説明

ツートン仕上げを得るために有用な改善された耐チップ性プライマー組成物

減少した数のコーティング工程および硬化サイクルで耐チップ性ツートン仕上げを提供するのに有用な、少なくとも2.1の平均ヒドロキシル官能基、75〜400mgKOH/gのヒドロキシル価、1,000〜10,000の数平均分子量、1〜30の酸価の、1つのヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂、または複数のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、硫酸バリウム顔料とを含有する、ホールドアウト可能性を持った硬化性コーティング組成物、ならびにその使用方法。本発明はまた、上記のコーティング組成物で基材をコートするための方法にも関する。一実施形態では、本方法は(1)前述の特性のホールドアウト可能な耐チップ性プライマーコーティング組成物を電着下塗基材のアクセントエリアに塗布する工程と、(2)プライマーサーフェーサー・コーティング組成物を基材の隣接する非アクセントエリアに塗布する工程と、(3)アクセントカラーベースコーティング組成物をアクセントエリア中の耐チップ性プライマーコーティング組成物にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、(4)複合被覆基材を第1のベーキングで硬化させる工程と、(5)アクセントエリアを保護膜でカバーする工程と、(6)主カラーベースコーティング組成物をマスクされていないエリア一面に塗布する工程と、(7)保護膜をアクセントエリアから除去する工程と、(8)クリアコーティング組成物を基材の全面にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、次に(9)複合ツートン被覆基材を第2のベーキングで硬化させる工程とを含み、また、特許請求される。前述のコーティングおよび方法でコートされた基材がさらに特許請求される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車またはトラックのような基材上に、2つの硬化サイクルのみが要求されるマルチカラー・ツートン耐チップ性仕上げを得るために特に有用なコーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車およびトラック本体のような運搬用車両は、車両の外観を向上させ、かつ、腐食、擦り傷、欠け、紫外線、酸性雨および他の環境条件からの保護をも提供する多層コーティングにより処理される。自動車およびトラック用のベースコート/クリアコート仕上げは、「ウェット−オン−ウェット」塗布(すなわち、ベースコートが完全に硬化する前にクリアコートが塗布される)によって過去20年にわたって一般に使用されてきた。典型的なやり方では、ベースコート/クリアコート仕上げは、典型的には、先に硬化したプライマーサーフェーサーにより被覆基材一面に塗布される。特殊な耐チップ性プライマーを、プライマーサーフェーサー塗布段階中に、自動車およびトラック本体の下部本体エリアに塗布することもまた一般的である。
【0003】
さらにより独特で魅力的なカラースタイリングに対する要望は、自動車およびトラック相手先商標製造会社(OEM)がマルチカラーの、または「ツートンの」仕上げの車両を製造することにつながった。耐チップ性「ツートン」仕上げ車両基材を製造するために用いられる典型的な手順は下記を含む。
I)電気塗装された車両基材一面への下部本体耐チップ性プライマーの塗布、
II)基材全体へのプライマーサーフェーサーの塗布、
III)下塗被覆基材のベーキング硬化、
IV)車両基材への主非アクセントカラーベースコートの塗布、
V)主カラーベースコート一面へのクリアコートの塗布、
VI)ベーキング硬化および基材の上部本体主カラーベースコート/クリアコート仕上げエリアの保護膜でのカバー、
VII)アクセントエリアへのアクセントカラーの塗布、
VIII)アクセントエリアへのアクセントクリアの塗布、
IX)アクセントベースコート/クリアコート仕上げのベーキング硬化、および保護膜の除去。
【0004】
従って、耐チップ性ツートン仕上げ車両基材の製造においては、3つのベーキング硬化サイクルおよび6つのコーティング段階であって、2つのそれぞれの場合に車両基材をベースコート/クリアコート仕上げ段階に通す工程が含まれるものを典型的には含む。幾つかの実際上の不利益がこの典型的な手順で生じる。これらには、クリアコーティング工程が別個に2回あること、追加のベーキング硬化サイクルが1回あること、そして最も注目すべきことには、2つの異なる場合に車両基材をベースコート/クリアコート仕上げ段階に通す必要があり、車両組み立てラインが停滞し、製造上のボトルネックが発生することが含まれる。この最後の不利益は時間がかかり、エネルギーを要し、そして費用効果的でない。
【0005】
それ故、最小数のコーティング層およびベーキング硬化サイクルでマルチカラー・ツートン仕上げを提供するコーティング組成物に対するニーズがある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,468,791号明細書
【特許文献2】米国特許第5,162,426号明細書
【特許文献3】米国特許第4,591,533号明細書
【特許文献4】米国特許第5,314,945号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許請求される本発明は、コーティング材料、特に、標準的な自動車コーティング塗布ラインにおいてウェット−オン−ウェット3統合コート・ワンパスの方法でマルチカラー・ツートン耐チップ性仕上げを得るのに有用な、新規な耐チップ性コーティング組成物に関する。マルチカラー・ツートン仕上げは、コーティング工程と硬化サイクルとの数を減らし、かつ同時に、現行の低い全体溶剤排出および耐チップ性要件を満たしながら得られる。
【0008】
