説明

チューブ入り製品の製造方法、および充填装置

【課題】チューブ容器のチューブ口元部にキャップ部材を嵌めた状態で内容物を充填する場合であってもチューブ口元部にエアー溜まりが生じることを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】チューブ入り製品の製造方法は、キャップ部材が嵌められたチューブ容器に対してチューブ胴体部においてチューブ口元部と逆側に形成された開放端から少なくとも第二充填ノズルを挿入し、その第二吐出孔から内容物をチューブ口元部に吐出する第一充填工程と、第一充填工程の後にチューブ胴体部の開放端からチューブ容器に挿入された第一充填ノズルの第一吐出孔をチューブ胴体部に配置した状態で第一吐出孔から内容物をチューブ胴体部に吐出する第二充填工程とを含む。第一充填ノズルはチューブ口元部の内径よりも大きな外径を有し、第二充填ノズルはチューブ口元部の内径よりも小さな外径を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ入り製品の製造方法、および充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボディクリームや練歯磨きなどのクリーム状の内容物を充填するためのチューブ容器として、断面が略円形の中空筒状のチューブ胴体部と、このチューブ胴体部の先端側に一体かつ先窄まりとなるように形成された口元部と、胴体部の口元部が形成される方とは逆側に形成される開放端を例えば平坦に押し潰して線状に封止した封止部とを備えるものが一般に用いられている。また、チューブ容器の口元部には、この口元部を開閉自在に閉塞するための例えばネジ式やヒンジ式のキャップが取り付けられることが多い。また、チューブ容器に内容物を充填するための充填装置を種々のものが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−226309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブ入り製品の製造方法としては、中空筒状の胴体部におけるチューブ口元部にキャップ部材を取り付けた状態で且つチューブ容器をチューブ口元部側が下方となる姿勢に保持した状態で、チューブ胴体部のチューブ口元部とは逆側に形成された開放端(開口端)から内容物を注入(充填)した後、チューブ胴体部の開放端を熱圧着などの方法によって線状に封止する方法が一般である。
【0005】
しかしながら、クリーム状の内容物などの粘性物を充填する場合、上記従来の充填方法では、内容物の充填時においてチューブ口元部にエアーが溜まった状態で保持される所謂エアー溜まり(空気溜まり)が起こり易くなるのが実情である。その結果、チューブ容器に内容物が充填されてなるチューブ入り製品をユーザが使い始める際に、チューブ容器の胴体部を押して内容物を押し出さそうにも、内容物がチューブ口元部まで充填されていないため、内容物を円滑に外部へ押し出すことが阻害される場合があった。
【0006】
チューブ入り製品の製造過程における上記エアー溜まりの抑止方法としては、キャップを取り外した状態で内容物をチューブ容器におけるチューブ胴体部の開放端から注入する方法が一例として考えられる。この場合、チューブ容器のチューブ胴体部に溜まっていたエアーを、チューブ口元部に充填された内容物と一緒に外部に排出することでエアー溜まりの発生を回避できるとも考えられる。しかしながら、この方法ではたしかにエアー溜まりを回避することができるものの、内容物の一部をチューブ口元部から漏出させることに起因してチューブ口元部が汚れてしまうため、清掃の手間を要する。また、チューブ入り製品を完成させるためには、チューブ口元部の清掃後にキャップをチューブ口元部に嵌めることが必要であり、チューブ入り製品の生産性(生産効率)の低下を招くことも想定される。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、チューブ入り製品を製造するに当たり、チューブ容器のチューブ口元部にキャップを嵌めた状態で内容物を充填する場合であってもチューブ口元部にエアー溜まりが生じることを抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上述した課題を解決するために、チューブ胴体部と、該チューブ胴体部の先端側に一体に形成されて該チューブ胴体部よりも小径となっているチューブ口元部と、該チューブ口元部に嵌められるキャップ部材とを備えたチューブ容器に対して、先ず、チューブ口元部の内径よりも小さな外径を有する充填ノズルを用いてチューブ口元部に内容物を充填した後、チューブ口元部の内径よりも大きな外径を有する充填ノズルを用いてチューブ胴体部に内容物を充填するようにした。
【0009】
より詳細には、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法は、チューブ胴体部と、該チューブ胴体部の先端側に一体に形成されて該チューブ胴体部よりも小径となっていると共に外部と開放されたチューブ口元部と、該チューブ口元部に嵌められるキャップ部材とを備えたチューブ容器に充填装置を用いて内容物を充填することによってチューブ入り製品を製造する製造方法であって、
前記充填装置は、前記チューブ口元部の内径よりも大きな外径を有すると共にその先端側に第一吐出孔が形成された第一充填ノズルと、前記チューブ口元部の内径よりも小さな外径を有すると共にその先端側に第二吐出孔が形成された第二充填ノズルと、を備え、
前記製造方法は、
前記チューブ口元部に前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器に対して、前記チューブ胴体部において該チューブ口元部と逆側に形成された開放端から少なくとも前記第二充填ノズルを挿入し、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔から前記内容物を該チューブ口元部に吐出する第一充填工程と、
前記第一充填工程の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端から前記チューブ容器に挿入された前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔を前記チューブ胴体部に配置した状態で該第一吐出孔から前記内容物を該チューブ胴体部に吐出する第二充填工程と、を含む。
【0010】
本発明によれば、第一充填工程において、チューブ口元部の内径よりも外径の小さな第二充填ノズルから内容物が該チューブ口元部に吐出される。そのため、チューブ口元部にそれまで溜まっていた空気(エアー)を第二吐出孔から吐出される内容物によってチューブ胴体部側に追い出しながら、チューブ口元部へと内容物を充填することができる。これにより、第一充填工程において、エアー溜まりを生じさせることなくチューブ口元部に内容物を充填することができる。従って、その後の第二充填工程にてチューブ口元部の内径よりも外径の大きな第一充填ノズルを用いて内容物を充填しても、既にチューブ口元部は第一充填工程において密実に内容物が充填されているため、当該チューブ口元部にエアー溜まりが生じることがない。
【0011】
斯くして、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法によれば、チューブ容器の口元部にキャップを嵌めた状態で内容物を充填する場合であっても口元部にエアー溜まりが生じることを抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明によれば、チューブ口元部へのエアー溜まりの発生を抑制しつつ、キャップ部材をチューブ口元部に嵌めた状態で内容物の充填を行うことができるため、従来のようにキャップ部材を外した状態で内容物を充填する場合のようにチューブ口元部から漏出した内容物によってチューブ口元部が汚れることを抑止できる。従って、チューブ口元部を清掃する手間も掛からず、また、その後にキャップ部材をチューブ口元部に嵌め込む作業も省略できるため、チューブ入り製品の生産性を向上することができる。
【0013】
また、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法は、前記第一充填工程において、前記第二充填ノズルにおける前記第二吐出孔が前記チューブ口元部に配置されても良い。また、前記第二充填工程において、前記チューブ容器に対する前記第一充填ノズルの挿入深さ
