説明

チャンクを用いたメール管理方法及びメール管理装置

【課題】チャンクを用いてメールを処理するための方法及び装置が提供される。
【解決手段】eメール内のそれぞれが他のチャンクと包含関係にある一つ以上のチャンクを検索するステップと、前記一つ以上のチャンクのうち、チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録するステップと、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクのそれぞれに関連づけるステップと、を含むことを特徴とするeメール処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメールを管理するための方法及び装置に関する。
【0002】
eメール内のチャンクを用いることによってeメールに関連する動作を処理する方法及び装置が開示される。
【背景技術】
【0003】
eメール(e−mail、電子メール。以下、メールと称する)は、インターネットなどのコンピュータ通信網を介してユーザ間において送信及び受信のやり取りをする電子文書を表す。また、メールはこのような電子文書をやり取りできるシステムや手段のことを指す。
【0004】
メールの付加的な機能として、返信(reply;RE)及び転送(forward;FW)機能がある。
【0005】
返信は、特定のメールの受信者が受信した元メールに対する返事を元メールの送信者に送信することである。
【0006】
転送は、特定のメールの受信者が受信した元メールそのものまたはその一部を他の関係者に送信したり、元メールに内容を追加したりするなどして他の関係者に送信することである。
【0007】
ユーザは、自身が受信した元メールに対する返信メール(または、転送メール)を作成する場合、ユーザのメールクライアントのプログラムは、元メールの内容を返信メール(または、転送メール)に挿入する機能を一般的に有する。元メールの内容は、一般的に返信メール(または、転送メール)の末尾に挿入される。こうして、返信メール(または、転送メール)は元メールの内容を含む。
【0008】
したがって、ユーザが特定の主題に対して返信及び転送などによって数回にわたりメールのやり取りを行った場合、メールの受信者はメールの下段に挿入された内容を通じてユーザ間でやり取りしたそれ以前にやり取りしたメールの内容を確認することができる。
【0009】
この挿入によって、返信メールまたは転送メールは返信または転送が繰り返されることで次第に内容が増加し、データの大きさが増加する。また、返信または転送によって、同じ内容(すなわち、元メールの内容)が他のメール(すなわち、元メール及び返信メール(または、転送メール))内に重複することがある。
【0010】
特に、メールが何人かの受信人または数人の参照人に送信される場合、返信または転送によって内容が増加し、データ量が増加するとともに、同じ内容を有する数個のメールが生成されることがある。
【0011】
このようなメールのデータの大きさ及びメール数の増加はメールシステムに過度な負荷(load)を与えてしまうという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、メールに含まれるチャンクを検索し、チャンクが有する固有のストリングでチャンクのインデキシングをする装置及び方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、インデキシングされたチャンクの内容に基づいて検索語の含まれたメールを検索及び提供する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態によると、eメール内のそれぞれが他のチャンクと包含関係にある一つ以上のチャンクを検索するステップと、前記一つ以上のチャンクのうち、チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録するステップと、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクのそれぞれに関連づけるステップとを含むeメール処理方法が提供される。
【0015】
前記eメール内の一つ以上のチャンクを検索するステップは、eメールが返信または転送されたとき前記eメールに含まれる以前に送受信されたeメールを区分するための内容を識別することによって前記一つ以上のチャンクを検索してもよい。
【0016】
前記一つ以上のチャンクのうちn番目のチャンクはn−1番目のチャンクを含み、nは前記一つ以上のチャンクの数であってもよい。
【0017】
前記一つ以上のチャンクのうち、前記チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録するステップと、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけるステップとは、チャンクの大きさが大きい順または小さい順に前記一つ以上のチャンクそれぞれに対して行われてもよい。
【0018】
前記チャンクコレクションは、前記チャンクのストリング、前記チャンクの識別子、前記チャンクに関連する一つ以上のeメールの識別子、及び前記チャンクの固有ストリングを含んでもよい。
