ティシュペーパー製品の製造方法
【課題】水系薬液塗布タイプのティシュペーパー製品を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
クレープ紙からなる連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断し、その裁断後のシートをロール上に保持した状態で、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布することにより解決される。
【解決手段】
クレープ紙からなる連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断し、その裁断後のシートをロール上に保持した状態で、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布することにより解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパー製品の製造方法、特に水系薬液が付与されたティシュペーパーが収納箱に収納されたティシュペーパー製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパー製品を構成するティシュペーパー束を形成する折り畳み加工機はマルチスタンド式インターフォルダとロータリー式インターフォルダに大別される。
【0003】
マルチスタンド式は加工能力が高く、汎用品などの大量生産に向いており、ロータリー式は比較的小型で、原紙の切り替えが容易であるとともに、シートの折り揃いなど折り品質が良いことから、小ロットの高付加価値商品の生産に向いている。
【0004】
このため、近年消費量が増加している高付加価値商品であるローションティシューを生産するには、折り品質のよいロータリー式インターフォルダが用いられている。
【0005】
かかるロータリー式インターフォルダは、80〜100m/分程度で運転されており、ローションティシューを生産するにあたっては、二次原反シートにポリオールを主成分とする水系薬液をグラビア方式やフレキソ方式でオンライン塗布し、或いはこれらの印刷方式で塗布した原反を用いて折り畳み加工をしている。
【0006】
しかし、最近では150〜300m/分の速度で加工が可能なタイプの高速化ロータリー式インターフォルダが市場に供されはじめている。
【0007】
この高速化ロータリー式インターフォルダは、普及している旧来ロータリー式インターフォルダと比較し、図19に示されるように、連続シートをカットするロール、搬送のためのロール、折りのためのロール等多数のロールが配され、シートランの長い複雑な構造をしている。
【0008】
この高速化ロータリー式インターフォルダX5のより具体的な特徴は下記(1)〜(4)のとおりである。
(1)前段のナイフロール611及びベッドロール610で連続シートS’がカットされる時点及びそれ以降の後段のロール620、630のそれぞれで、裁断されたシートS”が各ロール表面に形成されたバキューム孔678、679を介して吸引により各ロール表面に保持されるように構成されており、連続シートS’の裁断時にシートテンションの変動が少なく、また変動があっても、そのテンション変動が後段のシート搬送に与える影響がなく、さらに折り工程ではその影響がない。
(2)各ロールの駆動が全てサーボモータにより行なわれ、ナイフロール611のカット時における各ロールの加減速をシートの伸びやすさや引張強度などの要素に応じて適宜変更することが可能となっている。
(3)ナイフロール611の受けロールにプレッシャーロール612を設置しており、ナイフロール611で連続シートS’がカットされる際に、サーボモータによりプレッシャーロール611と連続シートS’を保持するプルロール613との周速差を的確に調整することが可能であり、上記(1)のバキューム孔との併用によってシートテンションが的確にコントロールされており、シート裁断時の連続シートS’の引き戻しがない。
(4)ニップ時間の長い中間ロール620にバキューム源(図示されない)を二つ有し、その一つが裁断されたシートS”の前後端部の吸引を担い、もう一つが裁断されたシートS”の前後端部の中間の吸引を担うように構成され、さらに直径5mm程度のバキュームポートが、CD方向(裁断されたシートS”の幅方向、つまりロールの軸心方向)に3〜10個/230mm程度密に配置されており、遠心力や回転による風でシートの位置ずれが生じない。
【0009】
<改良ロータリー式インターフォルダにおける問題点(課題)>
ポリオールを主成分とする水系薬液を塗布し、ロータリー式インターフォルダで折り畳み加工する場合、水系薬液を塗布されたシートの水分増加や吸湿により操業に大きな影響を与える。
【0010】
旧来の低速なロータリー式インターフォルダでは問題ないが、高速加工をするにあたっては、旧来の単なるオンライン塗布ではカット寸法不良、折り不良が発生する。
【0011】
これは、高速化インターフォルダではMD方向のシートのテンションが旧来低速なインターフォルダよりも高くなることが一要因である。
【0012】
すなわち、ポリオールを主成分とする水系薬液では水分を含み、塗布されたシートの吸湿性が高まるため、シートの水分率が高くなる。そのため非塗布シートと比べ伸び易く、シートの剛性が低下し、強度が低下する。この状態でインターフォルダ内へ供給されると、旧来の低速な加工速度の場合には問題がないが、高速加工する場合にはシートのテンションが高いためMD方向への伸びが大きく、これに起因してカット時のテンション変動も大きく、上述の高速化の特徴をもってしても、カット寸法不良、折り不良が発生してしまう。
【0013】
また、カット時のMD方向の寸法のシート戻りが短いため、つまりシートが伸びきったままとなるため、シートが不均一にたるんだ(波打つ)り、しわが入った状態でロール表面を搬送されるおそれも高まる。また、高速化ロータリー式インターフォルダでは、上述のとおりシートのバキューム保持に特徴を有するが、ローションを塗布したシートでは、その伸びに起因してシートが不均一にたるんだ(波打つ)り、しわが入った状態となり、平面的にバキュームポートによる吸引保持力に差が生じ、シートがずれたり、進行方向に対し斜めに走行するおそれが高まる。そして、これによる折り畳み時の折り不良も発生しやすくなる。
【0014】
他方、高速化ロータリー式インターフォルダにて、水系薬液を塗布する別の問題として、ティシュペーパーの原紙たるシートは親水性のパルプ繊維からなり、かかる高速化ロータリー式インターフォルダにて、水系薬液を塗布したシートを加工するとなると、上記高速化ロータリー式インターフォルダは、シートにかかるテンションが高いゆえにシートがMD方向に引張られてクレープが伸ばされ、その状態で戻りなく、複数のロールでニップされることになるので、厚みのない製品となってしまう。ローションティシューは高付加価値商品であるために、厚みは重要な品質であるが、高速化ロータリー式インターフォルダでは厚みを発現することが極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2008−245780号公報
【特許文献2】特開2003−325372号公報
【特許文献3】特開2004−322034号公報
【特許文献4】特表2008−525103号公報
【特許文献5】特開2008−264564号公報
【特許文献6】米国特許4052048号公報(特公昭55−1215号公報)
【特許文献7】特開2006−240750号公報
【特許文献8】特開昭61−37668号公報
【特許文献9】特開平5−124770号公報
【特許文献10】特開2008−183411号公報
【特許文献11】米国特許US 7452321B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで、本発明の課題は、水系薬液に適した高速に運転可能なロータリー式インターフォルダの構成と、水系薬液を用いた水系薬液塗布タイプのティシュペーパー製品を効率よく高い生産性で製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための手段及びそれらの作用効果は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
ロータリー式インターフォルダを用いてティシュペーパー製品を製造する方法であって、
クレープ紙からなる連続シートを搬送する工程と、
搬送された連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断工程と、
前記裁断後のロール上に保持されたシートに対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する水系薬液塗布工程と、
前記水系薬液が塗布されたシートを折り畳む工程とを有する
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【0018】
〔請求項2記載の発明〕
前記裁断後のロール上に保持されたシートの一方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートの両外面を入れ替えて後段のロールへ受け渡し、
その両外面を入れ替えされた状態で前記後段のロール上に保持されたシートの他方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布することにより裁断後のシートの両面に水系薬液を塗布する、
請求項1記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0019】
〔請求項3記載の発明〕
前記非接触式塗布方法は、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法である請求項1又は2記載のティシュペーパーの製造方法。
【0020】
〔請求項4記載の発明〕
前記水系薬液は、ポリオールを主成分とし、水分を1〜15質量%含む請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【0021】
〔請求項5記載の発明〕
前記水系薬液は、粘度が1〜700mPa・sである請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
水系薬液を連続シートに塗布した後に裁断するのではなく、裁断後のシートに水系薬液を塗布するので、裁断時のテンション変動を考慮する必要がなくなり、もって裁断不良が発生することがない。
【0023】
また、折り畳み機構部のロール上で水系薬液を塗布するので、水系薬液塗布から折り畳み工程までの時間が短くなり、シートの剛性低下による折り不良の発生のおそれが格段に小さくなる。
【0024】
さらに、上記の裁断後の水系薬液塗布と折り工程までの時間短縮により、シートの紙厚が損なわれずウエブ嵩が出やすく、厚み感のある高級感のあるティシュペーパー製品とすることができる。
【0025】
また、非接触式で必要な箇所に必要量の水系薬液を塗布することが可能であるため、シート先端のリード部に当たる部分の塗布量を相対的に少なくするなどして、裁断後のシートをロール上で走行させる際に水系薬液がロールに塗布されたり付着したりするおそれが格段に小さくすることができ、もって、ロール汚れが少なく、また、水系薬液の歩留も高い。
【0026】
さらに、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法は、非接触式塗布方法のなかでも、シート平面に対し飛翔粒子により均一に水系薬液を塗布することができ、これによりシートが波打ちなどのおそれが格段に小さくなり、皺のない見栄のよいティシュペーパー製品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかるティシュペーパー製品の斜視図である。
【図2】本発明にかかるティシュペーパー製品の使用状態の斜視図である。
【図3】そのIII- III断面図である。
【図4】一次原反ロールの製造設備及び製造方法を示す概略図である。
【図5】二次原反ロールの製造設備及び製造方法を示す概略図である。
【図6】本発明にかかるロータリー式インターフォルダの設備例の概略図である。
【図7】本発明にかかる折り畳み機構部例1を示す図である。
【図8】本発明にかかる折り畳み機構部例1を示す他の図である。
【図9】本発明にかかる折り畳み機構部例2を示す図である。
【図10】本発明にかかる折り畳み機構部例3を示す図である。
【図11】本発明にかかるシートの両面に水系薬液を塗布する場合を説明するための図である。
【図12】インクジェット印刷機の要部拡大図である。
【図13】インクジェット印刷機のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図14】スプレー塗布装置の示す概略図である。
【図15】スプレー塗布装置を示す概略図である。
【図16】ローダーダンプニング塗布装置を示す概略図である。
【図17】ローダーダンプニング塗布装置を示す他の概略図である。
【図18】収納工程の説明図である。
【図19】従来の高速化ロータリー式インターフォルダの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説する。
『ティシュペーパー製品』
図1〜3に、本発明にかかるティシュペーパー製品X1を例示する。本発明にかかるティシュペーパー製品X1は、複数枚のティシュペーパー1が、折り畳まれ重層されてなるティシュペーパーの束10が、上面2Uに取出口又は取出口形成部21が形成された収納箱2に収納され、使用時に当該取出口からティシュペーパー1の一組を取り出すと、隣接して積層されている下層の一組の一部が取出口から露出されるように構成されたものである。ここでいう一組とは、ティシュペーパーのカットシート単位をいい、単層もしくは複層のクレープ紙からなる。
【0029】
[収納箱]
ティシュペーパー1の束10が収納される収納箱2は、カートン箱とも呼ばれる直六面体形状の箱体である。この収納箱2は、製品外観をなすものであり、ティシュペーパー製品X1を示す図1及び図2にも示されているとおり、上面20Uに取出口形成部21である環状のミシン目線21を有する紙箱20と、前記ミシン目線21により囲まれる範囲21aを紙箱内側から覆う樹脂製フィルム22とを有する。
【0030】
紙箱20は、収納箱の外郭をなす紙製の箱体であり、その大きさ、形状、展開形状等は既知の収納箱の紙箱の構成が採用される。
その形状としては、図示例の一対の平行な長手縁20L,20Lとこれらよりも短い一対の平行な短手縁20S,20Sとで構成される長方形の上面2Uを有する直六面体形状が例示でき、その構造としては、上面2U、底面(図示されず)及びこれらを連接する側面2Sと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uとを有し、前記側面端面片23Sを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片23Uと底面側端面片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して構成される構造が例示できる。
【0031】
収納箱2の大きさは、ティシュペーパー1の束10より若干大きく、概ね束10の外形よりも1〜20mm程度大きい内形とされる。一般的な収納箱2の大きさを例示すると、概ね長手縁が110〜320mm、短手縁が70〜200mm、高さが40〜150mm程度である。少なくとも本発明においてもこの大きさの収納箱1が採用できる。
【0032】
紙箱20の素材としては、例えば、バージンパルプ、古紙パルプ等の各種のパルプを主原料とする既知の紙素材が採用できる。好適には、紙箱の素材は、坪量250〜500g/m2、好適には350〜400g/m2のコートボール紙である。
【0033】
なお、紙箱は、図示はしないが、花柄、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
【0034】
他方、紙箱20の上面2Uに形成されるミシン目線21は環状をなし、既知の方法及びカットタイ比で形成され、これにより囲まれる範囲の具体的形状については必ずしも限定されない。ただし、収納箱2においては、図示例の如く、紙箱上面の長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状又は矩形が代表的であり、取出し性、利便性が高いことから、本発明においても多くの既存の製造ラインで製造可能なこの形状が好適である。
【0035】
他方、前記樹脂製フィルム22は、前記ミシン目線により囲まれる範囲のサイズより大きく、例えば、矩形や楕円形であり、紙箱上面の内面側において、特に環状ミシン目線21の切り剥がしに影響がないように、環状ミシン目線21の外側で接着されている。この樹脂性フィルム22の好適な素材は、ポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
【0036】
樹脂製フィルム22の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパー1の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
【0037】
他方、この樹脂製フィルム22には、スリット24が形成されており、このスリット24はミシン目線21により囲まれる範囲に位置されている。
【0038】
従って、図1及び2に示されるとおり、前記環状ミシン目線に沿ってそのミシン目線21により囲まれる範囲21aを切り剥がすことにより、紙箱上面2Uに取り出口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム22及びそれに形成されたスリット24が取出口25を介して露出される。なお、前記スリット24の長さは、適宜の長さとすることができ、既知の環状ミシン目線21との大きさの関係で適するとされる長さが採用できる。
【0039】
収納箱2に束として収納されているティシュペーパー1は、前記スリット24を介して取出口25から一枚ずつ取り出される。そして、当該スリット24によって、取出口25から露出されるティシュペーパーの一部が支持されてカートン箱内部に落ち込むことが防止されるようになっている。
【0040】
[ティシュペーパー束の基本構成]
本発明のティシュペーパー1の束10は、ティシュペーパー1が折り畳まれ、積層されてなるものである。より具体的な例は、図3からも理解されるように、方形のティシュペーパー1が実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁1eが上下に隣接するティシュペーパーの折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重なり合いつつ積層されている。なお、ここで実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
【0041】
本積層構造のティシュペーパー1の束10は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。そして、かかる構造のティシュペーパー1の束10は、その最上面が上述の上面2Uに取出口25等を有する収納箱2の当該上面に向かいあって収納され、前記取出口25、特にスリット24から最初の一組(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一組の一部が露出される。なお、本発明のおけるティシュペーパー1の積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120〜240組である。
【0042】
『ティシュペーパー製品の製造方法』
次に、上記ティシュペーパー製品X1の本発明にかかる特徴的な製造方法について説明する。
[抄紙工程〔一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕]
本発明にかかる連続シートの製造方法について説明する。
まず、図4に示す抄紙設備例X2により、一次原反ロールJR(ジャンボロールとも称される)を以下のようにして製造する。
【0043】
