説明

チャネルおよび干渉の推定のためのインクリメンタルなパイロットの挿入

【課題】OFDMAシステムにおいて、受信機がチャネル推定値を決定する能力を選択的に向上する動的な資源割り振りシステム、装置、方法を提供する。
【解決手段】無線通信システム100は、共通パイロットチャネル構成を使用して、システムと通信している受信機におけるチャネル推定を助けることができる。受信機は、不正確なチャネル推定値のために、受信データを復調できないことがある。受信機は、システム内の送信機に、追加のチャネル推定資源に対する要求を伝達することができる。無線通信システムは、専用パイロットチャネルを、受信機のシンボルに割り振られた周波数の1つ以上へ挿入することによって、追加のチャネル推定資源を与えることができる。受信機が、それでもなお、受信データを復調できないときは、無線通信システムは、受信機と関係付けられたシンボルに、追加のパイロットチャネルをインクリメンタルに挿入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
本出願は、2004年7月16日に出願された仮米国出願第60/588,686号(“Incremental Pilot Insertion For Channel/Interference Estimation”)、および2004年12月22日に出願された米国出願第60/638,536号に対して優先権を主張しており、これらは、本明細書において参照によって全体的に取り入れられている。
【0002】
本開示は、概ね、無線通信の分野に関する。より具体的には、本開示は、チャネル推定のための資源の割り振りに関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システム、例えば、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access, OFDMA)を実施するものにおいて、受信機は、チャネル推定を、復調プロセスの一部として行うように構成されることができる。受信機は、OFDMAシステムにおいてチャネル推定を行って、時間で変化する周波数選択フェージングを補償し得る。
【0004】
OFDMAシステムにおける受信機は、送信データについての知識なしに、ブラインド方式で、チャネル推定を行うか、または受信機に同報通信され、知られている1本以上のパイロットチャネルに基づいて、チャネル推定を行い得る。パイロットチャネルを使用して、受信機のチャネル推定を助ける構成では、チャネル推定に割り振られる資源と、システムの性能との間に、トレードオフがある。
【0005】
通信システムは、使用可能な信号のバンド幅を最大化するために、チャネル推定のために最少数のパイロット信号を割り振る。しかしながら、チャネル推定に資源を不適切に割り振ると、不適切なチャネル推定値になることがあり、したがって、受信データを復調することができず、システムの性能を劣化することになり得る。
【0006】
対照的に、チャネル推定に余分な資源を割り振ると、各受信機が適切なチャネル推定値を決定できることを保証するが、システムに負担をかけ、その容量を低減し得る。この構成では、システムは、最も劣化した受信機が、他のより良く適した受信機の容量を犠牲にして、正確なチャネル推定値を決定できることを保証する。
【0007】
無線通信システムにおいて、資源を割り振って、受信機における正確なチャネル推定を可能にするが、資源の割り振りを最小限にして、チャネル容量が不必要に低下されないようにすることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムにおいて、チャネル推定値を決定する受信機の能力を選択的に向上する動的な資源割り振りシステム、装置、および方法が開示される。無線通信システムは、共通パイロットチャネル構成を使用して、システムと通信している1つ以上の受信機におけるチャネル推定を助けることができる。システムと通信している受信機は、不正確なチャネル推定値のために、受信データを復調できないことがある。受信機は、システム内の送信機に、追加のチャネル推定資源に対する要求を伝達することができる。無線通信システムは、専用パイロットチャネルを、受信機のシンボルに割り振られた周波数の1つ以上へ挿入することによって、追加のチャネル推定資源を与えることができる。受信機が、それでもなお、受信データを復調できないときは、無線通信システムは、受信機と関係付けられたシンボルに、追加のパイロットチャネルをインクリメンタルに挿入することができる。
【0009】
開示は、チャネル推定のために資源を動的に割り振る装置を含む。装置は、チャネル推定資源に対する要求を決定するように構成されたチャネル品質モジュールと、受信機に結合されていて、基線資源レベルおよび可変資源レベルを決定するように構成された資源割り振りモジュールとを含む。可変資源レベルは、チャネル推定資源に対する要求に少なくとも部分的に基づく。実施形態は、基線資源レベルおよび可変資源レベルに基づいて、チャネル推定に割り振られる部分をもつ信号を送信するように構成された送信機も含むことができる。
【0010】
開示は、チャネル推定のために資源を動的に割り振る装置であって、直交周波数分割多元接続(OFDMA)の搬送波の組から、共通パイロット信号に割り振られた搬送波の第1のサブセットを決定するように構成された共通パイロットモジュールと、OFDMA搬送波の第1のサブセットとは異なる、通信リンクに割り振られたOFDMA搬送波の第2のサブセットを決定するように構成されたシンボルモジュールと、OFDMA搬送波の第2のサブセットからの少なくとも1つの搬送波を、チャネル推定に割り振るように構成された専用パイロットモジュールと、OFDMA搬送波からOFDMAシンボルを生成するように構成されたシンボル生成器と、チャネル推定に割り振られた専用パイロット信号をもつOFDMAシンボルを送信するように構成された送信機とを含む装置も含む。
【0011】
開示は、資源の動的な割り振りに基づいてチャネルを推定する装置であって、チャネル推定に割り振られた資源をもつ直交周波数分割多元接続(OFDMA)シンボルを受信するように構成された受信機と、受信機に結合されていて、OFDMAシンボルを複数の搬送波へ変換するように構成された変換モジュールと、共通パイロット信号に対応する搬送波の第1のサブセット、データの搬送波に対応する搬送波の第2のサブセット、および専用パイロット信号に対応する搬送波の第2のサブセットからの少なくとも1つの搬送波を決定するように構成された搬送波割り振りモジュールと、変換モジュールおよび搬送波割り振りモジュールに結合されていて、共通パイロット信号および専用パイロット信号に部分的に基づいて、チャネル推定値を決定するように構成されたチャネル推定器と、チャネル推定値に部分的に基づいて、データ搬送波を復調するように構成された復調器とを含む装置も含む。
【0012】
開示は、動的に割り振られたチャネル推定資源をもつ信号を生成する方法であって、基線レベルの資源をチャネル推定に割り振ることと、追加の資源に対する要求を決定することと、追加の資源をチャネル推定に割り振ることと、基線レベルの資源および追加の資源に部分的に基づいて、信号を生成することとを含む方法も含む。
【0013】
開示は、動的に割り振られたチャネル推定資源をもつ信号を受信する方法であって、直交周波数分割多元接続(OFDMA)シンボルを受信することと、OFDMAシンボルに含まれている基線レベルのチャネル推定資源を決定することと、OFDMAシンボルに含まれている追加のチャネル推定資源を決定することと、基線レベルのチャネル推定資源および追加のチャネル推定資源に基づいて、チャネル推定値を決定することと、チャネル推定値に部分的に基づいて、受信シンボルを復調することとを含む方法も含む。
【0014】
開示の実施形態の特徴、目的、および長所は、別途記載される詳細な記述から、同じ要素が同じ参照番号をもつ図面と共に採用されるとき、より明らかになるであろう。
【詳細な説明】
【0015】
OFDMA通信システムのような無線通信システムは、基線レベルの資源を、受信機のチャネルおよび干渉の推定に割り振ることができる。基線レベルの資源および受信機の動作パラメータを想定すると、基線レベルの資源は、受信機の公称の動作パラメータと、対応するデータ復調成功率とに基づいて、決定されることができる。
【0016】
しかしながら、無線通信システムにおけるポータブルユーザ端末によって経験される動作条件およびチャネル特性の可変の性質のために、基線レベルの資源では、受信機がチャネルおよび干渉を正確に推定するのに不十分である状況が存在する。不正確なチャネルおよび干渉の推定値は、受信機が、その推定値を使用して、データを復調できないという結果をもたらし得る。受信機は、送信機に、不成功のデータ復調について示す、または、そうでなければ、知らせることができる。例えば、受信機は、不成功のデータ復調に応答して、再送要求を送るように構成されるか、または確認応答メッセージを送るのを省くように構成されることができる。
【0017】
次に、無線通信システムは、追加の資源を、チャネルおよび干渉の推定に割り振り得る。1つの実施形態において、無線通信システムは、追加の資源を割り振ることができ、これは、複数の受信機がチャネルおよび干渉を推定する能力を高める。別の実施形態において、無線通信システムは、データを復調できないことを報告した特定の受信機に充てられた、チャネルおよび干渉の推定のための追加の資源を割り振ることができる。無線通信システムは、受信機の各々のためのチャネルおよび干渉の推定資源を、動的に割り振り続けることができる。
【0018】
