説明

ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含む外皮系組織用組成物

【課題】新規な外皮系組織産生促進技術を提供すること。
【解決手段】ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含む外皮系組織産生促進用組成物を提供する。該外皮系組織産生促進用組成物は、発毛促進作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、毛周期成長期誘導作用、血管拡張作用、メラニン産生促進作用、チロシナーゼ合成促進作用などを有する。該外皮系組織産生促進用組成物は、天然由来成分であるため、長期に連続的に安全に使用できる可能性が高い。そのため、種々の医薬品、飲食物(動物用飼料含む)、化粧品などに適用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外皮系組織産生に関わる技術に関する。より詳しくは、ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含有する外皮系組織産生促進用組成物、並びに該組成物を有効成分として含有する医薬品、飲食物、及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
外皮とは、体表を覆う皮膚と、毛、爪、汗腺及び脂腺など皮膚の表皮の変形物との総称である。外皮系組織は、ヒト又は動物の最も外側にある組織であり、保護機能、保温機能、感覚機能などの多様な機能を有し、ヒト及び動物の生存には不可欠なものである。また、体内の変化を示す重要な組織でもある。例えば、体内のビリルビン過剰による黄疸、ストレスによる脱毛、動物の毛艶の変化など、異変を確認し易い組織でもある。更に、特にヒトにおいては、外観的な美的印象を左右する組織でもある。
【0003】
外皮系組織の一つであるヒト又は動物の皮膚を覆う毛は、皮膚の角化細胞が分化してできた角質性の付属物である。
【0004】
毛(毛軸)は、ヘアマトリックス(毛母基)における毛包構成角化細胞の増殖により成長する。一定期間成長した後(成長期)、毛包と毛乳頭の退化が起こり(退行期)、やがて毛軸は棍棒状(棍毛)になり立毛筋の付着する毛包バルジ領域付近より上部にとどまるか、若しくは脱落する(休止期)。しばらくすると、残存する外毛根鞘の下端部に、新たに毛乳頭とヘアマトリックス(毛母基)が形成され、再びヘアマトリックス(毛母基)における毛包構成角化細胞の分裂が開始し、成長期へと入るという毛周期を繰り返す。正常な場合、一定の毛周期によって、成長する毛と抜け落ちる毛のバランスが保たれている。
【0005】
しかし、何らかの原因でヘアマトリックス(毛母基)や毛乳頭に障害を受けると、前記毛周期サイクルが乱れ、成長期から退行期、休止期へと急激に移行し、脱毛が起こる。この原因は、様々であるが、例えば、老化、ホルモンバランスの乱れ、自己免疫異常、精神的ストレス、環境変化、薬物の副作用などが挙げられる。
【0006】
近年、上記脱毛を予防又は治療するための、様々な薬剤等が開発されている。例えば、特許文献1には、塩化カルプロニウムまたはその水和物、およびミノキシジルまたはその塩を含有した発毛用組成物が開示されている。また、特許文献2には、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤と、アデノシン等のアデノシン類とを含有する頭皮頭髪用組成物が開示されている。
【0007】
外皮系組織の一つである皮膚や毛には、過剰な光を吸収し、紫外線を遮る役割を担うメラニンが存在する。メラニンは、皮膚、毛、眼球などのメラノサイトで合成される褐色ないし黒色の色素であり、隣接細胞に拡散することで、日焼け、シミ、ソバカスなどの色素沈着を起こすが、その一方で、紫外線や電離性放射線から人体を守るといったバリヤーの役割を担う重要な色素でもある。
【0008】
メラニンは、メラノサイトの中の小器官であるメラノソームに存在するチロシナーゼの作用によってチロシンから生じるドパ(DOPA)が酸化、脱炭酸を経て産生されるドパクロムやインドールキノンなどが重合して合成される。
【0009】
メラニンの産生が異常に抑制されてしまうと、毛髪や皮膚および目の網膜の色素異常が生じる。例えば、毛髪中のメラニンが欠乏すると白髪が、皮膚中のメラニンは欠乏すると尋常性白斑等の色素脱失症が生じる。また、メラニンの合成の重要な酵素であるチロシナーゼが欠損すると、メラニン合成障害により、白皮症を生じる。
【0010】
メラニン産生に関する技術として、引用文献3には、Ranunculaceae(キンポウゲ科)Nigella(クロタネソウ)属植物あるいはその抽出物を有効成分として含有する毛髪用のメラニン産生促進剤が、引用文献4には、ネジトウガラシ(Helicteres isora L.,Sterculiaceae)、クミスクチン(Orthosiphon aristatus Bl.)、カユプテ(Melaleuca leucadendra L.)及びこれらの抽出物のうちの少なくとも1種が有効成分として配合されてなることを特徴とするチロシナーゼ生合成促進剤が開示されている。
【0011】
ここで、本発明に関連のあるツツジ科エリカ属植物について、以下説明する。ツツジ科エリカ属植物は、その多くが南アフリカ原産の高さ0.2から1.5m程度の低木であるが、中には、高さ6から7mに達する種もある。ツツジ科エリカ属植物は、ハーブティの材料として、その葉、花、茎などが使われたり、入浴剤として使用されたりすることが多い。また、様々な疾患予防又は治療に役立つことが報告されている。