ヘッドボックス31からパルプスラリーに適宜の薬品を添加して予め調整した紙料をワイヤーパート32のワイヤ32w上に供給して湿紙Wを形成し(フォーミング工程)、次にこの湿紙Wをプレスパート33のフェルト34に移送したにのち対をなす脱水ロール34,35によって挟持して脱水する(脱水工程)。
【0044】
次いで、脱水された湿紙をヤンキードライヤー36の表面に付着させて乾燥させた後にドクターブレード37によって掻き剥がしてクレープを有する乾燥原紙S1(後述の一次連続シートに相当)とする(乾燥工程)。
【0045】
そして、この乾燥原紙S1をワインディングドラム39を有する巻取り手段38によって、前記乾燥原紙S1の裏面が一次原反ロールJRの軸側に対向するようして(巻き取り内面となるようにして)巻き取り、一次原反ロールJRとする(一次原反巻取り工程)。
【0046】
この一次原反ロールJRは、抄紙設備X2の性能によっても相違するが、概ね直径が1000〜5000mm、長さ(幅)が1500〜9200mm、巻き長さが5000〜80000mである。
【0047】
なお、一次原反巻き取り工程の前段にドクターブレード37により掻き剥がした乾燥原紙S1に対してカレンダー工程(図示せず)を設け表裏面の平滑化処理をしてもよい。
【0048】
ここで、乾燥原紙S1の裏面とは、ヤンキードライヤー36のシリンダと接していた面の反対側の面のことを意味する。なお、カレンダー工程の有無にもよるが一般には鏡面のヤンキードライヤーに接していた表面のほうが滑らかで表面性に優れる。
【0049】
ここで、一次原反ロールJRを構成する一次連続シートS1は、後にティシュペーパー1に加工されるものであり、最終製品を構成するティシュペーパー1の薬液塗布前の原紙坪量と同等の坪量(後に積層する場合には1/積層数の坪量)となる。従って、これを考慮して一次原反シートS1は具体的にはJIS P 8124による坪量が、10〜25g/m2、好ましくは12〜20g/m2、より好ましくは13〜16g/m2とする。坪量が10g/m2未満であると、ティシュペーパー1の柔らかさの点においては好ましいが、適正な強度を確保することができなくなる。他方、坪量が25g/m2を超えると、ティシュペーパー1が硬くなりすぎて、肌触りが悪化する。また、紙厚(尾崎製作所製ピーコックにより測定)は80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmとするのが望ましい。
【0050】
紙厚の測定方法としては、JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
【0051】
また、一次連続シートS1は、クレープ率が10〜30%、好ましくは12〜25%、より好ましくは13〜20%である。クレープ率は次のように定義する。
クレープ率:((製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速))/(製紙時のドライヤーの周速)×100。
【0052】
クレープ率が10%未満であると、後段の加工時に断紙しやすいとともに伸びの少ないコシのないティシュペーパー1となる。他方、クレープ率が30%超過であると、加工時のシートの張力コントロールが難しく断紙しやすくなり、また、製造後にはシワが発生して見栄えの悪いティシュペーパー1となりやすくなる。すなわち本発明のロータリー式インターフォルダにおける折り畳みを困難ならしめる。
【0053】
また、一次連続シートS1は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmとされ、他方、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmとされる。原紙の乾燥引張強度が低すぎると、製造時及び使用時の断紙や伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
【0054】
これらの紙力は公知の方法により調整でき、例えば、乾燥紙力増強剤を紙料或いは湿紙に内添する、紙料のフリーネスを低下(例えば30〜40ml程度低下)させる、原料パルプのNBKP配合率を増加(例えば50%以上に)する等の既知の手法を適宜組み合わせることができる。
【0055】
なお、乾燥紙力剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等を用いることができる。
【0056】
湿潤紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で5〜20kg/t程度とすることができる。また、乾燥紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で0.5〜1.0kg/t程度とすることができる。
【0057】
(紙料)
ここで、一次原反ロール(一次連続シート)の原料となる紙料について説明すると、紙料は繊維原料としてパルプを主原料とするスラリー(パルプスラリー)に適宜の薬品を添加したものである。
【0058】
本発明においては、原料パルプは特に限定されず、この種のティシュペーパーに用いられる適宜の原料パルプを選択して使用することができる。具体例としては、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドウッドパルプ(SGP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチドケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0059】
なかでも原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。水系薬液との相性がよく、塗布後に折り畳む本発明の製造方法において望ましく、また得られるティシュペーパーの風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。また、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、その配合量はティシューが硬くならない程度に抑えておく必要がある。
【0060】
紙料に添加する薬品例としては、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、剥離剤、接着剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、粘剤、消泡剤、防腐剤、スライムコントロール剤、染料、などが挙げられる、なお、これらの薬品は、適宜の工程で湿紙に付与してもよい。
【0061】
[プライ工程〔二次原反ロールの製造方法及び製造設備〕]
抄紙設備で製造された一次原反ロールJRは、必要に応じて、図5に示す二次原反ロールの製造設備X3(以下、プライマシンX3ともいう)に移送しプライ加工(連続シートの積層加工)を行なう。なお、単層(1プライ)のティシュペーパーとする場合には、このプライ加工を省略できる。
【0062】
プライマシンX3は、一次原反ロールJRを2つ以上セット可能であり、各一次原反ロールJR,JRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)は、その連続方向に沿って積層して積層連続シートとする重ね合わせ部51に供給されるように構成されている。
【0063】
ここで、図示例では、各一次原反ロールJR,JRから繰り出される一次連続シートS11,S12の表面が、それぞれ積層連続シートS2の表面となるようして重ね合わせ部51に供給されるようになっている。なお、ここでの積層連続シートS2の「表面」とは積層外面を意味する。一次連続シートS11,S12の裏面がそれぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成してもよいし、一次連続シートS11,S12のどちらか一方の裏面が積層連続シートS2の表面となり、他方の表面が積層連続シートS2の表面となるようしてもよいが、一次原反シートS11,S12の表面は、乾燥時にヤンキードライヤーの表面に接していることから裏面と比較して毛羽立ちが少なく滑らかで肌触りが良いので、一次連続シート(乾燥原紙S1)の表面が積層連続シートS2の両外面を構成するようにするのが望ましい。
【0064】
プライマシンX3は、重ね合わせ部51の後段に、積層連続シートS2を巻取って二次原反ロールRとするための巻取り手段56が設けられている。この巻取り手段56は、積層連続シートS2を巻き取り手段56に案内しつつ巻取るための一対のワインディングドラムを有している。これら2つのワインディングドラム56A,56Aが二次原反ロールRの外周面に接して積層連続シートS2を案内しつつ巻き取りを補助する。
【0065】
ここで、プライマシンX3においては巻き取り部56の前段にスリット手段55を設けて、積層連続シートS2を連続方向にスリットして、後段のロータリー式インターフォルダの加工幅に合わせて適宜の幅とした後に巻き取ることで二次原反ロールRの幅を適宜調整することが可能である。例えば、積層連続シートS2の連続方向側縁部をカットするようにスリットして、ロータリー式インターフォルダで加工するティシュースリット幅の複数倍に40〜100mm程度のトリム幅を加えた適宜の幅に調整することができる。
【0066】
本発明の二次原反ロールRの幅は、ロータリー式インターフォルダを構成するロール幅、すなわち処理可能な幅に応じて適宜の幅とすることができる。一般的には、ティシュペーパーの幅(150〜250mm)と生産性などから800〜4600mmである。従って、この範囲となるようにスリットすることができる。ロータリー式インターフォルダでは、オンラインでナイフロールの後でトリム工程を有することができるので、ここでスリット等を必ずしも行なう必要はなく、理想的には一次原反ロールJRの幅と実質的に同幅の二次原反ロールRを製造し、そのままインターフォルダの原反ロール支持部にセットするのが操作、設備が簡易となるから望ましい。従って、スリットなどは行なわないほうが望ましい態様である。一次原反ロールJRの幅が過度に大きい場合など、インターフォルダの二次原反ロール支持部との関係で必要となる場合にのみスリット工程を設ければよい。
【0067】
なお、本実施形態に係る二次原反ロールRの製造設備X3又は製造方法においては、加工速度は350〜1100m/分、好ましくは700〜1050m/分、より好ましくは900〜1000m/分とするのがよい。350m/分未満だと十分な生産性とは言えず本願発明の効果である薬液塗布タイプのティシュペーパーを製造するという効果が得られがたくなる。他方、1100m/分超過であると安定的に生産するのが困難となる。
【0068】
(カレンダー加工)
他方、プライマシンX3においては、重ね合わせ部51から巻き取り部56までの間にカレンダー部52を,52一つ以上設けて積層連続シートS2をカレンダー加工することができる。
【0069】
カレンダー部52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーのことである。
【0070】
カレンダー部の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、一つであるとスペースが狭くとも設置可能であるという利点を有する。
【0071】
二つ以上のカレンダー部を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置することができる。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直行する断面の円弧の一部)の角度を意味する(以下同じ)。
【0072】
カレンダー加工におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるティシュペーパーの品質すなわち紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
【0073】
[折り畳み工程〔ティシュペーパー束の製造方法及び製造設備〕]
上記プライマシンX3にて製造された二次原反ロールRは、図6に示すように示すように、ロータリー式インターフォルダX4の原反ロール支持部80に回動自在に取付けられる。以下、連続シートが積層された二次連増シートS2を巻取った二次原反ロールRから繰り出した二次連続シートS3を加工する例を主として説明するが、本発明においては上述のようにプライ加工を省略して一次原反ロールJRをそのまま原反ロール支持部80に取付けて一次連続シートS1を加工することもできる。
【0074】
このロータリー式インターフォルダX4においては、前記原反ロール支持部80に取付けられた二次原反ロールRから二次連続シートS3を巻きだし、折り畳み機構部85にて、水系薬液を塗布し折り畳みを行ないティシュペーパー束10を形成する。
【0075】
(ロータリー式インターフォルダの構成等について)
ここで、本発明はロータリー式インターフォルダX4を高速に運転した際に顕著に効果を奏する構成である。もっとも低速なロータリー式インターフォルダにおいても、塗布品質に優れた高品位な水系薬液塗布タイプのティシュペーパー製品が製造される。
【0076】
ここで、本発明にいう高速とは、少なくとも150m/分以上の速度で連続シートが搬送されることを意味する。ティシュペーパー製品の生産性と本発明の効果との関係で定めれば、より好ましくは250m/分以上、もっとも好ましくは280m/分以上である。150m/分以上とすることで生産性の面でのアドバンテージがある。但し、300m/分を超えると水系薬液塗布されたシートを安定して折り畳むことが難しくなる。
【0077】
本発明は150m/分以上の速度で運転するロータリー式インターフォルダX4において、顕著な効果を奏するのであり、その高速化達成技術については限定されるものではないが、本発明者らは、本発明の効果を顕著ならしめるロータリー式インターフォルダX4の高速化技術として折り畳み機構部85の構成についても知見したので、かかる構成の高速化ロータリー式インターフォルダについても説明する。下記に本発明において好適に採用できる高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1〜6を説明する。
【0078】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1》
本発明にかかるロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1を図7及び8を参照しながら説明する。
【0079】
この機構部例1は、ベッドロール71、ナイフロール72、ラップロール73、フォールディングロール75、プレッシャーロール76の各ロールを一対具備し、さらに好ましく テールロール74を具備する(図においてフォールディングロール以外のロールについては一方のみを図示し、他方は省略する)。
【0080】
また、各ロールはサーボモータにより駆動され、各サーボモータの回転速度、周速を各々電子制御により調整して、シートの張力等に合わせ周速を調整可能となっている。これによりロール間でのシートの受け渡しのタイミングを一定に保つことが可能となっている。
【0081】
前記ベッドロール71は、二次連続シートS3を、二次連続シートS3の先端部を爪等で把持したまま、或いは二次連続シートS3の先端部を、バキューム孔78を介して自身の中心方向に吸引するバキューム機能によって(図示例はバキューム機能による)ロール表面に保持しつつ搬送し、後段のロールへと受け渡すものである。
【0082】
ナイフロール72は、表面にカッター刃72Cを具備し、前記ベッドロール71と対をなして回転して、そのカッター刃72Cを適当間隔でベッドロール71上を搬送されてくる二次連続シートS3に接触させて、二次連続シートS3をシート幅方向に裁断する。この裁断間隔は、ティシュペーパー製品の幅(長さ)である。ベッドロール71上を搬送されてくる二次連続シートS3はこのナイフロール72のカッター刃72Cとの接触によって上流の二次連続シートS3から切り離される。
【0083】
裁断されたシートS4は、ベッドロール71上に保持されつつ搬送され、両外面同士が入れ替わり後段のラップロール73に受け渡される。受け渡しは、例えば、ベッドロール72とラップロール73との近接時にベッドロール72のバキュームを停止し、ラップロール73において自身の内部方向への吸引が開始される技術等が例示できる。もちろん、ロータリー式インターフォルダで採用可能なロールからロールへの既知の受け渡し技術も採用できる。
【0084】
プレッシャーロール76は、カット時に、ベッドロールとともにベッドロール上に保持される二次連続シートSの先端部を挟持するものであり、このプレッシャーロール76の存在によりベッドロール71における吸引能力を上げつつシートをカットしてもシートがばたつかず、二次連続シートS3が順次前端から後端にむかってベッドロール71上に吸引され確実に保持されるようになる。また、プレッシャーロール76とベッドロール71とによって二次連続シートの先端部が挟持された状態でナイフロール72によるカットが行なわれるため、カット時のシートが後方(原反ロール方向)に引っ張られることが防止されるとともに張力変動を効果的に吸収でき、カット時におけるシートのばたつきも防止される。
【0085】
ラップロール73は、ベッドロール72から受け渡された裁断されたシートS4を表面に保持しつつ搬送し、その搬送されるシートS4の回転方向前縁部を、ラップロール73より減速して回転する対応するフォールディングロール75に移行させるものである。この受け渡しは所定位置においてシートの回転方向前縁部のバキュームの停止、或いは気体の噴射、機械的なシート把持機構などの既知の技術が採用される。
【0086】
図示例のラップロール73は、シートS4の回転方向前縁部、回転方向後縁部とこれらの間の2点以上を保持するようにバキューム孔710,710が形成されており、シートS4を確実にラップロール73上の保持することが可能となっている。
【0087】
なお、図には表れないがロータリー式インターフォルダのロールにおけるバキューム孔は周知のとおりロールの軸心方向に沿って、その表面に点在的に配置されるものであり、本発明及び本明細書におけるバキューム孔もそのように構成されている。したがって、回転方向前端部、回転方向後端部とこれらの間の2点以上を保持するようにバキューム孔が形成されているとは、シートの回転方向前端部等を保持する各位置に、ロールの軸心方向に沿ってバキューム孔が複数配されていることを意味する。この孔の数は適宜の設計事項である。
【0088】
必要に応じて具備されるテールロール74は、ラップロール73に近設され、ラップロール73及び後段のフォールディングロール75より小径である。テールロール74は、ラップロール73から前記回転方向前縁部がフォールディングロール75に移行されたシートの回転方向後縁部(テール)が移行され、当該シートの回転方向後縁部を自身の表面に保持する。保持機構は上述のベッドロール等と同様である。
【0089】
上述のラップロール73とフォールディングロールか75の回転速度の差と、シートS4の回転方向前縁部をフォールディングロールに移行した後、回転方向後縁部(テール)をテールロールに移行させることにより、ラップロール73、テールロール74及びフォールディングロール75によってシートS4にたるみ部(バブルとも称される)Stを一次的に形成する。
【0090】
また、ラップロール73からフォールディングロール75へのシートS4の回転方向先端側部分の移行は、先のシートの回転方向後縁部がラップロール73からたるみ部を形成しつつテールロール74上に移行されている際に行なわれる。
【0091】
そして、先のシートの回転方向後縁部がテールロール74からフォールディングロール75上に移行される際には、その部位には後のシートの回転方向前縁部が存在している。
【0092】
従って、テールロール74からフォールディングロール75に完全にシートが移行されると、フォールディングロール75上では、先のシートの回転方向後縁部の下方(フォールディングロール側)に、後のシートの回転方向前縁部が位置して重なり合った(ラップされた)状態となる。
【0093】
フォールディングロール75は、一部が重なりあったシート群を折畳むものである。一対のフォールディングロール75,75は互いに近接され、同様に対となるフォールディングロール上を移行してくる一部が重なりあいつつ送られてくるシート群とを自身のシート群とを重ね合わせ、その重ね合わせ部で各シートの縁部を相互に押し合う(引き合う)ようにしてシート群を折り畳む。
