ティッシュ容器
【課題】狭いスペースに置くことができ、かつ、容器内のティッシュが減少したとしても、順次、容易にティッシュを取り出すことができるティッシュ容器を提供すること。
【解決手段】交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュTPを、折り畳まれた折り目Mが縦方向となり、かつ、縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケース12と、ケース12の上側であって、ティッシュTPを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュTPの一部UPが露出するようにした取出し口20を有する蓋部と、を備え、ケース12の内側には、曲げる方向Jに向って弾性力を発揮するようにして、ティッシュTPを挟み込む挟持体15が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュTPを、折り畳まれた折り目Mが縦方向となり、かつ、縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケース12と、ケース12の上側であって、ティッシュTPを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュTPの一部UPが露出するようにした取出し口20を有する蓋部と、を備え、ケース12の内側には、曲げる方向Jに向って弾性力を発揮するようにして、ティッシュTPを挟み込む挟持体15が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互に折り畳まれた状態で重なった複数のティッシュを収容するティッシュ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のティッシュが収容されたティッシュ箱では、収容された複数のティッシュが交互に折り畳まれた状態で重なり、一枚引き抜く毎に、次のティッシュの頭だけが取出し口から露出するようになっており、これにより順次、ティッシュを引き抜けるようになっている。
しかし、このような一般に市販されているティッシュ箱は横置きであるため、スペースをとってしまい、自動車のシートポケットやドリンクホルダー、或いは机上の書籍等に挟まれたスペースの狭い場所に置いて使用することが困難である。
このため、狭い場所でも置けるようにしたティッシュ容器もある(例えば、特開平8−256942)。このティッシュ容器は縦型であって、その中に、一般に市販されている横置きの箱から取り出したティッシュを縦にして収容し、そして、容器の上からティッシュを引き抜いて使用するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−256942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特開平8−256942のような容器に、取出し口が設けられた蓋をして、その取出し口からティッシュを引き抜いてみると、次に取り出されるティッシュの頭が取出し口から露出せず、順次、ティッシュを取り出せなくなる場合があった。
そして、発明者は、容器内のティッシュの枚数が減少すると、ティッシュの頭が露出しない場合があることを発見した。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、狭いスペースに置くことができ、かつ、容器内のティッシュが減少したとしても、順次、容易にティッシュを取り出すことができるティッシュ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、請求項1の発明によれば、交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、前記折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、前記縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケースと、前記ケースの上側であって、前記ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部が露出するようにした取出し口を有する蓋部と、を備え、前記ケースの内側には、前記曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、前記ティッシュを挟み込む挟持体が設けられているティッシュ容器により解決される。
【0007】
請求項1の発明の構成によれば、ケースは、交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容する構成とされている。このため、ケースは収容するティッシュに合わせて縦長にし、載置スペースを小さくすることが出来る。
そして、蓋部はケースの上側に取出し口を有するため、ケースが例えば書籍に囲まれていたり、或いは、自動車のシートポケットに入れられたりしても、上からティッシュを容易に引き抜くことができる。
ここで、取り出し口は、ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部を露出させ、ティッシュを順次引き抜くことができる。しかし、ティッシュを2つに曲げて立てたが故に、ティッシュの枚数が減少すると、積層状態の各ティッシュ間に無用な隙間が生じ、このため、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が減少して、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることが出来なくなる恐れがある。
ところが、本発明では、ケースの内側には、ティッシュの曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、ティッシュを挟み込む挟持体が設けられている。なお、ティッシュの曲げる方向とは、2つに曲げられたティッシュの一方の領域と他方の領域とが互いに接近する方向を意味する。このため、2つに曲げたティッシュが広がろうとする力に対抗するように挟持体の弾性力が働いて、各ティッシュ間の無用な空間の発生を防止する。したがって、ティッシュの枚数が減少したとしても、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が適正に働き、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることが出来る。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記取出し口は、前記ティッシュが収容された状態の平面視において、前記2つに曲げられた側と反対側に配置され、前記挟持体は、平面視において、前記取出し口と反対側が、前記取出し口側に比べて前記挟み込む度合いが小さくされていることを特徴とする。
この点、最後までティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部を露出させようとすると、挟持体は枚数の少ないティッシュを挟み込む弾性力を必要とする。ところが、集積状態のティッシュを2つに曲げると、ティッシュの枚数が多い状態では、ティッシュは平面視において取出し口側よりもその反対側(2つに曲げられた側)の方がかなり厚くなっている。このため、ティッシュの枚数が多い状態では、挟持体の当該反対側のティッシュを挟み込む力が大きくなり過ぎて、取り出し口から一部を露出しようとする次のティッシュの動きが却って阻害されてしまう恐れがある。しかし、請求項2の発明によれば、挟み込む度合いは取出し口と反対側の方が小さくなっているため、当該反対側の挟み込み過ぎを防止でき、ティッシュの枚数にかかわらず、取出し口から一部を露出しようとする次のティッシュの動きを阻害することがなくなる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の構成において、前記挟持体は、前記ケースに対して取り外し可能とされており、かつ、ティッシュが存在しない状態において、前記挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、前記ケースに取り付けられることを特徴とする。したがって、ケースから挟持体を取り外し、ケース内に比べて大きな外部空間で、ティッシュを挟持体に容易に挟み込ませてから、ケースに収容できる。
そして、この挟持体は、ティッシュが存在しない状態においては、挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、ケースに取り付けられる。そうすると、挟持体は弾性力があったとしても、その弾性力が発揮する方向に完全に潰されてしまうことがない。したがって、残り少ない薄いティッシュを挟み込み過ぎて引き抜き難くなる事態を防止し、最後までティッシュを容易に引き抜くことができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記ケースの内底には、着脱可能な底上げ用アダプターが設けられていることを特徴とする。
