説明

チャンバおよびサンプル保持具を冷却するための分離した冷却回路を有するクリオスタット

クリオスタットは2個の分離した冷却手段を含み、1つは冷却チャンバ(2)中の温度を下げるために構成され、他は冷凍プレート(8)を冷却するために構成される。単一の冷媒貯蔵器を有する単一の冷却回路が存在することができるが、各冷却手段に設けられた分離した圧縮機、すなわち、冷却チャンバ(2)内の温度を制御するための1個の圧縮機と、冷凍プレート(8)に付属する冷却回路のための分離した圧縮機が存在することができる。冷却プレート(8)は冷凍プレートの表面にいくらかの液体を保持するための手段を含む。これらの手段はリップ(12)によって提供される。摩擦発生手段は、回転可能なシャフト上にバネ装填されたカラーを提供することによってミクロトームヘッドの動きに抵抗を与える。さらにクリオスタットはタッチ画面表示と共に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様はクリオスタットおよびミクロトームに関し、詳細には場合によってクリオスタットまたはクリオトームとして知られているクリオスタットミクロトームに関する。
【背景技術】
【0002】
クリオスタットは0℃を下回る温度を一定に維持するための装置である。それらは組織サンプルなどのサンプルを冷凍し薄片化し、続いて分析を行うために有用である。クリオスタットの一型式はサンプルと装置を収容するためのチャンバを含み、チャンバ中の温度は気化コイルを通る空気を冷却することによって調節される。
【0003】
ミクロトームは後続の分析のために試料の薄片を切断するための器具である。典型的に、固体サンプルはサンプル台に保持され、固定された切断ブレード上でサンプル台を上下に動かして薄片を作る。
【0004】
クリオスタットミクロトームは所定の温度に冷却された対象物を切断するように設計される。典型的に温度は−10℃〜−50℃の範囲である。
【0005】
クリオスタットミクロトームは冷却されたサンプル台を含み、その上に薄片化するサンプルを搭載することができる。
【0006】
典型的に、切断ブレードは固定され、サンプル台とその付属機構だけが動く。
【0007】
サンプル台および切断デバイスは通常クリオスタットの冷却チャンバ内に収容される。冷却チャンバ内の温度は、例えば、−50℃程度の温度に制御することができる。
【0008】
−50℃程度の温度で、組織サンプルなどのサンプルは固体に凍結し、したがって、固定された切断ブレードによって切断することができる。したがって、冷却チャンバ内の温度調節は正確な切断とサンプルの損傷を防ぐために重要である。
【0009】
サンプルをサンプル台に置く前に、サンプルを冷凍する必要がある。これは典型的にサンプルをサンプル保持具(場合によってはクリオカセットとして知られる)上に置き、次いで、サンプル保持具を冷凍プレートまたはクリオバーとして知られているサンプル冷却デバイス上に置くことによって行われる。
【0010】
クリオバーは、通常金属の塊であり、1個または複数の冷媒管がそこを通過する。管を通る冷媒の流れは金属塊を冷却し、すなわち金属塊の上部表面に置かれた任意のサンプルを冷却する。
【0011】
サンプルとサンプル保持具が冷凍プレート上に置かれるとき、しばしば支持媒体(場合によってクリオマトリックスと呼ばれる)がそれらに加えられる。これは埋め込み樹脂であり、試料を支持し、冷凍されるときそれをサンプル保持具に接合する。
【0012】
従来、クリオスタットミクロトームは単一の圧縮機を用いて冷却チャンバ内の温度と冷凍プレートの温度の両方を制御する。気化器系が通常用いられる。典型的に、0℃〜−35℃の冷却チャンバ内の空気温度を達成することができる。冷凍プレートは冷却チャンバ温度を制御する冷凍系の一部であるため、それ自体の温度は独立に制御することはできない。
【0013】
サンプルまたはサンプル保持具を冷凍プレートに置いて冷凍する技術に加えて、冷凍スプレーおよび/またはペルチェユニットを用いてサンプルに追加の「増強」を与えることも知られている。例えば、ペルチェユニットでさらに−20℃冷却することが可能である。しかし、これらの技術の両方ともその追加の冷却能力については限界があり、ペルチェの場合、複数のサンプルが同時に冷却されるならば、各サンプルの位置に分離したペルチェが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは、冷凍プレートが空気に暴露されるとき、例えば、冷却チャンバを開放して試料を取り扱うとき結氷することに注目した。これは空気中の湿気が冷たい冷凍プレート上で凝縮し、氷の層が形成されるためである。これは冷凍プレートの効率を大きく低下させ、結氷が起きるとき、試料の冷却に非常に長い時間が掛かることを意味する。また、本発明者らは、冷凍プレートの表面および/またはサンプル保持具の接触表面の不完全さが全体的な接触面積を減少させるため、試料保持具(クリオスタット)から冷凍プレートへの熱伝達効率が他の場合よりも低いことに注目した。
【0015】
従来のミクロトームにおいて、試料が切断ブレード上を動くとき、試料から切断される非常に薄い薄片は、試料を通過するブレードの作用によって切断ブレードの裏面に導かれる。
【0016】
次いで、薄片はさらに分析を行うために使用者によって取り外される。しかし、試料を通過するブレードの薄片への影響は薄片が非常に薄いことと同時に、薄片が切断ブレードの裏面で湾曲し、または巻き付くことである。これは薄片の分析を困難または不可能にすることがある。
【0017】
したがって、切断ブレードの裏面に配置された巻き付き防止プレートを含むことは知られている。いくつかの巻き付き防止プレートは、薄片が間隙を通過することができるが、一度間隙を通過すると、薄片の巻き付きが巻き付き防止プレートによって防止されるように、切断ブレードの裏面と巻き付き防止プレートの下部表面の間に可変の間隙を提供する。可変間隙は典型的に巻き付き防止プレートの隅のネジ付き調節器によって提供される。間隙はしばしば異なる使用者によって調節される。
【0018】
ミクロトームはしばしば手動で運転される。クランクハンドルが通常提供され、ハンドルの回転はミクロトームの駆動機構の部分であるクランクシャフトを駆動する。駆動機構はクランクシャフトの回転をサンプル台の振動(上下)に変換する。サンプル台は非常に重く(特に、通常それが冷却手段を含むため)、静止状態のときにその最下位置に降下し易い。これは、クランクハンドルが緩められると、ミクロトームヘッドの重量の下で自然の静止位置に到達するまで回転を続け易い。この挙動に対抗するために、サンプル台の重量を試験し相殺する釣合い錘を含むことは知られている。しかし、ヘッドは上下と同様に水平方向(例えば、切断ナイフに向かって)にも動くことができ、機構の重心の変化は釣合いを壊すのに十分である。
【0019】
したがって、2個のプーリーの周りを走るタイミングベルトを有する摩擦デバイスを用いることも知られており、その1つは駆動クランクシャフトに固定され、1つはミクロトームのシャーシまたは鋳物に固定された2個のブッシュの間に搭載された自由走行シャフトに固定される。タイミングベルトに対して押圧されて系に負荷を与えるバネ装填されたローラによって摩擦がこの系に加えられ、ミクロトームヘッドの釣合いを助ける。
【課題を解決するための手段】
【0020】
圧縮機
最も一般的に、本発明者らの第1の提案は、冷却チャンバとクリオスタット中のサンプル冷却台の温度はその各々に分離した冷却手段を設けることによって分離して制御すべきであることである。これは、冷却チャンバとサンプル冷却台の各々に分離した圧縮機を提供することを含むことが予測される。
【0021】
