラー部材20dを介して、本体筒部20a内の所定位置に位置決め内嵌支持されている。フェルール24に嵌挿支持された導光路21の先端21aは、該ホールダ部材20cに保持された光学集光レンズ(ドラムレンズ)25に対峙している。
【0026】
前記通水管路22及び通気管路23は、いずれも細チューブからなり、各先端部は前記ホールダ部材20cに保持され、該ホールダ部材20cに形成された通水用連絡管路22a及び通気用連絡管路23aに連通している。更に、該ホールダ部材20cには、チップホルダ26が嵌合され、該チップホルダ26は袋ナット27を前記外装スリーブ部20bの先端部に螺合することによって、嵌合状態に固定維持される。チップホルダ26は中空筒状体であり、同心的に形成された内筒部26aは、後記する歯科用レーザ照射チップ4を構成するチップ基部材5を着脱自在に螺合装着する為の接合部とされる。チップホルダ26の筒壁には、通水用連通路22b及び通気用連通路23bが形成されている。これら通水用連通路22b及び通気用連通路23bは、チップホルダ26がホールダ部材20cに嵌合固定された状態では、前記通水用連絡管路22a及び通気用連絡管路23aに、該チップホルダ26の外周部に形成された各周溝を介して夫々連接される。そして、各連通路22b,23bの先端部はチップホルダ26の内筒部26aに開口している。チップホルダ26の内筒部26aには、チップ基部材5を螺合接合するための雌ねじ部26bが形成されている。
【0027】
尚、図2では、便宜上、通水管路22及び通気管路23、通水用連絡管路22a及び通気用連絡管路23a、通水用連通路22b及び通気用連通路23b、固定ねじ部材24b等が同一断面に現れるよう表しているが、これらは、設計上はそれぞれが干渉しない周方向の適宜位置に形成されるべきものである。また、図示を省略したが、前記通気用連絡管路23aから分岐して、前記集光レンズ25の周辺や、導光路21の先端21aに冷却空気を導入し、この付近を冷却すると共に、導光路21の先端21a、集光レンズ25の入射面及び出射面、或いは後記するレーザ導光部材55の基端面55cに付着した異物等を除去するよう構成しても良い。なお、ハンドピース本体20内の導光路21が中空のものであれば、その導光路21内に空気を導入することで、上記集光レンズ25の冷却やレーザ導光部材55の異物除去に用いることもできる。
【0028】
チップ基部材5の前記ハンドピース本体20のヘッド部20Cに対する接続部には、前記チップホルダ26の内筒部26aに差込み螺合接続される竹の子形状のプラグ部51と、該プラグ部51を螺合操作する為のローレット回転摘み部52とが一体に形成されている。プラグ部51の周体には前記雌ねじ部26bに螺合される雄ねじ部51aが形成され、雄ねじ部51aの一部にフライスカット面51bが形成されている。フライスカット面51bの形成により、螺合関係の雄ねじ部51aと雌ねじ部26bと間に隙間が形成されるようになされている。この隙間部分に開口する通気口51cが形成され、該通気口51cは、プラグ部51がチップホルダ26に螺合接続された時には、前記通気用連通路23bに整合し、且つ、プラグ部51内を通って後記する外パイプ53内の空洞部(通気管路)53aに通じるよう形成されている。
【0029】
また、プラグ部51の周体で前記通気口51cとは軸方向に離れた部位には、通水口51dが形成され、該通水口51dは、プラグ部51がチップホルダ26に螺合接続された時には、前記通水用連通路22bに整合すると共に、プラグ部51内を通り外パイプ53内に配設された後記する通水チューブ54に接続されるよう形成されている。そして、プラグ部51の周体には、通気口51c及び通水口51dを通じた通気及び通水が気密的及び水密的になし得るよう、これらの通気部分及び通水部分を隔絶する3個のOリング(図2及び図4参照、図3、図5及び図6では図示省略)51e…が、各Oリング溝51f…を介して装着されている。
【0030】
プラグ部51には、前記外パイプ53内に配設されたファイバからなるレーザ光の導光部材55の基部が、一部ジャケットと呼ばれる外装体55aが剥離され、コアとクラッドよりなる、あるいはコアのみよりなる芯材55bが露出された状態で同心的に保持されている。該導光部材55の先端は、前記外パイプ53内を経てチップ基部材5の先側部56に至っている(図2、図4参照)。そして、該レーザ導光部材55の基端面55cは、前記集光レンズ25の出光側面に対峙し、集光レンズ25を経たレーザ光の光学的接続がなされる。プラグ部51及び回転摘み部52は、金属(ステンレス、ニッケルメッキが施された真鍮等)或いは樹脂による一体成形体からなり、また、外パイプ53は金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス或いは樹脂からなり、外径が約3mmとされる。これら材質や寸法については、後述する部品についても同様であるが、周囲の部品の材質や寸法、高温滅菌の要否等を考慮して、適宜選択され設計される。また、前記導光部材55を外パイプ53内に挿通するにあたり、外パイプに予め内パイプを内装しておき、その内パイプに導光部材55を挿通する、という組み立て上の工夫も適宜なされうる。
【0031】
斯くして、プラグ部51を、回転摘み部52の回転操作をして、ハンドピース本体20側のチップホルダ26に差込み螺合接続すると、ハンドピース本体20内の導光路21とチップ基部材5内の導光部材55との光学的接続、ハンドピース本体20内の通水管路22とチップ基部材5内の通水チューブ54との水密的な接続、及び、ハンドピース本体20内の通気管路23とチップ基部材5内の通気路53aとの気密的な接続がなされる。
【0032】
