説明

チャットシステム

【課題】 仮想空間内で利用者が現在いる位置情報を記憶することによりその状況に応じた範囲の利用者とのメッセージの交換を可能とするチャットシステムを提供する。
【解決手段】 端末2、ゲームサーバ4、および、チャットサーバ6がネットワーク8に接続されて構成され、利用者が端末2から仮想空間にアクセスして、この仮想空間内に設けられた店舗においてサービスを利用するネットワーク遊技システム1において、チャットサーバ6により利用者間でメッセージを交換するチャットシステムにおいて、ゲームサーバ4が、仮想空間内における利用者がいる位置を記憶するゲームデータベース5を有し、チャットサーバ6が、ゲームデータベース5から利用者の位置を読み出して、この位置にいる他の利用者との間でメッセージを交換するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードバンドネットワーク等を利用してアクセスしている利用者間でのメッセージ交換機能を提供するチャットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の端末(パソコン等)からブロードバンドネットワークを介して仮想空間にアクセスし、この仮想空間内に存在する仮想店舗において、スロットマシン等による遊技を提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムにおいては、現実の店舗にいる感覚を利用者に与えるために、また、利用者同士が情報交換できるようにテキストベースで会話(メッセージの交換)ができるチャット機能が提供されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−189666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなチャット機能は、基本的に同一の店舗内にいる利用者同士で可能であるため、現在利用者がいる仮想空間内の状況に応じて会話の範囲が限定できず、利用者が仮想空間内を移動するという特徴を生かしたチャット機能を提供できないという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、仮想空間内で利用者が現在いる位置情報を記憶することによりその状況に応じた範囲の利用者とのメッセージの交換を可能とするチャットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係るチャットシステムは、端末、サービス提供手段(例えば、実施形態におけるゲームサーバ4)、および、チャット提供手段(例えば、実施形態におけるチャットサーバ6)がネットワークに接続されて構成され、利用者が端末から仮想空間にアクセスして、この仮想空間内に設けられた店舗においてサービスを利用する仮想店舗システム(例えば、実施形態におけるネットワーク遊技システム1)において、チャット提供手段により利用者間でメッセージを交換するものであり、サービス提供手段が、仮想空間内における利用者がいる位置を記憶する位置記憶手段(例えば、実施形態におけるゲームデータベース5)を有し、チャット提供手段が、位置記憶手段から利用者の位置を読み出して、この位置にいる他の利用者との間でメッセージを交換するように構成される。
【0007】
なお、本発明に係るチャットシステムにおいて、仮想空間が、仮想空間内に設けられたタウン(例えば、実施形態におけるタウン画面31)、タウン内に設けられた店舗(例えば、実施形態における店舗画面32)、店舗内に設けられた遊技機(例えば、実施形態における遊技画面33)、および、前記店舗の行列(例えば、実施形態における行列画面34)から構成され、位置が、タウン内にいる状態、店舗内にいる状態、店舗に行列している状態、および、遊技機を遊戯している状態から構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るチャットシステムを以上のように構成すると、利用者が現在いる位置をサービス提供手段で管理するとともに、チャット提供手段がこの利用者の位置に基づいてチャットルームを割り当てることにより、その利用者のいる位置に応じてメッセージの交換が可能な他の利用者を限定することができるため、利用者に現実の店舗を利用している感覚を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るチャットシステムが適用されるネットワーク遊技システム1の構成について図1を用いて説明する。ネットワーク遊技システム1は、利用者が使用する端末2、この端末2に搭載されるゲームアプリ3、このゲームアプリ3とゲーム情報のやり取りをして利用者に遊技を提供するゲームサーバ4、ゲーム情報を記憶するゲームデータベース5、ゲームアプリ3を介してアクセスしている利用者間のチャットを管理するチャットサーバ6、チャットの状況を管理するチャットテーブル7、並びに、端末2、ゲームサーバ4、および、チャットサーバ6を接続するネットワーク8から構成される。
【0010】
このネットワーク遊技システム1は、利用者が、ゲームアプリ3およびゲームサーバ4により、ゲームサーバ4上に作られた仮想空間にアクセスし、仮想タウン内にある仮想店舗を選んでスロットマシン等の遊技を行うものである。そのため、利用者は、仮想空間内でタウン画面31と店舗画面32とを行き来して、その店舗画面32に対応する店舗からコンテンツ(例えば、スロットマシンによる遊技)33を利用する。仮想店舗におけるコンテンツ33の利用としては、店舗画面32内に遊技機がブロックごとに配置された画面を表示し(この遊技機のブロックを「島」と呼ぶ)、いずれかの遊技機を利用者が選択することにより、選択された遊技機の画面を遊技画面33として表示するように構成される。
【0011】
