説明

テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤及びテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する化粧料。

【課題】テストステロン−5α−リダクターゼの活性を阻害する作用を有し、活性の高いジヒドロテストステロンの生成を抑制し、過剰な皮脂分泌、毛母細胞レベルのタンパク合成不全、毛包の血流量の低下、酵素活性レベルの低下を抑える作用を有し、皮膚刺激が少なく生体安全性にもすぐれ、化粧品配合原料として用いて有用なテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を提供する。並びに該テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含み、脂性肌を改善する皮膚化粧料又は脱毛症の予防、育毛・養毛に有効な頭髪化粧料を提供すること。
【解決手段】アマモ科アマモ属植物の抽出物を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤、並びにアマモ科アマモ属植物の抽出物を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する皮膚又は頭髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海産顕花植物の抽出物を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤及び該阻害剤を含む化粧料に関し、更に詳細には、デヒドロテストステロンの生成を抑制することにより、皮脂の過剰生成や脱毛の防止或いは改善に高い有効性を示すテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤並びに該阻害剤を含む皮膚化粧料及び頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮脂の分泌の変動は、表皮の角化、脱毛に密接に係わっており、又この皮脂の分泌は様々なホルモンに調節されていることが知られている。特に皮脂腺や毛嚢などにおける皮脂分泌の調節が、男性ホルモンであるテストステロンの分泌とジヒドロテストステロンなどの生成に依存していると考えられている。また、男性型脱毛症あるいは多毛症等の疾患、アポクリン腺の機能障害が原因の一つに考えられている化膿性汗腺炎あるいは前立腺ガン等の疾患においては、男性ホルモンによる作用がその発症原因あるいは増悪因子と考えられ、これらの疾患の治療に様々な抗男性ホルモン剤が用いられている。しかし、先天的なテストステロン−5α−リダクターゼ欠損症においては前立腺の肥大は認められず、男性型脱毛症は発症せず、ニキビはできても軽度であることが知られており、これらの事実から実際に前立腺、毛包、皮脂腺で生理作用をあらわすのはテストステロンがテストステロン−5α−リダクターゼにより還元されて生成されるジヒドロテストステロンであることが明らかになりつつある。また、ジヒドロテストステロンの活性亢進が皮脂の分泌亢進又は頭皮においては毛母細胞レベルのタンパク合成不全、毛包の血流量の低下、酵素活性レベルの低下を引き起こす主要因であるとされている。この様なジヒドロテストステロンの過剰産生や活性亢進により引き起こされる脂性肌や脱毛を抑制するために、テストステロンがより高活性な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンに還元される際に関与するテストステロン−5α−リダクターゼの活性を阻害することが有効であると考えられ、種々のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤が開発されている。
【0003】
例えば、黄体ホルモンのプロゲステロンやオキセンドロン(特開昭59‐59606)、酢酸クロルマジノン(特開昭59‐98010)等の抗男性ホルモン剤を使用するものが知られており、又植物成分をテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤として利用した例として、トコフェリルキノン(特開昭58‐193689)、アセンヤク、ウイキョウ等からなる群から選ばれる生薬の溶媒抽出エキス(特開昭60‐146829)、アマチャズル茶の熱水抽出液(特開昭62‐116520)、くるみの葉及び/または果皮からの抽出液(特開昭63‐203625)を利用したものなどが知られている。
しかしながら、それら従来のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤は、阻害活性が十分でなかったり、全身的な副作用を有していたりする問題点があった。例えば、プロゲステロンは強力なテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤であるが、主にその黄体ホルモン作用のために、性欲減退、インポテンツ、女性型乳房などが引き起こされる。また、その他の阻害剤でも、抗男性ホルモン剤は、ステロイドまたはそれに類似した構造式からなるもの、例えば環状トリテルペン類などが多く、多少なりとも好ましくないホルモン様作用やテストステロン−5α−リダクターゼ阻害作用以外にもホルモン阻害作用を有していることがあるなどの問題点があり、一方植物成分を利用したものにあっては、一般に副作用が少なく安全性は高いものの、阻害活性の点で必ずしも十分満足し得るとは言えないという難点がある。
従って、高活性でかつ安全性に問題がないテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤が望まれていることが明らかである。
【0004】
【特許文献1】特開昭59‐59606
【特許文献2】特開昭59‐98010
【特許文献3】特開昭58‐193689
【特許文献4】特開昭60‐146829
【特許文献5】特開昭62‐116520
【特許文献6】特開昭63‐203625
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スキンケアとして過剰な皮脂分泌状態である脂性肌の改善やアクネ治療効果、また頭皮、頭髪においては脱毛防止、養毛・育毛効果に優れ、かつ安全性の高いテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤および該阻害剤を含有する皮膚並びに頭髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、角質機能健全化作用と保湿作用に基づくすぐれた美肌化効果の故に現に化粧料配合原料として利用され、安全性の裏付けられている海産顕花植物抽出物に、上記の美肌化効果とは別に、テストステロン−5α−リダクターゼの活性を顕著に抑制する作用があること、又従って、これにより有効性と安全性とを兼ね具えたテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の提供が可能となることを知得し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は第一に海産顕花植物の抽出液を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を提供するものである。
