説明

チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤

【課題】長期間にわたり安全に投与又は摂取が可能な薬用植物由来のDPP−IV阻害剤、或いはDPP−IV阻害作用を有する食品組成物を提供する。
【解決手段】チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有する医薬組成物、又は食品組成物は、優れたDPP−IV阻害活性を示し、副作用の恐れも少ないことから、DPP−IVの関与する疾患の予防、改善、及び/又は治療用途に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョウセンゴミシ水抽出エキスの新規医薬用途に関する。より詳しくは、チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(以下、DPP−IV阻害剤という)に関する。本発明は、またDPP−IVの関与する疾患の予防、改善、又は治療に有用なチョウセンゴミシ水抽出エキスを含有する医薬、又は食品組成物(特に、病者用食品、特定保健用食品)に関する。
【背景技術】
【0002】
DPP−IVは、ポリペプチド及びタンパク質のアミノ末端から、Xaa−Pro又はXaa−Ala(Xaaは任意のアミノ酸を示す)のジペプチドを特異的に加水分解するセリンプロテアーゼの一種である。DPP−IVは、広範囲の組織(腸、肝臓、肺、腎臓、胎盤等)、及び血漿中に分布しており、様々な生理活性ペプチドの代謝に関与している。
【0003】
DPP−IVは、消化管ホルモンであるインクレチン(GLP−1:グルカゴン様ペプチド−1及びGIP:グルコ−ス依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)を分解・不活化する。インクレチンは食後の血糖値上昇に伴い腸上皮細胞から分泌され、膵臓β細胞表面の受容体に結合してインスリン分泌促進及びグルカゴンの分泌抑制により血糖値降下作用を示すことが知られている。従って、DPP−IV阻害剤は、インクレチンの分解を抑え、インスリン分泌を促進して糖代謝を改善するため、2型糖尿病の予防または治療剤として有用であると期待されている(非特許文献1)。
【0004】
DPP−IVは、乾癬、及び扁平苔癬患者の皮膚の線維芽細胞に高発現すること(非特許文献2)、また、良性の前立腺肥大症の患者に高水準で発現することが見出されている(非特許文献3)。従って、DPP−IV阻害剤は、皮膚病、及び良性の前立腺肥大症の予防または治療剤として有用であると考えられる。
【0005】
さらに、DPP−IVは、後天性免疫不全症候群(AIDS)(非特許文献4)、骨粗鬆症(非特許文献5)、消化管障害(非特許文献6)、不妊症(非特許文献7)、癌(非特許文献8、9)、炎症性疾患(非特許文献10)、自己免疫疾患(非特許文献10、11)、心臓血管疾患(特許文献1)、腎臓疾患(特許文献1)、精神疾患(非特許文献12、13)等の疾患との関連性が報告されていることから、DPP−IV阻害剤が、これら広範な疾患の予防または治療剤として有用であると考えられる。
【0006】
現在までに、DPP−IV阻害作用を示す化合物は数多く報告されており、中でもビルダグリプチン(特許文献2)、シタグリプチン(特許文献3)、及びアログリプチン(特許文献4)は既に実用化されている。しかし、上記化合物はいずれも化学合成品であるため、安定性、及び副作用等の安全性の面で必ずしも十分であるとはいえず、医薬品や食品素材として使用し得るDPP−IV阻害剤の探索研究が国内外において盛んに行われている。
【0007】
一方、民間療法や伝統医学(例えば、漢方医学)で古くから用いられてきた植物抽出エキスは、副作用等の恐れが少なく、長期間、安全に服用、又は摂取可能であるという長所を有している。しかしながら、優れたDPP−IV阻害活性を示す植物由来の医薬、又は食品素材については、これまでほとんど報告されていない。
【0008】
チョウセンゴミシ(北五味子:Schisandra chinensis)は、マツブサ科(Schisandraceae)マツブサ属の植物で、その成熟果実を乾燥したものを五味子といい、漢方ではその水またはアルコール抽出エキスが、鎮咳、精力減退、滋養強壮、肝臓障害、神経衰弱の治療用途で用いられてきた(非特許文献14、15)。しかし、チョウセンゴミシ水抽出エキスが、DPP−IV阻害活性を示すことは報告されておらず、また、DPP−IVの関与する上記各種疾患の予防、及び/又は治療用途についても報告例は皆無であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−31396号公報
【特許文献2】国際公開第2000/34241号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2003/04998号パンフレット
【特許文献4】特許第4068118号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Diabetes, 1998, 47, 1663
【非特許文献2】J. Cell. Physiol., 1992, 151, 378
【非特許文献3】Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem., 1992, 30, 333
【非特許文献4】Science, 1993, 262, 2045
【非特許文献5】Clin. Chem., 1988, 34, 2499
【非特許文献6】Endcrinology, 2000, 141, 4013
【非特許文献7】Diabetologia, 1999, 42(11), 1324
【非特許文献8】Br. J. Cancer, 1999, 79(7-8), 1042
【非特許文献9】J. Androl., 2000, 21(2), 220
【非特許文献10】J. Immunol., 2001, 166, 2041
【非特許文献11】Science, 1993, 261, 466
【非特許文献12】Peptides, 2007, 28, 257
【非特許文献13】Physiol. Res., 2008, 57, 443
【非特許文献14】北川 勲他著,生薬学,第3版,廣川書店,256-257(1986)
【非特許文献15】山形県衛生研究所編,衛研ニュース,No.134,4 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、優れたDPP−IV阻害活性を示し、安全で、長期間にわたり服用、又は摂取しても副作用等の心配の少ない植物抽出エキスを含有する医薬、又は食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、古くから漢方、又は民間療法において用いられてきた薬用植物であるチョウセンゴミシの成熟果実を乾燥させた生薬「五味子」から容易に得られる水抽出エキスが、優れたDPP−IV阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するDPP−IV阻害剤、又は該DPP−IV阻害剤を含有する食品組成物に関する。
本発明は、またチョウセンゴミシ水抽出エキスを使用するDPP−IVの関与する疾患の予防、又は治療方法にも関する。
さらに、本発明は、DPP−IVの関与する疾患の予防、改善、及び/又は治療用の医薬、又は食品組成物を製造するための、チョウセンゴミシ水抽出エキスの使用方法にも関する。
【0014】
すなわち、本発明は、
[1] チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するDPP−IV阻害剤、
