ツール取付部材及びツール取付部材を接続した作業用棒状体
【課題】車両の窓ガラスを破砕するための突起部等のツールを作業用棒状体のグリップに出し入れ自在に収容し、他の作業の支障にならないようにする。
【解決手段】警棒1などの作業用棒状体のグリップ4に連結するフランジ状の連結部材5bと、該連結部材5bとの接続面に重合するカバーであって、そのヒンジ5dが枢支軸7を介して連結部材5bに折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバー5cと、前記カバー5cの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた突起部6等の作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材5bに凹設された突起部嵌合部5gなどのツール嵌合部とを備えたものである。
【解決手段】警棒1などの作業用棒状体のグリップ4に連結するフランジ状の連結部材5bと、該連結部材5bとの接続面に重合するカバーであって、そのヒンジ5dが枢支軸7を介して連結部材5bに折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバー5cと、前記カバー5cの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた突起部6等の作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材5bに凹設された突起部嵌合部5gなどのツール嵌合部とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツール取付部材及びツール取付部材を装備した作業用棒状体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、作業用棒状体としては警棒や非常灯、警告灯やハンマー等の作業用の棒状体が知られている。これらの作業用棒状体は、それぞれ目的、用途に応じた形状、強度に設計されているが、使用者の業務上、他の目的、用途にも使用したい場合がある。
たとえば、本来、警棒は、護身用、制圧用又は方向指示等を目的として製造されているが、車両事故発生時に窓ガラスを打ち破り乗員を迅速に救出する道具として警棒を使用したい場合がある。
【0003】
しかし、警棒は、前記した目的の範囲で仕様が決定されているので、殴打部、すなわち警棒の伸縮ロッド部には窓ガラスを打ち破るほどの強度が備えられていない。
【0004】
そこで、警棒のグリップが座屈や曲げに対して十分な強度を持ち、また、警棒の殴打部の根元部に曲げに対する強度があることを利用して金属製の取付部材の端面部又は外周面部に半径方向外側又は軸方向に延びた突起部を設け、この突起部を警棒のグリップエンドに取り付けて窓ガラス等を破砕することが試みられている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−57229号
【特許文献2】登録実用新案公報第3050649号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、突起部を備えた金属製の取付部材を警棒のグリップエンドに取付けると、警棒のグリップを手で握った状態で取付部材外周面の突起部を窓ガラスに打ち付けるか、又は、警棒の殴打部の根元側を手に持って取付部材外周面の突起部を窓ガラスに打ち付けることにより、窓ガラスを破砕することが可能となる。なお、「作業用棒状体」とは、警棒や警告灯、非常灯の他、消防に用いられる各種の棒状の道具、ハンマー等の柄のある作業具の総称であり、「グリップ」とは、これらの作業用棒状体を手で把持する部分、「グリップエンド」とはグリップの端面のことをいう。また、「ツール」とは、一つの作業目的を達成するための工具、たとえば、車両等の窓ガラスを破砕するための突起部、シートベルトを切断するための押し切りカッタ、ガラスを切断するためのガラスカッタの他、作業のための照明のためのライト又は発光ダイオードなど作業用棒状体に対して本来の機能とは別の機能を付加するものをいう。
【0007】
しかし、警棒に限らず、作業用棒状体のグリップエンドに取り付けた突起部などのツールを剥き出しまま放置しておくと、ツールが手や物と接触して不慮の損傷を与えてしまう虞がある。このため、前記取付部材に薄いゴムカバーを被せて突起部をカバーごと窓ガラスに打ち付ける構成とすることによって前記不具合を解消することが想定されるが、ゴム製のカバーが使用によって破れたときには交換せざるを得ない。
なお、ゴム製のカバーを厚くすると、窓ガラスを破砕するための力の一部又は全部がゴムに吸収され窓ガラスを破砕することができなくなる。
【0008】
そこで、ツールを出し入れ自在とするために解決すべき課題が生じるのであり、この発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、作業用棒状体のグリップに連結するフランジ状の連結部材と、該連結部材の接続面に重合するカバーであって、そのヒンジが枢支軸を介して連結部材に折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバーと、前記カバーの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材に凹設されたツール嵌合部とを備えたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材であって、前記ツール取付け部材が固定側分割部材とこれに両端部がそれぞれ連結可能な連結側分割部材とで構成され、固定側分割部材にはグリップに連結する連結部と作業用のツールを格納する格納部が形成され、前記連結側分割部材の端面には、前記格納部に収容する少なくとも一以上のツールが取り付けられたものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、一のツールに対して他のツールが作業を補助するためのツールであることを特徴する。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のツール取付部材において、ツールが破砕用突起部、押切カッタ、ガラスカッタ、または照明回路のいずれか1以上のツールであることを特徴する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載のツール取付部材を有する作業用棒体である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。
【0013】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項3に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。請求項8に記載の発明は、請求項4に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。
【0014】
ここで、「作業用棒状体」とは、警棒や警告灯、非常灯の他、消防に用いられる各種の棒状の道具、ハンマー等の柄のある作業具の総称であり、「グリップ」とは、これらの作業用棒状体を手で把持する部分、「グリップエンド」とはグリップの端面のことをいう。また、「ツール」とは、一つの作業目的を達成するための工具、たとえば、車両等の窓ガラスやシートベルトを破砕又は切断するための突起部、突起部の切断作業をより円滑にするためシートベルトを押し切りにより切断するための押し切りカッタ、突起部による破砕量を低減し、窓ガラスの切断を容易にするためのガラスカッタの他、切断や破砕作業を暗闇でも良好に行えるようにするための発光ダイオードなどの照明回路のことをいう。
