チップ状電子部品、その製造方法及び実装構造

【課題】 外部接続端子を効率良く配置し、高周波特性を維持でき、小型化が可能なチップ状電子部品、その製造方法及び実装構造を提供すること。
【解決手段】半導体チップ101の電極パッド113と、フリップチップ接続端子108と、外部接続端子104とを有し、半導体チップ101の電極パッド113がフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続され、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とが金属ワイヤー103によって電気的に接続されている半導体パッケージ109。
【解決手段】半導体チップ101の電極パッド113と、フリップチップ接続端子108と、外部接続端子104とを有し、半導体チップ101の電極パッド113がフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続され、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とが金属ワイヤー103によって電気的に接続されている半導体パッケージ109。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続端子を有する半導体パッケージとして好適なチップ状電子部品、その製造方法及び実装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯式電子機器の発展により、より小型、高密度及び低コストの製品が強く要求されてきている。これに伴い、半導体IC(集積回路)パッケージは飛躍的に小型化及び薄型化が進んできており、LGA(Land Grid Array)と呼ばれる外部接続端子が底面に格子状に配置されたパッケージや、CSP(Chip Size Package)と呼ばれる、パッケージの実装面積と半導体チップの面積とがほぼ同等のパッケージ構造が提案されている。
【0003】
しかし、これらのLGAやCSPは一般に、高価なインターポーザ基板を用いることが多いので、リードフレームを用いたLQFP(Low Profile Quad Flat Package)やQFN(Quad Flat Non-leaded Package)より、組立費用が高くなってしまう。
【0004】
これに対応するために、リードフレームを用いるLGA又はCSP等からなる半導体パッケージの構造が提案されている。こうした構造の例を次に説明する。
【0005】
例えば、図20(A)の断面図及び図20(B)の平面図に示すように、半導体(IC)チップ1001の外周囲1005に外部接続端子1004を配置し、ダイボンド材1011によってダイパッド1012上に固定された半導体チップ1001の上面周辺部に位置する電極パッド1013に、金属ワイヤー1003をボールボンドし、このボールボンド部1003aから外部接続端子1004上にウェッジボンド部1003bを形成し、全体を絶縁性樹脂層1002で封止した半導体パッケージ1009が知られている。このパッケージ構造は、後記の特許文献1(特開2002−246529号公報)に示された構造と類似しているが、いずれも半導体チップ外周囲に外部接続端子を配置したファンアウト構造である。
【0006】
また、図21(A)の断面図及び図21(B)の平面図に示す例においては、半導体チップ1101の領域内に外部接続端子1104を配置し、これらの外部接続端子1104上に絶縁性のダイボンド材1111を介して固定された半導体チップ1101の上面周辺部に位置する電極パッド1113に金属ワイヤー1103をボールボンドし、このボールボンド部1103aから、外部接続端子1104に連設されて半導体チップ外周囲1105まで延びるリードフレーム(インナーリード)1119上にウェッジボンド部1103bを形成し、全体を絶縁性樹脂層1102で封止した半導体パッケージ1109も知られている。これは、半導体チップの領域内に外部接続端子を配置したファンイン構造である。
【0007】
また、図22の断面図に示すファンイン構造においては、下面に形成された保護膜1233で周辺部が被覆されて複数の電極パッド1213が設けられた半導体チップ1201と、上面に形成されたソルダーレジスト1234間に露出して複数の配線1232が設けられた配線基板1231とがアンダーフィル材1235を介して対向するように配置され、半導体チップ1201の下面の電極パッド1213から突出して設けられた複数個の金属バンプ1206が接続材1236を介して配線基板1231の配線1232に電気的に接続されていると共に金属ワイヤー1203によって半導体チップ1201の他の電極パッド1213にも電気的に接続されている。このパッケージ構造は、後記の特許文献2(特開2001−77153号公報)に示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−246529号公報(第10頁左欄26行目〜第10頁右欄1行目、図5b)
【0009】
【特許文献2】特開2001−77153号公報(第5頁左欄16行目〜第6頁右欄2行目、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図20に示したパッケージ1009は、半導体チップ外周囲に外部接続端子1004を配置するファンアウト構造をとるしかないので、半導体チップ内側領域(直下)に端子を配置するファンイン構造を採用できない。このため、パッケージ実装面積が大きくなり、その小型化を大きく妨げてしまう。
【0011】
また、図21に示すファンイン構造の例においては、半導体チップ直下に外部接続端子1104を配置するので、パッケージの小型化には向いてはいるが、半導体チップ1101の電極パッド1113を、半導体チップ1101外周囲のリードフレーム1119にワイヤーボンディングし、かつ、このリードフレーム1119(インナーリード)を外部接続端子1104まで引き回す必要がある。
【0012】
従って、このリードフレーム1119は、隣接する外部接続端子1104間を通過する構造となるので、金属板をエッチング又はプレス等で成形してリードフレーム1119を作製すると、短絡等を防止するためには外部接続端子1104間を一定の距離に保つように作製する必要がある。このため、隣接する外部接続端子1104間に一定の距離が求められてしまい、隣接する外部接続端子1104間のピッチを縮小することに限界があり、またその配置の自由度が低くなり、外部接続端子1104を効率良く配置するのも難しい。
【0013】
また、半導体チップ1101の外周囲1105にワイヤーボンディング接続するためのエリア(即ち、リードフレーム1119の外枠部である接続部)が必要となる。この接続部までの距離は、最低でも半導体チップ1101の外周端から0.5〜0.6mm程度必要であるので、半導体パッケージ1119の実装面積を半導体チップ1101の面積とほぼ同等とすること(CSP化)ができない。
【0014】
更に、半導体チップ1101からリードフレーム1119を介して外部接続端子1104に至る配線経路が長くなる部分が存在するために、半導体パッケージ1119の内部の寄生容量及び寄生インダクタンスが高くなってしまい、高周波特性を維持し難くなる。
【0015】
また、図22に示すファンイン構造においても、配線基板1231上の配線1232に対応する位置に、半導体チップ1201上の金属バンプ1206を正確に配置しなければならないために、電極パッド1213及び金属バンプ1206の配置の自由度が低くなり、効率良くこれらを配置するのが難しくなる。
【0016】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、外部接続端子を効率良く配置し、高周波特性を維持でき、小型化が可能なチップ状電子部品、その製造方法及び実装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、電極(例えば電極パッド:以下、同様)を有するチップ部品(たとえば、半導体(IC)チップ:以下、同様)と、前記電極の取り出し端子と、外部接続端子とを有し、前記チップ部品の前記電極が前記電極取り出し端子にフリップチップ(フェイスダウン)接続され、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とがこれら両端子間に架け渡された導電性線材(例えばAuワイヤ:以下、同様)によって電気的に接続されているチップ状電子部品(例えば半導体(IC)チップを樹脂封止したパッケージ:以下、同様)に係るものである。
【0018】
また、本発明は、チップ部品の電極取り出し端子と、外部出力端子とを所定の位置に配置する工程と、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをこれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続する工程と、前記チップ部品の電極を前記電極取り出し端子にフリップチップ接続する工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、本発明のチップ状電子部品をプリント配線板に実装してなる、チップ状電子部品の実装構造も提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをこれら両端子間に架け渡された前記導電性線材によって電気的に接続するために、隣接する前記外部接続端子間の距離(又はピッチ)を小さくしても、前記電極取り出し端子を前記導電性線材によって前記外部接続端子に信頼性良く確実に接続できる。このため、前記外部接続端子を任意の位置に配置でき、その配置の自由度が増して効率良く配置することができると共に、結果として端子ピッチの縮小によるパッケージ実装面積の小型化を実現することができる。
【0021】
しかも、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを前記導電性線材によって最短距離で電気的に接続することができるので、前記チップ状電子部品の内部の寄生容量及び寄生インダクタンスを減少させることができ、高周波特性を維持し易くなる。
【0022】
また、前記チップ部品の前記電極取り出し端子にフリップチップ接続するために、ワイヤーボンディング接続する場合に比べて前記チップ部品の前記電極と前記電極取り出し端子との接続を前記チップ部品の領域内で必ず行え、前記チップ状電子部品の面積を前記チップ部品の面積を近づけることができ、パッケージの小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明においては、前記導電性線材の形状保持及び短絡防止のために前記導電性線材が絶縁層に埋設され、配線基板等に電気的に接続するために前記外部接続端子が前記絶縁層の表面に露出しているのが望ましい。
【0024】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子との電気的な接続を確実に行うために、前記導電性線材の一端が前記外部接続端子にボールボンドで接続され、他端が前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続されるのが望ましい。
【0025】
この場合、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子との電気的な接続を行い易くするために、前記外部接続端子が前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在しており、特に前記外部接続端子が前記絶縁層の段差上に設けられているのが望ましい。
【0026】
そして、前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子が、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込まれていることが、前記外部接続端子との短絡や実装基板(プリント配線板)上の配線との短絡を防止する上で望ましい。
【0027】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とが前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在し、前記導電性線材の一端が前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続され、他端が前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続されていてもよい。
【0028】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とのレベル位置がいずれの場合であっても、前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子との電気的な接続を前記チップ部品の領域内で確実に行う上で、前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが、導電性バンプを介して電気的に接続され、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とが前記導電性線材によって電気的に接続されているのが望ましい。
【0029】
この場合、前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが接合しているのが、接合強度の向上にとって望ましい。
【0030】
また、前記外部接続端子の配置は、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域としてもよく、前記電極取り出し端子は、前記チップ部品の周辺部又は中間部(チップ部品のエリア内)に設けられていてよい。
【0031】
また、前記チップ部品とは別のチップ部品(例えば抵抗等の受動部品)が、前記電極取出し端子に接続された状態で、前記電極取り出し端子と同一レベル位置に配置され、これらの部品が絶縁層に埋設されると、同一パッケージ内に各種のチップ部品を組み込むことができる。この場合、前記電極取り出し端子及び前記別のチップ部品との接続レベルが前記外部接続端子のレベル位置よりも高くしてよい。
【0032】
また、隣接する前記チップ部品を電気的に接続してもよいが、このためには、、前記チップ部品の複数個が、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設されているのが望ましい。
【0033】
また、前記チップ状電子部品の製造においては、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを支持体上に配置し、これら両端子間を接続する前記導電性線材を前記絶縁層に埋設した後に前記支持体を除去し、更に前記絶縁層の位置で切断して個々のチップ状電子部品に個片化することができる。
【0034】
また、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをエッチング、めっき又はスタンピングによって所定パターンに形成することができる。
【0035】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0036】
第1の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図1(A)の断面図、図1(B)の底面図及び図1(C)の平面図に示すように、チップ部品である半導体チップ101の領域内の直下の任意の位置に、複数の外部接続端子104が例えば島状で格子状に狭ピッチで配置されている。この配置構造は、半導体チップ101の領域内に外部接続端子104を配置するファンイン構造である。
【0037】
また、半導体チップ101の電極パッド113は、半導体チップ周辺部にて電極取り出し端子としてのフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続(チップ101の回路面を下にしてフェイスダウン接続)されている。
【0038】
また、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とは金属ワイヤー(例えばAuワイヤー)でワイヤーボンディングされ、チップ外周囲105も含めて絶縁性樹脂層102で封止され、半導体パッケージ109を構成している。
【0039】
