説明

テキスタイルを基体とする電極

テキスタイルを基体とする電極は伸長-回復 非導電性ヤーンを有するファブリック部分と、伸長-回復 電気的導電性ヤーン フィラメントを有する電気的伝導性領域を含む。電極はさらにフロート ヤーンを含み、テクスチャードもしくはリブ構造内に構成され得る。衣服内に内包される場合、電極は、衣服着用者の心拍数のような生物物理学の特性をモニターするのに使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル(textile:織物)を基体とする電極または着用可能な物品の形で使用され得る電極システムに関する。着用可能な物品は例えば着用者からの生物生理学的(biophysiological)信号を受けるテキスタイルを基体とする電極を用いた生物生理学的監視(モニター)のために適合され得る。
【背景技術】
【0002】
電気的非伝導性テキスタイル ファイバーの領域によって取り囲まれた電気的伝導性ワイヤーからなるテキスタイルを基体とする電極は、衣服のような着用可能な物品と合体され得る。着用可能な物品は着用者へあるいは着用者から、同様に電気的デバイスへまたは電気的デバイスから電気的なインパルスを伝え、あるいは受けるように適合され得る。Bekaertへ与えられた特許文献WO 01/02052は、そのような着用可能な物品を開示する。
【0003】
着用者の心拍数(heart
rate)(脈拍(pulse))を検知あるいはもしそうでなければ知らせる(report)ための着用可能なテキスタイルを基体とするセンサーが、OYを保持するRTOへ与えられた特許文献WO 02/071935に開示されている。
【0004】
Koninklijke Philips Electronics NVへ与えられた特許文献WO 03/094717は、テキスタイル物品の内部に完全に合体された電極に接触する皮膚の領域が供給されたテキスタイル物品を開示する。開示されたテキスタイル物品は、もしそうでなければ電気的に非伝導性の「ブラまたはレディ トップ(ladies top)」の形を取る。物品は、電気的伝導性材料を部分的に覆い、電気的に絶縁するために配置された、部分的に重なり合う電気的伝導性材料と電気的絶縁材料の層が供給されている。
【0005】
Tefron Ltd.へ与えられた特許文献WO 2004/006700は、着用者の皮膚に接近して配置された内側表面の電気的伝導性領域を有する丸編(circularly knit)衣服を開示する。内側の電気的伝導性領域は、中心を離れた電気的伝導性領域へ電気信号を伝えるために協同する。そのような電気信号は着用者あるいは着用者へ行くエレクトロ-スティミュレーション(electro-stimulation)手段から来る心拍数を含むことができる。
【0006】
これらの特許文献のそれぞれは電気的伝導性領域を提供する目的に関し、該領域は衣服、ベルト、または他の伝統的テキスタイル構造の着用可能な物品と一体化された電極として機能し得る。一般にこれらの特許文献は、衣服または着用物の残りの部分から別のやり方で電気的に分離された電気的伝導性領域を開示する。さらにこれらの特許文献は、着用者の皮膚にぴったり接して衣服の少なくとも1つの電気的伝導性領域を配置することを開示する。その結果、皮膚に接してこの電気的伝導性領域により形成された電極は着用者の体内で発生する電気信号の取り出し点(pick-up point)を提供する。あるいはそのような電極は、着用者へ外部から発生された電気信号を受けるために皮膚上に接触点を提供する。概要において、これらの特許文献は衣服の着用者の体へもしくは体から電気信号を伝える手段を提供する。
【0007】
さらにこれらの特許文献はまた概して、少なくとも1つの第2のテキスタイル電極を開示する。さらにしばしば、第2の電極は衣服と一体化され、衣服の外側の表面でまたはその近くに配置される。第2の電極は都合のよいことに皮膚に接触して該電極を横たえて置くこともでき、また一方、それらの間の構造の衣服の電気的絶縁材料の部分を有する。1つ以上の皮膚接触の電極と1つ以上の外側の電極との間の電気的接続が望まれ、そのような接続は金属製ワイヤーを用いて設けることができる。あるいは皮膚接触電極は連続的に外側表面電極を形成するような方法で折り重ねることができる。
【特許文献1】WO 2001/02052
【特許文献2】WO 2002/071935
【特許文献3】WO 2003/094717
【特許文献4】WO 2004/006700
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
着用者との皮膚接触における衣服一体電極と、衣服一体外側電極との間の電気的接続が、金属製ワイヤーを用いて設けられる場合、ある制限が存在し得る。そのような制限は例えば体との電気的接触による生物物理学のモニターが望まれるとき存在する。これらの制限は、例えば金属製ワイヤーの壊れ易さおよび耐久力のある柔軟性による、伝統的に作られたテキスタイルの金属製ワイヤー部分を形成する困難さを含み得る。
【0009】
同様に他の構成はある制限を受け得る。例えば電気的伝導性材料(電気的伝導性材料を電気的に分離するように配置された電気的絶縁材料を伴う)の「折り重ねる(folded over)」を含む構成および部分的な重ね合わせ層は、衣服またはテキスタイル物品に一体化された電極の配置を設計する自由を厳しく制限し得る。
【0010】
したがって、1つまたはそれ以上の従来技術の不完全さを克服することができるテキスタイルを基体とする電極を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はテキスタイルを基体とする電極または衣服のような着用可能な物品に含ませることができる電極システムを提供する。テキスタイルを基体とする電極は、伸長復元性(stretch-recovery)・非伝導性ヤーン(yarn)、および伸長復元性・電気的伝導性ヤーン フィラメント(filament)を持つ電気的伝導性領域を有するファブリック(fabric)部分を含むことができる。
