説明

テスト回路、集積回路、及び、テスト回路のレイアウト方法

【課題】 より簡易な設計手法で作製可能なテスト回路を提供する。
【解決手段】 テスト回路100は、基板と、基板上に形成された配線部及び被試験デバイス部10とを備える構成とする。テスト回路100では、被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置Oと複数の接続電極13a〜13dのそれぞれとを結ぶ直線L1の延在方向が、配線21の延在方向に対して所定の角度で傾いている。さらに、被試験デバイス本体及び複数の接続電極13a〜13dをパターン形成面内で90度回転させた際にも、複数の接続電極13a〜13d及び複数の配線21〜24間の接続が維持されるような位置に複数の接続電極13a〜13dが配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば半導体装置等の製造途中においてウエハレベルの性能評価に用いる被試験デバイスを含むテスト回路及び該テスト回路のレイアウト方法、並びに、該テスト回路のレイアウト方法と同じレイアウト方法を用いて作製された集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造工程の途中においてウエハレベルの電気的な性能評価をするために、TEG(Test Element Group)と呼ばれるウエハ出荷検査用のテストストラクチャが、ウエハ(基板)上に設けられる。テストストラクチャは、通常、複数の被試験デバイス(以下、DUTと記す)と、例えばウエハテスタ等の評価装置のプローブを接触させる電極パッドと、DUT及び電極パッド間を電気的に接続する接続配線(接続ピン)とを有する。
【0003】
また、従来、このようなテストストラクチャにおいて、様々なレイアウト設計パターンが提案されている(例えば特許文献1参照)。図21に、特許文献1で提案されているテストストラクチャのレイアウト設計パターンの概略構成を示す。なお、図21は、一つのDUT付近の概略平面図である。
【0004】
特許文献1には、DUTとしてMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタ200を用いた例が記載されている。そして、特許文献1では、図21に示すように、MOSトランジスタ200のゲート、ドレイン、ソース、及び、ウエル(ボディ)のそれぞれに、L字型ルーティング構造体201からなる接続ピンが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,489,151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したテストストラクチャは、一般に、ウエハ内において、所定方向に延在して形成されたスクライブライン上、及び/又は、該所定方向に直交する方向に延在して形成されたスクライブライン上に設けられる。それゆえ、例えば、テストストラクチャの形成領域の全体形状が横長形状である場合、テストストラクチャを配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ全体のレイアウト設計パターンを、設計時に、90度回転させる必要がある。
【0007】
このような状況において、テストストラクチャ内のレイアウト設計パターンを変えずに、90度回転させた場合には、例えば、次のような問題が生じる。テストストラクチャ内のDUTが例えばMOSトランジスタである場合、テストストラクチャを配置するスクライブラインの延在方向に応じて、ゲート電極の延在方向が所定方向、及び、該所定方向に直交する方向で混在することになる。この場合、テストストラクチャの作製プロセス時にゲート電極の寸法のばらつきが増大するという問題が生じる(例えば“Intra-Field Gate CD Variability and Its Impact On Circuit Performance”,IEDM1999,pp.479-482を参照)。
【0008】
なお、このような問題に対処するため、例えば40nm未満等のサイズのパターンを形成するような先端プロセス技術では、デザインルールにより、ゲート電極の延在方向を一方の方向に揃えるように規定する場合もある。しかしながら、この場合には、テストストラクチャを配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ全体のレイアウト設計パターンを修正する必要があり、設計に手間がかかるという問題が生じる。
【0009】
ただし、ゲート電極の延在方向を揃えるための簡易なレイアウト設計パターンの修正手法としては、例えば、次のような手法が考えられる。まず、DUTを含むテストストラクチャの設計データをセル階層化する。そして、DUT階層の設計データ(DUTのセルデータ)のみを、テストストラクチャ全体の回転方向とは、逆の方向に90度させる。
【0010】
しかしながら、この修正手法では、設計データの構成上、DUTの上位階層に設けられる配線(以下、上位配線という)と、上位配線及びDUT間の接続ピンの位置も回転するので、接続ピンの位置、及び/又は、上位配線のパターンを修正する必要がある。それゆえ、このようなレイアウト設計パターンの修正手法を用いても、設計に手間がかかるという問題は生じる。
【0011】
本開示は、上記問題を解消するためになされたものである。本開示の目的は、設計時にテストストラクチャ全体のレイアウト設計パターンを90度回転させる必要がある場合にも、より簡易な設計手法で作製可能なテスト回路、及び、そのテスト回路のレイアウト手法を提供することである。また、本開示の別の目的は、本開示のテスト回路のレイアウト手法と同様の手法を用いて作製された集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本開示のテスト回路は、基板と、基板上に形成された配線部と、基板上に形成された被試験デバイス部とを備える構成とし、各部の構成を次のようにする。配線部は、複数の配線を有する。被試験デバイス部は、被試験デバイス本体、並びに、被試験デバイス本体と複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有する。そして、本開示のテスト回路では、被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の方向が、配線の延在方向に対して所定の角度で傾いている。さらに、本開示では、被試験デバイス本体及び複数の接続電極をパターン形成面内で回転中心位置を中心にして配線部に対して相対的に90度回転させた際にも複数の接続電極及び複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に複数の接続電極が配置されている。
【0013】
なお、本明細書でいう、「回転中心位置」とは、被試験デバイス本体(又は後述のデバイス素子本体)のパターン形成面内における被試験デバイス部(又は後述のデバイス素子本体及び複数の接続電極)の形成領域の中心位置である。設計時にテスト回路(又は後述のデバイス素子部)の設計データを90度回転させる際には、この回転中心位置を中心にして、被試験デバイス部(又はデバイス素子本体及び複数の接続電極)の設計データを回転する。
【0014】
また、本開示の集積回路は、基板と、基板上に形成された配線部と、基板上に形成されたデバイス素子部とを備える構成とし、各部の構成を次のようにする。配線部は、複数の配線を有する。デバイス素子部は、デバイス素子本体、並びに、デバイス素子本体と複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有する。そして、本開示の集積回路では、デバイス素子本体のパターン形成面内における回転中心位置と複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、配線の延在方向に対して所定の角度で傾いている。さらに、本開示では、デバイス素子本体及び複数の接続電極をパターン形成面内で回転中心位置を中心にして配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、複数の接続電極及び複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に複数の接続電極が配置される。
【0015】
さらに、本開示のテスト回路のレイアウト方法は、上記本開示のテスト回路のレイアウト設計パターンを作成する方法であり、配線部のレイアウトパターンを作成するステップと、被試験デバイス部のレイアウトパターンを作成するステップとを含む。
【0016】
本開示のテスト回路(集積回路)では、被試験デバイス本体(デバイス素子本体)のパターン形成面内における回転中心位置と各接続電極とを結ぶ直線の延在方向が、配線の延在方向に対して所定の角度で傾いている。さらに、本開示のテスト回路では、被試験デバイス部をそのパターン形成面内で配線部に対して相対的に90度回転させた際にも複数の接続電極及び複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に複数の接続電極が配置される。また、本開示の集積回路も同様に、デバイス素子本体及び複数の接続電極をそれらのパターン形成面内で配線部に対して相対的に90度回転させた際にも複数の接続電極及び複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に複数の接続電極が配置される。それゆえ、本開示のテスト回路(集積回路)では、設計上、テスト回路(デバイス素子部)を90度回転させる必要がある場合には、被試験デバイス部(デバイス素子本体及び複数の接続電極)を配線部に対して相対的に90度回転させるだけで対応することができる。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本開示では、設計上、テスト回路(デバイス素子部)を90度回転させる場合には、被試験デバイス部(デバイス素子本体及び複数の接続電極)を配線部に対して相対的に90度回転させるだけでよい。すなわち、本開示のテスト回路(集積回路)の設計技術では、接続電極の位置や配線のパターンなどを修正する必要がない。それゆえ、本開示によれば、より簡易にテスト回路(集積回路)を設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係るテストストラクチャの概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るテストストラクチャの概略平面図である。
【図3】図2中のa−a断面図である。
【図4】図2中のb−b断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るテストストラクチャを90度回転させた後のテストストラクチャの概略平面図である。
【図6】第1の実施形態に係るテストストラクチャの回転操作例を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係るテストストラクチャのレイアウト手法の手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】比較例のテストストラクチャの概略平面図である。
【図9】第2の実施形態に係るテストストラクチャの概略平面図である。
【図10】第2の実施形態に係るテストストラクチャの回転操作例を説明するための図である。
【図11】第3の実施形態に係るテストストラクチャの概略平面図である。
【図12】第3の実施形態に係るテストストラクチャの回転操作例を説明するための図である。
【図13】第4の実施形態に係るテストストラクチャの概略平面図である。
【図14】第4の実施形態に係るテストストラクチャの回転操作例を説明するための図である。
【図15】第5の実施形態に係るテストストラクチャの概略平面図である。
【図16】第5の実施形態に係るテストストラクチャの回転操作例を説明するための図である。
【図17】変形例1−1のテストストラクチャの回転操作前後における各接続ピンの配置位置の変化の様子を示す図である。
【図18】変形例1−2のテストストラクチャの回転操作前後における各接続ピンの配置位置の変化の様子を示す図である。
【図19】応用例の集積回路におけるI/O(Input/Output)セルの配置構成図である。
【図20】応用例の集積回路で用いるI/Oセルの概略構成図である。
【図21】従来のテストストラクチャの概略構成平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本開示の実施形態に係るテスト回路及びそのレイアウト手法、並びに、本開示のテスト回路のレイアウト手法と同様の手法を用いて作製された集積回路の一例を、図面を参照しながら下記の順で説明する。ただし、本開示は下記の例に限定されない。
1.第1の実施形態:全ての上位配線の延在方向が同じである第1の構成例
2.第2の実勢形態:全ての上位配線の延在方向が同じである第2の構成例
3.第3の実施形態:全ての上位配線の延在方向が同じである第3の構成例
4.第4の実施形態:全ての上位配線の延在方向が同じである第4の構成例
5.第5の実施形態:一部の上位配線の延在方向が残りの上位配線の延在方向と異なる構成例
6.各種変形例
7.応用例:集積回路の構成例
【0020】
<1.第1の実施形態>
[テストストラクチャの構成]
図1に、本開示の第1の実施形態に係るウエハ出荷検査用のテストストラクチャ(テスト回路)の概略構成を示す。本実施形態のテストストラクチャ100は、一列に配列された複数のDUT10(被試験デバイス部)と、複数のテスト用電極パッド(不図示)と、該複数のテスト用電極パッド及び各DUT10間をそれぞれ接続する複数の上位配線を有する配線部20とを備える。また、テストストラクチャ100は、図1には示さないが、半導体基板(基板)を備え、該半導体基板上に、DUT10、テスト用電極パッド及び配線部20が形成される。
【0021】