このように、半導体パッケージ109は、ファンイン構造でありかつフリップチップ接続構造としているために、チップ101の外周囲には従来のようなワイヤーボンディングのための接続エリアが必要なくなり、チップ状電子部品である半導体パッケージ109の面積をチップ101の面積とほぼ同等とし、CSP化が可能となって半導体パッケージ109を小型化することができる。
【0040】
また、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを導電性線材である金属ワイヤー103の架け渡しによって接続しているために、従来のように隣接する外部接続端子間にインナーリードを通して引き回す必要がなく、端子104間を狭ピッチ化して効率良く配置することができ、配置の自由度を向上し易い。
【0041】
しかも、半導体チップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とをフリップチップ接続した上でフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを金属ワイヤー103で接続しているため、配線距離を最短にすることができ、寄生容量又は寄生インダクタンスを低く抑えることができ、高周波特性を維持し易くなる。
【0042】
従来の半導体パッケージでは、半導体チップのタイプによって配線の仕様も変わるためにインナーリードのデザインが変わってしまい、半導体チップのタイプ毎にリードフレーム作製用のマスクを異ならせる必要がある。しかし、本実施の形態では、半導体チップ101の電極パッド103の配置が同じであれば、ワイヤーボンディング配線を変更するのみで、半導体チップの種々のタイプに対応することが可能であるために、新タイプの半導体チップを追加作製する時もコストを低く抑えることができる。
【0043】
図2の断面図は、プリント配線基板131に半導体パッケージ109を実装した状態を示すが、基板131上に設けられた配線132にはんだ137を介して外部接続端子104を電気的に接続して実装する。
【0044】
本実施の形態では、半導体チップ101の電極パッド113上に金属バンプ106が予め形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子108上にフリップチップ接続されるが、このフリップチップ接続端子108は、半導体パッケージ109の裏面にその表面が露出している状態で設けられていても、外部接続端子104が設けられた面とは段差Sを設けて高くしているために、プリント配線基板131への実装時においてはんだブリッジ等の実装不良を起こすことがない。この段差Sは、上記のワイヤーボンディングを行い易くするために100μm程度の高さとしてよい。
【0045】
そして、一旦プリント配線基板に実装してしまうと電気的な特性の確認ができない構造の従来のLGAやCSP等に比べて、段差Sの存在によって、フリップチップ接続端子108に側方からプローブ等をコンタクトすることにより、プリント配線基板131への実装後にも電気的特性を確認することができる点において優れている。
【0046】
なお、半導体パッケージ109全体は絶縁層である絶縁性樹脂層102で封止してよいが、パッケージ109の薄型化のために半導体チップ101の裏面を露出させてチップ101の側面及び下面のみを絶縁性樹脂層102で封止している。チップ101の裏面をも絶縁性樹脂層102で覆ってもよい。
【0047】
図3には、半導体パッケージ109の要部を拡大して示す。金属ワイヤー103によるワイヤーボンディング配線においては、外部接続端子104側をファーストボンド(ボールボンド)とし、フリップチップ接続端子108側をセカンドボンド(ウェッジボンド)とし、かつ金属バンプ106を介してチップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とを電気的に接続する。
【0048】
外部接続端子104側をボールボンディングし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングすることにより、フリップチップ接続端子108側をボールボンディングする場合よりも、電極パッド113の表面とフリップチップ接続端子108の表面との距離を近づけ、より薄型化することができる。
【0049】
なお、金属ワイヤー103をAu線とし、金属バンプ106をAuスタッドバンプとすれば、接続構造を既存設備で作製できると共に接続強度も確保し易い。また、金属バンプ106の形成位置は、半導体チップ101の電極パッド113上ではなくフリップチップ接続端子108上としてもよい。
【0050】
また、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108は共に同様の積層構造を有しており、リードフレーム119の上面及び下面に、所定厚さの端子内部めっき層120(後記の図4(a)の工程時に形成)及び端子外部めっき層121(後記の図5(g)の工程時に形成)がそれぞれ設けられ、更に、これらのめっき層のそれぞれの上、下面に、所定厚さの金属膜130a及び130bがそれぞれ設けられている。端子めっき層120及び121はNi、金属膜130a及び130bはAuで形成してよい。
【0051】
例えば、リードフレーム119を挟んで内面側及び外面側に、無電解めっき法によってNi/Auめっき等を施して端子めっき層120、121及び金属膜130a、130bを形成してよい。
【0052】
以上に述べたように、本実施の形態によれば、高価なインターポーザ基板を使うことなく、安価なリードフレームを用いて、次の顕著な作用効果を得ることができる。
(1)外部接続端子104上にワイヤーボンディングする構造において、ファインイン 構造を採用しているので、従来のファインアウト構造しか採用できなかったパッケージ に比べて、パッケージ実装面積を大幅に低減することができる。
(2)従来のパッケージのように、外部接続端子の間でインナーリードを引き回す必要 がないため、端子ピッチを縮小することができ、この結果、パッケージ実装面積を低減 することができる。
(3)半導体チップ101の外周囲にはワイヤーボンディング接続するためのエリアが 不要となるため、パッケージ実装面積とチップ面積がほぼ同等のCSPを実現すること ができる。
(4)半導体チップ101から外部接続端子104に至る配線距離が最短となり、パッ ケージ内部の寄生容量、寄生インダクタンスを低くできる。
【0053】
次に、図4〜図5ついて、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例1を説明する。
【0054】
この製造例では、まず、図4(a)に示すように、所定形状及び厚さの絶縁シート122上の所定位置に、島状で複数の外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を有するリードフレームを接着する。但し、図面では簡略化のためにリードフレームの一部のみを示しているが、実際には図面左右方向に長く延びる広い面積に亘って存在している(以下、同様)。このリードフレームを作製するには、例えば、Cu系合金又はFe/Ni系合金からなる金属板に絶縁シート122を貼り付け、この貼り付け側とは反対側からエッチングやスタンピングによって金属板を加工し、各端子104及び108を形成することができる。なお、スタンピングによる場合には、各端子間を連結する連絡部(図示せず)も形成しており、絶縁シート122上に接着してから、連結部を切断する。
【0055】
次に、図4(b)に示すように、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間に例えば100μmの段差Sを設けるために、これに対応した凹凸形状を有する支持台110の凹凸面上に、絶縁シート122付きの上記リードフレームを固定する。この固定工程においては、支持台110上にリードフレームを配置した後に、例えば、支持台110側から真空吸着することにより、リードフレームを絶縁シート122と共に支持台110の凹凸形状に追随して変形させ、固定することができる。
【0056】
次に、図4(c)に示すように、金属ワイヤー103により、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。この場合、外部接続端子104側をファーストボンド(ボールボンド)103aとし、フリップチップ接続端子108側をセカンドボンド(ウェッジボンド)103bとするのが望ましい。
【0057】
即ち、フリップチップ接続端子108よりも低い位置に外部接続端子104が配置されていてここに段差Sが存在するために、外部接続端子104側をボールボンディングした後にフリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングし易く、またこのウェッジボンド部が薄いために、後述の半導体チップのフリップチップ接続を行い易いという利点もある。
【0058】
この場合、支持台110ごとワイヤーボンディング接続を行うので、リードフレームが確実に支持台110に固定された状態でワイヤーボンディングを行うことができる。
【0059】
次に、図4(d)に示すように、電極パッド13上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを支持台110上に配置する。
【0060】
次に、図4(e)に示すように、電極パッド13上の金属バンプ106を下にして(フェイスダウンで)、半導体チップ101a及び101bを下降させ、金属バンプ106をリードフレームの対応するフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続する。
【0061】
この金属バンプ106としては、例えばAuスタッドバンプを用い、フリップチップ接続端子108側にAuめっきを施しておけば、超音波と加圧とによるAu−Au超音波接合で簡単にフリップチップ接続を行うことができる。金属バンプ106にはAuスタッドバンプ以外のめっきバンプを用いてもよい。また、端子108上に同様のバンプを設けておいてもよい。
【0062】
なお、このフリップチップ接続は、例えば異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)を用いて行ってもよく、また、超音波と加圧とによる接続方法に加え、更に、必要に応じて加熱処理等を行って接続してもよい。
【0063】
次に、図5(f)に示すように、半導体チップ101a及び101bの裏面に密着する状態でモールド金型123Aを配置すると共に、支持台110の下面に密着する状態でモールド金型123Bを配置した後、両金型間のキャビティ内、即ち、半導体チップ101a及び101bと絶縁シート122との間に絶縁性樹脂を充填して固化させ、絶縁性樹脂層102による封止を行う。但し、少なくとも外部接続端子104は露出させる(以下、同様)。
【0064】
なお、ここでは、各半導体チップ101a及び101bの裏面は絶縁性樹脂層102で被覆されないために、モールド金型123Aを除去する際に、各チップ101a及び101bの裏面が露出する構造となるが、絶縁性樹脂層102の収縮等の形状変化に起因する半導体パッケージの反りを低減する上で、各チップ101a及び101bの裏面も絶縁性樹脂で被覆しても構わない。
【0065】
次に、図5(g)に示すように、モールド金型123A及び123B、支持台110、更には絶縁シート122をそれぞれ除去する。
【0066】
次に、図5(h)に示すように、半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0067】
この製造例1においては、支持台110に対して外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を固定するに際して、比較的変形が容易な絶縁シート122を使用するために、支持台110の凹凸形状に沿って絶縁シート122が密着し易いため、支持台110に対して外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を所望の位置に容易かつ確実に配置することができる。
【0068】
図6〜図7には、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例2を示すものである。
【0069】
この製造例においては、上記したリードフレームや絶縁シート122の代わりに、図6(a)に示すように、所定厚さの金属板124を支持体として使用し、これに各端子を形成する。即ち、例えば、Cu系又はFe系等の金属からなる金属板124上の所定位置に、金属板124を電極として電界めっきを行うことにより、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108をそれぞれ所定パターンに形成する。
【0070】
次に、図6(b)に示すように、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108が設けられた金属板124を例えばスタンピング法等により曲げ加工して、図4(b)に示した形状と同一形状に加工する。
【0071】
次に、図6(c)に示すように、金属ワイヤー103により、上記したと同様にフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。
【0072】
次に、図6(d)に示すように、電極パッド113上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを金属板124上に配置する。
【0073】
次に、図6(e)に示すように、半導体チップ101a及び101bを、それぞれの金属バンプ106の側でそれぞれフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続する。
【0074】
次に、図7(f)に示すように、図5(f)及び(g)で述べたと同様にして、それぞれの半導体チップ101a及び101bと外部接続端子104との間等に絶縁性樹脂を充填して絶縁性樹脂層102により封止する。
【0075】
次に、図7(g)に示すように、金属板124をエッチング等で除去する。
【0076】
次に、図7(h)に示すように、隣接する半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0077】
この製造例2においては、金属板124を電極として使用する電解めっきにより外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を形成するので、エッチングにより形成する場合よりも高精度かつ狭ピッチで、各接続端子を形成できると共に、接続端子の厚さもより薄くすることができ、半導体パッケージ109全体の高さをより低く抑えることができる。
【0078】
図8〜図9は、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例3を示すものである。
【0079】
この製造例においては、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間の段差の形成を、上記した如き金属板の曲げ加工によって形成するのではなく、金属板の部分的なエッチング加工によって形成する。即ち、図8(a)に示すように、例えばCu系又はFe系等の金属からなる金属板128上の所定位置に、予め所定形状に加工されたレジスト(図示せず)を設け、このレジストをマスクにして金属板128を所定深さにエッチングした後にレジストを除去することにより、外部接続端子104を形成するための凹部129を所定位置に設ける。
【0080】
次に、図8(b)に示すように、金属板128上の所定位置及び凹部129の底面を除いて、レジスト(図示せず)を所定パターンに設けた後に、金属板128を電極として電解めっきを行い、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108をそれぞれ形成する。
【0081】
次に、図8(c)に示すように、上述したと同様に、金属ワイヤー103により、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。
【0082】
次に、図8(d)に示すように、電極パッド113上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを金属板128上に配置する。
【0083】
次に、図8(e)に示すように、半導体チップ101a及び101bを金属バンプ106を介して、それぞれフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続する。
