説明

ティッシュボックス包装体

【課題】それぞれ種類(坪量)の異なるティッシュペーパーを収容するティッシュボックスをまとめて包装し、かつ各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くしたティッシュボックス包装体を提供する。
【解決手段】ティッシュボックス包装体10は、所定坪量の標準ティッシュペーパーを収容する標準ティッシュボックス1と、標準ティッシュペーパーより坪量が高い高坪量ティッシュペーパーを収容し、標準ティッシュボックスと縦L横T寸法が同一で、かつ標準ティッシュボックスと高さが異なる異高ティッシュボックス3と、を縦横を揃えつつ、高さh、h方向に積層して包装してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数個のティッシュボックスを積層して包装したティッシュボックス包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数個のティッシュボックスを積層して包装したティッシュボックス包装体(マルチパック)が店頭販売されている。特に、ティッシュボックスの5個パックは、ティッシュボックスのバラ売りに比べて割安な価格設定がされており、販売数量も多い。
そして、これらマルチパックの店頭陳列時に消費者の目を引くよう、各ティッシュボックスに絵柄の分割像を印刷し、各ティッシュボックスを積層したときに全体像となる絵柄を大きく表示させ、商品をアピールする技術が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、ティッシュボックスに収納されるティッシュペーパー(フェイシャルティシュ)は鼻かみ、化粧落とし、汚れの拭きとりなど多様な用途に使用され、これら用途にそれぞれ特化した特性をティッシュペーパーに付与する場合も多い。例えば、花粉症患者が頻繁に鼻かみする際に皮膚が荒れないよう、柔軟成分を含む薬液を塗布したローションティシュを箱詰したティッシュボックスが販売されている。又、女性の化粧時に鏡台に配置し易いよう、柔らかさと強度を両立させた化粧落としティッシュを小型のボックスに箱詰したティッシュボックスも販売されている。
これらのローションティシュや化粧落としティッシュは、汎用品である標準的なティッシュペーパーより坪量が高いという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-69637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のティッシュボックス包装体は、同一種類のティッシュボックスをパックしたものに過ぎないため、例えば、上記したローションティシュと化粧落としティッシュのボックスをまとめて購入したい場合、各種類のティッシュボックスを1個ずつ購入するか、各種類のティッシュボックス包装体を購入しなければならず、消費者にとっての利便性が良いとはいえなかった。
又、販売者にとっても、それぞれ種類の異なるマルチパックを並列すると余分な販売スペースが必要となるという問題がある。
【0006】
従って本発明は、それぞれ種類(坪量)の異なるティッシュペーパーを収容するティッシュボックスをまとめて包装し、かつ各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くしたティッシュボックス包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のティッシュボックス包装体は、所定坪量の標準ティッシュペーパーを収容する標準ティッシュボックスと、前記標準ティッシュペーパーより坪量が高い高坪量ティッシュペーパーを収容し、前記標準ティッシュボックスと縦横寸法が同一で、かつ前記標準ティッシュボックスと高さが異なる異高ティッシュボックスと、を縦横を揃えつつ、高さ方向に積層して包装してなる。
このような構成とすると、ティッシュボックスを高さ方向に積層したとき、縦及び横が揃うので既存の包装設備にて一体に包装することができ、さらに各ティッシュボックスの高さのみが異なるため、各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くなる。又、高さの異なるティッシュボックスを組み合わせ包装することにより、店頭陳列時のアピール性が高まると共に、汎用品である標準ティッシュボックスにサンプルパックとして異高ティッシュボックスを付加して消費者に使い比べを促すことで新商品の認知度向上が図られる。
【0008】
前記異高ティッシュボックスの高さは、前記標準ティッシュボックスの高さの1.2〜1.7倍であるか、又は0.85倍以下であると好ましい。
このような構成とすると、両ティッシュボックスの区別が容易となる。又、両ティッシュボックスの高さの差が上記範囲内であれば、それぞれ坪量の異なるティッシュペーパーを収容する両ティッシュボックス間で、ティッシュペーパーの収容数(シート組数)が大きく異なることが無く、一方のティッシュボックスを早く使い切る不具合がない。
【0009】
前記標準ティッシュペーパーの坪量が12±1.5g/m2であると好ましい。
前記高坪量ティッシュペーパーは、坪量15±1.5g/m2の化粧落とし用ティッシュペーパー、及び/又は坪量17±1.5g/m2で水分が10±2%のティッシュペーパーであると好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、それぞれ種類(坪量)の異なるティッシュペーパーを収容するティッシュボックスをまとめて包装し、かつ各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くしたティッシュボックス包装体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るティッシュボックス包装体の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るティッシュボックス包装体の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るティッシュボックス包装体の外観を示す斜視図である。
