説明

チップ状電子部品の製造方法

【課題】高い製造歩留まりで容易にチップ状電子部品を製造することができるチップ状電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】粘着力をもつ表面20aを有する基盤20上に、電子部品本体30のいずれかの表面を粘着させる粘着工程を行う。電子部品本体30の基盤20とは反対側にスライダー23を当接させた状態でスライダー23を基盤20に対して相対的にスライドさせることにより電子部品本体30を回転させ、機能部材を形成するために電子部品本体30の一の表面以外の表面を基盤20に粘着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ状電子部品の製造方法に関し、詳細には、略直方体形状の電子部品本体の両端面のそれぞれに、ペーストから形成されている外部電極などの機能部材が形成されているチップ状電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器において、多数のチップ状電子部品が使用されている。チップ状電子部品の具体例としては、例えば、積層セラミックコンデンサなどが挙げられる。積層セラミックコンデンサは、一般的に、内部に第1及び第2の内部電極が対向するように形成されている略直方体形状のセラミック素体と、セラミック素体の端面に形成されている第1及び第2の外部電極とを備えている。
【0003】
このような積層セラミックコンデンサでは、セラミック素体の端面に導電性ペーストを塗布し、焼成することにより第1及び第2の外部電極が形成される。例えば、下記の特許文献1には、この第1及び第2の外部電極の形成方法として、以下のような方法が記載されている。
【0004】
まず、図14(a)に示すように、ステンレス製のベースプレート101と粘着性を有するシリコンゴム102とからなるプレート100にセラミック素体103の一方の端面を粘着させる。次に、図14(b)に示すように、セラミック素体103の一方の端面を塗布ヘッド104に押しつける。これにより、図14(c)に示すように、セラミック素体103の一方の端面に導体ペースト層105を形成する。そして、その導体ペースト層105を焼成することにより図15(a)に示す第1の外部電極106を形成する。
【0005】
次に、図15(b)に示すように、PETフィルム108に発泡性剥離粘着剤109が塗布されたシート107に第1の外部電極106を押しつける。ここで、発泡性剥離粘着剤109の粘着力は、シリコンゴム102の粘着力よりも高い。従って、図15(c)に示すように、セラミック素体103は、プレート100から剥離され、シート107に粘着する。その状態で、セラミック素体103の他方の端面に導体ペースト層を形成し、焼成することにより第2の外部電極を形成する。
【0006】
上記の方法によれば、高い作業効率かつ製造歩留まりでチップ状電子部品を製造することができる旨が特許文献1には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−266208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のチップ状電子部品の製造方法では、プレート100とシート107という複数の保持治具が必要であった。また、粘着力が比較的弱いシリコンゴム102の粘着力が経時的に弱くなり、プレート100からセラミック素体103が脱落するおそれもあった。さらに、異なる保持治具間でセラミック素体103を受け渡す際に、セラミック素体103が脱落したり、セラミック素体103がプレート100に取り残されたりするおそれもあった。従って、十分に高い製造歩留まりを実現することが困難であった。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い製造歩留まりで容易にチップ状電子部品を製造することができるチップ状電子部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法は、第1及び第2の主面と、第1及び第2の主面に対して垂直な第1及び第2の側面と、第1及び第2の主面並びに第1及び第2の側面に対して垂直な第1及び第2の端面とを有する略直方体形状の電子部品本体と、第1及び第2の主面、第1及び第2の側面並びに第1及び第2の端面のうちのひとつにより構成された一の表面に設けられた機能部材とを備えるチップ状電子部品の製造方法に関する。
【0011】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法は、粘着力をもつ表面を有する基盤上に、電子部品本体のいずれかの表面を粘着させる粘着工程と、電子部品本体の基盤とは反対側にスライダーを当接させた状態でスライダーを基盤に対して相対的にスライドさせることにより電子部品本体を回転させ、機能部材を形成するために電子部品本体の一の表面以外の表面を基盤に粘着させる工程とを備えている。
【0012】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のある特定の局面では、粘着工程は、電子部品本体の第1の主面を基盤の表面に粘着させる工程と、電子部品本体の第2の主面側にスライダーを当接させた状態でスライダーを基盤に対して相対的にスライドさせることにより電子部品本体を90°回転させ、電子部品本体の第2の端面側を基盤に粘着させる工程とを含む。