【0019】
前記チャンクの固有ストリングは、前記チャンクの内容のうち下位チャンクの内容に比べて前記チャンクで追加された内容でああってもよい。
【0020】
eメール処理方法は、チャンクコレクションに登録されたチャンクが追加的に有する内容をインデキシングするステップをさらに含んでもよい。
【0021】
eメール処理方法は、前記インデキシングされた内容に基づいて前記登録されたチャンクに関連するeメールを検索語の検索結果として提供するステップをさらに含んでもよい。
【0022】
前記登録されたチャンクが追加的に有する内容として前記検索語を含んでもよい。
【0023】
本発明の他の実施形態によると、一つ以上のチャンク及び前記チャンクに関連するデータを格納するチャンクコレクションと、eメール内のそれぞれが他のチャンクと包含関係にある一つ以上のチャンクを検索するチャンク検索部と、前記一つ以上のチャンクのうち、前記チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録し、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクそれぞれに関連するチャンク登録部とを備えるeメール処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、メールに含まれるチャンクを検索する装置及び方法を提供することができる。
【0025】
本発明によると、チャンクが有する固有のストリングによりチャンクがインデキシングされることによって、チャンクコレクション及びインデックスの量を減少すことができる。
【0026】
本発明によると、インデキシングされたチャンクの内容に基づいて検索語が含まれるメールを検索及び提供する装置及び方法を提供することができる。
【0027】
本発明によると、インデキシングによって検索の結果として提供されるメールのうち検索語に対応する部分をハイライトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るメールのチャンクを説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るメールの送信及び返信によるチャンクの生成の一例を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るチャンクコレクションの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るメール処理方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るメール処理装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。もっとも、本発明が実施形態によって制限されたり限定されたりしはない。各図面に示された同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るメール100のチャンクを説明する図である。
【0031】
メール100は、件名110、送信者及び受信者120のようなメールの書誌事項といえるメールヘッダの情報を含んでもよい。また、メール100は本文130を含んでもよい。
【0032】
図1において、メール100の件名110は、例えば「RE:RE:chunk」である。「mail_tester1@naver.com」のメールアドレスを有する「mail_tester1」がメール100の送信者である。また、「mail_tester2@naver.com」のメールアドレスを有する「mail_tester2」がメール100の受信者である。
【0033】
本文130の内容は、送信者と受信者との間で数回にわたってメールをやり取りしたことを示す。
【0034】
まず、2011年3月23日18時4分48秒に、「mail_tester2」は「mail_tester1」に件名が「chunk」、本文が「最初内容」である第1メールを送信した。
【0035】
次に、第1メールに対する返信として、2011年3月23日18時6分2秒に、「mail_tester1」は「mail_tester2」に件名が「RE:chunk」、本文が「追加された内容#1」である第2メールを送信した。
【0036】
第2メールは「mail_tester1」が第1メールの返信メールとして作成して送信されたものである。
【0037】
第2メールが作成されるとき、第1メールの内容、第1メールのメールヘッダの情報(すなわち、第1メールの送信者、第1メールの受信者、第1メールの参照者(CC)、第1メールが送信された時刻及び第1メールの件名)及び第1メールの内容であることを表すストリング「−−−−−Original Message−−−−−」が下から上に第2メールに追加された。
【0038】
その後、第3メール及びメール100が返信メールとして、「mail_tester1」及び「mail_tester2」間で第3メール、メール100の順に送信された。
【0039】
