チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造する装置
チーズその他乳製品及び豆腐を製造するための小型装置であって、不透水ベースン(3)を内蔵するシェル(1)と、透水性バスケット(6)を内蔵して、生成物を収集する収集容器(2)と、2つのサイドアーム(8)を有する下部ベース部材(10)を備える支持構造と、を備えることを特徴とする。本発明に係る装置は、さらに、攪拌部材(5)を操作するシェル(1)に一体化されたモータ(7)と、ベースン(3)の内容物を様々な温度まで加熱するように構成された加熱手段(4)とを備える。ベースン(3)及び透水性バスケット(6)は、開口であり、且つ相互に連結されている。連結されたベースン(3)及び透水性バスケット(6)は、一体で回転するように構成され、ベースン(3)が下でバスケット(6)が上である第1位置(A)と、バスケット(6)が下でベースン(3)が上である第2位置との間で往復する。複数の製造工程の後にチーズをバスケット(6)から取り出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品分野に関し、具体的には、乳製品及び食品産業において採用されているような方法を用いて、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チーズや他の乳製品の製造には多くの工程が必要であり、これらの工程はこの分野の製品の多くに共通して用いられる。
【0003】
典型的なプロセスでは、想定される予備的な処理を行った後に、乳を加熱し、まず、各製品の種類に応じて特に選択した細菌培養物と混合し、次いで、酵素材料であるレンネットと混合する。一般的には、レンネットは動物由来の未加工のタンパク質分解酵素である。
【0004】
レンネットの酵素活性によって、乳を凝固させて、固体ゲル又はカードを生成し、それらを細かく分断して(「カット」又は「ミル」工程)ホエーを排出させる。
【0005】
凝乳の分断後に、静置時間を置く(「休ませる」)、及び/又は、更に加温する(「クッキング」)工程を実施することができる。そして、既にホエーから分離してあるカードを、最終製品を成形するための特別な容器(「型」)に入れる。この後に続く工程は「ドライアウト」と称され、この工程の間、半製品を特別な暖かい場所(「恒温室」)に入れ、乳に添加した細菌培養物の醗酵活性を補助する。他の効果もあるが、発酵活性によって乳に存在するラクトースが乳酸に変化する。この酸性化は、半製品に継続してホエーを排出(「シネレシス」)させる。同時に、半製品をより堅固にするために押圧することが可能である。そして、加塩工程を行うが、この工程は、エージング工程である「熟成」工程の後に行うことも可能である。
【0006】
通常、得られたホエーは、リコッタのようなフレッシュチーズを得るために再度利用する。この場合、ホエーを攪拌して、80〜90℃まで加熱して凝固させ、リコッタの「フレーク」を浮かせ、ライトホエーを分離させる。「パスタフィラータ」チーズ(例えば、モッツァレッラ)の場合には、幾つかの工程は上述の技術に類似する。
【0007】
典型的なプロセスにおいては、牛乳を約35℃まで加熱し、選択した細菌培養物を植菌し、数分間静置する。このとき、レンネットを添加し、凝固させた後に、カードを粉砕(「ミル」)して、ホエーを完全に又は部分的に排出させる。そして、約40℃に保持して、いわゆる「ドライアウト」を行う。この間、植菌された細菌培養物によってカードを酸性化する。場合によっては、植菌された細菌培養物による醗酵によらず、クエン酸を直接添加することで、酸性化を行う。次の工程では、暖めたホエー又は湯(80〜90℃)にカードを浸す。その後、「ストレッチ」と称される手動又は機械的な捏ね工程を行う。最終的には、一旦成形し、製品を冷水中で冷却する。
【0008】
そして、バターについて考えると、典型的な製造プロセスは、以下の通りである。
−クリームに特定の細菌培養物を植菌する。
−温度を20℃に保ち、微生物を増殖し、製品を酸性化する(「ドライアウト」)
−製品を6℃まで急冷する(「結晶化」)
−低温で製品を強く攪拌し、リーン(lean)ホエーから分離した脂肪分(バター)を濃厚にする(「攪乳」)。
【0009】
上述の工程は、工業分野又は手工業分野で通常実行されるものであり、多種多様な生産方法、及び特殊な装置を伴った広い作業空間を必要とする。これらの装置は、家庭内生産には用いることはできない。比較的小さい工房でさえも、家庭内生産に用いることができない容器及び装置を用いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための、特に、家庭用に用いることができる程度に小型化された、小型装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を一個だけ作るためであっても、一連の製造工程を実行できる装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、機能的且つ信頼性が高く、そして審美性に富む構造を有する装置を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、主要部品の構造が簡易である装置を提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、普及、及び製造のための、小さい家庭用装置を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、小型チーズ、パスタフィラータチーズ、チーズフレーク、ソフトチーズや、リコッタ、バター及び豆腐などの製造において多機能操作性を有する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これら及びその他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、
−分離可能に相互に連結されて、処理チャンバを形成する、開口を有する第1容器及び第2容器と、
−前記第1容器は、協働してワークスペースを画定する下壁及び側壁を有する不透水ベースンと、前記ワークスペース内で動作する攪拌手段と、前記下壁及び/又は側壁を加熱するように構成された加熱手段と、を備え、
−前記第2容器は、前記ベースンからの生成物を内部に運ぶように構成された少なくとも一つの円錐面を有する透水性バスケットを備えることを特徴とする小型装置によって達成される。
【0017】
特に、連結された前記第1容器及び第2容器は一体で回転するように構成されており、前記ベースンが下、前記バスケットが上になる第1位置と、前記バスケットが下、前記ベースンが上になる第2位置との間で交互に移動するように構成されている。
【0018】
好適には、前記バスケットはじょうご状端部を有する。
【0019】
有利には、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、生成物から排出され、前記透水性バスケットによってろ過されたホエーを収集するホエー収集容器を備え、該収集容器は、前記第2容器に一体であり、前記連結された前記第1及び第2容器を前記第1位置に戻したときに、前記ホエーが前記第1容器に落ちて戻ることができるようにする。
【0020】
このように、乳、細菌培養物及びレンネットを前記第1の容器に投入し、前記第2容器で上から蓋をして、最初は前記2つの容器のセットを第1位置に保持することでチーズを製造することができる。その後、前記攪拌手段による混合工程、前記加熱手段によって、製造すべきチーズに応じた約30〜40℃の温度まで加熱する。そして、攪拌手段を停止し、カードが形成されるまで数分間放置する。その後、攪拌手段を再度操作して、カードを破砕する。その後、連結した第1及び第2の容器を一体で前記第2位置まで回転させて、破砕されたカードである中間生成物を前記第2容器に落とす。特に、中間生成物を円錐面、特にじょうご状部分によって透水性バスケットに誘導する。
【0021】
前記収集容器は、前記第2容器と一体にすることが可能であり、中間生成物から排出され透水性バスケットを経てろ過されたホエーを収集する。破砕されたカードよりなるバスケット内の中間生成物は、自重によって徐々に圧縮されていく。その後、再度加熱手段をチーズの種類に応じて所定時間動作させ、2つの容器からなるチャンバ内の温度を約30℃に維持して、いわゆる「ドライアウト」工程を実行する。ドライアウト工程に先立って、手動、又は以下に詳述するような特別な自動化手段によってカードを圧縮することは好適である。
【0022】
ドライアウト工程の最後に容器を開けた後に、チーズを取り出して別個に押圧し、あるいは、バスケット内に残して、内部に残っている可能性のある空洞を除去することも可能である。その後、一旦チーズを取り出して、2つの容器は再度閉鎖することができる。
【0023】
リコッタを生産する場合には、再度乳を攪拌した後、加熱手段によってホエーを約80〜90℃まで加熱して、ホエー蛋白を凝固させ、最終的に、ライトホエーからリコッタを分離する。
【0024】
その後、連結した第1及び第2容器を再度一体で第2位置まで回転させ、リコッタからなる製品及びライトホエーを前記第2容器に落下させる。このとき、前記透水性バスケットの前記じょうご状端部が誘導する。収集容器は、リコッタから排出され、透水性バスケットによってろ過されるライトホエーを収容する。リコッタを、バスケット内に残し、圧縮して、2つの容器を開いた後に取り出す。ライトホエーを除去又は再利用するために排出し、洗浄することで、新たな製造サイクルに装置を用いる準備が整う。
【0025】
有利には、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、前記第1容器から前記バスケットまで伸張することにより、前記第1容器内において前記生成物を押圧する押圧手段を備える。このようにして、前記第1及び第2容器を開かずに、前記第1位置に戻すことが可能になる。この場合、製品は前記押圧手段によって保持され、その間、ホエーは第1容器のベースンに落ちる。第2容器を持ち上げると、チーズ(リコッタ)を押圧手段から取り出すことができる状態になる。特に、押圧手段は攪拌手段が回転する軸と同じ軸から伸張させることができ、前記第2容器内においてじょうご状部分に保持して、バスケットを閉鎖しないようにすることができる。
【0026】
特に、押圧手段は、バスケットに面する平坦底部を有する円錐ヘッドを有している。このように、第1位置から第2位置に移動する際に、製品は前記じょうご状端部及び押圧手段の円錐壁を伝い、前記バスケットに達する。その後、継ぎ手式又はネジ式にシャフトを伸張させて押圧手段を前記バスケットまで下ろし、平坦底部をバスケット内の製品に接触させる。
【0027】
前記平坦底部をチーズ、その他乳製品を支持するための支持体として用いて、生産サイクルの終わりに、2つの容器を第1位置に戻し、第2容器を開けて最終製品を取り出すか、又は他の操作を実行する。
【0028】
上述の装置において実行可能な、考えられうるプロセスの他の実施形態は、例えば、モッツァレッラのようなパスタフィラータチーズの製造に関する。生産工程は、材料を第1容器に投入することに始まる。想定されるレシピによれば、牛乳、クリーム、クエン酸及びレンネットを用いうる。その後、前記攪拌手段を数分間動作させ、材料を適切に混合する。その後、攪拌手段を停止させ、加熱手段をオンにしてベースンの内容物を約35℃まで加熱する。約15分後、攪拌手段を再度操作して、カードを破砕する(「ミル」工程)。
【0029】
その後、前記第1及び第2容器を相互に連結し、一体で第2位置まで回転させる。破砕したカードを、前記第2容器に落とし、じょうご状端部によって前記透水性バスケットに誘導する。数分後、相互に連結した前記第1及び第2容器を前記第1位置まで一体的に回転させる。このようにして、ホエーを前記第1のベースンに収集し、カードをバスケット内で前記押圧手段によって圧縮する。その後、前記加熱手段をオンにしてホエーを約80〜90℃まで加熱する。この時、相互に連結した前記第1及び第2容器を第2位置まで一体的に回転させ、カードを熱したホエーに浸す。その後、前記第1及び第2容器を前記第1位置まで再度回転させる。この時、ユーザが前記第2容器を取り外し、カードを取り出して加工を行い(ストレッチ工程)、最終製品を得ることもできる。あるいは、ストレッチ工程は、押圧手段上及びバスケットの底部に設けたストレッチピンによって行うこともできる。
【0030】
有利には、製造中のカードを装置に戻し、新たに傾斜工程を行って、再度カードを熱したホエーに浸すことも可能である。このようにしてカードを熱したホエーに「沈める」工程は、所望の堅さになるまで繰り返すことができる。
【0031】
前記装置によって実行されうる他の種類の方法は、バターの製造に関するものである。第1の工程は、第1の容器にクリームを投入し、特定の細菌を植菌することである。その後、攪拌手段を操作して、内容物を適切に混合し、加熱手段をオンにして約30℃まで加熱する。
【0032】
クリームが良好に熟成したら、加熱手段をオフにして製品を急速に冷却する。この冷却工程は、第2容器を取り外した後に冷水を直接装置に注入するか、又は本発明に係る装置に付属する、冷水リザーバ及び注入装置を備える器具を通じて冷水を注入することによる。
【0033】
その後、攪拌手段の速度を上げて、第1及び第2容器を、位置Aと位置Bの間で繰り返し傾斜させ、生成物を打ち付けるように攪拌する(「バターメイキング」工程)。
【0034】