【0094】
このように本発明にかかる高速化ロータリー式インターフォルダは、シートを裁断するナイフロール72及びベッドロール71とラップロール73とを分離することで、ラップロール73におけるバキューム能力の向上させることができ、さらに各ロールをサーボによって個別にその速度を管理することで高速化が達成されている。
【0095】
その上、ラップロール73、フォールディングロール75及びテールロール74によりたるみ部を一時的に形成することで、先のシートと後のシートの一部を重ね合わせるようにしつる移行させ、かかる一部が重ね合わされたシート群をフォールディングロールで折り畳むようにすることで、きわめて高速な操業が可能となる。
【0096】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例2》
高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例2を図9に示す。このロータリー式インターフォルダは、ベッドロール71、ナイフロール72、第1プルロール78A、第2プルロール78B、遅延ロール79A、ニップロール79B、ラップロール73A、カウントロール73Bを各一つ有し、さらに一対のフォールディングロール75,75を有する。必要に応じて適宜の抑えロールRを有する。
【0097】
この折り畳み機構部例2は、初段に、二次連続シートS3を受ける第1プルロール78A及び第2プルロール78Bを有する。第1プルロール78A及び第2プルロール78Bによるニップされつつ二次連続シートS3がこれらのロール間を通過し、第2プルロール78Bとベッドロール71間にニップされつつベッドロール上に供給される。
【0098】
ベッドロール71及びナイフロール72の関係は、上記ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1と同様であるが、本形態では、上記折り畳み機構部例1と異なり、ナイフロール72とベッドロール71とによる二次連続シートS3のカット時に、二次連続シートS3の後方(原反ロール側)が第2プルロール78Aとベッドロール71とのニップ、さらに第1プルロール78Aと第2プルロール78Bとのニップにより保持される。これにより、カット時のシートが前方に引っ張られることが防止されるとともに張力変動を効果的に吸収でき、カット時における二次連続シートS3のばたつきが防止される。
【0099】
さらに、ナイフロール72によりカットされたシートS4はベッドロールの吸引機構により保持されつつ搬送され、さらにベッドロールによって後段のロールへと搬送される。
【0100】
本機構部例2におけるベッドロールの直近後段のロールは、ベッドロール71より遅い速度で回転する遅延ロール79Aである。
【0101】
ここで、本機構部例2では、ベッドロール71と遅延ロール79Aのニップ位置よりも、ベッドロール71の進行方向側で所定間隔離れた位置にニップロール79Bが存在し、これらニップロール71と遅延ロール79Aとニップロール79BとによってシートS4を挟持可能に位置構成されている。かかる構成のうえ、ベッドロール71から遅延ロール79Aにシートを受け渡す際に、まずシートS4の回転方向前縁部がベッドロール71から遅延ロールに受け渡され、回転方向後縁部は一旦ニップロール79Bに移動されたのち、順次遅延ロール79Aとでニップするように構成されている。
【0102】
そして、前記回転方向後縁部がベッドロール71からニップロール79B経由で遅延ロール79Aに受け渡される際その位置には、後続のシートS4の回転方向前縁部がすでにベッドロール71から遅延ロール79Aに受け渡されており、これによって遅延ロール79A上において、先のシートの回転方向後縁部の下方に、後のシートの回転方向先端側縁部が位置して重なり合った(ラップされた)状態となる。
【0103】
遅延ロール79Aの後段には、ラップされたシートが搬送されるラップロール73Aが存在し、重ね合わされたシートを進行させ、カウントロール73Bとともに後段のフォールディングロール75,75へと移送する。図示例においては、ラップロール73Aとフォールディングロール75,75の途中には一対の抑えロールR,Rが位置し、これらの間を通過するように構成されている。
【0104】
フォールディングロール75,75は同様の構成のものが近接して一対二つ配され、前記一部重ね合わされたシート群はこの近接部分に上方から移送される。本例のフォールディングロール75,75は、各ロール75,75にシートを保持するグリップ機構(摘み機構)とタッカー機構と具備するシート保持機構を有し、一部重ね合わされて送られてくるシートS4のシート前縁部及びシート後縁部を当該近接位置において一枚おきに、対となるフォールディングロールが交互にそのシート保持機構により保持し開放しつつ下方に移送する。
【0105】
この各ロールのシートの搬送と所定位置における当該縁部の挟持・開放により、各フォールディングロール間の下方にティシュペーパー束が形成される。
【0106】
以上の本機構部例2においては、遅延ロールとニップロールとベッドロールによるシートの一部重ね合わせによりさらに高速化が達成できる。また、第1の機構部例と同様に、カットと折り畳み、シートの重ね合わせが別工程となるためシートのばたつきが防止されるとともに、確実にシートをロール表面に保持することができる。
【0107】
もちろん、本機構部例2においても、各ロールはサーボ機構により制御し、ラップロール、ベッドロールにおける吸引力をも強くすることができる。また、各ロールにおけるバキューム孔の位置についても第1の機構部例と同様に、適宜シートの前端部分、後端部分、それらの中間部分に設けることができるし、望ましい。以上の本機構部例2もロータリー式インターフォルダの高速化を達成ならしめる。
【0108】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例3》
高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例3を図10に示す。
【0109】
この機構部例3は、折り畳み機構部例1と同様に別々の二次連続シートS3を互に折り畳むように構成される。本例では各ロール群は左右一対あるので共通する点については一方のみについて説明する(図においてはフォールディングロール25以外のロールについては一方のみを図示する)。
【0110】
まず、本折り畳み機構部例3においては、二次連続シートS3は、第1プルロール78Aに搬送され、さらに第2プルロール78Bへと引き込まれ、さらに第2プルロール78Bからナイフロール72に受け渡される。
【0111】
次に、ナイフロール72では、二次連続シートS3がバキュームによって吸引保持され、さらに両外面が入れ替わり後段の移送ロール71Aに受け渡される。
【0112】
ナイフロール72には適宜の間隔でカッター刃が設けられ、移送ロール71Aには当該カッター刃に対応する位置にそのカッター刃を受ける受け機構71aが設けられている。
【0113】
そして、前記ナイフロール71から移送ロール71Aへの二次連続シートS3の受け渡し時にカッター刃72Cによって切断される。
【0114】
また、ナイフロール72から移送ロール71Aへの受け渡しは、バキュームの吸引差により行われる。さらに、移送ロール71AにおいてはシートS4の回転方向前縁部を保持する溝部71bが設けられており、シートS4の回転方向前縁部は、この溝部に位置されて確実に保持される。また、前記二次連続シートS3の切断は、前記ナイフロール72のカッター刃72Cが受け機構71aに入り込むようにして行われる。これにより、シートS4の切断と保持が行われる。
【0115】
さらに、本例の折り畳み機構部例3では、ナイフロール72に設けられた複数のカッター刃間に溝部72aが形成されているとともに、前記移送ロール71Aに突起部71cが形成されており、前記溝部72aに突起部71cが入りこむことでシートS4に折筋を形成するように構成されている。
【0116】
次に、シートS4は移送ロール71Aから両外面が入れ替わりフォールディングロール75へと移送される。この移送は、バキュームによって行われる。移送ロール71Aからフォールディングロールへ75のシートの移送については、移送ロール71Aの溝71cに位置されているシートSの縁部がタッカー機構及びバキュームによってフォールディングロール75に移送される。
【0117】
また、フォールディングロール75には周縁に溝部75aを有し、そこにグリップ機構(摘み機構)が形成されている。そして、移送ロール71Aの突起部71cはフォールディングロール75の溝部75cに入りこむようにロールの大きさ位置関係に形成されている。これにより、移送ロール71Aの突起部71c上に位置するシート部位(ナイフロールの溝部とで折り筋が形成されている部分)がフォールディングロール75の溝部75aに入りこみ、そのときにグリップ機構によって当該部位が保持される。
【0118】
そしてフォールディングロール75は、その部位を保持しつつ回転し、所定位置でシート縁部の解放と当該部位の解放を行う。この所定位置は、対となるフォールディングロール75,75との関係で定まる。例えば、対となるフォールディングロールと最近接位置においてグリップ機構を解放する。そのとき、対となるフォールディングロールはシート縁部の解放を行う。このような対となるフォールディングロール75の近接位置における折り部と縁部との解放を交互に行うことで、対となるフォールディングロール75,75の近接位置の下方にティシュペーパー束が形成される。
【0119】
本機構部例3では、折り筋の形成及びシート縁部の把持・開放、さらに折りと連続シートの切断の非連続性、フォールディングロール75、移送ロール71Aにおける吸引能力の強化の達成により高速化が可能である。もちろん、本機構部例においても各ロールをサーボ機構によりその周速を調整する。また、ロールにおけるバキューム孔の位置についても第1の機構部例と同様に、適宜シートの前端部分、後端部分、それらの中間部分に設ける。なお、サーボ機構、加工速度など他の点については機構部例1及び2と同様である。
【0120】
《ロータリー式インターフォルダの高速化のまとめ》
以上、高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例を述べたが、本発明のロータリー式インターフォルダX4はこの例に限定されない。もちろん、本発明の範囲において可能な限り、上記各例の構成を相互に入れ替える変更をすることができる。
【0121】
本発明において、ロータリー式インターフォルダを高速化するには、折り畳み機構部を以下のように構成すればよい。
【0122】
まず、ナイフロール等でシートがカットされる時点およびそれ以降、シートを各ロール表面に備わっているバキューム孔(真空吸引口)によりロール上に保持しつつ、各ロールを回転させるにあたって、各ロールの駆動をサーボモータにより行い、その速度を調整制御するように構成する。例えば、増減速時のナイフロール等でのカット時のシートテンションコントロールを各シートの伸び易さや引張り強度に合わせて行う。このように、サーボモータなどにより各ロールの周速を各々電子制御により調整することにより、シートの張力に合わせ周速差を変更することができ、これによりシートを保持、受け渡しタイミング等を常に一定に保つことが可能となり高速化することが可能となる。これは、ロール数が多い構成を採る折り畳み機構部の場合には特に有効である。
【0123】
次に、ナイフロールやカッター刃を用いて連続シートを裁断するように構成するとともに、プレッシャーロールやプルロールを設置し、裁断時に連続シートの前後端部の何れか又は双方を保持するように構成する。これにより、裁断時のシートズレが防止され高速化することが可能となる。さらに、サーボモータと組み合わせ、ナイフロールでシートを裁断する時点で、各ロールとの周速差を的確に調整すればより一層の高速化が可能となる。また、バキューム孔によるシート保持と併用すればよりシートテンションを的確にコントロールでき高速運転が可能になる。
【0124】
次に、ナイフロール等でシートがカットされた時点以降、折り畳まれる直前まで、バキューム等により裁断されたシートをロール上に貼りつくようにロールからロールへ搬送するように構成する。これにより、シートのずれがなく、高速にきれいに折り畳むことが可能となる。(裁断されたシートの一部を重ねる場合でも、当該シートの前後端部は保持され、その他のほとんどの部分はロールに接しシートの形成は一定である。)
【0125】
次に、ニップ間隔の長い中間ロール(移送ロール、遅延ロール、ラップロール)にバキューム孔を複数設け、さらにバキューム領域や真空源を2つ以上とするなどして、裁断されたシートの前後端部、裁断されたシートの前後端部の間の吸引力を制御するように構成する。なお、この場合、均等にMD方向3点で、CD方向に径数mmのバキューム孔(真空吸引口)を均等に5〜30個/100〜200mm間隔配置すると、遠心力や回転による風で位置ずれが生じず、また、ロール間のカットシートの受け渡し精度が高まり高速化が可能となる。これによりロール上へのシートの保持性が高まり高速運転が可能となる。
【0126】
(水系薬液塗布工程の説明)
次に本発明の特徴的に水系薬液塗布工程を説明する。本発明においては、水系薬液塗布は、ロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部85にて行なう。特に、二次連続シートを裁断した後に薬液塗布を行なう。
【0127】
具体的に説明すると、上述の折り畳み機構部例1〜3でいえば、上記各折り畳み機構部例を示す図7〜10において、非接触式塗布手段は符号81、82で示されている。
【0128】
搬送された二次連続シートS3を上述のベッドロール71、移送ロール71A或いはフォールディングロール75上にて裁断した後に、ベッドロール71、ラップロール73A、移送ロール71A或いはフォールディングロール75上に保持された裁断後のシートS4に対して、当該ロールに対向して配置された非接触式塗布手段から水系薬液を非接触塗に塗布する。
【0129】
ここで、非接触式塗布方法とは、フレキソ印刷、グラビア印刷、ロール塗布などのようにロール等の接触体に水系薬液を一度付与し、その接触体をシート面に接触させて水系薬液を付与するものではなく、水系薬液を直接的にシートに付与する塗布方法を意味する。代表的にはスプレー塗布、インクジェット印刷方式等の水系薬液塗布方法である。
【0130】
かかる非接触式塗布方法では、シートにロール等を接触させないことから紙粉が発生しない。
【0131】
そして、好ましく採用される非接触式塗布方法は、設備設置コスト、設備設置面積を小面積にすることが可能なローターダンプニング噴霧方式によるスプレー塗布、さらに薬剤塗布量や塗布面積、塗布パターンの管理精度が高くムラが発生し難いインクジェット印刷方式の塗布である。なお、好適な非接触式薬液塗布手段の具体的な説明は後述する。
【0132】
ここで、水系薬液塗布工程においてシート(積層シートを含む)に付与する水系薬液の両外面への総塗布量は、1.5〜5.0g/m2とし、好ましくは2.0〜4.0g/m2とする。5.0g/m2超過であると、本発明の方法をもってしても、高速操業した際に紙力低下や伸びなどにより断紙など操業性に支障をきたしたり、品質的に紙厚やウエブ嵩が低下したりするおそれが高まる。また、べたつき感が過ぎる場合も出てくる。1.5g/m2未満であると滑らかさやしっとり感など未塗布品との品質差を感じられなくなってしまう。
【0133】
なお、本発明においてシートの両外面に水系薬液を塗布する場合には、両外面でほぼ同等量の水系薬液を塗布するのが基本(すなわち上記総塗布量の1/2を片面に塗布する)であるが、二次原反シートの両外面のクレープ形状の差、摩擦感などの要素差やその他の操業、品質上の事情により、両外面において水系薬液塗布量が異ならしめてもよい。
【0134】
≪両面塗布と片面塗布について≫
ここで、本発明においては裁断後のシートの片面のみに水系薬液を塗布しても、両面に塗布してもよい。特に、上記説明のとおり連続シートがプライマシンX3にて複数の一次連続シートS1,S1を積層して、二次連続シートS2とする場合には、両外面に水系薬液を塗布するのが望ましい。
【0135】
このような積層のシートS4の両面に水系薬液を塗布する場合には、図11に示すように、裁断後の前段ロールA上に保持されたシートS4に対して、水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートを他方面が外側となるように後段ロールBへ受け渡し、その状態で前記後段ロールB上に保持された当該シートS4に対して、再度、水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する。
【0136】
上述の折り畳み機構部例1で説明すれば、ベッドロール71とナイフロール72にて二次連続シートS3を裁断した後、ベッドロール71上に保持される裁断されたシートS4に対して非接触式塗布手段81により水系薬液を非接触式に塗布し、さらに他方面が外側となるようにラップロール73にシートS4が受け渡された後に、そのラップロール73上に保持されているシートS4に対して別の非接触式塗布手段82により再度水系薬液を非接触式に塗布する。
【0137】
なお、前段ロールAから後段ロールBへ他方面が外側となるように受け渡す技術は、上述折り畳み機構部例1にて説明したベッドロール71からラップロール73への受け渡し方法など各ロールに設けられたバキューム孔を介しての吸引・排気・停止の制御、或いは各ロールに設けたメカニカルなシートの把持・開放技術が採用できる。もちろん、既知のインターフォルダにて採用されるロールからロールへの受け渡し技術が採用できる。
【0138】
ここで、上記例示した本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部の各例1〜3と、両外面への塗布との関係を説明すれば、まず、折り畳み機構部例1及び折り畳み機構部例3については両外面への塗布が可能な構成である。すなわち、折り畳み機構部例1については、ベッドロール71及びラップロール73にシートS4が保持された状態で非接触式塗布が可能であり、折り畳み機構部例3では、ベッドロール71とフォールディングロール75にて水系薬液の非接触式塗布が可能である。上記折り畳み機構部例2については、ベッドロール71からラップロール73Aに移行する際に前後のシートS4の一部が重なるためこのままでは両外面への塗布はできない。但し、ベッドロール71とラップロール73との間に、ベッドロール71と同様のシート保持性を有するロールを介在させるなどすれば両外面への塗布が可能である。
【0139】
もちろん、本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部は、上記折り畳み機構部例1〜3に限定されるわけではなく、両外面への塗布を可能ならしめるべく、折り畳み機構部を構成するロール数を増やしてもよい。上述のとおりロータリー式インターフォルダの高速化はサーボ、吸引の効率化によるロールへのシートの保持性の向上、或いは連続シートの裁断と折り畳みの分離により達成できることから、かかる構成を有した上で、適宜、裁断後のシートの一方の外面を内面に、同時に他方の内面を外面にするためのロールを一つ或いは複数付加した折り畳み機構部として両外面への塗布を行なうことができる。
【0140】
なお、両外面への塗布する場合、必ずしも一方面と他方面の薬液塗布方式は、同様である必要はない。前段ロールAにてスプレー塗布、後段ロールBにてインクジェット印刷方式の塗布などとすることができる。
【0141】
≪水系薬液について≫
次いで、本発明に用いるや水系薬液について説明する。本発明における水系薬液とは水及びポリオールを含むものであり、特にポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬品を0.01〜22%含むものが望ましい。
【0142】
また、本発明の水系薬液塗布方法において上記水系薬液を使用する場合、水系薬液塗布時の水系薬液温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
【0143】