なお、図1には、複数のDUT10を所定方向(図1中のX軸方向)に一列に配列した例を示すが、本開示はこれに限定されず、複数のDUT10の配列形態は、例えば用途、DUT10を構成するデバイスの種類等の条件に応じて適宜変更できる。それゆえ、テストストラクチャ100の形成面内(図1中のX−Y面内)におけるテストストラクチャ100の形成領域の形状もまた、図1に示す矩形状(横長形状)に限定されず、複数のDUT10の配列形態に応じて、適宜変更することができる。
【0022】
本実施形態では、DUT10に含まれる後述のDUT本体10aがMOSトランジスタである場合について説明する(なお、DUT10の構成は後で詳述する)。それゆえ、配線部20内には、MOSトランジスタのウエル(ボディ)、ソース、ドレイン、及び、ゲートにそれぞれ接続される4本の上位配線21〜24(以下、それぞれ、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24という)を設ける。なお、各DUT間配線(配線)は、対応するテスト用電極パッドにも接続される。
【0023】
また、本実施形態のテストストラクチャ100では、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24を複数のDUT10間で共用する。さらに、本実施形態では、後述するように、DUT10の各内部配線が形成されたメタル層M1上に第2層間絶縁膜12を形成し、そして、第2層間絶縁膜12の表面に、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24が形成される(後述の図3及び4参照)。すなわち、本実施形態では、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24は、一つのメタル層M2に形成される。
【0024】
なお、テストストラクチャ100の設計データは階層化されており、配線部20(第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24)の設計データの階層は、各DUT10のセルデータの階層より上位になる。それゆえ、設計データ上では、配線部20の階層において、下位階層となる各DUT10のセルデータを引用することにより、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24と各DUT10との間の接続関係が構築される。
【0025】
[DUTの構成]
次に、各DUT10の構成を、図2〜4を参照しながらより詳細に説明する。図2は、本実施形態のテストストラクチャ100の回転前(以下、基本状態という)におけるDUT10、及び、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24のレイアウト設計パターンの概略平面図である。また、図3は、図2中のa−a断面図であり、図4は、図2中のb−b断面図である。なお、本実施形態では、図2に示すように、基本状態において、各DUT間配線が後述するゲート電極4の延在方向(図2中のY軸方向:以下、ゲート方向という)と直交する方向(図2中のX軸方向)に延在する例を示す。
【0026】
DUT10は、図2〜4に示すように、DUT本体10a(MOSトランジスタ)と、DUT本体10aの一方(メタル層M1側)の表面上に形成された第2層間絶縁膜12とを備える。さらに、DUT10は、第2層間絶縁膜12内を貫通するように形成された4つの接続電極13a〜13d(以下、それぞれ、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dという)を備える。なお、配線部20の第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24(メタル層M2)は、図3及び4に示すように、第2層間絶縁膜12のメタル層M1側とは反対側の表面に埋め込むようにして設けられる。
【0027】
DUT本体10aは、半導体基板(基板:不図示)と、該半導体基板内に設けられたウエル領域1と、ソース領域2と、ドレイン領域3と、ゲート電極4と、素子分離層15とを備える。
【0028】
ウエル領域1は、例えば、キャリア極性がP型の不純物層で構成される。また、ソース領域2及びドレイン領域3は、例えば、キャリア極性がN型の不純物層で構成される。ソース領域2及びドレイン領域3は、ウエル領域1のゲート電極4側の表面内の所定領域に、埋め込むようにして形成される。
【0029】
ゲート電極4は、各DUT間配線の延在方向と直交する方向(図2中のY軸方向)に延在した金属膜で構成される。そして、ゲート電極4は、図2に示すように、ウエル領域1のソース領域2及びドレイン領域3間の領域上に形成され、かつ、ウエル領域1の略中央を横切るように延在して形成される。
【0030】
素子分離層15は、図3及び4に示すように、ウエル領域1のゲート電極4側の表面に埋め込むようにして形成され、かつ、ウエル接続部1a、ソース領域2、ドレイン領域3及びゲート電極4の形成領域の周囲を覆うように形成される。
【0031】
また、DUT本体10aは、第1層間絶縁膜11と、該第1層間絶縁膜11のウエル領域1側とは反対側の表面に形成された内部配線(ボディ配線膜5、ソース配線膜6、ドレイン配線膜7及びゲート配線膜8)とを備える。すなわち、本実施形態のDUT10では、ボディ配線膜5、ソース配線膜6、ドレイン配線膜7及びゲート配線膜8を、一つのメタル層(図3及び4中のメタル層M1)に形成する。なお、ボディ配線膜5、ソース配線膜6、ドレイン配線膜7及びゲート配線膜8はそれぞれ、図2に示すように、メタル層M1の形成面内(図2中のX−Y面内)において、略L字状に延在した金属膜で構成される。ただし、内部配線のパターン形状は、図2に示す例に限定されず、例えばデザインルール等の条件を満足する範囲内で、任意に設定することができる。
【0032】
さらに、DUT本体10aは、第1コンタクト電極9a〜第4コンタクト電極9dを備える。各コンタクト電極は、図3及び4に示すように、縦孔配線(ビア)で構成され、第1層間絶縁膜11内を貫通するように形成される。なお、第1コンタクト電極9a〜第4コンタクト電極9dは、ウエル領域1、ソース領域2、ドレイン領域3及びゲート電極4と、ボディ配線膜5、ソース配線膜6、ドレイン配線膜7及びゲート配線膜8とをそれぞれ電気的に接続する。
【0033】
具体的には、第1コンタクト電極9aの一方の端部(図4では下端部)は、ウエル接続部1aの略中央に接続され、第1コンタクト電極9aの他方の端部(図4では上端部)は、ボディ配線膜5の一方の端部に接続される。第2コンタクト電極9bの一方の端部(図3では下端部)は、ソース領域2の略中央に接続され、第2コンタクト電極9bの他方の端部(図3では上端部)は、ソース配線膜6の一方の端部に接続される。第3コンタクト電極9cの一方の端部は、ドレイン領域3の略中央に接続され、第3コンタクト電極9cの他方の端部は、ドレイン配線膜7の一方の端部に接続される。そして、第4コンタクト電極9dの一方の端部は、ゲート電極4の一方の端部(図2では下端部)に接続され、第4コンタクト電極9dの他方の端部は、ゲート配線膜8の一方の端部に接続される。
【0034】
なお、本実施形態では、DUT本体10aの各領域又はゲート電極と対応する内部配線(配線膜)との間を一つのコンタクト電極で接続する例を説明するが、本開示はこれに限定されない。DUT本体10aの各領域又はゲート電極と対応する内部配線との間に複数のコンタクト電極を設けてもよい。
【0035】
第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dのそれぞれは、図3及び4に示すように、縦孔配線(ビア)で構成され、対応する内部配線とDUT間配線とを電気的に接続する。
【0036】
具体的には、第1接続ピン13aの一方の端部(図4では下端部)は、ボディ配線膜5の他方の端部(コンタクト電極との接続側とは反対側の端部)に接続される。また、第1接続ピン13aの他方の端部(図4では上端部)は、ボディ端子用の第1DUT間配線21に接続される。第2接続ピン13bの一方の端部(図3では下端部)は、ソース配線膜6の他方の端部に接続され、第2接続ピン13bの他方の端部(図3では上端部)は、ソース端子用の第2DUT間配線22に接続される。第3接続ピン13cの一方の端部は、ドレイン配線膜7の他方の端部に接続され、第3接続ピン13cの他方の端部は、ドレイン端子用の第3DUT間配線23に接続される。そして、第4接続ピン13dの一方の端部は、ゲート配線膜8の他方の端部に接続され、第4接続ピン13dの他方の端部は、ゲート端子用の第4DUT間配線24に接続される。
【0037】
[接続ピンの配置及びテストストラクチャの回転操作]
本実施形態のDUT10では、図2に示すように、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dはそれぞれ、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24と接続される位置に配置される。すなわち、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dは、DUT10のパターン形成面内(図2中のX−Y面内)において、それぞれ、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24の形成領域と重なる位置に配置される。
【0038】
ただし、本実施形態では、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dを、DUT10のパターン形成面内における回転中心O(ゲート電極4の略中央)を通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図2の例ではX軸方向)に対して45度傾いた直線L1上に配置する。より詳細には、例えば、いま、DUT10の回転中心O(回転中心位置)の座標を原点とするXY直交座標系(右手系)を設定した場合、直線L1はY=−Xで表され、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dの各座標はY=−Xの直線L1上の座標となる。
【0039】
ここで、図5に、上記構成の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dを有するDUT10のパターンを、そのパターン形成面内において、回転中心Oを中心にして、基本状態から配線部20に対して相対的に右回り方向に90度回転した際の様子を示す。なお、図5は、回転後のDUT10の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dと、配線部20の第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24との間の接続関係を示す図である。
【0040】
図5から明らかなように、本実施形態の構成では、DUT10のパターンを配線部20に対して相対的に右周り方向(図5中の矢印A0方向)に90度回転させた場合にも、回転前の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持できることが分かる。
【0041】
上述のようなDUT10のセルデータ(パターン)の回転操作は、例えば、テストストラクチャ100を、それが配置されるスクライブラインの延在方向に応じて、90度回転させる必要が有る場合に実施される。具体的には、図1に示すように、X軸方向に延在した矩形状の形成領域を有するテストストラクチャ100を、X軸方向に延在するスクライブライン上に配置する場合には、テストストラクチャ100を回転することなく、基本状態のまま配置すればよい。しかしながら、例えば、Y軸方向に延在するスクライブライン上にテストストラクチャ100を設ける場合には、テストストラクチャ100を90度回転させる必要があり、この際には、上記DUT10の回転操作が実施される。その様子を図6(a)及び(b)に示す。
【0042】
図6(a)は、基本状態のDUT10の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dと、配線部20の第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24との間の接続関係を示す図である。一方、図6(b)は、回転後のDUT10の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dと、配線部20の第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24との間の接続関係を示す図である。なお、図6(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT10の詳細なパターンの図示を省略し、DUT10の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT10の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。ただし、DUT10の形成領域の外周端を規定する外枠は、例えば、レイアウト設計エディタによりデフォルトで設定される。
【0043】
図6(a)中のY軸方向に延在するスクライブライン上にテストストラクチャ100を設ける場合には、設計データ上において、DUT10のパターンを配線部20に対して相対的に右周り方向(図6(b)中の矢印A1方向)に90度回転させる。また、この際、テストストラクチャ100全体を回転中心Oに対して、左周り方向(図6(b)中の矢印A2方向)に90度回転させる。この結果、回転後には、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24の延在方向はY軸方向となるが、接続ピン(図6(b)中のB,S,D,G)とDUT間配線との間の接続関係は、基本状態(図6(a))のそれと同じになる。