耐チップ性プライマーコーティング組成物は、高いおよび低いガラス転移温度、少なくとも2.1の平均ヒドロキシル官能基、75〜400mgKOH/gのヒドロキシル価、1,000〜10,000の数平均分子量、1〜30の酸価を具える複数のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、硫酸バリウム顔料とを含む。
【0009】
本発明は、また、上記のコーティング組成物により基材をコートするための方法に関する。一実施形態では、本方法は(1)前述の特性のホールドアウト可能性を有する耐チップ性プライマーコーティング組成物を電着下塗基材のアクセントエリアに塗布する工程と、(2)プライマーサーフェーサー・コーティング組成物を基材の隣接する非アクセントエリアに塗布する工程と、(3)アクセントカラーベースコーティング組成物をアクセントエリアにおける耐チップ性プライマーコーティング組成物にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、(4)工程中の複合被覆基材を第1のベーキングで硬化させる工程と、(5)アクセントエリアを保護膜でカバーする工程と、(6)主カラーベースコーティング組成物をマスクされていないエリア一面に塗布する工程と、(7)保護膜をアクセントエリアから除去する工程と、(8)クリアコーティング組成物を基材の全ての面にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、次に(9)複合ツートン被覆基材を第2のベーキングで硬化させる工程とを含む。
【0010】
さらに別の方法実施形態では、上記の工程(1)および(2)で使用されるプライマーは同じプライマーコーティング組成物であり、ツートン仕上げを得るためのコーティング工程の数をさらに減らす。
【0011】
本発明の方法は、車両組み立てプラントにおいて、ワンパス連続インライン塗装プロセスでまたは静的バッチプロセスにより実行することができる。
【0012】
本方法に従って製造されたツートン複合コーティングを有する被覆基材もまた、本発明の一部を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、硬化性コーティング組成物に関する。本発明に基づくホールドアウト可能性を具えた耐チップ性プライマーコーティング組成物は、耐チップ性ツートン層化システムを提供するのに有用である。かかるプライマー組成物は、複数のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂と、硬化剤と、硫酸バリウム顔料とを含む。
【0014】
用語「ホールドアウト可能な」は、第2のコーティング層、または複数のコーティング層が最初のコーティング層の一面に順次塗布された時に、塗布されたばかりの未硬化の最初のコーティングが混合抵抗性を有し、実質的な境界面を維持することを意味する。層と層との間で硬化が必要ないこのタイプのマルチコーティング技法は一般に、2つのウェットコートが用いられる時には「ウェット−オン−ウェット」、または3つのウェットコーティング層については「ウェット−オン−ウェット−オン−ウェット」と言われる。
【0015】
「ツートン」とは、車両仕上げが2つのはっきりと異なるカラーを有することを意味する。第1のアクセントカラーが、通常下部または中間垂直エリアでの、車両の外側基材のマイナーな部分(ドア、泥よけ、クォーター・パネルのような)をカバーし、並びに車両の外側基材の残りの主要部分を第2の主本体カラーがカバーする。
【0016】
専門用語「保護膜」は、第1の硬化コーティングをカバーし、その次に塗布される第2コーティング層への曝露から守り、こうして第1硬化コーティング層の完全性を維持するための特性を有する柔軟なフィルムと定義される。保護膜は、テープまたは接着剤のような、任意の実用的な手段によって適所に固定されてもよい。かかる保護膜は市場で広く入手可能である。ミシガン州グランド・ブランクのベクトル・テクノロジーズ(Vector Technologies of Grand Blanc,Michigan)は、膜の上に接着剤が積層された特に有用な保護膜であって、自己接着性であり、かつ、膜を固定するためのテープを必要としない保護膜を供給している。
【0017】
本明細書で用いるところでは、「高い」ガラス転移(Tg)温度は、−15℃を超えるTgを意味する。「低い」Tgは一般に−15℃以下のものとみなされる。本発明のコーティング組成物に基づく好ましい実施形態は、好ましくは約40〜−15℃、より好ましくは10〜−10℃のTgの高Tgヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂と、好ましくは約−15〜−60℃、より好ましくは−20〜−40℃のTgの第2の低Tgヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂とを含む。ガラス転移温度は、本明細書で用いるところでは、動的機械分析によって測定される。
【0018】
本発明は、低いガラス転移温度のポリエステルを硫酸バリウムおよび架橋剤成分と一緒に高いガラス転移温度の別のポリエステル樹脂とをブレンドすることによって、優れたホールドアウト可能なコーティング組成物が得られるという予期されない発見に基づく。かかる組成物は、別のコーティング、または複数のコーティングがウェット−オン−ウェットまたはウェット−オン−ウェット−オン−ウェット・シナリオで直接塗布される時に有用である。さらに、前述の発見に基づくコーティング組成物は、改善された耐チップ性を仕上げに付与する。そのようなものとして、コーティング組成物は車両本体ホールドアウト耐チップ性プライマーサーフェーサーとして特に有用である。
【0019】
従来の耐チップ性ウレタンプライマーを、ベースコートおよび/または別のプライマーサーフェーサーでウェット−オン−ウェット、またはウェット−オン−ウェット−オン−ウェット塗布できる耐チップ性プライマー組成物で置き換えることによって、従来のツートン塗装プロセスでの工程および硬化サイクルの数は、ツートンアクセントエリアでの耐チップ性能を犠牲にすることなく減らすことができる。本発明に基づくプライマーコーティング組成物は、ツートン仕上げを達成するためのコーティングおよびベーキングサイクルの数を減らしながら、耐チップ性ウレタンの排除を可能にする。