動的な資源の割り振りのために構成されたOFDMA無線通信システムの例は、チャネル推定のための1つ以上のパイロット信号を与えるように構成された送信機を含む。基線レベルの資源は、共通パイロット構成に対応し、これは、例えば、コーム型構成(comb configuration)で実質的に配置されることができる。さらに加えて、共通パイロットのコーム型構成は、異なる周波数に、異なる時間に現れ、パイロット信号によって占められるパターンは、予め決定され得る。1つの例において、パイロット信号が、2組の周波数間を行ったり来たりするとき、パイロット信号は、スタガードコーム(staggered comb)のように動作するように構成され得る。無線通信システムは、データシンボルが受信機に送信される時間中に、パイロット信号を送信することができるか、または制御情報を交換する所定の時間中に、パイロット信号を送信するように構成されることができる。別の実施形態において、基線レベルの資源は、1つ以上の専用パイロット信号か、または1つ以上の専用パイロット信号と組合わされた共通パイロット信号の組合せに対応することができる。
【0019】
OFDMA無線通信システムにおける各アクティブな受信機は、OFDM周波数のサブセットを割り当てられることができる。各受信機は、共通パイロット構成について知るように構成され、受信した共通パイロット信号に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定するように構成されることができる。次に、受信機は、チャネルおよび干渉の推定値に部分的に基づいて、受信データを復調することができる。チャネルおよび干渉の推定値が十分であり、受信データが損なわれておらず、受信信号強度が十分であるという条件で、受信機は、受信データを復調することができる。
【0020】
幾つかの例において、受信機は、共通パイロット信号に基づいて、十分に正確なチャネルおよび干渉の推定値を決定できないことがある。不正確なチャネルおよび干渉の推定値は、受信機が受信データを復調できないといった結果をもたらし得る。そのような状況において、受信機は、確認応答メッセージ(acknowledge message, ACK)を送らないか、再送要求を送信するか、または、そうでなければ、受信データを復号できないことを示し得る。
【0021】
次に、無線通信システムにおける送信機は、受信されるのに不成功したデータを再送し得る。無線通信システムは、チャネルおよび干渉の推定のために受信機に使用可能な資源量を増加するようにも構成され得る。例えば、無線通信システムは、追加のパイロット信号を含めるようにも構成されることができる。1つの実施形態において、無線通信システムは、追加の専用パイロット信号を含める。普通は、周波数の1つ以上がデータ変調される代わりに、専用パイロット信号をOFDMAシンボル内に挿入することができる。したがって、専用パイロット信号は、データシンボル上へ効率的に符号パンクチャされる。専用パイロット信号は、他の受信機からの資源を使用しないので、他のユーザのチャネルバンド幅に影響を与えない。受信機は、送信データ上に符号パンクチャされた専用パイロット信号コードを使用して、チャネルおよび干渉の推定値をさらに向上することができる。受信機は、所定のアルゴリズムに基づいて、専用パイロット信号の位置および数を決定することができる。別の実施形態において、無線通信システムは、専用パイロット信号の位置および数を、受信機に、制御またはオーバーヘッドのチャネル上で伝達する。
【0022】
1つの実施形態において、他の受信機は、専用パイロット信号の知識なしに、チャネルおよび干渉を推定し続けることができる。別の実施形態において、他の受信機の1つ以上は、専用パイロットの知識を使用して、それらの受信機によって決定されるチャネルおよび干渉の推定値の精度をさらに高めることができる。したがって、無線通信システムは、チャネルおよび干渉の推定に割り振られる資源の量を動的に変える。
【0023】
図1は、チャネル推定のための動的なパイロットの挿入を行う無線通信システム100の実施形態の機能ブロック図を示している。システムは、ユーザ端末110と通信することができる1つ以上の固定素子を含む。ユーザ端末110は、例えば、1つ以上の通信標準にしたがって動作するように構成された無線電話機であり得る。ユーザ端末110は、ポータブルユニット、移動ユニット、または静止ユニットであり得る。ユーザ端末110は、移動ユニット、移動端末、移動局、ユーザ装置、ポータブル、電話機、等とも呼ばれ得る。図1には、1つのみのユーザ端末110が示されているが、一般的な無線通信システム100は、多数のユーザ端末110と通信する能力をもっていると理解される。
【0024】
ユーザ端末110は、通常、1つ以上の基地局120aまたは120bと通信し、ここでは、基地局は、セクタに区切られたセルラ塔のように示されている。ユーザ端末110は、通常、基地局、例えば、参照符号120bと通信し、これは、ユーザ端末110内の受信機において最も強い信号強度を与えている。
【0025】
基地局120aおよび120bの各々は、基地局制御装置(Base Station Controller, BSC)130に結合され、これは、適切な基地局120aおよび120bへの、またはそこからの通信信号をルーティングする。BSC130は、移動交換局(Mobile Switching Center, MSC)140に結合され、これは、ユーザ端末110と公衆交換電話ネットワーク(Public Switched Telephone Network, PSTN)150との間のインターフェースとして働くように構成されることができる。MSCは、ユーザ端末110とネットワーク160との間のインターフェースとして働くようにも構成されることができる。ネットワーク160は、例えば、ローカル エリア ネットワーク(Local Area Network, LAN)またはワイド エリア ネットワーク(Wide Area Network, WAN)であり得る。1つの実施形態において、ネットワーク160はインターネットを含む。したがって、MSC140は、PSTN150とネットワーク160とに結合されている。MSC140は、(図示されていない)他の通信システムとのシステム間のハンドオフを調整するようにも構成されることができる。
【0026】
無線通信システム100は、OFDM通信を使用して、順方向リンクおよび逆方向リンクの両者における通信を備えたOFDMAシステムとして構成されることができる。順方向リンクという用語は、基地局120aまたは120bからユーザ端末110への通信リンクを指し、逆方向リンクという用語は、ユーザ端末110から基地局120aまたは120bへの通信リンクを指す。基地局120aおよび120bと、ユーザ端末110との両者は、チャネルおよび干渉の推定のために資源を割り振り得る。例えば、基地局120aおよび120bと、ユーザ端末110との両者は、パイロット信号を同報通信し得る。パイロット信号は、対応する受信機によって、チャネルおよび干渉の推定に使用される。分かり易くするために、システム実施形態の記述では、順方向リンクにおけるチャネルおよび干渉の推定のための資源の割り振りについて記載する。しかしながら、そのような資源の割り振りは、順方向リンクにおける応用に制限されず、順方向リンクおよび逆方向リンクの両者において使用され得るか、または一方の通信リンクにおいて、他方の通信リンクを除いて、実施され得ることが理解される。
【0027】
基地局120aおよび120bは、共通パイロット信号を、チャネルおよび干渉の推定に割り振られた基線レベルの資源として同報通信するように構成されることができる。共通パイロット信号は、OFDM周波数の組から選択される多数のトーンを含むことができる。例えば、共通パイロット信号は、OFDM周波数の組から選択される等間隔のトーンから形成されることができる。等間隔の構成は、コーム型パイロット信号と呼ばれ得る。既に記載したように、他の実施形態において、基線レベルの資源は、専用パイロット信号か、または共通パイロット信号と専用パイロット信号との組合せであり得る。
【0028】
共通パイロット信号は、OFDM周波数の組から選択されるトーンの2つ以上の組を含むことができ、所定の順序またはアルゴリズムに基づいて、トーンの組の中の1つを送信することができる。1つの実施形態において、共通パイロット信号は、2つのトーンの組の中の一方であり、基地局、例えば、参照符号120aは、2つのトーンの組を行ったり来たりすることができる。
【0029】
共通パイロット信号および変調されたデータは、チャネルに部分的に起因する歪みおよび劣化を経験する。ユーザ端末110は、基地局、例えば、参照符号120aから、共通パイロット信号を、変調されたデータと共に受信することができる。ユーザ端末によって受信される時間領域信号は、y(t)=s(t)h(t)+i(t)+n(t)のようにモデル化されることができる。ここで、s(t)、h(t)、i(t)、およびn(t)は、それぞれ、変調されたデータ、チャネル、干渉、および付加的な雑音を表わす。シンボル “”は、畳み込み演算子を指す。
【0030】
ユーザ端末110は、共通パイロット信号に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定することができ、周波数領域における推定値を決定し得るが、時間領域の推定値は、周波数領域の推定値の代わりに、またはそれに加えて決定され得る。次に、ユーザ端末110は、受信信号を復調して、データを復元することができる。
【0031】
チャネル品質が不適切であり、データの送信レートを支援できないために、ユーザ端末110が、受信信号の復調に成功できないことがある。その代わりに、チャネルが送信データレートを支援できても、不適切なチャネルおよび干渉の推定に起因する劣化が、復号誤りをもたらすほど十分にひどいために、ユーザ端末110が、受信信号の復調に成功できないことがある。