【0013】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法の別の特定の局面では、機能部材は、外部電極である。この場合、チップ状セラミック電子部品を高い製造歩留まりで容易に製造することができる。
【0014】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のさらに他の特定の局面では、電子部品本体は、外部電極に接続される内部電極が内部に形成されているセラミック素体である。
【0015】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のさらに別の特定の局面では、スライダーの基盤側の表面は弾性を有する。この構成によれば、電子部品本体を高い確実性で容易に回転させることができる。また、電子部品本体とスライダーとの接触に起因して電子部品本体が損傷することを効果的に抑制することができる。
【0016】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のまた他の特定の局面では、スライダーは、支持部材と、支持部材の表面に貼付されている弾性体とを有する。この構成によれば、スライダーの表面を平坦に保つことができる。従って、電子部品本体を高い確実性で容易に回転させることができる。また、スライダーの取り回し性が改善される。
【0017】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のまた別の特定の局面では、支持部材は、金属板である。
【0018】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法のさらにまた他の特定の局面では、スライダーの基盤側の表面には、凹凸が形成されている。この構成によれば、電子部品本体を高い確実性で容易に回転させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法では、電子部品本体の脱落を効果的に抑制でき、高い製造歩留まりで容易にチップ状電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】セラミック電子部品の製造工程を表すフローチャートである。
【図2】生のセラミック積層体を基盤上に配置した工程を表す略図的斜視図である。
【図3】図2におけるIII−III矢視図である。
【図4】生のセラミック積層体を90°回転させる工程を説明するための略図的断面図である。
【図5】生のセラミック積層体を90°回転させる工程を説明するための略図的断面図である。
【図6】第1の導電性ペースト層を形成する工程を説明するための略図的断面図である。
【図7】生のセラミック積層体を180°回転させる工程を説明するための略図的断面図である。
【図8】生のセラミック積層体を180°回転させる工程を説明するための略図的断面図である。
【図9】生のセラミック積層体を180°回転させる工程を説明するための略図的断面図である。
【図10】第2の導電性ペースト層を形成する工程を説明するための略図的断面図である。
【図11】セラミック電子部品の略図的斜視図である。
【図12】図11におけるXI−XI矢視図である。
【図13】図11におけるXII−XII矢視図である。
【図14】図14(a)〜(c)は、特許文献1に記載されているチップ状電子部品の製造工程を表す略図的断面図である。
【図15】図15(a)〜(c)は、特許文献1に記載されているチップ状電子部品の製造工程を表す略図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0022】
なお、本実施形態では、チップ状電子部品であるセラミック電子部品の製造方法を例に挙げて本発明の一実施形態について説明する。まず、図11〜図13を参照しつつ、本実施形態において製造されるセラミック電子部品1について説明する。
【0023】
セラミック電子部品1は、例えば、セラミックコンデンサ素子、セラミック圧電素子、サーミスタ素子、インダクタ素子などを構成している。図11〜図13に示すように、セラミック電子部品1は、セラミック素体10を備えている。セラミック素体10は、略直方体状に形成されている。詳細には、セラミック素体10は、各角部及び稜線部がR面取り状に形成されている略直方体状に形成されている。セラミック素体10は、第1及び第2の主面10a、10bと、第1及び第2の側面10c、10dと、第1及び第2の端面10e、10fとを有する。第1及び第2の側面10c、10dは、第1及び第2の主面10a、10bに対して垂直である。第1及び第2の端面10e、10fは、第1及び第2の主面10a、10b並びに第1及び第2の側面10c、10dに対して垂直である。
【0024】
セラミック素体10の大きさは、特に限定されない。
【0025】
