説明

チャットシステム、チャット装置及びチャットサーバの制御方法、プログラム

【課題】ユーザ間の健全なコミュニケーションを実現するチャットシステム、チャット装置及びチャットサーバの制御方法、プログラムを提供すること。
【解決手段】メッセージ転送部11aがメッセージを受信すると、該メッセージを送信先のゲーム端末に転送するとともに、停止制限部11cは、該メッセージの送信元のゲーム端末に該ゲーム端末におけるチャット機能停止処理を制限する指示(制限指示)を送信する。停止制限時間算出部11dは、受信したメッセージの文字数に応じてチャット機能停止処理を制限する期間(停止制限時間)を算出し、停止制限時間終了時刻を特定する。停止制限時間終了時刻になると、停止制限部11cはチャット処理の制限を解除する指示(制限解除指示)を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャット装置間でメッセージを送受信するチャットシステム、チャット装置及びチャットサーバの制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チャット装置間でメッセージを送受信し、リアルタイムにコミュニケーションすること(チャット)が行われている。特にオンラインゲームにおいて、ゲームを面白くするために、各ゲーム端末にチャット機能を実装することは一般的であり、ユーザ間のコミュニケーションを促進するために種々の工夫がなされている。特許文献1では、入力されたメッセージの文字数に応じて、該メッセージを表示する時間を適正化するゲーム装置(チャット装置)が紹介されている。
【特許文献1】特開2003−290549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記チャット装置によれば、各チャット装置のユーザはいつでもチャットを停止することができるため、例えば、発言後すぐにチャットをやめると、相手ユーザにその発言に対する返事をする機会が与えられないことになる。その結果、相手ユーザに不公平感を生じさせ、ひいては、ユーザ間のコミュニケーションが不健全なものとなる虞があった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザ間の健全なコミュニケーションを実現するチャットシステム、チャット装置及びチャットサーバの制御方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るチャットシステムは、ユーザがメッセージを入力するメッセージ入力手段と前記メッセージ入力手段によって入力されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と、メッセージを受信するメッセージ受信手段と、前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを出力するメッセージ出力手段と、ユーザによる所定の操作に応じて、前記メッセージ受信手段及びメッセージ出力手段によるメッセージの受信及び出力を停止させるメッセージ受信出力停止手段とを備えたチャット装置を複数含むチャットシステムであって、前記メッセージ受信出力停止手段によるメッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段を含み、前記停止制限手段は、チャット装置における前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該チャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を制限することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、各チャット装置におけるメッセージの入出力及び各チャット装置間でのメッセージの送受信が可能になる。また、各チャット装置のユーザによる所定の操作に応じて、該チャット装置において、メッセージの受信及び出力を停止させることができる一方で、該チャット装置から送信されたメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該チャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を制限することができる。これにより、メッセージを受信したユーザによるメッセージ返信の機会が確保され、チャットが中途半端な形で終わることを防止し、ユーザ間のコミュニケーションを健全なものとすることができる。
【0007】