【0084】
次に、図9(f)に示すように、金属板124上に絶縁性樹脂を充填し、絶縁性樹脂層102によって封止する。
【0085】
次に、図9(g)に示すように、金属板128をエッチング等で除去する。
【0086】
次に、図9(h)に示すように、隣接する半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0087】
この製造例3においては、各外部接続端子104が半導体パッケージ109a及び109bの底面において部分的に突出した位置に設けられるために、プリント配線基板への実装時においてパッケージ−配線基板間に外部接続端子104以外の領域で空隙が生じてスタンドオフを確保できるので、この空隙内に異物やゴミ等が入り込むことにより、外部接続端子104上に付着することが低減し、実装不良の危険性を小さくすることができる。
【0088】
第2の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図10(A)の断面図及び図10(B)の平面図に示すように、半導体チップ201の領域内及び領域外に、円形で複数の外部接続端子204が島状及び格子状に配置され、いわばファンイン構造及びファンアウト構造が混在したものである。そして、半導体チップ201は、その中間部(アクティブエリア)で回路面を下に配置したフェイスダウンで端子208にフリップリップ接続されている。
【0089】
即ち、半導体チップ201の電極パッド213とフリップチップ接続端子208とがチップ201の中間部の同じ位置にインライン配置されており、金属ワイヤー203により外部接続端子204とフリップチップ接続端子208とが電気的にワイヤーボンディング接続され、また半導体チップ201は金属バンプ206を介してフェイスダウンによりフリップチップ接続端子208上にフリップチップ接続されている。
【0090】
この構造においては、一部がファンアウト構造であり、他部はファンイン構造でもあるために、チップ201の外周囲205に設けるべきワイヤーボンディングのためのエリアを図20に示した従来例と比べて少なくすることができ、従って、チップ201の面積に半導体パッケージ209の実装面積をより近づけることができる。なお、この構造は半導体チップ201の面積が半導体パッケージ209の実装面積に比べて小さい場合に有効である。
【0091】
なお、図11に示すように、図4(e)に示した工程に相当するフリップチップ接続工程において、支持台210の中間部に形成された凸部239上に半導体チップ201のフリップチップ接続を行う際に、半導体チップ201の底面と外部接続端子204との間に空間が存在するために、半導体チップ201の中間部以外の部分に上方から外力が作用すると、半導体チップ201が上下に振れて位置が変動(あおり)し、不安定となり易い。
【0092】
そこで、図10(B)の平面図に示すように、半導体チップ201の長辺方向の支持台210の両端部において、半導体チップ201の短辺方向に凸部239の一部を延長して連設することにより、凸部239をI字形となしておけば、半導体チップ201の底面の各角部を含む短辺側が凸部239の延長部上に支持されることになる。このため、凸部239上にあおりなしに安定した状態でチップ201を位置させ、フリップチップ接続を安定して行うことができる。なお、図10(B)では、支持台210の凸部239に対応したI字形の凹部が段差Sとして絶縁性樹脂層202に生じることになる。
【0093】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0094】
第3の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図12(A)の断面図及び図12(B)の平面図に示すように、半導体チップ301の領域外に円形で複数の外部接続端子304が島状及び格子状に配置され、ファンアウト構造及びエリアアレイ配置構造となっている。半導体チップ301は、回路面を下にしたフェイスダウンで端子308にフリップチップ接続され、また金属ワイヤー303によって、同一レベル位置に配置された(即ち、段差がない状態で)外部接続端子304とフリップチップ接続端子308とが電気的にワイヤーボンディングされている。
【0095】
本実施の形態においては、外部接続端子304とフリップチップ接続端子308とが同一レベル位置に配置され、かつ、金属ワイヤー303による配線が半導体チップ301の外周囲305のみで行なわれているために、ワイヤーボンディング接続時に生じる金属ワイヤー303によるループの高さ上昇を抑えることができ、半導体パッケージ309の高さを低く抑えてより薄型化することができる。なお、この構造は、半導体チップ301の面積が半導体パッケージ309の実装面積に比べて小さい場合に有効である。
【0096】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0097】
第4の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図13(A)の断面図及び図13(B)の平面図に示すように、図10に示した例と同様に、半導体チップ401の領域内及び領域外に、円形で複数の外部接続端子404が島状及び格子状に配置され、いわばファンイン構造及びファンアウト構造が混在したものとなっている。また、半導体チップ401は、回路面を下にしてフェイスダウンでフリップチップ接続されている。
【0098】
そして、上述した段差Sが半導体パッケージ409の短辺側で更に拡大されており、ここに抵抗素子やコンデンサ等の受動部品426や、インダクタパターン427等が固定され、これらは配線パターン425によってフリップチップ接続端子408まで一体に連設されている。
【0099】
即ち、受動部品426等は、フリップチップ接続端子408と同一レベル位置にてこの接続端子を所定形状に延長してなる配線パターン425上に、例えばはんだ428等により電気的に接続固定することができる。配線パターン425には、例えば、接続の信頼性向上のためにSnめっき等を施すことができ、また受動部品426等は、はんだ以外にも導電性接着剤等で接続してもよいし、ワイヤーボンディングを行うときは配線パターン425にNi/Auめっき等を施すのがよい。なお、図中の402は絶縁性樹脂層、403は金属ワイヤー、403aはボールボンド部、403bはウェッジボンド部、406は金属バンプ、409は半導体パッケージ、413は電極パッドである。
【0100】
このように、本実施の形態では、従来、プリント配線基板側に実装していた受動部品426及びインダクタパターン427等の周辺部品を、半導体パッケージ409の内部に取り込んで半導体チップと共に内蔵することができ、半導体パッケージ409が単体で機能特性を保証することが可能になる。
【0101】
その他、本実施の形態においては、上述の第2の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0102】
第5の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図14(A)の断面図及び図14(B)の平面図に示すように、2つの半導体チップ501a及び501bのそれぞれの領域内に、円形で複数の外部接続端子504が島状及び格子状に配置され、ファンイン構造となされており、また、半導体チップ501a及び501bは回路面を下にしたフェイスダウンでフリップチップ接続されていると共に、両チップ間が共通のフリップチップ接続端子508で接続されていわゆるMCM(Multi Chip Module)化されている。
【0103】
即ち、半導体チップ501a及び501bの電極パッド513とフリップチップ接続端子508とが、チップ501a及び501bの下面周辺部に所定パターンで配置されており、チップ501a及び501bの電極パッド513上には予め金属バンプ506が形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子508上にフリップチップ接続されているが、両チップ501a及び501bの対向位置にあるフリップチップ接続端子508は両チップに共通となっている。また、金属ワイヤー503によって、段差Sの上、下に設けられた外部接続端子504とフリップチップ接続端子508とが電気的にワイヤーボンディング接続されている。
【0104】
そして、半導体パッケージ509内に複数の半導体チップ501a及び501bが内蔵され、隣接する半導体チップ501a及び501bのそれぞれの電極パッド513が両チップ間(半導体パッケージ509の中間部)に存在する配線パターン状のフリップチップ接続端子508によって接続されている。
【0105】
本実施の形態では、例えば、デジタル及びアナログ半導体チップ等のように異種のプロセスを経て作製された複数の半導体チップを、必要あれば電気的に接続して、比較的容易に同一の半導体パッケージ509内に収納することができる。
【0106】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0107】
第6の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図15(A)の断面図及び図15(B)の平面図に示すように、半導体チップ601aの上部にダイボンド材611を介して別の半導体チップ601bを載置することにより、複数の半導体チップをチップスタックして同一の半導体パッケージ609内に収納している。
【0108】
この構造においては、図1に示した例と同様に、下段の半導体チップ601aをファンイン構造とし、フリップチップ接続端子608と外部接続端子604及び電極パッド613とをワイヤーボンディング接続及びフリップチップ接続でそれぞれ電気的に接続する。更に、上段に配置する半導体チップ601bを下段に配置する半導体チップ601aの上にダイボンド材611を介して固定すると共に、半導体チップ601bについては、その上面周辺部に設けられた電極パッド613とその外周囲605の外部接続端子604とを、ファンアウト構造でワイヤー603にて電気的にワーヤーボンディング接続している。なお、図中の602は絶縁性樹脂層、603aはボールボンド部、603bはウェッジボンド部、606は金属バンプである。
【0109】
本実施の形態では、同じ半導体パッケージ609内に複数の半導体チップ601a及び601bを収納したことにより外部接続端子604が増加するが、外部接続端子604の配置をスタックされた上、下の半導体チップ毎にファンイン構造とファンアウト構造とにうまく振り分けることによって、半導体パッケージ609の実装面積の増加を抑制することができる。
【0110】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0111】
第7の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図16(A)の断面図及び図16(B)の平面図に示すように、半導体チップ701の領域外に、円形で複数の外部接続端子704が島状及び格子状に配置され、半導体チップ701の外周囲705に外部接続端子704を配置するファンアウト構造及びエリアアレイ配置となっている。半導体チップ701は、回路面を下にしたフェイスダウンでフリップチップ接続端子708に接続されている。
【0112】
そして、半導体チップ701の電極パッド713とフリップチップ接続端子708とがチップ701の周辺部下面に配置されており、半導体チップ701の電極パッド713上には予め金属バンプ706が形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子708上にフリップチップ接続され、また、金属ワイヤー703によって、同一レベル位置に配置された外部接続端子704とフリップチップ接続端子708とを電気的にワイヤーボンディング接続している。
【0113】
更に、グランド(接地)の信頼性の強化のために、半導体チップ701の下部に高熱伝導性材料層714を介してグランド(GND)パッド712を設けている。このグランドパッド712はフリップチップ接続端子708の一部に連設されたパターンとして形成されており、GND用の外部接続端子704の個数を増やしてワイヤー703でワイヤーボンディングすることにより接地の信頼性が向上する。
【0114】
また、グランドパッド712と半導体チップ701の回路面との間に、シリコーンゴムやグラファイトシート等の高熱伝導性材料からなる高熱伝導性材料層714を形成することによって、グランドパッド712を放熱用のパッドとして利用することもできる。なお、グランドパッド712をはんだ等によって直接プリント配線基板の接地パターンに接続すれば、上記したワイヤーボンディングによる接地は不要となり、より信頼性の高い接地を行える。
【0115】
その他、本実施の形態においては、上述の第3の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0116】
他の実施の形態
図17〜図18は、図3に示した接続構造の変形例を示すものである。
【0117】
まず、図17(A)に示す構造例1においては、半導体チップ101の周辺部の下面又はフリップチップ接続端子104上において、2つの金属バンプ106a及び106bを設け、これらのバンプを介して、チップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とをフリップチップ接続し、かつフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とをワイヤーボンディングにより電気的に接続する。
【0118】
このワイヤーボンディング配線においては、外部接続端子104側をボールボンドし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンドする。更に、半導体チップ101の電極パッド113上又はフリップチップ接続端子108上に金属バンプ106b及び106aを順次積層形成し、これらの金属バンプ106a及び106bを介してフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続しているので、この接続の接合強度が向上する。
【0119】
この場合、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108は共に、図3に示したと同様の積層構造を有しており、リードフレーム119を挟んで内面側及び外面側に、例えば無電解めっきによってめっき層を形成する。この無電解めっきに使用する金属の材質としては、例えば、Cu/Ni/Auめっき及びNi/Auめっき等が挙げられる。工程上、この金属端子めっき層の形成においては、Cu/Ni/Auめっきからなる端子内部めっき層120及び金属膜130aは図4(a)に示した絶縁シート122上で形成し、Ni/Auめっきからなる端子外部めっき層121及び金属膜130bは、絶縁シート122を除去した後の図5(g)に示した工程で形成する(以下、同様)。
【0120】
また、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間には、ワイヤーボンディング配線をし易くするために100μm程度の段差Sを設けており、フリップチップ接続端子108側を半導体チップ101に近いレベル位置に配置する。
【0121】
この構造例1は、金属ワイヤー103と半導体チップ101との距離を取る必要がある場合に有効である。
【0122】
次に、図17(B)に示す構造例2においては、金属ワイヤー103のワイヤーボンディング配線のレベル位置や金属バンプ106a及び106bの形成順序が異なる以外は、上記の構造例1と同様である。
【0123】
即ち、フリップチップ接続端子108上に金属バンプ106aを形成し、金属バンプ106a上に金属ワイヤー103をウェッジボンドで接続した後に、半導体チップ101の電極パッド113上又は金属バンプ106a上に金属バンプ106bを形成し、フリップチップ接続端子108に半導体チップ101をフリップチップ接続する。
【0124】
この構造例2によれば、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103による配線を行う前に金属バンプ106aを形成し、この金属バンプ106a上にウェッジボンディングしているので、直接フリップチップ接続端子108にウェッジボンドするよりも、金属ワイヤー103とフリップチップ接続端子108との接続強度を高めることができる。また、金属ワイヤー103のループ形状を高くできることによって、金属ワイヤー103の垂れによる半導体パッケージ101の底面への金属ワイヤー103の露出を防止できる。
