説明

チョコレート類で被覆された複合食品の製造法

【課題】
チョコレート類を被覆した菓子やベーカリー食品のような複合食品は嗜好性が高く付加価値の高いものであるが、被覆作業は手間かかかり煩雑で、熟練も要するものである。かかるチョコレート類を被覆した複合食品を、簡便に効率良く製造する方法を提供することにある。
【解決手段】
特定の大きさと油脂分の粉末状、粒状又は薄片状のチョコレート類を、菓子やベーカリー食品の表面にムラなく振りかけ又は載置し、チョコレート類を融解付着及び完全融解させて、チョコレート類で被覆部が均一状に被覆された状態とし、しかる後に冷却固化させることにより、簡便にチョコレート類で被覆された複合食品の製造が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョコレート類で被覆部が均一状に被覆された複合食品の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の嗜好性を高めるために、チョコレート類と組み合わされた様々な複合食品が市場に流通している。代表的なものとして、ケーキ、シュー、エクレア等の洋菓子、焼菓子、和菓子、パン、ドーナッツ等のベーカリー製品、冷菓、アイスクリーム等の表面に、チョコレート類を被覆した食品が挙げられる。係る食品は、チョコレート類で被覆することにより、外観としての付加価値を高めるばかりでなく、チョコレート類由来の風味の上乗せにより、風味、食味を向上させる効果があり、今後も需要の広がりが期待されるものである。
【0003】
上記のような、チョコレート類の被覆は、一般的に下記の手順で行われている。
1)被覆チョコレート類の生地を加熱し生地中の油脂を完全融解させる。
2)必要に応じて、テンパリング型のチョコレートの場合は、チョコレート類中の油脂の結晶形を整えるテンパリング処理を行う。この処理は、チョコレート中の油脂を正常な結晶形として迅速に固化させるために少量の油脂を予備結晶化させ結晶核を生成させるものである。
非テンパリング型のチョコレートの場合は、40〜60℃に調温するだけで予備結晶化は必要としない。
3)流動状のチョコレート類を該食品表面に被覆する。
・大量生産の場合はエンローバー装置、コーチング装置などで連続的に被覆する。
・少規模の洋菓子店やパン屋などでの手がけでは、チョコレート類の中に被覆部を浸漬して被覆する。
4)被覆後、余分なチョコレート類を振り落とす。
・大量生産の場合はブロアーなどで風を吹きつけ及び/又はシェーカー等の振動で振り落とす。
・手がけの場合は手を振って振り落とす。
5)被覆食品を室温〜冷蔵温度、場合によっては冷凍温度で冷却し、被覆チョコレート類を固化させる。
【0004】
上記被覆法は、大量生産の場合は専用のエンローバー装置やコーチング装置が使用できて特に問題はないが、少規模の洋菓子店やパン屋などでの手がけでは下記のような問題があり、チョコレート類被覆食品の製造が敬遠されることがある。
イ)被覆チョコレート類は一般に固形状で供給されるため、完全融解するために湯煎が必要である。かかる湯煎の準備に手間がかかるうえに、湯煎での融解にも時間を要する問題がある。
直火での融解は、チョコレート類の品質劣化(粘度上昇や風味劣化)を起こすため、通常不可とされる。
ロ)テンパリング型チョコレートの場合、テンパリング操作に熟練を要する。
テンパリングに不具合があると、被覆チョコレートの乾きや固化速度が遅くなるばかりでなく、外観上重要な艶のある被覆チョコレートが得られず、商品価値が低下する。
ハ)被覆操作中に着衣や作業場をチョコレート類で汚しやすく、清潔な作業環境保持が容易でない。
ニ)被覆作業毎に、準備したチョコレート生地を使い切るのが困難で、残余の生地の保管や処理に手間がかかる。
ホ)被覆作業中に被覆する複合食品のカケラ、小片または水分がチョコレート生地中に混入して、かかる状態の生地は次の被覆作業に使用出来ない場合もあり、残余のチョコレート生地を廃棄せざるを得ないこともある。
【0005】
上記のような小規模の手がけによるチョコレート類被覆作業に関する問題点を解消し、簡便に効率良くチョコレート類被覆食品を製造する方法として、チョコレート生地を湯煎で融解したり、流動状のチョコレート生地を操作する必要のないように、あらかじめ粉末状、粒状、薄片状としたチョコレート類を利用する方法が考えられる。
【0006】
粉末状や粒状のチョコレート類については、特許文献1の油脂粉末の製造法、特許文献2の粉末状チョコレートの製造法、特許文献3の粒状チョコレートの製造方法、特許文献4の粉末コーチング剤が開示されている。
【0007】
特許文献1は非油溶性天然固形物を均質に分散した油脂を、霧化状態の液滴の形で、低温気流と接触させる油脂粉末の製造法に係るもので、常温で長期間安定な粉末状を保つ性質があり、製菓、製パン他の用途に有用としているが、被覆用途への応用は教示していない。
