説明

チロシンキナーゼの阻害剤

【課題】プロテインキナーゼ活性の阻害を示す、新規な化合物;その化合物の製造法;その化合物を含む医薬組成物:その化合物または医薬組成物の使用を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は式:


[式中、置換基R、RおよびRは本明細書に記載し、説明する意味を有する]
で示される化合物;この化合物の製法;この化合物を含有する医薬組成物;所望によりこの化合物と他種医薬的活性化合物1種またはそれ以上とを配合してあってもよいプロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患、特に新生物疾患、殊に白血病を治療するための使用;およびそのような疾患の処置方法;を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な置換ピリミジニルアミノベンズアミド、その化合物を製造する方法、その化合物を含有する医薬組成物、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患、特に新生物疾患、殊に白血病、の治療のためのその化合物の使用、およびその疾患の処置方法に関する。この使用および処置方法においては所望により医薬的に活性な他種化合物一種またはそれ以上と組み合わせてもよい。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
プロテインキナーゼ(PK)は細胞プロテイン中にある特定のセリン、トレオニンまたはチロシン残基の燐酸化を触媒する酵素である。これら基質プロテインの転写後修飾は細胞の増殖、活性化および/または分化を制御する分子スイッチの働きをする。異常なまたは過剰なPK活性は、良性および悪性な増殖性疾患を含む多数の病状で観察されてきた。多数の症例において、試験管内および生体内ではPK阻害剤の使用によって、たとえば増殖性疾患のような病気を処置することが可能であった。
【0003】
プロテインキナーゼ阻害剤が多数あり、増殖性その他のPK関連疾患が多数にあることに鑑みて、PK阻害剤として有用であり、それ故、PTK関連疾患の処置に有用な新種の化合物群を提供する必要性は存在し続けている。望まれるものは医薬的に有利な新種のPK阻害性化合物群である。
【0004】
フィラデルフィア染色体は慢性骨髄性白血病(CML)の証拠であり、bcr遺伝子のN−末端エクソンおよびc−abl遺伝子の主要C−末端部分(エクソン2〜11)を含むハイブリッド遺伝子を有する。遺伝子産物は210kDのプロテイン(p210Bcr−Abl)である。Bcr−AblプロテインのAbl部分はablチロシンキナーゼを含み、これは野生型c−ablでは高度に制御されているが、Bcr−Abl融合プロテインでは構成的に活性化されている。無制御なこのチロシンキナーゼは、細胞にある多重なシグナル伝達経路と相互作用して細胞の形質変換と無制御な増殖をもたらす(Lugo et al., Science 247, 1079 [1990])。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一般的な記載
今回、ピリミジニルアミノベンズアミドに属する様々な化合物がプロテインキナーゼ活性の阻害を示すことが発見された。以下に詳記する式Iで示される化合物は、特にたとえばc−Abl、Bcr−Abl、受容体チロシンキナーゼPDGF−R、Flt3、VEGF−R、EGF−Rおよびc−Kitのようなチロシンキナーゼ1種またはそれ以上ならびにこれらの2種またはそれ以上の組み合わせに対する阻害を示し;本発明による新規なピリミジニルアミノベンズアミドの場合には、これらの化合物は、前記したものおよび/またはその他のプロテインキナーゼ、特に前記のものの阻害に適しており、および/またはこれらの酵素の変異体、特にBcr−Ablの変異体、たとえばGlu255→バリン変異体の阻害に適している。この活性のため、本発明の化合物は特にこの種のキナーゼ、特に前記のような形のキナーゼにおける異常なまたは過剰な活性に関連する疾患の処置に使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の詳細な記載
本発明は式I:
【化1】

[式中、
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アシルオキシ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルを示し;
は水素、所望により1個もしくはそれ以上の同一もしくは相異なる残基Rで置換されていてもよい低級アルキル、シクロアルキル、ベンゾシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または環の窒素原子0個、1個、2個もしくは3個および酸素原子0個もしくは1個および硫黄原子0個もしくは1個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、ここに各基はいずれも非置換であるかまたはモノまたはポリ置換されている;そして
はヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または環の窒素原子0個、1個、2個もしくは3個および酸素原子0個もしくは1個および硫黄原子0個もしくは1個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、ここに各基はいずれも非置換であるかまたはモノ−またはポリ−置換されている;または
およびRが一体となって、所望により低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニルもしくはピリミジニルでモノ−もしくはジ置換されていてもよい、炭素原子4個、5個もしくは6個を有するアルキレン;炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;または酸素1個および炭素原子3個もしくは4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルで置換された、窒素1個および炭素原子3個もしくは4個を有するアザアルキレンを示し;
は水素、低級アルキルまたはハロゲンを示す]
で示される化合物およびその化合物のN−オキシドまたは医薬的に許容される塩に関する。
【0007】
本明細書で使用する一般的な用語は、別段の指摘がない限りこの開示の文脈内では好ましくは次の意味を有する:すなわち
【0008】
接頭語「低級」は炭素原子数7個までで最大7個を含む、特に4個までで最大4個を含む残基を示すが、この残基は直鎖状であるか、または枝分かれ1個または多数を有する分枝状であるかのいずれかである。
【0009】
化合物、塩などで複数形を用いる場合は、単数の化合物、塩などをも意味すると解する。
【0010】
不斉炭素原子は(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在しうるが、好ましくは(R)−または(S)−配置である。そこで本化合物は異性体混合物または純粋な異性体、好ましくはエナンチオマー的に純粋なジアステレオマーとして存在しうる。
【0011】
本発明はまた式Iで示される化合物で可能性のあるタウトマーにも関する。
【0012】
低級アルキルは好ましくは1個を含み1個から7個を含み7個まで、好ましくは1個を含み1個から4個を含み4個までのアルキルであって直鎖状または分枝状である;好ましくは、低級アルキルはたとえばn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルのようなブチル、たとえばn−プロピルまたはイソプロピルのようなプロピル、エチルまたはメチルである。低級アルキルは好ましくはメチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
【0013】
低級アシルは好ましくはホルミルまたは低級アルキルカルボニル、特にアセチルである。
【0014】
アリール基は残基の芳香環炭素原子に存在する結合を経て分子に結合する芳香族残基である。好適な態様では、アリールは炭素原子6個から14個を有する芳香族残基、特にフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルまたはフェナントレニルであり、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上、好ましくは3個まで、特に1個もしくは2個の置換基で置換されている:その置換基は特に次の基から選択される:すなわちアミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、ハロゲン、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、フェニル、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、低級アルキルフェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、低級アルキルフェニルスルホニル、ハロゲン低級アルキルメルカプト、特にトリフルオロメタンスルホニルのようなハロゲン低級アルキルスルホニル、ジヒドロキシボラン(−B(OH))、ヘテロシクリル、単環もしくは双環のヘテロアリール基およびメチレンジオキシのように環の隣接炭素原子に結合する低級アルキレンジオキシ。アリールはさらに好ましくはフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルであって、いずれの場合も非置換であるか次の基を含む群から選択された置換基1個または2個で独立に置換されている:すなわちハロゲン、特にフッ素、塩素または臭素;ヒドロキシ;メチルなどの低級アルキルで、トリフルオロメチルなどのハロゲン化低級アルキルで、またはフェニルでエーテル化されたヒドロキシ;メチレンジオキシなど隣接する2個の炭素原子に結合する低級アルキレンジオキシ;メチルまたはプロピルなどの低級アルキル;トリフルオロメチルなどのハロゲン低級アルキル;ヒドロキシメチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルなどのヒドロキシ低級アルキル;メトキシメチルまたは2−メトキシエチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル;メトキシカルボニルメチルなどの低級アルコキシカルボニル−低級アルキル;1−プロピニルのような低級アルキニル;エステル化カルボキシ特にメトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニルまたはイソプロポキシカルボニルなどの低級アルコキシカルボニル;N−モノ置換カルバモイル、特にメチル、n−プロピルまたはイソプロピルなどの低級アルキルでモノ置換されたカルバモイル;アミノ;メチルアミノなどの低級アルキルアミノ;ジメチルアミノまたはジエチルアミノなどのジ低級アルキルアミノ;ピロリジノまたはピペリジノなどの低級アルキレンアミノ;モルホリノなどの低級オキサアルキレンアミノ;ピペラジノなどの低級アザアルキレンアミノ;アセチルアミノまたはベンゾイルアミノなどのアシルアミノ;メチルスルホニルなどの低級アルキルスルホニル;スルファモイル;またはフェニルスルホニル。
【0015】
シクロアルキル基は好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルであって、非置換であるかまたは1個もしくはそれ以上、特に1個もしくは2個の置換基で置換されている。この置換基はアリールの置換基として前記した基、特に好ましくはメチルのような低級アルキル;メトキシまたはエトキシのような低級アルコキシ;またはヒドロキシ、およびさらにオキソまたはベンゾシクロペンチルまたはベンゾシクロヘキシルにおけるようなベンゾ環への縮合から選択される。
【0016】
置換アルキルは前記のようなアルキル、特に低級アルキル、好ましくはメチルであって、これには次の基から選択される置換基が1個もしくはそれ以上、特に3個まで存在してもよい:すなわち一次的にはハロゲン特にフッ素、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびフェニル低級アルコキシカルボニル。トリフルオロメチルは特に好適である。
【0017】
モノ−もしくはジ置換アミノは特に次の基から互いに独立に選択された残基1個もしくは2個で置換されたアミノである:すなわちメチルのような低級アルキル;2−ヒドロキシエチルのようなヒドロキシ低級アルキル;メトキシエチルのような低級アルコキシ−低級アルキル;ベンジルまたは2−フェニルエチルのようなフェニル−低級アルキル;アセチルのような低級アルカノイル;ベンゾイル;置換ベンゾイルであって、ここにフェニル残基は特に置換基1個もしくはそれ以上、好ましくは1個もしくは2個によって置換され、この置換基はニトロ、アミノ、ハロゲン、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルから選択される;およびフェニル残基が非置換であるか、または特に1個もしくはそれ以上、好ましくは1個もしくは2個のニトロ、アミノ、ハロゲン、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルから選択される置換基で置換されているフェニル低級アルコキシカルボニル;および好ましくはN−メチルアミノのようなN−低級アルキルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノまたは2−ヒドロキシプロピルのようなヒドロキシ低級アルキルアミノ、メトキシエチルのような低級アルコキシ−低級アルキル、ベンジルアミノのようなフェニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルアミノ、N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルフェニルアミノ、アセチルアミノのような低級アルカノイルアミノ;または各フェニル残基が未置換であるか、または特にニトロでまたはアミノでまたはハロゲンで置換されたベンゾイルアミノおよびフェニル低級アルコキシカルボニルアミノを含む群から選択した置換基、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、カルバモイルまたはアミノカルボニルアミノ。
【0018】
ジ置換アミノはまたピロリジノ、2−オキソピロリジノまたはピペリジノなどの低級アルキレンアミノ、モルホリノなどの低級オキサアルキレンアミノ、またはピペラジノなどの低級アザアルキレンアミノ、またはN−メチルピペラジノまたはN−メトキシカルボニルピペラジノのようなN−置換ピペラジノである。
【0019】
ハロゲンは特にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素である。
【0020】
エーテル化ヒドロキシは特にn−デシルオキシのようなC8〜C20アルキルオキシであって、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはtert−ブチルオキシのような低級アルコキシ(好適)、ベンジルオキシのようなフェニル低級アルコキシ、フェニルオキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエトキシのようなハロゲン低級アルコキシ、または窒素原子1個もしくは2個を有する単環もしくは双環のヘテロアリールで置換された低級アルコキシ、好ましくは1H−イミダゾール−1−イルのようなイミダゾリル、ピロリル、1−ベンズイミダゾリルのようなベンズイミダゾリル、ピリジル、特に2−、3−または4−ピリジル、ピリミジニル特に2−ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル、特に3−イソキノリニル、キノリニル、インドリルまたはチアゾリルによって置換された低級アルコキシである。
【0021】
エステル化ヒドロキシは特に低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシのような低級アルコキシカルボニルオキシ、またはベンジルオキシカルボニルオキシのようなフェニル低級アルコキシカルボニルオキシである。
【0022】
エステル化カルボキシは特にtert−ブトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル、フェニル低級アルコキシカルボニルまたはフェニルオキシカルボニルである。
【0023】
アルカノイルは一次的にはアルキルカルボニル、特にアセチルなどの低級アルカノイルである。
【0024】
N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイルは特に低級アルキル、フェニル−低級アルキルおよびヒドロキシ低級アルキルまたは低級アルキレン、オキサ低級アルキレンまたはアザ低級アルキレンから独立に選択された置換基1個もしくは2個で置換されており、所望により末端窒素原子が置換されていてもよい。
【0025】
環の窒素原子0個、1個、2個もしくは3個および酸素原子0個もしくは1個および硫黄原子0個もしくは1個を有し、各基が何れも非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ−置換である単環もしくは双環のヘテロアリール基は、ヘテロアリール残基が式Iで示される分子の残余の部分に結合する環内が不飽和なヘテロ環基を示し、好ましくは、結合する環か、所望によりアニール環でもよいが、炭素原子少なくとも1個が窒素、酸素および硫黄から構成される群から選択されるヘテロ原子で置換される環であり;ここに、結合する環は好ましくは環原子5個から12個、より好ましくは5個または6個を有し;またそれは非置換であるかまたはアリールの置換基として前記した基から選択した置換基1個もしくはそれ以上、特に1個もしくは2個、最も好ましくはメチルのような低級アルキル、メトキシもしくはエトキシのような低級アルコキシまたはヒドロキシによって置換されていてもよい。好ましくは単環もしくは双環のヘテロアリール基は次から選択される:すなわち2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キノリニル、プテリジニル、インドリジニル、3H−インドリル、インドリル,イソインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニルおよびフラニル。
【0026】
さらに好適には、単環もしくは双環のヘテロアリール基は次から構成される群から選択される:すなわちピロリル、1H−イミダゾール−1−イルのようなイミダゾリル、1−ベンズイミダゾリルのようなベンゾイミダゾリル、インダゾリル特に5−インダゾリル、ピリジル特に2−、3−または4−ピリジル、ピリミジニル、特に2−ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル特に3−イソキノリニル、キノリニル特に4−または8−キノリニル、インドリル特に3−インドリル、チアゾリル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニルおよびフラニル。本発明の好適な態様の一つではピリジル残基は窒素原子のオルト位がヒドロキシで置換され、それ故少なくとも部分的には対応するタウトマーであるピリジン−(1H)−2−オンの形で存在する。他の好適な態様の一つではピリミジニル残基は2位および4位の双方がヒドロキシで置換され、それ故ピリミジン−(1H,3H)−2,4−ジオンなど数種のタウトマー型として存在する。
【0027】
ヘテロシクリルは、特に窒素、酸素および硫黄を含む群から選択されたヘテロ原子1個もしくは2個を有する、不飽和であるか完全にまたは部分的に飽和された5員、6員、7員のヘテロ環系であり、非置換であるかまたは特にメチルのような低級アルキル、ベンジルのようなフェニル−低級アルキル、オキソまたは2−ピペラジニルのようなヘテロアリールで置換され;ヘテロシクリルは特に2−または3−ピロリジニル、2−オキソ−5−ピロリジニル、ピペリジニル、N−ベンジル−4−ピペリジニル、N−低級アルキル−4−ピペリジニル、N−低級アルキルピペラジニル、2−または3−モルホリニルなどモルホリニル、2−オキソ−1H−アゼピン−3−イル、2−テトラヒドロフラニルまたは2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルである。
塩は特に式Iで示される化合物の医薬的に許容される塩である。
【0028】
このような塩はたとえば塩基性窒素原子を有する式Iで示される化合物から好ましくは有機または無機の酸によって酸付加塩、特に医薬的に許容される塩として形成される。適当な無機酸は、たとえば塩酸のようなハロゲン酸、硫酸または燐酸である。適当な有機酸は、たとえばカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、たとえば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸のようなアミノ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、メタン−またはエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2−、3−または4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−もしくはN−プロピルスルファミン酸またはアスコルビン酸のようなその他の有機プロトン酸である。
【0029】
カルボキシまたはスルホのような陰性荷電残基が存在すれば、塩基によっても、たとえばナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩などアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩のような金属塩またはアンモニアもしくはたとえばトリエチルアミンもしくはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンなど3級モノアミンのような適当な有機アミンで、またはヘテロ環塩基、たとえばN−エチルピペリジンもしくはN,N'−ジメチルピペラジンでアンモニウム塩などの塩が生成することがある。