有利には、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平面ディスク又は凹面ディスク からなる群から選択される。
【0035】
上記のストレッチピンに関して、パスタフィラータチーズの製造においては、前記ディスクは、自軸の回りを所定の速度で回転し、前記平面又は凹面上に一つ又は複数のピンを備え、該一つ又は複数のピンは、前記押圧手段を前記バスケット方向に伸張させたときに、前記バスケットの底部に備えられた一つ又は複数のピンと係合して、パスタフィラータチーズを製造するために生成物が移動する空間を形成するように構成されていることを特徴とする。
【0036】
有利には、透水性バスケットを備え、該透水性バスケットは、取り外して、所望の製品に応じて必要とされる異なる形状のバスケットと交換可能である。
【0037】
例えば、前記バスケットは、前記製品について、所望のバスケットろ過率を得ることができるように、格子サイズ及び形状を異ならせて作成される。特に、前記バスケットの壁部は、特定形状を有し、前記チーズを所望の最終形状とするように構成されていてもよい。例えば、モッツァレッラを製造する場合には、典型的な丸い形状とするために、バスケットの底部及び押圧部材の底部は、対応する凹面とし、2つの間の空間が、モッツァレッラに典型的な丸い形状となるようにする。
【0038】
さらに、前記攪拌手段は、様々な製造工程を実行し、及び/又は、様々な種類の製品を得るための様々な操作に応じた異なる断面及び形状を有する。
【0039】
例えば、カードブレーカを回転方向に応じて可動である部位を有する「竪琴」形状にして、それぞれ切断又は混合機能を発揮するようにできる。
【0040】
通常、本発明に係る装置は、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器、ストレッチャーのような様々な機能に応じて、迅速に挿入及び/又は取り外しできるようにスナップ式接続部を備える一式の攪拌手段を有する。
【0041】
好適には、2つの連結された容器のための支持構造は、2つのサイドアームを有する平坦なベース部材を備えるる。前記サイドアームは、前記連結された容器について向かい合って配置されており、回転中に前記連結された容器を支持する。
【0042】
有利には、前記サイドアームは前記2つの連結された容器の回転を自動駆動するモータに関連付けられている。例えば、ベース部材フレームにモータを備え、伝達手段を介して容器に接続することができる。あるいは、第1位置から第2位置へと回転させる際に、容器を回転させるためのモータを2つの容器と一体で回転させても良い。
【0043】
有利には、前記第1容器は、攪拌モータを内包するシェルに覆われる。この場合、第1位置から第2位置へ回転する際に、攪拌モータは、2つの容器と一体で回転する。
【0044】
攪拌モータを、シェル及び/又は第1容器の外側のベース部材に取り付けてもよい。この場合、スナップ式クラッチ手段を備えて、攪拌手段に動作を伝える伝達手段に迅速に接続できるようする。2つの容器が第1位置にあるときに、スナップ式クラッチ手段と伝達手段とは相互に連結している。
【0045】
攪拌手段及び関連するモータは、選択的に反対方向に回転するように構成する。そして、前記攪拌手段は、2つの方向のいずれか一方において刃状の輪郭形状を有し、他方の方向においてミキサー状の輪郭形状を有するブレードを備える。従って、攪拌手段が一方向へ回転する場合には、ブレードはミキサーとして機能し、レンネット及び細菌培養物を牛乳に混合する攪拌工程において用いられ、攪拌部材が反対方向に回転する場合には、ブレードは切先として機能してカードを小片にカットする。
【0046】
好適な例示的実施形態において、前記小型装置はディジタル表示を備え、該表示は、選択したプログラム又は製造する製品、様々な製造工程においてユーザが行わなくてはならない動作についての指示を表示する。
【0047】
さらに、前記小型装置に、レンネットやクエン酸などの凝固材を投入すべきタイミングをユーザに通知するためのアラーム手段を備えることもできる。
【0048】
特に、前記装置は、さらに、監視センサを備え、温度、攪拌手段の速度、pH、及び前記装置内の圧力などの物理量を測定し、望ましい状態で操作工程を進行する。
【0049】
好適な例示的実施形態において、前記小型装置は、レンネット、細菌植菌、又は、製造に有益な他の材料を前記第1の容器に直接加えるための手段を備え、該手段は、選択した工程において乳に投入すべき材料を個別に又はあらかじめ混合した状態で包含しているカプセルを有する。例えば、前記カプセルは、2つの容器を開けることなく所定時間後にベースンに加えられるべきレンネット又はクエン酸を内包することができる。
【0050】
有利には、蛇口への締結手段を有し、前記小型装置への冷水の導入を補助する。
【0051】
好適には、前記ベースンから前記透水性バスケットへのカードの落下を補助する振動手段を有する。
【0052】
豆腐を製造する場合であっても、装置の動作は小型のチーズを製造するプロセスと同様であり、豆乳及び適切な凝固材を用いる。
【0053】
有利には、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置は多機能であり、例えばヨーグルト、パン、ジャム、パスタ等の製造に用いることができる。この場合、第1容器を用いて、多様な製品のための材料を混合、加熱及び/又は調理し、第2容器をカバーとして用いて保温や最終製品の収集を行いうる。
【0054】
添付の図面を参照して、本発明の例示的実施形態を詳述して本発明をより明確にする。以下の記載はあくまでも例示であり、発明の範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に従うチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図である。
【図2】180度回転した、図1に示すチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図である。
【図3】第1容器(ベースン)及び攪拌手段の部分拡大断面図である。
【図3A】本発明に係る小型装置に設けた押圧手段の詳細図である。
【図4】支持手段及び制御手段を備える、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための小型装置の側面図である。
【図5】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図6】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図7】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図8】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図9】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図10】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図11】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図12】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図13】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図14】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図15】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図16】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図17】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図18】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図19】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図20】幾つかの製造プロセスのパラメータを時間軸に沿って示す線図である。
【図21】図1に示す小型装置を用いてパスタフィラータチーズを製造する際のストレッチ工程を示す図である。
【図22】図20に示す線図と同様の、パスタフィラータチーズを製造するプロセスにおける幾つかのパラメータを示す線図である。
【図23】容器及びバスケットに想定される例示的形状を、これらに接続された連結手段と共に示す断面図である。
【図24】容器及びバスケットに想定される例示的形状を、これらに接続された連結手段と共に示す断面図である。
【図25】変則的に配置した攪拌手段を有するベースンの上面図である。
【図26A】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図26B】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図26C】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図27】攪拌手段の動作機構及び180°回転を行うモータ装置を有する、本発明に係る小型装置の例示的実施形態の正断面図である。
【図28】攪拌手段の動作機構及び180°回転を行うモータ装置を有する、本発明に係る小型装置の例示的実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明に係るチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図であり、該装置は、第1容器(不透水ベースン3)からなるシェル1、及び、生成物を収集するために第2容器即ち透水性バスケット6が嵌入されている収集容器2を備えている。
【0057】
より正確には、ベースン3及び透水性バスケット6は、開口を有する容器であって、分離可能に相互に連結されており、封止処置チャンバ20(図5以降の図面に示す)を形成する。封止処置チャンバ20は、ベースンに属するチャンバ3a、及びバスケット6に属するチャンバ6a及び6bによって形成される。図3により明確に示すように、不透水ベースン3は、ワークスペース3aを画定する下壁3c及び側壁3bを有し、内部に攪拌手段5を備える。
【0058】
2つの連結した容器2及び3を支持構造に枢動可能に設ける。この支持構造は、回転中に容器を支持するための、連結した容器の両側に配置された2つのサイドアーム8を有する平面ベース部材10を備える。
【0059】
本発明に係る小型装置の主な機能のうちの1つは、実際には、相互に連結する際に、ベースン3及び透水性バスケット6が一体に回転するよう構成される。これにより、ベースン3が下、バスケット6が上に位置する第1位置A(図1)と、バスケット6が上、ベースン3が下に位置する第2位置B(図2)の間で移動するようになる。
【0060】
このような回転工程は、ヒンジ8a及び駆動回転装置9を用いて容器1に枢動可能に接続された垂直アーム8により構成される支持フレームによって可能になる。このような接続は、連結した容器1及び容器2が、第1位置Aから第2位置B(図2に示す)まで、軸8bについて回転できるようにする。
【0061】
加えて、小型装置はモータ7を備え、このモータ7は、シェル1に一体であり攪拌手段5を操作する。攪拌手段5は、内部において、図3および3Aに詳細に示し、以下に詳述する押圧手段12と協働する。加えて、攪拌手段の回転運動は、押圧素子についてさえ選択的に伝わり、以下に述べるパスタフィラータチーズを製造する際のストレッチ工程を実行する。
【0062】
さらに、ベースン3およびバスケット6によって画定される処置チャンバ20を、様々な温度まで加熱するように構成された加熱手段4が備えられる。
【0063】
特に、加熱手段4は、ベースン3の下壁3cに埋設された電気抵抗であり、多様な生産サイクルに応じて、製品を様々な温度まで加熱するように調整することができる。あるいは、不透水ベースン3の壁3bの周りや、下壁3c付近に配置することができる。
【0064】
攪拌手段5は、例えば、「竪琴状の」カードブレーカ5、即ち、複数のストリング及び回転可能な中央シャフト5aを有する回転フレームである。これは、スペース3aのあらゆる位置において、確実にカードを均一にカットするのに適している。攪拌手段の更なる実施例を図26Cに示す。
【0065】
具体的には、攪拌手段5は、時計回りに操作した場合に刃状の輪郭形状となり、反時計回りに操作した場合にミキサー状の輪郭形状となる複数のブレードを有する。従って、攪拌手段が反時計回り方向に回転する場合、ブレードはミキサーとして機能する。これは、レンネットおよび細菌培養物を乳と混合する開始工程において有益である。そして、攪拌手段が逆方向に回転する場合、ブレードは切断機能を発揮し、カードを小片に切断するために用いられる。
【0066】
図示しないが、装置に様々な形状の攪拌手段のセットを備えても良い。そして、それぞれのセットは、スナップ式に着脱可能な接続部101(図27に示す)を有するので、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器等としての様々な操作機能に応じて、迅速な嵌合及び取り外しが可能である。
【0067】
好適には、攪拌手段5及び相対モータ7を、それぞれ選択的に反対方向、即ち、時計回り又は反時計回り方向に配置して、混合及び切断という2つの機能を持たせることが可能である。