[2] チョウセンゴミシの抽出物からなる上記[1]に記載のDPP−IV阻害剤、
[3] チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、60℃〜100℃で0.5〜8時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、上記[1]又は[2]に記載のDPP−IV阻害剤、
[4] チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、80℃〜100℃で1〜4時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、上記[3]に記載のDPP−IV阻害剤、
[5] チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、90℃で1時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、上記[4]に記載のDPP−IV阻害剤、
[6] チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、室温で8〜12時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、上記[1]又は[2]に記載のDPP−IV阻害剤、
[7] チョウセンゴミシ水抽出エキスが、前記水溶液を乾燥して得られる粉末である、上記[3]〜[6]のいずれか一つに記載のDPP−IV阻害剤、
[8] 上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のDPP−IV阻害剤を有効成分として含有する医薬組成物、
[9] DPP−IVの関与する疾患の予防、又は治療のための上記[8]に記載の医薬組成物、
[10] DPP−IVの関与する疾患が、DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患である、上記[9]に記載の医薬組成物、
[11] DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患が、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、皮膚疾患、器官移植拒絶反応、自己免疫疾患、骨粗鬆症、又は不妊症である、上記[10]に記載の医薬組成物、
[12] 糖尿病が、2型糖尿病である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[13] 炎症性疾患が、過敏性腸炎、又は関節炎である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[14] 心臓血管疾患が、心臓肥大、心筋梗塞、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、又は血管再狭窄である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[15] 腎臓疾患が、腎炎、腎動脈症、腎硬化症、又は糸球体間質肥厚である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[16] 皮膚疾患が、乾癬、又は扁平苔癬である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[17] 自己免疫疾患が、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、又は炎症性腸疾患である、上記[11]に記載の医薬組成物、
[18] DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患が、癌、AIDS、又は精神疾患である、上記[10]に記載の医薬組成物、
[19] 癌が、乳腺癌、前立腺癌、肺癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、子宮癌、大腸癌、悪性中皮腫、T−細胞リンパ腫、又は白血病である、上記[18]に記載の医薬組成物、
[20] 精神疾患が、統合失調症、鬱病、不安、てんかん、又はストレス性疾患である、上記[18]に記載の医薬組成物、
[21] チョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量が、DPP−IV阻害活性を発現する有効量である、上記[8]〜[20]のいずれか一つに記載の医薬組成物、
[22] 有効量が、乾燥重量として、0.1mg〜2000mg/kg体重/日である、上記[21]に記載の医薬組成物、
[23] タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、又は液状の形態として調製されていることを特徴とする、上記[1]〜[22]のいずれか一つに記載の製剤、
[24] 経口投与用である、上記[1]〜[23]のいずれか一つに記載の製剤、
[25] さらに、DPP−IV阻害剤、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、食欲抑制剤、免疫調節剤、抗癌剤、抗精神病剤、及び利尿剤からなる群より選択される一種以上の薬剤と組み合わせて使用することを特徴とする、上記[1]〜[24]のいずれか一つに記載の医薬組成物、
[26] 上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のDPP−IV阻害剤を含有する食品組成物、
[27] チョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量が、食品組成物全量に対して、1〜5質量%である、上記[26]に記載の食品組成物、
[28] サプリメント、機能性食品、健康食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、又は栄養機能食品として調製されていることを特徴とする、上記[26]又は[27]に記載の食品組成物、
[29] 特別用途食品、又は特定保健用食品である、上記[28]に記載の食品組成物、
[30] 特別用途食品が病者用食品である、上記[29]に記載の食品組成物、
[31] タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、又は液状の形態として調製されていることを特徴とする、上記[26]〜[30]のいずれか一つに記載の食品組成物、
[32] 飲料、菓子類、冷菓、麺類、水産加工食品、畜産加工食品、乳製品、油脂及び油脂加工食品、調味料、経腸栄養食、スープ、シチュー、惣菜、漬物、又はパンとして調製されていることを特徴とする、上記[26]〜[30]のいずれか一つに記載の食品組成物、
[33] チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有し、DPP−IVの関与する疾患の予防又は改善用の特定保健用食品、
[34] チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有し、DPP−IVの関与する疾患の予防又は改善用の特別用途食品、
に関する。
【0015】
また、本発明は、動物、特に、哺乳動物に対し、体内でDPP−IV阻害作用を発現することができる有効量のチョウセンゴミシ水抽出エキスを摂取させ、又は投与することを特徴とする、DPP−IVの関与する疾患の予防、改善、及び/又は治療方法;並びに
