説明

テキスタイル繊維綿から綿巻体を形成するための装置

綿巻体を特にコーミング機のために形成するための巻取り装置のプレス圧を制御するための構成的及び製作技術的な費用を減じるためには、巻取り装置1の巻取りローラ2,3の回転数制御装置10から巻綿の巻上げられた綿長さのための長さ信号を導き出し、巻綿体の内々の長さ区分を経験的に内々のプレス圧に対応させることが提案された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテキスタイル繊維綿から綿巻体を、特にコーミング機に提供するために形成するための装置であって、巻圧が綿巻体の構成に際して綿巻体の増加する直径に適合可能であり、当該装置が繊維綿を搬送する少なくとも1つのローラのために回転数制御装置を有している形式のものに関する。
【0002】
綿巻体を形成するための前記形式の機械はEP0942080B1号明細書の対象である。図2においては縦座標軸にプレス圧の減少が示されかつ横座標軸に巻体直径の増加が示されている。
【0003】
機械は綿巻体の形成過程にて該綿巻体の瞬間の直径を常に明らかにする制御装置を有している。したがって機械は回転パルス発生器を有し、この回転パルス発生器は供給される綿の累積する長さに相当する信号を制御装置に供給する。さらに制御装置には別の信号、例えば長さ単位あたり重量単位で表わした、供給された綿の重量、綿の固有重量、供給された綿帯もしくは綿巻体の幅及び巻管の外径が供給される。これは手で行なわれる。
【0004】
これらの値から制御装置は7節のアルゴリズムで綿巻体の瞬間の直径を算出する。
【0005】
この装置は綿巻体のこの装置は別個の回転数発生器を綿巻体の累積した長さを検出するためだけに必要としかつ巻体直径を求めるために電子的な計算手段を必要とする。この巻体直径自体は所定のプレス圧に変換することが必要である。
【0006】
本発明の課題は綿巻体に対する適当なプレス圧を求めることを簡易化し、長さ又は直径を測定する特別な装置が不要になるようにすることである。
【0007】
本発明は前記課題を請求項1の特徴として述べた構成により解決した。巻取りローラの駆動装置のための回転数制御装置からは、別の装置技術的な費用なしで、純然たるデータ技術的な処理により、それぞれ巻上げられた綿長さのための所望される長さ信号を導き出すことができる。この増大する長さ信号には減少する巻取り圧のための経験的に求められた信号が対応させることができ、この信号がプレス装置に与えられる。
【0008】
この場合には対応する巻取り圧を経験的に求めることは綿巻体を整然と構成するためには十分であることが証明された。さらにこの場合にはプレス圧が操作員の適切な経験に従って容易に変化させられることができるという利点を提供する。
【0009】
有利には綿の長さは長さ区分に分けられ、この長さ区分に所定のプレス圧が対応させられる。
【0010】
このためには本発明による装置は前記対応関係を実現できる入力装置と、長さ区分とプレス圧との関係の特性線が記憶可能でかつ再び呼出し可能であるデータ記憶器とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】巻取り装置の概略的な側面図。
【図2】図1の巻取り装置のプレス力/長さ線図。
【0012】
実施例
図面には本発明の1実施例が概略的に示されている。
【0013】
巻取り装置1は2つの巻取りローラ2,3を有し、該巻取りローラ2,3の一方は電気モータ4で駆動される。この巻取りローラの回転は図示されていない伝達装置を介して他方の巻取りローラに伝達される。
【0014】
両方の巻取りローラ2,3の上には綿巻体5が位置し、綿巻体5は巻芯6に巻かれている。緊密な巻体を達成するためには、巻芯は負荷装置7を介して巻取りローラに対して押付けられる。
【0015】
図示された実施例では負荷装置はピストンシリンダユニット8から成り、そのピストンは流体によって生ぜしめられる圧力下で、すなわち流体圧で下へ向かって押圧される。流体圧は空気力又は液圧であり、図示されていない圧力源によって発生させられることができる。流体圧は制御スライダによって接続、遮断及び切換え又は調整可能である。
【0016】
巻取りローラ2の回転数は制御装置10により、綿を供給する機構の搬送速度に関連してもしくは供給周波数によって制御される。この制御信号からはデータ技術的な形式で容易に巻体の上に巻かれた長さのための長さ信号が導き出される。したがって巻取り長さに比例する供給周波数がカウントされることができる。次いでこの長さ信号から負荷装置7の、供給された長さと共に減少するプレス圧が導き出される。