【0032】
前者の場合において、チャネルおよび干渉の推定に追加の資源を割り振ることは、不適切なチャネル品質を改善しない。このような状況では、送信機が、送信データレートを低減する必要があり得る。しかしながら、後者の条件にとって、チャネルおよび干渉の推定に追加の資源を割り振ることは、ユーザ端末110が、データをその送信データレートで復調できることを可能にすることができる。
【0033】
ユーザ端末110は、例えば、基地局120aを介して、無線通信システム100に、データを復調できないという表示を与えるように構成されることができる。その表示は、ユーザ端末110から基地局120aへ送信されるメッセージの形をとるか、またはメッセージが無いことであり得る。ユーザ端末110は、表示を、例えば、制御チャネルまたはフィードバックチャネル上で送信することができる。
【0034】
1つの実施形態において、表示は、再送に対する要求であり得る。別の実施形態において、表示は、確認応答メッセージ(ACK)が無いことであり得る。
【0035】
無線通信システム100は、ユーザ端末110がデータを復調できないことを、例えば、基地局120aによる表示の受信によって決定すると、追加の資源をチャネルおよび干渉の推定に割り振ることができる。1つの実施形態において、基地局120aは、共通パイロット信号内に追加のトーンを含める。別の実施形態において、基地局は、専用パイロット信号を含めることができる。専用パイロット信号は、ユーザ端末110へ送信されるデータを符号パンクチャしたものであり、これはデータを復調できないことを示す。さらに加えて、基地局120aは、ユーザ端末110へ送信されるデータのデータレートを低減するように構成され得る。
【0036】
専用パイロット信号は、ユーザ端末110へ送信されるOFDMAシンボルを生成するのに使用される周波数から選択される。パイロットの搬送波が、データの搬送波の1つから選択されるので、専用パイロットは、データによって経験されるのと同じチャネルおよび干渉の変動を経験するという利点をもつ。しかしながら、専用パイロットの搬送波は、データ搬送波の1つから選択されるので、1つ以上の専用パイロットの割り振りは、データのスループットにおける若干の損失になり得る。
【0037】
専用パイロット信号を送信データ搬送波へ挿入することは、パイロット信号が、データシンボルによって経験されるのと同じチャネルおよび干渉条件を経験することを可能にする。データ搬送波における搬送波電力が、共通パイロットのトーンにおける電力よりも、相当により高い電力制御構成において、専用パイロットは、チャネルおよび干渉の推定値を決定するときに、ユーザ端末110を助けるのに、とくに都合が良い。データ搬送波によって経験された干渉またはチャネルの変動が、共通パイロット信号に使用されるトーンによって経験されたものと異なるときも、専用パイロット信号は、ユーザ端末110のチャネルおよび干渉の推定に、とくに都合が良い。
【0038】
1つの実施形態において、専用パイロット信号は、ユーザ端末110へ送信されたOFDMAシンボルを生成するのに使用される周波数から選択される、変調されていないトーンであり得る。別の実施形態において、専用パイロット信号は、ヌルのパイロットであり、ユーザ端末110へ送信されるOFDMAシンボルを生成するのに使用される周波数から選択されるトーン周波数上で、信号は送信されない。
【0039】
前の送信が受信機おいて復号されるのに成功しないときに、データの連続送信が、対応するより低いレートで行われるハイブリッド自動再送信要求(Hybrid Automatic Retransmission Request, HARQ)構成を使用することによって、1つ以上の専用パイロット信号へ資源を割り振ることに起因する性能の低減を軽減することができる。
【0040】
専用パイロット信号が、データ搬送波の位置に挿入されるので、専用パイロット信号の割り振りは、符号パンクチャリングとして見なすことができる。最初のデータ送信は、システムによって使用される最高の符号率で行われることができるので、符号パンクチャリングにとくに影響され易い。無線通信システム100がインクリメンタルな専用パイロットの挿入で構成される実施形態では、追加のチャネルおよび干渉の推定資源が、再送に加えられる。不十分なチャネルおよび干渉の推定のために、前の送信を復号できないとき、追加の資源は、受信機が再送データを復号するのを助けるであろう。さらに加えて、再送データが、データの前の送信に対して、より低いレートで送信されるとき、パンクチャリングの損失は小さくなり得る。後の方の送信における専用パイロット信号の挿入に起因する性能の不利益は、元の送信に専用パイロット信号を含める性能の不利益よりも、より小さい。したがって、それに対応して、より多くの推定資源を、大きい性能の不利益を負うことなく、後の送信に加えることができる。
【0041】
図1のシステム100についてのこれまでの記述は、概ね、無線電話システムについて記載しているが、システム100が、無線電話システムとしての実施に制限されることも、システム100が、図1に示されている特定の素子をもつことに制限されることもない。例えば、別の実施形態において、基地局120aおよび120bの各々は、ノードBと呼ばれ得る。別の実施形態において、システム100は、PSTN150の代わりに、またはそれに加えて、パケットデータ供給ノード(Packet Data Serving Node, PDSN)を実施することができる。PDSNは、パケット交換ネットワークをシステム100の無線部分とインターフェースさせるように働くことができる。
【0042】
システム100の他の実施形態は、基地局120aおよび120bの代わりに、アクセスポイント、ノードB、または他の構造を含み得る。このようなシステム100の実施形態では、BSC130およびMSC140は省かれ、1つ以上の交換局、ハブ、またはルータに代えられ得る。
【0043】
図2Aは、チャネルおよび干渉推定のための動的な資源の割り振りのために構成された生成器200の実施形態の機能ブロック図を示している。生成器200の実施形態は、例えば、図1の無線通信システム100に示されている基地局120aまたは120b、およびユーザ端末110の一方または両方において実施されることができる。
【0044】
次の記述は、生成器200が、OFDMA通信のために構成された無線通信システムの基地局において実施される実施形態を記載している。生成器200は、1つ以上のOFDMA信号を1つ以上のユーザ端末へ送信するように構成されている。生成器200は、1つ以上の受信機に宛てられたデータを記憶するように構成されたデータ緩衝器210を含んでいる。データは、例えば、生の符号化されていないデータまたは符号化されたデータであり得る。通常、データ緩衝器210に記憶されたデータは、符号化され、誤り検出および順方向誤り訂正(Forward Error Correction, FEC)のための符号化を含み得る。符号化されたデータは、1つ以上の符号化アルゴリズムにしたがって符号化されることができる。符号化は、畳み込み符号化、ブロック符号化、インターリービング、直接系列拡散、巡回冗長符号化、等、または何か他の符号化を含むことができるが、これらに制限されない。
【0045】
送信されるデータは、直列対並列変換器(serial to parallel converter, S/P)212に結合され、これは、データ緩衝器210に記憶された直列データストリームを、複数の並列データストリームへ変換するように構成されている。任意の特定のユーザ端末に割り振られた搬送波の数は、全ての使用可能な搬送波のサブセットであり得る。したがって、特定のユーザ端末に宛てられたデータは、そのユーザ端末に割り振られたデータ搬送波に対応する並列データストリームに変換される。
【0046】
直列対並列変換器212の出力は、共通パイロットモジュール220に結合され、これは、共通パイロットチャネルを共通パイロットに割り振り、ユーザ端末の何れが1つ以上の専用パイロットチャネルを割り振られるかを決定するように構成されている。パイロットモジュール220は、OFDMAシステムの搬送波の各々を、対応するデータまたはパイロット信号で変調するように構成されることができる。
【0047】
パイロットモジュール220の出力は、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform, IFFT)モジュール222に結合される。IFFTモジュール222は、OFDMA搬送波を、対応する時間領域シンボルへ変換するように構成されている。もちろん、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)の実施は、要件ではなく、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform, DFT)または何か他のタイプの変換が、時間領域シンボルを生成するのに使用されることができる。IFFTモジュール222の出力は、並列対直列変換器(parallel to serial converter, P/S)224へ結合され、これは、並列時間領域シンボルを直列ストリームへ変換するように構成されている。
【0048】
直列OFDMAシンボルストリームは、並列対直列変換器224からトランシーバ240へ結合される。この実施形態において、トランシーバ240は、順方向リンク信号および逆方向リンク信号を送信するように構成された基地局トランシーバである。
【0049】