【0030】
塩基性基と酸性基とが同一分子内に存在すると、式Iで示される化合物が分子内塩を形成することもある。
【0031】
分離または精製の目的ではたとえばピクレートまたは過塩素酸など医薬的に許容できない塩も使用できる。治療的使用のためには、医薬的に許容される塩または遊離化合物(医薬製剤の形で使用できれば)が使用され、それ故これらは好適である。
【0032】
本新規化合物の遊離型と、新規化合物の精製または同定のための中間体として使用できる塩も含めて塩型とは近縁な関係にあるので、たとえば本明細書における遊離化合物についての記載は、適当かつ適切であれば、対応する塩に関する記載でもあることを理解すべきものである。
【発明の効果】
【0033】
式Iで示される化合物およびそのN−オキシドは本明細書に記載する有益な医薬的性質を有する。
【0034】
本発明化合物のc−Abl、Bcr−AblおよびVEGF−受容体チロシンキナーゼ活性の阻害剤としての効果は以下のようにして証明できる:
【0035】
c−Ablプロテインチロシンキナーゼに対する活性の試験。この試験は次のフィルター結合検定法として行う:c−AblのHisタッグキナーゼドメインをクローニングし、バキュロウイルス/Sf9システム系内で発現する(Bhat et al, J. Biol. Chem. 272, 16170〜5 (1997)に記載)。37kDのプロテイン(c−Abl キナーゼ)をコバルト金属キレートカラム、続いてアニオン交換カラムの2段階操作で精製して、1〜2mg/Lの収率でSf9細胞を得る。このc−Ablキナーゼの純度はクーマジーブルー染色後のSDS−PAGEで判定すれば>90%である。検定系は次を含む:c−Ablキナーゼ(50ng)、20mM−トリス−HCl、pH7.5、10mM−MgCl、10μM−NaVO、1mM−DTTおよび0.06μCi/検定[γ33P]−ATP(5μM−ATP);30μg/mLポリ−Ala,Glu,Lys,Tyr−6:2:5:1(Poly-AEKY, Sigma P1152)1%DMSO存在下使用、全容積30μL。250mM−EDTA10μLを加えて反応を終結させ、反応混合物30μLを予め5分間メタノールに浸漬し、水洗し、次に0.5%HPOに5分間浸漬し、真空源を遮断してある真空用管系に装着したImmobilon-PVDF膜(Millipore, Bedford. MA, 米国)に移す。標本全部をスポットした後、真空系に連結し、各ウェルを0.5%HPO200μLで洗浄する。膜を取り、振盪機上0.5%HPOで4回およびエタノールで1回洗浄する。膜を常温で乾燥後、Packard TopCount96−ウェルフレームに装着し、Microscint TM (Packard)10μL/ウェルを加え、カウントする。
【0036】
Bcr−Ablに対する活性の試験。p210Bcr−Abl発現ベクターpGDp210Bcr/Abl(32D−Bcr/Abl)で形質転換したマウス骨髄始原細胞系列32Dcl3をJ. Griffin(Dana Faber Cancer Institute, Bosten, MA, USA)から入手した。この細胞は構成的に活性なablキナーゼおよび増殖成長因子を独立に有する融合Bcr−Ablプロテインを発現する。この細胞をRPMI1640(AMIMED)、10%ウシ胎児血清、2mM−グルタミン(Gibco)(「完全培地」)に散布し、凍結培地(95%FCS、5%DMSO(SIGMA))中、バイアル当り2X10細胞量を凍結して貯蔵用標本を調製する。解凍後、最大10〜12代の間の細胞を実験に使用する。
【0037】
細胞検定には、化合物をDMSOに溶解し、完全培地で希釈して出発濃度10μMとし、続いて完全培地で順次一連の3倍希釈を行う。完全培地50μL中の32D−Bcr/Abl細胞200000個を96ウェル丸底組織培養プレートの各ウェルに植菌する。被験化合物の一連の順次3倍希釈物をウェル当り50μLを三重に細胞に添加する。未処置の細胞を対照に使用する。化合物を細胞とともに90分間37℃、5%COでインキュベーションし、続いて組織培養プレートを1300rpm(Beckmann GPR centrifuge)で遠心分離し、ペレット化された細胞が剥れないように注意しながら上清液を吸引除去する。細胞ペレットに150μLの溶菌緩衝液(50mM−トリス/HCl・pH7.4、150mM−塩化ナトリウム、5mM−EDTA、1mM−EGTA、1%NP−40、2mM−オルトバナジン酸ナトリウム塩、1mM−PMSF、50μg/mLアプロチニン(aprotinin)および80μg/mLリューペプチン(leupeptin))を加えて溶菌し、直ちにELISAに使用するか、または使用するまでプレート中、−20℃で凍結保存する。
【0038】
黒色ELISAプレート(Packard HTRF-96 black プレート)を50ng/ウェルのUpstate製ウサギポリクローナル抗abl−SH3ドメインAb06−466のPBS50μL溶液を用いて一夜4℃でプレコートする。0.05%トゥィーン20(PBST)および0.5%TopBlock(Juro)含有PBS200μL/ウェルで3回洗浄後、残留するプロテイン結合部位を200μL/ウェルのPBST、3%TopBlockを用いて室温で4時間ブロックし、続いて未処理細胞または化合物処理細胞の溶解物(ウェル当り20μg全プロテイン)50μLと4℃で3〜4時間インキュベーションする。3回洗浄後、ブロック緩衝液で0.2μg/mLに希釈しアルカリホスファターゼ(Zymed)で標識した抗ホスホチロシンAb−PY20(AP)50μL/ウェルを加えて一夜インキュベーションする(4℃)。全てのインキュベーション段階で、プレートはプレートシーラー(Costar)で覆う。最後にさらにプレートを洗浄緩衝液で3回および脱イオン水で1回洗浄した後、90μL/ウェルのAP−基質CDPStar RTU with Emerald IIを加える。プレートをPackard TopSealTM-A プレートシーラーで覆い、室温暗所で45分間インキュベーションし、Packard Top Count Microplate Scintillation Counter(Top Count)を用いて毎秒カウント数(CPS)を測定してルミネッセンスを定量する。未処置32D−Bcr/Abl細胞の溶菌液について得たELISA測定値(CPS)と検定バックグラウンド(細胞溶解物以外の全成分含有)から得た測定値との間の差を算出し、細胞内に存在する構成的に燐酸化されたBcr−Ablプロテインを100%反映する値と解釈する。Bcr−Ablキナーゼ活性に対する化合物の活性はBcr−Abl燐酸化の減少%として表示する。IC50およびIC90の値はグラフの外挿によって用量反応曲線で測定する。
【0039】
VEGF受容体チロシンキナーゼに対する活性の試験。この試験はFlt−1/VEGF受容体チロシンキナーゼを用いて行う。操作法の詳細は以下の通りである:キナーゼ溶液30μL(Flt−1キナーゼドメインShibuya et al. Oncogene, 5, 519〜24 [1990]10ng、20mM−トリス−HCl、pH7.5、3mM−二塩化マンガン(MnCl)、3mM−塩化マグネシウム(MgCl)、10μM−バナジン酸ナトリウム、0.25mg/mLポリエチレングリコール(PEG)20000、1mM−ジチオスレイトール、3μg/μLポリ(Glu,Tyr)4:1(Sigma, Buchs, スイス)、8μM−[33P]−ATP(0.2μCi)および1%DMSOを含有する溶液)と0〜100μM−被験化合物とを10分間室温で一緒にインキュベーションする。次にこの反応を0.25M−メチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、pH7を10μL加えて停止させる。多チャネルディスペンサー(LAB SYSTEMS, 米国)を用いて、20μL量をGibco-BRLマイクロタイターフィルターマニフォルドを通してPVDF(=ポリビニルジフルオリド)Immobilon P膜(Millipore, Bedford, 米国)に適用し、真空にする。液を完全に除去後、膜を0.5%燐酸(HPO)を入れた浴中で4回およびエタノールで1回、毎回振盪しながら10分間インキュベーションして順次洗浄し、次にHewlett Packard TopCount Manifoldに装着し、Microscint(登録商標)(β−シンチレーションカウンター液)10μLを添加後、放射能を測定する。IC50値は少なくとも4濃度(通常0.01、0.1、1および10μM)における各化合物の阻害百分率の線形回帰分析によって決定する。式Iで示される化合物に見出されるIC50値は1〜10000nMの範囲内、好ましくは1〜100nMの範囲内にある。
【0040】
VEGF誘導KDR受容体自己燐酸化の阻害は細胞を用いる更なる試験管内実験で確認できる:ヒトVEGF受容体(KDR)を永続的に発現する形質転換CHO細胞を10%ウシ胎児血清(FCS)含有完全培地中、6ウェル細胞培養プレートに植菌し、5%CO下に密集増殖の約80%に至るまで37℃でインキュベーションする。次に被験化合物を培養培地(FCS不含、0.1%ウシ血清アルブミン含有)で希釈し、細胞に加える(対照は被験化合物不含培地)。37℃で2時間インキュベーション後、組換えVEGFを添加する;最終VEGF濃度は20μg/mLである。さらに37℃で5分間インキュベーションした後、細胞を氷冷PBS(燐酸緩衝食塩水)で2回洗浄し、直ちにウェル当り溶菌緩衝液100μLで溶解する。次に溶解物を遠心分離して細胞核を去り、上清液のプロテイン濃度を市販のプロテイン検定法(BIORAD)で測定する。溶解液は直ちに使用するか、または所望により−20℃で保存する。
【0041】
サンドイッチELISAを行ってKDR受容体燐酸化を測定する:KDRに対するモノクローナル抗体(たとえば Mab 1495.12.14)を黒色ELISAプレート(PackardのOptiplateTM HTRF-96)上に固定化する。次にプレートを洗浄し、残存する遊離プロテイン結合部位を1%BSAのPBS溶液で飽和する。細胞溶解物(ウェル当りプロテイン20μg)をこのプレート中でアルカリホスファターゼ(PY20:AP、Transduction Laboratories)に結合した抗ホスホチロシン抗体とともに一夜4℃でインキュベーションする。プレートを再度洗浄し、次に捕捉された燐酸化受容体への抗ホスホチロシン抗体の結合をルミネッセンスAP基質(CDP-Star, ready to use, with Emerald II:TROPIX)を用いて確認する。ルミネッセンスをPackard Top Countマイクロプレートシンチレーションカウンタ(Top Count)で測定する。ポジティブコントロール(VEGFで刺激)のシグナルとネガティブコントロール(VEGF刺激なし)のシグナルとの間の差はVEGF誘導KDR受容体燐酸化(=100%)に対応する。被験物質の活性はVEGF誘導KDR受容体燐酸化の阻害%として算出するが、ここに、最大阻害の半分を誘導する物質の濃度をED50(50%阻害に有効な用量)と規定する。好ましくは本明細書の式Iで示される化合物は0.25nM〜1000nM、好ましくは0.25〜250nMの範囲のED50値を示す。
【0042】
式Iで示される化合物またはそのN−オキシドは、栄養因子が介在するシグナルトランスダクションに関与する他のチロシンキナーゼも様々な程度に阻害するが、このキナーゼはたとえばBcr−AblおよびAblキナーゼ、Arg、Src族からのキナーゼ、特にc−Srcキナーゼ、LckおよびFyn;EGF族のキナーゼ、たとえばc−erbB2キナーゼ(HER−2)、c−erbB3キナーゼ、c−erbB4キナーゼ;インスリン様成長因子受容体キナーゼ(IGF−1キナーゼ)、特にPDGF受容体チロシンキナーゼ族のメンバー、たとえばPDGF受容体キナーゼ、CSF−1受容体キナーゼ、Kit受容体キナーゼおよびVEGF受容体キナーゼ;およびまたセリン/トレオニンキナーゼであって、これらは全てヒトの細胞を含む哺乳類細胞の増殖制御と形質変換に一定の役割を果たす。
【0043】
c−erbB2チロシンキナーゼ(HER−2)の阻害はたとえばEGF−Rプロテインキナーゼの阻害と同様の方法で既知の操作法を使用して測定できる。
【0044】
本研究に基づき、本発明の式Iで示される化合物は特にプロテインキナーゼに依存する疾患、特に増殖性疾患に対する治療効果を示す。
【0045】
VEGF受容体チロシンキナーゼ活性に対する阻害剤としての作用効果に基づいて、式Iで示される化合物は一次的に血管の増殖を阻害するので、たとえば無制御な脈管形成に関連する多数の疾患、特に眼血管新成に起因する疾患;特に糖尿病性網脈症または加齢関連斑変性のような網膜症;乾癬;血管腫のような血管芽細胞腫;糖尿病性腎障害、悪性萎縮腎など慢性または急性腎臓疾患のような糸球体間質細胞増殖性疾患;血栓性微小血管障害症候群または移植拒絶;または、特に腎炎のような炎症性腎疾患;特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎炎、高血圧性腎硬化症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫疾患、糖尿病、子宮内膜炎、慢性喘息、および特に乳癌、直腸癌、肺癌(特に小細胞肺癌)、前立腺癌またはカポジ肉腫のような新生物疾患(固形癌および白血病その他の体液性腫瘍、特にc−kit、KDR、Flt−1またはFlt−3を発現するもの)に対して有効である。式Iで示される化合物(またはそのN−オキシド)は腫瘍の増殖を阻害するが、特に腫瘍の転移拡大および微小転移の増殖を予防するのに適している。
【0046】
式Iで示される化合物は単独でまたは他の治療剤1種またはそれ以上と併用して投与でき、可能な併用療法は固定化された合剤の形でまたは本発明の化合物と他の薬剤1種またはそれ以上を順次投与または互いに独立に投与または固定化された合剤と他の治療剤1種またはそれ以上との混合投与の形を取ることができる。式Iで示される化合物はその上にまたはこれに加えて化学療法、放射線療法、免疫療法、外科手術またはこれらの併用と組み合わせて白血病治療のような腫瘍治療のために投与することができる。前記のように他の治療法に関連してアジュバント療法のような長期治療も可能である。他の処置には腫瘍退行後の患者での病状維持またはたとえば危険な状態の患者での化学的予防がある。
【0047】
可能性のある併用療法に用いる治療剤は特に細胞増殖抑制性または細胞毒性化合物1種またはそれ以上であり、たとえばインダルビシン、シタラビン、インターフェロン、ヒドロキシウレア、ビスルファン、ポリアミン生合成の阻害剤、プロテインキナーゼの阻害剤、特にプロテインキナーゼCのようなセリン/スレオニンプロテインキナーゼの阻害剤、表皮増殖因子受容体チロシンキナーゼのようなチロシンプロテインキナーゼの阻害剤、サイトカイン、TGF−βまたはIFN−βのような負の増殖制御剤、アロマターゼ阻害剤、古典的細胞増殖抑制剤、およびSH2ドメインと燐酸化プロテインとの相互作用の阻害剤、を含む群から選択される1種または数種の化学療法剤がある。
【0048】
本発明の化合物はヒトの処置(予防および好ましくは治療)のために有用であるばかりでなく、たとえばマウス、ウサギまたはラットまたはモルモットのようなげっ歯類などの商業的に有用な動物のような他の温血動物の処置にも有用である。各化合物は他の化合物と比較するために用いる、前記試験系において標準品としても使用できる。
【0049】
一般的に言えば、本発明はまた式Iで示される化合物またはそのN−オキシドの試験管内または生体内におけるチロシンキナーゼ活性を阻害するための使用に関する。
【0050】
後記する式Iで示される好適な化合物およびそのN−オキシドの群では前記一般的定義における置換基の定義を、たとえばより一般的な定義をより特定的な定義に、または特に好適であると特性付けられた定義に置換して合理的に使用してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
殊に、本発明は式Iで示される特別な化合物およびそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩に関し、その式中では、
【0052】
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アシルオキシ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルを示し;
【0053】
は水素、所望により同一または相違する1個もしくは2個の残基Rで置換されていてもよい低級アルキル、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基または窒素原子1個、2個もしくは3個または硫黄原子1個を含む単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、そのアリールおよびヘテロアリール基は何れも非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されている;そして
【0054】
はヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、フラノイル、チエノイルまたは環の窒素原子1個、2個もしくは3個および環酸素原子0個もしくは1個および環硫黄原子0個もしくは1個を含む単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、このアリールおよびヘテロアリール基は非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されている;または式中、
【0055】
およびRが一体となって、所望により低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、ピリジル、ピラジニルもしくはピリミジニルでモノ−もしくはジ置換されていてもよい炭素原子4個もしくは5個を有するアルキレン;またはアルキレン基に炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;または酸素原子1個および炭素原子3個もしくは4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルで置換された、窒素原子1個および炭素原子3個もしくは4個を有するアザアルキレンを示し;そして
は水素、低級アルキルまたはハロゲンを示す。
【0056】
より特定的には本発明は式Iで示される特別な化合物およびそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩に関し、その式中では、
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルを示し;
は水素、所望により同一または相違するR残基1個もしくは2個で置換されていてもよい低級アルキル、シクロペンチル、ベンズシクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、N−置換ピペリジニル、モルホリニル、アゼピニル、オキソアゼピニル、オキサアゼピニル、フェニル、ナフタリニル、テトラヒドロナフタリニル、または窒素原子1個もしくは2個を含む単環もしくは双環のヘテロアリール基であって、このフェニル、ナフタリニルおよびヘテロアリール基は非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されているもの、チエニル、または低級アルコキシカルボニル−低級アルキルチエニルを示し;そして
【0057】
はヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、N−低級アルキル−N−フェニルアミノ、ピロリジノ、オキソピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、イミダゾリノ、オキソイミダゾリノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フリル、フェニル、ナフタリニル、テトラヒドロナフタリニルまたは窒素原子1個もしくは2個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、このフェニル、ナフタリニルおよびヘテロアリール基は非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されている;または式中、
【0058】
およびRは一体となって、所望により低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、ピリジル、ピラジニルもしくはピリミジニルでモノ−もしくはジ置換されていてもよい炭素原子4個もしくは5個を有するアルキレン;またはアルキレン基に炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;または酸素1個および炭素原子4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルで置換された窒素1個および炭素原子4個を有するアザアルキレンを示し;
は水素、低級アルキルまたはハロゲンを示す。
【0059】
さらに特定的には、本発明は式Iで示される化合物およびN−オキシドまたはその化合物の医薬的に許容される塩であるが、その式中では、
【0060】
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルを示し;
【0061】