このため、水系薬液としては、40℃での粘度が1〜700mPa・sであるのが望ましい。より好ましくは50〜400mPa・s(40℃)である。1mPa・sより小さいと水系薬液が飛散しやすくなり、逆に700mPa・sより大きいと安定した塗布量とするコントロールがしにくくなる。
【0144】
上記ポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類が例示できる。
【0145】
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、水系薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
【0146】
前記機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシュペーパーに柔軟性を与えたり表面を滑らかにしたりする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
【0147】
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
【0148】
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、水系薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
【0149】
≪インクジェット印刷方式≫
次に、本発明にかかる非接触式薬液塗手段81,82として、インクジェット印刷機130を用いる場合の例を説明する。インクジェット印刷機130は既知のものが使用できる。
【0150】
本実形態のインクジェット印刷機130を、図12〜13を参照して説明すれば、水系薬液Lの入っているタンク(図示されない)が供給路131を介してインクジェットヘッド132に接続された構造とされ、前記タンクから供給ポンプ(図示しない)によりインクジェットヘッド132に水系薬液が供給されるようになっている。
【0151】
前記インクジェットヘッド132の被塗布材である裁断されたシートS4と対向する部分には、このシートS4の幅分に少なくとも対応する形で、複数のノズル孔134を直線的に並んで設けているノズル板133が配置されている。
【0152】
ここで前記ノズル孔134から二次連続シートS2,S3までの間隔は1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとするのが望ましい。インクジェット印刷方式では、各ノズル孔134から噴射される液滴が極少量であるため周辺気流の環境を受けやすいが、1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとすれば、その影響は格段に小さい。一般的なフルカラープリンターの紙とノズルの間隔は1〜1.5mmである。人の目は輝度の差異やグラディエーションの表現に敏感であるため、4〜6色の減色混合による十分な色彩表現を得るのにはドット位置の精度は数μm以内を求められている。これに対し本発明の水系薬液塗布ではドット位置の精度は100μm以内で十分均一な塗布品質が得られる。
【0153】
そして、このインクジェットヘッド132内には、噴射ユニット135が各ノズル孔に対応して複数配置され、各噴射ユニット135は、ノズル孔134から射出するための水系薬液を一時的に貯める流体室136と、この流体室136を挟んでノズル板133と対向する部分に配置された振動板137とを有し、振動板137に当接して流体室136外に配置され且つピエゾ素子等により形成される圧電素子(図示されない)とを有している。
【0154】
前記圧電素子には、配線を介して制御装置138が接続されていて、この制御装置138から所定の間隔で圧電素子に電圧が付与されるようになっている。
【0155】
かかる構造により、タンクからインクジェットヘッド132に供給された水系薬液は、各ノズル孔134に対応して存在する流体室136内に送り込まれるようになっていて、必要に応じて制御装置138が圧電素子に電圧を加えることで、各ノズル孔134から一斉に水系薬液が噴射されることになり、これに伴い、シートS4の一方の面における幅分全体に亘って水系薬液が塗布されことになる。
【0156】
また、本発明のインクジェットヘッド132内に圧空135が送気するように構成され、前記噴射ユニット135から噴射された液滴がノズル孔134から圧空にのってシートS3に向かうように構成され、紙粉がノズル孔に詰まるのを防止するように構成されている。
【0157】
尚、上記実施形態では、インクジェットの形式として、オンデマンド方式でピエゾ素子を採用した構造を説明したが、サーマルジェット型を採用しても良い。更に、オンデマンド方式の替りに連続して噴射可能なコンティニュアス方式の噴射装置を採用しても良い。
【0158】
ただし、好ましいのは、電子制御によるオンデマンド方式であり、これによって幅方向、流れ方向における塗布量変更が容易となる。
【0159】
ここで、本発明においてインクジェット印刷方式を採用して水系薬液塗布する場合のより好ましい条件は、ノズル孔からのインク液滴の粒子速度は5〜20m/秒程度、一つのインク液滴の容量は5〜50pl/個である。
【0160】
さらに、インク液滴は流れ方向、幅方向に20〜200μm間隔で液滴を塗布するのが望ましい。これにより塗布量が増減しても実質的に均一な塗布が可能である。幅方向のノズル間隔は128〜1080dpi(5〜42ライン/mm、128dpi×1段〜360dpi×3段式)とする。
【0161】
一例を示せば、加工速度が分速250mの場合、インク液滴の粒子速度10m/秒、一つのインク液滴容量10pl/個、幅方向のノズル間隔1080dpiとして、インクジェット噴射頻度は5×104ドット/秒/ライン程度である。
【0162】
≪スプレー塗布方式≫
次に、本発明にかかる非接触式薬液塗手段81,82として、スプレー塗布装置を用いる場合の例を図14〜17を参照しながら説明する。
【0163】
スプレー塗布は、ノズル式噴霧方式、ローターダンプニング噴霧方式等を採用することができる。好ましくは、後述するローターダンプニング噴霧方式である。
【0164】
スプレー塗布装置は、その方式によりノズルユニット或いはローターダンプニングユニット等を有する塗布ユニットを、その噴霧口がシートに対して対面するようにして、複数をシートS4の幅方向に並列し、各ユニットから水系薬液をいっせいに噴霧することでシートS4に水系薬液を塗布するものである。
【0165】
ノズル式噴霧方式における噴霧用ノズルの型式としては、環状に噴霧する空円錐型ノズル、円形状に噴霧する充円錐型ノズル、正方形状に噴霧する充角錐型、充矩型ノズル、扇型ノズル等が挙げられ、水系薬液がシートS4の幅方向に対して均一に噴霧されるように、ノズル径、ノズル数、ノズル配列パターン、ノズル配置数、あるいは噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、および噴霧液の濃度、粘度などを適宜選択して使用することができる。
【0166】
また、ノズル式噴霧装置において霧化する方法については、一流体方式、または二流体方式の2種類の方式を選択して使用することができる。このうち一流体噴霧方式は、噴霧する水系薬液に対して圧搾空気を用いて直接圧力をかけてノズルから霧滴噴射する、または噴出口付近のノズル側面に開けた微細な穴からノズル内に空気を吸引して霧滴噴射する方式である。また、二流体噴霧方式は、ノズル内部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する内部混合型、ノズル外部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する外部混合型、微霧化した霧滴粒子を相互に衝突させて、霧滴粒子をさらに均質化・微粒子化する衝突型等の方式が挙げられる。好ましい、ノズル式噴霧装置は、二流体噴霧方式である。
【0167】
その二流体噴霧方式のノズルユニット例は図14に示すとおりであり、これを参照しながらさらに説明する。このノズルユニット110は、中心に水系薬液通路110Aが、その周囲にエアー通路110Bが形成され、水系薬液通路110A先端から噴出された水系薬液Lを、エアー通路110Bから吐出されたエアーにより微霧化するものであり、ほぼ円錐形状に水系薬液Lを噴霧するようにしたものである。110Cは外部の保護ケーシングであり、紙粉などからノズルを保護すると共に、必要によりパージエアー通路110Dを通すエアーによりノズルの清掃を行なうことができるようにしたものである。
【0168】
ここでスプレー塗布方式の水系薬液塗布では、噴霧した水系薬液の跳ね返りやシート表面に随伴する空気などによって液滴が押し流され、液滴がシートS4の表面に付着しにくくなることがあるため、例えば、ノズル式であれば図15に示すように、ノズルユニット110の周囲から、ケーシング110Eに形成したエアー供給路110Fから噴出させるエアー110Gにより、ノズルユニット110からの噴霧水系薬液を取り囲むようにして水系薬液がシートS4に付与されることができる。
【0169】
次に、スプレー塗布のなかでも本発明に好適なローターダンプニング噴霧方式を説明する。ローターダンプニング噴霧方式は、特に図16〜17に装置例140を示すように、複数のローターダンプニングユニット141がシートS4の幅方向に並列されている。
【0170】
各ローダーダンプニングユニット141は、噴射部142を有する流体室143が高速に回転され、その流体室143内に薬液を送り出して、遠心力によって流体室内の薬液を噴射部142から放出させて微霧滴化する。前記流体室143の回転数変更によって霧滴粒子径の制御を行い、流体室への送液量変更によって噴霧液量(付与量)の制御を行なう。ローターダンプニング噴霧方式は、少ない量の噴霧液量を霧滴の飛散を抑えつつ、シート表面に均一に塗布することができ、かつ噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である利点がある。
【0171】
図示例の本形態体のローターダンプニングユニット141では、好ましく噴霧口144の開閉を行なうシャッター145が設けられており、このシャッター145の開閉により噴霧の有無の制御をすることが可能となっている。
【0172】
ここで、ローターダンプニングユニットを、シートS4の流れ方向に直行するように複数並べ、走行するシートに対して垂直に設置する場合、噴射孔の間隔は好ましくは50〜150mmである。
【0173】
他方、水系薬液をシート表面に均一に噴霧付与するためには、霧化された水系薬液の霧滴粒子径はできる限り微小であることが好ましい。しかしながら、霧滴が細かくなりすぎると噴霧した空気の跳ね返りやシート表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、霧滴がシート表面に付着しにくくなる。このため、噴霧付与方式においては噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度を、加えて二流体方式の場合には、噴霧用の水系薬液と圧搾空気の混合比、および水系薬液の濃度や粘度等を適宜調節し、付与条件に適した粒子径に調節することができ、さらに噴霧時に随伴空気の影響が大きい場合は、随伴空気を除去するための吸引装置や邪魔板(整流板)、上述のフード等の設置、および噴霧ノズル先端に高電圧を加えて霧滴粒子を帯電させて、顔料塗被紙への霧適の付着性を向上させる荷電電極(静電噴霧方式)などを追加してもよい。
【0174】
なお、スプレー塗布方式を採用する場合の好ましい霧滴粒子の重量平均粒径を例示すれば、20〜150μmである。
【0175】
また、シート表面に塗布されずにミストとして浮遊している霧滴粒子は、吸引・回収して再度噴霧することができる。
【0176】
[コンタクトエンボス工程]
他方、本発明のティシュペーパー製品X1の製造方法においては、プライ加工を行なう場合、シート同士の剥離をし難くするコンタクトエンボス加工を施すことができる。
【0177】
このコンタクトエンボスは、図示はしないが、ロータリー式インターフォルダの適宜の位置、例えば、ナイフロール72のカットの直前においてエンボス凸部を有するエンボスロールと対をなすゴムロール等のエンボス受けロールを設けて付与することができる。
【0178】
このコンタクトエンボスにおける具体的なエンボスパターンは特に限定されない。例えば、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状の単位エンボス群からなるエンボスを、適宜連続シートの幅方向(カット後はこれに対応する方向)に線状に配置すればよい。
【0179】
単位エンボス群の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、コンタクトエンボスは1列に配置してもよいし、2列以上の複数列配置することも考えられる。なお、コンタクトエンボスは、かかるエンボスロールによる機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合してもよい。
【0180】
[裁断工程]
以上のようにして形成された二次原反ロール幅或いは幅方向縁部がトリムされた二次連続シートS3の幅の水系薬液含有の長尺ティシュペーパー束10Cは、適宜の裁断工程(図示されない)ティシュペーパー製品の幅に裁断(切断)されてティシュペーパー束10とされる。
【0181】
『収納工程』
ティシュペーパー束の収納箱への収納例について説明する。なお、ティシュぺーパー束10の収納箱2への収納方法は、この例に限定されず既知の方法を採用することができる。
【0182】
裁断工程によって裁断されて形成されたティシュペーパー束10は、図18に示すように、ロータリー式インターフォルダX4の後段の収納設備において収納箱2に収納される。
【0183】
具体的には、上述の上面2U、底面及びこれらを連接する側面2Sと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uとを有する収納箱を、底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uが開いた状態、すなわち端面が開口された状態に半完成の状態に組立てるとともに、その開口部に対面するようにインターフォルダX4から送られてくるティシュペーパー束10の裁断面を付き合わせる。
【0184】
そして付き合わせたならば、ティシュペーパー束10をプッシュロッド等によって収納箱内へ押し込む。ティシュペーパー束10が収納箱内に押し込まれたら、前記側面端面片23Sを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片23Uと底面側端面片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着する。
【0185】
この接着によって本発明のティシュペーパー製品X1の製造は完了する。
【0186】
なお、本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4により製造したティシュペーパー束10を構成するティシュペーパー1の紙の方向は、図示のとおり、ティシュペーパー1の折り畳み部の延在方向に沿って横方向(CD方向)となり、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って縦方向(MD方向)となる。
【0187】
したがって、上述のように収納箱2に収納された本発明によって製造されるティシュペーパー製品X1は、図2に示すように、ティシュペーパー1を収納箱2から引き出す際には、その引き出し方向がティシュペーパーの縦方向(MD方向)と沿うようになっている。
【実施例】
【0188】
次いで、本発明の実施例及び比較例を下記表1〜5に示す。表1〜表5の下二欄に示されるとおり、ロータリー式インターフォルダにおいてシートカット後に薬液を非接触式塗布する本発明の実施例にかかる方法は、かかる方法を採らない比較例と比べて、操業性及び製品品質において優位性が認められる。
【0189】
【表1】
【0190】
【表2】
【0191】
【表3】
【0192】
【表4】
【0193】
【表5】
【符号の説明】
【0194】
X1…ティシュペーパー製品、1…ティシュペーパー、1e…ティシュペーパーの折り返し辺の縁、10…ティシュペーパー束、2…収納箱、2U…収納箱(紙箱)上面、2S…収納箱(紙箱)の側面、20L…収納箱(紙箱)の長手縁、20S…収納箱(紙箱)の短手縁、21…取出口形成部(ミシン目線)、22…フィルム、23B…底面側端面片、23S…側面端面片、23U…上面側端面片、24…スリット、25…取出口、
X2…抄紙設備、JR…一次原反ロール(ジャンボロール)、W…湿紙、S1…乾燥原紙(一次連続シート)、31…ヘッドボックス、32…ワイヤーパート、32w…ワイヤ、333…プレスパート、33F…フェルト、34,35…脱水ロール、36…ヤンキードライヤー、36C…ヤンキードライヤーフード、37…ドクターブレード、38…巻き取り手段、39…ワインディングドラム。
X3…プライマシン、S11,S12…一次連続シート、S2…二次連続シート、51…重ね合わせ部、56…巻き取り手段、56A…ワインディングドラム、52…カレンダー部、
X4…ロータリー式インターフォルダ、S3…二次連続シート、S4…裁断されたシート、71…ベッドロール、71A…移送ロール、71a…受け部、71b…溝部、71c…突起部、72…ナイフロール、72C…カッター刃、72a…溝部、73,73A…ラップロール、73B…カウントロール、74…テールロール、75…フォールディングロール、75a…溝部、76…プレッシャーロール、77…スリット手段、78A…第1プルロール、78B…第2プルロール、79A…遅延ロール、79B…ニップロール、R…抑えロール、270…バキューム孔、271…真空源、80…原反ロール支持部、81,82…水系薬液塗布手段、85…折り畳み機構部、A,B…ロール、
130…インクジェット、132…インクジェットヘッド、133…ノズル板、134…ノズル孔、135…噴射ユニット、136…流体室、137…振動板、138…制御装置、L…水系薬液、
110…二流体方式のノズル式水系薬液噴霧装置、110A…水系薬液通路、110B、110F…エアー通路、110C、110E…保護ケーシング、110D…パージエアー通路、110G…圧空、140…ローダーダンプニング噴霧装置、141…ローターダンプニングユニット、142…噴射部、143…流体室、144…噴射口、145…シャッター。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパー製品の製造方法、特に水系薬液が付与されたティシュペーパーが収納箱に収納されたティシュペーパー製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパー製品を構成するティシュペーパー束を形成する折り畳み加工機はマルチスタンド式インターフォルダとロータリー式インターフォルダに大別される。
【0003】
マルチスタンド式は加工能力が高く、汎用品などの大量生産に向いており、ロータリー式は比較的小型で、原紙の切り替えが容易であるとともに、シートの折り揃いなど折り品質が良いことから、小ロットの高付加価値商品の生産に向いている。
【0004】
このため、近年消費量が増加している高付加価値商品であるローションティシューを生産するには、折り品質のよいロータリー式インターフォルダが用いられている。
【0005】
かかるロータリー式インターフォルダは、80〜100m/分程度で運転されており、ローションティシューを生産するにあたっては、二次原反シートにポリオールを主成分とする水系薬液をグラビア方式やフレキソ方式でオンライン塗布し、或いはこれらの印刷方式で塗布した原反を用いて折り畳み加工をしている。
【0006】
しかし、最近では150〜300m/分の速度で加工が可能なタイプの高速化ロータリー式インターフォルダが市場に供されはじめている。
【0007】
この高速化ロータリー式インターフォルダは、普及している旧来ロータリー式インターフォルダと比較し、図19に示されるように、連続シートをカットするロール、搬送のためのロール、折りのためのロール等多数のロールが配され、シートランの長い複雑な構造をしている。
【0008】