トランシーバ240は、送信機モジュール244を含み、これは、直列シンボルストリームを、アンテナ246を介してユーザ端末へ同報通信されるのに適切な周波数のアナログ信号へ変換するように構成されている。トランシーバ240は、受信機モジュール242も含むことができ、これは、アンテナ246に結合され、1つ以上の遠隔のユーザ端末によって送信された信号を受信するように構成されている。受信機モジュール242は、チャネル品質モジュール246を含むことができ、これは、1つ以上の受信機によって決定された推定チャネル品質の表示を受信するように構成されている。
【0050】
資源割り振りモジュール230は、データ搬送波の何れがユーザ端末の各々に割り当てられ、搬送波の何れが共通および専用パイロット信号に割り振られるかを決定するように構成されている。資源割り振りモジュール230は、共通パイロット信号に割り振られる搬送波を決定するように構成された共通パイロットモジュール232、各ユーザ端末のデータシンボルに割り振られる搬送波を決定するように構成されたシンボルモジュール236、およびシンボルモジュール236によって識別された搬送波の中の、もしあるならば、何れが、専用パイロット信号として構成されるかを決定するように構成された専用パイロットモジュール234を含むことができる。例えば、資源割り振りモジュール230は、所定の周波数ホッピングアルゴリズムに部分的に基づいて、特定のユーザ端末のデータ搬送波として割り振る搬送波のサブセットを決定することができる。別の実施形態において、資源割り振りモジュール230は、搬送波の連続ブロックの使用可能性に基づいて、特定のユーザ端末のデータ搬送波として割り振る搬送波のサブセットを決定することができる。次に、資源割り振りモジュール230は、データ緩衝器210からのデータの直列対並列変換器212への読み込まれ方を制御し、周波数の割り振りが維持されるのを保証することができる。
【0051】
同様に、資源割り振りモジュール230は、所定の共通パイロットアルゴリズムに基づいて、搬送波の何れが共通パイロット信号に割り振られるかを決定することができる。例えば、資源割り振りモジュール230は、共通パイロット信号として、スタガードコームを生成するように、資源を割り振るように構成されることができる。共通パイロット信号は、通常、ユーザ端末によって使用され、受信シンボルを復調するのに使用されるチャネルおよび干渉の推定値を生成する。
【0052】
資源割り振りモジュール230は、専用パイロット信号のための搬送波を割り振るようにも構成されている。最初は、各ユーザ端末へ送信されたデータは、専用パイロット信号を含んでいなくてもよい。しかしながら、ユーザ端末の1つ以上は、受信信号を復号できないことがある。ユーザ端末は、不成功の復調を生成器200へ示すことができる。例えば、ユーザ端末は、再送要求または受信不成功の表示を、トランシーバ240内の受信機モジュール242へ同報通信することができる。その代わりに、生成器200は、ACKが所定の時間期間内に受信されないときに、ユーザ端末がデータを復調するのに成功しなかったと決定するように構成されることができる。受信機モジュール242に結合されたチャネル品質モジュール246は、受信信号から、すなわち、チャネル品質信号、再送要求または省かれたACKメッセージ、チャネル推定資源に対する要求の何れかから決定することができる。
【0053】
資源割り振りモジュール230は、チャネル品質モジュールに結合されることができ、例えば、不成功の復調の表示および対応するユーザ端末の識別を受信するように構成されている。次に、資源割り振りモジュール230は、追加のチャネルおよび干渉の推定資源を、専用パイロット信号の形で、ユーザ端末に割り振るように構成されることができる。
【0054】
別の実施形態において、資源割り振りモジュール230は、何か他のイベントまたは制御に応答して、共通パイロットまたは専用パイロットに割り振られた資源のレベルを修正するように構成されることができる。資源割り振りモジュール230は、1つ以上のユーザ端末からのフィードバックに基づいて、共通パイロットおよび専用パイロットに割り振られた資源を修正することに制限されない。
【0055】
1つの実施形態において、不成功の復調の表示を受信することは、データを再送することをもたらす。再送データは、データ緩衝器210に記憶される前に、より低いデータレートで再び符号化される。しかしながら、再送のために、低減されたデータレートを使用することは要求されていない。
【0056】
別の実施形態において、不成功の復調の表示を受信することは、追加のチャネルおよび干渉の推定資源をもたらすことになるが、再送をもたらさない。このような実施形態は、復調に不成功したデータを再送する時間が十分にないといった、時間に影響され易い実施において、好都合であり得る。
【0057】
インクリメンタルな資源の割り振りの1つの実施形態において、資源割り振りモジュール230は、ユーザ端末のデータ搬送波の1つを専用パイロットに割り振る。資源割り振りモジュール230は、データ緩衝器210を制御することができ、その結果、データは、専用パイロットに割り振られたデータ搬送波に対応する時間に、直列対並列変換器212に与えられない。専用パイロット信号に割り振られた搬送波は、専用パイロットに割り振られた1つ以上の所定のシンボルで変調され得る。その代わりに、専用パイロット信号に割り当られた搬送波は、変調されないままであってもよい。さらに加えて、資源割り振りモジュール230は、パイロットモジュール220を制御し、専用パイロット信号をブランクにするか、ヌルにするか、または、そうでなければ、それに割り振られた搬送波の電力を相当に低減し得る。通常、相当なシンボル電力が各データ搬送波に割り振られる場合に、ヌルのパイロットは好都合であり得る。
【0058】
別の実施形態において、資源割り振りモジュール230は、搬送波の割り振りにしたがって、データをデータ緩衝器210から直列対並列変換器212に割り振り続ける。しかしながら、資源割り振りモジュール230は、専用パイロット信号に割り振られた搬送波に対応するデータをオーバーライドするように、パイロットモジュール220を制御する。専用パイロットに割り振られた搬送波に対応するデータが落とされるか、または専用パイロットに対応する搬送波がヌルにされることができる。
【0059】
資源割り振りモジュール230は、復調に成功の表示が受信されるまで、専用パイロットを特定のユーザ端末に割り振り続けることができる。専用パイロットが割り振られるのと同じユーザ端末について、別の復調に不成功の表示が受信されると、資源割り振りモジュール230は、ユーザ端末のための1つ以上の追加の専用パイロット信号を割り振ることができる。したがって、資源割り振りモジュール230は、特定のユーザ端末の必要に基づいて、チャネルおよび干渉の推定のための資源を動的に割り振り、割り振りを解除することができる。
【0060】
図2Bは、動的なチャネルおよび干渉の資源の割り振りを行うOFDMA無線通信システムにおいて動作するように構成された受信機202の実施形態の機能ブロック図を示している。受信機202は、例えば、図1に示されているユーザ端末110、あるいは基地局120aまたは120bの一部であり得る。次の記述は、ユーザ端末において実施される受信機202について記載している。
【0061】
受信機202は、アンテナ256を含み、アンテナ256は、トランシーバ250に結合されていて、トランシーバ250は、無線チャネル上で生成器200と通信するように構成されている。トランシーバ250は、受信機モジュール252を含み、これは、アンテナ256を介して無線信号を受信し、直列ベースバンド シンボル ストリームを生成するように構成されている。
【0062】
トランシーバ250の受信機モジュール252の出力は、直列対並列変換器(S/P)260に結合され、これは、直列シンボルストリームを、OFDMAシステムにおける搬送波数に対応する複数の並列ストリームに変換するように構成されている。
【0063】
直列対並列変換器260の出力は、高速フーリエ変換(FFT)モジュール262に結合されている。FFTモジュール262は、時間領域シンボルを、周波数領域の対応するものへ変換するように構成されている。
【0064】
FFTモジュール262の出力は、チャネル推定器264に結合され、これは、共通パイロット信号と任意の専用パイロット信号とに部分的に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定するように構成されている。搬送波割り振りモジュール280は、データに割り当てられた搬送波、共通パイロット信号に割り当てられた搬送波、および、もしあれば、専用パイロット信号に割り当てられた搬送波を決定する。搬送波割り振りモジュール280は、チャネル推定器264に結合され、チャネル推定器264に、搬送波の割り振りについて知らせる。
【0065】
チャネル推定器264は、共通パイロット信号と、もしあれば、専用パイロット信号とに部分的に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定する。チャネル推定器264は、最小二乗法、最尤推定、最小二乗法と最尤推定との組合せ、等、またはチャネルおよび干渉の推定の何か他のプロセスを使用して、推定値を決定することができる。
【0066】
受信シンボルと、チャネルおよび干渉の推定値との周波数領域変換を含む、チャネル推定器264の出力は、復調器270に結合される。搬送波割り振りモジュール280は、データ送信に割り振られた搬送周波数について、復調器270にも知らせる。復調器270は、チャネルおよび干渉の推定値に部分的に基づいて、受信したデータ搬送波を復調するように構成されている。幾つかの例において、復調器270は、受信信号を復調できないことがある。既に記載したように、チャネル品質が不十分で、データの送信レートを支援できないために、または不十分なチャネルおよび干渉の推定に起因する劣化が、復号誤りをもたらすほど十分にひどいために、復調器270は、不成功し得る。