本発明は第二に海産顕花植物の抽出液を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する皮膚化粧料及び頭髪化粧料を提供するものである。
なお、本発明に於いて、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
【発明の効果】
【0007】
海産顕花植物の抽出物を有効成分としてなる本発明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤は、高活性の男性ホルモンであるジヒドロテストステロンの生合成を抑制し、皮膚において脂漏性湿疹、アクネ菌によるニキビの発生、脂性肌の発生を抑え、また頭皮において毛母細胞レベルのタンパク合成不全、毛包の血流量の低下、酵素活性レベルの低下を抑え、育毛、養毛の効果を奏する。又、上記のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有してなる本発明の皮膚化粧料及び頭髪化粧料は、それぞれ脂性肌の改善、アクネの予防・治療及び脱毛の予防、養毛・育毛等にすぐれた効果を発揮するばかりでなく、安全性が高く、長期間の使用によっても生体に悪影響を及ぼす恐れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製に用いる海産顕花植物としては、アマモ属(Zostera sp.)の植物の使用が好ましく、アマモ属植物としては、例えばアマモ[Zostera marina]、 コアマモ[Zostera japonica]、オオアマモ[Zostera asiatica]、スゲアマモ[Zostera caespitosa]、タチアマモ[Zostera caulescens]などがあり、本発明に於いては、それらアマモ属植物の全草が抽出原料として好適に用いられる。
又、それらアマモ属植物のうちでも、抽出物のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害作用の観点からアマモ[Zostera marina]の全草の使用が最も好ましい。
【0009】
それら海産顕花植物の抽出物の調製は、抽出対象部位例えば全草を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめることによって行われる。
【0010】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、2−エチルヘキシルグリセライドなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
なかでも化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
【0011】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
【0012】
本発明の抽出物の調製に際して、抽出液のpHは4〜8の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0013】
被抽出物に対する抽出溶媒の量比は、浸漬法の場合で一般に1:1〜1:200(重量比)の範囲、好ましくは1:15〜1:35の範囲である。
【0014】
又、抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類、植物の抽出部位・細切度等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に4〜80℃、好ましくは40℃以下の範囲であり、又抽出時間は、0.1〜1週間程度、特に12〜24時間程度が好適である。
【0015】
ここに得られる抽出物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま、もしくは希釈或いは減圧濃縮等により適宜の濃度に調整して化粧料に配合してもよく、又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化して化粧料に配合してもよい。
【0016】
なお、上記の抽出物溶液は、そのままで実用上十分満足し得る良好な保存安定性を有しているが、必要ならばこれに加水分解処理を施すことにより、テストステロン−5α−リダクターゼ阻害作用を何ら損なうことなく、その保存安定性をさらに高めることができる。
加水分解処理は、酵素を用いる方法或いは酸やアルカリを用いる方法等のいずれによってこれを行ってもよいが、好ましくは酵素加水分解処理が用いられる。
【0017】
酵素加水分解処理を行う場合、酵素としては、例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、リグニナーゼなどの繊維素分解酵素、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼなどの澱粉分解酵素、ペクチナーゼなどのペクチン分解酵素が用いられ、好適には上記の酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせたものが用いられる。
それら酵素による加水分解処理は、抽出物溶液の固形分に対して合計量で0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の酵素を用い、使用した酵素の至適pH及び至適温度付近で1〜24時間処理することによって行われる。
【0018】
一方、酸又はアルカリによる加水分解処理を行う場合には、酸加水分解処理であれば、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を、又アルカリ加水分解処理であれば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤をそれぞれ用い、抽出物溶液のpHを3以下又は8.5以上に調整しt上、これを60〜90℃に1〜6時間保持するようにすればよい。
【0019】
以上の如くして調製される本発明の海産顕花植物の抽出物は、後に試験例に示す通り、テストステロン−5α−リダクターゼの活性を強く阻害する作用を有し、しかも皮膚刺激性が少ないなど生体安全性にすぐれ、化粧料配合用等のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤として有用なものである。
【0020】
かかるテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する本発明の化粧料としては、例えば皮膚化粧料として、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が、又頭髪化粧料として、育毛料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、ヘアーマニキュア、整髪料などが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0021】