この高速化ロータリー式インターフォルダX5のより具体的な特徴は下記(1)〜(4)のとおりである。
(1)前段のナイフロール611及びベッドロール610で連続シートS’がカットされる時点及びそれ以降の後段のロール620、630のそれぞれで、裁断されたシートS”が各ロール表面に形成されたバキューム孔678、679を介して吸引により各ロール表面に保持されるように構成されており、連続シートS’の裁断時にシートテンションの変動が少なく、また変動があっても、そのテンション変動が後段のシート搬送に与える影響がなく、さらに折り工程ではその影響がない。
(2)各ロールの駆動が全てサーボモータにより行なわれ、ナイフロール611のカット時における各ロールの加減速をシートの伸びやすさや引張強度などの要素に応じて適宜変更することが可能となっている。
(3)ナイフロール611の受けロールにプレッシャーロール612を設置しており、ナイフロール611で連続シートS’がカットされる際に、サーボモータによりプレッシャーロール611と連続シートS’を保持するプルロール613との周速差を的確に調整することが可能であり、上記(1)のバキューム孔との併用によってシートテンションが的確にコントロールされており、シート裁断時の連続シートS’の引き戻しがない。
(4)ニップ時間の長い中間ロール620にバキューム源(図示されない)を二つ有し、その一つが裁断されたシートS”の前後端部の吸引を担い、もう一つが裁断されたシートS”の前後端部の中間の吸引を担うように構成され、さらに直径5mm程度のバキュームポートが、CD方向(裁断されたシートS”の幅方向、つまりロールの軸心方向)に3〜10個/230mm程度密に配置されており、遠心力や回転による風でシートの位置ずれが生じない。
【0009】
<改良ロータリー式インターフォルダにおける問題点(課題)>
ポリオールを主成分とする水系薬液を塗布し、ロータリー式インターフォルダで折り畳み加工する場合、水系薬液を塗布されたシートの水分増加や吸湿により操業に大きな影響を与える。
【0010】
旧来の低速なロータリー式インターフォルダでは問題ないが、高速加工をするにあたっては、旧来の単なるオンライン塗布ではカット寸法不良、折り不良が発生する。
【0011】
これは、高速化インターフォルダではMD方向のシートのテンションが旧来低速なインターフォルダよりも高くなることが一要因である。
【0012】
すなわち、ポリオールを主成分とする水系薬液では水分を含み、塗布されたシートの吸湿性が高まるため、シートの水分率が高くなる。そのため非塗布シートと比べ伸び易く、シートの剛性が低下し、強度が低下する。この状態でインターフォルダ内へ供給されると、旧来の低速な加工速度の場合には問題がないが、高速加工する場合にはシートのテンションが高いためMD方向への伸びが大きく、これに起因してカット時のテンション変動も大きく、上述の高速化の特徴をもってしても、カット寸法不良、折り不良が発生してしまう。
【0013】
また、カット時のMD方向の寸法のシート戻りが短いため、つまりシートが伸びきったままとなるため、シートが不均一にたるんだ(波打つ)り、しわが入った状態でロール表面を搬送されるおそれも高まる。また、高速化ロータリー式インターフォルダでは、上述のとおりシートのバキューム保持に特徴を有するが、ローションを塗布したシートでは、その伸びに起因してシートが不均一にたるんだ(波打つ)り、しわが入った状態となり、平面的にバキュームポートによる吸引保持力に差が生じ、シートがずれたり、進行方向に対し斜めに走行するおそれが高まる。そして、これによる折り畳み時の折り不良も発生しやすくなる。
【0014】
他方、高速化ロータリー式インターフォルダにて、水系薬液を塗布する別の問題として、ティシュペーパーの原紙たるシートは親水性のパルプ繊維からなり、かかる高速化ロータリー式インターフォルダにて、水系薬液を塗布したシートを加工するとなると、上記高速化ロータリー式インターフォルダは、シートにかかるテンションが高いゆえにシートがMD方向に引張られてクレープが伸ばされ、その状態で戻りなく、複数のロールでニップされることになるので、厚みのない製品となってしまう。ローションティシューは高付加価値商品であるために、厚みは重要な品質であるが、高速化ロータリー式インターフォルダでは厚みを発現することが極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2008−245780号公報
【特許文献2】特開2003−325372号公報
【特許文献3】特開2004−322034号公報
【特許文献4】特表2008−525103号公報
【特許文献5】特開2008−264564号公報
【特許文献6】米国特許4052048号公報(特公昭55−1215号公報)
【特許文献7】特開2006−240750号公報
【特許文献8】特開昭61−37668号公報
【特許文献9】特開平5−124770号公報
【特許文献10】特開2008−183411号公報
【特許文献11】米国特許US 7452321B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで、本発明の課題は、水系薬液に適した高速に運転可能なロータリー式インターフォルダの構成と、水系薬液を用いた水系薬液塗布タイプのティシュペーパー製品を効率よく高い生産性で製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための手段及びそれらの作用効果は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
ロータリー式インターフォルダを用いてティシュペーパー製品を製造する方法であって、
クレープ紙からなる連続シートを搬送する工程と、
搬送された連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断工程と、
前記裁断後のロール上に保持されたシートに対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する水系薬液塗布工程と、
前記水系薬液が塗布されたシートを折り畳む工程とを有する
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【0018】
〔請求項2記載の発明〕
前記裁断後のロール上に保持されたシートの一方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートの両外面を入れ替えて後段のロールへ受け渡し、
その両外面を入れ替えされた状態で前記後段のロール上に保持されたシートの他方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布することにより裁断後のシートの両面に水系薬液を塗布する、
請求項1記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【0019】
〔請求項3記載の発明〕
前記非接触式塗布方法は、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法である請求項1又は2記載のティシュペーパーの製造方法。
【0020】
〔請求項4記載の発明〕
前記水系薬液は、ポリオールを主成分とし、水分を1〜15質量%含む請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【0021】
〔請求項5記載の発明〕
前記水系薬液は、粘度が1〜700mPa・sである請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
水系薬液を連続シートに塗布した後に裁断するのではなく、裁断後のシートに水系薬液を塗布するので、裁断時のテンション変動を考慮する必要がなくなり、もって裁断不良が発生することがない。
【0023】
また、折り畳み機構部のロール上で水系薬液を塗布するので、水系薬液塗布から折り畳み工程までの時間が短くなり、シートの剛性低下による折り不良の発生のおそれが格段に小さくなる。
【0024】
さらに、上記の裁断後の水系薬液塗布と折り工程までの時間短縮により、シートの紙厚が損なわれずウエブ嵩が出やすく、厚み感のある高級感のあるティシュペーパー製品とすることができる。
【0025】
また、非接触式で必要な箇所に必要量の水系薬液を塗布することが可能であるため、シート先端のリード部に当たる部分の塗布量を相対的に少なくするなどして、裁断後のシートをロール上で走行させる際に水系薬液がロールに塗布されたり付着したりするおそれが格段に小さくすることができ、もって、ロール汚れが少なく、また、水系薬液の歩留も高い。
【0026】
さらに、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法は、非接触式塗布方法のなかでも、シート平面に対し飛翔粒子により均一に水系薬液を塗布することができ、これによりシートが波打ちなどのおそれが格段に小さくなり、皺のない見栄のよいティシュペーパー製品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかるティシュペーパー製品の斜視図である。
【図2】本発明にかかるティシュペーパー製品の使用状態の斜視図である。
【図3】そのIII- III断面図である。
【図4】一次原反ロールの製造設備及び製造方法を示す概略図である。
【図5】二次原反ロールの製造設備及び製造方法を示す概略図である。
【図6】本発明にかかるロータリー式インターフォルダの設備例の概略図である。
【図7】本発明にかかる折り畳み機構部例1を示す図である。
【図8】本発明にかかる折り畳み機構部例1を示す他の図である。
【図9】本発明にかかる折り畳み機構部例2を示す図である。
【図10】本発明にかかる折り畳み機構部例3を示す図である。
【図11】本発明にかかるシートの両面に水系薬液を塗布する場合を説明するための図である。
【図12】インクジェット印刷機の要部拡大図である。
【図13】インクジェット印刷機のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図14】スプレー塗布装置の示す概略図である。
【図15】スプレー塗布装置を示す概略図である。
【図16】ローダーダンプニング塗布装置を示す概略図である。
【図17】ローダーダンプニング塗布装置を示す他の概略図である。
【図18】収納工程の説明図である。
【図19】従来の高速化ロータリー式インターフォルダの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説する。
『ティシュペーパー製品』
図1〜3に、本発明にかかるティシュペーパー製品X1を例示する。本発明にかかるティシュペーパー製品X1は、複数枚のティシュペーパー1が、折り畳まれ重層されてなるティシュペーパーの束10が、上面2Uに取出口又は取出口形成部21が形成された収納箱2に収納され、使用時に当該取出口からティシュペーパー1の一組を取り出すと、隣接して積層されている下層の一組の一部が取出口から露出されるように構成されたものである。ここでいう一組とは、ティシュペーパーのカットシート単位をいい、単層もしくは複層のクレープ紙からなる。
【0029】
[収納箱]
ティシュペーパー1の束10が収納される収納箱2は、カートン箱とも呼ばれる直六面体形状の箱体である。この収納箱2は、製品外観をなすものであり、ティシュペーパー製品X1を示す図1及び図2にも示されているとおり、上面20Uに取出口形成部21である環状のミシン目線21を有する紙箱20と、前記ミシン目線21により囲まれる範囲21aを紙箱内側から覆う樹脂製フィルム22とを有する。
【0030】
紙箱20は、収納箱の外郭をなす紙製の箱体であり、その大きさ、形状、展開形状等は既知の収納箱の紙箱の構成が採用される。
その形状としては、図示例の一対の平行な長手縁20L,20Lとこれらよりも短い一対の平行な短手縁20S,20Sとで構成される長方形の上面2Uを有する直六面体形状が例示でき、その構造としては、上面2U、底面(図示されず)及びこれらを連接する側面2Sと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uとを有し、前記側面端面片23Sを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片23Uと底面側端面片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して構成される構造が例示できる。
【0031】
収納箱2の大きさは、ティシュペーパー1の束10より若干大きく、概ね束10の外形よりも1〜20mm程度大きい内形とされる。一般的な収納箱2の大きさを例示すると、概ね長手縁が110〜320mm、短手縁が70〜200mm、高さが40〜150mm程度である。少なくとも本発明においてもこの大きさの収納箱1が採用できる。
【0032】
紙箱20の素材としては、例えば、バージンパルプ、古紙パルプ等の各種のパルプを主原料とする既知の紙素材が採用できる。好適には、紙箱の素材は、坪量250〜500g/m2、好適には350〜400g/m2のコートボール紙である。
【0033】
なお、紙箱は、図示はしないが、花柄、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
【0034】
他方、紙箱20の上面2Uに形成されるミシン目線21は環状をなし、既知の方法及びカットタイ比で形成され、これにより囲まれる範囲の具体的形状については必ずしも限定されない。ただし、収納箱2においては、図示例の如く、紙箱上面の長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状又は矩形が代表的であり、取出し性、利便性が高いことから、本発明においても多くの既存の製造ラインで製造可能なこの形状が好適である。
【0035】
他方、前記樹脂製フィルム22は、前記ミシン目線により囲まれる範囲のサイズより大きく、例えば、矩形や楕円形であり、紙箱上面の内面側において、特に環状ミシン目線21の切り剥がしに影響がないように、環状ミシン目線21の外側で接着されている。この樹脂性フィルム22の好適な素材は、ポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
【0036】
樹脂製フィルム22の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパー1の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
【0037】
他方、この樹脂製フィルム22には、スリット24が形成されており、このスリット24はミシン目線21により囲まれる範囲に位置されている。
【0038】
従って、図1及び2に示されるとおり、前記環状ミシン目線に沿ってそのミシン目線21により囲まれる範囲21aを切り剥がすことにより、紙箱上面2Uに取り出口が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム22及びそれに形成されたスリット24が取出口25を介して露出される。なお、前記スリット24の長さは、適宜の長さとすることができ、既知の環状ミシン目線21との大きさの関係で適するとされる長さが採用できる。
【0039】
収納箱2に束として収納されているティシュペーパー1は、前記スリット24を介して取出口25から一枚ずつ取り出される。そして、当該スリット24によって、取出口25から露出されるティシュペーパーの一部が支持されてカートン箱内部に落ち込むことが防止されるようになっている。
【0040】
[ティシュペーパー束の基本構成]
本発明のティシュペーパー1の束10は、ティシュペーパー1が折り畳まれ、積層されてなるものである。より具体的な例は、図3からも理解されるように、方形のティシュペーパー1が実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁1eが上下に隣接するティシュペーパーの折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重なり合いつつ積層されている。なお、ここで実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
【0041】
本積層構造のティシュペーパー1の束10は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。そして、かかる構造のティシュペーパー1の束10は、その最上面が上述の上面2Uに取出口25等を有する収納箱2の当該上面に向かいあって収納され、前記取出口25、特にスリット24から最初の一組(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一組の一部が露出される。なお、本発明のおけるティシュペーパー1の積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120〜240組である。
【0042】
『ティシュペーパー製品の製造方法』
次に、上記ティシュペーパー製品X1の本発明にかかる特徴的な製造方法について説明する。
[抄紙工程〔一次原反ロールの製造方法及び製造設備〕]
本発明にかかる連続シートの製造方法について説明する。
まず、図4に示す抄紙設備例X2により、一次原反ロールJR(ジャンボロールとも称される)を以下のようにして製造する。
【0043】
ヘッドボックス31からパルプスラリーに適宜の薬品を添加して予め調整した紙料をワイヤーパート32のワイヤ32w上に供給して湿紙Wを形成し(フォーミング工程)、次にこの湿紙Wをプレスパート33のフェルト34に移送したにのち対をなす脱水ロール34,35によって挟持して脱水する(脱水工程)。
【0044】
次いで、脱水された湿紙をヤンキードライヤー36の表面に付着させて乾燥させた後にドクターブレード37によって掻き剥がしてクレープを有する乾燥原紙S1(後述の一次連続シートに相当)とする(乾燥工程)。
【0045】
そして、この乾燥原紙S1をワインディングドラム39を有する巻取り手段38によって、前記乾燥原紙S1の裏面が一次原反ロールJRの軸側に対向するようして(巻き取り内面となるようにして)巻き取り、一次原反ロールJRとする(一次原反巻取り工程)。
【0046】
この一次原反ロールJRは、抄紙設備X2の性能によっても相違するが、概ね直径が1000〜5000mm、長さ(幅)が1500〜9200mm、巻き長さが5000〜80000mである。
【0047】
なお、一次原反巻き取り工程の前段にドクターブレード37により掻き剥がした乾燥原紙S1に対してカレンダー工程(図示せず)を設け表裏面の平滑化処理をしてもよい。
【0048】
ここで、乾燥原紙S1の裏面とは、ヤンキードライヤー36のシリンダと接していた面の反対側の面のことを意味する。なお、カレンダー工程の有無にもよるが一般には鏡面のヤンキードライヤーに接していた表面のほうが滑らかで表面性に優れる。
【0049】
ここで、一次原反ロールJRを構成する一次連続シートS1は、後にティシュペーパー1に加工されるものであり、最終製品を構成するティシュペーパー1の薬液塗布前の原紙坪量と同等の坪量(後に積層する場合には1/積層数の坪量)となる。従って、これを考慮して一次原反シートS1は具体的にはJIS P 8124による坪量が、10〜25g/m2、好ましくは12〜20g/m2、より好ましくは13〜16g/m2とする。坪量が10g/m2未満であると、ティシュペーパー1の柔らかさの点においては好ましいが、適正な強度を確保することができなくなる。他方、坪量が25g/m2を超えると、ティシュペーパー1が硬くなりすぎて、肌触りが悪化する。また、紙厚(尾崎製作所製ピーコックにより測定)は80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmとするのが望ましい。
【0050】
紙厚の測定方法としては、JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
【0051】
また、一次連続シートS1は、クレープ率が10〜30%、好ましくは12〜25%、より好ましくは13〜20%である。クレープ率は次のように定義する。
クレープ率:((製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速))/(製紙時のドライヤーの周速)×100。