【0020】
本発明は、また、本発明に基づくコーティング組成物を用いる、様々な基材、特に自動車およびトラック本体の部分ならびにそれらの部品上にマルチカラー・ツートン複合仕上げを形成するための方法に関する。本発明の方法は、バッチまたは連続プロセスで行うことができる。理想的には、それは、塗装ラインによる車両の二重処理の必要性または塗装時間を延ばす必要性なしに、自動車組み立てプラントにある、連続インラインまたはモジュラーバッチ設備のような、既存のプライマーサーフェーサー/ベースコート/クリアコート塗装設備で行われるようにデザインされる。
【0021】
さらに、本発明は被覆基材に関する。被覆基材は、本発明の硬化性コーティング組成物を使用して、記載される方法によって製造される。被覆基材は、例えば、自動車、トラック、飛行機、または船舶のような運搬用車両基材であってもよい。
【0022】
ポリマー成分および他のフィルム形成成分を含む、本発明の硬化性コーティング組成物のフィルム形成部分は、「バインダー」または「バインダー固形分」として言及される。「バインダー」または「バインダー固形分」は、有機溶剤または液体キャリアに溶解され、乳化され、もしくは分散されている。
【0023】
本発明のコーティング組成物のバインダー含有率は、総組成物重量の約30〜85重量%の範囲にわたり、バインダーのための有機溶剤である、約15〜70重量%の液体キャリアを相応して含有してもよい。コーティング組成物は、約10/100〜200/100の顔料対バインダー重量比で顔料を含有する。
【0024】
バインダー固形分の一部として、コーティング組成物は、20%〜90%の範囲で、好ましくは50%〜85%の範囲で、より好ましくは60%〜80%の範囲で複数の高いTgおよび低いTgのヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂を含むが、ここで、百分率は、バインダー固形分の総重量を基準とした重量割合である。
【0025】
ポリエステル樹脂は、アルキレングリコール、トリオール、ポリオールと、ジカルボン酸またはジカルボン酸の酸無水物もしくはエステルとのエステル化生成物である。ポリエステルは約1000〜10,000、好ましくは約1500〜5000の数平均分子量、約75〜400、好ましくは約100〜300mgKOH/gヒドロキシル価のポリエステル、約1〜30、好ましくは約2〜15の酸価、および分子当たり少なくとも2.1の平均ヒドロキシ官能性を有する。本明細書で参照されるように、分子量は、標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
【0026】
ポリエステルを形成するために使用することができる典型的なアルキレングリコールまたはジオールは、トリメチロールペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチルペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオールなどである。使用することができる典型的なトリオールは、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンである。ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、グリセロール、ジペンタエリスリトール、ならびにポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコールもまた使用することができる。
【0027】
使用することができる芳香族ジカルボン酸およびそれらの酸無水物は、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などである。
【0028】
使用することができる水素化芳香族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物は、ヘキサヒドロフタル酸または酸無水物、テトラヒドロフタル酸または酸無水物である。
【0029】
使用することができる典型的な飽和脂肪族ジカルボン酸またはそのエステルは、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,12−ドデカン二酸などである。アジピン酸が好ましい。
【0030】
好適な脂環式ポリカルボン酸の例は、テトラヒドロフタル酸(または酸無水物)、ヘキサヒドロフタル酸(または酸無水物)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(または酸無水物)、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸(または酸無水物)、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリシクロデカンジカルボン酸、エンドエチレンヘキサヒドロフタル酸、樟脳酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸およびそれらの組み合わせである。脂環式ポリカルボン酸は、それらのシス形でだけでなく、それらのトランス形でもおよびこれらの両形の混合物としても使用することができる。好ましい脂環式ポリカルボン酸はテトラヒドロフタル酸(または酸無水物)、ヘキサヒドロフタル酸(または酸無水物)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(または酸無水物)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸および4−メチルヘキサヒドロフタル酸(または酸無水物)である。
【0031】
ポリエステルは、ポリエステルの成分が溶媒と共におよび好ましくはエステル化触媒と共に重合容器中へ充填され、約100℃〜300℃に、約2〜10時間加熱される通常のエステル化法によって製造される。水はそれが本方法で形成されるにつれて除去される。ポリエステルを形成するために使用することができる典型的な触媒は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシドなどのような有機錫化合物である。アルコキシチタネートもまた好適な触媒である。