次に、歯科用レーザ照射チップ4を構成するチップ基部材5の先側部56及びチップ先端部材6の構成、更に両部材5,6の連結構造の詳細を説明する。尚、図2に示す歯科用レーザ照射チップ4は、第3の実施形態(前記態様3の連結手段を備えるもの)に対応し、図13〜図16に示すものに相当する。
【0033】
図3〜図6は、歯科用レーザ照射チップ4の第1の実施形態、即ち、前記態様1の連結手段を備えたものである。チップ先端部材6は、前記チップ基部材5の先側部56に着脱自在に連結する為の円柱状連結基部61と、該連結基部61に同心的に一体保持された出光部材62とよりなる。連結基部61は、金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス、或いは樹脂の成形体からなるが、図例は樹脂の成形体であることを示している。出光部材62は、石英等のコアとクラッド、あるいはサファイアのコアよりなる芯材62aを、ジャケットと呼ばれる外装体62bで被覆した導光ファイバからなり、連結基部61における一体保持部分より先側に突出する部分では、この外装体62bが剥離されている。そして、この出光部材62の先端部がレーザ光の出光端62aaとされる。連結基部61による出光部材62の保持においては、接着剤を使用したり、あるいは、出光部材62の周面とそれを包有する連結基部61の内面との双方に、相互に適合するねじ、テ−パ、鼓形状など種々の形状を与えて係合させたりすることで、保持力を確保することができる。以降、連結基部61と出光部材62とよりなるチップ先端部材を基に実施形態を説明するが、出光部材62の基端部を連結基部とみなし、出光部材とは異なる部材を連結基部として設けないという構成も、採用しうることを付言する。
【0034】
チップ基部材5の先側部56は、金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス(ジルコニア等)、或いは樹脂等により成形された接続用円筒体とされ、前記外パイプ53の先端部に一体固着されている。該接続用円筒体56にはその先端側に開口する円筒状凹部561が長手方向(レーザ光の導光方向)に沿って偏心状に形成され、該凹部561に前記チップ先端部材6の連結基部61を嵌受し得るようになされている。該凹部561を含む接続用円筒体56と連結基部61との相互の嵌合接合構造によって、前記態様1に係る連結手段7が構成される。
【0035】
前記凹部561の底部に、前記外パイプ53内に配設された導光部材55の先端面55dが臨むよう、該導光部材55の先側が接続用円筒体56に一体保持されている。該凹部561に連結基部61を嵌入してチップ先端部材6をチップ基部材5に連結した時には、チップ先端部材6の出光部材62における基端面62abが、該先端面55dに対峙するよう構成されている。この出光部材62の基端面62ab及び導光部材55の先端面55dが対峙する部分においては、単純な端面同士の向かい合わせでも良いが、空気より屈折率の小さな導光性カップリンググリスを介在させておく、集光レンズを配置する、あるいは、AR(Anti−Reflection(抗反射))コーティングを施す、といった方法を採用することが望ましく、これにより、導光部材55から出光部材62へのレーザ光の導光伝播が効率的になされる。
【0036】
また、上記集光レンズを配置するのではなく、導光部材55の先端面55dの端面を研磨または溶融加工することで、出光部材62の基端面62abへ向かうレーザ光を集光させてもよい。この場合、導光部材55の先端面55dの端面は、半球状、非球面状、円錐状、中央が平面で周縁が球面の組合せ形状、等の形状を、加工の容易性や加工時間との兼ね合いで適宜採用することができる。集光レンズまたは端面形状によって出光部材62の基端面62abへレーザ光を集光させて入光させる場合、導光部材55の直径を、出光部材62の直径よりも大きくすることができ、導光部材55で導光できるレーザ光のエネルギ量をより大きくすることができる。さらに、出光部材62の基端面62abへ、ある程度の角度をもってレーザ光が入光されるため、出光部材62の内部におけるレーザ光の導光中に、出光部材62内部でレーザ光が反射を繰り返しやすくなる。その結果として、出光端62aaから照射されるレーザ光のエネルギ分布は照射領域内において略均一なものとなり、さらに、出光端62aaの中央部にレーザ光のエネルギが集中することが避けられることから、当該中央部だけが周縁部に比べて磨耗しやすいという問題も回避される。
【0037】
さらに、出光部材62の基端面62abを、凹面あるいは凸面状に形成することで、レーザ光が入光される際に屈折が起こり、出光部材62の内部におけるレーザ光の導光中に、出光部材62内部でレーザ光がさらに反射を繰り返しやすくなる。なお、上記の各導光ファイバは、内面にポリイミドや環状オレフィンポリマーなどの誘電体薄膜を設けた中空ファイバとしてもよい。また、上記のように導光部材55の先端面55dを加工する場合は、導光部材55を中実とし、出光部材62のみを中空とすることができる。
【0038】
該接続用円筒体56には、外パイプ53内に配設された前記通水チューブ54の先側が貫装保持され、該通水チューブ54の先端は該接続用円筒体56の先端面より露出して水の送出口54aとされている。更に、該接続用円筒体56には、外パイプ53内の空洞部(通気管路)53aから、先端側に通じるエア噴出用の通孔562が形成され、該通孔562の先端が前記水の送出口54aに隣接するエアの噴出口562aとされる。
【0039】