【0052】
クレープ率が10%未満であると、後段の加工時に断紙しやすいとともに伸びの少ないコシのないティシュペーパー1となる。他方、クレープ率が30%超過であると、加工時のシートの張力コントロールが難しく断紙しやすくなり、また、製造後にはシワが発生して見栄えの悪いティシュペーパー1となりやすくなる。すなわち本発明のロータリー式インターフォルダにおける折り畳みを困難ならしめる。
【0053】
また、一次連続シートS1は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)の縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmとされ、他方、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmとされる。原紙の乾燥引張強度が低すぎると、製造時及び使用時の断紙や伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
【0054】
これらの紙力は公知の方法により調整でき、例えば、乾燥紙力増強剤を紙料或いは湿紙に内添する、紙料のフリーネスを低下(例えば30〜40ml程度低下)させる、原料パルプのNBKP配合率を増加(例えば50%以上に)する等の既知の手法を適宜組み合わせることができる。
【0055】
なお、乾燥紙力剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等を用いることができる。
【0056】
湿潤紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で5〜20kg/t程度とすることができる。また、乾燥紙力剤を内添する場合、その添加量はパルプスラリーに対する重量比で0.5〜1.0kg/t程度とすることができる。
【0057】
(紙料)
ここで、一次原反ロール(一次連続シート)の原料となる紙料について説明すると、紙料は繊維原料としてパルプを主原料とするスラリー(パルプスラリー)に適宜の薬品を添加したものである。
【0058】
本発明においては、原料パルプは特に限定されず、この種のティシュペーパーに用いられる適宜の原料パルプを選択して使用することができる。具体例としては、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドウッドパルプ(SGP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチドケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
【0059】
なかでも原料パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。水系薬液との相性がよく、塗布後に折り畳む本発明の製造方法において望ましく、また得られるティシュペーパーの風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。また、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、その配合量はティシューが硬くならない程度に抑えておく必要がある。
【0060】
紙料に添加する薬品例としては、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、柔軟剤、剥離剤、接着剤、苛性ソーダ等のpH調整剤、粘剤、消泡剤、防腐剤、スライムコントロール剤、染料、などが挙げられる、なお、これらの薬品は、適宜の工程で湿紙に付与してもよい。
【0061】
[プライ工程〔二次原反ロールの製造方法及び製造設備〕]
抄紙設備で製造された一次原反ロールJRは、必要に応じて、図5に示す二次原反ロールの製造設備X3(以下、プライマシンX3ともいう)に移送しプライ加工(連続シートの積層加工)を行なう。なお、単層(1プライ)のティシュペーパーとする場合には、このプライ加工を省略できる。
【0062】
プライマシンX3は、一次原反ロールJRを2つ以上セット可能であり、各一次原反ロールJR,JRから繰り出した一次連続シート(図示例ではS11、S12)は、その連続方向に沿って積層して積層連続シートとする重ね合わせ部51に供給されるように構成されている。
【0063】
ここで、図示例では、各一次原反ロールJR,JRから繰り出される一次連続シートS11,S12の表面が、それぞれ積層連続シートS2の表面となるようして重ね合わせ部51に供給されるようになっている。なお、ここでの積層連続シートS2の「表面」とは積層外面を意味する。一次連続シートS11,S12の裏面がそれぞれ積層連続シートS2の表面となるよう構成してもよいし、一次連続シートS11,S12のどちらか一方の裏面が積層連続シートS2の表面となり、他方の表面が積層連続シートS2の表面となるようしてもよいが、一次原反シートS11,S12の表面は、乾燥時にヤンキードライヤーの表面に接していることから裏面と比較して毛羽立ちが少なく滑らかで肌触りが良いので、一次連続シート(乾燥原紙S1)の表面が積層連続シートS2の両外面を構成するようにするのが望ましい。
【0064】
プライマシンX3は、重ね合わせ部51の後段に、積層連続シートS2を巻取って二次原反ロールRとするための巻取り手段56が設けられている。この巻取り手段56は、積層連続シートS2を巻き取り手段56に案内しつつ巻取るための一対のワインディングドラムを有している。これら2つのワインディングドラム56A,56Aが二次原反ロールRの外周面に接して積層連続シートS2を案内しつつ巻き取りを補助する。
【0065】
ここで、プライマシンX3においては巻き取り部56の前段にスリット手段55を設けて、積層連続シートS2を連続方向にスリットして、後段のロータリー式インターフォルダの加工幅に合わせて適宜の幅とした後に巻き取ることで二次原反ロールRの幅を適宜調整することが可能である。例えば、積層連続シートS2の連続方向側縁部をカットするようにスリットして、ロータリー式インターフォルダで加工するティシュースリット幅の複数倍に40〜100mm程度のトリム幅を加えた適宜の幅に調整することができる。
【0066】
本発明の二次原反ロールRの幅は、ロータリー式インターフォルダを構成するロール幅、すなわち処理可能な幅に応じて適宜の幅とすることができる。一般的には、ティシュペーパーの幅(150〜250mm)と生産性などから800〜4600mmである。従って、この範囲となるようにスリットすることができる。ロータリー式インターフォルダでは、オンラインでナイフロールの後でトリム工程を有することができるので、ここでスリット等を必ずしも行なう必要はなく、理想的には一次原反ロールJRの幅と実質的に同幅の二次原反ロールRを製造し、そのままインターフォルダの原反ロール支持部にセットするのが操作、設備が簡易となるから望ましい。従って、スリットなどは行なわないほうが望ましい態様である。一次原反ロールJRの幅が過度に大きい場合など、インターフォルダの二次原反ロール支持部との関係で必要となる場合にのみスリット工程を設ければよい。
【0067】
なお、本実施形態に係る二次原反ロールRの製造設備X3又は製造方法においては、加工速度は350〜1100m/分、好ましくは700〜1050m/分、より好ましくは900〜1000m/分とするのがよい。350m/分未満だと十分な生産性とは言えず本願発明の効果である薬液塗布タイプのティシュペーパーを製造するという効果が得られがたくなる。他方、1100m/分超過であると安定的に生産するのが困難となる。
【0068】
(カレンダー加工)
他方、プライマシンX3においては、重ね合わせ部51から巻き取り部56までの間にカレンダー部52を,52一つ以上設けて積層連続シートS2をカレンダー加工することができる。
【0069】
カレンダー部52におけるカレンダーの種別は、特に限定されないが、表面の平滑性向上と紙厚の調整の理由からソフトカレンダー又はチルドカレンダーとすることが好ましい。ソフトカレンダーとは、ウレタンゴム等の弾性材を被覆したロールを用いたカレンダーであり、チルドカレンダーとは金属ロールからなるカレンダーのことである。
【0070】
カレンダー部の数は、適宜変更することができる。複数設置すれば加工速度が速くとも十分に平滑化できるという利点を有する一方、一つであるとスペースが狭くとも設置可能であるという利点を有する。
【0071】
二つ以上のカレンダー部を設置する場合、水平方向、上下方向、或いは斜め方向に並設することができ、また、これらの設置方向を組み合わせて配置することができる。水平方向に並設すると、抱き角度を小さくなるため加工速度が高速とすることができ、上下方向に並設すると設置スペースを小さくすることができる。なお、ここで言う抱き角度とはロールの軸中心から見てシートが接している間(軸と直行する断面の円弧の一部)の角度を意味する(以下同じ)。
【0072】
カレンダー加工におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数なども制御要因として抄紙を行うようにし、これらの制御要因は、求めるティシュペーパーの品質すなわち紙厚や表面性によって適宜変更することが好ましい。
【0073】
[折り畳み工程〔ティシュペーパー束の製造方法及び製造設備〕]
上記プライマシンX3にて製造された二次原反ロールRは、図6に示すように示すように、ロータリー式インターフォルダX4の原反ロール支持部80に回動自在に取付けられる。以下、連続シートが積層された二次連増シートS2を巻取った二次原反ロールRから繰り出した二次連続シートS3を加工する例を主として説明するが、本発明においては上述のようにプライ加工を省略して一次原反ロールJRをそのまま原反ロール支持部80に取付けて一次連続シートS1を加工することもできる。
【0074】
このロータリー式インターフォルダX4においては、前記原反ロール支持部80に取付けられた二次原反ロールRから二次連続シートS3を巻きだし、折り畳み機構部85にて、水系薬液を塗布し折り畳みを行ないティシュペーパー束10を形成する。
【0075】
(ロータリー式インターフォルダの構成等について)
ここで、本発明はロータリー式インターフォルダX4を高速に運転した際に顕著に効果を奏する構成である。もっとも低速なロータリー式インターフォルダにおいても、塗布品質に優れた高品位な水系薬液塗布タイプのティシュペーパー製品が製造される。
【0076】
ここで、本発明にいう高速とは、少なくとも150m/分以上の速度で連続シートが搬送されることを意味する。ティシュペーパー製品の生産性と本発明の効果との関係で定めれば、より好ましくは250m/分以上、もっとも好ましくは280m/分以上である。150m/分以上とすることで生産性の面でのアドバンテージがある。但し、300m/分を超えると水系薬液塗布されたシートを安定して折り畳むことが難しくなる。
【0077】
本発明は150m/分以上の速度で運転するロータリー式インターフォルダX4において、顕著な効果を奏するのであり、その高速化達成技術については限定されるものではないが、本発明者らは、本発明の効果を顕著ならしめるロータリー式インターフォルダX4の高速化技術として折り畳み機構部85の構成についても知見したので、かかる構成の高速化ロータリー式インターフォルダについても説明する。下記に本発明において好適に採用できる高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1〜6を説明する。
【0078】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1》
本発明にかかるロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1を図7及び8を参照しながら説明する。
【0079】
この機構部例1は、ベッドロール71、ナイフロール72、ラップロール73、フォールディングロール75、プレッシャーロール76の各ロールを一対具備し、さらに好ましく テールロール74を具備する(図においてフォールディングロール以外のロールについては一方のみを図示し、他方は省略する)。
【0080】
また、各ロールはサーボモータにより駆動され、各サーボモータの回転速度、周速を各々電子制御により調整して、シートの張力等に合わせ周速を調整可能となっている。これによりロール間でのシートの受け渡しのタイミングを一定に保つことが可能となっている。
【0081】
前記ベッドロール71は、二次連続シートS3を、二次連続シートS3の先端部を爪等で把持したまま、或いは二次連続シートS3の先端部を、バキューム孔78を介して自身の中心方向に吸引するバキューム機能によって(図示例はバキューム機能による)ロール表面に保持しつつ搬送し、後段のロールへと受け渡すものである。
【0082】
ナイフロール72は、表面にカッター刃72Cを具備し、前記ベッドロール71と対をなして回転して、そのカッター刃72Cを適当間隔でベッドロール71上を搬送されてくる二次連続シートS3に接触させて、二次連続シートS3をシート幅方向に裁断する。この裁断間隔は、ティシュペーパー製品の幅(長さ)である。ベッドロール71上を搬送されてくる二次連続シートS3はこのナイフロール72のカッター刃72Cとの接触によって上流の二次連続シートS3から切り離される。
【0083】
裁断されたシートS4は、ベッドロール71上に保持されつつ搬送され、両外面同士が入れ替わり後段のラップロール73に受け渡される。受け渡しは、例えば、ベッドロール72とラップロール73との近接時にベッドロール72のバキュームを停止し、ラップロール73において自身の内部方向への吸引が開始される技術等が例示できる。もちろん、ロータリー式インターフォルダで採用可能なロールからロールへの既知の受け渡し技術も採用できる。
【0084】
プレッシャーロール76は、カット時に、ベッドロールとともにベッドロール上に保持される二次連続シートSの先端部を挟持するものであり、このプレッシャーロール76の存在によりベッドロール71における吸引能力を上げつつシートをカットしてもシートがばたつかず、二次連続シートS3が順次前端から後端にむかってベッドロール71上に吸引され確実に保持されるようになる。また、プレッシャーロール76とベッドロール71とによって二次連続シートの先端部が挟持された状態でナイフロール72によるカットが行なわれるため、カット時のシートが後方(原反ロール方向)に引っ張られることが防止されるとともに張力変動を効果的に吸収でき、カット時におけるシートのばたつきも防止される。
【0085】
ラップロール73は、ベッドロール72から受け渡された裁断されたシートS4を表面に保持しつつ搬送し、その搬送されるシートS4の回転方向前縁部を、ラップロール73より減速して回転する対応するフォールディングロール75に移行させるものである。この受け渡しは所定位置においてシートの回転方向前縁部のバキュームの停止、或いは気体の噴射、機械的なシート把持機構などの既知の技術が採用される。
【0086】
図示例のラップロール73は、シートS4の回転方向前縁部、回転方向後縁部とこれらの間の2点以上を保持するようにバキューム孔710,710が形成されており、シートS4を確実にラップロール73上の保持することが可能となっている。
【0087】
なお、図には表れないがロータリー式インターフォルダのロールにおけるバキューム孔は周知のとおりロールの軸心方向に沿って、その表面に点在的に配置されるものであり、本発明及び本明細書におけるバキューム孔もそのように構成されている。したがって、回転方向前端部、回転方向後端部とこれらの間の2点以上を保持するようにバキューム孔が形成されているとは、シートの回転方向前端部等を保持する各位置に、ロールの軸心方向に沿ってバキューム孔が複数配されていることを意味する。この孔の数は適宜の設計事項である。
【0088】
必要に応じて具備されるテールロール74は、ラップロール73に近設され、ラップロール73及び後段のフォールディングロール75より小径である。テールロール74は、ラップロール73から前記回転方向前縁部がフォールディングロール75に移行されたシートの回転方向後縁部(テール)が移行され、当該シートの回転方向後縁部を自身の表面に保持する。保持機構は上述のベッドロール等と同様である。
【0089】
上述のラップロール73とフォールディングロールか75の回転速度の差と、シートS4の回転方向前縁部をフォールディングロールに移行した後、回転方向後縁部(テール)をテールロールに移行させることにより、ラップロール73、テールロール74及びフォールディングロール75によってシートS4にたるみ部(バブルとも称される)Stを一次的に形成する。
【0090】
また、ラップロール73からフォールディングロール75へのシートS4の回転方向先端側部分の移行は、先のシートの回転方向後縁部がラップロール73からたるみ部を形成しつつテールロール74上に移行されている際に行なわれる。
【0091】
そして、先のシートの回転方向後縁部がテールロール74からフォールディングロール75上に移行される際には、その部位には後のシートの回転方向前縁部が存在している。
【0092】
従って、テールロール74からフォールディングロール75に完全にシートが移行されると、フォールディングロール75上では、先のシートの回転方向後縁部の下方(フォールディングロール側)に、後のシートの回転方向前縁部が位置して重なり合った(ラップされた)状態となる。
【0093】
フォールディングロール75は、一部が重なりあったシート群を折畳むものである。一対のフォールディングロール75,75は互いに近接され、同様に対となるフォールディングロール上を移行してくる一部が重なりあいつつ送られてくるシート群とを自身のシート群とを重ね合わせ、その重ね合わせ部で各シートの縁部を相互に押し合う(引き合う)ようにしてシート群を折り畳む。
【0094】
このように本発明にかかる高速化ロータリー式インターフォルダは、シートを裁断するナイフロール72及びベッドロール71とラップロール73とを分離することで、ラップロール73におけるバキューム能力の向上させることができ、さらに各ロールをサーボによって個別にその速度を管理することで高速化が達成されている。
【0095】
その上、ラップロール73、フォールディングロール75及びテールロール74によりたるみ部を一時的に形成することで、先のシートと後のシートの一部を重ね合わせるようにしつる移行させ、かかる一部が重ね合わされたシート群をフォールディングロールで折り畳むようにすることで、きわめて高速な操業が可能となる。
【0096】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例2》
高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例2を図9に示す。このロータリー式インターフォルダは、ベッドロール71、ナイフロール72、第1プルロール78A、第2プルロール78B、遅延ロール79A、ニップロール79B、ラップロール73A、カウントロール73Bを各一つ有し、さらに一対のフォールディングロール75,75を有する。必要に応じて適宜の抑えロールRを有する。
【0097】
この折り畳み機構部例2は、初段に、二次連続シートS3を受ける第1プルロール78A及び第2プルロール78Bを有する。第1プルロール78A及び第2プルロール78Bによるニップされつつ二次連続シートS3がこれらのロール間を通過し、第2プルロール78Bとベッドロール71間にニップされつつベッドロール上に供給される。
【0098】
ベッドロール71及びナイフロール72の関係は、上記ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例1と同様であるが、本形態では、上記折り畳み機構部例1と異なり、ナイフロール72とベッドロール71とによる二次連続シートS3のカット時に、二次連続シートS3の後方(原反ロール側)が第2プルロール78Aとベッドロール71とのニップ、さらに第1プルロール78Aと第2プルロール78Bとのニップにより保持される。これにより、カット時のシートが前方に引っ張られることが防止されるとともに張力変動を効果的に吸収でき、カット時における二次連続シートS3のばたつきが防止される。
【0099】