【0012】
テキスタイルを基体とする電極システムは、電気的伝導性領域を有する第1および第2のファブリック部分を含むことができる。電気的伝導性領域は、部分的な物理的接触の領域に電気的伝導性領域間の電気的伝導の結果となり得させる、部分的に重なり合う関係に配置され得る。
【0013】
少なくとも1つの電気的伝導性領域は、フロート(float) ヤーンを含み得る。さらに少なくとも1つの電気的伝導性領域は、弾性化された電気的伝導性ヤーンおよび/または伝導性ヤーンによって少なくとも部分的に覆われた弾性ヤーンから作られ得る。1つの実施の形態では、電気的伝導性領域はテクスチャード(textured)またはリブ(ribbed)構造を有するファブリックを含み得る。さらに実施の形態では、電気的伝導性領域は少なくとも1つのはっ水性の(hydrophobic)材料を有する1つ以上の部分を含み得、および/または少なくとも1つのはっ水性の材料を有する領域によって分離され得る。
【0014】
本発明の範囲内にあるテキスタイルを基体とする電極は、測定装置(measuring device)に接続し得る。測定装置は例えば、電極を内包する衣服の着用者の生物物理学の信号をモニターするのに使用され得る。例えば1つの実施の形態では、テキスタイルを基体とする電極は着用者の心拍数をモニターする手助けをするのに使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、以下の図面を参照して以下の詳細な説明において説明されるだろう。
図1Aおよび1Bは第1のテキスタイルを基体とする電極の上面図と下面図の概略描写である。
図1Cは図1Dおよび1Eの第2のテキスタイルを基体とする電極の電気的伝導性フロート ヤーンの部分に接触する、電気的伝導性フロート ヤーンの部分からなる図1Aおよび1Bの第1のテキスタイルを基体とする電極の側面立面図における概略描写である。
図1Dおよび1Eは第2のテキスタイルを基体とする電極の上面図と下面図の概略描写である。
図1Fは異なるタイプのニット(knit)構造を用いた電気的伝導性領域の部分からなる一体化されたテキスタイル電極の概略描写である。
図2Aおよび2Bはテキスタイルを基体とする電極を有する着用可能な物品の上部本体の概略描写である。
図3Aはテキスタイルを基体とする電極の正面図における概略描写である。
図3Bおよび3Cは折り重ねられた形状のテキスタイルを基体とする電極の概略描写である。
図4は生物物理学的モニターの可能な電極と通信するために適合された1組のテキスタイルを基体とする電極の一部断面における概略描写である。
図5はボディの回りに着用するように適合され、生物物理学的モニターの可能な電極と共に用いられるように適合された連続的なバンドの概略描写である。
図6は1組のテキスタイルを基体とする電極およびそれらの構造における可変の所定の寸法の概略描写である。
【0016】
本発明は1つの実施の形態において、着用者の皮膚に電極を接触させるように適合され得る、着用可能な物品に完全に一体化され得るテキスタイルを基体とする電極を提供し得る。ここに開示されたテキスタイルを基体とする電極は、電極と一体化された物品の着用者へ電気信号を伝えるために適合され得る。例えばそのようなテキスタイルを基体とする電極は、着用者の生物生理学上のモニターのために適合され得る。
【0017】
ここに開示されたテキスタイルを基体とする電極はまた、脆弱な接続ワイヤーに頼ることなく、着用者の皮膚への接触により電気信号を伝えたり受けることも可能である。テキスタイルを基体とする電極はまた、着用者の皮膚への信頼できる接触のために特に適合され得、さらに相補的なテキスタイルを基体とする電極との相対的に一貫した電気的連続性を供給する(すなわち、着用者が自由に動く間、信号の損失または回路の短絡無しに)。この点については、テキスタイルを基体とする電極は、電気的伝導性ヤーンまたはフィラメントと共に編まれまたは織られ、および/または弾性でかつ電気的伝導性であるヤーンまたはフィラメントの使用により、弾性材料の存在による電気的伝導性領域において伸縮可能であり得る。
【0018】
1つの実施の形態では、テキスタイルを基体とする電極は、ニット構造内の電気的伝導性ヤーンの部分が提供された第1のファブリック部分からなる電極システム内に含めることができる。ニット構造は例えばシングル ジャージー(jersey)、リブ ニット(ribbed knit)、モック(mock) リブ ニット並びにリブ ニット 1×1および1×3構造から選ばれ得る。電気的伝導性ヤーンの部分は、第1のファブリック部分によって取り囲まれ得、第1のファブリック部分から電気的に分離され得る。
【0019】
テキスタイルを基体とする電極は、伝導性ヤーンまたはフィラメントで覆われたLycra(登録商標)スパンデックス(spandex)のような材料の存在により電気的伝導性領域内で伸縮性を示し得る。テキスタイルを基体とする電極はまた、(INVISTA Technologies S. a r. l.に与えられた)WO 2004/097089A1に開示された伝導性ヤーンのような伝導性ヤーンの使用により電気的伝導性領域内で伸縮性を示し得、その完全な開示は引用によってここに含まれる。さらにテキスタイルを基体とする電極は、(1×1または1×3リブ ニット構造を含む)リブ構造のような異なるタイプのニット構造を用いて伸縮性を示し得る。
【0020】
さらに1つの実施の形態では、テキスタイルを基体とする電極は電極システム内で提供され、該システムは部分的に重なり合う関係に配置された少なくとも第1のファブリック部分および第2のファブリック部分からなる。第1のファブリック部分は、少なくとも第1の電気的伝導性領域(第1の「電極」)を含むことができ、第2のファブリック部分は、少なくとも第2の電気的伝導性領域(第2の「電極」)を含むことができる。第1のファブリック部分の電気的伝導性領域および第2のファブリック部分の電気的伝導性領域は、部分的物理的接触の領域を提供するために共働し得る。この物理的接触領域はそれによって第1および第2の「電極」間の電気的伝導を確立し得る。