前記連結手段7によるチップ基部材5とチップ先端部材6との嵌合連結状態においては、チップ先端部材6の脱落防止の措置が図られていることが望ましい。最も簡易な脱落防止手段としては、該連結を圧入嵌合によるものとし、嵌合部分の相互の摩擦力によって、チップ先端部材6を保持するよう構成することができるが、図4の拡大部分や、図7(a)(b)(c)に示す手段も望ましく採用される。以下、これらについて説明する。図4の拡大部分に示す例では、前記連結基部61の前記凹部561に対する嵌入側端部には、軸方向に延びる複数のスリット611が周方向に隔設され、隣り合うスリット611間の部分が径方向に弾性変形し得る弾性舌片612とされている。該弾性舌片612の外周面には周溝612aが形成され(図5も参照)、凹部561の内壁には、該周溝612aに対応する突条561aが周方向に沿って形成されている。このように構成された連結手段7の場合、連結基部61を凹部561に嵌入させてゆくと、弾性舌片612が突条561aの作用を受けて求心方向に弾性変形する。更に嵌入を続けると、突条561aが周溝612aに嵌り込み弾性舌片612が遠心方向に弾性復元する。この状態では、突条561aが周溝612aに嵌り込むことによる拘束作用により、チップ基部材5からのチップ先端部材6の脱落が防止される。そして、連結基部61を抜き出すよう操作すれば、弾性舌片612の同様の弾性変形により、チップ先端部材6を容易に取外すことができる。
【0040】
図7(a)の例では、前記連結基部61の前記凹部561に対する嵌入側端部には、雄ねじ部613が形成され、一方、前記凹部561の内面には、該雄ねじ部613を螺装し得る雌ねじ部561bが形成されている。従って、凹部561に連結基部61を挿入し、捻回させて雌ねじ部561bに雄ねじ部613を螺合させることによって、チップ先端部材6のチップ基部材5に対する安定的な連結状態が達成される。チップ先端部材6を逆方向に捻回させて雌ねじ部561bに対する雄ねじ部613の螺合を解除させることによって、チップ先端部材6を容易に取外すことができる。図7(b)の例では、前記連結基部61の前記凹部561に対する嵌入側端部に弾性変形可能な鉤形爪片614が延出され、前記凹部561の内面には、該鉤形爪片614が嵌り込む係合孔561cが形成されている。従って、凹部561に連結基部61を挿入する際、鉤形爪片614が凹部561の内壁の作用を受けて求心方向に撓むように弾性変形し、その後、図示のように係合孔561cに鉤形爪片614が嵌り込む。係合孔561cと鉤形爪片614との嵌り込み係合関係によって、チップ先端部材6のチップ基部材5に対する安定的な連結状態が維持される。そして、連結基部61を抜き出すよう操作すれば、鉤形爪片614の求心方向への同様の弾性変形により、係合孔561cと鉤形爪片614との嵌り込み係合関係が解除され、チップ先端部材6を容易に取外すことができる。図7(c)の例では、前記連結基部61の前記凹部561に対する嵌入側端部の周体に周溝615が形成され、一方、前記凹部561の内面には、該周溝615に対応する位置に板ばねからなる環状弾性部材561dが装着されている。該弾性部材561dは、径方向外側への外力が付加されると同方向に弾性変形するものであり、板ばねに限らず、ゴム或いは弾性樹脂からなるものでも良い。この例の場合、凹部561に連結基部61を挿入する際、連結基部61の外周面の作用を受けて弾性部材561dが遠心方向に弾性変形する。更に挿入を続けると、周溝615において弾性部材561dが求心方向に弾性復元し、該周溝615内に嵌り込んで周溝615と弾性部材561dとの噛み合うような係合関係により、チップ先端部材6のチップ基部材5に対する安定的な連結状態が維持される。そして、連結基部61を抜き出すよう操作すれば、弾性部材561dの遠心方向への同様の弾性変形により、周溝615と弾性部材561dとの噛み合い係合関係が解除され、チップ先端部材6を容易に取外すことができる。
【0041】
上述の脱落防止手段は、典型例を示したに過ぎず、例えば、チップ先端部材6及びチップ基部材5の一方に磁石を設け、他方の部材を該磁石に吸着される金属の成形体によって構成することも可能であり、これらは設計的に適宜選択採用される。また、前記凹部561の内壁と連結基部61との間にOリング等のシール部材を設けることで、該シール部材による摩擦力で脱落防止を図るとともに、凹部561内を水密に保持することもできる。凹部561内を水密に保持することは、例えばEr:YAGレーザのように水に吸収されやすいレーザ光を照射する場合、レーザ照射チップ内部においてレーザ光が水に反応し、その作用で導光部材55や出光部材62が破損するのを防止することができ、有益である。また、図7(a)ないし(c)はいずれも連結基部61を接続用円筒体56の凹部561に嵌入させる方式であるが、連結基部61に凹部を設け、接続用円筒体56をその凹部に嵌入させる雄側と雌側が逆になった構造でもよい。
【0042】
以上のとおり、本実施形態のチップ先端部材6、該チップ先端部材6を含む歯科用レーザ照射チップ4、該歯科用レーザ照射チップ4を装着して構成される歯科用レーザハンドピース2、並びに、該歯科用レーザハンドピース2を含む歯科用レーザ装置1によれば、レーザ発生装置11で発生したレーザ光は、フレキシブルホース3内の導光体11a、ハンドピース本体20内の導光路21、チップ基部材5内の導光部材55及びチップ先端部材6の出光部材62を経て、その出光端62aaより目的部位(患部)に照射される。この時、水供給源12から供給される水は、フレキシブルホース3内の水供給チューブ12a、ハンドピース本体20内の通水管路22、及びチップ基部材5内の通水チューブ54を経て、通水チューブ54の先端送出口54aより目的部位(患部)に向け送出される。また、エア供給源13から供給されるエアは、フレキシブルホース3内のエア供給チューブ13a、ハンドピース本体20内の通気管路23、外パイプ53内の空洞部(通気管路)53a及び先側部56内の通孔562を経てエアの噴出口562aより目的部位(患部)に噴出される。エアの噴出口562aは、水の送出口54aに近接して設けられているから、水がミストとなって患部に噴射され、患部の冷却や処置異物等の除去、あるいはレーザ光を吸収させるための目的部位への水付着が効果的になされる。