このため、例えばケースの高さよりも長さの短いタイプのティッシュを用いる場合、ティッシュを引き抜き終えた際、次に引き抜かれるティッシュの一部が取出し口から露出したとしても、残りのティッシュが落下する際に、その落下するティッシュに引きずられたり、落下した衝撃が伝達したりして、折角露出した一部が取出し口から落ちる恐れがあるが、底上げ用アダプターにより、当該残りのティッシュの落下距離を小さくするともに落下による衝撃を有効に防止して、次に引き抜かれるティッシュの一部を確実に取出し口から露出させた状態を維持できる。また、この底上げ用アダプターを用いなければ、例えば長いタイプのティッシュも収容できる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、狭いスペースに置くことができ、かつ、容器内のティッシュが減少したとしても、順次、容易にティッシュを取り出すことができるティッシュ容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、図1(a)はティッシュを縦にした図、図1(b)は図1(a)の横断面図。
【図2】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、ティッシュ容器の分解斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の斜視図。
【図4】図3のティッシュ容器を水平方向に切断した場合の横断面図。
【図5】図3のティッシュ容器を図4のA−A線の位置で縦方向に切断した場合の縦断面図。
【図6】図6(a)は挟持体の斜視図、図6(b)はティッシュを挟み込んだ挟持体の斜視図。
【図7】挟持体の展開図。
【図8】残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ挟持体をケースに入れ、それを水平方向に切断した場合の横断面図。
【図9】底上げ用アダプターの斜視図。
【図10】本発明の実施形態の第1の変形例に係るティッシュ容器であって、挟持体でティッシュを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図。
【図11】本発明の実施形態の第2の変形例に係るティッシュ容器であって、挟持体でティッシュを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0014】
〔ティッシュ容器の使用方法〕
先ず、本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を簡単に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、図1(a)はティッシュを縦にした図、図1(b)は図1(a)の横断面図、図2はティッシュ容器10の分解斜視図である。なお、図1では、図が煩雑にならないように、ティッシュの枚数を少なく図示している。
これらの図に示されるように、本ティッシュ容器を使用するに当たっては、事前準備として、図1に示すように、複数枚のティッシュTPの各ティッシュT1〜T9が交互に折り畳まれた状態で重なっているティッシュTPを用意する。
なお、このような積層状態のティッシュTPは箱又は袋で市販されており、使用者が任意の枚数(通常は1枚)を引き抜いた際に、次に引き抜かれるティッシュの一部のみが外部に露出するもので、図のような折り畳み方に限られるものではない。
また、ティッシュTPは、各ティッシュT1〜T9が交互に折り畳まれた状態で重なって、容易に順次引き抜ける機能を有するティッシュであれば足り、所謂ティッシュペーパーだけではなくウエットティッシュペーパー等であっても構わない。
【0015】
そして、袋や箱等に納められているティッシュTPを、その袋や箱等から取出して、図1(a)の矢印KAに示すように、折り目M方向を縦にした場合の横方向の中心線CEを中心に、折り目M方向に沿って2つに曲げる。そうすると、積層状態のティッシュTPは、図2に示すような状態になる。
次いで、この2つに曲げた状態のティッシュTPを、折り目Mが縦方向となり、複数のティッシュの重なった方向が水平方向となるようにして、挟持体15に入れる。この挟持体15については後で詳細に説明するが、ティッシュTPの曲げた状態が保持されるように、ティッシュTPを挟んでいる。
【0016】
次いで、曲げられたティッシュTPの一番内側のティッシュ(つまり、曲げた側TPaと反対側のティッシュ)の上部UPを少し引き出してから、蓋部14をケース12に接続して、ケース12の開口部16を覆う。この際、引き出しておいた一番内側のティッシュの上部UPを、取出し口20から予め外部に露出させておく。
そして、ティッシュTPを使用する際は、予め開口部20から露出したティッシュの一部である上部UPを引き抜いて使用する。そうすると、ティッシュは交互に折り畳まれた積層状態になっているため、各ティッシュ間の摩擦により、次に引き抜かれるティッシュの一部(頭)がまた開口部20から露出し、これを順次続けて、容易にティッシュを最後まで引き抜くことができる。
【0017】
〔ティッシュ容器の詳細説明〕
次に、上述したティッシュ容器について詳細に説明する。
図3は本発明の実施形態に係るティッシュ容器10の斜視図、図4は図3のティッシュ容器10を水平方向に切断した場合の横断面図、図5は図3のティッシュ容器10を図4のA−A線の位置で縦方向に切断した場合の縦断面図である。
なお、本実施形態のティッシュ容器10は、販売時に予めティッシュTPが収容されておらず、購入後に使用者が別売りのティッシュTPを収容するものであるが、理解の便宜のため、図4では1枚だけティッシュTPを、図5では複数枚のティッシュTPを収容した状態を示している。
ティッシュ容器10は、ティッシュを収容するための容器であって、ティッシュ箱、ティッシュボックス、ティッシュケースとも呼ばれ、ケース12と蓋部14を有している。
【0018】
ケース12は、図5に示すように、ティッシュTPを収納するための内部空間Sを有する有底の容器であって、例えばABS樹脂等の樹脂で形成される。そして、上側に積層状態のティッシュの出し入れをするための開口部16を有し、この開口部16はティッシュの取出し口20を有する蓋部14でカバーされる。
また、ケース12は自立可能であって、図3に示すように、自立した状態における水平方向(図のxy方向)のいずれの寸法よりも縦方向(図のZ方向)に大きい寸法を有する縦長とされ、横断面外形がいずれの高さで切断しても略相似形とされている。なお、ケース12の縦方向の寸法については、図5に示すように、取出し口20と反対側の側面12aが最も低く、その側面12aから反対側の側面12eに向うに従って除々に高くなっている。
【0019】
そして、図3及び図4に示すように、取出し口20と反対側の略半分の側面(図4の略右側半分の側面)が、ケース12を持つための把持部28とされ、この把持部28は、親指THと人差し指FIの指腹側で略円弧状をつくって把持されるように、横断面外形が円弧状となっている。また、把持部28は、底面12b側から開口部16側に向って除々に横断面外形が大きくなるように形成されている(ケース側面が傾斜している)。これにより、使用者は片手でケース12を把持して容易に持ち運ぶことができ、しかも、手の小さい使用者は底面12b側を、手の大きい使用者は開口部16側を把持することができる。
【0020】
一方、ケース12の取出し口20側の略半分の側面12cは、把持部28とは異なる形状をしており、平面視において、把持部28との境目12d,12dどうしを結ぶ仮想線CLを底辺とした場合に略二等辺三角形又はおにぎり状とされている。そして、ケース12の側面については、把持部28との境目12d,12d、及び取出し口20に最も近い側面12eに屈曲部が形成され、境目12d,12dの屈曲部には、把持した親指THと人差し指FIの先端が引っ掛かるようになっている。側面12eの屈曲部については後で詳細に説明する。
【0021】
蓋部14は、ケース12の開口部16を覆うもので天板等とも言うことができ、例えばABS樹脂等の樹脂で形成され、ケース12に対して着脱可能とされている。具体的には、図5に示すように、蓋部14はフランジ状であって(図2も参照)、ケース12に接続した際、円筒部22の外面がケース12の開口部16側の内面に密着すると共に、円筒部22の外周面から僅かに突出した凸部24が開口部16側の内周面に形成された凹部に嵌合するようになっている。
なお、本実施形態の蓋部14は着脱可能とされているが、本発明はこれに限られず、例えば、ティッシュTPが予め収容された状態で販売される場合や、ティッシュTPを底面12bや側面から出し入れする場合は、ケース12と蓋部14とは接着ないし一体成型されていてもよい。