本発明の一態様では、このチャットシステムは、前記所定のチャット停止制限時間を計測する計時手段をさらに含んでもよい。この態様によれば、チャット停止制限時間を正確に計測することができる。そして、メッセージを送信したチャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を、計測されたチャット停止制限時間、制限することができる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記停止制限手段は、前記各チャット装置に設けられていてもよいし、チャットサーバに設けられてもよい。ここで、チャットサーバとは、前記各チャット装置から送信されるメッセージを受信し、前記他のチャット装置に転送するサーバである。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記チャット装置はゲーム端末、前記チャットサーバはゲームサーバであってもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記停止制限手段は、前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージの内容に基づいて前記所定のチャット停止制限時間の長さを決定してもよい。こうして、メッセージを受信したチャット装置のユーザは、該メッセージに対する返信メッセージを入力するための時間を、該メッセージの内容に応じた時間分確保することができる。例えば、メッセージに含まれる文字数が多いほどチャット停止制限時間を長くしたり、メッセージを入力するのに要した時間に相当する時間をチャット停止制限時間としたりできる。こうすれば、メッセージを受信したユーザは、該メッセージに対する返信メッセージを入力するための時間を、該メッセージの長さに応じた時間分確保することができ、ひいてはユーザ間のコミュニケーションを健全なものとすることができる。
【0011】
さらに、本発明に係るチャット装置の制御方法は、メッセージを入力するステップと、入力される前記メッセージを送信するステップと、メッセージを受信するステップと、受信される前記メッセージを出力するステップと、ユーザによる所定の操作に応じて、メッセージの受信及び出力を停止させるステップと、送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、メッセージの受信及び出力の停止を制限するステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、メッセージを入力するメッセージ入力手段、入力される前記メッセージを送信するメッセージ送信手段、メッセージを受信するメッセージ受信手段、受信される前記メッセージを出力するメッセージ出力手段、ユーザによる所定の操作に応じて、メッセージの受信及び出力を停止させるメッセージ受信出力停止手段、前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、メッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段、として機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、各チャット装置において、該チャット装置におけるメッセージ受信及び出力の停止を制限することができる。
【0014】
また、本発明に係るチャットサーバの制御方法は、複数のチャット装置を含むチャットシステムに用いられるチャットサーバの制御方法であって、前記各チャット装置から送信されるメッセージを受信するステップと、受信される前記メッセージを、前記複数のチャット装置のうちの他のチャット装置に転送するステップと、前記各チャット装置から送信されたメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該チャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を制限するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るプログラムは、複数のコンピュータを含むチャットシステムに用いられるコンピュータを、前記各コンピュータから送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段、受信される前記メッセージを、前記複数のコンピュータのうちの他のコンピュータに転送するメッセージ転送手段、前記各コンピュータから送信されたメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該コンピュータにおけるメッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、チャットサーバにて、各チャット装置におけるメッセージ受信及び出力の停止を制限することができる。これにより、各チャット装置において実行される処理を減らし、各チャット装置にかかる負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るチャットシステムの全体構成を示す図である。同図に示すように、このチャットシステムは、ゲームサーバ1とゲーム端末2A,2Bとを含んで構成されている。ゲームサーバ1、ゲーム端末2は、いずれもネットワークを介して通信可能となっている。以下では、特にゲーム端末2A,2Bを区別する必要のない場合には、単にゲーム端末2とする。
【0019】