請求項1に記載の発明では、カバーを起こした後に、カバーを回転させて取り付けベースに対するカバーの表面と裏面とを入れ代えることにより、又、請求項2に記載の発明では、固定側分割部材に対する連結側分割部材の端部を切り替えることにより、ツール取付け部材に対するツールの出し入れが可能となり、ツールを格納した状態において突起物のない状態とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したことから明らかなように本発明によれば、ツールを出し入れ自在とすることにより、手や物等との接触による損傷を防止できるという優れた効果が発揮される(請求項1〜請求項8)。また、二以上のツールを設ける場合に、一のツールに対して他のツールが補う働きをするので、作業の円滑化、迅速化に貢献できる(請求項3、請求項4、請求項7および請求項8)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
以下に作業用棒状体の一実施の形態を図1〜3を参照して説明する。なお、請求項1記載の発明はこの実施の形態に対応する。
【0017】
図1に示すように、警棒1は、多段ロッド2の根元に鍔3、グリップ4を順次連結し、多段ロッド2と唾3により、防護、制圧、方向指示を行うものである。
前記多段ロッド2は、強度が高く軽量なパイプ材で形成され、グリップ4も同じ材料で形成されている。警棒1のグリップ4は、手で把持して使用するため径大で長さも短いので曲げ強度、座屈強度が高く、車両の窓ガラス(図示せず)に打ち付けても変形が発生することはない。
【0018】
前記多段ロッド2は、中筒2aと先端筒2bとからなり、先端筒2bが摺動自在に中筒2aに嵌挿され、中筒2aが摺動自在にグリップ4に嵌挿されるように構成されている。グリップ4に取り付けた鍔3より先端部が護身部となる。また、グリップ4のグリップエンドに、ツールを取付けても前記した防護、制圧、方向指示の用途に支障が発生することはないが、前記したようにツールとして突起部を取付けた場合は、携帯時や通常の取り扱い時に突起部が手や腰又は他の物との接触してしまう虞がある。
【0019】
そこで、この実施形態では、警棒1のグリップ4に金属製のツール取付部材5を連結し、この取付部材5に突起部6を出し入れ自在に収容している。
【0020】
図2(a),(b)は前記ツール取付部材5の構造とグリップ4への取付け構造を示し、図2(a)は図2(b)のイ−イ線断面図を示す。
図2(a),(b)に示すように、ツール取付部材5は、グリップ4に連結する連結部5aと、連結部5aに連結されたフランジ状の連結部材5bと、連結部材5bに取付けられたカバー5cとで構成されており、連結部5aとグリップ4とは、それぞれ外周面と内周面とに刻設されたねじの螺合によって連結されている。
図2(b)に示すように、前記カバー5cは、前記連結部5aに重合する円板材で形成されており、連結部材5bへの枢支のため一部を切欠いた切欠円板となっている。
【0021】
カバー5cのヒンジ5dは、カバー5cの切欠部中央部に形成されている。ヒンジ5dの下面は直線的な平坦面となっていて、連結部5aの表面に対して垂直に着座できるようになっている。
連結部材5bに備えられている枢支ピン7の頭部は、カバー5cを連結部材5bに重合した状態では、ヒンジ5dの一方のアーム部5d1と他方のアーム部5d2との間に位置される。
【0022】
枢支軸7は、連結部材5bの軸支孔5eに挿入されており、軸支孔5e内に配置されている引き戻し手段8によって、常時、グリップ4側に引き戻されている。枢支軸7を引き戻すための引き戻し手段8には種々のものが想定されるが、この実施形態では、弾性材、例えば、V字形に折り曲げた板ばね8aやこれと同形状のゴム材で構成されており、前記枢支軸7を通すための孔8a,8bが形成されている。
引き戻し手段8は、軸支孔5eの後端側を拡径した拡径部5f内に設置され、枢支軸7の後端部に設けられた抜け止め7aにより離脱が防止される。
【0023】
ヒンジ5dの左右のアーム部5d1,5d2で枢支軸7の頭部を挟み、左右一対アーム部5d1,5d2のピン孔5d3,5d4と枢支軸7のピン孔7aとに連結ピン9を挿入すると連結部材5bに対するカバー5cが連結される。
この状態でカバー5cは、前記枢支軸7のピン孔7aの軸芯線を中心とした前後方向(以下、開閉方向という)と、軸支孔5eの軸心線を中心とした軸回りの2方向の回転が可能となる。
【0024】
また、引き戻し手段8の引き戻し力は、カバー5cの裏面又は表面が連結部材5bの表面に接合している状態で最小、カバー5cのヒンジ5dが連結部材5bの表面に対して垂直となる状態で最大となり、枢支軸7の連結部材5bの表面からの突出量もカバー5cの裏面又は表面が連結部材5bの表面に接合している状態で最小、カバー5cのヒンジ5dが連結部材5bの表面に対して垂直となる状態で最大となる。
【0025】
以下、連結ピン9回りのカバー5cの回転方向をカバー開閉方向、枢支孔5e回りのカバー回転方向をカバー5cの表裏切り替え方向とし、また、カバー5cの裏面が連結部材5bの表面に着座して接合している位置、すなわち、カバー5cの裏面で連結部材5bの表面を覆う位置をツール格納状態、カバー5cを起こしてヒンジ5dの下面である平坦面が連結部材5bの表面に垂直に着座し、カバー5cが垂直に起立した状態をニュートラル状態とすると、カバー5cを起こしてツール格納状態からニュートラル状態に起こして次に時計回り又は半時計回りに180゜回転させ、最後に、カバー5cを開閉方向において引き起し方向と逆方向に倒すと、連結部材5bの表面がカバー5cの表面で覆われ、外部にはカバー5cの裏面が露出する。従って、前記の操作を繰り返すとカバー5cの表裏面が連結部材5cに対して交互に入れ替わる。
【0026】
このため、図3(a),(b)に示すように、カバー5cの裏面に突起部6を取り付け、カバー開閉方向においてカバー5cを倒すことによって突起部6を連結部材5bに収容することができる。なお、図3(a)は、図3(b)のロ−ロ線断面図である。
また、突起部6を収容した状態では、突起部6のないカバー5cの表面が外部に露出することになるので、携帯や取り扱いにおいて、手や腰、他の物との接触を防止することが可能となる。
【0027】
そこで、この実施の形態では、カバー5cの裏面に、車両の窓ガラス等を破砕するための突起部6を圧入により固定すべく窪んだ突起部圧入部5gが形成され、連結部材5bの表面部に突起部6を嵌合すべく窪んだ突起部嵌合部5hが形成される。
突起嵌合部5hと突起部圧入部5gは、前記カバー5cを倒してカバー5cの外縁が連結部材5bの外縁に重合する際に、突起部6が突起部嵌合部5hに嵌合する位置に形成され、突起部嵌合部5hの深さは、突起部6の嵌合状態で突起部6の尖り先の先端が突起部嵌合部5hの底に突き当たることのないように定められる。
【0028】
また、連結部材5bには、ストッパ10が設けられ、ストッパ10に係合するストッパ係止孔11,11がカバー5cに設けられている。ストッパ係止孔11はヒンジ部7の中心を通る仮想線に対して左右対称位置に設けられる。ここで、ストッパ係止孔11,11は、カバー5cを前後方向、すなわち、厚み方向に貫通する貫通孔で構成されている。なお、ストッパ10は、止めねじ10aに代用されるように、連結部材5bの表面から適宜突き出したものであればよいので、リベットや打ち込みピンで形成してよい。
【0029】