【0044】
すなわち、テストストラクチャ100の全体形状を横長形状から縦長形状に変更する際には、テストストラクチャ100全体の回転方向と逆方向にDUT10を90度回転させることにより、接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。なお、この際、図2と図5との比較から明らかなように、DUT10内の各種内部配線のパターンや各種コンタクト電極の位置等の構成を修正する必要がない。
【0045】
[レイアウト設計手法]
次に、本実施形態のテストストラクチャ100のレイアウト設計手法(レイアウト方法)を、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態のテストストラクチャ100のレイアウト設計手法の具体的な手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、オペレータは、レイアウト設計エディタを用いて、DUT10のレイアウト設計パターン(レイアウトパターン)を作成する(ステップS1)。具体的には、オペレータは、レイアウト設計エディタを用いて、DUT10のソース領域、ドレイン領域、ウエル接続部、ゲート電極、各コンタクト電極、各内部配線、及び、各接続ピンのレイアウト設計パターンを作成する。この際、図2に示すように、DUT10のパターン形成面内のXY直交座標系(原点はDUT10の回転中心O)において、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dの座標が、Y=−Xで表される直線L1上の座標になるように、各接続ピンを配置する。
【0047】
次いで、オペレータは、レイアウト設計エディタを用いて、DUT10のセルデータの上位階層となる各種DUT間配線(配線部20)のレイアウト設計パターン(レイアウトパターン)を作成する(ステップS2)。この際、本実施形態では、各DUT間配線の延在方向がDUT10のゲート方向と直交する方向(図2中のX軸方向)になるように、各DUT間配線のレイアウト設計パターンを作成する。
【0048】
上記ステップS1及びS2により、テストストラクチャ100の基本状態のレイアウト設計パターンが作成される。なお、本実施形態では、ステップS2の設計操作をステップS1の設計操作の前に行ってもよい。
【0049】
次いで、テストストラクチャ100をウエハ上の所定領域(例えばスクライブライン上)に配置した際に、例えばオペレータは、レイアウト設計エディタ上で、DUT10のゲート方向が所望の方向であるか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、本実施形態では、この際、例えばオペレータは、レイアウト設計エディタ上で、DUT10のゲート方向が図2中のY軸方向であるか否かを判定する。
【0050】
ステップS3において、例えば、X軸方向に延在するスクライブライン上にテストストラクチャ100を配置した場合には、ゲート方向が所望の方向(Y軸方向)に向くので、ステップS3はYES判定となる。この場合、テストストラクチャ100を基本状態で配置すればよいので、例えばオペレータは、DUT10のセルデータを回転させずにテストストラクチャ100を所定の位置に配置する(ステップS4)。
【0051】
一方、ステップS3において、例えば、Y軸方向に延在するスクライブライン上にテストストラクチャ100を配置した場合には、テストストラクチャ100全体が90度回転する。この場合には、ゲート方向が所望の方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に向くので、ステップS3はNO判定となる。それゆえ、この場合、例えばオペレータは、DUT10のセルデータのみを、テストストラクチャ100全体の回転方向と逆方向に90度回転させてゲート方向を所望の方向に向ける(ステップS5)。ただし、この際、本実施形態(図2及び5に示す例)では、DUT10のセルデータを配線部20に対して相対的に右回り方向に90度回転させる。
【0052】
なお、レイアウト設計エディタとして、例えば、Cadence社製のVirtuosoを用いた場合には、DUT10の上記回転操作は、レイアウト設計エディタ上でDUTインスタンス(又はDUTセル)の回転情報を操作することにより実現できる。また、DUT10の回転操作の別の手法として、例えば、配線部20の階層において、DUT10の引用情報に含まれるDUT10の角度情報を直接操作する手法を用いてもよい。
【0053】
本実施形態では、上述のようにして、テストストラクチャ100のレイアウト設計パターンを作成する。なお、上記ステップS3以降の動作の説明では、オペレータが各種操作を行う例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、レイアウト設計エディタが、自身の内部に含まれるプログラムを用いて、上記ステップS3以降の操作を自動的に実施するようにしてもよい。
【0054】
[比較例]
ここで、比較のため、本実施形態のDUT10の接続ピンの配置構成を適用しない場合のテストストラクチャの構成例(比較例)を、図8に示す。なお、図8に示す比較例のテストストラクチャ110において、図2に示す本実施形態のテストストラクチャ100と同様の構成には、同じ符号を付して示す。また、比較例では、DUT111がMOSトランジスタである例を示す。
【0055】
図8と図2との比較から明らかなように、比較例のDUT111の各内部配線の形状、及び、各接続ピンの配置位置が、本実施形態のDUT10のそれらと異なる。それ以外のテストストラクチャ110の構成は、本実施形態のテストストラクチャ100の対応する構成と同様である。
【0056】
比較例のDUT111では、ボディ配線膜105、ソース配線膜106、ドレイン配線膜107及びゲート配線膜108をメタル層M1の形成面内において、直線状に延在した金属膜で構成する。そして、DUT111のパターン形成面内のXY直交座標系(原点はDUT111の回転中心O)において、第1接続ピン113a〜第4接続ピン113dの座標が、Y=−Xで表される直線L1上の座標にならないように、各接続ピンを配置する。なお、従来の設計手法では、DUTの各内部配線の形状、及び、各接続ピンの配置位置は、例えば、DUTの形成スペース、デザインルール等の条件を満たす範囲内で任意に設定される。
【0057】
比較例の構成では、図示しないが、DUT111のパターンを配線部20に対して相対的に90度回転させても、基本状態における接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を回転後も維持することはできない。それゆえ、比較例において、例えば、スクライブラインの延在方向に応じてテストストラクチャ110を90度回転させる必要がある場合には、DUT111の各内部配線の形状、及び、各接続ピンの配置位置等の構成を適宜修正する必要がある。
【0058】
それに対して、本実施形態のテストストラクチャ100では、テストストラクチャ100を90度回転させる必要がある場合には、上述のように、DUT10のパターンを配線部20に対して相対的に90度回転させるだけで対応することができる。また、この際、本実施形態では、回転前のDUT10内の各種内部配線、及び、配線部20の各種DUT間配線のパターンを修正(変更)することなく、基本状態における接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を回転後も維持することができる。それゆえ、本実施形態では、比較例に比べて、より簡易にテストストラクチャ100を設計することができる。
【0059】
また、本実施形態のテストストラクチャ100では、上述のように、DUT10の引用情報内の回転情報を操作するだけで、DUT10の配置方向(縦又は横方向)を設定することができる。それゆえ、本実施形態のテストストラクチャ100の設計技術を用いた場合には、DUT10と、その上位のDUT間配線との間の接続関係を維持しながら、DUT10の配置方向を簡易に選択することのできるレイアウト設計システムを構築することができる。
【0060】
なお、上記特許文献1で提案されている設計手法のように、接続ピンをL字型ルーティング構造体で構成した場合、テストストラクチャ全体を90度回転させても、DUTの内部配線及びDUT間配線のパターンを修正する必要がない。しかしながら、本実施形態におけるテストストラクチャ100の設計手法では、上記特許文献1で提案されている設計手法に対して、次のような利点を有する。
【0061】
上記特許文献1の設計手法では、2つのL字状の接続ピンを、DUTの回転中心を間に挟んで対向する位置に形成する必要があり、レイアウト上の制約が大きく、設計の自由度が小さい。
【0062】
それに対して、本実施形態では、DUT10のパターン形成面内のXY直交座標系(原点はDUT10の回転中心O)において、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dの座標が、Y=−Xで表される直線L1上の座標になるように、各接続ピンを配置すればよい。それ以外のテストストラクチャ100のレイアウト設計パターンの構成は、例えばデザインルール等の条件を満足する範囲内で、任意に設定することができる。それゆえ、本実施形態では、特許文献1の手法に比べて、レイアウト上の制約が小さく、設計の自由度を大きくすることができる。
【0063】
また、特許文献1の設計手法では、一つの金属配線層に、多くても2つのL字状の接続ピンしか形成することができない。すなわち、一つのDUTに対して、3つ以上の接続ピンを設ける必要がある場合(MOSトランジスタの場合には4つの接続ピンが必要)には、一つのDUTに対して金属配線層を2層以上設ける必要がある。
【0064】
それに対して、本実施形態の設計手法では、上述のように、全ての接続ピンを一つの層に形成することができる。また、本実施形態では、各内部配線のパターン形状も任意に設定することができる。さらに、本実施形態では、全ての内部配線を一つの金属配線層(M1)に形成することができ、DUT間配線の有効利用も可能になる。
【0065】
<2.第2の実施形態>
[テストストラクチャの構成]
図9に、本開示の第2の実施形態に係るテストストラクチャの概略構成を示す。図9は、第2の実施形態のテストストラクチャ120における基本状態(回転前)のDUT及び各種DUT間配線のレイアウト設計パターンの概略平面図である。なお、図9に示す本実施形態のテストストラクチャ120において、図2に示す第1の実施形態のテストストラクチャ100と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
【0066】
本実施形態のテストストラクチャ120は、図示しないが、上記第1の実施形態と同様に、複数のDUT30と、複数のテスト用電極パッドと、該複数のテスト用電極パッド及び各DUT30間をそれぞれ接続する複数のDUT間配線を有する配線部とを備える。また、テストストラクチャ120は、図示しないが、半導体基板(基板)を備え、該半導体基板上に、DUT30、テスト用電極パッド及び配線部が形成される。なお、本実施形態のテストストラクチャ120では、DUT本体をMOSトランジスタで構成するので、配線部は、上記第1の実施形態と同様に、4本のDUT間配線(第1DUT間配線41〜第4DUT間配線44)で構成される。
【0067】
ただし、図9と図2との比較から明らかなように、本実施形態では、上記第1の実施形態において、ソース端子用の第2DUT間配線の配置位置とドレイン端子用の第3DUT間配線の配置位置とを入れ替えた構成となる。すなわち、本実施形態では、第2DUT間配線42がドレイン端子用のDUT間配線となり、第3DUT間配線43がソース端子用のDUT間配線となる。それ以外の各DUT間配線の構成は、上記第1の実施形態の対応する構成と同様である。
【0068】
また、本実施形態のDUT30は、図9と図2との比較から明らかなように、本実施形態のDUT30の各接続ピンの配置位置、各内部配線の形状等の構成が、上記第1の実施形態のDUT10のそれらと異なる。それ以外のDUT30の構成は、上記第1の実施形態のDUT10の対応する構成と同様である。
【0069】
本実施形態では、第1接続ピン33a、第2接続ピン33b、第3接続ピン33c及び第4接続ピン33dは、それぞれ、第1DUT間配線41、第3DUT間配線43、第2DUT間配線42及び第4DUT間配線44と接続される位置に配置される。すなわち、第1接続ピン33a、第3接続ピン33c、第2接続ピン33b及び第4接続ピン33dは、DUT30のパターン形成面内(図9中のX−Y面内)において、それぞれ、第1DUT間配線41〜第4DUT間配線44の形成領域と重なる位置に配置される。
【0070】
さらに、本実施形態では、第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dを、DUT30のパターン形成面内における回転中心O(ゲート電極4の略中央)を通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図9中のX軸方向)に対して45度傾いた直線L2上に配置する。ただし、本実施形態では、図9中のY軸方向に対する直線L2の傾き方向が、上記第1の実施形態における直線L1の傾き方向と逆になる。より詳細には、例えば、いま、DUT30の回転中心Oの座標を原点とするXY直交座標系(右手系)を設定した場合、直線L2はY=Xで表され、第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dの各座標はY=Xの直線L2上の座標となる。
【0071】
また、本実施形態では、ボディ配線膜35、ソース配線膜36、ドレイン配線膜37及びゲート配線膜38は、それぞれ、メタル層M1に形成され、そのメタル層M1の形成面内において、略L字状に延在した金属膜で構成される。
【0072】