【0068】
図1に示すように、バスケット6は着脱可能な底部6f、円筒体6e、及び、ベースン3からの生成物をチャンバ6bに導くように構成されているじょうご状端部6dを備える。より正確には、上述のように、円筒状体6e及び下壁6fは、カードを収容するように構成されている第1チャンバ6bを画定する。また、じょうご状端部6dは第2容器6aを画定する。また、2つの容器が一方向に回転する場合、回転が行われる端部において一つの円錐面を有するバスケットが形成される。
【0069】
構造的に、円筒形本体6e、じょうご状部分6d、下壁6fは、バスケット6から収集容器2へホエーが移動するように、貫通孔を有する。
【0070】
図2は、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための小型装置を図1に示した位置と比較して180°回転して、バスケット6がベースン3の下になるようにする。
【0071】
図3は、シェル1から取り外して、ユーザの選択に応じて交換することが可能な、平坦な底面を有する円錐台形状のベースン3を拡大し、詳細に示した図である。上述したように、ベースン3には攪拌手段5が設けられており、攪拌手段5は、中央連結部(図27の例示的実施形態に示す)を有する竪琴状であり、連結のため、又は、攪拌手段を製造サイクルの他の工程や他の種類のチーズに用いられる他の攪拌手段と交換するために用いられる。さらに、図3は、ベースン3の下壁3cに配置される環状抵抗4を示し、環状抵抗4は、特定の製品それぞれについての指示通りに、製品を加熱する。特に、抵抗4は、ベースン3の全ての位置において一定温度を保つことができる。
【0072】
また、押圧手段12は、上方向に延長可能に構成されており、ベースン3及びバスケット6が位置Bにあるときに、バスケット6に係合する。これにより、ベースン3及びバスケット6は、第1位置Aに戻ったときに、半製品は押圧手段で支持されるので、バスケット6から落ちないようにする。
【0073】
図3Aに示す例示的実施形態においては、押圧手段12は、バスケット6の方向に、ヘッド12b、円錐台形体12c及び平坦底部12dを備える。これにより、装置が第1位置Aから第2位置Bまで回転するときに、生成物は押圧手段の円錐台形壁12cに対して摺動して、バスケット6に達する。また、押圧手段は凹面(図21に示す)又は平面を有するディスク12fであり、カードをストレッチする工程に用いるピン1sを備える。後者の場合、上述した通り、ディスクは、プレス動作に加えて、所定の速度でディスク自体の軸についてモータ7によって回転し、以下に詳述するパスタフィラータチーズのストレッチ工程を行う。
【0074】
操作サイクルに従って、押圧手段12(12f)は、延長シャフト12aによってバスケット6まで下げる。例えば、伸縮自在又はネジ結合によって、平坦底部12dがバスケット6に係合して生成物に接触するまで延長する。平坦底部でカードを押圧し、且つ生成物を支持するために用射る。そして、2つの容器を第1位置Aに戻した後に第2容器2を取り外す。図3Aに示す拡大図には、押圧手段12のヘッド12b及び平坦底部12dは透水性であることを示す。具体的にはこれらは、格子状に穴の開いたプレートであって、押圧工程を経てホエーを排出できるようにする。
【0075】
上述のように、押圧ディスク12fを挿入した場合、ストレッチ動作を押圧動作に加えて、ディスクがそれ自体の軸について回転することに伴って、バスケット6のピン1S’に結合されたピン1Sに回転が伝わる。
【0076】
図4は、位置Aにおけるチーズ、その他乳製品を製造するための小型装置の側面図であり、外側シェル1及び収集容器2を、気密連結部材16によって相互に連結した様子を示す。
【0077】
例えば、気密連結部材16は、凹部(図示しない)によって係合するフック状ロックレバー(図示しない)であり、シェル1及び収集容器2を固定接続可能にする。密閉部材を2つの容器の間に介在させて、をより良好に密着させることも可能である。
【0078】
さらに、図4において、2つの結合された容器の支持構造が下部ベース部材10を備えており、これらはディジタル表示10aを有している。ディジタル表示10Aは、特に、選択された生産プログラムの種類又は製造したい製品の種類、及び/又は、多様な製造工程においてユーザが行わなくてはならない操作を表示する。さらに、温度、攪拌手段の速度、pH、装置内の圧力等の物理量を測定するために監視センサ(図示しない)を設けても良く、これにより、望ましい形で操作工程を進行することが可能になる。このようなセンサは、例えば、警告灯10b及び10cであり、ユーザに対して他の部品を取り付けるタイミングを報知する。
【0079】
さらに、レンネットの添加、細菌植菌、又は製造に有効な他の材料のために、図示しないが、シェル1は、ベースン3に材料を投入する投入口を備えても良い。材料は、分離して又は事前に混合してカプセルに入れても良い。例えば、レンネット又はクエン酸を所定時間後に2つの容器を開くことなくベースンに投入するカプセルに入れておいてもよい。
【0080】
図5〜13は、本発明による小型装置によって、レンネットタイプ・チーズを製造する方法を示す。
【0081】
図5を参照すると、乳21及び使用する部材、ベースン3における発酵及び凝固を可能にする細菌培養物及びレンネット(図示しない)を、バスケット6及びその上にかぶせられた対応する収集容器2と共に示す。第1工程において、ベースン3及びバスケット6を相互に連結し、位置Aに設置する。ついで、図5に示すように、材料を攪拌手段5で混合し、抵抗4によって約30〜40℃まで加熱する。そして、攪拌手段5を停止してカード(図6に示す)が形成されるまで放置する。
【0082】
図6には、攪拌手段5を再び回転させて、カードを細分する工程を示す。その後、ベースン3及びバスケット6を一体で回転させて、図7に示す位置Bとし、細分したカード22からなる生成物及びホエー23aをバスケット6に流入させる。具体的には、細分したカードはじょうご状部分6dによってチャンバ6b(図1及び2に示す)に誘導し、ホエー23は収集容器2に収集する。
【0083】
図7には、カードから排出されたホエー23aを収集容器2に収集させる工程を示す。バスケット6によってろ過されたホエーが容器2に満ちてくる一方で、図8に示すように、バスケット6では細分したカード22を押圧手段12によって徐々に成形する。
【0084】
図9には、ベースン3及びバスケット6を回転させて第1位置Aへ戻し、収集容器2に存在したホエー23aを、バスケット6に設けられた穴を通してベースン3に落とす。このとき、圧縮したカード24aは、バスケット6のチャンバ6b内の押圧手段12によって支持されるため、バスケット6内に保持する。同時に、加熱手段4をオンにして、2つの容器によって画定されるチャンバ全体を、約35℃まで加熱して生成物を「ドライアウト」させる。
【0085】
図10には、製品24aをドライアウト中にさらに圧縮する工程を示す。
【0086】
図11において、ドライアウト工程を一旦完了した製品は既に実際のチーズ24bとなっており、後続の工程では、チーズ24bを収集容器2から取り出す。図12において、バスケット6fの下部を取り外した装置を示し、図13には、バスケット6を取り外した装置を示す。その後、チーズ24bは完成し、押圧手段12で支持されているが、これをユーザが取り外すことができる。図14〜21では、上述の操作の後に、得られたばかりのホエー23aからリコッタ25(図15に示す)を製造するための工程を示す。
【0087】
特に、図14には、2つの容器を一体に閉鎖して位置Aに配置した状態において、ベースン3内にホエー23aが存在する様子を示す。抵抗Aを再びオンにして、所定時間の間、ホエー23aを80〜90℃まで熱すると、図15に示すように、凝固してライトホエー23bを排出し、ベースン3内においてリコッタ25を形成する。その後、図16に示すように、相互に連結されたベースン3及びバスケット6が位置Bまで一体に再度回転されて、リコッタ25及びライトホエー23bからなる生成物をバスケット6に落とす。具体的には、前述したように、リコッタ25はバスケット6に落ち、ライトホエー23bは収集容器2に排出される。
【0088】
その後、図17に示すように、装置を第1位置Aに戻すことによって、バスケット6内のリコッタ25を押圧手段12によって圧縮する。そして、図18および19に示すように、バスケットの下部6fとバスケット6を取り外した後に、リコッタを取り外すことができる。ベースン3に蓄積されるライトホエー23bを減らす又は再利用するために排出する。そして、洗浄を経て、装置は、新たな製造サイクルに入ることができる。
【0089】
水及び洗剤をベースン3に投入した後に2つの容器を再度閉鎖し、投入した溶液を熱し、攪拌手段を動作させ、第1位置から第2位置への様々な傾斜サイクルを装置に実行させるような、自動洗浄プログラムは有益である。
【0090】
乳、その他乳製品及び豆腐を製造するために、本発明に係る小型装置によって実行されうる他のプロセスとしては、例えば、モッツァレッラのようなパスタフィラータチーズの製造が挙げられる。
【0091】
製造サイクルは、先ず、材料の調整を開始する。具体的には、選択されたレシピに従って、乳、クリーム、塩化カルシウム、レンネット及びクエン酸を調合する。これらの材料は、攪拌手段5によって数分間混合し、次いで、抵抗4を操作して内容物を約35℃まで加熱する。15分間静置してカードを形成させた後に、攪拌手段5を再度操作して逆方向に回転させて、カードを切断する。その後、相互に連結したベースン3及びバスケット6を再度一体に第2位置Bまで回転させ、カード及びホエーよりなる生成物をバスケット6に落とす。具体的には、生成物は、じょうご状部分6dによって、透水性バスケット6のチャンバ6bに導かれる。数分後、相互に連結されたベースン3及び第2容器を、第1位置Aまで再度回転する。押圧手段12によって支持されるカードはバスケット6内に保持され、ホエーはベースン3に落ちる。後続する工程はストレッチ工程であり、この工程は完成品の堅さに影響する。ベースン3に存在するホエーを約80〜90℃まで加熱する。そして、相互に接続されたベースン3及び第2容器を第2位置Bまで回転させ、熱したホエーを再度落下させる。バスケット6内のカードを湿らせて、約10〜15分間カードとホエーとが接した状態を維持する。最後に、相互に接続されたベースン3及びバスケット6を一体的に第1位置Aまで回転させる。そして、「ストレッチ」の自動機構を操作する。特に、バスケット6の底部に設けられたピン1s’と協働するピン1s(図21に示す)を有する特別な押圧手段12fによる回転により、生成物が移動し、且つ、ストレッチされるストレッチ用スペースが創出される。
【0092】
また、ユーザがカードを手動で取り出し、バスケット6に再度入れ、所望の堅さになるまで、「熱したホエーにカードを浸し、カードをストレッチする」という一連の工程を繰り返すこともできる。
【0093】
図20には、時間に応答する多数のパラメータの進行を示す時間ダイアグラムである。特に、y座標30は、生成物が位置しているベースン3における温度の進行を示す。第2y座標40は、時間に応答した攪拌手段の速度を示す。グラフ状に示した期間においては、製造工程の間、攪拌手段が機能し続けていることを示す。第3のy座標50は、製造工程の間、2つの容器を位置Aから第2位置Bに傾斜させ、またその逆に傾斜させる工程を示す。そして、y座標60は、様々な工程中の、押圧手段の動作X(図3に示す)を示す。
【0094】
図21及び、図21A及び21Bの拡大図には、図1に示した装置とは異なる小型装置の例示的実施形態を示す。ここでは、押圧手段12fは凹面を有し、バスケット6は、押圧ディスク12fに対向して凹型の底部6fを有する。この例示的実施形態においては、押圧手段12fは、カードを押圧し、且つストレッチする機能のために設けられる。これらの機能は、押圧ディスク及び収集バスケット6に配置されたストレッチピンによって与えられる。特に、ピン1sは、押圧ディスク12f上で相互に適切に離間配置され、ピン1s’は、バスケット6の底部に配置されている、これにより、ピン1s’はピン1s(図21A及び21Bに示す)と協働し、ギャップ38を創出して、このギャップ38は装置内の半製品をストレッチするために用いられる。より正確には、ギャップ38を通ることで、チーズは装置的にストレッチされ、熱いホエーにしみ込む工程と組み合わせて所望の堅さの製品を得ることができる。
【0095】
図22の線図は、図20と同様に、パスタフィラータチーズを製造する場合における、装置の機能パラメータを示す。
【0096】
上述の場合と同様に、y座標30は、生成物を保持するベースン3における温度の進行を示す。y座標40は、時間に応じた攪拌手段の速度を示す。y座標50は、2つの容器が第1位置Aから第2位置Bまで傾斜する期間を示し、y座標60は、多様な工程における押圧手段の動作X(図3に示す)を示す。加えて、図20のグラフ状の表示のように、y座標70は、押圧手段12fに設けられた、チーズに作用するストレッチピンが動作する速度及び時間を示す。
【0097】
他のプロセス(図示しない)は、バターの製造に関するものである。一旦、ベースン3に投入されると、クリーム及び特別な細菌植菌は攪拌手段5によって混合される。そして、抵抗4をオンにして、約25℃まで加熱して、所定時間温度を維持する。その後、抵抗4をオフにし、第2容器を取り外した後にベースン3に冷水を添加する。そして、その後の工程を実行する場合には、第2容器を取り付けて再びベースンを閉鎖して、攪拌手段5を再度高速で操作する。このとき、相互に連結された第1及び第2の容器を、第1位置Aから第2位置Bへと、又その逆へと繰り返し回転させ、生成物を勢いよく打ち付けるように攪拌する(「バター製造」)。使用したクリームの種類及び製造時の温度に応じた所要のサイクル時間の後、クリームの脂肪部分はバターの顆粒を形成しており、既に食用可能な状態にある。
