テスト試料中のChlamydophilapneumoniaeの存在を決定するための、組成物、方法およびキット

【課題】テスト試料中のChlamydophila pneumoniaeの存在を決定するための、組成物、方法およびキットを提供すること。
【解決手段】本発明は、結膜検体または呼吸器検体などのテスト試料中にC.pneumoniaeが存在するかどうかを決定するのに有効であることを特徴とするオリゴヌクレオチドによるC.pneumoniaeに対して特異的で感受性のよいアッセイを求める臨床ニーズに対する解決策を提供する。オリゴヌクレオチドは有効な検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチド中に含まれ、これらはテスト試料中に存在するC.pneumoniae標的核酸を検出、固定および/または増幅するのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の説明)
本出願は、2005年6月6日に出願された米国特許仮出願第60/688,127号の利益を主張し、該仮出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、テスト試料中にChlamydophila pneumoniae(Chlamydia pneumoniaeとも呼ばれる)の存在を決定するのに有効な検出プローブ、捕捉プローブ、増幅オリゴヌクレオチド、核酸組成物、方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
Chlamydophila pneumoniaeは、偏性細胞内生物体であり、地域感染型肺炎(CAP)の一般的原因であることが判明している。肺炎および気管支炎は、C.pneumoniae感染と通常関係しているが、可能性のある他の疾患には咽頭炎、喉頭炎、静脈洞炎および耳炎がある。大抵の場合、肺炎は比較的軽症であるが、C.pneumoniaeは入院を必要とする重篤な疾患を生じることがある。合衆国単独で、1年に約5万人の肺炎関連の入院患者がおり、これはC.pneumoniae感染が原因になっている。ヒトはこの生物体の唯一知られた保有宿主であり、呼吸分泌物によりヒトからヒトへ伝染する。
【0004】
C.pneumoniae感染とアテローム性動脈硬化との間に疫学的関連性があることは、多数の研究で実証されている。C.pneumoniaeはアテローム性動脈硬化症において平滑筋細胞に感染する能力を有することは証明されているが、アテローム性動脈硬化の発症においてこの生物体が果たしている役割はまだ分からない。アルツハイマー病、ぜんそくおよび反応性関節炎との関連性も提唱されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、C.pneumoniae感染を検出する標準診断方法はなく、したがって、迅速に診断する手段は、簡単には入手できない。使われている診断技法には、血清学的抗体テスト、細胞培養、抗原検出およびPCRをベースとする核酸増幅アッセイがある。最も普通に使われる血清学的アッセイは、ミクロ免疫蛍光(MIF)テストであるが、該テストは適切な蛍光を評価するためにかなりの技能を必要とし、そのために十分標準化されておらず、大人よりも子供の血清診断の信頼性が低い。該生物体は扱いにくいところがあり、増殖させるのにかなりの時間がかかるために培養が困難である。抗原検出は感受性が低く、他のクラミジアとかなりの交差反応性を有することが証明された。C.pneumoniaeを検出するPCRシステムは、汚染、抑制剤、特異性およびアッセイの複雑さにかなり問題がある。その結果、大抵の肺炎診断は、経験的になされ、定められた処置は、一般に、肺炎連鎖球菌を標的とするBラクタム抗生物質である。大抵の肺炎はBラクタム抗生物質に対して反応するが、C.pneumoniaeのような変種の肺炎は反応せず、代わりにマクロライドによる処置を必要とする。その結果、経験的な診断は、不適切な抗生物質処置に導き、薬剤抵抗性および医療コストを高めるとともに疾患を悪化させることになる。したがって、C.pneumoniae感染を迅速に診断できる感受性のよい特異的なテストを求めるニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、結膜検体または呼吸器検体などのテスト試料中にC.pneumoniaeが存在するかどうかを決定するのに有効であることを特徴とするオリゴヌクレオチドによるC.pneumoniaeに対して特異的で感受性のよいアッセイを求める臨床ニーズに対する解決策を提供する。オリゴヌクレオチドは有効な検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチド中に含まれ、これらはテスト試料中に存在するC.pneumoniae標的核酸を検出、固定および/または増幅するのに有効である。
【0007】
1つの実施形態では検出プローブが提供され、これらのプローブはテスト試料中にC.pneumoniaeの存在を示す検出可能なプローブ:標的ハイブリッドを形成するためにC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸由来の核酸中に存在する標的領域に選択的にハイブリダイゼーションさせることができる。この実施形態の好ましい検出プローブには、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、下記配列番号からなる群から選択された標的領域内に含まれる標的配列に安定してハイブリダイゼーションする標的結合領域が含まれる。
【0008】
【化1】

好ましい検出プローブの標的結合領域の塩基配列は、下記配列番号からなる群から選択された参照配列(即ち、標的配列の正確な相補体)の連続した15個の塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含む。
【0009】
【化2】

本発明の検出プローブは、標的の核酸に選択的にハイブリダイゼーションするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でテスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸とは形成しない。特に、本発明の検出プローブは、標的の核酸に選択的にハイブリダイゼーションするが、C.pneumoniaeと近縁種であると考えられるChlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci(Chlamydia psittaciとも呼ばれる)由来の核酸とは形成しない。テストする場合、C.trachomatisおよびC.psittaciは、それぞれ、バージニア州ManassasのAmerican Type Culture Collectionから、例えば、ATCC番号VR−878およびVR−601として得ることができる。
【0010】
本発明による検出プローブは、C.pneumoniae由来の核酸について所望の選択性および特異性を達成するのに適切な長さの標的結合領域を有すればよい。標的結合領域の塩基配列は、長さが12、13、14または15塩基長と35塩基長との間にあるのが好ましく、長さが15塩基長と25塩基長との間にあるのがより好ましい。検出プローブの塩基配列は、長さが15、20、25、30、35、40、50または100塩基長以下であるのが好ましい。検出領域の標的結合領域は、参照配列を含むか、該配列と重なるか、本質的には該配列からなるか、該配列に実質的に対応するか、該配列からなるか、または該配列内に含まれる。検出プローブの塩基配列は、参照配列から本質的にはなるか、参照配列に実質的に対応するか、参照配列からなるか、または参照配列内に含まれるのがより好ましい。好ましい実施形態では、検出プローブは、標的領域に実質的に対応するか、該領域からなるか、または該領域内に含まれ、標的配列に対して十分ハイブリダイゼーションする。本明細書で使われている「十分ハイブリダイゼーションする」というフレーズは、言及されたプローブまたはオリゴヌクレオチドが、アッセイ条件(例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーションまたは増幅条件)下では、標的領域または配列の境界から離れているか、または該境界を越えて延在する標的核酸の領域に対して安定したハイブリダイゼーションをしないことを意味している。
【0011】
標的結合領域は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、DNAとRNAの組み合わせからなるか、または該領域は、全体または一部が、例えば、修飾骨格(例えば、ペプチド核酸)、修飾糖部分(例えば、2’−O−メチルリボース置換)、塩基類似体(例えば、イノシン)、またはプリンまたはピリミジン塩基の既知の誘導体(例えば、デアザまたはアザプリン類およびデアザまたはアザピリミジン類)を有する核酸類似体でもよい。検出プローブがテスト中のC.pneumoniae由来の核酸に選択的にかつ特異的に結合する能力を妨害しないならば、標的結合領域は、アデニン、シトシン、グアニン、チミンまたはウラシルに水素結合しない分子を、さらに、含んでもよい。このような分子の実施例には、塩基脱落ヌクレオチドおよび5−ニトロインドールなどの一般的な塩基類似体があるが、このような分子は二重鎖の安定性に大きな影響を及ぼさないという条件付きである。例えば、Guo et al.,の”Artificial Mismatch Hybridization”と題する米国特許第5,780,232号を参照のこと。該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0012】