は水素;所望によりR残基1個で、フェニル基2個で、低級アルコキシカルボニル基2個で、フェニルと低級アルコキシカルボニルとで、またはヒドロキシフェニルと低級アルコキシカルボニルとで置換されていてもよい低級アルキル;シクロペンチル;ベンズシクロペンチル;シクロヘキシル;ピロリジニル;オキサゾリニル;ピペリジニル;N−低級アルキルピペリジニル;N−ベンジルピペリジニル;N−ピリミジニルピペリジニル;モルホリニル;アゼピニル;オキソアゼピニル;オキサアゼピニル;フェニル、ナフタリニル、テトラヒドロナフタリニルまたは窒素原子1個もしくは2個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、このフェニル、ナフタリニルおよびヘテロアリール基は非置換であるかまたは低級アルキル、トリフルオロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アミノ低級アルキル、低級アルキルアミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、N−シクロヘキシル−N−低級アルキルアミノ低級アルキル、低級アルコキシカルボニルピペリジノ低級アルキル、N−低級アルキルピペラジノ低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、トリフルオロ低級アルコキシ、1H−イミダゾリル低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、低級アルキルでまたはヒドロキシ低級アルキルでまたは低級アルコキシ−低級アルキルでモノ−もしくはジ置換されたアミノ、1H−イミダゾリル、モノ−もしくはジ低級アルキル−1H−イミダゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N−低級アルキルピペラジノ、モルホリノ、スルファモイル、低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル、ピリジル、ハロゲンまたはベンゾイルから構成される群から選択された置換基1個もしくは2個で置換されている;チエニル;または低級アルコキシカルボニル−低級アルキルチエニルを示し;そして
【0062】
はヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルでまたはフェニルでまたは低級アルキレンでモノ−もしくはジ置換されたカルバモイル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、N−低級アルキル−N−フェニルアミノ、ピロリジノ、オキソピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、イミダゾリノ、オキソイミダゾリノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フリル、フェニル、ナフタリニル、テトラヒドロナフタリニルまたは窒素原子1個もしくは2個を持ち単環もしくは双環のヘテロアリール基を示し、そのフェニル、ナフタリニルおよびヘテロアリール基は非置換であるかまたは低級アルキル、トリフルオロ低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、トリフルオロ低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、低級アルキルでまたはヒドロキシ低級アルキルでまたは低級アルコキシ−低級アルキルでモノ−もしくはジ置換されたアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−低級アルキルピペラジノ、N−低級アルコキシカルボニルピペラジノ、フェニル、ピリジル、1H−イミダゾリル、低級アルキル−1H−イミダゾリル、スルファモイル、低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、低級アルキルチオ、フェニルチオ、ハロゲンまたはベンゾイルから構成される群から選択した置換基1個もしくは2個で置換されている;または式中、
【0063】
およびRが一体となって所望により低級アルキル、シクロアルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ベンゾイルアミノ、ピペリジノ、ピリジル、ピラジニルもしくはピリミジニルでモノ−もしくはジ置換されていてもよい炭素原子4個もしくは5個を有するアルキレン;またはアルキレン基に炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;または酸素1個および炭素原子4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは窒素が低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、低級アルキルでまたはフェニルでまたは低級アルキレンでまたはオキサ低級アルキレンでN−モノ−またはN,N−ジ置換されたカルバモイル低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、フェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルで置換された窒素1個および炭素原子4個を有するアザアルキレンを示す:そして
は水素または低級アルキルを示す。
【0064】
式Iで示される好適な一群の化合物およびそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩の式Iでは、
【0065】
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルまたはベンジルを示し;
【0066】
は所望により1個のR残基で、フェニル基2個で、低級アルコキシカルボニル基2個で、フェニルと低級アルコキシカルボニルとでまたはヒドロキシフェニルと低級アルコキシカルボニルとで置換されていてもよい低級アルキル;シクロペンチル;ベンズシクロペンチル;シクロヘキシル;ピロリジニル;ピペリジニル;N−低級アルキルピペリジニル;N−ベンジルピペリジニル;N−ピリミジニルピペリジニル;モルホリニル;アゼピニル;オキソアゼピニル;フェニル;ナフタリニル;テトラヒドロナフタリニル;ピリジル;低級アルキルピリジル;キノリニル;チエニル;低級アルコキシカルボニルメチルチエニル;または低級アルキル、トリフルオロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、アミノ低級アルキル、低級アルキルアミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル、N−シクロヘキシル−N−低級アルキルアミノ低級アルキル、低級アルコキシカルボニルピペリジノ低級アルキル、N−低級アルキルピペラジノ低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、トリフルオロ低級アルコキシ、1H−イミダゾリル低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、低級アルキルでまたはヒドロキシ低級アルキルでまたは低級アルコキシ−低級アルキルでモノ−もしくはジ置換されたアミノ、1H−イミダゾリル、低級アルキル−1H−イミダゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N−低級アルキルピペラジノ、モルホリノ、スルファモイル、低級アルキルスルホニル、フェニル、ピリジル、ハロゲンまたはベンゾイルから構成される群から選択された置換基1個もしくは2個で置換されたフェニルを示し;そして
【0067】
はヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、N−低級アルキル−N−フェニルアミノ、ピロリジノ、オキソピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、イミダゾリノ、オキソイミダゾリノ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、フェニル、ナフタリニル、テトラヒドロナフタリニル、フリル、窒素原子1個もしくは2個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基であってそのヘテロアリール基は非置換であるかまたは低級アルキル、ヒドロキシおよび低級アルコキシでモノ−もしくはジ置換されているか、またはそのフェニルは低級アルキル、トリフルオロ低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、トリフルオロ低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、低級アルキルでまたはヒドロキシ低級アルキルでまたは低級アルコキシ−低級アルキルでモノ−もしくはジ置換されたアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−低級アルキルピペラジノ、N−低級アルコキシカルボニルピペラジノ、フェニル、ピリジル、1H−イミダゾリル、低級アルキル−1H−イミダゾリル、スルファモイル、低級アルキルスルホニル、ハロゲンまたはベンゾイルから構成される群から選択される置換基1個もしくは2個で置換されている;または式中、
【0068】
およびRは一体となって所望によりフェニル、ヒドロキシ、アミノ、ベンゾイルアミノもしくはピペリジノでモノ−もしくはジ置換されていてもよい炭素原子4個もしくは5個を有するアルキレン;アルキレン基に炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;酸素1個および炭素原子4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、ピロリジノカルボニル低級アルキル、モルホリノカルボニル低級アルキル、シクロペンチル、低級アルコキシカルボニル、フェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルで置換された窒素1個および炭素原子4個を有するアザアルキレンを示し;
は水素またはメチルを示す、
【0069】
特に好適な一群の化合物は式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩であって、その式中では、
【0070】
は水素を示し、そして
【0071】
はトリフルオロメチルで置換されたフェニル、特に3−トリフルオロメチルフェニルを示し、所望によりさらに次から構成される群から選択された置換基で置換されていてもよい:すなわち1−ヒドロキシ−1−メチルエチルなどヒドロキシ低級アルキル、メチルアミノまたはエチルアミノなど低級アルキルアミノ、2−ヒドロキシ−1−プロピルアミノまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルアミノなどヒドロキシ低級アルキルアミノ、ジエチルアミノなどジ低級アルキルアミノ、1H−イミダゾリル、2−または4−メチル−1H−イミダゾリルなど低級アルキル−1H−イミダゾリル、カルバモイル、メチルカルバモイルなど低級アルキルカルバモイル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、4−メチルピペラジノなど低級アルキルピペラジノ、モルホリノ、メトキシなど低級アルコキシ、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシなどフルオロ低級アルコキシ、フェニル、2−、3−または4−ピリジルなどピリジルおよびクロロまたはフルオロなどハロゲンを示し;
はメチルを示す。
【0072】
本発明の式Iで示される化合物およびそのN−オキシドおよび医薬的に許容される塩の好適な態様の一つでは:
【0073】
は水素であり;
は下記でモノ−もしくはジ置換されたフェニルを示す:イミダゾール低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ低級アルキルアミノ、ビス(低級アルコキシ−低級アルキル)アミノ、低級アルキルピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フェニル、ピリジル、非置換であるかまたは低級アルキルでモノ−もしくはジ置換されたイミダゾリル、あるいはN−低級アルキルカルバモイル;そして
は低級アルキルである。
【0074】
実施例の化合物は殊に好適である。
【0075】
次の化合物は殊に好適である:
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]]アミノベンズアニリド、
4−メチル−N−(3−ピリジニル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
N−(4−クロロフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
2(R)−および2(S)−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイルアミノ]プロパン酸、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(8−キノリニル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(3−[トリフルオロメトキシ]フェニル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(2−ピロリジノエチル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(3−ピロリジノフェニル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(1−[2−ピリミジニル]−4−ピペリジニル])ベンズアミド、
N−(4−ジ[2−メトキシエチル]アミノ−3−トリフルオロメチルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
N−(4−[1H−イミダゾリル]−3−トリフルオロメチルフェニル])−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(2−ピロリジノ−5−トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド、
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
【0076】
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド、
N−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
N−(4−ジエチルアミノブチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−トリフルオロメチルフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2− ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド、
4−メチル−N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾリル)−3−トリフルオロメチルフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−(4−フェニル−3−トリフルオロメチルフェニル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−[4−(4−メチル−1H−イミダゾリル)−3−トリフルオロメチルフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
2(R)−および2(S)−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイルアミノ]−3−[4−ヒドロキシフェニル]プロパン酸メチル、
N−[2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノメチル)フェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
N−[3−[2−(1H−イミダゾリル)エトキシ]フェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−[3−モルホリノ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(4−ピロリジノ−3−トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(4−ピペリジノ−3−トリフルオロメチルフェニル)ベンズアミド、
4−メチル−N−[4−モルホリノ−3−トリフルオロメチルフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
N−(4−エチルアミノ−3−トリフルオロメチルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)ベンズアミド、
N−[4−(2−ヒドロキシプロピルアミノ)−3−トリフルオロメチルフェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
【0077】
N−(4−ジエチルアミノ−3−トリフルオロメチルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−(3−ピリジニル)−5−トリフルオロフェニル]ベンズアミド、
N−[3−[3−(1H−1−イミダゾリル)プロポキシ]フェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(3−ピリジニル)−3−トリフルオロフェニル]ベンズアミド、
4−メチル−N−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−トリフルオロフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−[3−メチルカルバモイル−5−トリフルオロフェニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド、
4−メチル−N−[3−メチルカルバモイル−5−モルホリノ]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド。
【0078】
殊に好適なさらなる化合物には次のようなものである:
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロポキシ]フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(エチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(ジエチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
(±)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1−ピペリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
【0079】
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−フェニル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[4−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−(4−モルホリニル)−5−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[(メチルアミノ)カルボニル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド、そして
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[2−(1−ピロリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド。
【0080】
本発明はまた本発明の好適なアミドを製造するための中間体である4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸および3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸に関する。
【0081】
特に、本発明は式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは可能ならばそのタウトマーまたはそのような化合物の医薬的に許容される塩の使用、すなわちプロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置に使用する医薬組成物を製造するための使用に関する。ここではこの疾患は新生物疾患である。
【0082】
殊に、本発明は式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは可能ならばそのタウトマーまたはそのような化合物の医薬的に許容される塩の使用、すなわちAblチロシンキナーゼ活性の阻害に応答する白血病を処置するための医薬組成物を製造するための使用に関する。
【0083】
さらに本発明は、各残基と記号が前記の意味を有する式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩のプロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患に有効な量をこの処置を必要とする温血動物に投与することを含む、該疾患の処置方法を提供する。
【0084】
本発明の化合物は今までに本発明の新規化合物には適用されたことはないが、それ自体公知の製法で、特に式Iで示される化合物の合成によって特徴付けられる製法によって製造してもよい。この製法では、記号R、RおよびRが式Iについて定義したものである式II:
【化2】

[式中、Rは式Iで示される化合物について定義したものと同意義である]、
で示される、4−R−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸またはそのカルボキシ基−COOHが活性型である誘導体と式III:
【化3】

[式中、RおよびRは式Iで示される化合物について定義したものと同意義である]、
で示されるアミンとを、所望により脱水剤および不活性塩基および/または適当な触媒の存在下、または所望により不活性溶媒の存在下に反応させることを特徴とする式Iで示される化合物の合成法である。
【0085】
ここに前記化合物IIおよびIIIは所望によりその官能基が保護されていてもよくおよび/または塩形成基があり、かつ塩型での反応が可能であれば塩型であってもよい;
【0086】