【0098】
本発明に係る小型装置によって製造可能な製品の更なる例は、豆腐である。特に、公知のように、豆腐は豆乳より製造される。具体的には、大豆の水性抽出物や、凝固させるための凝固材(例えば、無水カルシウム硫酸塩又はクエン酸)より製造される。
【0099】
生産工程は、以下に従う。まず、豆乳をベースン1にいれ、カードブレーカ5によって攪拌して、抵抗4によって約85℃まで加熱する。そして、硫酸無水カルシウムを加え、暫くしてカードブレーカを停止させる。数分間、例えば、5〜10分静置した後、凝固させる。その後、カードブレーカ5を操作してカードを破砕する。そして、装置を180°傾斜させ、押圧手段を操作してバスケット6に係合させて半製品を押圧する。少ししてから、装置を再度180°回転させて、開始位置に戻す。その後、半製品を数分間、約20〜40分間押圧し、それが終了すると製品はユーザによって取り出すことができるようになる。
【0100】
最後に、更なる例として、「チーズフレーク」が挙げられる。これは「カッテージ」のようなタイプのチーズや、及び「クヴァルク」のようなフレッシュソフトチーズである。
【0101】
前者のタイプのチーズを製造するための工程は、牛乳と必要な植菌及びレンネットなどの薬剤を装置に投入する工程である。そして、混合のための部材を数分間動作させる。装置の抵抗4は、生成物を約33℃まで加熱し、カードが適切な堅さ/熟成度合いになるまで一旦停止される(例えば、一時間後)。そして、カードブレーカ5を用いて生成物を「破砕」する。このように得られたカードを、約10〜15分間静置する。そして、カードブレーカ5で低速攪拌して、約50〜55℃まで徐々に加熱する「クッキング」工程を実行する。この工程は、「フレーク」を形成するまで数時間に及ぶ可能性もある。このとき、装置を最初に180°傾斜させ、続いて、第2に180°傾斜させて開始位置に戻す。このようにしてカード、即ち、「フレーク」をホエーから分離させる。
【0102】
最後に、このように得られるフレークを冷水にとり、冷やす。そして、例えば、塩味をつけたクリームのような、「ドレッシング」を加える。
【0103】
「クヴァルク」のようなフレッシュソフトチーズに代替する場合には、収集容器1に、牛乳を投入する工程、塩を投入する工程、及び様々な薬剤を投入する工程が行われ、また、この場合には攪拌手段を数分間動作させる。全体を30℃まで加熱して、数時間静置し、その後加熱システムをオンにする。このとき装置を180°傾斜させて位置Bまですばやく移動させ、続いて180°傾斜させて位置Aに戻す。位置Aにおいて静置して、半製品に余分なホエーを排出させる。熟成に必要な時間を数時間置いた後、チーズを取り出して食用にすることが出来る。
【0104】
図23及び24には、収集容器2’に係合し、異なる製造用途に応じた異なる形状の他のバスケットと交換可能な透水性バスケット6’を示す。例えば、バスケット6’は、格子サイズ、形状を異ならせて、チーズのホエーろ過率を所望にするために準備することができる。特に、バスケットの壁は、チーズの最終形状を所望にするように構成された特定のパターンを有することができる。例えば、生チーズ又はリコッタの最終形状でありうる。
【0105】
図25は、ベースン3の平面図である。特に、切断工程ではカードは攪拌手段5に伴って回転てしまい、切断工程が阻害されることを回避するために、ベースン3及びリラ5に接続するシャフト5aは、ベースン3の中心から若干ずらして配置する。
【0106】
図26A及び26Bは、好適な例示的実施形態に従う。水平方向30及び垂直方向31に張ったストリングを有する2つのリーフ5’および5”を備え、これらのストリングによってカードを小さい立方体状のブロックにカットすることが可能になる。
【0107】
さらに、リラ5は2つのプレート32を備えるが、回転方向によって開放又は閉鎖状態となる。開放状態では、生成物を混合し、閉鎖状態では、水平方向のストリング30及び垂直方向のストリング31が、上述のようにカードを切断する。
【0108】
図26Cには、傾斜混合面34を備える攪拌手段5を示す。傾斜された状態では、攪拌手段5はカードを降下させるように作用し、生成物が戻ってこないようにする。この場合でさえ、攪拌手段は、スナップ式の係合端33を備えるので迅速に交換可能である。
【0109】
図27は、有利な例示的実施形態に係る小型装置の断面図である。ここでは、多数の装置部品のエンカンバランス(encumbrance)及び配置を示す。特に、攪拌手段5を操作するモータ7は軸から若干ずらして配置されており、機構100を介して動作を伝える。抵抗4は、側壁3bにおいて容器3の最下部付近に位置する。また、スナップ式機構101が備えられており、製品の種類に応じて様々な種類の攪拌手段5を容易に交換することが可能である。
【0110】
最後に、図28に示すように、モータ9は、ベルト102によって実際の位置Aから位置Bまで装置を回転させるように構成されている。モータ9は、ベース部材10に配置し、小型装置を支持するピン8aに接続する。
【0111】
本発明の想定される実施形態において、前記モータ7又は9の何れか一方や、追加のモータは、図7や図16に示した工程において振動を生じさせうる(図示しない)。この振動はベースン3からバスケット6にカードを完全に降下させることを補助し、押圧手段12による圧縮に先立って、一時的な圧縮を行う。
【0112】
上述したような、本発明の概念的な視点に従う本発明の具体的な実施形態は、当業者が現在の技術水準に基づいて様々な用途に修正又は変更することが可能である。更なる研究は不要であり、且つ、本発明から著しく乖離しない範囲内において、変更態様は本発明の均等物となることは理解されたい。本明細書に記載した様々な機能を実現するための手段及び部材は、本発明の技術分野から乖離しない範囲で異なる態様を有しうる。また、本明細書において使用した語法又は用語は、説明を目的とするものであり、発明の範囲を何ら制限するものではないことも理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品分野に関し、具体的には、乳製品及び食品産業において採用されているような方法を用いて、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チーズや他の乳製品の製造には多くの工程が必要であり、これらの工程はこの分野の製品の多くに共通して用いられる。
【0003】
典型的なプロセスでは、想定される予備的な処理を行った後に、乳を加熱し、まず、各製品の種類に応じて特に選択した細菌培養物と混合し、次いで、酵素材料であるレンネットと混合する。一般的には、レンネットは動物由来の未加工のタンパク質分解酵素である。
【0004】
レンネットの酵素活性によって、乳を凝固させて、固体ゲル又はカードを生成し、それらを細かく分断して(「カット」又は「ミル」工程)ホエーを排出させる。
【0005】
凝乳の分断後に、静置時間を置く(「休ませる」)、及び/又は、更に加温する(「クッキング」)工程を実施することができる。そして、既にホエーから分離してあるカードを、最終製品を成形するための特別な容器(「型」)に入れる。この後に続く工程は「ドライアウト」と称され、この工程の間、半製品を特別な暖かい場所(「恒温室」)に入れ、乳に添加した細菌培養物の醗酵活性を補助する。他の効果もあるが、発酵活性によって乳に存在するラクトースが乳酸に変化する。この酸性化は、半製品に継続してホエーを排出(「シネレシス」)させる。同時に、半製品をより堅固にするために押圧することが可能である。そして、加塩工程を行うが、この工程は、エージング工程である「熟成」工程の後に行うことも可能である。
【0006】
通常、得られたホエーは、リコッタのようなフレッシュチーズを得るために再度利用する。この場合、ホエーを攪拌して、80〜90℃まで加熱して凝固させ、リコッタの「フレーク」を浮かせ、ライトホエーを分離させる。「パスタフィラータ」チーズ(例えば、モッツァレッラ)の場合には、幾つかの工程は上述の技術に類似する。
【0007】
典型的なプロセスにおいては、牛乳を約35℃まで加熱し、選択した細菌培養物を植菌し、数分間静置する。このとき、レンネットを添加し、凝固させた後に、カードを粉砕(「ミル」)して、ホエーを完全に又は部分的に排出させる。そして、約40℃に保持して、いわゆる「ドライアウト」を行う。この間、植菌された細菌培養物によってカードを酸性化する。場合によっては、植菌された細菌培養物による醗酵によらず、クエン酸を直接添加することで、酸性化を行う。次の工程では、暖めたホエー又は湯(80〜90℃)にカードを浸す。その後、「ストレッチ」と称される手動又は機械的な捏ね工程を行う。最終的には、一旦成形し、製品を冷水中で冷却する。
【0008】
そして、バターについて考えると、典型的な製造プロセスは、以下の通りである。
−クリームに特定の細菌培養物を植菌する。
−温度を20℃に保ち、微生物を増殖し、製品を酸性化する(「ドライアウト」)
−製品を6℃まで急冷する(「結晶化」)
−低温で製品を強く攪拌し、リーン(lean)ホエーから分離した脂肪分(バター)を濃厚にする(「攪乳」)。
【0009】
上述の工程は、工業分野又は手工業分野で通常実行されるものであり、多種多様な生産方法、及び特殊な装置を伴った広い作業空間を必要とする。これらの装置は、家庭内生産には用いることはできない。比較的小さい工房でさえも、家庭内生産に用いることができない容器及び装置を用いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための、特に、家庭用に用いることができる程度に小型化された、小型装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を一個だけ作るためであっても、一連の製造工程を実行できる装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、機能的且つ信頼性が高く、そして審美性に富む構造を有する装置を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、主要部品の構造が簡易である装置を提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、普及、及び製造のための、小さい家庭用装置を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、小型チーズ、パスタフィラータチーズ、チーズフレーク、ソフトチーズや、リコッタ、バター及び豆腐などの製造において多機能操作性を有する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これら及びその他の目的は、チーズ、その他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、
−分離可能に相互に連結されて、処理チャンバを形成する、開口を有する第1容器及び第2容器と、
−前記第1容器は、協働してワークスペースを画定する下壁及び側壁を有する不透水ベースンと、前記ワークスペース内で動作する攪拌手段と、前記下壁及び/又は側壁を加熱するように構成された加熱手段と、を備え、
−前記第2容器は、前記ベースンからの生成物を内部に運ぶように構成された少なくとも一つの円錐面を有する透水性バスケットを備えることを特徴とする小型装置によって達成される。
【0017】
特に、連結された前記第1容器及び第2容器は一体で回転するように構成されており、前記ベースンが下、前記バスケットが上になる第1位置と、前記バスケットが下、前記ベースンが上になる第2位置との間で交互に移動するように構成されている。
【0018】
好適には、前記バスケットはじょうご状端部を有する。
【0019】
有利には、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、生成物から排出され、前記透水性バスケットによってろ過されたホエーを収集するホエー収集容器を備え、該収集容器は、前記第2容器に一体であり、前記連結された前記第1及び第2容器を前記第1位置に戻したときに、前記ホエーが前記第1容器に落ちて戻ることができるようにする。
【0020】
このように、乳、細菌培養物及びレンネットを前記第1の容器に投入し、前記第2容器で上から蓋をして、最初は前記2つの容器のセットを第1位置に保持することでチーズを製造することができる。その後、前記攪拌手段による混合工程、前記加熱手段によって、製造すべきチーズに応じた約30〜40℃の温度まで加熱する。そして、攪拌手段を停止し、カードが形成されるまで数分間放置する。その後、攪拌手段を再度操作して、カードを破砕する。その後、連結した第1及び第2の容器を一体で前記第2位置まで回転させて、破砕されたカードである中間生成物を前記第2容器に落とす。特に、中間生成物を円錐面、特にじょうご状部分によって透水性バスケットに誘導する。
【0021】
前記収集容器は、前記第2容器と一体にすることが可能であり、中間生成物から排出され透水性バスケットを経てろ過されたホエーを収集する。破砕されたカードよりなるバスケット内の中間生成物は、自重によって徐々に圧縮されていく。その後、再度加熱手段をチーズの種類に応じて所定時間動作させ、2つの容器からなるチャンバ内の温度を約30℃に維持して、いわゆる「ドライアウト」工程を実行する。ドライアウト工程に先立って、手動、又は以下に詳述するような特別な自動化手段によってカードを圧縮することは好適である。