【0012】
エリカを用いた薬剤として、引用文献5には、コラゲナーゼ抑制効果を有する薬剤が、引用文献6には抗血栓剤にエリカを用いることが開示されている。更に、引用文献7には、毛髪を脱色に使用する化粧料にツツジ科エリカ属植物のエッセンスを含有させることが開示されている。
【0013】
【特許文献1】特開2006−22091号公報。
【特許文献2】特開2001−288047号公報。
【特許文献3】特開2005−247736号公報。
【特許文献4】特開平11−228337号公報。
【特許文献5】特開2002−193738号公報。
【特許文献6】特表2002−512972号公報。
【特許文献7】特開2003−146860号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
外皮系組織に関わる疾患は、原因が不明であったり、治療が困難であったりする場合が多い。また、環境の変化、精神的ストレスなどの影響により、近年、年齢に関わらず、外皮系組織に関わる疾患の罹患が増加している。そのため、より安全な方法でかつ、長期にわたり継続できる治療方法が望まれる。
【0015】
そこで、本発明は、外皮系組織産生促進効果を有し、安全性の高い組成物を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明者は、上記目的を達成するために、種々の天然物を探索した。その結果、ツツジ科エリカ属植物由来成分が、外皮系組織産生促進効果を有することを新規に見出した。
【0017】
まず、本発明では、ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含有する外皮系組織産生促進用組成物を提供する。本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含有すれば、該植物の株種は特に限定されない。好適な一例としては、Erica multifloraが挙げられる。
【0018】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、外皮系組織産生を促す種々の作用を有する。具体的な作用の一例としては、発毛促進作用、毛乳頭細胞増殖促進作用、毛周期成長期誘導作用、血管拡張作用、メラニン産生促進作用及びチロシナーゼ合成促進作用などが挙げられる。
【0019】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、これを有効成分として、医薬品、飲食物、及び化粧品に適用することができる。
【0020】
ここで、本発明で使用する技術用語の定義付けを行う。本発明における「外皮系組織」とは、表皮、真皮、及び皮下組織に存在する全ての組織を含む。例えば、皮膚、毛、爪、汗腺・皮脂腺・乳腺等の付属皮膚腺、肉球、蹄、角など、更に、これらの組織に含まれる細胞、色素、血管等も含む。「毛」とは、ヒト又は動物の皮膚を覆う毛の全てを意味し、体毛、毛髪など、全ての毛を包含する。「発毛」とは、毛の成長を促すことの全てを意味し、毛周期における休止期の状態から成長期へと誘導して再び「発毛」させること、及び既に生えている毛の成長を促す「育毛」という概念全てを包含する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る組成物は、外皮系組織産生促進効果を有する。また、本発明に係る組成物は、天然由来成分であり、飲食物として摂取されたり、化粧品として利用されたりした実績があるため、長期に連続的に使用しても安全である可能性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0023】
<外皮系組織産生促進用組成物について>
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含有する。ツツジ科エリカ属の株種は特に限定されない。例えば、Erica multiflora、Erica ventricosa、Erica sparsa、Erica abietina、Erica versicolor、Erica oatesii、Erica carnea、Erica cinerea、Erica ciliaris、Erica gracilis、Erica conica、Erica colorans、Erica darleyensis、Erica bauera、Erica vagans、Erica patersonia、Erica fastigiata、Erica plukenetii、Erica vestita、Erica peziza、Erica perspicua(Erica linnaeoides)、Erica melanthera、Erica monsoniana、Erica regia、Erica wallkeria、Erica blandfordia、Erica canaliculata、Erica formosa、Erica cerinthoidesなどを挙げることができる。
【0024】
前記ツツジ科エリカ属植物は、葉、花、茎、根のいずれの部分も用いることができる。これらは、生の状態で用いてもよく、あるいはそれらの乾燥物を用いてもよい。更には、それらの抽出物を用いてもよい。抽出物を用いる場合、その抽出方法は特に限定されないが、一例としては、各種溶媒を用いた抽出法、熱水抽出法、酵素処理法、超臨界抽出法が挙げられる。抽出溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エーテル類、クロロホルム、及びジクロロメタンのような有機溶媒ならびに水を用いることができる。このうち、本発明においては、メタノール、エタノール、酢酸エチルまたはこれら溶媒と水との組合せが好ましく、毒性が低いという生体内における安全性を考慮すれば、エタノール、または水とエタノールとの混合溶媒がさらに好ましい。好適な抽出方法としては、乾燥したツツジ科エリカ属植物を、70%エタノール中に1週間程度浸漬した後、孔径0.45μmのマイクロフィルターなどを用いて不溶物を除去することにより得ることができる。