式Iで示される化合物の保護誘導体にある保護基は何れも除去するが;所望ならば、得られる式Iで示される化合物を式Iで示される他の化合物またはそのN−オキシドに変換し;式Iで示される遊離の化合物を塩に変換し;得られる式Iで示される化合物の塩を遊離化合物または他の塩に変換し;および/または式Iで示される化合物の異性体混合物を個々の異性体に分離;してもよい。
【0087】
製造方法の詳細な説明:
式IIで示される化合物のカルボキシ基が活性型である誘導体は特に反応性エステル、反応性無水物または反応性環状アミドである。
【0088】
式IIで示される酸の反応性エステルは特にエステル化残基の結合炭素原子が不飽和なエステル、たとえばビニルエステル型エステル、たとえば真のビニルエステル(たとえば、対応するエステルと酢酸ビニルとのエステル交換で得られる;活性ビニルエステル法)、カルバモイルビニルエステル(たとえば、対応する酸のイソオキサゾリウム試薬;1,2−オキサゾリウムを用いる処理で得られる;またはWoodward法)、または1−低級アルコキシビニルエステル(たとえば、対応する酸を低級アルコキシアセチレンで処置して得られる;エトキシアセチレン法)、またはN,N'−ジ置換アミジノエステルのようなアミジノ型エステル(たとえば、対応する酸の適当なN,N'−ジ置換カルボジイミド、たとえばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドでの処理で得られる;カルボジイミド法)、またはN,N−ジ置換アミジノエステル(たとえば、対応する酸のN,N−ジ置換シアナミドでの処理で得られる;シアナミド法)、または適当なアリールエステル、特に電子吸引性置換基で適当に置換されたフェニルエステル(たとえば、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドのような縮合剤存在下の、対応する酸の適当に置換されたフェノール、たとえば4−ニトロフェノール、4−メチルスルホニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェノールまたは4−フェニルジアゾフェノールによる処理で得られる;活性アリールエステル法)、シアノメチルエステル(たとえば、対応する酸のクロロアセトニトリルによる塩基存在下の処理で得られる;シアノメチルエステル法)、チオエステル、特に非置換であるかまたはたとえばニトロで置換されたフェニルチオエステル(たとえば、対応する酸を中でも無水物またはカルボジイミド法によって非置換であるかまたはたとえばニトロで置換したチオフェノールで処理して得られる;活性チオールエステル法)、またはアミノまたはアミドエステル(たとえば、対応する酸を、たとえば無水物またはカルボジイミド法によってN−ヒドロキシアミノまたはN−ヒドロキシアミド化合物、たとえば N−ヒドロキシサクシンイミド、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシフタリミドまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールで処理して得られる;活性N−ヒドロキシエステル法)、またはシリルエステル(たとえば、対応する酸とシリル化剤、たとえばヘキサメチルジシラザンとの処置で得られる;ヒドロキシ基とは容易に反応するがアミノ基とは反応しない)である。
【0089】
式IIで示される酸の無水物は該酸の対称または好ましくは混合無水物であってもよい、たとえば無機酸との無水物たとえば酸ハロゲン化物、特に酸塩化物(たとえば、対応する酸の塩化チオニル、五塩化燐または塩化オキサリルによる処理で得られる;酸塩化物法)、アジド(たとえば、対応する酸エステルから対応するヒドラジド処理および亜硝酸での処理で得られる;アジド法)、または炭酸セミ誘導体たとえば対応するエステル、たとえば炭酸低級アルキルセミエステルとの無水物(たとえば、対応する酸のハロギ酸、たとえばクロロギ酸、酸低級アルキルエステルまたは1−低級アルコキシカルボニル−2−低級アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリン、たとえば1−低級アルコキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンでの処理で得られる;混合O−アルキル炭酸無水物法)、またはジハロゲン化剤、特にジクロル化燐酸との無水物(たとえば、対応する酸のオキシ塩化燐での処理で得られる;オキシ塩化燐法)、または有機酸との無水物、たとえば有機カルボン酸との混合無水物(たとえば、対応する酸の非置換であるかまたは置換低級アルカン−またはフェニルアルカン−カルボン酸ハライド、たとえばフェニル酢酸塩化物、ピバリン酸塩化物またはトリフルオロ酢酸塩化物での処理で得られる;混合カルボン酸無水物法)、または有機スルホン酸との無水物(たとえば、対応する酸の塩、たとえばアルカリ金属塩の適当な有機スルホン酸ハライド、たとえば低級アルカン−またはアリール−、たとえばメタン−またはp−トルエン−スルホン酸の塩化物を用いる処理で得られる;混合スルホン酸無水物法)、または有機ホスホン酸との無水物(たとえば、対応する酸の適当な有機ホスホン酸無水物またはホスホン酸シアニドでの処理で得られる;混合ホスホン酸無水物法)、および対称無水物(たとえば、対応する酸のカルボジイミドまたは1−ジエチルアミノプロピン存在下での縮合で得られる;対称酸無水物法)。
【0090】
適当な環状アミドは特に芳香族性5員ジアザ環とのアミド、たとえばイミダゾール類、たとえばイミダゾールとのアミド(たとえば、対応する酸のN,N'−カルボニルジイミダゾールでの処理;イミダゾリド法で得られる)またはピラゾール、たとえば3,5−ジメチル−ピラゾール(たとえば、酸ヒドラジドのアセチルアセトンによる処理による;ピラゾリド法で得られる)である。
【0091】
カルボキシ基が活性化型の式IIで示される酸の誘導体は好ましくは反応器内で製造する。たとえばN,N'−ジ置換アミジノエステルは反応容器中、式IIで示される酸と式IIIで示されるアミンとの混合物を適当なN,N−ジ置換カルボジイミド、たとえばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド存在下に反応させて製造できる。式IIで示される酸と有機ホスホン酸との反応性混合無水物は反応容器中、適当な塩基、好ましくは3級アミン、たとえばトリエチルアミンまたはジメチルアミノピリジンの存在下に、たとえばプロピルホスホン無水物またはジエチルシアノホスホン酸エステルとの反応で製造してもよい。
【0092】
これらの反応はそれ自体公知の方法で実施できる、反応条件は特に、式IIで示されるカルボン酸のカルボキシル基が活性化されているか否かに依存し、通常適当な溶媒または希釈剤またはその混合物の存在下に、所望により縮合剤の存在下に、たとえば反応にあずかるるカルボキシ基が無水物の時は、酸結合剤があってもよく、冷却または加熱してもよく、たとえば温度範囲は約−30℃〜約+150℃、特に約0℃〜+100℃、好ましくは室温(約+20℃)〜+70℃で、開放または密閉反応容器内でおよび/または不活性ガスたとえば窒素雰囲気下に行ってもよい。通常の縮合剤は、たとえば、カルボジイミド、たとえばN,N'−ジエチル−N,N'−ジプロピル−N,N'−ジシクロヘキシル−またはN−エチル−N'−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド、適当なカルボニル化合物、たとえば カルボニルジイミダゾール、または1,2−オキサゾリウム化合物、たとえば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3'−スルホネートおよび2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウム過塩素酸塩、または適当なアシルアミノ化合物、たとえば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンである。通常の酸結合縮合剤は、たとえば、炭酸アルカリ金属または炭酸水素アルカリ金属たとえば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム(通常硫酸塩と一緒に)、または有機塩基、たとえば通常ピリジンまたはトリエチルアミンまたは立体障害トリ−低級アルキルアミン、たとえばN,N−ジイソプロピル−N−エチル−アミンである。
【0093】
好適な変形では、式IIで示されるカルボン酸を式IIIで示されるアミンと適当な溶媒、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド中、プロピルホスホン酸無水物またはジエチルシアノ燐酸とトリエチルアミンとの存在下に、1〜48時間にわたって〜約50℃、好ましくは室温で反応させる。
【0094】
保護基
式IIIで示される化合物内の他の官能基、たとえばカルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプト、1個もしくはそれ以上が反応に関与させないために保護する必要があれば、これらをアミド、殊にペプチド化合物、セファロスポリンおよびペニシリンならびに核酸誘導体および糖類の合成に通常使用する基とする。
【0095】
ある保護基は既に前駆体に存在してもよく、また問題の官能基が望ましくない二次的反応、たとえばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解その他の同様な反応など、を受けないように保護しなければならない。たとえば望ましくない二次的反応なしに、典型的には加溶媒分解、還元、光学分解または、たとえば生理的条件に類似の条件下の酵素活性によって、最終産物には存在しなくする除去に向いているかどうかが保護基の特性である。専門家は本明細書に記述する反応にどの保護基が適当であるかを知っているか、または容易に確定できる。
【0096】
そのような保護基による官能基の保護、保護基自体、およびその除去反応は、たとえば前記のペプチド合成に関する標準的な参考書、および保護基の専門書、たとえばJ. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, London and New York 1973、"Methoden der organischen Chemie" (有機化学の方法), Houben-Weyl, 4th edition, Volume 15/1, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974 およびT. W. Greene, "Protective groups in Organic Synthesis", Wiley, New Yorkに記載されている。
【0097】
追加的な製造工程
所望により実施する追加的な製造工程では、反応に関与すべきでない出発化合物の官能基が非保護型で存在してもよく、または本明細書の保護基の欄に指摘した保護基1個もしくはそれ以上によって保護してあってもよい。本明細書に記載する方法にしたがってこの保護基は後で完全にまたは部分的に除去してもよい。
【0098】
式Iで示される化合物と塩−形成基との塩はそれ自体公知の方法で製造してもよい。そこで酸または適当なアニオン交換試薬で処理して式Iで示される化合物の酸付加塩を製造してもよい。
【0099】
通常塩は、たとえば適当な塩基性試薬、たとえば炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、または水酸化アルカリ金属、典型的には炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することによって遊離化合物に変換できる。
【0100】
立体異性体混合物、たとえばジアステレオマー混合物はそれ自体公知の様式で適当な分離法によって対応する異性体に分離できる。ジアステレオマー混合物は、たとえば分別結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配および同様な操作法で各ジアステレオマーに分離してもよい。この分離は出発化合物の段階でまたは式Iで示される化合物自体の段階で行ってもよい。エナンチオマーはエナンチオマー的に純粋なキラル酸との塩形成によるジアステレオマー塩の製造を経て、またはキラルリガンドを有するクロマトグラフィー基材を用いるクロマトグラフィー、たとえばHPLCによって、分離してもよい。
【0101】
が水素である式Iで示される化合物は不活性溶媒中、好ましくは、特に分散型の貴金属触媒、たとえば銅、または貴金属塩、たとえば銅(1)塩化物または硫酸銅(2)の存在下ジアゾ低級アルキル化合物、特にジアゾメタン、との反応によってRが低級アルキルである対応する化合物に変換できる。低級アルキルハロゲニド、または脱離基を有する低級アルカン、たとえば強有機スルホン酸でエステル化された低級アルキルアルコール、たとえば低級アルカンスルホン酸(所望によりフルオロのようなハロゲンで置換されていてもよい)、たとえば非置換であるかまたは置換ベンゼンスルホン酸であって、好ましくはこの置換基がメチルのような低級アルキル、ブロモのようなハロゲンおよび/またはニトロから選択されている芳香族スルホン酸、たとえばメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸でエステル化されたものとの反応も可能である。アルキル化はアミドをアルキル化する通常条件下、特に水性溶液中および/または極性溶媒、典型的にはアルコール、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノールまたはエチレングリコール、または双極性非プロトン性溶媒、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドの存在下、可能ならば酸触媒または塩基触媒の存在下に、一般に約0℃から対応する反応混合物の沸騰温度までの間の温度、好ましくは20℃と還流温度との間で、所望により加圧下、たとえば封管および/または不活性ガス、典型的には窒素またはアルゴン中で行うことができる。
【0102】
この章に示す変換と同様な反応は適切な中間体のレベルでも行い得ることは強調すべきである。
【0103】
一般的な工程条件
本明細書に記載する全製造工程は既知の反応条件下、好ましくは特定的に記載した条件下、好ましくは使用する試薬に不活性で試薬を溶解できる溶媒または希釈剤の不存在または通常は存在下に、触媒、縮合剤または中和剤、たとえばイオン交換剤、典型的にはカチオン交換剤、たとえばH型、の不存在または存在下、反応および/または反応剤の型に依存して低温、通常温度または高温、たとえば−100〜約190℃、好ましくは約−80〜約150℃、たとえば−80〜−60℃、室温、−20〜40℃または使用する溶媒の沸点で、常圧または密封容器内で、適当なら加圧および/または不活性雰囲気下、たとえばアルゴンまたは窒素中で実施することができる。
【0104】
塩−形成基を有するなら全ての出発化合物および中間体で塩が存在してもよい。反応が妨害されないなら塩は化合物の反応中に存在してもよい。
【0105】
全反応段階で、存在する異性体混合物は個々の異性体、たとえばジアステレオマーまたはエナンチオマーに、または異性体の混合物、たとえばラセミ体またはジアステレオマー混合物に分離できる。
【0106】
本発明は、何れかの段階の中間体として得られる化合物から出発し、残りの工程を行い、または工程を何れかの段階で中断し、または反応条件下に出発物質となり、または反応性誘導体または塩の形でその出発物質を使用し、または本発明に従う製法によって得られる化合物を製造し、反応容器内で該化合物を処理する、工程の形式にも関連する。好適な態様では、本明細書に好適、殊に特に好適、一次的に好適および/またはとりわけ好適であると記載した化合物に導く出発物質から出発する。
【0107】
好適な態様では、式Iで示される化合物は実施例に記載する製法またはその製法および製造工程に類似の方法にしたがって製造できる。
【0108】
塩を含む式Iで示される化合物は、水和物の型でも製造でき、またはその結晶はたとえば結晶化に使用した溶媒を含むことができる(溶媒和物として存在)。
【0109】
医薬品の製造法および使用
本発明はさらにプロテインキナーゼ活性の阻害に応答する新生物疾患を処置する方法に関し、その方法は、各残基と記号が前記式Iについて定義した意味を有する、式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩を該疾患に有効な量でそのような処置が必要な温血動物に投与することを含む。
【0110】
特に本発明はさらにAblチロシンキナーゼ活性の阻害に応答する白血病を処置する方法に関し、その方法は、各残基と記号が前記式Iについて定義した意味を有する、式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩の白血病に有効な量をそのような処置が必要な温血動物に投与することを含む。
【0111】
本発明はまた、活性成分として式Iで示される化合物またはそのN−オキシドを含む、特に冒頭に指摘した疾患の処置に使用できる医薬組成物に関する。温血動物、特にヒトへの鼻内、口腔内、経直腸または特に経口投与のような管腔内投与、および静脈内、筋肉内または皮下投与のような非経口投与のための組成物は特に好適である。この組成物は活性成分を単独で含むかまたは好ましくは、医薬的に許容される担体と一緒に含む。活性成分の用量は処置すべき疾患に依存し、また動物種、年令、体重、および個々の病状、個々の薬物動態学的データ、および投与形式に依存する。
【0112】
本発明は特に式Iで示される化合物、そのタウトマー、N−オキシドまたは医薬的に許容される塩または水和物または溶媒和物および医薬的に許容される担体少なくとも1種を含む医薬組成物に関する。
【0113】
本発明はまた人体または動物体の予防または特に治療管理のための方法で使用するための医薬組成物、その製造法(特に腫瘍を処置するための組成物の形で)、および腫瘍疾患、特に前記の疾患を処置する方法に関する。
【0114】
本発明はまた、活性成分として式Iで示される化合物またはそのN−オキシドを含有する医薬品を製造するための式Iで示される化合物またはそのN−オキシドの方法および使用に関する。
【0115】
好適な態様では、本医薬品はAblチロシンキナーゼの阻害に応答する疾患、たとえば慢性骨髄性白血病(CML)に罹患した温血動物、特にヒトまたは商業的に有用な哺乳類への投与に適し、さらに式Iで示される化合物またはそのN−オキシドまたは塩形成基があればその医薬的に許容される塩のBcr−Abl融合プロテインの阻害に有効な量を医薬的に許容される担体少なくとも一種とともに含有する。
【0116】
特にその疾患に罹患したこの処置を必要とする温血動物、特にヒトまたは商業的に有用な哺乳類の新生物およびその他増殖性疾患の予防または特に治療管理のための医薬組成物であって活性成分である式Iで示される新規化合物またはそのN−オキシドを該疾患の予防的にまたは特に治療的に活性な量で含むものは同様に好適である。
【0117】
本医薬組成物は活性成分約1%〜約95%を含み、単回用量投与剤型は好適な態様では活性成分約20%〜約90%を含み、単回用量投与用でない剤型は好適な態様では約5%〜約20%の活性成分を含む。単位用量剤型は、たとえばコーティング錠、非コーティング錠、アンプル剤、バイアル剤、坐剤またはカプセル剤である。他の剤型はたとえば、軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、発泡剤、チンキ剤、スプレー剤、などである。一例は活性成分約0.05g〜約1.0gを含むカプセル剤である。
【0118】
本発明の医薬組成物は、たとえば通常の混合、顆粒化、コーティング、溶解または凍結乾燥などのそれ自体公知の様式で製造される。
【0119】
活性成分の溶液剤および懸濁剤または分散剤の使用が好適であるが、特に等張性の水溶液剤、分散剤または懸濁剤、たとえば凍結乾燥した活性成分単独または担体と一緒に含む組成物の場合は使用前に調製できる。本医薬組成物は無菌であってもよくおよび/またはたとえば保存剤、安定化剤、湿潤化剤および/または乳化剤、溶解剤、浸透圧制御用の塩および/または緩衝剤などの添加剤を含有してもよく、いずれも通常の溶解法および凍結乾燥法などそれ自体公知の方法で製造される。該溶液剤または懸濁液剤は増粘剤または溶解剤を含有してもよい。
【0120】
油性懸濁剤には油性成分として注射の目的に常用される植物性、合成または半合成の油を含む。この点で、酸成分として8〜22炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含む液体脂肪酸エステルが特に注目される。この脂肪酸エステルのアルコール成分は最大6個までの炭素原子を有する1価または多価、たとえば1価、2価または3価のアルコール、特にグリコールおよびグリセリンである。
【0121】
経口投与用医薬組成物は、たとえば活性成分と固体の担体一種またはそれ以上とを混合し、所望なら得られる混合物を顆粒化し、混合物または顆粒を処理し、所望で必要ならば添加剤を加えて錠剤または錠剤コアとすることによって製造できる。
【0122】
適当な担体は特にショ糖、セルロース製品および/または燐酸カルシウムのような増量剤;および澱粉および/またはポリビニルピロリドンのような結合剤;および/または、所望なら崩壊剤である。別な添加剤は特に流動調節剤および滑沢剤である。
【0123】
錠剤コアには、中でもアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または酸化チタンを含んでいてもよい濃厚ショ糖溶液、または適当な有機溶媒もしくは溶媒混合物中のコーティング溶液、または腸溶性コーティング調製用の適当なセルロース製品の溶液、を使用する所望により腸溶性の適当なコーティングを施すことができる。
【0124】
経口投与用医薬組成物にはゼラチンからなる硬カプセルも含み、およびゼラチンおよび可塑剤からなる密封軟カプセルも含む。硬カプセルは、たとえば充填剤、結合剤および/または滑沢剤および所望により安定化剤と混合した活性成分を顆粒の形で含んでいてもよい。軟カプセルでは、活性成分を好ましくは適当な液体添加剤に溶解または懸濁するが、これには安定化剤および界面活性剤を加えてもよい。
【0125】
経直腸投与に適する医薬組成物はたとえば、活性成分と坐剤用基剤とを配合した坐剤である。
【0126】
非経口投与には、水溶型活性成分たとえば水溶性塩の水溶液、水性注射用懸濁剤であって、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランなど増粘剤および所望ならば安定化剤を含むものは特に適切である。活性成分は所望により添加剤とともに、凍結乾燥製剤の形にしてもよく、非経口投与前に適当な溶媒を加えて溶液にすることができる。