本発明の検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下ではC.pneumoniae由来の核酸と安定した結合を作れない標的結合領域の塩基配列に加えて、1つまたはそれ以上の塩基配列を含んでもよい。追加の塩基配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下ではC.pneumoniae由来の核酸と安定した結合を作れないか、または標的の核酸とのプローブの安定なハイブリダイゼーションを防ぐ限りは、所望の塩基配列から構成されてもよい。一例として、追加の塩基配列は捕捉プローブの固定プローブ結合領域を構成し、該結合領域は例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、固体支持体に直接または間接に結合したポリヌクレオチドの5’ポリdT(チミン)領域にハイブリダイゼーションする3’ポリdA(アデニン)領域から構成される。追加の塩基配列も、RNAポリメラーゼにより認識されたか、またはRNAポリメラーゼ(例えば、T7プロモーター)により開始または伸長を促す5’配列としてもよい。第1の配列が、例えば、「分子指標」プローブなどの自己ハイブリダイゼーションするプローブ(即ち、アッセイの条件下で標的配列がない場合に互いにハイブリダイゼーションしうる異なる塩基領域を有するプローブ)内に組み込まれるならば、1つより多い追加の塩基配列が含まれてもよい。分子指標は、Tyagi et al.,の”Detectably Labeled Dual Conformation Oligonucleotide Probes,Assays and Kits”と題する米国特許第5,925,517号(その内容は引用により本明細書に組み込まれている)により開示され、少なくとも一部が互いに相補的である「ステム」または「アーム」と呼ばれる領域を有する2つの塩基配列により制約されているか、または該配列と重なっている標的結合領域を含む。分子指標に関するより詳細な説明は、「Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸の検出プローブ」と題するセクションで後に提示される。追加の塩基配列は、標的結合領域に直接連結されるか、または、例えば、非ヌクレオチドリンカー(例えば、ポリエチレングリコールまたは塩基脱落領域)により連結される。
【0013】
必ずしも必要ではないが、本発明の検出プローブは、少なくとも1つの検出可能な標識を含むのが好ましい。標識は、放射性アイソトープ、酵素、酵素補助因子、酵素基質、染料、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、燐光分子、電子化学発光分子、発色団、規定された条件下で標的核酸に安定してハイブリダイゼーションできない塩基配列領域、およびこれらの混合物を含むがこれらに限定されない適切な標識物質であればよい。1つの特に好ましい実施形態では、標識はアクリジニウムエステル(AE)、好ましくは4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)−フェニル−10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートフルオロスルホネート(以後、”標準AE”と呼ぶことにする)である。標識は、プローブペアの場合に役立つ相互作用をする標識群の一部(例えば、Morrison,の”Competitive Homogeneous Assay”と題する米国特許第5,928,862号を参照のこと、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている)または自己ハイブリダイゼーションするプローブ(例えば、Tyagi et al.,の米国特許第5,925,517号を参照のこと)でもよい。相互作用する標識群には、酵素/基質、酵素/補助因子、発光剤/消光剤、発光剤/付加体、染料ダイマーおよびフェルスターエネルギー移動ペアを含むがこれらに限定されない。フルオレセインおよびDABCYLなどの相互作用性発光剤/消光剤ペアは特に好ましい。
【0014】
本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下のプローブ用標的核酸と上述の検出プローブとの間で形成された二重鎖を含む組成物についても熟慮している。
【0015】
本発明の別の実施形態では、テスト試料中に存在するC.pneumoniae由来の標的の核酸を単離し、精製するための捕捉プローブが提示されている。この実施形態の好ましい捕捉プローブには、アッセイ条件下で、C.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸から得られる標的配列に安定してハイブリダイゼーションし、かつ下記配列番号からなる群から選択された標的領域内に含まれている標的結合領域が含まれる。
【0016】
【化3】

好ましい捕捉プローブの標的結合領域の塩基配列は、下記配列番号からなる群から選択された参照配列の連続15個の塩基領域の少なくとも12、13、14または15個を含む。
【0017】
【化4】

本発明による捕捉プローブは、長さが12、13、14または15塩基長から20、25、30、35または40塩基長までであることが好ましい標的結合領域を有する。捕捉プローブの標的結合領域は、参照配列の1つを含むか、本質的には該配列の1つからなるか、実質的に該配列の1つに対応するか、該配列の1つからなるか、または該配列の1つに含まれるのが好ましい。好ましい実施形態では、該捕捉プローブは、標的領域の1つに実質的に対応するか、該領域の1つからなるか、または該領域の1つ内に含まれる標的配列に十分ハイブリダイゼーションする。
【0018】
本発明の捕捉プローブは、アビジン−ビオチン結合などのリガンド−ライゲート結合ペアにより固体支持体上に固定することができるが、固定されたプローブ結合領域を含むのが好ましい。好ましい捕捉プローブの固定されたプローブ結合領域は、テスト試料中に存在する固体支持体に結合されるオリゴヌクレオチドに対してアッセイ条件下で安定してハイブリダイゼーションしうる塩基配列から構成される。固定されたプローブ結合領域は、捕捉プローブの3’端部に位置するポリdA、即ちホモポリマーテールであることが好ましい。この実施形態では、固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件下で捕捉プローブのポリdAテールに安定結合するのに十分な長さの5’ポリdTテールを含む。好ましい実施形態では、固定されたプローブ結合領域は長さが約30個のアデニンに対応するポリdAテールを含み、捕捉プローブは標的結合領域と固定プローブ結合領域とを一緒に連結する長さがチミン約3個に対応するスぺーサ領域を含む。
【0019】
本発明は、増幅アッセイにおいてC.pneumoniaeの存在を決定するのに有効な増幅オリゴヌクレオチドにも特徴がある。好ましい実施形態では、テスト試料中のC.pneumoniae由来の核酸を増幅するための少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドが提供され、ここで、少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドは、C.pneumoniaeの23リボソーム核酸から導かれ、下記配列番号からなる群から選択された第1の標的領域内に含まれる標的配列に、増幅条件下で安定結合する標的結合領域を有する第1増幅オリゴヌクレオチドである。
【0020】
【化5】

第1参照配列の標的結合領域の塩基配列は、下記配列番号からなる群から選択された第1参照配列(即ち、第1標的領域の標的配列の正確な相補体)の連続した15個の塩基の内の少なくとも12、13、14または15個の塩基を含むのが好ましい。
【0021】
【化6】

別の好ましい実施形態では、テスト試料中に存在するC.pneumoniae由来の核酸を増幅するための少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下で、C.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸から導かれる標的配列に安定結合し、かつ下記配列番号からなる群から選択された第2標的領域内に含まれている標的結合領域を有する第2増幅オリゴヌクレオチドである。
【0022】
【化7】

第2増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域の塩基配列は、下記配列番号からなる群から選択された参照配列(即ち、第2標的領域の標的配列の正確な相補体)の連続した15個の塩基の内の少なくとも12、13、14または15個の塩基を含むのが好ましい。
【0023】
【化8】

本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、長さが12、13、14または15塩基長から20、25、30、35または40塩基長までであることが好ましい標的結合領域を有する。増幅オリゴヌクレオチドの標的結合領域は、参照配列を含むか、該配列と重なるか、本質的には該配列からなるか、実質的に該配列に対応するか、該配列からなるか、または該配列内に含まれるのが好ましい。増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下で標的領域に実質的に対応するか、該領域からなり、または該領域内に含まれる標的配列に対して十分ハイブリダイゼーションするのがより好ましい。増幅オリゴヌクレオチドは、任意に、RNAポリメラーゼにより認識されたか、またはRNAポリメラーゼにより開始または伸長を促す5’配列を含む。配列番号97:aatttaatacgactcactatagggagaのT7プロモーター配列は好ましいが、他のプロモーター配列も使える。