【0025】
以下、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の主な作用を説明する。
【0026】
(1)発毛促進作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、発毛促進作用を有する。本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の発毛促進作用は、毛の成長を促せば、毛の状態は特に限定されず、毛周期における休止期の状態、即ち、毛が生えていない状態、及び既に毛が生えている状態のいずれにも効果を有する。
【0027】
(2)毛乳頭細胞増殖促進作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する。毛乳頭細胞は、毛包構成細胞に栄養および各種シグナル分子を供給し、毛母の機能調節に重要な役割を果たしている。毛乳頭細胞増殖が促進されることにより、ヘアマトリックス(毛母基)における毛包構成角化細胞の増殖も促進され、発毛が促される。このように、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、毛乳頭細胞増殖を促進させることにより、発毛効果を発揮している。
【0028】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の毛乳頭細胞増殖促進作用のメカニズムの一例としては、毛乳頭細胞の細胞周期を促進させることにより、毛乳頭細胞増殖促進作用を有すると考えられる。細胞周期について、図1を用いて説明する。
【0029】
図1は、一般的な細胞周期を示す概念図である。細胞周期とは、ある細胞分裂から次の細胞分裂までの期間をいう。大多数の細胞は、細胞周期から外れた静止期(G0期)の状態にあり、増殖刺激が加わると第一間期(G1期)、次いでDNA合成期(S期)に進み、DNA合成を行う。DNA合成が完了すると第二間期(G2期)に進み、細胞分裂の準備が行われる。該準備が整い、ゲノム複製が完了すると分裂期(M期)に進み、細胞分裂が開始される。そして、同一の遺伝情報を持つ2個の細胞に増え、再び第一間期(G1期)に戻る。細胞への増殖刺激が続く場合には、更にDNA合成期(S期)に進み、細胞周期を繰り返す。細胞刺激を受けなければ、静止期(G0期)に留まる。
【0030】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、前記の毛乳頭細胞周期を促進させる。すると、毛乳頭細胞の分裂が進み、毛乳頭細胞が増殖する。そして、毛乳頭細胞から毛包構成細胞へ栄養および各種シグナル分子が十分に供給され、ヘアマトリックス(毛母基)における毛包構成角化細胞の分裂も促進される。このようにして、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、発毛を促進する。
【0031】
(3)毛周期成長期誘導作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、毛周期成長期誘導作用を有する。毛周期について、図2を用いて説明する。
【0032】
図2は、皮膚の断面を示す模式図である。図2中の符号1〜8は、それぞれ、毛乳頭1、ヘアマトリックス(毛母基)2、外毛根鞘3、内毛根鞘4、立毛筋5、皮脂腺6、棍毛7、毛包バルジ領域8、新生(中)毛9を示している。毛周期は、成長期(図2中(I)参照)、退行期(図2中(II)参照)、休止期(図2中(III)参照)の3期に分かれている。
【0033】
成長期(I)では、毛乳頭1からヘアマトリックス(毛母基)2の毛包構成細胞へ栄養および各種シグナル分子が供給され、毛包構成角化細胞が分裂する。2個に分裂した毛包構成角化細胞のうち1個は、ヘアマトリックス(毛母基)2に留まって次の分裂に備え、他の1個は脱核、角化し、毛軸となり皮膚上へ伸長する。このようなヘアマトリックス(毛母基)2における毛包構成細胞の分裂が次々に起こり、毛が成長する。
【0034】
一定期間、成長期(I)を経ると、退行期(II)に入る。退行期(II)では、毛乳頭1が萎縮していき、それに伴って、前記毛包構成角化細胞の分裂が止まり、毛包が皮膚表面へと退行し、毛の成長も止まる。
【0035】
休止期(III)では、毛は、下端部がやや膨らんだ棍毛7となり、棍毛7の下端部が、立毛筋5の付着する毛包バルジ領域8まで上昇した状態で留まるか、若しくは脱落する。
【0036】
やがて、残存する外毛根鞘3の下端部に、新たに毛乳頭1とヘアマトリックス(毛母基)2が形成され、再びヘアマトリックス(毛母基)2における毛包構成角化細胞の分裂が開始し、成長期(I)へと入る。
【0037】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、特に休止期(III)の状態から成長期(I)へと誘導する。その結果、発毛が促進される。
【0038】
(4)血管拡張作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、血管拡張作用を有する。血管拡張作用を有することにより、血流が促進され、外皮系組織細胞の増殖を促し、外皮系組織産生が促進される。一例を挙げると、本発明の血管拡張作用により、外皮系組織の血流が促進され、毛包構成細胞等の増殖を促し、発毛等が促進される。