【0127】
たとえば、非経口投与に使用するような溶液剤は点滴用溶液に採用できる。
【0128】
好適な保存剤はたとえばアスコルビン酸のような抗酸化剤、またはソルビン酸または安息香酸のような殺微生物剤である。
【0129】
本発明は同様に前記の病理的状態、特にチロシンキナーゼの阻害に応答する疾患、特に対応する新生物疾患を処置する方法に関する。式Iで示される化合物またはそのN−オキシドは、それ自体としてまたは特に医薬組成物の形で、予防的または治療的に、好ましくは該疾患に対して有効な量で、そのような処置が必要な温血動物、たとえばヒトに、投与できる。体重約70kgの個体の場合、本発明化合物の日用量は約0.05g〜約5g、好ましくは約0.25g〜約1.5gである。
【0130】
本発明はまた、式Iで示される化合物またはそのN−オキシド、またはその医薬的に許容される塩、特に好適とされる式Iで示される化合物またはその医薬的に許容される塩のそのものまたは医薬製剤の形で、医薬的に許容される担体少なくとも1種とともに、または前記疾患1種もしくはそれ以上、好ましくはプロテインキナーゼの阻害に応答する疾患、特に新生物疾患、さらにAblチロシンキナーゼの阻害に応答する白血病の治療管理または予防管理のための使用に関する。
【0131】
各症例で使用すべき好適な用量、組成物および医薬製剤(医薬品)は前記した。
【0132】
出発原料
新規な出発物質および/または中間体ならびにその製法は同様にこの発明の対象である。好適な態様では、その出発物質を好適な化合物が得られるように選択した反応条件で使用する。
【0133】
式IIで示される置換アミノ安息香酸はたとえば、3−アミノ−4−R−安息香酸、たとえば3−アミノ−4−メチル安息香酸、のエステルとシアナミドとを反応させ、得られるグアニジンと3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ピリジニル)−2−プロペン−1−オンとを縮合させ、最後にエステル官能基を加水分解して製造することができる。
【0134】
式IIIで示される出発物質は公知であるか、市販されているか、本技術分野における公知方法または類似方法で合成できる。
【0135】
下記の実施例は本発明を例示するために提供するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0136】
【表1】

【実施例】
【0137】
実施例1:N−(2−フラニルメチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(Fluka, Buchs, Switzerland; 674μL、約1mmol)中約50%プロピルホスホン酸無水物を含む溶液を、2mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(214.4mg、0.7mmol)、フルフリルアミン(Aldrich, Buchs, Switzerland; 61.8μL、0.7mmol)およびトリエチルアミン(776μL、5.6mmol)の撹拌混合物に20分以内に添加する。室温にて24時間撹拌後、混合物を炭酸水素ナトリウムの反飽和水溶液で処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を真空中で乾燥させる。粗生成物をジクロロメタンから結晶化すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 4.43 (d, 2H); 6.23 (m, 1H); 6.33-6.37 (m, 1H); 7.30 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.53 (m, 1H); 7.59 (dd, 1H); 8.11 (d, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 8.87 (t, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0138】
出発物質は、以下のように製造される:
【0139】
実施例1a:3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−4−メチル−安息香酸 エチルエステル モノ硝酸塩 シアナミド(Fluka, Buchs, Switzerland; 77.4g、1.842mol)を、850mLのエタノール中の3−アミノ−4−メチル安息香酸 エチルエステル(J. Med. Chem. 16, 118-122, 1973; 150g、0.837mol)の溶液に添加する。次いで、塩酸(Fluka, Buchs, Switzerland; 108mLの12M、1.27mol)を15分かけて滴下し、そして反応混合物を90℃(温浴の温度)にて15時間撹拌する。溶媒を減圧下で留去すると、残渣を得、これを水(1000ml)で処理し、そして5−10℃に冷却しながら撹拌する。硝酸アンモニウム(Merck, Darmstadt, Germany; 134.8g、1.68mol)の水(400ml)溶液を、30分かけて滴下し、続いて氷水(1200ml)を滴下する。さらに30分間撹拌した後、生成物を濾取し、氷水(3×1000ml)で洗浄し、そして風乾する。残渣をジエチルエーテル(2×2000mL)で洗浄し、そして真空中で50℃にて乾燥すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:195−197℃.
【0140】
実施例1b:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸 エチルエステル
エタノール(2200ml)中の中間実施例1a(164g、0.577mol)、3−(ジメチルアミノ)−1−(3−ピリジニル)−2−プロペン−1−オン(113.8g、0.646mol)および粉末NaOH(99%; Merck, Darmstadt, Germany; 26.6g、0.658mol)の撹拌混合物を、68時間加熱還流する。反応溶媒を減圧下で留去し、そして残渣を酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機層を分離し、そして水相を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出液を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、残渣を得、これをジエチルエーテルから結晶化すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:95−96℃.
【0141】
実施例1c:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸
水性水酸化ナトリウム(500mLの2M)を、エタノール(1200mL)および水(1200ml)中の中間実施例1b(132.8g、0.397mol)の撹拌懸濁液に滴下する。反応混合物を45℃にて2.5時間撹拌し、そして水性HCl(1000mLの1M)を1.5時間かけて滴下して処理する。水(1000ml)の添加後、沈殿物を濾取し、水(4×500ml)で洗浄し、そして室温にて乾燥する。風乾した生成物中に存在する残渣性の水を、減圧下でのトルエンとの共沸により除去する。乾燥したトルエン懸濁液をジエチルエーテルで希釈し、そして濾過する。固体の残渣をジエチルエーテルで洗浄し、そして真空中で80℃にて乾燥すると、標題の化合物を得る。融点:277−278℃.
【0142】
実施例2:N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゼンアミン
N,N−ジメチルホルムアミド(Fluka, Buchs, Switzerland; 875μL、約1.5mmol)中の約50%プロピルホスホン酸無水物を含む溶液を、8mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(306mg、1.0mmol)、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゼンアミン(Chem. Abstr. Reg. Number: 70261-82-4; 205mg、1.0mmol)およびトリエチルアミン(830μL、6.0mmol)の撹拌混合物に20分以内で添加する。室温にて24時間撹拌後、混合物を飽和水性塩化アンモニアで処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を真空中で乾燥させる。粗生成物をエタノール−酢酸エチルから結晶化すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:153−155℃.
【0143】
実施例3:1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−(2−ピリジニル)ピペラジン
N,N−ジメチルホルムアミド(Fluka, Buchs, Switzerland; 674μL、約1mmol)中の約50%プロピルホスホン酸無水物を含む溶液を、2mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(214.4mg、0.7mmol)、1−(2−ピリジル)ピペラジン(Aldrich, Buchs, Switzerland; 114.3mg、0.7mmol)およびトリエチルアミン(776μL、5.6mmol)の撹拌混合物に20分以内に添加する。室温にて24時間撹拌後、混合物を半飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を真空中で乾燥させる。粗生成物をシリカゲルの残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン中5−10%メタノール)により精製すると、固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.31 (s, 3H); 3.35-3.74 (m, 8H); 6.65 (ddd, 1H); 6.79 (d, 1H); 7.13 (dd, 1H); 7.32 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.49-7.56 (m, 2H); 7.69 (m, 1H); 8.11 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0144】
以下の化合物は、適当なアミン(カッコ内に供給者)を用いることにより同様に製造される:
【0145】
実施例4:2−(2−アミノエチル)ピリジン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.27 (s, 3H); 2.97 (t, 2H); 3.58 (m, 2H); 7.18 (ddd, 1H); 7.25 (m, 1H); 7.29 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.47-7.56 (m, 2H); 7.65 (m, 1H); 8.06 (d, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.44-8.51 (m, 3H); 8.66 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0146】
実施例5:4−アミノ−1−ベンジルピペリジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.47-1.63 (m, 2H); 1.69-1.80 (m, 2H); 1.92-2.05 (m, 2H); 2.27 (s, 3H); 2.73-2.83 (m, 2H); 3.43 (s, 2H); 3.68-3.83 (m, 1H); 7.18-7.33 (m ,6H); 7.42 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.10 (m, 1H); 8.14 (d, 1H); 8.37 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.21 (m, 1H).
【0147】
実施例6:4−(アミノメチル)ピリジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−(4−ピリジニルメチル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.30 (s, 3H); 4.46 (d, 2H); 7.26 (m, 2H); 7.33 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.47 (ddd, 1H);7.62 (dd, 1H); 8.16 (d, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.45 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.03 (t, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0148】
実施例7:2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロール [Chem. Abstr. Reg. Number: 83732-75-6]を用いる4−メチル−N−[2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)エチル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 2.75 (t, 2H); 3.42 (m, 2H); 3.51 (s, 3H); 5.76-5.85 (m, 2H); 6.57 (m,1H); 7.30 (d,1H); 7.43 (d, 1H); 7.46-7.58 (m, 2H); 8.10 (br. 1H); 8.40 (m, 1H); 8.48-8.55 (m, 2H); 8.64-8.69 (m, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0149】
実施例8:4−メトキシベンジルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 3.69 (s, 3H); 4.37 (d, 2H); 6.80-6.87 (m, 2H); 7.17-7.23 (m, 2H); 7.31 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.47 (ddd, 1H); 7.59 (dd, 1H); 8.11 (d, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 8.87 (t, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0150】
実施例9:イソブチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−(2−メチルプロピル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 0.85 (d, 6H); 1.81 (m, 1H); 2.27 (s, 3H); 3.04 (m, 2H); 7.29 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.48 (dd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.07 (d, 1H); 8.31-8.41 (m, 2H); 8.49 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0151】
実施例10:4−(2−アミノエチル)モルホリン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−(2−モルホリノエチル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 2.33-2.46 (m, 6H); 3.30-3.40 (m, 2H); 3.53 (m, 4H); 7.30 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.46-7.57 (m, 2H); 8.06 (d, 1H); 8.30 (m, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0152】
実施例11:テトラヒドロフルフリルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.49-1.63 (m, 1H); 1.70-1.93 (m, 3H); 2.27 (s, 3H); 3.27 (m, 2H); 3.58 (m, 1H); 3.72 (m, 1H); 3.94 (m, 1H); 7.29 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.56 (dd, 1H); 8.08 (d, 1H); 8.35-8.45 (m, 2H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.21 (m, 1H).
【0153】
実施例12:5−(2−アミノエチル)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン[Chem. Abstr. Reg. Number: 221170-25-8]を用いるN−[2−(2,4−ジヒドロキシ−5−ピリミジニル)エチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.27 (s, 3H); 2.40 (t, 2H); 3.34 (m, 2H); 7.15 (m,1H); 7.29 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.47-7.55 (m, 2H); 8.07 (d, 1H); 8.35-8.42 (m, 2H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.22 (m, 1H); 10.59 (s, 1H); 11.01 (s, 1H).
【0154】
実施例13:シクロヘキシルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−シクロヘキシル−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.00-1.16 (m, 1H); 1.18-1.36 (m, 4H); 1.52-1.85 (m, 5H); 2.27 (s, 3H); 3.66-3.82 (m, 1H); 7.28 (d, 1H); 7.41 (d, 1H); 7.48 (m, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.06-8.12 (m, 2H); 8.37 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.21 (m, 1H).
【0155】
実施例14:L(−)−アルファ−アミノ−イプシロン−カプロラクタム[Chem. Abstr. Reg. Number: 21568-87-6]を用いるN−[(3S)−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−アゼピン−3−イル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.11-1.31 (m, 1H); 1.37-1.82 (m, 3H); 1.83-1.96 (m, 2H); 2.28 (s, 3H); 3.00-3.13 (m, 1H); 3.15-3.30 (m, 1H); 4.58 (m, 1H); 7.32 (d,1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 7.84 (m, 1H); 8.08 (d, 1H); 8.13 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0156】
実施例15:2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.27 (s, 3H); 2.75 (t, 2H); 3.43 (m, 2H); 3.67 (s, 6H); 6.70 (dd, 1H); 6.77-6.83 (m, 2H); 7.30 (d,1H); 7.42 (d, 1H); 7.46-7.57 (m, 2H); 8.07 (d, 1H); 8.36-8.46 (m, 2H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0157】
実施例16:エチル 2−アミノ−4−チアゾールアセテート(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる2−[[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]−4−チアゾール酢酸 エチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.16 (t, 3H); 2.32 (s, 3H); 3.70 (s, 2H); 4.06 (q, 2H); 7.01 (s, 1H); 7.36 (d,1H); 7.42-7.54 (m, 2H); 7.82 (d, 1H); 8.34-8.47 (m, 2H); 8.52 (d, 1H); 8.66 (m, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.24 (m, 1H); 12.57 (br., 1H).
