チャンバーアイソレーションバルブのRF接地
【課題】 プラズマ処理チャンバーのアイソレーションバルブの周囲のプラズマ漏洩を防止する方法及び装置を提供する。
【解決手段】このバルブを接地するための方法及び装置が提供される。一般に、この方法は、導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避する。一実施形態では、エラストマー部材は、このバルブのドアに取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉位置にあるときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の実施形態では、導電性エラストマー部材は、アイソレーションバルブの突っ張り部材に取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【解決手段】このバルブを接地するための方法及び装置が提供される。一般に、この方法は、導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避する。一実施形態では、エラストマー部材は、このバルブのドアに取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉位置にあるときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の実施形態では、導電性エラストマー部材は、アイソレーションバルブの突っ張り部材に取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、電子デバイスの製造に係り、より詳細には、プラズマ処理チャンバーのアイソレーションバルブの周囲のプラズマ漏洩を防止するための方法及び装置に係る。
【0002】
関連技術の説明
[0002]基板処理チャンバーは、通常、水平に向けられた基板の挿入及び除去を受け容れるために広くて且つ比較的短いシール可能な開口を通して基板移送チャンバーと連通する。このような開口をシールするために、スリットバルブとしても知られているチャンバーアイソレーションバルブを使用することが知られている。例えば、チャンバーアイソレーションバルブのドアとしても知られているシールプレートを延ばして開口をシールすると共に、これを引っ込めて開口に基板を通過するのを許容することができる。チャンバーアイソレーションバルブは、(1)運転中の擦り摩擦及び又は繰り返し金属対金属接触による粒子の発生、及び(2)弾力性シール素子の非均一な圧縮、の問題を回避する設計であるのが好ましい。
【0003】
[0003]基板処理チャンバーのサイズが増加し、基板をプラズマ処理するのに必要なプラズマ電力が10kWを越えると、このようなチャンバーにプラズマを完全に収容することが問題となる。通常、電気的に接地された導電性表面、例えば、金属性のチャンバー壁が、基板処理中にPVD、PECVD又は他のプラズマ処理チャンバーに存在するプラズマを実質的に収容する。しかしながら、ある場合には、処理チャンバーから、閉じたアイソレーションバルブドアを越えて隣接チャンバーへと脱出するプラズマ漏洩が生じる。これは、特に、非常に大きな基板、即ち約1000mmx1000mmより大きな基板を処理するチャンバーについて言えることである。
【0004】
[0004]従って、チャンバーアイソレーションバルブを接地して、そのアイソレーションバルブを越えるプラズマ漏洩を防止しながら、アイソレーションバルブの要素とそれに関連したシール表面との間の金属対金属接触を回避するための改良された方法及び装置が要望される。この改良された方法及び装置は、チャンバー間の大きな圧力差に対するアイソレーションバルブの動作に適用できねばならない。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の実施形態は、チャンバーアイソレーションバルブを接地するための方法及び装置を提供する。一般に、この方法は、1つ又は複数の導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避するものである。
【0006】
[0006]一実施形態では、エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉位置に配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【0007】
[0007]別の実施形態では、導電性エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【0008】
[0008]別の実施形態では、アイソレーションバルブを電気的に接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素、例えば、チャンバー壁にしっかり取り付けられる。エラストマー部材は、接地された要素の表面と実質的に平らになるように、接地された要素に埋め込まれてもよい。アイソレーションバルブの1つ又は複数の導電性部材は、ドアが閉位置にあるときにエラストマー部材と接触させられる。1つ又は複数の導電性部材は、アイソレーションバルブのドア、アイソレーションバルブの突っ張り部材、及び/又はその両方と電気的連通されてもよい。
【0009】
[0009]別の実施形態では、上記実施形態を組み合せて使用してチャンバーアイソレーションバルブを電気的に接地する。例えば、導電性エラストマー部材を、アイソレーションバルブのドア及び突っ張り部材上に構成してもよい。
【0010】
[0010]別の実施形態では、チャンバーアイソレーションバルブを接地する方法は、そのアイソレーションバルブを閉じた位置へ移動するステップと、導電性エラストマー部材によりチャンバーアイソレーションバルブとプラズマ処理システムの接地された要素との間に電気的接触を確立するステップとを備えている。1つの態様において、エラストマー部材は、アイソレーションバルブのドア及び/又は突っ張り部材にしっかり取り付けることができる。別の態様において、導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素に埋め込まれ、又、チャンバーアイソレーションバルブの導電性部材は、そのアイソレーションバルブが閉位置へ移動されたときにエラストマー部材に接触させられる。導電性部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドア又は突っ張り部材のいずれかと電気的に連通してもよい。
【0011】
[0011]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【0012】
[0022]明瞭化のために、図面間で共通である同一素子を示すのに、できる限り、同じ参照番号を使用する。
【詳細な説明】
【0013】
[0023]チャンバーアイソレーションバルブを接地するための方法及び装置について開示する。一般に、この方法は、1つ又は複数の導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避するものである。1つの態様では、エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉じた位置に配置されたとき、即ちプラズマ処理チャンバーにおける基板処理中に、プラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の態様では、導電性エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の態様では、アイソレーションバルブを接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素、例えば、チャンバー壁にしっかり取り付けられ、アイソレーションバルブの1つ又は複数の導電性部材は、ドアが閉じた位置にあるときにエラストマー部材と接触させられる。1つ又は複数の導電性部材は、アイソレーションバルブのドア、アイソレーションバルブの突っ張り部材、及び又はその両方と電気的連通されてもよい。
【0014】
[0024]図1は、本発明から利益を得るように適応できる例示的基板処理システム10の概略平面図である。この基板処理システム10は、ロードロック20と、移送チャンバー30と、移送ロボット31と、複数の基板処理チャンバー40及び50とを含むことができる。ロードロック20は、システム全体を大気圧に加圧せずに基板処理システム10の真空環境に1つ以上の基板を導入するのを許容する。基板は、処理チャンバー40及び50で処理される。基板処理チャンバー40及び50は、例えば、物理的気相堆積(PVD)及びプラズマエンハンスト化学気相堆積(PECVD)のようなプロセスを基板に対して実行することができる。通常、基板処理チャンバー40及び50は、不適合のプロセスガスの侵入を最小にするために、且つ異なるプロセスが著しく異なる真空レベルを必要とすることがあるので、互いに分離されねばならない。移送チャンバー30内の移送ロボット31は、基板処理チャンバー40及び50とロードロック20との間で必要に応じて基板(図示せず)を移送する。通常、基板処理システム10の各チャンバーは、1つ以上のチャンバーアイソレーションバルブにより他の全てのチャンバーから分離することができる。ある場合には、チャンバーアイソレーションバルブのためのメカニズムは、実質的に移送チャンバー30内に置かれる。フラットパネルディスプレイの形成に使用されるような大きな基板については、基板処理システム10の移送チャンバー30、ロードロック20、或いは基板処理チャンバー40又は50にチャンバーアイソレーションバルブを置くことが一般的に不可能である。むしろ、チャンバーアイソレーションバルブは、通常、移送チャンバー30と、バルブハウジング105内のその関連チャンバーとの間に置かれる。
【0015】
[0025]チャンバーアイソレーションバルブ及びアイソレーションバルブドアは、主として、金属性即ち導電性の要素より成るが、非導電性シール、ガスケット及び他の部材を使用すると、アイソレーションバルブドアのための接地路が不良又は不存在になることがしばしばある。例えば、図2は、前部プレートシール面121aに対して閉じることによりチャンバー開口102をシールするチャンバーアイソレーションバルブドア107の概略側面図である。チャンバー開口102は、処理チャンバーPの電気的に接地された外壁を貫通して形成されるか、又はバルブハウジング105の電気的に接地された前部プレート121を貫通して形成される。バルブハウジング105及び前部プレート121は、図4A、4B及び4Cに明確に示されており、これについて以下に詳細に述べる。チャンバーアイソレーションバルブドア107を、その閉位置において前部プレートシール面121aに対して電気的に接地するために、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間に金属対金属接触を形成しなければならない。しかしながら、処理チャンバーの通常運転中における可動部品間の金属対金属接触は、受け容れられない粒子汚染レベルを発生することが知られている。むしろ、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、チャンバー開口102を真空密状態でシールするエラストマーシール部材198を備え、これは、通常、金属性のチャンバーアイソレーションバルブドア107が金属性の前部プレートシール面121aに接触するのを防止するサイズとされる。これは、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間に狭いギャップ125aを残す。従って、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、電気的に接地されず、バルブハウジング105及び移送チャンバー30を、処理チャンバーに発生されたプラズマからシールドしない。
【0016】
[0026]このために、処理チャンバー40又は50に形成されたプラズマは、チャンバー開口102においてシールドされず、チャンバーアイソレーションバルブドア107を越えてバルブハウジング105及び/又は移送チャンバー30へ脱出する。処理チャンバー40又は50からのプラズマ漏洩に関連した1つの問題は、移送チャンバー30及びバルブハウジング105の表面に材料の望ましからぬ堆積が生じ、後になって、基板にダメージを及ぼす粒子汚染を発生するかもしれないことである。別の問題は、移送チャンバー30におけるプラズマの存在が、プラズマエッチングによりプラズマに露出される表面にダメージを及ぼし、その表面の粗面度を増加するかもしれないことである。これらの表面は、清掃が困難であり、修理又は交換しない限り、粒子汚染を増大して基板にダメージを及ぼすことになり得る。第3の問題は、移送チャンバー30及び/又はバルブハウジング105内の要素が荷電し及び要素からアークが発生する可能性があることである。アーク発生は、処理システム10で処理されている基板に甚だしい粒子汚染を引き起こし、このような基板に直接的に甚だしいダメージを及ぼし、且つ処理システム10内の繊細な要素にダメージを及ぼすことにもなり得る。
【0017】
[0027]ある形式の基板処理ステップ中に、処理チャンバー40及び/又は50と移送チャンバー30との間に圧力差が存在して、処理チャンバー40又は50内の高い圧力がチャンバーアイソレーションバルブのシールプレート又はドアを外方に押すことがある。従って、チャンバーアイソレーションバルブは、ストレス及び疲労を受け、これらは、両方とも、圧力差が高くなるにつれて増加する。フラットパネルディスプレイに使用されるもののような大きな基板を扱うときには、チャンバーアイソレーションバルブのドアが大きな開口をシールしなければならないので、圧力差の影響が激しくなる。
【0018】
[0028]エラストマーを説明するときに使用する「導電性」とは、電流の導通性が必ずしも金属物質と同じでないが、体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である材料を指す。「Oストリップ」、「Dストリップ」及び「Pストリップ」は、エラストマー押出し成形品で、本発明の幾つかの実施形態に使用できるエラストマー部材の実施例である。図3A、図3B及び図3Cは、各々、「Oストリップ」、「Dストリップ」及び「Pストリップ」のセグメントを示す。
【0019】