【0039】
(5)メラニン産生促進作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、メラニン産生促進作用を有する。本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物が作用するメラニンは、その存在組織は特に限定されず、皮膚、毛髪、眼球など色素細胞(メラノサイト)を有する組織に存在するメラニン全てに作用する。例えば、皮膚のメラニンを増殖させることにより、尋常性白皮症等の色素欠乏症、白皮症などの予防や治療に用いることが可能である。また、例えば、毛髪のメラニンを増殖させることにより、白髪症の予防や治療に用いることも可能である。更に、メラニン産生促進作用と、前記(1)から(4)の作用とが同時に作用することにより、黒い毛を発毛させることも可能である。
【0040】
(6)チロシナーゼ合成促進作用
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、チロシナーゼ合成促進作用を有する。チロシナーゼを合成する組織は特に限定されず、皮膚、毛髪、眼球など色素細胞(メラノサイト)を有し、チロシナーゼの合成が行われる組織全てにおいて、チロシナーゼ合成を促進する。本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、チロシナーゼ合成促進作用を有するので、例えば、先天的にチロシナーゼが欠乏する先天性白皮症(アルビノ)等の治療に用いることが可能である。また、尋常性白皮症等の色素欠乏症、白皮症、白髪症などの予防や治療に用いることも可能である。
【0041】
<医薬品について>
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、これを有効成分として、医薬品に適用することができる。本発明に係る医薬品は、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含むもの全てを含有する。
【0042】
本発明に係る医薬品は、単独で用いることもでき、また既存のあらゆる薬剤等と併用することができる。更には、本発明の発毛効果を損なわない範囲において、既存のあらゆる薬剤等と合剤とすることもできる。
【0043】
本発明に係る医薬品の剤型は特に限定されない。一例としては、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤、点鼻液剤等の外用剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、丸剤等の経口剤、又は注射剤として用いることができる。
【0044】
前記外用剤には、有効成分である本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物に加え、例えば、基材、保存剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等の、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
【0045】
前記経口剤には、有効成分である本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物に加え、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、矯味剤、香料、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤等の、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
また、ドラックデリバリーシステム(DDS)を利用して、徐放性製剤等にすることもできる。
【0046】
前記注射剤には、有効成分である本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物に加え、例えば、溶剤、安定剤、溶解補助剤、懸濁化剤、保存剤、等張化剤、防腐剤、酸化防止剤等の、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
【0047】
本発明に係る医薬品は、その有効成分が天然由来成分であるため、多剤との併用を注意する必要性が低い。そのため、種々の疾患を罹患した患者に対しても安心して投与できる可能性も高い。また、長期間、連続的に投与しても副作用を心配する必要性も少ない。
【0048】
<飲食物について>
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、これを有効成分として、飲食物に適用することができる。本発明に係る飲食物は、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含むもの全てを含有する。
【0049】
例えば、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、保健機能食品(特定保健機能食品、栄養機能食品、飲料を含む)や、いわゆる健康食品(飲料を含む)、又は飼料に含有させることができる。また、口中に一時的に含むもの、例えば、歯磨剤、染口剤、チューインガム等に含有させることもできる。
【0050】