【0008】
特許文献2は、水に対する濡れ、溶解性が改良された主にチョコレート飲料用の粉末状チョコレートに関するものである。
【0009】
特許文献3は、フレーク状としたチョコレートをロールで圧延、板状とし、しかる後に粗砕、篩分けする粒状チョコレートに関するものであるが、用途としてはアイスクリームやケーキに粒状チョコレートをそのまま飾り付けに用いたり、ケーキや焼菓子生地に練り込んだりするもので、やはり被覆用途への応用は教示していない。
【0010】
特許文献4は、油脂、糖類及び乳化剤を含む、油脂分が10〜20重量%と比較的低油分で糖類が79〜89%とリッチな、粉末コーチング剤で、主にパイ生地にスライスアーモンドなどとともに振りかけ焼成することで、スライスアーモンドなどの結着性を高めるものであり、被覆用途に適するものではない。
【0011】
一方、フレーク状の油性組成物としては、特許文献5のふりかけ材及びその製造法、特許文献6のスナック菓子が開示されている。
特許文献5及び特許文献6は、特定の融解曲線(SFI)を有する油脂を風味材と混合し、ロール掛けした後、ブロック状に固化させ、しかる後にフレーク状に削り取るスナック菓子味付け用のふりかけ材に関し、用途はフレーク状の該ふりかけ材をスナック菓子表面に融解付着させることによるスナック菓子の風味付けである。すなわち、ポテトチップスなどのスナック菓子表面にフレーク状ふりかけ材をマバラに融解付着させる方法に関し、フレーク状油性食品を被覆用途に応用することは教示していない。
【0012】
上記のように、小規模の手がけによるチョコレート類被覆作業に関する問題点を解消し、簡便に効率良くチョコレート類被覆食品を製造する方法が要望されているが、好適な方法が見出されていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開昭63−186799号公報
【特許文献2】特開2006−25691号公報
【特許文献3】特開昭59−14752号公報
【特許文献4】特開昭60−30636号公報
【特許文献5】特開平5−64547号公報
【特許文献6】特開平5−64546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、チョコレート類を被覆した菓子やベーカリー食品を、簡便に効率よく製造する方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、手間がかかり煩雑な、チョコレート類を被覆した菓子やベーカリー食品のような複合食品を、簡便に効率良く製造する方法を鋭意検討した結果、粉末状、粒状又は薄片状のいずれかから選ばれる油性食品を表面に融解付着及び完全融解させ、冷却固化させることにより、上記課題が解決出来るという知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明の第1は、粒子径3mm以下の粉末状又は粒状、厚みが2mm以下でかつ一辺の長さが5mm×10mm以下の薄片状のいずれかから選ばれる、油脂分40〜70重量%のチョコレート類を、複合食品の表面に融解付着及び完全融解させ、冷却固化させるのを特徴とする、チョコレート類で被覆部が均一状に被覆された複合食品の製造法である。第2は、チョコレート類中の油脂の融点が30〜45℃である請求項1記載の複合食品の製造法である。第3は、チョコレート類中の油脂が、非テンパリング型ハードバターを油脂中65重量%以上含有する請求項1又は請求項2記載の複合食品の製造法である。第4は、複合食品が、菓子又はベーカリー製品である、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の複合食品の製造法である。
【発明の効果】
【0017】
小規模の手がけによるチョコレート類の被覆作業が、簡便に効率よく出来るようになり、嗜好性の高いチョコレート類で被覆された菓子やベーカリー食品のような複合商品の製造を容易に行うことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に使用するチョコレート類としては、原料としてカカオマス、ココアパウダー、砂糖などの糖類、ココアバターなどの油脂、乳化剤、香料等を使用して作られるダークチョコレート、たとえば原料としてカカオマス、ココアパウダー、砂糖などの糖類、ココアバター等の油脂、全脂粉乳等の乳製品類、乳化剤、香料等を使用して作られるミルクチョコレート、例えば砂糖などの糖類、ココアバター等の油脂、全脂粉乳等の乳製品類、乳化剤、香料等を使用して作られるホワイトチョコレート、ホワイトチョコレートを色素で着色、香料で風味付けしたカラーチョコレートのいずれも使用することが出来る。また、カカオ分の含量により、チョコレート(カカオ分35%以上)、準チョコレート(カカオ分15%以上)、ミルクチョコレート(カカオ分21%以上)、準ミルクチョコレート(カカオ分7%以上)、チョコレート利用食品であるチョコレートコーチング(カカオ分8%以上)、乳製品を使用したチョコレートコーチング(カカオ分5%以上)の他、カカオ分非含有のホワイトコーチングやカラーコーチングのようにも区別されるが、いずれも本発明に使用することが出来る。また、チョコレート類中の油脂には、油溶性の色素、レシチン、乳化剤、抗酸化剤等を適宜添加することが出来る。