ただし、本実施形態では、上述した各接続ピンの位置の変更に伴い、各内部配線のパターンも変わる。具体的には、本実施形態のボディ配線膜35及びゲート配線膜38のL字形状パターンは、図9中のY軸方向に対して、上記第1の実施形態のボディ配線膜5及びゲート配線膜8のL字形状パターンとそれぞれ線対称になる。また、本実施形態のソース配線膜36及びドレイン配線膜37のL字形状パターンは、図9中のX軸方向に対して、上記第1の実施形態のソース配線膜6及びドレイン配線膜7のL字形状パターンとそれぞれ線対称になる。
【0073】
なお、上記構成の本実施形態のテストストラクチャ120は、上記第1の実施形態で説明したテストストラクチャ100の設計手順(図7)と同様の手順により設計することができる。
【0074】
[テストストラクチャの回転操作]
本実施形態のテストストラクチャ120では、DUT30のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向に90度回転させた場合に、回転後も、回転前の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。その回転操作例を、図10(a)及び(b)に示す。
【0075】
図10(a)は、基本状態のDUT30の第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dと、配線部の第1DUT間配線41〜第4DUT間配線44との間の接続関係を示す図である。一方、図10(b)は、回転後のDUT30の第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dと、配線部の第1DUT間配線41〜第4DUT間配線44との間の接続関係を示す図である。また、図10(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT30の詳細なパターンの図示を省略し、DUT30の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT30の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0076】
なお、図10(a)及び(b)に示す回転操作は、例えば、テストストラクチャ120を配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ120全体を90度回転する必要がある場合に実施される。
【0077】
本実施形態のテストストラクチャ120を基本状態(図10(a))から90度回転させる場合には、設計データ上において、DUT30のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向(図10(b)中の矢印A3方向)に90度回転させる。また、この際、テストストラクチャ120全体を回転中心Oに対して、右周り方向(図10(b)中の矢印A4方向)に90度回転させる。この結果、回転後には、第1DUT間配線41〜第4DUT間配線44の延在方向はY軸方向となるが、接続ピン(図10(b)中のB,S,D,G)とDUT間配線との間の接続関係は、基本状態(図10(a))のそれと同じになる。
【0078】
すなわち、本実施形態においても、テストストラクチャ120を90度回転させる際には、テストストラクチャ120全体の回転方向と逆方向にDUT30を90度回転させることにより、接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。また、この際、本実施形態においても、DUT30内の各種内部配線のパターンや各種コンタクト電極の位置等の構成を変える必要がない。それゆえ、本実施形態においても、より簡易にテストストラクチャ120を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
<3.第3の実施形態>
上記第1及び第2の実施形態では、テストストラクチャの基本状態において、DUT間配線の延在方向がゲート方向と直交する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。テストストラクチャの基本状態において、DUT間配線の延在方向がゲート方向と平行である場合にも、本開示のテストストラクチャの設計技術を適用することができる。第3の実施形態では、その一例を説明する。
【0080】
[テストストラクチャの構成]
図11に、本開示の第3の実施形態に係るテストストラクチャの概略構成を示す。図11は、第3の実施形態のテストストラクチャ130における基本状態(回転前)のDUT及び各種DUT間配線のレイアウト設計パターンの概略平面図である。なお、図11に示す本実施形態のテストストラクチャ130において、図2に示す第1の実施形態のテストストラクチャ100と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
【0081】
本実施形態のテストストラクチャ130は、図示しないが、上記第1の実施形態と同様に、複数のDUT10と、複数のテスト用電極パッドと、該複数のテスト用電極パッド及び各DUT10間をそれぞれ接続する複数のDUT間配線を有する配線部とを備える。また、テストストラクチャ130は、図示しないが、半導体基板(基板)を備え、該半導体基板上に、DUT10、テスト用電極パッド及び配線部が形成される。なお、本実施形態のテストストラクチャ130では、DUT本体をMOSトランジスタで構成するので、配線部は、上記第1の実施形態と同様に、4本のDUT間配線(第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54)で構成される。
【0082】
また、図11と図2との比較から明らかなように、本実施形態のテストストラクチャ130は、上記第1の実施形態のテストストラクチャ100において、各DUT間配線の延在方向をDUT10のゲート電極4の延在方向(Y軸方向)と平行にした構成である。テストストラクチャ130のそれ以外の構成は、上記第1の実施形態の対応する構成と同様である。
【0083】
ただし、本実施形態においても、図11に示すように、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dはそれぞれ、第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54と接続される位置に配置される。すなわち、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dは、DUT10のパターン形成面内(図11中のX−Y面内)において、それぞれ、第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54の形成領域と重なる位置に配置される。
【0084】
さらに、本実施形態では、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dを、DUT10のパターン形成面内における回転中心O(ゲート電極4の略中央)を通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図11中のY軸方向)に対して45度傾いた直線L1上に配置する。すなわち、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、DUT10の回転中心Oの座標を原点とするXY直交座標系において、第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dの各座標が、Y=−Xで表される直線L1上の座標となるように、各接続ピンが配置される。
【0085】
なお、上記構成の本実施形態のテストストラクチャ130は、上記第1の実施形態で説明したテストストラクチャ100の設計手順(図7)と同様の手順により設計することができる。
【0086】
[テストストラクチャの回転操作]
本実施形態のテストストラクチャ130では、DUT10のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向に90度回転させた場合に、回転後も、回転前の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。その回転操作例を、図12(a)及び(b)に示す。
【0087】
図12(a)は、基本状態のDUT10の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dと、配線部の第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54との間の接続関係を示す図である。一方、図12(b)は、回転後のDUT10の第1接続ピン13a〜第4接続ピン13dと、配線部の第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54との間の接続関係を示す図である。また、図12(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT10の詳細なパターンの図示を省略し、DUT10の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT10の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0088】
なお、図12(a)及び(b)に示す回転操作は、例えば、テストストラクチャ130を配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ130全体を90度回転する必要がある場合に実施される。
【0089】
本実施形態のテストストラクチャ130を基本状態(図12(a))から90度回転させる場合には、設計データ上において、DUT10のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向(図12(b)中の矢印A5方向)に90度回転させる。また、この際、テストストラクチャ130全体を回転中心Oに対して、右周り方向(図12(b)中の矢印A6方向)に90度回転させる。この結果、回転後には、第1DUT間配線51〜第4DUT間配線54の延在方向はX軸方向となるが、接続ピン(図12(b)中のB,S,D,G)とDUT間配線との間の接続関係は、基本状態(図12(a))のそれと同じになる。
【0090】
すなわち、本実施形態においても、テストストラクチャ130を90度回転させる際には、テストストラクチャ130全体の回転方向と逆方向にDUT10を90度回転させることにより、接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。また、この際、本実施形態においても、DUT10内の各種内部配線のパターンや各種コンタクト電極の位置等の構成を変える必要がない。それゆえ、本実施形態においても、より簡易にテストストラクチャ130を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0091】
<4.第4の実施形態>
上記第3の実施形態では、上記第1の実施形態のテストストラクチャ100において、DUT間配線の延在方向をゲート方向と平行にする例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、上記第2の実施形態のテストストラクチャ120において、DUT間配線の延在方向をゲート方向と平行にしてもよい。第4の実施形態では、その一例を説明する。
【0092】
[テストストラクチャの構成]
図13に、本開示の第4の実施形態に係るテストストラクチャの概略構成を示す。図13は、第4の実施形態のテストストラクチャ140における基本状態(回転前)のDUT及び各種DUT間配線のレイアウト設計パターンの概略平面図である。なお、図13に示す本実施形態のテストストラクチャ140において、図9に示す第2の実施形態のテストストラクチャ120と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
【0093】
本実施形態のテストストラクチャ140は、図示しないが、上記第1の実施形態と同様に、複数のDUT30と、複数のテスト用電極パッドと、該複数のテスト用電極パッド及び各DUT30間をそれぞれ接続する複数のDUT間配線を有する配線部とを備える。また、テストストラクチャ140は、図示しないが、半導体基板(基板)を備え、該半導体基板上に、DUT30、テスト用電極パッド及び配線部が形成される。なお、本実施形態のテストストラクチャ140では、DUT本体をMOSトランジスタで構成するので、配線部は、上記第1の実施形態と同様に、4本のDUT間配線(第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64)で構成される。
【0094】
また、図13と図9との比較から明らかなように、本実施形態のテストストラクチャ140は、上記第2の実施形態のテストストラクチャ120において、各DUT間配線の延在方向をDUT30のゲート方向(Y軸方向)と平行にした構成である。テストストラクチャ140のそれ以外の構成は、上記第2の実施形態の対応する構成と同様である。
【0095】
ただし、本実施形態においても、図13に示すように、第1接続ピン33a、第3接続ピン33c、第2接続ピン33b及び第4接続ピン33dはそれぞれ、第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64と接続される位置に配置される。すなわち、第1接続ピン33a、第3接続ピン33c、第2接続ピン33b及び第4接続ピン33dは、図13中のX−Y面内において、それぞれ、第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64の形成領域と重なる位置に配置される。
【0096】