尚、本実施形態では、水及びエアの両方の供給系を備えたものとしたが、少なくともどちらか一方を備えたものであっても良い。また、本実施形態では、水及びエアの管路をチップ基部材5のみに設けたものとしたが、チップ先端部材6にも同様に水あるいはエアの管路(不図示)を設け、チップ基部材5の管路と接続し、チップ先端部材6に水の送出口54aあるいはエアの噴出口562aを設けてもよい。また、水及びエアの供給系を、導光部材を内包する管路とし、レーザ光、水、及びエアを同軸状に供給する構成としてもよい。
【0043】
歯科用のレーザ装置の場合、出光端62aaを歯牙や歯肉の表面に近接させて、あるいは接触させて、レーザ光の照射治療がなされる。その為、歯牙からのはね返りにより、また、出光端部分の特に中央へのレーザエネルギの集中が生じ易く、出光端62aa及びその近傍部分が損耗し易く、そのまま継続して使用すると、レーザ光の照射効率や照射精度が低下する。而して、本実施形態の歯科用レーザ装置1の場合、このように出光端62aa及びその近傍部分が損耗した時は、前記連結手段7をして、チップ先端部材6をチップ基部材5から取外し、損耗のない新品に容易に取替えることができる。チップ基部材5は、ハンドピース本体20に装着させたままで良いから、チップ先端部材6にはチップ基部材5に設けられるプラグ部51や回転摘み部52のような高価な接続部が不要とされ、従って、消耗品として複数準備し、損耗した場合や治療態様に応じて適宜取替え使用するようにしても、ユーザに対するコスト的負担が大きくなることもない。特に、出光部材62として、照射精度の高い高価なサファイアファイバや、例えばテーパ形状の先端部のように形状上やむを得ず耐久性が低くなるファイバ等を使用しても、コストメリットが充分に得られる。
【0044】
図8〜図12は、本発明の第2の実施形態であって、更に詳しくは、前記態様2に係る連結手段によりチップ基部材5とチップ先端部材6とが着脱自在とされる歯科用レーザ照射チップ4を示している。図8は同歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図、図9は同歯科用レーザ照射チップの断面図、図10は同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図、図11は同歯科用レーザ照射チップの斜視図、図12(a)(b)は図9におけるY−Y線矢視拡大断面図であり、(a)はチップ基部材とチップ先端部材とを連結する前の状態を、(b)は連結後の状態を示す。本実施形態において、チップ基部材5のハンドピース本体に対する接続部の構造は、第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、以下ではその説明を割愛する。
【0045】
図に示すように、チップ先端部材6の連結基部61は、樹脂の成形体からなり、そのチップ基部材5側へ臨む部分には、該チップ基部材5の先側部56を長手方向に沿って(導光方向に沿って)嵌受し得る円筒状凹部616を有している。一方、チップ基部材5の先側部56は、前記と同様に金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス(ジルコニア等)、或いは樹脂等により成形された接続用円筒体とされているが、該接続用円筒体56の外径は、前記凹部616に内嵌し得る大きさとされている。従って、接続用円筒体56を凹部616に嵌合させることによって、チップ基部材5をチップ先端部材6に連結させることができ、これらによって連結手段7A(態様2)が構成される。接続用円筒体56には、前記と同様に前記外パイプ53内に配設された導光部材55の先端面55dが、先側に突出するよう一体保持されている。該凹部616に接続用円筒体56を嵌入してチップ先端部材6をチップ基部材5に連結した時には、チップ先端部材6の出光部材62における基端面62abが、該先端面55dに対峙するよう構成されている。この対峙部分には前記と同様にカップリンググリスを介在させておく等の処置を採用することが望ましい。
【0046】
また、前記接続用円筒体56には、外パイプ53内に配設された前記通水チューブ54の先側が貫装保持され、その先側が突出している。そして、チップ先端部材6をチップ基部材5に連結する際には、該通水チューブ54の先側はチップ先端部材6の連結基部61に形成された挿通孔617に遊挿され、連結基部61の先端面より露出して水の送出口54aとされている。更に、該接続用円筒体56には、外パイプ53の空洞部53aから、先端側に通じるエア噴出用の通孔562が形成され、該通孔562は、チップ先端部材6をチップ基部材5に連結した時には、連結基部61に形成された挿通孔617に連通し、該挿通孔617はエア噴出用の通孔を兼ね、その先端が前記水の送出口54aの周りからエアを噴出させる為のエアの噴出口617aとされる。接続用円筒体56の外パイプ53との一体固着基部には、鍔部563が形成され、該鍔部563の一部に切欠部563aが形成されている。一方、先端部材6の連結基部61には、その接続用円筒体56との連結側端部に長手方向に延びる突片61aが形成され、図11に示すように、該突片61aを切欠部563aに整合させることによって、これらを目印として、チップ先端部材6のチップ基部材5に対する正常な連結が容易になし得る。
【0047】
この実施形態においても、チップ先端部材6の脱落防止手段が採用されている。即ち、前記接続用円筒体56の周体には断面山形の開環リング564が、図12(a)に示すように抜出不能に遊嵌され、一方、前記連結基部61の凹部616の内壁面には、該開環リング564に対応する位置に周溝616aが形成されている。従って、チップ先端部材6を、連結基部61の凹部616と接続用円筒体56との嵌合をして、チップ基部材5に連結する際、凹部616の内壁の作用を受けて、図12(b)に示すように開環リング564がその開環部分564aの存在により縮径する。その後、開環リング564が周溝616aに整合する位置に達すると、開環リング564が周溝616aに嵌り込み、その拡径作用により、周溝616aと接続用円筒体56との間で係合してチップ先端部材6の脱落を防止すべく機能する。チップ先端部材6の脱落防止手段としては、この例に限定されず、前述の種々の手段が採用され得ることは言うまでもない。