本文130はチャンクを含んでもよい。チャンクはメールメッセージを構成するストリングの集合である。すなわち、チャンクは特定のメールの全体をストリング化したものであってもよい。
【0040】
チャンクは、メールの内容のうち改行(linefeed)文字及び空白(space)文字のうち一つ以上を除去した内容をストリング化したものであってもよい。このような除去は、主に後述されるハッシュ(hash)のために行われてもよい。したがって、チャンクはメールの内容のうち改行文字及び空白文字などが除去されたものであってもよい。
【0041】
第1チャンク140はメール100の本文130全体である。第1チャンク140はメール100全体がストリング化されたものであってもよい。
【0042】
第2チャンク150は、メール100の以前に送信された第3メールの内容である。すなわち、第3メールとメール100は互いに元メール及びその返信メールという関係を有する。すなわち、メール100は、第3メールが返信(または、転送)されることに基づいて生成されたものである。
【0043】
第2チャンク150は、第3メールの全体がストリング化されたものであってもよい。
【0044】
第3チャンク160は、第3メールの以前に送信された第2メールの内容がストリング化されたものである。
【0045】
第4チャンク170は、第2メールの以前に送信された第1メールの内容がストリング化されたものである。
【0046】
第1チャンク140は、第2チャンク150を含む。また、図1に示されるように、4個のチャンク140、150、160及び170は互いに包含関係である。チャンク140は、チャンク150、160、170を包含し、チャンク150は、チャンク160、170を包含し、チャンク160はチャンク170を包含する。
【0047】
固有ストリング180は、送信者(すなわち、「mail_tester1」)によって作成されたメール100の内容であってもよい。
【0048】
例えば、固有ストリング180は、第1チャンク140の内容のうち、第2チャンク150に比べて第1チャンク140で追加された内容であってもよい。
【0049】
または、固有ストリング180は、第2チャンク150に比べて第1チャンク140で追加された内容のうち、以前に送信されたメールのメールヘッダの情報を除いた内容であってもよい。すなわち、固有ストリング180は、第1チャンク140で第2チャンク150及び第3メールのメールヘッダの情報を除いた内容である。
【0050】
第1から第4チャンク140、150、160及び170は特定の区分ストリングを基準として区別されてもよい。
【0051】
区分ストリングはメール100が返信または転送のために作成されるとき、メール100に添付される以前に送信されたメールを区分するための内容であってもよい。
【0052】
すなわち、区分ストリングは本文130のうち、ストリング「−−−−−Original Message−−−−−」を意味し、ストリング「−−−−−Original Message−−−−−」を含んでもよい。また、区分ストリングは、以前に送信されたメールのメールヘッダの情報を示すストリング(例えば、「From:...」、「To:...」、「cc:...」、「Sent:...」、及び「Subject:...」)を含んでもよい。
【0053】
図2は、本発明の一例に係るメールの送信及び返信によるチャンクの生成を説明する図である。
【0054】
ユーザ210間において、メールが数回やり取りされる。
【0055】
ここで、ユーザ210における記号「A」及び「B」はメール送受信の主体となるユーザを表す。矢印の左側に表示された記号は送信者を示し、矢印の右側に表示された記号は受信者を示す。
【0056】
ユーザ210間で送受信されたメールは、メールの全体をストリング化したチャンク220として表されてもよい。すなわち、ユーザ210はチャンクをやり取りする。
【0057】
ユーザ210間で送受信されたチャンク220は、生成及び送信された時間順序に応じて下から上に表示されている。すなわち、最も最近送信されたチャンクが最も上に表示される。
【0058】
より下側に位置するチャンクに対応するメールが元メールであれば、より上側に位置するチャンクに対応するメールは元メールに対する返信メールまたは転送メールであると見なすことができる。
【0059】
前述したように、メールがあるメールに対する返信またはあるメールの転送のために作成されるとき、元メールの内容が作成される返信メールまたは転送メールに含まれてもよい。したがって、返信または転送によって生成されたメールは元メールの内容を含んでもよい。すなわち、図2において、より後で生成された上位のチャンク(すなわち、図において、より上側に位置するチャンク)はより前に生成された下位のチャンク(すなわち、図において、より下側に位置するチャンク)の内容(すなわち、チャンクのストリング)を含んでもよい。
【0060】
例えば、最も上位の第1チャンクから数えて4番目の列の第4チャンクはストリング「c」を含む。全てのチャンクは最初に生成されたチャンクの内容である「a」を含む。
【0061】