【0024】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、少なくとも2つの増幅オリゴヌクレオチドのセットにおいて使用することができ、上に記載した第1および第2の増幅オリゴヌクレオチドの各々の実施形態を含むのが好ましい。一般に、増幅オリゴヌクレオチドのセットは、センスおよびアンチセンス増幅オリゴヌクレオチドの各々を少なくとも1つ含むが、複数の同じセンス増幅オリゴヌクレオチドを使用してもよい。増幅オリゴヌクレオチドのセットの少なくとも1つのメンバーは、転写をベースとする増幅操作において使用する場合、5’配列を含むのが好ましい。5’配列はRNAポリメラーゼにより認識されたか、またはRNAポリメラーゼ(例えば、T7プロモーター)により開始または伸長を促す。センスおよびアンチセンス増幅オリゴヌクレオチドの各々が、ポリメラーゼの存在下で伸長しうることは、本発明の必要条件ではない。例えば、Becker et al.,の”Single−Primer Nucleic Acid Amplification Methods”と題する米国特許出願公開第2006−0046265−A1号を参照のこと。なお、該特許の内容はこの引用により本明細書に組み込まれている。
【0025】
本発明は、さらに、上記増幅オリゴヌクレオチドと増幅オリゴヌクレオチドの標的核酸との間で増幅条件下で形成された安定な核酸二重鎖を含む組成物を熟慮している。
【0026】
本発明の別の実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットはテスト試料中のC.pneumoniaeの存在を決定するために提供され、ここで、該セットの各メンバーは、アッセイ条件下で、C.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸から得られ、下記配列番号からなる群から選択された標的配列(またはその相補体)に安定結合する標的結合領域を有する。
【0027】
【化9】

好ましい1つの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットは、検出プローブ、上記検出プローブの1つを含むのが好ましい。該検出プローブは、標的配列またはその相補体を選択的にハイブリダイゼーションするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でテスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸にはハイブリダイゼーションはしない。別の好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットは検出プローブを含み、該プローブは標的配列またはその相補体に選択的にハイブリダイゼーションするが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でテスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸および増幅条件下で標的配列のすべてまたは一部を増幅しうる増幅オリゴヌクレオチドのペアにはハイブリダイゼーションしない標的配列を含む。より好ましい実施形態では、検出プローブは上記検出プローブの1つであり、増幅オリゴヌクレオチドのペアは、上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つ、好ましくはペアを含む。特に好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドのセットの各メンバーは、アッセイ条件下で標的配列またはその相補体内に含まれる配列に安定かつ十分にハイブリダイゼーションする標的結合領域を含み、該セットの少なくとも1つのメンバーが標的配列またはその相補体に選択的にハイブリダイゼーションし、一方、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でテスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸にはハイブリダイゼーションしない。
【0028】
本発明は、さらに、C.pneumoniaeがテスト試料中に存在するかどうかを決定するための方法を特徴とする。特定の実施形態では、本発明は、C.pneumoniaeがテスト試料中に存在するかどうかを決定するための方法を提供し、このような方法は、(a)プローブがC.pneumoniae由来の標的核酸に選択的にハイブリダイゼーションすることを可能にする条件下で、C.pneumoniaeを検出するための上記検出プローブの1つとテスト試料とを接触させて、それにより検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する工程、次いで(b)テスト試料中のC.pneumoniaeの有無の指標としてハイブリッドがテスト試料中に存在するかどうかを決定する工程を含む。この方法は、さらに、テスト試料中に存在するC.pneumoniaeの量を推定する手段としてテスト試料中に存在するハイブリッドの量を定量する工程を含んでもよい。
【0029】
テスト試料中にC.pneumoniaeが存在するかどうかまたはテスト試料中に存在するC.pneumoniaeの量を決める方法は、さらに、所望であれば、標的配列および/または標的核酸を単離および精製するための上記捕捉プローブの1つおよび/またはC.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的領域を増幅するのに適切な上記増幅オリゴヌクレオチドの1つに対して検出プローブのハイブリダイゼーションを容易にするためにヘルパーオリゴヌクレオチドとテスト試料を接触させる工程を含んでもよい。
【0030】
本発明は、テスト試料中に存在するC.pneumoniae由来の核酸中に含まれる標的配列を増幅する方法についても熟慮している。ここで、該方法は、(a)テスト試料を上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つと接触させ、次いで(b)標的配列を増幅するのに十分な条件にテスト試料を曝露する工程を含む。好ましい増幅方法には、上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも2つからなるセットが含まれる。
【0031】
好ましい実施形態では、C.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的核酸配列を増幅する方法は、さらに、(a)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列またはその相補体に選択的にハイブリダイゼーションする検出プローブとテスト試料を接触させ、それにより検出する場合に安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成し、次いで(b)プローブ:標的ハイブリッドが、テスト試料中にC.pneumoniaeの有無の指標としてテスト試料中に存在するかどうかを決定する、工程を含む。検出プローブは、増幅オリゴヌクレオチドがテスト試料と接触する前、接触すると同時に、または接触後に、テスト試料と接触させられる。上記検出プローブは、これらの方法にとって好ましい。
【0032】
本発明は、C.pneumoniaeがテスト試料中に存在するかどうかを決定するキットについても熟慮している。これらのキットは、C.pneumoniae由来の標的配列に特異的な上記検出プローブの少なくとも1つを含み、テスト試料中のC.pneumoniaeの存在または量を決めるための書面による指示書を任意に含む。別の実施形態では、これらのキットは、さらに、標的配列への検出プローブのハイブリダイゼーションを助長するヘルパーオリゴヌクレオチドを含む。別の実施形態では、キットは標的配列またはその相補体を増幅するのに適切な上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つも含む。さらに別の実施形態では、キットはさらに標的配列またはその相補体を増幅または直接検出する前にテスト試料の他の成分から標的配列を分離する上記捕捉プローブを含む。さらに別の実施形態では、キットはさらに、少なくとも1つの上記検出プローブ、少なくとも1つの上記増幅オリゴヌクレオチド、少なくとも1つの上記捕捉プローブ、およびヘルパーオリゴヌクレオチドから構成された群の少なくとも2つのメンバーを含む。
【0033】
本発明は、C.pneumoniae由来の標的核酸中に存在する標的配列を増幅するキットについても熟慮しており、該キットは、上記増幅オリゴヌクレオチドの少なくとも1つおよびC.pneumoniae由来の核酸を増幅する書面による指示書を任意に含む。別の実施形態では、増幅キットは、さらに、標的配列を増幅する前にテスト試料の他の成分から標的核酸を分離する上記捕捉プローブの少なくとも1つを含む。
【0034】