【0019】
本発明は、上記のチョコレート類を粉末状、粒状、薄片状のいずれかの形態として、菓子やベーカリー食品の表面の被覆部にチョコレート類を融解付着、完全融解させ、しかる後に冷却固化させて、被覆部が均一状にチョコレート類で被覆された複合食品の製造法である。
【0020】
粉末状チョコレート類の製造法としては、特許文献1記載の非油溶性天然固形物を均質に分散した油脂を、霧化状態の液滴の形で、低温気流と接触させる油脂粉末の製造法が例示出来、粉末の粒子径は20μm〜3mm、好ましくは20μm〜1mm、最も好ましくは50μm〜750μmである。粒子径が3mmを超えると、粒状チョコレート類を被覆部に振りかける又は載置する際に、被覆部からこぼれやすくなり、特に被覆部が球状の場合に被覆部にムラなく融解付着させるのが困難となるため好ましくない。平均粒子径が20μm未満であると、粉末状油性食品が低比重の嵩高いものとなるため、ハンドリング性に問題があるばかりでなく、粉末の合一や凝集など粉末性状の長期安定性に問題が出て来るので好ましくない。
【0021】
粒状チョコレート類の製造法としては、特許文献3のフレーク状としたチョコレートをロールで圧延、板状とし、しかる後に粗砕、篩分けする粒状チョコレートの製造法や、板状の固形チョコレートを包丁やナイフで削り細断し、篩分けする方法などを利用することが出来、粒のサイズとしては粒子径3mm以下、好ましくは2mm以下、最も好ましくは平均粒子径1mm以下のものを好適に利用することが出来る。粒子径が上限以上であると被覆部からこぼれやくすくなり、均一な厚みの被覆が困難となるため好ましくない。
【0022】
薄片状チョコレート類の製造法としては、チョコレート類の生地をブロック状に固化させた後、スライサー等により削り取る方法や、薄い板状に圧延・吐出させ冷却固化させた後に、カッター等で細断する方法が例示出来る。薄片の大きさとしては、厚さ2mm以下でかつ一片の長さが5mm×10mm以下、好ましくは厚さ1mm以下でかつ一片の長さが2mm×3mm以下、最も好ましくは厚さ0.5mm以下でかつ一片の長さが1mm×1.5mm以下のものが好ましい。上限以上であると、被覆部に振りかける又は載置する際に、被覆部からこぼれやすくなり、特に被覆部が球状の場合に被覆部にムラなく融解付着させるのが困難となり、被覆部が均一に被覆された状態が得られにくくなるため好ましくない。また、従来の流動状のチョコレート類被覆法同様の薄い被覆が困難で、厚めにチョコレート類が被覆されたものとなり、チョコレート類の風味が強すぎて、風味、食感を所望のバランスに調整出来ないという問題もある。
【0023】
本発明に用いるチョコレート類は、チョコレート類中の油脂分が40〜70重量%好ましくは41〜60重量%、水分は2重量%以下好ましくは1重量%以下のものである。油脂分が40重量%未満では、菓子やベーカリー食品に対しチョコレート類を融解付着させることが出来ても完全融解して被覆部が均一に被覆した状態とならず、不均一な凸凹状の表面になるとともに冷却固化後に艶もない状態となるため好ましくない。油脂分が70重量%を超えると、チョコレート類が油っぽくなり風味も乏しいものになるため、やはり好ましくない。また、水分が2重量%を超えると、加熱しても完全融解状態になりにくく、冷却固化後に艶のない状態になるため好ましくない。
【0024】
本発明のチョコレート類を被覆した菓子やベーカリー食品のような複合食品の製造は下記のいずれかの手順によって実施することが出来る。
【0025】
1.焼成直後の菓子やベーカリー食品の被覆部に、品温が熱い段階で粉末状、粒状又は薄片状のチョコレート類をムラなく振りかけ又は載置して、菓子やベーカリー食品の品温によって油性食品を融解付着と同時に完全融解させて被覆部がチョコレート類でほぼ均一に被覆された状態とし、しかる後に室温〜冷蔵温度で冷却して固化させる。振りかけ又は載置するときの菓子やベーカリー食品の品温は、大凡80〜200℃の範囲内であるのが好ましく、焼成直後〜室温放冷10分の間に実施するのが望ましい。
【0026】