【0022】
このような蓋部14は、ティッシュを上から引き抜くことができるように、上面に取出し口20が形成されている。
取出し口20は、図3ないし図5に示すように、蓋部14の厚み方向に貫通した略長円状ないし長方形状の孔であり、曲げられた積層状態のティッシュTPの一番内側のティッシュの上部に対向するように形成されている(図2も参照)。
具体的には、取出し口20は、平面視において、側面12cと把持部28との境目12d,12dどうしを結ぶ仮想線CLより片側(ティッシュの2つに曲げられた側TPaと反対側)に配置され、さらに、本実施形態の場合は、平面視において、長手方向の一端20aが仮想線CLに近接するように中央部に位置している。
そして、取出し口20は、ティッシュTPの曲げられた方向(図4のX方向)と直交する水平方向(図4のY方向)に沿って細長く、図3に示すように、その幅寸法(短手方向の寸法)Wは、ティッシュを引き抜いた際に、多数のティッシュが一度に引き抜かれず、次に引き抜かれるティッシュの一部TP1のみが露出する寸法とされている(図の場合、概ね16mm)。
なお、取出し口20は、図4に示すように、長手方向の一端20aから他端20bに向うに従って幅寸法(短手方向の寸法)Wが除々に小さくなっている。
【0023】
ここで、ケース12の内側には図4及び図5に示すように、挟持体15が設けられている。以下、この挟持体15について、図6乃至図8を中心に参照しながら説明する。
図6(a)は挟持体15の斜視図であり、図6(b)は図6(a)の挟持体15がティッシュを挟んでいる斜視図、図7は挟持体15の展開図、図8は残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ挟持体15をケースに入れ、それを水平方向に切断した場合の横断面図である。なお、図8では、理解の便宜のため、ティッシュを2枚だけ図示し、その内一枚を破線で示している。
【0024】
挟持体15は、少なくとも2つの面17,18を有し、2つの面17,18の間の空間S1に、2つに曲げられた積層状態のティッシュが挟まれ、ティッシュは曲げられた側TPaと反対側である先端部TXから引き抜かれるようになっている。なお、本実施形態の挟持体15はケースに対して着脱可能であり、ケース内に比べて大きな外部空間で、ティッシュを容易に挟んでから、ケースに収容される。
そして、挟持体15は、図6(b)に示すように、ティッシュの曲げる方向J,Jに向って弾性力を発揮するように、ティッシュを挟み込んでいる。すなわち、挟持体15は、曲げられた積層状態のティッシュの一方の領域TPbと他方の領域TPcとが互いに接近するようにティッシュ押さえる。
このため、挟持体15は図6のJ,J方向に弾性力を発揮させて、残ったティッシュの枚数に対応して形状を変えていく。すなわち、図8に示すように、2つの面17,18の間の幅について、一点鎖線で図示した多数のティッシュが収容された状態を仮想した場合の挟持体15−1の大きい幅寸法W1から、残り枚数が僅かなティッシュを収容した状態である小さい幅寸法W2に変わっていく。従って、ケース12に収容されたティッシュTPの枚数にかかわらず、ティッシュTPの直立状態を保持し、さらに、引き抜こうとするティッシュTPと次に引き抜かれるティッシュTP1との間隔Lが無用に開けられず、ティッシュTPとティッシュTP1との間の摩擦力を適性に働かせて、次に引き抜かれるティッシュTP1の一部を、図3のように問題なく露出させることができる。なお、図8では間隔Lを大きめに図示しているが、この間隔は計測部位によるが実際は略存在しない。
【0025】
具体的には、本実施形態の挟持体15の場合は一枚の板を曲げて形成されている。すなわち、挟持体15は熱可塑性のPP(ポリプロピレン)、PET、PE(ポリエチレン)、PA(ナイロン)等の樹脂を図7に示すように所定の可撓性と弾力性のある薄板状にして、これを水平方向の中央部15aで曲げると共に、図6に示すように先端部15b,15cを接合することで形成されている。なお、接合される先端部15b,15cは2つの面17,18から突出した凸部(図7の平行斜線で示される部分)とされている。また、挟持体15は可撓性を有しているが、図6の完成状態では自立が可能な程度の可撓性である。
そして、ティッシュを挟まない状態の挟持体15は、2つの面17,18の間の空間S1の最大幅W3が、ティッシュを2つに曲げた状態の最大幅W4よりも小さく形成されている。また、空間S1の最大幅W3と直交する水平方向の長さL1は、ティッシュを2つに曲げた状態の曲げた方向と直交する水平方向の長さL2よりも大きく形成されている。これにより、可撓性と弾力性のある挟持体15は、ティッシュを挟んだ状態では、図6(b)の矢印J,J方向に弾性力が発揮される。
【0026】
さらに、挟持体15は、図6(a)及び図7に示すように、中央部15aで折り目を付けずに湾曲させながら2つに容易に曲げられるように、中央部15aの上下に切り込み部30,30が設けられている。一方、先端部15b,15cでは面同士が接合しており、これにより、挟持体15は、平面視において、中央部15a側が円弧状となり、先細りのような先端部15b,15c側に比べて、中央部15a側の幅W3が大きくなっている。
このため、挟持体15は、図6(b)に示すように、2つの面17,18でティッシュを挟み、これを図5に示すようにケース12に入れた状態では、平面視において、取出し口20と反対側(即ち、中央部15a側)が、取出し口20側(即ち、先端部15b,15c)に比べて、ティッシュTPを挟み込む度合いが小さくされる(本実施形態の場合、2つに曲げたティッシュの形態により細かく対応させるため、図6のように、先端部15b,15cから最大幅W3を有する部分に向かうに従って、除々にティッシュを挟み込む度合いが小さくなっている)。なお、ティッシュを挟み込む度合いが小さいとは、収容する2つの曲げたティッシュのいずれの部位も同じ幅W4であると仮定した場合において、ティッシュを曲げた方向J,Jに押さえる力が弱い状態を意味する。そして、そのような状態は、本実施形態のように挟持体15の各部位の材質を変えずに形状を工夫することで実現させてもよいし、或いは、材質や厚みを変えるなどして各部位の弾性力を変えて実現させてもよい。
【0027】
従って、図6(b)のように、集積状態の多数のティッシュを2つに曲げて、これを挟持体15で挟み、図5のようにケース12に入れる場合であっても、ボリュームのあるティッシュの曲げ側TPaの方の押さえ過ぎを防止し、取出し口20から一部を露出しようとする次のティッシュの動きを阻害することがなくなる。また、挟まれたティッシュの残数が少なくなっても、挟持体15の先端部15b,15c側(図6のティッシュの先端部TX側)は挟み込む度合いが大きいため、図8に示すように、残数の少ないティッシュの形状に追従するように、2つの面17,18が互いにかなり接近して、取出し口付近では引き抜こうとするティッシュTPと次に引き抜かれるティッシュTP1との間に無用な間隔が生じることを防止できる。
なお、ケース12の取出し口と反対側の側面の内壁12gは平面視が円弧状とされ、挟持体15を入れた場合に、中央部15aが円弧状になることを阻害しないようになっている。
【0028】
また、図8において、実線で表した挟持体15は、残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ状態であるが、この状態では、先端部15b,15cとその反対側(展開状態の中央部15a)がケース12の内壁に当接して、J,J方向にそれ以上の弾性力を発揮できず、ティッシュが全く収容されていない状態と同じになる。
すなわち、挟持体15は、ティッシュを挟まずにケースから取り外された状態では、図6に示す長さL1が、図8に示すケースの長さL3に比べて大きく(ここにいう「長さ」は、挟持体15の弾性力が働く方向と直交する水平方向の寸法である)、このティッシュが存在しない状態では、挟持体15を挟み込む方向J,Jと直交する水平方向yに押さえつけながら、ケース12に取り付けられる。
このため、挟持体15はその弾性力で空間S1を潰し過ぎることがなく、ティッシュTPの枚数が少なくなっても、挟持体15は、ティッシュTPの挟み込み過ぎを防止し、最後までティッシュを容易に引き抜くことができる。すなわち、2つに曲げられたティッシュは反対に広がる方向に力F,Fを働かせるが、この力F,Fはティッシュの枚数が残り僅かになると、挟持体15の弾性力に比べて弱くなり過ぎてしまう。そこで、この挟持体15の弾性力が力F,Fを上回り、図3のような次に引き抜かれるティッシュTP1の一部の露出を阻害する時点において、先端部15b,15cとその反対側(展開状態の中央部15a)がケース12の内壁に当接するようになっている。
【0029】