さらに、ナイフロール72によりカットされたシートS4はベッドロールの吸引機構により保持されつつ搬送され、さらにベッドロールによって後段のロールへと搬送される。
【0100】
本機構部例2におけるベッドロールの直近後段のロールは、ベッドロール71より遅い速度で回転する遅延ロール79Aである。
【0101】
ここで、本機構部例2では、ベッドロール71と遅延ロール79Aのニップ位置よりも、ベッドロール71の進行方向側で所定間隔離れた位置にニップロール79Bが存在し、これらニップロール71と遅延ロール79Aとニップロール79BとによってシートS4を挟持可能に位置構成されている。かかる構成のうえ、ベッドロール71から遅延ロール79Aにシートを受け渡す際に、まずシートS4の回転方向前縁部がベッドロール71から遅延ロールに受け渡され、回転方向後縁部は一旦ニップロール79Bに移動されたのち、順次遅延ロール79Aとでニップするように構成されている。
【0102】
そして、前記回転方向後縁部がベッドロール71からニップロール79B経由で遅延ロール79Aに受け渡される際その位置には、後続のシートS4の回転方向前縁部がすでにベッドロール71から遅延ロール79Aに受け渡されており、これによって遅延ロール79A上において、先のシートの回転方向後縁部の下方に、後のシートの回転方向先端側縁部が位置して重なり合った(ラップされた)状態となる。
【0103】
遅延ロール79Aの後段には、ラップされたシートが搬送されるラップロール73Aが存在し、重ね合わされたシートを進行させ、カウントロール73Bとともに後段のフォールディングロール75,75へと移送する。図示例においては、ラップロール73Aとフォールディングロール75,75の途中には一対の抑えロールR,Rが位置し、これらの間を通過するように構成されている。
【0104】
フォールディングロール75,75は同様の構成のものが近接して一対二つ配され、前記一部重ね合わされたシート群はこの近接部分に上方から移送される。本例のフォールディングロール75,75は、各ロール75,75にシートを保持するグリップ機構(摘み機構)とタッカー機構と具備するシート保持機構を有し、一部重ね合わされて送られてくるシートS4のシート前縁部及びシート後縁部を当該近接位置において一枚おきに、対となるフォールディングロールが交互にそのシート保持機構により保持し開放しつつ下方に移送する。
【0105】
この各ロールのシートの搬送と所定位置における当該縁部の挟持・開放により、各フォールディングロール間の下方にティシュペーパー束が形成される。
【0106】
以上の本機構部例2においては、遅延ロールとニップロールとベッドロールによるシートの一部重ね合わせによりさらに高速化が達成できる。また、第1の機構部例と同様に、カットと折り畳み、シートの重ね合わせが別工程となるためシートのばたつきが防止されるとともに、確実にシートをロール表面に保持することができる。
【0107】
もちろん、本機構部例2においても、各ロールはサーボ機構により制御し、ラップロール、ベッドロールにおける吸引力をも強くすることができる。また、各ロールにおけるバキューム孔の位置についても第1の機構部例と同様に、適宜シートの前端部分、後端部分、それらの中間部分に設けることができるし、望ましい。以上の本機構部例2もロータリー式インターフォルダの高速化を達成ならしめる。
【0108】
《ロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例3》
高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例3を図10に示す。
【0109】
この機構部例3は、折り畳み機構部例1と同様に別々の二次連続シートS3を互に折り畳むように構成される。本例では各ロール群は左右一対あるので共通する点については一方のみについて説明する(図においてはフォールディングロール25以外のロールについては一方のみを図示する)。
【0110】
まず、本折り畳み機構部例3においては、二次連続シートS3は、第1プルロール78Aに搬送され、さらに第2プルロール78Bへと引き込まれ、さらに第2プルロール78Bからナイフロール72に受け渡される。
【0111】
次に、ナイフロール72では、二次連続シートS3がバキュームによって吸引保持され、さらに両外面が入れ替わり後段の移送ロール71Aに受け渡される。
【0112】
ナイフロール72には適宜の間隔でカッター刃が設けられ、移送ロール71Aには当該カッター刃に対応する位置にそのカッター刃を受ける受け機構71aが設けられている。
【0113】
そして、前記ナイフロール71から移送ロール71Aへの二次連続シートS3の受け渡し時にカッター刃72Cによって切断される。
【0114】
また、ナイフロール72から移送ロール71Aへの受け渡しは、バキュームの吸引差により行われる。さらに、移送ロール71AにおいてはシートS4の回転方向前縁部を保持する溝部71bが設けられており、シートS4の回転方向前縁部は、この溝部に位置されて確実に保持される。また、前記二次連続シートS3の切断は、前記ナイフロール72のカッター刃72Cが受け機構71aに入り込むようにして行われる。これにより、シートS4の切断と保持が行われる。
【0115】
さらに、本例の折り畳み機構部例3では、ナイフロール72に設けられた複数のカッター刃間に溝部72aが形成されているとともに、前記移送ロール71Aに突起部71cが形成されており、前記溝部72aに突起部71cが入りこむことでシートS4に折筋を形成するように構成されている。
【0116】
次に、シートS4は移送ロール71Aから両外面が入れ替わりフォールディングロール75へと移送される。この移送は、バキュームによって行われる。移送ロール71Aからフォールディングロールへ75のシートの移送については、移送ロール71Aの溝71cに位置されているシートSの縁部がタッカー機構及びバキュームによってフォールディングロール75に移送される。
【0117】
また、フォールディングロール75には周縁に溝部75aを有し、そこにグリップ機構(摘み機構)が形成されている。そして、移送ロール71Aの突起部71cはフォールディングロール75の溝部75cに入りこむようにロールの大きさ位置関係に形成されている。これにより、移送ロール71Aの突起部71c上に位置するシート部位(ナイフロールの溝部とで折り筋が形成されている部分)がフォールディングロール75の溝部75aに入りこみ、そのときにグリップ機構によって当該部位が保持される。
【0118】
そしてフォールディングロール75は、その部位を保持しつつ回転し、所定位置でシート縁部の解放と当該部位の解放を行う。この所定位置は、対となるフォールディングロール75,75との関係で定まる。例えば、対となるフォールディングロールと最近接位置においてグリップ機構を解放する。そのとき、対となるフォールディングロールはシート縁部の解放を行う。このような対となるフォールディングロール75の近接位置における折り部と縁部との解放を交互に行うことで、対となるフォールディングロール75,75の近接位置の下方にティシュペーパー束が形成される。
【0119】
本機構部例3では、折り筋の形成及びシート縁部の把持・開放、さらに折りと連続シートの切断の非連続性、フォールディングロール75、移送ロール71Aにおける吸引能力の強化の達成により高速化が可能である。もちろん、本機構部例においても各ロールをサーボ機構によりその周速を調整する。また、ロールにおけるバキューム孔の位置についても第1の機構部例と同様に、適宜シートの前端部分、後端部分、それらの中間部分に設ける。なお、サーボ機構、加工速度など他の点については機構部例1及び2と同様である。
【0120】
《ロータリー式インターフォルダの高速化のまとめ》
以上、高速化に適するロータリー式インターフォルダの折り畳み機構部例を述べたが、本発明のロータリー式インターフォルダX4はこの例に限定されない。もちろん、本発明の範囲において可能な限り、上記各例の構成を相互に入れ替える変更をすることができる。
【0121】
本発明において、ロータリー式インターフォルダを高速化するには、折り畳み機構部を以下のように構成すればよい。
【0122】
まず、ナイフロール等でシートがカットされる時点およびそれ以降、シートを各ロール表面に備わっているバキューム孔(真空吸引口)によりロール上に保持しつつ、各ロールを回転させるにあたって、各ロールの駆動をサーボモータにより行い、その速度を調整制御するように構成する。例えば、増減速時のナイフロール等でのカット時のシートテンションコントロールを各シートの伸び易さや引張り強度に合わせて行う。このように、サーボモータなどにより各ロールの周速を各々電子制御により調整することにより、シートの張力に合わせ周速差を変更することができ、これによりシートを保持、受け渡しタイミング等を常に一定に保つことが可能となり高速化することが可能となる。これは、ロール数が多い構成を採る折り畳み機構部の場合には特に有効である。
【0123】
次に、ナイフロールやカッター刃を用いて連続シートを裁断するように構成するとともに、プレッシャーロールやプルロールを設置し、裁断時に連続シートの前後端部の何れか又は双方を保持するように構成する。これにより、裁断時のシートズレが防止され高速化することが可能となる。さらに、サーボモータと組み合わせ、ナイフロールでシートを裁断する時点で、各ロールとの周速差を的確に調整すればより一層の高速化が可能となる。また、バキューム孔によるシート保持と併用すればよりシートテンションを的確にコントロールでき高速運転が可能になる。
【0124】
次に、ナイフロール等でシートがカットされた時点以降、折り畳まれる直前まで、バキューム等により裁断されたシートをロール上に貼りつくようにロールからロールへ搬送するように構成する。これにより、シートのずれがなく、高速にきれいに折り畳むことが可能となる。(裁断されたシートの一部を重ねる場合でも、当該シートの前後端部は保持され、その他のほとんどの部分はロールに接しシートの形成は一定である。)
【0125】
次に、ニップ間隔の長い中間ロール(移送ロール、遅延ロール、ラップロール)にバキューム孔を複数設け、さらにバキューム領域や真空源を2つ以上とするなどして、裁断されたシートの前後端部、裁断されたシートの前後端部の間の吸引力を制御するように構成する。なお、この場合、均等にMD方向3点で、CD方向に径数mmのバキューム孔(真空吸引口)を均等に5〜30個/100〜200mm間隔配置すると、遠心力や回転による風で位置ずれが生じず、また、ロール間のカットシートの受け渡し精度が高まり高速化が可能となる。これによりロール上へのシートの保持性が高まり高速運転が可能となる。
【0126】
(水系薬液塗布工程の説明)
次に本発明の特徴的に水系薬液塗布工程を説明する。本発明においては、水系薬液塗布は、ロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部85にて行なう。特に、二次連続シートを裁断した後に薬液塗布を行なう。
【0127】
具体的に説明すると、上述の折り畳み機構部例1〜3でいえば、上記各折り畳み機構部例を示す図7〜10において、非接触式塗布手段は符号81、82で示されている。
【0128】
搬送された二次連続シートS3を上述のベッドロール71、移送ロール71A或いはフォールディングロール75上にて裁断した後に、ベッドロール71、ラップロール73A、移送ロール71A或いはフォールディングロール75上に保持された裁断後のシートS4に対して、当該ロールに対向して配置された非接触式塗布手段から水系薬液を非接触塗に塗布する。
【0129】
ここで、非接触式塗布方法とは、フレキソ印刷、グラビア印刷、ロール塗布などのようにロール等の接触体に水系薬液を一度付与し、その接触体をシート面に接触させて水系薬液を付与するものではなく、水系薬液を直接的にシートに付与する塗布方法を意味する。代表的にはスプレー塗布、インクジェット印刷方式等の水系薬液塗布方法である。
【0130】
かかる非接触式塗布方法では、シートにロール等を接触させないことから紙粉が発生しない。
【0131】
そして、好ましく採用される非接触式塗布方法は、設備設置コスト、設備設置面積を小面積にすることが可能なローターダンプニング噴霧方式によるスプレー塗布、さらに薬剤塗布量や塗布面積、塗布パターンの管理精度が高くムラが発生し難いインクジェット印刷方式の塗布である。なお、好適な非接触式薬液塗布手段の具体的な説明は後述する。
【0132】
ここで、水系薬液塗布工程においてシート(積層シートを含む)に付与する水系薬液の両外面への総塗布量は、1.5〜5.0g/m2とし、好ましくは2.0〜4.0g/m2とする。5.0g/m2超過であると、本発明の方法をもってしても、高速操業した際に紙力低下や伸びなどにより断紙など操業性に支障をきたしたり、品質的に紙厚やウエブ嵩が低下したりするおそれが高まる。また、べたつき感が過ぎる場合も出てくる。1.5g/m2未満であると滑らかさやしっとり感など未塗布品との品質差を感じられなくなってしまう。
【0133】
なお、本発明においてシートの両外面に水系薬液を塗布する場合には、両外面でほぼ同等量の水系薬液を塗布するのが基本(すなわち上記総塗布量の1/2を片面に塗布する)であるが、二次原反シートの両外面のクレープ形状の差、摩擦感などの要素差やその他の操業、品質上の事情により、両外面において水系薬液塗布量が異ならしめてもよい。
【0134】
≪両面塗布と片面塗布について≫
ここで、本発明においては裁断後のシートの片面のみに水系薬液を塗布しても、両面に塗布してもよい。特に、上記説明のとおり連続シートがプライマシンX3にて複数の一次連続シートS1,S1を積層して、二次連続シートS2とする場合には、両外面に水系薬液を塗布するのが望ましい。
【0135】
このような積層のシートS4の両面に水系薬液を塗布する場合には、図11に示すように、裁断後の前段ロールA上に保持されたシートS4に対して、水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートを他方面が外側となるように後段ロールBへ受け渡し、その状態で前記後段ロールB上に保持された当該シートS4に対して、再度、水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する。
【0136】
上述の折り畳み機構部例1で説明すれば、ベッドロール71とナイフロール72にて二次連続シートS3を裁断した後、ベッドロール71上に保持される裁断されたシートS4に対して非接触式塗布手段81により水系薬液を非接触式に塗布し、さらに他方面が外側となるようにラップロール73にシートS4が受け渡された後に、そのラップロール73上に保持されているシートS4に対して別の非接触式塗布手段82により再度水系薬液を非接触式に塗布する。
【0137】
なお、前段ロールAから後段ロールBへ他方面が外側となるように受け渡す技術は、上述折り畳み機構部例1にて説明したベッドロール71からラップロール73への受け渡し方法など各ロールに設けられたバキューム孔を介しての吸引・排気・停止の制御、或いは各ロールに設けたメカニカルなシートの把持・開放技術が採用できる。もちろん、既知のインターフォルダにて採用されるロールからロールへの受け渡し技術が採用できる。
【0138】
ここで、上記例示した本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部の各例1〜3と、両外面への塗布との関係を説明すれば、まず、折り畳み機構部例1及び折り畳み機構部例3については両外面への塗布が可能な構成である。すなわち、折り畳み機構部例1については、ベッドロール71及びラップロール73にシートS4が保持された状態で非接触式塗布が可能であり、折り畳み機構部例3では、ベッドロール71とフォールディングロール75にて水系薬液の非接触式塗布が可能である。上記折り畳み機構部例2については、ベッドロール71からラップロール73Aに移行する際に前後のシートS4の一部が重なるためこのままでは両外面への塗布はできない。但し、ベッドロール71とラップロール73との間に、ベッドロール71と同様のシート保持性を有するロールを介在させるなどすれば両外面への塗布が可能である。
【0139】
もちろん、本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4の折り畳み機構部は、上記折り畳み機構部例1〜3に限定されるわけではなく、両外面への塗布を可能ならしめるべく、折り畳み機構部を構成するロール数を増やしてもよい。上述のとおりロータリー式インターフォルダの高速化はサーボ、吸引の効率化によるロールへのシートの保持性の向上、或いは連続シートの裁断と折り畳みの分離により達成できることから、かかる構成を有した上で、適宜、裁断後のシートの一方の外面を内面に、同時に他方の内面を外面にするためのロールを一つ或いは複数付加した折り畳み機構部として両外面への塗布を行なうことができる。
【0140】
なお、両外面への塗布する場合、必ずしも一方面と他方面の薬液塗布方式は、同様である必要はない。前段ロールAにてスプレー塗布、後段ロールBにてインクジェット印刷方式の塗布などとすることができる。
【0141】
≪水系薬液について≫
次いで、本発明に用いるや水系薬液について説明する。本発明における水系薬液とは水及びポリオールを含むものであり、特にポリオールを70〜90%、水分を1〜15%、機能性薬品を0.01〜22%含むものが望ましい。
【0142】
また、本発明の水系薬液塗布方法において上記水系薬液を使用する場合、水系薬液塗布時の水系薬液温度は30℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とすることが好ましい。
【0143】
このため、水系薬液としては、40℃での粘度が1〜700mPa・sであるのが望ましい。より好ましくは50〜400mPa・s(40℃)である。1mPa・sより小さいと水系薬液が飛散しやすくなり、逆に700mPa・sより大きいと安定した塗布量とするコントロールがしにくくなる。
【0144】
上記ポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類が例示できる。
【0145】
上記成分のうち、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールを主成分とすることが、水系薬液の粘度、塗布量を安定させる上で好ましい。
【0146】
前記機能性薬剤としては、柔軟剤、界面活性剤、無機および有機の微粒子粉体、油性成分などがある。柔軟剤、界面活性剤はティシュペーパーに柔軟性を与えたり表面を滑らかにしたりする効果があり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤を適用する。無機および有機の微粒子粉体は表面を滑らかな肌触りとする。油性成分は滑性を高める働きがあり、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールを用いることができる。
【0147】
また機能性薬剤としてポリオールの保湿性を維持させる薬剤として親水性高分子ゲル化剤、コラーゲン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、ヒアルロン酸若しくはその塩、セラミド等の1種以上を任意の組合せ等の保湿剤を加えることができる。
【0148】
また機能性薬剤として香料、各種天然エキス等のエモリエント剤、ビタミン類、配合成分を安定させる乳化剤、水系薬液の発泡を抑え塗布を安定させるための消泡剤、防黴剤、有機酸などの消臭剤を適宜配合することができる。さらには、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化剤を含有させてもよい。
【0149】
≪インクジェット印刷方式≫
次に、本発明にかかる非接触式薬液塗手段81,82として、インクジェット印刷機130を用いる場合の例を説明する。インクジェット印刷機130は既知のものが使用できる。
【0150】
本実形態のインクジェット印刷機130を、図12〜13を参照して説明すれば、水系薬液Lの入っているタンク(図示されない)が供給路131を介してインクジェットヘッド132に接続された構造とされ、前記タンクから供給ポンプ(図示しない)によりインクジェットヘッド132に水系薬液が供給されるようになっている。
【0151】
