説明

テクネチウム−99m及びレニウムで標識した小型作用剤及び組織、臓器及び腫瘍の画像化方法

本発明は、組織、臓器又は腫瘍の画像化又は治療に好適な化合物及びそれに関連するテクネチウム及びレニウム錯体に関する。一つの態様として本発明は、組織、臓器又は腫瘍の画像化、特に本発明の化合物又は錯体が親和性を有する特定の受容体を発現している組織、臓器又は腫瘍を放射性標識された金属錯体を用いて画像化する方法に関する。本発明は又、癌、特に本発明の化合物又は錯体が親和性を有する特定の受容体を発現している癌細胞株の治療方法に関する。更に本発明の別の態様においては、画像化及び/又は阻害される受容体又は神経系受容体に親和性を有する本発明の化合物又は錯体を用いた、受容体又は神経系受容体を画像化及び/又は阻害する方法を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府が援助する研究開発に関する記述)
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)の承諾番号 R37 CA34970に基づいてなされたもので、合衆国政府は本発明についての特定の権利を有するものである。
【0002】
本発明は、2002年11月8日出願の米国の仮出願番号第60/424,980号の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に取り込まれる。
【0003】
本発明は、組織、特に発明の診断剤と親和性のある、1つ又はそれ以上の受容体を発現又は過剰発現する組織、を画像化するための小型分子の放射性金属の診断剤に関する。本発明は特に、特定の受容体を発現している、腫瘍類、各種脳組織及び他の臓器を含む、組織及びに病状を画像化するのための小分子診断薬、及びそれらを処置するための治療用の錯体に関する。本発明の選択された薬剤は、キレート配位子に結合する三級アミン−ファーマコフォア(pharmacophore)を有するテクネチウムとレニウム化合物を含む。本発明の一般に好ましいテクネチウムとレニウム錯体は、二置換のピペリジン、又は少なくとも一つの炭素環式基又はヘテロ環式基で置換されたアルキル基で置換された、三級アミノ基を包含している化合物を含む。
【背景技術】
【0004】
細胞におけるシグナル伝達は、細胞の一部から他への生化学的なコミュニケーションとして定義される。細胞内及び細胞間のこのようなコミュニケーションは、例えば細胞質にあるG−タンパク質と結合する特定の細胞表面の細胞膜横断の受容体に細胞外のリガンドを結びつけることにより、又はCa2+、Na、K、Cl等のイオンチャネルを調節にすることによって行われる。リガンドが受容体に結合することによって、様々な細胞の変遷及び機能を活性化(非活性化)させる膜貫通シグナルを誘導する。細胞表面に又は細胞内に存在しているこれらの細胞受容体を高特異性で標的とする小型の合成分子は、、モノクローナル抗体、それらの断片又はポリペプチドと較べてより迅速且つ増大した組織浸透(貫通)性、減退した免疫原性及び代謝を有することから非常に望まれている。
【0005】
ガンマ線又は陽電子放出の放射性標識した小型分子の使用は、また、正常及び疾病の両状態における標的受容体を非侵襲性で可視化及び画像化する手段も提供する。このことは、陽電子放出同位元素及び単光子放出同位元素で標識された、各種受容体を標的とする小型分子の探求を促し、標的とする組織におけるこれらの受容体の非侵襲性の可視化を可能ならしめるものである。例えば、Nuclear Medicine Biology Vol 24、485−498 1997を参照されたい。又、John(U.S.Patent 5,919,934)、Nuclear Medicine Biology Vol 28、657−666 2001、及びinternational publication to Mach(WO/0180905 A2 and WO 00/71171 A2)を参照されたい.
【0006】
5−水酸化トリプタミン(5−HT)と知られているセロトニンは、重要な神経伝達物質の分子であり、種々の亜類型が特定されて、亜類型の5HT1Aはアルツハイマー病のような痴呆と同様な不安、うつ病及び幻覚症状に関係しているとして、特徴付けられ又研究された最上のものの一つである。例えば、Neuropharmacology vol38、1083−1152、1999及び Euro.Journal of Nucl.Med.Vol28、113−129、2001を参照されたい。2−メトキシフェニルピペラジンの99mTc化合物類は、5HT1A受容体と結合して可視化するために研究されてきたが、テクネチウム又はレニウム錯体に結合したアリル−ピペリジンは、この目的のためにはまったく研究も報告もされていない。Neclear Medicine Biology Vol24、485−498、1997;「化学及び核医療におけるテクネチウム、レニウム及び他の金属類電子核化学5.Padova」:Servizi Grafici Editoriali、1999、393−9及びEuropean Journal of Nuclear Medicine Vol29(2)、253−275、2002を参照されたい。
【0007】
神経伝達物質としての役割に加えて、5HTは成長因子としての機能を持ち、ヒト前立腺のほとんどの神経内分泌細胞及び前立腺がん細胞の系統に見出される。前立腺がん細胞の系統における5HTの役割を述べたいくつかの記事が、例えば、Anticancer Res 1987、7、1−12、Cancer Res 1991、51、2498−2505及びCancer Res 1992、70、254−68に載っている。5HT1A受容体の拮抗物質が、生体内での前立腺腫瘍細胞の成長を抑制するものとして、同様に示されている。(Anticancer Res 1994、14、1215−20)。
【0008】
シグマ受容体は、少なくともσ−1及びσ−2亜類型(σ−3サイトも前提とされるが)において、識別される細胞内の細胞質のサイトである、と知られている。両亜類型は、CNS(中央神経組織)、肝臓、腎臓、肺、及び内分泌、免疫及び再生の組織に、広く分布しており、いくつかの腫瘍の細胞系統(ビルナー他 Cancer Res.1995、55、408−413)に過剰発現する。最近の論評ではシグマ受容体に親和性を有する化合物に対する、いくつかの可能性のある適用が再度引用されている。更に、予備的な検討で、あるシグマ作用物質又はシグマ拮抗物質が種々のがんの画像化又は治療に適しているかもしれないことを示している。例えば、ウェイン ボウエン及びファビアン モエビウス(Pharm.Acta Helv.2000、74、211−218:Trends Pharmacol.Sci.1997,18,67−70)を参照されたい。
【0009】
セロトニン受容体と同様に、脳組織に定常的に発現しているシグマ受容体(シグマ−1とシグマ−2を含む)は、多くの腫瘍にも過剰に発現する。シグマ受容体は、元々鎮静剤の受容体の下位分類と考えられていたが、ハロペリドール(haloperidol)及び種々の他の神経弛緩剤に対して高い親和性を有する、非ドパーミン作用性で非鎮静作用の膜タンパク質である。σ−1及びσ−2と名づけられた2亜類型が現在識別されている。
【0010】
(+)ベンゾモルファンス((+)−[H]−ペンタゾシン)は、選択的にσ−1サイトを標識するが、対象異性体の(−)ベンゾモルファンスは低い親和性を示して、2つのサイト間では区分が認められない。しかし、σ−2サイトは、σ−1サイトと結合して覆うデキストラロファン(dextrallophan)の存在下で、非選択性s−1/s−2リガンド、 [H] −DTGで識別される(Pharmacological reviews vol42(4)、355−402,1990)。
【0011】
ヒト黒色腫、小細胞の肺癌腫、ヒト胸部癌腫及び男性ホルモン依存・非依存の前立腺癌腫におけるシグマ受容体の過剰発現について、いくつかの研究が現在報告されている(Cancer Research vol 55(2)、408−413、1995、Bioconjugate Chem 1997;8:304−9及びNucl Med Biol 1998;25:189−94)。ジョン(U.S.Patent 5、919,934)、Nuclear Medicine Biology vol 28、657−666、2001及びマック(WO/0180905 A2 and WO 00/71171 A2)の国際的な印刷物を参照されたい。
【0012】
α1受容体を含むアドレナリン受容体は、脳において発現するG−タンパク質結合の受容体の他の系統であり、良性の前立腺肥大(BPH)のような前立腺の病気において発現して、この病気の治療に使用される(Journal of Andrology vol 12、389−394,1991 & Jour.Medicinal Chem.Vol 40、1293−1315,1997)。
【0013】
多数の大きな病院における99mTcの広く普及した有用性、及び核医療におけるSPECT画像化の定常的な使用と実用性は、テクネチウム99mで標識された受容体画像化剤の開発を促進した。治療的なレニウム−186又はレニウム−188の使用は、これらの小型の受容体−特殊錯体が結合する病気の放射線治療を可能にした。
【0014】
臨床の核医療における最も広く使用されるテクネチウム99mは、核医療の画像化に対して理想的な性質(t1/2=6.02h、140keV 単一エネルギーのγ線)を有し、99Mo−99mTc発生器システムで需要に対して利用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、99mTc及び186Reを含む新規で有用な放射性標識の診断剤及び188Re標識の診断剤が、組織、特に前述で議論された1つ又はそれ以上の受容体を発現又は過剰発現させる組織、を画像化するために望まれるであろう。更に、前述で議論した1つ又はそれ以上の受容体を発現又は過剰発現する、黒色腫、前立腺癌、他の腫瘍又は病気の状態、脳の各種部位又は組織の画像化又は治療における使用に対して適した、99mTc及び186Reそして188Re標識の診断剤及び治療薬が、望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、金属又は放射性金属中心を包含する新規の放射性標識の診断剤及び治療剤を提供する。好ましい放射性金属は、99mテクネチウム及びレニウムの1つ又はそれ以上の放射性活性同位元素及び非放射性同位元素を含む。好ましい薬剤は、新生物、癌腫及び黒色腫のような腫瘍、又はセロトニン受容体、α受容体、σ受容体、カルシウムチャネル受容体又はエモパミル結合タンパク質、アドレナリン作用の受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体及びそれらのどの下位分類の受容体又はそれらのタンパク質のような、1つ又はそれ以上のタンパク質、受容体又は神経系受容体を発現する、組織又は器官の、生体内及び生体外の画像化に対して有用である。特に好ましい薬剤は、生体内及び生体外の画像化に有用である。本発明の好ましい薬剤は、N置換ピペリジン−ファーマコフォアに限定されないがこのような3級アミン−ファーマコフォアに結合したオキソテクネチウム核(Tc=O)又はオキソレニウム核(Re=O)を包含している。
【0017】
このように、本発明によって提供される化合物は、式Iに基づく化合物を含有する。
【0018】
【化19】

【0019】
(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
【0020】
Bは、Bの各存在にて独立して、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され、その際、Bの少なくとも1つは水素原子ではなく、;
【0021】
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;、
【0022】
kは、約1〜約3から選択される整数であり;及び
Yは、少なくとも1つの金属イオンにキレート結合できる基であり、
その際、A又はBの少なくとも1つはX−Yである。)
【0023】
本発明によって提供される式Iの好ましい化合物は、例えばピペリジン環の2位、3位又は4位の位置にk=1で結合した、1つのB基を有するこれらの化合物を含む。本発明によって提供される式Iの好ましい他の化合物は、例えばピペリジン環の2位(オルソ位)、3位(メタ位)又は4位(パラ位)の位置にk=2で共に又は独立に結合した、2つのB基を有している。
【0024】
本発明によって提供される他の化合物は、式IIに基づく化合物を含有する。