[0029]図4A−図4Cは、本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブ101を示している。このチャンバーアイソレーションバルブ101は、隣接処理チャンバーP(図4Aに仮想線で示す)への開口102(図4Aに仮想線で示す)をシールして、処理チャンバーPに収容された基板を処理するための該チャンバーの加圧を許容する。図2に示すように、エラストマーシール部材198は、チャンバーPの加圧を許容するのに必要なシールを開口102の周りに形成する。
【0020】
[0030]従来のチャンバーアイソレーションバルブは、通常、フラットパネルのような大きな基板のプラズマ処理に関連した大きな圧力差を受け容れるように設計されていない。アイソレーションバルブドアが閉じたときに該ドアに支持性の突っ張り力を作用させる可動の突っ張り部材をチャンバーアイソレーションバルブに組み込んだ改良された装置及び方法が開発された。突っ張り部材及び突っ張り力をチャンバーアイソレーションバルブに組み込んだ方法及び装置は、図4A、図4B及び図4Cを参照して以下に詳細に説明すると共に、2004年5月12日に出願された「Methods and Apparatus For Sealing an Opening of a Processing Chamber」と題する米国特許出願第10/844,974号にも説明されている。
【0021】
[0031]図4A−図4Cを参照すれば、チャンバーアイソレーションバルブ101は、チャンバー開口102をシールするための蓋部材103を備えることができる。更に、チャンバーアイソレーションバルブ101は、バルブハウジング105を備え、その中に、蓋部材103の少なくとも一部分を可動配置することができる。チャンバーアイソレーションバルブ101を処理チャンバーPの開口102に関連して使用するのを許容するために、チャンバーアイソレーションバルブ101のバルブハウジング105は、該バルブハウジング105と、シールされるべき処理チャンバー開口との間にシール(図示せず)を形成するように、処理チャンバーに対抗する状態に入れることができる。
【0022】
[0032]蓋部材103は、チャンバー開口102をシールするためにチャンバーアイソレーションバルブドア107を備えることができる。例えば、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、チャンバー開口102と整列されたバルブハウジング105への開口をシールすることにより、チャンバー開口102を間接的にシールするように使用されてもよい。或いは又、バルブハウジング105が存在しないときには、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、該チャンバーアイソレーションバルブドア107がチャンバー開口102の周りをシールするように、処理チャンバーPと直接接触状態(図示せず)に入れられてもよい。
【0023】
[0033]蓋部材103は、更に、チャンバーアイソレーションバルブドア107に対して可動である突っ張り部材109を含むことができる。例えば、突っ張り部材109は、チャンバーアイソレーションバルブドア107から離れるように延びたりそれに向かって引っ込んだりするように適応され得る。更に、突っ張り部材109は、例えば、チャンバーアイソレーションバルブドア107が上述したようにチャンバー開口102をシールする位置にあるときに、チャンバーアイソレーションバルブドア107を突っ張り又は支えるように適応され得る。このような構成は、処理チャンバーP内の正圧力に対抗するに必要な力の大きさを減少するという点で、一般に使用されている片持ち梁構成に比して本来効率が良い。
【0024】
[0034]チャンバー開口102に対して蓋部材103の移動を与えるために、蓋部材103は、チャンバーアイソレーションバルブドア107から下方に延びる延長部分111も含むことができる。このような実施形態では、チャンバーアイソレーションバルブドア107から離れるように離間された延長部分111の端を、バルブハウジング105の内部又は外部に配置されたアクチュエータにより操作するように適応させることができる。これは、例えば、延長部分111によりチャンバーアイソレーションバルブドア107及び突っ張り部材109を一緒に移動することにより、蓋部材103を1つのユニットとして移動できるようにする。例えば、蓋部材103は、図4B及び図4Cに各々示すチャンバーアイソレーションバルブ101の構成と構成との間で延長部分111をチャンバー開口102に近付け及び/又は離すことにより、水平方向に移動させることができる。或いは又、蓋部材103は、図4A及び4Bに各々示すチャンバーアイソレーションバルブ101の構成と構成との間で延長部分111により垂直方向に移動させることもできる。
【0025】
[0035]バルブハウジング105は、エンクロージャー113と、該エンクロージャー113への第1開口115と、該エンクロージャー113への第2開口117とを画成することができる。第1開口115は、通常、移送チャンバー30に隣接し、その内部へのアクセスを許容する。図4A−4Cに示すように、第1開口115及びエンクロージャー113は、チャンバー開口102との共通軸に沿って整列されると共に、蓋部材103が開位置にあるときにバルブハウジング105を経て処理チャンバーPへ及び処理チャンバーPから基板を通過させるのを許容するサイズにされる。第2開口117は、該第2開口117が本質的にチャンバー開口102の延長部を形成するように、チャンバー開口102と空気連通状態に入れることができる。
【0026】
[0036]大きな圧力差が存在するときに処理チャンバーをシールするように意図されたチャンバーアイソレーションバルブ101の実施形態では、バルブハウジング105は、更に、第1開口115が形成される後部プレート119を含むことができる。後部プレート119は、以下に詳細に述べるように、突っ張り部材109がこの後部プレート119に接触してこの後部プレート119を押し、シール中に蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107に突っ張りを与えるよう適応され得る。バルブハウジング105は、更に、第2開口117が形成される前部プレート121を含むことができる。前部プレート121は、蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107がこの前部ドア121に接触して、第2開口117の周りをシールするよう適応され得る。或いは又、上述したように、チャンバーアイソレーションバルブドア107が処理チャンバーPに直接接触してチャンバー開口102をシールしてもよい。
【0027】
[0037]運転中に、図4Aに示すように、チャンバーアイソレーションバルブ101の蓋部材103は、第1及び第2開口115及び117に対して引っ込んだ位置をとるように適応され、ここでは、蓋部材103が第1及び第2開口115及び117から離間される(例えば、下に)。このような構成は、バルブハウジング105を経て処理チャンバーPへ及び処理チャンバーPから基板を通過させるのを許容する。又、図4Aに示すように、バルブハウジング105のエンクロージャー113は、チャンバーアイソレーションバルブドア107及び突っ張り部材109を予備空間と共に包囲するのが好ましい。これは、突っ張り部材109と後部プレート119との間に第1ギャップ123を、更に、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121との間に第2ギャップ125を与える。第2ギャップ125は、図2に示す狭いギャップ125aより若干広く、それとは区別される点に留意されたい。蓋部材103の垂直方向移動中に、即ちチャンバーアイソレーションバルブ101の開閉中に、第1及び第2のギャップ123及び125が維持される。第1及び第2のギャップ123及び125の存在は、チャンバーアイソレーションバルブドア107と表面121a及び121bとの間、及び突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間の粒子発生摩擦を回避する。
【0028】
[0038]図4Bは、蓋部材103が第1及び第2開口115及び117の前方に配置されたが、バルブハウジング105の第2開口117に対して引っ込んだ即ち非シール位置にあるところを示している。蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121との間には第2ギャップ125が依然として存在する。図4Cは、蓋部材103が完全に閉じた位置に配置され、即ちチャンバーアイソレーションバルブドア107が前部プレート121の表面121a及び121bに接触して、エラストマーシール部材198でバルブハウジング105の第2開口117に対してシールを形成した後の蓋部材103を示している。接触面121a及び121bが図5に示されている。図4Cには明確に示されていないが、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121の金属前部プレートシール面121a及び121bとの間には狭いギャップ125a(図2を参照)が依然として存在する。狭いギャップ125a及びエラストマーシール部材198は、図2に明確に示されている。好ましくは、図4B及び4Cに示すチャンバーアイソレーションバルブ101で証明されるように、チャンバーアイソレーションバルブドア107の移動は、摩擦による粒子発生を減少及び/又は排除するために、前部プレート121に対して直角である。
【0029】
[0039]大きな圧力差が存在するときに処理チャンバーをシールするように意図されたチャンバーアイソレーションバルブ101の実施形態では、図4Cに示すように、チャンバーアイソレーションバルブ101は、チャンバーアイソレーションバルブドア107に対して突っ張り部材109を移動する分離力を発生し、突っ張り部材109をチャンバー開口102から離すよう移動してバルブハウジング105の後部プレート119に接触させるように適応され得る。或いは又、突っ張り部材109は、移送チャンバー(図示せず)の一部分に接触させられてもよいし、又はチャンバーアイソレーションバルブドア107が前部プレート121又は処理チャンバーPに接触する前に別の構造部材に接触させられてもよい。この態様では、チャンバーアイソレーションバルブ101は、次いで、突っ張り部材109をチャンバーアイソレーションバルブドア107から離そうとする突っ張り力を発生して、蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107をバルブハウジング105の前部プレート121又は処理チャンバーPに対して突っ張り又は支えることができる。このような突っ張り力は、多数の方法で且つ蓋部材103に対して多数の位置で発生することができ、例えば、空気圧又は他のアクチュエータにより発生することができる。
【0030】
[0040]図5は、バルブハウジング105において図4Bの概略側面図と同じ位置に突っ張り部材109が配置されたチャンバーアイソレーションバルブ101の一実施例を示す縦断面図である。蓋部材103は、第1及び第2開口115及び117の前方に配置されるが、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間のシール接触は確立されていない。チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間には第2ギャップ125(明瞭化のために図5には示されていない)が存在し、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。この実施例では、突っ張り部材109は、少なくとも1つの上部リアクションバンパー109b及び少なくとも1つの下部リアクションバンパー109cを含む。これらのリアクションバンパー109b及び109cは、突っ張り部材109の操作中に粒子の発生を最小にするために、耐久性、弾力性の真空適合材料、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されるのが好ましい。通常、300mmのシリコンウェハ及びフラットパネルディスプレイ基板に必要とされるような比較的広いチャンバーのアイソレーションバルブの場合に、突っ張り部材109は、該突っ張り部材109の頂部及び底部に沿って複数のリアクションバンパーを含むことができる。突っ張り部材109の頂部及び底部に沿って複数のリアクションバンパーが設けられる構成は、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間の金属対金属接触をより回避し易いものである。
【0031】
[0041]本発明の1つの態様では、図5及び6に示された導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブ101のチャンバーアイソレーションバルブドア107にしっかり取り付けられて電気的に連通される。導電性エラストマー部材107aは、シリコーン系のエラストマーであるのが好ましい。チャンバーアイソレーションバルブドア107の電気的接地路として効果的に働くためには、導電性エラストマー部材107aは、その最大体積抵抗率が約0.200Ω−cm、好ましくは、約0.010Ω−cmでなければならない。エラストマーの体積抵抗率は、通常、高い温度に露出した後に変化することに注意するのが重要である。これは、しばしば、エラストマーの体積抵抗率を、新品のときの2又は3倍に増加する。それ故、上述した本発明の好ましい体積抵抗率は、ヒート−エージングの後の、即ちエラストマーの特性を安定化するための熱的な前処理の後の、エラストマーの体積抵抗率を指す。エラストマーは、通常、電気の不良導体であるから、その電気抵抗率を下げるために導電性フィラー材料をエラストマーに追加することができる。導電性フィラーは、銀、銅、アルミニウム、ニッケル及びグラファイトを含むが、これらに限定されない。
【0032】
[0042]図5を参照すれば、導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブドア107が図4Cに示す完全に閉じた位置に配置されたときに、前部プレートシール面121aに接触させられる。導電性エラストマー部材107aは、第2開口117の周囲全体又はその一部分に沿って前部プレートシール面に接触することができる。従って、この態様では、チャンバーアイソレーションバルブドア107の接触部分は、エラストマーシール部材198及び導電性エラストマー部材107aを含む。プラズマ処理は、チャンバーアイソレーションバルブ101が完全に閉じない限り、プラズマ処理チャンバーPにおいて行われず、それ故、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、処理チャンバーPにおいてプラズマ処理が行われるときに接地されて、処理チャンバーPからのプラズマ漏洩を防止する。