このような場合、返信または転送が繰り返されるほどチャンクの大きさは大きくなり、チャンクの内容のうち大部分が下位のチャンク(すなわち、図で下側に位置する以前に送信されたチャンク)の内容と重複する。すなわち、最も上位の第1チャンクは「fedcba」を内容として有するが、そのうち「edcba」が下の第2チャンクに含まれる。すなわち、第1チャンクの内容のうち「edcba」が重複しているのである。
【0062】
各チャンクは固有ストリング230を有する。
【0063】
固有ストリング230は、下位のチャンクが含んでいないストリングである。固有ストリングは、チャンクに対応するメールが作成されるとき、メールの送信者によって直接作成された内容(または、内容をストリング化したもの)であってもよい。
【0064】
図3は、本発明の一例に係るチャンクコレクション(chunk collection)300を示す図である。
【0065】
チャンクコレクション300は、システム内でチャンクを処理するための資料構造であり、データ構造(data structure)である。チャンクコレクション300は、システムで用いられる一つ以上のチャンク及びチャンクに関連するデータを登録(または、格納)してもよい。
【0066】
チャンクコレクション300の各行は、それぞれ一つの登録されたチャンクに対応する。
【0067】
チャンクコレクション300の各列は、チャンクストリング310、チャンク識別子320、メール識別子リスト330、及び固有ストリング340を含んでもよい。
【0068】
すなわち、チャンクコレクション300は、一つ以上の登録されたチャンクそれぞれに対するチャンクストリング310、チャンク識別子320、メール識別子リスト330、及び固有ストリング340を含んでもよい。
【0069】
チャンクストリング310は登録されたチャンクの内容を示すチャンクのストリングが格納されている。
【0070】
例えば、第1チャンクの内容(すなわち、第1チャンクのストリング)は「dcba」である。
【0071】
チャンクストリング310のハッシュされた値(図示せず)がチャンクに関連づけられて格納されてもよい。
【0072】
チャンクストリング310のハッシュされた値が格納された場合、検索語を用いてチャンクコレクション300に登録されたチャンクのうち特定のチャンクを検索するとき、検索語のハッシュされた値及びチャンクストリング310のハッシュされた値を比較することによって特定のチャンクを検索することで、検索効率の向上を図ることができる。
【0073】
チャンク識別子320は登録されたチャンクの識別子を示す。
【0074】
チャンク識別子320は、登録されたチャンクをシステム内で識別するために用いられる。
【0075】
一般に、原則として、登録されたチャンク1つにつき1個のチャンク識別子320が割り当てられる。もっとも、例えば、互いに異なるユーザのメールが同じ内容のチャンクを有するような、例外的な場合には、登録されたチャンクに2つ以上のチャンク識別子320が割り当てられてもよい。
【0076】
メール識別子リスト330は、システム内のメールのうち登録されたチャンクが含まれるメールを識別するための識別子を示す。
【0077】
すなわち、メール識別子リスト330は、システム内のメールのうち登録されたチャンクを含むメールの識別子を示す。メール識別子リスト330は、登録されたチャンクに関連する一つ以上のメールの識別子であってもよい。
【0078】
例えば、チャンク識別子320が「1」であるチャンクのチャンクストリング310は「a」であり、メール識別子がそれぞれ「A」、「B」、「C」または「D」であるメールがチャンクストリング310「a」を含む。
【0079】
例えば、チャンク識別子320が「3」であるチャンクのチャンクストリング310は「cba」であり、メール識別子がそれぞれ「C」または「D」であるメールがチャンクストリング310「cba」を含む。
【0080】
固有ストリング340は、図1を参照して前述された固有ストリング180であってもよい。
【0081】
例えば、固有ストリング340は、登録されたチャンクの内容のうち登録されたチャンクの下位チャンクの内容と比べて登録されたチャンクで追加された内容であってもよい。すなわち、固有ストリング340は、登録されたチャンクのストリングのうち、登録されたチャンクの下位チャンクを含んでいないストリングであってもよい。
【0082】
例えば、固有ストリング340は、登録されたチャンクの内容のうち、下位チャンクを除いた部分である登録されたチャンクの固有内容であってもよい。すなわち、固有ストリング340は、登録されたチャンクに対応するメールの内容のうち、実質的な内容(すなわち、元メールの内容及びメールヘッダの情報などを除いた、当該メールの送信時に実際に作成された内容)であってもよい。
【0083】
特定のメールが特定のチャンクを含む場合、システム内で特定のチャンクに特定のメールが関連付けられなければならない。
【0084】
以下の動作(1)及び動作(2)によってチャンクにメールがさらに関連づけられる。
【0085】
(1)メールが含むチャンクについて、チャンクコレクション300を参照し、チャンクコレクション300内に追加されるチャンクと同じチャンクが既にある場合、既に存在する同じチャンクのメール識別子リスト330に当該メールの識別子が追加される。
【0086】