さらに、本実施形態では、第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dを、DUT30のパターン形成面内における回転中心O(ゲート電極4の略中央)を通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図13中のY軸方向)に対して45度傾いた直線L2上に配置する。すなわち、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、DUT30の回転中心Oの座標を原点とするXY直交座標系において、第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dの各座標が、Y=Xで表される直線L2上の座標となるように、各接続ピンが配置される。
【0097】
なお、上記構成の本実施形態のテストストラクチャ140は、上記第1の実施形態で説明したテストストラクチャ100の設計手順(図7)と同様の手順により設計することができる。
【0098】
[テストストラクチャの回転操作]
本実施形態のテストストラクチャ140では、DUT30のパターンを配線部に対して相対的に右周り方向に90度回転させた場合に、回転後も、回転前の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。その回転操作例を、図14(a)及び(b)に示す。
【0099】
図14(a)は、基本状態のDUT30の第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dと、配線部の第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64との間の接続関係を示す図である。一方、図14(b)は、回転後のDUT30の第1接続ピン33a〜第4接続ピン33dと、配線部の第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64との間の接続関係を示す図である。また、図14(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT30の詳細なパターンの図示を省略し、DUT30の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT30の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0100】
なお、図14(a)及び(b)に示す回転操作は、例えば、テストストラクチャ140を配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ140全体を90度回転する必要がある場合に実施される。
【0101】
本実施形態のテストストラクチャ140を基本状態(図14(a))から90度回転させる場合には、設計データ上において、DUT30のパターンを配線部に対して相対的に右周り方向(図14(b)中の矢印A7方向)に90度回転させる。また、この際、テストストラクチャ140全体を回転中心Oに対して、左周り方向(図14(b)中の矢印A8方向)に90度回転させる。この結果、回転後には、第1DUT間配線61〜第4DUT間配線64の延在方向はX軸方向となるが、接続ピン(図14(b)中のB,S,D,G)とDUT間配線との間の接続関係は、基本状態(図14(a))のそれと同じになる。
【0102】
すなわち、本実施形態においても、テストストラクチャ140を90度回転させる際には、テストストラクチャ140全体の回転方向と逆方向にDUT30を90度回転させることにより、接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。また、この際、本実施形態においても、DUT30内の各種内部配線のパターンや各種コンタクト電極の位置等の構成を変える必要がない。それゆえ、本実施形態においても、より簡易にテストストラクチャ140を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0103】
<5.第5の実施形態>
上記第1〜第4の実施形態では、複数のDUT間配線の全てが同じ方向に延在するテストストラクチャの構成例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数のDUT間配線のうち、一部のDUT間配線の延在方向と、残りのDUT間配線の延在方向とが互いに直交していてもよい。第5の実施形態では、その一例を説明する。
【0104】
[テストストラクチャの構成]
図15に、本開示の第5の実施形態に係るテストストラクチャの概略構成を示す。図15は、第5の実施形態のテストストラクチャ150における基本状態(回転前)のDUT及び各種DUT間配線のレイアウト設計パターンの概略平面図である。また、図15に示す本実施形態のテストストラクチャ150において、図9に示す第2の実施形態のテストストラクチャ120と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
【0105】
本実施形態のテストストラクチャ150は、図示しないが、上記第1の実施形態と同様に、複数のDUT70と、複数のテスト用電極パッドと、該複数のテスト用電極パッド及び各DUT70間をそれぞれ接続する複数のDUT間配線を有する配線部とを備える。また、テストストラクチャ150は、図示しないが、半導体基板(基板)を備え、該半導体基板上に、DUT70、テスト用電極パッド及び配線部が形成される。なお、本実施形態のテストストラクチャ150では、DUT本体をMOSトランジスタで構成するので、配線部は、上記第1の実施形態と同様に、4本のDUT間配線(第1DUT間配線81〜第4DUT間配線84)で構成される。
【0106】
ただし、本実施形態では、ボディ端子用の第1DUT間配線81及びゲート端子用の第4DUT間配線84(第1配線)の延在方向は、上記第2の実施形態と同様に、図15中のX軸方向とする。しかしながら、ドレイン端子用の第2DUT間配線82及びソース端子用の第3DUT間配線83(第2配線)の延在方向は、図15中のY軸方向とする。すなわち、本実施形態では、ドレイン端子用の第2DUT間配線82及びソース端子用の第3DUT間配線83の延在方向を、ボディ端子用の第1DUT間配線81及びゲート端子用の第4DUT間配線84の延在方向と直交させる。
【0107】
また、本実施形態では、ボディ端子用の第1DUT間配線81及びゲート端子用の第4DUT間配線84を、上記第2の実施形態と同様に、メタル層M2に形成する。一方、ドレイン端子用の第2DUT間配線82及びソース端子用の第3DUT間配線83は、メタル層M2上に図示しない層間絶縁膜を介して形成されたメタル層M3に形成される。なお、各DUT間配線の上記以外の構成は、上記第2の実施形態のそれと同様である。
【0108】
また、本実施形態のDUT70は、図15と図9との比較から明らかなように、本実施形態のDUT70の各接続ピンの配置位置、各内部配線の形状等の構成が、上記第2の実施形態のDUT30のそれらと異なる。それ以外のDUT70の構成は、上記第2の実施形態のDUT30の対応する構成と同様である。
【0109】
本実施形態では、第1接続ピン73a、第2接続ピン73b、第3接続ピン73c及び第4接続ピン73dはそれぞれ、第1DUT間配線81、第3DUT間配線83、第2DUT間配線82及び第4DUT間配線84と接続される位置に配置される。すなわち、第1接続ピン73a、第3接続ピン73c、第2接続ピン73b及び第4接続ピン73dは、DUT70のパターン形成面内(図15中のX−Y面内)において、それぞれ第1DUT間配線81〜第4DUT間配線84の形成領域と重なる位置に配置される。
【0110】
さらに、本実施形態では、第1接続ピン73a及び第4接続ピン73dを、DUT70のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、対応するDUT間配線の延在方向(図15中のX軸方向)に対して45度傾いた直線L2上に配置する。具体的には、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、DUT70の回転中心Oの座標を原点とするXY直交座標系において、第1接続ピン73a及び第4接続ピン73dの各座標が、Y=Xで表される直線L2上の座標となるように、各接続ピンが配置される。
【0111】
また、本実施形態では、第2接続ピン73b及び第3接続ピン73cを、DUT70のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、対応するDUT間配線の延在方向(図15中のY軸方向)に対して45度傾いた直線L1上に配置する。具体的には、上記第3の実施形態と同様に、DUT70の回転中心Oの座標を原点とするXY直交座標系において、第2接続ピン73b及び第3接続ピン73cの各座標が、Y=−Xで表される直線L1上の座標となるように、各接続ピンが配置される。すなわち、本実施形態におけるテストストラクチャ150の接続ピンの配置構成は、上記第2の実施形態の構成と、上記第3の実施形態の構成とを組み合わせたものとなる。
【0112】
また、本実施形態では、ボディ配線膜35、ソース配線膜76、ドレイン配線膜77及びゲート配線膜38は、それぞれ、DUT70の形成面内において、略L字状に延在した金属膜で構成される。
【0113】
ただし、本実施形態では、上述した各接続ピンの位置の変更に伴い、各内部配線のパターンも変わる。具体的には、ボディ配線膜35及びゲート配線膜38のL字形状パターンは、上記第2の実施形態のそれらと同様になる。一方、ソース配線膜76及びドレイン配線膜77のL字形状パターンは、図15中のX軸方向に対して、上記第2の実施形態のソース配線膜36及びドレイン配線膜37のL字形状パターンとそれぞれ線対称になる。
【0114】
なお、上記構成の本実施形態のテストストラクチャ150は、上記第1の実施形態で説明したテストストラクチャ100の設計手順(図7)と同様の手順により設計することができる。
【0115】
[テストストラクチャの回転操作]
本実施形態のテストストラクチャ150では、DUT70のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向に90度回転させた場合に、回転後も、回転前の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。その回転操作例を、図16(a)及び(b)に示す。
【0116】
図16(a)は、基本状態のDUT70の第1接続ピン73a〜第4接続ピン73dと、配線部の第1DUT間配線81〜第4DUT間配線84との間の接続関係を示す図である。一方、図16(b)は、回転後のDUT70の第1接続ピン73a〜第4接続ピン73dと、配線部の第1DUT間配線81〜第4DUT間配線84との間の接続関係を示す図である。なお、図16(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT70の詳細なパターンの図示を省略し、DUT70の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT70の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0117】
なお、図16(a)及び(b)に示す回転操作は、例えば、テストストラクチャ150を配置するスクライブラインの延在方向に応じて、テストストラクチャ150全体を90度回転する必要がある場合に実施される。
【0118】
本実施形態のテストストラクチャ150を基本状態(図16(a))から90度回転させる場合には、設計データ上において、DUT70のパターンを配線部に対して相対的に左周り方向(図16(b)中の矢印A9方向)に90度回転させる。また、この際、テストストラクチャ150全体を回転中心Oに対して、右周り方向(図16(b)中の矢印A10方向)に90度回転させる。これにより、回転後には、第1DUT間配線81及び第4DUT間配線84の延在方向はY軸方向となり、第2DUT間配線82及び第3DUT間配線83の延在方向はX軸方向となる。しかしながら、回転後も接続ピン(図16(b)中のB,S,D,G)とDUT間配線との間の接続関係は、基本状態(図16(a))のそれと同じになる。
【0119】
すなわち、本実施形態においても、テストストラクチャ150を90度回転させる際には、テストストラクチャ150全体の回転方向と逆方向にDUT70を90度回転させることにより、接続ピンとDUT間配線との間の接続関係を維持することができる。また、この際、本実施形態においても、DUT70内の各種内部配線のパターンや各種コンタクト電極の位置等の構成を変える必要がない。それゆえ、本実施形態においても、より簡易にテストストラクチャ150を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0120】
<6.各種変形例>
本開示のテストストラクチャの構成は、上記第1〜第5の実施形態で説明した構成例に限定されない。DUTとDUT間配線とを接続する接続ピンが、DUTのパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、該DUT間配線の延在方向に対して所定角度で傾いた直線上の位置に配置されていればよい。また、この際、DUTをそのパターン形成面内で回転中心Oを中心にしてDUT間配線に対して相対的に90度回転させた際にも、DUT及びDUT間配線間の接続関係が維持されるような位置に接続ピンが配置されていればよい。本開示のテストストラクチャにおいて、このような接続ピンの配置位置以外の構成は、任意に設計することができる。ここでは、上記各種実施形態のテストストラクチャの各種変形例を説明する。
【0121】
[変形例1]