Y-X-NR II
(式中、
Yは金属イオンと結合できるキレート配位子であり、Xは1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、そしてR及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、及び置換基を有していてもよい好ましくは6〜12の炭素原子を有するアリール基、置換基を有していてもよい好ましくは7〜18の炭素原子を有するアラルキル基、置換基を有していてもよい好ましくは3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、置換基を有していてもよい好ましくは3〜8の炭素原子を有し、ヘテロ脂環に1〜3のヘテロ原子を有するヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよい好ましくは7〜18の炭素原子を有し、ヘテロアリール環に1〜3のヘテロ原子を有するヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよい好ましくは7〜18の炭素原子を有しヘテロアリール環に1〜3の間のヘテロ原子を有するヘテロアリール基、から選択される1つ又はそれ以上の基で置換された1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基である。)
【0025】
式IIの好ましい化合物は、XがC2−8アルキレン基であり、R1は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり、そしてR3は置換基を有していてもよい(アリール)C1−4アルキル基又は置換基を有していてもよい(ヘテロアリール)C1−4アルキル基であるこれら化合物を含有する。
【0026】
好ましい連結基、Xは主鎖に1〜約8の原子を有する低級アルキル基、例えば−(CH−、主鎖に1〜約8の原子を有するエーテル基、例えば−(CH−O−(CH−、主鎖に1〜約8の原子を有するエステル基、例えば−(CH−CO−O−(CH−、主鎖に1〜約8の原子を有するチオエーテル基、例えば−(CH−S−(CH−、主鎖に1〜約8の原子を有するアミド基、例えば−(CHCO−NH−CHCH−又は−(CHCO−NH−であり、その際、n及びmは、負の整数でなく、n+mの合計は通常約1〜約8の間である。特に、好ましい連結基、Xは、主鎖に約2〜約5の原子を含有する。
【0027】
連結基Xは、ペンダント型芳香族基を含む主鎖に結合する、1つ又はそれ以上の置換基を任意に有していてもよい。好ましい置換基は、1〜約6の炭素原子及び0〜3の酸素、硫黄又は酸化硫黄原子を有するアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、1〜約6の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜約6の炭素原子を有するアミノアルキル基、各アルキル基が1〜約6の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含有するハロゲン原子、0、1、2又は3の窒素、酸素又は硫黄原子を含有してよい約5〜約18の環原子を有する芳香族基を含む。
【0028】
本発明の化合物は、それから当業者のよく知る金属錯体を提供する方法を用いて金属イオンと複合化される。画像化適用では、通常、放射性標識されている金属錯体を包含し、より一般的には少なくとも1つの放射性標識の金属イオン(例えば、放射性活性の金属イオン)を包含する。治療適用では、細胞毒である本発明の金属錯体を包含し、静的な(例えば、放射性非活性の金属イオン)又は放射性標識の金属イオン又はそれらの組合せを包含していてもよい。本発明の典型的な放射性錯体は、陽イオン性又は中性である。好ましい放射性金属イオンは、α、β、β又はγ線を放出し、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、プラチナ及びロジウムから成る群から選択される金属イオンの同位元素を含む。本発明の特に好ましい放射性標識の錯体は、テクネチウム又はレニウム金属イオンを含有する。
【0029】
本発明は、放射性標識錯体が親和性を有する、1つ又はそれ以上のタンパク質又は受容体を発現する、少なくとも1つの組織の生体内又は生体外の画像化に対する方法を更に提供し、その方法は次の工程を包含する。
【0030】
金属イオン及び式I、式II又はその派生式に基づいた化合物を包含する放射性標識錯体を提供する工程;
当該錯体を腫瘍に接触させる工程;及び
組織を画像化するX線撮影の画像を作成する工程。
【0031】
本発明の画像化方法において使用に適した好ましい組織は、特に限定されるものではない。しかし、一般的に好ましい組織は、セロトニン受容体、α受容体、σ受容体、カルシウムチャネル受容体又はエモパミル結合タンパク質のアドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体及びそれらの下位分類の受容体又はタンパク質のような、1つ又はそれ以上のタンパク質、受容体又は神経系受容体を発現又は過剰発現するそれらの組織を含有する。本発明の方法によって画像化できる好ましい組織は、脳組織、器官類、腫瘍類及び細胞類、又は同様のタンパク質及び/又は受容体を発現する組織等である。
【0032】
本発明は、少なくとも1つの腫瘍の生体内又は生体外の画像化の方法を提供し、方法は次の工程を含む。
【0033】
金属イオン及び式I、式II又はその派生式に基づいた化合物を包含する放射性標識錯体を提供する工程;
当該錯体を腫瘍に接触させる工程;
組織を画像化及び/又は可視化するX線撮影の画像を作成する工程。
【0034】
好ましい態様では、放射性標識錯体は、少なくとも1つの組織、器官又は腫瘍の画像を得るために哺乳動物に注入される。好ましい放射性標識錯体は、組織、器官又は腫瘍において蓄積される。画像は、陽電子放出断層撮影(PET)、単光量子放出断層撮影(SPECT)又は類似の手法を使用する放射線シンチレーションカメラを使用するような汎用の技術で得られる。
【0035】
本発明は、癌又は病気の治療に対する方法も提供し、方法は次の工程を含む。
金属イオン及び式I、式II又はその派生式に基づいた化合物を包含する細胞毒の金属錯体を提供する工程;及び
当該細胞毒の金属錯体を腫瘍又は組織に接触させる工程。
【0036】
(定義)
Tr及びTrtは、トリチル基、例えばトリフェニルメチル基を意味する。
DTGは、ジトリル−グアニジンを意味する。
AADTは、アミノ−アミド−ジチオレート配位子を意味し、好ましいAADT配位子類は、N− [2−(2−メルカプト−エチルアミノ)−エチルアミノ]−エタンチオール構造を有する。
DADTは、ジアミノ−ジチオレート配位子を意味し、好ましいDADT配位子類は、2− [2−(2−メルカプト−エチルアミノ)−エチルアミノ]−エタンチオール構造を有する。
【0037】
本明細書で使用する用語「置換された」は、指定された原子上の1つ又はそれ以上の水素が定義されたリストから選択された基によって、指定された原子の標準価数を越えずに、置き換えられていること、及び、置換が結果として安定な化合物になることを提供する。置換がケト基(たとえば、=O)の場合、原子上の2つの水素原子が置き換えられる。ケト置換基は、芳香族環原子に直接結合していない。
【0038】
化合物の組成又は式において、変化が一度以上発生する時、それぞれの発生の定義は他のすべての発生の定義とは独立している。例えば、置換基が「0〜2R」で置換されていると示される時、当該置換基は任意に2つのRまで置換されてもよく、それぞれの発生でのRはRの定義から独立して選択される。置換基及び/又変化の組み合わせは、このような組み合わせの結果として安定した化合物となることを許されて提供される。
【0039】
ここに示されたように、本発明の化合物の種々の置換基及び種々の式は、例えば連結基又は遊離カルボキシ基を含む「置換基を有していてもよい基」を意味する。置換された、このような置換基が、利用できる位置、典型的な1,2、3、4又は5位の1つ又はそれ以上の位置で、ここに示したような1つ又はそれ以上の適当な基で置換されることができる。
【0040】
本発明の化合物において、水素原子に対する適当な基又は「置換された」部分は、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素のようなハロゲン;シアノ基;ヒドロキシル基;ニトロ基;アジド基;アシル類のようなC1−6アルカノイル基のようなアルカノイル基;カルボキシアミド基;1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するこのような基を含有するアルキル基;1つ又はそれ以上の不飽和結合及び2〜約12の炭素原子、好ましくは2〜6の炭素原子を有するアルケニル基及びアルキニル基;1つ又はそれ以上の酸素結合及び1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するアルコキシ基;フェノキシ及びベンジルオキシのようなアリールオキシ基;1つ又はそれ以上のチオエーテル結合及び1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するようなこれらの部分を含むアルキルチオ基;1つ又はそれ以上のスルフィニル結合及び1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するこれらの部分を含むアルキルスルフィニル基;1つ又はそれ以上のスルフォニル結合及び1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するこれらの部分を含むアルキルスルフォニル基;1つ又はそれ以上の窒素原子及び1〜約12の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子を有するような基を含むアミノアルキル基;特にフェニル及びベンジル(例えば、Ar基において置換又は非置換のビフェニル基の部分である)のような6又はそれより多い炭素原子を有する炭素環式アリール基;1〜3の分離した又は融合した環及び6〜約18の炭素環原子を有し、ベンジル基が好ましい基として有するアリールアルキル基;1〜3の分離した又は融合した環及び6〜約18の炭素原子環を有し、O−ベンジル基が好ましい基として有するアリールアルコキシ基;又は、1から3の分離した又は融合した環及び3〜約8員環で1つ又はそれ以上の窒素、酸素又は硫黄原子を有するヘテロ芳香族基又はヘテロ脂環式基、を含有する。
【0041】
本明細書で使用される「アルキル基」は、特定の炭素原子数を有する、枝状及び直鎖状の飽和脂肪族の炭化水素基を意味する。アルキル基の例として、これに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル及びs−ペンチルを含む。好ましいアルキル基は、1〜約6の炭素原子を有する低級アルキル基である。ここで使用される用語「C1−6アルキル基」は1〜6の炭素原子を含み、シクロプロピル部分を含むかもしれないアルキル基を意味する。
【0042】
「シクロアルキル基」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルのような特定の炭素原子数を有する飽和の環状基、及びノルボルナン又はアダマンタンのような架橋又は籠状の飽和の環状基を含有することを意味する。好ましいシクロアルキル基は、3〜約8の環員原子を有するシクロアルキル基である。ここで使用される用語「C3−8シクロアルキル基」は、3〜8の原子で環を形成する脂肪族環を含むシクロアルキル基を意味する。
【0043】
「アルケニル基」は、1つ又はそれ以上の不飽和の炭素―炭素結合を含有する、直鎖又は枝状構成のどちらかの炭化水素を含有することを意味し、ここでの炭素―炭素結合は例えば、エテニル基及びプロペニル基のような鎖に沿って安定して存在してもよい。好ましいアルケニル基は、2〜約6の炭素原子を有する低級アルケニル基である。ここで使用される用語「C2−6アルケニル基」は、2〜6の炭素原子を含むアルケニル基を意味する。
【0044】
「アルキニル基」は、1つ又はそれ以上の三重炭素―炭素結合を含む直鎖又は枝状構成のどちらかの炭化水素鎖を含有することを意味し、ここでの炭素―炭素結合は例えば、エチニル基及びプロピニル基のような鎖に沿って安定して存在してもよい。好ましいアルキニル基は、2〜約6の炭素原子を有する低級アルキニル基である。ここで使用される用語「C2−6アルキニル基」は、2〜6の炭素原子を含むアルキニル基を意味する
【0045】
ここで使用される用語「ヘテロ環式基」は、少なくとも1環に窒素、酸素又は硫黄原子から選ばれた原子を含み、環が3〜約8の環員である、1〜3環(好ましくは、融合又はスピロ状である)を有する、飽和、部分的に不飽和又は不飽和(芳香族)の基を含有することを意味する。窒素及び硫黄のヘテロ原子は任意に酸化されていてもよい。「ヘテロ脂環式基」又は「ヘテロシクロアルキル基」は、飽和又は部分的に不飽和のヘテロ環式の基を意味している。
【0046】
本明細書で使用される用語「アリール基」は、6〜約18の環員原子(環員にはヘテロ原子を含まない)を有する、1〜3の分離した又は融合した環を含む基を含有する。特に好ましい炭素環式アリール基は、フェニル基及び1−ナフチル及び2−ナフチルを含むナフチル基を含む。
【0047】
「ハロアルキル基」は、1つ又はそれ以上のハロゲン原子(例えば、−C(XWi(H2V+1−Σ(wi))、式中v=1〜6;X=F(i=1)、Cl(i=2)、Br(i=3)、I(i=4)及びΣwi≦2v+1)で置換された特定の炭素原子数を有する、枝状及び直鎖状の飽和脂肪族の炭化水素基の両方を含有することを意味する。ハロアルキル基の例は、これに限定されないが、トリフロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフロロエチル及びペンタクロロエチルを含む。好ましいハロアルキル基は、1〜約6の炭素原子を有する低級ハロアルキル基である。ここで使用される用語「C1−6ハロアルキル基」は、1〜6の炭素原子を含有するハロアルキル基を意味する。
【0048】
本明細書で使用される用語「炭化水素基」は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基、又は2又はそれ以上のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基の組合せを包含する基を意味する。炭化水素基は、窒素、酸素、フッ素、珪素、硫黄、塩素及び臭素等のようなヘテロ原子を更に含有してもよい。好ましくは、炭化水素基は、0〜3のヘテロ原子を有する。ここで使用される用語「低級の炭化水素基」は、1,2又は3のヘテロ原子を含有してもよい、1〜6の炭素原子から成る炭化水素基を意味する。
【0049】
本明細書で使用される用語「脂肪親和性の基」は、脂質、炭化水素及び他の疎水性の物質で溶解する、又は混和することのできる疎水性の基を意味する。脂肪親和性の基の例は、これに限定されないが、(1)直鎖のアルキル基、1つ又はそれ以上の分岐点を有する分岐アルキル基、又は1つ又はそれ以上のC−Cシクロアルカン基を含む直鎖又は分岐のアルキル基を含有する長鎖のC−C32アルキル基、(2)直鎖のアルケニル基、1つ又はそれ以上の分岐点を有する分岐アルケニル基、又は1つ又はそれ以上のC−Cシクロアルカン基又はシクロアルケン基を含む直鎖又は分岐のアルケニル基を含有する、1つ又はそれ以上のC−C二重結合を含有する長鎖のC−C32アルケニル基、(3)直鎖のアルキニル基、1つ又はそれ以上の分岐点を有する分岐アルキニル基、又は1つ又はそれ以上のC−Cシクロアルカン基を有する直鎖又は分岐のアルキニル基を含有する、1つ又はそれ以上のC−C三重結合を含有する長鎖のC−C32アルキニル基、又は(4)アリール基、ハロゲン、アルコキシ基、モノ又はジ(C−C)アミノ基、C−Cアルキル−エステル基で任意に置換されている長鎖のC−C32のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を含む。
【0050】
本発明での化合物の適したアラルキル基は、単環及び分離した及び/又は融合したアリール基を含有する多環の化合物を含んだ多環化合物を含む。典型的なアラルキル基は、1〜3の分離した又は融合した環、及び6〜約18の炭素環原子を含む。好ましいアラルキル基は、ベンジル基、及びメチレンナフチル(−CH−ナフチル)、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ω−フェニル−C1−8アルキル基、及び上記で議論した他の炭素環式アラルキル基を含む。
【0051】
「アルコキシ基」は、酸素架橋を通じて結合した特定数の炭素原子を有する、上記で定義したようなアルキル基を意味する。アルコキシ基の例は、これに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキオキシ、2−ヘキオキシ、3−ヘキオキシ、及び3−メチルペントキシを含む。好ましいアルコキシ基は、1〜約6の炭素原子を有する低級アルコキシキル基である。
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はアスタチンを意味する。
【0052】
本明細書で使用される用語「金属イオン」は、すべての自然及び合成の同位元素を含み、更に放射性金属イオン及び非放射性金属イオンの両方を含有することを意味する。用語「放射性標識」は、少なくとも1つの放射性同位元素を包含している化合物又は錯体を通常意味する。本発明の好ましい態様では、放射性標識は、少なくとも同位元素が放射性である1つ又はそれ以上の同位元素として存在する、少なくとも1つの金属イオンを有する化合物又は錯体を一般的に含有する。
【0053】
(発明の詳細な説明)
本発明は、金属中心を含有する新規の放射性標識の診断剤又は治療剤を提供する。好ましい診断剤は、少なくとも1つの放射性金属、例えば少なくとも1つの放射性同位元素を含有する。好ましい治療剤は、放射性標識又は静的金属イオン(例えば、非放射性金属の同位元素)を含有してもよい。好ましい放射性金属類は、99m−テクネチウム及び1つ又はそれ以上のレニウムの放射性同位元素を含む。本発明の好ましい薬剤は、式I及び式IIで記述されたような3級アミン−ファーマコフォアに結合した、少なくとも1つの配位子Yによってキレート結合した酸化テクネチウム核(Tc=O)又は酸化レニウム核(Re=O)を一般的に包含している。本発明の好ましい放射性標識の金属錯体は、中性又は陽イオン性の金属錯体を包含しており、例えば、金属イオン及び共にある配位子の内部配位範囲が中性又は陽イオン性である。好ましくは、放射性標識の錯体の全体の電荷は、中性又は陽イオン性のどちらかである。
【0054】
本発明は、小型分子の金属錯体、及びある病気又は腫瘍において過剰発現する受容体の識別と同様に、標準の組織及び器官において発現(過剰発現)するタンパク質又は受容体の非侵入性の画像化及び局在化するための、診断又は治療プローブとしての小型分子の金属錯体を使用する方法を提供する。
【0055】
5HT受容体を含有するセロトニン受容体、α受容体を含有するアドレナリン受容体、σ及びσ受容体を含有するシグマ受容体、カルシウムチャネル受容体、エモパミル結合タンパク質、アドレナリン作用の受容体、ドーパミン受容体のような、特別なタンパク質、受容体及び神経系受容体は、種々の神経性の病気に関係しており、種々の腫瘍又は病的状態においても過剰発現する。4座配位子N99mTc錯体及びそれに相当するレニウム錯体は、3級アミン(例えば置換されたピペリジン又はN−アルキル−N−((ヘテロ)アリール)アルキルアミン類への連結を通じて、結合しており、神経細胞又は腫瘍細胞の細胞表面又は内部において、発現又は過剰発現する5HT1A、シグマ−1、シグマ−2、Ca2+チャネル受容体、EBP又はアルファ−1受容体に対して親和性を保持している。
このように、本発明は式II:

Y−X−NR

で表される化合物を提供する。
【0056】
Yは金属イオンと結合できるキレート配位子であり、Xは1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、そしてR及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、及び置換基を有していてもよいアルール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択された、1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基、から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基である。
【0057】
式IIの好ましい化合物は、Rは置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは、C1−6アルキル基)であり、Rは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基の置換されたアルキル基(好ましくは、(アリール)C1−4アルキル基又は(ヘテロアリール)C1−4アルキル基)であり、Xは置換基を有していてもよいC3−8アルキレン基(好ましくは、C3−6アルキレン基)である、これらの化合物を含有する。
【0058】
本発明の式IIの特に好ましい化合物は、式II−A:
【0059】
【化20】

【0060】
(式中、
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約6の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基又はアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基又はアルキルオキシ基であり;
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択され;且つ
式IにおけるR又はRの少なくとも1つは−XNRであるように選択され、
その際、金属イオンへの化合物の結合の結果生じる金属錯体は、中性又は陽イオン性のどちらかである)、
で表される化合物を含有する。
【0061】
上記で議論した式Iに基づく本発明の他の好ましい化合物は、式I−A、I−B、I−C及びI−D:
【0062】
【化21】

で表される化合物を含有する。
【0063】
本発明の放射性標識錯体は、異性体的に純粋であることができる、又は鏡像異性体、ジアステレオマー、複合異性体、回転異性体、幾何学的異性体、互変異性体のような異性体、から選ばれる、2又はそれ以上の異性体の混合物を含有する混合の異性体を包含することができる。例えば、金属配位子及び金属キレート基であるY(R、R、R、XNR、X−(4−B−Nピペリジニル)又はX−(N−A−ピペリジン−4−イル)のような)の置換基の相対的な配向の結果としての異性体の錯体は、シン/アンチ異性体又はシス/トランス異性体のような2者選択を意味し、ここで、シン異性体はオキソ配位子及び一般的に同じ方向に配向した配位子の置換基を持ち、アンチ異性体は、オキソ配位子及び一般的に逆の方向に配向した配位子の置換基を含んでいる。
【0064】
本発明の放射性標識の錯体に使用される好ましい金属イオン類は、1つ又はそれ以上の別個の形の放射線を放出できる源である。好ましい放射線は、アルファ、ベータ、及びガンマ放射線を放出する。追加として、標準のX線撮影の技術によって検出されるに十分なエネルギーを有したアルファ、ベータ(+)、ベータ(−)、又はガンマ放射線を放出する、又は放射線治療の適用に対して十分なアルファ、ベータ、及びガンマ放射線を保持する、金属イオン類が好ましい。特に好ましい金属イオンは、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから選択される金属の1つ又はそれ以上の同位元素を含有する。テクネチウム−99m及びレニウム放射性同位元素が本発明における使用に対して、模範的な金属イオンである。本発明の放射性標識の錯体における使用に適した金属イオンは、金属イオンに配位結合される追加の配位子を含有してもよい。好ましい配位子は、酸素、窒化物、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボニル基、イソニトリル基、ニトリル基、ニトロシル基、1〜約6の炭素原子を有するアルコキサイド基、1〜約12の炭素原子を有するアミン基、水、2〜約8の炭素原子を有するエーテル基、1〜約20の炭素原子を有するチオフェン、フォスフィン及びフォスフェイトを含有する、2〜約8の炭素原子を有するチオエーテル基、及びテクネチウム及びレニウム化学的性質に対する他の一般的な配位子を含有する。特に好ましいテクネチウム及びレニウムの金属イオンは、追加として酸素配位子、例えば、Tc=O又はRe=Oを包含する。
【0065】
追加として、本発明の好ましい錯体は、キレート配位子部分Y(ここで、キレート配位子は多数のドナー原子を通じて金属イオンと結合することができる。)を有する。各ドナー原子は、一般的には炭素、窒素、酸素、硫黄又はリン原子であるが、他のドナー原子もある利用に対して許容できる。好ましいドナー原子は、窒素及び硫黄原子である。多数のドナー原子は、単一の化合物に存在することができる、又は金属にキレート配位子−金属錯体を形成して結合する、2つの化合物のような2又はそれ以上の化合物に存在することができる。ある態様において、単一の化合物は、3つのドナー原子を包含するであろう、そして1つ又はそれ以上の追加の化合物は、各々独立に単一のドナー原子を包含するであろう。代案として、同じ又は違う化合物の各々が独立して2又はそれ以上のドナー原子を含有することができる、2つの化合物は金属中心に2キレート配位子−金属錯体を形成して結合することができる。
【0066】
特に好ましい化合物及び放射性標識の金属錯体は、4座配位子が4つのドナー原子を有する単一の化合物に含有されるところの、4座配位子システムを包含する。追加の好ましい化合物及び放射性標識の金属錯体は、単一化合物に4座配位子部分の3つのドナー原子を有し、他の4番目のドナー原子が他の化合物に存在するところの「3+1」配位子システムである4座配位子を包含する。2座配位子、5座配位子、及び2又はそれ以上の金属イオンにキレート結合できる配位子を含有する、他のキレート配位子も、本発明によって提供される化合物及び金属錯体における使用に対して考慮される。
【0067】
好ましい連結基、Xは主鎖に1〜約8の原子を有する低級アルキル基、例えば−(CH−、主鎖に3〜8の原子を有するエーテル基、例えば−(CH−O−(CH−、主鎖に4〜8の原子を有するエステル基、例えば−(CH−CO−O−(CH−、主鎖に3〜8の原子を有するチオエーテル基、例えば−(CH−S−(CH−、主鎖に4〜8の原子を有するアミド基、例えば−(CHCO−NH−(CH−であり、その際、n及びmは、負の整数でなく、n+mの合計は通常、約2〜約8の間である。特に、好ましい連結基、Xは、主鎖に約2〜約5の原子を含有する。
【0068】
連結基Xは、ペンダント型芳香族基を含む主鎖に結合する、1つ又はそれ以上の置換基を任意に有していてもよい。好ましい置換基は、1〜約6の炭素原子及び0〜約3の窒素、酸素、又は硫黄原子を有するアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、1〜約6の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜約6の炭素原子を有するアミノアルキル基、各アルキル基が1〜約6の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含有するハロゲン原子、0、1、2又は3の窒素、酸素又は硫黄の環原子を含有してよい約5〜約18の環原子を有する芳香族基を含む。
【0069】
本発明の放射性標識錯体は、金属中心が金属イオン及び金属イオンに直接結合される配位子の内部範囲を意味するところの、中性又は陽イオン性の金属中心を含有する。好ましい本発明の放射性標識錯体は、中性又は陽イオン性である金属中心を含有する。更に、金属イオン及び式Y−X−NRの化合物を全体として包含する放射性標識錯体は、中性又は陽イオン性である。
【0070】
式I及びより好ましくは式I―Cに基づく発明によって提供される、他の好ましい化合物は、式III:
【0071】
【化22】

【0072】
(式中、
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約6の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基又はアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、及び1つ又はそれ以上の基が、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択されて置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表されるキレート配位子Yを含有する化合物を包含する。
【0073】
式IIIで表される好ましいキレート基は、式III−A:
【0074】
【化23】

【0075】
(式中、
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味する)、
で表されるキレート配位子を含有する。
【0076】
式I、I−A、I−B、I−C、I―D、II又はII−Aのいずれかの式に基づく化合物において、特に好ましいX基、例えばアミンファーマコフォア及び金属キレート基の間の連結基は、式−(CH−C(O)NH−(ここで、mは約0〜約5の間である)のアミド連結、及びアルキレン基に約1〜約10の炭素原子及び0〜約3の酸素、又は硫黄原子を有するアルキレン基であるところのα、ω−アルキレン基を含有する。
【0077】
本発明は、更に式IV:
【0078】
【化24】

【0079】
(式中、
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
組み合わせたR及びBは、5又は12の環原子と1又は2のN、O又はS原子を有し、更に1又は2の融合した環であり;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミドもしくはアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNRから成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される化合物を提供する。
【0080】
本発明によって提供される式IVに基づく特に好ましい化合物は、式IV−A:
【0081】
【化25】

【0082】
(式中、
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
【0083】
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表されるこれら化合物を含有する。
【0084】
本発明は、式V:
【0085】
【化26】

【0086】
(式中、
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
及びZは、CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミド又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される化合物を、更に提供する。
【0087】
本発明によって提供される式Vで表される特に好ましい化合物は、式V−A:
【0088】
【化27】

【0089】
(式中、
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
及びZは3CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表されるこれら化合物を含有する。
【0090】
本発明は、式VI:
【0091】
【化28】

【0092】
(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミド又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、及び1つ又はそれより多い基が、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択されて置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換アルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される化合物を、更に提供する。
【0093】
本発明によって提供される式VIで表される特に好ましい化合物は、式VI−A:
【0094】
【化29】

【0095】
(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表されるこれら化合物を含有する。
【0096】
別の態様において、本発明は、金属錯体が式I、II、III、IV、V、VI、又はそれらの亜類式のいずれか1式に基づく化合物と金属イオンを含有する、中性又は陽イオン性であるところの錯体を提供する。追加の好ましい錯体は、金属イオンが錯体の金属イオンの1つ又はそれ以上の放射性標識の同位元素又は非放射性標識の同位元素を含有してよい、式I、II、III、IV、V、VI、又はそれらの亜類式のいずれか1式の化合物と金属イオンを包含する。
【0097】
本発明の放射性標識の錯体に使用される好ましい金属イオン類は、1つ又はそれ以上の別個の形の放射線を放出できる源である。好ましい放射線は、アルファ、ベータ(+)、ベータ(−)、及びガンマ放射線を放出する。追加として、標準のX線撮影の技術によって検出されるに十分なエネルギーを有したアルファ、ベータ(+)、ベータ(−)、又はガンマ放射線を放出する、又は放射線治療の適用に対して十分なアルファ、ベータ(+)、ベータ(−)、又はガンマ放射線を保持する、金属イオン類が好ましい。特に好ましい金属イオンは、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから選択される金属の1つ又はそれ以上の同位元素を含有する。テクネチウム−99m及びレニウム放射性同位元素、例えば186Re及び/又は188Re、が、放射性標識の錯体における使用に対して、及び本発明によって提供される同様のものを使用する画像化方法に対して、模範的な放射性標識の金属イオンである。
【0098】
本発明は、式II又はII−Aに基づく化合物及び金属イオンを包含する放射性標識錯体を提供する。特に好ましい錯体は、テクネチウム又はレニウムイオン及び式III−Aに基づくキレート配位子Yを有する、式II又はII−Aに基づく化合物を包含し、又、式VII:
【0099】
【化30】

【0100】
(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基又はアルキルオキシ基であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;及び、
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味する)、
で表されるこれら放射性標識錯体を包含する。
【0101】
式VIIの好ましい錯体は、Rが置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)、Rが置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基の置換アルキル基(好ましくは、(アリール)C1−4アルキル基又は(ヘテロアリール)C1−4アルキル基)、及びXが置換基を有していてもよいC3−8アルキレン基(好ましくはC3−6アルキレン基)であるところのこれら化合物を包含する。
【0102】
本発明は、式Iで表される化合物及び金属イオンを包含する錯体を追加として提供する。好ましい錯体は、式III−Aで表されるキレート配位子Yを有する、式I−A、I−B又はI−Cで表される化合物、及び放射性標識又は非放射性標識された金属イオンを包含する。好ましい放射性標識された錯体は他の好ましい金属錯体は、式IV又はIV−Aで表される化合物を含有する錯体及び式VIII:
【0103】

【化31】

【0104】
(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
組み合わせたR及びBは、5又は12環原子と1又は2のN、O又はS原子を有し、更に1又は2の融合した環を有する置換されたヘテロ環を形成し;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;及び、
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる、)
で表されるこれらの金属錯体のような、金属イオンを包含する。
【0105】
他の好ましい金属錯体は、式IX:
【0106】
【化32】

【0107】
(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基であり;
及びZは、CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表されるこれら金属錯体のような、式V又はV−Aで表される化合物及び金属イオンを包含する。
【0108】
他の好ましい金属錯体は、式X:
【0109】
【化33】