当業者は、本発明の検出プローブは、増幅オリゴヌクレオチド、ヘルパーオリゴヌクレオチドまたは捕捉プローブとして使われ、本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、必要な特異性の程度によりヘルパーオリゴヌクレオチドまたは捕捉プローブとして使われることを認識するであろう。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
テスト試料中にChlamydophila pneumoniaeの存在を決定するのに使用するための検出プローブであって、該プローブは最長50塩基長であり、かつ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された標的領域内に含まれる標的配列と、検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する標的結合領域を含み、該プローブは、該条件下で、Chlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci由来の核酸とは、検出に関して安定なハイブリッドを形成しない、検出プローブ。
(項目2)
前記標的結合領域の塩基配列が、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列からなるか、または該塩基配列内に含まれかつ該塩基配列のうちの連続した15個の塩基のうちの少なくとも12個を含む、項目1に記載の検出プローブ。
(項目3)
前記プローブが、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列を含む、項目1に記載の検出プローブ。
(項目4)
前記プローブの塩基配列が、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列からなるか、または該塩基配列内に含まれかつ該塩基配列のうちの連続した15個の塩基のうちの少なくとも12個を含む、項目1に記載の検出プローブ。
(項目5)
前記プローブの塩基配列が、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列からなる、項目1に記載の検出プローブ。
(項目6)
前記プローブが検出可能な標識を含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の検出プローブ。
(項目7)
前記プローブが、前記条件下で、および前記標的配列がない場合に、自己ハイブリダイゼーションするプローブである、項目1〜3のいずれか1項に記載のプローブ。
(項目8)
前記プローブが相互作用性標識の対を含む、項目7に記載のプローブ。
(項目9)
前記標的結合領域が少なくとも1つの2’−O−メチルリボヌクレオチドを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載のプローブ。
(項目10)
前記条件が約60℃の温度および約0.6M〜約0.9Mの塩濃度を含む、項目1〜9のいずれか1項に記載のプローブ。
(項目11)
Chlamydophila pneumoniae由来の核酸に前記条件下でハイブリダイゼーションした項目1〜10のいずれか1項に記載のプローブを含む、組成物。
(項目12)
テスト試料中にChlamydophila pneumoniaeの存在を決定するための方法であって、該方法が
a)項目1〜10のいずれか1項に記載のプローブとテスト試料とを前記条件下で接触させる工程、および
b)該テスト試料中にChlamydophila pneumoniaeが存在するという指標として、前記プローブ:標的ハイブリッドが該テスト試料中に存在するかどうかを決定する工程、
を含む、方法。
(項目13)
Chlamydophila pneumoniae由来の核酸の標的領域を増幅する際に使用するためのオリゴヌクレオチドのセットであって、該オリゴヌクレオチドのセットが、
最長40塩基長であり、配列番号37、配列番号38、配列番号39および配列番号40からなる群から選択された第1標的領域に存在する少なくとも12個連続した塩基の領域に対して完全に相補性である少なくとも12個連続した塩基の領域を含む、標的結合領域を有する第1オリゴヌクレオチド、および
最長40塩基長であり、配列番号73、配列番号74、配列番号75および配列番号76からなる群から選択された第2標的領域に存在する少なくとも12個連続した塩基の領域に対して完全に相補性である少なくとも12個連続した塩基の領域を含む、標的結合領域を有する第2オリゴヌクレオチドを含み、
該第1オリゴヌクレオチドおよび該第2オリゴヌクレオチドが、増幅条件下で、それぞれ、該第1標的配列および第2標的配列に安定にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドのセット。
(項目14)
前記第1オリゴヌクレオチドの前記標的結合領域が、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71および配列番号72からなる群から選択された塩基配列のうちの少なくとも12個連続した塩基を有する塩基配列を含み、
前記第2オリゴヌクレオチドの前記標的結合領域が、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95および配列番号96からなる群から選択された塩基配列のうちの少なくとも12個連続した塩基を有する塩基配列を含む、項目13に記載のオリゴヌクレオチドのセット。
(項目15)
前記第1オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71および配列番号72からなる群から選択された塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなるか、あるいは該選択された塩基配列および該5’配列内に含まれ、
前記第2オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95および配列番号96からなる群から選択された塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなるか、あるいは該選択された塩基配列および該5’配列内に含まれる、項目13に記載のオリゴヌクレオチドのセット。
(項目16)
前記第1オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71および配列番号72からなる群から選択された塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなり、
前記第2オリゴヌクレオチドの塩基配列が、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95および配列番号96からなる群から選択された塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなる、項目13に記載のオリゴヌクレオチドのセット。
(項目17)
テスト試料中に存在するChlamydophila pneumoniae由来の核酸の標的領域を増幅するための方法であって、該方法が
a)項目13〜16のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドと該テスト試料とを接触させる工程、
b)該テスト試料を前記標的領域を増幅するのに十分な時間にわたって前記条件に曝露する工程、
を含む、方法。
(項目18)
c)前記テスト試料を検出プローブと接触させる工程であって、該プローブは、最長50塩基長であり、かつ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された標的領域内に含まれる標的配列と、検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する標的結合領域を含み、該プローブは、該ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、Chlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci由来の核酸とは、検出に関して安定なハイブリッドを形成せず、該プローブが、工程(a)の前、工程(a)と同時または工程(a)の後に該テスト試料に提供される、工程、および
d)前記テスト試料中にChlamydophila pneumoniaeが存在するという指標として、該プローブ:標的ハイブリッドが該テスト試料中に存在するかどうかを決定する工程、
をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記テスト試料をアッセイ条件下で捕捉プローブと接触させる工程をさらに含み、該捕捉プローブは、最長100塩基長であり、かつ、前記アッセイ条件下で、配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択された標的領域内に含まれた標的配列と安定なハイブリッドを形成する標的結合領域をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
c)前記テスト試料を検出プローブと接触させる工程であって、前記プローブは、最長50塩基長であり、かつ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された標的領域内に含まれた標的配列と、検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する標的結合領域を含み、該プローブは、該ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、Chlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci由来の核酸とは、検出に関して安定なハイブリッドを形成せず、該プローブが、工程(a)の前、工程(a)と同時または工程(a)の後に該テスト試料に提供される、工程、および