次に、図1〜図3を参照して前記警棒1による車両の窓ガラスの破砕手順について説明する。なお、警棒1による破砕は、窓ガラスに限定されるものではなく、壁や、塀、又は板もしくは簡易な鍵のように目的によって相違する。
窓ガラスを粉砕する前は、カバー5cの突起部6が連結部材5bの突起部嵌合部5hに嵌合し、カバー5cのストッパ係合孔11がストッパ10に係合している。引き戻し手段8の引き戻し力が枢支軸7に作用し、枢支軸7が連結ピン9を介してカバー5cをグリップ4側へ引張っているのでカバー5cが浮き上がることはない。このため、ストッパ係止孔11はストッパ10から離脱することはなく、振動に起因してカバー5cがガタ付くことがない。また、この状態では、カバー5cの表面および外周面に突起物はないので、手や腰、他の物との接触による不慮の事故は発生しない。
【0030】
車両事故が発生し、車両の窓ガラスを破砕して乗員を救出する場合は、前記したように、カバー5cの表裏切り替え操作を行う。この操作は、カバー5cを起こし、カバー5cを180゜回転させ、続いて、カバー5cを倒して突起部6を露出させる作業である。なお、この操作は、光量の少ない暗闇の状態でも手探りで行える操作である。
【0031】
カバー5cを裏返し、ストッパ係止孔11がストッパ10に係合すると破砕準備が完了する。
窓ガラスを破砕する際は、グリップ4を手で把持し、この状態でグリップエンドを窓ガラスの破砕箇所に向けて打ちおろす。突起部6は外部に露出しているので窓ガラスに衝突する。突起部6の先端部は尖り先であり、打ち下し荷重が一点に集中するので窓ガラスは瞬時のうちに破砕される。窓ガラスの破砕を完了すると、続いて、車室内乗員の救出作業が行われる。
【0032】
救出作業の完了後は、突起部6が外に出ていると作業の邪魔となるので、カバー5cの表裏切り替え操作を行って内部に格納する。
【0033】
図4は車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示している。なお、前記した実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
ガラスカッタ20は、金属製のカッタ本体20aの先端部に工業用ダイヤモンドのチップ20cを埋め込んだものである。ガラスカッタ20は、カバー5cに凹設された溝状のカッタ収容部5iに収容され、カッタ本体20aの基部がピン21によりカバー5cに枢支される。
【0035】
車両の窓ガラスの破砕の際、カバー5を裏返し前記ガラスカッタ20をカッタ収容部5iから引き起こし、先端部のチップ20cを窓ガラスに接触させて切断ないしは傷を入れると、窓ガラスが切断ないしは切断可能な状態となる。この状態で、ガラスカッタ20をカッタ収容部5iに収容し、警棒1の打ち下しによって突起部6を打ち下すと、破砕量の少ない状態で窓ガラスから切断部分が切り離されるので、より安全な救出活動が可能となる。
【0036】
図5はガラスカッタの他の実施形態を示す。なお、この図は、カバーを裏返しにし、ガラスカッタと突起部とを外部に露出させた状態を示している。同図に示すように、ガラスカッタ22はカッタ本体22aとチップ22bで構成されている。チップ20bはガラスを切断するための工業用ダイヤモンドとで構成されており、カッタ本体22aの先端部に固定されている。カッタ本体22aは、カバー5bの外周縁に圧入等により固定されている。カバー5bの表面からチップ22bの先端までの距離は、前記突起部6の尖り先のそれよりも適宜長さ短くなっている。両者の距離差は、前記警棒1のグリップ4を上向きにして握りグリップ4の前記鍔3側を手前に引いた状態でチップ22cのみを窓ガラスと接触させて切断できるよう窓ガラスとの位置に基づいて決定される。従って、窓ガラスを切断するときには突起部6が窓ガラスに接触することはなく、逆に突起部6で窓ガラスを破砕するときには、チップ22bが窓ガラスに接触することがないのでそれぞれ作業を支障なく進めることができる。
【0037】
図6(a)〜(d)は、前記ガラスカッタにより車両の窓ガラス等を切断する場合のカバー5cの操作手順である。
まず、連結部材からカバー5cを起こし、前記したように平坦なカバーのヒンジ5dの下面を連結部材5bの表面に着座させる(図6(a)→(b))。前記したようにカバーを枢支している枢支軸7は、引き戻し手段8による弾性的な引き戻し力を常時付勢されているので、連結部材5bの表面に対して垂直な状態で起立する。この状態をニュートラル状態としてカバー5cを時計回り又は半時計回りに180゜回転する(図6(c))。最後に、カバー5cをカバーの引き起し方向と逆方向に倒す。この結果、外部にカッタ本体22aと突起部6が外部に露出する(図6(d))。この状態で前記警棒1のグリップ4を上向きにした状態でグリップ4を手で握り、カッタ本体22aの先端部に取付けられているチップ22bを窓ガラスの切断箇所に押し当てながら移動させると窓ガラスが切断可能な状態とすることができなる。ガラスカッタ20による切断ないし切れ目を形成した後は、窓ガラスの切断箇所に臨ませて突起部6打ち付けると窓ガラスの切断部を打ち抜くことができる。なお、この手順で作業を進めると、窓ガラスの破砕量が少ないので、乗員の安全な救出に貢献できる。
【0038】
図7は車両のシートベルトを切断するためのベルトカッタをカバー5cの裏面、すなわち、突起部取り付け側に設けた一実施形態を示し、図7(a)は、図7 (b)のハ−ハ線断面図である。また、図8は、ベルトカッタを示す解説図で、図8(b)は図8(a)のC矢視図である。なお、前記した実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図示されるように、ベルトカッタ30は、V形のカッタであり、前記ガラスカッタ20と同様にカバー5cに凹設された溝状の第二カッタ収容部5jに収容され、カッタ本体5jの基部がピン31によりカバー5cに枢支される。
なお、このベルトカッタ30は、突起部6の打ち付けによる裁断が間に合わない場合、あるいは、ベルトカッタ30の方が作業性がよいと判断される場合に使用される。
【0040】
車両の窓ガラスの破砕の際、前記ベルトカッタ30を第二カッタ収容部5jから引き起こし、ベルトカッタ30の刃32をシートベルト(図示せず)の縁に押し当てて前方に押し出すと、鋏等で切断されにくいシートベルトが短時間のうちに切断される。このためシートベルトに乗員が拘束されている場合でも速やかな開放が可能となる。
【0041】
図9(a)〜(d)は、ベルトカッタの他の実施形態を示す。なお、図9(a)はベルトカッタの一部切欠側面図、図9(b)は図9(a)のA矢視図、図9(c)は図9(a)のB矢視図、図9(d)は図9(b)のd−d線断面図である。
図示されるようにベルトカッタ33は、一枚の金属板にV形の切欠33aを設けてその底部側に切断のための刃33bを形成したものである。切欠33aの先端部側は、シートベルトSBの側部を底部の刃33bに案内するための案内部となっている。なお、案内部にも刃33bを形成することも可能であるが、取り扱い上での怪我などを避けるため採用していない。
【0042】
前記このシートベルトカッタ33は、図7で説明したベルトカッタ30と同様に連結部材の第二カッタ収容部5jに収容され、ピン31によりカバー5cに枢支される。また、ベルトカッタ33の先端部は、安全のため適当な半径で丸められている。
このベルトカッタ33でシートベルトSBを裁断する場合、カバー5bからベルトカッタ33を起こし、ベルトカッタ33の切欠33aをベルトSBの側部に臨ませる。
次に、切欠33aに案内させてベルトカッタ33をシートベルトの横断方向に押し出すと、シートベルトSBが切欠33aの底部側に移動しながら刃33bにより切断される。