したがって、第1の態様において、本発明は、冷却チャンバの温度を下げるためのチャンバ冷却流体供給手段を有する冷却チャンバと、サンプル冷却手段の温度を下げるためのサンプル冷却流体供給手段を有するサンプル冷却手段とを含むクリオスタットを提供し、サンプル冷却流体供給手段はチャンバ冷却流体供給手段から分離している。
【0022】
サンプル冷却手段は冷却チャンバ内に配置されることが好ましい。
【0023】
冷却チャンバとサンプル冷却手段の各々に冷却流体を分離して供給する利点は、チャンバとサンプル冷却手段の温度が独立に制御できることであることが好ましい。
【0024】
さらに、分離したサンプル冷却流体供給手段は比較的単純であり、例えば、それが短い冷却流体路だけを有することが好ましい。これは製造および保守の両方の意味でコスト的に有利である。
【0025】
分離したサンプル冷却流体供給手段は、冷却チャンバ供給手段に比べてより低温に最適化できる。例えば、サンプル冷却流体供給手段は温度を−30℃〜−70℃に冷却可能であることが好ましく、−45℃〜−65℃がさらに好ましく、−55℃〜−60℃が最も好ましい。
【0026】
分離したサンプル冷却流体供給手段は、サンプル冷却手段を急速に冷却することが好ましい。冷却チャンバとサンプル冷却手段の両方を冷却するために単一の共同冷却流体供給手段が用いられるときよりも、さらに急速な冷却が可能であることが適切である。分離したサンプル冷却流体供給手段は、好ましくは高温方向ならびに低温方向に、温度を急速に変化させることが可能であることが適切である。
【0027】
サンプル(例えば、組織サンプル)が十分急速に冷凍されないならば、サンプル内に氷結人為構造が形成することがあり、得られる薄片の分析が困難になるため、急速冷却は有利である。
【0028】
サンプル冷却手段は冷凍プレートであることが好ましい。冷凍プレートは当業者には知られており、既に述べた。好ましい冷凍プレートは、サンプル冷却流体供給手段に熱的に接触している熱伝導性材料の塊を含む。熱伝導性材料は、金属、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金であるのが適している。
【0029】
クリオバーはサンプル接触表面、典型的に上方に面する表面を有することが好ましく、その上にサンプル(またはサンプル保持具または基板)を置いてそれらを冷却することができる。
【0030】
サンプル冷却表面はその意図される用途に適した任意の寸法を有することができる。それは複数のサンプル、サンプル保持具(サンプル保持具)またはサンプル基板を収容する十分な面積を有することが好ましい。例えば、サンプルの接触表面の長さと幅は5〜50cmの範囲から独立に選択されることが好ましく、5〜30cmの範囲がさらに好ましい。長さは10〜30cmの範囲であることが好ましい。加えて、または代わりに、幅は5〜20cmの範囲から選択されることが好ましく、5〜10cmの範囲がさらに好ましい。
【0031】
このようにして、同時に冷凍される試料の数はサンプル接触表面のサイズによってのみ制限されることが好ましい。
【0032】
冷却チャンバ流体供給手段およびサンプル冷却流体供給手段は圧縮機系を含むことが好ましい。追加で、または代わりに、それらは冷却流体供給管路、例えば、冷却流体(冷媒)を冷却チャンバおよび/またはサンプル冷却手段へ送達するための管またはパイプを含むことができる。
【0033】
圧縮機系は圧縮機を含むことが適切である。当業者に知られている任意の圧縮機を用いることができる。冷却チャンバ流体供給手段およびサンプル冷却流体供給手段は分離した圧縮機を有することが特に好ましい。
【0034】
好ましい実施形態において、クリオスタットミクロトームの冷却チャンバは第1圧縮機を含む冷却系によって冷却され、サンプル冷却手段は第2圧縮機を含む冷却系によって冷却される。
【0035】
冷却チャンバ流体供給手段およびサンプル冷却流体供給手段の各々は、さらに温度制御と冗長さを改善するために2個以上の圧縮機を独立に有することができる。
【0036】
冷凍プレートとすることのできるサンプル冷却手段は、1個または複数のペルチェを含み、さらに温度を制御し達成することのできる温度変化の速度を改善することができる。
【0037】
また、クリオスタットはクリオスタットの他の部分(すなわち、冷却チャンバまたはサンプル冷却手段ではなく)の冷却または温度調節のために、例えば、1個または複数の圧縮機を含むさらに他の1個または複数の冷却流体供給手段を含むことができる。
【0038】
例えば、クリオスタットミクロトームの場合、ミクロトームのサンプル搭載台を冷却するための分離した圧縮機が存在することができる。
【0039】
クリオスタットは、冷却チャンバおよびサンプル冷却手段の各々を制御するために分離した温度調節制御手段を含むことが適切である。冷却チャンバ流体供給手段およびサンプル冷却流体供給手段はそのような温度調節制御手段によって独立に制御されることが好ましい。
【0040】
また、本発明者らの提案は、冷却チャンバおよびサンプル冷却手段を有するクリオスタットの運転方法も含み、冷却チャンバの温度およびサンプル冷却手段の温度は分離して制御される。
【0041】
上で開示した最適な、および好ましい特徴は本方法にも適用することができる。
【0042】
冷却プレート
最も一般的に、本発明者らの第2の提案は、熱伝達が改善されおよび/またはサンプル冷却表面の結氷が低減されるように、冷却の間サンプル冷却表面を覆う凍結点の低い液体を用いるべきことである。
【0043】
したがって、第2の態様において、本発明はサンプル冷却表面を有するサンプル冷却手段を提供し、サンプル冷却手段は、凍結点の低い液体がサンプル冷却表面の少なくとも部分を被覆するように、凍結点の低い液体を保持するための液体保持手段を含む。
【0044】
サンプル冷却手段は冷凍プレートであることが好ましい。
【0045】
保持手段は隆起したリップを含むことが好ましい。リップはサンプル冷却表面の少なくとも部分、および好ましくは全ての周辺に展延することが適切である。サンプル冷却表面の少なくとも部分、および好ましくは全てが液体で覆われるように、リップによって画定される容積に凍結点の低い液体を加えることができる。リップは0.5〜5mmの範囲の深さを有することが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2mmである。1mmの深さは特に好ましい。
【0046】
代わりに、または追加で、液体保持手段はサンプル冷却表面に1個または複数の窪みまたはめくら孔を含むことができる。次いで、これらの窪みは凍結点の低い液体で充填しまたは部分的に充填することができる。
【0047】
凍結点の低い液体は約−20℃を下回る凍結点を有する任意の液体とすることができる。液体は約−40℃の凍結点を有することが適切であり、約−60℃を下回るのが好ましく、約−80℃を下回るのがさらに好ましく、約−100℃を下回る凍結点が最も好ましい。
【0048】
実際に、冷凍プレートの温度よりも低い凍結点を有する任意の液体を冷凍プレートの表面上に用いてサンプルの冷凍を加速し、および/または結氷工程を遅らせることができるであろう。
【0049】
液体は単一物質または物質の混合物とすることができる。混合物の場合、重要なのは混合物の凍結点である。
【0050】
液体は水と混合可能であることが適切である。液体は水の濃度が約10重量%まで水との混合物を形成することが好ましく、20重量%がさらに好ましい。これらのパーセントは室温での測定に基づく。
【0051】
いくつかの実施形態において、液体は添加剤、例えば凍結点調節添加剤を含むことができる。そのような添加剤の例は、塩または低分子量の炭化水素を含む。
【0052】