前記インクジェットヘッド132の被塗布材である裁断されたシートS4と対向する部分には、このシートS4の幅分に少なくとも対応する形で、複数のノズル孔134を直線的に並んで設けているノズル板133が配置されている。
【0152】
ここで前記ノズル孔134から二次連続シートS2,S3までの間隔は1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとするのが望ましい。インクジェット印刷方式では、各ノズル孔134から噴射される液滴が極少量であるため周辺気流の環境を受けやすいが、1〜10mm、より好ましくは1〜3mmとすれば、その影響は格段に小さい。一般的なフルカラープリンターの紙とノズルの間隔は1〜1.5mmである。人の目は輝度の差異やグラディエーションの表現に敏感であるため、4〜6色の減色混合による十分な色彩表現を得るのにはドット位置の精度は数μm以内を求められている。これに対し本発明の水系薬液塗布ではドット位置の精度は100μm以内で十分均一な塗布品質が得られる。
【0153】
そして、このインクジェットヘッド132内には、噴射ユニット135が各ノズル孔に対応して複数配置され、各噴射ユニット135は、ノズル孔134から射出するための水系薬液を一時的に貯める流体室136と、この流体室136を挟んでノズル板133と対向する部分に配置された振動板137とを有し、振動板137に当接して流体室136外に配置され且つピエゾ素子等により形成される圧電素子(図示されない)とを有している。
【0154】
前記圧電素子には、配線を介して制御装置138が接続されていて、この制御装置138から所定の間隔で圧電素子に電圧が付与されるようになっている。
【0155】
かかる構造により、タンクからインクジェットヘッド132に供給された水系薬液は、各ノズル孔134に対応して存在する流体室136内に送り込まれるようになっていて、必要に応じて制御装置138が圧電素子に電圧を加えることで、各ノズル孔134から一斉に水系薬液が噴射されることになり、これに伴い、シートS4の一方の面における幅分全体に亘って水系薬液が塗布されことになる。
【0156】
また、本発明のインクジェットヘッド132内に圧空135が送気するように構成され、前記噴射ユニット135から噴射された液滴がノズル孔134から圧空にのってシートS3に向かうように構成され、紙粉がノズル孔に詰まるのを防止するように構成されている。
【0157】
尚、上記実施形態では、インクジェットの形式として、オンデマンド方式でピエゾ素子を採用した構造を説明したが、サーマルジェット型を採用しても良い。更に、オンデマンド方式の替りに連続して噴射可能なコンティニュアス方式の噴射装置を採用しても良い。
【0158】
ただし、好ましいのは、電子制御によるオンデマンド方式であり、これによって幅方向、流れ方向における塗布量変更が容易となる。
【0159】
ここで、本発明においてインクジェット印刷方式を採用して水系薬液塗布する場合のより好ましい条件は、ノズル孔からのインク液滴の粒子速度は5〜20m/秒程度、一つのインク液滴の容量は5〜50pl/個である。
【0160】
さらに、インク液滴は流れ方向、幅方向に20〜200μm間隔で液滴を塗布するのが望ましい。これにより塗布量が増減しても実質的に均一な塗布が可能である。幅方向のノズル間隔は128〜1080dpi(5〜42ライン/mm、128dpi×1段〜360dpi×3段式)とする。
【0161】
一例を示せば、加工速度が分速250mの場合、インク液滴の粒子速度10m/秒、一つのインク液滴容量10pl/個、幅方向のノズル間隔1080dpiとして、インクジェット噴射頻度は5×104ドット/秒/ライン程度である。
【0162】
≪スプレー塗布方式≫
次に、本発明にかかる非接触式薬液塗手段81,82として、スプレー塗布装置を用いる場合の例を図14〜17を参照しながら説明する。
【0163】
スプレー塗布は、ノズル式噴霧方式、ローターダンプニング噴霧方式等を採用することができる。好ましくは、後述するローターダンプニング噴霧方式である。
【0164】
スプレー塗布装置は、その方式によりノズルユニット或いはローターダンプニングユニット等を有する塗布ユニットを、その噴霧口がシートに対して対面するようにして、複数をシートS4の幅方向に並列し、各ユニットから水系薬液をいっせいに噴霧することでシートS4に水系薬液を塗布するものである。
【0165】
ノズル式噴霧方式における噴霧用ノズルの型式としては、環状に噴霧する空円錐型ノズル、円形状に噴霧する充円錐型ノズル、正方形状に噴霧する充角錐型、充矩型ノズル、扇型ノズル等が挙げられ、水系薬液がシートS4の幅方向に対して均一に噴霧されるように、ノズル径、ノズル数、ノズル配列パターン、ノズル配置数、あるいは噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、および噴霧液の濃度、粘度などを適宜選択して使用することができる。
【0166】
また、ノズル式噴霧装置において霧化する方法については、一流体方式、または二流体方式の2種類の方式を選択して使用することができる。このうち一流体噴霧方式は、噴霧する水系薬液に対して圧搾空気を用いて直接圧力をかけてノズルから霧滴噴射する、または噴出口付近のノズル側面に開けた微細な穴からノズル内に空気を吸引して霧滴噴射する方式である。また、二流体噴霧方式は、ノズル内部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する内部混合型、ノズル外部で圧搾空気を噴霧する液体と混合、微粒化する外部混合型、微霧化した霧滴粒子を相互に衝突させて、霧滴粒子をさらに均質化・微粒子化する衝突型等の方式が挙げられる。好ましい、ノズル式噴霧装置は、二流体噴霧方式である。
【0167】
その二流体噴霧方式のノズルユニット例は図14に示すとおりであり、これを参照しながらさらに説明する。このノズルユニット110は、中心に水系薬液通路110Aが、その周囲にエアー通路110Bが形成され、水系薬液通路110A先端から噴出された水系薬液Lを、エアー通路110Bから吐出されたエアーにより微霧化するものであり、ほぼ円錐形状に水系薬液Lを噴霧するようにしたものである。110Cは外部の保護ケーシングであり、紙粉などからノズルを保護すると共に、必要によりパージエアー通路110Dを通すエアーによりノズルの清掃を行なうことができるようにしたものである。
【0168】
ここでスプレー塗布方式の水系薬液塗布では、噴霧した水系薬液の跳ね返りやシート表面に随伴する空気などによって液滴が押し流され、液滴がシートS4の表面に付着しにくくなることがあるため、例えば、ノズル式であれば図15に示すように、ノズルユニット110の周囲から、ケーシング110Eに形成したエアー供給路110Fから噴出させるエアー110Gにより、ノズルユニット110からの噴霧水系薬液を取り囲むようにして水系薬液がシートS4に付与されることができる。
【0169】
次に、スプレー塗布のなかでも本発明に好適なローターダンプニング噴霧方式を説明する。ローターダンプニング噴霧方式は、特に図16〜17に装置例140を示すように、複数のローターダンプニングユニット141がシートS4の幅方向に並列されている。
【0170】
各ローダーダンプニングユニット141は、噴射部142を有する流体室143が高速に回転され、その流体室143内に薬液を送り出して、遠心力によって流体室内の薬液を噴射部142から放出させて微霧滴化する。前記流体室143の回転数変更によって霧滴粒子径の制御を行い、流体室への送液量変更によって噴霧液量(付与量)の制御を行なう。ローターダンプニング噴霧方式は、少ない量の噴霧液量を霧滴の飛散を抑えつつ、シート表面に均一に塗布することができ、かつ噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である利点がある。
【0171】
図示例の本形態体のローターダンプニングユニット141では、好ましく噴霧口144の開閉を行なうシャッター145が設けられており、このシャッター145の開閉により噴霧の有無の制御をすることが可能となっている。
【0172】
ここで、ローターダンプニングユニットを、シートS4の流れ方向に直行するように複数並べ、走行するシートに対して垂直に設置する場合、噴射孔の間隔は好ましくは50〜150mmである。
【0173】
他方、水系薬液をシート表面に均一に噴霧付与するためには、霧化された水系薬液の霧滴粒子径はできる限り微小であることが好ましい。しかしながら、霧滴が細かくなりすぎると噴霧した空気の跳ね返りやシート表面に随伴する空気などによって霧滴が押し流され、霧滴がシート表面に付着しにくくなる。このため、噴霧付与方式においては噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度を、加えて二流体方式の場合には、噴霧用の水系薬液と圧搾空気の混合比、および水系薬液の濃度や粘度等を適宜調節し、付与条件に適した粒子径に調節することができ、さらに噴霧時に随伴空気の影響が大きい場合は、随伴空気を除去するための吸引装置や邪魔板(整流板)、上述のフード等の設置、および噴霧ノズル先端に高電圧を加えて霧滴粒子を帯電させて、顔料塗被紙への霧適の付着性を向上させる荷電電極(静電噴霧方式)などを追加してもよい。
【0174】
なお、スプレー塗布方式を採用する場合の好ましい霧滴粒子の重量平均粒径を例示すれば、20〜150μmである。
【0175】
また、シート表面に塗布されずにミストとして浮遊している霧滴粒子は、吸引・回収して再度噴霧することができる。
【0176】
[コンタクトエンボス工程]
他方、本発明のティシュペーパー製品X1の製造方法においては、プライ加工を行なう場合、シート同士の剥離をし難くするコンタクトエンボス加工を施すことができる。
【0177】
このコンタクトエンボスは、図示はしないが、ロータリー式インターフォルダの適宜の位置、例えば、ナイフロール72のカットの直前においてエンボス凸部を有するエンボスロールと対をなすゴムロール等のエンボス受けロールを設けて付与することができる。
【0178】
このコンタクトエンボスにおける具体的なエンボスパターンは特に限定されない。例えば、点状、正方形、長方形、円形、楕円形等の形状の単位エンボス群からなるエンボスを、適宜連続シートの幅方向(カット後はこれに対応する方向)に線状に配置すればよい。
【0179】
単位エンボス群の配列としては等間隔が考えられるが、千鳥状としたり、等間隔としなくとも良く、また、コンタクトエンボスは1列に配置してもよいし、2列以上の複数列配置することも考えられる。なお、コンタクトエンボスは、かかるエンボスロールによる機械的に圧力を加えて接合する他に、超音波等の他の手段により接合してもよい。
【0180】
[裁断工程]
以上のようにして形成された二次原反ロール幅或いは幅方向縁部がトリムされた二次連続シートS3の幅の水系薬液含有の長尺ティシュペーパー束10Cは、適宜の裁断工程(図示されない)ティシュペーパー製品の幅に裁断(切断)されてティシュペーパー束10とされる。
【0181】
『収納工程』
ティシュペーパー束の収納箱への収納例について説明する。なお、ティシュぺーパー束10の収納箱2への収納方法は、この例に限定されず既知の方法を採用することができる。
【0182】
裁断工程によって裁断されて形成されたティシュペーパー束10は、図18に示すように、ロータリー式インターフォルダX4の後段の収納設備において収納箱2に収納される。
【0183】
具体的には、上述の上面2U、底面及びこれらを連接する側面2Sと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uとを有する収納箱を、底面側端面片23B、側面端面片23S、上面側端面片23Uが開いた状態、すなわち端面が開口された状態に半完成の状態に組立てるとともに、その開口部に対面するようにインターフォルダX4から送られてくるティシュペーパー束10の裁断面を付き合わせる。
【0184】
そして付き合わせたならば、ティシュペーパー束10をプッシュロッド等によって収納箱内へ押し込む。ティシュペーパー束10が収納箱内に押し込まれたら、前記側面端面片23Sを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片23Uと底面側端面片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着する。
【0185】
この接着によって本発明のティシュペーパー製品X1の製造は完了する。
【0186】
なお、本発明にかかるロータリー式インターフォルダX4により製造したティシュペーパー束10を構成するティシュペーパー1の紙の方向は、図示のとおり、ティシュペーパー1の折り畳み部の延在方向に沿って横方向(CD方向)となり、ティシュペーパーの折り畳み部の延在方向と直交する方向に沿って縦方向(MD方向)となる。
【0187】
したがって、上述のように収納箱2に収納された本発明によって製造されるティシュペーパー製品X1は、図2に示すように、ティシュペーパー1を収納箱2から引き出す際には、その引き出し方向がティシュペーパーの縦方向(MD方向)と沿うようになっている。
【実施例】
【0188】
次いで、本発明の実施例及び比較例を下記表1〜5に示す。表1〜表5の下二欄に示されるとおり、ロータリー式インターフォルダにおいてシートカット後に薬液を非接触式塗布する本発明の実施例にかかる方法は、かかる方法を採らない比較例と比べて、操業性及び製品品質において優位性が認められる。
【0189】
【表1】
【0190】
【表2】
【0191】
【表3】
【0192】
【表4】
【0193】
【表5】
【符号の説明】
【0194】
X1…ティシュペーパー製品、1…ティシュペーパー、1e…ティシュペーパーの折り返し辺の縁、10…ティシュペーパー束、2…収納箱、2U…収納箱(紙箱)上面、2S…収納箱(紙箱)の側面、20L…収納箱(紙箱)の長手縁、20S…収納箱(紙箱)の短手縁、21…取出口形成部(ミシン目線)、22…フィルム、23B…底面側端面片、23S…側面端面片、23U…上面側端面片、24…スリット、25…取出口、
X2…抄紙設備、JR…一次原反ロール(ジャンボロール)、W…湿紙、S1…乾燥原紙(一次連続シート)、31…ヘッドボックス、32…ワイヤーパート、32w…ワイヤ、333…プレスパート、33F…フェルト、34,35…脱水ロール、36…ヤンキードライヤー、36C…ヤンキードライヤーフード、37…ドクターブレード、38…巻き取り手段、39…ワインディングドラム。
X3…プライマシン、S11,S12…一次連続シート、S2…二次連続シート、51…重ね合わせ部、56…巻き取り手段、56A…ワインディングドラム、52…カレンダー部、
X4…ロータリー式インターフォルダ、S3…二次連続シート、S4…裁断されたシート、71…ベッドロール、71A…移送ロール、71a…受け部、71b…溝部、71c…突起部、72…ナイフロール、72C…カッター刃、72a…溝部、73,73A…ラップロール、73B…カウントロール、74…テールロール、75…フォールディングロール、75a…溝部、76…プレッシャーロール、77…スリット手段、78A…第1プルロール、78B…第2プルロール、79A…遅延ロール、79B…ニップロール、R…抑えロール、270…バキューム孔、271…真空源、80…原反ロール支持部、81,82…水系薬液塗布手段、85…折り畳み機構部、A,B…ロール、
130…インクジェット、132…インクジェットヘッド、133…ノズル板、134…ノズル孔、135…噴射ユニット、136…流体室、137…振動板、138…制御装置、L…水系薬液、
110…二流体方式のノズル式水系薬液噴霧装置、110A…水系薬液通路、110B、110F…エアー通路、110C、110E…保護ケーシング、110D…パージエアー通路、110G…圧空、140…ローダーダンプニング噴霧装置、141…ローターダンプニングユニット、142…噴射部、143…流体室、144…噴射口、145…シャッター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリー式インターフォルダを用いてティシュペーパー製品を製造する方法であって、
クレープ紙からなる連続シートを搬送する工程と、
搬送された連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断工程と、
前記裁断後のロール上に保持されたシートに対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する水系薬液塗布工程と、
前記水系薬液が塗布されたシートを折り畳む工程とを有する
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項2】
前記裁断後のロール上に保持されたシートの一方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートの両外面を入れ替えて後段のロールへ受け渡し、
その両外面を入れ替えされた状態で前記後段のロール上に保持されたシートの他方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
裁断後のシートの両面に水系薬液を塗布する、請求項1記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項3】
前記非接触式塗布方法は、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法である請求項1又は2記載のティシュペーパーの製造方法。
【請求項4】
前記水系薬液は、ポリオールを主成分とし、水分を1〜15質量%含む請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【請求項5】
前記水系薬液は、粘度が1〜700mPa・sである請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【請求項1】
ロータリー式インターフォルダを用いてティシュペーパー製品を製造する方法であって、
クレープ紙からなる連続シートを搬送する工程と、
搬送された連続シートをロール上に保持しつつティシュペーパーの大きさに裁断する裁断工程と、
前記裁断後のロール上に保持されたシートに対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布する水系薬液塗布工程と、
前記水系薬液が塗布されたシートを折り畳む工程とを有する
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項2】
前記裁断後のロール上に保持されたシートの一方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
さらに、その一方面に水系薬液が塗布された裁断後のシートの両外面を入れ替えて後段のロールへ受け渡し、
その両外面を入れ替えされた状態で前記後段のロール上に保持されたシートの他方面に対して、水及びポリオールを含む水系薬液を非接触式塗布方法により塗布し、
裁断後のシートの両面に水系薬液を塗布する、請求項1記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項3】
前記非接触式塗布方法は、インクジェット印刷方式又はローターダンプニング噴霧方式の塗布方法である請求項1又は2記載のティシュペーパーの製造方法。
【請求項4】
前記水系薬液は、ポリオールを主成分とし、水分を1〜15質量%含む請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【請求項5】
前記水系薬液は、粘度が1〜700mPa・sである請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパーの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−34867(P2012−34867A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178170(P2010−178170)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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