説明

チミジンキナーゼに結合する化合物による感染の画像化

本発明は、感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物を対象に投与し、対象の画像を得て化合物の存在及び局在をつきとめ、化合物の局在化が即ち対象が感染していることを示すものである、対象における感染を診断する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2004年6月18日出願の米国特許仮出願第60/581,222号の優先権を主張するものであり、その全てを参照して本明細書に取り込む。
【0002】
連邦政府の助成による研究
本研究の一部は、米国国立衛生研究所のグラントCA062924、CA43460、CA92871及びCA103175の助成によりなされたものである。
【背景技術】
【0003】
対象における感染を診断し及び局在を特定する能力は、実地の臨床医にとって極めて重要である。生体内で細菌感染を可視化する現時点での方法は、放射性標識の白血球細胞又は、つい最近では、放射性標識の抗生物質を用いる陽電子放出断層撮影法を用いるものである。これらの方法は、非特異的な傾向があり、感染を炎症又は癌と区別することができない。例えば、Sardaらは、ウサギの膝関節における黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染の画像化に99mTc標識のシプロフロキサシンを試用した。その結果として、臨床応用に必要な特異性に欠けていることが示された((2002)J. Nucl. Med. 43:239-45)。別の研究において、Fishmanらは、18F標識のフルコナゾールは、ウサギの感染モデルでカンジダ属の菌(Candida)を効果的に可視化するには特異性を欠いていると判断した((1991)J. Pharmacol. Exp. Ther. 259:1351-9)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、感染、例えば対象における細菌、ウイルス又は真菌感染を検出する、微生物(organism)に特異的な非侵襲性の画像化方法の必要性が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、感染微生物(infecting organism)に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物を対象に投与すること;及び対象の画像を得てその化合物の存在及び位置を決定することからなり、当該化合物の局在化が、対象が感染していることを示すものである、対象における感染を診断する方法を提供する。
【0006】
具体的な態様において、感染は、細菌、ウイルス又は真菌感染である。更なる具体的な態様において、感染は、細菌感染であり、チミジンキナーゼは、細菌のチミジンキナーゼである。
【0007】
一態様において、対象の画像は、プラナー・ガンマ・画像法(planar gamma imaging)、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる。
【0008】
別の態様において、化合物は、ヌクレオシド類縁体である。具体的な態様において、ヌクレオシド類縁体は、例えば、フッ素又はヨウ素で放射性標識されている。ある特定の態様において、ヌクレオシド類縁体は、γ線(gamma particle)を放射する。本方法において使用される典型的な化合物は、例えば、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)を包含する。
【0009】
関連する態様において、ヌクレオシド類縁体は、蛍光を発するものである。
【0010】
ある特定の態様において、細菌感染は、エシェリキア属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、リステリア属(Listeria)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、パスツレラ属(Pasteurella)、サルモネラ属(Salmonella)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、ビブリオ属(Vibrio)及びエルシニア属(Yersinia)よりなる群から選択される属の細菌に起因するものである。
【0011】
別の態様において、本発明は、細菌のチミジンキナーゼに結合する、画像化に好適な化合物を対象に投与すること;及び、対象の画像を得て、それにより対象における細菌感染の画像を得ることを含んでなる、対象における細菌感染を画像化する方法を提供する。
【0012】
関連する態様において、対象の画像は、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる。
【0013】
別の態様において、化合物は、ヌクレオシド類縁体である。具体的な態様において、ヌクレオシド類縁体は、例えば、フッ素又はヨウ素で放射性標識されている。ある特定の態様において、ヌクレオシド類縁体は、γ線を放射する。本方法において使用される典型的な化合物は、例えば、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)を包含する。
【0014】
関連する態様において、ヌクレオシド類縁体は蛍光を発するものである。
【0015】
別の関連する態様において、画像化に好適な化合物は、抗微生物化合物である。例えば、化合物は、画像化に好適であることに加えて、抗生物質、抗ウイルス化合物又は抗真菌化合物であり得る。
【0016】
別の関連する態様において、本発明は、細菌感染と炎症又は癌との差別化を可能にする。
【0017】
別の態様において、本発明は、感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する、画像化に好適な化合物の初回用量を対象に投与すること;対象の最初の画像を得て、化合物の存在及び位置を決定すること;最初の投与に続いて、感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物の2回目の用量を対象に投与すること;及び対象の2番目の画像を得て化合物の存在及び位置を決定すること;からなり、画像中に局在化する化合物の量の減少が治療の効果を示すものである、感染している対象における治療の効果を監視する方法を提供する。
【0018】
ある特定の態様において、感染は、細菌、ウイルス又は真菌感染である。具体的な態様において、感染は、細菌感染であり、チミジンキナーゼは細菌のチミジンキナーゼである。
【0019】
一態様において、対象の画像は、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる。
【0020】