【0043】
また、図7に示すように、カバー5cに凹部を設けてこれに発光ダイオード40、電源回路41を主要部とする照明回路42を設け、暗闇での作業の補助ツールとして使用してもよい。
【0044】
なお、図7(b)に示したように、前記した実施の形態において、突起部嵌合部5hを前記軸支孔5eの軸芯を中心とした半径に沿って円弧状に広げてもよいし、円弧状として両端を円周方向において開放してもよい。このようにすると、突起部嵌合部5hに対する突起部6の尖り先の符合範囲位置が拡大されるのでカバー5cの取り扱い作業が容易なものとなる。
【0045】
また、連結部材5bは、ねじによらずピンや圧入によってグリップ4に連結する構造としてもよい。
【0046】
また、枢支軸7をウレタン等のゴムで構成してもよい。このようにすると枢支軸7それ自身が引き戻し手段としての機能をもち板ばね8a等の引き戻し手段を別途組み込む必要がなくなるのでコストダウンに貢献できる。
【0047】
(実施形態2)
請求項2記載の発明はこの実施の形態に対応する。
【0048】
図10は警棒に取り付ける作業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材の構成を示した断面図である。
ツール取付部材50は、固定側分割部材50aと、両端部のそれぞれに固定側分割部材50aに連結可能なねじが形成された連結側分割部材50bとで構成される。
固定側分割部材50aには、例えば、前記突起部6を格納すべく窪んだ筒状の格納部50cが形成され、連結側分割部材の50bの端面には、ツールとしての突起部6を圧入するための窪んだ圧入部50が設けられる。そして、固定側分割部材50aには、前記グリップ4にねじに連結するための連結部50eが設けられる。
従って、この実施形態においても、固定側分割部材50aに突起部6を格納したときは、突起部6が外部に露出することがないので、携帯時などにおいて、手や腰、又は他の物との接触を防止することができる。
【0049】
前記警棒1により、車両の窓ガラスを破砕する際は、固定側分割部材50aから連結側分割部材50bを取り外し、反対側の端部のねじを固定側分割部材50aに螺合して締結する。これにより突起部6が外側に配置されるので、前記した実施形態と同様に車両などの窓ガラスを破砕することができる。
なお、固定側分割部材50aと連結側分割部材50bとは、ねじによらず、磁力により連結する構造としてもよい。
この場合、磁石は、互いに連結する端部同士に形成してもよいが、衝撃をできるだけ減少するため、固定側分割部材50aと連結側分割部材50bとを互いにインロー嵌合する構造とし、インロー嵌合部全体、又はインロー嵌合部の周方向に間隔を隔てて複数の磁極を形成し、極性の異なる磁極相互間の磁力により連結する構造としてもよい。
【0050】
また、図11に示すように、他の連結構造としては、固定側分割部材50aに対してばね材よりなる筒状のホールド部材61を設け、ホールド部材61の絞られた入口61aに連結側分割部材62の両端部に設けられた鍔状の係止部62aを押し込んで係合することにより両者が連結される構造としてもよい。
【0051】
さらに、図12に示すように、連結側分割部材65の両端面に係止ピン66,66…を突出形成し、相手方となる固定側分割部材50aに係止ピン66,66…を係合させて係止する係止部67,67…を設けてもよい。この場合、係止ピン66,66…は、突起物として手や物を傷付けることがないようにできるだけ小さく又角がないように丸みを付けて形成されるが、図10に示すように、係止部67,67…を連結側分割部材69に形成し、固定側分割部材50aに、係止ピン66,66…を突出形成することによって、その虞を排除するようにしてもよい。
【0052】
また、図7に示したように、連結側分割部材50bに対して、ガラスカッタ20、ベルトカッタ30、照明回路42を設け、作業が円滑に進められるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態に係る警棒の構成図である。
【図2】請求項2に係る発明の実施形態に係るツール取付部材の構造とグリップへの取付け構造を示し、図2(a)は図2(b)のイ−イ線断面図である。
【図3】本発明に係るルールの一例としての突起部の構造を示し、図3(a)は、図3(b)のロ−ロ線断面図である。
【図4】車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示し、図4(a)は、図4(b)ニ−ニ線断面図である。
【図5】ガラスカッタの他の実施形態を示す解説図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、ガラスカッタにより車両の窓ガラス等を切断する場合のカバー5cの操作手順を示す解説図である。
【図7】車両のシートベルトを切断するためのカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示し、図5(a)は、図5(b)のハ−ハ線断面図である。
【図8】シートベルトカッタの構造を示す概略図である。
【図9】ベルトカッタの他の実施形態を示し、図9(a)はベルトカッタの一部切欠側面図、図9(b)は図8(a)のA矢視図、図9(c)は図9(a)のB矢視図、図9(d)は図9(b)のホ−ホ線断面図である。
【図10】請求項2に係る発明の実施の形態を示す断面図である。
【図11】他の連結構造としてホルダ部材によって連結する連結構造を示す断面図である。
【図12】同じく、連結構造としての係止構造を示す断面図である。
【図13】同じく、他の係止構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 警棒
4 グリップ
5b 連結部材
5c カバー
5d ヒンジ
5g 突起部嵌合部(ツール嵌合部)
6 突起部
7 枢支軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツール取付部材及びツール取付部材を装備した作業用棒状体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、作業用棒状体としては警棒や非常灯、警告灯やハンマー等の作業用の棒状体が知られている。これらの作業用棒状体は、それぞれ目的、用途に応じた形状、強度に設計されているが、使用者の業務上、他の目的、用途にも使用したい場合がある。
たとえば、本来、警棒は、護身用、制圧用又は方向指示等を目的として製造されているが、車両事故発生時に窓ガラスを打ち破り乗員を迅速に救出する道具として警棒を使用したい場合がある。
【0003】
しかし、警棒は、前記した目的の範囲で仕様が決定されているので、殴打部、すなわち警棒の伸縮ロッド部には窓ガラスを打ち破るほどの強度が備えられていない。
【0004】
そこで、警棒のグリップが座屈や曲げに対して十分な強度を持ち、また、警棒の殴打部の根元部に曲げに対する強度があることを利用して金属製の取付部材の端面部又は外周面部に半径方向外側又は軸方向に延びた突起部を設け、この突起部を警棒のグリップエンドに取り付けて窓ガラス等を破砕することが試みられている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−57229号