は、前記チューブ胴体部への前記内容物の充填高さが増加するに従って減少するように調節されても良い。
【0014】
また、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法において、前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルは一体的に固定されており、前記第一充填工程において、前記第一充填ノズルは前記第二充填ノズルと連動して前記開放端から前記チューブ容器に挿入されると共に、前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部に配置されても良い。
【0015】
また、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法は、前記第二充填ノズルは前記第一充填ノズルの内部に組み込まれており、前記第二吐出孔を含む該第二充填ノズルの先端側が該第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出していても良い。この場合、例えば、前記第二充填ノズルが前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出する突出長さは、前記第一充填工程において前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔を前記チューブ口元部に配置しても、前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部と前記チューブ口元部との境界に形成される肩部と接触しないような長さに設定されても良い。
【0016】
また、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法は、前記第二充填工程の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端を封止する封止工程を更に含むようにしても良い。
【0017】
また、本発明は、チューブ容器に内容物を充填するための充填装置としても捉えることができる。
【0018】
すなわち、本発明に係る充填装置は、チューブ胴体部と、該チューブ胴体部の先端側に一体に形成されて該チューブ胴体部よりも小径となっていると共に外部と開放されたチューブ口元部と、該チューブ口元部に嵌められるキャップ部材とを備えたチューブ容器に内容物を充填する充填装置であって、
前記チューブ胴体部において前記チューブ口元部と逆側に形成された開放端からその内部に挿入されて且つ前記チューブ口元部の内径よりも大きな外径を有すると共にその先端側に第一吐出孔が形成された第一充填ノズルと、
前記チューブ胴体部の前記開放端からその内部に挿入されて且つ前記チューブ口元部の内径よりも小さな外径を有すると共にその先端側に第二吐出孔が形成された第二充填ノズルと、
前記チューブ口元部に前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器に対して、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔から前記内容物を該チューブ口元部に吐出する第一充填処理と、該第一充填処理の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端から前記チューブ容器に挿入された前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔を前記チューブ胴体部に配置した状態で該第一吐出孔から前記内容物を該チューブ胴体部に吐出する第二充填処理と、を実行する充填手段と、を備える。
【0019】
また、本発明に係る充填装置は、前記充填手段が前記第一充填処理を実行する際に、前記第二充填ノズルにおける前記第二吐出孔が前記チューブ口元部に配置されても良い。
【0020】
また、前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器を保持する容器ホルダと、前記容器ホルダに保持されている前記チューブ容器に対する前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルの挿入深さを調節可能な調節手段と、を更に備え、前記充填手段が前記第二充填処理を実行する際に、前記調節手段は少なくとも前記第一充填ノズルの挿入深さを、前記チューブ胴体部への前記内容物の充填高さが増加するに従って減少させても良い。
【0021】
また、前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルは一体的に固定されており、前記
調節手段は、前記容器ホルダを昇降、又は、前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルを一体的に昇降することによって各ノズルの前記挿入深さを連動して調節するようにしても良い。
【0022】
また、前記第二充填ノズルは前記第一充填ノズルの内部に組み込まれており、前記第二吐出孔を含む該第二充填ノズルの先端側が該第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出していても良い。この場合、例えば、前記第二充填ノズルが前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出する突出長さは、前記充填手段が前記第一充填処理を実行する際に、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔を前記チューブ口元部に配置しても、前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部と前記チューブ口元部との境界に形成される肩部と接触しないような長さに設定されても良い。
【0023】
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、チューブ入り製品を製造するに当たり、チューブ容器のチューブ口元部にキャップを嵌めた状態で内容物を充填する場合であってもチューブ口元部にエアー溜まりが生じることを抑制可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る充填装置を用いた製造方法によって製造されたチューブ入り製品の一例を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る充填装置を示す概略構成図である。
【図3】実施形態の充填処理に係る処理フローを示すフローチャートである。
【図4】実施形態の充填処理において、チューブホルダにチューブ容器がセットされた状態を示す図である。
【図5】実施形態の充填処理において、第一充填ノズルおよび第二充填ノズルをチューブ容器に挿入した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下の図面において、既述の図面に記載された部品と同様の部品には同じ番号を付す。また、以下に説明する本発明に係る充填装置の各実施形態の説明は、本発明に係るチューブ入り製品の製造方法の説明を兼ねるものである。
【0027】
[チューブ入り製品]
図1は、本発明に係る充填装置1を用いた製造方法によって製造されたチューブ入り製品の一例を示す斜視図である。チューブ入り製品20は、中空筒状のチューブ胴体部21と、チューブ口元部22と、封止端部23と、キャップ部材24とからなるチューブ容器25に、例えばボディクリームなどのクリーム状の内容物26を充填して構成されている。
【0028】
チューブ容器25において、チューブ口元部22は、チューブ胴体部21の先端側でチューブ胴体部21と一体的に形成されている。また、チューブ口元部22は、チューブ胴体部21よりも小径となるように先窄まり形状に形成されており、外部に開放されている。ここで、チューブ胴体部21は柔軟性を有しており、ユーザによる手指の押圧の作用によってチューブ胴体部21が変形することにより、チューブ容器25に充填されている内
容物26をチューブ口元部22から外部に押し出すことができる。
【0029】