d)該テスト試料中にChlamydophila pneumoniaeが存在するという指標として、該プローブ:標的ハイブリッドが該テスト試料中に存在するかどうかを決定する工程、
をさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
テスト試料中のChlamydophila pneumoniaeの存在を決定する際に使用するためのキットであって、該キットは
最長50塩基長であり、かつ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された第1標的領域内に含まれた標的配列と、検出に関して安定なハイブリッドを形成する標的結合領域を含む検出プローブであって、該プローブは、該条件下でChlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci由来の核酸とは、検出に関して安定なハイブリッドを形成しない、検出プローブ、
最長40塩基長であり、かつ、配列番号37、配列番号38、配列番号39および配列番号40からなる群から選択された第2標的領域に存在する少なくとも12個連続した塩基の領域に対して完全に相補性である少なくとも12個連続した塩基の領域を含む標的結合領域を有する、第1オリゴヌクレオチド、および
最長40塩基長であり、かつ、配列番号73、配列番号74、配列番号75および配列番号76からなる群から選択された第3標的領域に存在する少なくとも12個連続した塩基の領域に対して完全に相補性である少なくとも12個連続した塩基の領域を含む標的結合領域を有する、第2オリゴヌクレオチド
を備え、ここで、該第1オリゴヌクレオチドおよび第2オリゴヌクレオチドが、増幅条件下で、それぞれ、該第2標的領域および該第3標的領域に対して安定してハイブリダイズゼーションする、キット。
(項目22)
最長100塩基長であり、かつ、前記アッセイ条件下で、配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択された第4標的領域内に含まれた標的配列と、安定なハイブリッドを形成する標的結合領域を含む捕捉プローブをさらに含む、項目21に記載のキット。
(項目23)
前記捕捉プローブの前記標的結合領域の塩基配列が、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35および配列番号36からなる群から選択された塩基配列からなるか、または該塩基配列内に含まれかつ該塩基配列のうちの連続した15個の塩基のうちの少なくとも12個を含む、項目22に記載のキット。
(項目24)
前記捕捉プローブの前記標的結合領域の塩基配列が配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35および配列番号36からなる群から選択された塩基配列を含む、項目22に記載のキット。
(項目25)
前記捕捉プローブの塩基配列が、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35および配列番号36からなる群から選択された塩基配列、ならびに前記アッセイ条件下で、Chlamydophila pneumoniae、Chlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaci由来の核酸と安定なハイブリッドを形成しない塩基配列を有する固定プローブ結合領域からなる、項目21に記載のキット。
【0035】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の好ましい実施形態に関する次の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(好ましい実施形態の説明)
本発明は、オリゴヌクレオチドを、テスト試料中のC.pneumoniaeの有無を決定する場合に特に有効であるC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸由来の核酸の標的にすることに特徴がある。オリゴヌクレオチドは、検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドのような機能化によるなどの種々の方法でC.pneumoniaeの検出を助長することができる。本発明の検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、C.pneumoniae由来の標的核酸中に存在する標的核酸配列に選択的にハイブリダイゼーションし検出可能な二重鎖を形成することができる。該二重鎖はテスト試料中にC.pneumoniaeが存在することを示している。本発明のプローブは、C.pneumoniaeとその最も近接した系統発生学的隣接物(C.trachomatisおよびC.psittaci)とを区別できると考えられている。本発明の捕捉プローブは、アッセイ条件下でC.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的核酸配列にハイブリダイゼーションすることができ、臨床検体の他の成分から標的核酸を分離するのに使用することができる。本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下でC.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的核酸配列にハイブリダイゼーションすることができ、例えば、C.pneumoniae由来の核酸の複数のコピーを作り出すために増幅反応のプライマーとして使用することができる。プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドは、テスト試料中のC.pneumoniaeの検出および/または定量のためのアッセイにおいて使用することができる。
【0037】
(A.定義)
次の用語は、別の意味を有すると特に明記しない限り、本明細書では指定された意味を有する。
【0038】
「試料」または「テスト試料」は、標的生物体または標的生物体由来の核酸を含む可能性があると思われる物質を意味する。この物質は、例えば、呼吸器検体、検体を含む緩衝媒体、検体および標的生物体に属する核酸を放出する溶解剤を含む媒体、または標的生物体由来の核酸を含む媒体などの未処理臨床検体でよい。なお、該標的生物体は、反応容器中または反応物質または装置上で単離および/または精製されたものである。特許請求の範囲において、用語「試料」および「テスト試料」は、その未加工の形態の検体または検体中の標的生物体由来の核酸を放出、単離および精製する段階を指している。したがって、利用クレームの方法内では、「試料」または「テスト試料」の各引例は、標的生物体由来の核酸または種々の処理段階にある生物体を含む可能性のある物質を指しており、特許請求の範囲の物質の初期形態に限定されない。
【0039】
「標的核酸」または「標的」は、標的核酸配列を含む核酸を意味している。
【0040】
「標的核酸配列」、「標的配列」または「標的領域」は、単一鎖核酸分子のヌクレオチド配列のすべてまたは一部を含む特定のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列を意味している。
【0041】
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、一緒に連結した2つまたはそれ以上のヌクレオシドサブユニットまたはヌクレオベースサブユニットから構成されたポリマーを意味している。オリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAおよびそれらの類似体でよい。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボースおよび、例えば、2−O−メチルリボースおよび2’ハライド置換(例えば、2’−F)を含むこれらの類似体でよい。(2’置換を有するヌクレオシドサブユニットを含み、検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドとして有効であるオリゴヌクレオチドは、Becker et al.,の”Method for Amplifying Target Nucleic Acids Using Modified Primers”と題する米国特許第6,130,038号により開示されている。)ヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合、修飾リンケージなどのリンケージにより、またはオリゴヌクレオチドのその相補体の標的核酸配列へのハイブリダイゼーションを防止しない非ヌクレオチド部分により連結される。修飾リンケージには、標準ホスホジエステル結合が、ホスホロチオエート結合またはメチルホスホネート結合などの異種リンケージにより置換されるリンケージが含まれる。ヌクレオベースサブユニットは、例えば、DNAの天然のデオキシリボースホスフェート骨格を2−アミノエチルグリシン骨格などの擬似ペプチド骨格で置換して連結してもよい。なお、2−アミノエチルグリシン骨格は中央二次アミンへのカルボキシメチルリンカーによりヌクレオベースサブユニットを連結する。