2.品温が冷めた菓子やベーカリー食品の被覆の場合は、菓子やベーカリー食品の被覆部に粉末状、粒状又は薄片状のチョコレート類をムラなく振りかけ又は載置してから、加温してチョコレート類を融解付着及びに完全融解させて被覆部がチョコレート類でほぼ均一に被覆された状態とし、しかる後に室温〜冷蔵温度で冷却して固化させる。加温する方法としては、チョコレート類を振りかけ又は載置した菓子やベーカリー食品を焼成用オーブンで数分間再加熱する方法、チョコレート類を振りかけ又は載置した被覆部にドライヤー等で数分間熱風を当てて融解付着並びに完全融解させる方法、熱風に代えて赤外ランプなどで一定時間ランプ加熱する方法などが挙げられる。加温時間は被覆部が目視で完全溶解状態になり、被覆部がチョコレート類でほぼ均一に被覆された状態になる時間を実験的に実施して定めればよい。
【0027】
上記手順の中で、チョコレート類を振りかける方法としては、チョコレート類の粉末や粒の大きさに合わせて茶漉しや小型の篩を用いて被覆部に一定重量のチョコレート類をムラなく振りかける方法が好適である。粒が大きめの粒状や薄片状のチョコレート類を振りかけ又は載置する方法としては、スプーンや手袋をした手で被覆部に一定重量のチョコレート類をムラなく振りかけ又は載置する方法を使用することが出来る。
【0028】
本発明のチョコレート類による被覆は、従来の流動状チョコレート類による被覆同様に、被覆部がチョコレート類で均一状に被覆された状態になることを意味する。すなわち、被覆、固化後のチョコレート類の表面は滑らかで一定の艶のある状態となり、被覆チョコレート類がほぼ均一な厚みで被覆された状態であるのが好ましい。被覆、固化後のチョコレート類の表面が凸凹であったり、不均一でムラのある被覆状態であると外観上付加価値の高いものとならず、好ましくない。
【0029】
上記の被覆において、チョコレート類の被覆重量、被覆の厚みは事前に菓子やベーカリー食品1個当たりの被覆重量を設定し計量してから被覆作業を実施することにより、自在に調整することが出来る。あるいは、菓子やベーカリー食品を秤に置いて、所望重量のチョコレート類を振りかけ又は載置することで、自在に調整することが出来る。従って、従来の流動状のチョコレート類被覆法では、被覆温度でのチョコレート類の粘度に依存して一定の厚みの被覆しか出来ないものであったが、本発明の方法では厚みが自在に調整できるため、外観や風味、食感を容易に所望のものに設定出来る利点がある。
【0030】
本発明に用いるチョコレート類は、対象とする菓子やベーカリー食品が有する品温により又は該対象食品にチョコレート類を振りかけ又は載置後に加熱することにより、対象該食品と接触するチョコレート類中の油脂成分が溶解して対象該食品に付着するとともに完全融解して被覆部にほぼ均一に被覆された状態になって、冷却固化するものである。従い、上記の油脂成分は冷却条件にもよるが適度な固化速度と常温での適度な耐熱保型性を有するものが望ましい。そして、チョコレート類で被覆された菓子やベーカリー食品の嗜好性を高めるために、上記の油脂成分は、食した際に口中で速やかに融解するものが好ましい。
【0031】
上記の要件を満足させるために、本発明に用いるチョコレート類中の油脂は、軟化融点として30〜45℃、好ましくは32℃〜40℃である油脂を用いるのが望ましい。軟化融点が下限未満では、軟らかすぎて粉末状、粒状又は薄片状であるチョコレート類自体が互いに付着しあい合一して、粉末状、粒状又は薄片状の形態を保持しての使用が困難となるために好ましくない。逆に、軟化融点が上限を超えると硬くなり過ぎて作業し難くなるとともに、口溶けが低下するため好ましくない。
【0032】
上記のような油脂は、通常チョコレート等に使用されるココアバターやハードバターとして知られている油脂が好適に利用出来る。ココアバターは酸化安定性、風味、耐熱保型性、口溶けとも優れた油脂であるが、価格が高く、テンパリングを要し、ブルーム耐性が弱いという一面もある。ハードバターはココアバターを一部又は全部置換する目的で使用されており、次の3つのタイプがあり、いずれも本発明に利用出来る。
【0033】
1)テンパリングタイプハードバターは、CBE(Cocoa butter equivalent)やCBI(Cocoa butter improver)とも呼ばれ、ココアバターと同じく対称型トリグリセリドを主要成分として含有する。すなわち、ココアバターの主成分はPOS(パルミト・オレオ・ステアリン)であるが、CBEやCBIはPOP(ペルミト・オレオ・パルミチン)、POS,SOS(ステアロ・オレオ・ステアリン)を主要トリグリセリドとして調製されるもので、CBEで軟化融点32〜35℃、CBIで軟化融点35〜40℃のものが一般的であり、シア脂、サル脂、ハイオレイックひまわり油などのトリグリセリドの1,3位に選択的に飽和脂肪酸を導入した酵素エステル交換油脂、パーム油等の溶剤分別で得られている。
【0034】
2)非ラウリン非テンパリング型ハードバターは、パーム油低融点部、大豆油、米糠油、綿実油などを原料として、選択的水素添加を行いトランス脂肪酸を生成させた油脂をそのまま又は溶剤分別して得られるもので、融解性状がココアバターに近似しているにも拘らず、テンパリング操作をせずに急冷固化しただけで安定結晶が得られる特徴がある。ココアバターと相溶性があり、ココアバターを油脂中30〜35%程度まで混合して使用出来る特性もある。