チューブ口元部22の外周面には、キャップ部材24に形成されているネジ溝(図示省略)と係合してキャップ部材24をチューブ口元部22に螺合させるネジ溝27が形成されている。キャップ部材24は、例えばネジ溝同士の螺合によってチューブ口元部22を閉塞し、螺合を解除することによってチューブ口元部22を開放する。なお、このようにチューブ口元部22を閉塞するキャップ部材24は、上述したようにネジ溝同士の螺合を利用したもの以外にも、例えばヒンジ式のバネにより回動する蓋部材によってチューブ口元部22を閉塞する方式など、種々の形態を採用することができる。また、封止端部23は、チューブ胴体部21の他端側、すなわちチューブ口元部22が形成される方と逆側の開放端を平らに押し潰し、例えば熱圧着などによって融着することで直線状に封止したものである。
【0030】
また、チューブ胴体部21の材質は、チューブ容器25に収容される内容物26の材質やその他の事項を勘案し、従来から用いられているものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、AL(アルミニウム)積層チューブ、AL(アルミニウム)金属メタルチューブ等を好適に用いることができる。
【0031】
また、チューブ胴体部21は、その内部に充填される内容物26と接触する内面側にいわゆるバリア層を設けるようにしても良い。このバリア層は、例えば内容物26に含まれる香料などの揮発成分がチューブ胴体部21を透過して抜け出てしまったり、或いは、外部の湿気などの水蒸気がチューブ胴体部21を透過して内容物26に浸透することなどを防止する目的で設けることができ、これによって内容物26の変質などを長期にわたって抑止することができる。バリア層の材質としては、水蒸気、気体などの透過を防止し、且つ柔軟な材料を好適に用いることが可能であり、例えば、アルミ箔、EVOH(エチレンビニルアルコール)、ナイロン(ポリアミド)、蒸着膜(シリカ、カーボン、アルミ等)、PAN(ポリアクリロニトリル)等を採用しても良い。
【0032】
[充填装置]
次に、チューブ容器25に対して例えばクリーム状の内容物26を充填するための充填装置1について説明する。図2は、実施形態に係る充填装置1を示す概略構成図である。充填装置1は、第一系統装置群1A、第二系統装置群1B、チューブホルダ10、ホルダ駆動装置11、制御部12、エアーポンプ18を備える。そして、第一系統装置群1Aは、第一ホッパー2A、第一充填シリンダー4A、第一充填ピストン5A、第一エアシリンダー6A、第一切替バルブ7A、第一電磁弁8A、第一充填ノズル9Aなどを含む。一方、第二系統装置群1Bは、第二ホッパー2B、第二充填シリンダー4B、第二充填ピストン5B、第二エアシリンダー6B、第二切替バルブ7B、第二電磁弁8B、第二充填ノズル9Bなどを含む。
【0033】
チューブホルダ10は、チューブ容器25を保持するための部材であり、本発明における容器ホルダに相当する。チューブホルダ10には、内容物26が充填されておらず、且つ、その開放端27が封止される前の状態のチューブ容器25がセットされるようになっている。そして、このチューブ容器25は、チューブ口元部22にキャップ部材24が嵌められた状態で、且つ、キャップ部材24が下方(開放端27が上方)になるような姿勢でチューブホルダ10にセットされる。すなわち、チューブ容器25は、チューブホルダ10に対して、キャップ部材24が下向きになるようにセットされる。なお、チューブホルダ10は、後述するようにホルダ駆動装置11によって上下方向に昇降するように駆動される。ホルダ駆動装置11は、チューブホルダ10を昇降させるための駆動装置であり、例えば機械式カムや電子式カムを備えて構成しても良い。
【0034】
次に、第一系統装置群1Aに含まれる各構成部材について説明する。第一ホッパー2Aは、チューブ容器25に充填するためのクリーム状の内容物26を貯留する貯留タンクである。第一系統装置群1Aは、概略、第一ホッパー2Aに貯留されている内容物26を第一充填ノズル9Aからチューブ容器25に充填する際に使用される機器類である。
【0035】
第一ホッパー2Aの下部には、第一切替バルブ7Aが設けられている。この第一切替バルブ7Aはいわゆる回転式の切替バルブであり、第一ケーシング13Aと、この第一ケーシング13Aに収容される第一回転部材14Aを含んで構成されている。第一回転部材14Aは、その内部に第一内部通路15Aを有している。この図の例では、直方体の第一ケーシング13Aの内部に、円柱体の第一回転部材14Aが回転自在に収容されている。そして、図2に示すように、第一回転部材14Aには略L字型に第一内部通路15Aが形成されている。
【0036】
上記のように構成される第一切替バルブ7Aの下部には第一充填ノズル9Aが取り付けられており、第一切替バルブ7Aの側面部には第一充填シリンダー4Aが取り付けられている。第一ケーシング13Aを構成する六面のうち、異なる三面には第一ポート131〜第三ポート133が形成されている。そして、第一ケーシング13Aにおける第一ポート131は第一ホッパー2Aと接続され、第二ポート132は第一充填ノズル9Aと接続され、第三ポート133は第一充填シリンダー4Aと接続されている。
【0037】
第一回転部材14Aには、図示しないアクチュエータが取り付けられている。第一回転部材14Aのアクチュエータは制御部12と電気的に接続されている。そして、制御部12からの制御信号に基づいて、第一回転部材14Aの停止位置が、図示のような第一連通位置と、第一連通位置から時計回りに90°回転した第二連通位置の二つの位置から選択的に切り替えられるようになっている。
【0038】
制御部12は、充填装置1全体の制御を行うコントロールユニットであり、例えば双方向性バスによって相互に接続された図示しない中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)や、メモリなどを備える。メモリは、CPUで実行される内容物の充填処
理に関する制御プログラムなどを記憶しており、例えば揮発性のRAM(Random Access Memory)、不揮発性のROM(Read Only Memory)を備える。ROMには、充填装置1が機能する上で必要なプログラムやパラメータなどが格納されている。
【0039】
制御部12は、第一切替バルブ7Aの第一回転部材14Aを選択的に第一連通位置と第二連通位置の何れかに切り替える。第一回転部材14Aが第一連通位置に制御されると、第一内部通路15Aが第一ポート131および第三ポート133の双方に接続される。その結果、第一ポート131、第一内部通路15A、第三ポート133を介して、第一ホッパー2Aと第一充填シリンダー4Aが連通する。また、第一回転部材14Aが第二連通位置に制御されると、第一内部通路15Aが第三ポート133および第二ポート132の双方に接続される。その結果、第三ポート133、第一内部通路15A、第二ポート132を介して、第一充填シリンダー4Aと第一充填ノズル9Aが連通する。以上のように、第一内部通路15Aは第一ポート131および第三ポート133、或いは第二ポート132および第三ポート133を接続する90°エルボー(肘)継手として機能する。
【0040】
第一充填ノズル9Aは、第一ホッパー2Aに貯留されている内容物26をチューブ容器25に充填する器具である。第一充填ノズル9Aは中空筒状に形成されており、その基端側において上述した第一切替バルブ7A(第一ケーシング13A)の第二ポート132が接続されている。また、第一充填ノズル9Aの先端側には内容物26を吐出するための第一吐出孔16Aが形成されており、第一切替バルブ7Aを介して供給されてくる内容物2
6はこの第一吐出孔16Aによって外部に吐出される。
【0041】
第一充填シリンダー4Aの内壁面には、第一充填ピストン5Aが摺動自在に設けられている。第一充填ピストン5Aは、ロッド部材50Aの一端が接続されている。なお、第一充填シリンダー4Aにおける内部空間のうち、第一切替バルブ7Aおよび第一充填ピストン5によって挟まれた空間を、シリンダー貯留室40Aと称する。
【0042】
また、第一充填シリンダー4Aに隣接して第一エアシリンダー6Aが設けられており、第一エアシリンダー6Aの内部には、その内壁面に対して摺動自在な駆動用ピストン60Aが収容されている。駆動用ピストン60Aにはロッド部材50Aの他端が接続されている。また、第一エアシリンダー6Aの内部空間は、駆動用ピストン60Aによって二分されている。ここで、第一エアシリンダー6Aの内部空間のうち、第一充填シリンダー4Aに近い方の室を「第一圧力室A」と称し、第一充填シリンダー4Aから遠い方の室を「第二圧力室B」と称する。