【0033】
[0043]図6は、図5に既に示された突っ張り部材109をもつチャンバーアイソレーションバルブ101の部分縦断面図である。チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間には第2ギャップ125が存在する。というのは、チャンバーアイソレーションバルブ101が、前部プレートシール面121aに対して完全に閉じたシール位置に配置されないからである。この実施例では、導電性エラストマー部材107aがPストリップであって、チャンバーアイソレーションバルブドア107の底部周囲に沿って装着される。又、チャンバーアイソレーションバルブ101の幾何学形状に基づいて、Oストリップ又はDストリップ構成を使用することができる。導電性エラストマー部材107aは、該導電性エラストマー部材107aの表面と前部プレートシール面121aとの間に第3ギャップ107bが存在するようにチャンバーアイソレーションバルブドア107に装着される。又、前部プレートシール面121aとエラストマーシール部材198との間には第4ギャップ198aも存在する。導電性添加剤を伴うエラストマー、例えば、導電性エラストマー部材107aとして好ましいものは、真空密シールを形成するように設計されたもの、例えば、エラストマーシール部材198として好ましいエラストマーよりも耐久性が低い傾向があると共に粒子放出の傾向が強い。従って、導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブ101の動作中に大きな力、例えば、エラストマーシール部材198が経験するような力、を受けないのが好ましい。チャンバーアイソレーションバルブドア107でチャンバー開口102をシールするときに生じる力の大部分をエラストマーシール部材198が吸収するのを許容するためには、図6に示すように、第3ギャップ107bが第4ギャップ198aより大きくて、第1間隙C1を形成するのが重要である。チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉じたときに導電性エラストマー部材107aが前部プレートシール面121aに接触するのを確保するためには、間隙C1は、チャンバーアイソレーションバルブドア107がチャンバー開口102をシールするときに生じるエラストマーシール部材198の圧縮を正確に予想するサイズでなければならない。従って、間隙C1は、エラストマーシール部材198のサイズ、組成及びOリンググルーブ設計の関数であると共に、チャンバー開口102をシールするのに使用される突っ張り力の関数である。当業者であれば、この説明を読んだときに、任意の状態に対して必要な間隙C1を計算することができよう。
【0034】
[0044]本発明の上記態様の主要な利益は、チャンバーPに発生されたプラズマを第2開口117においてシールできることである。これは、プラズマがバルブハウジング105に入って、その中の要素を潜在的に汚染し及び/又はそれにダメージを及ぼすのを防止する。しかしながら、比較的大きな処理チャンバー、即ち約1000mmx1000mm以上の基板を処理するチャンバーの場合に、導電性エラストマー部材107aと前部プレートシール面121aとの間の接触が途切れることがある点に注意されたい。これは、チャンバーPが真空であるときにチャンバーPの壁が著しくそれることがあるからである。図4Aを参照すれば、チャンバーPが内方に著しくそれると、前部プレート121がバルブハウジング105のエンクロージャー113から外方に曲がり得ることが明らかであろう。これは、次いで、導電性エラストマー部材107aと前部プレートシール面121aとの間の電気的接続を弱め又は除去することがある。この問題のために、チャンバーアイソレーションバルブドア107への信頼性ある接地接続を確立するには、間隙C1の適切なサイズ決めが重要となる。
【0035】
[0045]或いは又、例えば、導電性エラストマー部材107aへのアクセス性を改善すると共に、エラストマー部材107aの交換に要する時間を最小にするために、導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の上に装着してもよい。しかしながら、この構成では、導電性エラストマー部材107aは、処理チャンバーPに出入りするように移送される基板の経路の真上に位置する表面に繰り返し接触する。従って、基板の潜在的粒子汚染を最小にするために導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の下に装着するのが一般的に好ましい。別の態様では、基板の考えられる粒子汚染を最小にしながら、上からのアクセス性を最大にするために、導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の側部に沿って装着してもよい。
【0036】
[0046]本発明の別の態様では、導電性エラストマー部材109aが突っ張り部材109にしっかり取り付けられており、該部材109aは、突っ張り部材109が基板処理中にチャンバーアイソレーションバルブドア107を位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。従って、この態様では、突っ張り部材109の接触部分は、リアクションバンパー109b、109c及び導電性エラストマー部材109aを含む。
【0037】
[0047]図7は、図5に既に示した突っ張り部材109をもつチャンバーアイソレーションバルブ101の別の部分側面図である。チャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレートシール面121aに対してシールするために突っ張り部材109が後部プレート面119aに対抗して配置されないので、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。この実施例では、導電性エラストマー部材109aはPストリップであり、突っ張り部材109の底部周囲に沿って装着される。突っ張り部材109の幾何学形状に基づいて、Oストリップ又はSストリップ構成を使用してもよい。導電性エラストマー部材109aは、該導電性エラストマー部材109aの面と後部プレート面119aとの間に第5ギャップ198dが存在するように突っ張り部材109に装着される。リアクションバンパー109b(図7には示さず)及び109cの低い弾力性は、チャンバーアイソレーションバルブドア107に突っ張り力を伝達する上で有利である。それ故、リアクションバンパー109b及び109cは、後部プレート面119aに接触するときに真空密シールを形成する上で必要とされないので、エラストマーシール部材198より堅牢な材料で製造されるのが好ましい。
【0038】
[0048]リアクションバンパー109b及び109cは、通常、比較的堅牢な非金属性材料から製造されるので、後部プレート面119aと導電性エラストマー部材109aとの間のギャップである第5ギャップ198dは、第1ギャップ123より若干小さくてもよい。これは、導電性エラストマー部材109aとリアクションバンパー109b及び109cとの間に第2間隙C2を形成する。この間隙C2は、突っ張り部材109がチャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレート121に対して突っ張るように後部プレート119に対抗して配置されたときに蓋部材103と接地された後部プレート119との間に電気的接触が確立されることを保証する。導電性エラストマー部材109aが最初に後部接触面119aに接触するが、エラストマー部材109aは、堅牢なリアクションバンパー109b及び109cに比して非常に弾力性がある。従って、堅牢なリアクションバンパー109b及び109cは、後部プレート119に対して作用される突っ張り力のほとんどを吸収する。本発明の上記態様では、第2間隙C2の正確なサイズは、希望の電気的接触がなされることを確保する上で重要ではない。
【0039】
[0049]導電性エラストマー部材107aについて上述したように、導電性エラストマー部材109aは、チャンバー開口102の上に装着されてもよい。本発明の上記構成は、アクセス性を改善できるが、基板の粒子汚染を潜在的に高めることがある。
【0040】
[0050]別の態様では、リアクションバンパー109b及び109cは、導電性エラストマー部材109aに代わってチャンバーアイソレーションバルブ101を電気的に接地する導電性エラストマー部材として使用されてもよい。本発明の上記構成は、蓋部材103と後部プレート119との間の良好な電気的接触を保証する。しかしながら、この構成は、高い耐久性、低い弾力性及び低い抵抗率を有する非金属性材料がリアクションバンパー109b及び109cに使用された場合しか有効でなく、これは問題となることがある。1つの構成では、上部リアクションバンパー109b及び下部リアクションバンパー109cの両方が導電性部材として使用される。別の構成では、下部リアクションバンパー109cのみが使用される。
【0041】
[0051]別の態様では、チャンバーアイソレーションバルブ101を接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、前部プレート121又は後部プレート119のような処理システム10の接地された要素にしっかり取り付けられる。アイソレーションバルブの導電性、即ち通常は金属性の1つ又は複数の部材は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに、前部プレート121又は後部プレート119に取り付けられたエラストマー部材と接触させられる。
【0042】
[0052]図8は、図6と同様のチャンバーアイソレーションバルブ101の部分側面図である。しかしながら、この実施例では、チャンバー開口102の周囲付近であるが、エラストマーシール部材198でシールされる領域の外側で、前部プレート121に導電性エラストマー部材130が取り付けられる。この導電性エラストマー部材130は、ギャップ125のサイズを最大にすると共に、蓋部材103の移動との潜在的な干渉を最小にするように、前部プレート面121aに埋め込まれてそれとほぼ平らにされるのが好ましい。或いは又、バルブハウジング105が存在せず、且つチャンバーアイソレーションバルブドア107が処理チャンバーPと直接接触状態に入れられてチャンバー開口102をシールする態様では、導電性エラストマー部材130が処理チャンバーPの外壁に埋め込まれてもよい。導電性エラストマー部材130は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに導電性部材131に隣接配置されるように構成される。この実施例では、導電性部材131は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに、エラストマーシール部材198によりシールされる領域の下でチャンバーアイソレーションバルブドア107の下部に装着される。他の構成では、導電性部材131は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにエラストマーシール部材198によりシールされる領域の外側で導電性エラストマー部材130に接触するように、チャンバーアイソレーションバルブドア107の周囲のどこにでも装着することができる。図8は、本発明の上記態様の好ましい構成、即ちチャンバーアイソレーションバルブドア107の下部に装着される導電性部材131を示している。
【0043】
[0053]本発明の先の態様と同様に、導電性部材131は、エラストマーシール部材198と導電性部材131との間に間隙C3が存在するように構成されねばならない。これは、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにエラストマーシール部材198が導電性部材131による干渉を伴わずに充分に圧縮して、チャンバー開口102の周囲に真空密シールを形成するのを許容する。
【0044】
[0054]本発明の上記態様の別の構成では、リアクションバンパー109b及び/又は109cを使用して、後部プレート119に接触することにより接地経路を確立することで、チャンバーアイソレーションバルブ101を電気的に接地してもよい。しかしながら、本発明の上記構成では、リアクションバンパー109b及び/又は109cが通常金属性材料から製造され、導電性エラストマー部材132が後部プレート119に取り付けられる。これは、図9に示されている。
【0045】
[0055]図9は、図7と同様のチャンバーアイソレーションバルブ101の部分縦断面図である。しかしながら、この実施例では、導電性エラストマー部材132が、第1開口115の周囲付近で後部プレート119に取り付けられる。チャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレートシール面121a(素子121aは図9には示されていない)に対してシールするために突っ張り部材109が後部プレート面119aに対抗して配置されないので、リアクションバンパー109bと後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。
【0046】
[0056]導電性エラストマー部材132は、ギャップ123のサイズを最大にすると共に、蓋部材103の移動との潜在的な干渉を最小にするように、後部プレート面119aに埋め込まれてそれとほぼ平らにされるのが好ましい。導電性エラストマー部材132は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにリアクションバンパー109cに隣接配置されるように構成される。この実施例では、リアクションバンパー109cは、後部プレート面119aへの電気的接地を確立する蓋部材103の導電性部材として示されている。他の構成では、いずれか又は全てのリアクションバンパーがエラストマー部材132に接触するように適応されてもよい。図9に示すように、1つ又は複数の下部リアクションバンパー109cで蓋部材103に対する希望の接地接触をなすことが一般的に好ましい。或いは又、リアクションバンパー109b及び109cに代わって、突っ張り部材109に固定された別の導電性部材を使用して、電気的接触を確立してもよい。