DPP−IV阻害作用を有する食品組成物、ペットフード、飼料、或いは餌料(以下、食品組成物等ともいう。)の製造のための、チョウセンゴミシ水抽出エキスの使用方法も提供する。
【発明の効果】
【0016】
チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有する本発明のDPP−IV阻害剤、又は該DPP−IV阻害剤を含有する食品組成物等は、DPP−IVの関与する疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、癌、AIDS、皮膚疾患、自己免疫疾患、骨粗鬆症、不妊症、精神疾患等の予防、改善、及び/又は治療用途に使用することができる。また、チョウセンゴミシが食経験のある植物由来成分であるため、副作用が少なく、長期間にわたり安全に服用、又は食品等に添加して摂取することが可能である。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、健康維持に必要な栄養成分の吸収を阻害することなく、また嗜好性や摂食量に影響を与えることなくDPP−IVを阻害することができるので、食品等に添加することにより、DPP−IVの関与する上記各種疾患の予防、改善、及び/又は治療等を無理なく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(定義)
本明細書における「DPP−IV阻害剤」は、DPP−IV、及び/又はDPP−IVと機能的に関連した酵素の酵素活性の阻害(例えば、1〜100%阻害)を呈する薬剤を意味する。DPP−IV阻害剤による処置は、ペプチド基質(例えば、GLP−1、GIP等)の作用持続時間を延長させ、該ペプチド基質に関連する一連の生物活性を導くそれらの未分解形態の作用レベルを増加させる。DPP−IV阻害作用は、後述する試験例1に記載のDPP−IV阻害活性の測定方法に従って測定することができる。
1.チョウセンゴミシ水抽出エキス
【0019】
本発明で使用する「チョウセンゴミシ」とは、マツブサ科マツブサ属の植物であり、チョウセンゴミシ水抽出エキスとしては、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものである生薬「五味子」(本発明においては、市販の日局「五味子」)を使用することが好ましい。また、マツブサ科(Schisandraceae)サネカズラ属の植物である「南五味子(Kadsura japonica)」もチョウセンゴミシと同様に使用することができる。
【0020】
抽出に際しては、例えば、五味子に対し、1〜50倍量(好ましくは2〜20倍量、より好ましくは5〜15倍量、特に好ましくは10倍量)の水を使用し、60〜100℃、(好ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100℃、特に好ましくは90℃)にて、0.5〜8時間(好ましくは1〜4時間、より好ましくは1〜2時間、特に好ましくは1時間)抽出し(温浸法)、濾過により生薬を除去し、1/2〜1/20量(好ましくは1/5〜1/10量、より好ましくは1/10量)まで濃縮した水溶液をそのまま使用することができる。また、五味子に対し、1〜50倍量(好ましくは2〜20倍量、より好ましくは5〜15倍量、特に好ましくは10倍量)の水を使用し、冷浸法(室温下、8〜12時間抽出)により得られるエキスも、上記温浸法により得られるエキスと同様の効果が得られる。さらに、上記温浸法、又は冷浸法により得られる水溶液を濃縮乾燥、噴霧乾燥(スプレードライヤーによる粉末化)、又は凍結乾燥して粉末状にしたものを使用することもできる。
【0021】
本明細書において、「室温」とは、実験室内の大気の通常温度(65〜80°F(18.3〜26.7℃))を意味する。
【0022】
2.チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有するDPP−IV阻害剤及び食品組成物
【0023】
チョウセンゴミシ水抽出エキスは、DPP−IV阻害作用を有しているので、該エキスは、動物に対し、DPP−IVの関与する疾患、好ましくは、DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、癌、AIDS、皮膚疾患、器官移植拒絶反応、自己免疫疾患、骨粗鬆症、不妊症、精神疾患等の予防、改善、及び/又は治療剤(以下、「本発明の製剤」と略称することがある。)として、並びに、DPP−IV阻害作用を有する食品組成物等(以下、「本発明の食品組成物」と略称することがある。)として用いることができる。
【0024】
本発明における糖尿病は、高血糖、高インスリン血症、糖尿病性脂肪血症、2型糖尿病、糖尿病合併症等を含む。
【0025】
本発明における炎症性疾患は、過敏性腸炎、関節炎等を含む。
【0026】
本発明における心臓血管疾患は、心臓肥大、心筋梗塞、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、血管再狭窄等を含む。
【0027】
本発明における腎臓疾患は、腎炎、腎動脈症、腎硬化症、糸球体間質肥厚等を含む。
【0028】
本発明における癌は、乳腺癌、前立腺癌、肺癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、子宮癌、大腸癌、悪性中皮腫等の固形癌、及びT−細胞リンパ腫、白血病等を含み、特に癌転移の予防に有用である。
【0029】
本発明における皮膚疾患は、乾癬、扁平苔癬等を含む。
【0030】
本発明における自己免疫疾患は、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患等を含む。
【0031】
本発明における不妊症は、特に多嚢胞性卵巣症候群によるヒト女性の不妊症である。
【0032】
本発明における精神疾患は、統合失調症、鬱病、不安、てんかん、ストレス性疾患等を含む。
【0033】
本発明の製剤、又は食品組成物の投与、又は摂取の好ましい方法としては、食事の時、又は食後の投与、又は摂取が特に好ましいが、定時的な投与、又は摂取形態でも構わない。本発明の食品組成物の場合は、投与、又は摂取方法には特に限定はない。
【0034】
適用対象の動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、インコ、キュウカンチョウ、オウム、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、サル、ウサギ、カエル、サンショウウオ、キンギョ、コイ、フナ等の脊椎動物であるのが好ましく、哺乳動物であるのがより好ましく、ヒトであるのが特に好ましい。適用対象の動物は、DPP−IVの関与する疾患に罹患している動物、又はDPP−IVの関与する疾患に罹患する可能性のある動物であればよく、遺伝的にDPP−IVの関与する疾患のリスクを有している動物であってもよい。
【0035】
(1)本発明の製剤
チョウセンゴミシ水抽出エキスを上述の製剤として使用する場合には、公知の方法によって実施することができる。具体的には、例えば、以下に記載するとおりに実施することができる。
【0036】
本発明の製剤は、必要に応じて糖衣やコーティングを施した錠剤、丸剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、細粒剤、トローチ剤、液剤(シロップ剤、乳剤、懸濁剤を含む)等として経口的に使用するのが好ましい。
【0037】