【0110】
(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表されるこれら金属錯体のような、式VI又はVI−Aで表される化合物及び金属イオンを包含する。
【0111】
本発明の特に好ましい放射性標識錯体及び非放射性標識錯体は、テクネチウム又はレニウム、及び次から選択される化合物を有する錯体を含有する。
【0112】
【化34】

【0113】
2−[ [(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルカルバモイル)−メチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0114】
【化35】

【0115】
N−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−3−{(2−メルカプト−エチル)−[(2−メルカプト−エチルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−プロピオンアミド;
【0116】
【化36】

【0117】
N−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−4−{(2−メルカプト−エチル)−[(2−メルカプト−エチルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−ブチルアミド;
【0118】
【化37】

【0119】
N−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[2−(2−メルカプト−エチルアミノ)−エチル]−アミノ}−アセトアミド;
【0120】
【化38】

【0121】
N−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−3−{(2−メルカプト−エチル)−[2−(2−メルカプト−エチルアミノ)−エチル]−アミノ}−プロピオンアミド;
【0122】
【化39】

【0123】
N−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−4−{(2−メルカプト−エチル)−[2−(2−メルカプト−エチルアミノ)−エチル]−アミノ}−ブチルアミド;
【0124】
【化40】

【0125】
2−[ [3−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0126】
【化41】

【0127】
2−[ [4−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−ブチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0128】
【化42】

【0129】
2−[ [5−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−ペンチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0130】
【化43】

【0131】
2−{2−[ [3−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0132】
【化44】

【0133】
2−{2−[ [4−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−ブチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0134】
【化45】

【0135】
2−{2−[ [5−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−ペンチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0136】
【化46】

【0137】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}−アセトアミド;
【0138】
【化47】

【0139】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[4−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ブチル]−アミノ}−アセトアミド;
【0140】
【化48】

【0141】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[5−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ペンチル]−アミノ}−アセトアミド;
【0142】
【化49】

【0143】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)− [3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0144】
【化50】

【0145】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)− [4−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ブチル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0146】
【化51】

【0147】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)− [5−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ペンチル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0148】
【化52】

【0149】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−((2−メルカプト−エチル)−{3−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−アミノ)−アセトアミド;
【0150】
【化53】

【0151】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−((2−メルカプト−エチル)−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−アミノ)−アセトアミド;
【0152】
【化54】

【0153】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−((2−メルカプト−エチル)−{5−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−アミノ)−アセトアミド;
【0154】
【化55】

【0155】
2−[2−((2−メルカプト−エチル)−{3− [4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−アミノ)−エチルアミノ]−エタンチオール;
【0156】
【化56】

【0157】
2−[2−((2−メルカプト−エチル)−{4− [4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−アミノ)−エチルアミノ]−エタンチオール;
【0158】
【化57】

【0159】
2−[2−((2−メルカプト−エチル)−{5− [4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−アミノ)−エチルアミノ]−エタンチオール;
【0160】
【化58】

【0161】
2−[{3−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0162】
【化59】

【0163】
2−[{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0164】
【化60】

【0165】
2−[{5−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0166】
【化61】

【0167】
2−{2−[{3−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0168】
【化62】

【0169】
2−{2−[{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0170】
【化63】

【0171】
2−{2−[{5−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0172】
【化64】

【0173】
2−[{3−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0174】
【化65】

【0175】
2−[{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0176】
【化66】

【0177】
2−[{5−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0178】
【化67】

【0179】
2−{2−[{3−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0180】
【化68】

【0181】
2−{2−[{4−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−ブチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0182】
【化69】

【0183】
2−{2−[{5−[4−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−ペンチル}−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0184】
【化70】

【0185】
2−{2−[ [3−(ベンジル−メチル−アミノ)−プロピル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0186】
【化71】

【0187】
2−[ [3−(ベンジル−メチル−アミノ)−プロピル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0188】
【化72】

【0189】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)− [3−(メチル−フェネチル−アミノ)−プロピル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0190】
【化73】

【0191】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[3−(メチル−フェネチル−アミノ)−プロピル]−アミノ}−アセトアミド;
【0192】
【化74】

【0193】
2−[ [4−(ベンジル−メチル−アミノ)−ブチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド;
【0194】
【化75】

【0195】
2−{2−[ [4−(ベンジル−メチル−アミノ)−ブチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0196】
【化76】

【0197】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[4−(メチル−フェネチル−アミノ)−ブチル]−アミノ}−アセトアミド;
【0198】
【化77】

【0199】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)− [4−(メチル−フェネチル−アミノ)−ブチル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0200】
【化78】

【0201】
2−[ [5−(ベンジル−メチル−アミノ)−ペンチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−N−(2−メルカプト−エチル)−アセトアミド
【0202】
【化79】

【0203】
2−{2−[ [5−(ベンジル−メチル−アミノ)−ペンチル]−(2−メルカプト−エチル)−アミノ]−エチルアミノ}−エタンチオール;
【0204】
【化80】

【0205】
N−(2−メルカプト−エチル)−2−{(2−メルカプト−エチル)−[5−(メチル−フェネチル−アミノ)−ペンチル]−アミノ}−アセトアミド;
【0206】
【化81】

【0207】
2−(2−{(2−メルカプト−エチル)−[5−(メチル−フェネチル−アミノ)−ペンチル]−アミノ}−エチルアミノ)−エタンチオール;
【0208】
本発明の方法による画像化に対して適した腫瘍は、新生物、癌腫、及び他の癌のような腫瘍を含有する。画像化に対して好ましい腫瘍は、胸部、前立腺、肺、すい臓、肝臓、結腸、リンパ腫、神経こう腫、黒色腫、及び他の新生物の新生物を含有する。腫瘍、特に新生物及び黒色腫の腫瘍は、どんな組織においも体内又は体外で画像化できる。画像化される好ましい腫瘍は、哺乳類の組織にあって、更に好ましい腫瘍はヒトの組織にある。好ましい組織及び器官は、皮膚、心臓、脳、肺、脾臓、結腸、肝臓、腎臓、筋肉、リンパ腺、及び他の内臓を含有する。
【0209】
理論上は、いかなる組織、器官、腫瘍、細胞の病的増殖、骨、又は他の生体適合物質も、もし画像化手法において使用される放射性標識金属錯体が、画像化される組織、器官、腫瘍、細胞の病的増殖、骨、又は他の生体適合物質とバックグラウンドとの間には十分な差異があるような標的の組織に選択的に吸収されるとすれば、本発明の化合物、錯体、又は方法を使用して、画像化される。本発明の化合物、金属錯体、及び画像化方法を使用する画像化に適した、好ましい組織、器官、腫瘍、細胞の病的増殖、骨、又は他の生体適合物質は、化合物又は金属錯体が親和性を有している1つ又はそれ以上の受容体を発現又は過剰発現する。
【0210】
本発明の化合物及び錯体、又は方法を使用して、画像化するのに適した組織は、特に制限されるものではない。好ましい組織は、本発明の化合物を結合する又は吸収することができる、又は画像化される組織の一般的な近傍において、他の最も近い組織よりも本発明の化合物の大部分を保持できるものである。このように、画像化される組織に保持される放射性標識錯体の放射線放出が、組織の画像化を可能とするために、近傍の組織に対して十分コントラストを持っている。一般的に好ましい組織とは、例えば5HT受容体を含むセロトニン受容体、α受容体を含むアドレナリン受容体、σ及びσ受容体を含むシグマ受容体、カルシウムチャネル受容体、エモパミル結合タンパク質、アドレナリン作用の受容体、ドーパミン受容体の亜類型、及びそれらの下位分類のような1つ又はそれ以上のタンパク質、受容体又は神経系受容体を含む、本発明の化合物が結合する1つ又はそれ以上のタンパク質及び/又は受容体を有しているものである。より好ましくは、組織は、5HT1Aを含む5HT、σ、σ、α、EBP、Ca2+チャネル受容体等から選択された1つ又はそれ以上の受容体を包含する。
【0211】
本発明は、腫瘍を生体内又は生体外で画像化する好ましい方法を提供し、方法は次の工程を含む:
式I、II、IV、V、VI、又はそれらの亜類式のいずれかの式の化合物、及び金属イオンを含有する放射性標識の錯体、又は式VIII、IX、X、又はそれらの亜類式のいずれかの式の放射性標識の金属錯体を提供する工程;
当該放射性標識の金属錯体を腫瘍に接触させる工程;及び
腫瘍を画像化するためにX線撮影の画像を作成する工程を含む。
【0212】
本発明によって提供される、特に好ましい腫瘍の画像化方法は、放射性標識の錯体が金属イオン及び請求項の式IV−A、V−A、又はVI−Aのいずれかの式の化合物を包含する、それらの方法を含む。
【0213】
本発明は、また組織又は器官、特に放射性標識錯体が生体内又は生体外で親和性を有する1つ又はそれ以上の受容体、を発現する少なくとも1つの組織又は器官を、画像化する好ましい方法を提供し、方法は次の工程を含む:
式I、II、IV、V、VI、又はそれらの亜類式のいずれかの式の化合物、及び金属イオンを含有する放射性標識の錯体、又は式VIII、IX、X、又はそれらの亜類式のいずれかの式の放射性標識の金属錯体を提供する工程;
当該放射性標識の金属錯体が受容体を発現又は過剰発現させる腫瘍又は器官に接触させる工程;及び
腫瘍を画像化するためにX線撮影の画像を作成する工程を含む。
【0214】
好ましい態様において、タンパク質及び受容体は、セロトニン受容体、α受容体、σ受容体、カルシウムチャネル受容体、エモパミル結合タンパク質アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、及びそれら受容体又はタンパク質の下位分類から選択される、更に好ましくは、受容体が、5HT1A、σ、σ、α、EBP、Ca+2チャネル受容体等から選択される。
【0215】
本発明の他の好ましい態様において、画像化される腫瘍は、中央神経系システム部分、特に患者の脳又は脊髄であり、又は本発明の1つの放射性標識錯体が結合親和性を有する1つ又はそれ以上のタンパク質又は受容体、を発現する腫瘍又は器官である。特に好ましい組織は、1つ又はそれ以上のタンパク質、受容体、又は神経系受容体を発現する脳組織であり、特に、5HT1A、σ、σ、α、EBP、Ca+2チャネル受容体等の1つ又はそれ以上の受容体を発現する脳組織である。
【0216】
本発明は、更に癌を方法するための方法を提供し、方法は次の工程を含む:
金属イオン及び、式I、II、IV、V、VI、又はそれらの亜類式のいずれかの式の化合物を含有する細胞毒の金属錯体、又は式VIII、IX、X、又はそれらの亜類式のいずれかの式に基づく金属錯体を提供する工程;及び
当該細胞毒の金属錯体を腫瘍に接触させる工程。
【0217】
本発明の治療に関する好ましい方法は、ある癌治療に対して、静的金属錯体、例えば、非放射性標識の金属錯体、及び放射性標識錯体の両方の使用を想定する。
【0218】
本発明は、更にタンパク質、受容体、又は神経系受容体を抑制する方法を提供し、方法は次の工程を含む:
金属イオン及び請求項1〜22のいずれか1項の化合物を含有する金属錯体、又は請求項23〜31のいずれか1項に基づく金属錯体を提供する工程;及び
当該金属錯体をタンパク質、受容体、又は神経系受容体に接触させる工程。
【0219】
本発明の金属錯体による抑制に対して、好ましい受容体又は神経系受容体は、セロトニン受容体、α受容体、σ受容体、カルシウムチャネル受容体、又はエモパミル結合タンパク質アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、及びそれら受容体又はタンパク質の下位分類を含有し、又は更に好ましくは、5HT1A、σ、σ、α、EBP、Ca+2チャネル受容体等を含有する。
【0220】
本発明の画像化及び治療方法は、このような画像化及び治療を必要とする、哺乳動物、霊長類、特にヒトを包含する対象物に、本発明の1つ又はそれ以上の化合物を効果的な量を投与することを含む。画像化利用のために、放射性標識の錯体の一般的に効果的な量が、画像化される組織、器官、又は腫瘍に、放射性標識錯体の選択的な吸収を提供するために、画像化される組織、器官、又は腫瘍に、投与される。組織、器官、又は腫瘍に、吸収される放射性標識の好ましい量は、標準的なX線撮影の手法によって、画像化及び/又は量化に十分なものである。
【0221】
本発明の治療方法は、馬類及び家畜、例えば、畜牛、羊、乳牛、ヤギ、豚等、及び犬及び猫のようなペット(仲間の動物)を処置するような獣医学適用を包含して、ヒト以外の哺乳動物の治療、に対してもまた有用であろう。
【0222】
診断又は研究の適用に対して、広く種々の哺乳動物が、ゲッ歯動物(例えば、ハツカネズミ、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類、及び繁殖させた豚のような豚を包含する対象物として適するであろう。追加として、生体外の診断及び研究の適用のような、生体外の適用に対して、体液(例えば、血液、血漿、血清、細胞の充填液、唾液、糞、及び尿)及び細胞、及び上記対象物の組織サンプルが、使用するのに適するであろう。
【0223】
本発明の化合物は、本明細書で開示されるように、望まれていない細胞の増殖のような、病気及び状態を処置する又は防ぐために、単独で(すなわち、ある領域の単独の治療剤)又は、放射性標識されても又はされていない診断又は治療の目的の他の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。組み合わされる診断又は治療の適用の、追加の薬剤には、化学療法の薬剤又は神経麻痺剤が好ましい。
【0224】
本発明の薬剤の構成は、腫瘍、例えば、黒色腫、前立腺癌等のような癌、を病んでいる又は受けやすい対象物を特に治療するために、化合物の治療使用に対しての(書かれた)使用説明書と共に包装された化合物、を含有する。本発明の薬剤の構成は、対象物の中の1つ又はそれ以上の組織又は腫瘍を診断、同定、又は位置を確認する目的のため、対象物の中の組織又は腫瘍を特に画像化するために、化合物の治療使用に対しての(書かれた)使用説明書と共に包装されてもよい。
【0225】
(実施例)
一般的な実験の詳細
市販品(アルドリッチケミカルズ、ギブコライフテクノロジーズ)から入手した、すべての薬品及び試薬は分析用のグレードであり、更に精製することなく用いた。99mTc−ペルテクネテートは、製造元(デュポン)を介して入手した。H NMRスペクトルは、バリアン(Varian)XL500MHz装置で得た。質量スペクトルは、マイクロマスLCZ電気スプレーLC−MS装置で記録した。HPLC精製は、キャンベラ電圧増幅器によって動力供給を受けている遮蔽光増倍管の中に取り付けられ、計数率計に接続され、γ線検出器に直列接続された996UV−VISダイオードアレイ検出器を装備したウォーターズミレニウムクロマトグラフィシステムで行なった。すべての錯体の精製については、1.0mL/分の流速にて15:85/A:B〜90:10/A:Bの線形勾配を用いて、メタノール(溶媒A)及び0.005Mリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4(シグマ)(溶媒B)でC18ガードを装備した逆相Cカラムで溶出した。
【0226】
配位子及びテクネチウム及びレニウム錯体の合成
AADT(Trt)キレート化合物(1)、N−3−クロロプロピル−AADT(2)、及びAADT(Trt)−N−ペンタクロロフェニルアセテート(3)は、我々によって以前に記述されたように合成された(Mahmood A,Kuchma MH,Freiberg E、Goldstone J,Davison A、Jones AG.「機能化された4座のN配位子及びそれらのテクネチウム−99m及びレニウム錯体:合成、分光学及び構造的特徴」In:Nicolini M、Mazzi U、eds.「化学及び核医療におけるテクネチウム、レニウム及び他の金属5.Padova」:Servizi Grafici Editoriali、1999:253−7.)
【0227】
テクネチウム−99m放射性標識の錯体は、予め還元した99mTcグルコヘプトネート前駆体からテクネチウム−99mの金属交換反応によって合成することができる(スキーム2)。70℃にて反応混合物を加熱して、ペンダント3級アミンを有するAADT配位子及び99mTc(V)グルコヘプトネート前駆体の配位子交換により、30分以内にほぼ定量的な収量にて、錯体Tc−(錯体A〜D及びH〜M)を得た。99mTc錯体の典型的な質量によって物理的な特性分析が省かれるが、テクネチウム及びレニウムの双方は、構造的に同一のAADT錯体を形成するので、相似の非放射性レニウム錯体を合成(下記参照)し、HPLCの比較のために代用物として用いた。同一のHPLC保持時間によって提案したテクネチウム−99m種の存在が確認された。
【0228】
99mTc錯体と同様の方法を用いて、モノーオキソレニウム(V)錯体(実施例6〜10)がグルコヘプトネートナトリウムの存在下、塩化スズによるペルレネート(VII)の還元によって得られ、キレート配位子を脱保護し;反応混合物を75℃で1時間加熱することにより、茶紫色のレニウム錯体を得た。キレートの際、キレート化合物上のN−置換基は、非対称性のM=O核に対してシン又はアンチの構造を取り入れてもよい。脱遮蔽性で異方性の環境のM=O核、及び非対称性オキソ金属核にシン構造のN−置換基の接近によって、M=O核に対してシンのプロトン共鳴の低磁場へのシフトを生じ、従って、NMRを介してシンとアンチのジアステレオマーの識別ができる。(lever S. Z.; Baidoo, K. E.; Mahmood, A. 「テクネチウムのN−アルキル化ジアミンジチオール(DADT)錯体におけるシン/アンチ異性化現象の構造的証拠」、Inorg. Chim. Acta 176: 183-184, 1990; Francesconi, L. C.; Craczyk, G.; Wehrli, S.; Shaikh, S. N.; McClinton, D.; Liu, S.; Zubieta, J.; Kung, H. F. 「ペンダントフェニルピペリジン基を含む中性のMO(M=Tc、Re)アミンーチオール錯体の合成及び特性分析」、Inorg. Chem. 32: 3114-3124, 1993; O’Neil J. P.; Wilson, S. R.; Katzenellenbogen, J. A. 「テクネチウム(V)及びレニウム(V)のモノアミン−モノアミドビス(チオール)オキソ錯体の調製及び特性分析」、Inorg. Chem. 33: 319-323, 1994; 並びに Pelecanou, M.; Chryssou, K.; Stassinopoulou, C. I. 「アミノチオールを有するTcO(V)及びReO(V)錯体のNMR化学シフト及び配位子移動性の傾向」、J. Inorg. Biochem., 79: 347-351, 2000 )
【0229】
【化82】