【0047】
[0057]運転中に、必要な電気的接触は、本発明の上記構成では、リアクションバンパー109cが、後部プレート面119aに埋め込まれた導電性エラストマー部材132に対して突っ張り力を作用させるときに確立される。それ故、蓋部材103は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに電気的に接地され、プラズマ漏洩が防止される。
【0048】
[0058]本発明の最後の態様では、エラストマーシール部材198は、それ自身が導電性エラストマーより成り(図6Aに示すように)、図6に示すエラストマー部材107aのような付加的なエラストマー導電性部材を使用する必要性をなくすものである。従って、チャンバーアイソレーションバルブドア107の接地路は、エラストマーシール部材198を経て前部プレートシール面121aへ直通することができる。導電性エラストマーは、一般に、標準的なシールエラストマーより耐久性が低く且つ時間の経過と共に粒子を発生し易いので、本発明の好ましい態様は、導電性材料で構成された1つ以上の補助的な非荷重支持のエラストマー部材を使用する。
【0049】
[0059]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、本発明の複数の特徴を結合した他の及び更に別の実施形態を案出することもでき、従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明から利益を得るように適応できる例示的な基板処理システムの概略平面図である。
【図2】処理チャンバーの開口をシールするチャンバーアイソレーションバルブドアの概略側面図である。
【図3A】Oストリップのセグメントを示す図である。
【図3B】Dストリップのセグメントを示す図である。
【図3C】Pストリップのセグメントを示す図である。
【図4A】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図4B】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図4C】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図5】図4Bの概略側面図に示したものと同じ位置に突っ張り部材が配置されたチャンバーアイソレーションバルブの一実施例の縦断面図である。
【図6】図5に示された突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図6A】突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図7】突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの別の部分縦断面図である。
【図8】チャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図9】チャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10…例示的基板処理システム、20…ロードロック、30…移送チャンバー、31…移送ロボット、40、50…基板処理チャンバー、101…アイソレーションバルブ、102…チャンバー開口、103…蓋部材、105…バルブハウジング、107…チャンバーアイソレーションバルブドア、107a…導電性エラストマー部材、107b…第3ギャップ、109…突っ張り部材、109a…導電性エラストマー部材、109b…上部リアクションバンパー、109c…下部リアクションバンパー、111…延長部、113…エンクロージャー、115…第1開口、117…第2開口、119…後部プレート、119a…後部プレート面、121…電気的に設置された前部プレート、121a…前部プレートシール面、121b…表面、123…第1ギャップ、125…第2ギャップ、125a…狭いギャップ、130…導電性エラストマー部材、131…導電性部材、132…導電性エラストマー部材、198…エラストマーシール部材、198a…第4ギャップ、198d…第5ギャップ、C1…間隙、C2…第2間隙、C3…間隙
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、電子デバイスの製造に係り、より詳細には、プラズマ処理チャンバーのアイソレーションバルブの周囲のプラズマ漏洩を防止するための方法及び装置に係る。
【0002】
関連技術の説明
[0002]基板処理チャンバーは、通常、水平に向けられた基板の挿入及び除去を受け容れるために広くて且つ比較的短いシール可能な開口を通して基板移送チャンバーと連通する。このような開口をシールするために、スリットバルブとしても知られているチャンバーアイソレーションバルブを使用することが知られている。例えば、チャンバーアイソレーションバルブのドアとしても知られているシールプレートを延ばして開口をシールすると共に、これを引っ込めて開口に基板を通過するのを許容することができる。チャンバーアイソレーションバルブは、(1)運転中の擦り摩擦及び又は繰り返し金属対金属接触による粒子の発生、及び(2)弾力性シール素子の非均一な圧縮、の問題を回避する設計であるのが好ましい。
【0003】
[0003]基板処理チャンバーのサイズが増加し、基板をプラズマ処理するのに必要なプラズマ電力が10kWを越えると、このようなチャンバーにプラズマを完全に収容することが問題となる。通常、電気的に接地された導電性表面、例えば、金属性のチャンバー壁が、基板処理中にPVD、PECVD又は他のプラズマ処理チャンバーに存在するプラズマを実質的に収容する。しかしながら、ある場合には、処理チャンバーから、閉じたアイソレーションバルブドアを越えて隣接チャンバーへと脱出するプラズマ漏洩が生じる。これは、特に、非常に大きな基板、即ち約1000mmx1000mmより大きな基板を処理するチャンバーについて言えることである。
【0004】
[0004]従って、チャンバーアイソレーションバルブを接地して、そのアイソレーションバルブを越えるプラズマ漏洩を防止しながら、アイソレーションバルブの要素とそれに関連したシール表面との間の金属対金属接触を回避するための改良された方法及び装置が要望される。この改良された方法及び装置は、チャンバー間の大きな圧力差に対するアイソレーションバルブの動作に適用できねばならない。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の実施形態は、チャンバーアイソレーションバルブを接地するための方法及び装置を提供する。一般に、この方法は、1つ又は複数の導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避するものである。
【0006】
[0006]一実施形態では、エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉位置に配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【0007】
[0007]別の実施形態では、導電性エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。
【0008】
[0008]別の実施形態では、アイソレーションバルブを電気的に接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素、例えば、チャンバー壁にしっかり取り付けられる。エラストマー部材は、接地された要素の表面と実質的に平らになるように、接地された要素に埋め込まれてもよい。アイソレーションバルブの1つ又は複数の導電性部材は、ドアが閉位置にあるときにエラストマー部材と接触させられる。1つ又は複数の導電性部材は、アイソレーションバルブのドア、アイソレーションバルブの突っ張り部材、及び/又はその両方と電気的連通されてもよい。
【0009】
[0009]別の実施形態では、上記実施形態を組み合せて使用してチャンバーアイソレーションバルブを電気的に接地する。例えば、導電性エラストマー部材を、アイソレーションバルブのドア及び突っ張り部材上に構成してもよい。
【0010】
[0010]別の実施形態では、チャンバーアイソレーションバルブを接地する方法は、そのアイソレーションバルブを閉じた位置へ移動するステップと、導電性エラストマー部材によりチャンバーアイソレーションバルブとプラズマ処理システムの接地された要素との間に電気的接触を確立するステップとを備えている。1つの態様において、エラストマー部材は、アイソレーションバルブのドア及び/又は突っ張り部材にしっかり取り付けることができる。別の態様において、導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素に埋め込まれ、又、チャンバーアイソレーションバルブの導電性部材は、そのアイソレーションバルブが閉位置へ移動されたときにエラストマー部材に接触させられる。導電性部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドア又は突っ張り部材のいずれかと電気的に連通してもよい。
【0011】
[0011]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【0012】
[0022]明瞭化のために、図面間で共通である同一素子を示すのに、できる限り、同じ参照番号を使用する。
【詳細な説明】
【0013】
[0023]チャンバーアイソレーションバルブを接地するための方法及び装置について開示する。一般に、この方法は、1つ又は複数の導電性エラストマー部材を使用してチャンバーアイソレーションバルブ及び/又はアイソレーションバルブドアを効果的に接地しながら、処理システムの可動部品間の金属対金属接触を回避するものである。1つの態様では、エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通する。エラストマー部材は、ドアが閉じた位置に配置されたとき、即ちプラズマ処理チャンバーにおける基板処理中に、プラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の態様では、導電性エラストマー部材は、チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられ、この突っ張り部材が基板処理中にアイソレーションバルブドアを位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。別の態様では、アイソレーションバルブを接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、プラズマ処理システムの接地された要素、例えば、チャンバー壁にしっかり取り付けられ、アイソレーションバルブの1つ又は複数の導電性部材は、ドアが閉じた位置にあるときにエラストマー部材と接触させられる。1つ又は複数の導電性部材は、アイソレーションバルブのドア、アイソレーションバルブの突っ張り部材、及び又はその両方と電気的連通されてもよい。
【0014】
[0024]図1は、本発明から利益を得るように適応できる例示的基板処理システム10の概略平面図である。この基板処理システム10は、ロードロック20と、移送チャンバー30と、移送ロボット31と、複数の基板処理チャンバー40及び50とを含むことができる。ロードロック20は、システム全体を大気圧に加圧せずに基板処理システム10の真空環境に1つ以上の基板を導入するのを許容する。基板は、処理チャンバー40及び50で処理される。基板処理チャンバー40及び50は、例えば、物理的気相堆積(PVD)及びプラズマエンハンスト化学気相堆積(PECVD)のようなプロセスを基板に対して実行することができる。通常、基板処理チャンバー40及び50は、不適合のプロセスガスの侵入を最小にするために、且つ異なるプロセスが著しく異なる真空レベルを必要とすることがあるので、互いに分離されねばならない。移送チャンバー30内の移送ロボット31は、基板処理チャンバー40及び50とロードロック20との間で必要に応じて基板(図示せず)を移送する。通常、基板処理システム10の各チャンバーは、1つ以上のチャンバーアイソレーションバルブにより他の全てのチャンバーから分離することができる。ある場合には、チャンバーアイソレーションバルブのためのメカニズムは、実質的に移送チャンバー30内に置かれる。フラットパネルディスプレイの形成に使用されるような大きな基板については、基板処理システム10の移送チャンバー30、ロードロック20、或いは基板処理チャンバー40又は50にチャンバーアイソレーションバルブを置くことが一般的に不可能である。むしろ、チャンバーアイソレーションバルブは、通常、移送チャンバー30と、バルブハウジング105内のその関連チャンバーとの間に置かれる。
【0015】
[0025]チャンバーアイソレーションバルブ及びアイソレーションバルブドアは、主として、金属性即ち導電性の要素より成るが、非導電性シール、ガスケット及び他の部材を使用すると、アイソレーションバルブドアのための接地路が不良又は不存在になることがしばしばある。例えば、図2は、前部プレートシール面121aに対して閉じることによりチャンバー開口102をシールするチャンバーアイソレーションバルブドア107の概略側面図である。チャンバー開口102は、処理チャンバーPの電気的に接地された外壁を貫通して形成されるか、又はバルブハウジング105の電気的に接地された前部プレート121を貫通して形成される。バルブハウジング105及び前部プレート121は、図4A、4B及び4Cに明確に示されており、これについて以下に詳細に述べる。チャンバーアイソレーションバルブドア107を、その閉位置において前部プレートシール面121aに対して電気的に接地するために、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間に金属対金属接触を形成しなければならない。しかしながら、処理チャンバーの通常運転中における可動部品間の金属対金属接触は、受け容れられない粒子汚染レベルを発生することが知られている。むしろ、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、チャンバー開口102を真空密状態でシールするエラストマーシール部材198を備え、これは、通常、金属性のチャンバーアイソレーションバルブドア107が金属性の前部プレートシール面121aに接触するのを防止するサイズとされる。これは、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間に狭いギャップ125aを残す。従って、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、電気的に接地されず、バルブハウジング105及び移送チャンバー30を、処理チャンバーに発生されたプラズマからシールドしない。