別の態様において、化合物は、ヌクレオシド類縁体である。具体的な態様において、ヌクレオシド類縁体は、例えば、フッ素又はヨウ素で放射性標識されている。ある特定の態様において、ヌクレオシド類縁体は、γ線を放射する。本方法において使用される例示的な化合物は、例えば、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)を包含する。
【0021】
関連する態様において、ヌクレオシド類縁体は蛍光を発するものである。
【0022】
ある特定の態様において、細菌感染は、エシェリキア属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、リステリア属(Listeria)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、パスツレラ属(Pasteurella)、サルモネラ属(Salmonella)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、ビブリオ属(Vibrio)及びエルシニア属(Yersinia)よりなる群から選択される属の細菌に起因するものである。
【0023】
別の関連する態様において、画像化に好適な化合物は、抗微生物化合物である。例えば、化合物は、画像化に適していることに加えて、抗生物質、抗ウイルス化合物、又は抗真菌化合物であり得る。
【0024】
別の態様において、本発明は、治療対象の細菌に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物を対象に投与すること;対象の画像によって化合物の存在及び位置を決定すること;及び、それにより細菌をベースにした抗癌治療を画像化すること;を含んでなる、細菌をベースにした抗癌治療を画像化する方法を提供する。
【0025】
一態様において、対象の画像は、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られるものである。
【0026】
別の態様において、化合物は、ヌクレオシド類縁体である。具体的な態様において、ヌクレオシド類縁体は、例えば、フッ素又はヨウ素で放射性標識されている。ある特定の態様において、ヌクレオシド類縁体は、γ線を放射する。本方法において使用される典型的な化合物は、例えば、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)を包含する。
【0027】
関連する態様において、ヌクレオシド類縁体は、蛍光を発するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、少なくとも部分的には、感染微生物によって発現されるポリペプチド、例えば、チミジンキナーゼに結合する、適切に機能化された化合物を用いて、感染の画像化を可能にする発見に基づいている。本発明は、少なくとも部分的には、感染、例えば、細菌、ウイルス又は真菌に起因する感染の診断及び局在の特定化を示唆している。本発明は、例えば、感染病巣の可視化、嫌気性細菌を内包する腫瘍の局在の特定化、感染の診断、抗菌治療の監視、新たな細菌をベースにした癌の治療のための細菌の往来を研究すること、及び非侵襲性の方法による感染の治療を可能とする。
【0029】
「治療される」、「治療する」又は「治療」と言う用語は、治療される状態、疾患又は病気に関連する又は起因する、少なくとも1つの症状の軽減又は緩和を包含する。ある特定の態様において、治療は、Pin1(プロリルイソメラーゼ)の阻害状態を誘発し、続いてPin1調節化合物を活性化することにより、治療中のPin1に関連した状態、疾患又は病気に関連又は起因する少なくとも1つの症状を順々に軽減又は緩和することを含む。例えば、治療は、疾患の1つ又はいくつかの症状を軽減する、又は疾患を完全に根絶することができる。
【0030】
「対象」と言う用語は、哺乳類、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット及び遺伝子組み換え非ヒト動物を包含することを意図している。ある特定の態様において、対象は、ヒト、例えば、感染又は癌に罹患している、罹患するリスクがある、又は罹患する潜在的な可能性があるヒトである。
【0031】
「癌」と言う用語は、例えば、癌腫、肉腫、白血病及びリンパ腫のような、無秩序な又は制御不能の細胞増殖によって特徴付けられる悪性腫瘍を包含する。「癌」と言う用語は、原発性悪性腫瘍、例えば、癌細胞が対象の身体の原発の腫瘍部位以外の部位に移動しないもの、及び続発性悪性腫瘍、例えば、転移から発生したもので、腫瘍細胞が原発の腫瘍の部位から異なる第二の部位に移動するものを包含する。
【0032】
化合物の「有効量」と言う用語は、本明細書に記載されている技術、例えば、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)を使用して画像化するときに、読み取り可能なシグナルを提供するのに必要な又は充分な量である。有効量は、対象の大きさ及び体重、疾患の型又は個々の化合物、のような因子に依存して変化し得る。「有効量」は、例えば、選択する化合物に左右される。当業者は、必要以上の実験を実施することなく、本明細書に包含されている因子を検討することができ、化合物の有効量に関して決定することができるであろう。
【0033】
「化合物」と言う用語は、例えば、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)によって画像化することができる化合物を包含することを意図している。化合物は、放射性標識される又は蛍光を発するものでもよい。特定の態様において、化合物は、キナーゼ、例えばチミジンキナーゼに結合するヌクレオシド又はヌクレオシド類縁体である。
【0034】
「薬学的に許容される担体」と言う表現は、当該技術分野では認識されているものであり、本明細書に記載された方法で使用される化合物を、対象、例えば哺乳類に投与するのに好適な、薬学的に許容される素材、組成物又は賦形剤を包含する。担体は、一臓器又は身体の一部から、別の臓器又は身体の一部に対象の薬剤を運搬又は輸送するのに関与する、液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又はカプセル化剤を包含する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、そして患者に有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として適当な材料のいくつかの例として、乳糖、グルコース及びショ糖のような糖類;コーンスターチ及びジャガイモでんぷんのようなデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースのようなセルロース及びその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックスのような賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ごま油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油のような油類;プロピレングリコールのようなグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールのようなポリオール類;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル類;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬製剤に採用されるその他の非毒性適合物質が挙げられる。