【0017】
この導出のアルゴリズムにおいてはパラメータ、例えば綿厚さ、綿の弾性、プレス圧の機能的に適合した減少及び他のパラメータが関わることができる。
【0018】
しかしながら、プレス圧の減少を純経験的に制御して、巻取られた綿巻体の所定の長さ領域に所定の減少するプレス圧が対応させられることが提案されている。この対応は操作員によって経験と瞬間的な観察に従って実施することができる。何故ならばプレス圧の減少は綿巻体の構成の重要なファクタにならないからである。
【0019】
図2には負荷装置7にプレス圧を与えるためのプレス圧/長さ綿図11が示されている。横座標軸は巻取られた長さを示し、縦座標軸は巻取り芯6に対するプレス圧を示している。所定の、有利には増大する長さ区分12から12には減少するプレス圧13から13が対応されている。このプレス圧13から13は所望の巻体構成が達成されるように機能的に適正に選択されている。
【0020】
このためには制御装置10の長さ信号はタッチフィールド15とディスプレー16とを有する入力装置14に供給される。この入力装置14において長さ区分12から12にプレス圧13から13が対応させられることができる。このようにして形成されたプレス圧/長さ特性線17は入力装置に記憶されかつ品質変更に際して再び呼び出されることができる。
【0021】
本発明の対象は個々の請求項の対象からだけではなく、請求項の組合わせからも与えられる。
【0022】
明細書に開示されている内容と特徴は単独で又は組合わされて公知技術に対して新規性を有する限り、本発明にとって重要である。
【符号の説明】
【0023】
1 巻取り装置、 2,3 巻取りローラ、 4 電気モータ、 5 綿巻体、 6 巻取り芯、 7 負荷装置、 8 ピストン/シリンダ装置、 10 制御装置、 11 プレス圧/長さ線図、 12 長さ区分、 13 プレス圧、 14 入力装置、 15 タッチフィールド、 16 ディスプレー、 17 プレス圧/長さ特性線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスタイル繊維綿から綿巻体を、特にコーミング機に提供するために形成するための装置であって、巻圧が綿巻体の構成に際して綿巻体の増加する直径に適合可能であり、当該装置が繊維綿を搬送する少なくとも1つのローラのために回転数制御装置を有している形式のものにおいて、前記回転数制御装置(10)から、その都度巻かれた綿長さのための長さ信号が導き出されることができ、この長さ信号でプレス圧の経験的な対応後に巻圧を制御できることを特徴とする、テキスタイル繊維綿から綿巻体を形成するための装置。
【請求項2】
長さ信号が回転数制御装置(10)から与えられる供給流の周期の数から導き出されることができる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
当該装置が入力装置(14)を有し、該入力装置(14)において、巻上げられた綿長さの所定の長さ区分(12から12)に所定のプレス圧(13から13)が対応可能である、請求項1記載の装置。
【請求項4】
長さ区分(12から12)に対するプレス圧(13から13)の対応が経験的に行なわれる、請求項1記載の装置。
【請求項5】
入力装置(14)がデータ記憶器を有し、該データ記憶器に、形成されたプレス圧/長さ特性線(17)が記憶可能でかつ呼出し可能である、請求項3記載の装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の回転数制御装置(10)。
【請求項7】
請求項1から5までのいずれか1項記載の入力装置(14)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535283(P2009−535283A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508170(P2009−508170)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003569
【国際公開番号】WO2007/124886
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D−42897 Remscheid, Germany
【Fターム(参考)】