【図4】ティッシュボックス包装0を多数並べて販売する態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るティッシュボックス包装体について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るティッシュボックス包装体10の外観を示す斜視図である。ティッシュボックス包装体10は、標準ティッシュペーパーを収容する4個の標準ティッシュボックス1と、標準ティッシュペーパーより坪量が高い化粧落とし用ティッシュを収容する1個の化粧落とし用ティッシュボックス3とを、縦L及び横Tを揃えつつ、高さ方向に積層し、シュリンクフィルム包装等により包装(パック)してなり、図示しない持ち手等を備えている。ティッシュボックス包装体10は、通常、ティッシュボックスを2〜5個程度積層して得ることができる。
標準ティッシュボックス1は、坪量12±1.5g/m2である標準ティッシュペーパーをポップアップ式に収容しており、この標準ティッシュペーパーはいわゆる汎用品として、柔らかさ、強さ、吸水量が通常の特性を有するティッシュペーパーである(後述の表1参照)。
一方、化粧落とし用ティッシュボックス3は、坪量15±1.5g/m2の化粧落とし用ティッシュペーパーをポップアップ式に収容しており、この化粧落とし用ティッシュペーパー(高坪量ティッシュペーパー)は、化粧落としが容易となるよう、柔らかさと強度を両立した特性を有するティッシュペーパーである(後述の表1参照)。
【0013】
標準ティッシュボックス1と化粧落とし用ティッシュボックス3とは、縦L及び横Tの寸法がそれぞれ同一であるが、高さh、hがそれぞれ異なっていて、化粧落とし用ティッシュボックス3が特許請求の範囲の「異高ティッシュボックス」に相当している。
従って、各ティッシュボックス1、3を高さ方向に積層すると、縦L及び横Tが揃うので既存の包装設備にて一体に包装することができ、さらに各ティッシュボックス1、3の高さのみが異なるため、各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くなる。又、高さの異なるティッシュボックスを組み合わせ包装することにより、店頭陳列時のアピール性が高まると共に、汎用品である標準ティッシュボックスにサンプルパックとして異高ティッシュボックスを付加して消費者に使い比べを促すことで新商品の認知度向上が図られる。
【0014】
このようなことから、化粧落とし用ティッシュボックス3の高さhは、標準ティッシュボックス1の高さhの1.2〜1.7倍であるか、又は0.85倍以下、0.70以上であると、両ティッシュボックス1、3の区別が容易となるので好ましい。又、両ティッシュボックス1、3の高さの差が上記範囲内であれば、それぞれ坪量の異なるティッシュペーパーを収容する両ティッシュボックス1、3間で、ティッシュペーパーの収容数(シート組数)が大きく異なることが無く、一方のティッシュボックスを早く使い切る不具合がない。各ティッシュボックスのティッシュペーパーの収容数(シート組数)の差は、±20%の範囲内であれば好ましい。

なお、各ティッシュボックス1、3の縦L又は横Tの寸法が同一とは、製造上の誤差も考慮して、両ティッシュボックス1、3の縦L又は横Tの寸法差が±2%の範囲内であればよい。
【0015】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るティッシュボックス包装体20の外観を示す斜視図である。ティッシュボックス包装体20は、2個の標準ティッシュボックス1と、標準ティッシュペーパーより坪量が高い鼻かみ用のローションティッシュを収容する3個のローションティッシュボックス5とを、縦及び横を揃えつつ、高さ方向に交互に積層し、シュリンクフィルム包装等により包装(パック)してなり、図示しない持ち手等を備えている。
ローションティッシュボックス5は、坪量17±1.5g/m2で水分が10±2%のローションティッシュペーパーをポップアップ式に収容しており、このローションティッシュペーパー(高坪量ティッシュペーパー)は、花粉症患者等の鼻かみが容易となるよう、柔らかさと吸水性に優れた特性を有するティッシュペーパーである(後述の表1参照)。
【0016】
第1の実施形態と同様、標準ティッシュボックス1とローションティッシュボックス5とは、縦L及び横Tの寸法がそれぞれ同一であるが、高さh、hがそれぞれ異なっていて、ローションティッシュボックス5が特許請求の範囲の「異高ティッシュボックス」に相当している。
従って、各ティッシュボックス1、5を高さ方向に積層して包装すると、縦L及び横Tが揃うので一体に包装することができ、さらに各ティッシュボックス1、5の高さのみが異なるため、各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くなる。
なお、ローションティッシュボックス5の高さhについても、標準ティッシュボックス1の高さhの1.2〜1.7倍であるか、又は0.85倍以下であることが好ましい。ここで、ローションティッシュペーパーは水分が多く、標準ティッシュペーパーに比べて嵩が低いので、シート組数が同一であっても標準ティッシュペーパーよりシート高さが低くなる傾向にある。従って、この場合には、高さhをhの0.85倍以下で、0.70以上とするとよい。