【0035】
本明細書で用いられる「画像化」と言う用語は、検出できる化合物を対象に投与し、その化合物が局在化した後に、化合物によって放射されるエネルギーを測定することにより、可視化する画像化技術の何れかを用いることを示す。陽電子放出断層撮影法(PET)等のような画像化技術が適用される。
【0036】
本明細書で用いられる「陽電子放出断層撮影法」即ち「PET」は、全ての陽電子放出断層撮影システム又はその等価物及び陽電子放出断層撮影ができる全ての装置を包含している。本発明の方法は、そのような装置又はPET装置の変形若しくは同等品を使用して、又は公知のPET方法論の何れかと併せて実施することができる。例えば、各々が参照することにより本明細書に取り入れられている、米国特許第6,151,377号、同第6,072,177号、同第5,900,636号、同第5,608,221号、同第5,532,489号、同第5,272,343号、同第5,103,098号を参照されたい。動物の画像化モダリティには、例えば、マイクロPET(Corcorde Microsystems, Inc.)が包含される。
【0037】
本発明の化合物
本明細書に記載された方法は、微生物中のキナーゼポリペプチド、例えばチミジンキナーゼポリペプチドに結合する化合物であって、対象の画像を得るのに使用できる検出可能なシグナルを産生し、それにより微生物の存在及び位置を決定する化合物を利用するものである。本発明の方法で用いられる化合物は、それらが投与された対象の体内のキナーゼ、例えばチミジンキナーゼに結合するよりも、より大きな親和性で、微生物内のキナーゼ、例えばチミジンキナーゼに結合する。チミジンキナーゼは、本発明の方法に特によく適している。細菌のチミジンキナーゼは、哺乳類のチミジンキナーゼのキナーゼ触媒ドメインに存在しないキナーゼ触媒ドメインの共通配列を有している(実施例を参照されたい)。従って、細菌チミジンキナーゼに高い親和性を有する化合物は、哺乳類のチミジンキナーゼに対して非常に低い親和性を示す。
【0038】
本発明は、容易に合成される、そして画像化装置、例えばPET又はSPECT機器で検出できる化合物を利用する。一態様において、化合物は、キナーゼに結合するヌクレオシド類縁体である。特定の態様において、キナーゼはチミジンキナーゼである。ゲノムが配列決定されている53株の病原菌のバイオインフォマティクス(bioinformatic)解析から、どの菌種もチミジンキナーゼを有していることが明らかになった(Bettegowda et al. (2005) PNAS 102:1145-50)。
【0039】
特定の態様において、ヌクレオシド類縁体は、放射性同位体、例えばヨード又はフッ素の放射性同位体で標識される。別の態様において、ヌクレオシド類縁体は蛍光を発するものでもよい。
【0040】
本発明の好ましい放射性標識化合物は、容易に合成され、インビボで異化されるヌクレオシド類縁体に限定される。米国特許第5,879,661号及び第6,331,287号に記載されているような化合物が、本発明の方法に用いることができる。本発明の方法で有用な他の化合物の例として、例えば、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)を包含する。
【0041】
本発明の方法に使用される蛍光化合物の例としては、「Golankiewics et al.((2001) J. Med. Chem.44:4284-7)」及び「Goslinski et al. ((2002) J. Med. Chem. 45:5052-7)」に、近年記載されている。Goslinskiらによって記載された蛍光三環アシクロビル(acyclovir)及びガンシクロビル(ganciclovir)類縁体、特にGCV3は、本特許請求方法での使用が意図されている。
【0042】
画像化
一般的に、画像化技術は、対象に化合物を投与して、対象を外部から検出できるようにすることを包含する。画像は、対象のいろんな位置で蓄積する画像化剤の空間的な分布における差異に基づいて生じる。本発明の方法、画像化技術は、微生物、例えば感染微生物によって優先的に結合される化合物に依存している。対象、例えば感染領域に蓄積された画像化剤の空間的な分布は、例えば、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)のような好適な手段の何れかを用いて測定することができる。また、蛍光を検出する画像化技術を本発明の方法で使用してもよい。
【0043】
PETにおいて最も一般的に使用される陽電子放出核種は、11C、13N、15O及び18Fである。電子捕獲及び/又はγ放射により崩壊する同位元素がSPECTにおいて使用されるが、この同位元素には、例えば、123I及び124Iが含まれる。
【0044】
本発明の方法においては、PETが特に好ましい。具体的には、画像化は、患者の全身、又は患者の特定の部位を検出システムを用いてスキャンし、シグナル、例えば放射性同位元素のシグナルを検出して実施される。検出されたシグナルは、変換されて画像となる。得られた画像は、例えば医師のような経験に富んだ観察者によって読み取られるべきである。前述のプロセスでは、本明細書では、患者を「画像化する」と表している。一般的に、画像化は、本発明の方法において使用される化合物の投与から約1分〜約48時間に実施される。画像化の精密なタイミングは、当業者にはすぐに明らかなように、投与された化合物の排出速度のような因子に依存しており、画像化は、投与に続いて約1分〜約4時間に実施されることが好ましい。
【0045】
一旦画像が得られると、当業者は、化合物の位置を決定することができるであろう。この情報を用いて、当業者は、例えば、もし感染が存在するならば、感染の範囲、又は対象が受けている治療の有効性を判断することができる。異なった時点、例えば12、24、36、48時間又はそれ以上の離れた時点で得られる画像が、治療、例えば抗ウイルス治療、抗細菌治療又は抗真菌治療の有効性を判断するのに特に有用である。
【0046】
現在用いられている方法とは異なって、臨床医は、本明細書に記載されている画像化方法によって、感染を炎症及び癌から区別することが可能となる。
【0047】
投与量及び処方
本発明の方法において使用される化合物は、そのような投与のための当業界で公知の薬学的に許容される何れかの剤形を用いて、経口的に投与することができる。化合物は、乾燥粉末、顆粒、錠剤又はカプセルのような固形製剤、又はシロップ若しくは水性懸濁液のような液剤で供給することができる。化合物は単体で投与することができるが、一般的には、医薬担体と一緒に投与される。剤形に関する有用な専門書には、「Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing」がある。