【0043】
第一エアシリンダー6Aの第一圧力室Aおよび第二圧力室Bは、第一電磁弁8Aを介してエアーポンプ18と接続されており、エアーポンプ18から所定圧の空気が圧送されるように構成されている。第一電磁弁8Aは、制御部12と電気配線を介して接続されており、制御部12によって制御される。制御部12は、図示しない電力源からの第一電磁弁8Aへの通電およびその解除を制御すると共に、通電時にはその制御電圧を変更することによって、第一電磁弁8Aに収容されている例えばスプール弁などの弁体(図示省略)の位置を“第一制御位置”および“第二制御位置”の何れかに切り替えることが可能である。
【0044】
第一電磁弁8Aへの通電時において、弁体が第一制御位置に制御されると、エアーポンプ18から圧送されてくるエアーが第一エアシリンダー6Aにおける第一圧力室Aに導入される。また、弁体が第二制御位置に制御されると、エアーポンプ18から圧送されてくるエアーが第一エアシリンダー6Aにおける第二圧力室Bに導入される。また、第一電磁弁8Aへの非通電時においては、第一電磁弁8Aの排気ポートを介して第一圧力室Aおよび第二圧力室Bのエアーが適宜排出(排気)され、双方の圧力が平衡となるように構成されている。
【0045】
次に、第二系統装置群1Bについて説明する。第二ホッパー2Bには、第一ホッパー2Aに貯留されているものと同一の内容物26を貯留する貯留タンクである。第二系統装置群1Bは、概略、第二ホッパー2Bに貯留されている内容物26を第二充填ノズル9Bによってチューブ容器25に充填する際に使用される機器類である。
【0046】
本実施形態において、第二系統装置群1Bに含まれる各構成部材、装置等は第二充填ノズル9Bを除いて、第一系統装置群1Aに含まれる各構成部材、装置等と概ね対応しており、その基本的な機能は共通する。すなわち、第二系統装置群1Bにおける第二ホッパー2B、第二充填シリンダー4B、第二充填ピストン5B、第二エアシリンダー6B、第二切替バルブ7B、第二電磁弁8Bの各々は、第一系統装置群1Aにおける第一ホッパー2A、第一充填シリンダー4A、第一充填ピストン5A、第一エアシリンダー6A、第一切替バルブ7A、第一電磁弁8Aの各々と概ね同等の機能を有する。
【0047】
第二系統装置群1Bにおいても、第二ホッパー2Bの下部には、第二切替バルブ7Bが設けられている。第二切替バルブ7Bも、第一切替バルブ7Aと同様に回転式の切替バルブであり、第二ケーシング13Bと、この第二ケーシング13Bに収容される第二回転部材14Bとから構成される。
【0048】
第二回転部材14Bの内部には、第一内部通路15Aと対応するように概ねL字型の第二内部通路15Bが形成されている。第二ケーシング13Bには、第1ケーシング13Aと同様に第一ポート131〜第三ポート133が形成されている。第二ケーシング13Bに形成された第一ポート131は第二ホッパー2Bに対して接続され、また、第三ポート133は第二充填シリンダー4Bに対して接続されている。また、第二ケーシング13Bにおける第二ポート132には、一端側が第二充填ノズル9Bと接続される接続部材19の他端側が接続されている。この接続部材19は、第二ポート132から送られてくる内容物26を第二充填ノズル9Bに供給するための部材であり、ノズルホース19Aとつなぎ配管19Bからなる。ノズルホース19Aは、その一端が第二切替バルブ7Bと繋がれるフレキシブルホースであり、他端がつなぎ配管19Bの一端に接続されている。そして、つなぎ配管19Bの他端が第二充填ノズル9Bに接続されている。
【0049】
第一回転部材14Aと同様、第二回転部材14Bにも制御部12と電気的に接続されたアクチュエータ(図示省略)が取り付けられている。そして、制御部12は、第二切替バルブ7Bの第二回転部材14Bを選択的に第一連通位置(図示の状態)と第二連通位置(図示の状態から時計回りに90°回転した状態)の何れかに切り替えることができる。制御部12が第二切替バルブ7Bを第一連通位置に制御すると、第二内部通路15Bが第一ポート131および第三ポート133の双方に接続される。その結果、第二切替バルブ7Bにおける第一ポート131、第二内部通路15B、第三ポート133を介して、第二ホッパー2Bと第二充填シリンダー4Bが連通する。一方、制御部12が第二切替バルブ7Bを第二連通位置に制御すると、第二内部通路15Bが第三ポート133および第二ポート132の双方に接続される。その結果、第二切替バルブ7Bにおける第三ポート133、第二内部通路15B、第二ポート132、接続部材19(ノズルホース19A、つなぎ配管19B)を介して第二充填シリンダー4Bと第二充填ノズル9Bが連通する。以上のように、第二内部通路15Bは第一ポート131および第三ポート133、或いは第二ポート132および第三ポート133を接続する90°エルボー(肘)継手として機能する。
【0050】
第二充填ノズル9Bは、第二ホッパー2Bに貯留されている内容物26をチューブ容器25に充填するための器具である。第二充填ノズル9Bも第一充填ノズル9Aと同様に中空筒状に形成されており、その基端側において上述した接続部材19(つなぎ配管19B)が接続されている。また、第二充填ノズル9Bの先端側には第二吐出孔16Bが形成されており、第二切替バルブ7B、接続部材19などを介して供給されてくる内容物26がこの第二吐出孔16Bから外部に吐出される。
【0051】
第二充填シリンダー4Bの内壁面には、第二充填ピストン5Bが摺動自在に設けられている。第二充填ピストン5Bは、ロッド部材50Bの一端が接続されている。また、第二充填シリンダー4Bに隣接して第二エアシリンダー6Bが設けられており、その内部には、該第二エアシリンダー6Bの内壁面に摺動自在な駆動用ピストン60Bが収容されている。駆動用ピストン60Bには、上述したロッド部材50Bの他端が接続されている。そして、第二エアシリンダー6Bの内部空間は、この駆動用ピストン60Aによって二分されている。以下、第二エアシリンダー6Bの内部空間のうち、第二充填シリンダー4Bに近い方の室を「第一圧力室A」と称し、第二充填シリンダー4Bから遠い方の室を「第二圧力室B」と称する。
【0052】
第二エアシリンダー6Bの第一圧力室Aおよび第二圧力室Bは、第二電磁弁8Bを介してエアーポンプ18と接続されており、エアーポンプ18から所定圧の空気が圧送されるように構成されている。第二電磁弁8Bは、制御部12と電気配線を介して接続されており、制御部12によって制御される。制御部12は、図示しない電力源からの第二電磁弁8Bへの通電およびその解除を制御すると共に、通電時にはその制御電圧を変更すること
によって、第二電磁弁8Bに収容されている例えばスプール弁などの弁体(図示省略)の位置を“第一制御位置”および“第二制御位置”の何れかに切り替えることが可能である。
【0053】
第二電磁弁8Bへの通電時において、その弁体が第二制御位置に制御されると、エアーポンプ18から圧送されてくるエアーが第二エアシリンダー6Bにおける第一圧力室Aに導入される。また、第二電磁弁8Bの弁体が第二制御位置に制御されると、エアーポンプ18から圧送されてくるエアーが第二エアシリンダー6Bにおける第二圧力室Bに導入される。なお、第二電磁弁8Bへの非通電時においては、第二電磁弁8Bの排気ポートを介して第一圧力室Aおよび第二圧力室Bのエアーが適宜排出され、双方の圧力が平衡となるように構成されている。
【0054】
次に、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9B相互間の関係について説明する。図2に示すように、第二充填ノズル9Bは第一充填ノズル9Aの内部に組み込まれており、双方が一体的に固定されている。図示の例では、第一充填ノズル9Aにおける水平断面の中央付近に第二充填ノズル9Bが組み込まれており、該第二充填ノズル9Bの外径は第一充填ノズル9Aの外径よりも小さい。そして、図2の構成例では、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bは互いに同軸配置されている。但し、後述するように、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bの配置方法については、適宜の変更を加えることができる。