【0158】
実施例17:1−(3−アミノプロピル)イミダゾール(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.96 (qui, 2H); 2.30 (s, 3H); 3.24 (m, 2H); 4.01 (t, 2H); 6.91 (s,1H); 7.22 (m, 1H); 7.34 (d,1H); 7.45 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.59 (dd, 1H); 7.70 (s, 1H); 8.14 (d, 1H); 8.42 (m, 1H); 8.47 (t, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.10 (s, 1H); 9.25 (m, 1H).
【0159】
実施例18:シクロプロパンメチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(シクロプロピルメチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 0.17-0.22 (m, 2H); 0.36-0.42 (m, 2H); 0.96-1.06 (m, 1H); 2.28 (s, 3H); 3.11 (m, 2H); 7.31 (d,1H); 7.43 (d, 1H); 7.50 (ddd, 1H); 7.58 (dd, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.47 (t, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0160】
実施例19:2−メトキシエチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 3.23 (s, 3H); 3.36-3.46 (m, 4H); 7.31 (d,1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.57 (dd, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.38-8.47 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0161】
実施例20:1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[3−(2−オキソ−1−ピロリジニル)プロピル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.67 (m, 2H); 1.89 (m, 2H); 2.18 (t, 2H); 2.28 (s, 3H); 3.19 (m, 4H); 3.32 (m, 2H); 7.30 (d, 1H); 7.42 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.54 (dd, 1H); 8.09 (d, 1H); 8.31-8.42 (m, 2H); 8.49 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0162】
実施例21:N−ベンジルメチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN,4−ジメチル−N−(フェニルメチル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 2.86 (s, 3H); 4.51-4.68 (m, 2H); 7.08-7.35 (m,7H); 7.43 (d, 1H); 7.48 (m, 1H); 7.71 (s, 1H); 8.35-8.54 (m, 2H); 8.67 (m, 1H); 8.97-9.09 (m, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0163】
実施例22:4−アミノアセトアニリド(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.01 (s, 3H); 2.32 (s, 3H); 7.38 (d,1H); 7.45 (d, 1H); 7.47-7.54 (m, 3H); 7.63-7.71 (m, 3H); 8.22 (m, 1H); 8.43 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.13 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 9.90 (s, 1H); 10.11 (s, 1H).
【0164】
実施例23:4−メトキシ−2−メチルアニリン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.16 (s, 3H); 2.32 (s, 3H); 3.73 (s, 3H); 6.75 (dd, 1H); 6.82 (m, 1H); 7.16 (d, 1H); 7.37 (d,1H); 7.45 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.69 (dd, 1H); 8.25 (d, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.12 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 9.69 (s, 1H).
【0165】
実施例24:4−メチルスルホニルベンジルアミン塩酸塩(Acros, Morris Plains, NJ)を用いる4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.30 (s, 3H); 3.16 (s, 3H); 4.54 (d, 2H); 7.34 (d,1H); 7.44 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.55 (m, 2H); 7.63 (dd, 1H); 7.86 (m, 2H); 8.16 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.10 (m, 2H); 9.24 (m, 1H).
【0166】
実施例25:4−(ジメチルアミノ)ベンジルアミンジ塩酸塩(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 2.82 (s, 6H); 4.32 (d, 2H); 6.64 (m, 2H); 7.11 (m, 2H); 7.31 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.48 (ddd, 1H); 7.59 (dd, 1H); 8.12 (d, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 8.81 (t, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0167】
実施例26:グリシンアミド塩酸塩(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(2−アミノ−2−オキソエチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 3.78 (d, 2H); 7.02 (s, 1H); 7.30-7.36 (m, 2H); 7.44 (d, 1H); 7.53 (ddd, 1H); 7.61 (dd, 1H); 8.11 (m, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.57 (t, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0168】
実施例27:グリシン メチルエステル塩酸塩(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]グリシン メチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 3.63 (s, 3H); 3.98 (d, 2H); 7.34 (d,1H); 7.44 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.59 (dd, 1H); 8.11 (d, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 8.87 (t, 1H); 9.09 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0169】
実施例28:ベータ−アラニン メチルエステル塩酸塩(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]ベータ−アラニン メチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.27 (s, 3H); 2.57 (t, 2H); 3.46 (m, 2H); 3.57 (s, 3H); 7.31 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.50-7.55 (m, 2H); 8.07 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.47 (t, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0170】
実施例29:p−(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(Sigma, Buchs, Switzerland)を用いるN−[[4−(アミノスルホニル)フェニル]メチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 4.51 (d, 2H); 7.30 (s, 2H); 7.34 (d, 1H); 7.43-7.50 (m, 4H); 7.62 (dd, 1H); 7.75 (m, 2H); 8.16 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.06 (t, 1H); 9.09 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0171】
実施例30:3−アミノ−1−プロパノール(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.65 (qui, 2H); 2.28 (s, 3H); 3.29 (m, 2H); 3.42 (m, 2H); 4.50 (m, 1H); 7.30 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.56 (dd, 1H); 8.09 (d, 1H); 8.36-8.43 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0172】
実施例31:ジエチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN,N−ジエチル−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.04 (m, 6H); 2.28 (s, 3H); 3.31 (m, 4H); 7.02 (dd, 1H); 7.27 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.61 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.01 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0173】
実施例32:L−フェニルアラニン tert−ブチルエステル塩酸塩(Novabiochem (Juro), Lucerne, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−(L)−フェニルアラニン 1,1−ジメチルエチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.32 (s, 9H); 2.28 (s, 3H); 3.07 (m, 2H); 4.53 (m, 1H); 7.13-7.29 (m, 5H); 7.32 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.50 (ddd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.05 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.49 (d, 1H); 8.63 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0174】
実施例33:D−アラニン tert−ブチルエステル塩酸塩(Novabiochem (Juro), Lucerne, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−(D)−アラニン 1,1−ジメチルエチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.34 (d, 3H); 1.38 (s, 9H); 2.28 (s, 3H); 4.32 (m, 1H); 7.33 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.61 (dd, 1H); 8.14 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (m, 1H); 8.58 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0175】
実施例34:N−4−ピペリジニル−ベンズアミド(Maybridge Chemical Co. Ltd)を用いるN−[1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−ピペリジニル]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.49 (m, 2H); 1.68-1.94 (m, 2H); 2.30 (s, 3H); 2.92 (m, 1H); 3.16 (m, 1H); 3.79 (m, 1H); 4.05 (m, 1H); 4.42 (m, 1H); 7.08 (dd, 1H); 7.31 (d, 1H); 7.41-7.54 (m, 5H); 7.63 (m, 1H); 7.79-7.84 (m, 2H); 8.28 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0176】
実施例35:モルホリン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる4−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−モルホリン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 3.47 (m, 8H); 7.10 (dd, 1H); 7.30 (d, 1H); 7.44 (m, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.65 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.69 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0177】
実施例36:1−(4−メトキシフェニル)−ピペラジン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる1−(4−メトキシフェニル)−4−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.30 (s, 3H); 2.87-3.08 (m, 4H); 3.50-3.75 (m, 4H); 3.67 (s, 3H); 6.78-6.88 (m, 4H); 7.12 (dd, 1H); 7.31 (d, 1H); 7.44 (m, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.67 (m, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.52 (m, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0178】
実施例37:1−(4−ピリジル)−ピペラジン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−(4−ピリジニル)−ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.31 (s, 3H); 3.30 (m, 4H); 3.59 (m, 4H); 6.77 (m, 2H); 7.14 (dd, 1H); 7.32 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.70 (m, 1H); 8.16 (m, 2H); 8.41 (m, 1H); 8.53 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0179】
実施例38:1−(2−ピラジニル)−ピペラジン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−(ピラジニル)−ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.31 (s, 3H); 3.57 (m, 8H); 7.14 (dd, 1H); 7.32 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.72 (m, 1H); 7.85 (d, 1H); 8.08 (d, 1H); 8.29 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.53 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0180】
実施例39:1−ベンジル−ピペラジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−(フェニルメチル)−ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.21-2.42 (m, 4H); 2.28 (s, 3H); 3.34-3.63 (m, 6H); 7.07 (dd, 1H); 7.21-7.34 (m, 6H); 7.43-7.50 (m, 2H); 7.63 (m, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.03 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0181】
実施例40:1−シクロペンチル−ピペラジン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる1−シクロペンチル−4−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.20-1.31 (m, 2H); 1.39-1.62 (m, 4H); 1.65-1.75 (m, 2H); 2.18-2.47 (m, 8H); 3.27-3.62 (m, 4H); 7.08 (dd, 1H); 7.29 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.62 (m, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0182】
実施例41:4−[2−(ピペラジン−1−イル)−アセチル]−モルホリン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる4−{{4−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−1−ピペラジニル}アセチル}モルホリン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 2.31-2.49 (m, 4H); 3.16 (s, 2H); 3.37-3.60 (m, 12H); 7.07 (dd, 1H); 7.29 (d,1H); 7.45 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.65 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0183】
実施例42:1−[2−(ピペラジン−1−イル)−アセチル−ピロリジン(Emka Chemie, Neufahrn, Germany)を用いる1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−[2−オキソ−2−(1−ピロリジニル)エチル]ピペラジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.73 (m, 2H); 1.83 (m, 2H); 2.29 (s, 3H); 2.43 (m, 4H); 3.09 (s, 2H); 3.25 (m, 2H); 3.34-3.63 (m, 6H); 7.07 (dd, 1H); 7.29 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.64 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.04 (s, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0184】
実施例43:エチル 1−ピペラジンカルボキシレート(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−1−ピペラジンカルボン酸 エチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.16 (t, 3H); 2.29 (s, 3H); 3.19-3.63 (m, 8H); 4.02 (q, 2H); 7.10 (dd, 1H); 7.30 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.66 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0185】
実施例44:1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いる2−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.31 (s, 3H); 2.79 (m, 2H); 3.57-3.90 (m, 2H); 4.58-4.79 (m, 2H); 7.08-7.23 (m, 5H); 7.32 (d, 1H); 7.42-7.50 (m, 2H); 7.70 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0186】
実施例45:ビス(2−メトキシエチル)アミン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN,N−ビス(2−メトキシエチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.28 (s, 3H); 3.09 (br.s, 3H); 3.23 (br.s, 3H); 3.47 (m, 8H); 7.04 (dd, 1H); 7.27 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.62 (m, 1H); 8.39 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.01 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0187】
実施例46:4−ピペリジノピペリジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる1'−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−1,4'−ビピペリジン.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.21-1.50 (m, 8H); 1.51-1.83 (m, 2H); 2.29 (s, 3H); 2.39 (m, 4H); 2.68 (m, 1H); 2.95 (m, 1H); 3.71 (m, 1H); 4.42 (m, 1H); 7.07 (dd, 1H); 7.28 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.52 (ddd, 1H); 7.63 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.03 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0188】
実施例47:N−ベンジルグリシン エチルエステル(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−N−(フェニルメチル)−グリシン エチルエステル.
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ): 0.97-1.20 (m, 3H); 2.27 (s, 3H); 3.90-4.12 (m, 4H); 4.58-4.68 (m, 2H); 7.07 (m, 1H); 7.15-7.34 (m, 6H); 7.38-7.53 (m, 2H); 7.65-7.74 (m, 1H); 8.35-8.51 (m, 2H); 8.66 (dd, 1H); 8.96-9.04 (m, 1H); 9.22 (m, 1H).
【0189】
実施例48:3−クロロ−アニリン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(3−クロロフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.33 (s, 3H); 7.14 (m, 1H); 7.36 (m, 1H); 7.41 (d, 1H); 7.46 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.68-7.73 (m, 2H); 7.95 (m, 1H); 8.25 (m, 1H); 8.43 (m, 1H); 8.53 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.15 (s, 1H); 9.26 (m, 1H); 10.33 (s, 1H).
【0190】
実施例49:2,2−ジフェニルエチルアミン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−(2,2−ジフェニルエチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.24 (s, 3H); 3.87 (m, 2H); 4.41 (m, 1H); 7.12-7.17 (m, 2H); 7.23-7.31 (m, 9H); 7.41-7.44 (m, 2H); 7.51 (ddd, 1H); 7.97 (m, 1H); 8.37-8.44 (m, 2H); 8.48 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.05 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0191】
実施例50:1−アミノインダン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.90-2.01 (m, 1H); 2.29 (s, 3H); 2.43 (m, 1H); 2.77-2.86 (m, 1H); 2.91-2.98 (m, 1H); 5,56 (m, 1H); 7.08-7.25 (m, 4H); 7.31 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.50 (ddd, 1H); 7.64 (dd, 1H); 8.20 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.68-8.72 (m, 2H); 9.08 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0192】
実施例51:アルファ−アミノジフェニルメタン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−(ジフェニルメチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 6.41 (d, 1H); 7.20-7.36 (m, 11H); 7.43 (d, 1H); 7.46 (ddd, 1H); 7.67 (dd, 1H); 8.18 (m, 1H); 8.38 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.10 (s, 1H); 9.20 (d, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0193】
実施例52:1−(2−アミノエチル)ピペリジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[2−(1−ピペリジニル)エチル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.30-1.38 (m, 2H); 1.41-1.48 (m, 4H); 2.28 (s, 3H); 2.31-2.41 (m, 6H); 3.33 (m, 2H); 7.31 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.08 (m, 1H); 8.28 (t, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0194】
実施例53:5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.63-1.71 (m, 4H); 2.32 (s, 3H); 2.60 (m, 2H); 2.74 (m, 2H); 6.96 dd, 1H); 7.07-7.14 (m, 2H); 7.37 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.69 (dd, 1H); 8.25 (m, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.12 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 9.65 (br.s).
【0195】
実施例54:4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.30 (s, 3H); 4.53 (d, 2H); 7.34 (d,1H); 7.44 (d, 1H); 7.46-7.53 (m, 3H); 7.62 (dd, 1H); 7.66 (m, 2H); 8.16 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.08 (t, 1H); 9.10 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0196】
実施例55:2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン(TCI-JP, Distrib. Zuerich, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[(5−メチルピラジニル)メチル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.29 (s, 3H); 2.45 (s, 3H); 4.54 (d, 2H); 7.33 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.62 (dd, 1H); 8.14 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.45 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.07 (t, 1H); 9.09 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0197】
実施例56:2−エトキシエチルアミン(TCI-JP, Distrib. Zurich, Switzerland)を用いるN−(2−エトキシエチル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.07 (t, 3H); 2.28 (s, 3H); 3.30-3.49 (m, 6H); 7.31 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.57 (dd, 1H); 8.09 (m, 1H); 8.38-8.45 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.07 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0198】
実施例57:1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン[Chem. Abstr. Reg. Number: 6281-42-1]を用いる4−メチル−N−[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.27 (s, 3H); 3.13-3.22 (m, 4H); 3.30-3.40 (m, 4H); 6.27 (br.s, 1H); 7.30 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.49-7.56 (m, 2H); 8.08 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.45 (t, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0199】
実施例58:2−アミノ−5−ピコリン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる4−メチル−N−(5−メチル−2−ピリジニル)−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.26 (s, 3H); 2.32 (s, 3H); 7.35 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.49 (ddd, 1H); 7.64 (dd, 1H); 7.77 (dd, 1H); 8.07 (d, 1H); 8.18 (m, 1H); 8.31 (d, 1H); 8.43 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 10.58 (s, 1H).
【0200】
実施例59:4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる1−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−4−フェニル−4−ピペリジノール.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.45-1.73 (m, 2H); 1.88 (m, 2H); 2.28 (s, 3H); 3.15 (m, 1H); 3.47 (m, 1H); 3.64 (m, 1H); 4.39 (m, 1H); 5.14 (s, 1H); 7.14 (dd, 1H); 7.19 (m, 1H); 7.26-7.31 (m, 3H); 7.43 (d, 1H); 7.45-7.51 (m, 3H); 7.69 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.48 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.03 (s, 1H); 9.24 (m, 1H).