なお、このようなネットワーク遊技システム1においては、実際の遊技店舗のように仮想空間内における開店時間と閉店時間とを設定できるように構成し、開店時間前はその仮想店舗の前に利用者が行列できるように構成することも可能であり、この場合、図2に示すように、タウン画面31から仮想店舗を選択すると、その仮想店舗に行列する行列画面34に移動し、開店すると店舗画面32に移動するように構成される。
【0012】
このようにこのネットワーク遊技システム1においては、タウン画面31、店舗画面32、遊技画面33、および、行列画面34から構成されるため、利用者が現在いる位置に応じて会話できる利用者の範囲を変化させることで、利用者により現実の店舗を利用している感覚を与えることができる。すなわち、行列画面34においてはその店舗に行列している利用者間での会話を可能とし、店舗画面32では店舗内にいる利用者間での会話を可能とし、遊技画面33ではその遊技機が属する島を選択している利用者間での会話を可能とすることによりより現実の空間にいる感覚を利用者に与えることができる。
【0013】
それでは、利用者の位置に応じて会話のできる利用者の範囲を変化させるチャットシステムについて図3を用いて説明する。利用者は、端末2においてゲームアプリ3を起動してゲームサーバ4と通信を行い仮想空間にアクセスしてゲームを行っており、上述したように、タウン画面31、店舗画面32、遊技画面33,および、行列画面34(これらを総称して「エリア」と呼ぶ)を行き来している。利用者が端末1を操作してエリアを移動すると(ステップS100)、ゲームアプリ3は、その位置情報を位置情報送信機能31によりゲームサーバ4に送信する(ステップS101)。そして位置情報を受け取ったゲームサーバ4は、位置情報格納機能41によりその位置情報をゲームデータベース5の位置情報テーブル51に記憶する(ステップS102)。なお、利用者はゲームアプリ3を利用するときにゲームサーバ4に対して利用者のIDやパスワードを送信して認証処理を行っているため、位置情報は、その利用者のIDとともに位置情報テーブル51に格納される。
【0014】
利用者が端末2を操作してチャット機能を起動すると、ゲームアプリ3のチャットインタフェース機能32は、ゲームデータベース5からその利用者のIDに基づいて現在いる位置情報を取得し(ステップS103)、チャットサーバ6にその利用者のIDおよび位置情報を送信するとともに、その位置に応じたチャット画面を端末2に表示する。チャットサーバ6は、利用者のいる位置に応じて、利用者間の会話(文字情報等のメッセージ)を交換する機能(以下、「チャットルーム」と呼ぶ)を提供するものであり、各チャットルームに対応する情報がチャットデータベース7のチャットテーブル71に記憶される(ステップS104)。例えば、チャットルーム毎に管理識別情報が割り付けられており、この管理識別情報毎にそのチャットルームを利用する利用者のIDが管理される。
【0015】
チャット管理機能61は、対応するチャットルームを現在利用している他の利用者のIDをゲームアプリ3のチャットインタフェース機能32に送信する(ステップS105)。利用者はこのチャットインタフェース機能32に会話のためのメッセージを入力すると、そのメッセージがチャット管理機能61に送信され、チャット管理機能61は、その利用者が属するチャットルームを利用している他の利用者の端末2にそのメッセージを送信することにより利用者間での会話(メッセージの交換)を行う(ステップS106)。
【0016】
以上のように、利用者が現在いる位置情報をゲームサーバ4(ゲームデータベース5)で管理するとともに、チャットサーバ6がこの利用者の位置情報に基づいてチャットルームを割り当てることにより、その利用者のいる位置に応じて会話可能な他の利用者を限定することができるため、利用者に現実の店舗を利用している感覚を与えることができる。
【0017】
なお、本発明に係るチャットシステムは、テキスト情報であるメッセージの交換に限定されず、音声情報のメッセージを交換するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ネットワーク遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームアプリにおける画面の推移を示すブロック図である。
【図3】チャットを行う時の処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ネットワーク遊技システム(仮想店舗システム)
2 端末
4 ゲームサーバ(サービス提供手段)
5 ゲームデータベース(位置記憶手段)
6 チャットサーバ(チャット提供手段)
8 ネットワーク
31 タウン画面
32 店舗画面
33 遊技画面
34 行列画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末、サービス提供手段、および、チャット提供手段がネットワークに接続されて構成され、利用者が前記端末から仮想空間にアクセスして、前記仮想空間内に設けられた仮想店舗においてサービスを利用する仮想店舗システムにおいて、前記チャット提供手段により前記利用者間でメッセージを交換するチャットシステムであって、
前記サービス提供手段が、前記仮想空間内における前記利用者がいる位置を記憶する位置記憶手段を有し、
前記チャット提供手段が、前記位置記憶手段から前記利用者の位置を読み出して、前記位置にいる他の利用者との間で前記メッセージを交換するように構成されたことを特徴とするチャットシステム。
【請求項2】
前記仮想空間が、仮想空間内に設けられたタウン、前記タウン内に設けられた店舗、前記店舗内に設けられた遊技機、および、前記店舗の行列から構成され
前記位置が、前記タウン内にいる状態、前記店舗内にいる状態、前記店舗に行列している状態、および、前記遊技機を遊戯している状態から構成されたことを特徴とするチャットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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