【0021】
第1および第2の電気的伝導性領域または「電極」はそれぞれ少なくとも電気的伝導性ヤーンの部分を含む。さらに第1および第2の電気的伝導性領域または「電極」はさらにそれぞれ、少なくとも「フロート ヤーン」の部分を含み得る。
【0022】
本発明の範囲内にある実施の形態は、さらにここに開示された図面を参照して説明され得る。
【0023】
1つの実施の形態では、第1のテキスタイルを基体とする電極は、図1Aおよび1Bに示されるように電気的伝導性ヤーン30の部分が提供される、第1のファブリック部分10を含む電極システム内に提供される。この実施の形態では、電気的伝導性ヤーン30の部分(図1A)は、第1のファブリック部分10によって取り囲まれ、第1のファブリック部分10から電気的に分離されている。
【0024】
第2のテキスタイルを基体とする電極は、図1Dおよび1Eに示されるように電気的伝導性ヤーン40の部分が提供される第1のファブリック部分20を含む。
【0025】
発明の範囲内にある実施の形態では、ニット構造が用いられ得る。ニット構造は例えば、ファブリック部分10および20並びに伝導性ヤーン30および40の両方のために、シングル ジャージー、モック リブ ニット、およびリブ ニット 1×1および1×3構造から選ばれ得る。該技術に熟練する人に知られているように、そのようなニット ファブリックでは、行(wale)または編目(stitch)の縦の行(row)は、ファブリックの表(奇数行)上および裏(偶数行)上に典型的には交互に編まれて(intermesh)いる。このタイプのリブ ニット ファブリックは、長さおよび幅方向において優れた弾性を有するように示されてきたし、衣服にフィットする優れた体の形状を提供し得る。
【0026】
さらに本発明の実施の形態は、フロートを伴って編み込まれた伝導性ヤーン30および40を提供する。フロートは該技術に熟練する人に知られているように、編み込まれることなく(すなわち、ファブリック表面上にフロート(浮き出る)または横たわる)、ファブリック上に伸びるヤーンの部分を含む。リブ ニット構造内に電気的伝導性ヤーン30および40を有するファブリック部分10および20は、ファブリックのリブ構造上にヤーン30および40がフロートするテキスタイル-電極構造を提供し得る。その結果として、これらの伝導性フロート ヤーン34および44(図1A、1B、1D、および1E)はファブリックの表面上に容易に接触可能である。伝導性フロート ヤーン34および44の容易な接触可能性は、フロート ヤーンの物理的接触を通してファブリックの伝導性ヤーン部分間の電気的接触を容易にする。1つの実施の形態では、伝導性ヤーン部分間の電気的接触は、伝導性フロート ヤーン34および44を共に縫い合わせる(stitch)ことによってさらに容易にすることができる。
【0027】
図1Cに示すように、第1のテキスタイルを基体とする電極15および第2のテキスタイルを基体とする電極25は、電気的伝導性接触を確立するために互いに隣接して置かれ、フロート ヤーン34および44を互いに接触して置くことができる。
【0028】
伝導性ヤーン30および40、およびこのようにフロート ヤーン34および44として用いるのに適する材料は例えば(INVISTA Technologies S. a. r. l.に与えられた)特許文献WO 2004/097089A1に開示されたそれらのヤーンを含み、その全体の開示は引用によってここに含まれる。WO 2004/097089A1内に開示された伝導性ヤーン(以下、ETG1ヤーンと呼ぶ)は本来、弾性伸長および回復を提供し得、ここに開示された実施の形態のためのニット構造にそれ自体を与えることができる。WO 2004/097089A1内の開示による弾性伝導性ヤーンを用意するために適した非弾性フィラメントは、BEKAERT Fibre Technologiesからの(CONDUFIL(登録商標) 80dtexおよび24フィラメント ヤーンのような)それらのヤーンおよびLaird Sauquoit Industries(Scranton, Pennsylvania, USA 18505)からの銀が金属被覆されたナイロン ヤーンのXstatic(登録商標)として知られるそれらのヤーンを含む。
【0029】
電気的非伝導性ヤーンまたは伝統的テキスタイル ヤーンは、都合のよいことにはファブリック部分のバルクのために採用し得る。これらのヤーンは例えば、コットン、セルロース体(cellulosics)、シルク、ラミー、ポリエステル、および/またはナイロンを含み得る。ファブリック部分のかたまり(bulk)はまた、ポリエステルおよびナイロンと(INVISTA(登録商標) S. a r. l.からのLYCRA(登録商標)と呼ばれるスパンデックスのような)弾性ヤーンとの組み合わせを含み得る。
【0030】
この点について、図1Fは異なるタイプのニット構造を使用し、リブ構造(すなわち、1×1または1×3リブ)を含む電気伝導性領域40'の部分を有する一体化されたテキスタイル電極35の描写を示す。そのような電極は、電気的伝導性領域40'を取り囲み、例えばリブ構造を有するより大きな領域18内にあり得る。電極領域は、例えば伝導性ヤーンで覆われたLYCRA(登録商標)スパンデックスの存在により、またはWO 2004/097089A1(図1)に開示されたヤーンのような弾性伝導性ヤーンの使用を通して伸長(stretch)可能である。さらにリブ構造および弾性材料の使用を通して、伸長電極は皮膚との改善された接触、それゆえより良い信号取り出しを提供し得る。
【0031】
そのようなリブ構造 伸長電極は、例えば(GRUPPO LONATI, italyからの)SANTONIからのSMA-8-TOP1 シームレス、13インチ本体サイズの編機(knitting machine)上で作られ得る。
【0032】