【0016】
[0026]このために、処理チャンバー40又は50に形成されたプラズマは、チャンバー開口102においてシールドされず、チャンバーアイソレーションバルブドア107を越えてバルブハウジング105及び/又は移送チャンバー30へ脱出する。処理チャンバー40又は50からのプラズマ漏洩に関連した1つの問題は、移送チャンバー30及びバルブハウジング105の表面に材料の望ましからぬ堆積が生じ、後になって、基板にダメージを及ぼす粒子汚染を発生するかもしれないことである。別の問題は、移送チャンバー30におけるプラズマの存在が、プラズマエッチングによりプラズマに露出される表面にダメージを及ぼし、その表面の粗面度を増加するかもしれないことである。これらの表面は、清掃が困難であり、修理又は交換しない限り、粒子汚染を増大して基板にダメージを及ぼすことになり得る。第3の問題は、移送チャンバー30及び/又はバルブハウジング105内の要素が荷電し及び要素からアークが発生する可能性があることである。アーク発生は、処理システム10で処理されている基板に甚だしい粒子汚染を引き起こし、このような基板に直接的に甚だしいダメージを及ぼし、且つ処理システム10内の繊細な要素にダメージを及ぼすことにもなり得る。
【0017】
[0027]ある形式の基板処理ステップ中に、処理チャンバー40及び/又は50と移送チャンバー30との間に圧力差が存在して、処理チャンバー40又は50内の高い圧力がチャンバーアイソレーションバルブのシールプレート又はドアを外方に押すことがある。従って、チャンバーアイソレーションバルブは、ストレス及び疲労を受け、これらは、両方とも、圧力差が高くなるにつれて増加する。フラットパネルディスプレイに使用されるもののような大きな基板を扱うときには、チャンバーアイソレーションバルブのドアが大きな開口をシールしなければならないので、圧力差の影響が激しくなる。
【0018】
[0028]エラストマーを説明するときに使用する「導電性」とは、電流の導通性が必ずしも金属物質と同じでないが、体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である材料を指す。「Oストリップ」、「Dストリップ」及び「Pストリップ」は、エラストマー押出し成形品で、本発明の幾つかの実施形態に使用できるエラストマー部材の実施例である。図3A、図3B及び図3Cは、各々、「Oストリップ」、「Dストリップ」及び「Pストリップ」のセグメントを示す。
【0019】
[0029]図4A−図4Cは、本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブ101を示している。このチャンバーアイソレーションバルブ101は、隣接処理チャンバーP(図4Aに仮想線で示す)への開口102(図4Aに仮想線で示す)をシールして、処理チャンバーPに収容された基板を処理するための該チャンバーの加圧を許容する。図2に示すように、エラストマーシール部材198は、チャンバーPの加圧を許容するのに必要なシールを開口102の周りに形成する。
【0020】
[0030]従来のチャンバーアイソレーションバルブは、通常、フラットパネルのような大きな基板のプラズマ処理に関連した大きな圧力差を受け容れるように設計されていない。アイソレーションバルブドアが閉じたときに該ドアに支持性の突っ張り力を作用させる可動の突っ張り部材をチャンバーアイソレーションバルブに組み込んだ改良された装置及び方法が開発された。突っ張り部材及び突っ張り力をチャンバーアイソレーションバルブに組み込んだ方法及び装置は、図4A、図4B及び図4Cを参照して以下に詳細に説明すると共に、2004年5月12日に出願された「Methods and Apparatus For Sealing an Opening of a Processing Chamber」と題する米国特許出願第10/844,974号にも説明されている。
【0021】
[0031]図4A−図4Cを参照すれば、チャンバーアイソレーションバルブ101は、チャンバー開口102をシールするための蓋部材103を備えることができる。更に、チャンバーアイソレーションバルブ101は、バルブハウジング105を備え、その中に、蓋部材103の少なくとも一部分を可動配置することができる。チャンバーアイソレーションバルブ101を処理チャンバーPの開口102に関連して使用するのを許容するために、チャンバーアイソレーションバルブ101のバルブハウジング105は、該バルブハウジング105と、シールされるべき処理チャンバー開口との間にシール(図示せず)を形成するように、処理チャンバーに対抗する状態に入れることができる。
【0022】
[0032]蓋部材103は、チャンバー開口102をシールするためにチャンバーアイソレーションバルブドア107を備えることができる。例えば、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、チャンバー開口102と整列されたバルブハウジング105への開口をシールすることにより、チャンバー開口102を間接的にシールするように使用されてもよい。或いは又、バルブハウジング105が存在しないときには、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、該チャンバーアイソレーションバルブドア107がチャンバー開口102の周りをシールするように、処理チャンバーPと直接接触状態(図示せず)に入れられてもよい。
【0023】
[0033]蓋部材103は、更に、チャンバーアイソレーションバルブドア107に対して可動である突っ張り部材109を含むことができる。例えば、突っ張り部材109は、チャンバーアイソレーションバルブドア107から離れるように延びたりそれに向かって引っ込んだりするように適応され得る。更に、突っ張り部材109は、例えば、チャンバーアイソレーションバルブドア107が上述したようにチャンバー開口102をシールする位置にあるときに、チャンバーアイソレーションバルブドア107を突っ張り又は支えるように適応され得る。このような構成は、処理チャンバーP内の正圧力に対抗するに必要な力の大きさを減少するという点で、一般に使用されている片持ち梁構成に比して本来効率が良い。
【0024】
[0034]チャンバー開口102に対して蓋部材103の移動を与えるために、蓋部材103は、チャンバーアイソレーションバルブドア107から下方に延びる延長部分111も含むことができる。このような実施形態では、チャンバーアイソレーションバルブドア107から離れるように離間された延長部分111の端を、バルブハウジング105の内部又は外部に配置されたアクチュエータにより操作するように適応させることができる。これは、例えば、延長部分111によりチャンバーアイソレーションバルブドア107及び突っ張り部材109を一緒に移動することにより、蓋部材103を1つのユニットとして移動できるようにする。例えば、蓋部材103は、図4B及び図4Cに各々示すチャンバーアイソレーションバルブ101の構成と構成との間で延長部分111をチャンバー開口102に近付け及び/又は離すことにより、水平方向に移動させることができる。或いは又、蓋部材103は、図4A及び4Bに各々示すチャンバーアイソレーションバルブ101の構成と構成との間で延長部分111により垂直方向に移動させることもできる。
【0025】
[0035]バルブハウジング105は、エンクロージャー113と、該エンクロージャー113への第1開口115と、該エンクロージャー113への第2開口117とを画成することができる。第1開口115は、通常、移送チャンバー30に隣接し、その内部へのアクセスを許容する。図4A−4Cに示すように、第1開口115及びエンクロージャー113は、チャンバー開口102との共通軸に沿って整列されると共に、蓋部材103が開位置にあるときにバルブハウジング105を経て処理チャンバーPへ及び処理チャンバーPから基板を通過させるのを許容するサイズにされる。第2開口117は、該第2開口117が本質的にチャンバー開口102の延長部を形成するように、チャンバー開口102と空気連通状態に入れることができる。
【0026】
[0036]大きな圧力差が存在するときに処理チャンバーをシールするように意図されたチャンバーアイソレーションバルブ101の実施形態では、バルブハウジング105は、更に、第1開口115が形成される後部プレート119を含むことができる。後部プレート119は、以下に詳細に述べるように、突っ張り部材109がこの後部プレート119に接触してこの後部プレート119を押し、シール中に蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107に突っ張りを与えるよう適応され得る。バルブハウジング105は、更に、第2開口117が形成される前部プレート121を含むことができる。前部プレート121は、蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107がこの前部ドア121に接触して、第2開口117の周りをシールするよう適応され得る。或いは又、上述したように、チャンバーアイソレーションバルブドア107が処理チャンバーPに直接接触してチャンバー開口102をシールしてもよい。
【0027】
[0037]運転中に、図4Aに示すように、チャンバーアイソレーションバルブ101の蓋部材103は、第1及び第2開口115及び117に対して引っ込んだ位置をとるように適応され、ここでは、蓋部材103が第1及び第2開口115及び117から離間される(例えば、下に)。このような構成は、バルブハウジング105を経て処理チャンバーPへ及び処理チャンバーPから基板を通過させるのを許容する。又、図4Aに示すように、バルブハウジング105のエンクロージャー113は、チャンバーアイソレーションバルブドア107及び突っ張り部材109を予備空間と共に包囲するのが好ましい。これは、突っ張り部材109と後部プレート119との間に第1ギャップ123を、更に、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121との間に第2ギャップ125を与える。第2ギャップ125は、図2に示す狭いギャップ125aより若干広く、それとは区別される点に留意されたい。蓋部材103の垂直方向移動中に、即ちチャンバーアイソレーションバルブ101の開閉中に、第1及び第2のギャップ123及び125が維持される。第1及び第2のギャップ123及び125の存在は、チャンバーアイソレーションバルブドア107と表面121a及び121bとの間、及び突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間の粒子発生摩擦を回避する。
【0028】
[0038]図4Bは、蓋部材103が第1及び第2開口115及び117の前方に配置されたが、バルブハウジング105の第2開口117に対して引っ込んだ即ち非シール位置にあるところを示している。蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121との間には第2ギャップ125が依然として存在する。図4Cは、蓋部材103が完全に閉じた位置に配置され、即ちチャンバーアイソレーションバルブドア107が前部プレート121の表面121a及び121bに接触して、エラストマーシール部材198でバルブハウジング105の第2開口117に対してシールを形成した後の蓋部材103を示している。接触面121a及び121bが図5に示されている。図4Cには明確に示されていないが、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレート121の金属前部プレートシール面121a及び121bとの間には狭いギャップ125a(図2を参照)が依然として存在する。狭いギャップ125a及びエラストマーシール部材198は、図2に明確に示されている。好ましくは、図4B及び4Cに示すチャンバーアイソレーションバルブ101で証明されるように、チャンバーアイソレーションバルブドア107の移動は、摩擦による粒子発生を減少及び/又は排除するために、前部プレート121に対して直角である。
【0029】
[0039]大きな圧力差が存在するときに処理チャンバーをシールするように意図されたチャンバーアイソレーションバルブ101の実施形態では、図4Cに示すように、チャンバーアイソレーションバルブ101は、チャンバーアイソレーションバルブドア107に対して突っ張り部材109を移動する分離力を発生し、突っ張り部材109をチャンバー開口102から離すよう移動してバルブハウジング105の後部プレート119に接触させるように適応され得る。或いは又、突っ張り部材109は、移送チャンバー(図示せず)の一部分に接触させられてもよいし、又はチャンバーアイソレーションバルブドア107が前部プレート121又は処理チャンバーPに接触する前に別の構造部材に接触させられてもよい。この態様では、チャンバーアイソレーションバルブ101は、次いで、突っ張り部材109をチャンバーアイソレーションバルブドア107から離そうとする突っ張り力を発生して、蓋部材103のチャンバーアイソレーションバルブドア107をバルブハウジング105の前部プレート121又は処理チャンバーPに対して突っ張り又は支えることができる。このような突っ張り力は、多数の方法で且つ蓋部材103に対して多数の位置で発生することができ、例えば、空気圧又は他のアクチュエータにより発生することができる。
【0030】