(2)チャンクコレクション300内に、追加されるチャンクと同じチャンクがない場合、先にチャンクがメール識別子リスト330に登録される。すなわち、チャンクのチャンクストリング310(必要な場合、チャンクストリング310のハッシュ値)、チャンク識別子320、及び固有ストリング340を含むエントリがチャンクコレクション300に追加される。次に、登録された特定のチャンクのメール識別子リスト330にメールの識別子が追加される。
【0087】
同じチャンク識別子320を有する登録されたチャンクはグループ化されてもよい。また、異なるチャンク識別子320を有する登録されたチャンクは別のメールスレッディング(threading)によって処理されてもよい。
【0088】
図4は、本発明の一実施形態に係るメール処理方法のフローチャートである。
【0089】
メール受信ステップS410においてメールを受信する。
【0090】
チャンク検索ステップS420において、受信したメール内の一つ以上のチャンクが検索される。
【0091】
一つ以上のチャンクは階層(hierarchical)関係を構成してもよい。すなわち、前述のように、一つのチャンクは異なるチャンク(すなわち、チャンクの内容)を含んでもよい。
【0092】
例えば、検索されたチャンクの数がnであるとき(nは0以上の自然数)、チャンクの大きさ順で昇べきの順に、n番目のチャンクはn−1番目のチャンクを含んでもよい。
【0093】
チャンク検索ステップS420において、メールが返信メールや転送メールであるとき、メールに付された以前にやり取りされたメールを区分するためのメール内容を識別することによって、チャンクが検索される。
【0094】
ここで、以前にやり取りされたメールを区分するためのメール内容は図1を参照して前述された区分ストリングであってもよい。
【0095】
チャンク確認ステップS430において、一つ以上のチャンクそれぞれがチャンクコレクション300内に存在するか否か、すなわち登録されているか否かを検査する。
【0096】
チャンクコレクション300内に存在しないチャンクについて、チャンク登録ステップS440が行われ、その後、チャンクコレクション300内にあるチャンクについてメール識別子追加ステップS450が行われる。
【0097】
チャンク登録ステップS440において、一つ以上のチャンクのうちチャンクコレクション300内に存在しないチャンクがチャンクコレクション300に登録される。
【0098】
メール識別子追加ステップS450において、受信されたメールの識別子がチャンクコレクション300内の一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけられる。すなわち、チャンクコレクション300内の一つ以上のチャンクそれぞれのメール識別子リスト330に受信されたメールの識別子が追加される。
【0099】
前述のステップS440及びステップS450は、チャンクの大きさ順で降べきの順(すなわち、大きいチャンクから小さいチャンクに)に一つ以上のチャンクそれぞれについて行われてもよい。このような場合、受信されたメール内に含まれたチャンクは大きいチャンクから小さいチャンクの順に利用される。
【0100】
または、前述されたステップS440及びステップS450は、チャンクの大きさ順で昇べきの順に(すなわち、小さいチャンクから大きいチャンクに)一つ以上のチャンクそれぞれについて行われてもよい。
【0101】
前述のステップS410からステップS450によって受信されたメールによってチャンクコレクション300が更新される。すなわち、受信されたメールが有する一つ以上のチャンクが検索され、検索されたチャンクがチャンクコレクション300内にあるかが順に検索され、検索されないチャンクはチャンクコレクション300に追加される。(一般的には大きいチャンクから小さいチャンクの順に)
【0102】
チャンクインデキシングステップS460において、チャンクコレクション300に登録されたチャンクに対してインデキシングが行われる。
【0103】
チャンクコレクション300に新しく登録されたチャンクは、従来のチャンクコレクション300内に存在しないチャンクである。したがって、チャンクコレクション300におけるインデキシングの処理がされる必要がある。
【0104】
新しく登録されたチャンクの下位チャンクは既に登録されたチャンクである。この場合、下位チャンクに対するインデキシングが再度行われる必要はない。また、新しく登録されたチャンクの下位チャンクも新しく登録されたチャンクである場合、下位チャンクが含む内容(すなわち、下位チャンクのストリング)に対するインデキシングは下位チャンクに対するインデキシングで当該下位チャンクを含むチャンクとは別個に行われる。
【0105】
したがって、新しく登録されたチャンクに対するインデキシングは、下位チャンクが含む内容を除いたまま行われてもよい。
【0106】
すなわち、チャンクインデキシングステップS460において、新しく登録されたチャンクについては、新しく登録されたチャンクが追加的に有する内容である、固有ストリング340だけがインデキシングされる。
【0107】
上記のような固有ストリング340を用いたインデキシングによって、チャンクコレクション300の全体量が減少し、インデキシングされる内容の量が減少する。