ゲームサーバ1は、マイクロプロセッサ、各種記憶装置及びデータ通信装置を中心として構成された公知のサーバコンピュータによって実現されるものであり、ゲーム端末2間で行われるチャットを管理・中継するものである。一方、ゲーム端末2A、2Bは、モニタ、キーボード、コントローラ等の入力手段、プロセッサ、各種記憶装置及びデータ通信装置を中心として構成された公知の家庭用ゲーム機、業務ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末等のコンピュータによって構成されるものであり、ユーザがチャット(メッセージ文字列の授受による会話)をするのに用いる。
【0020】
図2は、対戦型オンラインゲームにおいて、ゲーム端末2Aのモニタに表示されるチャット画面の一例を示している。ゲーム端末2Bにも同様の画面が表示されている。ここでは、サッカーゲームにおいて試合終了後に、試合結果が表示されている状態で行われるチャット画面を例にとる。同図に示すように、画面下部にはメッセージ入力欄3が配置され、その上部にはチャットログ欄4が配置される。ゲーム端末2AのユーザA(以下、ゲーム端末2AのユーザをユーザA、ゲーム端末2BのユーザをユーザBとする)は、メッセージ入力欄3にメッセージを入力し、図示しない送信ボタンをクリック等の入力確定操作をすることで、該メッセージの入力を確定する。該メッセージの入力を確定すると、チャットログ欄4に該メッセージが、ユーザAのユーザID(ここではUserAとする)等に紐付いた形でユーザAの発言として表示出力される。この時、ゲーム端末2Bのチャットログ欄4にも同様に該メッセージが表示出力され、ユーザBはそれに応じてメッセージを入力、送信する。こうしてユーザA、Bは、各自のチャットログ欄4を見ながら、各自のメッセージ入力欄3にメッセージを入力して相手とチャットし、例えば試合内容について会話することができる。具体的には、ゲーム端末2において入力されたメッセージは、入力確定操作が行われると、チャットの相手ユーザの識別データ等の情報とともにゲームサーバ1に送信される。ゲームサーバ1には、各ユーザの識別データと該ユーザのゲーム端末2のネットワークアドレスとが関連付けられた状態で予め記憶されており、ゲームサーバ1は、送信される識別データ、に対応するネットワークアドレス、つまりチャットの相手ユーザのゲーム端末2、に該メッセージを転送する。そして、相手ユーザのゲーム端末2が該メッセージを受信し、そのチャットログ欄4に表示出力する。
【0021】
さらに、図2に示す画面において、図面右下部の「次へ」と表示されたボタン5をユーザがクリック等のチャット停止操作をすると、チャット機能が停止(終了)する。チャット機能が停止(終了)すると、当該ゲーム端末2では、他のゲーム端末2から当該ゲーム端末2宛てのメッセージが受信できない状態になる。なお、このときチャット画面とは異なる別画面が表示される。また、ボタン5はチャット機能の停止を指示するチャット機能停止指示画像であればどのような形態でもよい。図2では、チャット機能停止指示画像の一例として、ボタン5を、「次へ」という文字列が付された矩形画像としている。
【0022】
このゲームサーバ1は、公知のタイマーを備え、ゲーム端末2から送信されたメッセージの受信時刻をRAM等の記憶装置に記憶する。さらに受信したメッセージの内容に基づいて停止制限時間を算出する。ここでは、メッセージの文字数をカウントし、所定の計算式等に基づいて、文字数に応じた停止制限時間を算出する。この停止制限時間は、上述のチャット停止操作によるチャット機能の停止を制限する期間であり、具体的には、この停止制限時間においては、図2に示した「次へ」ボタン5の表示態様を変化させてユーザがクリックできないようにしたり、クリックされた場合でも実行される処理を無効化したりする。表示態様の変化としては、「次へ」ボタン5を半透明で表示する、完全に消去する、あるいは「次へ」ボタン5の表示サイズを小さくする等がある。すなわち、停止制限時間において、ユーザがチャット停止操作の実行をできないようしたり、チャット停止操作によって実行される処理を無効化したりして、チャット停止操作よるチャット機能の停止を制限する。なお、停止制限時間は、文字数にかかわらず、予め設定されている所定の期間であってもよい。
【0023】
このように、ゲームサーバ1は、ゲーム端末2から受信したメッセージを相手ユーザのゲーム端末2に転送するとともに、該メッセージの受信時刻の記録と該メッセージの文字数から停止制限時間の算出を行う。こうして、該メッセージの受信時刻を停止制限時間の開始時刻として、停止制限時間が経過するまで、該メッセージを送信したゲーム端末2におけるチャット停止操作によるチャット機能の停止を制限する。つまり、メッセージ送信後、すぐにチャット機能を停止(終了できない)できないようにする。
【0024】
以上により、メッセージを送信したユーザによるチャット停止操作を所与の期間制限し、メッセージを受信したユーザによるメッセージ返信の機会、が確保されるので、チャットが中途半端な形で終わることを防止することができ、ユーザ間の健全なコミュニケーションを実現することができる。
【0025】
以下、本システムの構成・動作について、さらに詳細に説明する。
【0026】