前記飲食物には、有効成分である本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物に加え、例えば、保存剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤等の、食品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。また、他の有効成分を、必要に応じて適宜含有させることもできる。
【0051】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、天然由来成分であるため、飲食物との相互作用を注意する必要性が低く、あらゆる飲食物に含有させることができる。また、安全性が高いため、長期間、連続的に摂取が可能である。
【0052】
<化粧品について>
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、これを有効成分として、化粧品に適用することができる。本発明に係る化粧品は、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含むもの全てを含有する。
【0053】
例えば、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、ローション、乳液、クリーム、ジェル、美溶液、エアゾール等のあらゆる化粧品に含有させることができる。
【0054】
前記化粧品には、有効成分である本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物に加え、例えば、基材、保存剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の、化粧品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。また、他の有効成分を、必要に応じて適宜含有させることもできる。
【0055】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、天然由来成分であるため、他の成分との相互作用を注意する必要性が低く、あらゆる化粧品に含有させることができる。また、安全性が高いため、長期間、連続的な使用が可能である。
【実施例1】
【0056】
実施例1では、実施例2から実施例4で使用するツツジ科エリカ属植物由来成分を含有する外皮系組織産生促進用組成物を作製した。本実施例では、前記外皮系組織産生促進用組成物として、ツツジ科エリカ属のErica multifloraから抽出した抽出物(以下「エリカ抽出物」と称する。)を用いた。
【0057】
具体的には、乾燥したツツジ科エリカ属のErica multiflora100gを、70%エタノール1000mlで1週間浸漬した後、孔径0.45μmのマイクロフィルターを用いて濾過、精製し、以下の実施例2から実施例13で用いるエリカ抽出物を得た。
【0058】
このエリカ抽出物をロータリーエバポレーターにより50℃で減圧乾燥を行い、やや緑色がかった薄い褐色の粉末(エリカ抽出乾燥物)を得た。その収量は1.2%であった。
【実施例2】
【0059】
実施例2、及び実施例3では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の毛乳頭細胞増殖促進作用について調べた。
【0060】
まず、実施例2では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物をヒト毛乳頭細胞へ添加した場合の実際の毛乳頭細胞増殖促進作用をMTTアッセイにより検討した。
【0061】
MTTアッセイは、相対的な生存細胞数を測定する方法である。MTT(3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyltetrazolium bromide)は、生細胞中のミトコンドリア内脱水素酵素(フタル酸脱水素酵素)により、MTTホルマザンに還元される。そのため、生産されたMTTホルマザン量と生存細胞数は比例する。従って、培養細胞中にMTT試薬を添加した後、570nmにおける吸光度を測定してMTTホルマザン量(相対値)を取得することにより、相対的な生存細胞数を測定できる。
【0062】
そこで、本実施例では、ヒト毛乳頭細胞の培養細胞に、実施例1で抽出したエリカ抽出物を添加した後、MTTアッセイを行い、ヒト毛乳頭細胞の生存細胞数を測定することにより、エリカ抽出物の毛乳頭細胞増殖促進作用の有無を調べた。
【0063】
具体的には、まず、ヒト毛乳頭細胞に、実施例1で抽出したエリカ抽出物を添加した。添加するエリカ抽出物の希釈倍率は、1.0×10-6、1.0×10-5、1.0×10-4、1.0×10-3、1.0×10-2とした。そして、MTT法に準拠して570nmの吸光度を測定し、MTTホルマザン量(相対値)を取得した。
【0064】
結果を図3に示す。図3に示す通り、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物であるエリカ抽出物の添加により、ヒト毛乳頭細胞のMTTホルマザン量が増加していることが確認できる。特に、添加倍率1.0×10-3を超えると、急激に増加している。
【0065】
以上から、ヒト毛乳頭細胞にエリカ抽出物を添加することにより、ヒト毛乳頭細胞の生存細胞数が増加することが分かった。従って、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物(エリカ抽出物)は、毛乳頭細胞増殖促進作用を有することが示された。
【実施例3】
【0066】