[0040]図5は、バルブハウジング105において図4Bの概略側面図と同じ位置に突っ張り部材109が配置されたチャンバーアイソレーションバルブ101の一実施例を示す縦断面図である。蓋部材103は、第1及び第2開口115及び117の前方に配置されるが、チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間のシール接触は確立されていない。チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間には第2ギャップ125(明瞭化のために図5には示されていない)が存在し、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。この実施例では、突っ張り部材109は、少なくとも1つの上部リアクションバンパー109b及び少なくとも1つの下部リアクションバンパー109cを含む。これらのリアクションバンパー109b及び109cは、突っ張り部材109の操作中に粒子の発生を最小にするために、耐久性、弾力性の真空適合材料、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されるのが好ましい。通常、300mmのシリコンウェハ及びフラットパネルディスプレイ基板に必要とされるような比較的広いチャンバーのアイソレーションバルブの場合に、突っ張り部材109は、該突っ張り部材109の頂部及び底部に沿って複数のリアクションバンパーを含むことができる。突っ張り部材109の頂部及び底部に沿って複数のリアクションバンパーが設けられる構成は、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間の金属対金属接触をより回避し易いものである。
【0031】
[0041]本発明の1つの態様では、図5及び6に示された導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブ101のチャンバーアイソレーションバルブドア107にしっかり取り付けられて電気的に連通される。導電性エラストマー部材107aは、シリコーン系のエラストマーであるのが好ましい。チャンバーアイソレーションバルブドア107の電気的接地路として効果的に働くためには、導電性エラストマー部材107aは、その最大体積抵抗率が約0.200Ω−cm、好ましくは、約0.010Ω−cmでなければならない。エラストマーの体積抵抗率は、通常、高い温度に露出した後に変化することに注意するのが重要である。これは、しばしば、エラストマーの体積抵抗率を、新品のときの2又は3倍に増加する。それ故、上述した本発明の好ましい体積抵抗率は、ヒート−エージングの後の、即ちエラストマーの特性を安定化するための熱的な前処理の後の、エラストマーの体積抵抗率を指す。エラストマーは、通常、電気の不良導体であるから、その電気抵抗率を下げるために導電性フィラー材料をエラストマーに追加することができる。導電性フィラーは、銀、銅、アルミニウム、ニッケル及びグラファイトを含むが、これらに限定されない。
【0032】
[0042]図5を参照すれば、導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブドア107が図4Cに示す完全に閉じた位置に配置されたときに、前部プレートシール面121aに接触させられる。導電性エラストマー部材107aは、第2開口117の周囲全体又はその一部分に沿って前部プレートシール面に接触することができる。従って、この態様では、チャンバーアイソレーションバルブドア107の接触部分は、エラストマーシール部材198及び導電性エラストマー部材107aを含む。プラズマ処理は、チャンバーアイソレーションバルブ101が完全に閉じない限り、プラズマ処理チャンバーPにおいて行われず、それ故、チャンバーアイソレーションバルブドア107は、処理チャンバーPにおいてプラズマ処理が行われるときに接地されて、処理チャンバーPからのプラズマ漏洩を防止する。
【0033】
[0043]図6は、図5に既に示された突っ張り部材109をもつチャンバーアイソレーションバルブ101の部分縦断面図である。チャンバーアイソレーションバルブドア107と前部プレートシール面121aとの間には第2ギャップ125が存在する。というのは、チャンバーアイソレーションバルブ101が、前部プレートシール面121aに対して完全に閉じたシール位置に配置されないからである。この実施例では、導電性エラストマー部材107aがPストリップであって、チャンバーアイソレーションバルブドア107の底部周囲に沿って装着される。又、チャンバーアイソレーションバルブ101の幾何学形状に基づいて、Oストリップ又はDストリップ構成を使用することができる。導電性エラストマー部材107aは、該導電性エラストマー部材107aの表面と前部プレートシール面121aとの間に第3ギャップ107bが存在するようにチャンバーアイソレーションバルブドア107に装着される。又、前部プレートシール面121aとエラストマーシール部材198との間には第4ギャップ198aも存在する。導電性添加剤を伴うエラストマー、例えば、導電性エラストマー部材107aとして好ましいものは、真空密シールを形成するように設計されたもの、例えば、エラストマーシール部材198として好ましいエラストマーよりも耐久性が低い傾向があると共に粒子放出の傾向が強い。従って、導電性エラストマー部材107aは、チャンバーアイソレーションバルブ101の動作中に大きな力、例えば、エラストマーシール部材198が経験するような力、を受けないのが好ましい。チャンバーアイソレーションバルブドア107でチャンバー開口102をシールするときに生じる力の大部分をエラストマーシール部材198が吸収するのを許容するためには、図6に示すように、第3ギャップ107bが第4ギャップ198aより大きくて、第1間隙C1を形成するのが重要である。チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉じたときに導電性エラストマー部材107aが前部プレートシール面121aに接触するのを確保するためには、間隙C1は、チャンバーアイソレーションバルブドア107がチャンバー開口102をシールするときに生じるエラストマーシール部材198の圧縮を正確に予想するサイズでなければならない。従って、間隙C1は、エラストマーシール部材198のサイズ、組成及びOリンググルーブ設計の関数であると共に、チャンバー開口102をシールするのに使用される突っ張り力の関数である。当業者であれば、この説明を読んだときに、任意の状態に対して必要な間隙C1を計算することができよう。
【0034】
[0044]本発明の上記態様の主要な利益は、チャンバーPに発生されたプラズマを第2開口117においてシールできることである。これは、プラズマがバルブハウジング105に入って、その中の要素を潜在的に汚染し及び/又はそれにダメージを及ぼすのを防止する。しかしながら、比較的大きな処理チャンバー、即ち約1000mmx1000mm以上の基板を処理するチャンバーの場合に、導電性エラストマー部材107aと前部プレートシール面121aとの間の接触が途切れることがある点に注意されたい。これは、チャンバーPが真空であるときにチャンバーPの壁が著しくそれることがあるからである。図4Aを参照すれば、チャンバーPが内方に著しくそれると、前部プレート121がバルブハウジング105のエンクロージャー113から外方に曲がり得ることが明らかであろう。これは、次いで、導電性エラストマー部材107aと前部プレートシール面121aとの間の電気的接続を弱め又は除去することがある。この問題のために、チャンバーアイソレーションバルブドア107への信頼性ある接地接続を確立するには、間隙C1の適切なサイズ決めが重要となる。
【0035】
[0045]或いは又、例えば、導電性エラストマー部材107aへのアクセス性を改善すると共に、エラストマー部材107aの交換に要する時間を最小にするために、導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の上に装着してもよい。しかしながら、この構成では、導電性エラストマー部材107aは、処理チャンバーPに出入りするように移送される基板の経路の真上に位置する表面に繰り返し接触する。従って、基板の潜在的粒子汚染を最小にするために導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の下に装着するのが一般的に好ましい。別の態様では、基板の考えられる粒子汚染を最小にしながら、上からのアクセス性を最大にするために、導電性エラストマー部材107aをチャンバー開口102の側部に沿って装着してもよい。
【0036】
[0046]本発明の別の態様では、導電性エラストマー部材109aが突っ張り部材109にしっかり取り付けられており、該部材109aは、突っ張り部材109が基板処理中にチャンバーアイソレーションバルブドア107を位置保持するように配置されたときにプラズマ処理システムの接地された要素に接触させられる。従って、この態様では、突っ張り部材109の接触部分は、リアクションバンパー109b、109c及び導電性エラストマー部材109aを含む。
【0037】
[0047]図7は、図5に既に示した突っ張り部材109をもつチャンバーアイソレーションバルブ101の別の部分側面図である。チャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレートシール面121aに対してシールするために突っ張り部材109が後部プレート面119aに対抗して配置されないので、突っ張り部材109と後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。この実施例では、導電性エラストマー部材109aはPストリップであり、突っ張り部材109の底部周囲に沿って装着される。突っ張り部材109の幾何学形状に基づいて、Oストリップ又はSストリップ構成を使用してもよい。導電性エラストマー部材109aは、該導電性エラストマー部材109aの面と後部プレート面119aとの間に第5ギャップ198dが存在するように突っ張り部材109に装着される。リアクションバンパー109b(図7には示さず)及び109cの低い弾力性は、チャンバーアイソレーションバルブドア107に突っ張り力を伝達する上で有利である。それ故、リアクションバンパー109b及び109cは、後部プレート面119aに接触するときに真空密シールを形成する上で必要とされないので、エラストマーシール部材198より堅牢な材料で製造されるのが好ましい。
【0038】
[0048]リアクションバンパー109b及び109cは、通常、比較的堅牢な非金属性材料から製造されるので、後部プレート面119aと導電性エラストマー部材109aとの間のギャップである第5ギャップ198dは、第1ギャップ123より若干小さくてもよい。これは、導電性エラストマー部材109aとリアクションバンパー109b及び109cとの間に第2間隙C2を形成する。この間隙C2は、突っ張り部材109がチャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレート121に対して突っ張るように後部プレート119に対抗して配置されたときに蓋部材103と接地された後部プレート119との間に電気的接触が確立されることを保証する。導電性エラストマー部材109aが最初に後部接触面119aに接触するが、エラストマー部材109aは、堅牢なリアクションバンパー109b及び109cに比して非常に弾力性がある。従って、堅牢なリアクションバンパー109b及び109cは、後部プレート119に対して作用される突っ張り力のほとんどを吸収する。本発明の上記態様では、第2間隙C2の正確なサイズは、希望の電気的接触がなされることを確保する上で重要ではない。
【0039】
[0049]導電性エラストマー部材107aについて上述したように、導電性エラストマー部材109aは、チャンバー開口102の上に装着されてもよい。本発明の上記構成は、アクセス性を改善できるが、基板の粒子汚染を潜在的に高めることがある。
【0040】
[0050]別の態様では、リアクションバンパー109b及び109cは、導電性エラストマー部材109aに代わってチャンバーアイソレーションバルブ101を電気的に接地する導電性エラストマー部材として使用されてもよい。本発明の上記構成は、蓋部材103と後部プレート119との間の良好な電気的接触を保証する。しかしながら、この構成は、高い耐久性、低い弾力性及び低い抵抗率を有する非金属性材料がリアクションバンパー109b及び109cに使用された場合しか有効でなく、これは問題となることがある。1つの構成では、上部リアクションバンパー109b及び下部リアクションバンパー109cの両方が導電性部材として使用される。別の構成では、下部リアクションバンパー109cのみが使用される。
【0041】
[0051]別の態様では、チャンバーアイソレーションバルブ101を接地するのに使用される導電性エラストマー部材は、前部プレート121又は後部プレート119のような処理システム10の接地された要素にしっかり取り付けられる。アイソレーションバルブの導電性、即ち通常は金属性の1つ又は複数の部材は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに、前部プレート121又は後部プレート119に取り付けられたエラストマー部材と接触させられる。
【0042】
[0052]図8は、図6と同様のチャンバーアイソレーションバルブ101の部分側面図である。しかしながら、この実施例では、チャンバー開口102の周囲付近であるが、エラストマーシール部材198でシールされる領域の外側で、前部プレート121に導電性エラストマー部材130が取り付けられる。この導電性エラストマー部材130は、ギャップ125のサイズを最大にすると共に、蓋部材103の移動との潜在的な干渉を最小にするように、前部プレート面121aに埋め込まれてそれとほぼ平らにされるのが好ましい。或いは又、バルブハウジング105が存在せず、且つチャンバーアイソレーションバルブドア107が処理チャンバーPと直接接触状態に入れられてチャンバー開口102をシールする態様では、導電性エラストマー部材130が処理チャンバーPの外壁に埋め込まれてもよい。導電性エラストマー部材130は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに導電性部材131に隣接配置されるように構成される。この実施例では、導電性部材131は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに、エラストマーシール部材198によりシールされる領域の下でチャンバーアイソレーションバルブドア107の下部に装着される。他の構成では、導電性部材131は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにエラストマーシール部材198によりシールされる領域の外側で導電性エラストマー部材130に接触するように、チャンバーアイソレーションバルブドア107の周囲のどこにでも装着することができる。図8は、本発明の上記態様の好ましい構成、即ちチャンバーアイソレーションバルブドア107の下部に装着される導電性部材131を示している。
【0043】