図3は、ゲームサーバ1の機能ブロック図である。同図に示すようにゲームサーバ1は、制御部11、記憶装置12、ネットワークインターフェイス13を含んでいる。また、他にも図示しないキーボード、モニタ、DVD再生装置等の入出力部や、DVD−ROM、CD−ROM等情報記憶媒体を含んで構成されていてもよい。これらの機能ブロックは、ゲームサーバ1において記憶装置12に格納されている所定のプログラム12aが実行されることにより実現されている。なお、プログラム12aは上述のDVD−ROM、CD−ROM等コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0027】
制御部11は、例えば公知のCPUを含んで構成されており、ゲーム端末2からメッセージを受信するとともに該メッセージの送信先を特定し、特定されたゲーム端末2に該メッセージを送信する。また、制御部11は受信したメッセージの文字数をカウントし、その文字数に応じて停止制限時間を算出する。そして制御部11は、メッセージを送信したゲーム端末2におけるチャット停止操作によるチャット機能の停止を制限する。制御部11は、メッセージ転送部11a、タイマー部11b、停止制限部11c、停止制限時間算出部11d、からなる機能を含んで構成されている。これら各部の具体的処理については、後述する。
【0028】
記憶装置12は、例えば公知のRAM等のメモリを含んで構成されている。記憶装置12には、プログラム12aが格納されており、制御部11に出力される。また、記憶装置12は、チャット開始に伴って公知の技術によって取得された、ユーザID及び該ユーザに係るゲーム端末2のIPアドレス等のアドレスデータ12b、を図4に示すテーブルのように関連付けて格納している。
【0029】
ネットワークインターフェイス13は、例えば公知のネットワークカード等の通信装置であり、ネットワークを通じてデータを送受信する。
【0030】
ここで、制御部11の各部の具体的処理について説明する。
【0031】
メッセージ転送部11aは、公知のCPUを含み、プログラム12aが実行されることによって実現される。メッセージ転送部11aは、ゲーム端末2Aからメッセージ及びチャット相手(ユーザB)のユーザIDを、ネットワークインターフェイス13を介して受信する。そして、図4のテーブルを参照して、受信したユーザIDに対応するアドレスデータ12bの示すアドレス、つまりゲーム端末2Bに該メッセージを送信する。
【0032】
タイマー部11bは、公知のCPU、タイマーを含み、プログラム12aが実行されることによって実現される。タイマー部11bは、メッセージ転送部11aによってメッセージが受信された時刻(停止制限時間開始時刻)を計測し、さらにその時刻から上述の停止制限時間の終了時刻(停止制限時間終了時刻)を特定する。
【0033】
停止制限時間算出部11dは、公知のCPUを含み、プログラム12aが実行されることによって実現される。停止制限時間算出部11dは、メッセージ転送部11aによって受信されたメッセージの文字数をカウントし、その文字数に応じて停止制限時間を算出する。例えば、一文字当たりの停止制限時間が0.5秒と設定されている場合に、メッセージの文字数が20文字であるならば、0.5×20から停止制限時間は10秒となる。
【0034】
停止制限部11cは、公知のCPUを含み、プログラム12aが実行されることによって実現される。停止制限部11cは、メッセージ転送部11aによってメッセージが受信されると、ユーザAのチャット停止操作を制限する種々の制限指示をゲーム端末2Aに送信する。例えば、図2において「次へ」ボタン5を半透明化または消去してクリックできないようにしたり、ボタン5のクリックはできるが実行される処理を無効化したりする指示を送信する。つまり、ユーザAのチャット停止操作による、ゲーム端末2Aにおけるメッセージの受信停止及びメッセージの出力停止、を制限する指示を送信する。
【0035】
また、停止制限部11cは、停止制限時間終了時刻になるにともなって、上述の制限指示を解除する制限解除指示をゲーム端末2Aに送信する。以上により、メッセージの受信時から停止制限時間の経過まで、ユーザAのチャット停止操作によるチャット機能の停止を制限することができる。以上がゲームサーバ1における処理の内容である。
【0036】
図5は、ゲーム端末2の機能ブロック図である。同図に示すようにゲーム端末2は、制御部21、記憶装置22、ネットワークインターフェイス23、コントローラ及びキーボード等を含む操作部24、モニタ等の表示部25、DVD再生装置等の入力部26から構成される。これらの機能ブロックは、ゲーム端末2において記憶装置12に格納されている所定のゲームプログラム22aが実行されることにより実現されている。なお、前記所定のゲームプログラム22aはDVDーROM等コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0037】
制御部21は、例えば公知のCPUを含んで構成されており、操作部24から入力されたメッセージをチャット相手のユーザIDとともにゲームサーバ1に送信し、またゲームサーバ1から転送されたメッセージを受信し、表示部25に出力する。また、ユーザによるチャット停止操作によって、ゲームサーバ1から転送されたメッセージの受信及び出力を停止する。この制御部21は、メッセージ送信部21a、メッセージ受信部21b、チャット機能停止部21c及び停止制限指示受信部21dから構成されている。各部の具体的処理については、後述する。