次に、実施例3では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物をヒト毛乳頭細胞添加することにより、毛乳頭細胞の細胞周期促進活性について調べた。
【0067】
ヒト毛乳頭細胞の核DNAを蛍光ラベリングし、フローサイトメーターを用いて、細胞周期を同定した。各細胞の大きさとDNA含有量を調べることにより、細胞周期のステージを推測することができる。例えば、G0・G1期のDNA含有量を1倍量とすると、S期は1〜2倍量、G2・M期は2〜1倍量となる。結果を図4、及び図5に示す。
【0068】
次に、実施例1で抽出したエリカ抽出物を前記ヒト毛乳頭細胞へ添加した。添加から12時間後に、前記と同様に、ヒト毛乳頭細胞の細胞周期を同定した。結果を図6、及び図7に示す。また、エリカ抽出物添加前と、添加後のそれぞれの細胞周期における細胞割合の比較を表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示す通り、エリカ抽出物の添加前と添加後のG2・M期の細胞が、8.2%から10.0%へと増加していることが分かる。これは細胞周期及び細胞分裂が促進されたことを示す。
【0071】
実施例3の結果から、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、毛乳頭細胞の細胞周期促進、及び細胞分裂促進により、毛乳頭細胞増殖促進作用を有することが分かった。
【実施例4】
【0072】
実施例4では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の毛周期成長期誘導作用、及び血管拡張作用について、C3H/HeNマウスを用いて調べた。8週齢のC3H/HeNマウスは、毛周期がちょうど2周期目で休止期にて同調しているため、発毛試験などに多く用いられる。
【0073】
8週齢の雄性C3H/HeNマウスの体毛をバリカンにて剃った後、表2に示す試験群に分けて皮膚色の変化を3〜4週間後に確認した。また皮膚色の変化を確認後、血管サイズを観察した。
【0074】
【表2】

【0075】
コントロール群の結果を図8に、A群の結果を図9に、B群の結果を図10に、C群の結果を図11に示す。皮膚色が黒化した部分が毛周期中の成長期を示し、白い部分が毛周期中の休止期を示す。
【0076】
図8に示す通り、コントロール群においては、成長期の毛包の出現は見られるが、血管サイズは小さいままであった。
【0077】
図9に示す通り、A群においては、成長期の毛包が出現し、血管拡張も確認できた(図9中矢印X)。また、マウスによっては、次の休止期が観察できるものもあった(図9中矢印Y)。次の休止期が出現したのは、成長期へと誘導された毛周期が正常に進んだことを意味すると考えられる。
【0078】
図10に示す通り、B群においては、成長期の毛包が出現し、血管拡張も確認できた(図10中矢印X)。
【0079】
図11に示す通り、C群においては、成長期の毛包が出現し、血管拡張も確認できた(図11中矢印X)。また、マウスによっては、次の休止期が観察できるものもあった(図11中矢印Y)。次の休止期が出現したのは、成長期へと誘導された毛周期が正常に進んだことを意味すると考えられる。
【0080】
実施例4の結果から、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、毛周期成長期誘導作用、及び血管拡張作用を有することが分かった。
【0081】
実施例2から実施例4の結果を総合すると、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の発毛促進作用は、毛乳頭細胞増殖が促進され、毛乳頭細胞から血管拡張促進又は血管内皮細胞増殖促進に関わる因子が分泌され血流が促進し、この血流増加により、栄養因子等が毛包へ補充され、その結果、発毛効果が得られるといった作用機序が示唆される。
【実施例5】
【0082】
実施例5では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物のメラニン産生促進作用について検討した。具体的には、B16細胞株を用いて行った。B16細胞は、マウスのメラノーマ(黒色腫)から樹立された細胞株である。メラニン色素を産生する色素細胞であるため、メラニン合成に関する薬効試験に広く用いられている。
【0083】
10%ウシ胎児血清含有のDMEM培地15mlを含む細胞培養用10cmシャーレに、B16細胞を、その細胞密度が1×10細胞/シャーレになるように接種し、5%CO2 下、37℃にて一昼夜培養後、実施例1抽出したエリカ抽出物を、1/200、1/2000、1/20000の濃度になるようにシャーレに添加し(投与群)、さらに同条件下で3日間培養を行った。コントロール群としては、溶媒のみを添加したものを用いた。
【0084】
培養終了後、PBS(−)緩衝液10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン処理にて細胞を収集し、その後0.1%トライトンX100含有PBS(−)にて膜を溶解後、トリクロロ酢酸にてメラニンを抽出・精製、水酸化ナトリウムにメラニンを溶解した。そして、既存の方法により、メラニン含有量(μg)を測定した。結果を表3及び図12に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
表3及び図12に示す通り、細胞内におけるメラニン産生量は、コントロール群では5.53±0.70pgであったのに対して、1/200投与群では4.78±0.38pg、1/2000投与群では6.30±0.39pg、1/20000投与群では7.38±0.80pg、と有意な上昇が確認された。