[0053]本発明の先の態様と同様に、導電性部材131は、エラストマーシール部材198と導電性部材131との間に間隙C3が存在するように構成されねばならない。これは、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにエラストマーシール部材198が導電性部材131による干渉を伴わずに充分に圧縮して、チャンバー開口102の周囲に真空密シールを形成するのを許容する。
【0044】
[0054]本発明の上記態様の別の構成では、リアクションバンパー109b及び/又は109cを使用して、後部プレート119に接触することにより接地経路を確立することで、チャンバーアイソレーションバルブ101を電気的に接地してもよい。しかしながら、本発明の上記構成では、リアクションバンパー109b及び/又は109cが通常金属性材料から製造され、導電性エラストマー部材132が後部プレート119に取り付けられる。これは、図9に示されている。
【0045】
[0055]図9は、図7と同様のチャンバーアイソレーションバルブ101の部分縦断面図である。しかしながら、この実施例では、導電性エラストマー部材132が、第1開口115の周囲付近で後部プレート119に取り付けられる。チャンバーアイソレーションバルブドア107を前部プレートシール面121a(素子121aは図9には示されていない)に対してシールするために突っ張り部材109が後部プレート面119aに対抗して配置されないので、リアクションバンパー109bと後部プレート面119aとの間には第1ギャップ123が存在する。
【0046】
[0056]導電性エラストマー部材132は、ギャップ123のサイズを最大にすると共に、蓋部材103の移動との潜在的な干渉を最小にするように、後部プレート面119aに埋め込まれてそれとほぼ平らにされるのが好ましい。導電性エラストマー部材132は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときにリアクションバンパー109cに隣接配置されるように構成される。この実施例では、リアクションバンパー109cは、後部プレート面119aへの電気的接地を確立する蓋部材103の導電性部材として示されている。他の構成では、いずれか又は全てのリアクションバンパーがエラストマー部材132に接触するように適応されてもよい。図9に示すように、1つ又は複数の下部リアクションバンパー109cで蓋部材103に対する希望の接地接触をなすことが一般的に好ましい。或いは又、リアクションバンパー109b及び109cに代わって、突っ張り部材109に固定された別の導電性部材を使用して、電気的接触を確立してもよい。
【0047】
[0057]運転中に、必要な電気的接触は、本発明の上記構成では、リアクションバンパー109cが、後部プレート面119aに埋め込まれた導電性エラストマー部材132に対して突っ張り力を作用させるときに確立される。それ故、蓋部材103は、チャンバーアイソレーションバルブドア107が閉位置にあるときに電気的に接地され、プラズマ漏洩が防止される。
【0048】
[0058]本発明の最後の態様では、エラストマーシール部材198は、それ自身が導電性エラストマーより成り(図6Aに示すように)、図6に示すエラストマー部材107aのような付加的なエラストマー導電性部材を使用する必要性をなくすものである。従って、チャンバーアイソレーションバルブドア107の接地路は、エラストマーシール部材198を経て前部プレートシール面121aへ直通することができる。導電性エラストマーは、一般に、標準的なシールエラストマーより耐久性が低く且つ時間の経過と共に粒子を発生し易いので、本発明の好ましい態様は、導電性材料で構成された1つ以上の補助的な非荷重支持のエラストマー部材を使用する。
【0049】
[0059]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、本発明の複数の特徴を結合した他の及び更に別の実施形態を案出することもでき、従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明から利益を得るように適応できる例示的な基板処理システムの概略平面図である。
【図2】処理チャンバーの開口をシールするチャンバーアイソレーションバルブドアの概略側面図である。
【図3A】Oストリップのセグメントを示す図である。
【図3B】Dストリップのセグメントを示す図である。
【図3C】Pストリップのセグメントを示す図である。
【図4A】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図4B】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図4C】本発明から利益を得るように適応できるチャンバーアイソレーションバルブの縦断面図である。
【図5】図4Bの概略側面図に示したものと同じ位置に突っ張り部材が配置されたチャンバーアイソレーションバルブの一実施例の縦断面図である。
【図6】図5に示された突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図6A】突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図7】突っ張り部材をもつチャンバーアイソレーションバルブの別の部分縦断面図である。
【図8】チャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【図9】チャンバーアイソレーションバルブの部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10…例示的基板処理システム、20…ロードロック、30…移送チャンバー、31…移送ロボット、40、50…基板処理チャンバー、101…アイソレーションバルブ、102…チャンバー開口、103…蓋部材、105…バルブハウジング、107…チャンバーアイソレーションバルブドア、107a…導電性エラストマー部材、107b…第3ギャップ、109…突っ張り部材、109a…導電性エラストマー部材、109b…上部リアクションバンパー、109c…下部リアクションバンパー、111…延長部、113…エンクロージャー、115…第1開口、117…第2開口、119…後部プレート、119a…後部プレート面、121…電気的に設置された前部プレート、121a…前部プレートシール面、121b…表面、123…第1ギャップ、125…第2ギャップ、125a…狭いギャップ、130…導電性エラストマー部材、131…導電性部材、132…導電性エラストマー部材、198…エラストマーシール部材、198a…第4ギャップ、198d…第5ギャップ、C1…間隙、C2…第2間隙、C3…間隙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方と、真空シールとを含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
少なくとも1つの導電性部材を使用して上記プラズマ処理システムの上記チャンバーアイソレーションバルブと少なくとも1つの電気的に接地された要素との間に電気的接触を確立するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記少なくとも1つの導電性部材は、導電性エラストマー部材であり、ヒートエージングの後の上記エラストマー部材の体積抵抗率は、約0.200Ω−cm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記少なくとも1つのエラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記少なくとも1つのエラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられて電気的に連通される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの外周に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の周囲に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの下部外周に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の下部周囲に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを備えた、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
導電性エラストマー部材により上記プラズマ処理システムの上記チャンバーアイソレーションバルブと少なくとも1つの電気的に接地された要素との間に電気的接触を確立する上記ステップは、
上記チャンバーアイソレーションバルブの少なくとも1つの導電性表面を上記プラズマ処理システムの接地された要素に電気的接触するように移動する段階であって、上記接地された要素が導電性エラストマー部材を含むような段階、
を備えた請求項2に記載の方法。
【請求項12】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブドアの一部分である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記プラズマ処理システムの接地された要素は、バルブハウジングの前部プレートである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
上記プラズマ処理システムの接地された要素は、チャンバー開口のシール面である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方と、真空シールとを含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの電気的に接地された要素を、少なくとも1つの導電性エラストマー部材に接触させるステップであって、上記エラストマー部材が上記チャンバーアイソレーションバルブにしっかり取り付けられて電気的に連通されるようにするステップと、
を備えた方法。
【請求項18】
ヒートエージングの後の上記少なくとも1つのエラストマー部材の体積抵抗率は、約0.200Ω−cm以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの外周に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の周囲に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの下部外周に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の下部周囲に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを備えた、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方を含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
上記チャンバーアイソレーションバルブの少なくとも1つの導電性表面を、上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に電気的接触させるように移動するステップであって、上記少なくとも1つの接地された要素が導電性エラストマー部材を含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項26】
上記導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブのドアの一部分である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素は、バルブハウジング前部プレートである、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素は、チャンバー開口シール面である、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
上記ドアに電気的に連通する少なくとも1つの導電性部材であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性部材と、
を備えたチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項34】
上記少なくとも1つの導電性部材は、導電性エラストマー部材であり、更に、この導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である、請求項33に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項35】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項36】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブが閉位置にあるときにチャンバー開口の下又はそばに装着される、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項37】
上記チャンバーアイソレーションバルブは、更に、突っ張り部材を備え、上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを含む、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項38】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記ドアのシール部材を含む、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項39】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
突っ張り部材と、
上記突っ張り部材に電気的に連通する少なくとも1つの導電性エラストマー部材であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性エラストマー部材と、
を備えたチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項40】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