液体は主成分として非毒性の有機化合物を含むことが好ましい。それは低分子量の有機化合物であることが好ましい。液体はアルコール、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、およびカルボン酸から選択されることが好ましい。アルコール、特にエタノールは最も好ましい。凍結点の低い液体は凍結防止として働くことが好ましい。代わりに、または追加で、凍結点の低い液体は熱導体または熱伝達剤として働くことが好ましい。
【0053】
液体は、例えば冷凍プレートの頂部に薄い層で配置され、結氷(凍った水)の蓄積を防止することが好ましい。大気中の環境の水はサンプル冷却手段の露出した表面に凝結するよりも液体に混合するため、液体は凍結防止として働くことができる。
【0054】
液体は、それがサンプル(またはサンプル保持具)とサンプル冷却手段の間の表面接触面積を向上させるため、熱導体または熱伝達剤として働くことができる。例えば、完全に平坦なサンプル冷却表面を得ることは非常に困難である。さらに、サンプルまたはサンプル保持具は平坦になり難く、したがって、サンプルをサンプル冷却表面に直接置く従来の方法は、互いの接触が比較的少ない結果を招くことがある。サンプル冷却表面上の液体はサンプル冷却表面の不完全さを充足し、接触面積を増加させることができる。
【0055】
したがって、サンプルまたはサンプル保持具(例えば、サンプル保持具)が、例えば冷凍プレートに置かれるとき、それはサンプルと冷凍プレート間の最適な接触を助けることができる。これはさらに急速な冷凍をもたらすことが好ましい。
【0056】
サンプル冷却手段はクリオスタットの部分であることが好ましく、クリオスタットミクロトームであることが適切である。しかし、サンプル冷却手段は開放空気中で用いられる「ベンチトップ」式サンプル冷却手段とすることができる。
【0057】
サンプル冷却手段はサンプル冷却手段の温度を下げるためのサンプル冷却流体供給手段を含むことが好ましい。例えば、サンプル冷却流体供給手段は、サンプル冷却手段に冷媒を送達することができる。
【0058】
実験において、液体層の効果を試験した。上部表面の周辺に展延する1mmのリップを有する冷凍プレートを用いた。リップで囲まれた容積にエタノールを加え、約1mmの深さのアルコール層を与えた。試験は開放空気中(環境温度約22℃)で行った。クリオバーを約−56℃に冷却し結氷の程度を観察した。冷凍プレートは、約4時間結氷なしに保たれた。対照的に、アルコール層を省くと、30分間で約5mmの結氷が冷凍プレートの上部表面に蓄積した。
【0059】
別の試験で冷凍プレート上に置いたときのサンプルの冷凍速度を観察した。1mmのエタノール層が存在するときとアルコールを省いたときの冷却速度を比較した。
【0060】
試験のモデルとして、実際のサンプルの代わりにクリオマトリックスで被覆したサンプル保持具を用いた。サンプル保持具上でクリオマトリックスを冷凍するためにかかった時間を測定した。クリオマトリックスはエタノール層を用いると約3倍の速さで凍結した。実際に、約1mlのクリオマトリックスは、冷凍プレート表面上にアルコールがないときは約1分間であったのと対照的に、アルコールが存在すると、約20秒で凍結した。
【0061】
また、本発明者らの提案は、サンプル冷却表面を有するサンプル冷却手段を用いるサンプルまたはサンプル保持具の冷却方法を含み、凍結点の低い液体を用いてサンプル冷却表面の少なくとも部分を被覆し、サンプルまたはサンプル保持具を凍結点の低い液体と熱的に接触させる。サンプルまたはサンプル保持具とサンプル冷却表面の間の接触面積は凍結点の低い液体によって被覆されることが好ましい。上述の最適なおよび好ましい特徴は本方法にも適用することができる。
【0062】
摩擦発生デバイス
最も一般的に、本発明者らの第3の提案は、シャフトの軸の周りを回転する第1摩擦発生表面と、シャフトの軸の周りを回転しない第2摩擦発生表面を有する摩擦発生デバイスを提供することによって、ミクロトームヘッドと釣合わせることができることである。
【0063】
したがって、第3の態様において、本発明はミクロトームヘッドと、ヘッドを動かすための駆動機構と、ミクロトームヘッドと釣合わせるための摩擦発生手段とを有するミクロトームを提供し、摩擦発生手段は駆動機構の回転可能なシャフトに付属し、摩擦発生手段は、シャフトが回転するとき、表面に対して動いてシャフトの回転に抵抗を与えるように、回転可能なシャフトの軸の周りを回転可能である。
【0064】
摩擦発生手段は、シャフトと共に回転するようにシャフトに接続されることが好ましい。
【0065】
摩擦発生手段は、シャフトと同軸であるようにシャフトに接続されることが好ましい。
【0066】
好ましい実施形態において、摩擦発生手段はシャフトの周りに同軸に配置されたカラーを含む。カラーはシャフトに固定されることが適切であり、適切な固定手段はピンまたはネジを含む。典型的に、シャフトは摩擦発生手段を、例えばピンまたはネジを受容するための孔または窪みに係合する係合手段を有するであろう。
【0067】
摩擦発生手段、例えば、カラーは、シャフトと一緒に回転しない部材の摩擦発生表面に接触する摩擦発生表面を有することが好ましい。摩擦は、非回転部材に対して動く摩擦発生表面の結果としてシャフトが回転するとき発生することが好ましい。
【0068】
好ましい実施形態において、摩擦発生手段が動く相手の表面はミクロトームシャーシの部分である。これはシャーシに配置された軸受およびブッシュを含むことが好ましい。
【0069】
本明細書において用いられる用語のシャーシは、ミクロトームに剛性を与え、ミクロトームの様々な可動部分が接続される構造的な特徴を意味する。典型的に、ミクロトームのシャーシは金属または金属合金の鋳造から作られ、したがって、鋳造物としても知られている。
【0070】
摩擦発生手段は、シャフトに摺動可能に軸方向に接続された第1部材と第1部材を表面に押圧するための弾性手段とを含むことが好ましい。
【0071】
摩擦発生手段は、弾性手段が第1部材と第2部材の間に配置されるように、シャフトに固定された第2部材を含むことが好ましい。第2部材はミクロトームのシャーシに接触しないことが適切である。
【0072】
第2部材は、弾性手段の力が第1部材に対して導かれるように(シャフトに沿って軸方向に摺動可能であるのが好ましい)、弾性手段の「留め具」として作用することが好ましい。
【0073】
この構成は第1部材を表面、例えばシャーシ(鋳造物)の部分の表面またはシャーシに配置された軸受またはブッシュに対して押圧させることが好ましい。
【0074】
弾性手段はバネであることが好ましく、コイルバネがさらに好ましい。
【0075】
第1部材は、例えばピンおよび対応するスロットによって軸方向に摺動可能にシャフトに接続することができる。ピンは第1部材またはシャフトのいずれかに存在することができ、対応するスロットは他の構成要素上にあることができる。
【0076】
第1部材はシャフトの周りに同軸に配置されたカラーとすることができる。代わりに、または追加で、第2部材はシャフトの周りに同軸に配置されたカラーとすることができる。
【0077】
この構成の利点はそれが機構的に単純であり、したがって製造と保守が安価なことである。さらに他の利点は、既存のミクロトームを修正して本明細書に説明した摩擦発生デバイスと一緒に働くようにできることである。
【0078】
したがって、この態様は、ミクロトームの駆動機構の回転可能なシャフトに付属している摩擦発生手段を提供するミクロトームの修正方法も含み、摩擦発生手段は、シャフトが回転するとき、表面に対して動いてシャフトの回転に抵抗を与えるように、回転可能なシャフトの軸の周りを回転可能である。
【0079】
代替の構成において、摩擦発生手段はシャフトの外部表面とすることができる。この場合、摩擦発生手段が動く相手表面はシャフトの周りに同軸に配置されたカラーの内部に面する表面であることが好ましい。
【0080】
ミクロトームはクリオスタットミクロトーム(クリオスタット)であることが好ましい。