(擬似ペプチド骨格を有するDNA類似体は、「ペプチド核酸」または「PNA」と呼ばれ、Nielsen et al.,の”Peptide Nucleic Acids”と題する米国特許第5,539,082号により開示されている。)窒素含有塩基は通常の塩基類(A、G、C、T、U)、これらの周知の類似体(例えば、イノシンまたは”I”)(Roger L.P.Adams et al.,The Biochemistry of the Nucleic Acids(第11版、1992)を参照のこと)、プリンまたはピリミジン塩基類の周知の誘導体(例えば、N−メチルデオキシグアノシン)、デアザ−またはアザ−プリン類およびデアザ−またはアザ−ピリミジン類、5または6の位置に置換基を有するピリミジン塩基類、2、6または8の位置に変化したか、または代わりの置換基を有するプリン塩基類、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン類、4−アミノ−ピリミジン類、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン類、およびO−アルキルピリミジン類(CooK et al.,米国特許第5,623,065号を参照のこと)および「塩基脱落」残基でよい。ここで、骨格はポリマーの1つまたはそれ以上の残基に対する窒素含有塩基を含まない(Arnold et al.,米国特許第5,585,481号を参照のこと)。本明細書で規定されたストリンジェントなハイブリダイゼーション条件、増幅条件またはアッセイ条件下で、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイゼーションすることができるならば、本発明では核酸類似体が熟慮される。検出プローブの場合、修飾オリゴヌクレオチドはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的核酸に選択的にハイブリダイゼーションすることもできねばならない。
【0042】
規定された配列のオリゴヌクレオチドは、化学または生化学合成、および組み換え核酸分子、例えば、細菌またはレトロウイルスベクターからのインビトロまたはインビボ発現によるなどの当該技術分野の熟練者に周知のの技法により産生することができる。この開示の目的どおり、オリゴヌクレオチドは野生型染色体DNAまたはこれらのインビボ転写産物から構成されていない。オリゴヌクレオチドの1つの用途は、検出プローブである。オリゴヌクレオチドは捕捉プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドとしても使える。
【0043】
「検出プローブ」または「プローブ」は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で検出する場合に安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成するその標的核酸配列に対して十分相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む構造体を意味している。当業者により認識されるように、オリゴヌクレオチドは、ヒトが介入しないと自然界には存在しない形をした単離された分子またはそれらの類似体(例えば、単離されたか、またはある程度精製された異質の核酸と再結合した)である。本発明のプローブは、このようなヌクレオシドまたはヌクレオベースがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションを防止せず、検出プローブの場合は標的核酸への選択的なハイブリダイゼーションを防止しない限り、標的領域外のヌクレオチドに対して相補的な追加のヌクレオシドまたはヌクレオベースを有してもよい。非相補性配列は、標的捕捉配列(一般に、ポリ−A、ポリ−Tまたはポリ−Uテールなどのホモポリマートラクト)、プロモーター配列、RNA転写の結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、または触媒活性部位または検出および/または増幅を容易にするのに使用することができるヘアピン酵素などの所望の二次または三次構造を与える配列なども含まれる。規定された配列のプローブは、化学合成、および組み換え核酸分子からのインビトロまたはインビボ発現などの当業者に周知の技法により産生される。
【0044】
「安定な」または「検出に安定な」は、反応混合物の温度が核酸二重鎖の融解温度より少なくとも2℃低いことを意味している。反応混合物の温度は、核酸二重鎖の融解温度より少なくとも5℃低いのがより好ましく、反応混合物の融解温度が少なくとも10℃低いのがより一層好ましい。
【0045】
「実質的に対応している」または「実質的に対応する」は、対象オリゴヌクレオチドが、参照塩基配列(RNAおよびDNA等価物を除いて)中に存在する少なくとも10個連続した塩基領域に対して、少なくとも80%相同、好ましくは90%相同、および最も好ましくは100%相同である、少なくとも10個連続した塩基領域を含む塩基配列を有することを意味している。(受け入れ難いレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを防止しつつ、種々の相同パーセンテージにおけるハイブリダイゼーションアッセイ条件が標的配列にオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にするようになされた修飾を当業者は容易に認識するであろう。)類似性の度合いは、2つの配列を構成するヌクレオベースの順番を比較して決められ、構造上の差が相補性塩基と水素結合を形成することを防止しなければ、これら2つの配列の間に存在する他の構造上の差を考慮しない。2つの配列の間の相同性の度合いは、比較される少なくとも10個連続した塩基の各セットに存在する塩基不一致の数により表すこともできる。なお、塩基不一致の数は0〜2個の範囲にある。
【0046】
「実質的に相補性」は、対象オリゴヌクレオチドが、参照塩基配列(RNAおよびDNA等価物を除いて)中に存在する少なくとも10個連続した塩基領域に対して、少なくとも80%相補性、好ましくは90%相補性、および最も好ましくは100%相補性である、少なくとも10個連続した塩基領域を含む塩基配列を有する。(受け入れ難いレベルの非特異的ハイブリダイゼーションを防止しつつ、種々の相補性率におけるハイブリダイゼーションアッセイ条件が標的配列にオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にするようになされた修飾を当業者は容易に認識するであろう。)相補性の度合いは、2つの配列を構成するヌクレオベースの順番を比較して決められ、構造上の差が相補性塩基と水素結合を形成することを防止しなければ、これら2つの配列の間に存在する他の構造上の差を考慮しない。2つの配列の間の相補性の度合いは、比較される少なくとも10個連続した塩基の各セットに存在する塩基不一致の数により表すこともできる。なお、塩基不一致の数は0〜2個の範囲にある。
【0047】
「RNAおよびDNA等価物」は、同じ相補性塩基ペアのハイブリダイゼーション特性を有するRNAおよびDNA分子を意味している。RNAおよびDNA等価物が糖部分に違いがあり(即ち、リボース対デオキシリボース)、RNAにはウラシルが、DNAにはチミンが存在する違いがある。RNAとDNA等価物との間の差は、これらの等価物が特定の配列に対して同程度の相補性を有するので、相同性の差には寄与しない。
【0048】
「ハイブリダイゼーション」または「ハイブリダイゼーションする」は、2つの完全にまたは一部が相補性の核酸ストランドが、平行または好ましくは逆平行配向にある特定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で一緒になり二重鎖領域を有する安定な構造を形成する。この二重鎖構造を構成する2つのストランドは、ハイブリッドと呼ばれることがあり、水素結合により一緒に保持される。これらの水素結合は、大抵、単一核酸ストランド上で塩基であるアデニンおよびチミンまたはウラシル(AおよびTまたはU)またはシトシンおよびグアニン(CおよびG)を含むヌクレオチド間で形成し、塩基ペアはこれらの「基準」ペアのメンバーではない塩基間でも形成することができる。(例えば、Roger L.P.Adams et al.,The Biochemistry of the Nucleic Acids(第11版、1992)を参照のこと。)
「選択的にハイブリダイゼーションする」は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、検出プローブがこれらの標的核酸にハイブリダイゼーションして、興味深い少なくとも1つの生物体の存在を示している安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成することができ、標的でない生物体、特に系統発生学的に密接な関係のある生物体の存在を示すために十分な数の安定なプローブ:標的ハイブリッドは形成されないことを意味している。したがって、プローブは、非標的核酸に対するよりも標的核酸に十分大きくハイブリダイゼーションし、当該技術分野で普通の技能を有する者が、必要に応じて、C.pneumoniae由来の核酸の有無を正確に検出できるようにし、その存在とテスト試料中の系統発生学的に密接な関係のある生物体の存在とを区別できるようにする。一般に、オリゴヌクレオチド配列とその標的配列との間の相補性の度合いを下げると、オリゴヌクレオチドのその標的領域へのハイブリダイゼーションの度合いまたは速度を下げることになる。しかし、1つまたはそれ以上の非相補性ヌクレオシドまたはヌクレオベースを含めると、オリゴヌクレオチドが非標的生物体を区別する能力を高めてもよい。