上記各種実施形態では、接続ピンが配置される直線がDUT間配線の延在方向に対して45度傾いた直線である例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、DUT間配線の線幅にある程度余裕がある場合には、接続ピンが配置される直線の方向とDUT間配線の延在方向との間の角度が、DUTを90度回転させた際にDUTとDUT間配線との間の接続関係が維持される範囲内で、45度からずれていてもよい。
【0122】
変形例1では、そのような接続ピンの配置例を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に説明する変形例1−1及び1−2のテストストラクチャでは、上記各種実施形態と同様にDUT本体をMOSトランジスタで構成した例を説明する。それゆえ、下記変形例1−1及び1−2のDUTでは、上記各種実施形態と同様に、MOSトランジスタのボディ(ウエル)、ソース、ドレイン及びゲートに、それぞれ、4つの接続ピン(第1〜第4接続ピン)が設けられる。また、ここでは、上記各種実施形態と同様に、4つの接続ピン(第1〜第4接続ピン)が、配線部内の対応する4本のDUT間配線(第1〜第4DUT間配線)にそれぞれ接続される例を説明する。
【0123】
(1)変形例1−1
変形例1−1では、上記第1の実施形態と同様に、各DUT間配線の線幅が比較的狭い場合のテストストラクチャの構成例を説明する。
【0124】
図17(a)及び(b)に、変形例1−1に係るテストストラクチャ160のDUT161における4つの接続ピン(第1接続ピン163a〜第4接続ピン163d)の配置例を示す。図17(a)は、基本状態におけるDUT161の第1接続ピン163a〜第4接続ピン163d(図中の四角印)と、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24との間の接続関係を示す図である。一方、図17(b)は、回転操作後のDUT161の第1接続ピン163a〜第4接続ピン163dと、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24との間の接続関係を示す図である。
【0125】
なお、図17(a)及び(b)に示すテストストラクチャ160において、図2に示す上記第1の実施形態のテストストラクチャ100と同様の構成には、同じ符号を付して示す。また、図17(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT161の詳細なパターンの図示を省略し、DUT161の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT161の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0126】
この例では、第1接続ピン163a〜第4接続ピン163dは、DUT161のパターン形成面内(図17(a)中のX−Y面内)において、それぞれ、第1DUT間配線21〜第4DUT間配線24の形成領域と重なる位置に配置される。また、この例では、各接続ピンを、DUT161のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図17(a)中のX軸方向)に対して、45度(直線L1の傾斜角度)から少しずれた角度で傾いた直線L3上に配置する。さらに、この例では、直線L3の傾斜角度を、DUT161のパターンを配線部に対して相対的に右周り方向(図17(b)中の矢印A11方向)に90度回転させた際にも、各接続ピンと対応するDUT間配線との接続関係が維持されるような角度に設定する。
【0127】
なお、変形例1−1のテストストラクチャ160において、DUT161の第1接続ピン163a〜第4接続ピン163dの配置位置以外の構成は、上記第1の実施形態のテストストラクチャ100の対応する構成と同様である。
【0128】
上述のように、変形例1−1の構成では、接続ピンが配置される直線L3の方向とDUT間配線の延在方向との間の角度が45度から多少ずれるが、DUT161を90度回転させた際にもDUT161の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係が維持される。それゆえ、この例においても、より簡易にテストストラクチャ160を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
(2)変形例1−2
変形例1−2では、上記変形例1−1(上記各種実施形態)に比べて、各DUT間配線の線幅が比較的広い場合のテストストラクチャの構成例を説明する。
【0130】
図18(a)及び(b)に、変形例1−2に係るテストストラクチャ170のDUT171における4つの接続ピン(第1接続ピン173a〜第4接続ピン173d)の配置例を示す。図18(a)は、基本状態におけるDUT171の第1接続ピン173a〜第4接続ピン173d(図中の四角印)と、第1DUT間配線175〜第4DUT間配線178との間の接続関係を示す図である。一方、図18(b)は、回転操作後のDUT171の第1接続ピン173a〜第4接続ピン173dと、第1DUT間配線175〜第4DUT間配線178との間の接続関係を示す図である。また、図18(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、DUT171の詳細なパターンの図示を省略し、DUT171の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内におけるDUT171の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。
【0131】
この例では、第1接続ピン173a〜第4接続ピン173dは、DUT171のパターン形成面内(図18(a)中のX−Y面内)において、それぞれ、第1DUT間配線175〜第4DUT間配線178の形成領域と重なる位置に配置される。また、この例では、各接続ピンを、DUT171のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、DUT間配線の延在方向(図18(a)中のX軸方向)に対して、45度(直線L1の傾斜角度)からずれた角度で傾いた直線L4上に配置する。さらに、この例では、直線L4の傾斜角度を、DUT171のパターンを配線部に対して相対的に右周り方向(図18(b)中の矢印A11方向)に90度回転させた際にも、各接続ピンと対応するDUT間配線との接続関係が維持されるような角度に設定する。
【0132】
なお、変形例1−2のテストストラクチャ170において、DUT171の第1接続ピン173a〜第4接続ピン173dの配置位置、及び、各DUT間配線の線幅以外の構成は、上記第1の実施形態のテストストラクチャ100の対応する構成と同様である。
【0133】
上述のように、変形例1−2の構成においても、上記変形例1−1と同様に、接続ピンが配置される直線L4の方向とDUT間配線の延在方向との間の角度が45度からずれた値となる。しかしながら、この例においても、DUT171を90度回転させた際にDUT171の接続ピンとDUT間配線との間の接続関係が維持される。それゆえ、この例においても、より簡易にテストストラクチャ170を設計することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0134】
また、変形例1−2では、DUT間配線の線幅が上記変形例1−1のそれより広いので、変形例1−2における接続ピンの配置方向(直線L4)の傾斜角度の45度(直線L1)からのずれ量を、上記変形例1−1のそれより大きくすることができる。すなわち、変形例1−2のように、DUT間配線の線幅を広くすることにより、DUT間配線の延在方向に対する接続ピンの配置方向の傾斜角度の許容範囲を大きくすることができる。
【0135】
[変形例2]
上記第5の実施形態では、複数のDUT間配線のうち、一部のDUT間配線の延在方向と残りのDUT間配線の延在方向とを互いに直交させる例として、上記第2の実施形態の構成と、上記第3の実施形態の構成とを組み合わせた構成例を説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、例えば、上記第1の実施形態の構成と、上記第4の実施形態の構成とを組み合わせて、一部のDUT間配線の延在方向と残りのDUT間配線の延在方向とを互いに直交させるようにしてもよい。ただし、この場合も、上記第5の実施形態と同様に、一部のDUT間配線、及び、残りのDUT間配線をそれぞれ別個の金属配線層に形成する。
【0136】
[変形例3]
上記第1〜第4実施形態では、複数のDUT間配線を全てメタル層M2に形成する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。上記第1〜第4実施形態の構成において、上記第5の実施形態と同様に、複数のDUT間配線のうち、一部のDUT間配線と、残りのDUT間配線とを、それぞれ別個のメタル層に形成してもよい。
【0137】
[変形例4]
上記各種実施形態では、DUTのパターン形成面内におけるDUTの形成領域の外周端を規定する外枠形状が正方形状である例を説明したが、本開示はこれに限定されず、例えば、長方形状であってもよい。
【0138】
[変形例5]
上記各種実施形態では、DUT本体がMOSトランジスタである例を説明した。また、特許文献1においても、DUT本体がMOSトランジスタである場合に限定した技術が記載されている。しかしながら、上記各種実施形態のテストストラクチャの設計技術は、DUT本体がMOSトランジスタ以外のデバイスである場合にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0139】
例えば、DUT本体が抵抗素子や容量素子等のデバイスである場合にも、上記各種実施形態のテストストラクチャの設計技術を適用することができる。なお、この場合、DUTとDUT間配線との間の接続ピンの数は、DUT本体を構成するデバイスにより変わるが、2端子以上となる。
【0140】
接続ピンが4端子以外の場合においても、各接続ピンが、DUTのパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、対応するDUT間配線の延在方向に対して所定角度(略45度)傾いた直線上の位置に配置されていればよい。この際、複数の接続ピンが、全て、上記第1〜第4の実施形態と同様に、一本の直線上に配置されていてもよいし、上記第5の実施形態と同様に、複数の接続ピンの一部が配置される第1の直線が、残りの接続ピンが配置される第2の直線と異なっていてもよい。
【0141】
<7.応用例:集積回路の構成例>
上記各種実施形態及び各種変形例では、本開示の設計技術をウエハ検査用のテストストラクチャに適用する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。上記設計技術は、実際に製品として作製される、デバイス(例えば、MOSトランジスタ、抵抗素子、容量素子等のデバイス素子本体)を含む所定の回路セルやハードマクロなどのデバイス素子部、及び、それを含む集積回路にも適用可能である。
【0142】
例えば、デバイス素子部に含まれるデバイスがMOSトランジスタである場合には、上記各種実施形態及び各種変形例のDUT及び配線部の構成(例えば図2参照)を、デバイス素子部及びその上位配線(配線部)の構成にそれぞれ適用すればよい。すなわち、所定の回路セルやハードマクロに含まれるMOSトランジスタ及びその上位配線のレイアウト設計パターンに、上記各種実施形態及び各種変形例のDUT本体及びDUT間配線のレイアウト設計パターンを、そのまま適用すればよい。
【0143】
この場合も、集積回路の設計時にデバイス素子部のレイアウト設計パターンを90度回転させる際には、各種デバイスのセルデータのみを配線部に対して相対的に所定方向に90度回転させるだけでよく、その他のレイアウト設計パターンを修正する必要がない。それゆえ、上記各種実施形態及び各種変形例で説明したテストストラクチャの設計技術を、集積回路の設計に適用した場合には、集積回路の設計をより簡易にすることができる。
【0144】
ここで、本開示の上記DUTの設計技術を集積回路のI/Oセルに適用した例を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0145】
[集積回路の構成]
図19に、本開示の上記DUTの設計技術を適用して作製された集積回路の概略構成を示す。なお、図19には、説明を簡略化するため、集積回路180内の一部のI/Oセル付近の構成のみを示す。
【0146】
この例の集積回路180は、チップコア部181と、該チップコア部181の周囲に設けられた複数の第1I/Oセル182及び複数の第2I/Oセル183とを備える。さらに、集積回路180は、各I/Oセル(デバイス素子部)に共通して設けられたVDD電源配線185及びVSS電源配線186を含む配線部184を備える。なお、図19には示さないが、集積回路180の各部は、図示しない半導体基板(基板)上に形成される。
【0147】
各I/Oセルは、チップコア部181内の回路と外部との電気的接続を制御するインターフェース回路セルであり、例えばMOSトランジスタ等の回路素子を含む所定の回路で各I/Oセルを構成することができる。また、各I/Oセルの入力電極部191は、ボンディングワイヤ(不図示)等を介して外部のピン(不図示)等に接続され、出力電極部192は、チップコア部181内の所定回路の電極等に接続される。なお、各I/Oセルの構成については、後で詳述する。
【0148】
図19に示す例では、チップコア部181の形成領域は正方形状又は長方形状であり、その形成領域の一方の対向する一対の辺部(図19では、上辺部及び下辺部(不図示))の外側に、複数の第1I/Oセル182が配置される。一方、複数の第2I/Oセル183は、チップコア部181の形成領域の他方の対向する一対の辺部(図19では、左辺部及び右辺部(不図示))の外側に配置される。また、複数の第1I/Oセル182及び複数の第2I/Oセル183のそれぞれは、チップコア部181の形成領域の対応する辺部に沿って一列に配置される。