【0230】
【化83】

【0231】
【化84】

【0232】
【化85】

【実施例1】
【0233】
4−ベンジル,N−(CH−(AADT(Trt))−ピペリジン(配位子15)
AADT(Trt)キレート配位子(1)(0.25g、0.37mmol)は、乾燥したアセトニトリルにN−(3−クロロプロピル)−4−ベンジルピペリジン(0.2g、0.79mmol)と共に溶解する。KCO(0.55g、3.95mmol)及びKI(0.66g、3.97mmol)をこの溶液に添加して、反応混合液をアルゴン雰囲気下で30時間還流する。反応混合液から溶媒を蒸発させて乾燥し、残留物を塩化メチレンに再溶解して後、固体物をろ過にて除く。ろ液を蒸発させて、粗製の薄黄色のオイルを得て後、シルカゲルのクロマトで最初に塩化メチレンで処理し、次の4%メタノール/塩化メチレンで薄黄色のオイル(0.188g、0.21mmol、56.8%)を得る。

H NMR(CDC1) : 7.5-7. 34 (m, 12H, Ar), 7.33-7. 05 (m, 23H, Ar), 3.09-2. 8 (q, 2H,-CH), 2.8-2. 7 (m, 4H,-CH), 2.6-2. 45 (d, 2H,-CH), 2.45-2. 15 (m,10H,-CH), 1.95-1. 7 (t, 2H, -CH), 1.65-1. 4 (m,5H,-CH), 1.35-1. 15 (m,2H,-CH).
Mol. Wt: 894.28, C59H63NOS, C 79.2 %, H 7.1 %, N 4.7 %
Exact Mass: 893.44, ESI mass Spec(M+H)= 894.43
【実施例2】
【0234】
4−(2−メトキシフェニル)−N−(CH−(AADT(Trt))−ピペリジン(配位子16)
N−3−クロロプロピル−AADT(2)(0.3g、0.397mmol)は、4−メトキシフェニル−ピペリジン(0.114g、0.595mmol)と共に、アセトニトリルに溶解する。KCO(0.275g、1.98mmol)及びKI(0.33g、1.98mmol)をこの溶液に添加して、反応混合液をアルゴン雰囲気下で30時間還流する。反応混合液から溶媒を蒸発させて乾燥し、残留物を塩化メチレンに再溶解して後、固体物をろ過にて除く。ろ液を蒸発させて、粗製の薄黄色のオイルを得て後、シルカゲルのクロマトで最初に塩化メチレンで処理し、次の4〜5%メタノール/塩化メチレンで薄黄色のオイル(0.29g、0.318mmol、80.24%)を得る。

H NMR(CDC1) : 7.54-7. 32 (m, 12H Ar), 7.32-7. 1 (m, 20H, Ar), 7.0-6. 91 (d,1H, Ar), 6.91-6. 8 (d, 1H, Ar), 3.82 (s, 3H, OCH), 3.12-2. 88 (m,5H,-CH), 2.85 (s, 2H, CO-CH), 2.5-2. 18(10H,-CH), 2.1-1. 9 (m,2H,-CH), 1.86-1. 7 (m,2H,-CH), 1.64-1. 5 (m, 2H-CH).
Mol. Wt: 910.28, C59H63N, C 77.85 %, H 6.98 %, N 4.62 %
Exact Mass: 909.44, ESI mass Spec (M+H)= 910.28
【実施例3】
【0235】
4−ヒドロキシ、4−(4−クロロフェニル)−N−(CH−(AADT(Trt))−ピペリジン(配位子18)
AADT(Trt)キレート配位子(1)(0.35g、0.515mmol)は、乾燥したアセトニトリルにN−(3−クロロプロピル)、4−ヒドロキシ、4−フェニルピペリジン(0.223g、0.77mmol)と共に溶解する。KCO(0.53g、3.85mmol)及びKI(0.255g、1.54mmol)をこの溶液に添加して、反応混合液をアルゴン雰囲気下で30時間還流する。反応混合液から溶媒を蒸発させて乾燥し、残留物を塩化メチレンに再溶解して後、固体物をろ過にて除く。ろ液を蒸発させて、粗製の薄黄色のオイルを得て後、シルカゲルのクロマトで最初に塩化メチレンで処理し、次の5%メタノール/塩化メチレンで薄黄色のオイル(0.279g、0.3mmol、58%)を得る。

H NMR (CDC1) : 7.46-7. 31 (m, 13H, Ar), 7.31-7. 08 (m, 21H, Ar), 3.15-2. 95 (m, 3H,-CH), 2.9-2. 7 (m,3H,-CH), 2.7-2. 45 (m, 3H, -CH), 2.45-2. 0 (m, 12H, -CH), 1.65-1. 5 (m,3H,-CH).
Mol. Wt: 930.70, C58H60ClN, C 74.85 %, H 6.5 %, N 4.5 %
Exact Mass: 929.38, ESI mass Spec(M+H)=929. 99
【実施例4】
【0236】
4−フェニル−N−(CH−(AADT(Trt))−ピペリジン(配位子21)
N−3−クロロプロピル−AADT(2)(0.35g、0.463mmol)は、4−フェニル−ピペリジン(0.11g、0.682mmol)と共に、アセトニトリルに溶解する。KCO(0.32g、2.3mmol)及びKI(0.38g、2.31mmol)をこの溶液に添加して、反応混合液をアルゴン雰囲気下で30時間還流する。反応混合液から溶媒を蒸発させて乾燥し、残留物を塩化メチレンに再溶解して後、固体物をろ過にて除く。ろ液を蒸発させて、粗製の薄黄色のオイルを得て後、シルカゲルのクロマトで最初に塩化メチレンで処理し、次の4〜5%メタノール/塩化メチレンで薄黄色のオイル(0.327g、0.372mmol、80.3%)を得る。

H NMR(CDC1) : 7.58-7. 35 (m, 13H, Ar), 7.34-7. 12 (m, 22H, Ar), 3.12-2. 94 (m, 4H, -CH), 2.88 (s, 2H), 2.6-2. 2 (m, 11H,-CH), 2.14-1. 88 (m, 2H,-CH), 1.88-1. 72 (m, 4 H,-CH), 1.72-1. 5 (m, 2H,-CH).
Mol. Wt: 880.26, C58H61NOS, C 79.14 %, H 6.98 %, N 4.77 %
Exact Mass: 879.43, ESI mass Spec (M+H)= 880. 37
【実施例5】
【0237】
N−ベンジル,4−アミノカルボキシ−(CH)−(AADT(Trt))−ピペリジン(配位子22)
AADT(Trt)−N−ペンタクロロフェニルアセテート(3)(0.21g、0.213mmol)を乾燥したアセトニトリルに溶解して、N−ベンジル,4−アミノピペリジン(0.049g、0.25mmol)をジイソプロピルエチルアミン(0.033g、0.255mmol)と共にこの溶液に溶解する。反応は室温にて5時間撹拌して進め、その後濃縮する。粗製物をシルカゲルのクロマトで6%メタノール/塩化メチレンで処理し、白色固体(0.188g、0.206mmol、97%)を得る。

H NMR (CDC1) : 7.6-7. 26 (m, 17H, Ar), 7.26-7. 08 (m, 16H, Ar), 7.06-6. 88 (d, 1H, Ar), 6.7-6. 58 (m,1H, Ar), 3.8-3. 6 (m, 2 H,-CH), 3.45 (s, 2H,-CH), 3.14-2. 86 (m, 6 H,-CH), 2.8-2. 6 (m, 2 H,-CH), 2.6-2. 47 (m, 2 H,-CH), 2.46-2.35 (t, 2 H,-CH), 2.32-2. 22 (m, 2 H,-CH), 2.14-1. 92 (m, 2 H,-CH), 1.9-1.68 (m, 2 H,-CH), 1.54-1. 3 (m, 2 H,-CH).
Mol. Wt: 909.25, C58H60N, C 76.6 %, H 6.65 %, N 6.16 %
Exact Mass: 908.42, ESI mass Spec (M+H)= 909.10
【実施例6】
【0238】
配位子15のレニウム錯体
配位子15(0.16g、0.179mmol)を20mLのトリフルオロ酢酸に溶解し、得られた黄色の溶液が無色になるまで水素化トリエチルシリルを滴下した。脱保護された配位子溶液を蒸発させて乾燥して、酸を除き、30−40mLの脱ガスした蒸留水に再溶解する。この溶液にNaグルコヘプトネート(0.122g、0.492mmol)及びNaReO(0.067g、0.245mmol)を添加し、苛性ソーダでpHを5に調整する。次に、塩化スズ固体(0.092g、0.485mmol)を添加して、溶液を70℃で、1時間撹拌する。pHを5−6に再調整して、更に70℃で2時間撹拌する。溶液を室温まで冷まして、淡紫色の水溶液を塩化メチレンで抽出し、粗製のレニウム錯体を得る。シルカゲルのクロマトで3〜4%メタノール/塩化メチレンで処理して、淡紫色の固体(0.0855g、0.14mmol、78%)を得る。
H NMR (CDC1) : 7.38-7. 18 (m, 3H, Ar), 7.18-7. 08 (m, 2H, Ar), 4.663 (d, 1H), 4.565(m,1H), 4.18-405(m, 2 H), 3.96 (dd, 1H), 3.594(ddd, 1H), 3.37(ddd, 1H), 3.28-3.06 (m, 3 H), 2.94-2.79 (m, 3 H), 2.53 (d, 2 H), 2.44-2.28 (m, 2 H), 2.08-1.83 (m, 4 H), 1.74-1.4 (m, 4 H)1.4-1.18(m,2H)
Mol. Wt: 608.84, C21H32NOReS, C 41.43 %, H 5.3 %, N 6.9 %
Exact Mass: 609.15, ESI mass Spec (M+H)= 610.01
【実施例7】
【0239】
配位子16のレニウム錯体
配位子16(0.15g、0.164mmol)、Naグルコヘプトネート(0.082g、0.33mmol)、NaReO(0.045g、0.164mmol)及び塩化スズ(0.062g、0.328mmol)を使用して、Re−配位子15錯体で記述したと同様の手法で、錯体を得た。淡紫色の錯体を、シルカゲルのクロマトで4%メタノール/塩化メチレンで溶出して、分離する(0.0645g、0.1mmol、62%)。