そのような一体化されたテキスタイル電極内で用いられ得る伝導性ヤーンの例は、Xstatic(登録商標)70デニール(denier)2プライ(ply:撚合)(例えばLaird Sauquoit Industries(Scranton, Pennsylvania, USA 18505)からの70デニールおよび34フィラメントの銀めっきされたナイロン ヤーン)およびETG1ヤーン(lycra(登録商標)タイプ162「クリア」およびElektro Feindrahtからの20ミクロンの銀で覆われた銅ワイヤー上の中空スピンドル2重被覆された70デニール ナイロン ヤーン)を含む。
【0033】
図1CはAからA'へ伸びる軸について置かれたファブリック部分10およびファブリック部分20の端部を接する図を示す。この図に示すように物理的接触は、ファブリック10におけるヤーン フロート34とファブリック20におけるヤーン フロート44との間で起こり得る。フロート34と44または複数の類似のフロートとのこの物理的接触は、ファブリック部分10と20間の電気的連続性を提供し得る。
【0034】
図1Cに示されるように、ファブリック部分10の伝導性フロート ヤーン部分34が、ファブリック部分20の伝導性フロート ヤーン部分44と接触しているとき、2つの伝導性ヤーン部分、すなわち、表面12上の伝導性部分30から表面22上の伝導性部分40間の電気信号の伝導を可能にし得る。
【0035】
シャツのような着用可能な物品に完全に一体化されたテキスタイルを基体とする電極システムの実施の形態は、図2Aと2Bにより表される。これらの図では、着用可能物(wearable)100は、上部ボディに着用される衣服として表される。着用可能物100は一般に行われるシームレス(円形の)ニット技術を用いて構成され得る。例えばシームレス技術を用いた「編まれた状態の(as-knitted)」形態において、着用可能物100は、AA'軸についての上部90と下部80の鏡像部分を有する管の形状を取る。図2Aの下部80は、図2Bに表されるように内部の部分と外部の部分を有する2層(two ply)衣服を形成するために上部90の中へ折り込まれ得る。ウェスト バンド(waist band)は類似の方法で構成され得る。
【0036】
図2Aと2Bは、着用可能物100に完全に一体化された本発明のテキスタイルを基体とする電極システムを有するような着用可能物100を表す。テキスタイルを基体とする電極システム40の外側表面部分は下部80と共に示される。テキスタイルを基体とする電極システム40の外側表面部分は、破線に示されるように内側表面部分42とフロート ヤーン44と電気的に連続している。テキスタイルを基体とする電極システム30の外側表面部分は、上部90に関係付けられるように示され、破線に示されるように内側表面部分32とフロート ヤーン34と電気的に連続している。下部80が上部90に折り込まれるとき、フロート ヤーン部分34と44は、図2Bに(図1Cに表されるような態様で)示されるように物理的に接触するようになる。部分34と44の物理的接触の結果として、電気信号が2層着用可能物100の外側表面上の電極30から内側表面上の電極40へ、そしてその上に着用者の皮膚の上の両方の方向に通り得る。
【0037】
テキスタイルを基体とする電極システムの他の実施の形態は、図3Aと3Bにより表される。図3Aでは、CC'とBB'の2つの水平軸によって境を接するファブリック70の部分が表される。CC'とBB'の両方から垂直な方向において等しい距離を置かれた第3の水平軸AA'はまた、図3Aに表される。
【0038】
図3Aと3Bでは、2つのテキスタイルを基体とする電極が、水平方向において互いに反対に置かれる。これらの電極は、図3Aに表されるように伝導性ヤーン30と30'の第1と第2の外側部分を含む。これらの電極はさらに、ヤーン部分30と30'の下にそれぞれまっすぐに横たわるフロート ヤーンを説明するために破線を用いて図3Aに表された内側の伝導性ヤーン34と34'を含む。
【0039】
同様に図3Aは、コットン46と46'のような任意の湿気保持ヤーンの第3と第4の外側部分を含むテキスタイルを基体とする電極システムの構成要素を示す。そのような電極システムはさらに、伝導性ヤーン部分40と40'の下にそれぞれまっすぐに横たわるフロート ヤーンを説明するために破線を用いて図3Aに表された内側伝導性ヤーン部分44と44'を含む。伝導性ヤーン40と40'は部分44と44'とそれぞれ連続し、またそれぞれ任意の湿気保持ヤーン部分46と46'で取り囲まれる。
【0040】
さらに図3Aに表されるように金属製コネクタ50は、テキスタイルを基体とする電極への電気的接続のための主要な点としての機能に適合されている。
【0041】
図3Bは、水平軸AA'に沿って折り重ねられ、軸CC'とBB'を新たな水平軸CB-C'B'に沿って相互に直線状に合わせた後の、ファブリック部分70の描写である。水平軸AA'に沿ってファブリック部分70内でこれを折り重ねる結果として、2層ファブリック部分が形成される。内側の伝導性ヤーン部分および関係するフロート ヤーン部分、それぞれ34と44および34'と44'は、2層ファブリック部分の内側部分上の(図3Cに表されたように)物理的接触に至らせられる。
【0042】
図3Cに表されたように伝導性ヤーン部分30と30'は外側表面部分72上にあり、伝導性フロート ヤーン部分34と34'は2層ファブリックの内側表面部分74上にある。同様に図3Cに表されたように任意の湿気保持ヤーン部分46と46'は、2層ファブリックの外側表面部分78上にある。伝導性ヤーン部分40と40'は図3Cに表されたように、2層ファブリックの内側表面部分76上にすべてある。
【0043】
さて図3Cを参照して、折り重ねられたファブリック部分70は、表面部分78から表面部分72へ電気的に連続する2つのテキスタイルを基体とする電極と同様に、表面部分78と72を有するように表される。そのような配置は、表面部分72と78間で電気信号の伝達と受信をさせる。接続点50と50'はそのような電気信号を送り受けるために適合化され得る。
【0044】