【0032】
次のものは、本発明に基づくプライマーコーティング組成物で使用することができる好ましいポリエステルである。
【0033】
好ましい実施形態では、低Tgポリエステルは、約15〜25重量%ネオペンチルグリコール、10〜15重量%トリメチロールプロパン、5〜10重量%1,6−ヘキサンジオール、10〜15重量%イソフタル酸、10〜15重量%アジピン酸、15〜25重量%1,12−ドデカン二酸、および5〜15重量%フタル酸無水物よりなる。
【0034】
好ましい実施形態では、高Tgポリエステルは、約5〜15重量%トリメチロールプロパン、30〜45重量%ネオペンチルグリコール、5〜15重量%アジピン酸、20〜30重量%フタル酸無水物、および10〜20重量%イソフタル酸よりなる。
【0035】
コーティング組成物は、バインダー固形分の一部として、単量体または重合体アルキル化メラミン・ホルムアルデヒド硬化剤、またはその任意の混合物を含む。使用されるメラミン硬化剤は、1〜4個の炭素原子を有するアルカノールで部分または完全アルキル化されることができる。単量体アルキル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂架橋剤が好ましい。
【0036】
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、または樹脂の混合物は、バインダー固形分の総重量を基準として、約10〜50%の範囲で、好ましくは15〜40%の範囲で、より好ましくは20〜35%の範囲で組み入れられる。
【0037】
上記のバインダー固形分成分に加えて、他のフィルム形成および/または架橋溶液ポリマーを、必要に応じて発明の組成物のバインダーに含めることができる。例には、従来周知であるポリアクリレート、セルロース誘導体、アミノプラスト、ウレタン、ポリエステル、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、またはそれらの任意の混合物が挙げられる。好ましい任意の一フィルム形成ポリマーは、重合したモノマーのポリオール、例えば、アクリルポリオール溶液ポリマーである。かかるモノマーは、前述のアルキル・アクリレートおよび/またはメタクリレートならびに、さらに、ヒドロキシアルキル・アクリレートまたはメタクリレートの任意のものを含むことができる。ポリオールポリマーは好ましくは約50〜200のヒドロキシル価と約1,000〜200,000および好ましくは約1,000〜20,000の重量平均分子量とを有する。
【0038】
場合により、バインダーの重量を基準として、約15重量%以下のエポキシ樹脂を、自動車およびトラックのために典型的に使用されるスチールまたは金属基材に付けられた電着基材へのプライマーの粘着性を改善するためにプライマーに添加することができる。参照により本明細書に援用される、米国特許公報(特許文献1)に開示されているそれらのエポキシ樹脂が有用である。他の有用なエポキシ樹脂は、当業者には容易に公知であるかもしれない。特に好ましい一のエポキシ樹脂は、リゾリューション・パーフォーマンス・プロダクツ社(Resolution Performance Products,LLC)から入手可能なエポン(EPON)(登録商標)828である。
【0039】
バインダーの重量を基準として、約15重量%以下のブロック化されたポリイソシアネート樹脂を組み入れることができる。特に好ましいブロック化されたポリイソシアネート樹脂は、バイエル・コーポレーション(Bayer Corporation)から入手可能なデスモデュール(DESMODUR)BL−3175Aである。しかしながら、容易に組み入れられる任意のブロック化されたイソシアネート樹脂が使用されてもよい。
【0040】
コーティング組成物は、バインダー総重量を基準として、約10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部の範囲で硫酸バリウム成分を含む。特に有用な硫酸バリウム材料は、ジェー.エム.フーバー・コーポレーション(J.M.Huber Corporation)から入手可能なフーバーライト(HUBERBRITE)#1である。
【0041】
硫酸バリウム成分は一般に、前述のバインダーの任意のもの、またはバインダーともしくは分散剤と相溶性である別のポリマーで、砂研磨、ボールミリング、磨砕機研磨もしくは2ロールミリングのような通常の技法によって練り顔料を先ず形成することによってコーティング組成物中へ導入される。練り顔料は、コーティング組成物を形成するために使用される他の成分とブレンドされる。
【0042】
パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などのような触媒を、コーティング組成物の硬化を助けるために添加することができる。これらの触媒は、ジメチルエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、ジメチルオキサゾリジンなどのような試剤でブロック化することができる。
【0043】
バインダー成分が相溶性であり、そして高品質コーティングを与えるような溶剤を選択するという条件で、通常の溶剤または溶剤のブレンドの任意のものを使用することができる。次のものは、使用することができる溶剤の例であり、従来において使用されている:メタノール、n−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、アセトン、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、ならびに通常使用される他のエステル、エーテル、ケトン、脂肪族および芳香族炭化水素溶剤。
【0044】