【0055】
また、第二充填ノズル9Bは、第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aから下方に向かって延伸するように突出している。すなわち、第二充填ノズル9Bは、第二吐出孔16Bを含む先端側が部分的に第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aから外部に臨んだ状態で第一充填ノズル9Aに固定されている。従って、第一充填ノズル9Aにおける第一吐出孔16Aと第二充填ノズル9Bにおける第二吐出孔16Bが配置される高さについて着目すると、第一吐出孔16Aに比べて第二吐出孔16Bの方が相対的に下方に配置されることになる。なお、本明細書における上下方向とは、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bの軸線方向と平行な方向と定義する。
【0056】
[チューブ入り製品の製造方法]
次に、上記構成の充填装置1を用いて、チューブ容器25に比較的粘性がある内容物26を充填することでチューブ入り製品20を製造する製造方法について説明する。ここでは、充填装置1の基本的な動作状況を説明した後、フローチャートを参照しながら特徴的な処理内容について説明する。
【0057】
チューブ容器25に対して内容物26を充填する充填処理は、制御部12が上述した充填装置1を構成する各種機器類を制御することで実行される。本実施形態に係る充填装置1では、互いに径が異なる第一充填ノズル9Aと第二充填ノズル9Bから、同一種の内容物26を吐出することによって内容物26をチューブ容器25に充填する。そして、詳しくは後述するが、本実施形態における充填処理は、第一充填処理および、該第一充填処理の後に実施される第二充填処理を含んでいる。すなわち、チューブ容器25への内容物26の充填が、2回に分けて行われる。第一充填処理は、小径の第二充填ノズル9Bから内容物26を吐出することでチューブ容器25の先端側に位置するチューブ口元部22に内容物26を充填する処理である。また、第二充填処理は、大径の第一充填ノズル9Aから内容物26を吐出することでチューブ容器25のチューブ胴体部21に対して内容物26を充填する処理である。
【0058】
第一充填ノズル9Aを用いて内容物26をチューブ容器25に充填する場合、第一ホッパー2Aに充填されている内容物26を第一充填シリンダー4Aに一旦引き込んだ後、第
一充填シリンダー4Aの内容物26が第一充填ピストン5Aによって第一充填ノズル9Aに向けて押し出されるように、制御部12が第一切替バルブ7Aおよび第一電磁弁8Aを制御する。
【0059】
この場合に制御部12は、まず、第一切替バルブ7Aを“第一連通位置”に制御して、第一ホッパー2Aと第一充填シリンダー4Aを連通させた状態に制御する。その状態で、制御部12は第一電磁弁8Aに通電し、その弁体を“第一制御位置”に制御する。
【0060】
そうすると、エアーポンプ18からのエアーが第一エアシリンダー6Aの第一圧力室Aに導入される。そして、第二圧力室Bに比べて第一圧力室Aの方が高圧となることで、駆動用ピストン60Aが第二圧力室Bの容積を減少させる方向(図2中、右方向)に移動する。その結果、ロッド部材50Aを介して第一充填シリンダー4A内の第一充填ピストン5Aも駆動用ピストン60Aと同じ方向に移動して、第一充填シリンダー4Aにおけるシリンダー貯留室40Aの容積が増大する。このとき、第一ホッパー2Aと第一充填シリンダー4Aが連通しているため、第一ホッパー2Aに貯留されている内容物26を第一充填シリンダー4Aのシリンダー貯留室40Aへと導くことができる。
【0061】
一方、第一充填シリンダー4Aにおける内容物26を第一充填ノズル9Aに向けて押し出す場合、制御部12は、第一切替バルブ7Aを“第二連通位置”に切り替えて、第一充填シリンダー4Aと第一充填ノズル9Aを連通させる。そして、更に、制御部12は第一電磁弁8Aを“第二制御位置”に切り替える。
【0062】
そうすると、エアーポンプ18からのエアーが第一エアシリンダー6Aの第二圧力室Bに導入されるようになる。そうして、第一圧力室Aに比べて第二圧力室Bの方が高圧になることで、駆動用ピストン60Aが第一圧力室Aの容積を減少させる方向(図2中、左方向)に移動する。その結果、ロッド部材50Aを介して第一充填シリンダー4A内の第一充填ピストン5Aも駆動用ピストン60Aと同じ方向に移動して、第一充填シリンダー4Aにおけるシリンダー貯留室40Aの容積が減少する。このとき、第一充填シリンダー4Aと第一充填ノズル9Aが連通しているため、第一充填シリンダー4Aのシリンダー貯留室40Aに存在する内容物26が第一内部通路15Aに向かって押し出される。そして、この内容物26は、第一充填ノズル9Aに供給された後、第一充填ノズル9Aの先端部に形成された第一吐出孔16Aからチューブ容器25に充填される。
【0063】
次に、第二充填ノズル9Bによって内容物26を充填する場合、第二ホッパー2Bに充填されている内容物26を第二充填シリンダー4Bに一旦引き込んだ後、第二充填シリンダー4Bにおける内容物26が第二充填ピストン5Bによって第二充填ノズル9Bに向けて押し出されるように、第二切替バルブ7Bおよび第二電磁弁8Bが制御部12によって制御される。
【0064】
この場合、制御部12は、まず、第二切替バルブ7Bを“第一連通位置”に制御して、第二ホッパー2Bと第二充填シリンダー4Bを連通させる。その状態で、更に制御部12は、第二電磁弁8Bに通電すると共にこれを“第一制御位置”に制御する。
【0065】
そうすると、エアーポンプ18からのエアーが第二エアシリンダー6Bの第一圧力室Aに導入されるようになる。そして、第二圧力室Bに比べて第一圧力室Aが高圧となることで、駆動用ピストン60Bが第二圧力室Bの容積を減少させる方向に移動する。その結果、ロッド部材50Bを介して第二充填シリンダー4Bに収容されている第二充填ピストン5Bが駆動用ピストン60Bと同じ方向に移動して、第二充填シリンダー4Bにおけるシリンダー貯留室40Bの容積が増大する。このとき、第二ホッパー2Bと第二充填シリンダー4Bが連通しているため、第二ホッパー2Bに貯留されている内容物26が第二充填
シリンダー4Bのシリンダー貯留室40Bへと導かれる。
【0066】
一方、第一充填シリンダー4Aにおける内容物26を第一充填ノズル9Aに向けて押し出す場合、制御部12は、第二切替バルブ7Bを“第二連通位置”に切り替えて、第二充填シリンダー4Bと第二充填ノズル9Bを連通させる。そして、更に、制御部12は、第一電磁弁8Aを“第二制御位置”に切り替える。
【0067】
そうすると、エアーポンプ18からのエアーが今度は第二エアシリンダー6Bの第二圧力室Bに導入される。そうして、第一圧力室Aに比べて第二圧力室Bの方が高圧となることで、駆動用ピストン60Bが第一圧力室Aの容積を減少させる方向に移動する。その結果、ロッド部材50Bを介して第二充填ピストン5Bが駆動用ピストン60Bと同じ方向に移動して、第二充填シリンダー4Bにおけるシリンダー貯留室40Bの容積が減少する。このとき、第二充填シリンダー4Bと第二充填ノズル9Bが連通しているため、第二充填シリンダー4Aに存在する内容物26が第二内部通路15Bに向かって押し出される。そして、この内容物26は、第二内部通路15B、接続部材19を介して第二充填ノズル9Bへと供給された後、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bからチューブ容器25に充填される。
【0068】
次に、本実施形態におけるチューブ入り製品20を製造する際の製造方法に係る特徴的な処理内容について図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の充填処理に係る処理フローを示すフローチャートである。この図に示す各工程は、制御部12に格納されている制御プログラムを該制御部12が実行することによって実現される。
【0069】
まず、ステップS101では、チューブホルダ10にチューブ容器25がセットされる。図4に示すように、チューブ容器25は、そのチューブ口元部22にキャップ部材24が嵌められた状態で、且つ、キャップ部材24が下方となるような姿勢でチューブホルダ10へとセットされる。なお、チューブ容器25がチューブホルダ10にセットされる際、そのチューブ胴体部21においてキャップ部材24が嵌められる方の他端側には封止端部23は未だ形成されておらず、開放端27が形成された状態となっている。