本発明の化粧料中に於けるテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の配合量は、その有効成分たる海産顕花植物抽出物の固形分として、例えば皮膚化粧料の場合であれば、基礎化粧料については、一般に0.00001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.00001〜5重量%、好ましくは0.001〜2重量%の範囲、又清浄用化粧料については、一般に0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%の範囲であり、一方頭髪化粧料の場合は、一般に0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%の範囲でる。
【0022】
本発明の化粧料には、必須成分の上記テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0023】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis‐11‐エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2‐エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0024】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α‐スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2‐アルキル‐1‐アルキル‐1‐ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N‐ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N‐ジメチル‐N‐アルキル‐N‐カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N‐トリアルキル‐N‐アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N‐アシルアミドプロピル‐N′,N′‐ジメチル‐N′‐β‐ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro:Rhamnaceae)抽出物等を配合することもできる。
【0025】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、グルコースなどの糖類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)が挙げられる。
【0026】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0027】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2‐ペンタンジオール、ウドなどのタラノキ属植物の抽出物、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
【0028】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6‐又は12‐ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0029】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2‐エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン‐5‐スルホン酸塩、4‐ターシャリーブチル‐4‐メトキシベンゾイルメタン、2‐(2‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0030】
抗酸化剤としては、例えばスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)、カタラーゼなどの生体内活性酸素分解酵素、ビタミンE、ビタミンDなどのビタミン類及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、γ−オリザノール、イチョウ抽出物、エイジツ抽出物、サイコ抽出物、シャチノキ抽出物、シラカバ抽出物、スモモ抽出物、月見草抽出物、ナツユキソウ抽出物、ハマメリス抽出物、メリッサ抽出物、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ウーロン茶抽出物等がある。
【0031】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、トラネキサム酸及びその誘導体、t‐シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、システイン、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、胎盤抽出物、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t‐シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA前駆体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α‐ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ‐アミノ‐β‐ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、カルニチン及びその誘導体、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキス、カッコンエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、ニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩等が、又抗炎症剤として、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルなどのアズレン誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリルなどのグリチルリチン酸誘導体、アラントイン、カンゾウ抽出物、クジン抽出物、シャクヤク抽出物、ボタンピ抽出物、レンギョウ抽出物、リュウタン抽出物、トウキンセンカ抽出物、パセリ抽出物、オトギリソウ抽出物、ブクリョウタケ抽出物、カシア抽出物等がある。