【0125】
次に、図18(C)に示す構造例3においては、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを同一レベル位置に配置した構造において、フリップチップ接続端子108に金属ワイヤー103をボールボンディングし、このボールボンド部103aの上面から側面にかけて金属ワイヤー103を接するように曲げてから外部接続端子104上にウェッジボンディングしている。
【0126】
この構造例3においては、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103のボールボンド部103aを形成し、このボールボンド部103a上に金属ワイヤー103を接触させて外部接続端子104上にウェッジボンド部103bを形成した後に、半導体チップ101をフリップチップ接続しているので、金属バンプを用いないでもフリップチップ接続端子108との接続強度が高められると共に、ボールボンド部103a上に金属ワイヤー103を圧着することによって、ワイヤーループを低く抑えることができ、半導体パッケージ101の高さを低くすることができる。なお、外部接続端子104側をボールボンディングし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングしてもよいが、この場合も半導体パッケージ101の高さを低くすることができる(但し、フリップチップ接続には金属バンプを設けることが望ましい)。
【0127】
次に、図18(D)に示す構造例4においては、フリップチップ接続端子108上に金属バンプ106aを設け、外部接続端子104側をボールボンディングした後、金属バンプ106aの上においてウェッジボンディングし、更に電極パッド113上に金属バンプ106b設けてフリップチップ接続しているが、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを同一レベル位置に配置して段差を無くす以外は、上記の構造例2と同様である。
【0128】
この構造例4においては、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103の配線を行う前に金属バンプ106aを形成し、この金属バンプ106a上に金属ワイヤー103によるウェッジボンドを行い、更に金属バンプ106bを介してフリップチップ接続しているので、金属ワイヤー103とフリップチップ接続端子108との接続強度が高められる。
【0129】
図19(A)は、上述の第1の実施の形態において、図5(g)の工程後に、フリップチップ接続端子108を覆って保護するように、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104との間の段差部分にスキージ115によって絶縁性樹脂材料118aを塗布または印刷して絶縁性樹脂層107を被着した例である。これによって、フリップチップ接続端子108を絶縁性樹脂層107で完全に覆う。
【0130】
また、図19(B)に示すように、フリップチップ接続端子108の露出面と外部接続端子104の露出面との間の段差部分に、ノズル116によって絶縁性樹脂材料118aを充填することによって、絶縁性樹脂層107を形成することもできる。
【0131】
そして、図19(C)に示すように、フリップチップ接続端子108の露出面と外部接続端子104の露出面との間の段差部分に絶縁性樹脂層107を形成した後に、隣接する半導体チップ101a及び101bの間に存在する絶縁性樹脂層102及び絶縁性樹脂層107の部分で、フリップチップ接続端子108の側面が露出しないようにダイシングすることにより、フリップチップ接続端子108が半導体パッケージ109a及び109b内に完全に内設されて保護されることになるので、外部接続端子104との間の短絡やプリント配線基板(実装基板)上の配線パターンとの間の短絡等が生じることがない。
【0132】
以上に説明した実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)、底面図(B)及びその透視平面図(C)である。
【図2】同、半導体パッケージの実装構造を示す断面図である。
【図3】同、半導体パッケージの要部拡大断面図である。
【図4】同、半導体パッケージの製造例1を工程順に示す断面図である。
【図5】同、製造例1を工程順に示す断面図である。
【図6】同、半導体パッケージの製造例2を工程順に示す断面図である。
【図7】同、製造例2を工程順に示す断面図である。
【図8】同、半導体パッケージの製造例3を工程順に示す断面図である。
【図9】同、製造例3を工程順に示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図11】同、支持台に支持された半導体チップの断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図14】本発明の第5の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図15】本発明の第6の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図16】本発明の第7の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図17】本発明の他の実施の形態による構造例1の半導体パッケージの部分線断面図(A)、構造例2の半導体パッケージの部分断面図(B)である。
【図18】同、構造例3の半導体パッケージの部分線断面図(C)、及び構造例4の半導体パッケージの部分断面図(D)である。
【図19】同、半導体パッケージの作製工程を示す断面図(A)、半導体パッケージの別の作製工程を示す断面図及び半導体パッケージを個片化する工程を示す断面図(C)である。
【図20】従来例による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及び透視平面図(B)である。
【図21】同、別の半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及び透視平面図(B)である。
【図22】同、更に別の半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
【0134】
101、101a、101b、201、301、401、501a、501b、601a、601b、701…半導体チップ、
102、107、202、302、402、502、602、702…絶縁性樹脂層、
103、203、303、403、503、603、703…金属ワイヤー、
104、204、304、404、504、604、704…外部接続端子、
106、106a、106b、206、306、406、506、606、706…金属バンプ、
108、208、308、408、508、608、708…フリップチップ接続端子、
109、109a、109b、209、309、409、509、609、709…半導体パッケージ、
110、210…支持台、
113、213、313、413、513、613、713…電極パッド、
115…スキージ、116…ノズル、118a…絶縁性樹脂、119…リードフレーム、
120…端子内部めっき層、121…端子外部めっき層、122…絶縁シート、
123A、123B…モールド金型、124、128…金属板、129…凹部、
131…プリント配線基板、132…配線、425…配線パターン、426…受動部品、
427…インダクタパターン、611…ダイボンド材、712…ダイパッド、
714…高熱伝導性材料層、S…段差
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続端子を有する半導体パッケージとして好適なチップ状電子部品、その製造方法及び実装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯式電子機器の発展により、より小型、高密度及び低コストの製品が強く要求されてきている。これに伴い、半導体IC(集積回路)パッケージは飛躍的に小型化及び薄型化が進んできており、LGA(Land Grid Array)と呼ばれる外部接続端子が底面に格子状に配置されたパッケージや、CSP(Chip Size Package)と呼ばれる、パッケージの実装面積と半導体チップの面積とがほぼ同等のパッケージ構造が提案されている。
【0003】
しかし、これらのLGAやCSPは一般に、高価なインターポーザ基板を用いることが多いので、リードフレームを用いたLQFP(Low Profile Quad Flat Package)やQFN(Quad Flat Non-leaded Package)より、組立費用が高くなってしまう。
【0004】
これに対応するために、リードフレームを用いるLGA又はCSP等からなる半導体パッケージの構造が提案されている。こうした構造の例を次に説明する。
【0005】
例えば、図20(A)の断面図及び図20(B)の平面図に示すように、半導体(IC)チップ1001の外周囲1005に外部接続端子1004を配置し、ダイボンド材1011によってダイパッド1012上に固定された半導体チップ1001の上面周辺部に位置する電極パッド1013に、金属ワイヤー1003をボールボンドし、このボールボンド部1003aから外部接続端子1004上にウェッジボンド部1003bを形成し、全体を絶縁性樹脂層1002で封止した半導体パッケージ1009が知られている。このパッケージ構造は、後記の特許文献1(特開2002−246529号公報)に示された構造と類似しているが、いずれも半導体チップ外周囲に外部接続端子を配置したファンアウト構造である。
【0006】
また、図21(A)の断面図及び図21(B)の平面図に示す例においては、半導体チップ1101の領域内に外部接続端子1104を配置し、これらの外部接続端子1104上に絶縁性のダイボンド材1111を介して固定された半導体チップ1101の上面周辺部に位置する電極パッド1113に金属ワイヤー1103をボールボンドし、このボールボンド部1103aから、外部接続端子1104に連設されて半導体チップ外周囲1105まで延びるリードフレーム(インナーリード)1119上にウェッジボンド部1103bを形成し、全体を絶縁性樹脂層1102で封止した半導体パッケージ1109も知られている。これは、半導体チップの領域内に外部接続端子を配置したファンイン構造である。
【0007】
また、図22の断面図に示すファンイン構造においては、下面に形成された保護膜1233で周辺部が被覆されて複数の電極パッド1213が設けられた半導体チップ1201と、上面に形成されたソルダーレジスト1234間に露出して複数の配線1232が設けられた配線基板1231とがアンダーフィル材1235を介して対向するように配置され、半導体チップ1201の下面の電極パッド1213から突出して設けられた複数個の金属バンプ1206が接続材1236を介して配線基板1231の配線1232に電気的に接続されていると共に金属ワイヤー1203によって半導体チップ1201の他の電極パッド1213にも電気的に接続されている。このパッケージ構造は、後記の特許文献2(特開2001−77153号公報)に示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−246529号公報(第10頁左欄26行目〜第10頁右欄1行目、図5b)
【0009】
【特許文献2】特開2001−77153号公報(第5頁左欄16行目〜第6頁右欄2行目、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図20に示したパッケージ1009は、半導体チップ外周囲に外部接続端子1004を配置するファンアウト構造をとるしかないので、半導体チップ内側領域(直下)に端子を配置するファンイン構造を採用できない。このため、パッケージ実装面積が大きくなり、その小型化を大きく妨げてしまう。
【0011】
また、図21に示すファンイン構造の例においては、半導体チップ直下に外部接続端子1104を配置するので、パッケージの小型化には向いてはいるが、半導体チップ1101の電極パッド1113を、半導体チップ1101外周囲のリードフレーム1119にワイヤーボンディングし、かつ、このリードフレーム1119(インナーリード)を外部接続端子1104まで引き回す必要がある。
【0012】
従って、このリードフレーム1119は、隣接する外部接続端子1104間を通過する構造となるので、金属板をエッチング又はプレス等で成形してリードフレーム1119を作製すると、短絡等を防止するためには外部接続端子1104間を一定の距離に保つように作製する必要がある。このため、隣接する外部接続端子1104間に一定の距離が求められてしまい、隣接する外部接続端子1104間のピッチを縮小することに限界があり、またその配置の自由度が低くなり、外部接続端子1104を効率良く配置するのも難しい。
【0013】
また、半導体チップ1101の外周囲1105にワイヤーボンディング接続するためのエリア(即ち、リードフレーム1119の外枠部である接続部)が必要となる。この接続部までの距離は、最低でも半導体チップ1101の外周端から0.5〜0.6mm程度必要であるので、半導体パッケージ1119の実装面積を半導体チップ1101の面積とほぼ同等とすること(CSP化)ができない。
【0014】
更に、半導体チップ1101からリードフレーム1119を介して外部接続端子1104に至る配線経路が長くなる部分が存在するために、半導体パッケージ1119の内部の寄生容量及び寄生インダクタンスが高くなってしまい、高周波特性を維持し難くなる。
【0015】
また、図22に示すファンイン構造においても、配線基板1231上の配線1232に対応する位置に、半導体チップ1201上の金属バンプ1206を正確に配置しなければならないために、電極パッド1213及び金属バンプ1206の配置の自由度が低くなり、効率良くこれらを配置するのが難しくなる。
【0016】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、外部接続端子を効率良く配置し、高周波特性を維持でき、小型化が可能なチップ状電子部品、その製造方法及び実装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、電極(例えば電極パッド:以下、同様)を有するチップ部品(たとえば、半導体(IC)チップ:以下、同様)と、前記電極の取り出し端子と、外部接続端子とを有し、前記チップ部品の前記電極が前記電極取り出し端子にフリップチップ(フェイスダウン)接続され、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とがこれら両端子間に架け渡された導電性線材(例えばAuワイヤ:以下、同様)によって電気的に接続されているチップ状電子部品(例えば半導体(IC)チップを樹脂封止したパッケージ:以下、同様)に係るものである。
【0018】
また、本発明は、チップ部品の電極取り出し端子と、外部出力端子とを所定の位置に配置する工程と、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをこれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続する工程と、前記チップ部品の電極を前記電極取り出し端子にフリップチップ接続する工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、本発明のチップ状電子部品をプリント配線板に実装してなる、チップ状電子部品の実装構造も提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをこれら両端子間に架け渡された前記導電性線材によって電気的に接続するために、隣接する前記外部接続端子間の距離(又はピッチ)を小さくしても、前記電極取り出し端子を前記導電性線材によって前記外部接続端子に信頼性良く確実に接続できる。このため、前記外部接続端子を任意の位置に配置でき、その配置の自由度が増して効率良く配置することができると共に、結果として端子ピッチの縮小によるパッケージ実装面積の小型化を実現することができる。
【0021】