【0149】
この際、この例では、各I/Oセルを、その入力電極部191と出力電極部192との対向方向が対応するチップコア部181の形成領域の辺部の延在方向と直交するように配置し、かつ、出力電極部192がチップコア部181側に位置するように配置する。それゆえ、図19に示す集積回路180では、第1I/Oセル182は、縦置き用のI/Oセルになり、第2I/Oセル193は、横置き用のI/Oセルとなる。
【0150】
VDD電源配線185及びVSS電源配線186は、チップコア部181の形成領域の周囲に設けられ、かつ、チップコア部181の形成領域の辺部に沿って周回する方向に延在して設けられる。また、この例では、VSS電源配線186を、VDD電源配線185と平行に設け、VDD電源配線185よりチップコア部181側の位置に配置する。
【0151】
VDD電源配線185は、各I/Oセル内の後述する機能ブロック部190の第2接続ピン190bに接続され、VSS電源配線186は、後述する機能ブロック部190の第3接続ピン190cに接続される。なお、VDD電源配線185及びVSS電源配線186は、例えば、同じ金属配線層(メタル層)に形成することができる。
【0152】
[I/Oセルの構成]
次に、各I/Oセルの構成を、図20(a)及び(b)を参照しながら説明する。図20(a)及び(b)は、それぞれ第1I/Oセル182及び第2I/Oセル183の概略平面構成図であり、各I/Oセルにおいて、同じ構成には同じ符号を付して示す。また、図20(a)及び(b)では、説明を簡略化するため、後述の機能ブロック部の詳細なパターンの図示を省略し、機能ブロック部の接続ピン及び回転中心Oの位置、並びに、X−Y面内における機能ブロック部の形成領域の外周端を規定する外枠を示す。なお、機能ブロック部の形成領域(正方形状)の外周端を規定する外枠は、例えば、レイアウト設計エディタによりデフォルトで設定される。
【0153】
第1I/Oセル182は、機能ブロック部190と、入力電極部191と、出力電極部192とを備える。
【0154】
機能ブロック部190は、所定の回路素子(デバイス)を含む所定の回路(不図示:デバイス素子本体)と、4つの接続電極190a〜190d(以下、それぞれ、第1接続ピン190a〜第4接続ピン190dという)とを備える。なお、第1接続ピン190a及び第4接続ピン190dは、それぞれ、機能ブロック部190を構成する回路の入力端子及び出力端子であり、第2接続ピン190b及び第3接続ピン190cはともに、機能ブロック部190を構成する回路の電源端子である。そして、第1接続ピン190a、第2接続ピン190b、第3接続ピン190c及び第4接続ピン190dは、それぞれ、入力電極部191、VDD電源配線185、VSS電源配線186及び出力電極部192に接続される(図19参照)。
【0155】
また、図20(a)には示さないが、機能ブロック部190は、その内部の回路素子と対応する接続ピンとを接続する内部配線も備える。この内部配線は、例えば、VDD電源配線185及びVSS電源配線186が形成されるメタル層より下位のメタル層に形成することができる。
【0156】
この例の機能ブロック部190において、第1接続ピン190a〜第4接続ピン190dは、それぞれ、入力電極部191、VDD電源配線185、VSS電源配線186及び出力電極部192の形成領域と重なる位置に配置される。さらに、第1接続ピン190a〜第4接続ピン190dは、機能ブロック部190のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、各電源配線の延在方向(図20(a)中のX軸方向)に対して45度傾いた直線L1上に配置される。より詳細には、例えば、いま、機能ブロック部190の回転中心O(回転中心位置)の座標を原点とするXY直交座標系(右手系)を設定した場合、第1接続ピン190a〜第4接続ピン190dをY=−Xの直線L1上の座標に配置する。
【0157】
入力電極部191は、入力配線部191aと、入力パッド部191bと、接続部191cとで構成される。
【0158】
入力配線部191aは、第1接続ピン190aに電気的に接続される電極部分であり、第1接続ピン190a上に形成される。この例では、入力配線部191aは、VDD電源配線185及びVSS電源配線186の延在方向(図20(a)中のX軸方向)と同じ方向に延在して形成される。なお、この際、入力配線部191aは、その延在方向に直交する機能ブロック部190の一方の辺部(図20(a)では左辺部)付近から他方の辺部(右辺部)付近に渡る領域に形成される。
【0159】
また、入力パッド部191bは、ボンディングワイヤが取り付けられる電極部分であり、接続部191cは、入力配線部191aと入力パッド部191bと繋ぐ電極部分である。接続部191cは、図20(a)に示すように、入力配線部191aの延在方向における入力配線部191aの中央から、入力パッド部191bに向かって(図20(a)中のY軸方向に)直線状に延在して形成される。
【0160】
出力電極部192は、出力配線部192aと、出力接続部192bとで構成される。
【0161】
出力配線部192aは、第4接続ピン190dに電気的に接続される電極部分であり、第4接続ピン190d上に形成される。この例では、出力配線部192aは、VDD電源配線185及びVSS電源配線186の延在方向(図20(a)中のX軸方向)と同じ方向に延在して形成される。なお、この際、出力配線部192aは、その延在方向に直交する機能ブロック部の一方の辺部(図20(a)では左辺部)付近から他方の辺部(右辺部)付近に渡る領域に形成される。
【0162】
また、出力接続部192bは、チップコア部181内の所定回路に接続される電極部分である。出力接続部192bは、図20(a)に示すように、出力配線部192aの延在方向における出力配線部192aの中央から、機能ブロック部190の形成領域の外側に向かって(図20(a)中のY軸方向に)、所定の長さで延在して形成される。
【0163】
なお、入力電極部191及び出力電極部192(入出力電極部)は、例えば、配線部184(VDD電源配線185及びVSS電源配線186)が形成されるメタル層より上位のメタル層に形成することができる。また、入力電極部191及び出力電極部192の面形状は、図20(a)に示す例に限定されず、例えば、I/Oセルの形成領域のサイズ、チップコア部181内の回路パターン、デザインルール等を考慮して適宜変更することができる。
【0164】
第2I/Oセル183は、図20(b)に示すように、第1I/Oセル182と同様に、機能ブロック部190と、入力電極部191と、出力電極部192とを備える。第2I/Oセル183は、第1I/Oセル182において、機能ブロック部190のパターン(セルデータ)のみを、入出力電極部のパターンに対して相対的に右回り方向(矢印A12方向:時計回り方向)に90度回転した構成を有する。なお、第2I/Oセル183のそれ以外の構成は、第1I/Oセル182の対応する構成と同様である。
【0165】
上述のように、この例において、第2I/Oセル183の各部の構成(セルデータ)は、第1I/Oセル182の対応する構成と同じであるので、この例では、第2I/Oセル183のライブラリを、予め第1I/Oセル182とは別個に作成しない。その代わりに、この例では、後述するように、I/Oセルの配置時に、第1I/Oセル182の機能ブロック部190のセルデータのみを入出力電極部のパターンに対して相対的に右回り方向に90度回転させることにより、第2I/Oセル183を作成する。
【0166】
なお、この例の集積回路180において、VDD電源配線185、VSS電源配線186、入力配線部191a及び出力配線部192aの各線幅にある程度余裕がある場合には、上記変形例1の設計技術をこの例に適用してもよい。すなわち、接続ピンが配置される直線の方向と電源配線の延在方向との間の角度が、機能ブロック部190を90度回転させた際に、機能ブロック部190と各電源配線及び入出力電極部との間の接続関係が維持される範囲内で、45度からずれていてもよい。
【0167】
[I/Oセルの配置操作及び回転操作例]
次に、集積回路180の設計時において、上述のような構成の各I/Oセルをチップコア部181の形成領域の周囲に配置する際に行う操作を簡単に説明する。
【0168】
まず、図19に示す例において、チップコア部181の形成領域の上辺部の外側にI/Oセルを配置する場合には、図20(a)で説明した縦置き用の第1I/Oセル182を、そのまま回転させずに配置する。なお、図19には示さないが、チップコア部181の形成領域の下辺部の外側にI/Oセルを配置する場合には、第1I/Oセル182全体のパターンを、180度回転させて配置する。
【0169】
また、図19に示す例において、チップコア部181の形成領域の左辺部の外側にI/Oセルを配置する場合には、まず、縦置き用の第1I/Oセル182全体のパターンを左回り方向(反時計回り方向)に90度回転させて、左辺部の外側の所定位置に配置する。次いで、機能ブロック部190のパターン(セルデータ)のみを、第1I/Oセル182全体のパターンの回転方向と反対方向(時計回り方向)に90度回転させる。図19に示す例では、このような回転操作により第1I/Oセル182から第2I/Oセル183を作成して、該第2I/Oセル183をチップコア部181の形成領域の左辺部の外側に配置する。
【0170】
さらに、図19には示さないが、チップコア部181の形成領域の右辺部の外側にI/Oセルを配置する場合には、まず、縦置き用の第1I/Oセル182全体のパターンを左回り方向(反時計回り方向)に270度回転させて、右辺部の外側の所定位置に配置する。次いで、機能ブロック部190のパターンのみを、第1I/Oセル182全体のパターンの回転方向と反対方向(時計回り方向)に90度回転させる。図19に示す例では、このような回転操作により第1I/Oセル182から第2I/Oセル183を作成して、該第2I/Oセル183をチップコア部181の形成領域の右辺部の外側に配置する。なお、上述した第2I/Oセル183作成時の機能ブロック部190のパターン(セルデータ)の回転操作は、上記各種実施形態で説明したDUTの回転操作の手法と同様にして行うことができる。
【0171】
この例では、第1I/Oセル182の第1接続ピン190a〜第4接続ピン190dを、機能ブロック部190のパターン形成面内における回転中心Oを通り、かつ、VDD電源配線185の延在方向に対して45度傾いた直線L1上に配置する。それゆえ、上述した回転操作により生成され、チップコア部181の左辺部及び右辺部の外側に配置された第2I/Oセル183においても、回転操作前の接続ピンと各電源配線及び入出力電極部との間の接続関係が回転操作後も維持される(図19参照)。また、機能ブロック部190の回路内にMOSトランジスタが含まれる場合には、上述したI/Oセルの回転操作により第2I/Oセル183内のMOSトランジスタのゲート方向は、第1I/Oセル182のゲート方向と同じになる。
【0172】
[各種効果]
上述のように、この例においても、集積回路180の設計時にI/Oセルのレイアウト設計パターンを90度回転させる際には、機能ブロック部190のセルデータのみを配線部184に対して相対的に所定方向に90度回転させるだけでよい。それゆえ、上記各種実施形態で説明したテストストラクチャの設計技術を、I/Oセルを含む集積回路の設計に適用した場合には、集積回路の設計をより簡易にすることができる。また、この例の集積回路180の設計技術では、下記従来技術に対して、次のような各種効果も得られる。
【0173】
従来、集積回路の設計時には、縦置き用(チップコア部の上下辺部配置用)のI/Oセル及び横置き用(チップコア部の左右辺部配置用)のI/Oセルに対して、同じパターン(種類)のI/Oセルを共通して用いることが一般的である。ここで、いま、共通のI/OセルにMOSトランジスタが含まれ、かつ、共通のI/Oセルをチップコア部の上下辺部の外側に配置した際に機能ブロック部のパターン(ゲート)の方向が適正な方向に向くように設計されている場合を考える。
【0174】
この場合、I/Oセルをチップコア部の左右辺部の外側に配置する際には、チップコア部の上下辺部の外側に配置するI/Oセルのセルデータ全体を90度又は270度回転させる。しかしながら、この手法では、I/Oセル内のゲート方向が、縦方向及び横方向で混在することになり、集積回路内において、ゲート長のばらつきが増加する。
【0175】
それに対して、上記応用例の集積回路180では、I/OセルにMOSトランジスタが含まれていても、縦置き用のI/Oセル(第1I/Oセル182)及び横置き用のI/Oセル(第2I/Oセル183)のゲート方向を統一することができる。それゆえ、上記応用例では、I/Oセル内のゲート長のばらつきを低減することができ、上記従来技術の課題を解消することができる。
【0176】
また、従来、I/Oセルの設計及び配置手法として、縦置き用のI/Oセル及び横置き用のI/Oセル(ライブラリ)をそれぞれ別個に用意する手法もある。この手法では、縦置き用のI/Oセルのゲート方向を縦(又は横)方向に設定し、かつ、横置き用のI/Oセルのゲート方向を横(又は縦)方向に設定する。そして、縦置き用のI/Oセルをチップコア部の周辺領域の縦置き領域(例えば上下辺部の外側領域)に配置し、横置き用のI/Oセルをチップコア部の周辺領域の横置き領域(例えば左右辺部の外側領域)に配置する。この際、縦置き用のI/Oセル及び横置き用のI/Oセルの一方を90度回転させることにより、両方のI/Oセル間でゲート方向を縦(又は横)方向に揃えることができる。
【0177】
しかしながら、この手法では、I/Oセルのライブラリ(ラインナップ)を2種類用意する必要があり、ライブラリ作成の手間が増える。また、この手法では、I/Oセルの配置領域に応じて、その領域に適した専用のI/Oセルを使用する必要があり、レイアウトの自由度が減る。
【0178】