【0108】
メール検索ステップS470は、インデキシングされた内容を用いることによってメール検索結果を提供するステップを示す。
【0109】
ユーザは、検索語を用いて検索語とマッチングするメールを検索する。
【0110】
メール検索ステップS470において、インデキシングされた内容に基づいて登録されたチャンクに関連するメールが検索語の検索結果として提供される。
【0111】
ここで、メールが検索語を含む場合とは、登録されたチャンクが追加的に有する内容が検索語を含む場合を指してもよい。すなわち、登録されたチャンクの固有ストリング340を参照し、検索語を含むかを判断する。
【0112】
したがって、メールが検索語を含む場合とは、固有ストリング340がチャンクインデキシングステップS460においてインデキシングされることで生成されたインデックスが検索語を含む場合である。
【0113】
インデキシングされた内容を検索することによって、登録されたチャンクが検索語を含むか否かが判断される。そして、登録されたチャンクに関連するメールが検索語を含むかを確認し、チャンクコレクション300内のメール識別子リスト330を介して検索語(及び検索語と関連した事項を含む検索ストリーム)を含む関連するメールが識別されるようになる。
【0114】
インデキシングによって、登録されたチャンクに関連するメールは、検索語に対応する部分がハイライトされて検索結果としてユーザ端末を介してユーザに提供されてもよい。
【0115】
ここで、この検索結果としての提供はメールデータ(すなわち、内容)の画面表示、印刷、及び送信などの方式を含む。
【0116】
例えば、ユーザが検索結果として提供されるメールの目録をクリックし、該当メールを開封し、出力したとき検索語に対応する部分がハイライトされる。
【0117】
また、最終メール(すなわち、最後に送受信され、最も多く内容を含むメール)を基準にして、最終メールと同じチャンク識別子320を有するメールが自動で分類されて提供されてもよい。
【0118】
例えば、最終メールを基準としてチャンクの包含関係によって、検索語を含む一つ以上のメールがツリー構造などの形式によってユーザへ提供されてもよい。ここで、より前に送信されたメール(すなわち、元メール)がツリー親(parent)ノードになり、より前に送信されたメールに対する返信または転送を行うことによって生成及び送信されたメール(すなわち、返信メールまたは転送メール)が親ノードの子(child)ノードになる。
【0119】
開封処理ステップS480は、ユーザが特定のメールを読込む場合、特定のメールに関連するメールも全て読込んだ状態にする処理を行うステップである。
【0120】
開封処理ステップS480において、ユーザが読込んだ特定のメール及びそれに関連するメールが開封処理される。
【0121】
例えば、ユーザが特定のメールを読込む場合、チャンクコレクション300を用いることによって特定のメールより前のメールが識別されてもよい。
【0122】
すなわち、特定のメールを含む一つ以上のチャンクが検索されると、検索された一つ以上のチャンクそれぞれに対応するメールがチャンクコレクション300のメール識別子リスト330を用いて検索されてもよい。
【0123】
ユーザが読込んだ特定のメールの内容には検索されたメールの内容を含む。そして、検索されたメールのうち受信人が同一であるメールは、ユーザが特定のメールを読込むことによって共に読まれたとものと見なされる。
【0124】
図5は、本発明の一実施形態に係るメール処理装置500の構造図である。
【0125】
メール処理装置500は、送受信部510、チャンク検索部520、チャンク登録部530、チャンク処理部540、及びチャンクコレクション550を備えてもよい。
【0126】
送受信部510は前述されたステップS410を行なってもよい。
【0127】
例えば、送受信部510はメールを受信してもよい。
【0128】
チャンク検索部520は、前述のステップS420を行なってもよい。
【0129】
例えば、チャンク検索部520は、受信されたメール内の一つ以上のチャンクを検索してもよい。
【0130】
チャンク検索部520は、メールが返信または転送されたときメールに添付される、以前メールを区分するための内容を識別することによって一つ以上のチャンクを検索してもよい。
【0131】
一つ以上のチャンクは包含関係であってもよい。すなわち、一つ以上のチャンクのうちn番目のチャンクはn−1番目のチャンクを含んでもよい。ここで、nは一つ以上のチャンクの数である。
【0132】
チャンク登録部530は、前述のステップS430、440及び450を行なってもよい。
【0133】
例えば、チャンク登録部530は、一つ以上のチャンクのうちチャンクコレクション550内に存在しないチャンクをチャンクコレクション550に登録してもよい。
【0134】
また、チャンク登録部530は、受信されたメールの識別子をチャンクコレクション550内の一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけてもよい。
【0135】