【0049】
選択的ハイブリダイゼーションは、当該技術分野で周知、かつ本明細書でも後に実施例などで説明する技法を用いて測定することができる。標的のシグナルとテスト試料中の非標的ハイブリダイゼーションシグナルとの間の差は少なくとも10倍あるのが好ましく、少なくとも100倍の差がより好ましく、少なくとも1000倍の差が最も好ましい。テスト試料中の非標的ハイブリダイゼーションシグナルは、せいぜいバックグラウンドシグナルのレベルに過ぎない。
【0050】
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「厳しい条件」は、検出プローブが標的核酸(C.pneumoniae由来のrRNAまたはrDNAが好ましい)に選択的にハイブリダイゼーションすることができることを可能にし、密接な関係にある非標的微生物由来の核酸とは形成させない条件を意味している。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、GC含有量およびプローブの長さ、プローブ配列とテスト試料中に存在するとしてもよい非標的配列の配列との間の類似の度合い、および標的配列を含む因子により変動する可能性がある。ハイブリダイゼーション条件には、ハイブリダイゼーション試薬または溶液の温度および組成がある。本発明のプローブを用いてC.pneumoniae由来の標的核酸を検出する好ましいハイブリダイゼーションアッセイ条件は、塩濃度が約0.6−0.9Mの範囲にある場合、約60℃の温度に対応する。特定のハイブリダイゼーションアッセイ条件は、後で実施例のセクションおよび”Detection Probes to Chlamydophila pneumoniae Ribosomal Nucleic Acid”と題するセクションに記載されている。他の容認できるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者により容易に確認することができるであろう。
【0051】
「アッセイ条件」は、標的核酸へのオリゴヌクレオチドの安定なハイブリダイゼーションを可能にする条件を意味している。アッセイ条件は、オリゴヌクレオチドの標的核酸への選択的なハイブリダイゼーションを必要としない。
【0052】
「本質的に…からなる」または「本質的に…からなっている」は、本明細書でオリゴヌクレオチドに関連して使われる場合、該オリゴヌクレオチドが特定の塩基配列に実質的に相同な塩基配列を有し、4つまでの追加の塩基および/またはこれらから欠失した2つの塩基を有する可能性があることを意味している。したがって、これらのフレーズは、配列長さと配列変動の両方の限定を含む。追加または欠失は、オリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で非標的核酸よりもその標的核酸に選択的にハイブリダイゼーションすることができるようなその特許保護を求めている特性を有することを防止しない特定の塩基配列の非物質的変動である。オリゴヌクレオチドは、追加または欠失なしに特定の核酸配列に実質的に類似した塩基配列を含む可能性がある。しかし、本質的には特定の塩基配列からなっている(または本質的には該塩基配列からなる)オリゴヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーは、他の核酸分子を含む可能性があり、該核酸分子は標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションに参加せず、このようなハイブリダイゼーションに影響を及ぼさない。
【0053】
「核酸二重鎖」、「二重鎖」、「核酸ハイブリッド」または「ハイブリッド」は、水素結合した二重鎖の領域を含む安定な核酸構造体を意味している。このようなハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNAおよびDNA:DNAの二重鎖分子およびこれらの類似体を含む。この構造体は、プローブ関連標識を必要としない手段を含む周知の手段により検出するのに十分安定である。例えば、検出方法は、光学活性であり、その表面における質量の変化に敏感なプローブ被覆基板を含む。質量変化は、光に応じて光学活性基板の種々の反射および透過特性を生じ、固定標的核酸の有無または量を指示するのに役立つ。(この典型的な光学検出形式は、Nygren et al.,の”Devices and Methods for Optical Detection of Nucleic Acid Hybridization”と題する米国特許第6,060,237号により開示されている。)標識付きプローブの使用を必要としない核酸二重鎖の形成を検出する他の手段には、臭化エチジウムなどの挿入剤を含む結合剤の使用がある。例えば、Higuchiの”Homogeneous Methods for Nucleic Amplification and Detection”と題する米国特許第5,994,056号を参照のこと。
【0054】
「増幅オリゴヌクレオチド」または「プライマー」は、標的核酸にハイブリダイゼーションし、核酸合成を開始するプライマーおよび/またはプロモーターの鋳型(例えば、機能性プロモーター配列を形成する相補性ストランドを合成するための)として作用しうるオリゴヌクレオチドを意味している。増幅オリゴヌクレオチドがRNA合成を開始するようにデザインされるならば、プライマーは標的配列に非相補性であるが、T7、T3、またはSP6 RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼにより認識される塩基配列を含んでもよい。増幅オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長の速度または量を防止するか、または低下させるように修飾される3’末端を含んでもよい。(例えば、修飾またはブロックされた3’−末端を有するプライマーおよびプロモーター−プライマーを開示している、McDonough et al.,の”Method of Amplifying Nucleic Acids Using Promoter−Containing Primer Sequences”と題する米国特許第5,766,849号を参照のこと。)本発明の増幅オリゴヌクレオチドは化学的に合成してもまたはベクターから導いてもよいが、これらは天然に存在する核酸分子ではない。
【0055】
「核酸増幅」または「標的増幅」は、少なくとも1つの標的核酸配列を有する核酸分子数の増加を意味している。本発明による標的増幅は、直線的または指数関数的であるが、指数関数的増幅が好ましい。
【0056】
「増幅条件」は核酸増幅を可能にする条件を意味している。許容できる増幅条件は、当該技術分野において普通の技能を有する者ならば、用いた特定の増幅方法により日常の実験以上の訓練を行わずに容易に確かめることができるであろう。
【0057】
「アンチセンス」、「反対のセンス」または「負のセンス」は、核酸分子が、参照、またはセンス、核酸の各分子に対して完全に相補性であることを意味している。
【0058】
「センス」、「同じセンス」または「正のセンス」は、参照核酸分子に対して完全に相同性であることを意味している。
【0059】
「アンプリコン」または「増幅産物」は、核酸増幅反応において作られ、標的核酸から得られる核酸分子を意味している。アンプリコンまたは増幅産物は、標的核酸と同じか反対のセンスであってよい標的核酸配列を含む。
【0060】
「導かれる」は、言及した核酸が生物体から直接得られるか、または核酸増幅の産物であることを意味している。したがって、生物体から「導かれる」核酸は、例えば、天然の生物体には存在しないアンチセンスRNAであってよい。
【0061】
「捕捉プローブ」は、標的核酸(好ましくは検出プローブにより標的にされたもの以外の領域において)および直接または間接に固体支持体に結合することができ、それによりテスト試料中の標的核酸分子を固定し、単離する手段を提供するオリゴヌクレオチドを意味している。捕捉プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーションする標的結合領域を含む。捕捉プローブは、固体支持体上に捕捉プローブを固定するためにリガンドとライゲートとの結合ペア(例えば、アビジンとビオチンとのリンケージ)のメンバーを含むが、好ましい捕捉プローブは固体支持体に結合した固定プローブにハイブリダイゼーションする固定プローブ結合領域を含む。捕捉プローブは、ストリンジェントな条件下で標的核酸と固定プローブの両方にハイブリダイゼーションするのが好ましいが、標的領域および捕捉プローブの固定プローブ結合領域は、種々のハイブリダイゼーション条件下でこれらの標的配列に結合するようにデザインしてよい。このようにして、捕捉プローブはデザインしてよいので、捕捉プローブはまずこれらの条件が固定プローブへの固定プローブ結合領域のハイブリダイゼーションを可能にするように調整する前に溶液動力学においてより都合のよい条件下で標的核酸にハイブリダイゼーションする。標的結合および固定プローブの両結合領域は、同じオリゴヌクレオチド内に直接互いに隣接して含まれても、または1つまたはそれ以上の任意に修飾されたヌクレオチドにより分離されてもよく、またはこれらの領域は非ヌクレオチドリンカーにより互いに連結されてもよい。
【0062】
「標的結合領域」は、オリゴヌクレオチドのその部分が標的核酸、標的配列またはアッセイ条件下の標的配列の相補体のDNAまたはRNA等価物の中に存在する標的配列に安定結合することを意味している。アッセイ条件は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件でよい。