【0032】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL‐アスコルビン酸‐2‐リン酸エステルナトリウム、L‐アスコルビン酸‐2‐リン酸エステルマグネシウム、L‐アスコルビン酸‐2‐硫酸エステルナトリウム、L‐アスコルビン酸‐2‐硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド(2‐O‐α‐D‐グルコピラノシル‐L‐アスコルビン酸)、L‐アスコルビン酸‐5‐グルコシド(5‐O‐α‐D‐グルコピラノシル‐L‐アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L‐アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L‐アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL‐アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3‐O‐エチルアスコルビン酸、L‐アスコルビン酸‐2‐リン酸‐6‐O‐パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン‐β‐D‐グルコピラノシド)、α‐アルブチン(ハイドロキノン‐α‐D‐グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4‐n‐ブチルレゾルシノール、4‐イソアミルレゾルシノール等が、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5‐ジアセトキシ安息香酸、2‐アセトキシ‐5‐ヒドロキシ安息香酸、2‐ヒドロキシ‐5‐プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート、ビタミンEリン酸エステルナトリウム塩等が、α‐ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α‐ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0033】
次に、実施例、試験例及び処方例(化粧料の実施例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
【0034】
実施例1.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(1)
アマモの全草の細切物50gに精製水1000gを混合し、60℃で4時間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤850gを得た(固形分濃度0.5%)。
【0035】
実施例2.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(2)
アマモの全草の細切物100gに精製水と1,3‐ブチレングリコールの7:3(重量比)混液900gを混合し、4℃で1週間抽出を行った後ろ過し、淡褐色透明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤720gを得た(固形分濃度0.9%)。
【0036】
実施例3.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(3)
アマモの全草の細切物100gに精製水1000gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過した。ろ液に、繊維素分解酵素のセルラーゼ、澱粉分解酵素のグルコアミラーゼ及びペクチン分解酵素のペクチナーゼを各0.005%添加し、40℃、2時間の加水分解処理を行った後、80℃、1時間で酵素を失活し、ろ過して淡褐色透明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤660gを得た(固形分濃度1.0%)。
【0037】
実施例4.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(4)
アマモに代えて、コアマモを用いるほかは実施例1と同様にして、淡黄色透明の淡褐色透明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤840gを得た(固形分濃度0.6%)。
【0038】
実施例5.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(5)
アマモに代えて、オオアマモを用いるほかは実施例3と同様にして、淡黄色透明の淡褐色透明のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤640gを得た(固形分濃度0.9%)。
【0039】
実施例6.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤の調製(6)
実施例1と同様にして調製したテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤溶液500gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤粉末2.3gを得た。
【0040】
試験例1.テストステロン−5α−リダクターゼ阻害試験
実施例で得られた抽出物溶液(テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤)について、ラット肝ホモジネートを用いてテストステロン−5α−リダクターゼ阻害活性を調べた。
[試料]
(1)実施例1の抽出物溶液(テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤)
(2)実施例3の抽出物溶液(テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤)
(3)実施例4の抽出物溶液(テストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤)
(4)エチニルエストラジオール(陽性対照)
[試験方法]
(イ)酵素反応
各実施例の抽出物溶液は、水で1.48倍に希釈して(試験系内での終濃度を5%とするため)試料として用いた。又、陽性対照のエチニルエストラジオールは、同じく終濃度が5%となるようにエタノールに溶解したものを試料とした。
試料0.2mLに500μg/mLのテストステロン溶液(溶媒:プロピレングリコール/10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.2)=1/1)1mLを添加、混合した。
これに1mLのラット肝臓由来S−9(オリエンタル酵母社製)を加え、酵素反応を開始するために0.77mg/mLのNADPH溶液(溶媒:10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.2))0.5mLを加えて37℃で30分間酵素反応を行った。次に、ジクロロメタンを5mL加えて酵素反応を停止させ、そこに内部標準(以下I.S.)として0.1mg/mLのp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルエステル溶液(溶媒:メタノール)を0.5mL加えて攪拌した後、900×gで10分間遠心分離を行い、下層(有機相)を採取した。採取した有機相を減圧濃縮で乾固し、乾固物を5mLのメタノールに溶解し、高圧液体クロマトグラフィー(以下、HPLC)用の試料とした。
(ロ)HPLCによる残存テストステロンの定量
HPLCの条件としては、下記の条件で実施した。
カラム; TSK−GEL ODS−80Ts(150×4.6mm I. D.)