【0081】
ミクロトームはミクロトームヘッドと釣合わせるための摩擦を発生するバネ装填されたローラおよびタイミングベルトを含まないことが好ましい。従来の釣合いデバイスを用いる必要のないことはこの態様の利点である。しかし、さらに他の摩擦発生および他の釣合いデバイスが存在してもよい。
【0082】
タッチ画面表示
本発明の第4の態様によるクリオスタットは、使用者がクリオスタットを制御するための制御命令を入力することのできる入力手段を有する制御ユニットを含むこともできる。そのような入力手段は、必要な入力機能と1つまたは複数の表示機能を結合するためのタッチ画面表示を含むことができる。含むことのできる典型的な制御機能は、クリオスタット内の1領域または複数領域内の測定温度、サンプル切断厚さ、試料温度、および冷凍プレート温度の任意の1つまたは全てを含む。
【0083】
表示は異なる時間に異なる情報を表示するように構成される、すなわち、異なる入手可能な「画面」を含むことが好ましい。例えば、使用者が見る第1の画面は比較的基本的な情報を含むことができ、次いで、さらに他の画面はさらに詳細な情報および/または異なる制御機能を提供するように選択することができる。制御手段はクリオスタットを運転するために使用者が表示を経由して保安コードを入力することの可能な保安手段を含むことが好ましい。また、制御手段は、表示に異なる言語を用いるように構成する能力を含むことができる。
【0084】
タッチ画面の主な利点の1つは、装置の基本的運転が1つの画面を通して制御することが可能であり、さらに多くの複雑な選択肢と構成の詳細は他の画面に隠されていることである。これは、構成選択肢全てに困惑させられることなく、誰でも容易に基本的機能の制御が可能になるはずである。
【0085】
主画面上での制御の運転は、1組の共通ボタンを経由し、温度設定点(チャンバ温度を含む)と切断厚さの調節方法が同じであり、新しい使用者にとって装置の制御が容易であることが好ましい。共通ボタンのサイズ、形状および/または配置は、表示された情報の種類が変化するとき、例えば異なる「画面」が表示されるとき、変化することができる。
【0086】
巻き付き防止プレート(その1)
最も一般的に、本発明者らの第5の提案は、ミクロトームとともに用いられる切断ブレード保持具が、巻き付き防止プレートに開放可能に弾性的に係合する手段を含む巻き付き防止プレート保持具を有すべきことである。例えば、巻き付き防止プレート保持具は、巻き付き防止プレートを保持するための移動止めを含むことができる。
【0087】
したがって、第5の態様において、本発明は、巻き付き防止プレート受容手段および巻き付き防止プレート係合手段を有する巻き付き防止プレート保持具を提供し、巻き付き防止プレート係合手段は、巻き付き防止プレート受容手段中の巻き付き防止プレートを保持することのできる第1位置と、巻き付き防止プレート受容手段の巻き付き防止プレートを保持することのできない第2位置との間で弾性的に可動である。
【0088】
巻き付き防止プレート係合手段が第2位置にあるとき、巻き付き防止プレートは巻き付き防止プレート受容手段から取り除くことができるのが好ましい。これは巻き付き防止プレートの容易な交換を可能にする。
【0089】
典型的に、巻き付き防止プレートは長方形である。それは透明であることが好ましい。それはガラスまたはプラスチック材料から作ることができる。
【0090】
巻き付き防止プレート係合手段および巻き付き防止プレート受容手段は協働して巻き付き防止プレート受容手段中の巻き付き防止プレートを保持するのが適切である。
【0091】
巻き付き防止プレート係合手段は、弾性係合部材を含むことが好ましい。係合部材は、巻き付き防止プレート受容手段から取り外し可能であることが好ましい。
【0092】
係合部材は弾性的に巻き付き防止プレートに係合するための1個または複数のバネアームを含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、係合部材は2個のバネアームを有する。第1バネアームは第1の方向にバネ力を加えることができ、第2バネアームは第2の方向にバネ力を加えることができるのが適切である。第2の方向は第1の方向に概略直交することが好ましい。この構成は、それに概略直交方向の力を加えることによって、巻き付き防止プレートを巻き付き防止プレート受容手段中に保持することが可能であることが好ましい。
【0093】
係合部材は金属から作られることが好ましい。代わりに、それはプラスチック材料から作ることができる。
【0094】
係合部材は、巻き付き防止プレート受容手段中に係合部材を固定することのできる手段を含むことが好ましい。例えば、この手段は固定ネジを受容するための孔または開口とすることができる。
【0095】
巻き付き防止プレート係合手段は2個以上の弾性係合手段を含むことができる。
【0096】
巻き付き防止プレート受容手段は、使用中にミクロトームの切断ブレードの切断端部に最も近い前部分と後部分を有する本体を含むことが好ましい。その結果、本体の上部分は巻き付き防止プレートが使用中に最上部にある部分であり、下部分は最下部にある部分、すなわち、切断ブレードの後部表面上の試料に最も近い部分である。
【0097】
本体は巻き付き防止プレートが使用中に留まる1個または複数の停止面を含むことが好ましい。停止面は前部分および/または後部分の停止面を含むことが適切である。前部分は使用中に巻き付き防止プレートに接する前部分停止面を含むことが好ましい。
【0098】
巻き付き防止プレート係合手段は、使用中に前部分の停止面に対して巻き付き防止プレートを保持することが好ましい。例えば、係合部材は巻き付き防止プレート受容手段の本体の後部分に配置することができ、それは巻き付き防止プレートの後部分に本体の前部分の方向にバネ力を加えることができる。得られる締め付け効果が巻き付き防止プレートを位置に保持することが好ましい。
【0099】
代わりに、または追加で、本体の後部分は後部分の停止面を含むことができる。前部分停止面の任意選択的な特徴は後部分停止面にも適用される。
【0100】
本体は適切に前部分および後部分の間に適切に展延する1個または複数の側部部分を含むことが好ましい。2個の側部部分が存在することが好ましい。
【0101】
側部部分のいくつかまたは全ては巻き付き防止プレートを保持するための1個または複数の停止面を含むことが好ましい。停止面は1個または複数の下部停止面を含むことが適切であり、使用中に巻き付き防止プレートを支持することが好ましい。代わりに、または追加で、側部部分は使用中に巻き付き防止プレートを保持することのできる1個または複数の上部停止面を含む。
【0102】
巻き付き防止プレートが上部および/または下部停止面に対して保持されるように、使用の間、巻き付き防止プレート係合手段によって反対の力を巻き付き防止プレートに加えることが適切である。反対の力は、例えば、停止面に対して巻き付き防止プレートを押圧するように偏向されたバネアーム、上に論じたバネ性係合部材によって提供されることが好ましい。側部部分の各々は下部の停止面を含むことが好ましい。また、係合部材は使用中の巻き付き防止プレートに係合してそれを下部停止面に押圧するバネアームを含むことが好ましい。
【0103】
巻き付き防止プレート受容手段は、金属から作られることが好ましい。
【0104】
巻き付き防止プレート(その2)
最も一般的に、本発明者らの第6の提案は、巻き付き防止プレート保持具が切断ブレードの背後面から固定距離に巻き付き防止プレートを保持するように適合され、巻き付き防止プレート保持具が距離を変更するいかなる調節手段も有さないことである。
【0105】
したがって、第6の態様において、本発明は固定間隔部材を有する巻き付き防止プレート保持具を提供し、この固定間隔部材は、背後面からの巻き付き防止プレートの間隔を固定距離にするために、切断ブレードの背後面に係合可能である。