しかも、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを前記導電性線材によって最短距離で電気的に接続することができるので、前記チップ状電子部品の内部の寄生容量及び寄生インダクタンスを減少させることができ、高周波特性を維持し易くなる。
【0022】
また、前記チップ部品の前記電極取り出し端子にフリップチップ接続するために、ワイヤーボンディング接続する場合に比べて前記チップ部品の前記電極と前記電極取り出し端子との接続を前記チップ部品の領域内で必ず行え、前記チップ状電子部品の面積を前記チップ部品の面積を近づけることができ、パッケージの小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明においては、前記導電性線材の形状保持及び短絡防止のために前記導電性線材が絶縁層に埋設され、配線基板等に電気的に接続するために前記外部接続端子が前記絶縁層の表面に露出しているのが望ましい。
【0024】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子との電気的な接続を確実に行うために、前記導電性線材の一端が前記外部接続端子にボールボンドで接続され、他端が前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続されるのが望ましい。
【0025】
この場合、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子との電気的な接続を行い易くするために、前記外部接続端子が前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在しており、特に前記外部接続端子が前記絶縁層の段差上に設けられているのが望ましい。
【0026】
そして、前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子が、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込まれていることが、前記外部接続端子との短絡や実装基板(プリント配線板)上の配線との短絡を防止する上で望ましい。
【0027】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とが前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在し、前記導電性線材の一端が前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続され、他端が前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続されていてもよい。
【0028】
また、前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とのレベル位置がいずれの場合であっても、前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子との電気的な接続を前記チップ部品の領域内で確実に行う上で、前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが、導電性バンプを介して電気的に接続され、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とが前記導電性線材によって電気的に接続されているのが望ましい。
【0029】
この場合、前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが接合しているのが、接合強度の向上にとって望ましい。
【0030】
また、前記外部接続端子の配置は、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域としてもよく、前記電極取り出し端子は、前記チップ部品の周辺部又は中間部(チップ部品のエリア内)に設けられていてよい。
【0031】
また、前記チップ部品とは別のチップ部品(例えば抵抗等の受動部品)が、前記電極取出し端子に接続された状態で、前記電極取り出し端子と同一レベル位置に配置され、これらの部品が絶縁層に埋設されると、同一パッケージ内に各種のチップ部品を組み込むことができる。この場合、前記電極取り出し端子及び前記別のチップ部品との接続レベルが前記外部接続端子のレベル位置よりも高くしてよい。
【0032】
また、隣接する前記チップ部品を電気的に接続してもよいが、このためには、、前記チップ部品の複数個が、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設されているのが望ましい。
【0033】
また、前記チップ状電子部品の製造においては、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを支持体上に配置し、これら両端子間を接続する前記導電性線材を前記絶縁層に埋設した後に前記支持体を除去し、更に前記絶縁層の位置で切断して個々のチップ状電子部品に個片化することができる。
【0034】
また、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをエッチング、めっき又はスタンピングによって所定パターンに形成することができる。
【0035】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的に説明する。
【0036】
第1の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図1(A)の断面図、図1(B)の底面図及び図1(C)の平面図に示すように、チップ部品である半導体チップ101の領域内の直下の任意の位置に、複数の外部接続端子104が例えば島状で格子状に狭ピッチで配置されている。この配置構造は、半導体チップ101の領域内に外部接続端子104を配置するファンイン構造である。
【0037】
また、半導体チップ101の電極パッド113は、半導体チップ周辺部にて電極取り出し端子としてのフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続(チップ101の回路面を下にしてフェイスダウン接続)されている。
【0038】
また、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とは金属ワイヤー(例えばAuワイヤー)でワイヤーボンディングされ、チップ外周囲105も含めて絶縁性樹脂層102で封止され、半導体パッケージ109を構成している。
【0039】
このように、半導体パッケージ109は、ファンイン構造でありかつフリップチップ接続構造としているために、チップ101の外周囲には従来のようなワイヤーボンディングのための接続エリアが必要なくなり、チップ状電子部品である半導体パッケージ109の面積をチップ101の面積とほぼ同等とし、CSP化が可能となって半導体パッケージ109を小型化することができる。
【0040】
また、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを導電性線材である金属ワイヤー103の架け渡しによって接続しているために、従来のように隣接する外部接続端子間にインナーリードを通して引き回す必要がなく、端子104間を狭ピッチ化して効率良く配置することができ、配置の自由度を向上し易い。
【0041】
しかも、半導体チップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とをフリップチップ接続した上でフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを金属ワイヤー103で接続しているため、配線距離を最短にすることができ、寄生容量又は寄生インダクタンスを低く抑えることができ、高周波特性を維持し易くなる。
【0042】
従来の半導体パッケージでは、半導体チップのタイプによって配線の仕様も変わるためにインナーリードのデザインが変わってしまい、半導体チップのタイプ毎にリードフレーム作製用のマスクを異ならせる必要がある。しかし、本実施の形態では、半導体チップ101の電極パッド103の配置が同じであれば、ワイヤーボンディング配線を変更するのみで、半導体チップの種々のタイプに対応することが可能であるために、新タイプの半導体チップを追加作製する時もコストを低く抑えることができる。
【0043】
図2の断面図は、プリント配線基板131に半導体パッケージ109を実装した状態を示すが、基板131上に設けられた配線132にはんだ137を介して外部接続端子104を電気的に接続して実装する。
【0044】
本実施の形態では、半導体チップ101の電極パッド113上に金属バンプ106が予め形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子108上にフリップチップ接続されるが、このフリップチップ接続端子108は、半導体パッケージ109の裏面にその表面が露出している状態で設けられていても、外部接続端子104が設けられた面とは段差Sを設けて高くしているために、プリント配線基板131への実装時においてはんだブリッジ等の実装不良を起こすことがない。この段差Sは、上記のワイヤーボンディングを行い易くするために100μm程度の高さとしてよい。
【0045】
そして、一旦プリント配線基板に実装してしまうと電気的な特性の確認ができない構造の従来のLGAやCSP等に比べて、段差Sの存在によって、フリップチップ接続端子108に側方からプローブ等をコンタクトすることにより、プリント配線基板131への実装後にも電気的特性を確認することができる点において優れている。
【0046】
なお、半導体パッケージ109全体は絶縁層である絶縁性樹脂層102で封止してよいが、パッケージ109の薄型化のために半導体チップ101の裏面を露出させてチップ101の側面及び下面のみを絶縁性樹脂層102で封止している。チップ101の裏面をも絶縁性樹脂層102で覆ってもよい。
【0047】
図3には、半導体パッケージ109の要部を拡大して示す。金属ワイヤー103によるワイヤーボンディング配線においては、外部接続端子104側をファーストボンド(ボールボンド)とし、フリップチップ接続端子108側をセカンドボンド(ウェッジボンド)とし、かつ金属バンプ106を介してチップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とを電気的に接続する。
【0048】
外部接続端子104側をボールボンディングし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングすることにより、フリップチップ接続端子108側をボールボンディングする場合よりも、電極パッド113の表面とフリップチップ接続端子108の表面との距離を近づけ、より薄型化することができる。
【0049】
なお、金属ワイヤー103をAu線とし、金属バンプ106をAuスタッドバンプとすれば、接続構造を既存設備で作製できると共に接続強度も確保し易い。また、金属バンプ106の形成位置は、半導体チップ101の電極パッド113上ではなくフリップチップ接続端子108上としてもよい。
【0050】
また、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108は共に同様の積層構造を有しており、リードフレーム119の上面及び下面に、所定厚さの端子内部めっき層120(後記の図4(a)の工程時に形成)及び端子外部めっき層121(後記の図5(g)の工程時に形成)がそれぞれ設けられ、更に、これらのめっき層のそれぞれの上、下面に、所定厚さの金属膜130a及び130bがそれぞれ設けられている。端子めっき層120及び121はNi、金属膜130a及び130bはAuで形成してよい。
【0051】
例えば、リードフレーム119を挟んで内面側及び外面側に、無電解めっき法によってNi/Auめっき等を施して端子めっき層120、121及び金属膜130a、130bを形成してよい。
【0052】
以上に述べたように、本実施の形態によれば、高価なインターポーザ基板を使うことなく、安価なリードフレームを用いて、次の顕著な作用効果を得ることができる。
(1)外部接続端子104上にワイヤーボンディングする構造において、ファインイン 構造を採用しているので、従来のファインアウト構造しか採用できなかったパッケージ に比べて、パッケージ実装面積を大幅に低減することができる。
(2)従来のパッケージのように、外部接続端子の間でインナーリードを引き回す必要 がないため、端子ピッチを縮小することができ、この結果、パッケージ実装面積を低減 することができる。
(3)半導体チップ101の外周囲にはワイヤーボンディング接続するためのエリアが 不要となるため、パッケージ実装面積とチップ面積がほぼ同等のCSPを実現すること ができる。
(4)半導体チップ101から外部接続端子104に至る配線距離が最短となり、パッ ケージ内部の寄生容量、寄生インダクタンスを低くできる。
【0053】
次に、図4〜図5ついて、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例1を説明する。
【0054】
この製造例では、まず、図4(a)に示すように、所定形状及び厚さの絶縁シート122上の所定位置に、島状で複数の外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を有するリードフレームを接着する。但し、図面では簡略化のためにリードフレームの一部のみを示しているが、実際には図面左右方向に長く延びる広い面積に亘って存在している(以下、同様)。このリードフレームを作製するには、例えば、Cu系合金又はFe/Ni系合金からなる金属板に絶縁シート122を貼り付け、この貼り付け側とは反対側からエッチングやスタンピングによって金属板を加工し、各端子104及び108を形成することができる。なお、スタンピングによる場合には、各端子間を連結する連絡部(図示せず)も形成しており、絶縁シート122上に接着してから、連結部を切断する。
【0055】
次に、図4(b)に示すように、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間に例えば100μmの段差Sを設けるために、これに対応した凹凸形状を有する支持台110の凹凸面上に、絶縁シート122付きの上記リードフレームを固定する。この固定工程においては、支持台110上にリードフレームを配置した後に、例えば、支持台110側から真空吸着することにより、リードフレームを絶縁シート122と共に支持台110の凹凸形状に追随して変形させ、固定することができる。
【0056】
次に、図4(c)に示すように、金属ワイヤー103により、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。この場合、外部接続端子104側をファーストボンド(ボールボンド)103aとし、フリップチップ接続端子108側をセカンドボンド(ウェッジボンド)103bとするのが望ましい。
【0057】
即ち、フリップチップ接続端子108よりも低い位置に外部接続端子104が配置されていてここに段差Sが存在するために、外部接続端子104側をボールボンディングした後にフリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングし易く、またこのウェッジボンド部が薄いために、後述の半導体チップのフリップチップ接続を行い易いという利点もある。
【0058】
この場合、支持台110ごとワイヤーボンディング接続を行うので、リードフレームが確実に支持台110に固定された状態でワイヤーボンディングを行うことができる。
【0059】
次に、図4(d)に示すように、電極パッド13上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを支持台110上に配置する。
【0060】
次に、図4(e)に示すように、電極パッド13上の金属バンプ106を下にして(フェイスダウンで)、半導体チップ101a及び101bを下降させ、金属バンプ106をリードフレームの対応するフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続する。
【0061】
この金属バンプ106としては、例えばAuスタッドバンプを用い、フリップチップ接続端子108側にAuめっきを施しておけば、超音波と加圧とによるAu−Au超音波接合で簡単にフリップチップ接続を行うことができる。金属バンプ106にはAuスタッドバンプ以外のめっきバンプを用いてもよい。また、端子108上に同様のバンプを設けておいてもよい。