親油性のジルコアルミネート・カップリング剤を、全バインダーの重量を基準として、約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%の範囲でコーティング組成物に添加することができる。使用することができる好適な親油性ジルコアルミネート・カップリング剤の幾つかの例は、任意の他の商業的に入手可能な親油性ジルコアルミネート剤だけでなく、米国特許公報(特許文献1)に開示されている。
【0045】
顔料および/またはフィラーをコーティング組成物に使用することができる。使用することができる典型的な顔料/フィラーは、タルク、カオリン、グラファイト、疎水性シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粘土、炭酸塩、ケイ酸塩;二酸化チタン、微粉化二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛のような金属酸化物;カーボンブラック、クロム酸亜鉛などである。アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドンまたはピロロピロール顔料などのような有機着色顔料もまた同じように使用することができる。これらの顔料/フィラーは一般に、砂研磨、ボールミリング、磨砕機研磨または2ロールミリングのような通常の技法によって、前述のバインダーの任意のものと共にまたはバインダーとまたは分散剤と相溶性である別のポリマーと共に練り顔料の形で導入される。
【0046】
本発明に基づくコーティング組成物は有機変性粘土フィラー成分を含有してもよい。特に有用な変性粘土フィラーは、サザーン・クレー・プロダクツ社(Southern Clay Products,Inc.)製のSCPX2578、アルキル第四級アンモニウム粘土である。
【0047】
特にコーティング組成物により得られる仕上げの耐候性を改善するために、紫外線安定剤または紫外線安定剤の組み合わせを、バインダーの総重量を基準として約0.1〜10重量%の量で添加することができる。かかる安定剤には、紫外線吸収剤、スクリーナー、失活剤、および特有のヒンダードアミン光安定剤が含まれる。また、酸化防止剤も、バインダーの総重量を基準として約0.1〜5重量%で添加することができる。有用である典型的な紫外線安定剤には、ベンゾフェノン、トリアゾール、トリアジン、ベンゾエート、ヒンダードアミンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0048】
コーティング組成物はまた、例えば、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)S(ポリアクリル酸ブチル)、BYK(登録商標)320および325(高分子量ポリアクリレート)などの流れ調節剤のような他の通常の配合添加剤を含んでもよい。
【0049】
本発明のコーティング組成物は、マルチカラー・ツートン耐チップ性仕上げを提供するコーティング方法で用いられる時に特に有用である。図1は、かかる方法での本発明の実施形態の使用を例示する。この方法は、硬化が行われる、3つのウェットコート統合第1段階と、これに続く着色ベースコートおよびクリアコートが複合体として塗布され、硬化される第2段階とを利用することにより、ツートン仕上げを達成する。この仕上げ基材はまた、優れた耐チップ性を、接着性、コート間接着性、外観、および他の所望のフィルム特性と共に有する。
【0050】
図1について言及すると、工程2で、電着車両基材はツートン塗装シナリオに入り、そこでホールドアウト可能な耐チップ性の硬化性コーティング組成物が車両基材のアクセントエリアに塗布される(工程4)。続いて、工程6で、第2の硬化性プライマーサーフェーサーコーティングが次に非アクセントエリアに塗布され、工程8でアクセントカラーベースコート・コーティングが前述のホールドアウト可能な耐チップ性の硬化性コーティング層に塗布される。下塗非アクセントエリアだけでなく、上記ウェット−オン−ウェット・アクセントエリア層も次に、効果的な時間および温度組み合わせで、工程10で硬化させられる。
【0051】
再度図1について言及すると、硬化後に、工程12でカラーコートされたアクセントエリアは保護膜でカバーされ、適所に固定される。主本体カラーベースコートが次に工程14で車両基材に塗布される。カラーコートされたアクセントエリアは次に工程16でカバーを取られ、クリアコートが工程18で車両の全外側基材に塗布され、複合コーティングが工程20で硬化させられる。
【0052】
耐チップ性ツートン仕上げを達成するための従来技法より優れた本発明の利点を例示するために、図2を参照されたい。図2が示すように、下部本体耐チップ性プライマーが工程22および24で電着車両基材一面に塗布される。次にプライマーサーフェーサーが工程26で全基材に塗布され、耐チップ性およびプライマー層が硬化させられる(工程28)。工程30および32で、主カラーベースコートが車両基材の非アクセントエリアに塗布され、クリアコートが次に塗布される。層は次に、工程34および36でベーキング硬化させられ、保護膜でカバーされる。アクセントカラーベースコートは次に工程38および40に従って車両基材のアクセントエリアに塗布され、クリアコートされる。最後に、アクセントカラーベースコート/クリアコート仕上げがベーキング硬化させられ、保護膜が除去される(工程42および44)。
【0053】
要約すれば、従来のツートン法は、合計6回のコーティング工程と3回のベーキング硬化工程とよりなる。第1シナリオでは、ツートン耐チップ性仕上げは、5コーティング工程と2ベーキング硬化工程とで達成される。さらに別の方法では、仕上げは4コーティング工程と2ベーキング硬化工程とで達成される。
【0054】
図3は、図1で説明されたように、3つのウェットコート統合第1段階を用いるツートン仕上げを得るための本発明の実施形態の使用をさらに例示する図である。
【0055】
図3について言及すると(図1に用いられるのと同じ参照数字を用いる)、電着車両基材はプライマーコーティング・ブースに入り(工程2)、そこでホールドアウト可能な耐チップ性の硬化性コーティング組成物が車両基材のアクセントエリアに塗布される(工程4)。それから第2の硬化性プライマーサーフェーサーコーティングが次に工程6で非アクセントエリアに塗布される。工程8でアクセントカラーベースコート・コーティングが先に塗布されたホールドアウト可能な耐チップ性の硬化性コーティング層一面に塗布される。上記ウェット−オン−ウェット−オン−ウェット層は工程10で硬化させられる。