【0035】
非テンパリング型ハードバターとして、低トランス酸型の非テンパリング型ハードバターも提案されている。トランス脂肪酸の代わりに非対称型トリグリセリドを主要成分とするもので、SSO(1,2−ジステアロ、3−オレイン)やPSO(1−パルミト、2−ステアロ、3−オレイン)、PPO(1,2−ジパルミト、3―オレイン)を主要トリグリセリドとして、一部対称トリグリセリドや少量のトランス脂肪酸含有トリグリセリド、飽和トリグリセリドを混合して調製されるものである。非対称型トリグリセリドを主要成分とする油脂は、パーム油やパームステアリンのエステル交換油、又はそれらの極度硬化油、大豆油や菜種油の極度硬化油とハイオレイックひまわり油などのエステル交換油を分別して得られる。このタイプの油脂は、ココアバターとの相溶性は上記のトランス脂肪酸型のものよりやや低い傾向にあるものの、近年の低トランス酸指向の市場ニーズで需要が広がりつつある。
【0036】
3)ラウリン型ハードバターは、ヤシ油、パーム核油の分別油、硬化油、エステル交換油などである。このタイプの油脂の融解性状もココアバター近似であるが、脂肪酸組成がココアバターと大きく異なるためココアバターとの相溶性はかなり低く、ココアバターの混合許容量はせいぜい油脂中の5%までと限定される。しかし、比較的安価なうえに、テンパリングを必要としない使い勝手の良さと優れた耐熱保型性と口溶けから広くチョコレート用油脂として利用されている。このタイプの油脂は水分管理やココアパウダー、粉乳などの原材料の菌管理、生産工程の衛生管理が不十分であるとソーピー臭が発生する問題があり、注意を要する。
【0037】
本発明には上記のハードバターいずれも使用出来るが、特に非テンパリング型ハードバターである非ラウリン非テンパリング型ハードバター又はラウリン型ハードバターを使用するのが好ましい。ココアバターやテンパリング型ハードバターを主成分とする油脂からなる油性食品の場合、本発明の方法で融解付着、完全溶解して冷却固化する際に、テンパリング操作をせずに冷却固化するため、固化後の被覆油性食品表面に数日の流通、保存期間内にブルームの発現が避けられない。商品のライフサイクルの短い洋菓子や菓子パン類、デニッシュ類への被覆では実用的に問題はないが、商品のライフサイクルが5日以上を要する焼菓子などの用途には、テンパリング操作なしでもブルーム発現の起こりにくい、非テンパリング型ハードバターの利用が好ましくい。非テンパリング型の他の利点として、本発明の方法で被覆し冷却固化した後の被覆部の艶が良く、外観的にもテンパリング型ハードバターより優れるという点が挙げられる。
【0038】
上記の非テンパリング型ハードバターの中でも、非ラウリン非テンパリング型ハードバターの利用が最も好ましい。このタイプの油脂は、上述の通り、ココアバターとの相溶性が35%程度まであり、チョコレート用原材料としてカカオマスを、チョコレート用油脂としてココアバターを一部併用することが出来る。従って、油性食品としてココアバター由来のチョコレート風味に優れたものが調製出来る利点があり、より嗜好性の高いチョコレート類が被覆された菓子やベーカリー食品を得ることが出来る。
【0039】
商品のライフサイクルが5日以上の複合食品のチョコレート類に上記の非テンパリング型ハードバターを使用する場合、非テンパリング型ハードバター配合量は油脂中65重量%以上とする必要がある。この場合、油脂中35重量%の範囲内でココアバター及び又は乳脂肪を併用することにより、チョコレート風味に優れ、適度な固化速度を有し、冷却固化後に優れた艶を持ち、適度な耐熱保型性と口溶けを有し、更には優れた耐ブルーム性のチョコレート類を得ることが出来る。非テンパリング型ハードバター配合量が油脂中65重量%未満であると、固化速度の低下、耐熱保型性の低下、耐ブルーム性の低下があり、好ましくない。
【0040】
本発明は、菓子やベーカリー食品などの複合食品に好適に利用することが出来る。菓子やベーカリー食品であれば、特に限定されるものではないが、菓子としては、まんじゅう、蒸しようかん、カステラ、どら焼き、今川焼き、たい焼き、きんつば、ワッフル、栗まんじゅう、月餅、ボーロ、八つ橋、せんべい、かりんとう、スポンジケーキ、ロールケーキ、エンゼルケーキ、パウンドケーキ、バウムクーヘン、フルーツケーキ、マドレーヌ、シュークリーム、エクレア、ミルフィーユ、アップルパイ、タルト、ビスケット、クッキー、クラッカー、蒸しパン、プレッツエル、ウェハース、スナック菓子、ピザパイ、クレープ、スフレなどや、バナナ、りんご、イチゴなどの果物にチョコレート類を被覆した菓子が挙げられる。また、ベーカリー食品としては、食パン、コッペパン、フルーツブレッド、コーンブレッド、バターロール、ハンバーガーバーンズ、ドーナッツ、フランスパン、ロールパン、菓子パン、甲板、マフィン、ベーグル、クロワッサン、デニッシュペーストリー、ナンなどが挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、例中、%及び部はいずれも重量基準を意味する。