【0048】
本発明の方法において使用される化合物は、錠剤、カプセル(それぞれは、徐放性又は持続放出性製剤を包含する)、ピル、粉末、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ、及びエマルジョンのような経口投与剤形で投与することができる。同様に、静脈投与(ボーラス又は注入)、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与の形態で、また当業者に公知の全ての剤形を用いて投与することもできる。
【0049】
本発明の方法において使用される化合物は、ヒト又は哺乳類のような宿主の身体において化合物が作用する部位に接触するのを産生できる、何れかの手段によって投与することができる。それらは、単独で、又は選択された投与経路及び標準的医薬的実務に基づいて選ばれる、医薬担体と共に投与することができる。
【0050】
本発明から決定される化合物についての用法は、勿論、特定の薬剤の薬効学的性質並びにその投与様式及び経路;服用者の種別、年齢、性別、健康状態、病状及び体重;症状の本質及び範囲;併用治療の種類;治療の頻度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能、並びに望まれる効能のような、公知の要素によって変化するであろう。通常の熟練した医師又は獣医師は、対象に投与する化合物の有効量を容易に決定することができる。
【0051】
本発明の方法において使用される化合物は、当業者に公知の、適当な鼻腔内輸送手段の局所使用での経鼻形態、又は経皮皮膚貼付剤の形態での経皮経路で、投与することができる。
【0052】
本発明の方法において、本明細書に記載された化合物は、投与の予定された形態、すなわち経口錠剤、カプセル、エリキシル剤、シロップ等の形態に適した選択の下、通常の医薬実務に一致した、好適な医薬希釈剤、賦形剤、又は担体(本明細書では担体物質として集合的に表す)と共に混合して投与することができる。
【0053】
例えば、錠剤又はカプセルのような固形製剤の形態での経口投与用には、活性薬物成分は、乳糖、デンプン、ショ糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールその他のような経口用の、非毒性の、薬学的に許容される、不活性担体と組み合わせることができ;液体形態での経口投与用には、経口薬物成分は、エタノール、グリセロール、水、その他のような経口用の、非毒性の、薬学的に許容される不活性担体とも組み合わせることができる。更に、所望の又は必要な場合には、好適な結合剤、滑剤、崩壊剤及び着色剤を混合物に組み込むこともできる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ−乳酸のような天然の糖質、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカント又はアルギン酸ナトリウムのような天然又は合成のゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス、その他が含まれる。これらの剤形に使用される滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、その他が含まれる。崩壊剤は、これらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、その他を包含する。
【0054】
本発明の方法において使用される化合物は、小さい単層リポソーム、大きい単層リポソーム及び多層リポソームのような、リポソーム輸送系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンのような種々のリン脂質から形成することができる。
【0055】
本発明の方法において使用される化合物は、標的を定めることができる薬物担体の可溶性ポリマーと組み合わせてもよい。そのようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、又はパルミトイル残基で置換したポリエチレンオキシドポリリジンが含まれる。更に、本発明から決定される化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性のブロック共重合体、と組み合わせてもよい。
【0056】
ゼラチンカプセルは、有効成分、及び乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、その他のような粉末の担体を含有してもよい。類似の希釈剤を、圧縮錠を造るのに使用することができる。錠剤及びカプセルの両者は、何時間にもわたって薬物を連続的に放出する徐放製品として製造することができる。圧縮錠は、ショ糖被覆又はフィルム被覆することによって、いかなる不快な味も覆い隠しそして外気から錠剤を保護することができ、又は消化管での選択的崩壊のための腸溶性被覆にすることができる。経口投与用の液体製剤は、患者が受け容れやすくするために着色料又は着香料を含有していてもよい。一般に、水、好適な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)、及び関連する糖類溶液及びプロピレングリコール又はポリエチレングリコールのようなグリコールが、非経口的溶液に好適な担体である。非経口投与用の溶液は、好ましくは、有効成分の水溶性塩、好適な安定化剤、及び必要により、緩衝物質を含有している。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、又はアスコルビン酸の単独又は組合せの何れか、のような酸化防止剤が、好適な安定化剤である。又、クエン酸及びその塩並びにEDTAナトリウムも使用される。更に、非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル又はプロピルパラベン、及びクロロブタノールのような保存剤を含有してもよい。
【0057】
好適な医薬担体は、この分野における標準的な参考文献である「Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company」に記載されている。
【0058】
本発明を、以下の実施例によって更に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではないと理解されたい。
【実施例】
【0059】
材料及び方法
インビトロ細菌感受性アッセイ