【0038】
記憶装置22は、例えば公知のRAM等のメモリを含んで構成されている。この記憶装置22には、前記所定のゲームプログラム22aが格納されており、制御部21に出力される。ネットワークインターフェイス23は、例えば公知のネットワークカード等の通信装置であり、ネットワークを通じてデータを送受信する。
【0039】
ここで、制御部21の各部の具体的処理について説明する。
【0040】
メッセージ送信部21a、メッセージ受信部21b、チャット機能停止部21c及び停止制限指示受信部21dは、公知のCPUを含み、前記所定のゲームプログラム22aが実行されることによって実現される。メッセージ送信部21aは、キーボードやコントローラ等の操作部24から入力されたメッセージを、上述の送信ボタンのクリック等の入力確定操作を受けて、チャット相手のユーザIDとともにゲームサーバ1に送信する。メッセージ受信部21bは、ゲームサーバ1から転送されたメッセージを受信し、表示部25に表示出力されたチャット画面のチャットログ欄4に出力する。チャット機能停止部21cは、操作部24によるチャット停止操作の入力を受けてチャット機能の停止に係る処理(チャット機能停止処理)を実行し、転送されるメッセージの受信及び出力を停止する。停止制限指示受信部21dは、上述の制限指示及び制限解除指示をゲームサーバ1から受信し、チャット機能停止部21cによるチャット機能停止処理を、メッセージの受信時から停止制限時間が経過するまで制限する。以上がゲーム端末2における処理の内容である。
【0041】
次に、ゲームサーバ1の処理についてさらに説明する。図6は、ゲームサーバ1によるメッセージの転送処理及びチャット機能の停止制限処理を示すフロー図の一例である。同図に示すように、ゲームサーバ1では、ゲーム端末2からメッセージを受信するか否かを監視しており(S001)、メッセージ転送部11aがメッセージを受信した場合には、メッセージとともに受信したチャット相手のユーザID、に対応するアドレスを上述の図4のテーブルを参照して特定し、該アドレスに係るゲーム端末2に該メッセージを転送する(S002)。また、停止制限部11cは、メッセージ送信元のゲーム端末2に上述の制限指示、つまり該ゲーム端末2のチャット機能停止部21cによるチャット機能停止処理を制限する指示を送信する(S003)。またタイマー部11bは、メッセージ受信時の現在時刻を取得する(S004)。そして、停止制限時間算出部11dは、受信されたメッセージの文字数をカウントし、停止制限時間を算出する。例えば、既存の数式を用いたり、所定のテーブルを参照したり等して算出する。そして、取得された現在時刻から、算出された停止制限時間が経過したときの時刻、つまり停止制限時間終了時刻を特定する(S005)。
【0042】
そして、停止制限時間終了時刻になった場合(S006)、停止制限部11cが上述の制限解除指示をメッセージ送信元のゲーム端末2に送信し、該ゲーム端末2におけるチャット機能停止処理の制限を解除する(S007)。以上がゲームサーバ1によるメッセージ転送処理及びチャット機能の停止制限処理の内容である。これによれば、メッセージを受信したユーザによって該メッセージに対して返信する機会を確保し、チャットが中途半端な形で終わることを防止することができる。なお、S002乃至S004の処理は、メッセージ転送部11aによるメッセージの受信に伴って実行される処理であり、この順番で実行されなくてもよい。
【0043】
以上が本発明の一実施形態(実施形態1)の内容である。
【0044】
次に本発明の別の一実施形態(実施形態2)について説明する。実施形態1では、タイマー部11b、停止制限時間算出部11d及び停止制限部11cがゲームサーバ1に含まれ、ゲームサーバ1側でチャット停止操作の制限を行っていた。しかし、実施形態2では、これらの機能を各ゲーム端末2の機能とし、メッセージ送信元のゲーム端末2自身にチャット停止操作を制限させ、そしてゲームサーバ1にはメッセージ転送処理だけを実行させる。以下、図に従って説明する。なお、以下の説明では、名称が同じものに関しては実施形態1に用いられている符号を引用する。
【0045】
実施形態2に係るチャットシステムの全体構成は、図1に示す構成と同様であり、ゲーム端末2A,2Bとゲームサーバ1とを含んで構成され、各ゲーム端末2のユーザは、実施形態1と同様に図2に示すようなチャット画面において、メッセージの入出力及び送受信を行い、チャットを実行する。
【0046】
図7は、ゲームサーバ1の機能ブロック図である。同図に示すようにゲームサーバ1は、制御部11、記憶装置12、ネットワークインターフェイス13を含んでいる。また、他にも図示しないキーボード、モニタ、DVD再生装置等の入出力部や、DVD−ROM、CD−ROM等情報記憶媒体を含んで構成されていてもよい。これらの機能ブロックは、ゲームサーバ1において記憶装置12に格納されている所定のプログラム12aが実行されることにより実現されている。なお、前記所定のプログラム12aは上述のDVD−ROM、CD−ROM等コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0047】