【0022】
ドライアウト工程の最後に容器を開けた後に、チーズを取り出して別個に押圧し、あるいは、バスケット内に残して、内部に残っている可能性のある空洞を除去することも可能である。その後、一旦チーズを取り出して、2つの容器は再度閉鎖することができる。
【0023】
リコッタを生産する場合には、再度乳を攪拌した後、加熱手段によってホエーを約80〜90℃まで加熱して、ホエー蛋白を凝固させ、最終的に、ライトホエーからリコッタを分離する。
【0024】
その後、連結した第1及び第2容器を再度一体で第2位置まで回転させ、リコッタからなる製品及びライトホエーを前記第2容器に落下させる。このとき、前記透水性バスケットの前記じょうご状端部が誘導する。収集容器は、リコッタから排出され、透水性バスケットによってろ過されるライトホエーを収容する。リコッタを、バスケット内に残し、圧縮して、2つの容器を開いた後に取り出す。ライトホエーを除去又は再利用するために排出し、洗浄することで、新たな製造サイクルに装置を用いる準備が整う。
【0025】
有利には、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、前記第1容器から前記バスケットまで伸張することにより、前記第1容器内において前記生成物を押圧する押圧手段を備える。このようにして、前記第1及び第2容器を開かずに、前記第1位置に戻すことが可能になる。この場合、製品は前記押圧手段によって保持され、その間、ホエーは第1容器のベースンに落ちる。第2容器を持ち上げると、チーズ(リコッタ)を押圧手段から取り出すことができる状態になる。特に、押圧手段は攪拌手段が回転する軸と同じ軸から伸張させることができ、前記第2容器内においてじょうご状部分に保持して、バスケットを閉鎖しないようにすることができる。
【0026】
特に、押圧手段は、バスケットに面する平坦底部を有する円錐ヘッドを有している。このように、第1位置から第2位置に移動する際に、製品は前記じょうご状端部及び押圧手段の円錐壁を伝い、前記バスケットに達する。その後、継ぎ手式又はネジ式にシャフトを伸張させて押圧手段を前記バスケットまで下ろし、平坦底部をバスケット内の製品に接触させる。
【0027】
前記平坦底部をチーズ、その他乳製品を支持するための支持体として用いて、生産サイクルの終わりに、2つの容器を第1位置に戻し、第2容器を開けて最終製品を取り出すか、又は他の操作を実行する。
【0028】
上述の装置において実行可能な、考えられうるプロセスの他の実施形態は、例えば、モッツァレッラのようなパスタフィラータチーズの製造に関する。生産工程は、材料を第1容器に投入することに始まる。想定されるレシピによれば、牛乳、クリーム、クエン酸及びレンネットを用いうる。その後、前記攪拌手段を数分間動作させ、材料を適切に混合する。その後、攪拌手段を停止させ、加熱手段をオンにしてベースンの内容物を約35℃まで加熱する。約15分後、攪拌手段を再度操作して、カードを破砕する(「ミル」工程)。
【0029】
その後、前記第1及び第2容器を相互に連結し、一体で第2位置まで回転させる。破砕したカードを、前記第2容器に落とし、じょうご状端部によって前記透水性バスケットに誘導する。数分後、相互に連結した前記第1及び第2容器を前記第1位置まで一体的に回転させる。このようにして、ホエーを前記第1のベースンに収集し、カードをバスケット内で前記押圧手段によって圧縮する。その後、前記加熱手段をオンにしてホエーを約80〜90℃まで加熱する。この時、相互に連結した前記第1及び第2容器を第2位置まで一体的に回転させ、カードを熱したホエーに浸す。その後、前記第1及び第2容器を前記第1位置まで再度回転させる。この時、ユーザが前記第2容器を取り外し、カードを取り出して加工を行い(ストレッチ工程)、最終製品を得ることもできる。あるいは、ストレッチ工程は、押圧手段上及びバスケットの底部に設けたストレッチピンによって行うこともできる。
【0030】
有利には、製造中のカードを装置に戻し、新たに傾斜工程を行って、再度カードを熱したホエーに浸すことも可能である。このようにしてカードを熱したホエーに「沈める」工程は、所望の堅さになるまで繰り返すことができる。
【0031】
前記装置によって実行されうる他の種類の方法は、バターの製造に関するものである。第1の工程は、第1の容器にクリームを投入し、特定の細菌を植菌することである。その後、攪拌手段を操作して、内容物を適切に混合し、加熱手段をオンにして約30℃まで加熱する。
【0032】
クリームが良好に熟成したら、加熱手段をオフにして製品を急速に冷却する。この冷却工程は、第2容器を取り外した後に冷水を直接装置に注入するか、又は本発明に係る装置に付属する、冷水リザーバ及び注入装置を備える器具を通じて冷水を注入することによる。
【0033】
その後、攪拌手段の速度を上げて、第1及び第2容器を、位置Aと位置Bの間で繰り返し傾斜させ、生成物を打ち付けるように攪拌する(「バターメイキング」工程)。
【0034】
有利には、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平面ディスク又は凹面ディスク からなる群から選択される。
【0035】
上記のストレッチピンに関して、パスタフィラータチーズの製造においては、前記ディスクは、自軸の回りを所定の速度で回転し、前記平面又は凹面上に一つ又は複数のピンを備え、該一つ又は複数のピンは、前記押圧手段を前記バスケット方向に伸張させたときに、前記バスケットの底部に備えられた一つ又は複数のピンと係合して、パスタフィラータチーズを製造するために生成物が移動する空間を形成するように構成されていることを特徴とする。
【0036】
有利には、透水性バスケットを備え、該透水性バスケットは、取り外して、所望の製品に応じて必要とされる異なる形状のバスケットと交換可能である。
【0037】
例えば、前記バスケットは、前記製品について、所望のバスケットろ過率を得ることができるように、格子サイズ及び形状を異ならせて作成される。特に、前記バスケットの壁部は、特定形状を有し、前記チーズを所望の最終形状とするように構成されていてもよい。例えば、モッツァレッラを製造する場合には、典型的な丸い形状とするために、バスケットの底部及び押圧部材の底部は、対応する凹面とし、2つの間の空間が、モッツァレッラに典型的な丸い形状となるようにする。
【0038】
さらに、前記攪拌手段は、様々な製造工程を実行し、及び/又は、様々な種類の製品を得るための様々な操作に応じた異なる断面及び形状を有する。
【0039】
例えば、カードブレーカを回転方向に応じて可動である部位を有する「竪琴」形状にして、それぞれ切断又は混合機能を発揮するようにできる。
【0040】
通常、本発明に係る装置は、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器、ストレッチャーのような様々な機能に応じて、迅速に挿入及び/又は取り外しできるようにスナップ式接続部を備える一式の攪拌手段を有する。
【0041】
好適には、2つの連結された容器のための支持構造は、2つのサイドアームを有する平坦なベース部材を備えるる。前記サイドアームは、前記連結された容器について向かい合って配置されており、回転中に前記連結された容器を支持する。
【0042】
有利には、前記サイドアームは前記2つの連結された容器の回転を自動駆動するモータに関連付けられている。例えば、ベース部材フレームにモータを備え、伝達手段を介して容器に接続することができる。あるいは、第1位置から第2位置へと回転させる際に、容器を回転させるためのモータを2つの容器と一体で回転させても良い。
【0043】
有利には、前記第1容器は、攪拌モータを内包するシェルに覆われる。この場合、第1位置から第2位置へ回転する際に、攪拌モータは、2つの容器と一体で回転する。
【0044】
攪拌モータを、シェル及び/又は第1容器の外側のベース部材に取り付けてもよい。この場合、スナップ式クラッチ手段を備えて、攪拌手段に動作を伝える伝達手段に迅速に接続できるようする。2つの容器が第1位置にあるときに、スナップ式クラッチ手段と伝達手段とは相互に連結している。
【0045】
攪拌手段及び関連するモータは、選択的に反対方向に回転するように構成する。そして、前記攪拌手段は、2つの方向のいずれか一方において刃状の輪郭形状を有し、他方の方向においてミキサー状の輪郭形状を有するブレードを備える。従って、攪拌手段が一方向へ回転する場合には、ブレードはミキサーとして機能し、レンネット及び細菌培養物を牛乳に混合する攪拌工程において用いられ、攪拌部材が反対方向に回転する場合には、ブレードは切先として機能してカードを小片にカットする。
【0046】
好適な例示的実施形態において、前記小型装置はディジタル表示を備え、該表示は、選択したプログラム又は製造する製品、様々な製造工程においてユーザが行わなくてはならない動作についての指示を表示する。
【0047】
さらに、前記小型装置に、レンネットやクエン酸などの凝固材を投入すべきタイミングをユーザに通知するためのアラーム手段を備えることもできる。
【0048】
特に、前記装置は、さらに、監視センサを備え、温度、攪拌手段の速度、pH、及び前記装置内の圧力などの物理量を測定し、望ましい状態で操作工程を進行する。
【0049】
好適な例示的実施形態において、前記小型装置は、レンネット、細菌植菌、又は、製造に有益な他の材料を前記第1の容器に直接加えるための手段を備え、該手段は、選択した工程において乳に投入すべき材料を個別に又はあらかじめ混合した状態で包含しているカプセルを有する。例えば、前記カプセルは、2つの容器を開けることなく所定時間後にベースンに加えられるべきレンネット又はクエン酸を内包することができる。
【0050】
有利には、蛇口への締結手段を有し、前記小型装置への冷水の導入を補助する。
【0051】
好適には、前記ベースンから前記透水性バスケットへのカードの落下を補助する振動手段を有する。
【0052】
豆腐を製造する場合であっても、装置の動作は小型のチーズを製造するプロセスと同様であり、豆乳及び適切な凝固材を用いる。
【0053】
有利には、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置は多機能であり、例えばヨーグルト、パン、ジャム、パスタ等の製造に用いることができる。この場合、第1容器を用いて、多様な製品のための材料を混合、加熱及び/又は調理し、第2容器をカバーとして用いて保温や最終製品の収集を行いうる。
【0054】
添付の図面を参照して、本発明の例示的実施形態を詳述して本発明をより明確にする。以下の記載はあくまでも例示であり、発明の範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に従うチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図である。
【図2】180度回転した、図1に示すチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図である。
【図3】第1容器(ベースン)及び攪拌手段の部分拡大断面図である。
【図3A】本発明に係る小型装置に設けた押圧手段の詳細図である。
【図4】支持手段及び制御手段を備える、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための小型装置の側面図である。
【図5】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図6】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図7】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図8】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図9】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図10】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図11】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図12】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図13】チーズ又は豆腐の製造工程における一連の操作を示す。
【図14】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図15】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図16】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図17】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図18】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図19】図5〜12に示す工程に続く、リコッタを製造するための操作を示す。
【図20】幾つかの製造プロセスのパラメータを時間軸に沿って示す線図である。