【0056】
図3がさらに例示するように、硬化後に、工程12でカラーコートされたアクセントエリアが保護膜でカバーされ、適所に固定される。主本体カラーベースコートが次に工程14で車両基材に塗布され、保護膜が除去される(工程16)。クリアコートが次に車両の全外側基材(図3には示されていない)に塗布され、複合コーティングがベーキング硬化させられる(工程20)。
【0057】
本発明の代わりの方法では、前述のホールドアウト可能な耐チップ性の硬化性コーティング組成物はまた、主本体プライマーサーフェーサーとして使用することができる。図3について再び言及すると、プライマーは、工程4および6を組み合わせて、全車両に塗布されるであろう。このシナリオはウェット−オン−ウェット塗布法と考えられてもよい。
【0058】
本発明に基づくコーティング組成物と併せて使用されるクリアコート、ベースコート、またはプライマーサーフェーサー組成物の性質は、決して決定的に重要ではない。標準的な溶剤希釈型、水性または粉体ベースのシステムをはじめとする、多種多様な商業的に入手可能な自動車クリアコート、ベースコート、またはプライマーサーフェーサー組成物の任意のものが本発明で用いられてもよい。低いVOC(揮発性有機含有率)を有し、そして現行の公害規制に適合する高固形分の溶剤希釈型クリアコート、ベースコート、およびプライマーサーフェーサーがより一般に用いられる。典型的に有用な溶剤希釈型コーティングには、イソシアネートで架橋されたポリオールポリマーの2K(2成分)システムおよびメラミンで架橋されたアクリルポリオールの1Kシステムまたはポリオールおよびメラミンと組み合わせた1Kアクリロシラン・システムが含まれるが、それらに限定されない。エポキシ酸システムもまた使用することができる。かかる仕上げは、高い光沢およびDOI(画像の明確さ)をはじめとする、魅力的な美的外観を有する鏡のような外装仕上げを自動車およびトラックに提供する。使用することができる好適な1K溶剤希釈型アクリロシラン・クリアコート・システムは、参照により本明細書によって援用される、米国特許公報(特許文献2)に開示されている。好適な1K溶剤希釈型アクリル/メラミン・クリアコート・システムは、参照により本明細書によって援用される、米国特許公報(特許文献3)に開示されている。また、1K水性ベースコートが用いられてもよく、典型的には溶剤希釈型ベースコートと同じ特性を提供する。任意の通常の水性ベースコートを塗布することができる。典型的にはこれらはアクリルポリマーおよびアルキル化メラミン・ホルムアルデヒド架橋剤の水性分散系である。有用な組成物は、参照により本明細書によって援用される、1994年5月24日に発行されたニックルおよびワーナー(Nickle and Werner)米国特許公報(特許文献4)に教示されている。
【0059】
ウェットコート間のフラッシュ時間とベーキング硬化時間および温度とは、当業者には容易に明らかであろうし、具体的なコーティング化学または配合によってコントロールされてもよい。しかしながら一般に、未硬化ウェットコート間のフラッシュ時間は約15秒〜10分の範囲であることができ、ベーキング硬化温度は約100℃〜160℃の範囲であることができ、硬化時間は約15〜45分の範囲であることができる。
【0060】
硬化した複合ツートン仕上げの厚さは一般に約50〜275μm(2〜12ミル)、好ましくは約100〜200μm(4〜8ミル)である。プライマー、ベースコート、およびクリアコートは、好ましくは、塗布され、硬化されて、それぞれ、約10〜50μm(0.4〜2.0ミル)、約10〜50μm(0.4〜2.0ミル)、および約25〜75μm(1.0〜3.0ミル)の厚さを有することとなるよう塗布され、硬化される。
【実施例】
【0061】
本発明はさらに次の非限定的な実施例によって例示される。実施例中のすべての部および百分率は、特に明記しない限り重量基準である。本明細書で開示されるすべての分子量はポリスチレン標準を用いるGPCによって測定される。
次の省略形を実施例で用いる。
AD−アジピン酸
PA−無水フタル酸
NPG−ネオペンチルグリコール
TMP−トリメチロールプロパン
1,6HDO−1,6−ヘキサンジオール
IPA−イソフタル酸
DDDA−1,12−ドデカン二酸
【0062】
(実施例1)
ホールドアウト可能性を具えた耐チップ性プライマー組成物を、次の原料を示した順番に好適な混合容器中で一緒にブレンドすることによって調製した。
【0063】
【表1】

【0064】
得られたプライマーコーティング組成物は、71%の理論重量%固形分含有率と25℃で#4フォード(Ford)カップで測定される50秒の粘度とを有した。プライマーを次に25℃で28秒#4フォードカップのスプレー粘度までソルベッソ(solvesso)150溶剤で薄めた。
【0065】
ホールドアウト可能性だけでなく、受け入れることができる耐ポピング性、耐サギング性および耐泥割れ性を実証するために、上記プライマーを静電気噴霧して12×18インチE被覆湾曲パネル一面にプライマー・ウェッジ(13〜63μm)を形成した。ウェットコーティングを次に室温で30秒間フラッシュした。通常の溶剤希釈型顔料入りベースコートおよび顔料入りプライマーを次に、上に製造したプライマー一面に13〜25μmのフィルム塗り厚でウェット−オン−ウェット−オン−ウェット吹き付けした。複合体を次に3分間フラッシュし、140℃で30分間ベーキング硬化させた。ホールドアウト可能性だけでなく、受け入れることができる耐ポップ性、耐サッグ性および耐泥割れ性が観察された。
【0066】