電気信号を送受信するために50と50'を適合化するための手段は、図4により表される。この図では、ファブリック部分70は、(図3Bに示されるように)水平軸AA'についての折り重ね70の結果として互いに向き合っている表面74と76間として表される。表面78(着用者の皮膚に接触するように適合化された側)は伝導性ヤーン部分40と40'を含み、表面72は伝導性ヤーン部分30と30'を含む。表面76と74の間で、伝導性フロート ヤーン部分44と44'を、伝導性フロート ヤーン部分34と34'と物理的に接触に至らせ、それによって伝導性ヤーン部分40と40'および伝導性ヤーン部分30と30'間の電気的連続性を提供する。
【0045】
電気的伝導性接触50と50'はそれぞれ、伝導性ヤーン部分30と30'へ取り付けられる。電気的伝導性接触50と50'は、例えば金属伝導体のようなどの電気的伝導性材料からも作り得る。電気的伝導性接触50と50'は、それらが30と30'を通して通信し、電気的伝導性接触210と210'とそれぞれ接触またはかみ合うことができるように伝導性ヤーン部分30と30'へ取り付け得る。電気的伝導性接触210と210'は電気デバイス200と共にある。
【0046】
電気デバイス200は、折り重ねられたファブリック部分70の表面74と76間に置かれているように図4に表される。その結果として伝導性ヤーン部分40と40'で生じる電気信号は、(30と30'と同様に)それぞれ電気デバイス200と共にある電気的伝導性接触210と210'へ直接伝導され得る。あるいは電気デバイス200で生じる電気信号は、(30と30'と同様に)電気的伝導性接触210と210'へ、その上伝導性ヤーン部分40と40'へ直接伝導され得る。
【0047】
任意のヤーン60を含む実施の形態が図4に示され、そこでは任意ヤーン60は例えばPTFEフィラメントを含む。任意ヤーン60の使用は、多量に汗をかく着用者に着用されることが予期される衣服におけるテキスタイルを基体とする電極の短絡の可能性を低減させる。1つの実施の形態において、PTFEフィラメントは、LYCRA(登録商標)と呼ばれるスパンデックス ヤーンで巻き付けられもしくは撚り合わせられ得る。もしそうでなければこれらのヤーンは何の特別な調整も必要とせず、衣服構造の伝統的なテキスタイル フィラメントと容易に一体化し得る。
【0048】
2つのテキスタイルを基体とする電極に完全に一体化された着用可能物の部分110が図5に表される。図5の着用可能物は袖(sleeve)、袖口(cuff)、もしくはバンド(band)を表す。そのような実施の形態では電気デバイス200は、テキスタイルを基体とする電極に完全に一体化された着用可能物を使用する人間もしくは動物のある生物不地理学的なパラメーターを受けたり、蓄えたり(store)、および/または伝えたりすることができる。
【0049】
図5に表されるように2つのテキスタイルを基体とする電極は、表面72と74間に形成される空間に置かれた電気デバイス200と直接通信し得る。表面78上の2つの伝導性ヤーン部分40と40'は着用者の皮膚と接触できる。40と40'との皮膚接触の結果として、着用者から発せられるどの電気信号も、それぞれ30と30'に直接に、そして接触50と50'を通って電気デバイス200に順番に伝達され得る。同様に電気デバイス200は、電気信号を接触50と50'を通って、そして順番に伝導性ヤーン30と30'を通って、そしてさらに順番に着用者の皮膚と接触し着用者に同じ信号を伝える伝導性ヤーン40と40'に伝達され得る。
【0050】
本発明の他の実施の形態では、電気デバイス200は、着用者の心臓の電気的活動やこのような単位時間当りの心拍数に関係する電気信号の検知のような生物生理学上のモニターをすることができる。電気デバイス200は図4に表されるように、伝導性接触210と210'を用いて接触50と50'にかみ合うことができる。この出願に適したスナップ留め(snap-engaged)接触50と50'は例えば、PRYM NEWEY Textiles Group, Whitecroft, Lydney, Gloucestershire, UK.から入手できる11mmの長さの接触であり得る。補強ファブリックは例えばCORDURA/COOLMAX(登録商標)の織られた断片の形で、各スナップ50、50'の元で提供され得る。これらはテキスタイル電極30、30'内に設けられたスナップの着用によって生じる損傷を低減するために役立ち得る。
【0051】
図5の着用可能物110は着用者の中央胸部(例えば手首、腕、腰などのボディの他の部分にもまた配置され得る)を取り巻くバンドの形態にある。110の表面78は、着用者のボディに面して位置を定められ、伝導性ヤーン部分40'と40は鼓動する心臓の電気的活動に関連する電気信号を受けるように水平に位置を定められている。
【0052】
任意に着用者の皮膚からの信号取り出しはさらに、40と40'を取り囲むファブリック バンド部分内へ編み込まれる図4のコットン ヤーン46、46'のようなヤーンの部分を用いて可能である。コットン ヤーンは(例えばシルク、ビスコース、アセテート、もしくはウールのような)親水性として知られ、40と40'の付近で発生するボディの湿気を保つのを促進する。
【0053】
汗をかくことを促進するのを助け、このように着用可能物110の着用後、すぐに湿気を増進させる、皮膚接触電極40と40'の端上もしくはその回りの被覆を提供することもまた選択できる。そのような被覆は例えば着用者が激しい活動に従事しない利用において望ましいだろう(例えば着用者がより激しい活動に従事することが予期されるであろう他の利用においては、そのような被覆は望ましくないだろう)。適した被覆は例えば(INVISTA(登録商標) Technologies S. a.r.l., Wilmington, DE 19808からの)LYCRA(登録商標) T162C ポリマー固溶体および(Wacker Silicones, WACKER-CHEMIE GmbH, Germanyからの)ELASTOSIL
R plus 573 電気的伝導性シリコン ラバーを含む。
【0054】