【図21】図1に示す小型装置を用いてパスタフィラータチーズを製造する際のストレッチ工程を示す図である。
【図22】図20に示す線図と同様の、パスタフィラータチーズを製造するプロセスにおける幾つかのパラメータを示す線図である。
【図23】容器及びバスケットに想定される例示的形状を、これらに接続された連結手段と共に示す断面図である。
【図24】容器及びバスケットに想定される例示的形状を、これらに接続された連結手段と共に示す断面図である。
【図25】変則的に配置した攪拌手段を有するベースンの上面図である。
【図26A】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図26B】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図26C】攪拌手段/カードブレーカの例示的実施形態を示す図である。
【図27】攪拌手段の動作機構及び180°回転を行うモータ装置を有する、本発明に係る小型装置の例示的実施形態の正断面図である。
【図28】攪拌手段の動作機構及び180°回転を行うモータ装置を有する、本発明に係る小型装置の例示的実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明に係るチーズ、その他乳製品及び豆腐を製造する装置の断面図であり、該装置は、第1容器(不透水ベースン3)からなるシェル1、及び、生成物を収集するために第2容器即ち透水性バスケット6が嵌入されている収集容器2を備えている。
【0057】
より正確には、ベースン3及び透水性バスケット6は、開口を有する容器であって、分離可能に相互に連結されており、封止処置チャンバ20(図5以降の図面に示す)を形成する。封止処置チャンバ20は、ベースンに属するチャンバ3a、及びバスケット6に属するチャンバ6a及び6bによって形成される。図3により明確に示すように、不透水ベースン3は、ワークスペース3aを画定する下壁3c及び側壁3bを有し、内部に攪拌手段5を備える。
【0058】
2つの連結した容器2及び3を支持構造に枢動可能に設ける。この支持構造は、回転中に容器を支持するための、連結した容器の両側に配置された2つのサイドアーム8を有する平面ベース部材10を備える。
【0059】
本発明に係る小型装置の主な機能のうちの1つは、実際には、相互に連結する際に、ベースン3及び透水性バスケット6が一体に回転するよう構成される。これにより、ベースン3が下、バスケット6が上に位置する第1位置A(図1)と、バスケット6が上、ベースン3が下に位置する第2位置B(図2)の間で移動するようになる。
【0060】
このような回転工程は、ヒンジ8a及び駆動回転装置9を用いて容器1に枢動可能に接続された垂直アーム8により構成される支持フレームによって可能になる。このような接続は、連結した容器1及び容器2が、第1位置Aから第2位置B(図2に示す)まで、軸8bについて回転できるようにする。
【0061】
加えて、小型装置はモータ7を備え、このモータ7は、シェル1に一体であり攪拌手段5を操作する。攪拌手段5は、内部において、図3および3Aに詳細に示し、以下に詳述する押圧手段12と協働する。加えて、攪拌手段の回転運動は、押圧素子についてさえ選択的に伝わり、以下に述べるパスタフィラータチーズを製造する際のストレッチ工程を実行する。
【0062】
さらに、ベースン3およびバスケット6によって画定される処置チャンバ20を、様々な温度まで加熱するように構成された加熱手段4が備えられる。
【0063】
特に、加熱手段4は、ベースン3の下壁3cに埋設された電気抵抗であり、多様な生産サイクルに応じて、製品を様々な温度まで加熱するように調整することができる。あるいは、不透水ベースン3の壁3bの周りや、下壁3c付近に配置することができる。
【0064】
攪拌手段5は、例えば、「竪琴状の」カードブレーカ5、即ち、複数のストリング及び回転可能な中央シャフト5aを有する回転フレームである。これは、スペース3aのあらゆる位置において、確実にカードを均一にカットするのに適している。攪拌手段の更なる実施例を図26Cに示す。
【0065】
具体的には、攪拌手段5は、時計回りに操作した場合に刃状の輪郭形状となり、反時計回りに操作した場合にミキサー状の輪郭形状となる複数のブレードを有する。従って、攪拌手段が反時計回り方向に回転する場合、ブレードはミキサーとして機能する。これは、レンネットおよび細菌培養物を乳と混合する開始工程において有益である。そして、攪拌手段が逆方向に回転する場合、ブレードは切断機能を発揮し、カードを小片に切断するために用いられる。
【0066】
図示しないが、装置に様々な形状の攪拌手段のセットを備えても良い。そして、それぞれのセットは、スナップ式に着脱可能な接続部101(図27に示す)を有するので、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器等としての様々な操作機能に応じて、迅速な嵌合及び取り外しが可能である。
【0067】
好適には、攪拌手段5及び相対モータ7を、それぞれ選択的に反対方向、即ち、時計回り又は反時計回り方向に配置して、混合及び切断という2つの機能を持たせることが可能である。
【0068】
図1に示すように、バスケット6は着脱可能な底部6f、円筒体6e、及び、ベースン3からの生成物をチャンバ6bに導くように構成されているじょうご状端部6dを備える。より正確には、上述のように、円筒状体6e及び下壁6fは、カードを収容するように構成されている第1チャンバ6bを画定する。また、じょうご状端部6dは第2容器6aを画定する。また、2つの容器が一方向に回転する場合、回転が行われる端部において一つの円錐面を有するバスケットが形成される。
【0069】
構造的に、円筒形本体6e、じょうご状部分6d、下壁6fは、バスケット6から収集容器2へホエーが移動するように、貫通孔を有する。
【0070】
図2は、チーズ、その他乳製品及び豆腐を製造するための小型装置を図1に示した位置と比較して180°回転して、バスケット6がベースン3の下になるようにする。
【0071】
図3は、シェル1から取り外して、ユーザの選択に応じて交換することが可能な、平坦な底面を有する円錐台形状のベースン3を拡大し、詳細に示した図である。上述したように、ベースン3には攪拌手段5が設けられており、攪拌手段5は、中央連結部(図27の例示的実施形態に示す)を有する竪琴状であり、連結のため、又は、攪拌手段を製造サイクルの他の工程や他の種類のチーズに用いられる他の攪拌手段と交換するために用いられる。さらに、図3は、ベースン3の下壁3cに配置される環状抵抗4を示し、環状抵抗4は、特定の製品それぞれについての指示通りに、製品を加熱する。特に、抵抗4は、ベースン3の全ての位置において一定温度を保つことができる。
【0072】
また、押圧手段12は、上方向に延長可能に構成されており、ベースン3及びバスケット6が位置Bにあるときに、バスケット6に係合する。これにより、ベースン3及びバスケット6は、第1位置Aに戻ったときに、半製品は押圧手段で支持されるので、バスケット6から落ちないようにする。
【0073】
図3Aに示す例示的実施形態においては、押圧手段12は、バスケット6の方向に、ヘッド12b、円錐台形体12c及び平坦底部12dを備える。これにより、装置が第1位置Aから第2位置Bまで回転するときに、生成物は押圧手段の円錐台形壁12cに対して摺動して、バスケット6に達する。また、押圧手段は凹面(図21に示す)又は平面を有するディスク12fであり、カードをストレッチする工程に用いるピン1sを備える。後者の場合、上述した通り、ディスクは、プレス動作に加えて、所定の速度でディスク自体の軸についてモータ7によって回転し、以下に詳述するパスタフィラータチーズのストレッチ工程を行う。
【0074】
操作サイクルに従って、押圧手段12(12f)は、延長シャフト12aによってバスケット6まで下げる。例えば、伸縮自在又はネジ結合によって、平坦底部12dがバスケット6に係合して生成物に接触するまで延長する。平坦底部でカードを押圧し、且つ生成物を支持するために用射る。そして、2つの容器を第1位置Aに戻した後に第2容器2を取り外す。図3Aに示す拡大図には、押圧手段12のヘッド12b及び平坦底部12dは透水性であることを示す。具体的にはこれらは、格子状に穴の開いたプレートであって、押圧工程を経てホエーを排出できるようにする。
【0075】
上述のように、押圧ディスク12fを挿入した場合、ストレッチ動作を押圧動作に加えて、ディスクがそれ自体の軸について回転することに伴って、バスケット6のピン1S’に結合されたピン1Sに回転が伝わる。
【0076】
図4は、位置Aにおけるチーズ、その他乳製品を製造するための小型装置の側面図であり、外側シェル1及び収集容器2を、気密連結部材16によって相互に連結した様子を示す。
【0077】
例えば、気密連結部材16は、凹部(図示しない)によって係合するフック状ロックレバー(図示しない)であり、シェル1及び収集容器2を固定接続可能にする。密閉部材を2つの容器の間に介在させて、をより良好に密着させることも可能である。
【0078】
さらに、図4において、2つの結合された容器の支持構造が下部ベース部材10を備えており、これらはディジタル表示10aを有している。ディジタル表示10Aは、特に、選択された生産プログラムの種類又は製造したい製品の種類、及び/又は、多様な製造工程においてユーザが行わなくてはならない操作を表示する。さらに、温度、攪拌手段の速度、pH、装置内の圧力等の物理量を測定するために監視センサ(図示しない)を設けても良く、これにより、望ましい形で操作工程を進行することが可能になる。このようなセンサは、例えば、警告灯10b及び10cであり、ユーザに対して他の部品を取り付けるタイミングを報知する。
【0079】
さらに、レンネットの添加、細菌植菌、又は製造に有効な他の材料のために、図示しないが、シェル1は、ベースン3に材料を投入する投入口を備えても良い。材料は、分離して又は事前に混合してカプセルに入れても良い。例えば、レンネット又はクエン酸を所定時間後に2つの容器を開くことなくベースンに投入するカプセルに入れておいてもよい。
【0080】
図5〜13は、本発明による小型装置によって、レンネットタイプ・チーズを製造する方法を示す。
【0081】
図5を参照すると、乳21及び使用する部材、ベースン3における発酵及び凝固を可能にする細菌培養物及びレンネット(図示しない)を、バスケット6及びその上にかぶせられた対応する収集容器2と共に示す。第1工程において、ベースン3及びバスケット6を相互に連結し、位置Aに設置する。ついで、図5に示すように、材料を攪拌手段5で混合し、抵抗4によって約30〜40℃まで加熱する。そして、攪拌手段5を停止してカード(図6に示す)が形成されるまで放置する。
【0082】
図6には、攪拌手段5を再び回転させて、カードを細分する工程を示す。その後、ベースン3及びバスケット6を一体で回転させて、図7に示す位置Bとし、細分したカード22からなる生成物及びホエー23aをバスケット6に流入させる。具体的には、細分したカードはじょうご状部分6dによってチャンバ6b(図1及び2に示す)に誘導し、ホエー23は収集容器2に収集する。
【0083】
図7には、カードから排出されたホエー23aを収集容器2に収集させる工程を示す。バスケット6によってろ過されたホエーが容器2に満ちてくる一方で、図8に示すように、バスケット6では細分したカード22を押圧手段12によって徐々に成形する。
【0084】
図9には、ベースン3及びバスケット6を回転させて第1位置Aへ戻し、収集容器2に存在したホエー23aを、バスケット6に設けられた穴を通してベースン3に落とす。このとき、圧縮したカード24aは、バスケット6のチャンバ6b内の押圧手段12によって支持されるため、バスケット6内に保持する。同時に、加熱手段4をオンにして、2つの容器によって画定されるチャンバ全体を、約35℃まで加熱して生成物を「ドライアウト」させる。
【0085】
図10には、製品24aをドライアウト中にさらに圧縮する工程を示す。
【0086】
図11において、ドライアウト工程を一旦完了した製品は既に実際のチーズ24bとなっており、後続の工程では、チーズ24bを収集容器2から取り出す。図12において、バスケット6fの下部を取り外した装置を示し、図13には、バスケット6を取り外した装置を示す。その後、チーズ24bは完成し、押圧手段12で支持されているが、これをユーザが取り外すことができる。図14〜21では、上述の操作の後に、得られたばかりのホエー23aからリコッタ25(図15に示す)を製造するための工程を示す。
【0087】
特に、図14には、2つの容器を一体に閉鎖して位置Aに配置した状態において、ベースン3内にホエー23aが存在する様子を示す。抵抗Aを再びオンにして、所定時間の間、ホエー23aを80〜90℃まで熱すると、図15に示すように、凝固してライトホエー23bを排出し、ベースン3内においてリコッタ25を形成する。その後、図16に示すように、相互に連結されたベースン3及びバスケット6が位置Bまで一体に再度回転されて、リコッタ25及びライトホエー23bからなる生成物をバスケット6に落とす。具体的には、前述したように、リコッタ25はバスケット6に落ち、ライトホエー23bは収集容器2に排出される。
【0088】
その後、図17に示すように、装置を第1位置Aに戻すことによって、バスケット6内のリコッタ25を押圧手段12によって圧縮する。そして、図18および19に示すように、バスケットの下部6fとバスケット6を取り外した後に、リコッタを取り外すことができる。ベースン3に蓄積されるライトホエー23bを減らす又は再利用するために排出する。そして、洗浄を経て、装置は、新たな製造サイクルに入ることができる。