【0106】
切断ブレードの背後面は、薄片が試料から切断された後に留まる任意の表面とすることができる。
【0107】
第5態様の任意選択的なおよび好ましい特徴は、本態様にも適用されることが好ましい。
【0108】
巻き付き防止プレート保持具は巻き付き防止プレートを支持するための1個または複数の下部停止面を有する本体を含むことが好ましい。間隔部材は本体の下部部分に配置されることが好ましい。間隔部材は本体に一体化されることが特に好ましい。
【0109】
好ましい実施形態において、下部停止面は固定間隔部材である。
【0110】
固定間隔部材は巻き付き防止プレートが巻き付き防止プレート保持具中にあるとき、巻き付き防止プレートの下に展延して固定間隔を提供することが好ましい。
【0111】
間隔は、約0.05〜0.5mmであることが好ましい。間隔は0.05〜0.3mmであることがさらに好ましく、0.15〜0.25mmの間隔は特に好ましい。
【0112】
本発明者らは、このサイズの固定間隔が多くの用途にとって適していることを見出した。
【0113】
固定間隔を有する利点は、間隔が使用中または使用の間に不注意に変化することができない点である。例えば、間隔を調節するための調節手段を有する巻き付き防止プレート保持具は、間隔の設定が異なる使用者によって変化させることができ、設定を繰り返すのが困難になり得るため、問題がある。
【0114】
サンプル保持具
既に述べたように、クリオスタットは典型的にサンプル冷却デバイス(冷凍プレートなど)を含むことができ、切断の前にその上でサンプルを冷凍することができる。典型的に、各サンプルはサンプル保持具(サンプル保持具として知られている)の上に配置される。
【0115】
さらに他の態様において、本発明は複数の冷却ゾーンを含むサンプル冷却デバイスを提供し、各ゾーンはそれぞれのサンプル保持具を受容するためである。各冷却ゾーンはそのそれぞれのサンプル保持具を受容するための適切な形状(例えば、窪み)であることが好ましい。また、冷却デバイスは、冷却ゾーンの各々を識別し標識を付けるための手段を含むことが好ましい。そのような手段は、例えば、冷却デバイスの頂部に配置された被覆層を含むことができ、その被覆層は、冷却ゾーンの各々に対して1個の複数の開口を含むため、開口を通して冷却デバイスの冷却ゾーン中にサンプル保持具をやはり配置することができる。次いで、被覆層は適切な着色、印、または標識を含むことができるため、各サンプル保持具が容易に識別できる。
【0116】
さらに他の態様において、本発明はその上にサンプル保持具を配置可能なサンプル冷却デバイスを提供し、冷却デバイスは、使用中のサンプル保持具の頂部(すなわち、サンプル保持具の下部表面が冷却デバイス上に留まる、サンプル保持具の上部表面)に配置可能な追加の冷却手段を含む。そのような追加の冷却手段は使用中のサンプル保持具の頂部に配置可能ないくつかの形態のヒートシンク(例えば適切な寸法の金属製対象物)によって提供することができる。典型的に、追加の冷却手段は使用のいくらか前に冷却デバイスの上に置かれたはずであるため、それは適切な温度に冷却される。冷却デバイスが複数のサンプル保持具と一緒に用いられる場合、各サンプル保持具について1個の複数の追加の冷却手段を提供できることが好ましい。
【0117】
冷却デバイスは、追加の冷却手段をそれぞれのサンプル保持具の上にサンプル保持具から間隔を置いて容易に保持することができるように、追加の冷却手段の各々を支持するための支持手段を含むことが好ましい。これはサンプル保持具を位置に置くことを容易にする。追加の冷却手段の重量および/または形状は、使用者が追加の冷却手段をサンプルプレートから持ち上げるとき、使用者がそれを放しても支持手段が自動的にサンプルプレートの上に懸架された追加の冷却手段を保持するようなものであることが好ましい。これを達成する1つの方法は、アームが上下に滑ることのできるチャネルを支持手段が含むことである。アームは追加の冷却手段に取り付けられる。アームおよびチャネルの互いの寸法が、アームとチャネル間の摩擦によってチャネル中のアームの動きが防止されるまで、冷却手段の重量がチャネル中のアームを変位させるような寸法であるならば、追加の冷却手段はアームが互いに使用者によって動かされるまで懸架状態を保つであろう。アームは円筒状部材を含み、この円筒状部材はチャネルに接続された円筒状ボアの中を滑ることが好ましい。
【0118】
分離されたチャネルおよび/または分離されたアームは、必要な追加の冷却手段の各々に設けることができる。
【0119】
クリオスタット
前述の態様の各々は、他の態様の1つまたは1つより多く、もしくは全てと組み合わせることができ、各態様内の特徴は他の態様の特徴と組み合わせることができる。したがって、さらに他の態様において、本発明は前述の態様の1つまたは1つより多く、もしくは全てを含むクリオスタットを提供する。
【0120】
ここで、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0121】
図1は、冷却チャンバ2を含むクリオスタットを示す。クリオスタットの冷却チャンバ2は一般に切断ブレード保持具4および可動サンプル保持具6(図1には見えないが図2に示される)を含む。ブレード保持具4はブレード5を保持し、使用中に、サンプル保持具6はブレード5に対して上下に動かされ、サンプル7から薄片を切断する。使用者はハンドル9を用いてサンプル保持具6を動かす。通常、冷却チャンバ2中にはサンプルの貯蔵領域、この場合1個または複数のサンプル保持具10を配置することのできる冷凍プレート8がある。
【0122】
本発明の一態様によれば、クリオスタットは図示されない2個の分離した冷却手段を含む。冷却手段の1つは冷却チャンバ2を冷却するために構成され、もう1つは冷凍プレート8を冷却するために構成される。一実施形態において、例えば、単一の冷媒貯蔵器を有する単一の冷却回路が存在することができるが、各冷却手段に設けられた分離した圧縮機、すなわち、冷却チャンバ2内の温度を制御するための1個の圧縮機と、冷凍プレート8に付属する冷却回路のための分離した圧縮機が存在することができる。二重の圧縮機を用いることによって、チャンバと冷凍プレートを完全に独立して制御可能であり、例えば、チャンバは典型的に−15℃〜−25℃に保つことができ、冷凍プレートははるかに低温、典型的に−55℃〜−60℃に保つことができる。
【0123】
本発明の様々な態様を含む冷凍プレート8の実施形態は、図3および図4にさらに明瞭にみることができる。
【0124】
本発明の一態様によれば、冷凍プレート8は冷凍プレートの表面上にいくらかの液体を保持する手段を含む。本実施例において、これらの手段はリップ12によって提供され、これは冷凍プレートの上部表面14の上に隆起し、上部表面14の周辺に展延する。他の実施形態において、冷凍プレートのレイアウトに応じて、リップは周辺の一部だけに展延することができ、または上部表面14の一部だけを包含することができる。使用中に、凍結点の低い液体(アルコール、例えばメタノールまたはエタノールなど)は、冷凍プレートの上部表面に置かれる。この液体は冷凍プレートの頂部に薄い層で留まり、結氷の蓄積を防止しまたは低減する。また、サンプル保持具が冷凍プレートの頂部に置かれるとき、それは冷凍プレートとの最適接触を確実にし、サンプル保持具上のサンプルの冷却/冷凍を高める。
【0125】
本実施形態において、冷凍プレートの他の表面上のリップの高さは約1mmであるが、リップ深さおよび液体深さの選択は必要な用途によって変化することができる。
【0126】
さらに他の態様において、本発明は冷凍プレート上の結氷の蓄積を低減する方法および/または冷凍プレートの冷却性能を向上させる方法を提供することができ、方法は、冷凍プレートの運転温度よりも低い凍結点を有する液体を冷凍プレートの表面に加えるステップを含む。