心拍数モニターの実施の形態の機能を明示するために適した電気デバイスは、POLAR Electro Oy, Professorintie 5, Finland, 90440 Kempeleによって作られ、S810i(登録商標)と称される。POLAR S810i(登録商標)は、電子モジュール(図5に表された実施の形態における200)および該モジュールのラジオ周波数で通信する手首着用デバイスを含む。手首着用デバイスは着用者のデータを記録する。データは例えばランニング、サイクリング、またはスキーのような激しい活動を含む着用者の活動中に得ることができる。
【0055】
本発明のこの実施の形態は、完成された衣服と共にテキスタイルを基体とする電極を用いてデバイスを完全に一体化することができるので、POLAR S810i(登録商標)のようなデバイスを身につける他の手段より優れ得る。比較するとPOLAR S810i(登録商標)と共に使用されるのに知られた胸着用ベルトとストラップは、フィットせず、快適でなく、かつ目立つ形態である。生物生理学上のモニターのために完全に一体化された編まれたトップやスポーツ ブラのような衣服の供給は、より優れた着用可能物の本発明の実施の形態の実施を導き得る。
【0056】
本発明の実施の形態によるテキスタイルを基体とする電極を含み得る着用可能物の実施例は、どのタイプのスポ−ツもしくはアスレチックの衣服を含むどのようなタイプの衣服も含む。衣服の特別な実施例は、シャツ、タンクトップ、ブラ、および下着を含む。しかしながら着用可能物はまた、バンド、ストラップ、ベルト、もしくはどのような他の形態の着用可能な物品をも含むことに注意することが重要である。1層の電極パッチ40はまた、どの着用可能な物品上にもカットされ、縫い合わせられ得る。
【0057】
テスト方法
生物生理学上のモニターに用いる本発明の範囲内にある1つの実施の形態の適性をテストするために、伝導性テキスタイル
ヤーンと(50、50'のような)どの信号取り出し点との間の電気的伝導性も確立されなければならない。伝導性ヤーン(例えば40、40')の1つの内側の電極の場合、それらと信号取り出し点50、50'との間の抵抗は、(Fluke Electronicsからの)FLUKE180シリーズ デジタル マルチメーターを用いて計られる。実際、図5の70のようなニット ファブリックのバンドが抵抗が計られるマネキン人形上に設置される。
【0058】
着用者の発汗によるテキスタイル電極間の短絡は、上記のニット
ファブリック70のウェット バンドとしてマネキン人形を用いて計られる。ファブリックを湿らせるのに用いた加湿剤は、人間の汗の分泌のイオン伝導性を近似する1%のNaCl水溶液である。
【0059】
図5のテキスタイルを基体とする電極の寸法a、b、c、d、e、f、およびgは、図6に表される。金属製取り出し点50と50'との間の距離は、各実施例について約1.8インチ(46mm)に固定される。
【0060】
抵抗の測定は、テキスタイル電極30と30'、40と40'、およびすべてのテキスタイル電極の間から、と金属製取り出し点50と50'との間でなされる。
【0061】
POLAR S810i(登録商標)電子モジュールおよびPOLARモジュールと共に提供される2つの異なる胸バンド(例えばPOLARハードおよびソフト バンド)を用いてモニターする心拍数の比較測定は、信号取り出しの質のテストを提供する。一般に、POLAR S810i(登録商標)モジュールは、この比較テストのためにニット ファブリック バンド(すなわち、図5内に表されるように70)を着用した上部の胸内に取り付けられる。激しい運動の間、心拍数データが、POLAR S810i(登録商標)モジュールおよびデータ記録器が着用された手首によって提供される方法により記録される。
【実施例】
【0062】
本発明の実施例は(表1の1-14として一覧表にされた)心拍数モニター ベルト(heart rate monitoring
belt)内でなされた。心拍数モニター ベルトはSMA-8-TOP1シームレス、13インチのボディサイズ、(GRUPPO LONATI, Italyからの)SANTONIからの編機(以下「SANTONI編機」)を用いて丸編(circular knitting)によって作られた。心拍数モニター ベルトを作るのに、種々のタイプのヤーンを用いて(ジャージーおよびモック リブ編構造を含む)異なる編構造の組み合わせが用いられた。各実施例では、示された電極領域はLaird Sauquoit Industries(Scranton, Pennsylvania, USA 18505)からの70デニール、34フィラメントの銀めっきされたナイロンヤーンのXstatic(登録商標)ヤーン(以下、「Xstatic(登録商標) 70/34」)を用いて作られた。
【0063】
心拍数モニター ベルト1-14のそれぞれにおいて、基体ファブリックが最初に構成された。各ベルトの基体ファブリックを編むのに用いられたヤーンは、Lycra(登録商標)スパンデックス(T-902C 260d)で覆われたINVISTAからのCoolmas(登録商標) 70/88ミクロ デニール ポリエステル ヤーン(「Coolmas(登録商標)」)であった。Coolmax(登録商標)とLycra(登録商標)スパンデックスは、約92%のCoolmax(登録商標)と約8%のLycra(登録商標)スパンデックスの比で(約75%〜約100%のCoolmax(登録商標)と、約0〜約25%のLycra(登録商標)スパンデックスの比も可能)SANTONI編機を用いていっしょに編まれ、ファブリックの非伝導性領域と同様にテキスタイルを基体とする電極(「伝導性領域」)を含むファブリックの領域において平ジャージー編み(plain jersey stitching)およびモック リブ(1×1、3×1、2×1、2×2)編み(mock rib stitching)が用いられた。
【0064】