H NMR (CDC1): 7.24-7. 12 (m, 2H Ar), 7.0-6. 8 (m, 2H, Ar), 4.69 (d,1H), 4.56 (m, 1H), 4.1 (d, 1H), 4.12-3. 92 (m, 2H), 3.81 (s, 3H, OCH), 3.639 (ddd, 1H), 3.41 (ddd, 1H), 3.32-3. 12 (m, 3H), 3.12-2. 92 (m, 3H), 2.89 (ddd 1H), 2.457 (dd, 1H), 2.32-2. 08 (m, 3H), 2.08-1. 905 (m, 2H), 1.9-1. 7 (m, 3H), 1.61 (ddd 1H).
Mol. Wt. : 624.84,C21H32NOReS, C 40.37 %, H 5.16 %, N 6.72 %
Exact Mass: 625.14, ESI mass Spec (M+H)= 625. 86
【実施例8】
【0240】
配位子18のレニウム錯体
配位子18(0.11g、0.118mmol)、Naグルコヘプトネート(0.059g、0.237mmol)、NaReO(0.0323g、0.118mmol)及び塩化スズ(0.046g、0.242mmol)を使用して、Re−配位子15錯体で記述したと同様の手法で、錯体を得た。淡紫色の錯体を、シルカゲルのクロマトで4%メタノール/塩化メチレンで溶出して、分離する(0.0418g、0.065mmol、55%)。

H NMR(CDC1) : 7.455 (m, 1H, Ar), 7.42 (m, 1H, Ar), 7.345 (m, 1H, Ar), 7.303 (m, 1H, Ar), 4.683 (d, 1H), 4.577 (m,1H), 4.2-3. 9 (m, 3H), 3.657 (ddd, 1H), 3.38 (ddd, 1H), 3.3- 3.08 (m, 3H), 2.94-2. 68 (m, 3H), 2.64-2. 38 (m, 4H), 2.24-1. 88 (m, 4H), 1.84-1. 66 (m, 2H), 1.66-1. 5 (m,1H)
Mol. Wt.: 645.25, C20H29ClNOReS, C 37.23%, H 4.53 %, N 6.51 %
Exact Mass: 645.09, ESI mass Spec (M+H)= 645. 64.
【実施例9】
【0241】
配位子21のレニウム錯体
配位子21(0.175g、0.199mmol)、Naグルコヘプトネート(0.098g、0.395mmol)、NaReO(0.081g、0.296mmol)及び塩化スズ(0.15g、0.79mmol)を使用して、Re−配位子15錯体で記述したと同様の手法で、錯体を得た。淡紫色の錯体を、シルカゲルのクロマトで4%メタノール/塩化メチレンで溶出して、分離する(0.07g、0.117mmol、59.2%)。
H NMR(CDC1) : 7.4-7. 14 (m,5H, Ar), 4.696 (d, 1H), 4.56 (m, 1H), 4.118 (d, 1H), 4.1-3. 9 (m,2H), 3.64 (ddd,1H), 3.405 (ddd, 1H), 3.32-3. 1 (m, 3H), 3.1-2. 94 (m, 2H), 2.6 (dd, 1H), 2.64-2. 3 (m, 3H), 2.24-1. 92 (m,5H), 1.92-1. 71(m, 3H), 1.617 (ddd, 1H).
Mol. Wt. : 594.81,C20H30NOReS,C 40. 38 %, H 5. 08 %, N 7. 06 %
Exact Mass: 595.13, ESI mass Spec(M+H) =595. 76.
【実施例10】
【0242】
配位子22のレニウム錯体
配位子22(0.1g、0.11mmol)、Naグルコヘプトネート(0.054g、0.22mmol)、NaReO(0.045g、0.165mmol)及び塩化スズ(0.082g、0.43mmol)を使用して、Re−配位子15錯体で記述したと同様の手法で、錯体を得た。淡紫色の錯体を、シルカゲルのクロマトで5%メタノール/塩化メチレンで溶出して、分離する(0.051g、0.081mmol、74%)。
H NMR(CDC1) : 7.36-7. 32 (m,5H, Ar), 6.238 (d, 1H, NH), 4.955 (d, 1H), 4.692 (d, 1H), 4.7-4. 52 (m, 2H), 4.26-4. 08 (m, 2H), 3.92 (dd, 1H), 3.803 (m, 1H), 3.537 (s, 2H), 3.428 (ddd, 1H), 3.35-3. 04 (m, 2H), 3.05-2. 74 (m, 3H), 2.3-2. 2 (m, 3H), 2.0-1. 8 (m, 2H), 1.7-1. 4 (m, 3H).
Mol. Wt. : 623.81,C20H29NOReS,C 38. 5 %, H 4. 69 %, N 8. 98 %
Exact Mass: 624.12, ESI mass Spec(M+H) = 624.93.
【実施例11】
【0243】
トリチル保護したチオール基の脱保護化の一般的手順
ビス−トリチル保護されたAADT配位子6.0mgをトリフルオロ酢酸3mlに溶解して、室温で5分間、撹拌する。得られた黄色の反応混合物が無色になるまで水素化トリエチルシリルを1〜2滴加えた。
溶媒を完全に蒸発させ、残留物を一晩真空下に置いた。
テクネチウム及びレニウムの標識した錯体の合成は、スキーム1に概略した。
【実施例12】
【0244】
テクネチウム−99mの標識
テクネチウム−99mの標識は、0.5mlのリン酸緩衝液(0.005M、pH=7.5)に溶解した1.0mgのチオール脱保護配位子(化合物A〜D、F又はH〜M)を用いて、反応を60〜75℃にて45分間加熱することによって、必要とされる活性の99mTc−グルコヘプトネートで標識交換されて、実施される。テクネチウム−99m標識の錯体のHPLC評価では、80〜95%の放射性化学収率を示す。
特性分析したレニウム錯体と類似するテクネチウム−99m錯体を同時に注入すると、相当するUV活性のレニウム錯体と共に放射性活性種の溶出を示した。
【実施例13】
【0245】
レニウム錯体化に関する一般的手順
ビス−トリチル保護された配位子(化合物A〜D、又はG〜M)(100mg、0.1mmol)を0.25mlのアニソール及び10mlのトリフルオロ酢酸3mlに溶解した。得られた黄色の溶液を5分間撹拌し、次いで無色になるまで水素化トリエチルシリルを滴下した。溶液を蒸発させ、残った残留物が完全に乾燥するまで真空下に置いた。残留物は、予めアルゴンで飽和させた水の、5mlのMeOH20%の水溶液で再溶解した。この溶液にNaReO(30mg、0.1mmol)及びNaグルコヘプトネート(55mg、0.22mmol)を加えて、更に、撹拌しながら塩化スズ(21mg、0.11mmol)を加える。溶液は、茶紫色に変化し始める。反応混合物のpHを7に調整して、75℃にて1時間過熱する。溶液を室温まで冷まして、pHを8に調整して後、塩化メチレンで抽出する。塩化メチレン抽出物を濃縮して、シルカゲルのクロマトで4%メタノール/塩化メチレンで溶出して、所望の物質を淡紫色の固形物として得る。
【実施例14】
【0246】
5HT1A受容体アッセイ
レニウムの配位結合錯体の生体外の5HT1A結合親和性は、ラットの(脳の)海馬状隆起及び高い親和性を有する5HT1A−配位子[H]−8−OH−DPAT(135Ci/mmol、NEN Life Science Inc., Cambridge, MA)を用いて、競合アッセイにて測定された。Brain Res. 673: 217-225, 1995 を参照されたい。
オスのスプレイグ−ドウーリのラット(重量 150〜170g)が麻酔剤のイソフルランを使用して犠牲とし、脳を速やかに取り出して、海馬状隆起、前頭の皮質、視床下部及び線条体を氷上で解剖して取り分けた後、−70℃にて保存した。組織は、室温にて解凍して、50容量(重量/容量)の氷で冷やした50mMのTris−HCl緩衝液中でブリンクマンポリトロン組織粉砕にて均一化する。懸濁液は4℃にて20分間、27,000gで2度遠心分離機にかけられる。膜組織の球粒は、50容量(重量/容量)のTris−HCl緩衝液中に懸濁されて、最終の遠心分離機工程(27,000g;20分間;4℃)の前に、ウォーターバス中37℃にて20分間培養する。最終的な組織の球粒は、アッセイまで−70℃に保存される。
12倍濃縮の非放射性活性のレニウム錯体(1×10−11〜1×10−4の範囲)及びタンパク質サンプル(0.15mgの膜タンパク質)は、総容量0.25mlのTris−HCl(50mM、pH 7.4、10mM MgSO)緩衝液中に1.5nM [H]−8−OH−DPATと共に培養する。培養は、25℃にて60分間実施する。すべてのアッセイは、5mlの氷で冷やしたTris−HCl(10mM、pH 7.4)で希釈して、培養を終わらせ、溶液はグラスファイバーのフィルター(Whatman GF/F;0.5%のポリエチレンイミンで25℃にて30分間前もって浸しておく)を通してろ過する。ろ過物は5mlの氷で冷やしたTris−HCl(10mM、pH 7.4)で、3度洗浄して、Hionic−Fluor溶液(Packard, Groningen, the Netherlands)中で計数される。相当するIC50値は、オリジン6.0ソフトウェア(Origin Lab, Northampton, MA)で決定され、チェング−プルソフ式の見かけのK値の計算に使用される。Biochem. Pharmacol. 22: 3099-3108, 1973 を参照されたい。
【実施例15】
【0247】
アルファ−1、α受容体アッセイ
レニウムの配位結合錯体の生体外のα受容体の結合親和性は、ラットの前頭の皮質及び高い親和性を有するα−配位子[H]−プラゾシン(80Ci/mmol、NEN Life Science Inc., Cambridge, MA)を用いて、競合アッセイにて測定された。Eur. J. Nucl. Med. 29: 82-87, 2002 を参照されたい。
ラットの脳の前頭皮質は、上記に記述したように提供され、結合アッセイに使用される迄−70℃にて保存される。10倍濃縮の非放射性活性のレニウム錯体(1×10−10〜1×10−3の範囲)及びタンパク質サンプル(0.15mgの膜タンパク質)は、総容量0.25mlのTris−HCl(50mM、pH 7.4、10mM MgSO)中に1.5nM [H]−プラゾシンと共に培養する。培養は、25℃にて60分間実施する。すべてのアッセイは、5mlの氷で冷やしたTris−HCl(10mM、pH 7.4)で希釈して、培養を終わらせ、溶液はグラスファイバーのフィルター(Whatman GF/F;0.5%のポリエチレンイミンで25℃にて30分間前もって浸しておく)を通してろ過する。ろ過物は5mlの氷で冷やしたTris−HCl(10mM、pH 7.4)で、3度洗浄して、Hionic−Fluor溶液(Packard, Groningen, the Netherlands)中で計数される。相当するIC50値は、オリジン6.0ソフトウェア(Origin Lab, Northampton, MA)で決定され、チェング−プルソフ式の見かけのK値の計算に使用される。Biochem. Pharmacol. 22: 3099-3108, 1973 を参照されたい。
【実施例16】
【0248】
シグマ−1、σ受容体アッセイ
レニウムの配位結合錯体の生体外のσ受容体の結合親和性は、ラットの前頭の皮質及び高い親和性を有するσ−配位子[H]−(+)−ペンタゾシン(28Ci/mmol、NEN Life Science Inc., Cambridge, MA)を用いて、競合アッセイにて測定された。Mol. Neuropharmacol. 3: 117-126, 1993 を参照されたい。
膜組織は、上記に記述したようにギニア豚の脳(小脳を除いた)から提供され、−70℃にて保存される。12倍濃縮の非放射性活性のレニウム錯体(1×10−11〜1×10−3の範囲)及びタンパク質サンプル(0.15mgの膜タンパク質)は、総容量0.25mlのTris−HCl(50mM、pH 8.0)中に1.5nM [H]−(+)−ペンタゾシンと共に培養する。培養は、25℃にて120分間実施する。すべてのアッセイは、5mlの氷で冷やしたTris−HCl(10mM、pH 8.0)で希釈して、培養を終わらせ、溶液はグラスファイバーのフィルター(Whatman GF/F;0.5%のポリエチレンイミンで25℃にて30分間前もって浸しておく)を通してろ過する。ろ過物は5mlの氷で冷やしたTris−HCl(50mM、pH 8.0)で、3度洗浄して、Hionic−Fluor溶液(Packard, Groningen, the Netherlands)中で計数される。相当するIC50値は、オリジン6.0ソフトウェア(Origin Lab, Northampton, MA)で決定され、チェング−プルソフ式の見かけのK値の計算に使用される。Biochem. Pharmacol. 22: 3099-3108, 1973 を参照されたい。
【実施例17】
【0249】
σ受容体結合アッセイ
ラットの肝臓の膜組織が、上記に記述したようにオスのスプレイグ−ドウーリのラットの肝臓から提供さる(Eur. J. Pharmacol. -Mol. Pharmacol. Sect. 268: 9-18, 1994)。レニウムの配位結合錯体の生体外のσ受容体の結合親和性は、σ受容体を遮蔽するために10μM 1−ピロリジニルエチル−3,4−ジクロロフェニルアセテートシュウ酸(ACT915 シュウ酸塩)の存在下で、ラットの肝臓及び放射性配位子として[H]−DTG(31Ci/mmol、NEN Life Science Inc., Cambridge, MA)を用いて、競合アッセイにて測定された(Bioorg. & Med. Chem. Lett. 10: 17-18, 2000)。競合アッセイは、総容量0.25mlのTris−HCl(50mM、pH 8.0)中で、12倍濃縮の非放射性活性のレニウム錯体(1×10−10〜1×10−3の範囲)及びタンパク質サンプル(0.15mgの膜タンパク質)と共に25℃にて120分間培養を実施する。すべての他の操作及びデータ解析は、σ受容体アッセイに対する上記に記述されたように実施される。
【実施例18】
【0250】
生体内の腫瘍の取り込み
放射性標識の金属錯体の腫瘍の取り込みを研究するために、それらの投与の1時間後の生体内の分配が、明白なB16の黒色腫節を有したC57B16のオスのハツカネズミ、及び後ろ足にDU145の人間の前立腺癌を有したオスのヌードマウスにおいて測定された。
選択された器官に対して、腫瘍/非腫瘍(T/NT)比率を含有する生体内分配が、グラム当たりの注入投与量のパーセンテージ(%ID/g)として、表1及び2に纏めた。
【実施例19】
【0251】
脂肪親和性及びpKa値の決定
すべての錯体の脂肪親和性及びpKa値は、以前に述べたHPLC手法を使用して決定される(Stylli, C.; Theobald, A E. 「混合溶媒におけるHPLCによる放射性医薬のイオン化定数の決定」、Appl. Radiat. Isot., 38: 701-708, 1987; Johannesen, B.; Scheunemann, M.; Spies, H.; Brust, P.; Wober, J.; Syhre, R.; Pietzsch, H.-J. 「5−HT2Aセロトニン受容体結合へのテクネチウム(V)及びレニウム(V)錯体:その構造親和性の考察」、Nucl. Med. Biol., 23: 429-438, 1996; 並びに Johannsen, B.; Berger, R.; Brust, P.; Pietzsch, H.-J.; Scheunemann, M.; Seifert, S.; Spies, H.; Syhre, R. 「脳における取り込みを改善するための受容体結合性のテクネチウム−99m錯体の構造改変」、Eur. J. Nucl. Med. 24: 316-319, 1997)。Log P、log D(pH7.4)及びpKa値は、室温にて1.5mL/分の流速を有する定組成条件で作動する逆相PRP−1カラム(250×4.1mm;10μm; Hamilton )を使用する、パーキン−エルマーHPLCシステムで決定される。可動相は、pH3〜11で所望のpHに調整した水緩衝液と共にアセトニトリル:リン酸緩衝液(0.01M)、3:1(v/v)である。各測定について容量係数(κ’)を測定し(Braumann, T.; Grimme, L. H. 「液体−液体分配及び逆相高速液体クロマトグラフィによるピリダジノン除草剤の疎水性パラメーターの測定」、J. Chromatogr. 206: 7-15, 1981; EL Tayer, N.; van der Waterbeemd, H,: Testa, B. 「逆相高速液体クロマトグラフィによるプロトン性塩基性化合物の親油性の測定 II.逆相高速液体クロマトグラフィにより測定される親油性指数の決定方法」、J. Chromatogr. 320: 305-312, 1985; 及び Minick, D. J.; Frenz, J. H.; Patrick, M. A.; Brent, D. A. 「逆相高速液体クロマトグラフィによる疎水性定数決定の総合的方法」、J. Chromatogr. 31: 1923-1933, 1988 )、そして、標準アミンを用いてパラメーターa及びbが予め決定される、式 Log D=a log κ’ +b から任意のpH(D又は log D)における分配係数を算出した。S字のDHPLC/pHの特徴から屈折の適合点によって、DHPLCを計算することができる(Sylli, C.; Theobad, A. E. 「混合溶媒における放射性医薬のイオン化係数のHPLCによる測定」、Appl. Radiat. Isot., 38: 701-708, 1987 )。水性イオン化定数pKaは、標準アミン化合物を用いて得られた予め決定した補正係数で補正した後、pKHPLCの値から計算した。中性錯体の LogP値は、アルカリ範囲におけるS字の logD/pH曲線のそれぞれの上限から計算した。
【実施例20】
【0252】
エモパミール結合タンパク質(EBP)の結合アッセイ
ギニア豚の肝臓の均一化された膜組織は、クリスリアナ ゼッヒ 他 (European Journal of Pharmacology-Molecular Pharmacology section, 208: 119-130, 1991) 及び ファビアン F.メビウス 他(Molecular Pharmacology 43: 139-148,1993)によって記載された方法に従って準備される。結合アッセイは、上記の2参考文献に記載の方法によって測定することができる。簡単に言うと、総容量1.0mLの緩衝液(0.1w/vジギトニンを含む、10mM Tris−HCl、0.1mM PMSF, pH 7.4)中で、0.03〜0.04mgのギニア豚の肝臓のミクロソーム膜組織、0.5nM(±)−[H]エモパミール、参照薬物、又はRe錯体(10−3M〜10−12範囲の濃度を含む)を懸濁させる。室温にて1〜2時間培養した後、3.0mlの氷で冷やした緩衝液(10% w/v PEG6000、10mM Tris−HCl、10mM MgCl、pH 7.4)を加えて培養を終わらせ、前もってPEIに浸しておいた(0.5%、20分間)GF/Fフィルターを通して、真空ろ過する。ろ過物は追加の3.0mLの緩衝液で洗浄して、ガラス瓶に置く。10.0mLのシンチレーション液(Hionic-Fluor溶液、Packard, Groningen, the Netherlands)を追加した後、膜組織に結合する[H]エモパミール量を測定して、Re錯体又は参照薬物の濃度に対してプロットすることができる。相当するIC50値はオリジン6.0ソフトウェア(Origin Lab, Northampton, MA)で決定でき、チェング−プルソフ式(Cheng, Y; Prusoff, W. H. Biochem. Pharmacol. 22: 3099-3108,1973)の見かけのK値の計算に使用される。
【実施例21】
【0253】
Ca+2チャネル結合アッセイ
参照薬物又はRe錯体に対するCa+2チャネルの親和性が、フランシスコ ベラルディ他(Bioorganic & Medicinal Chemistry, 9: 1325-1335, 2001) によって記載された方法で決定できる。簡単に言うと、ラットの脳の膜組織の準備は、イアン レイノルド他(J. Pharmacology and Experimental Therapeutics, 237(3); 731-738, 1986)によって記述された方法で得ることができる。得られた0.05〜0.1mgの脳膜組織は、総容量1.0mLの緩衝液(50mM Hepes、pH 7.4)中で、0.2nM−[H] デスメトキシベラパミル(desmethoxyverapamil)及び参照薬物、又はRe錯体(10−3M〜10−12範囲の濃度を含む)を共に懸濁させる。室温にて1時間培養した後、前もってPEI(0.5%)に浸しておいたGF/Fフィルターを通して、速やかにろ過して終結させて、1.0mLの緩衝液で2度洗浄する。ろ過物は、シンチレーションガラス瓶に置いて、10.0mLのシンチレーション液(Hionic-Fluor溶液、Packard, Groningen, the Netherlands)を追加した後、膜組織に結合する[H] デスメトキシベラパミル(desmethoxyverapamil)量を測定し、Re錯体又は参照薬物の濃度に対してプロットすることができる。相当するIC50値はオリジン6.0ソフトウェア(Origin Lab, Northampton, MA)で決定でき、チェング−プルソフ式(Cheng, Y; Prusoff, W. H. Biochem. Pharmacol. 22: 3099-3108,1973)の見かけのK値の計算に使用される。
【実施例22】
【0254】
配位子24の調製:N,N’−Bis−[2−(4−メトキシ−ベンジルスルファニル)−エチル]−N−[3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−エタン−1,2−ジアミン
配位子24は、スキームIIIに記載の合成手順で調製される。
H NMR (CDC1): 7.34-7. 15 (9H, m, Ar), 6.9-6. 75 (4H, d, Ar), 3.77 (6H, br-s, OCH), 3.65 (4H, br-s, CH-Ph), 3.02 (3H, m,CH), 2.88-2. 7 (3H, m, CH), 2.67-2. 25(16H, m,CH), 2.2-1. 9(5H, m, CH). C36H51N : Exact Mass: 621.34 ; MassSpec(ESI) : 622.2(M+H)
【実施例23】
【0255】
配位子25の調製:2−[ [3−(メトキシ−フェネチル−アミノ)−プロピル]−(2−トリチルスルファニル−エチル)−アミノ]−N−(2−トリチルスルファニル−エチル)−アセトアミド
配位子25は、N−(2−フェニルエチル)アミンが、工程(ii)の4−置換ピペリジの位置に求核基として使用されて、スキームIに叙述の合成手順で調製される。