【0127】
図3に示す冷凍プレートの実施形態は、本発明の少なくとも2つのさらに他の態様を組み込む。第1に、多数のサンプル保持具16(この場合、6個)が冷凍プレートの上部表面に置かれる。また、配置シート18も冷凍プレートの上部表面上に置かれまたは配置される。配置シート18は、サンプル保持具16の各々について1個の多数の適切なサイズの開口(この場合、6個)を含む。したがって、各サンプル保持具16は配置シート18中の開口の1つを通して置き、やはり冷凍プレート上に直接(または上述のように冷凍プレートの上部表面の液体層上に完全にまたは部分的に)着座することができる。配置シートはサンプル保持具の各々を識別するための手段を組み込む。この場合、識別の手段は開口の各々に番号(1から6)を付けることによって提供されるが、追加で、または代わりに、識別手段は文字または色彩、あるいは他の任意の適切な手段とすることができる。これによって、使用者は、無論悲惨なことであるサンプル保持具と付属サンプルの取り違えを回避することができる。配置シートはポリエステルなどの任意の適切な材料から作ることができる。
【0128】
また、サンプル保持具は1個または複数の追加の冷却手段を含むことができ、本実施例において2個のヒートシンク20が示される。サンプル保持具位置の各々に1個、この場合6個のヒートシンク20が存在することが好ましい。ヒートシンク20は、冷却することができ(例えば、それを冷凍プレートまたは他の手段の上に置くことによって)、サンプルの上部表面、すなわち、それが置かれるサンプル保持具から離れたサンプルの部分に置くことのできる本質的に適切なサイズの対象物である。これはサンプルの冷却/冷凍の加速を助け、サンプル組織中に形成される氷などの前述の問題の発生を低減する。各ヒートシンク20は適切な材料から作ることができ、特定のサンプル冷凍要求に適した必要なサイズと質量を与えることができる。この場合、各ヒートシンクは概略円筒状であり金属から作られる。各ヒートシンクはハンドル22(この場合、取っ手)を含み、これによって使用者は冷凍プレートの上部表面からヒートシンクをより容易に持ち上げることができる。
【0129】
また、冷凍プレートは、サンプル保持具の配置と取り出しを容易にするために、冷凍プレートの上部表面からヒートシンクを支持するための手段も含む。本実施例において、手段は側部搭載プレート24を含み、これは絶縁材料から作ることができる。側部搭載プレート24は1個または複数のスロット26(この場合、6個のスロット、すなわちヒートシンク20あたり1個)を含む。各スロットは冷凍プレートの上部表面に垂直に展延し、それぞれのサンプル保持具に隣接して、またはサンプル保持具が使用中に置かれる位置に配置される。次いで、各ヒートシンク20は、スロット26中に展延するアーム28を含み、スロットを上下に、すなわち、冷凍プレートの上部表面に向かって、および離れて動かすことができる。スロット26およびアーム28は、使用者が開放するとき、ヒートシンク20の重量がアーム28をスロット26中に「押し込み」、それによってヒートシンク20をそのそれぞれのサンプル保持具の上に懸架するように互いに適切な寸法にすることができる。ヒートシンク20(したがって、アーム28)を動かすことによって、使用者はスロット中のアームを「取り出し」、使用者が望むように冷凍プレートに向かって、または離れてヒートシンクを動かすことができる。本実施例において、アーム28の端部はスロット26のそれぞれの円筒部分32に配置された円筒部分30を組み込む。
【0130】
スロット26の上端部34は、アーム28をスロット26中に挿入するのを容易にするために、適切な形状にすることができる。本実施例において、スロットの円筒部分32の上端部(すなわち、冷凍プレートから最も遠い端部)が皿穴にされる。
【0131】
前述のように、冷却チャンバはナイフブレードを搭載することのできるナイフブレード保持具を含む。「巻き付き防止プレート」を有するナイフブレード保持具を提供することは知られており、その目的は、サンプルから取り出した薄片が、そのサンプル薄片を分析のためにスライド上に搭載することを困難にし、または不可能にすることのある巻き付きまたは湾曲を防止することである。巻き付き防止プレートの動作を確実に効果的にするために、ブレードに対する巻き付き防止プレートの角度およびブレードから巻き付き防止プレートへの距離を調節する必要があるため、現在の巻き付き防止プレートは組み立てが非常に困難かつ面倒である。これらの問題のいくつかまたは全てを低減するための、本発明の態様を実施する巻き付き防止プレート保持具は図5に示される。
【0132】
見てわかるように、巻き付き防止プレート保持具は一般に3方側面枠40であり、その中に巻き付き防止プレート42が取り外し自在に配置可能である。典型的に巻き付き防止プレート42はガラスから作られる。巻き付き防止プレート保持具40はシャフト44を含み、それによって使用中にナイフブレード保持具(図示されない)に取り付けられる。ナイフブレード保持具に取り付ける手段は、それをナイフブレードに対して正しい位置に配置することを可能にする。
【0133】
巻き付き防止プレート保持具は、巻き付き防止プレートを保持具内の正しい位置に自動的に配置する手段を含むため、これは、所望の巻き付き防止の機能を得るために、使用中に巻き付き防止プレートがブレードに対して正しい位置にあることを確実にするのを助ける。本実施例において、巻き付き防止プレートを正しい位置に自動的に配置する手段は、保持具中の所望の位置に巻き付き防止プレートを押し込む偏向手段によって提供される。これらの偏向手段は1個または複数のバネ手段、(この場合)2個のバネ46によって提供することができる。図6はバネ46の1つ、この場合図5の左側バネを示す。
【0134】
本実施例において、各バネ46は、2個のアーム47および48を有する各バネによって巻き付き防止プレートを2つの分離した方向に偏向させる。アーム47は巻き付き防止プレートの外側面(すなわちブレードから最も離れた面)を使用中のブレードの方向に押圧する。巻き付き防止プレート保持具を適切な寸法にすることは、巻き付き防止プレート保持具がナイフブレード保持具上に配置されるとき、巻き付き防止プレートがブレードから常に固定距離にあることを意味する。
【0135】
各バネ46の第2の偏向機能は、本実施例において、巻き付き防止プレートの下端部を1個または複数(この場合、2個)の停止部50に対して押圧するバネアーム48によって提供される。再び、これは巻き付き防止プレートを保持具内の正しい位置に保持するのを助ける。これらのバネの使用によって、何ら機械的な固定を開放する必要なく、または工具を使用することなく、ガラス巻き付き防止プレートの取り外しまたは交換が可能になる。ガラス巻き付き防止プレートは、容易に位置に留まり正しい運転位置にしっかり保持される。
【0136】
図7および図8は、本発明によるクリオスタットを運転することのできるタッチ画面表示の実施例を示す。この特定の実施例において、表示は、切断厚さ(ミクロン)、冷凍プレートの温度、チャンバの温度、および試料の温度(全て℃で)の4項目の情報を表示している。また、使用者が必要な測定パラメーターを調節するために用いることのできる一対の矢印キー60がある。この場合、図7において、チャンバ温度が選択され、次いで矢印キーはチャンバ温度を制御するために機能する。図8において、切断厚さが選択され、再び、矢印キーを用いてそれを調節することができる。また、表示は前述のようなクリオスタットまたは表示のさらに他の機能にアクセスするために用いることができる「選択肢」キーを示す。
【0137】