【0048】
この実施形態でも、第1の実施形態と同様に、出光端62aaからの患部へのレーザ光の照射、送出口54aからの水の送出、噴出口617aからのエアの噴出がなし得る。また、出光端62aa及びその近傍部位が損耗した時には、チップ先端部材6のみを別のものに容易に交換することができ、ユーザにおけるコスト的負担を軽減することができる。前述のとおり、ハンドピース本体20との装着部の構成は第1の実施形態と同様であり、また、当該装着部以外のその他の構成も第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
【0049】
図13〜図16は、本発明の第3の実施形態であって、更に詳しくは、前記態様3に係る連結手段によりチップ基部材5とチップ先端部材6とが着脱自在とされる歯科用レーザ照射チップ4を示している。図13は同歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図、図14は同歯科用レーザ照射チップの断面図、図15は同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図、図16は同歯科用レーザ照射チップの斜視図である。本実施形態においても、チップ基部材5のハンドピース本体に対する接続部の構造は、第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、以下ではその説明を割愛する。
【0050】
図に示すように、チップ先端部材6の連結基部61は、略角柱状の樹脂の成形体からなり、前記と同様の出光部材62を一体保持し、該連結基部61の基端部には出光部材62の基端面62abが露出している。一方、チップ基部材5の先側部56は、前記と同様に金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス(ジルコニア等)、或いは樹脂等により成形された接続用円筒体とされており、該接続用円筒体56には、その長手方向(レーザ光の導光方向)に直交する方向に沿って連結基部61を嵌受し得る凹部565が設けられている。前記と同様に外パイプ53内に配設された導光部材55の先側が該接続用円筒体56に一体保持され、その先端面55dが凹部565内に臨んでいる。従って、連結基部61を接続用円筒体56の凹部565内に嵌合させることによって、チップ基部材5をチップ先端部材6に連結させることができ、これらによって連結手段7B(態様3)が構成される。そして、この連結によって導光部材55の先端面55dと出光部材62の基端面62abとが対峙するよう構成されている。この対峙部分には、前記と同様カップリンググリスを介在させる等の処置を採用することが望ましい。
【0051】
接続用円筒体56の先端部にはフランジ部566が一体形成され、該フランジ部566には、前記連結基部61を前記凹部565に嵌合した状態で出光部材62を挿通保持するも、連結基部61のその長手方向に沿った抜出を阻止し得る幅の切欠566aが形成されている。そして、凹部565の開口幅と略同幅の開環部567aを有する凹部開閉用リング部材567が、前記連結手段7Bの一構成部材として、接続用円筒体56の周体に回転可能に環装されている。従って、該凹部開閉用リング部材567を、その開環部567aが凹部565の開口部に整合するようして(図15の状態)、連結基部61を凹部565に嵌合させ、その後凹部開閉用リング部材567を接続用円筒体56の周りに回転させて凹部565の開口部を閉塞するようにすれば、図13、図14及び図16に示すように、チップ先端部材6がチップ基部材5に対して脱落不能に連結される。
【0052】
凹部開閉用リング部材567は、その内径を接続用円筒体56の外径よりやや小さく形成し、開環部567aをして拡径するようにして、接続用円筒体56に環装されている。その為、該凹部開閉用リング部材567は常時縮径方向の付勢力を保有しており、該凹部開閉用リング部材567内壁と接続用円筒体56の表面との間に生じる摩擦力によって、該凹部開閉用リング部材567の接続用円筒体56に対する回転が規制される。従って、前記閉塞状態が維持され、治療操作中においてもチップ先端部材6がチップ基部材5から不意に脱落することがない。
【0053】
また、接続用円筒体56には外パイプ53内に配設された通水チューブ54の先側が一体保持され、その先端が接続用円筒体56の先端面より露出し、水の送出口54aとされている。更に、接続用円筒体56には、外パイプ53の空洞部53aに通じる2本の通孔562が形成され、該通孔562の先端は接続用円筒体56の先端面において水の送出口54aに近接して開口し、エアの噴出口562aとされている。
【0054】
この実施形態でも、第1の実施形態と同様に、出光端62aaからの患部へのレーザ光の照射、送出口54aからの水の送出、噴出口562aからのエアの噴出がなし得る。また、出光端62aa及びその近傍部位が損耗した時には、チップ先端部材6のみを別のものに容易に交換することができ、ユーザにおけるコスト的負担を軽減することができる。前述のとおり、ハンドピース本体20との装着部の構成は第1の実施形態と同様であり、また、当該装着部以外のその他の構成も第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を割愛する。