【特許文献2】登録実用新案公報第3050649号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、突起部を備えた金属製の取付部材を警棒のグリップエンドに取付けると、警棒のグリップを手で握った状態で取付部材外周面の突起部を窓ガラスに打ち付けるか、又は、警棒の殴打部の根元側を手に持って取付部材外周面の突起部を窓ガラスに打ち付けることにより、窓ガラスを破砕することが可能となる。なお、「作業用棒状体」とは、警棒や警告灯、非常灯の他、消防に用いられる各種の棒状の道具、ハンマー等の柄のある作業具の総称であり、「グリップ」とは、これらの作業用棒状体を手で把持する部分、「グリップエンド」とはグリップの端面のことをいう。また、「ツール」とは、一つの作業目的を達成するための工具、たとえば、車両等の窓ガラスを破砕するための突起部、シートベルトを切断するための押し切りカッタ、ガラスを切断するためのガラスカッタの他、作業のための照明のためのライト又は発光ダイオードなど作業用棒状体に対して本来の機能とは別の機能を付加するものをいう。
【0007】
しかし、警棒に限らず、作業用棒状体のグリップエンドに取り付けた突起部などのツールを剥き出しまま放置しておくと、ツールが手や物と接触して不慮の損傷を与えてしまう虞がある。このため、前記取付部材に薄いゴムカバーを被せて突起部をカバーごと窓ガラスに打ち付ける構成とすることによって前記不具合を解消することが想定されるが、ゴム製のカバーが使用によって破れたときには交換せざるを得ない。
なお、ゴム製のカバーを厚くすると、窓ガラスを破砕するための力の一部又は全部がゴムに吸収され窓ガラスを破砕することができなくなる。
【0008】
そこで、ツールを出し入れ自在とするために解決すべき課題が生じるのであり、この発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、作業用棒状体のグリップに連結するフランジ状の連結部材と、該連結部材の接続面に重合するカバーであって、そのヒンジが枢支軸を介して連結部材に折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバーと、前記カバーの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材に凹設されたツール嵌合部とを備えたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材であって、前記ツール取付け部材が固定側分割部材とこれに両端部がそれぞれ連結可能な連結側分割部材とで構成され、固定側分割部材にはグリップに連結する連結部と作業用のツールを格納する格納部が形成され、前記連結側分割部材の端面には、前記格納部に収容する少なくとも一以上のツールが取り付けられたものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、一のツールに対して他のツールが作業を補助するためのツールであることを特徴する。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のツール取付部材において、ツールが破砕用突起部、押切カッタ、ガラスカッタ、または照明回路のいずれか1以上のツールであることを特徴する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1記載のツール取付部材を有する作業用棒体である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。
【0013】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項3に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。請求項8に記載の発明は、請求項4に記載のツール取付部材を有する作業用棒状体である。
【0014】
ここで、「作業用棒状体」とは、警棒や警告灯、非常灯の他、消防に用いられる各種の棒状の道具、ハンマー等の柄のある作業具の総称であり、「グリップ」とは、これらの作業用棒状体を手で把持する部分、「グリップエンド」とはグリップの端面のことをいう。また、「ツール」とは、一つの作業目的を達成するための工具、たとえば、車両等の窓ガラスやシートベルトを破砕又は切断するための突起部、突起部の切断作業をより円滑にするためシートベルトを押し切りにより切断するための押し切りカッタ、突起部による破砕量を低減し、窓ガラスの切断を容易にするためのガラスカッタの他、切断や破砕作業を暗闇でも良好に行えるようにするための発光ダイオードなどの照明回路のことをいう。
請求項1に記載の発明では、カバーを起こした後に、カバーを回転させて取り付けベースに対するカバーの表面と裏面とを入れ代えることにより、又、請求項2に記載の発明では、固定側分割部材に対する連結側分割部材の端部を切り替えることにより、ツール取付け部材に対するツールの出し入れが可能となり、ツールを格納した状態において突起物のない状態とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したことから明らかなように本発明によれば、ツールを出し入れ自在とすることにより、手や物等との接触による損傷を防止できるという優れた効果が発揮される(請求項1〜請求項8)。また、二以上のツールを設ける場合に、一のツールに対して他のツールが補う働きをするので、作業の円滑化、迅速化に貢献できる(請求項3、請求項4、請求項7および請求項8)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施形態1)
以下に作業用棒状体の一実施の形態を図1〜3を参照して説明する。なお、請求項1記載の発明はこの実施の形態に対応する。
【0017】
図1に示すように、警棒1は、多段ロッド2の根元に鍔3、グリップ4を順次連結し、多段ロッド2と唾3により、防護、制圧、方向指示を行うものである。
前記多段ロッド2は、強度が高く軽量なパイプ材で形成され、グリップ4も同じ材料で形成されている。警棒1のグリップ4は、手で把持して使用するため径大で長さも短いので曲げ強度、座屈強度が高く、車両の窓ガラス(図示せず)に打ち付けても変形が発生することはない。
【0018】
前記多段ロッド2は、中筒2aと先端筒2bとからなり、先端筒2bが摺動自在に中筒2aに嵌挿され、中筒2aが摺動自在にグリップ4に嵌挿されるように構成されている。グリップ4に取り付けた鍔3より先端部が護身部となる。また、グリップ4のグリップエンドに、ツールを取付けても前記した防護、制圧、方向指示の用途に支障が発生することはないが、前記したようにツールとして突起部を取付けた場合は、携帯時や通常の取り扱い時に突起部が手や腰又は他の物との接触してしまう虞がある。
【0019】
そこで、この実施形態では、警棒1のグリップ4に金属製のツール取付部材5を連結し、この取付部材5に突起部6を出し入れ自在に収容している。
【0020】
図2(a),(b)は前記ツール取付部材5の構造とグリップ4への取付け構造を示し、図2(a)は図2(b)のイ−イ線断面図を示す。
図2(a),(b)に示すように、ツール取付部材5は、グリップ4に連結する連結部5aと、連結部5aに連結されたフランジ状の連結部材5bと、連結部材5bに取付けられたカバー5cとで構成されており、連結部5aとグリップ4とは、それぞれ外周面と内周面とに刻設されたねじの螺合によって連結されている。
図2(b)に示すように、前記カバー5cは、前記連結部5aに重合する円板材で形成されており、連結部材5bへの枢支のため一部を切欠いた切欠円板となっている。
【0021】
カバー5cのヒンジ5dは、カバー5cの切欠部中央部に形成されている。ヒンジ5dの下面は直線的な平坦面となっていて、連結部5aの表面に対して垂直に着座できるようになっている。