【0067】
復調器270は、不成功であるとき、受信信号を復調できなかったという表示を生成することができる。復調器270は、例えば、搬送波割り振りモジュール280に知らせ、その結果、搬送波割り振りモジュール280は、後の送信において専用パイロット信号を期待することができる。さらに加えて、復調器270は、不成功の復調の表示を、生成器200へ送り戻すために、トランシーバ250内の送信機モジュール254に与えることができる。
【0068】
復調器270が、不成功であるとき、受信データは落とされるか、またはデータをメモリに結合する必要はない。復調器270が、成功であるとき、復調器270は、復調されたデータを並列対直列変換器(P/S)272に結合するように構成されることができ、P/S272は、並列の復調されたデータを、直列データストリームへ変換するように構成されている。並列対直列変換器272の出力は、さらに処理するために、データ緩衝器274に結合される。
【0069】
図3は、インクリメンタルな専用パイロットの挿入の形で、インクリメンタルな資源の割り振りをするOFDMA通信システムのスペクトルの例の時間−周波数の図300を示している。時間−周波数の図300は、OFDMAシステムの例を示しており、ここでは、搬送波のブロック310aないし310fが、OFDMAシステム内の各ユーザに割り当てられている。P、例えば、参照符号320によって示されている多数の共通パイロット信号が、各時間エポック内に存在しているが、各搬送波のブロック310aないし310f内に必ずしも現われるとは限らない。さらに加えて、共通パイロット信号、例えば、参照符号320は、各時間エポックにおいて、同じ搬送波に割り当てられず、その代りに、所定のアルゴリズムにしたがう。各受信機は、共通パイロット信号の全てに部分的に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定する。しかしながら、通常、搬送波のブロック内に専用パイロット信号をもつ受信機のみが、チャネルおよび干渉の推定値を決定するのに、共通パイロット信号に加えて、専用パイロットを使用する。幾つかの実施形態において、他の受信機は、搬送波のブロックの外部で、専用パイロット信号を受信し、それらを使用して、チャネルおよび干渉の推定値を決定するように構成されることができる。
【0070】
例えば、時間tにおいて、第1の搬送波のブロック310aは、1つの共通パイロット信号を含んでいるが、専用パイロット信号を含んでいない。しかしながら、第1の搬送波のブロック310aに割り当てられた受信機は、チャネルおよび干渉の推定値を決定するのに、共通パイロット信号の全てを使用する。同様に、時間tにおいて、搬送波のブロック31Odに割り当てられた別の受信機は、その搬送波のブロック310d内に共通パイロット信号を含んでいないが、全共通パイロット信号を使用して、チャネルおよび干渉を推定する。
【0071】
例にしたがうと、時間tにおいて、搬送波のブロック310dに割り当てられた受信機は、専用パイロット信号(dedicated pilot signal D)331aを含んでいる。したがって、時間tにおいて、搬送波のブロック310dに割り当てられた受信機は、参照符号321a-321dを含む全共通パイロット信号に加えて、専用パイロット信号331aに基づいて、チャネル推定値を決定する。専用パイロット信号331aが、受信機に割り当てられた搬送波のブロック内に常にあることが好都合である。したがって、指定のパイロットを使用して求められるチャネルおよび干渉の推定値は、割り当てられた搬送波のブロックの外部のパイロット信号から求められる推定値よりも、恐らくは、より正確であるだろう。
【0072】
図から、時間tにおいて、搬送波のブロック310dに割り当てられた受信機は、2つの専用パイロット信号332a、332bを含んでいる。この状況は、例えば、受信機が、時間tにおいて与えられた信号を復調することができず、不成功の復調を生成器に示す場合に、現れ得る。次に、生成器は、追加の専用パイロット信号を受信機に割り振る。図から、専用パイロット信号の数および位置が、各時間エポックにおいて変わり得ることが分かる。専用パイロット信号は、通常、専用パイロットの搬送波を割り当てられていない受信機に影響を与えない。
【0073】
他の実施形態において、チャネルおよび干渉の推定のために割り振られる資源量を低減することが好都合であり得る。受信機が、基本レベルよりも、より少ない資源から、チャネルおよび干渉を推定する十分な能力をもつか、または前のチャネルおよび干渉の推定値を使用することができる場合に、このような状況は好都合であり得る。例えば、時間tにおいて、搬送波のブロック310gに割り当てられた受信機は、通常、搬送波のブロック内に存在する共通パイロット信号をもつであろう。しかしながら、受信機が、生成器に、十分に高い信号品質を示すとき、搬送波のブロック310g内の1つ以上のパイロット資源が省かれ、その代わりに、データシンボルが送信されることができる。このような状況において、チャネルおよび干渉の推定資源における低減は、システムの性能を向上することができる。
【0074】
資源の低減が、共通パイロット資源の低減である必要はない。例えば、時間tにおいて、搬送波のブロック310bに割り当てられた受信機は、前の時間エポックにおいて現われていた専用パイロットを省く。したがって、資源の低減は、専用パイロット資源と共通パイロット資源との組合せを含むことができる。1つの実施形態において、送信機は、受信機が所定の閾値よりも、より優れた信号品質をもつと決定することができる。受信機は、例えば、信号品質メトリックを送信機に送り戻すことができる。このような状況において、送信機は、受信機に割り振られた資源量を低減することができる。
【0075】
図4Aは、チャネルおよび干渉の推定のために資源を割り振る方法400の実施形態のフローチャートを示している。方法400は、例えば、図1の基地局120aおよび120bの順方向リンク経路において実施されることができる。他の実施形態において、方法は、図1のユーザステーション110の逆方向リンク経路において実施されることができる。
【0076】
説明のために、方法400は、基地局の順方向リンク経路内で実施されるものとして記載される。方法400は、ブロック410において始まり、ここでは、基地局が、基線資源をチャネル推定に割り当てる。基地局は、ブロック412へ進み、シンボルと、基線チャネルおよび干渉資源を、1つ以上の受信機へ送信する。
【0077】
次に、基地局は、決定ブロック420へ進み、受信機の全てが、送信シンボルを受信し、復調するのに成功したかどうかを判断する。そうであるときは、追加の資源を、チャネルおよび干渉の推定に割り振る理由はなく、基地局は、ブロック410に戻る。
【0078】
しかしながら、少なくとも1つの受信機が、送信シンボルの復調に成功できなかったときは、基地局は、ブロック422へ進み、受信機の何れが、不成功であったかを決定する。基地局が、例えば、再送に対する要求か、またはACKメッセージが無いことを使用して、不成功の受信機の識別を決定すると、基地局はブロック430へ進み、チャネル推定資源を、不成功の受信機に加える。追加の資源は、追加の共有資源または専用資源の形をとることができる。追加の共有資源は、復調の問題を経験していない受信機におけるチャネルのスループットを不必要に劣化し得るので、それらが、比較的に望ましくないことがある。したがって、追加の資源を、専用チャネル推定資源として割り振ることが、好都合であり得る。基地局は、追加の資源を割り振ると、ブロック410に戻る。
【0079】
図4Bは、チャネルおよび干渉の推定のために資源の動的な割り振りを行うシステムにおいて、シンボルと、チャネルおよび干渉の推定値とを受信する方法402の実施形態を示している。図4Bの方法402は、図4Aの方法400に対する補足の実施形態である。
【0080】
方法402は、基地局の逆方向リンク経路、またはユーザ端末の順方向リンク経路において実施されることができる。図4Bについての記述は、ユーザ端末の順方向リンク経路における実施について記載し、図4Aの記述を補足している。
【0081】
方法402はブロック440において始まり、ここでは、ユーザ端末が、同報通信されたシンボルを受信する。ユーザ端末は、ブロック450へ進み、システム内で割り振られた基線のチャネル推定資源を決定する。次に、ユーザ端末は、ブロック452へ進み、追加の資源が、チャネルおよび干渉の推定のために、システムによって割り振られたかどうかを判断する。
【0082】
追加の資源が、別の受信機が資源を要求した結果として加えられた共有資源である場合に、ユーザ端末は、そのチャネルおよび干渉の推定において、追加の共有資源を使用することができる。追加の資源が、専用のチャネルおよび干渉の推定資源である場合は、ユーザが専用資源にアクセスしたときのみ、ユーザ端末は専用資源を使用することができる。この制約は、通常、ユーザ端末が、前に資源を要求していることを必要とする。
【0083】
追加の資源の存在を決定した後で、ユーザ端末は、ブロック460へ進み、使用可能資源に基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定する。推定値を決定した後で、ユーザ端末は、ブロック470へ進み、推定値に部分的に基づいて、受信シンボルを復調することを試みる。
【0084】
次に、ユーザ端末は、決定ブロック472へ進み、ユーザ端末における受信機が、受信信号を復調するのに成功したかどうかを判断する。
【0085】