1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−ヨード−ウラシル(FIAU)(MoravekカタログNo.M251)及びペンシクロビル(penciclovir:MoravekカタログNo.M972)は、Moravek Biochemicals(Brea, CA)から購入した。ジドブジンは、Glaxo Wellcomeから購入した。細菌感受性テストは、96ウエルマイクロタイタープレート(VWR Scientific)の各ウエルに連続希釈の薬物を添加して実施した。各ウエルに、大腸菌(Escherichia coli:Yale University E. coli Genetic Stock Center, New Haven, CT)を植菌し、37℃でルリアブロス(Luria broth:Invitrogen)で増殖した。大腸菌TK変異株を、ジドブジン(含量:1mg/ml)を含有するプレート上で、自然発生した耐性コロニーを選択することにより生成した。10個の耐性コロニーを選択し、PCRプライマーSZ46−eTKKO20F及び(5’−TGATGAAAAGTAGAACAGTCG−3’)SZ49−eTK−KO789R(5’−ATCAAGACGCAGCACCATG−3’)を使用することによって、TK遺伝子中の欠失について選択及びスクリーニングを実施した。1個の耐性コロニーがTK遺伝子中に欠失を含有していることを見出し、次の実験用に使用した。このクローンの完全なDNAの対照として、その16SrRNA遺伝子を、プライマーSZ−16S−Ecoli993F(5’−ACATCCACGGAAGTTT−TCAG−3’)SZ16S−Ecoli454R(5’−CCGAAGTTAAGC−TACCTAC−3’)を用いて増幅した。
【0060】
腫瘍の接種及び胞子の投与
全ての動物実験は、The John Hopkins Universityの動物保護委員会による監視及び承認を受け、大学の標準規格に従った。Harlan Bioproducts for Science (Indianapolis) から購入した、6週齢から8週齢の胸腺欠損nu/nuマウス又はBALB/cマウスを、腫瘍移植実験に使用した。500万細胞を、各マウスの右横腹に皮下注射した。腫瘍容積は、長さ×幅×0.5として計算し、腫瘍が〜250mmとなったときに、マウスをノービー菌(Clostridium novyi)−NTの胞子で処置した。ノービー菌(C. novyi)−NT胞子は(15)に記載したように調製し、マウスには、250μlのPBSに懸濁した300万個の胞子を静脈内注射した。
【0061】
【表1】

【0062】
125I]−FIAUの調製
簡単に説明すると、1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシド)−ウラシル(300μg、1.22ミリモル、Moravek)を2MのHNO(170μl)に溶解した。この溶液に、1.5mCi(1Ci=37GBq)の[125I]−NaI(ICN)を加え、内容物を130℃にて45分間加熱した。150μlのHPLC移動相(MeCN:HO:トリエチルアミン=20:79.9:0.1%)を加えて、反応を停止した。得られた[125I]−FIAUを、上記の定組成(isocratic)移動相を使用して、流速2ml/分でPhenomenex Luna C18 semiprep column(10μm、4.6×250mm、Phenomenex, Torrance, CA)を2回通して処理する逆相HPLCにより精製した。生成物を減圧下で濃縮し、0.9%生理食塩水にて処方した後、0.22μmシリンジフィルタを通して滅菌ろ過した。処方は注射容量を最小化するために1mCi/mlに保った。最終的な放射化学的収量は約50%で、放射性化学純度は>99%であり、そして比放射能は>2,000Ci/mモルであった。
【0063】
実験的な感染
大腸菌(E. coli)株、又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)29213株及び25923株、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)49619株、大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)49532株、及び表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)F362株を含む、Johns Hopkins Hospital Laboratoryから単離された臨床分離株を、実験的な感染を創出するのに使用した。細菌を、Cations(Remel, Lenexa, KS)又はBBL Todd Hwitt Broth(Becton Dickinson)を有するミュラーヒントンブロス(Mueller Hinton Broth)中で対数期まで増殖した。局所感染は、マウス大腿部に、約1×10個の大腸菌及び約1×10個のその他の細菌株を注射することによって発生させた。大腸菌のTK欠損(TK−)株を注射したマウス大腿部の感染病巣の形態学的試験では、WT大腸菌から得られた結果のそれよりも強烈なものであった。画像化の際のシグナルを生成するのに必要な細菌の最小数を定量するため、種々の量の黄色ブドウ球菌(S. aureus)25923株をマウスの大腿部に注射した。1時間後、マウスを殺処分し、筋肉を収集し、ホモジナイズし、そしてその抽出物をコロニー計数のために血液寒天平板(Becton Dickinson)上に播いた。液体培地で増殖する黄色ブドウ球菌(S. aureus)25923株の播種効率は、>95%であることが見出された。
【0064】
インビボ画像化
マウスに、225μCiの[125I]−FIAUを尾静脈から注射し、その後種々の時点で画像化した。画像化の前に、マウスをアセプロマジン及びケタミンの皮下投与で麻酔処理した。各スキャンは、低エネルギー高解像度(LEHR)パラレルホールコリメータ(parallel-hole collimator)を使用するプラナー収集モードで、専用の小動物用単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)/コンピュータ断層撮影(CT)カメラ(Gamma Medica X-SPECT, Northridge, CA)にて、約10分間行った。使用した各細菌株について、少なくともマウス2匹に注射し、画像化した。SPECT/CT画像を得るため、動物は、最初に、2つのLEHRパラレルホールコリメータを使用して、断層収集モードで小動物用SPECTカメラを使用することにより約40分間スキャンした。次いで、共表示を可能とする適当な基準マーカーを使用して、動物をCTにかけた。
【0065】
生体内分布
画像化実験では、[125I]−FIAU投与後の24時間経過時に、感染病巣における高いシグナル/ノイズ比を常に得ることができることが示された。従って、この時点を、詳細な解析のタイミングとした。生体内分布研究は、マウスの大腿部に、約1×10個の黄色ブドウ球菌(S. aureus)25923株を注射して実施した。6時間後、マウスに2μCiの[125I]−FIAUを注射し、そして、更に24時間後、マウスを殺処分し、臓器を収集し、放射能を測定した。
【0066】
ヌクレオシド類縁体に対する大腸菌の感受性