【0201】
実施例60:3−アミノベンゾフェノン(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−(3−ベンゾイルフェニル)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.32 (s, 3H); 7.39 (d, 1H); 7.43-7.58 (m, 6H); 7.67 (m, 1H); 7.70-7.77 (m, 3H); 8.13 (m, 1H); 8.20 (m, 1H); 8.27 (m, 1H); 8.42 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.14 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 10.41 (s, 1H).
【0202】
実施例61:グリシン tert−ブチルエステル塩酸塩(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いるN−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]−グリシン 1,1−ジメチルエチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.40 (s, 9H); 2.29 (s, 3H); 3.86 (d, 2H); 7.33 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.58 (dd, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 8.75 (t, 1H); 9.08 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0203】
実施例62:エチル 4−アミノフェニルアセテート(Maybridge Chemical Co. Ltd.)を用いる4−[[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ベンゼン−酢酸 エチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.16 (t, 3H); 2.32 (s, 3H); 3.60 (s, 2H); 4.06 (q, 2H); 7.21 (m, 2H); 7.38 (d, 1H); 7.45 (d, 1H); 7.48 (ddd, 1H); 7.70 (m, 3H); 8.23 (m, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.13 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 10.16 (s, 1H).
【0204】
実施例63:N−(3−アミノプロピル)−N−メチルアニリン(TCI-JP, Distrib. Zuerich, Switzerland)を用いる4−メチル−N−[3−(メチルフェニルアミノ)プロピル]−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.73 (qui, 2H); 2.28 (s, 3H); 2.84 (s, 3H); 3.24-3.37 (m, 4H); 6.55 (m, 1H); 6.65 (m, 2H); 7.10 (m, 2H); 7.31 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.47 (ddd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.37-8.44 (m, 2H); 8.50 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0205】
実施例64:エチル 1−(3−アミノベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレート(Maybridge Chemical Co. Ltd.)を用いる1−[[3−[[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]フェニル]メチル]−4−ピペリジンカルボン酸 エチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.14 (t, 3H); 1.49-1.61 (m, 2H); 1.72-1.80 (m, 2H); 1.92-2.02 (m, 2H); 2.27 (m, 1H); 2.32 (s, 3H); 2.74 (m, 2H); 3.40 (s, 2H); 4.03 (q, 2H); 6.98 (d, 1H); 7.25 (m, 1H); 7.38 (d, 1H); 7.43-7.51 (m, 2H); 7.66-7.73 (m, 3H); 8.25 (s, 1H); 8.42 (m, 1H); 8.52 (d, 1H); 8.65 (dd, 1H); 9.12 (s, 1H); 9.25 (m, 1H); 10.14 (s, 1H).
【0206】
実施例65:ジエチル アミノマロネート塩酸塩(Aldrich, Buchs, Switzerland)を用いる[[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]プロパン二酸 ジエチルエステル.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.19 (t, 6H); 2.30 (s, 3H); 4.10-4.22 (m, 4H); 5.27 (d, 1H); 7.35 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.51 (ddd, 1H); 7.63 (dd, 1H); 8.15 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.11 (s, 1H); 9.21-9.25 (m, 2H).
【0207】
実施例66:2−ジイソプロピルアミノ−エチルアミン(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いるN−[2−[ビス(1−メチルエチル)アミノ]エチル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 0.95 (m, 12H); 2.28 (s, 3H); 2.49 (m, 2H); 2.94 (m, 2H); 3.17 (m, 2H); 7.30 (d, 1H); 7.43 (d, 1H); 7.50 (ddd, 1H); 7.54 (dd, 1H); 8.09 (br.s, 1H); 8.27 (m, 1H); 8.40 (m, 1H); 8.50 (d, 1H); 8.67 (dd, 1H); 9.06 (s, 1H); 9.23 (m, 1H).
【0208】
実施例67:N−[3−(ジエチルアミノ)フェニル]−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]ベンズアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(Fluka, Buchs, Switzerland; 674μL、約1.05mmol)中の約50%プロピルホスホン酸無水物を含む溶液を、2mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(214.4mg、0.7mmol)、N,N−ジエチル−1,3−ベンゼンジアミン(115mg、0.7mmol)およびトリエチルアミン(776μL、5.6mmol)の撹拌混合物に20分以内に添加する。室温にて24時間撹拌後、混合物を炭酸水素ナトリウムの半飽和水溶液で処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を真空中で乾燥させる。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン中2%メタノール)により精製し、そしてアセトンから結晶化すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 1.07 (t, 6H); 2.31 (s, 3H); 3.29 (m, 4H); 6.38 (m, 1H); 7.06 (m, 2H); 7.11 (m, 1H); 7.36 (d, 1H); 7.43-7.50 (m, 2H); 7.67 (m, 1H); 8.21 (m, 1H); 8.43 (m, 1H); 8.51 (d, 1H); 8.66 (dd, 1H); 9.12 (s, 1H); 9.24 (m, 1H); 9.90 (s, 1H).
【0209】
実施例68:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[[3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ベンズアミド
ジエチルシアノホスホネート(Aldrich, Buchs, Switzerland; 0.33mL、2.0mmol)を、10℃にて5mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(306mg、1.0mmol)、3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミン(220mg、1.0mmol)およびトリエチルアミン(560μL、4.0mmol)の撹拌混合物に添加する。60℃にて3時間撹拌後、混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。合わせた抽出液を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これを酢酸エチルから再結晶すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:253−258℃.
【0210】
実施例69:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド
ジエチルシアノホスホネート(Aldrich, Buchs, Switzerland; 0.50mL、3.0mmol)を、10℃にて、10mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸(438mg、1.5mmol)、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゼンアミン(308mg、1.5mmol)およびトリエチルアミン(840μL、3.0mmol)の撹拌混合物に添加する。60℃にて12時間撹拌後、混合物を炭酸水素ナトリウムの水溶液で処理し、そして酢酸エチルで3回抽出する。合わせた抽出液を水で洗浄し、そして溶媒を減圧下で留去すると、残渣を得る。この残渣を水で再び懸濁し、そして濾過すると、粗生成物を得、これをテトラヒドロフラン−酢酸エチルから再結晶すると、結晶性の固体としてN−[3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミドを得る。融点:220−224℃.
【0211】
実施例69a:3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−4−メチル安息香酸 メチルエステル モノ硝酸塩
3−アミノ−4−メチル安息香酸 エチルエステルの代わりに3−アミノ安息香酸 メチルエステル(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いること以外は、実施例1aにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:170−172℃.
【0212】
実施例69b:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸 メチルエステル
4−メチル−3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−4−メチル安息香酸 エチルエステル モノ硝酸塩の代わりに実施例69aの中間体を用いること以外は、実施例1bに記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:195−200℃.
【0213】
実施例69c:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]安息香酸 エチルエステルの代わりに実施例69bの中間体を用いること以外は、実施例1cにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:285−293℃.
【0214】
実施例70:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[(3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミド
4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゼンアミンの代わりに3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[(3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)フェニル)ベンズアミドを得る。融点:213−215℃.
【0215】
実施例71:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロポキシ]−フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに3−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロポキシ]−ベンゼンアミン(Takao Nishi et al., JP 10182459)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.12-2.21 (m, 2H); 2.33 (s, 3H); 3.87 (t, 2H); 4.13 (t, 2H); 6.66 (dd, 1H); 6.87 (s, 1H); 7.15-7.26 (m, 2H); 7.32-7.42 (m, 2H); 7.44-7.52 (m, 3H); 7.61 (s, 1H); 7.70 (d, 1H); 8.24 (s, 1H); 8.43 (d, 1H); 8.53 (d, 1H); 8.67 (d, 1H); 9.13 (s, 1H); 9.26 (br. s, 1H); 10.13 (s, 1H).
【0216】
実施例72:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに3−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ]−ベンゼンアミン(Rolf Paul et al., Journal of Medicinal Chemistry (1993), 36(19), 2716-25)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.34 (s, 3H); 4.22 (t, 2H); 4.37 (t, 2H); 6.68 (dd, 1H); 6.90 (s, 1H); 7.21-7.27 (m, 2H); 7.36-7.43 (m, 2H); 7.46-7.53 (m, 3H); 7.67-7.74 (m, 2H); 8.25 (br. s, 1H); 8.44 (dt, 1H); 8.54 (d, 1H); 8.68 (dd, 1H); 9.15 (s, 1H); 9.27 (br. d, 1H); 10.15 (s, 1H).
【0217】
実施例73:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(エチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりにN−エチル−2−(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:178−180℃.
【0218】
当該アニリンは以下のように製造される:
【0219】
実施例73a:N−エチル−2−(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジアミン
2−ブロモ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(Lancaster Synthesis, GmbH; 5.4g、20mmol)およびエチルアミンのエタノール(50mLの2M、100mmol)溶液の混合物をスチール圧力溶液中で80℃にて18時間加熱する。次いで混合物を冷却し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中20%酢酸エチル)により精製すると、黄色のオイルとしてN−エチル−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミンを得る。この生成物をエタノール(180mL)に溶かし、そして大気圧にてラネーニッケル(0.5g)上で45℃にて水素化する。水素の計算量が50時間で取り込まれる。次いで、混合物を濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、組成性を得、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中50%酢酸エチル)により精製し、そしてエーテル−ヘキサンから再結晶すると、ベージュ色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):1.11 (t, 3H), 3.05 (m, 2H), 4.18 (br t, 1H), 4.66 (br.s, 2H), 6.58 - 6.64 (m, 1H), 6.68 - 6.75 (m, 2H).
【0220】
実施例74:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(ジエチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりにN,N−ジエチル−2−(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジアミン(Toshio Niwa, DE 3524519)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:128−131℃.
【0221】
実施例75:(±)−4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに(±)−1−[[4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−2−プロパノール(Tsutomu Mano, EP 299497)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:184−186℃.
【0222】
実施例76:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりにN,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジアミン(Toshio Niwa, DE 3524519)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:156−157℃.
【0223】
実施例77:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Anthony David Baxter, WO 0119800)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:214−217℃.
【0224】
実施例78:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1−ピペリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、4−(1−ピペリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Leping Li, WO 0151456)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:201−202℃.
【0225】
実施例79:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Steven Lee Bender WO 0153274)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:129−130℃.
【0226】
実施例80:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Steven Lee Bender WO 0153274)を用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:216−218℃.
【0227】
実施例81:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−フェニル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、4−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:172−174℃.
【0228】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0229】
実施例81a:4−(フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン
フェニル ボロン酸(Aldrich, Buchs, Switzerland; 2.7g、22mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.225g、1mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(0.608g、2mmol)および水性炭酸カリウム溶液(50mLの1M)を、2−ブロモ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(Lancaster Synthesis, GmbH; 5.4g、20mmol)の撹拌ジメチルホルムアミド(200mL)溶液に添加し、そしてアルゴン雰囲気下で120℃にて1時間加熱する。次いで、混合物を減圧下で蒸発乾固させ、そして残渣を水(100ml)で処理し、そして酢酸エチル(3×80ml)で抽出する。合わせた抽出液を洗浄し(ブライン)、乾燥し(MgSO4)、濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、4'−ニトロ−2'−(トリフルオロメチル)−[1,1'−ビフェニル]を得る。当該ビフェニルをエタノール(200mL)に溶かし、そして大気圧にてラネーニッケル(2g)上で22℃にて水素化する。水素の計算量が11時間で取り込まれる。次いで、混合物を濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:酢酸エチル)により精製すると、褐色のオイルとして標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):5.62 (br.s, 2H), 6.80 (dd, 1H), 6.96 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 7.19 - 7.23 (m, 2H), 7.29 - 7.39 (m, 3H).
【0230】
実施例82:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[4−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:276−280℃.
【0231】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0232】
実施例82a:4−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン
2−ブロモ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(Lancaster Synthesis, GmbH; 3.37g、12.5mmol)および3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピリジン(Maybridge Chemical Co. Ltd., England; 5.0g、13.6mmol)の撹拌キシレン(75ml)溶液に、20℃にてアルゴンを10分間パージした。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.4g、1.25mmol)を添加し、そして得られた混合物をアルゴン雰囲気下で130℃にて24時間加熱する。次いで混合物を冷却し、水酸化ナトリウムの水溶液(150mLの0.1M)で処理し、そして空気を2時間パージする。次いで、得られた混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈し、そして濾過する。次いで、有機相を水(2×80ml)および飽和水性塩化ナトリウム(1×80ml)で連続的に洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中50%酢酸エチル)により精製すると、3−[(4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジンを得る。生成物をエタノール(200mL)に溶かし、そして大気圧にてラネーニッケル(0.23g)上で22℃にて水素化する。水素の計算量が24時間で取り込まれる。次いで、混合物を濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中50%酢酸エチル)により精製し、そしてエーテル−ヘキサンから再結晶すると、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:92−93℃.
【0233】
実施例83:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、4−(1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Steven Lee Bender WO 0153274)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:226−229℃.
【0234】
実施例84:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、アモルファス性の固体として標題の化合物を得る。
【0235】
当該アニリンは、以下のようにして製造される:
【0236】
実施例84a:4−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
2−ブロモ−5−ニトロベンゾトリフルオリド(Lancaster Synthesis, GmbH; 6.0g、22mmol)および2,4−ジメチルイミダゾール(10.6、110mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下で、120℃にて36時間加熱する。次いで、混合物を冷却し、そして残渣を水(150ml)で処理し、そして酢酸エチル(3×80ml)で抽出する。合わせた抽出液を洗浄し(ブライン)、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:酢酸エチル)により精製すると、黄色の結晶性の固体として1−[4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾールを得る。この生成物をエタノール(290ml)に溶かし、そして大気圧にてラネーニッケル(1.15g)上で25℃にて水素化する。水素の計算量が14時間で取り込まれる。次いで混合物を濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをエーテル−ヘキサンからの再結晶により精製すると、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:163−164℃.
【0237】
実施例85:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:154−163℃.
【0238】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0239】
実施例85a:4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
2,4−ジメチルイミダゾールの代わりに、4(5)−メチル−1H−イミダゾールを用いること以外は、実施例84aにおいて記載した手順を用い、ベージュ色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:141−143℃.
【0240】
実施例86:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:154−163℃.
【0241】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0242】
実施例86a:4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
2,4−ジメチルイミダゾールの代わりに、2−メチル−1H−イミダゾールを用いること以外は、実施例84aにおいて記載した手順を用い、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:117−119℃.
【0243】
実施例87:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−(4−モルホリニル)−5−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに3−アミノ−5−(4−モルホリニル)−N−(メチル)−ベンズアミドを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:153−156℃.
【0244】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0245】
実施例87a:3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸、1,1−ジメチルエチルエステル
ヘキサン中n−ブチルリチウムの溶液(12.8mLの2.5M、32mmol)を、tert−ブタノール(46mL)に、アルゴン雰囲気下で25℃にて撹拌しながら添加する。30分後、混合物を、3−ブロモ−5−ニトロ−ベンゾイルクロライド(J. Mindl, Collect. Czech. Chem. Commun. (1973), 38, 3496-505; 32mmol)の乾燥THF(40ml)溶液の滴下により処理し、そしてさらに17時間撹拌する。次いで、混合物をエーテル(250mL)で処理し、そしてブラインで洗浄する。エーテル溶液を乾燥し(MgSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中20%酢酸エチル)により精製し、そしてエーテル−ヘキサンから再結晶すると、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:77−78℃.
【0246】
実施例87b:3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−安息香酸、1,1−ジメチルエチルエステル
トルエン(50ml)中の3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例86a;3.02g、10mmol)およびモルホリン(1.22mL、14mmol)の撹拌混合物を、アルゴン雰囲気下でtert−ブチル酸ナトリウム(1.34g、14mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン(3mL、1.5mmol)およびトリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム[0](0.45g、0.5mmol)で処理し、次いで60℃にて18時間加熱する。混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、濾過し、ブライン(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中15%酢酸エチル)により精製し、そして酢酸エチル−ヘキサンから再結晶すると、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:116−118℃.