H NMR (CDC1) : 7.51 (lH, t,), 7.44-7. 31 (12H, m, Ar), 7.28-7. 11 (23H, m, Ar), 3.01 (2H, quart, CH-Ar), 2.82 (2H, s, CO-CH), 2.699 (2H, m, CH), 2.53 (2H, m, CH), 2.45-2. 3 (6H, m, CH), 2.295-2. 22 (4H, m, CH), 2.19 (3H, m, CH), 1.488 (2H, m, CH). C56H59NOS :
Exact Mass: 853. 41 ; MassSpec. (ESI) : 854.8 (M+H)
【実施例24】
【0256】
配位子26の調製:N−[2−(4−メトキシ−ベンジルスルファニル)−エチル]−2−{ [2−(4−メトキシ−ベンジルスルファニル)−エチル]−[5−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ペンチル]−アミノ}−アセトアミド
配位子26は、スキームIVに叙述の合成手順で調製される。

H NMR(CDC1) : 7.77(lH, m), 7.4-7. 1(8H, m, Ar), 6.9-6. 75 (4H, d, Ar), 3.58- 3.55 (6H, br-s, OCH), 3.66 (2H, s,CH-Ph), 3.63( (2H, s, CH-Ph), 3.42 (2H, q, CH), 3.05(1H, m, CH), 3.022 (2H, s, CO-CH), 2.7-2. 3(10H, mCH), 2.2-1. 95 3H, m,CH), 1.95-1. 7 (3H, mCH), 1.6-1. 19 (7H, m, CH). C38H53N:
Exact Mass = 663.35 ; MassSpec(ESI) : 664.13 (M+H)
【実施例25】
【0257】
配位子24のRe錯体(Re−24)
錯体は、スキームIIIに記載のようにして得られた配位子24を用いて、Re−15に対して記載したと同様の手順で合成される。
H NMR (CDC1): 7.4-7. 15(5H, m, Ar), 4.3-4. 0 (3H, m, CH), 4.0-3. 7 (2H, m,CH), 3.7-3. 5(1H, m, CH), 3.5-3. 15 (4H, m, CH), 3.15-2. 85 (4H, m,CH), 2.75(1H, dd, CH), 2.65-2. 3 (3H, m, CH,CH), 2.25-1. 95 (4H, m,CH), 1.94-1. 78 (4H, m,CH), 1.77-1. 66(1H, m, CH). C20H32NOReS : Exact Mass = 581.15 ; MassSpec(ESI) : 582.32(M+H)
【実施例26】
【0258】
配位子25のRe錯体(Re−25)
錯体は、配位子25を用いて、Re−15に対して記載したと同様の手順で合成される。

H NMR (CDC1) : 7.4-7. 1(5H, m, Ar), 4.539(1H, m, CH), 4.366(1H, d,CO-CHa), 4.072(1H, m, CH), 3.924(1H, d, CO-CH), 3.786(1H, m, CH), 3.491(1H, m CH), 3.385-3. 0 (4H, m,CH), 2.9-2. 7 (3H, m, CH), 2.68-2. 54 (2H, m, CH), 2.322 (3H, s, CH), 1.827 (2H, m, CH), 1.55(1H, ddd, CH).
C18H28NOReS: Exact Mass = 569.12 ; MassSpec (ESI) : 570.06 (M+H)
【実施例27】
【0259】
配位子26のRe錯体(Re−26)
錯体は、スキームIVに記載のようにして得られ配位子26を用いて、Re−15に対して記載したと同様の手順で合成される。

H NMR (CDC1): 7.4-7. 15(5H, m, Ar), 4.655(1H, d,CO-CHa), 4.59(1H, m, CH), 4.2-3. 84 (3H, d+m,CO-CH,CH), 3.7-3. 14(5H, m,CH), 3.14-2. 95 (2H, bt-d,CH), 2.96- 2.74(1H, dd, CH), 2.62-2. 3 (3H, m,CH), 2.2-1. 95 (2H, ddd, CH), 1.95-1. 72 (8H, m, CH), 1.7-1. 5 (3H, m, CH, CH).
C22H34NOReS : Exact Mass = 623.16 ; MassSpec (ESI) : 624.01 (M+H)
【0260】
【表1】