制御部11は、例えば公知のCPUを含んで構成されており、ゲーム端末2からメッセージを受信するとともに該メッセージの送信先を特定し、特定されたゲーム端末2に該メッセージを送信する。この制御部11は、メッセージ転送部11aの機能を含んで構成されている。このメッセージ転送部11aは、公知のCPUを含み、前記所定のプログラム12aが実行されることによって実現される。メッセージ転送部11aは、ゲーム端末2Aからメッセージ及びチャット相手(ユーザB)のユーザIDを、ネットワークインターフェイス13を介して受信する。そして、記憶装置12に格納されている図4のテーブルを参照して、受信したユーザIDに対応するアドレスデータ12bの示すアドレス、つまりゲーム端末2Bに該メッセージを送信する。
【0048】
記憶装置12、及びネットワークインターフェイス13については、実施形態1と同様である。以上が実施形態2のゲームサーバ1に係る処理の内容である。
【0049】
図8は、ゲーム端末2の機能ブロック図である。同図に示すようにゲーム端末2は、制御部21、記憶装置22、ネットワークインターフェイス23、コントローラ及びキーボード等を含む操作部24、モニタ等の表示部25、DVD再生装置等の入力部26から構成される。これらの機能ブロックは、ゲーム端末2において記憶装置22に格納されている所定のゲームプログラム22aが実行されることにより実現されている。なお、前記所定のゲームプログラム22aはDVDーROM等コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。ここで、制御部21以外の各部は実施形態1と同様のものである。
【0050】
制御部21は、例えば公知のCPUを含んで構成されており、操作部24から入力されたメッセージをチャット相手のユーザIDとともにゲームサーバ1に送信し、さらにゲームサーバ1から転送されたメッセージを受信し、表示部25に出力する。また、ユーザによるチャット停止操作によって、ゲームサーバ1から転送されたメッセージの受信及び出力を停止する。この制御部21は、メッセージ送信部21a、メッセージ受信部21b、チャット機能停止部21c、タイマー部11b、停止制限部11c及び停止制限時間算出部11dから構成されている。
【0051】
これらのメッセージ送信部21a、メッセージ受信部21b、チャット機能停止部21c、タイマー部11b、停止制限部11c及び停止制限時間算出部11dは、公知のCPUを含み、前記所定のゲームプログラム22aが実行されることによって実現される。メッセージ送信部21aは、キーボードやコントローラ等の操作部24から入力されたメッセージを、上述の送信ボタンのクリック等の入力確定操作を受けて、チャット相手のユーザIDとともにゲームサーバ1に送信する。メッセージ受信部21bは、ゲームサーバ1から転送されたメッセージを受信し、表示部25のチャットログ欄4に出力する。チャット機能停止部21cは、操作部24からチャット停止操作による入力を受けてチャット機能の停止に係る処理を実行し、このゲーム端末2に転送されるメッセージの受信及び出力を停止する。
【0052】
タイマー部11bは、メッセージ送信部21aによってメッセージが送信された時刻(停止制限時間開始時刻)を計測し、さらにその時刻から上述の停止制限時間の終了時刻(停止制限時間終了時刻)を特定する。
【0053】
停止制限時間算出部11dは、メッセージ送信部21aによって送信されたメッセージの文字数をカウントし、その文字数に応じて停止制限時間を算出する。停止制限部11cは、メッセージ送信部21aによってメッセージが送信されると、ユーザのチャット停止操作によってチャット機能停止部21cが行うチャット機能停止処理、すなわちメッセージの受信停止及びメッセージの出力停止に係る処理を、を制限する。また、停止制限部11cは、停止制限時間終了時刻になるにともなって、チャット機能停止処理の制限を解除する。以上がゲーム端末2における処理の内容である。
【0054】
次に、ゲーム端末2の処理についてさらに説明する。図9は、ゲーム端末2によるメッセージの送信処理及びチャット機能の停止制限処理を示すフロー図の一例である。同図に示すように、メッセージ送信部21aは、図2の送信ボタンのクリック等入力確定操作にともなって、ユーザによって入力されたメッセージを送信する(S101)。すると、タイマー部11bは、メッセージ送信時の現在時刻を取得する(S102)。そして、停止制限時間算出部11dは、送信されたメッセージの文字数をカウントし、停止制限時間を算出する。そして、取得された現在時刻から、算出された停止制限時間が経過したときの時刻、すなわち停止制限時間終了時刻を特定する(S103)。また、停止制限部11cは、メッセージの送信後、ユーザの操作によってチャット機能停止部21cが実行するチャット機能停止処理を制限する(S104)。
【0055】
そして、停止制限時間終了時刻になった場合(S105)、停止制限部11cがチャット機能停止処理の制限を解除する(S106)。以上がゲーム端末2によるメッセージ送信処理及びチャット機能の停止制限処理の内容である。なお、S102乃至S104の処理は、メッセージ送信部21aによるメッセージの送信に伴って実行される処理であり、この順番で実行されなくてもよい。