【0087】
実施例5の結果から、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物が、色素細胞(メラノサイト)中のメラニン産生を促進することが分かった。
【実施例6】
【0088】
実施例6では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物の細胞毒性を調べた。具体的には、実施例5と同様の投与群とコントロール群において、処置後48時間の細胞生存率を、フローサイトメトリー法を用いて測定した。
【0089】
フローサイトメトリー法は、死細胞を染色する蛍光色素(PM2)と核内DNAを染色する蛍光色素(PM1)を用いて細胞を染色し、さらに前方散乱光の大きさにより凝集性細胞、アポトーシス細胞、ネクローシス細胞を区別して、生細胞と死細胞を判別する方法である。従って、PM2染色が低く、かつPM1染色が強いものから、凝集細胞を除いたものをカウントすることにより、細胞生存率を測定することが可能である。
【0090】
測定結果を表4及び図13に示す。
【0091】
【表4】

【0092】
表4及び図13に示す通り、細胞生存率は、コントロール群では98.47±0.70%であったのに対して、1/200投与群では97.70±0.38%、1/2000投与群では98.17±0.39%、1/20000投与群では98.10±0.80%、と同等であった。
【0093】
実施例6の結果から、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は細胞毒性を有さないことが分かった。
【実施例7】
【0094】
実施例7では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物のチロシナーゼ合成促進作用について検討した。具体的には、ウェスタンブロッティング(Western blotting:WB)法を用いて行った。
【0095】
ウェスタンブロッティング (Western blotting; WB)法とは、電気泳動によって分離した蛋白質を膜に転写し、任意の蛋白質に対する抗体でその蛋白質の存在を検出する手法である。
【0096】
まず、10cmディッシュにB16細胞を3×10cells/ dishで播き、一晩培養後、実施例1抽出したエリカ抽出物を増殖培地で300倍希釈し、細胞へ添加した(投与群)。そして、5時間、24時間、48時間培養後、細胞のタンパク質を抽出した。コントロール群としては、溶媒のみを添加したものを用いた。
【0097】
抽出したタンパク質をSDS−PAGE(1ウェルあたり15μg、200V、45分)により分離し、ニトロセルロースメンブレンに転写した(100V、0.35A、60分)。一次抗体(Tyrosinase; Santa Cruz Biotechnology, Inc., USA, 200倍希釈)で2時間反応後、二次抗体(HRP-labeled anti-rabbit IgG; Santa Cruz Biotechnology, Inc., USA, 2000 倍希釈)で90分反応させた。
【0098】
その後、発光試薬(Immobilon Western Chemiluminescent HRP Substrate: Millipore, USA)でタンパク質を検出し、写真を撮った。結果を図14に示す。コントロール群をcontrolで、エリカ抽出物添加群をEricaで示す。
【0099】
図14に示す通り、投与群では、5時間培養後から既にチロシナーゼの合成が確認できた。また、5時間、24時間、48時間培養後のいずれも、投与群の方がコントロール群に比べ、チロシナーゼの合成量が多いことが確認できた。
【0100】
実施例7の結果から、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物が、チロシナーゼ合成を促進することが分かった。
【実施例8】
【0101】
実施例8では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する医薬品の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有軟膏を調製した。表5は、本実施例で調整した軟膏の配合組成を示す。
【0102】
【表5】

【実施例9】
【0103】
実施例9では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する飲食物の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有チューインガムを作製した。表6は、本実施例で作製したチューインガムの配合組成を示す。
【0104】
【表6】

【実施例10】
【0105】
実施例10では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する飲食物の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有クッキーを作製した。表7は、本実施例で作製したクッキーの配合組成を示す。
【0106】
【表7】

【実施例11】
【0107】
実施例11では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する飲食物の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有清涼飲料水を作製した。表8は、本実施例で作製した清涼飲料水の配合組成を示す。
【0108】
【表8】

【実施例12】
【0109】