また、本実施形態の場合、図5及び図8に示すように、ケース12の取出し口20に最も近い側面12eは屈曲し、その内壁12fも屈曲し、この内壁12fに挟持体15の先端部15b,15cが係止される。さらに、挟持体15は、J,J方向の弾性力で図8のy方向に伸びようとする力も手伝って、ティッシュTPが少なくなった状態でも、ティッシュを引き抜く側である先端部が内壁12fに押し付けられることから、15b,15c側が取出し口から遠くに離れてしまう恐れを軽減している。なお、平面視において、挟持体15の外形は、集積状態の多数のティッシュを挟んでいる際は、ケース12の内面形状と略相似し、挟持体15の周側面がケース12の内面に隣接しているため、挟持体15の先端部15b,15c側は取出し口からあまり離れることもない。従って、ティッシュは最初から最後まで取出し口から取出し易い。
【0030】
そして、本容器10の場合、図5、及び底上げ用アダプターの斜視図である図9に示すように、底上げ用アダプター30も用いられている。
この底上げ用アダプター30はケース12に対して着脱可能であり、ケース12に収容するティッシュの長さが短い場合に、図5に示すように、ケース12の内側底部に載置して用いられる。
すなわち、一般的に市販のティッシュには長さの異なる2タイプ(約230mmと約190mm)があり、ケース12は長いティッシュに対応すれば、短いティッシュも収容できる。ところが、例えば市販の短いティッシュの場合、取出し口20から引き抜いた際、次に引き抜かれるティッシュTP1の一部が取出し口20から一旦は露出したものの、ケース12の中の残りのティッシュが落下する際に、その落下するティッシュに引きずられたり、落下した衝撃が伝達したりして、露出した一部が取出し口20から落ちる恐れがある。そこで、底上げ用アダプター30により、当該残りのティッシュの落下距離を短くし、また落下衝撃を有効に防止して、次に引き抜かれるティッシュTP1の頭を確実に取出し口20から露出させている。
【0031】
なお、本実施形態の底上げ用アダプター30は、ケース12に載置した際、がたつかないように、周側面30aの全体がケース12の内周面に当接するようになっている。また、指をケース12に入れて着脱が容易なように、中央部に厚み方向に貫通した貫通孔32が形成されている。
【0032】
本発明の実施形態は以上のように構成され、ケース12は縦長であって、取出し口20は上側にあるため、スペースのない場所に置くことができ、かつ、周りが例えば書籍に囲まれていたり、自動車のシートポケットに入れられたりしても、上からティッシュを容易に引き抜くことができる。
さらに、ティッシュを縦に配置したがために、ケース12内のティッシュの枚数が少なくなって、積層状態の各ティッシュ間に無用な隙間が生じる恐れがあっても、挟持体15の弾性力がティッシュの広がろうとする力に対抗して、無用な空間の形成を防止する。したがって、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が適正に働き、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から確実に露出させることが出来る。
【0033】
図10は、本発明の実施形態の第1の変形例に係るティッシュ容器40であって、挟持体42でティッシュTPを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図である。なお、この図のティッシュTPは、図面が煩雑にならないよう、折り畳みを省略して図示している。
図10において、図1乃至図9で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
ティッシュ容器40は上述した実施形態に対して、挟持体42の構成のみが異なっている。
【0034】
すなわち、挟持体42は、上述した実施形態と同様、J,J方向に弾性力を発揮するように、ティッシュTPを挟み込むようになってはいるが、ケース12に対して着脱可能ではなく、ケース12の内面に接続されている。
具体的には、ケース12は、ティッシュTPの曲げられた方向の内壁12hに、J,J方向に弾性力を発揮させるスポンジ等の弾性体が接着されており、この弾性体が挟持体42となる。
【0035】
本第1の変形例に係るティッシュ容器40は以上のように構成され、ケース12内のティッシュの枚数が少なくなっても、挟持体42がティッシュを挟み込んで、積層状態の各ティッシュ間の無用な空間形成を防止し、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることができる。但し、積層状態のティッシュのケース12への収容のし易さや、ティッシュの残数がかなり少なくなるまでティッシュを確実に挟める点で、図10のティッシュ容器40に比べて図1乃至図9のティッシュ容器10の方が優れている。
【0036】
図11は、本発明の実施形態の第2の変形例に係るティッシュ容器50であって、挟持体52でティッシュTPを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図である。なお、この図のティッシュTPは、図面が煩雑にならないよう、折り畳みを省略して図示している。
図11において、図1乃至図9で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
ティッシュ容器50は上述した実施形態に対して、挟持体52の構成のみが異なっている。
【0037】
すなわち、挟持体52は、上述した実施形態と同様、J,J方向に弾性力を発揮するように、ティッシュTPを挟み込むようになってはいるが、平面視において、ティッシュTPの曲げられた側TPaと反対側である先端部TX側のみを挟んでいる。
そして、挟持体52は、ティッシュTPの先端部TX側の両脇に配置され、夫々が内側空間S2を有する筒状又は袋状であって、図の矢印K,K方向に膨らむようにして弾性力が発揮される。
この2つの挟持体52は、ケース12に接続されていても構わないが、本変形例の場合、ティッシュTPの収容を容易とするために着脱可能とされている。なお、各挟持体52は、外周面に形成された屈曲部52aが境目12d,12dの内側壁面の屈曲部12iに引っ掛かり、ティッシュTPの曲げられた側TPaに移動し過ぎないようになっている。
【0038】
本第2の変形例に係るティッシュ容器50は以上のように構成され、挟持体52は、ティッシュTPの先端部TX側のみを挟むようになっていても、ケース12の取出し口付近では、引き抜くティッシュと次に引き抜かれるティッシュとの間隔は適正となるため、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から適正に露出させることができる。但し、ティッシュの枚数が少なくなった場合に、ティッシュの自立が困難となる恐れがあり、この点で図1乃至図9のティッシュ容器10の方が優れている。
【0039】
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、ケースについては、図4の右半分の側面を把持部28としたが、左半分の側面12cを把持しても勿論よい。
また、本実施形態のティッシュ容器は、販売時に予めティッシュが収容されておらず、購入後に使用者が別売りのティッシュを収容するようにされているが、ティッシュは予め収容された状態で販売されても勿論よい。
また、挟持体15は、その先端部15b,15cがケース12の内壁12fに接続されて、ケース12に対して固定されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10,40,50・・・ティッシュ容器、12・・・ケース、14・・・蓋部、15,42,52・・・挟持体、20・・・取出し口、30・・・底上げ用アダプター
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互に折り畳まれた状態で重なった複数のティッシュを収容するティッシュ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のティッシュが収容されたティッシュ箱では、収容された複数のティッシュが交互に折り畳まれた状態で重なり、一枚引き抜く毎に、次のティッシュの頭だけが取出し口から露出するようになっており、これにより順次、ティッシュを引き抜けるようになっている。
しかし、このような一般に市販されているティッシュ箱は横置きであるため、スペースをとってしまい、自動車のシートポケットやドリンクホルダー、或いは机上の書籍等に挟まれたスペースの狭い場所に置いて使用することが困難である。
このため、狭い場所でも置けるようにしたティッシュ容器もある(例えば、特開平8−256942)。このティッシュ容器は縦型であって、その中に、一般に市販されている横置きの箱から取り出したティッシュを縦にして収容し、そして、容器の上からティッシュを引き抜いて使用するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−256942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特開平8−256942のような容器に、取出し口が設けられた蓋をして、その取出し口からティッシュを引き抜いてみると、次に取り出されるティッシュの頭が取出し口から露出せず、順次、ティッシュを取り出せなくなる場合があった。