本発明の製剤には、本発明の効果を阻害しない限り、薬理学的に許容される担体等を配合することができる。薬理学的に許容される担体等としては、製剤材料として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、増粘剤、乳化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、着色剤、甘味剤、抗酸化剤等の製剤添加剤も用いることができる。さらに本発明の製剤をコーティングしてもよい。
【0038】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース(例えば、微結晶セルロース等)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。結合剤としては、例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、マクロゴール、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋ポリビニルピロリドン、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、陽イオン交換樹脂、部分α化でんぷん、トウモロコシデンプン等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ワックス類、コロイドシリカ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、マクロゴール、エアロジル等が挙げられる。
【0039】
溶剤としては、例えば、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、植物油(例えば、サフラワー油、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、大豆レシチン等)等が挙げられる。
【0040】
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0042】
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
【0043】
増粘剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体等が挙げられる。
【0044】
乳化剤としては、例えば、脂肪酸エステル類(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等)、ワックス(例えば、ミツロウ、菜種水素添加油、サフラワー水素添加油、パーム水素添加油、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、カカオ脂粉末、カルナウバロウ、ライスワックス、モクロウ、パラフィン等)、レシチン(例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン等)等が挙げられる。
【0045】
着色剤としては、例えば、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号及び3号、食用黄色4号及び5号、食用青色1号及び2号等の食用色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩等)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ等)等が挙げられる。
【0046】
甘味剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビア等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
【0047】
錠剤、顆粒剤、細粒剤等に関しては、味のマスキング、光安定性の向上、外観の向上あるいは腸溶性等の目的のため、コーティング基剤を用いて通常の方法でコーティングしてもよい。このコーティング基剤としては、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤等が挙げられる。
【0048】
糖衣基剤としては、例えば、白糖が挙げられ、さらにタルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウ等から選ばれる1種又は2種以上を併用してもよい。
【0049】
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社)、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;プルラン等の多糖類等が挙げられる。
【0050】
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL(オイドラギットL(商品名)ロームファルマ社)、メタアクリル酸コポリマーLD(オイドラギットL−30D55(商品名)ロームファルマ社)、メタアクリル酸コポリマーS(オイドラギットS(商品名)ロームファルマ社)等のアクリル酸系高分子;セラック等の天然物等が挙げられる。
【0051】
これらのコーティング基剤は、単独で、又は2種以上を適宜の割合で混合してコーティングしてもよく、また2種以上を順次コーティングしてもよい。
【0052】
本発明の製剤中におけるチョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量は、製剤全体に対して通常約0.001〜99質量%、好ましくは、約0.01〜80質量%、より好ましくは、約0.1〜50質量%の任意の範囲である。
【0053】
本発明の製剤で用いられるチョウセンゴミシ水抽出エキスの投与量は、体内でDPP−IV阻害作用を発現することができる有効量の範囲内であればよく、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。例えば、DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患を治療する目的で成人に投与する場合、投与対象、投与形態、摂食量等によっても異なるが、チョウセンゴミシ水抽出エキスの投与量として、一般的に一日につき、体重1kgあたり、乾燥重量として、0.1〜2000mg、好ましくは0.1〜800mg、より好ましくは0.1〜400mg、特に好ましくは1〜100mg、最も好ましくは5〜60mgである。他の動物の場合も、同様の量を投与することができる。
【0054】
本発明の製剤の投与方法としては、特に限定されるものではなく、一般に上記のような経口投与による投与方法が挙げられるが、患者の状態、重症度等に応じて、非経口投与(血管内(静脈内、動脈内)投与、皮下投与、直腸内投与等)を適宜選択してもよい。
【0055】
また、本発明の製剤で有効成分として用いられるチョウセンゴミシ水抽出エキスは、他のDPP−IV阻害剤、糖尿病治療剤(例えば、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン分泌促進剤、インスリン増感剤、インスリン製剤、PPAR作動剤、アルドース還元酵素阻害剤等)、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、利尿剤、抗肥満剤、食欲抑制剤、抗癌剤、免疫調節剤等の薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。本明細書においては、「組み合わせて用いる」とは、別々の製剤として投与する形態、及び一つの製剤として合剤にする形態のいずれであってもよい。
【0056】