耐チップ性を試験し、通常の組み合わせのプライマーサーフェーサー/下部本体耐チップ性プライマー複合体と比較した。上の実施例1のプライマーコーティングを、硬化した陰極エポキシ樹脂ベース電着プライマーでコートされたリン酸塩処理スチールパネル上へスプレー塗布した。下塗パネルを約5分間フラッシュし、140℃で30分間ベーキングした。プライマー表面のフィルム厚さは約25〜30μmであった。下塗パネルを次に商業的に入手可能な自動車ベージュ着色顔料入り溶剤希釈型ベースコートで約20〜30μm硬化フィルム塗り厚で、そして本願特許出願人からゼン(Gen)(登録商標)IVESとして入手可能なアクリロシラン−メラミンベースのクリアコーティング組成物を50〜65μmでトップコートした。トップコートを10分間フラッシュし、140℃で30分間ベーキング硬化させた。耐チップ性を米国材料試験協会(ASTM)SAE J400標準によって試験した。良好な耐チップ性が観察され、通常の組み合わせのプライマーサーフェーサー/下部本体耐チップ性プライマー複合体と同等であった。
【0067】
本発明の構成要素の様々な他の修正、変更、追加または置き換えは、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに当業者に明らかであろう。本発明は、本明細書で説明した例示的な実施形態によって限定されないが、むしろ次の特許請求の範囲によって画定される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態の使用を例示するツートン塗装シナリオの概略的なフローダイアグラムである。
【図2】従来のツートン塗装法の概略的なフローダイアグラムである。
【図3】本発明の実施形態の使用に特徴を有する、車両基材上にツートン仕上げを適用するための方法の説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも2.1の平均ヒドロキシル官能基、約75〜400mgKOH/gのヒドロキシル価、約1,000〜10,000の数平均分子量、および約1〜30の酸価を有する複数のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂と、
(b)硬化剤と、
(c)バインダー固形分の総重量を基準として約10〜50重量部の量で含まれる硫酸バリウムと
を含む耐チップ性ツートン仕上げを提供するのに有用な硬化性コーティング組成物であって、
ホールドアウト可能な特性を有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
第1のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が−15℃より高いガラス転移温度を有し、かつ、第2のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が−15℃またはそれ未満のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記第1のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が約40〜−15℃のガラス転移温度を有し、かつ、第2のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が約−15〜−60℃のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項2に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記第1のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が約10〜−10℃のガラス転移温度を有し、かつ、第2のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂が約−20〜−40℃のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項3に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂のそれぞれが、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールエタン、1,2,3−トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールよりなる群から選択されるトリ−またはこれより高い官能性のポリ−アルコールを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂のそれぞれが約2.2〜4.8の平均ヒドロキシル官能基を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂のそれぞれが約2.5〜3.0の平均ヒドロキシル官能基を有することを特徴とする請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂のそれぞれが約1,000〜5,000の数平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記ヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂のそれぞれが約100〜250mgKOH/gのヒドロキシル価を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記硫酸バリウム成分がバインダー固形分の総重量を基準として約20〜40重量部を構成することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記硫酸バリウム成分がバインダー固形分の総重量を基準として約28〜40重量部を構成することを特徴とする請求項10に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記硬化剤が、単量体メラミン、重合体メラミン、またはそれらの任意の混合物を含むメラミン・ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記メラミン・ホルムアルデヒド樹脂がバインダー固形分の総重量を基準として約10%〜50重量%を構成することを特徴とする請求項12に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記メラミン樹脂がバインダー固形分の総重量を基準として約15%〜40重量%を構成することを特徴とする請求項13に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記メラミン樹脂がバインダー固形分の総重量を基準として約20%〜35重量%を構成することを特徴とする請求項14に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