テキスタイルを基体とする電極(または「伝導性領域」)を含むファブリックの領域のために、伝導性ヤーンがSANTONI編機を用いて基体ファブリックの一側上(非フロート領域上)に編まれた。心拍数モニター ベルト1-14を作るために用いられた伝導性ヤーンは、X-static(登録商標) 70/34であった(約80%のポリエステルと約20%のステンレススチールを有するBekaertからの複合ヤーン(composite yarn)も使用可能であろうが)。この点については、40、40'、30、および30'(図3)によって表される伝導性領域は平ジャージーとモック リブ編みを用いて編まれ、34、34'、44、および44'(図3)によって表される伝導性領域はフロート編みを用いて編まれた(図3Aの領域40と40'はまた、図6で寸法a×bを有するものとして表されている)。
【0065】
それから金属製スナップ(図3Aの50と50')は、まずファブリック内(図3Aの位置50と50')に小導き孔(small lead holes)を作ることによって心拍数モニター ベルト1-14のそれぞれに取り付けられた。次に、(小導き孔に対応するようなおよそ同じ直径の)中心に孔を備えた約1/2インチの直径を有するスナップ補強材料が位置50と50'上に、ファブリック内の孔とスナップ補強材料の孔がおおよそ重なり合うように配置された。スナップ補強材料は、Cordura(登録商標) ナイロンとCoolmax(登録商標)平織り(plain weave)から作られた。それからスナップは、雌スナップ(例えばPRYM-DRITZ
12mm)の部品1を各孔を通して挿入し、ファブリックの他の側上に対応するスナップの部品2を取り付け、その後スナップを決まった場所にリベット留めされることによって付け加えられた。
【0066】
心拍数モニター ベルト1-14において、領域40と40'(図3A)の寸法すなわちa×b(図6)は表1に示されるように変わる。さらに心拍数モニター ベルト1-14では、図6の幅cとして示される距離は表1に示されるように変わる。
【0067】
心拍数モニター ベルト1から4においては、スナップは図4の電気的伝導性接触210と210'が皮膚の方へ面するように(図4の電子デバイス200が心拍数モニター ベルトの外側にあるように)配置された。
【0068】
心拍数モニター ベルト5から14においては、スナップは図4の電気的伝導性接触210と210'が皮膚の方へ面しないように(図4の電子デバイス200が心拍数モニター ベルトの内側にあるように)配置された。
【0069】
さらに心拍数モニター ベルト11から14は、(図6の寸法a×bで表される)各電極部分の回りに(図6の寸法d×eで表される)コットン ヤーンの親水性ヤーン部分を含んだ。この(図3Bの46、46'として示される)親水性ヤーン部分は、ファブリックの反対側上に(図3Aの40と40'として示される)伝導性領域として編まれた。心拍数モニター ベルト11から14のための寸法d×eは表1に示される。
【0070】
本発明の実施例12と14もまた(図6の幅gとして表された)はっ水性ヤーン部分を含んだ。このはっ水性部分に用いられる材料は、約90%のPTFE 100dと約10%のLycra(登録商標) スパンデックスから作られ、(Lawson-Hemphillによって作られたモデル # FAKSE)Lawsonチューブ編機を用いて別々に編まれた。それからこの材料のバンドはカットされ、図6に示されるように伝導性領域間において縫い付けられた。心拍数モニター ベルト2と14のためのgの幅は、表1に示される。
【0071】
2つの基本的な測定は、実施例の心拍数モニター ベルト1から14上でなされた。これらの測定は、(1)皮膚接触電極部分(40と40')と金属製スナップ50と50'との間の乾燥時の抵抗、および(2)金属製スナップ50と50'間の湿潤(1%のNaCl水溶液)抵抗を含む。
【0072】
比較の目的のため、POLAR S810i「ソフト」ベルトが比較例1のために用いられ、POLAR S810i「ハード」ベルトが比較例2のために用いられた。これらの各々は本発明のテキスタイルを基体とする電極に従ってテストされた。
【0073】
比較例1の場合、ボディ接触電極からPOLAR S810iモジュールにかみ合ったスナップへの抵抗が測定された。この測定は(それが完全に一体化されたような)比較例2のためにはなされなかった。
【0074】
信号取り出しの品質は、POLAR S810iを用いて専門家のパネルによって評価された。POLARベルトの信号品質は、各着用者のための規定の日常の運動の1セットの間、最初の信号取得の速度についてまず評価された。ノイズもしくは他の信号の劣化も注目された。10の評価点は優れると考えられ、1の評価点は劣ると考えられた。2つ以上の評価点が報告される場合、測定は繰り返し測定されたものである。
【0075】
表1は比較例1と2と同様に心拍数モニター ベルト1-14の概略を提供する。心拍数モニター ベルトの形状は図5に実質的に表されたようなものであった。
【0076】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1Aおよび1Bは第1のテキスタイルを基体とする電極の上面図と下面図の概略描写であり、図1Cは図1Dおよび1Eの第2のテキスタイルを基体とする電極の電気的伝導性フロート ヤーンの部分に接触する、電気的伝導性フロート ヤーンの部分からなる図1Aおよび1Bの第1のテキスタイルを基体とする電極の側面立面図における概略描写であり、図1Dおよび1Eは第2のテキスタイルを基体とする電極の上面図と下面図の概略描写であり、図1Fは異なるタイプのニット(knit)構造を用いた電気的伝導性領域の部分からなる一体化されたテキスタイル電極の概略描写である。
【図2】図2Aおよび2Bはテキスタイルを基体とする電極を有する着用可能な物品の上部本体の概略描写である。
【図3】図3Aはテキスタイルを基体とする電極の正面図における概略描写であり、図3Bおよび3Cは折り重ねられた形状のテキスタイルを基体とする電極の概略描写である。
【図4】図4は生物物理学的モニターの可能な電極と通信するために適合された1組のテキスタイルを基体とする電極の一部断面における概略描写である。