別々の製剤として組み合わせて使用する際、本発明の製剤で用いられるチョウセンゴミシ水抽出エキス及び併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合わせて用いてもよい。
【0057】
(2)本発明の食品組成物
チョウセンゴミシ水抽出エキスを上述の食品組成物として使用する場合には、通常の方法によって実施することができる。具体的には、例えば、以下に記載するとおりに実施することができる。
【0058】
本発明の食品組成物としては、チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有し、かつ、動物が経口的に摂取しうるものであればよく、食品組成物の種類、形状等に特に制限はない。食品組成物としては、例えば、ドロップ、キャンディー、ラムネ、グミ、チューインガム等の菓子類;クッキー、クラッカー、ビスケット、ポテトチップス、ケーキ、チョコレート、ドーナツ、プリン、ゼリー等の洋菓子;煎餅、羊羹、大福、おはぎ、饅頭、カステラ等の和菓子;アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、ジェラート等の冷菓;食パン、フランスパン、クロワッサン等のパン類;うどん、そば、中華めん、きしめん等の麺類;かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージ等の水産加工食品;ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ等の畜産加工食品;塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料(例えば、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ、ジャム、マーマレード等)、辛味料(例えば、からし、コショウ等)等の調味料類;明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品;チーズ、バター、マーガリン、ヨーグルト等の乳製品;納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、餃子、シューマイ、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、サラダ等の各種総菜;ビーフ、ポーク、チキン等の畜産物;海老、帆立、蜆、昆布等の水産物;野菜・果実類、植物、酵母、藻類等を粉末にした各種粉末;食用植物油脂、マーガリン等の油脂加工食品;油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつお等)を粉末固形化したもの;飲料等が挙げられる。
【0059】
飲料としては、スープ、味噌汁等の飲食品;インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、インスタント味噌汁等の粉末飲食品;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、酎ハイ等のアルコール飲料;果汁(例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、ウメの果汁等)入り飲料、野菜汁(例えば、トマト、ニンジン、セロリ、キュウリ、スイカの野菜汁等)入り飲料、果汁及び野菜汁入り飲料、清涼飲料水、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、コーヒー、ココア、茶飲料(紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー茶、ローズ茶、キク茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)等)、栄養ドリンク、スポーツ飲料、ミネラルウォーター等の非アルコール飲料等が挙げられる。
【0060】
このような食品組成物として好ましい例としては、例えば、ゼリー、茶飲料、アルコール飲料ドロップ、キャンディ、ラムネ、クッキー、クラッカー、ビスケット、チョコレート、チーズ、バター、マーガリン、チューインガム等が挙げられる。
【0061】
また、本発明の食品組成物は、機能性食品、健康食品、経腸栄養食品、特定保健用食品等の保健機能食品、特別用途食品(例えば、病者用食品)、サプリメント等として調製されてもよく、特定保健用食品、特別用途食品、又はサプリメントとして調製されるのが好ましい。
【0062】
このような本発明の食品組成物の形状としては、例えば、タブレット状、丸状、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、液状(シロップ状、乳状、懸濁状を含む)等が挙げられ、タブレット状、カプセル状であるのが好ましい。
【0063】
本発明の食品組成物としては、特にタブレット状、又はカプセル状の特定保健用食品、特別用途食品、又はサプリメントであるのが好ましい。
【0064】
本明細書において、サプリメントとは、栄養素等を補うための栄養補助食品、栄養機能食品等を意味するだけではなく、健康の保持、回復、増進等のために役立つ機能等を有する健康補助食品、健康機能食品等をも意味する。
【0065】
本発明の食品組成物は、例えば、公知の方法によって食品中にチョウセンゴミシ水抽出エキスを添加することによって製造することができる。具体的には、例えば、タブレット状の食品組成物は、例えば、チョウセンゴミシ水抽出エキス、及び、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、マンニトール等)、甘味剤、着香剤等の原料を添加、混合し、打錠機等で圧力をかけてタブレット状に成形することにより製造することができる。必要に応じて、その他の材料(例えば、ビタミンC等のビタミン類、鉄等のミネラル類、食物繊維等)を添加することもできる。カプセル状の食品組成物は、例えば、チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有する液状、懸濁状、のり状、粉末状、又は顆粒状の食品組成物をカプセルに充填するか、又はカプセル基剤で被包成形して製造することができる。
【0066】
本発明の食品組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、通常用いられる食品素材、食品添加物、各種の栄養素、ビタミン類、風味物質(例えば、チーズやチョコレート等)等に加え、生理学的に許容される担体等を配合することができる。生理学的に許容される担体等としては、慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤、増粘剤、乳化剤等が挙げられる。また食品添加物としては、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。さらに、その他の材料、例えば、鉄等のミネラル類、ペクチン、カラギーナン、マンナン等の食物繊維等を含有していてもよい。
【0067】
賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、増粘剤、着色剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤としては、それぞれ前記した本発明の製剤に用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0068】