前記硬化剤が、ブロック化されたもしくはブロック化されていないポリイソシアネート樹脂、またはそれらの任意の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
前記ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された1つまたは複数のトリマーを含むことを特徴とする請求項16に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
流動性改質剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
親油性ジルコアルミネート・カップリング剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項20】
流動性改質樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項21】
ケイ酸マグネシウム・フィラー成分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項22】
前記ケイ酸マグネシウム顔料がバインダー固形分の総重量を基準として約1〜5重量部%を構成することを特徴とする請求項21に記載のコーティング組成物。
【請求項23】
顔料成分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項24】
有機改質された粘土フィラー成分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項25】
バインダーの総重量を基準として0.1〜2.0重量%のブロック化された酸触媒をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項26】
前記ブロック化された酸触媒が、ヒドロキシル官能性アルキルアミンでブロック化された有機スルホン酸を含むことを特徴とする請求項25に記載のコーティング組成物。
【請求項27】
バインダー固形分の総重量を基準として0.1〜10重量%の、ヒンダードアミン安定剤および紫外線吸収剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項28】
請求項1に記載のコーティング組成物により基材をコートしてマルチカラー耐チップ性仕上げを達成するための方法であって、
(a)請求項1に記載のコーティング組成物を基材のアクセントカラーエリアに塗布する工程と、
(b)第2の異なるプライマーサーフェーサー・コーティングを基材の非アクセントエリア表面に塗布する工程と、
(c)アクセントカラーベースコート・コーティングを基材のアクセントカラーエリアにおける請求項1に記載の前述のコーティング組成物上にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、
(d)上記の複合コーティングを第1のベーキングで硬化させる工程と、
(e)硬化されたアクセントカラーエリアを保護膜でカバーする工程と、
(f)主カラーベースコート層を基材の表面に適用する工程と、
(g)前記保護膜を、前記硬化されたアクセントカラーエリアから除去する工程と、
(h)クリアコート組成物を、前記主カラーベースコート層および前記硬化されたアクセントカラーエリア上に塗布する工程と、
(i)仕上げを第2のベーキングで硬化させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項1に記載のコーティング組成物により基材をコートしてマルチカラー耐チップ性仕上げを達成するための方法であって、
(a)請求項1に記載のコーティング組成物を基材の表面に塗布する工程と、
(b)アクセントカラーベースコート・コーティングを基材のアクセントカラーエリアにおける請求項1に記載の前述のコーティング組成物上にウェット−オン−ウェット塗布する工程と、
(c)上記の複合コーティングを第1のベーキングで硬化させる工程と、
(d)硬化されたアクセントカラーエリアを保護膜でカバーする工程と、
(e)主カラーベースコート層を基材の表面に適用する工程と、
(f)前記保護膜を、前記硬化されたアクセントカラーエリアから除去する工程と、
(g)クリアコート組成物を、前記主カラーベースコート層および前記硬化されたアクセントカラーエリア上に塗布する工程と、
(h)仕上げを第2のベーキングで硬化させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記基材が運搬用車両基材であることを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
請求項1に記載の組成物でコートされることを特徴とする基材。
【請求項32】
請求項1に記載の組成物の顔料入りプライマーコーティング、顔料入りコーティング組成物を含むベースコーティング、およびクリアトップコーティングを含む多層コーティングを有することを特徴とする基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−509202(P2007−509202A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535402(P2006−535402)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/034344
【国際公開番号】WO2005/037941
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】