連結部材5bに備えられている枢支ピン7の頭部は、カバー5cを連結部材5bに重合した状態では、ヒンジ5dの一方のアーム部5d1と他方のアーム部5d2との間に位置される。
【0022】
枢支軸7は、連結部材5bの軸支孔5eに挿入されており、軸支孔5e内に配置されている引き戻し手段8によって、常時、グリップ4側に引き戻されている。枢支軸7を引き戻すための引き戻し手段8には種々のものが想定されるが、この実施形態では、弾性材、例えば、V字形に折り曲げた板ばね8aやこれと同形状のゴム材で構成されており、前記枢支軸7を通すための孔8a,8bが形成されている。
引き戻し手段8は、軸支孔5eの後端側を拡径した拡径部5f内に設置され、枢支軸7の後端部に設けられた抜け止め7aにより離脱が防止される。
【0023】
ヒンジ5dの左右のアーム部5d1,5d2で枢支軸7の頭部を挟み、左右一対アーム部5d1,5d2のピン孔5d3,5d4と枢支軸7のピン孔7aとに連結ピン9を挿入すると連結部材5bに対するカバー5cが連結される。
この状態でカバー5cは、前記枢支軸7のピン孔7aの軸芯線を中心とした前後方向(以下、開閉方向という)と、軸支孔5eの軸心線を中心とした軸回りの2方向の回転が可能となる。
【0024】
また、引き戻し手段8の引き戻し力は、カバー5cの裏面又は表面が連結部材5bの表面に接合している状態で最小、カバー5cのヒンジ5dが連結部材5bの表面に対して垂直となる状態で最大となり、枢支軸7の連結部材5bの表面からの突出量もカバー5cの裏面又は表面が連結部材5bの表面に接合している状態で最小、カバー5cのヒンジ5dが連結部材5bの表面に対して垂直となる状態で最大となる。
【0025】
以下、連結ピン9回りのカバー5cの回転方向をカバー開閉方向、枢支孔5e回りのカバー回転方向をカバー5cの表裏切り替え方向とし、また、カバー5cの裏面が連結部材5bの表面に着座して接合している位置、すなわち、カバー5cの裏面で連結部材5bの表面を覆う位置をツール格納状態、カバー5cを起こしてヒンジ5dの下面である平坦面が連結部材5bの表面に垂直に着座し、カバー5cが垂直に起立した状態をニュートラル状態とすると、カバー5cを起こしてツール格納状態からニュートラル状態に起こして次に時計回り又は半時計回りに180゜回転させ、最後に、カバー5cを開閉方向において引き起し方向と逆方向に倒すと、連結部材5bの表面がカバー5cの表面で覆われ、外部にはカバー5cの裏面が露出する。従って、前記の操作を繰り返すとカバー5cの表裏面が連結部材5cに対して交互に入れ替わる。
【0026】
このため、図3(a),(b)に示すように、カバー5cの裏面に突起部6を取り付け、カバー開閉方向においてカバー5cを倒すことによって突起部6を連結部材5bに収容することができる。なお、図3(a)は、図3(b)のロ−ロ線断面図である。
また、突起部6を収容した状態では、突起部6のないカバー5cの表面が外部に露出することになるので、携帯や取り扱いにおいて、手や腰、他の物との接触を防止することが可能となる。
【0027】
そこで、この実施の形態では、カバー5cの裏面に、車両の窓ガラス等を破砕するための突起部6を圧入により固定すべく窪んだ突起部圧入部5gが形成され、連結部材5bの表面部に突起部6を嵌合すべく窪んだ突起部嵌合部5hが形成される。
突起嵌合部5hと突起部圧入部5gは、前記カバー5cを倒してカバー5cの外縁が連結部材5bの外縁に重合する際に、突起部6が突起部嵌合部5hに嵌合する位置に形成され、突起部嵌合部5hの深さは、突起部6の嵌合状態で突起部6の尖り先の先端が突起部嵌合部5hの底に突き当たることのないように定められる。
【0028】
また、連結部材5bには、ストッパ10が設けられ、ストッパ10に係合するストッパ係止孔11,11がカバー5cに設けられている。ストッパ係止孔11はヒンジ部7の中心を通る仮想線に対して左右対称位置に設けられる。ここで、ストッパ係止孔11,11は、カバー5cを前後方向、すなわち、厚み方向に貫通する貫通孔で構成されている。なお、ストッパ10は、止めねじ10aに代用されるように、連結部材5bの表面から適宜突き出したものであればよいので、リベットや打ち込みピンで形成してよい。
【0029】
次に、図1〜図3を参照して前記警棒1による車両の窓ガラスの破砕手順について説明する。なお、警棒1による破砕は、窓ガラスに限定されるものではなく、壁や、塀、又は板もしくは簡易な鍵のように目的によって相違する。
窓ガラスを粉砕する前は、カバー5cの突起部6が連結部材5bの突起部嵌合部5hに嵌合し、カバー5cのストッパ係合孔11がストッパ10に係合している。引き戻し手段8の引き戻し力が枢支軸7に作用し、枢支軸7が連結ピン9を介してカバー5cをグリップ4側へ引張っているのでカバー5cが浮き上がることはない。このため、ストッパ係止孔11はストッパ10から離脱することはなく、振動に起因してカバー5cがガタ付くことがない。また、この状態では、カバー5cの表面および外周面に突起物はないので、手や腰、他の物との接触による不慮の事故は発生しない。
【0030】
車両事故が発生し、車両の窓ガラスを破砕して乗員を救出する場合は、前記したように、カバー5cの表裏切り替え操作を行う。この操作は、カバー5cを起こし、カバー5cを180゜回転させ、続いて、カバー5cを倒して突起部6を露出させる作業である。なお、この操作は、光量の少ない暗闇の状態でも手探りで行える操作である。
【0031】
カバー5cを裏返し、ストッパ係止孔11がストッパ10に係合すると破砕準備が完了する。
窓ガラスを破砕する際は、グリップ4を手で把持し、この状態でグリップエンドを窓ガラスの破砕箇所に向けて打ちおろす。突起部6は外部に露出しているので窓ガラスに衝突する。突起部6の先端部は尖り先であり、打ち下し荷重が一点に集中するので窓ガラスは瞬時のうちに破砕される。窓ガラスの破砕を完了すると、続いて、車室内乗員の救出作業が行われる。
【0032】
救出作業の完了後は、突起部6が外に出ていると作業の邪魔となるので、カバー5cの表裏切り替え操作を行って内部に格納する。
【0033】
図4は車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示している。なお、前記した実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
ガラスカッタ20は、金属製のカッタ本体20aの先端部に工業用ダイヤモンドのチップ20cを埋め込んだものである。ガラスカッタ20は、カバー5cに凹設された溝状のカッタ収容部5iに収容され、カッタ本体20aの基部がピン21によりカバー5cに枢支される。
【0035】
車両の窓ガラスの破砕の際、カバー5を裏返し前記ガラスカッタ20をカッタ収容部5iから引き起こし、先端部のチップ20cを窓ガラスに接触させて切断ないしは傷を入れると、窓ガラスが切断ないしは切断可能な状態となる。この状態で、ガラスカッタ20をカッタ収容部5iに収容し、警棒1の打ち下しによって突起部6を打ち下すと、破砕量の少ない状態で窓ガラスから切断部分が切り離されるので、より安全な救出活動が可能となる。
【0036】