ビタミン類としては、水溶性であっても脂溶性であってもよく、例えばパルミチン酸レチノール、トコフェロール、ビスベンチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミン、アスコルビン酸ナトリウム、コレカルシフェロール、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、重酒石酸コリン等が挙げられる。
【0069】
タブレット状、顆粒状、細粒状の食品組成物等に関しては、味のマスキング、光安定性の向上、外観の向上あるいは腸溶性等の目的のため、コーティング基剤を用いて自体公知の方法でコーティングしてもよい。そのコーティング基剤としては、前記した本発明の製剤に用いられるものと同様のものが挙げられ、同様にして実施することができる。
【0070】
本発明の食品組成物中におけるチョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量は、食品組成物全体に対して通常約0.1〜20質量%、好ましくは、約0.5〜10質量%、より好ましくは、約1〜5質量%である。チョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミン等の他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。
【0071】
また、食品組成物が脂肪を含有する場合には、本発明の食品組成物中の脂肪に対するチョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量は、通常1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは10〜15質量%という範囲である。
【0072】
このようにして得られる食品組成物は、安全であるので、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、特に好ましくはヒトに対して継続的に与えることができる。
【0073】
本発明の食品組成物の摂取量は、チョウセンゴミシ水抽出エキスが体内でDPP−IV阻害作用を発現することができる有効量の範囲内であればよい。例えば、本発明の食品組成物を体重増加抑制目的で成人に摂取させる場合、摂取させる対象、摂取形態、摂食量等によっても異なるが、チョウセンゴミシ水抽出エキスの摂取量として、一般的に一日につき、体重1kgあたり、乾燥重量として、0.1〜800mg、好ましくは0.1〜400mg、より好ましくは1〜400mg、特に好ましくは40〜400mgである。チョウセンゴミシ水抽出エキスの投与量が少なすぎても効果が発現しないし、多すぎると脂溶性ビタミン等の他の栄養成分の吸収を阻害する恐れがある。また、嗜好性や摂食量に影響をあたえずに効果が発現するという観点からも、上記摂取量が好ましい。他の動物の場合も、同様の量を摂取することができる。
【0074】
さらに、本発明の食品組成物は、それのみで使用してもよいが、その他のDPP−IV阻害作用を有する医薬、又はDPP−IVの関与する疾患を予防、改善、又は治療するための医薬、食品、又は飼料と組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いることによって、DPP−IV阻害効果をより高めることができる。
【0075】
また本発明の食品組成物には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、保健機能食品、疾病リスク低減表示を付した食品、又は特別用途食品(例えば、病者用食品)のような分類のものも包含される。疾病リスク低減表示としては、例えば、DPP−IVの関与する疾患を治療、改善、抑制、及び/又は予防するためのものである旨の表示が挙げられる。従って、本発明の組成物は、例えば、チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有するDPP−IVの関与する疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、癌、AIDS、皮膚疾患、器官移植拒絶反応、自己免疫疾患、骨粗鬆症、不妊症、精神疾患等を改善、及び/又は予防するためのものである旨の表示を付した飲食品である。
【0076】
ここでこれら食品組成物に付される機能表示は、製品の本体、容器、包装、説明書、添付文書、又は宣伝物のいずれかにされてなることができる。
【実施例】
【0077】
以下の実施例、試験例、及び処方例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0078】
実施例1:チョウセンゴミシ水抽出エキスの調製(温浸法)
五味子(2g)に水(10ml)を加え、90℃にて1時間抽出し、濾過により生薬残渣を除去し、得られた水溶液をチョウセンゴミシ水抽出エキスとして使用した。
【0079】
実施例2:チョウセンゴミシ水抽出エキスの調製(冷浸法)
五味子(2g)に水(10ml)を加え、室温にて一晩(8〜12時間)抽出し、濾過により生薬残渣を除去し、得られた水溶液をチョウセンゴミシ水抽出エキスとして使用した。
【0080】
実施例3:チョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末)の調製
実施例1又は2で得られたチョウセンゴミシ水抽出エキスを減圧濃縮により乾燥するか、凍結乾燥するか、又はスプレードライヤーにより噴霧乾燥して粉末状にしたものを使用した。
【0081】
試験例1:チョウセンゴミシ水抽出エキスのDPP−IV阻害活性の測定
(1)実験方法
(i)検量線の作成
10mM のAMC(7−amino−4−methylcoumarin)を濃度が100μM、50μM、25μM、12.5μM、6.25μM、3.125μM、1.5625μM、0μMとなるように蒸留水で2段階希釈を行った。
(ii)試料のDPP−IV阻害活性の測定
a)96穴Black PlateにDPP−IV測定用緩衝液(25mmol/l HEPES, 140mmol/l NaCl, 80mmol/l MgCl, 1% BSA; pH 7.8)30μl、実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス(以下、ゴミシ抽出物ともいう。)を5μl、ヒト血清5μlを添加し、撹拌した。
b)検体を入れたウェルに基質(0.1mmol/l H−glycyl−prolyl−AMC (Gly−Pro−AMC))を40μl、検量線のウェルには各濃度に希釈済みのAMC(40μl)を加え、20分間室温下にてインキュベートさせた。インキュベート中、5分おきに攪拌した。
c)マイクロプレートリーダー(Skanlt RE for Varioskan Flash 2.4(thermo fisher))にて、蛍光強度(励起波長380nm、測定波長460nm)を測定し、検量線よりDPP−IV活性を算出した。ゴミシ抽出物を添加していないcontrolのDPP−IV活性を100%とし、実施例1又は2のゴミシ抽出物のDPP−IVの活性阻害率を算出した。
d)IC50値は凍結乾燥後のゴミシ抽出物を20、4、0.8、0.16mg/mlとなるように蒸留水で段階希釈し、DPP−IV活性を測定後、それぞれの濃度のDPP−IV活性阻害率からIC50値を算出した。
【0082】
(2)結果
本発明のチョウセンゴミシ水抽出エキスのDPP−IV活性阻害率は、それぞれ91.6±1.1%(実施例1のゴミシ抽出物)、90.2±0.8%(実施例2のゴミシ抽出物)であり、IC50値は、それぞれ10.8±1.5(mg/ml)(実施例1のゴミシ抽出物)、10.1±0.8(mg/ml)(実施例2のゴミシ抽出物)であった。
【0083】
処方例1:液剤の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 1g