【0017】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るティッシュボックス包装体30の外観を示す斜視図である。ティッシュボックス包装体30は、標準ティッシュボックス1と、化粧落とし用ティッシュボックス3と、ローションティッシュボックス5とを、縦及び横を揃えつつ、高さ方向に1個ずつ積層し、シュリンクフィルム包装等により包装(パック)してなり、図示しない持ち手等を備えている。
第1の実施形態と同様、各ティッシュボックス1、3、5を高さ方向に積層して包装すると、縦L及び横Tが揃うので一体に包装することができ、さらに各ティッシュボックス1、3、5の高さのみが異なるため、各ティッシュボックスの種類が異なることを見分け易くなる。
【0018】
なお、各ティッシュボックス1、3、5の高さの他、材質や図柄等を変更してもよく、これにより、各ティッシュボックス1、3、5の見かけや手触り等が異なり、消費者が容易に区別することができる。
又、図1に示すように、各ティッシュボックス1,3を覆う包装物(フィルム等)の表面に、各ティッシュボックス1、3の商品情報11、13を大きく表示すれば、各ティッシュボックス1,3の識別がさらに容易になる。商品情報11は例えば、標準ティッシュボックス1の商品名や特徴の説明であり、商品情報13は例えば、化粧落とし用ティッシュボックス3の商品名や特徴の説明である。又、第1の実施形態の場合、ティッシュボックス1を複数個(この例では4個)まとめて積層しているため、ティッシュボックス1を他のティッシュボックス5と交互に積層する第2の実施形態に比べ、ティッシュボックス1の積層面(商品情報11の表示面に対応)が広くなっている。従って、この広い積層面に商品情報11を表示すれば、ティッシュボックス包装体10内でのティッシュボックス1の割合(全体の4/5)が容易に把握できるという利点がある。つまり、同一種類のティッシュボックスをまとめて積層し、その積層面に商品情報を表示させることで、各ティッシュボックスの組み合わせ割合や、組み合わせの種類が容易に把握できる。
【0019】
表1は、標準ティッシュペーパー及び高坪量ティッシュペーパー(化粧落とし用ティッシュペーパー、ローションティッシュペーパー)の特性、及びこれらを収容する標準ティッシュボックス及び異高ティッシュボックス(化粧落とし用ティッシュボックス、ローションティッシュボックス)の寸法の一例を示す。
なお、表1において、標準ティッシュボックスの高さが50±10mmで、化粧落とし用ティッシュボックスの高さが60±10mmとは、両ティッシュボックスの高さが同一になることを意味しない。例えば、標準ティッシュボックスの高さが50mmの場合、化粧落とし用ティッシュボックスの高さは50mmを超えて60mm以下の特定の値となる。坪量についても同様である。
表1において、縦及び横の引張強度は、JIS-P8113に基づき、試験片幅25mm幅にて測定した。総合強度は次式:総合強度=(縦引張強度×横引張強度)1/2にて算出した。
ハンドフィールは、複数のパネラーの官能により、以下の1~5の5段階評価を行う、その平均とした。
1(硬い) 2、(やや硬い)、3(普通)、4(やや柔らかい)、5(かなり柔らかい)
保湿感:標準状態(JIS P8111)におけるティシュ中の水分量をJIS P8127に準拠して測定した。
【0020】
【表1】

【0021】
図4は、第1の実施形態に係るティッシュボックス包装体10を多数並べて販売する態様を示す。各ティッシュボックス包装体10には種類の異なるティッシュボックスが組み合わされており、それぞれ種類の異なるティッシュボックスのマルチパックを別個に並列する必要がなく、余分な販売スペースが不要となる。
【0022】
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0023】
1 標準ティッシュボックス
3,5 異高ティッシュボックス
10〜30 ティッシュボックス包装体
11、13 商品情報
L ティッシュボックスの縦
T ティッシュボックスの横
、h、h ティッシュボックスの高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定坪量の標準ティッシュペーパーを収容する標準ティッシュボックスと、
前記標準ティッシュペーパーより坪量が高い高坪量ティッシュペーパーを収容し、前記標準ティッシュボックスと縦横寸法が同一で、かつ前記標準ティッシュボックスと高さが異なる異高ティッシュボックスと、
を縦横を揃えつつ、高さ方向に積層して包装してなるティッシュボックス包装体。
【請求項2】
前記異高ティッシュボックスの高さは、前記標準ティッシュボックスの高さの1.2〜1.7倍であるか、又は0.85倍以下である請求項1記載のティッシュボックス包装体。
【請求項3】
前記標準ティッシュペーパーの坪量が12±1.5g/m2である請求項1又は2記載のティッシュボックス包装体。
【請求項4】
前記高坪量ティッシュペーパーは、坪量15±1.5g/m2の化粧落とし用ティッシュペーパー、及び/又は坪量17±1.5g/m2で水分が10±2%のティッシュペーパーである請求項1〜3のいずれかに記載のティッシュボックス包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−111552(P2012−111552A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264542(P2010−264542)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000183462)日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Fターム(参考)】