【0089】
水及び洗剤をベースン3に投入した後に2つの容器を再度閉鎖し、投入した溶液を熱し、攪拌手段を動作させ、第1位置から第2位置への様々な傾斜サイクルを装置に実行させるような、自動洗浄プログラムは有益である。
【0090】
乳、その他乳製品及び豆腐を製造するために、本発明に係る小型装置によって実行されうる他のプロセスとしては、例えば、モッツァレッラのようなパスタフィラータチーズの製造が挙げられる。
【0091】
製造サイクルは、先ず、材料の調整を開始する。具体的には、選択されたレシピに従って、乳、クリーム、塩化カルシウム、レンネット及びクエン酸を調合する。これらの材料は、攪拌手段5によって数分間混合し、次いで、抵抗4を操作して内容物を約35℃まで加熱する。15分間静置してカードを形成させた後に、攪拌手段5を再度操作して逆方向に回転させて、カードを切断する。その後、相互に連結したベースン3及びバスケット6を再度一体に第2位置Bまで回転させ、カード及びホエーよりなる生成物をバスケット6に落とす。具体的には、生成物は、じょうご状部分6dによって、透水性バスケット6のチャンバ6bに導かれる。数分後、相互に連結されたベースン3及び第2容器を、第1位置Aまで再度回転する。押圧手段12によって支持されるカードはバスケット6内に保持され、ホエーはベースン3に落ちる。後続する工程はストレッチ工程であり、この工程は完成品の堅さに影響する。ベースン3に存在するホエーを約80〜90℃まで加熱する。そして、相互に接続されたベースン3及び第2容器を第2位置Bまで回転させ、熱したホエーを再度落下させる。バスケット6内のカードを湿らせて、約10〜15分間カードとホエーとが接した状態を維持する。最後に、相互に接続されたベースン3及びバスケット6を一体的に第1位置Aまで回転させる。そして、「ストレッチ」の自動機構を操作する。特に、バスケット6の底部に設けられたピン1s’と協働するピン1s(図21に示す)を有する特別な押圧手段12fによる回転により、生成物が移動し、且つ、ストレッチされるストレッチ用スペースが創出される。
【0092】
また、ユーザがカードを手動で取り出し、バスケット6に再度入れ、所望の堅さになるまで、「熱したホエーにカードを浸し、カードをストレッチする」という一連の工程を繰り返すこともできる。
【0093】
図20には、時間に応答する多数のパラメータの進行を示す時間ダイアグラムである。特に、y座標30は、生成物が位置しているベースン3における温度の進行を示す。第2y座標40は、時間に応答した攪拌手段の速度を示す。グラフ状に示した期間においては、製造工程の間、攪拌手段が機能し続けていることを示す。第3のy座標50は、製造工程の間、2つの容器を位置Aから第2位置Bに傾斜させ、またその逆に傾斜させる工程を示す。そして、y座標60は、様々な工程中の、押圧手段の動作X(図3に示す)を示す。
【0094】
図21及び、図21A及び21Bの拡大図には、図1に示した装置とは異なる小型装置の例示的実施形態を示す。ここでは、押圧手段12fは凹面を有し、バスケット6は、押圧ディスク12fに対向して凹型の底部6fを有する。この例示的実施形態においては、押圧手段12fは、カードを押圧し、且つストレッチする機能のために設けられる。これらの機能は、押圧ディスク及び収集バスケット6に配置されたストレッチピンによって与えられる。特に、ピン1sは、押圧ディスク12f上で相互に適切に離間配置され、ピン1s’は、バスケット6の底部に配置されている、これにより、ピン1s’はピン1s(図21A及び21Bに示す)と協働し、ギャップ38を創出して、このギャップ38は装置内の半製品をストレッチするために用いられる。より正確には、ギャップ38を通ることで、チーズは装置的にストレッチされ、熱いホエーにしみ込む工程と組み合わせて所望の堅さの製品を得ることができる。
【0095】
図22の線図は、図20と同様に、パスタフィラータチーズを製造する場合における、装置の機能パラメータを示す。
【0096】
上述の場合と同様に、y座標30は、生成物を保持するベースン3における温度の進行を示す。y座標40は、時間に応じた攪拌手段の速度を示す。y座標50は、2つの容器が第1位置Aから第2位置Bまで傾斜する期間を示し、y座標60は、多様な工程における押圧手段の動作X(図3に示す)を示す。加えて、図20のグラフ状の表示のように、y座標70は、押圧手段12fに設けられた、チーズに作用するストレッチピンが動作する速度及び時間を示す。
【0097】
他のプロセス(図示しない)は、バターの製造に関するものである。一旦、ベースン3に投入されると、クリーム及び特別な細菌植菌は攪拌手段5によって混合される。そして、抵抗4をオンにして、約25℃まで加熱して、所定時間温度を維持する。その後、抵抗4をオフにし、第2容器を取り外した後にベースン3に冷水を添加する。そして、その後の工程を実行する場合には、第2容器を取り付けて再びベースンを閉鎖して、攪拌手段5を再度高速で操作する。このとき、相互に連結された第1及び第2の容器を、第1位置Aから第2位置Bへと、又その逆へと繰り返し回転させ、生成物を勢いよく打ち付けるように攪拌する(「バター製造」)。使用したクリームの種類及び製造時の温度に応じた所要のサイクル時間の後、クリームの脂肪部分はバターの顆粒を形成しており、既に食用可能な状態にある。
【0098】
本発明に係る小型装置によって製造可能な製品の更なる例は、豆腐である。特に、公知のように、豆腐は豆乳より製造される。具体的には、大豆の水性抽出物や、凝固させるための凝固材(例えば、無水カルシウム硫酸塩又はクエン酸)より製造される。
【0099】
生産工程は、以下に従う。まず、豆乳をベースン1にいれ、カードブレーカ5によって攪拌して、抵抗4によって約85℃まで加熱する。そして、硫酸無水カルシウムを加え、暫くしてカードブレーカを停止させる。数分間、例えば、5〜10分静置した後、凝固させる。その後、カードブレーカ5を操作してカードを破砕する。そして、装置を180°傾斜させ、押圧手段を操作してバスケット6に係合させて半製品を押圧する。少ししてから、装置を再度180°回転させて、開始位置に戻す。その後、半製品を数分間、約20〜40分間押圧し、それが終了すると製品はユーザによって取り出すことができるようになる。
【0100】
最後に、更なる例として、「チーズフレーク」が挙げられる。これは「カッテージ」のようなタイプのチーズや、及び「クヴァルク」のようなフレッシュソフトチーズである。
【0101】
前者のタイプのチーズを製造するための工程は、牛乳と必要な植菌及びレンネットなどの薬剤を装置に投入する工程である。そして、混合のための部材を数分間動作させる。装置の抵抗4は、生成物を約33℃まで加熱し、カードが適切な堅さ/熟成度合いになるまで一旦停止される(例えば、一時間後)。そして、カードブレーカ5を用いて生成物を「破砕」する。このように得られたカードを、約10〜15分間静置する。そして、カードブレーカ5で低速攪拌して、約50〜55℃まで徐々に加熱する「クッキング」工程を実行する。この工程は、「フレーク」を形成するまで数時間に及ぶ可能性もある。このとき、装置を最初に180°傾斜させ、続いて、第2に180°傾斜させて開始位置に戻す。このようにしてカード、即ち、「フレーク」をホエーから分離させる。
【0102】
最後に、このように得られるフレークを冷水にとり、冷やす。そして、例えば、塩味をつけたクリームのような、「ドレッシング」を加える。
【0103】
「クヴァルク」のようなフレッシュソフトチーズに代替する場合には、収集容器1に、牛乳を投入する工程、塩を投入する工程、及び様々な薬剤を投入する工程が行われ、また、この場合には攪拌手段を数分間動作させる。全体を30℃まで加熱して、数時間静置し、その後加熱システムをオンにする。このとき装置を180°傾斜させて位置Bまですばやく移動させ、続いて180°傾斜させて位置Aに戻す。位置Aにおいて静置して、半製品に余分なホエーを排出させる。熟成に必要な時間を数時間置いた後、チーズを取り出して食用にすることが出来る。
【0104】
図23及び24には、収集容器2’に係合し、異なる製造用途に応じた異なる形状の他のバスケットと交換可能な透水性バスケット6’を示す。例えば、バスケット6’は、格子サイズ、形状を異ならせて、チーズのホエーろ過率を所望にするために準備することができる。特に、バスケットの壁は、チーズの最終形状を所望にするように構成された特定のパターンを有することができる。例えば、生チーズ又はリコッタの最終形状でありうる。
【0105】
図25は、ベースン3の平面図である。特に、切断工程ではカードは攪拌手段5に伴って回転てしまい、切断工程が阻害されることを回避するために、ベースン3及びリラ5に接続するシャフト5aは、ベースン3の中心から若干ずらして配置する。
【0106】
図26A及び26Bは、好適な例示的実施形態に従う。水平方向30及び垂直方向31に張ったストリングを有する2つのリーフ5’および5”を備え、これらのストリングによってカードを小さい立方体状のブロックにカットすることが可能になる。
【0107】
さらに、リラ5は2つのプレート32を備えるが、回転方向によって開放又は閉鎖状態となる。開放状態では、生成物を混合し、閉鎖状態では、水平方向のストリング30及び垂直方向のストリング31が、上述のようにカードを切断する。
【0108】
図26Cには、傾斜混合面34を備える攪拌手段5を示す。傾斜された状態では、攪拌手段5はカードを降下させるように作用し、生成物が戻ってこないようにする。この場合でさえ、攪拌手段は、スナップ式の係合端33を備えるので迅速に交換可能である。
【0109】
図27は、有利な例示的実施形態に係る小型装置の断面図である。ここでは、多数の装置部品のエンカンバランス(encumbrance)及び配置を示す。特に、攪拌手段5を操作するモータ7は軸から若干ずらして配置されており、機構100を介して動作を伝える。抵抗4は、側壁3bにおいて容器3の最下部付近に位置する。また、スナップ式機構101が備えられており、製品の種類に応じて様々な種類の攪拌手段5を容易に交換することが可能である。
【0110】
最後に、図28に示すように、モータ9は、ベルト102によって実際の位置Aから位置Bまで装置を回転させるように構成されている。モータ9は、ベース部材10に配置し、小型装置を支持するピン8aに接続する。
【0111】
本発明の想定される実施形態において、前記モータ7又は9の何れか一方や、追加のモータは、図7や図16に示した工程において振動を生じさせうる(図示しない)。この振動はベースン3からバスケット6にカードを完全に降下させることを補助し、押圧手段12による圧縮に先立って、一時的な圧縮を行う。
【0112】
上述したような、本発明の概念的な視点に従う本発明の具体的な実施形態は、当業者が現在の技術水準に基づいて様々な用途に修正又は変更することが可能である。更なる研究は不要であり、且つ、本発明から著しく乖離しない範囲内において、変更態様は本発明の均等物となることは理解されたい。本明細書に記載した様々な機能を実現するための手段及び部材は、本発明の技術分野から乖離しない範囲で異なる態様を有しうる。また、本明細書において使用した語法又は用語は、説明を目的とするものであり、発明の範囲を何ら制限するものではないことも理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チーズその他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、
−分離可能に相互に連結されて、処理チャンバを形成する、開口を有する第1容器及び第2容器と、
−前記第1容器は、協働してワークスペースを画定する下壁及び側壁を有する不透水ベースンと、前記ワークスペース内で動作する攪拌手段と、前記下壁及び/又は側壁を加熱するように構成された加熱手段と、を備え、
−前記第2容器は、前記ベースンからの生成物を内部に運ぶように構成された少なくとも一つの円錐面を有する透水性バスケットを備える
ことを特徴とする小型装置。
【請求項2】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器は一体で回転するように構成されており、前記ベースンが下、前記バスケットが上になる第1位置と、前記バスケットが下、前記ベースンが上になる第2位置との間で交互に移動するように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項3】
前記バスケットはじょうご状端部を有することを特徴とする、請求項1に記載の小型装置。
【請求項4】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、生成物から排出され、前記透水性バスケットによってろ過されたホエーを収集するホエー収集容器を備え、
該収集容器は、前記第2容器に一体であり、前記連結された前記第1及び第2容器を前記第1位置に戻したときに、前記ホエーが前記第1容器に落ちて戻ることができるようにすることを特徴とする、小型装置。
【請求項5】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、前記第1容器から前記バスケットまで伸張することにより、前記第1容器内において前記生成物を押圧する押圧手段を備えることを特徴とする、小型装置。
【請求項6】
請求項5に記載の小型装置であって、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平坦底部を有する円錐ヘッドを備えることを特徴とする小型装置。