【0055】
図17〜図20は、本発明の第4の実施形態であって、更に詳しくは、前記態様4に係る連結手段によりチップ基部材5とチップ先端部材6とが着脱自在とされる歯科用レーザ照射チップ4を示している。図17は同歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図、図18は同歯科用レーザ照射チップの断面図、図19は同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図、図20は同歯科用レーザ照射チップの斜視図である。本実施形態においても、チップ基部材5のハンドピース本体に対する接続部の構造は、第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、以下ではその説明を割愛する。
【0056】
図に示すように、チップ先端部材6の連結基部61は、円柱状の樹脂の成形体からなり、前記と同様の出光部材62を一体保持し、該連結基部61の基端部には出光部材62の基端面62abが露出している。一方、チップ基部材5の先側部56は、前記と同様に金属(ステンレス、真鍮等)、セラミックス(ジルコニア等)、或いは樹脂等により成形された接続用円筒体とされており、該接続用円筒体56には、その長手方向(レーザ光の導光方向)に直交する方向に沿って連結基部61を嵌受し得る凹部568が設けられている。前記と同様に外パイプ53内に配設された導光部材55の先側が該接続用円筒体56に一体保持され、その先端面55dが凹部568内に臨んでいる。従って、連結基部61を接続用円筒体56の凹部568内に嵌合させることによって、チップ基部材5をチップ先端部材6に連結させることができ、これらによって連結手段7C(態様4)が構成される。そして、この連結によって導光部材55の先端面55dと出光部材62の基端面62abとが対峙するよう構成されている。この対峙部分には、前記と同様にカップリンググリスを介在させる等の処置を採用することが望ましい。
【0057】
前記連結基部61の外周には、180°対向位置に一対の隆起部618が形成され、一方、前記凹部568の内面には、該隆起部618を受容し得る一対のガイド溝568aが形成されている。連結基部61の凹部568に対する嵌合は、該一対の隆起部618をガイド溝568aにそれぞれ受容整合させるようにしてなされる。従って、連結基部61の位置決めがなされるとともに、隆起部618とガイド溝568aとの係合関係によって、連結基部61の軸方向への抜出しが阻止される。そして、凹部568の開口幅と略同幅の開環部569aを有する凹部開閉用リング部材569が、前記連結手段7Cの一構成部材として、接続用円筒体56の周体に回転可能且つ軸方向(レーザ照射方向)に沿って摺動可能に環装されている。従って、該凹部開閉用リング部材569を、その開環部569aが凹部568の開口部に整合するようし、且つ外パイプ53側に後退させた状態にして(図19の状態)、連結基部61を凹部568に嵌合させ、その後凹部開閉用リング部材569を接続用円筒体56の周りに回転させ、且つ先端側に摺動させて凹部568の開口部を閉塞するようにすれば、図17、図18及び図20に示すように、チップ先端部材6がチップ基部材5に対して脱落不能に連結される。
【0058】
凹部開閉用リング部材569は、第3の実施形態と同様に、その内径を接続用円筒体56の外径よりやや小さく形成し、開環部569aをして拡径するようにして、接続用円筒体56に環装されている。その為、該凹部開閉用リング部材569は常時縮径方向の付勢力を保有しており、該凹部開閉用リング部材569内壁と接続用円筒体56の表面との間に生じる摩擦力によって、該凹部開閉用リング部材569の接続用円筒体56に対する回転及び摺動が規制される。従って、前記閉塞状態が維持され、治療操作中においてもチップ基部材5からチップ先端部材6が不意に脱落することがない。更に、凹部開閉用リング部材569の先端部には、フランジ部566における切欠開口幅に略相当する幅の突起569bが形成され、凹部開閉用リング部材569を先側に摺動させた時には、この突起569bがフランジ部566における切欠開口部に嵌り込み、これによっても前記閉塞状態の維持が図られる。尚、この実施形態においては、前記凹部開閉用リング部材569を閉環状体としても良い。即ち、凹部開閉用リング部材569を接続用円筒体56に対して、その軸方向に沿って摺動のみ可能に環装しても同様の機能を奏する。
【0059】
また、接続用円筒体56には外パイプ53内に配設された通水チューブ54の先側が一体保持され、その先端が接続用円筒体56の先端面より露出し、水の送出口54aとされている。更に、接続用円筒体56には、外パイプ53の空洞部53aに通じる2本の通孔562が形成され、該通孔562の先端は接続用円筒体56の先端面において水の送出口54aに近接して開口し、エアの噴出口562aとされている。
【0060】
この実施形態でも、第1の実施形態と同様に、出光端62aaからの患部へのレーザ光の照射、送出口54aからの水の送出、噴出口617aからのエアの噴出がなし得る。また、出光端62aa及びその近傍部位が損耗した時には、チップ先端部材6のみを別のものに容易に交換することができ、ユーザにおけるコスト的負担を軽減することができる。前述のとおり、ハンドピース本体20との装着部の構成は第1の実施形態と同様であり、また、当該装着部以外のその他の構成も第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を割愛する。
【0061】