内因性細菌TKが、画像化に好適なレポーター酵素を提供することができるかどうかを決定するために、種々の一般のヌクレオシド類縁体に対する大腸菌の感受性をインビトロで試験した。増大する阻害結果から、ヌクレオシド類縁体が大腸菌TKの基質であり、それにより、放射性標識されたときに画像化レポーターとして役立つことが示された。大腸菌は、ガンシクロビル及びペンシクロビルに耐性があるが、FIAU及びジドブジンに対しては極めて感受性が高いことが証明された。
【0067】
TK遺伝子がこの感受性の原因であるかどうかを決定するため、TK遺伝子を欠損させた大腸菌変異体を創成した。この変異体にTK遺伝子が欠損していることを明らかにするために、PCRを使用した。このTK株は、ジドブジンに中等度に耐性があり、FIAUには高度の耐性を保持していた。一方、FIAUは市販の試薬を使用することにより放射性標識することができ、そしてHSV1−TKでトランスフェクトされた腫瘍細胞を画像化するのに使用して成功したため、細菌感染を画像化するための潜在力をテストするのにこのFIAUを選択した。
【0068】
大腸菌感染のインビボ画像化
125I]−FIAUを標準的方法によって合成し、大腿部に細菌を筋肉内に接種されたマウスに、6時間後静脈内注射した。全身プラナーシンチグラムで、WT大腸菌を宿したマウスの大腿部内に[125I]−FIAUの集積が明らかにされた。感染病巣からのシグナルは、[125I]−FIAUの注射後早ければ2時間後に見ることができ、注射後約16時間が最適であった。反対側の大腿部にTK−大腸菌を移植した同じマウスの感染部は、[125I]−FIAUの識別できる集積を示さなかった。
【0069】
細菌TKのコンピュータ内での(in silico)解析
ゲノムが配列決定され、公に入手可能な全ての53株の病原菌におけるTK遺伝子のコンピュータ内での評価を実施した。この評価で、これら細菌種の各々は、TK遺伝子を有していることが明らかにされた。更に、キナーゼ触媒ドメイン内に明らかなコンセンサス配列があり、これらTK遺伝子間の相同性は、特筆すべきことであった。53株の細菌の各々は、そのコンセンサス配列が同じの、少なくとも25残基を含有していた。対照的に、このコンセンサス配列は、哺乳類TKには見出せなかったが、これは多分、FIAUのような基質をリン酸化する、哺乳類の酵素の異なった適応力を説明するものであろう。
【0070】
病原菌に起因する感染の画像化
この高度配列保存を考慮に入れると、[125I]−FIAUは、一般的に病原菌用のトレーサーとして使用できると予想された。Johns Hopkins Hospital Microbiological Laboratoryで同定された4名の患者由来の菌株が、この予想を試験するために選択された。選択された菌株の同定及び臨床的性質は表1に列挙した。大便連鎖球菌(E. faecalis)、 黄色ブドウ球菌、 表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、及び肺炎連鎖球菌(S. pneumonia)による感染病巣は、[125I]−FIAUで、全て容易に画像化することができた。[125I]−FIAU投与後、早ければ4時間後に強いシグナルを観察することができた。経時変化検討では、[125I]が長時間感染組織内に残っていることが示されたが、これは、[125I]−FIAUが、細菌のDNAに取り込まれるためであろう。この細菌のシグナルの保持とは対照的に、非感染組織におけるバックグランドシグナルは徐々に減少したが、これは、[125I]−FIAUの代謝及び排泄が継続しているためであろう。この結果、トレーサーの投与後48時間経過まで、非常に高いシグナル/ノイズ比が継続した。
【0071】
定量的な分布測定のために、マウス大腿部を黄色ブドウ球菌25923株で感染させ、[125I]−FIAUを6時間後に投与した。更に24時間後に組織を収集し、放射能を測定した。感染した筋肉は、他の組織よりも高レベルの[125I]−FIAUを含有していて、非感染(対称側)の大腿部に対しての放射能の比率は14:1を上回っていた。
【0072】
この方法で画像化できる細菌の最小の数を決定するため、種々の数の黄色ブドウ球菌25923株をマウス大腿部に注射した。その1時間後、大腿部組織を切除し、ホモジナイズし、そして血液寒天平板に播種した。[125I]−FIAUの注入が、感染病巣を識別できるシンチグラム画像を常に作り出す、最も早期の時点と言うことで、1時間後の時点が選ばれた。筋肉組織1g当たり、わずか2×10コロニー形成単位で、識別できるシグナルを生み出した。
【0073】
腫瘍内感染の画像化
筋肉内注射以外のプロセスによって創出された感染病巣の画像化を実施した。嫌気性菌の胞子は、マウスに全身投与したとき、腫瘍組織内でのみで発芽することが示されている。ノービー菌(C. novyi)−NTは、主要な全身の毒素遺伝子を持っていないノービー菌の変異体であり、それ故に動物に安全に送達することができる。腫瘍を持つマウスに静脈内注射したとき、胞子の<1%が腫瘍内に局在化し、残りは脾臓及び肝臓に捕捉される。腫瘍内に局在する少数の胞子が急速に発芽し、24時間までに、組織1g当たり約10個の密度を達成する。
【0074】
CT−26マウス大腸腫瘍を持つBALB/cマウスを、ノービー菌−NTの単回の静脈内注射で処置し、[125I]−FIAUを24時間後に投与した。連続画像によって、腫瘍が、トレーサー投与後早ければ16時間で可視化でき、[125I]−FIAU注射後24〜48時間で最大集積を観察できることが示された。ノービー菌−NTで処置していない腫瘍には、集積は観察されなかった。同様の結果が、HCT116及びHT−29大腸癌の異種移植片を宿したヌードマウスにおいても得られた。
【0075】
プラナー・ガンマ・カメラによる画像化は、解剖学的な詳細を明らかにするには能力に限界があるので、SPECT/CTの画像化も実施した。ノービー菌−NT胞子で処置した腫瘍を保持するウサギで観察すると、CT−26腫瘍内の細菌によって産生されたガスの領域もCTで可視化することができ、感染の決定的証拠が提供される。CT画像を対応するSPECT画像と一緒に表示することによって、細菌の発芽及びトレーサー集積が腫瘍領域に限定されていることが明らかにされた。非処置マウスでは、それらの腫瘍内にガスの徴候及びトレーサーの集積は示されなかった。
【0076】
溶菌療法の画像化
以下の実施例により、腫瘍の低酸素中心内に捕捉隔離された細菌の画像化を説明する。
【0077】
殆ど全ての固形悪性腫瘍の特質は、顕著な低酸素及び壊死の存在である。巧みに処理された嫌気性菌であるノービー菌−NTは、実験的な腫瘍を選択的に標的とし、そして破壊することができる。マウスに注射後インビボでノービー菌−NTを追跡するために、125I標識2’−フルオロ−2’−デオキシ−5−ヨード−ウラシル−β−D−アラビノフラノシド([125I]−FIAU)を使用した。
【0078】