【請求項7】
請求項5に記載の小型装置であって、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平面ディスク又は凹面ディスクからなる群から選択されることを特徴とする小型装置。
【請求項8】
請求項7に記載の小型装置であって、前記凹面ディスクは凹状底部を有する個別のバスケットと共に用いられ、円形空間を画定することを特徴とする小型装置。
【請求項9】
請求項7に記載の小型装置であって、前記ディスクは、自軸の回りを所定の速度で回転し、前記平面又は凹面上に一つ又は複数のピンを備え、該一つ又は複数のピンは、前記押圧手段を前記バスケット方向に伸張させたときに、前記バスケットの底部に備えられた一つ又は複数のピンと係合して、パスタフィラータチーズを製造するために生成物が通るストレッチ用空間を形成するように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項10】
請求項1に記載の小型装置であって、透水性バスケットを備え、該透水性バスケットは、取り外して、所望の製品に応じて必要とされる異なる形状のバスケットと交換可能なことを特徴とする小型装置。
【請求項11】
請求項10に記載の小型装置であって、前記バスケットは、前記製品について、所望のバスケットろ過率を得ることができるように、格子サイズ及び形状を異ならせて作成されることを特徴とする小型装置。
【請求項12】
請求項10に記載の小型装置であって、前記バスケットの壁部は、特定形状を有し、前記チーズを所望の最終形状とするように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項13】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌手段は、様々な製造工程を実行し、及び/又は、様々な種類の製品を得るための様々な操作に応じた異なる断面及び形状を有することを特徴とする小型装置。
【請求項14】
請求項1に記載の小型装置であって、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器、ストレッチャーのような様々な機能に応じて、迅速に挿入及び/又は取り外しできるようにスナップ式接続部を備えることを特徴とする小型装置。
【請求項15】
請求項1に記載の小型装置であって、2つの連結された容器のための支持構造は、2つのサイドアームを有する平坦なベース部材を備えることを特徴とする小型装置。
【請求項16】
請求項15に記載の小型装置であって、前記サイドアームは前記連結された容器について向かい合って配置されており、回転中に前記連結された容器を支持することを特徴とする小型装置。
【請求項17】
請求項15に記載の小型装置であって、前記サイドアームは、前記2つの連結された容器の回転を自動駆動するモータに関連付けられていることを特徴とする小型装置。
【請求項18】
請求項1に記載の小型装置であって、前記第1容器は、攪拌モータを内包するシェルに覆われることを特徴とする小型装置。
【請求項19】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌モータは前記シェル及び/又は第1容器の外側のベース部材上に固定されることを特徴とする小型装置。
【請求項20】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌手段及び関連するモータは、選択的に反対方向に回転できるように構成されており、前記攪拌手段は、2つの方向のいずれか一方において刃状の輪郭形状を有し、他方の方向においてミキサー状の輪郭形状を有するブレードを備えることを特徴とする小型装置。
【請求項21】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置はディジタル表示を備え、該表示は、選択したプログラム又は製造する製品、様々な製造工程においてユーザが行わなくてはならない動作についての指示を表示することを特徴とする小型装置。
【請求項22】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置は、さらに、監視センサを備え、温度、攪拌手段の速度、pH、及び前記小型装置内の圧力などの物理量を測定し、望ましい状態で操作工程を進行することを特徴とする小型装置。
【請求項23】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置は、レンネット、細菌植菌、又は、製造に有益な他の材料を前記第1の容器に直接加えるための手段を備え、
該手段は、選択した工程において乳に投入すべき材料を個別に又はあらかじめ混合した状態で包含しているカプセルを有する
ことを特徴とする小型装置。
【請求項24】
請求項23に記載の小型装置であって、前記カプセルは、2つの容器を開けることなく所定時間後にベースンに加えられるべきレンネット又はクエン酸を内包することを特徴とする小型装置。
【請求項25】
請求項1に記載の小型装置であって、蛇口への締結手段を有し、前記小型装置への冷水の導入を補助することを特徴とする小型装置。
【請求項26】
請求項1に記載の小型装置であって、前記ベースンから前記透水性バスケットへのカードの落下を補助する振動手段を有することを特徴とする小型装置。
【請求項1】
チーズその他乳製品、及び豆腐を製造するための小型装置であって、
−分離可能に相互に連結されて、処理チャンバを形成する、開口を有する第1容器及び第2容器と、
−前記第1容器は、協働してワークスペースを画定する下壁及び側壁を有する不透水ベースンと、前記ワークスペース内で動作する攪拌手段と、前記下壁及び/又は側壁を加熱するように構成された加熱手段と、を備え、
−前記第2容器は、前記ベースンからの生成物を内部に運ぶように構成された少なくとも一つの円錐面を有する透水性バスケットを備える
ことを特徴とする小型装置。
【請求項2】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器は一体で回転するように構成されており、前記ベースンが下、前記バスケットが上になる第1位置と、前記バスケットが下、前記ベースンが上になる第2位置との間で交互に移動するように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項3】
前記バスケットはじょうご状端部を有することを特徴とする、請求項1に記載の小型装置。
【請求項4】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、生成物から排出され、前記透水性バスケットによってろ過されたホエーを収集するホエー収集容器を備え、
該収集容器は、前記第2容器に一体であり、前記連結された前記第1及び第2容器を前記第1位置に戻したときに、前記ホエーが前記第1容器に落ちて戻ることができるようにすることを特徴とする、小型装置。
【請求項5】
請求項1に記載の小型装置であって、連結された前記第1容器及び第2容器が前記第2位置にあるときに、前記第1容器から前記バスケットまで伸張することにより、前記第1容器内において前記生成物を押圧する押圧手段を備えることを特徴とする、小型装置。
【請求項6】
請求項5に記載の小型装置であって、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平坦底部を有する円錐ヘッドを備えることを特徴とする小型装置。
【請求項7】
請求項5に記載の小型装置であって、前記押圧手段は、前記バスケットに面する平面ディスク又は凹面ディスクからなる群から選択されることを特徴とする小型装置。
【請求項8】
請求項7に記載の小型装置であって、前記凹面ディスクは凹状底部を有する個別のバスケットと共に用いられ、円形空間を画定することを特徴とする小型装置。
【請求項9】
請求項7に記載の小型装置であって、前記ディスクは、自軸の回りを所定の速度で回転し、前記平面又は凹面上に一つ又は複数のピンを備え、該一つ又は複数のピンは、前記押圧手段を前記バスケット方向に伸張させたときに、前記バスケットの底部に備えられた一つ又は複数のピンと係合して、パスタフィラータチーズを製造するために生成物が通るストレッチ用空間を形成するように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項10】
請求項1に記載の小型装置であって、透水性バスケットを備え、該透水性バスケットは、取り外して、所望の製品に応じて必要とされる異なる形状のバスケットと交換可能なことを特徴とする小型装置。
【請求項11】
請求項10に記載の小型装置であって、前記バスケットは、前記製品について、所望のバスケットろ過率を得ることができるように、格子サイズ及び形状を異ならせて作成されることを特徴とする小型装置。
【請求項12】
請求項10に記載の小型装置であって、前記バスケットの壁部は、特定形状を有し、前記チーズを所望の最終形状とするように構成されていることを特徴とする小型装置。
【請求項13】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌手段は、様々な製造工程を実行し、及び/又は、様々な種類の製品を得るための様々な操作に応じた異なる断面及び形状を有することを特徴とする小型装置。
【請求項14】
請求項1に記載の小型装置であって、カードブレーカ、ミキサー、攪拌器、ストレッチャーのような様々な機能に応じて、迅速に挿入及び/又は取り外しできるようにスナップ式接続部を備えることを特徴とする小型装置。
【請求項15】
請求項1に記載の小型装置であって、2つの連結された容器のための支持構造は、2つのサイドアームを有する平坦なベース部材を備えることを特徴とする小型装置。
【請求項16】
請求項15に記載の小型装置であって、前記サイドアームは前記連結された容器について向かい合って配置されており、回転中に前記連結された容器を支持することを特徴とする小型装置。
【請求項17】
請求項15に記載の小型装置であって、前記サイドアームは、前記2つの連結された容器の回転を自動駆動するモータに関連付けられていることを特徴とする小型装置。
【請求項18】
請求項1に記載の小型装置であって、前記第1容器は、攪拌モータを内包するシェルに覆われることを特徴とする小型装置。
【請求項19】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌モータは前記シェル及び/又は第1容器の外側のベース部材上に固定されることを特徴とする小型装置。
【請求項20】
請求項1に記載の小型装置であって、前記攪拌手段及び関連するモータは、選択的に反対方向に回転できるように構成されており、前記攪拌手段は、2つの方向のいずれか一方において刃状の輪郭形状を有し、他方の方向においてミキサー状の輪郭形状を有するブレードを備えることを特徴とする小型装置。
【請求項21】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置はディジタル表示を備え、該表示は、選択したプログラム又は製造する製品、様々な製造工程においてユーザが行わなくてはならない動作についての指示を表示することを特徴とする小型装置。
【請求項22】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置は、さらに、監視センサを備え、温度、攪拌手段の速度、pH、及び前記小型装置内の圧力などの物理量を測定し、望ましい状態で操作工程を進行することを特徴とする小型装置。
【請求項23】
請求項1に記載の小型装置であって、前記小型装置は、レンネット、細菌植菌、又は、製造に有益な他の材料を前記第1の容器に直接加えるための手段を備え、
該手段は、選択した工程において乳に投入すべき材料を個別に又はあらかじめ混合した状態で包含しているカプセルを有する
ことを特徴とする小型装置。
【請求項24】
請求項23に記載の小型装置であって、前記カプセルは、2つの容器を開けることなく所定時間後にベースンに加えられるべきレンネット又はクエン酸を内包することを特徴とする小型装置。
【請求項25】
請求項1に記載の小型装置であって、蛇口への締結手段を有し、前記小型装置への冷水の導入を補助することを特徴とする小型装置。
【請求項26】
請求項1に記載の小型装置であって、前記ベースンから前記透水性バスケットへのカードの落下を補助する振動手段を有することを特徴とする小型装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2011−504368(P2011−504368A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534561(P2010−534561)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003190
【国際公開番号】WO2009/066168
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(510135946)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003190
【国際公開番号】WO2009/066168
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(510135946)
【Fターム(参考)】
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