図21(a)〜(d)は、出光部材62の種々の形状を示しており、これらはいずれも中実又は中空円柱状の石英或いはサファイア等のファイバからなり、図示では中実コア部62aの断面形状と、出光端62aa側から見た側面形状を示している。即ち、出光端62aaの形状が、(a)はフラット、(b)は円錐形、(c)は片面ヘラ形、(d)は両面ヘラ形、(e)は半凸球形であることを示している。これらは、患部の状態や治療目的等に応じて適宜選択使用されるものであり、連結基部61と一体にしたチップ先端部材6として複数種を準備しておくことにより、多様な治療態様に的確に対応することができる。特に、本チップ先端部材6は低コストで提供されるので、ユーザにおいて多数準備するようにしても、コスト負担が過剰となることがない。
【0062】
図22は、本発明の医療用レーザハンドピースの別の実施形態を示している。図例の医療用レーザハンドピース2は、コントラアングル型の歯科用レーザハンドピースであって、ヘッド部20Cには、ストレートタイプの歯科用レーザ照射チップ4が、チップ基部材5をして着脱自在に装着され、該チップ基部材5に対して着脱自在にチップ先端部材6が連結されている。この歯科用レーザハンドピース2も、図1に示すように、レーザ発生装置11を含む装置本体10と組み合わさって歯科用(医療用)レーザ装置1が構成される。ハンドピース本体20の接続基部20Aには、レーザ光の導光体、水供給チューブ及びエア供給チューブ(いずれも不図示)を束ねて内装するフレキシブルホース3が接続され、ハンドピース本体20内では、これら導光体、水供給チューブ及びエア供給チューブと、光学的、水密的及び気密的に接続される導光路、通水管路及び通気管路(いずれも不図示)が配設され、ヘッド部20Cに装着される歯科用レーザ照射チップ4に至るよう構成されている。レーザ光の導光路は、コントラアングル型のヘッド部20C内において、ミラーによって偏光されるよう構成される点は、特許文献4に示されるものと同様である。
【0063】
尚、前記実施形態では、歯科用のレーザ装置を例示したが、その他の医療用レーザ装置及びその構成部分に本発明を適用しても良い。また、レーザ照射チップ4の形状は、図示のように湾曲したものや、ストレート形状に限らず、適用される医療分野に応じた適宜形状が選択採用される。レーザ照射チップ4の形状を湾曲したものとする場合、例えば、外パイプ53を、その長手軸方向中間において分割した二つの部材から構成し、各々の加工形成を容易にすることもできる。さらに、レーザ照射チップ4の組み立てを、ねじ止めによって行うこともできる。つまり、チップ基部材5の外パイプ53と回転摘み部52との接続部、あるいは、外パイプ53と先側部56との接続部において、一方の接続端を雄ねじとし、他方を雌ねじで構成することで、双方の螺合によってレーザ照射チップ4を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の医療用レーザ装置の一例としての歯科用レーザ装置の全体概略図である。
【図2】図1におけるX部の部分破断拡大図である。
【図3】同歯科用レーザ装置における歯科用レーザハンドピースに装着される歯科用レーザ照射チップの一実施形態の正面図である。
【図4】同歯科用レーザ照射チップの断面図である。
【図5】同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図である。
【図6】同チップ基部材とチップ先端部材とを組付け連結した状態の歯科用レーザ照射チップの斜視図である。
【図7】(a)(b)(c)は図4における拡大部分に対応する部分の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図である。
【図9】同歯科用レーザ照射チップの断面図である。
【図10】同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図である。
【図11】同チップ基部材とチップ先端部材とを組付け連結した状態の歯科用レーザ照射チップの斜視図である。
【図12】(a)(b)は図9におけるY−Y線矢視拡大断面図であり、(a)はチップ基部材とチップ先端部材とを連結する前の状態を、(b)は連結後の状態を示す。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図である。
【図14】同歯科用レーザ照射チップの断面図である。
【図15】同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図である。
【図16】同チップ基部材とチップ先端部材とを組付け連結した状態の歯科用レーザ照射チップの斜視図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る歯科用(医療用)レーザ照射チップの正面図である。
【図18】同歯科用レーザ照射チップの断面図である。
【図19】同歯科用レーザ照射チップにおいてチップ基部材とチップ先端部材とを分離した状態を示す斜視図である。
【図20】同チップ基部材とチップ先端部材とを組付け連結した状態の歯科用レーザ照射チップの斜視図である。
【図21】(a)〜(d)は、出光部材の種々の形状を示す断面図と、出光端から見た側面図である。
【図22】本発明の医療用レーザハンドピースの別の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 歯科用(医療用)レーザ装置
11 レーザ発生装置
11a レーザ光の導光体
2 歯科用(医療用)レーザハンドピース
20A 接続基部
20C ヘッド部
21 レーザ光の導光路
4 歯科用レーザ照射チップ
5 チップ基部材
54 通水チューブ(通水管路)
53a 空洞部(通気管路)
55 レーザ光の導光部材
56 チップ基部材の先側部
561 凹部
565 凹部
567 凹部開閉用リング部材
568 凹部
569 凹部開閉用リング部材
6 チップ先端部材
61 連結基部
62 出光部材
62aa 出光端