インビトロ感受性のテストを、補強クロストリジウム培地(Difco)中に2倍連続希釈FIAU(Moravek Biochemicals)を含有する96ウエルプレートを用いて、ノービー菌−NTについて実施した。およそ10〜10細菌を各ウエルに接種し、嫌気チャンバーで37℃で一晩インキュベートした。ノービー菌−NTの増殖を、OD600で測定した。細菌に対するFIAUの作用メカニズムをテストするため、大腸菌のチミジンキナーゼ(TK)をノックアウトした。野生型大腸菌と変異TK欠損大腸菌を比較する、インビトロFIAU感受性テストを実施した。96ウエルプレートをルリアブロス中にFIAUの2倍連続希釈を含有させて使用した。およそ、10〜10細菌を各ウエルに接種し、37℃で一晩インキュベートした。増殖はOD600で測定した。
【0079】
インビボ試験のために、FIAUを125Iで標識した。マウスに宿しているHCT116大腸癌異種移植片を画像化するための最適経時変化を、ノービー菌−NTに関してFIAUの感染時間を変化させることによって実験的に決定した。生物分布試験を、12頭のHCT116異種移植片約350〜400mmを宿した胸腺欠損nu/nuマウスで実施し、その内6頭には2μCiの[125I]−FIAU投与24時間前に300万のノービー菌−NT胞子を注射した。[125I]−FIAU注射後8時間に、12頭のマウス全てを頸椎脱臼により安楽死させ、脳、肺、心臓、血液、小腸及び大腸、肝臓、腎臓、筋肉並びに腫瘍を収集し、秤量した。各組織の活性を、自動ガンマカウンター(LKB Wallace 1282 Compugamma CS Universal Gamma Counter)を使用して測定した。組織1g当たりの%注射量(%ID/g)を、初期投与量の標準希釈の試料と比較することによって計算した。HCT116、HuCCT1胆管癌異種移植片、又はCT26マウス大腸癌をそれぞれ宿した、少なくとも3頭のマウスを、ノービー菌−NT胞子及び150〜200μCiの[125I]−FIAUを注射した後に、専用のGamma Medica X−SPECT小動物用SPECTカメラを使用して、画像化した。
【0080】
ノービー菌−NTは、FIAUの最小阻害濃度50(MIC50)として約20μg/mlを有していた。野生型大腸菌は、約10μg/mlのMIC50を有したが、TK欠損大腸菌は、試験したFIAUのいかなる濃度でも阻害されなかった。ノービー菌−NT発芽は、以下の条件で最適に画像化できると決定された:300万胞子のノービー菌−NTを注射し、24時間後に150〜200μCiのFIAUを注射し、そして8時間後に画像化する。
【0081】
生物分布試験では、腫瘍:筋肉の比率が7:1であることが明らかにされ、溶菌療法に応答する全ての腫瘍型が、[125I]−FIAUを使用して画像化することができた。
【0082】
インビトロ感受性試験は、ノービー菌−NTが、[125I]−FIAUを使用して画像化される可能性があることを示唆した。細菌内にFIAUが蓄積されるメカニズムとして、FIAUのリン酸化を経由し、それに続いて細菌DNAに融合すると推定される。生物分布及び画像化データは、[125I]−FIAUが、マウスにおける溶菌療法を画像化する容易で着実な方法であることを示唆する。
【0083】
参照による取り込み
本出願を通じて引用された文献、特許、係属中の特許出願及び公開された特許の全てを、参照して本明細書に明確に取り込むものである。
【0084】
均等物
当業者であれば、本明細書に記載された発明の特定な態様に対する多くの均等物を認識、又は通常の実験により確認できるであろう。そのような均等物は、添付の特許請求の範囲に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する、画像化に好適な化合物を対象に投与すること;及び
対象の画像を得て化合物の存在及び位置を決定すること;
を含んでなり、当該化合物の局在化が、対象が感染していることを示すものである、対象における感染を診断する方法。
【請求項2】
感染が、細菌、ウイルス又は真菌感染から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
感染が細菌感染であり、チミジンキナーゼが細菌のチミジンキナーゼである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
対象の画像が、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
化合物がヌクレオシド類縁体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ヌクレオシド類縁体が放射性標識されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ヌクレオシド類縁体が放射性フッ素又はヨウ素で標識されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
化合物が、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)よりなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ヌクレオシド類縁体がγ線を放射する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ヌクレオシド類縁体が蛍光を発する、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
細菌感染が、エシェリキア属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、リステリア属(Listeria)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、パスツレラ属(Pasteurella)、サルモネラ属(Salmonella)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、ビブリオ属(Vibrio)及びエルシニア属(Yersinia)よりなる群から選択される属の細菌に起因する、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
細菌のチミジンキナーゼに結合する、画像化に好適な化合物を対象に投与すること;
対象の画像を得ること;及び
それにより対象における細菌感染の画像を得ること;
を含んでなる、対象における細菌感染を画像化する方法。
【請求項13】
対象の画像が、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物がヌクレオシド類縁体である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ヌクレオシド類縁体が放射性標識されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
化合物が、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)よりなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヌクレオシド類縁体がγ線を放射する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