【0247】
実施例87c:3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−安息香酸、メチルエステル
メタノール(25ml)中の3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−安息香酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例87b:0.77g、2.5mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(0.56mL、3.75ml)、および臭化カリウム(1.09g、12.5mmol)の混合物を、90℃にて250分間加熱する。次いで、冷却した混合物を塩酸(0.1M、50mL)に添加し、そして酢酸エチル(3×100ml)で抽出する。合わせた抽出液を飽和水性炭酸水素ナトリウム(2×25mL)、水(2×25mL)およびブライン(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これを酢酸エチル−ヘキサンからの再結晶により精製すると、黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。
【0248】
実施例87d:3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−N−(メチル)−ベンズアミド
アルゴン雰囲気下で、トルエン(5ml)中の3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−安息香酸、メチルエステル(実施例86c;0.53g、2mmol)を、トルエン(5ml)中のメチルアミン塩酸塩(0.27g、4mmol)、トリメチルアルミニウム(トルエン中2M溶液、2mL、4mmol)の混合物で処理し、そして60℃にて18時間加熱する。次いで、冷却した混合物を塩酸(10mLの2M)で処理し、5分間撹拌し、次いで水性水酸化ナトリウム(5mLの4M)で処理する。次いで、混合物を水(100ml)で処理し、そして酢酸エチル(3×100ml)で抽出する。合わせた抽出液を、ブライン(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これを酢酸エチルからの再結晶により精製すると、黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:204−207℃.
【0249】
実施例87e:3−アミノ−5−(4−モルホリニル)−N−(メチル)−ベンズアミド
3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−N−(メチル)−ベンズアミド(実施例86d:300mg、1.12mmol)のエタノール(20ml)溶液を、大気圧にてラネーニッケル(0.2g)上で25℃にて水素化する。水素の計算量が19時間で取り込まれる。次いで、混合物を濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これを酢酸エチルから再結晶により精製すると、ベージュ色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:201−204℃.
【0250】
実施例88:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−[(メチルアミノ)カルボニル]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−N−(メチル)−ベンズアミドを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:245−249℃.
【0251】
実施例88a:3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)−N−(メチル)−ベンズアミド
3−(4−モルホリニル)−5−ニトロ−N−(メチル)−ベンズアミドの代わりに、α,α,α−トリフルオロ−N−メチル−5−ニトロ−m−トルアミド(Dean E. Welch, J. Med. Chem. (1969), 12, 299-303)を用いること以外は、実施例86eにおいて記載した手順を用い、ベージュ色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:113−115℃.
【0252】
実施例89:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、5−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:275−279℃.
【0253】
当該アニリンは、以下のようにして製造される:
【0254】
実施例89a:5−(3−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミン
3−アミノ−5−ブロモ−ベンゾトリフルオリド(Apollo, England; 1.12g、5mmol)および3−(トリ−n−ブチルスタンニル)ピリジン(Maybridge Chemical Co. Ltd.、England; 2.0g、5.4mmol)の撹拌キシレン(30ml)溶液に、20℃にてアルゴンを10分間パージした。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g、1.0mmol)を添加し、そして得られた混合物をアルゴン雰囲気下で140℃にて36時間加熱する。次いで、混合物を冷却し、水酸化ナトリウム(100mLの0.1M)の水溶液で処理し、そして空気を2時間パージする。次いで、得られた混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈し、そして濾過する。次いで、有機相を水(2×80ml)および飽和水性塩化ナトリウム(1×80ml)で連続的に洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:酢酸エチル)により精製すると、褐色のオイルとして標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 5.73 (br s, 2H), 6.83 (dd, 1H), 6.99 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.64 (d, 1H), 8.42 (m, 1H), 8.53 (dd, 1H).
【0255】
実施例90:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、5−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:208−211℃.
【0256】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0257】
実施例90a:[3−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
アセトニトリル(100ml)中の3−アミノ−5−ブロモ−ベンゾトリフルオリド(Apollo, England; 12g、50mmol)、ジ−tert−ブチル−ジカーボネート(12g、55mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.61g、5mmol)の混合物を、60℃にて8時間撹拌する。次いで、溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン中10%酢酸エチル)により精製し、そしてヘキサンから再結晶により精製すると、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:113−115℃.
【0258】
実施例90b:[3−(4−モルホリニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸、1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、[3−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例90a)を用いること以外は、実施例86bにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:146−148℃.
【0259】
実施例90c:5−(4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
[3−(4−モルホリニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例90b:1.7g、5mmol)を、塩化水素のイソプロパノール溶液(30mLの4M)で処理し、そして60℃にて5時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液(80ml)で処理し、そして酢酸エチル(3×80ml)で抽出する。合わせた抽出液をブライン(2×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをエーテル−ヘキサンからの再結晶により精製すると、黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:96−97℃.
【0260】
実施例91:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:242−247℃.
【0261】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0262】
実施例91a:3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル
N,N−ジメチルアセトアミド(80ml)中の3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(Lancaster Synthesis GmbH;17g、89mmol)および2−メチルイミダゾール(Fluka, Buchs, Switzerland; 22.2g、270mmol)の混合物を、145℃にて19時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を酢酸エチル(200mL)に溶かす。その溶液をブライン(200ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをエーテル−ヘキサンから再結晶により精製により精製すると、黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:132−134℃.
【0263】
実施例91b:3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(実施例91a:16.7g、66mmol)のジオキサン(300mL)溶液を、水酸化ナトリウムの水溶液(275mLの1M)に添加し、そして混合物を95℃にて18時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を塩酸(1M)で中和し、そしてブタノール(2×250ml)で抽出する。溶媒を減圧下で留去すると、標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 7.17 (s, 1H); 8.03 (s, 1H); 8.12 (s, 1H); 8.35 (s, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.53 (s, 1H); 13.90 (br., 1H).
【0264】
実施例91c:[3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
トリエチルアミン(5.23mL、37.5mmol)を、3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸(実施例91b; 6.8g、25mmol)の撹拌tert−ブタノール(200ml)懸濁液に添加する。ジフェニルホスホリルアジド(7.6g、27.5mmol)を、得られた溶液に添加し、そして混合物を80℃にて16時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残渣を水(100ml)で処理し、そして酢酸エチル(2×100ml)で抽出する。合わせた抽出液をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして溶媒を減圧下で留去すると、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:酢酸エチル中2%エタノール)により精製し、そしてエーテル−ヘキサンから再結晶すると、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:203−208℃.
【0265】
実施例91d:5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
[3−(4−モルホリニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、[3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例91c)を用いること以外は、実施例90cにおいて記載した手順を用い、黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:130−133℃.
【0266】
実施例92:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:235−236℃.
【0267】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0268】
実施例92a:3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル
2−メチルイミダゾールの代わりに、4−メチル−1H−イミダゾールを用いること以外は、実施例91aにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:127−128℃.
【0269】
実施例92b:3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリルの代わりに、3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(実施例92a)を用いること以外は、実施例91bにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:>300℃.
【0270】
実施例92c:[3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸の代わりに、3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸(実施例92b)を用いること以外は、実施例91cにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:186−188℃.
【0271】
実施例92d:5−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
[3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、[3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例92c)を用いること以外は、実施例91dにおいて記載した手順を用い、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:127−131℃.
【0272】
実施例93:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、5−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:231−233℃.
【0273】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0274】
実施例93a:3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル
2−メチルイミダゾールの代わりに、4−メチル−1H−イミダゾールを用いること以外は、実施例91aにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:99−101℃.
【0275】
実施例93b:3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリルの代わりに、3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(実施例93a)を用いること以外は、実施例91bにおいて記載した手順を用い、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:243−245℃.
【0276】
実施例93c:[3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸の代わりに、3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−安息香酸(実施例93b)を用いること以外は、実施例91cにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:169−171℃.
【0277】
実施例93d:5−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
[3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、[3−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例93c)を用いること以外は、実施例91dにおいて記載した手順を用い、無色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:131−133℃.
【0278】
実施例94:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
3−[(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)]−5−(1,1,1−トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの代わりに、3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例69において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:192−194℃.
【0279】
当該アニリンは、以下のように製造される:
【0280】
実施例94a:[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル
モルホリンの代わりに、1−メチル−1−ピペラジンを用いること以外は、実施例87bにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:225℃.
【0281】
実施例94b:3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン
[3−(4−モルホリニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステルの代わりに、[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−カルバミン酸、1,1−ジメチルエチルエステル(実施例94a)を用いること以外は、実施例90cにおいて記載した手順を用い、オイルとして標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):2.20 (s, 3H), 2.42 (m, 4H), 3.07 (m, 4H), 3.32 (br s, 2H), 5.34 (s, 1H), 6.31 (s, 2H).
【0282】
実施例95:4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[2−(1−ピロリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
1−(2−ピリジル)ピペラジンの代わりに、2−(1−ピロリジニル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミン(Lancaster Synthesis Ltd.; Yasuhiro Ohtake et al., WO 9965874)を用いること以外は、実施例3において記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):1.77-1.82 (m, 4H); 2.34 (s, 3H); 3.31-3.37 (m, 4H); 6.86 (d, 1H); 7.34-7.44 (m, 2H); 7.47 (d, 1H); 7.49-7.53 (m, 1H); 7.73 (dd, 1H); 8.27 (d, 1H); 8.43 (dt, 1H); 8.53 (d, 1H); 8.69 (dd, 1H); 9.13 (s, 1H); 9.27 (d, 1H); 9.96 (s, 1H).
【0283】
実施例96:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸の代わりに3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸を、そしてフルフリルアミンの代わりに5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)−ベンゼンアミンを用いること以外は、実施例1において記載した手順を用い、淡黄色の結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:264−266℃.
【0284】
実施例96a:3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−安息香酸 エチルエステル モノ硝酸塩
3−アミノ−4−メチル安息香酸 エチルエステルの代わりに、3−アミノ−安息香酸 エチルエステル(Fluka, Buchs, Switzerland)を用いること以外は、実施例1aにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:170−172℃.
【0285】
実施例96b:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸 エチルエステル
3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−4−メチル−安息香酸 エチルエステル モノ硝酸塩の代わりに、3−[(アミノイミノメチル)アミノ]−安息香酸 エチルエステル モノ硝酸塩を用いること以外は、実施例1bにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:197−199℃.
【0286】
実施例96c:3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸
4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸 エチルエステルの代わりに、3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−安息香酸 エチルエステルを用いること以外は、実施例1cにおいて記載した手順を用い、結晶性の固体として標題の化合物を得る。融点:291−295℃.
【0287】
実施例97:軟カプセル
5000個の軟カプセル(それぞれ、先行する実施例において述べた0.05gの式Iの化合物の1つを含む)は、以下のように製造される:
250gの粉砕した活性成分を2Lのラウログリコール(Lauroglykol)(登録商標)(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)中に懸濁させ、そして湿式粉砕機で粉砕して、約1〜3μmの粒子サイズとする。次いで、0.419gの混合物を、カプセル充填機を用いて、ゼラチン軟カプセルに入れる。
【0288】
実施例98:薬物動態学的データ
試験されるべき式Iの化合物を、IFACREDO、Franceからの雌性OF1マウスへの投与のために、最初にNMPに溶かし、次いでPEG300で希釈して、10% v/v NMP:90% v/v PEG300の最終濃度にし、当該化合物の透明な溶液を製造することにより、製剤化する。濃度を、10mL/kg(体重)の一定容積を送達するように調節した。化合物を、使用の直前に製造する。製剤化した化合物を胃管栄養法により経口的に投与し、50mg/kgの用量を供給する。割り当てられた時点で、マウス(各時点4匹)を医療用酸素中3%イソフルランで麻酔し、そして血液試料をヘパリン処理チューブ(約30IU/mL)への心臓穿刺により得る。動物を、麻酔から回復させることなく連続的に屠殺する。血漿を、遠心分離(10,000g、5分)により血液から調製し、そしてすぐに分析するか、または−70℃で凍結して保存する。
【0289】
血漿試料(10−250μL)を、たとえば5μLの内部標準でスパイクし、1.5mLのエッペンドルフ(Eppendorf)管中で200μLの0.1M NaOHおよび500μLのクロロホルムと混合し、そしてエッペンドルフミキサーで10分間激しく振盪する。その後、混合物を遠心分離し(10'000×gにて3分間)、有機相を第2のエッペンドルフ管に移し、そして真空遠心分離機(Speedvac 5301)中で蒸発乾固させる。乾燥残渣を、たとえば0.1%のギ酸を含む水中の10% v/v アセトニトリル250μLに溶かす。残りの分析は、たとえば真空脱ガス装置(vacuum degasser)、二元ポンプおよび冷却オートサンプラーシステム(HTS PAL, CTC Analytics, Zwingen, Switzerland)と合わせたサーモスタットカラムコンパートメントを有するAgilent 1100 Series (Agilent, Palo Alto, CA, USA)HPLCシステムを用いるHPLC/MS−MSにより行われる。試料(5−15μL)を、たとえば同じ材料のガードカラム(4×2mm)を有するウルトラフェニルカラム(Ultra Phenyl column)(粒子サイズ 3μm、50×1mm; Restek, Bellefonte, USA)に注入する(Phenomenex, Torrance, USA)。たとえば水での平衡化および1分の反応時間の後、試料を、たとえば0.2%のv/v ギ酸を含む水中0−100%アセトニトリルの直線勾配により、60μL/分の流速にて11分間で溶出する。
【0290】
カラムを、出発条件へと、たとえば100%水での3分間の再平衡化により、次の試料のために調製する。分離を、たとえば40℃のカラム温度で行う。カラム流出物を、たとえばイオン化技術としてエレクトロスプレーイオン化ポジティブモード(ESI+)を用いるMasslynxTM 3.5ソフトウエア(Micromass, Manchester, UK)により制御された三連四重極質量分析計(Quattro UltimaTM、Micromass, Manchester, UK)のイオン源に直接導入する。化合物を、親イオンのフラグメンテーション後のMS/MSにより検出する。定量の限界は、たとえば0.002nmol/Lで測定される。検量線を、上記のように加工した血漿中の内部標準の固定された量を含む化合物の既知の量で作成する。未知の試料の濃度を、名目濃度(横座標)に対する検体の選択された娘イオンと内部標準の生成物(縦座標)のピーク面積比のプロットから計算する。回帰分析を、QuanlynxTM、MasslynxTMソフトウエア3.5(Micromass, Manchester, UK)を用いて行う。
【0291】
実施例99:インビトロ阻害データ
酵素的(c−Abl、KDR、Flt3)インビトロ阻害データを、10μMでの%阻害として表す。一般的記載において上記したように測定される。
【表2】

【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アシルオキシ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキルまたはフェニル−低級アルキルを示し;
は水素、所望により1個もしくはそれ以上の同一もしくは相異なる残基Rで置換されていてもよい低級アルキル、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または環の窒素原子0個、1個、2個もしくは3個および酸素原子0個もしくは1個および硫黄原子0個もしくは1個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示す、ここに各基はいずれも非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されている;そして
はヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または環の窒素原子0個、1個、2個もしくは3個および酸素原子0個もしくは1個および硫黄原子0個もしくは1個を有する単環もしくは双環のヘテロアリール基を示す、ここに各基はいずれも非置換であるかまたはモノ−もしくはポリ置換されている;または
およびRは一体となって、所望により低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ置換アミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニルもしくはピリミジニルでモノ−もしくはジ置換されていてもよい、炭素原子4個、5個もしくは6個を有するアルキレン;アルキレン基に炭素原子4個もしくは5個を有するベンズアルキレン;または酸素1個および炭素原子3個もしくは4個を有するオキサアルキレン;あるいは窒素が非置換であるかまたは低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ置換カルバモイル低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルで置換された、窒素1個および炭素原子3個もしくは4個を有するアザアルキレンを示し;そして
は水素、低級アルキルまたはハロゲンを示す]
で示される化合物およびそのN−オキシドまたは医薬的に許容される塩。

【公開番号】特開2011−219495(P2011−219495A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153046(P2011−153046)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【分割の表示】特願2007−283773(P2007−283773)の分割
【原出願日】平成15年7月4日(2003.7.4)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】