図5はガラスカッタの他の実施形態を示す。なお、この図は、カバーを裏返しにし、ガラスカッタと突起部とを外部に露出させた状態を示している。同図に示すように、ガラスカッタ22はカッタ本体22aとチップ22bで構成されている。チップ20bはガラスを切断するための工業用ダイヤモンドとで構成されており、カッタ本体22aの先端部に固定されている。カッタ本体22aは、カバー5bの外周縁に圧入等により固定されている。カバー5bの表面からチップ22bの先端までの距離は、前記突起部6の尖り先のそれよりも適宜長さ短くなっている。両者の距離差は、前記警棒1のグリップ4を上向きにして握りグリップ4の前記鍔3側を手前に引いた状態でチップ22cのみを窓ガラスと接触させて切断できるよう窓ガラスとの位置に基づいて決定される。従って、窓ガラスを切断するときには突起部6が窓ガラスに接触することはなく、逆に突起部6で窓ガラスを破砕するときには、チップ22bが窓ガラスに接触することがないのでそれぞれ作業を支障なく進めることができる。
【0037】
図6(a)〜(d)は、前記ガラスカッタにより車両の窓ガラス等を切断する場合のカバー5cの操作手順である。
まず、連結部材からカバー5cを起こし、前記したように平坦なカバーのヒンジ5dの下面を連結部材5bの表面に着座させる(図6(a)→(b))。前記したようにカバーを枢支している枢支軸7は、引き戻し手段8による弾性的な引き戻し力を常時付勢されているので、連結部材5bの表面に対して垂直な状態で起立する。この状態をニュートラル状態としてカバー5cを時計回り又は半時計回りに180゜回転する(図6(c))。最後に、カバー5cをカバーの引き起し方向と逆方向に倒す。この結果、外部にカッタ本体22aと突起部6が外部に露出する(図6(d))。この状態で前記警棒1のグリップ4を上向きにした状態でグリップ4を手で握り、カッタ本体22aの先端部に取付けられているチップ22bを窓ガラスの切断箇所に押し当てながら移動させると窓ガラスが切断可能な状態とすることができなる。ガラスカッタ20による切断ないし切れ目を形成した後は、窓ガラスの切断箇所に臨ませて突起部6打ち付けると窓ガラスの切断部を打ち抜くことができる。なお、この手順で作業を進めると、窓ガラスの破砕量が少ないので、乗員の安全な救出に貢献できる。
【0038】
図7は車両のシートベルトを切断するためのベルトカッタをカバー5cの裏面、すなわち、突起部取り付け側に設けた一実施形態を示し、図7(a)は、図7 (b)のハ−ハ線断面図である。また、図8は、ベルトカッタを示す解説図で、図8(b)は図8(a)のC矢視図である。なお、前記した実施の形態と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
図示されるように、ベルトカッタ30は、V形のカッタであり、前記ガラスカッタ20と同様にカバー5cに凹設された溝状の第二カッタ収容部5jに収容され、カッタ本体5jの基部がピン31によりカバー5cに枢支される。
なお、このベルトカッタ30は、突起部6の打ち付けによる裁断が間に合わない場合、あるいは、ベルトカッタ30の方が作業性がよいと判断される場合に使用される。
【0040】
車両の窓ガラスの破砕の際、前記ベルトカッタ30を第二カッタ収容部5jから引き起こし、ベルトカッタ30の刃32をシートベルト(図示せず)の縁に押し当てて前方に押し出すと、鋏等で切断されにくいシートベルトが短時間のうちに切断される。このためシートベルトに乗員が拘束されている場合でも速やかな開放が可能となる。
【0041】
図9(a)〜(d)は、ベルトカッタの他の実施形態を示す。なお、図9(a)はベルトカッタの一部切欠側面図、図9(b)は図9(a)のA矢視図、図9(c)は図9(a)のB矢視図、図9(d)は図9(b)のd−d線断面図である。
図示されるようにベルトカッタ33は、一枚の金属板にV形の切欠33aを設けてその底部側に切断のための刃33bを形成したものである。切欠33aの先端部側は、シートベルトSBの側部を底部の刃33bに案内するための案内部となっている。なお、案内部にも刃33bを形成することも可能であるが、取り扱い上での怪我などを避けるため採用していない。
【0042】
前記このシートベルトカッタ33は、図7で説明したベルトカッタ30と同様に連結部材の第二カッタ収容部5jに収容され、ピン31によりカバー5cに枢支される。また、ベルトカッタ33の先端部は、安全のため適当な半径で丸められている。
このベルトカッタ33でシートベルトSBを裁断する場合、カバー5bからベルトカッタ33を起こし、ベルトカッタ33の切欠33aをベルトSBの側部に臨ませる。
次に、切欠33aに案内させてベルトカッタ33をシートベルトの横断方向に押し出すと、シートベルトSBが切欠33aの底部側に移動しながら刃33bにより切断される。
【0043】
また、図7に示すように、カバー5cに凹部を設けてこれに発光ダイオード40、電源回路41を主要部とする照明回路42を設け、暗闇での作業の補助ツールとして使用してもよい。
【0044】
なお、図7(b)に示したように、前記した実施の形態において、突起部嵌合部5hを前記軸支孔5eの軸芯を中心とした半径に沿って円弧状に広げてもよいし、円弧状として両端を円周方向において開放してもよい。このようにすると、突起部嵌合部5hに対する突起部6の尖り先の符合範囲位置が拡大されるのでカバー5cの取り扱い作業が容易なものとなる。
【0045】
また、連結部材5bは、ねじによらずピンや圧入によってグリップ4に連結する構造としてもよい。
【0046】
また、枢支軸7をウレタン等のゴムで構成してもよい。このようにすると枢支軸7それ自身が引き戻し手段としての機能をもち板ばね8a等の引き戻し手段を別途組み込む必要がなくなるのでコストダウンに貢献できる。
【0047】
(実施形態2)
請求項2記載の発明はこの実施の形態に対応する。
【0048】
図10は警棒に取り付ける作業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材の構成を示した断面図である。
ツール取付部材50は、固定側分割部材50aと、両端部のそれぞれに固定側分割部材50aに連結可能なねじが形成された連結側分割部材50bとで構成される。
固定側分割部材50aには、例えば、前記突起部6を格納すべく窪んだ筒状の格納部50cが形成され、連結側分割部材の50bの端面には、ツールとしての突起部6を圧入するための窪んだ圧入部50が設けられる。そして、固定側分割部材50aには、前記グリップ4にねじに連結するための連結部50eが設けられる。
従って、この実施形態においても、固定側分割部材50aに突起部6を格納したときは、突起部6が外部に露出することがないので、携帯時などにおいて、手や腰、又は他の物との接触を防止することができる。
【0049】
前記警棒1により、車両の窓ガラスを破砕する際は、固定側分割部材50aから連結側分割部材50bを取り外し、反対側の端部のねじを固定側分割部材50aに螺合して締結する。これにより突起部6が外側に配置されるので、前記した実施形態と同様に車両などの窓ガラスを破砕することができる。
なお、固定側分割部材50aと連結側分割部材50bとは、ねじによらず、磁力により連結する構造としてもよい。
この場合、磁石は、互いに連結する端部同士に形成してもよいが、衝撃をできるだけ減少するため、固定側分割部材50aと連結側分割部材50bとを互いにインロー嵌合する構造とし、インロー嵌合部全体、又はインロー嵌合部の周方向に間隔を隔てて複数の磁極を形成し、極性の異なる磁極相互間の磁力により連結する構造としてもよい。
【0050】
また、図11に示すように、他の連結構造としては、固定側分割部材50aに対してばね材よりなる筒状のホールド部材61を設け、ホールド部材61の絞られた入口61aに連結側分割部材62の両端部に設けられた鍔状の係止部62aを押し込んで係合することにより両者が連結される構造としてもよい。
【0051】