チャンク登録部530は、チャンクの大きさ順で降べきの順に一つ以上のチャンクそれぞれに対して一つ以上のチャンクのうちチャンクコレクション550内に存在しないチャンクをチャンクコレクション550に登録してもよく、受信されたメールの識別子をチャンクコレクション550内の一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけてもよい。
【0136】
チャンク登録部530は、チャンクの大きさ順で昇べきの順に一つ以上のチャンクそれぞれについて、一つ以上のチャンクのうち、チャンクコレクション550内に存在しないチャンクをチャンクコレクション550に登録してもよく、受信されたメールの識別子をチャンクコレクション550内の一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけてもよい。
【0137】
チャンク処理部540は、前述のステップS460、470及び480を行なってもよい。
【0138】
例えば、チャンク処理部540は、チャンクコレクション550に登録されたチャンクが包含するチャンクからみて追加的に有する内容をインデキシングしてもよい。
【0139】
チャンク処理部540は、インデキシングされた内容に基づいて登録されたチャンクに関連するメールを検索語の検索結果として提供してもよい。ここで、登録されたチャンクが追加的に有する内容(すなわち、登録されたチャンクの固有ストリング340)は検索語を含む。
【0140】
チャンク処理部540は、検索語に対応する部分をハイライトして登録されたチャンクに関連するメールを検索結果として提供してもよい。
【0141】
また、チャンク処理部540は最終メールを基準として、最終メールと同じチャンク識別子320を有するメールを自動的に分類して提供してもよい。
【0142】
チャンク処理部540は最終メールを基準として、チャンクの包含関係により、検索語を含む一つ以上のメールをツリー構造などによってユーザへ提供してもよい。
【0143】
また、チャンク処理部540は、ユーザが読込んだ特定のメールに関連するメールを開封処理してもよい。すなわち、チャンク処理部540は、ユーザが特定のメールを読込んだとき、チャンクコレクション550を用いることによって特定のメールにその内容が含まれるそれ以前のメールを識別することができ、識別された以前のメールがユーザによって読まれたものとして処理してもよい。
【0144】
チャンクコレクション550は前述されたチャンクコレクション300を意味し、前述されたチャンクコレクション300を格納及び管理するためのデータベースを意味する。
【0145】
図1から図4を参照して説明された本発明の一実施形態に係る技術的内容が本実施形態にもそのまま適用されてもよい。したがって、図1から図4を参照して説明された技術的内容についての詳細な説明は以下で省略する。
【0146】
構成要素520、530、及び540の機能は単一の制御部(図示せず)で行われてもよい。ここで、制御部は、単一または複数チップ、プロセッサまたはコアであってもよい。構成要素520、530及び540それぞれは、制御部で行われる関数、ライブラリ、サービス、プロセス、スレッド、またはモジュールを表してもよい。
【0147】
本発明の一実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組合せを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。
【0148】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0149】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲や特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0150】
500 チャンク処理装置
520 チャンク検索部
530 チャンク登録部
540 チャンク処理部
550 チャンクコレクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
eメール内のそれぞれが他のチャンクと包含関係にある一つ以上のチャンクを検索するステップと、
前記一つ以上のチャンクのうち、チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録するステップと、
前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクのそれぞれに関連づけるステップと、
を含むことを特徴とするeメール処理方法。
【請求項2】
前記eメール内の一つ以上のチャンクを検索するステップは、eメールが返信または転送されたとき前記eメールに含まれる以前に送受信されたeメールを区分するための内容を識別することによって前記一つ以上のチャンクを検索することを特徴とする請求項1に記載のeメール処理方法。
【請求項3】
前記一つ以上のチャンクのうちn番目のチャンクはn−1番目のチャンクを含み、nは前記一つ以上のチャンクの数であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のeメール処理方法。
【請求項4】