図9は、ミクロトームヘッドの重量との釣合いを助けることを目的とする本発明のさらに他の態様の実施例を示す。前に説明したように、ミクロトームヘッド6はサンプル7を保持し、クリオスタットの運転者によって、例えば、回転ハンドル9を用いて、ブレード5に対して上下に動かすことが可能である。ヘッドが上下しなければならないため、ヘッドの重量はその最も下の位置に戻って留まる傾向があることを意味する。これは使用者に対する機械の「感触」に影響を与えるため、本発明の本態様は、ミクロトームヘッドが最も下の位置に戻る傾向に対抗して、ミクロトームヘッドを動かす駆動機構に適切な大きさの摩擦を提供することを目的とする。また、従来技術に知られているように、ヘッドの重量は駆動機構に固定された釣合い錘によって概略釣合わせることができる。
【0138】
図9は、シャフト70を回転させるために用いられるハンドル9を示す。シャフト70はクリオスタットのハウジングの様々な壁、この場合、シャフト70を支持する壁71および72を貫通する。次いでシャフト70の対向端部(任意の他の適切な位置に配置することができるが)に、ミクロトームヘッド動作機構を駆動するために用いられる駆動ベルト(図示されない)用のプーリー73がある。
【0139】
また、シャフト70はそれが壁71、72を貫通する際にブッシュ74によって支持される。
【0140】
本実施例において、所望の摩擦は、シャフトによって回転されまたはシャフトと一緒に回転されて固定表面を押圧する摩擦部材(この場合、カラー76)によって提供される。この場合、固定表面は壁71の一部である。本実施例において、カラー76はシャフト70と同軸である、すなわち、その周りに取り付けられ、使用中に壁71を摩擦する。
【0141】
カラー76は、任意の適切な手段によってシャフトに固定することができる。本実施例において、カラー76は1個または複数のピン(図示されない)を用いてシャフトに固定される。カラー76をシャフト70に取り付けるピンまたは複数のピンは、シャフト70に設けられたそれぞれの溝の中を滑ることができることが好ましい。この溝または複数の溝はシャフトの主軸方向、すなわち、シャフトの長さに沿って走り、それによってカラー76はシャフトに沿って動くことが可能になる。これは、シャフト70に対して(したがって、壁71の摩擦表面に対して)カラー76の位置を調節可能にし、それによって、本発明のこの態様によって提供される摩擦の大きさを調節する。
【0142】
図9に示したように、本実施例において、シャフト上のカラー76の位置は、シャフト上に固定されて、この場合バネ80の偏向手段によってカラー76に接続された、さらに他のカラー78によって決定される。
【0143】
バネ80は、カラー76を壁71に対して押し付け、所望の大きさの摩擦を与える。摩擦の大きさは所要の量の偏向を有する偏向手段(例えば、バネ)の選択によって調節することができる。
【0144】
本発明は、あらゆるその態様における本発明の範囲から逸脱することなく、当業者であれば容易に明らかになるであろう上記実施形態の任意の変更、修正、および代替の応用を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の態様を組み込むクリオスタットの斜視図である。
【図2】図1のクリオスタットの冷却チャンバの上面図である。
【図3】本発明の態様を組み込む冷凍プレートの斜視図である。
【図4】本発明の態様を組み込む冷凍プレートのさらに他の斜視図である。
【図5】本発明の態様を組み込む巻き付き防止プレートの斜視図である。
【図6】図5の巻き付き防止プレート中に用いるためのバネの図である。
【図7】本発明の態様によるタッチ画面を示す図である。
【図8】本発明の態様によるタッチ画面を示す図である。
【図9】図1のクリオスタットに用いるための本発明の態様による摩擦デバイスの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却チャンバ中の温度を下げるための冷却チャンバ流体供給手段を有する冷却チャンバと、サンプル冷却手段の温度を下げるためのサンプル冷却流体供給手段を有するサンプル冷却手段とを含むクリオスタットであって、サンプル冷却流体供給手段が冷却チャンバ流体供給手段と分離している、クリオスタット。
【請求項2】
サンプル冷却手段が冷却チャンバ内に配置される、請求項1に記載のクリオスタット。
【請求項3】
サンプル冷却流体供給手段が第1圧縮機を含み、冷却チャンバ流体供給手段が第1圧縮機とは分離した第2圧縮機を含む、請求項1または2に記載のクリオスタット。
【請求項4】
冷却チャンバ流体供給手段とサンプル流体冷却供給手段のいずれか、または両方が2個以上の圧縮機を含む、請求項3に記載のクリオスタット。
【請求項5】
サンプル冷却流体供給手段が、−30℃〜−70℃の範囲の温度に冷却可能である、請求項1から4のいずれかに記載のクリオスタット。
【請求項6】
サンプル冷却流体供給手段が、−45℃〜−65℃の範囲の温度に冷却可能である、請求項5に記載のクリオスタット。
【請求項7】
サンプル冷却手段がサンプル冷却流体供給手段に熱的に接触している熱伝導性材料の塊を含む冷凍プレートである、請求項1から6のいずれかに記載のクリオスタット。
【請求項8】
クリオスタットがクリオスタットミクロトームであり、クリオスタットミクロトームがサンプル搭載台と、ミクロトームのサンプル搭載台を冷却するためのサンプル搭載台流体供給手段とを含み、サンプル搭載台流体供給手段がサンプル冷却流体供給手段と冷却チャンバ流体供給手段から分離している、請求項1から7のいずれかに記載のクリオスタット。
【請求項9】
クリオスタットが、冷却チャンバの温度を制御するための冷却チャンバ温度制御手段と、サンプル冷却手段の温度を制御するためのサンプル冷却温度制御手段とを含み、冷却チャンバとサンプル冷却手段の温度を分離して制御することができる、請求項1から8のいずれかに記載のクリオスタット。
【請求項10】
冷却チャンバとサンプル冷却手段を有するクリオスタットの運転方法であって、冷却チャンバの温度とサンプル冷却手段の温度が分離して制御される、方法。
【請求項11】
クリオスタットが請求項1から9のいずれか一項に定義されるものである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
サンプル冷却表面を有するサンプル冷却手段を用いてサンプルまたはサンプル保持具を冷却する方法であって、凍結点の低い液体をサンプル冷却表面に加えてサンプル冷却表面の少なくとも部分を被覆し、サンプルまたはサンプル保持具を凍結点の低い液体に熱的に接触させる、方法。
【請求項13】
凍結点の低い液体が約−20℃を下回る凍結点を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
凍結点の低い液体が約−40℃を下回る凍結点を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
凍結点の低い液体が約−60℃を下回る凍結点を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
凍結点の低い液体が水と相溶性である、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
凍結点の低い液体が、室温で約10重量%までの水濃度に水との混合物を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
凍結点の低い液体が、主成分として非毒性の有機化合物を含む、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
凍結点の低い液体が、低分子量の有機化合物である、請求項12から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