【0062】
なお、このフリップチップ接続は、例えば異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)を用いて行ってもよく、また、超音波と加圧とによる接続方法に加え、更に、必要に応じて加熱処理等を行って接続してもよい。
【0063】
次に、図5(f)に示すように、半導体チップ101a及び101bの裏面に密着する状態でモールド金型123Aを配置すると共に、支持台110の下面に密着する状態でモールド金型123Bを配置した後、両金型間のキャビティ内、即ち、半導体チップ101a及び101bと絶縁シート122との間に絶縁性樹脂を充填して固化させ、絶縁性樹脂層102による封止を行う。但し、少なくとも外部接続端子104は露出させる(以下、同様)。
【0064】
なお、ここでは、各半導体チップ101a及び101bの裏面は絶縁性樹脂層102で被覆されないために、モールド金型123Aを除去する際に、各チップ101a及び101bの裏面が露出する構造となるが、絶縁性樹脂層102の収縮等の形状変化に起因する半導体パッケージの反りを低減する上で、各チップ101a及び101bの裏面も絶縁性樹脂で被覆しても構わない。
【0065】
次に、図5(g)に示すように、モールド金型123A及び123B、支持台110、更には絶縁シート122をそれぞれ除去する。
【0066】
次に、図5(h)に示すように、半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0067】
この製造例1においては、支持台110に対して外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を固定するに際して、比較的変形が容易な絶縁シート122を使用するために、支持台110の凹凸形状に沿って絶縁シート122が密着し易いため、支持台110に対して外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を所望の位置に容易かつ確実に配置することができる。
【0068】
図6〜図7には、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例2を示すものである。
【0069】
この製造例においては、上記したリードフレームや絶縁シート122の代わりに、図6(a)に示すように、所定厚さの金属板124を支持体として使用し、これに各端子を形成する。即ち、例えば、Cu系又はFe系等の金属からなる金属板124上の所定位置に、金属板124を電極として電界めっきを行うことにより、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108をそれぞれ所定パターンに形成する。
【0070】
次に、図6(b)に示すように、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108が設けられた金属板124を例えばスタンピング法等により曲げ加工して、図4(b)に示した形状と同一形状に加工する。
【0071】
次に、図6(c)に示すように、金属ワイヤー103により、上記したと同様にフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。
【0072】
次に、図6(d)に示すように、電極パッド113上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを金属板124上に配置する。
【0073】
次に、図6(e)に示すように、半導体チップ101a及び101bを、それぞれの金属バンプ106の側でそれぞれフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続する。
【0074】
次に、図7(f)に示すように、図5(f)及び(g)で述べたと同様にして、それぞれの半導体チップ101a及び101bと外部接続端子104との間等に絶縁性樹脂を充填して絶縁性樹脂層102により封止する。
【0075】
次に、図7(g)に示すように、金属板124をエッチング等で除去する。
【0076】
次に、図7(h)に示すように、隣接する半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0077】
この製造例2においては、金属板124を電極として使用する電解めっきにより外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108を形成するので、エッチングにより形成する場合よりも高精度かつ狭ピッチで、各接続端子を形成できると共に、接続端子の厚さもより薄くすることができ、半導体パッケージ109全体の高さをより低く抑えることができる。
【0078】
図8〜図9は、本実施の形態による半導体パッケージ109の製造例3を示すものである。
【0079】
この製造例においては、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間の段差の形成を、上記した如き金属板の曲げ加工によって形成するのではなく、金属板の部分的なエッチング加工によって形成する。即ち、図8(a)に示すように、例えばCu系又はFe系等の金属からなる金属板128上の所定位置に、予め所定形状に加工されたレジスト(図示せず)を設け、このレジストをマスクにして金属板128を所定深さにエッチングした後にレジストを除去することにより、外部接続端子104を形成するための凹部129を所定位置に設ける。
【0080】
次に、図8(b)に示すように、金属板128上の所定位置及び凹部129の底面を除いて、レジスト(図示せず)を所定パターンに設けた後に、金属板128を電極として電解めっきを行い、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108をそれぞれ形成する。
【0081】
次に、図8(c)に示すように、上述したと同様に、金属ワイヤー103により、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを電気的にワイヤーボンディング接続する。
【0082】
次に、図8(d)に示すように、電極パッド113上に金属バンプ106を設けた半導体チップ101a及び101bを金属板128上に配置する。
【0083】
次に、図8(e)に示すように、半導体チップ101a及び101bを金属バンプ106を介して、それぞれフリップチップ接続端子108にフェイスダウンでフリップチップ接続する。
【0084】
次に、図9(f)に示すように、金属板124上に絶縁性樹脂を充填し、絶縁性樹脂層102によって封止する。
【0085】
次に、図9(g)に示すように、金属板128をエッチング等で除去する。
【0086】
次に、図9(h)に示すように、隣接する半導体チップ101a及び101b間を絶縁性樹脂層102の部分でダイシングすることによって個片化し、半導体パッケージ109a及び109bを作製する。
【0087】
この製造例3においては、各外部接続端子104が半導体パッケージ109a及び109bの底面において部分的に突出した位置に設けられるために、プリント配線基板への実装時においてパッケージ−配線基板間に外部接続端子104以外の領域で空隙が生じてスタンドオフを確保できるので、この空隙内に異物やゴミ等が入り込むことにより、外部接続端子104上に付着することが低減し、実装不良の危険性を小さくすることができる。
【0088】
第2の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図10(A)の断面図及び図10(B)の平面図に示すように、半導体チップ201の領域内及び領域外に、円形で複数の外部接続端子204が島状及び格子状に配置され、いわばファンイン構造及びファンアウト構造が混在したものである。そして、半導体チップ201は、その中間部(アクティブエリア)で回路面を下に配置したフェイスダウンで端子208にフリップリップ接続されている。
【0089】
即ち、半導体チップ201の電極パッド213とフリップチップ接続端子208とがチップ201の中間部の同じ位置にインライン配置されており、金属ワイヤー203により外部接続端子204とフリップチップ接続端子208とが電気的にワイヤーボンディング接続され、また半導体チップ201は金属バンプ206を介してフェイスダウンによりフリップチップ接続端子208上にフリップチップ接続されている。
【0090】
この構造においては、一部がファンアウト構造であり、他部はファンイン構造でもあるために、チップ201の外周囲205に設けるべきワイヤーボンディングのためのエリアを図20に示した従来例と比べて少なくすることができ、従って、チップ201の面積に半導体パッケージ209の実装面積をより近づけることができる。なお、この構造は半導体チップ201の面積が半導体パッケージ209の実装面積に比べて小さい場合に有効である。
【0091】
なお、図11に示すように、図4(e)に示した工程に相当するフリップチップ接続工程において、支持台210の中間部に形成された凸部239上に半導体チップ201のフリップチップ接続を行う際に、半導体チップ201の底面と外部接続端子204との間に空間が存在するために、半導体チップ201の中間部以外の部分に上方から外力が作用すると、半導体チップ201が上下に振れて位置が変動(あおり)し、不安定となり易い。
【0092】
そこで、図10(B)の平面図に示すように、半導体チップ201の長辺方向の支持台210の両端部において、半導体チップ201の短辺方向に凸部239の一部を延長して連設することにより、凸部239をI字形となしておけば、半導体チップ201の底面の各角部を含む短辺側が凸部239の延長部上に支持されることになる。このため、凸部239上にあおりなしに安定した状態でチップ201を位置させ、フリップチップ接続を安定して行うことができる。なお、図10(B)では、支持台210の凸部239に対応したI字形の凹部が段差Sとして絶縁性樹脂層202に生じることになる。
【0093】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0094】
第3の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図12(A)の断面図及び図12(B)の平面図に示すように、半導体チップ301の領域外に円形で複数の外部接続端子304が島状及び格子状に配置され、ファンアウト構造及びエリアアレイ配置構造となっている。半導体チップ301は、回路面を下にしたフェイスダウンで端子308にフリップチップ接続され、また金属ワイヤー303によって、同一レベル位置に配置された(即ち、段差がない状態で)外部接続端子304とフリップチップ接続端子308とが電気的にワイヤーボンディングされている。
【0095】
本実施の形態においては、外部接続端子304とフリップチップ接続端子308とが同一レベル位置に配置され、かつ、金属ワイヤー303による配線が半導体チップ301の外周囲305のみで行なわれているために、ワイヤーボンディング接続時に生じる金属ワイヤー303によるループの高さ上昇を抑えることができ、半導体パッケージ309の高さを低く抑えてより薄型化することができる。なお、この構造は、半導体チップ301の面積が半導体パッケージ309の実装面積に比べて小さい場合に有効である。
【0096】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0097】
第4の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図13(A)の断面図及び図13(B)の平面図に示すように、図10に示した例と同様に、半導体チップ401の領域内及び領域外に、円形で複数の外部接続端子404が島状及び格子状に配置され、いわばファンイン構造及びファンアウト構造が混在したものとなっている。また、半導体チップ401は、回路面を下にしてフェイスダウンでフリップチップ接続されている。
【0098】
そして、上述した段差Sが半導体パッケージ409の短辺側で更に拡大されており、ここに抵抗素子やコンデンサ等の受動部品426や、インダクタパターン427等が固定され、これらは配線パターン425によってフリップチップ接続端子408まで一体に連設されている。
【0099】
即ち、受動部品426等は、フリップチップ接続端子408と同一レベル位置にてこの接続端子を所定形状に延長してなる配線パターン425上に、例えばはんだ428等により電気的に接続固定することができる。配線パターン425には、例えば、接続の信頼性向上のためにSnめっき等を施すことができ、また受動部品426等は、はんだ以外にも導電性接着剤等で接続してもよいし、ワイヤーボンディングを行うときは配線パターン425にNi/Auめっき等を施すのがよい。なお、図中の402は絶縁性樹脂層、403は金属ワイヤー、403aはボールボンド部、403bはウェッジボンド部、406は金属バンプ、409は半導体パッケージ、413は電極パッドである。
【0100】
このように、本実施の形態では、従来、プリント配線基板側に実装していた受動部品426及びインダクタパターン427等の周辺部品を、半導体パッケージ409の内部に取り込んで半導体チップと共に内蔵することができ、半導体パッケージ409が単体で機能特性を保証することが可能になる。
【0101】
その他、本実施の形態においては、上述の第2の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0102】
第5の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図14(A)の断面図及び図14(B)の平面図に示すように、2つの半導体チップ501a及び501bのそれぞれの領域内に、円形で複数の外部接続端子504が島状及び格子状に配置され、ファンイン構造となされており、また、半導体チップ501a及び501bは回路面を下にしたフェイスダウンでフリップチップ接続されていると共に、両チップ間が共通のフリップチップ接続端子508で接続されていわゆるMCM(Multi Chip Module)化されている。
【0103】
即ち、半導体チップ501a及び501bの電極パッド513とフリップチップ接続端子508とが、チップ501a及び501bの下面周辺部に所定パターンで配置されており、チップ501a及び501bの電極パッド513上には予め金属バンプ506が形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子508上にフリップチップ接続されているが、両チップ501a及び501bの対向位置にあるフリップチップ接続端子508は両チップに共通となっている。また、金属ワイヤー503によって、段差Sの上、下に設けられた外部接続端子504とフリップチップ接続端子508とが電気的にワイヤーボンディング接続されている。
【0104】
そして、半導体パッケージ509内に複数の半導体チップ501a及び501bが内蔵され、隣接する半導体チップ501a及び501bのそれぞれの電極パッド513が両チップ間(半導体パッケージ509の中間部)に存在する配線パターン状のフリップチップ接続端子508によって接続されている。
【0105】
本実施の形態では、例えば、デジタル及びアナログ半導体チップ等のように異種のプロセスを経て作製された複数の半導体チップを、必要あれば電気的に接続して、比較的容易に同一の半導体パッケージ509内に収納することができる。
【0106】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0107】
第6の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図15(A)の断面図及び図15(B)の平面図に示すように、半導体チップ601aの上部にダイボンド材611を介して別の半導体チップ601bを載置することにより、複数の半導体チップをチップスタックして同一の半導体パッケージ609内に収納している。
【0108】
この構造においては、図1に示した例と同様に、下段の半導体チップ601aをファンイン構造とし、フリップチップ接続端子608と外部接続端子604及び電極パッド613とをワイヤーボンディング接続及びフリップチップ接続でそれぞれ電気的に接続する。更に、上段に配置する半導体チップ601bを下段に配置する半導体チップ601aの上にダイボンド材611を介して固定すると共に、半導体チップ601bについては、その上面周辺部に設けられた電極パッド613とその外周囲605の外部接続端子604とを、ファンアウト構造でワイヤー603にて電気的にワーヤーボンディング接続している。なお、図中の602は絶縁性樹脂層、603aはボールボンド部、603bはウェッジボンド部、606は金属バンプである。