前記登録するステップ及び前記関連づけるステップは、チャンクの大きさ基準で降べきの順または昇べきの順に前記一つ以上のチャンクそれぞれに対して行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のeメール処理方法。
【請求項5】
前記チャンクコレクションは、チャンクのストリング、前記チャンクの識別子、前記チャンクに関連する一つ以上のeメールの識別子、及び前記チャンクの固有ストリングを含み、
前記チャンクの固有ストリングは、前記チャンクの内容を下位チャンクの内容と比べたときに前記チャンクで追加された内容であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のeメール処理方法。
【請求項6】
前記チャンクコレクションに登録されたチャンクが追加的に有する内容をインデキシングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のeメール処理方法。
【請求項7】
前記インデキシングされた内容に基づいて前記登録されたチャンクに関連するeメールを検索語の検索結果として提供するステップをさらに含み、前記登録されたチャンクが追加的に有する内容は前記検索語を含むことを特徴とする請求項6項に記載のeメール処理方法。
【請求項8】
前記登録されたチャンクに関連するeメールは、前記検索語に対応する部分がハイライトされて検索結果として提供されることを特徴とする請求項7項に記載のeメール処理方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8項のうちいずれか1項に記載のeメール処理方法を行うプログラムを収録したコンピュータで読み出し可能な記録媒体。
【請求項10】
一つ以上のチャンク及び前記チャンクに関連するデータを格納するチャンクコレクションと、
eメール内のそれぞれが他のチャンクと包含関係にある一つ以上のチャンクを検索するチャンク検索部と、
前記一つ以上のチャンクのうち、前記チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録し、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけるチャンク登録部と、
を備えることを特徴とするeメール処理装置。
【請求項11】
前記チャンク検索部は、eメールが返信または転送されたとき、前記eメールに含まれる以前に送受信されたeメールを区分するための内容を識別することによって前記一つ以上のチャンクを検索することを特徴とする請求項10に記載のeメール処理装置。
【請求項12】
前記一つ以上のチャンクのうちn番目のチャンクはn−1番目のチャンクを含み、nは前記一つ以上のチャンクの数であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のeメール処理装置。
【請求項13】
前記チャンク登録部は、チャンクの大きさ基準で降べきの順または昇べきの順に、前記一つ以上のチャンクそれぞれについて、前記一つ以上のチャンクのうち、チャンクコレクション内に存在しないチャンクを前記チャンクコレクションに登録し、前記eメールの識別子を前記チャンクコレクション内の前記一つ以上のチャンクそれぞれに関連づけることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載のeメール処理装置。
【請求項14】
前記チャンクコレクションは、チャンクのストリング、前記チャンクの識別子、前記チャンクに関連する一つ以上のeメールの識別子、及び前記チャンクの固有ストリングを含み、
前記チャンクの固有ストリングは、前記チャンクの内容を下位チャンクの内容と比べたときに前記チャンクで追加された内容であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のeメール処理装置。
【請求項15】
前記チャンクコレクションに登録されたチャンクが追加的に有する内容をインデキシングするチャンク処理部をさらに備えることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載のeメール処理装置。
【請求項16】
前記チャンク処理部は、前記インデキシングされた内容に基づいて前記登録されたチャンクに関連するeメールを検索語の検索結果として提供し、前記登録されたチャンクが追加的に有する内容は前記検索語を含むことを特徴とする請求項15に記載のeメール処理装置。
【請求項17】
前記チャンク処理部は、前記検索語に対応する部分をハイライトして前記登録されたチャンクに関連するeメールを検索結果として提供することを特徴とする請求項16に記載のeメール処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−4103(P2013−4103A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136350(P2012−136350)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【Fターム(参考)】