【0042】
試作例1(粉末状チョコレートAの調製)
カカオマス15部、全脂粉乳18部、砂糖35部、テンパリング型ハードバター(メラノNewSS7:不二製油株式会社製、軟化融点34℃)32部、レシチン0.4部、香料0.02部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、50℃にて均一に融解させた後、オリフィス径L98mmの加圧噴射型ノズルを用い、供給圧15Kg/cm2でー20℃の筒状空間内に噴霧させて、平均粒子径240μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートAを得た。このチョコレートの油脂分は44.5%である。
【0043】
試作例2(粉末状チョコレートBの調製)
カカオマス15部、全脂粉乳18部、砂糖45部、テンパリング型ハードバター(メラノNewSS7:不二製油株式会社製、軟化融点34℃)22部、レシチン0.4部、香料0.02部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、50℃にて均一に融解させた後、オリフィス径L98mmの加圧噴射型ノズルを用い、供給圧15Kg/cm2でー20℃の筒状空間内に噴霧させて、平均粒子径250μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートBを得た。このチョコレートの油脂分は34.5%である。
【0044】
試作例3(粉末状チョコレートCの調製)
カカオマス15部、砂糖20部、テンパリング型ハードバター(メラノNewSS7:不二製油株式会社製、軟化融点34℃)65部、レシチン0.4部、香料0.02部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、50℃にて均一に融解させた後、オリフィス径L98mmの加圧噴射型ノズルを用い、供給圧15Kg/cm2でー20℃の筒状空間内に噴霧させて、平均粒子径180μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートCを得た。このチョコレートの油脂分は73.0%である。
【0045】
試作例4(粉末状チョコレートDの調製)
ココアパウダー10部、全脂粉乳18部、砂糖34部、ラウリン型ハードバター(パルケナH:不二製油株式会社製、軟化融点34℃)38部、レシチン0.4部、香料0.02部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、試作例1と同一の操作で、平均粒子径160μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートDを得た。このチョコレートの油脂分は43.6%である。
【0046】
試作例5(粉末状チョコレートEの調製)
カカオマス15部、ココアパウダー13部、全脂粉乳3部、砂糖35部、非ラウリン非テンパリング型ハードバター(メラノF11:不二製油株式会社製、軟化融点35℃)34部、レシチン0.5部、香料0.01部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、試作例1と同一の操作で、平均粒子径210μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートEを得た。このチョコレートの油脂分は43.4%である。
【0047】
試作例6(粉末状チョコレートFの調製)
カカオマス15部、ココアパウダー13部、全脂粉乳3部、砂糖35部、大豆水素添加油(軟化融点48℃)34部、レシチン0.5部、香料0.01部の配合で、常法通りチョコレート生地を試作し、試作例1と同一の操作で、平均粒子径200μmで24メッシュ篩パス(約710μm)の粒状チョコレートFを得た。このチョコレートの油脂分は43.4%である。
【0048】
試作例7(粒状チョコレートGの調製)
試作例4のパルケナH使用のチョコレート生地を、50℃にて均一に融解させた後、80mm×260mm×390mmの大きさの型に流し込み、約5℃に一晩冷却してブロック状に固化させたものを得た。このブロックを包丁で薄く削り、さらに粒状になるよう包丁で細断して、10メッシュの篩にかけて、約1.7mm以下の粒状チョコレートGを得た。
【0049】
試作例8(粒状チョコレートHの調製)