【0070】
また、図4に示すように、チューブ容器25におけるチューブ口元部22は、チューブ胴体部21に比べてその内径が一回り小さく形成されている。図示の例では、チューブ口元部22は、チューブ胴体部21の三分の一程度まで径が縮小しており、チューブ胴体部21とチューブ口元部22との境界位置には肩部28が形成されている。
【0071】
ここで、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bのそれぞれの外径は、内容物26を充填する対象となるチューブ容器25の形状、主としてチューブ口元部22およびチューブ胴体部21の内径を勘案して定められている。そして、第二充填ノズル9Bの外径はチューブ口元部22の内径に比べて小さい寸法として定められている。また、第一充填ノズル9Aの外径は、チューブ口元部22の内径に比べて大きく、且つ、チューブ胴体部21の内径に比べて小さい寸法として定められている。
【0072】
本処理フローにおけるステップS102において、制御部12はホルダ駆動装置11に制御信号を送信してホルダ駆動装置11を作動させ、チューブホルダ18を上昇させる。そうすると、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bに対してチューブ容器25が徐々に近づき、チューブ胴体部21の開放端27から各ノズルがチューブ容器25内部に挿入される。図5に示すように、本ステップでは、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bがチューブ口元部22に配置されるように、チューブ容器25に対する第二充填ノズル9B挿入深さが調節される。図5では、第二吐出孔16Bがチューブ口元部22の中程の深さまで到達するように、第二充填ノズル9Bの挿入深さを設定した例を示している。
【0073】
ところで、本実施形態における充填装置1では、第一充填ノズル9Aおよびこれに組み込まれている第二充填ノズル9Bとの関係は固定関係にある。従って、本ステップでは、ホルダ駆動装置11を作動させることにより、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bのチューブ容器25に対する各々の挿入深さを連動して調節することになる。ここで、第一充填ノズル9Aの外径は、チューブ口元部22の内径よりも大きいため、チューブ容器25に対する第一充填ノズル9Aの挿入深さが深くなりすぎると、その第一吐出孔16Aが肩部28に衝突する虞がある。そこで、本実施形態では図5に示す如く、第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aから下方に向かって突出する第二充填ノズル9Bの突出長さを、上記のように第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bをチューブ口元部22内部に配置しても、第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aが肩部28と接触しないような長さに設定している。
【0074】
ステップS102が終了すると、ステップS103の処理に進む。ここでは、図2も適宜参照して説明する。本ステップは、第二充填ノズル9Bから内容物26を吐出することでチューブ容器25のチューブ口元部22に内容物26を充填する第一充填処理が行われる。なお、充填装置1における充填処理が開始される初期状態においては、第一切替バルブ7Aおよび第二切替バルブ7Bは共に第一連通位置に保持され、また、第一電磁弁8Aおよび第二電磁弁8Bに対して非通電の状態にあることを前提とする。
【0075】
制御部12は第一充填処理の実施に際して、第二電磁弁8Bに通電して、第一制御位置に制御する。そうすると、第二ホッパー2Bと第二充填シリンダー4Bが連通している状態で、第二充填ピストン5Bが第二切替バルブ7Bから離間する方向に移動することによりシリンダー貯留室40Bの容積が増加するため、第二ホッパー2Bに貯留されていた内容物26が第二充填シリンダー4Bに引き込まれる。
【0076】
次いで、制御部12は、第二切替バルブ7Bを第二連通位置に切り替えた後、第二電磁弁8Bに対する電圧制御によって弁体の位置を第二制御位置に切り替える。その結果、第二充填シリンダー4Bと第二充填ノズル9Bが連通した状態で、第二充填ピストン5Bが第二切替バルブ7Bに接近する方向に移動する。これにより、シリンダー貯留室40Bの容積が減少するため、シリンダー貯留室40B内における内容物26が第二切替バルブ7Bの第二内部通路15Bに向かって押し出される。そして、接続部材19を介して第二充填ノズル9Bに供給された内容物26は、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bからチューブ口元部22へと吐出される。
【0077】
ここで、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bがチューブ口元部22内に配置されているため、第二吐出孔16Bからの内容物26は、チューブ口元部22に対してのみ吐出される。このような第一充填処理によれば、チューブ口元部22から空気(エアー)をチューブ胴体部21側すなわち上方側に追い遣りながら、チューブ口元部22に対して内容物26を充填することができる。
【0078】
チューブ口元部22に対する内容物26の充填が完了すると、第一充填処理を終了する。すなわち、制御部12は、第二切替バルブ7Bを第一連通位置に切り替えると共に、第二電磁弁8Bに対する通電を停止する。第二電磁弁8Bが非通電状態となると、第一圧力室Aと第二圧力室Bが等圧となり、第二充填ピストン5Bが停止する。従って、第二充填ノズル9Bによる内容物26の吐出が停止されることで第一充填処理が終了する。なお、第一充填処理において、第二電磁弁8Bを第一制御位置から第二制御位置に切り替えてから第一充填処理を終了するまでの継続時間は、チューブ口元部22への内容物26の充填が完了するのに要する適正な時間として、チューブ口元部22の容積、第二充填ノズル9Bから単位時間当たりに吐出される内容物26の吐出量などに基づいて定めておくと良い

【0079】
第一充填処理が終了すると、ステップS104の処理に進む。ステップS104では、チューブ胴体部21の開放端27からチューブ容器25に挿入された第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aをチューブ胴体部21に配置した状態で第一吐出孔16Aから内容物26をチューブ胴体部21に吐出する第二充填処理が行われる。
【0080】
制御部12は第二充填処理の実施に際して、第一電磁弁8Aに通電して、第一制御位置に制御する。そうすると、第一ホッパー2Aと第一充填シリンダー4Aが連通している状態で、第一充填ピストン5Aが第一切替バルブ7Aから離間する方向に移動することによりシリンダー貯留室40Aの容積が増加するため、第一ホッパー2Aに貯留されていた内容物26が第一充填シリンダー4Aに引き込まれる。
【0081】
次いで、制御部12は、第一切替バルブ7Aを第二連通位置に切り替えた後、第一電磁弁8Aに対する電圧制御によって弁体の位置を第二制御位置に切り替える。その結果、第一充填シリンダー4Aと第一充填ノズル9Aが連通した状態で、第一充填ピストン5Aが第一切替バルブ7Aに接近する方向に移動する。これによって、シリンダー貯留室40Aの容積が減少し、シリンダー貯留室40A内における内容物26が第一切替バルブ7Aの第一内部通路15Aに向かって押し出される。そして、このように押し出された内容物26は、第一内部通路15Aを通じて第一充填ノズル9Aに供給された後、その第一吐出孔16Aからチューブ胴体部21へと吐出される。
【0082】
第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aからチューブ胴体部21への内容物26の吐出開始後、制御部12は、ホルダ駆動装置11に制御信号を送信して、チューブホルダ18が下降するようにホルダ駆動装置11を作動させる。ここでは、チューブ胴体部21への内容物26の充填高さが増加するに従って、第一充填ノズル9Aのチューブ容器25への挿入深さが減少するように、チューブホルダ18を下降させるようにした。