凍結点の低い液体が、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項12から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
サンプル冷却表面を有するサンプル冷却手段であって、サンプル冷却手段が、サンプル冷却表面の少なくとも部分を被覆するように、凍結点の低い液体を保持するための液体保持手段を含む、サンプル冷却手段。
【請求項22】
サンプル冷却手段が冷凍プレートである、請求項21に記載のサンプル冷却手段。
【請求項23】
保持手段が隆起したリップを含む、請求項22に記載のサンプル冷却手段。
【請求項24】
隆起したリップが0.5〜5mmの範囲の深さを有する、請求項23に記載のサンプル冷却手段。
【請求項25】
隆起したリップが0.5〜2mmの範囲の深さを有する、請求項24に記載のサンプル冷却手段。
【請求項26】
保持手段がサンプル冷却表面中に1個または複数の窪みまたはめくら孔を含む、請求項21から25のいずれか一項に記載のサンプル冷却手段。
【請求項27】
サンプル冷却手段が、サンプル冷却手段の温度を下げるためのサンプル冷却流体供給手段を含む、請求項21から26のいずれか一項に記載のサンプル冷却手段。
【請求項28】
サンプル冷却手段がクリオスタットの部分である、請求項21から26のいずれか一項に記載のサンプル冷却手段。
【請求項29】
クリオスタットがクリオスタットミクロトームである、請求項28に記載のサンプル冷却手段。
【請求項30】
ミクロトームヘッドと、ヘッドを動かすための駆動機構と、ミクロトームヘッドと釣合わせるための摩擦発生手段とを有し、摩擦発生手段が駆動機構の回転可能なシャフトに付属し、摩擦発生手段が、シャフトが回転するとき、表面に対して動いてシャフトの回転に抵抗を与えるように、回転可能なシャフトの軸の周りを回転可能である、ミクロトーム。
【請求項31】
摩擦発生手段がシャフトと一緒に回転するようにシャフトに接続される、請求項30に記載のミクロトーム。
【請求項32】
摩擦発生手段が、シャフトと同軸であるようにシャフトに接続される、請求項30または31に記載のミクロトーム。
【請求項33】
摩擦発生手段がシャフトの周りに同軸に配置されたカラーを含む、請求項30から32のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項34】
カラーがピンおよびネジから選択される固定手段によってシャフトに固定される、請求項33に記載のミクロトーム。
【請求項35】
摩擦発生手段が、シャフトに摺動可能に軸方向に接続された第1部材と、第1部材を表面に押圧するための弾性手段とを含む、請求項30から34のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項36】
弾性手段が第1部材と第2部材の間に配置されるように、摩擦発生手段がシャフトに固定された第2部材を含む、請求項35に記載のミクロトーム。
【請求項37】
弾性手段がバネである、請求項35または36に記載のミクロトーム。
【請求項38】
第1部材がピンおよび対応するスロットによって軸方向に摺動可能にシャフトに接続される、請求項35から37のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項39】
摩擦発生手段が、シャフトと一緒に回転しない部材の摩擦発生表面に接触している摩擦発生表面を有する、請求項29から33のいずれかに記載のミクロトーム。
【請求項40】
部材がミクロトームシャーシに対して固定される、請求項39に記載のミクロトーム。
【請求項41】
摩擦発生手段が面して動く表面がミクロトームシャーシの部分である、請求項29から34のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項42】
表面がミクロトームシャーシの壁の表面である、請求項41に記載のミクロトーム。
【請求項43】
ミクロトームがクリオスタットミクロトームである、請求項30から42のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項44】
ミクロトームが、ミクロトームヘッドに釣合わせる摩擦を発生するためのバネ装填したローラおよびタイミングベルトを含まない、請求項30から43のいずれか一項に記載のミクロトーム。
【請求項45】
ミクロトームの駆動機構の回転可能なシャフトに付属する摩擦発生手段を提供するためにミクロトームを修正する方法であって、摩擦発生手段が、シャフトが回転するとき、表面に対して動いてシャフトの回転に抵抗を与えるように、回転可能なシャフトの軸の周りを回転可能である、方法。
【請求項46】
摩擦発生手段が請求項30から42のいずれか一項に定義されたものである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
クリオスタットを制御するために使用者が制御命令を入力することのできる入力手段を備える制御ユニットを有するクリオスタットであって、入力手段がタッチ画面表示を含み、入力機能を1つまたは複数の表示機能と結合する、クリオスタット。
【請求項48】
タッチ画面表示を経由して入力することのできる入力制御命令が、クリオスタット内の1つまたは複数の領域内の測定温度、サンプル切断厚さ、試料温度、冷凍プレート温度、およびチャンバ温度から選択される1つまたは複数を含む、請求項47に記載のクリオスタット。
【請求項49】
タッチ画面表示が、使用者の入力に応答して、異なる時間に異なる種類の情報を表示するように構成される、請求項47または48に記載のクリオスタット。
【請求項50】
制御ユニットが、クリオスタットを運転するために使用者がタッチ画面表示を経由して保安コードを入力する必要のある保安手段を含む、請求項47から49のいずれか一項に記載のクリオスタット。
【請求項51】
制御ユニットが、使用者の入力に応答して、タッチ画面表示に異なる言語を表示するように構成する、請求項47から50のいずれか一項に記載のクリオスタット。
【請求項52】
タッチ画面表示が、複数の異なる設定を調節するために用いることのできる共通の一組のボタンを提供する、請求項47から51のいずれか一項に記載のクリオスタット。
【請求項53】
共通の一組のボタンが上矢印キーおよび下矢印キーを含む、請求項52に記載のクリオスタット。
【請求項54】
タッチ画面表示上に異なる情報が表示されるとき、共通の一組のボタンのサイズ、形状、配置の1つまたは複数が変化する、請求項52または53に記載のクリオスタット。
【請求項55】
クリオスタットがクリオスタットミクロトームである、請求項47から54のいずれか一項に記載のクリオスタット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−513761(P2008−513761A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531831(P2007−531831)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003583
【国際公開番号】WO2006/030231
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(505269478)サーモ シャンドン リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Thermo Shandon Limited
【住所又は居所原語表記】93−96 Chadwick Road, Astmoor, Runcorn, Cheshire WA7 1PR (GB)
【Fターム(参考)】