【図5】図5はボディの回りに着用するように適合され、生物物理学的モニターの可能な電極と共に用いられるように適合された連続的なバンドの概略描写である。
【図6】図6は1組のテキスタイルを基体とする電極およびそれらの構造における可変の所定の寸法の概略描写である。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図1F】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】

【図3C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のファブリック部分と第2のファブリック部分を含み、
前記第1のファブリック部分は少なくとも第1の電気的伝導性領域を含み、
前記第2のファブリック部分は少なくとも第2の電気的伝導性領域を含み、
前記第1および第2のファブリック部分は部分的に重なる関係に配置され、
前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域は、少なくとも部分的物理的接触の領域を提供するように共働し、
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の少なくとも1つは、フロート
ヤーンを含み、
前記部分的物理的接触の領域は、前記第1の電気的伝導性領域と前記第2の電気的伝導性領域との間の電気的伝導を確立する、
テキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項2】
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の少なくとも1つが、少なくとも弾性化された電気的伝導性ヤーンを含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項3】
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の少なくとも1つが、伝導性ヤーンで少なくとも部分的に覆われた少なくとも弾性ヤーンを含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項4】
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の少なくとも1つが、テクスチャードもしくはリブ構造を有するファブリックを含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項5】
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の両方が、いっしょに縫い合わせられたフロート ヤーンを含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項6】
(i)前記第1のファブリック部分の電気的伝導性領域と、
(ii)前記第2のファブリック部分の電気的伝導性領域の少なくとも1つがさらに、親水性材料を含む部分を少なくとも含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項7】
少なくとも1つのはっ水性材料が、前記第1のファブリック部分もしくは前記第2のファブリック部分のいずれか一方の電気的伝導性領域内に含まれている。
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項8】
テキスタイルを基体とする電極から測定装置へ信号を転送させる手段をさらに含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項9】
前記測定装置が、前記ファブリック部分の少なくとも1つに取り付けられている、
請求項8記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項10】
前記測定装置の取り付け手段が、スナップのかみ合わせを含む、
請求項9記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項11】
前記スナップのかみ合わせ手段が、少なくとも1つのファブリック部分に取り付けられ、少なくとも1つのファブリック部分に取り付けられた補強材料で補強されている、
請求項10記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項12】
前記測定装置が心拍数モニターである、
請求項8記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項13】
前記スナップのかみ合わせに用いられるスナップが皮膚に面しないように、前記測定装置が配置されている、
請求項10記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項14】
前記スナップのかみ合わせに用いられるスナップが皮膚の方に面するように、前記測定装置が配置されている、
請求項10記載のテキスタイルを基体とする電極システム。
【請求項15】
前記テキスタイルを基体とする電極システムの前記電極の前記第1のファブリック部分と前記第2のファブリック部分の、電気的伝導性領域の上および/または回りに、ポリマー固溶体の被覆をさらに含む、
請求項1記載のテキスタイルを基体とする電極システム。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−536542(P2008−536542A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501916(P2008−501916)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/008304
【国際公開番号】WO2006/101748
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】