7,7A,7B,7C 連結手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発生装置からのレーザ光が導光体を経由して導光されるハンドピースのヘッド部に着脱自在に装着され、該ハンドピースに導光されたレーザ光を受光し、出光端より目的部位にレーザ光を照射する為のレーザ照射チップを構成するチップ先端部材であって、
該ハンドピースのヘッド部に着脱自在に装着されるチップ基部材の先側部に着脱自在に連結する為の連結基部と、該連結基部に一体保持された出光部材とよりなり、
該出光部材は、先端に上記出光端を備え、該連結基部をしてチップ基部材に連結された時には、該チップ基部材内のレーザ導光部材と光学的に接続されて出光端より該レーザ光の照射がなし得るよう構成されていることを特徴とする医療用レーザ照射チップのチップ先端部材。
【請求項2】
請求項1に記載のチップ先端部材と、請求項1に記載のチップ基部材とよりなる医療用レーザ照射チップであって、
該チップ先端部材の前記連結基部と、該チップ基部材の前記先側部とには連結手段が設けられ、該連結手段を介して、チップ先端部材がチップ基部材に対して着脱自在に連結可能とされ、
該連結手段による連結状態では、前記ハンドピースに導光されたレーザ光を、チップ基部材内の前記レーザ導光部材及びチップ先端部材に保持された前記出光部材を介して前記出光端より目的部位に照射し得るよう構成されていることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記チップ基部材の先側部には、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に沿って嵌受し得る凹部が設けられ、
該凹部及び該連結基部によって前記連結手段が構成されることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項4】
請求項2に記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記チップ先端部材の連結基部には、前記チップ基部材の先側部をレーザ光の導光方向に沿って嵌受し得る凹部が設けられ、
該凹部及び該先側部によって前記連結手段が構成されることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項5】
請求項2に記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記チップ基部材の先側部には、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に直交する方向に沿って嵌受し得る凹部が設けられ、且つ、この凹部の開口幅と略同幅の開環部を有する凹部開閉用リング部材が該先側部の周体に回転可能に環装され、
該凹部、該連結基部及び該凹部開閉用リング部材によって前記連結手段が構成されることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項6】
請求項5に記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記凹部開閉用リング部材が、更に、前記先側部の周体に対して、前記導光方向に沿って摺動可能とされていることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項7】
請求項2に記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記チップ基部材の先側部には、前記チップ先端部材の連結基部をレーザ光の導光方向に直交する方向に沿って嵌受し得る凹部が設けられ、且つ、凹部開閉用リング部材が該先側部の周体に該導光方向に沿って摺動可能に環装され、
該凹部、該連結基部及び該凹部開閉用リング部材によって前記連結手段が構成されることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載の医療用レーザ照射チップにおいて、
前記チップ基部材をして前記ハンドピースに接続された時には、該ハンドピースに内蔵される水及びエア管路の少なくとも一つに連通して、水及びエアの少なくとも一つを目的部位に向け送出し得るよう構成された管路を更に備えていることを特徴とする医療用レーザ照射チップ。
【請求項9】
レーザ発生装置にレーザ光の導光体を介して接続される医療用レーザハンドピースであって、
該導光体との接続基部からヘッド部の先端部に臨むレーザ光の導光路を内蔵し、該ヘッド部には請求項2乃至8のいずれかに記載の医療用レーザ照射チップが着脱自在に装着され、
該導光体、該導光路、前記チップ基部材内のレーザ導光部材及びチップ先端部材の出光部材を経て前記出光端より目的部位にレーザ光を照射し得るよう構成されていることを特徴とする医療用レーザハンドピース。
【請求項10】
レーザ発生装置と、該レーザ発生装置で発生したレーザ光を導光する導光体と、該導光体の先端に接続される請求項9に記載の医療用レーザハンドピースとを備えたことを特徴とする医療用レーザ装置。


【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図12】
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【図13】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−46474(P2010−46474A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114078(P2009−114078)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】