ユーザ端末が、復調に成功したと決定すると、ユーザ端末は、決定ブロック472からブロック440へ戻り、追加のシンボルを受信する。決定ブロック472において、ユーザ端末が、シンボルを復調するのに成功しなかったと決定すると、ユーザ端末はブロック480へ進み、チャネルおよび干渉の推定のために追加の資源を要求する。
【0086】
ユーザ端末が、追加のチャネル推定資源に対する要求を送信するとき、要求は明示的であり得る。その代わりに、例えば、ユーザ端末が、復調に不成功したデータの再送を要求する場合に、要求は暗示的であり得る。ユーザ端末は、暗示的要求のために、送信を送る必要は全くない。例えば、復調が不成功であるとき、ユーザ端末は、ACKを送るのを省き得る。ACKがないことは、再送に対する要求を示し、追加のチャネルおよび干渉資源に対する要求も示し得る。
【0087】
ユーザ端末が、追加の資源を、明示的であっても、または暗示的であっても要求すると、ユーザ端末は、ブロック440に戻り、送信シンボルを受信する。再送に対する要求の場合は、送信シンボルは、前に受信し、復調されるのに不成功したシンボルの再送であり得る。
【0088】
図5は、パイロットの挿入によって、OFDMA無線通信システムにおいてチャネル推定資源を割り振る方法500の実施形態のフローチャートを示している。方法500は、例えば、図1の基地局によって、順方向リンク経路において、または図1のユーザ端末によって、逆方向リンク経路において行われることができる。次の記述は、基地局によって行われる方法500を記載している。
【0089】
方法500は、ブロック510において始まり、ここでは、基地局は、最初に、チャネルおよび干渉の推定に割り振られた共通パイロットの組、専用パイロットの組、または共通パイロットの組と専用パイロットの組との組合せを決定する。共通パイロットは、例えば、スタガードパイロットか、またはスタガードパイロットと1つ以上の個別のパイロットとの組合せであり、基地局は、各OFDMAシンボルまたは何か他の間隔の前に、チャネルおよび干渉の推定に割り振られる搬送波を決定することができる。
【0090】
次に、基地局は、ブロック520へ進み、ここでは、基地局は、シンボル周波数の組を決定する。基地局によって同時に支援される多数のユーザ端末があり、ユーザ端末の各々は、共通パイロット搬送波を割り振った後に残っている使用可能な搬送波のサブセットを割り振られ得る。基地局は、明確な数の搬送波を、アクティブなユーザ端末の各々に充てられたデータ搬送波として割り振ることができる。
【0091】
次に、基地局は、決定ブロック530へ進み、基地局が、ユーザ端末の何れかのチャネルおよび干渉の推定のための追加の資源に対する要求を受信したかどうかを判断する。受信していないときは、基地局は、決定ブロック530からブロック540へ進み、ここでは、基地局は、ユーザ端末の各々のために周波数の組内の搬送波の各々へデータを割り振る。
【0092】
決定ブロック530において、基地局が、ユーザ端末の1つ以上が追加のチャネルおよび干渉の推定資源を要求したと決定すると、基地局は、決定ブロック530からブロック550へ進む。ブロック550において、基地局は、ユーザ端末の各々に割り振られた搬送波の組内の搬送波の何れが、専用パイロット信号に換えられるかを決定する。次に、基地局は、ブロック560へ進み、専用パイロット信号に割り振られていない周波数の組内の搬送波の各々に、データを割り振る。データ搬送波の1つ以上が、専用パイロットに割り振られると、基地局は、搬送波を変調されないままにするか、専用パイロットの搬送波をブランクにするか、または、そうでなければ、ヌルにし得る。
【0093】
次に、基地局は、ブロック570へ進み、ユーザ端末のためのOFDMAシンボルを決定する。基地局は、ブロック580へ進み、シンボルを送信し、次に、ブロック510へ戻り、次のシンボルの準備をする。
【0094】
図6は、チャネル推定資源の動的な割り振りを行うOFDMAシステムにおいてデータを受信する方法600の実施形態のフローチャートを示している。方法600は、例えば、図1のユーザ端末の順方向リンクにおいて、実施されることができるか、または図1の基地局の逆方向リンクにおいて実施されることができる。次の記述は、方法600を、図5における基地局の前の記述を補足するために、ユーザ端末において実施されるものとして記載している。
【0095】
方法600は、ブロック610において始まり、ここでは、ユーザ端末が、搬送波の何れが共通パイロット信号に割り振られるかを決定する。共通パイロットの組を決定した後で、ユーザ端末は、ブロック620へ進み、ユーザ端末と通信するために、残りの搬送波の何れが割り振られるかを決定する。
【0096】
シンボル周波数の組を決定した後で、ユーザ端末は、決定ブロック630へ進み、追加のチャネルおよび干渉の推定資源がシンボル内に存在しているかどうかを判断する。ユーザ端末は、追加の資源に対する前の要求の結果として、追加の資源の存在を決定することができるか、または前に受信データを復調できなかったという理由で、追加の資源の存在に気付き得る。例えば、HARQシステムでは、ユーザ端末がACKを与えないとき、基地局はデータを自動的に再送し得る。さらに加えて、再送データは、より低い符号化率であり、所定のアルゴリズムにしたがって、専用のチャネルおよび干渉の推定資源を含み得る。例えば、各再送において、符号化率は、所定の要因によって落ち、専用パイロットは、再送データに含まれ得る。
【0097】
追加の専用パイロット資源が存在するとき、ユーザ端末は、決定ブロック630からブロック640へ進み、搬送波の何れが専用パイロットに割り振られるかを決定する。既に記載したように、ユーザ端末は、所定のアルゴリズムに基づいて、搬送波の何れが、専用パイロットに割り振られるかを決定し得る。次に、ユーザ端末は、ブロック650へ進む。
【0098】
決定ブロック630において、ユーザ端末は、追加の専用パイロット信号が存在しないと決定すると、ブロック650へ進む。ブロック650において、ユーザ端末は、割り振られた資源に基づいて、チャネル推定値を決定する。ユーザ端末は、共通パイロット信号のみに基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定することができる。しかしながら、専用パイロット信号が使用可能であるときは、ユーザ端末は、専用パイロット信号と共通パイロット信号との組合せに基づいて、チャネルおよび干渉の推定値を決定することができる。
【0099】
チャネルおよび干渉の推定値を決定した後で、ユーザ端末は、ブロック660へ進み、前に決定した推定値を使用して、信号を復調することを試みる。ユーザ端末は、決定ブロック670へ進み、受信信号が復調されるのに成功したかどうかを判断する。
【0100】
受信データが復調されるのに成功すると、ユーザ端末は、ブロック610に戻り、次のシンボルのために準備をする。その代わりに、ユーザ端末が、決定ブロック670において、受信データが復調されるのに成功しなかったと決定すると、ユーザ端末はブロック680へ進み、追加の専用パイロット信号を要求し、後の受信データのチャネルおよび干渉の推定値をさらに向上する。
【0101】
オプションで、ユーザ端末は、ブロック690へ進み、再送を要求することができる。幾つかの実施形態において、再送は要求されない。その代わりに、復調されるのに不成功したデータは落とされる。既に記載したように、HARQを実施しているシステムでは、ユーザ端末がACKを送らないときに、再送が行われ得る。幾つかの実施形態において、再送要求と、追加のパイロット信号に対する要求とは、同じメッセージであるか、または省略である。再送要求の後で、ユーザ端末は、ブロック610に戻り、次のシンボルのために準備をする。
【0102】
チャネルおよび干渉の推定のために動的に資源を割り振るシステム、装置、および方法が開示された。OFDMAシステムにおいて、動的な資源の割り振りは、インクリメンタルなパイロット挿入として実施されることができる。インクリメンタルなパイロット挿入は、他のユーザの性能が資源の追加によって劣化されないように、専用パイロット信号として実行されることができる。
【0103】
専用資源が、低減されたデータレートまたは符号率で与えられる再送を符号パンクチャリングの形で加えられるときはとくに、チャネルおよび干渉の推定に割り振られる上乗せ分の資源は、追加の資源をもつ装置に対して、僅かな性能の損失のみをもたらし得る。増加した推定資源に起因する性能の向上は著しく、増加した推定資源を正当化するよりも、より大きいものであり得る。
【0104】
本明細書に開示されている実施形態に関連して記載された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、縮小命令セットコンピュータ(Reduced Instruction Set Computer, RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートなゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートなハードウェア構成要素、あるいは本明細書に記載されている機能を行うように設計された組合せで実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、その代わりに、プロセッサは、任意のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、または状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPのコアに連結された1つ以上のマイクロプロセッサ、または何か他のこのような構成としても実施され得る。
【0105】
本明細書に開示されている実施形態と関連して記載された方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または2つの組合せにおいて直接に具体化され得る。