【0109】
本実施の形態では、同じ半導体パッケージ609内に複数の半導体チップ601a及び601bを収納したことにより外部接続端子604が増加するが、外部接続端子604の配置をスタックされた上、下の半導体チップ毎にファンイン構造とファンアウト構造とにうまく振り分けることによって、半導体パッケージ609の実装面積の増加を抑制することができる。
【0110】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0111】
第7の実施の形態
本実施の形態の半導体パッケージによれば、図16(A)の断面図及び図16(B)の平面図に示すように、半導体チップ701の領域外に、円形で複数の外部接続端子704が島状及び格子状に配置され、半導体チップ701の外周囲705に外部接続端子704を配置するファンアウト構造及びエリアアレイ配置となっている。半導体チップ701は、回路面を下にしたフェイスダウンでフリップチップ接続端子708に接続されている。
【0112】
そして、半導体チップ701の電極パッド713とフリップチップ接続端子708とがチップ701の周辺部下面に配置されており、半導体チップ701の電極パッド713上には予め金属バンプ706が形成された状態で、フェイスダウンによりフリップチップ接続端子708上にフリップチップ接続され、また、金属ワイヤー703によって、同一レベル位置に配置された外部接続端子704とフリップチップ接続端子708とを電気的にワイヤーボンディング接続している。
【0113】
更に、グランド(接地)の信頼性の強化のために、半導体チップ701の下部に高熱伝導性材料層714を介してグランド(GND)パッド712を設けている。このグランドパッド712はフリップチップ接続端子708の一部に連設されたパターンとして形成されており、GND用の外部接続端子704の個数を増やしてワイヤー703でワイヤーボンディングすることにより接地の信頼性が向上する。
【0114】
また、グランドパッド712と半導体チップ701の回路面との間に、シリコーンゴムやグラファイトシート等の高熱伝導性材料からなる高熱伝導性材料層714を形成することによって、グランドパッド712を放熱用のパッドとして利用することもできる。なお、グランドパッド712をはんだ等によって直接プリント配線基板の接地パターンに接続すれば、上記したワイヤーボンディングによる接地は不要となり、より信頼性の高い接地を行える。
【0115】
その他、本実施の形態においては、上述の第3の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0116】
他の実施の形態
図17〜図18は、図3に示した接続構造の変形例を示すものである。
【0117】
まず、図17(A)に示す構造例1においては、半導体チップ101の周辺部の下面又はフリップチップ接続端子104上において、2つの金属バンプ106a及び106bを設け、これらのバンプを介して、チップ101の電極パッド113とフリップチップ接続端子108とをフリップチップ接続し、かつフリップチップ接続端子108と外部接続端子104とをワイヤーボンディングにより電気的に接続する。
【0118】
このワイヤーボンディング配線においては、外部接続端子104側をボールボンドし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンドする。更に、半導体チップ101の電極パッド113上又はフリップチップ接続端子108上に金属バンプ106b及び106aを順次積層形成し、これらの金属バンプ106a及び106bを介してフリップチップ接続端子108にフリップチップ接続しているので、この接続の接合強度が向上する。
【0119】
この場合、外部接続端子104及びフリップチップ接続端子108は共に、図3に示したと同様の積層構造を有しており、リードフレーム119を挟んで内面側及び外面側に、例えば無電解めっきによってめっき層を形成する。この無電解めっきに使用する金属の材質としては、例えば、Cu/Ni/Auめっき及びNi/Auめっき等が挙げられる。工程上、この金属端子めっき層の形成においては、Cu/Ni/Auめっきからなる端子内部めっき層120及び金属膜130aは図4(a)に示した絶縁シート122上で形成し、Ni/Auめっきからなる端子外部めっき層121及び金属膜130bは、絶縁シート122を除去した後の図5(g)に示した工程で形成する(以下、同様)。
【0120】
また、外部接続端子104とフリップチップ接続端子108との間には、ワイヤーボンディング配線をし易くするために100μm程度の段差Sを設けており、フリップチップ接続端子108側を半導体チップ101に近いレベル位置に配置する。
【0121】
この構造例1は、金属ワイヤー103と半導体チップ101との距離を取る必要がある場合に有効である。
【0122】
次に、図17(B)に示す構造例2においては、金属ワイヤー103のワイヤーボンディング配線のレベル位置や金属バンプ106a及び106bの形成順序が異なる以外は、上記の構造例1と同様である。
【0123】
即ち、フリップチップ接続端子108上に金属バンプ106aを形成し、金属バンプ106a上に金属ワイヤー103をウェッジボンドで接続した後に、半導体チップ101の電極パッド113上又は金属バンプ106a上に金属バンプ106bを形成し、フリップチップ接続端子108に半導体チップ101をフリップチップ接続する。
【0124】
この構造例2によれば、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103による配線を行う前に金属バンプ106aを形成し、この金属バンプ106a上にウェッジボンディングしているので、直接フリップチップ接続端子108にウェッジボンドするよりも、金属ワイヤー103とフリップチップ接続端子108との接続強度を高めることができる。また、金属ワイヤー103のループ形状を高くできることによって、金属ワイヤー103の垂れによる半導体パッケージ101の底面への金属ワイヤー103の露出を防止できる。
【0125】
次に、図18(C)に示す構造例3においては、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを同一レベル位置に配置した構造において、フリップチップ接続端子108に金属ワイヤー103をボールボンディングし、このボールボンド部103aの上面から側面にかけて金属ワイヤー103を接するように曲げてから外部接続端子104上にウェッジボンディングしている。
【0126】
この構造例3においては、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103のボールボンド部103aを形成し、このボールボンド部103a上に金属ワイヤー103を接触させて外部接続端子104上にウェッジボンド部103bを形成した後に、半導体チップ101をフリップチップ接続しているので、金属バンプを用いないでもフリップチップ接続端子108との接続強度が高められると共に、ボールボンド部103a上に金属ワイヤー103を圧着することによって、ワイヤーループを低く抑えることができ、半導体パッケージ101の高さを低くすることができる。なお、外部接続端子104側をボールボンディングし、フリップチップ接続端子108側をウェッジボンディングしてもよいが、この場合も半導体パッケージ101の高さを低くすることができる(但し、フリップチップ接続には金属バンプを設けることが望ましい)。
【0127】
次に、図18(D)に示す構造例4においては、フリップチップ接続端子108上に金属バンプ106aを設け、外部接続端子104側をボールボンディングした後、金属バンプ106aの上においてウェッジボンディングし、更に電極パッド113上に金属バンプ106b設けてフリップチップ接続しているが、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104とを同一レベル位置に配置して段差を無くす以外は、上記の構造例2と同様である。
【0128】
この構造例4においては、フリップチップ接続端子108上に金属ワイヤー103の配線を行う前に金属バンプ106aを形成し、この金属バンプ106a上に金属ワイヤー103によるウェッジボンドを行い、更に金属バンプ106bを介してフリップチップ接続しているので、金属ワイヤー103とフリップチップ接続端子108との接続強度が高められる。
【0129】
図19(A)は、上述の第1の実施の形態において、図5(g)の工程後に、フリップチップ接続端子108を覆って保護するように、フリップチップ接続端子108と外部接続端子104との間の段差部分にスキージ115によって絶縁性樹脂材料118aを塗布または印刷して絶縁性樹脂層107を被着した例である。これによって、フリップチップ接続端子108を絶縁性樹脂層107で完全に覆う。
【0130】
また、図19(B)に示すように、フリップチップ接続端子108の露出面と外部接続端子104の露出面との間の段差部分に、ノズル116によって絶縁性樹脂材料118aを充填することによって、絶縁性樹脂層107を形成することもできる。
【0131】
そして、図19(C)に示すように、フリップチップ接続端子108の露出面と外部接続端子104の露出面との間の段差部分に絶縁性樹脂層107を形成した後に、隣接する半導体チップ101a及び101bの間に存在する絶縁性樹脂層102及び絶縁性樹脂層107の部分で、フリップチップ接続端子108の側面が露出しないようにダイシングすることにより、フリップチップ接続端子108が半導体パッケージ109a及び109b内に完全に内設されて保護されることになるので、外部接続端子104との間の短絡やプリント配線基板(実装基板)上の配線パターンとの間の短絡等が生じることがない。
【0132】
以上に説明した実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々に変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)、底面図(B)及びその透視平面図(C)である。
【図2】同、半導体パッケージの実装構造を示す断面図である。
【図3】同、半導体パッケージの要部拡大断面図である。
【図4】同、半導体パッケージの製造例1を工程順に示す断面図である。
【図5】同、製造例1を工程順に示す断面図である。
【図6】同、半導体パッケージの製造例2を工程順に示す断面図である。
【図7】同、製造例2を工程順に示す断面図である。
【図8】同、半導体パッケージの製造例3を工程順に示す断面図である。
【図9】同、製造例3を工程順に示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図11】同、支持台に支持された半導体チップの断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図14】本発明の第5の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図15】本発明の第6の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図16】本発明の第7の実施の形態による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及びその透視平面図(B)である。
【図17】本発明の他の実施の形態による構造例1の半導体パッケージの部分線断面図(A)、構造例2の半導体パッケージの部分断面図(B)である。
【図18】同、構造例3の半導体パッケージの部分線断面図(C)、及び構造例4の半導体パッケージの部分断面図(D)である。
【図19】同、半導体パッケージの作製工程を示す断面図(A)、半導体パッケージの別の作製工程を示す断面図及び半導体パッケージを個片化する工程を示す断面図(C)である。
【図20】従来例による半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及び透視平面図(B)である。
【図21】同、別の半導体パッケージのA−A’線断面図(A)及び透視平面図(B)である。
【図22】同、更に別の半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
【0134】
101、101a、101b、201、301、401、501a、501b、601a、601b、701…半導体チップ、
102、107、202、302、402、502、602、702…絶縁性樹脂層、
103、203、303、403、503、603、703…金属ワイヤー、
104、204、304、404、504、604、704…外部接続端子、
106、106a、106b、206、306、406、506、606、706…金属バンプ、
108、208、308、408、508、608、708…フリップチップ接続端子、
109、109a、109b、209、309、409、509、609、709…半導体パッケージ、
110、210…支持台、
113、213、313、413、513、613、713…電極パッド、
115…スキージ、116…ノズル、118a…絶縁性樹脂、119…リードフレーム、
120…端子内部めっき層、121…端子外部めっき層、122…絶縁シート、
123A、123B…モールド金型、124、128…金属板、129…凹部、
131…プリント配線基板、132…配線、425…配線パターン、426…受動部品、
427…インダクタパターン、611…ダイボンド材、712…ダイパッド、
714…高熱伝導性材料層、S…段差
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有するチップ部品と、前記電極の取り出し端子と、外部接続端子とを有し、前記チップ部品の前記電極が前記電極取り出し端子にフリップチップ接続され、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とがこれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続されているチップ状電子部品。
【請求項2】
前記導電性線材が絶縁層に埋設されていて、前記外部接続端子が前記絶縁層の表面に露出している、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項3】
前記導電性線材の一端が前記外部接続端子にボールボンドで接続され、他端が前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続されている、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項4】
前記外部接続端子が前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在している、請求項3に記載のチップ状電子部品。
【請求項5】
前記外部接続端子が前記絶縁層の段差上に設けられている、請求項4に記載のチップ状電子部品。
【請求項6】
前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子が、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込まれている、請求項5に記載のチップ状電子部品。
【請求項7】
前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とが前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在し、前記導電性線材の一端が前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続され、他端が前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続される、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項8】
前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが、導電性バンプを介して電気的に接続され、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とが前記導電性線材によって電気的に接続されている、請求項4又は7に記載のチップ状電子部品。