そして、発明者は、容器内のティッシュの枚数が減少すると、ティッシュの頭が露出しない場合があることを発見した。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、狭いスペースに置くことができ、かつ、容器内のティッシュが減少したとしても、順次、容易にティッシュを取り出すことができるティッシュ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、請求項1の発明によれば、交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、前記折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、前記縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケースと、前記ケースの上側であって、前記ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部が露出するようにした取出し口を有する蓋部と、を備え、前記ケースの内側には、前記曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、前記ティッシュを挟み込む挟持体が設けられているティッシュ容器により解決される。
【0007】
請求項1の発明の構成によれば、ケースは、交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容する構成とされている。このため、ケースは収容するティッシュに合わせて縦長にし、載置スペースを小さくすることが出来る。
そして、蓋部はケースの上側に取出し口を有するため、ケースが例えば書籍に囲まれていたり、或いは、自動車のシートポケットに入れられたりしても、上からティッシュを容易に引き抜くことができる。
ここで、取り出し口は、ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部を露出させ、ティッシュを順次引き抜くことができる。しかし、ティッシュを2つに曲げて立てたが故に、ティッシュの枚数が減少すると、積層状態の各ティッシュ間に無用な隙間が生じ、このため、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が減少して、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることが出来なくなる恐れがある。
ところが、本発明では、ケースの内側には、ティッシュの曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、ティッシュを挟み込む挟持体が設けられている。なお、ティッシュの曲げる方向とは、2つに曲げられたティッシュの一方の領域と他方の領域とが互いに接近する方向を意味する。このため、2つに曲げたティッシュが広がろうとする力に対抗するように挟持体の弾性力が働いて、各ティッシュ間の無用な空間の発生を防止する。したがって、ティッシュの枚数が減少したとしても、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が適正に働き、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることが出来る。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記取出し口は、前記ティッシュが収容された状態の平面視において、前記2つに曲げられた側と反対側に配置され、前記挟持体は、平面視において、前記取出し口と反対側が、前記取出し口側に比べて前記挟み込む度合いが小さくされていることを特徴とする。
この点、最後までティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部を露出させようとすると、挟持体は枚数の少ないティッシュを挟み込む弾性力を必要とする。ところが、集積状態のティッシュを2つに曲げると、ティッシュの枚数が多い状態では、ティッシュは平面視において取出し口側よりもその反対側(2つに曲げられた側)の方がかなり厚くなっている。このため、ティッシュの枚数が多い状態では、挟持体の当該反対側のティッシュを挟み込む力が大きくなり過ぎて、取り出し口から一部を露出しようとする次のティッシュの動きが却って阻害されてしまう恐れがある。しかし、請求項2の発明によれば、挟み込む度合いは取出し口と反対側の方が小さくなっているため、当該反対側の挟み込み過ぎを防止でき、ティッシュの枚数にかかわらず、取出し口から一部を露出しようとする次のティッシュの動きを阻害することがなくなる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の構成において、前記挟持体は、前記ケースに対して取り外し可能とされており、かつ、ティッシュが存在しない状態において、前記挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、前記ケースに取り付けられることを特徴とする。したがって、ケースから挟持体を取り外し、ケース内に比べて大きな外部空間で、ティッシュを挟持体に容易に挟み込ませてから、ケースに収容できる。
そして、この挟持体は、ティッシュが存在しない状態においては、挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、ケースに取り付けられる。そうすると、挟持体は弾性力があったとしても、その弾性力が発揮する方向に完全に潰されてしまうことがない。したがって、残り少ない薄いティッシュを挟み込み過ぎて引き抜き難くなる事態を防止し、最後までティッシュを容易に引き抜くことができる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記ケースの内底には、着脱可能な底上げ用アダプターが設けられていることを特徴とする。
このため、例えばケースの高さよりも長さの短いタイプのティッシュを用いる場合、ティッシュを引き抜き終えた際、次に引き抜かれるティッシュの一部が取出し口から露出したとしても、残りのティッシュが落下する際に、その落下するティッシュに引きずられたり、落下した衝撃が伝達したりして、折角露出した一部が取出し口から落ちる恐れがあるが、底上げ用アダプターにより、当該残りのティッシュの落下距離を小さくするともに落下による衝撃を有効に防止して、次に引き抜かれるティッシュの一部を確実に取出し口から露出させた状態を維持できる。また、この底上げ用アダプターを用いなければ、例えば長いタイプのティッシュも収容できる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、狭いスペースに置くことができ、かつ、容器内のティッシュが減少したとしても、順次、容易にティッシュを取り出すことができるティッシュ容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、図1(a)はティッシュを縦にした図、図1(b)は図1(a)の横断面図。
【図2】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、ティッシュ容器の分解斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係るティッシュ容器の斜視図。
【図4】図3のティッシュ容器を水平方向に切断した場合の横断面図。
【図5】図3のティッシュ容器を図4のA−A線の位置で縦方向に切断した場合の縦断面図。
【図6】図6(a)は挟持体の斜視図、図6(b)はティッシュを挟み込んだ挟持体の斜視図。
【図7】挟持体の展開図。
【図8】残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ挟持体をケースに入れ、それを水平方向に切断した場合の横断面図。
【図9】底上げ用アダプターの斜視図。
【図10】本発明の実施形態の第1の変形例に係るティッシュ容器であって、挟持体でティッシュを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図。
【図11】本発明の実施形態の第2の変形例に係るティッシュ容器であって、挟持体でティッシュを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0014】
〔ティッシュ容器の使用方法〕