上記ドアに電気的に連通する少なくとも1つの導電性表面であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性表面と、
を備え、上記少なくとも1つの接地された要素は、導電性エラストマー部材を含む、チャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項41】
上記導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下のエラストマー部材を含む、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項42】
上記導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項43】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブが閉位置にあるときにチャンバー開口の下又はそばに装着される、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項44】
上記チャンバーアイソレーションバルブは、更に、突っ張り部材を備え、上記少なくとも1つの導電性表面は、上記突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項45】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項44に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項46】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はバルブハウジング前部プレートである、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項47】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はチャンバー開口シール面である、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項48】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はチャンバー開口シール面である、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項1】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方と、真空シールとを含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
少なくとも1つの導電性部材を使用して上記プラズマ処理システムの上記チャンバーアイソレーションバルブと少なくとも1つの電気的に接地された要素との間に電気的接触を確立するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記少なくとも1つの導電性部材は、導電性エラストマー部材であり、ヒートエージングの後の上記エラストマー部材の体積抵抗率は、約0.200Ω−cm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記少なくとも1つのエラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブのドアにしっかり取り付けられて電気的に連通される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記少なくとも1つのエラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材にしっかり取り付けられて電気的に連通される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの外周に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の周囲に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの下部外周に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の下部周囲に沿って装着される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを備えた、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
導電性エラストマー部材により上記プラズマ処理システムの上記チャンバーアイソレーションバルブと少なくとも1つの電気的に接地された要素との間に電気的接触を確立する上記ステップは、
上記チャンバーアイソレーションバルブの少なくとも1つの導電性表面を上記プラズマ処理システムの接地された要素に電気的接触するように移動する段階であって、上記接地された要素が導電性エラストマー部材を含むような段階、
を備えた請求項2に記載の方法。
【請求項12】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブドアの一部分である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記プラズマ処理システムの接地された要素は、バルブハウジングの前部プレートである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
上記プラズマ処理システムの接地された要素は、チャンバー開口のシール面である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方と、真空シールとを含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの電気的に接地された要素を、少なくとも1つの導電性エラストマー部材に接触させるステップであって、上記エラストマー部材が上記チャンバーアイソレーションバルブにしっかり取り付けられて電気的に連通されるようにするステップと、
を備えた方法。
【請求項18】
ヒートエージングの後の上記少なくとも1つのエラストマー部材の体積抵抗率は、約0.200Ω−cm以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの外周に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の周囲に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの真空シールの下部外周に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
上記しっかり取り付けられることは、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の接触部分の下部周囲に沿って装着されることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを備えた、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
基板のプラズマ処理中にプラズマ処理システムのチャンバーアイソレーションバルブを接地する方法であって、上記チャンバーアイソレーションバルブがドア、突っ張り部材、又はその両方を含むものである方法において、
上記チャンバーアイソレーションバルブを閉位置へ移動するステップと、
上記チャンバーアイソレーションバルブの少なくとも1つの導電性表面を、上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に電気的接触させるように移動するステップであって、上記少なくとも1つの接地された要素が導電性エラストマー部材を含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項26】
上記導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブのドアの一部分である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブの突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素は、バルブハウジング前部プレートである、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素は、チャンバー開口シール面である、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
上記ドアに電気的に連通する少なくとも1つの導電性部材であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性部材と、
を備えたチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項34】
上記少なくとも1つの導電性部材は、導電性エラストマー部材であり、更に、この導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下である、請求項33に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項35】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項36】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記チャンバーアイソレーションバルブが閉位置にあるときにチャンバー開口の下又はそばに装着される、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項37】
上記チャンバーアイソレーションバルブは、更に、突っ張り部材を備え、上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記突っ張り部材の1つ以上のリアクションバンパーを含む、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項38】
上記少なくとも1つの導電性エラストマー部材は、上記ドアのシール部材を含む、請求項34に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項39】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
突っ張り部材と、
上記突っ張り部材に電気的に連通する少なくとも1つの導電性エラストマー部材であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性エラストマー部材と、
を備えたチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項40】
プラズマ処理システム用の接地されたチャンバーアイソレーションバルブにおいて、
ドアと、
上記ドアに電気的に連通する少なくとも1つの導電性表面であって、上記ドアが閉位置にあるときに上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素に接触するように適応される導電性表面と、
を備え、上記少なくとも1つの接地された要素は、導電性エラストマー部材を含む、チャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項41】
上記導電性エラストマー部材は、ヒートエージングの後の体積抵抗率が約0.200Ω−cm以下のエラストマー部材を含む、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項42】
上記導電性エラストマー部材は、エラストマー押出し成形品であって、該エラストマー押出し成形品は、Oストリップ、Dストリップ又はPストリップより成るグループから選択される、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項43】
上記少なくとも1つの導電性表面は、上記チャンバーアイソレーションバルブが閉位置にあるときにチャンバー開口の下又はそばに装着される、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項44】
上記チャンバーアイソレーションバルブは、更に、突っ張り部材を備え、上記少なくとも1つの導電性表面は、上記突っ張り部材の導電性部分を含む、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項45】
上記突っ張り部材の一部分はリアクションバンパーである、請求項44に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項46】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はバルブハウジング前部プレートである、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項47】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はチャンバー開口シール面である、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【請求項48】
上記プラズマ処理システムの少なくとも1つの接地された要素はチャンバー開口シール面である、請求項40に記載のチャンバーアイソレーションバルブ。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−10135(P2007−10135A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−2880(P2006−2880)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2880(P2006−2880)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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