【0083】
ここで、チューブホルダ18を徐々に下降させるように制御しても良いし、段階的に下降させても良い。また、第一充填ノズル9Aの第一吐出孔16Aが内容物26の充填高さよりも常に高くなるように、第一充填ノズル9Aのチューブ容器25への挿入深さを内容物26の充填高さに応じて減少させても(チューブホルダ18を下降させても)良いし、逆に、チューブ胴体部21に吐出された後の内容物26に第一吐出孔16Aが僅かに潜った状態に維持されるように、内容物26の充填高さに応じて、第一充填ノズル9Aのチューブ容器25への挿入深さを減少させても(チューブホルダ18を下降させても)良い。また、本ステップにおいて、チューブ胴体部21への内容物26の充填高さに応じて第一充填ノズル9Aのチューブ容器25への挿入深さを変更することは本発明の適用に必須ではなく、第二充填処理中における第一充填ノズル9Aの挿入深さを一定に保持しても構わない。
【0084】
チューブ胴体部21に対する内容物26の充填、すなわち第一充填処理ではチューブ口元部22への充填が終了しているため、チューブ容器25全体に対する内容物26の充填が完了すると、制御部12は第一切替バルブ7Aを第一連通位置に切り替えると共に、第一電磁弁8Aに対する通電を停止する。そうすると、第一エアシリンダー6Aにおける第一圧力室Aと第二圧力室Bが等圧となり、第一充填ノズル9Aへの内容物26の供給が停止されることで、第二充填処理が終了する。なお、第二充填処理において、第一電磁弁8Aを第一制御位置から第二制御位置に切り替えてから第二充填処理を終了するまでの継続時間は、チューブ容器25への内容物26の充填量が所望の総充填量となるような適正時間として、チューブ胴体部21の容積や、第一充填ノズル9Aから単位時間当たりに吐出される内容物26の吐出量などに基づいて定めておくと良い。
【0085】
第二充填処理の終了後、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bがチューブ容器25内部に挿入されている場合には、制御部12はホルダ駆動装置11にチューブホルダ18を下降させて各ノズルをチューブ容器25から引き抜いた後、ステップS105の処理に進む。ステップS105では、チューブ容器25における開放端27を押し潰すように不図示の熱圧着装置の圧着器具で挟み、超音波などで融着してこの開放端27を封止することで、封止端部23を形成する。これによって、チューブ容器25に内容物26を充填してなるチューブ入り製品20が完成する。本ステップの処理が終了すると、制御部12は本制御プログラムの実行を終了する。
【0086】
以上のように説明した本発明に係る充填装置1およびチューブ入り製品20の製造方法によれば、チューブ容器25への内容物26の充填が第一充填処理と第二充填処理に分けて行われる。そして、第一充填処理においては、チューブ口元部22よりも小径の第二充填ノズル9Bをチューブ口元部22に挿入して内容物26を吐出することにより、第一充填処理の開始前にチューブ口元部22に溜まっていたエアーを内容物26によってチューブ胴体部21側に押し出すことができる。
【0087】
そして、上記のようにチューブ口元部22からエアーを押し出した後に、チューブ胴体部21に配置されている大径の第一充填ノズル9Aに内容物26を充填させることで、チューブ口元部22へのエアー溜まりが生じることを抑制することができる。従って、従来のように、チューブ口元部への充填が不充分になるといった不具合、或いはチューブ口元部に充填された内容物の成分が分離するなどの不具合が生じることを抑制することができる。
【0088】
また、本発明に係る充填装置1およびチューブ入り製品20の製造方法によれば、チューブ口元部22へのエアー溜まりの発生を抑制しつつ、キャップ部材24をチューブ容器25に嵌めた状態で内容物26の充填を行うことができる。そのため、キャップ部材24を外した状態で充填する場合のように、チューブ口元部22から漏出した内容物26によってチューブ口元部22が汚れてしまうこともなく、清掃の手間が掛かることもない。そして、このようにチューブ口元部22を清掃した後にキャップ部材24をチューブ口元部22に嵌める作業を省略できるため、チューブ容器20への内容物の充填効率、ひいてはチューブ入り製品25の生産性を向上することができる。
【0089】
なお、図3に示したフローチャートにおいては、ステップS102およびステップS103が本発明のチューブ入り製品の製造方法における第一充填工程に対応している。また、ステップS104が本発明のチューブ入り製品の製造方法における第二充填工程に対応する。また、ステップS105が本発明のチューブ入り製品の製造方法における封止工程に対応する。本制御プログラムを実行する制御部12が本発明の充填装置における充填手段に対応する。また、チューブ容器25がセットされたチューブホルダ18を昇降可能なホルダ駆動装置11が、本発明の充填装置における調節手段に対応する。
【0090】
[変形例]
本実施形態では、ホルダ駆動装置11の作動によってチューブホルダ18を昇降させることによって、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bのチューブ容器25に対する挿入深さを調節しているが、チューブホルダ18側を固定にし、各ノズルを一体的に昇降させることでチューブ容器25に対する挿入深さを調節しても良い。また、上述の制御例では、チューブ容器25に対する第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bの挿入深さを連動して調節しているが、これに限られない。すなわち、第一充填ノズル9Aおよび第二充填ノズル9Bを個別に昇降可能な昇降装置を用いて、各ノズルのチューブ容器25への挿入深さを個別に調節しても良い。
【0091】
また、本実施形態に係る充填装置1では、第一充填ノズル9Aの内部に第二充填ノズル9Bを組み込む構成例を採用しているが、例えば小径の第二充填ノズル9Bを、大径の第一充填ノズル9Aを構成する筒体の外面に沿わせるように設置しても良い。
【0092】
また、本実施形態では、ステップS103の第一充填処理に際して、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bをチューブ口元部22に挿入しているが、第二吐出孔16Bからチューブ口元部22に直接吐出してチューブ口元部22に溜まっていたエアーをチューブ胴体部21側に追い出しながら内容物26を充填できる態様であれば、必ずしもチューブ口元部22に第二吐出孔16Bを挿入する必要はない。例えば、第二吐出孔16Bがチューブ口元部22に対向するように該チューブ口元部22の上部空間に配置した状態で第一充填処理を実施しても良い。但し、本実施形態のように、第一充填処理に際して、第二充填ノズル9Bの第二吐出孔16Bをチューブ口元部22に挿入する態様は好ましい態様であることは言うまでもない。また、チューブ口元部22に対する第二吐出孔16Bの挿入深さは適宜の変更を加えることができる。
【0093】
また、第二充填処理にチューブ胴体部21に内容物26を充填するために用いる第一充填ノズル9Aは、その外径がチューブ口元部22の内径よりも大きく設定しているが、例えばチューブ胴体部21の内壁と所定のクリアランス(例えば、5mm〜10mm程度)を確保した上でなるべく大きな寸法に設定すると良い。そうすることで、第二充填処理に要する所要時間を短縮することができるため、チューブ入り製品20の生産性を一層向上させることができる。
【0094】
以上、本発明に係る各実施形態を説明したが、本発明のチューブ入り製品の製造方法、およびチューブ容器に内容物を充填する充填装置に関する技術は、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0095】
1・・・充填装置
2A・・第一ホッパー
2B・・第二ホッパー
4A・・第一充填シリンダー
4B・・第二充填シリンダー
5A・・第一充填ピストン
5B・・第二充填ピストン
6A・・第一エアシリンダー
6B・・第二エアシリンダー
7A・・第一切替バルブ
7B・・第二切替バルブ
8A・・第一電磁弁
8B・・第二電磁弁
9A・・第一充填ノズル
9B・・第二充填ノズル