さらに、図12に示すように、連結側分割部材65の両端面に係止ピン66,66…を突出形成し、相手方となる固定側分割部材50aに係止ピン66,66…を係合させて係止する係止部67,67…を設けてもよい。この場合、係止ピン66,66…は、突起物として手や物を傷付けることがないようにできるだけ小さく又角がないように丸みを付けて形成されるが、図10に示すように、係止部67,67…を連結側分割部材69に形成し、固定側分割部材50aに、係止ピン66,66…を突出形成することによって、その虞を排除するようにしてもよい。
【0052】
また、図7に示したように、連結側分割部材50bに対して、ガラスカッタ20、ベルトカッタ30、照明回路42を設け、作業が円滑に進められるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態に係る警棒の構成図である。
【図2】請求項2に係る発明の実施形態に係るツール取付部材の構造とグリップへの取付け構造を示し、図2(a)は図2(b)のイ−イ線断面図である。
【図3】本発明に係るルールの一例としての突起部の構造を示し、図3(a)は、図3(b)のロ−ロ線断面図である。
【図4】車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示車両の窓ガラスを切断するためのガラスカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示し、図4(a)は、図4(b)ニ−ニ線断面図である。
【図5】ガラスカッタの他の実施形態を示す解説図である。
【図6】図6(a)〜(d)は、ガラスカッタにより車両の窓ガラス等を切断する場合のカバー5cの操作手順を示す解説図である。
【図7】車両のシートベルトを切断するためのカッタをカバーの裏面に取り付けた一実施の形態を示し、図5(a)は、図5(b)のハ−ハ線断面図である。
【図8】シートベルトカッタの構造を示す概略図である。
【図9】ベルトカッタの他の実施形態を示し、図9(a)はベルトカッタの一部切欠側面図、図9(b)は図8(a)のA矢視図、図9(c)は図9(a)のB矢視図、図9(d)は図9(b)のホ−ホ線断面図である。
【図10】請求項2に係る発明の実施の形態を示す断面図である。
【図11】他の連結構造としてホルダ部材によって連結する連結構造を示す断面図である。
【図12】同じく、連結構造としての係止構造を示す断面図である。
【図13】同じく、他の係止構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 警棒
4 グリップ
5b 連結部材
5c カバー
5d ヒンジ
5g 突起部嵌合部(ツール嵌合部)
6 突起部
7 枢支軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業用棒状体のグリップに連結するフランジ状の連結部材と、該連結部材の接続面に重合するカバーであってそのヒンジが枢支軸を介して連結部材に折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバーと、前記カバーの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材に凹設されたツール嵌合部とを備えたことを特徴とするツール取付部材。
【請求項2】
作業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材であって、前記ツール取付部材が固定側分割部材とこれに両端部がそれぞれ連結可能な連結側分割部材とで構成され、固定側分割部材にはグリップに連結する連結部と作業用のツールを格納する格納部が形成され、前記連結側分割部材の端面には、前記格納部に収容する少なくとも一以上のツールが取り付けられたことを特徴とするツール取付部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のツール取付部材において、一のツールに対して他のツールが作業を補助するためのツールであることを特徴するツール取付部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のツール取付部材において、ツールが破砕用突起部、押切カッタ、ガラスカッタ、または照明回路のいずれか1以上のツールであることを特徴するツール取付部材。
【請求項5】
請求項1に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項6】
請求項2に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項7】
請求項3に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項8】
請求項4に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項1】
作業用棒状体のグリップに連結するフランジ状の連結部材と、該連結部材の接続面に重合するカバーであってそのヒンジが枢支軸を介して連結部材に折り畳み自在に且つ回転自在に枢支されるカバーと、前記カバーの裏面に少なくとも1以上の取り付けられた作業用のツールと、前記ツールを嵌合すべく前記連結部材に凹設されたツール嵌合部とを備えたことを特徴とするツール取付部材。
【請求項2】
作業用棒状体のグリップに連結するツール取付部材であって、前記ツール取付部材が固定側分割部材とこれに両端部がそれぞれ連結可能な連結側分割部材とで構成され、固定側分割部材にはグリップに連結する連結部と作業用のツールを格納する格納部が形成され、前記連結側分割部材の端面には、前記格納部に収容する少なくとも一以上のツールが取り付けられたことを特徴とするツール取付部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のツール取付部材において、一のツールに対して他のツールが作業を補助するためのツールであることを特徴するツール取付部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のツール取付部材において、ツールが破砕用突起部、押切カッタ、ガラスカッタ、または照明回路のいずれか1以上のツールであることを特徴するツール取付部材。
【請求項5】
請求項1に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項6】
請求項2に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項7】
請求項3に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【請求項8】
請求項4に記載のツール取付部材を有することを特徴とする作業用棒状体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−46760(P2006−46760A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226879(P2004−226879)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(594148357)株式会社武田商店 (4)
【出願人】(391005248)三力工業株式会社 (5)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(594148357)株式会社武田商店 (4)
【出願人】(391005248)三力工業株式会社 (5)
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