ヌクレオシド類縁体が蛍光を発する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
画像化に好適な化合物が抗菌化合物である、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
細菌感染と炎症との差別化を可能にする、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する、画像化に好適な化合物の初回用量を対象に投与すること;
対象の最初の画像を得て、化合物の存在及び位置を決定すること;
最初の投与に続いて、感染微生物に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物の2回目の用量を対象に投与すること;及び
対象の2番目の画像を得て、化合物の存在及び位置を決定すること;
からなり、特定の位置に局在化する化合物の量の減少が治療の効果を示すものである、感染している対象における治療の効果を監視する方法。
【請求項22】
感染が、細菌、ウイルス又は真菌感染から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
感染が細菌感染であり、チミジンキナーゼが細菌のチミジンキナーゼである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
対象の画像が、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
化合物がヌクレオシド類縁体である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
ヌクレオシド類縁体が放射性標識されている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ヌクレオシド類縁体が放射性フッ素又はヨウ素で標識されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
化合物が、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)よりなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ヌクレオシド類縁体がγ線を放射する、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
ヌクレオシド類縁体が蛍光を発する、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
細菌感染が、エシェリキア属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、リステリア属(Listeria)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、パスツレラ属(Pasteurella)、サルモネラ属(Salmonella)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、ビブリオ属(Vibrio)及びエルシニア属(Yersinia)よりなる群から選択される属の細菌に起因する、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
化合物が、抗菌化合物、抗ウイルス化合物又は抗真菌化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
治療対象の細菌に存在するチミジンキナーゼに結合する画像化に好適な化合物を対象に投与すること;
対象の画像によって化合物の存在及び位置を決定すること;及び
それにより細菌をベースにした抗癌治療を画像化すること;
を含んでなる、細菌をベースにした抗癌治療を画像化する方法。
【請求項34】
対象の画像が、プラナー・ガンマ・画像法、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮影法(PET)よりなる群から選択される方法によって得られる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
化合物がヌクレオシド類縁体である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
ヌクレオシド類縁体が放射性標識されている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ヌクレオシド類縁体が放射性フッ素又はヨウ素で標識されている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
化合物が、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([125I]−FIAU)、2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード−ウラシル([124I]−FIAU)、9−(4−18F−フルオロ−3−[ヒドロキシメチル]ブチル)グアニン([18F]−FHBG)、18F−1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン([18F]−FMAU)、18F−2’−フルオロ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−エチル−ウラシル([18F]−FEAU)及び1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)−5−[18F]ヨードウラシル([18F]−FIAU)よりなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ヌクレオシド類縁体がγ線を放射する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
ヌクレオシド類縁体が蛍光を発する、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2008−503499(P2008−503499A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516833(P2007−516833)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/021888
【国際公開番号】WO2006/002142
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(505045908)ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ (21)
【Fターム(参考)】