10・・チューブホルダ
11・・ホルダ駆動装置
12・・制御部
20・・チューブ入り製品
21・・チューブ胴体部
22・・チューブ口元部
23・・封止端部
24・・キャップ部材
25・・チューブ容器
26・・内容物
27・・開放端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ胴体部と、該チューブ胴体部の先端側に一体に形成されて該チューブ胴体部よりも小径となっていると共に外部と開放されたチューブ口元部と、該チューブ口元部に嵌められるキャップ部材とを備えたチューブ容器に充填装置を用いて内容物を充填することによってチューブ入り製品を製造する製造方法であって、
前記充填装置は、前記チューブ口元部の内径よりも大きな外径を有すると共にその先端側に第一吐出孔が形成された第一充填ノズルと、前記チューブ口元部の内径よりも小さな外径を有すると共にその先端側に第二吐出孔が形成された第二充填ノズルと、を備え、
前記製造方法は、
前記チューブ口元部に前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器に対して、前記チューブ胴体部において該チューブ口元部と逆側に形成された開放端から少なくとも前記第二充填ノズルを挿入し、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔から前記内容物を該チューブ口元部に吐出する第一充填工程と、
前記第一充填工程の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端から前記チューブ容器に挿入された前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔を前記チューブ胴体部に配置した状態で該第一吐出孔から前記内容物を該チューブ胴体部に吐出する第二充填工程と、
を含むチューブ入り製品の製造方法。
【請求項2】
前記第一充填工程において、前記第二充填ノズルにおける前記第二吐出孔が前記チューブ口元部に配置される、請求項1に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項3】
前記第二充填工程において、前記チューブ容器に対する前記第一充填ノズルの挿入深さは、前記チューブ胴体部への前記内容物の充填高さが増加するに従って減少するように調節される、請求項1又は2に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項4】
前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルは一体的に固定されており、
前記第一充填工程において、前記第一充填ノズルは前記第二充填ノズルと連動して前記開放端から前記チューブ容器に挿入されると共に、前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部に配置される、請求項1から3の何れか一項に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項5】
前記第二充填ノズルは前記第一充填ノズルの内部に組み込まれており、前記第二吐出孔を含む該第二充填ノズルの先端側が該第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出している、請求項4に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項6】
前記第二充填ノズルが前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出する突出長さは、前記第一充填工程において前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔を前記チューブ口元部に配置しても、前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部と前記チューブ口元部との境界に形成される肩部と接触しないような長さに設定される、請求項5に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項7】
前記第二充填工程の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端を封止する封止工程を更に含む、請求項1から6の何れか一項に記載のチューブ入り製品の製造方法。
【請求項8】
チューブ胴体部と、該チューブ胴体部の先端側に一体に形成されて該チューブ胴体部よりも小径となっていると共に外部と開放されたチューブ口元部と、該チューブ口元部に嵌められるキャップ部材とを備えたチューブ容器に内容物を充填する充填装置であって、
前記チューブ胴体部において前記チューブ口元部と逆側に形成された開放端からその内部に挿入されて且つ前記チューブ口元部の内径よりも大きな外径を有すると共にその先端側に第一吐出孔が形成された第一充填ノズルと、
前記チューブ胴体部の前記開放端からその内部に挿入されて且つ前記チューブ口元部の内径よりも小さな外径を有すると共にその先端側に第二吐出孔が形成された第二充填ノズルと、
前記チューブ口元部に前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器に対して、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔から前記内容物を該チューブ口元部に吐出する第一充填処理と、該第一充填処理の後に、前記チューブ胴体部の前記開放端から前記チューブ容器に挿入された前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔を前記チューブ胴体部に配置した状態で該第一吐出孔から前記内容物を該チューブ胴体部に吐出する第二充填処理と、を実行する充填手段と、
を備える充填装置。
【請求項9】
前記充填手段が前記第一充填処理を実行する際に、前記第二充填ノズルにおける前記第二吐出孔が前記チューブ口元部に配置される、請求項8に記載の充填装置。
【請求項10】
前記キャップ部材が嵌められた状態の前記チューブ容器を保持する容器ホルダと、
前記容器ホルダに保持されている前記チューブ容器に対する前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルの挿入深さを調節可能な調節手段と、
を更に備え、
前記充填手段が前記第二充填処理を実行する際に、前記調節手段は少なくとも前記第一充填ノズルの挿入深さを、前記チューブ胴体部への前記内容物の充填高さが増加するに従って減少させる、請求項8又は9に記載の充填装置。
【請求項11】
前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルは一体的に固定されており、
前記調節手段は、前記容器ホルダを昇降、又は、前記第一充填ノズルおよび前記第二充填ノズルを一体的に昇降することによって各ノズルの前記挿入深さを連動して調節する、請求項8から10の何れか一項に記載の充填装置。
【請求項12】
前記第二充填ノズルは前記第一充填ノズルの内部に組み込まれており、前記第二吐出孔を含む該第二充填ノズルの先端側が該第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出している、請求項11に記載の充填装置。
【請求項13】
前記第二充填ノズルが前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔から突出する突出長さは、前記充填手段が前記第一充填処理を実行する際に、前記第二充填ノズルの前記第二吐出孔を前記チューブ口元部に配置しても、前記第一充填ノズルの前記第一吐出孔が前記チューブ胴体部と前記チューブ口元部との境界に形成される肩部と接触しないような長さに設定される、請求項12に記載の充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−255928(P2011−255928A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131982(P2010−131982)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】