【0106】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、または当技術において知られている記憶媒体の何か他の形態の中に存在し得る。例示的な記憶媒体はプロセッサに結合され、その結果、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、かつそこへ情報を書き込みことができるようにする。その代りに、記憶媒体は、プロセッサと一体構成であってもよい。さらに加えて、種々の方法は、実施形態に示されている順番で行われるか、またはステップの変更された順番を使用して行われ得る。さらに加えて、1つ以上のプロセスまたは方法のステップが省かれるか、または1つ以上のプロセスまたは方法のステップが、方法およびプロセスに加えられ得る。追加のステップ、ブロック、または動作が、方法およびプロセスの既存の要素の始め、最後、または途中に加えられ得る。
【0107】
開示された実施形態のこれまでの記述は、当技術において普通の技能を有する者が、開示を作成または使用できるようにするために与えられている。当業者には、これらの実施形態に対する種々の変更が容易に明らかになり、本明細書に定められている一般的な原理は、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、開示は、本明細書に示されている実施形態に制限されることを意図されず、本明細書に開示されている原理および斬新な特徴に一致する最も幅広い範囲にしたがう。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】チャネル推定のための動的なパイロットの挿入を実施する無線通信システムの実施形態の機能ブロック図。
【図2A】チャネル推定のための動的なパイロットの挿入のために構成された生成器の実施形態の機能ブロック図。
【図2B】チャネル推定のための動的なパイロットの挿入のために構成された受信機の実施形態の機能ブロック図。
【図3】種々の共通および専用パイロットチャネル構成のためのOFDMAシステムのスペクトルの例を示す図。
【図4A】パイロットの挿入によってチャネル推定資源を動的に割り振るプロセスの実施形態のフローチャート。
【図4B】パイロットの挿入によってチャネル推定資源を動的に割り振るプロセスの実施形態のフローチャート。
【図5】パイロットの挿入によってチャネル推定資源を割り振るプロセスの実施形態のフローチャート。
【図6】チャネル推定資源の動的な割り振りを行うシステムにおいてデータを受信するプロセスの実施形態の機能ブロック図。
【符号の説明】
【0109】
100・・・無線通信システム、110・・・ユーザ端末、120・・・基地局、200・・・生成器、202・・・受信機、240,250・・・トランシーバ、246,256・・・アンテナ、300・・・時間−周波数の図、310・・・搬送波のブロック、320,321・・・共通パイロット信号、331,332・・・専用パイロット信号、400・・・資源を割り振る方法、402・・・データを受信する方法、500・・・OFDMAシステムにおいて資源を割り振る方法、600・・・OFDMAシステムにおいてデータを受信する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル推定のために資源を動的に割り振る装置であって、
チャネル推定資源に対する要求を決定するように構成されたチャネル品質モジュールと、
受信機と通信し、基線資源レベルおよび可変資源レベルを決定するように構成された資源割り振りモジュールであって、前記可変資源レベルは、前記チャネル推定資源に対する要求に少なくとも部分的に基づいている、資源割り振りモジュールと
を含む装置。
【請求項2】
前記資源割り振りモジュールに結合された送信機であって、前記基線資源レベルおよび前記可変資源レベルに基づいてチャネル推定に割り振られた部分を有する信号を送信するように構成された送信機をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャネル推定資源に対する要求は、再送に対する要求を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記チャネル品質モジュールは、確認応答メッセージがあるか、または無いかに部分的に基づいて、前記チャネル推定に対する要求を決定する請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記基線資源レベルは、共通パイロット信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基線資源レベルは、専用パイロット信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記可変資源レベルは、追加のパイロット信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記可変資源レベルは、専用パイロット信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
チャネル推定のために資源を動的に割り振る装置であって、
直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)搬送波の組から、共通パイロット信号に割り振られる第1の搬送波のサブセットを決定するように構成された共通パイロットモジュールと、
前記第1のOFDMA搬送波のサブセットとは異なる、通信リンクに割り振られた第2のOFDMA搬送波のサブセットを決定するように構成されたシンボルモジュールと、
前記第2のOFDMA搬送波のサブセットからの少なくとも1つの搬送波を、チャネル推定に割り振るように構成された専用パイロットモジュールと、
前記OFDMA搬送波からOFDMAシンボルを生成するように構成されたシンボル生成器と、
前記チャネル推定に割り振られた専用パイロット信号を有する前記OFDMAシンボルを送信するように構成された送信機と
を含む装置。
【請求項10】
前記専用パイロットモジュールはさらに、前記第2のOFDMA搬送波のサブセットからの少なくとも1つの搬送波をヌルにするように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記シンボル生成器は、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)モジュールを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
資源の動的な割り振りに基づいて、チャネルを推定する装置であって、
チャネル推定に割り振られた資源を有する直交周波数分割多元接続(OFDMA)シンボルを受信するように構成された受信機と、
前記受信機に結合され、前記OFDMAシンボルを複数の搬送波へ変換するように構成された変換モジュールと、
共通パイロット信号に対応する第1の搬送波のサブセットと、データ搬送波に対応する第2の搬送波のサブセットと、専用パイロット信号に対応する前記第2の搬送波のサブセットからの少なくとも1つの搬送波と、を決定するように構成された搬送波割り振りモジュールと、
前記変換モジュールおよび前記搬送波割り振りモジュールに結合され、前記共通パイロット信号および前記専用パイロット信号に部分的に基づいて、チャネル推定値を決定するように構成されたチャネル推定器と、
前記チャネル推定値に部分的に基づいて、前記データ搬送波を復調するように構成された復調器と
を含む装置。
【請求項13】
前記変換モジュールは、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)モジュールを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記専用パイロット信号は、ヌルのパイロットを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記専用パイロット信号は、少なくとも1つの所定のシンボルで変調された搬送波を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記チャネル推定器はさらに、前記共通パイロット信号および前記専用パイロット信号に部分的に基づいて、干渉推定値を決定するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を生成する方法であって、
基線レベルの資源をチャネル推定に割り当てることと、
追加の資源に対する要求を決定することと、
チャネル推定のために追加の資源を割り振ることと、
前記基線レベルの資源および前記追加の資源に部分的に基づいて、信号を生成することと
を含む方法。
【請求項18】
前記基線レベルの資源を割り当てることは、直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組からの所定数の搬送波を、共通パイロット信号に割り振ることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定数の搬送波を割り振ることは、所定のアルゴリズムに基づいて所定数の搬送波を割り振ることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基線レベルの資源を割り当てることは、直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組からの所定数の搬送波を、専用パイロット信号に割り振ることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記追加の資源に対する要求を決定することは、再送に対する要求を受信することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記追加の資源に対する要求を決定することは、不成功の送信を決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記追加の資源に対する要求を決定することは、確認応答メッセージが所定の時間期間内において受信されなかったと決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記チャネル推定に追加の資源を割り振ることは、