【0261】
(表2)
マウスに皮下移植された腫瘍における99mTc−15の1時間後の生体分布
【表2】

【0262】
本発明を詳細に記述してきたが、当業者が、本発明の範囲内で修正及び改良していただければ幸いである。例えば、窒素原子の代わりにキレート配位子の炭素原子にファーマコア基を結合してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【図1】図1は、[H] ペンタゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図2】図2は、[H−DTG] と比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図3】図3は、[H] プラゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のα結合親和性のプロットである。
【図4】図4は、[3H−8−OH−DAPT] と比較した、本発明の種々のRe錯体の5HT1A結合親和性のプロットである。
【図5】図5は、X線結晶測定によって決定されたRe−24錯体のORTEP表示である。
【図6】図6は、[H] ペンタゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図7】図7は、[H−DTG] と比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図8】図8は、[H] プラゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のα結合親和性のプロットである。
【図9】図9は、[3H−8−OH−DAPT] と比較した、本発明の種々のRe錯体の5HT1A結合親和性のプロットである。
【図10】図10は、[H] ペンタゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図11】図11は、[H−DTG] と比較した、本発明の種々のRe錯体のσ結合親和性のプロットである。
【図12】図12は、[H] プラゾシンと比較した、本発明の種々のRe錯体のα結合親和性のプロットである。
【図13】図13は、[3H−8−OH−DAPT] と比較した、本発明の種々のRe錯体の5HT1A結合親和性のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中、
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約6の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基又はアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基又はアルキルオキシ基であり;
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択され;且つ
式IにおけるR又はRの少なくとも1つは−XNRであるように選択され、
その際、金属イオンへの化合物の結合の結果生じる金属錯体は、中性又は陽イオン性である)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。
【請求項2】
Xが置換基を有していてもよいC2−8アルキレン基であり、RがC1−6アルキル基であり、そしてRが置換基を有していてもよい(アリール)C1−4アルキル基又は置換基を有していてもよい(ヘテロアリール)C1−4アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物が、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから成るグループから選択される金属イオンを結合することが可能である、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、テクネチウム又はレニウムを結合することが可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
式:
【化2】

(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Bは、Bの各存在にて独立して、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;、
kは、約1〜約3から選択される整数であり;及び
Yは、少なくとも1つの金属イオンにキレート結合できる基であり、
その際、A又はBの少なくとも1つはX−Yである)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。
【請求項6】
次式で表される請求項5に記載の化合物。
【化3】

【請求項7】
次式で表される請求項5に記載の化合物。
【化4】

【請求項8】
次式で表される請求項5に記載の化合物。
【化5】

【請求項9】
Yが、金属イオンにキレート結合できる、2又はそれ以上のN、S又はP原子を包含する、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
Yが、N、P又はS原子から選択される3又はそれより多いヘテロ原子を有し、金属イオンに結合できる、三座又は四座キレート配位子である、請求項5に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、式:
【化6】

(式中、
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約6の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミド又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項12】
Yが、式:
【化7】

(式中、
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味する)、
で表される基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項13】
Xは、―(CH2)m−C(O)NH−、及びアルキレン鎖に1〜約10の炭素原子と0〜3の酸素又は硫黄原子を有するアルキレン基である、α、ω−アルキレン基から成る群から選択され、mは1〜約5から選択される整数である、請求項5に記載の化合物。
【請求項14】
化合物が、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから成るグループから選択される金属イオンを結合することが可能である、請求項5に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が、テクネチウム又はレニウムと結合することが可能である、請求項5に記載の化合物。
【請求項16】
式:
【化8】

(式中、
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
組み合わせたR及びBは、5又は12環原子と1又は2のN、O又はS原子を有し、更に1又は2の融合した環であり;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミドもしくはアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能な基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。
【請求項17】
次:
【化9】

(式中、
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
式:
【化10】

(式中、
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
及びZは、CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミドもしくはアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。
【請求項19】
式:
【化11】

(式中、
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
及びZは、CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式:
【化12】

(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて独立して、水素、1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールエステル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルアミド基、約7〜約18の炭素原子を有するアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及びXNRから成る群から選択され;
は、Rの各存在にて、水素又は1〜約4の炭素原子を有する低級アルキル基であり;又は
組み合わせた−(CR)−は、ゼロ又は1つのC=O基が存在するような−C=Oであり;
は、水素、1〜約8の炭素原子を有する低級アルキル基、2〜8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、約2〜約8の炭素原子を有するアルキルエステル又はアリールエステル基、約2〜8の炭素原子を有するアルキルアミド又はアリールアミド基、各アルキル基が1〜約4の炭素原子を有するジ(アルキル)アミノアルキル基、及び−XNR から成る群から選択され;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能である基であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され;及び、
nは、2又は3のいずれかであり、各n存在にて独立して選択される)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。
【請求項21】
式:
【化13】

(式中、
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
化合物が、セロトニン受容体、α受容体、σ受容体、カルシウムチャネル受容体、エモパミル(emopamil)結合タンパク質、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体及びそれらの亜類型又は下位分類のような、1つ又はそれ以上のタンパク質及び受容体又は神経受容体と結合が可能である、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
受容体が、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項22の化合物。
【請求項24】
金属イオン及び請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の化合物を包含する中性又は陽イオン性錯体。
【請求項25】
金属イオンが、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから成るグループから選択される金属の1つ又はそれ以上の同位元素である、請求項24に記載の中性又は陽イオン性錯体。
【請求項26】
金属イオンが、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素から選択される、請求項24の中性又は陽イオン性錯体。
【請求項27】
錯体が式:
【化14】

(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び、
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基又はアルキルオキシ基であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;及び、
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味する)、
で表される、請求項24に記載の錯体。
【請求項28】
Xが置換基を有していてもよいC2−8アルキレン基、RがC1−6アルキル基、そしてRが置換基を有していてもよい(アリール)C1−4アルキル基又は置換基を有していてもよい(ヘテロアリール)C1−4アルキル基である、請求項27に記載の錯体。
【請求項29】
錯体が式:
【化15】

(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、ハロゲン、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は、
組み合わせたR及びBは、5又は12環原子と1又は2のN、O又はS原子を有し、更に1又は2の融合した環を有する置換されたヘテロ環を形成し;
Yは、少なくとも1つの金属イオンとキレート結合が可能であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;及び、
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項24に記載の錯体。
【請求項30】
錯体が式:
【化16】

(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
は、Rの各存在にて独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシアルキル基、置換基を有していてもよいモノ及びジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基から成る群から選択され;
は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルキル基、1〜約6の炭素原子を有する置換基を有していてもよいアルコキシ基であり;
及びZは、CH、CR及びNから独立して選択され;
pは、約0と約5の間の整数から選択され;
qは、約0と約10の間の整数から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項24に記載の錯体。
【請求項31】
錯体が式:
【化17】

(式中、
Mは、テクネチウム又はレニウムの1つ又はそれ以上の同位元素であり;
Aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、及びX−Yから成る群から選択され;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
は、水素、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味し;及び、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができる)、
で表される、請求項24に記載の錯体。
【請求項32】
金属イオンが、放射性標識されている又は放射性活性のある、請求項24から請求項31のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項33】
金属イオンが、放射性標識されていない又は放射性活性のない、請求項24から請求項31のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項34】
化合物が、セロトニン受容体、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、エモパミル結合タンパク質、カルシウムチャネル受容体、及びそれらの亜類型又は下位分類から選択される、1つ又はそれ以上の受容体と結合が可能である、請求項24から請求項33のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項35】
受容体が、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項34に記載の錯体。
【請求項36】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物及び金属イオンを包含する放射性標識錯体、又は請求項24〜35のいずれか1項に記載の金属錯体、を提供する工程;
当該放射性標識された金属錯体を腫瘍に接触させる工程;及び
腫瘍を可視化するX線撮影の画像を作成する工程を含む、少なくとも1種の腫瘍を生体内又は生体外で画像化する方法。
【請求項37】
放射線標識錯体が、金属イオン及び請求項16〜20のいずれか1項に記載の化合物を包含して成る、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
金属イオンが、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金及びロジウムから成るグループから選択される金属の1つ又はそれ以上の同位元素である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
金属イオンが、テクネチウム−99m、又は1つ若しくはそれ以上のレニウム同位元素である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
腫瘍が新生物である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
腫瘍が癌腫である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
腫瘍が黒色腫である、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
腫瘍が前立腺癌腫、胸部癌腫、肺癌腫、腎臓癌腫、結腸癌腫、神経膠芽腫、神経芽腫、肉腫、及びそれらの組み合わせである、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
放射線標識金属錯体が、セロトニン受容体、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、エモパミル結合タンパク質、カルシウムチャネル受容体、及びそれらの亜類型又は下位分類から選択される、1つ又はそれ以上のタンパク質又は受容体と結合が可能である、請求項36から請求項43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
受容体が、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
放射線標識錯体が親和性を有する1つ又はそれ以上のタンパク質又は受容体、を発現する少なくとも1種の腫瘍を生体内又は生体外で画像化する方法であり、当該方法が、
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物及び金属イオンを包含する放射性標識錯体、又は請求項24〜33のいずれか1項に記載の金属錯体、を提供する工程;
当該放射線標識された金属錯体を、受容体を発現する腫瘍に接触させる工程;及び
腫瘍を可視化するX線撮影の画像を作成する工程を含む方法。
【請求項47】
タンパク質又は受容体が、セロトニン受容体、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、エモパミル結合タンパク質、カルシウムチャネル受容体、及びそれらの亜類型又は下位分類から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
画像化される組織によって発現されるタンパク質又は受容体は、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
組織が、中央神経系又は神経系の一部である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
組織が、タンパク質又は受容体を発現する脳組織である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
組織が腫瘍である、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
腫瘍が新生物、癌腫、黒色腫、及びそれらの組み合わせである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
腫瘍が黒色腫、前立腺癌腫、胸部癌腫、肺癌腫、腎臓癌腫、結腸癌腫、神経膠芽腫、神経芽腫、肉腫、及びそれらの組み合わせである、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
金属イオン及び請求項1〜23のいずれか1項の化合物を包含する細胞毒の金属錯体又は請求項24〜33のいずれか1項に基づく金属錯体、を提供する工程;及び
当該細胞毒の金属錯体を腫瘍に接触させる工程を含む、癌腫を治療する方法。
【請求項55】
細胞毒の金属錯体が金属イオン及び請求項16〜20のいずれか1項に記載の化合物を包含する、又はMが1つ又はそれ以上のレニウム同位元素である請求項29〜31のいずれか1項に記載の金属錯体である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
腫瘍細胞が、セロトニン受容体、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、エモパミル結合タンパク質、カルシウムチャネル受容体、及びそれらの亜類型又は下位分類から選択される、1つ又はそれ以上のタンパク質又は受容体を発現する、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
タンパク質又は受容体が、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
金属イオンが、テクネチウム、レニウム、イットリウム、銅、ガリウム、インジウム、ビスマス、白金、ロジウム及びそれらの組み合わせから成るグループから選択される金属の1つ又はそれ以上の同位元素である、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
腫瘍が新生物、癌腫、黒色腫、及びそれらの組み合わせである、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
腫瘍が黒色腫、前立腺癌腫、胸部癌腫、肺癌腫、腎臓癌腫、結腸癌腫、神経膠芽腫、神経芽腫、肉腫、及びそれらの組み合わせである、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
金属イオンが、放射性標識されている又は放射性活性のある、請求項54から請求項60のいずれか1項の錯体。
【請求項62】
金属イオンが、放射性標識されていない又は放射性活性のない、請求項54から請求項60のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項63】
金属イオン及び請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物を包含する金属錯体、又は請求項24〜35のいずれか1項に記載の金属錯体、を提供する工程;及び
当該金属錯体を腫瘍に接触させる工程を含む、タンパク質又は受容体を抑制する方法。
【請求項64】
タンパク質又は受容体が、セロトニン受容体、アドレナリン作用受容体、アドレナリン受容体、ドーパミン受容体、シグマ受容体、エモパミル結合タンパク質、カルシウムチャネル受容体、及びそれらの亜類型又は下位分類から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
神経系受容体が、5HT1A、σ、σ、α、Ca+2チャネル受容体、EBP又はそれらの組み合わせから選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
細胞毒の金属錯体が金属イオン及び請求項16〜20のいずれか1項の化合物を包含する、又はMが1つ又はそれ以上のレニウム同位元素である請求項29〜31のいずれか1項の金属錯体である、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
金属イオンが、放射性標識されている又は放射性活性のある、請求項63から請求項66のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項68】
金属イオンが、放射性標識されていない又は放射性活性のない、請求項63から請求項66のいずれか1項に記載の錯体。
【請求項69】
式:
【化18】

(式中、
Xは、1〜約8の原子を有する主鎖を含む連結基であり、主鎖は任意で、主鎖におけるエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はチオエーテル結合を包含することができ;及び
及びRはそれぞれ独立して、1〜約8の炭素原子を有する無置換のアルキル基、2〜約8の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、並びに置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロ脂環式基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基から選択される1つ又はそれ以上の基で置換されている、1〜約8の炭素原子を有する置換されたアルキル基又はアルコキシアルキル基から選択され、その際、R又はRの少なくとも1つは、置換されたアルキル基又はアルキルオキシ基であり;
Rは、水素、C(O)O(R)又はC(O)NH(R)から選択され;
Eは、酸素原子又は2つの水素原子を意味する)、
で表される金属イオンに結合することが可能である化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−505616(P2006−505616A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551909(P2004−551909)
【出願日】平成15年11月8日(2003.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/035618
【国際公開番号】WO2004/043380
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(592257310)プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ (31)
【出願人】(303050540)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (3)
【Fターム(参考)】