【請求項9】
前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが接合している、請求項8に記載のチップ状電子部品。
【請求項10】
前記外部接続端子が、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域に設けられる、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項11】
前記電極取り出し端子が、前記チップ部品の周辺部又は中間部に設けられている、請求項10に記載のチップ状電子部品。
【請求項12】
前記電極取り出し端子と同一レベル位置に、前記チップ部品の電極取り出し端子に接続された別のチップ部品が配置され、これらの部品が絶縁層に埋設されている、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項13】
前記同一レベル位置が前記外部接続端子のレベル位置よりも高い、請求項12に記載のチップ状電子部品。
【請求項14】
前記チップ部品の複数個が、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設されている、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項15】
チップ部品の電極取り出し端子と、外部出力端子とを所定の位置に配置する工程と、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをそれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続する工程と、前記チップ部品の電極を前記電極取り出し端子にフリップチップ接続する工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記フリップチップ接続後に前記導電性線材を絶縁層に埋設すると共に、前記外部接続端子を前記絶縁層の表面に露出させる、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記導電性線材の一端を前記外部接続端子にボールボンドで接続し、他端を前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項18】
前記外部接続端子を前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在させる、請求項17に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項19】
前記外部接続端子を前記絶縁層の段差上に設ける、請求項18に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項20】
前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子を、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込む、請求項19に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項21】
前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とを前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在させ、前記導電性線材の一端を前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続し、他端を前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項22】
前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とを、導電性バンプを介して電気的に接続し、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とを前記導電性線材によって電気的に接続する、請求項18又は21に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項23】
前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とを接合する、請求項22に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項24】
前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを支持体上に配置し、これら両端子間を電気的に接続した前記導電性線材を前記絶縁層に埋設した後に前記支持体を除去し、更に前記絶縁層の位置で切断して個々のチップ状電子部品に個片化する、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項25】
前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをエッチング、めっき又はスタンピングによって所定パターンに形成する、請求項24に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項26】
前記外部接続端子を、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域に設ける、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項27】
前記電極取り出し端子を、前記チップ部品の周辺部又は中間部に設ける、請求項25に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項28】
前記電極取り出し端子と同一レベル位置に、前記チップ部品の電極取り出し端子に接続された別のチップ部品を配置し、これらの部品を絶縁層に埋設する、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項29】
前記同一レベル位置を前記外部接続端子のレベル位置よりも高くする、請求項28に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項30】
前記チップ部品の複数個を、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項31】
請求項1〜14のいずれか1項に記載したチップ状電子部品をプリント配線板に実装してなる、チップ状電子部品の実装構造。
【請求項1】
電極を有するチップ部品と、前記電極の取り出し端子と、外部接続端子とを有し、前記チップ部品の前記電極が前記電極取り出し端子にフリップチップ接続され、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とがこれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続されているチップ状電子部品。
【請求項2】
前記導電性線材が絶縁層に埋設されていて、前記外部接続端子が前記絶縁層の表面に露出している、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項3】
前記導電性線材の一端が前記外部接続端子にボールボンドで接続され、他端が前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続されている、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項4】
前記外部接続端子が前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在している、請求項3に記載のチップ状電子部品。
【請求項5】
前記外部接続端子が前記絶縁層の段差上に設けられている、請求項4に記載のチップ状電子部品。
【請求項6】
前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子が、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込まれている、請求項5に記載のチップ状電子部品。
【請求項7】
前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とが前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在し、前記導電性線材の一端が前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続され、他端が前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続される、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項8】
前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが、導電性バンプを介して電気的に接続され、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とが前記導電性線材によって電気的に接続されている、請求項4又は7に記載のチップ状電子部品。
【請求項9】
前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とが接合している、請求項8に記載のチップ状電子部品。
【請求項10】
前記外部接続端子が、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域に設けられる、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項11】
前記電極取り出し端子が、前記チップ部品の周辺部又は中間部に設けられている、請求項10に記載のチップ状電子部品。
【請求項12】
前記電極取り出し端子と同一レベル位置に、前記チップ部品の電極取り出し端子に接続された別のチップ部品が配置され、これらの部品が絶縁層に埋設されている、請求項1に記載のチップ状電子部品。
【請求項13】
前記同一レベル位置が前記外部接続端子のレベル位置よりも高い、請求項12に記載のチップ状電子部品。
【請求項14】
前記チップ部品の複数個が、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設されている、請求項2に記載のチップ状電子部品。
【請求項15】
チップ部品の電極取り出し端子と、外部出力端子とを所定の位置に配置する工程と、前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをそれら両端子間に架け渡された導電性線材によって電気的に接続する工程と、前記チップ部品の電極を前記電極取り出し端子にフリップチップ接続する工程とを有する、チップ状電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記フリップチップ接続後に前記導電性線材を絶縁層に埋設すると共に、前記外部接続端子を前記絶縁層の表面に露出させる、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記導電性線材の一端を前記外部接続端子にボールボンドで接続し、他端を前記電極取り出し端子にウェッジボンドで接続する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項18】
前記外部接続端子を前記電極取り出し端子よりも前記チップ部品から遠いレベル位置に存在させる、請求項17に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項19】
前記外部接続端子を前記絶縁層の段差上に設ける、請求項18に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項20】
前記段差の底面に存在する前記電極取り出し端子を、前記段差に設けられた別の絶縁層に埋め込む、請求項19に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項21】
前記外部接続端子と前記電極取り出し端子とを前記チップ部品に対しほぼ等距離のレベル位置に存在させ、前記導電性線材の一端を前記電極取り出し端子にボールボンド又はウェッジボンドで接続し、他端を前記外部接続端子にウェッジボンド又はボールボンドで接続する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項22】
前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とを、導電性バンプを介して電気的に接続し、更にこの導電性バンプと前記外部接続端子とを前記導電性線材によって電気的に接続する、請求項18又は21に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項23】
前記ボールボンド部を介して前記チップ部品の電極と前記電極取り出し端子とを接合する、請求項22に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項24】
前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とを支持体上に配置し、これら両端子間を電気的に接続した前記導電性線材を前記絶縁層に埋設した後に前記支持体を除去し、更に前記絶縁層の位置で切断して個々のチップ状電子部品に個片化する、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項25】
前記電極取り出し端子と前記外部接続端子とをエッチング、めっき又はスタンピングによって所定パターンに形成する、請求項24に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項26】
前記外部接続端子を、前記チップ部品の領域内、領域外又はこれらの両領域に設ける、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項27】
前記電極取り出し端子を、前記チップ部品の周辺部又は中間部に設ける、請求項25に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項28】
前記電極取り出し端子と同一レベル位置に、前記チップ部品の電極取り出し端子に接続された別のチップ部品を配置し、これらの部品を絶縁層に埋設する、請求項15に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項29】
前記同一レベル位置を前記外部接続端子のレベル位置よりも高くする、請求項28に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項30】
前記チップ部品の複数個を、共通の前記電極取り出し端子を介して互いに接続された状態で前記絶縁層に埋設する、請求項16に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項31】
請求項1〜14のいずれか1項に記載したチップ状電子部品をプリント配線板に実装してなる、チップ状電子部品の実装構造。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【図15】


【図16】


【図17】


【図18】


【図19】


【図20】


【図21】


【図22】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【図15】


【図16】


【図17】


【図18】


【図19】


【図20】


【図21】


【図22】


【公開番号】特開2005−223162(P2005−223162A)
【公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−30016(P2004−30016)
【出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]