先ず、本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を簡単に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るティッシュ容器の使用方法を説明するための一例であって、図1(a)はティッシュを縦にした図、図1(b)は図1(a)の横断面図、図2はティッシュ容器10の分解斜視図である。なお、図1では、図が煩雑にならないように、ティッシュの枚数を少なく図示している。
これらの図に示されるように、本ティッシュ容器を使用するに当たっては、事前準備として、図1に示すように、複数枚のティッシュTPの各ティッシュT1〜T9が交互に折り畳まれた状態で重なっているティッシュTPを用意する。
なお、このような積層状態のティッシュTPは箱又は袋で市販されており、使用者が任意の枚数(通常は1枚)を引き抜いた際に、次に引き抜かれるティッシュの一部のみが外部に露出するもので、図のような折り畳み方に限られるものではない。
また、ティッシュTPは、各ティッシュT1〜T9が交互に折り畳まれた状態で重なって、容易に順次引き抜ける機能を有するティッシュであれば足り、所謂ティッシュペーパーだけではなくウエットティッシュペーパー等であっても構わない。
【0015】
そして、袋や箱等に納められているティッシュTPを、その袋や箱等から取出して、図1(a)の矢印KAに示すように、折り目M方向を縦にした場合の横方向の中心線CEを中心に、折り目M方向に沿って2つに曲げる。そうすると、積層状態のティッシュTPは、図2に示すような状態になる。
次いで、この2つに曲げた状態のティッシュTPを、折り目Mが縦方向となり、複数のティッシュの重なった方向が水平方向となるようにして、挟持体15に入れる。この挟持体15については後で詳細に説明するが、ティッシュTPの曲げた状態が保持されるように、ティッシュTPを挟んでいる。
【0016】
次いで、曲げられたティッシュTPの一番内側のティッシュ(つまり、曲げた側TPaと反対側のティッシュ)の上部UPを少し引き出してから、蓋部14をケース12に接続して、ケース12の開口部16を覆う。この際、引き出しておいた一番内側のティッシュの上部UPを、取出し口20から予め外部に露出させておく。
そして、ティッシュTPを使用する際は、予め開口部20から露出したティッシュの一部である上部UPを引き抜いて使用する。そうすると、ティッシュは交互に折り畳まれた積層状態になっているため、各ティッシュ間の摩擦により、次に引き抜かれるティッシュの一部(頭)がまた開口部20から露出し、これを順次続けて、容易にティッシュを最後まで引き抜くことができる。
【0017】
〔ティッシュ容器の詳細説明〕
次に、上述したティッシュ容器について詳細に説明する。
図3は本発明の実施形態に係るティッシュ容器10の斜視図、図4は図3のティッシュ容器10を水平方向に切断した場合の横断面図、図5は図3のティッシュ容器10を図4のA−A線の位置で縦方向に切断した場合の縦断面図である。
なお、本実施形態のティッシュ容器10は、販売時に予めティッシュTPが収容されておらず、購入後に使用者が別売りのティッシュTPを収容するものであるが、理解の便宜のため、図4では1枚だけティッシュTPを、図5では複数枚のティッシュTPを収容した状態を示している。
ティッシュ容器10は、ティッシュを収容するための容器であって、ティッシュ箱、ティッシュボックス、ティッシュケースとも呼ばれ、ケース12と蓋部14を有している。
【0018】
ケース12は、図5に示すように、ティッシュTPを収納するための内部空間Sを有する有底の容器であって、例えばABS樹脂等の樹脂で形成される。そして、上側に積層状態のティッシュの出し入れをするための開口部16を有し、この開口部16はティッシュの取出し口20を有する蓋部14でカバーされる。
また、ケース12は自立可能であって、図3に示すように、自立した状態における水平方向(図のxy方向)のいずれの寸法よりも縦方向(図のZ方向)に大きい寸法を有する縦長とされ、横断面外形がいずれの高さで切断しても略相似形とされている。なお、ケース12の縦方向の寸法については、図5に示すように、取出し口20と反対側の側面12aが最も低く、その側面12aから反対側の側面12eに向うに従って除々に高くなっている。
【0019】
そして、図3及び図4に示すように、取出し口20と反対側の略半分の側面(図4の略右側半分の側面)が、ケース12を持つための把持部28とされ、この把持部28は、親指THと人差し指FIの指腹側で略円弧状をつくって把持されるように、横断面外形が円弧状となっている。また、把持部28は、底面12b側から開口部16側に向って除々に横断面外形が大きくなるように形成されている(ケース側面が傾斜している)。これにより、使用者は片手でケース12を把持して容易に持ち運ぶことができ、しかも、手の小さい使用者は底面12b側を、手の大きい使用者は開口部16側を把持することができる。
【0020】
一方、ケース12の取出し口20側の略半分の側面12cは、把持部28とは異なる形状をしており、平面視において、把持部28との境目12d,12dどうしを結ぶ仮想線CLを底辺とした場合に略二等辺三角形又はおにぎり状とされている。そして、ケース12の側面については、把持部28との境目12d,12d、及び取出し口20に最も近い側面12eに屈曲部が形成され、境目12d,12dの屈曲部には、把持した親指THと人差し指FIの先端が引っ掛かるようになっている。側面12eの屈曲部については後で詳細に説明する。
【0021】
蓋部14は、ケース12の開口部16を覆うもので天板等とも言うことができ、例えばABS樹脂等の樹脂で形成され、ケース12に対して着脱可能とされている。具体的には、図5に示すように、蓋部14はフランジ状であって(図2も参照)、ケース12に接続した際、円筒部22の外面がケース12の開口部16側の内面に密着すると共に、円筒部22の外周面から僅かに突出した凸部24が開口部16側の内周面に形成された凹部に嵌合するようになっている。
なお、本実施形態の蓋部14は着脱可能とされているが、本発明はこれに限られず、例えば、ティッシュTPが予め収容された状態で販売される場合や、ティッシュTPを底面12bや側面から出し入れする場合は、ケース12と蓋部14とは接着ないし一体成型されていてもよい。
【0022】
このような蓋部14は、ティッシュを上から引き抜くことができるように、上面に取出し口20が形成されている。
取出し口20は、図3ないし図5に示すように、蓋部14の厚み方向に貫通した略長円状ないし長方形状の孔であり、曲げられた積層状態のティッシュTPの一番内側のティッシュの上部に対向するように形成されている(図2も参照)。
具体的には、取出し口20は、平面視において、側面12cと把持部28との境目12d,12dどうしを結ぶ仮想線CLより片側(ティッシュの2つに曲げられた側TPaと反対側)に配置され、さらに、本実施形態の場合は、平面視において、長手方向の一端20aが仮想線CLに近接するように中央部に位置している。
そして、取出し口20は、ティッシュTPの曲げられた方向(図4のX方向)と直交する水平方向(図4のY方向)に沿って細長く、図3に示すように、その幅寸法(短手方向の寸法)Wは、ティッシュを引き抜いた際に、多数のティッシュが一度に引き抜かれず、次に引き抜かれるティッシュの一部TP1のみが露出する寸法とされている(図の場合、概ね16mm)。
なお、取出し口20は、図4に示すように、長手方向の一端20aから他端20bに向うに従って幅寸法(短手方向の寸法)Wが除々に小さくなっている。
【0023】
ここで、ケース12の内側には図4及び図5に示すように、挟持体15が設けられている。以下、この挟持体15について、図6乃至図8を中心に参照しながら説明する。
図6(a)は挟持体15の斜視図であり、図6(b)は図6(a)の挟持体15がティッシュを挟んでいる斜視図、図7は挟持体15の展開図、図8は残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ挟持体15をケースに入れ、それを水平方向に切断した場合の横断面図である。なお、図8では、理解の便宜のため、ティッシュを2枚だけ図示し、その内一枚を破線で示している。
【0024】
挟持体15は、少なくとも2つの面17,18を有し、2つの面17,18の間の空間S1に、2つに曲げられた積層状態のティッシュが挟まれ、ティッシュは曲げられた側TPaと反対側である先端部TXから引き抜かれるようになっている。なお、本実施形態の挟持体15はケースに対して着脱可能であり、ケース内に比べて大きな外部空間で、ティッシュを容易に挟んでから、ケースに収容される。
そして、挟持体15は、図6(b)に示すように、ティッシュの曲げる方向J,Jに向って弾性力を発揮するように、ティッシュを挟み込んでいる。すなわち、挟持体15は、曲げられた積層状態のティッシュの一方の領域TPbと他方の領域TPcとが互いに接近するようにティッシュ押さえる。