温度 ; 40℃
移動相; メタノール−水(65:35)
流速 ; 0.5mL/分
検出 ; 紫外部 254nm
保持時間(Retention time); テストステロン 15分, I.S. 8 分.
注入量(Injection volume); 10μL
同時に対照(0分)としてNADPHを加える前にジクロロメタンを加えた系と、対照(30分)として試料の代わりに精製水を加えた系についても同様の操作を行った。
テストステロン−5α−リダクターゼ阻害活性については下記に示した式により算出した。
阻害率(%)=
試料のピーク面積比−対照(30分)のピーク面積比
対照(0分)のピーク面積比−対照(30分)のピーク面積比
ここに言うピーク面積比とは、テストステロンのピーク面積をI.S.のピーク面積で除したときの商である。
【0041】
[結果]
結果をを表1に示す。
表1に示す通り、アマモ科アマモ属植物の抽出物(実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤)はテストステロン−5α−リダクターゼの活性を顕著に阻害する効果を有する。
【0042】
【表1】

【0043】
処方例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 2−エチルヘキシルグリセライド [B成分]
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0044】
処方例2.クリーム
処方例1のB成分中実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤に代えて実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を用いるほかは処方例1と同様にしてクリームを得た。
【0045】
処方例3.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
グリセリン 3.0
1、3‐ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。こ
れを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0046】
処方例4.ローション
[成分] 部
実施例3のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3‐ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0047】
処方例5.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例4のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3‐ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0048】
処方例6.乳液
処方例3のB成分中、実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤に代えて実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
【0049】
処方例7.乳液
処方例3のB成分中、実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤に代えて実施例3のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
【0050】
処方例8.乳液
処方例3のB成分中、実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤に代えて実施例5のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
【0051】
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3‐ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウム 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0052】
処方例10.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL‐アスコルビン酸‐2‐リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0053】
処方例11.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL‐アスコルビン酸‐2‐リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0054】
処方例12.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0055】
処方例13.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0056】
処方例14.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ‐WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0057】
処方例15.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ‐アミノ‐β‐ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0058】
処方例16.乳液
処方例9のB成分中、L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
【0059】
処方例17.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
コエンザイムQ−10 0.01
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
グリセリン 3.0
1、3‐ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0060】
処方例18.ローション
[成分] 部
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
L‐アスコルビン酸‐2‐グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3‐ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 0.5
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0061】
処方例19.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
6‐ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
実施例6のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
【0062】
処方例20.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0063】
実施例21.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
実施例1のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
ソルビトール 3.0
1,3‐ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0064】
処方例22.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
l‐メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3‐ブチレングリコール 2.0
実施例3のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
【0065】
処方例23.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。
本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
【0066】
処方例24.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N‐ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
1,3‐ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
【0067】
処方例25.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2‐エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
1,3‐ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
【0068】
処方例26.ボディシャンプー
[A成分] 部
N‐ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例2のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 10.0
1,3‐ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0069】
処方例27.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例6のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0070】
処方例28.育毛料
[A成分] 部
エタノール 60.0
ヒノキチオール 0.5
ビタミンE 0.1
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 1.0
香料 0.1
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 2.0
実施例3のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤 5.0
精製水 全量が100部となる量 A成分及びB成分をそれぞれ50℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えて均一に混合し、室温まで冷却して育毛料を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海産顕花植物より得られる抽出物を有効成分とするテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤。
【請求項2】
海産顕花植物がアマモ科(Zosteraceae)アマモ属(Zostera sp.)の植物である請求項1記載のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤。
【請求項3】
アマモ属(Zostera sp.)の植物がアマモ(Zostera marina)である請求項2記載のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤。
【請求項4】
請求項1記載のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する皮膚化粧料。
【請求項5】
請求項1記載のテストステロン−5α−リダクターゼ阻害剤を含有する頭髪化粧料。

【公開番号】特開2006−306816(P2006−306816A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133525(P2005−133525)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】