【0056】
以上のように実施形態1及び2によれば、メッセージを受信したユーザが該メッセージに対して返信する機会を確保してチャットが中途半端な形で終わることを防止し、ユーザ間の健全なコミュニケーションを実現することができる。さらに実施形態2によれば、チャット機能の停止制限処理を各ゲーム端末2に行わせることにより、ゲームサーバ1の負荷を軽減することが可能になる。以上が実施形態2の内容である。
【0057】
なお、本発明は上記の実施形態で説明したものに限らない。
【0058】
例えば、チャットを行う人数は2人でなくてもよい。すなわち、ゲームサーバ1と複数のゲーム端末2がネットワークを介して通信可能に接続され、あるゲーム端末2が送信したメッセージをゲームサーバ1が他の複数のゲーム端末2に転送する。これは、いわゆる会議形式のチャットなどに用いられる。この実施形態によっても、実施形態1及び2同様、メッセージを受信したユーザが該メッセージに対して返信する機会を確保し、チャットが中途半端な形で終わることを防止することができる。
【0059】
また、実施形態1及び2においては、チャットシステムを構成する装置として、ゲーム端末2及びゲームサーバ1を用いているが、ゲーム端末2の代わりにパーソナルコンピュータ、携帯情報端末等の一般的な通信装置を用いてもよいし、ゲームサーバ1の代わりに一般的な公知のサーバコンピュータを用いてもよい。こうして、チャットをオンラインゲーム以外で行うこととしてもよい。
【0060】
また、ここではゲームサーバ1等サーバ装置がゲーム端末2等クライアント装置間のメッセージを中継しているが、各クライアント装置が直接的に、相互に通信を行うような、いわゆるピア・ツー・ピアの形態であってもかまわない。これは、実施形態2のゲーム端末2と同様に、各クライアント装置自身にチャット機能の停止制限処理をさせることにより実現される。
【0061】
また、停止制限時間はメッセージの文字数にかかわらず、例えば、メッセージの入力所要時間を取得し、該入力所要時間に相当する時間を停止制限時間としてもよい。
【0062】
また、停止制限時間の終了タイミングは、常に停止制限時間算出部11dによって算出された停止制限時間終了時刻である必要はない。例えば、メッセージ送信先のユーザによる返信メッセージの入力中は、停止制限時間終了時刻を該返信メッセージの送信時刻等に延長してもよい。こうすれば、ユーザによる返信メッセージの入力中に、相手ユーザのチャット停止操作によってチャットが停止されることを防止することが可能になる。
【0063】
また、停止制限時間中に、ゲームサーバ1が、メッセージ送信先のユーザから返信メッセージを受信した場合は、そのタイミングをもって該停止制限時間を終了させる。停止制限時間中に、メッセージ送信元のゲーム端末2が、メッセージ送信先のユーザから返信メッセージを受信した場合も同様である。メッセージを受信したユーザによるメッセージ返信の機会の確保、の目的が達成されているからである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るチャットシステムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】チャット画面の一例を示す図である。
【図3】実施形態1に係るゲームサーバの機能ブロック図である。
【図4】ユーザIDとアドレスデータを対応付けて記憶しているテーブルの一例を示す図である。
【図5】実施形態1に係るゲーム端末の機能ブロック図である。
【図6】ゲームサーバにおけるメッセージ転送処理及びチャット機能の停止制限処理の一例を示すフロー図である。
【図7】実施形態2に係るゲームサーバの機能ブロック図である。
【図8】実施形態2に係るゲーム端末の機能ブロック図である。
【図9】ゲーム端末におけるメッセージ送信処理及びチャット機能の停止制限処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ゲームサーバ、2A,2B ゲーム端末、3 メッセージ入力欄、4 チャットログ欄、5 「次へ」ボタン、11,21 制御部、12,22 記憶装置、13,23 ネットワークインターフェイス、11a メッセージ転送部、11b タイマー部、11c 停止制限部、11d 停止制限時間算出部、12a プログラム、12b アドレスデータ、21a メッセージ送信部、21b メッセージ受信部、21c チャット機能停止部、21d 停止制限指示受信部、22a ゲームプログラム、24 操作部、25 表示部、26 入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがメッセージを入力するメッセージ入力手段と
前記メッセージ入力手段によって入力されたメッセージを送信するメッセージ送信手段と、
メッセージを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段によって受信されたメッセージを出力するメッセージ出力手段と、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記メッセージ受信手段及びメッセージ出力手段によるメッセージの受信及び出力を停止させるメッセージ受信出力停止手段とを備えたチャット装置を複数含むチャットシステムであって、