このため、挟持体15は図6のJ,J方向に弾性力を発揮させて、残ったティッシュの枚数に対応して形状を変えていく。すなわち、図8に示すように、2つの面17,18の間の幅について、一点鎖線で図示した多数のティッシュが収容された状態を仮想した場合の挟持体15−1の大きい幅寸法W1から、残り枚数が僅かなティッシュを収容した状態である小さい幅寸法W2に変わっていく。従って、ケース12に収容されたティッシュTPの枚数にかかわらず、ティッシュTPの直立状態を保持し、さらに、引き抜こうとするティッシュTPと次に引き抜かれるティッシュTP1との間隔Lが無用に開けられず、ティッシュTPとティッシュTP1との間の摩擦力を適性に働かせて、次に引き抜かれるティッシュTP1の一部を、図3のように問題なく露出させることができる。なお、図8では間隔Lを大きめに図示しているが、この間隔は計測部位によるが実際は略存在しない。
【0025】
具体的には、本実施形態の挟持体15の場合は一枚の板を曲げて形成されている。すなわち、挟持体15は熱可塑性のPP(ポリプロピレン)、PET、PE(ポリエチレン)、PA(ナイロン)等の樹脂を図7に示すように所定の可撓性と弾力性のある薄板状にして、これを水平方向の中央部15aで曲げると共に、図6に示すように先端部15b,15cを接合することで形成されている。なお、接合される先端部15b,15cは2つの面17,18から突出した凸部(図7の平行斜線で示される部分)とされている。また、挟持体15は可撓性を有しているが、図6の完成状態では自立が可能な程度の可撓性である。
そして、ティッシュを挟まない状態の挟持体15は、2つの面17,18の間の空間S1の最大幅W3が、ティッシュを2つに曲げた状態の最大幅W4よりも小さく形成されている。また、空間S1の最大幅W3と直交する水平方向の長さL1は、ティッシュを2つに曲げた状態の曲げた方向と直交する水平方向の長さL2よりも大きく形成されている。これにより、可撓性と弾力性のある挟持体15は、ティッシュを挟んだ状態では、図6(b)の矢印J,J方向に弾性力が発揮される。
【0026】
さらに、挟持体15は、図6(a)及び図7に示すように、中央部15aで折り目を付けずに湾曲させながら2つに容易に曲げられるように、中央部15aの上下に切り込み部30,30が設けられている。一方、先端部15b,15cでは面同士が接合しており、これにより、挟持体15は、平面視において、中央部15a側が円弧状となり、先細りのような先端部15b,15c側に比べて、中央部15a側の幅W3が大きくなっている。
このため、挟持体15は、図6(b)に示すように、2つの面17,18でティッシュを挟み、これを図5に示すようにケース12に入れた状態では、平面視において、取出し口20と反対側(即ち、中央部15a側)が、取出し口20側(即ち、先端部15b,15c)に比べて、ティッシュTPを挟み込む度合いが小さくされる(本実施形態の場合、2つに曲げたティッシュの形態により細かく対応させるため、図6のように、先端部15b,15cから最大幅W3を有する部分に向かうに従って、除々にティッシュを挟み込む度合いが小さくなっている)。なお、ティッシュを挟み込む度合いが小さいとは、収容する2つの曲げたティッシュのいずれの部位も同じ幅W4であると仮定した場合において、ティッシュを曲げた方向J,Jに押さえる力が弱い状態を意味する。そして、そのような状態は、本実施形態のように挟持体15の各部位の材質を変えずに形状を工夫することで実現させてもよいし、或いは、材質や厚みを変えるなどして各部位の弾性力を変えて実現させてもよい。
【0027】
従って、図6(b)のように、集積状態の多数のティッシュを2つに曲げて、これを挟持体15で挟み、図5のようにケース12に入れる場合であっても、ボリュームのあるティッシュの曲げ側TPaの方の押さえ過ぎを防止し、取出し口20から一部を露出しようとする次のティッシュの動きを阻害することがなくなる。また、挟まれたティッシュの残数が少なくなっても、挟持体15の先端部15b,15c側(図6のティッシュの先端部TX側)は挟み込む度合いが大きいため、図8に示すように、残数の少ないティッシュの形状に追従するように、2つの面17,18が互いにかなり接近して、取出し口付近では引き抜こうとするティッシュTPと次に引き抜かれるティッシュTP1との間に無用な間隔が生じることを防止できる。
なお、ケース12の取出し口と反対側の側面の内壁12gは平面視が円弧状とされ、挟持体15を入れた場合に、中央部15aが円弧状になることを阻害しないようになっている。
【0028】
また、図8において、実線で表した挟持体15は、残り枚数が僅かなティッシュを挟んだ状態であるが、この状態では、先端部15b,15cとその反対側(展開状態の中央部15a)がケース12の内壁に当接して、J,J方向にそれ以上の弾性力を発揮できず、ティッシュが全く収容されていない状態と同じになる。
すなわち、挟持体15は、ティッシュを挟まずにケースから取り外された状態では、図6に示す長さL1が、図8に示すケースの長さL3に比べて大きく(ここにいう「長さ」は、挟持体15の弾性力が働く方向と直交する水平方向の寸法である)、このティッシュが存在しない状態では、挟持体15を挟み込む方向J,Jと直交する水平方向yに押さえつけながら、ケース12に取り付けられる。
このため、挟持体15はその弾性力で空間S1を潰し過ぎることがなく、ティッシュTPの枚数が少なくなっても、挟持体15は、ティッシュTPの挟み込み過ぎを防止し、最後までティッシュを容易に引き抜くことができる。すなわち、2つに曲げられたティッシュは反対に広がる方向に力F,Fを働かせるが、この力F,Fはティッシュの枚数が残り僅かになると、挟持体15の弾性力に比べて弱くなり過ぎてしまう。そこで、この挟持体15の弾性力が力F,Fを上回り、図3のような次に引き抜かれるティッシュTP1の一部の露出を阻害する時点において、先端部15b,15cとその反対側(展開状態の中央部15a)がケース12の内壁に当接するようになっている。
【0029】
また、本実施形態の場合、図5及び図8に示すように、ケース12の取出し口20に最も近い側面12eは屈曲し、その内壁12fも屈曲し、この内壁12fに挟持体15の先端部15b,15cが係止される。さらに、挟持体15は、J,J方向の弾性力で図8のy方向に伸びようとする力も手伝って、ティッシュTPが少なくなった状態でも、ティッシュを引き抜く側である先端部が内壁12fに押し付けられることから、15b,15c側が取出し口から遠くに離れてしまう恐れを軽減している。なお、平面視において、挟持体15の外形は、集積状態の多数のティッシュを挟んでいる際は、ケース12の内面形状と略相似し、挟持体15の周側面がケース12の内面に隣接しているため、挟持体15の先端部15b,15c側は取出し口からあまり離れることもない。従って、ティッシュは最初から最後まで取出し口から取出し易い。
【0030】
そして、本容器10の場合、図5、及び底上げ用アダプターの斜視図である図9に示すように、底上げ用アダプター30も用いられている。
この底上げ用アダプター30はケース12に対して着脱可能であり、ケース12に収容するティッシュの長さが短い場合に、図5に示すように、ケース12の内側底部に載置して用いられる。
すなわち、一般的に市販のティッシュには長さの異なる2タイプ(約230mmと約190mm)があり、ケース12は長いティッシュに対応すれば、短いティッシュも収容できる。ところが、例えば市販の短いティッシュの場合、取出し口20から引き抜いた際、次に引き抜かれるティッシュTP1の一部が取出し口20から一旦は露出したものの、ケース12の中の残りのティッシュが落下する際に、その落下するティッシュに引きずられたり、落下した衝撃が伝達したりして、露出した一部が取出し口20から落ちる恐れがある。そこで、底上げ用アダプター30により、当該残りのティッシュの落下距離を短くし、また落下衝撃を有効に防止して、次に引き抜かれるティッシュTP1の頭を確実に取出し口20から露出させている。
【0031】
なお、本実施形態の底上げ用アダプター30は、ケース12に載置した際、がたつかないように、周側面30aの全体がケース12の内周面に当接するようになっている。また、指をケース12に入れて着脱が容易なように、中央部に厚み方向に貫通した貫通孔32が形成されている。
【0032】
本発明の実施形態は以上のように構成され、ケース12は縦長であって、取出し口20は上側にあるため、スペースのない場所に置くことができ、かつ、周りが例えば書籍に囲まれていたり、自動車のシートポケットに入れられたりしても、上からティッシュを容易に引き抜くことができる。
さらに、ティッシュを縦に配置したがために、ケース12内のティッシュの枚数が少なくなって、積層状態の各ティッシュ間に無用な隙間が生じる恐れがあっても、挟持体15の弾性力がティッシュの広がろうとする力に対抗して、無用な空間の形成を防止する。したがって、ティッシュを引き抜く際、次に引き抜かれるティッシュとの間で摩擦力が適正に働き、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から確実に露出させることが出来る。