(2)異性化糖 10g
(3)マンニトール 5g
(4)精製水 適量
通常の液剤の製造方法に従い、精製水に各成分を加えて溶解させ、レモン香を適量加えてから上記成分(1)〜(4)を混合後、精製水を加えて全体体積が100mlとなるように調節してから、褐色瓶に充填し、滅菌させて液剤を製造する。
【0084】
処方例2:散剤の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 10mg
(2)ラクトース 100mg
(3)タルク 10mg
上記成分(1)〜(3)を混合し、気密包材に充填して散剤を製造する。
【0085】
処方例3:錠剤の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 5mg
(2)コーンスターチ 30mg
(3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ポリビニルピロリドン 10mg
(6)タルク 5mg
上記成分(1)〜(6)を混合後、通常の錠剤製造方法に従い、打錠して錠剤を製造する。
【0086】
処方例4:カプセル剤の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 10mg
(2)コーンスターチ 100mg
(3)ラクトース 100mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 2mg
通常のカプセル剤の製造方法に従い、上記成分(1)〜(4)を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造する。
【0087】
処方例5:タブレット状の機能性食品の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 60mg
(2)ラクトース 55mg
(3)コーンスターチ 100mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1タブレット 250mg
上記成分(1)〜(4)を、適宜、水をバインダーとして加熱・造粒しながら添加し、(5)を加え、混合物を得る。その後、1粒あたり250mgになるよう打錠し、タブレット状の機能性食品を得る。
【0088】
処方例6:ハードカプセル状の機能性食品の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 60mg
(2)ラクトース 60mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 200mg
上記成分(1)〜(3)、及び(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をプルラン、植物油、カラギーナン、塩化カリウムからなるハードゼラチンカプセルに封入し、ハードカプセル状の機能性食品を得る。
【0089】
処方例7:ソフトカプセル状の機能性食品の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 60mg
(2)中鎖脂肪酸トリグリセリド 320mg
(3)カルナウバロウ 20mg
1カプセル 400mg
上記成分(1)〜(3)を混和した後、全体をカラギーナン、デンプン、グリセリンを主成分とするソフトゼラチンカプセルに封入し、ソフトカプセル状の機能性食品を得る。
【0090】
処方例8: 顆粒状の機能性食品の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 50mg
(2)デキストリン 450mg
(3)水 適量
1スティック 500mg
1kgの(1)に、9kgの(2)を添加し、(3)をバインダーとして流動層造粒機を用いて、均等に混和・加熱・造粒を行い、造粒物10kgを得る。この造粒物を、スティック充填機にて、1スティック500mgとなるように充填し、顆粒状の機能性食品を得る。
【0091】
処方例9:粉末状の機能性食品の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 50mg
(2)デキストリン 450mg
(3)水 適量
1スティック 500mg
1kgの(1)に、9kgの(2)を添加し、(3)をバインダーとして流動層造粒機を用いて、均等に混和・加熱・造粒を行い、造粒物10kgを得る。この造粒物を、18号篩を全量通過するまで粉砕し、スティック充填機にて、1スティック500mgとなるように充填し、粉末状の機能性食品を得る。
【0092】
処方例10:液状の機能性食品の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 6g
(2)ブドウ糖 700g
(3)精製水 5.3kg
上記成分(1)〜(3)、及び香料5gを混和し、加熱殺菌後、1本60mlの密封容器に無菌的に充填し、液状の機能性食品を得る。
【0093】
処方例11:ゲル状の機能性食品の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 60g
(2)κカラギーナン 1kg
(3)ブドウ糖果糖液糖 17kg
(4)クエン酸 0.36kg
(5)クエン酸ナトリウム 0.24kg
(6)精製水 82kg
上記成分(1)〜(6)を混合した後、80℃に加温し、密封容器に充填する。ついで定法に従って加熱殺菌した後、冷却し、ゲル状の機能性食品を得る。
【0094】
処方例12:飲料の製造
(1)実施例1又は2のチョウセンゴミシ水抽出エキス 1g
(2)ステビア 0.2g
(3)リンゴ酸 3g
(4)香料 0.1g
(5)精製水 45.7g
上記成分(1)〜(4)を成分(5)の一部に攪拌溶解する。次いで、成分(5)の残りを加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。
【0095】
処方例13:菓子(クッキー)の製造
(1)実施例3のチョウセンゴミシ水抽出エキス(粉末) 10mg
(2)薄力粉 32.0g
(3)全卵 16.0g
(4)バター 16.0g
(5)砂糖 25.0g
(6)水 10.7g
(7)ベーキングパウダー 0.29g
上記成分(1)〜(7)を用いて、常法に従い、クッキーを製造する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有する本発明の医薬組成物、又は食品組成物は、優れたDPP−IV阻害作用を有し、副作用等の恐れも少なく、安全に長期間投与、又は摂食することができる。本発明の医薬組成物、又は食品組成物は、またDPP−IVの関与する疾患、例えば、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、癌、AIDS、皮膚疾患、器官移植拒絶反応、自己免疫疾患、骨粗鬆症、不妊症、精神疾患等の予防、改善、又は治療用途に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するDPP−IV阻害剤。
【請求項2】
チョウセンゴミシの抽出物からなる請求項1に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項3】
チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、60℃〜100℃で0.5〜8時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、請求項1又は2に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項4】
チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、80℃〜100℃で1〜4時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、請求項3に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項5】
チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、90℃で1時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、請求項4に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項6】
チョウセンゴミシ水抽出エキスが、チョウセンゴミシの成熟果実を乾燥したものに水を加え、室温で8〜12時間抽出し、濾過により残渣を除去して得られる水溶液である、請求項1又は2に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項7】
チョウセンゴミシ水抽出エキスが、前記水溶液を乾燥して得られる粉末である、請求項3〜6のいずれか一項に記載のDPP−IV阻害剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のDPP−IV阻害剤を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項9】
DPP−IVの関与する疾患の予防、又は治療のための請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
DPP−IVの関与する疾患が、DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患が、糖尿病、高脂血症、炎症性疾患、心臓血管疾患、腎臓疾患、前立腺肥大症、皮膚疾患、器官移植拒絶反応、自己免疫疾患、骨粗鬆症、又は不妊症である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
糖尿病が、2型糖尿病である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
炎症性疾患が、過敏性腸炎、又は関節炎である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
心臓血管疾患が、心臓肥大、心筋梗塞、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、又は血管再狭窄である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
腎臓疾患が、腎炎、腎動脈症、腎硬化症、又は糸球体間質肥厚である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項16】
皮膚疾患が、乾癬、又は扁平苔癬である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項17】
自己免疫疾患が、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、又は炎症性腸疾患である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項18】
DPP−IV阻害作用により症状を緩和させることができる疾患が、癌、AIDS、又は精神疾患である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項19】
癌が、乳腺癌、前立腺癌、肺癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、子宮癌、大腸癌、悪性中皮腫、T−細胞リンパ腫、又は白血病である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
精神疾患が、統合失調症、鬱病、不安、てんかん、又はストレス性疾患である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
チョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量が、DPP−IV阻害活性を発現する有効量である、請求項8〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
有効量が、乾燥重量として、0.1mg〜2000mg/kg体重/日である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、又は液状の形態として調製されていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項24】
経口投与用である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
さらに、DPP−IV阻害剤、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、食欲抑制剤、免疫調節剤、抗癌剤、抗精神病剤、及び利尿剤からなる群より選択される一種以上の薬剤と組み合わせて使用することを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のDPP−IV阻害剤を含有する食品組成物。
【請求項27】
チョウセンゴミシ水抽出エキスの含有量が、食品組成物全量に対して、1〜5質量%である、請求項26に記載の食品組成物。
【請求項28】
サプリメント、機能性食品、健康食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、又は栄養機能食品として調製されていることを特徴とする、請求項26又は27に記載の食品組成物。
【請求項29】
特別用途食品、又は特定保健用食品である、請求項28に記載の食品組成物。
【請求項30】
特別用途食品が病者用食品である、請求項29に記載の食品組成物。
【請求項31】
タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、又は液状の形態として調製されていることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項32】
飲料、菓子類、冷菓、麺類、水産加工食品、畜産加工食品、乳製品、油脂及び油脂加工食品、調味料、経腸栄養食、スープ、シチュー、惣菜、漬物、又はパンとして調製されていることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項33】
チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有し、DPP−IVの関与する疾患の予防又は改善用の特定保健用食品。
【請求項34】
チョウセンゴミシ水抽出エキスを含有し、DPP−IVの関与する疾患の予防又は改善用の特別用途食品。

【公開番号】特開2012−82172(P2012−82172A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230848(P2010−230848)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(304020292)国立大学法人徳島大学 (307)
【Fターム(参考)】