セラミック素体10は、適宜のセラミック材料により形成されている。セラミック素体10を構成するセラミック材料は、セラミック電子部品1の特性などにより適宜選択される。例えば、セラミック電子部品1がセラミックコンデンサ素子である場合は、セラミック素体10は、誘電体セラミックを主成分とする材料により形成することができる。誘電体セラミックの具体例としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、CaZrOなどが挙げられる。セラミック素体10には、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を適宜添加してもよい。
【0026】
また、例えば、セラミック電子部品1がセラミック圧電素子である場合には、セラミック素体10は、例えば、圧電セラミックを主成分とする材料により形成することができる。圧電セラミックの具体例としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックなどが挙げられる。
【0027】
例えば、セラミック電子部品1がサーミスタ素子である場合には、セラミック素体10は、例えば、半導体セラミックを主成分とする材料により形成することができる。半導体セラミックの具体例としては、例えば、スピネル系セラミックなどが挙げられる。
【0028】
例えば、セラミック電子部品1がインダクタ素子である場合には、セラミック素体10は、磁性体セラミックを主成分とする材料により形成することができる。磁性体セラミックの具体例としては、例えば、フェライトセラミックなどが挙げられる。
【0029】
なお、セラミック素体10は、例えば、積層された複数のセラミック層からなるものであってもよいし、一体に形成されたセラミック体からなるものであってもよい。セラミック素体10の構成は、セラミック素体10の製造方法などに応じて、適宜選択できるものである。
【0030】
図12及び図13に示すように、セラミック素体10の内部には、複数の第1及び第2の内部電極11,12が形成されている。第1及び第2の内部電極11,12は、相互に間隔をあけて交互に配置されている。すなわち、隣接する第1及び第2の内部電極11,12の一部同士がセラミック層を介して対向するように、第1及び第2の内部電極11,12が配置されている。
【0031】
第1及び第2の内部電極11,12は、適宜の導電性材料により形成することができる。具体的には、第1及び第2の内部電極11,12は、例えば、Ni,Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金などの、これらの金属の少なくとも1種を含む合金等によって形成することができる。
【0032】
図11に示すように、セラミック素体10の第1の端面10eには、第1の内部電極11に接続されている第1の外部電極15が形成されている。また、セラミック素体10の第2の端面10fには、第2の内部電極12に接続されている第2の外部電極16が形成されている。
【0033】
第1及び第2の外部電極15,16は、適宜の導電材料により形成することができる。第1及び第2の外部電極15,16は、例えば、Ni,Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金などの、これらの金属の少なくとも1種を含む合金等によって形成することができる。
【0034】
本実施形態では、第1及び第2の外部電極15,16は、上記の導電材料を含む導電性ペーストから形成されている。
【0035】
次に、セラミック電子部品1の製造方法について説明する。
【0036】
まず、図1に示すように、ステップS1において、生のセラミック積層体を形成する。具体的には、まず、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷などにより、所定のパターンで内部電極形成用種導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。次に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートと、内部電極パターンが形成されているセラミックグリーンシートとを積層し、マザー積層体を形成する。そして、マザー積層体から、図2に示す生のセラミック積層体30を切り出す。後の焼成工程によって、この生のセラミック積層体30からセラミック素体10が形成される。また、内部電極パターンから第1及び第2の内部電極11,12が形成される。なお、本実施形態では、電子部品本体は、この生のセラミック積層体30とセラミック素体10とを総称するものとする。
【0037】
次に、ステップS2において、図2及び図3に示すように、基盤20の表面20a上に複数の生のセラミック積層体30を配置する。ここで、基盤20の表面20aは、粘着力を有している。具体的には、基盤20は、図3に示すように、基板本体21と、基板本体21の表面に設けられている粘着性弾性体層22とを備えている。ステップS2では、生のセラミック積層体30の第1の主面30aを、この粘着性弾性体層22に粘着させる。
【0038】