【0033】
図10は、本発明の実施形態の第1の変形例に係るティッシュ容器40であって、挟持体42でティッシュTPを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図である。なお、この図のティッシュTPは、図面が煩雑にならないよう、折り畳みを省略して図示している。
図10において、図1乃至図9で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
ティッシュ容器40は上述した実施形態に対して、挟持体42の構成のみが異なっている。
【0034】
すなわち、挟持体42は、上述した実施形態と同様、J,J方向に弾性力を発揮するように、ティッシュTPを挟み込むようになってはいるが、ケース12に対して着脱可能ではなく、ケース12の内面に接続されている。
具体的には、ケース12は、ティッシュTPの曲げられた方向の内壁12hに、J,J方向に弾性力を発揮させるスポンジ等の弾性体が接着されており、この弾性体が挟持体42となる。
【0035】
本第1の変形例に係るティッシュ容器40は以上のように構成され、ケース12内のティッシュの枚数が少なくなっても、挟持体42がティッシュを挟み込んで、積層状態の各ティッシュ間の無用な空間形成を防止し、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から露出させることができる。但し、積層状態のティッシュのケース12への収容のし易さや、ティッシュの残数がかなり少なくなるまでティッシュを確実に挟める点で、図10のティッシュ容器40に比べて図1乃至図9のティッシュ容器10の方が優れている。
【0036】
図11は、本発明の実施形態の第2の変形例に係るティッシュ容器50であって、挟持体52でティッシュTPを挟み込んだ状態で、水平方向に切断した横断面図である。なお、この図のティッシュTPは、図面が煩雑にならないよう、折り畳みを省略して図示している。
図11において、図1乃至図9で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
ティッシュ容器50は上述した実施形態に対して、挟持体52の構成のみが異なっている。
【0037】
すなわち、挟持体52は、上述した実施形態と同様、J,J方向に弾性力を発揮するように、ティッシュTPを挟み込むようになってはいるが、平面視において、ティッシュTPの曲げられた側TPaと反対側である先端部TX側のみを挟んでいる。
そして、挟持体52は、ティッシュTPの先端部TX側の両脇に配置され、夫々が内側空間S2を有する筒状又は袋状であって、図の矢印K,K方向に膨らむようにして弾性力が発揮される。
この2つの挟持体52は、ケース12に接続されていても構わないが、本変形例の場合、ティッシュTPの収容を容易とするために着脱可能とされている。なお、各挟持体52は、外周面に形成された屈曲部52aが境目12d,12dの内側壁面の屈曲部12iに引っ掛かり、ティッシュTPの曲げられた側TPaに移動し過ぎないようになっている。
【0038】
本第2の変形例に係るティッシュ容器50は以上のように構成され、挟持体52は、ティッシュTPの先端部TX側のみを挟むようになっていても、ケース12の取出し口付近では、引き抜くティッシュと次に引き抜かれるティッシュとの間隔は適正となるため、次に引き抜かれるティッシュの一部を取出し口から適正に露出させることができる。但し、ティッシュの枚数が少なくなった場合に、ティッシュの自立が困難となる恐れがあり、この点で図1乃至図9のティッシュ容器10の方が優れている。
【0039】
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、ケースについては、図4の右半分の側面を把持部28としたが、左半分の側面12cを把持しても勿論よい。
また、本実施形態のティッシュ容器は、販売時に予めティッシュが収容されておらず、購入後に使用者が別売りのティッシュを収容するようにされているが、ティッシュは予め収容された状態で販売されても勿論よい。
また、挟持体15は、その先端部15b,15cがケース12の内壁12fに接続されて、ケース12に対して固定されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10,40,50・・・ティッシュ容器、12・・・ケース、14・・・蓋部、15,42,52・・・挟持体、20・・・取出し口、30・・・底上げ用アダプター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、前記折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、前記縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケースと、
前記ケースの上側であって、前記ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部が露出するようにした取出し口を有する蓋部と、
を備え、
前記ケースの内側には、前記曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、前記ティッシュを挟み込む挟持体が設けられている
ことを特徴とするティッシュ容器。
【請求項2】
前記取出し口は、前記ティッシュが収容された状態の平面視において、前記2つに曲げられた側と反対側に配置され、
前記挟持体は、平面視において、前記取出し口と反対側が、前記取出し口側に比べて前記挟み込む度合いが小さくされている
ことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ容器。
【請求項3】
前記挟持体は、前記ケースに対して取り外し可能とされており、かつ、ティッシュが存在しない状態において、前記挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、前記ケースに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のティッシュ容器。
【請求項4】
前記ケースの内底には、着脱可能な底上げ用アダプターが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のティッシュ容器。
【請求項1】
交互に折り畳まれた状態で重なる複数のティッシュを、前記折り畳まれた折り目が縦方向となり、かつ、前記縦方向に沿って2つに曲げるようにして収容するケースと、
前記ケースの上側であって、前記ティッシュを引き抜く際に、次に引き抜かれるティッシュの一部が露出するようにした取出し口を有する蓋部と、
を備え、
前記ケースの内側には、前記曲げる方向に向って弾性力を発揮するようにして、前記ティッシュを挟み込む挟持体が設けられている
ことを特徴とするティッシュ容器。
【請求項2】
前記取出し口は、前記ティッシュが収容された状態の平面視において、前記2つに曲げられた側と反対側に配置され、
前記挟持体は、平面視において、前記取出し口と反対側が、前記取出し口側に比べて前記挟み込む度合いが小さくされている
ことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ容器。
【請求項3】
前記挟持体は、前記ケースに対して取り外し可能とされており、かつ、ティッシュが存在しない状態において、前記挟み込む方向と直交する水平方向に押さえつけながら、前記ケースに取り付けられる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のティッシュ容器。
【請求項4】
前記ケースの内底には、着脱可能な底上げ用アダプターが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のティッシュ容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−245982(P2012−245982A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116922(P2011−116922)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(596061373)岩谷マテリアル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(596061373)岩谷マテリアル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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