実施例12では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する化粧品の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有化粧水を作製した。表9は、本実施例で作製した化粧水の配合組成を示す。
【0110】
【表9】

【実施例13】
【0111】
実施例13では、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を含有する化粧品の一例として、外皮系組織産生促進用組成物含有ヘアローションを作製した。表10は、本実施例で作製したヘアローションの配合組成を示す。
【0112】
【表10】

【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物は、外皮系組織産生促進効果を有する。また、本発明に係る組成物は、天然由来成分であり、飲食物として摂取されたり、化粧品として利用されたりした実績があるため、長期に連続的に使用しても安全である可能性が高い。
【0114】
本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を医薬品に含有させれば、種々の要因で引き起こされる脱毛症、白髪症、尋常性白斑症などの色素脱失症、先天性白皮症(アルビノ)等の予防及び治療に有効である。また、本発明に係る外皮系組織産生促進用組成物を飲食物(動物飼料含む)、又は化粧品に含有させれば、ヒト及び動物が容易に摂取することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】一般的な細胞周期を示す概念図である。
【図2】皮膚の断面を示す模式図である。
【図3】実施例2において、エリカ抽出物添加量依存的に細胞増殖度を示す570nmの吸光度を示す図面代用グラフである。
【図4】実施例3において、エリカ抽出物添加前の毛乳頭細胞の細胞周期を示す図面代用グラフである。
【図5】実施例3において、エリカ抽出物添加前の毛乳頭細胞の一細胞あたりの大きさとDNA含有量の分散を示す図面代用グラフである。
【図6】実施例3において、エリカ抽出物添加後の毛乳頭細胞の細胞周期を示す図面代用グラフである。
【図7】実施例3において、エリカ抽出物添加後の毛乳頭細胞の一細胞あたりの大きさとDNA含有量の分散を示す図面代用グラフである。
【図8】実施例4において、コントロール群の皮膚色の変化、及び血管サイズを示す図面代用写真である。
【図9】実施例4において、A群の皮膚色の変化、及び血管サイズを示す図面代用写真である。
【図10】実施例4において、B群の皮膚色の変化、及び血管サイズを示す図面代用写真である。
【図11】実施例4において、C群の皮膚色の変化、及び血管サイズを示す図面代用写真である。
【図12】実施例5において、メラニン含有量を示す図面代用グラフである。
【図13】実施例6において、細胞生存率を示す図面代用グラフである。
【図14】実施例7において、チロシナーゼの合成量を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0116】
1 毛乳頭細胞
2 ヘアマトリックス(毛母基)
3 外毛根鞘
4 内毛根鞘
5 立毛筋
6 皮脂腺
7 棍毛
8 毛包バルジ領域
9 新生(中)毛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツツジ科エリカ属植物由来成分を少なくとも含有する外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項2】
前記ツツジ科エリカ属植物は、Erica multifloraであることを特徴とする請求項1記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項3】
発毛促進作用を有することを特徴とする請求項1又は2記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項4】
毛乳頭細胞増殖促進作用を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項5】
毛周期成長期誘導作用を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項6】
血管拡張作用を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項7】
メラニン産生促進作用を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項8】
チロシナーゼ合成促進作用を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物を有効成分として含有する医薬品。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物を有効成分として含有する飲食物。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の外皮系組織産生促進用組成物を有効成分として含有する化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−179599(P2008−179599A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159279(P2007−159279)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】