次に、ステップS3において、生のセラミック積層体30を90°回転させる。具体的には、図4に示すように、生のセラミック積層体30の第2の主面30bにスライダー23を圧接させる。その状態で、スライダー23を基盤20に対して相対的にスライドさせる。これにより、図5に示すように、生のセラミック積層体30を90°回転させる。その結果、生のセラミック積層体30の第2の端面30fが基盤20の表面20aに粘着した状態となる。本実施形態では、これらステップS1〜S3によって、基盤20上に生のセラミック積層体30の第2の端面30fを粘着させる粘着工程が構成されている。
【0039】
なお、本実施形態では、スライダー23の生のセラミック積層体30側の表面23aは弾性を有している。具体的には、図4に示すように、スライダー23は、金属板からなる硬質の支持部材24と、支持部材24に貼付されているゴムや樹脂などからなる弾性体25とを備えている。このように、弾性体25が表面23a側に配置されているため、スライダー23が生のセラミック積層体30に当接することにより生のセラミック積層体30が損傷することが効果的に抑制されている。また、支持部材24が設けられているため、スライダー23の生のセラミック積層体30側の表面23aを平坦に保つことができる。それと共に、支持部材24によってスライダー23のハンドリング性が高められている。
【0040】
なお、本明細書において、弾性体とは、ゴム弾性を有する部材、すなわち、弾力性を有し、弾性変形が容易な部材をいう。弾性体には、金属は含まれない。
【0041】
また、スライダー23の構成は、上記の構成に特に限定されず、例えば、表面に粘着層が形成されているフィルム材などにより構成することもできる。
【0042】
また、本実施形態では、スライダー23の生のセラミック積層体30側の表面23aには、微細な凹凸が形成されている。これにより、表面23aの摩擦係数が高くされている。従って、生のセラミック積層体30を確実に回転させることができる。もっとも、スライダー23の生のセラミック積層体30側の表面23aには、凹凸は形成されていなくてもよい。
【0043】
なお、凹凸の形成方法は特に限定されず、例えば、サンドブラストなどにより物理的手法により形成してもよいし、エッチングなどにより化学的手法により形成してもよい。また、樹脂やゴムなどのスライダー23を形成するための材料を、表面に凹凸が形成されている金型に流し込むことにより、表面に凹凸が形成されたスライダー23を作製してもよい。
【0044】
次に、ステップS4において、図6に示すように、生のセラミック積層体30の第1の端面30eに導電性ペーストを塗布し、乾燥させることにより第1の導電性ペースト層31を形成する。なお、導電性ペーストの塗布方法は、特に限定されず、例えば、ディッピング法、スクリーン印刷法、インクジェット法、導電性ペーストを滴下する方法、シート状に形成した導電性ペーストを貼付する方法などが挙げられる。
【0045】
次に、ステップS5において、図7〜図9に示すように、生のセラミック積層体30を180°回転させる。具体的には、図7に示すように、生のセラミック積層体30の第1の端面30e側にスライダー23を圧接させる。詳細には、第1の端面30e上に形成されている第1の導電性ペースト層31にスライダー23を圧接させる。その状態で、その状態で、スライダー23を基盤20に対して相対的にスライドさせる。これにより、図8及び図9に示すように、生のセラミック積層体30を180°回転させる。その結果、生のセラミック積層体30の第1の端面30e側の第1の導電性ペースト層31が基盤20の表面20aに粘着した状態となる。
【0046】
次に、ステップS6において、図10に示すように、生のセラミック積層体30の第2の端面30fに導電性ペーストを塗布し、乾燥させることにより第2の導電性ペースト層32を形成する。なお、導電性ペーストの塗布方法は、特に限定されず、例えば、ディッピング法、スクリーン印刷法、インクジェット法、導電性ペーストを滴下する方法、シート状に形成した導電性ペーストを貼付する方法などが挙げられる。
【0047】
そして、ステップS7において、生のセラミック積層体30並びに第1及び第2の導電性ペースト層31,32を焼成することにより、セラミック素体10、第1及び際2の内部電極11,12並びに第1及び第2の外部電極15,16からなるセラミック電子部品1を作製することができる。なお、焼成温度は、使用するセラミック材料や導電性ペーストに応じて適宜設定することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態では、スライダー23を用いることにより、基盤20の上で生のセラミック積層体30を回転させることにより生のセラミック積層体30の向きを変更する。このため、セラミック電子部品1の製造に際して、複数の支持治具を要さず、支持治具間において生のセラミック積層体30の受け渡しをする必要がない。従って、生のセラミック積層体30の脱落を効果的に抑制することができる。また、複数の接着剤を必要としない。従って、複数の接着剤の粘着力の管理を行う必要がない。よって、高い製造歩留まりで容易にチップ状電子部品を製造することができる。
【0049】
以上、本実施形態では、セラミック電子部品の製造方法を例に挙げて本発明に係るチップ状電子部品の製造方法について説明した。但し、本発明に係るチップ状電子部品の製造方法は、セラミック電子部品を製造するための方法に限定されない。本発明に係るチップ状電子部品の製造方法は、電子部品本体の両端面に機能部材が設けられているチップ状電子部品全般の製造に好適に適用されるものである。本発明に係るチップ状電子部品の製造方法は、例えば、多端子コンデンサなどの製造にも好適に使用される。