試作例7のパルケナH使用の粒状チョコレートの調製において、細断後に6メッシュの篩にかけて、篩上に残る粒状チョコレートをさらに4メッシュ篩(約4.75mm)にかけての約3.35mm〜4.75mmの粒状チョコレートHを得た。
【0050】
試作例9(薄片状チョコレートの調製)
試作例5のメラノF11使用のチョコレート生地を、50℃にて均一に融解させた後、80mm×260mm×390mmの大きさの型に流し込み、約5℃に一晩冷却してブロック状に固化させたものを得た。このブロックをスライサーにより削り取り、篩にかけて大きさを揃え、厚さが平均で1mmでかつ平均の一辺の長さが2mm×3mm、の大きさの薄片状チョコレートIを得た。
【0051】
試作例10(薄片状チョコレートJの調製)
試作例1のメラノNewSS7使用のチョコレート生地を、常法通りテンパリングしてから2.5mmの厚さの板状に押し出し、カッターで平均の一辺の長さが6mm×12mmのフレーク状の薄片状チョコレートJを得た。
【0052】
試作例11(削り状チョコレートKの調製)
試作例1のメラノNewSS7使用のチョコレート生地を、常法通りテンパリングしてから80mm×260mm×390mmの大きさの型に流し込み、約5℃に一晩冷却してブロック状に固化させたものを得た。このブロックを包丁で削り、厚みが約0.5mmでかつ平均の一辺の長さが5mm×10mmの削り状チョコレートKを得た。
【0053】
実施例1
常温でもどした無塩バター180gをクリーム状に練り、特細目グラニュー糖90gとブラウンシュガー40gを3回に分けて加え、白っぽくなるまですり混ぜた。次に、常温にもどしてからときほぐした卵(Mサイズ)3個分を3回に分けて加えていき、その都度よく混ぜ合わせた。次に、アーモンドプードル50g、薄力粉100g、ココアパウダー25g、ベーキングパウダー小さじ1/2を混合しふるった粉類の1/3を加えてホイッパーでなじませるように混ぜた。ゴムベラに持ち替えて残りの粉類を2回に分けて加え、ざっくりと混ぜた。敷紙をしいた直径80mm、深さ18mmの丸型の8分目まで流し入れ、180℃のオーブンで約50分焼き、焼きあがり直後の2〜5分の間に、チョコレートケーキの表面に粉末状チョコレートAの7gを、茶こしを用いてムラなく振りかけた。粉末状チョコレートは速やかに融解付着し、同時に完全融解した状態でケーキ表面全体に被覆した状態となった。ケーキを室温で一晩放冷し、型から取り出し、チョコレートで被覆されたチョコレートケーキを得た。このチョコレートケーキはチョコレートで薄くほぼ均一に被覆され、外観、風味、食感とも優れたものであった。なお、このチョコレートケーキを20℃で保存したところ、5日目までは外観の変化はなかったが、6日目に表面が白変したブルームが発現した。
【0054】
比較例1
実施例1の粉末状チョコレートAに代えて、粉末状チョコレートBの7gを同様にムラなく振りかけた。粉末状チョコレートは速やかに融解付着したが、完全融解した状態でケーキ表面全体に広がらず、外観上は粉末状チョコレートを振りかけた状態であった。一晩放冷し、型から取り出したチョコレートケーキは表面に粉末状のチョコレートが振りかけられた状態のままで、チョコレートで被覆されたチョコレートケーキとは明らかに外観の異なるものであった。
【0055】
比較例2
実施例1の粉末状チョコレートAに代えて、粉末状チョコレートCの7gを同様にムラなく振りかけた。粉末状チョコレートは速やかに融解付着し、同時に完全融解した状態でケーキ表面全体に被覆した状態となった。ケーキを室温で一晩放冷し、型から取り出し、チョコレートで被覆されたチョコレートケーキを得た。このチョコレートケーキはチョコレートで薄くほぼ均一に被覆され,外観上は優れていたが、油っぽい食感でチョコレート風味も乏しいものであった。
表−1に実施例1、比較例1〜2の試験結果を示した。
【0056】
<表−1>

【0057】
実施例2
市販のクッキー(直径50mm、厚さ5mm)の表面に、粉末状チョコレートDを4g、茶こしを用いてムラなく振りかけた。その後、クッキーを180℃オーブンに3分間入れ、取り出したところ、クッキー表面の粉末状チョコレートは完全融解した状態でクッキー表面全体に被覆した状態になった。このクッキーを約5℃で30分間冷却し、表面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に薄く被覆されたクッキーが得られた。このクッキーは外観、風味、食感とも優れたものであった。なお、このクッキーを20℃で保存したところ、3ヶ月後も艶の良い外観が保持されていた。
【0058】
実施例3
実施例2の粉末状チョコレートDを粉末状チョコレートEに代えて、同様にクッキーにムラなく振りかけ、クッキーを180℃オーブンに3分間入れ、取り出したところ、クッキー表面の粉末状チョコレートは完全融解した状態でクッキー表面全体に被覆した状態になった。このクッキーを約5℃で30分間冷却し、表面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に薄く被覆されたクッキーが得られた。このクッキーは外観、風味、食感とも優れたものであった。なお、このクッキーを20℃で保存したところ、3ヶ月後も艶の良い外観が保持されていた。