データ搬送波に対応する直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組から、所定数の搬送波を決定することと、
前記データ搬送波の少なくとも1つを、専用パイロット信号として構成することと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記専用パイロット信号は、少なくとも1つの所定のシンボルで変調された搬送波を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記専用パイロット信号は、ヌルのパイロットを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記信号を生成することは、前記基線レベルの資源を提供する第1の搬送波のサブセットと、前記追加の資源を提供する第2の搬送波のサブセットと、を有する直交周波数分割多元接続(OFDMA)シンボルを生成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を処理する方法であって、
直交周波数分割多元接続(OFDMA)シンボルを処理することと、
前記OFDMAシンボルに含まれた基線レベルのチャネル推定資源を決定することと、
前記OFDMAシンボルに含まれた追加のチャネル推定資源を決定することと、
前記基線レベルのチャネル推定資源および前記追加のチャネル推定資源に基づいて、チャネル推定値を決定することと、
前記チャネル推定値に部分的に基づいて、受信シンボルを復調することと
を含む方法。
【請求項29】
前記基線レベルのチャネル推定資源を決定することは、共通パイロット信号に対応する搬送波を決定することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記追加のチャネル推定資源を決定することは、専用パイロット信号に対応する少なくとも1つの搬送波を決定することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記追加のチャネル推定資源を決定することは、ヌルのパイロット信号に対応する少なくとも1つの搬送波を決定することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記追加のチャネル推定資源を決定することは、データ通信に割り振られた搬送波の組から、専用パイロット信号に対応する少なくとも1つの搬送波を決定することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記シンボルが成功裡に復調されたかどうかを判断することと、
前記シンボルが成功裡に復調されなかった場合、追加のチャネル資源を要求することと
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
追加の資源を要求することは、再送に対する要求を送信することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
追加の資源を要求することは、確認応答メッセージを送信しないことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を生成する方法であって、
直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組から、共通パイロットの組を決定することと、
前記OFDMA搬送波の組から、シンボルの組を決定することと、
追加のチャネル推定資源に対する要求を決定することと、
前記シンボルの組からの少なくとも1つの搬送波を、専用パイロット信号として割り当てることと、
前記専用パイロット信号として割り当てられた少なくとも1つの搬送波を除く前記シンボルの組の搬送波をデータで変調することと、
前記OFDMA搬送波の組からOFDMAシンボルを生成することと
を含む方法。
【請求項37】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を生成する方法であって、
チャネル推定のために基線レベルの資源を割り当てることと、
所定の閾値より高い受信機の信号品質メトリックを決定することと、
前記基線レベルの資源から省かれる資源を決定することと、
前記基線レベルの資源から省かれた資源に割り振られたデータシンボルを有する、前記基線レベルの資源に部分的に基づいた信号を生成することと
を含む方法。
【請求項38】
前記基線レベルの資源から省かれた資源は、専用パイロット信号を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記基線レベルの資源から省かれた資源は、共通パイロット信号を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を生成するように構成された装置であって、
基線レベルの資源をチャネル推定に割り当てる手段と、
追加の資源に対する要求を決定する手段と、
チャネル推定のために追加の資源を割り振る手段と、
前記基線レベルの資源および前記追加の資源に部分的に基づいて、信号を生成する手段と
を含む装置。
【請求項41】
前記基線レベルの資源を割り当てる手段は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組からの所定数の搬送波を、パイロット信号に割り振る手段を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記追加の資源に対する要求を決定する手段は、再送に対する要求を処理する手段を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記チャネル推定に追加の資源を割り振る手段は、
データ搬送波に対応する直交周波数分割多元接続(OFDMA)搬送波の組からの所定数の搬送波を決定する手段と、
前記データ搬送波の少なくとも1つを専用パイロット信号として再構成する手段と
を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項44】
動的に割り振られたチャネル推定資源を有する信号を生成するように構成された装置であって、
チャネル推定のために基線レベルの資源を割り当てる手段と、
所定の閾値より高い受信機の信号品質メトリックを決定する手段と、
前記基線レベルの資源から省かれる資源を決定する手段と、
前記基線レベルの資源から省かれた資源に割り振られたデータシンボルを有する、前記基線レベルの資源に部分的に基づいた信号を生成する手段と
を含む装置。
【請求項45】
前記基線レベルの資源から省かれた資源は、専用パイロット信号を含む、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記基線レベルの資源から省かれた資源は、共通パイロット信号に割り当てられた直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムからの搬送波を含む、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
チャネル推定のために資源を動的に割り振る装置であって、
メモリと、
基線資源レベルおよび可変資源レベルを決定するように構成されたプロセッサであって、前記可変資源レベルはチャネル推定資源に対する要求に少なくとも部分的に基づいている、プロセッサと
を含む装置。
【請求項48】
前記プロセッサは、確認応答メッセージがあるか、または無いかに部分的に基づいて、前記チャネル推定に対する要求を決定するように構成されている、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記基線資源レベルは、共通パイロット信号を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項50】
前記基線資源レベルは、専用パイロット信号を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項51】
前記可変資源レベルは、追加のパイロット信号を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項52】
前記可変資源レベルは、専用パイロット信号を含む、請求項47に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−70401(P2013−70401A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−246708(P2012−246708)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2007−521676(P2007−521676)の分割
【原出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】