【0050】
また、第1及び第2の機能部材は、外部電極以外であってもよい。例えば、第1及び第2の機能部材は、セラミックからなる部材であってもよい。その場合、第1及び際2の機能部材は、セラミックペーストから形成される。
【0051】
また、本実施形態では、生のセラミック積層体30と第1及び第2の導電性ペースト層31,32とを同時焼成する例について説明したが、生のセラミック積層体30を先に焼成し、セラミック積層体30に第1及び第2の導電性ペースト層31,32を形成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…セラミック電子部品
10…セラミック素体
10a…セラミック素体の第1の主面
10b…セラミック素体の第2の主面
10c…セラミック素体の第1の側面
10d…セラミック素体の第2の側面
10e…セラミック素体の第1の端面
10f…セラミック素体の第2の端面
11…第1の内部電極
12…第2の内部電極
15…第1の外部電極
16…第2の外部電極
20…基盤
20a…基盤の表面
21…基板本体
22…粘着性弾性体層
23…スライダー
23a…スライダーの表面
24…支持部材
25…弾性体
30…セラミック積層体
30a…セラミック積層体の第1の主面(セラミック素体の第1の主面に対応)
30b…セラミック積層体の第2の主面(セラミック素体の第2の主面に対応)
30e…セラミック積層体の第1の端面(セラミック素体の第1の端面に対応)
30f…セラミック積層体の第2の端面(セラミック素体の第2の端面に対応)
31…第1の導電性ペースト層
32…第2の導電性ペースト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の主面と、前記第1及び第2の主面に対して垂直な第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の主面並びに前記第1及び第2の側面に対して垂直な第1及び第2の端面とを有する略直方体形状の電子部品本体と、前記第1及び第2の主面、前記第1及び第2の側面並びに前記第1及び第2の端面のうちのひとつにより構成された一の表面に設けられた機能部材とを備えるチップ状電子部品の製造方法であって、
粘着力をもつ表面を有する基盤上に、前記電子部品本体のいずれかの表面を粘着させる粘着工程と、
前記電子部品本体の前記基盤とは反対側にスライダーを当接させた状態で前記スライダーを前記基盤に対して相対的にスライドさせることにより前記電子部品本体を回転させ、前記機能部材を形成するために前記電子部品本体の前記一の表面以外の表面を前記基盤に粘着させる工程と、
を備える、チップ状電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記粘着工程は、前記電子部品本体の前記第1の主面を前記基盤の表面に粘着させる工程と、前記電子部品本体の前記第2の主面側に前記スライダーを当接させた状態で前記スライダーを前記基盤に対して相対的にスライドさせることにより前記電子部品本体を90°回転させ、前記電子部品本体の前記第2の端面側を前記基盤に粘着させる工程とを含む、請求項1に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記機能部材は、外部電極である、請求項1または2に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記電子部品本体は、前記外部電極に接続される内部電極が内部に形成されているセラミック素体である、請求項3に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記スライダーの前記基盤側の表面は弾性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記スライダーは、支持部材と、前記支持部材の表面に貼付されている弾性体とを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記支持部材は、金属板である、請求項6に記載のチップ状電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記スライダーの前記基盤側の表面には、凹凸が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のチップ状電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−166187(P2011−166187A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125600(P2011−125600)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【分割の表示】特願2008−316329(P2008−316329)の分割
【原出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】