【0059】
実施例4
実施例2の粉末状チョコレートDを粉末状チョコレートFに代えて、同様にクッキーにムラなく振りかけ、クッキーを180℃オーブンに5分間入れ、取り出したところ、クッキー表面の粉末状チョコレートは完全融解した状態でクッキー表面全体に被覆した状態になった。このクッキーを約5℃で30分間冷却し、表面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に薄く被覆されたクッキーが得られた。このクッキーは,外観上は優れていたが、チョコレートの口溶けが悪く、チョコレート風味も乏しいものであった。
表−2に実施例2〜3、比較例3の試験結果を示した。
【0060】
<表−2>

【0061】
実施例5
直径8cmの円形ドーム状の市販の菓子パンの球状上面に、粒状チョコレートGの8gをムラなく振りかけ、
ドライヤー熱風を約2分間当てて、粒状チョコレートを融解付着と同時に完全溶解した。この菓子パンを約5℃で30分間冷却し、球状上面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に被覆された菓子パンが得られた。この菓子パンは外観、風味、食感とも優れたものであった。
【0062】
実施例6
実施例4の粒状チョコレートGを薄片状チョコレートIに代えて、同様に菓子パンの球状上面にムラなく載置し、同様に加熱、冷却して、球状上面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に被覆された菓子パンが得られた。この菓子パンは外観、風味、食感とも優れたものであった。
【0063】
実施例7
実施例4の粒状チョコレートGを削り状チョコレートKに代えて、同様に菓子パンの球状上面にムラなく載置し、同様に加熱、冷却して、球状上面が艶の良いチョコレートでほぼ均一に被覆された菓子パンが得られた。この菓子パンは外観、風味、食感とも優れたものであった。
【0064】
比較例3
実施例4の粒状チョコレートGを粒状チョコレートHに代えて、粒状チョコレートHの30gを同様に菓子パンの球状上面にムラなく載置したが、粒状チョコレートは菓子パン球状上面からこぼれやすく、均等にムラなく載置するのが困難であった。この菓子パンを同様に加熱、冷却したが、球状上面にチョコレートは融解付着したもののマバラに被覆された状態となり、外観上好ましいものではなかった。
【0065】
比較例4
実施例4の粒状チョコレートGを薄片状チョコレートJに代えて、薄片状チョコレートJの30gを同様に菓子パンの球状上面にムラなく載置したが、薄片状チョコレートは菓子パン球状上面からこぼれやすく、均等にムラなく載置するのが困難であった。この菓子パンを同様に加熱、冷却したが、球状上面にチョコレートは溶解付着したもののマバラに被覆された状態となり、外観上好まし
いものではなかった。
表−3に実施例4〜7、比較例3〜4の試験結果を示した。
【0066】
<表−3>

【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、粉末状、粒状または薄片状のチョコレート類を使用してなる、チョコレート類で被覆された複合食品に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径3mm以下の粉末状又は粒状、厚みが2mm以下でかつ一辺の長さが5mm×10mm以下の薄片状のいずれかから選ばれる、油脂分40〜70重量%のチョコレート類を、複合菓子表面に融解付着及び完全融解させ、冷却固化させるのを特徴とする、チョコレート類で被覆部が均一状に被覆された複合食品の製造法。
【請求項2】
チョコレート類中の油脂の融点が30〜45℃である請求項1記載の複合食品の製造法。
【請求項3】
チョコレート類中の油脂が、非ラウリン非テンパリング型ハードバターを油脂中65重量%以上含有する請求項1又は請求項2記載の複合食品の製造法。
【請求項4】
複合食品が、菓子又はベーカリー製品である、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の複合食品の製造法。

【公開番号】特開2011−4604(P2011−4604A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148178(P2009−148178)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000236768)不二製油株式会社 (386)
【Fターム(参考)】