前記メッセージ受信出力停止手段によるメッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段を含み、
前記停止制限手段は、チャット装置における前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該チャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を制限することを特徴とするチャットシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のチャットシステムにおいて、
前記所定のチャット停止制限時間を計測する計時手段をさらに含むこと、
を特徴とするチャットシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のチャットシステムにおいて、
前記停止制限手段は、前記各チャット装置に設けられる、
ことを特徴とするチャットシステム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のチャットシステムにおいて、
前記各チャット装置から送信されるメッセージを受信し、前記他のチャット装置に転送するチャットサーバをさらに含み、
前記停止制限手段は、前記チャットサーバに設けられる、
ことを特徴とするチャットシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のチャットシステムであって、
前記チャット装置はゲーム端末であり、前記チャットサーバはゲームサーバであること、
を特徴とするチャットシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のチャットシステムにおいて、
前記停止制限手段は、前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージの内容に基づいて前記所定のチャット停止制限時間の長さを決定する、
ことを特徴とするチャットシステム。
【請求項7】
チャットシステムに用いられるチャット装置の制御方法であって、
メッセージを入力するステップと、
入力される前記メッセージを送信するステップと、
メッセージを受信するステップと、
受信される前記メッセージを出力するステップと、
ユーザによる所定の操作に応じて、メッセージの受信及び出力を停止させるステップと、
送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、メッセージの受信及び出力の停止を制限するステップと、
を含むことを特徴とするチャット装置の制御方法。
【請求項8】
複数のチャット装置を含むチャットシステムに用いられるチャットサーバの制御方法であって、
前記各チャット装置から送信されるメッセージを受信するステップと、
受信される前記メッセージを、前記複数のチャット装置のうちの他のチャット装置に転送するステップと、
前記各チャット装置から送信されたメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該チャット装置におけるメッセージの受信及び出力の停止を制限するステップと、
を含むことを特徴とするチャットサーバの制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
メッセージを入力するメッセージ入力手段、
入力される前記メッセージを送信するメッセージ送信手段、
メッセージを受信するメッセージ受信手段、
受信される前記メッセージを出力するメッセージ出力手段、
ユーザによる所定の操作に応じて、メッセージの受信及び出力を停止させるメッセージ受信出力停止手段、
前記メッセージ送信手段によって送信されるメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、メッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
複数のコンピュータを含むチャットシステムに用いられるコンピュータを、
前記各コンピュータから送信されるメッセージを受信するメッセージ受信手段、
受信される前記メッセージを、前記複数のコンピュータのうちの他のコンピュータに転送するメッセージ転送手段、
前記各コンピュータから送信されたメッセージに応じて決定される所定のチャット停止制限時間、該コンピュータにおけるメッセージの受信及び出力の停止を制限する停止制限手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−179485(P2007−179485A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380178(P2005−380178)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】