それに対して、上記応用例では、第1I/Oセル182を所定位置に配置した後、その配置領域(縦置き領域又は横置き領域)に応じて、適宜、機能ブロック部190のパターン(セルデータ)を所定方向に90度回転させる。それゆえ、この例では、縦置き専用のI/Oセル及び横置き専用のI/Oセルを個別に用意する必要がないので、ライブラリ作成の手間を少なくすることができるとともに、I/Oセルのレイアウト自由度も向上させることができる。
【0179】
さらに、従来、例えば特開2008−218751号公報には、複数の電源配線と形成領域が矩形状であるI/Oセルの内部配線とを接続する複数のコンタクトの位置を、電源配線の延在方向に対して斜め方向に配置する手法が開示されている。この文献では、この設計手法により、全てのI/Oセルの長辺方向を、チップコア部の外周辺に対して垂直な方向に揃える場合(通常配置)と、チップコア部の外周辺に平行な方向に揃える場合(90度回転配置)とで、I/Oセルを共用できるようにしている。
【0180】
しかしながら、上記文献の設計手法では、全てのI/Oセルにおいて、その長辺方向はチップコアの外周辺に対して垂直な方向又は平行な方向になる。すなわち、I/Oセルの配置形態(通常配置又は90度回転配置)に関係なく、チップコア部の左右辺部の外側に配置されるI/Oセルは、上下辺部の外側に配置されるI/Oセルに対して、I/Oセル全体が相対的に90度回転した状態で配置される。それゆえ、この場合もまた、上下辺部の外側に配置されたI/Oセルのゲート方向と、左右辺部の外側に配置されたI/Oセルのゲート方向とは互いに異なり、ゲート長のばらつきが増加する。
【0181】
それに対して、上記応用例では、上述のように、I/Oセルの配置領域に関係なく、ゲート方向を所定の方向に揃えることができるので、上記文献の課題を解消することができる。
【0182】
また、従来、例えば特開2011−91084号公報には、形成領域が矩形状である機能ブロック部を複数備えたI/Oセルをチップコア部の周囲に配置する手法が開示されている。そして、この文献の設計手法では、I/Oセルの配置領域に関係なく、各機能ブロック部のゲート方向を所定の方向に揃えて配置する。具体的には、チップコア部の左辺部の外側に配置されたI/Oセルを上辺部の外側に配置する際には、I/Oセル内の各機能ブロックを回転させることなく、チップコア部の上辺部の外側に配置する。
【0183】
しかしながら、上記文献では、電源配線と、I/Oセル内の各機能ブロックのコンタクトとの配置関係については議論されていない。また、上記文献の設計手法では、各機能ブロック部を繋ぐ配線パターン(内部配線)を、I/Oセルの配置領域に応じて変える必要があるので、設計に手間がかかる。
【0184】
それに対して、この例では、I/Oセルの配置領域に応じて、適宜、機能ブロック部のパターン(セルデータ)のみを、90度回転させるだけであり、内部配線を修正する必要がない。それゆえ、この例では、上記文献の課題も解消することができる。
【0185】
なお、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)
基板と、
複数の配線を有し、前記基板上に形成された配線部と、
前記基板上に形成され、被試験デバイス本体、並びに、該被試験デバイス本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該被試験デバイス本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されている被試験デバイス部と
を備えるテスト回路。
(2)
前記所定の角度が、45度である
(1)に記載のテスト回路。
(3)
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で前記回転中心位置に対して90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
(1)又は(2)に記載のテスト回路。
(4)
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されている
(1)又は(2)に記載のテスト回路。
(5)
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をY軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をX軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
(1)又は(2)に記載のテスト回路。
(6)
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をY軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をX軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されている
(1)又は(2)に記載のテスト回路。
(7)
前記配線部が、所定方向に延在して形成された第1配線と、該所定方向と直交する方向に延在して形成された第2配線とを有し、
前記被試験デバイス部が、前記被試験デバイス本体及び前記第1配線間を接続する第1接続電極と、前記被試験デバイス本体及び前記第2配線間を接続する第2接続電極とを有し、
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記第1配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記第2配線の延在方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記第1接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されており、前記第2接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
(1)又は(2)に記載のテスト回路。
(8)
前記被試験デバイス本体が、MOSトランジスタであり、前記被試験デバイス部が、該MOSトランジスタのゲート、ソース、ドレイン及びウエルにそれぞれ接続された4つの前記接続電極を有し、
前記配線部が、前記4つの接続電極にそれぞれ接続された4本の前記配線を有する
(1)〜(7)のいずれか一項に記載のテスト回路。
(9)
基板と、
複数の配線を有し、前記基板上に形成された配線部と、
前記基板上に形成され、デバイス素子本体、並びに、該デバイス素子本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該デバイス素子本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該デバイス素子本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されているデバイス素子部と
を備える集積回路。
(10)
前記デバイス素子部が、I/Oセルである
(9)に記載の集積回路。
複数の配線を有する配線部のレイアウトパターンを作成するステップと、
被試験デバイス本体、並びに、該被試験デバイス本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該被試験デバイス本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されている被試験デバイス部のレイアウトパターンを作成するステップと
を含むテスト回路のレイアウト方法。
(11)
複数の配線を有する配線部のレイアウトパターンを作成するステップと、
被試験デバイス本体、並びに、該被試験デバイス本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該被試験デバイス本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されている被試験デバイス部のレイアウトパターンを作成するステップと
を含むテスト回路のレイアウト方法。
【符号の説明】
【0186】
1…ウエル領域、1a…ウエル接続部、2…ソース領域、3…ドレイン領域、4…ゲート電極、5…ボディ配線膜、6…ソース配線膜、7…ドレイン配線膜、8…ゲート配線膜、9a〜9d…第1〜第4コンタクト電極、10…DUT、11…第1層間絶縁膜、12…第2層間絶縁膜、13a〜13d,190a〜190d…第1〜第4接続ピン、15…素子分離層、20,184…配線部、21〜24…第1〜第4DUT間配線、100…テストストラクチャ、180…集積回路、181…チップコア部、182…第1I/Oセル、183…第2I/Oセル、185…VDD電源配線、186…VSS電源配線、190…機能ブロック部、191…入力電極部、192…出力電極部、L1…直線(Y=−X)、M1,M2…メタル層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
複数の配線を有し、前記基板上に形成された配線部と、
前記基板上に形成され、被試験デバイス本体、並びに、該被試験デバイス本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該被試験デバイス本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されている被試験デバイス部と
を備えるテスト回路。
【請求項2】
前記所定の角度が、45度である
請求項1に記載のテスト回路。
【請求項3】
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で前記回転中心位置に対して90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
請求項2に記載のテスト回路。
【請求項4】
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されている
請求項2に記載のテスト回路。
【請求項5】
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をY軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をX軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
請求項2に記載のテスト回路。
【請求項6】
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記複数の配線の延在方向をY軸方向とし、かつ、前記複数の配線の延在方向と直交する方向をX軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記複数の接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されている
請求項2に記載のテスト回路。
【請求項7】
前記配線部が、所定方向に延在して形成された第1配線と、該所定方向と直交する方向に延在して形成された第2配線とを有し、
前記被試験デバイス部が、前記被試験デバイス本体及び前記第1配線間を接続する第1接続電極と、前記被試験デバイス本体及び前記第2配線間を接続する第2接続電極とを有し、
前記被試験デバイス本体のパターン形成面内における前記回転中心位置を原点とし、前記第1配線の延在方向をX軸方向とし、かつ、前記第2配線の延在方向をY軸方向としたときに、前記被試験デバイス本体及び前記複数の接続電極をパターン形成面内で90度回転させる前の状態において、前記第1接続電極が、Y=Xで表される直線上の位置に配置されており、前記第2接続電極が、Y=−Xで表される直線上の位置に配置されている
請求項2に記載のテスト回路。
【請求項8】
前記被試験デバイス本体が、MOSトランジスタであり、前記被試験デバイス部が、該MOSトランジスタのゲート、ソース、ドレイン及びウエルにそれぞれ接続された4つの前記接続電極を有し、
前記配線部が、前記4つの接続電極にそれぞれ接続された4本の前記配線を有する
請求項1に記載のテスト回路。
【請求項9】
基板と、
複数の配線を有し、前記基板上に形成された配線部と、
前記基板上に形成され、デバイス素子本体、並びに、該デバイス素子本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該デバイス素子本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該デバイス素子本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されているデバイス素子部と
を備える集積回路。
【請求項10】
前記デバイス素子部が、I/Oセルである
請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
複数の配線を有する配線部のレイアウトパターンを作成するステップと、
被試験デバイス本体、並びに、該被試験デバイス本体と前記複数の配線との間をそれぞれ接続する複数の接続電極を有し、該被試験デバイス本体のパターン形成面内における回転中心位置と該複数の接続電極のそれぞれとを結ぶ直線の延在方向が、前記配線の延在方向に対して所定の角度で傾いており、かつ、該被試験デバイス本体及び該複数の接続電極をパターン形成面内で該回転中心位置を中心にして前記配線部に対して相対的に90度回転させた際にも、該複数の接続電極及び前記複数の配線間の接続関係が維持されるような位置に該複数の接続電極が配置されている被試験デバイス部のレイアウトパターンを作成するステップと
を含むテスト回路のレイアウト方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−38380(P2013−38380A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−43216(P2012−43216)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】