【0063】
「固定プローブ結合領域」はオリゴヌクレオチドのその部分がアッセイ条件下で固定プローブにハイブリダイゼーションすることを意味している。
【0064】
特許請求の範囲の「ホモポリマーテール」は、少なくとも10個の同一塩基(例えば、10個の連続したアデニンまたはチミン)からなる連続塩基配列を意味している。
【0065】
「固定プローブ」は、捕捉プローブを固定支持体に連結するオリゴヌクレオチドを意味している。固定プローブは、直接または間接に、リンケージまたは相互作用により固体支持体に連結し、固体支持体は、捕捉プローブを標的核酸および固定プローブにハイブリダイゼーションに用いた条件下で、これらの条件が同じか異なっていても、安定した状態に留まっている。固定プローブは、試料中の非結合物質から結合標的核酸の分離を容易にする。
【0066】
「単離する」または「単離している」は、テスト試料中に存在する標的核酸の少なくとも一部が反応容器内または反応装置または固体担体(例えば、試験管、キュベット、マイクロタイタプレートウエル、ニトロセルロースフィルター、スライドまたはピペットチップ)上で、固定または遊離できる様式で濃縮するので、標的核酸は、容器、装置または担体から標的核酸を多量に失うことなく精製できることを意味している。
【0067】
「精製する」または「精製している」は、試料の1つまたはそれ以上の他の成分からテスト試料の1つまたはそれ以上の成分を除去することを意味している。精製する試料成分は、一般的には、水溶液相にウイルス、核酸または特に標的核酸を含み、該水溶液相は、たんぱく質、炭水化物、脂質、非標的核酸および/または標識付きプローブなどの望ましくない物質を含む。精製工程は、試料中に存在する望ましくない成分の、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、より一層好ましくは95%を除去する。
【0068】
「系統発生学的に密接な関係にある」は、生物体が進化的な意味において互いに密接な関係にあり、したがって、より離れた関係にある生物体よりもより高いトータルの核酸配列相同性を有すると期待されることを意味している。系統発生学的ツリー上の隣接位置および隣接位置の次を占めている生物体は密接に関係している。系統発生学的ツリー上の隣接位置または隣接位置の次より離れた位置を占めている生物体は、これらが全体としてかなりの核酸配列相同性を有するならば、なおも密接に関係しているであろう。
【0069】
(B.ハイブリダイゼーション条件およびプローブデザイン)
最も重要なのがハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション溶液の塩濃度である、ハイブリダイゼーション反応条件は、検出プローブまたは場合によっては本発明の増幅オリゴヌクレオチドが、テスト試料中に存在していると思われる他の非標的核酸にではなく、C.pneumoniae由来の標的核酸に選択的にハイブリダイゼーションするように選択することができる。塩濃度が低下するか、および/または温度が上がると(条件が厳しさを増すと)、二重鎖ハイブリッド分子中のペアを形成したヌクレオベース間の水素結合が混乱し、核酸ハイブリダイゼーションの程度が低下する。このプロセスは「融解」と呼ばれている。
【0070】
一般的に言えば、最も安定なハイブリッドは、連続した、完璧に一致した(即ち、水素結合した)最大数のヌクレオチド塩基ペアを有するハイブリッドである。このようなハイブリッドは、ハイブリダイゼーション条件が厳しさを増す時に、通常、最後に融解することが見込まれる。しかし、1つまたはそれ以上の一致しない、「非標準的な」、または不完全な塩基ペア(核酸のヌクレオチド配列におけるその位置においてより弱いか実在しない塩基ペアを生じる)を含む二重鎖核酸領域は、なおも、比較的厳しい条件下で十分安定であり、テスト試料中に存在してもよい他の非選択的核酸と交差反応なしに形成され、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて検出することができる。
【0071】
したがって、一方では、標的核酸のヌクレオチド配列と系統発生学的に明らかに密接に関係した生物体に属する非標的核酸のヌクレオチド配列との間の類似性の度合いにより、他方では、特定の検出プローブまたは増幅オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列と標的および非標的の両核酸のヌクレオチド配列との間の相補性の度合いにより、1つまたはそれ以上の不一致は、非標的核酸にではなく、標的核酸にハイブリダイゼーションするプローブまたは増幅オリゴヌクレオチドに含まれるオリゴヌクレオチドの能力を必ずしも無にしないであろう。
【0072】
本発明の検出プローブは、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度(任意の反応混合物中の二重鎖の可能性がある分子の半分が単一鎖の変性状態にある温度として規定された、T)およびプローブとテスト試料中に存在すると見込まれた系統発生学的に最も密接な関係のある生物体のリボソームRNA(rRNA)またはリボソームDNA(rDNA)との間で形成された不一致ハイブリッドのTとの間の差を最大にするように選ばれ、選定され、および/またはデザインされるが検出されるように求めることはない。標識の付いていない増幅オリゴヌクレオチドおよび捕捉プローブは、本発明で有効な検出プローブのような極度に高度の特異性を持つ必要はないが、特定の増幅、アッセイまたはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、他の核酸よりも1つまたはそれ以上の標的核酸を選択的にハイブリダイゼーションするために類似の様式でデザインされる。
【0073】
rRNA分子内では、二次構造(一部は分子内水素構造により生じた)と機能との間に密接な関係がある。この事実が、保持されるべき二次構造を生じる一次ヌクレオチド配列における進化的変化に対して制限を課する。例えば、二重らせんの1つの「ストランド」において塩基が変化するならば(分子内水素結合により、両方の「ストランド」が同じrRNA分子の一部である)、相補性(これは共分散と呼ばれる)、したがって、必要な二次構造を保つために他の「ストランド」の一次配列において、補償置換が通常起きる。これによりに2つの非常に異なるrRNA配列が保存一次配列および保存二次構造エレメントの両方に基づいて整列することが可能になる。本明細書で説明した検出プローブの潜在的標的配列が、整列配列の相同性の変化に気づくことにより識別された。
【0074】
可変領域の各々における配列進化は、大抵が不一致である。この違いのために、C.pneumoniaeのより離れた系統発生学的な類縁体の対応するrRNA可変領域は、系統発生学的により密接な類縁体よりもC.pneumoniaeのrRNAからより大きな差を示す。C.pneumoniaeと他の生物体との間の十分な変化は、好ましい標的部位を識別し、テスト試料、特に、C.pneumoniaeに対して近縁種であるC.psittaciにおいて非C.pneumoniae生物体とC.pneumoniaeを区別する場合に有効な検出プローブをデザインするために観察された。
【0075】
推定上ユニークな潜在的標的配列を単に識別しても、機能上種に特異的な検出プローブを作りその配列を含むC.pneumoniaeのrRNAまたはrDNAにハイブリダイゼーションできることを保証できない。他の種々の因子が、属に特異的なまたは種に特異的なプローブの標的部位として核酸遺伝子座の適合性を決定することになる。本明細書で説明したものなどのハイブリダイゼーション反応の程度と特異性とは因子の数による影響を受けるので、1つまたはそれ以上のこれらの因子は、その標的に対して完璧に相補性であろうとなかろうと、特定のオリゴヌクレオチドの正確な感受性および特異性を決定することになる。種々のアッセイ条件の重要性および効果は、当業者には周知であり、Hogan et al.,の”Nucleic Acid Probes for Detection and/or Quantitation of Non−Viral Organisms”と題する米国特許第5,840,488号、Hogan et al.,の”Nucleic Acid Probes to Mycobacterium gordonae”と題する米国特許第5,216,143号、およびKohneの”Method for Detection,Identification and Quantitation of Non−Viral Organisms”と題する米国特許第4,851,330号により開示されている。これらの文献の各々の内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0076】
ハイブリダイゼーションの所望の温度およびハイブリダイゼーション溶液組成物(塩濃度、洗剤、および他の溶質)も、二重鎖ハイブリッドの安定性に大きな影響を及ぼすことがある。プローブ:標的ハイブリダイゼーションが可能になるイオン強度および温度などの条件は、属に特異的または種に特異的なプローブを作る場合に考慮しなければならない。ハイブリッド核酸の熱安定性は、一般に、反応混合物のイオン強度とともに高まる。一方、ホルムアミド、尿素、ジメチルスルホキサイドおよびアルコール類などの水素結合を乱す化学試薬は、ハイブリッドの熱安定性を大いに低下させることができる。
【0077】
プローブの標的に対するその特異性を最高にするために、本発明の対象プローブは、非常に厳しい条件下でこれらの標的にハイブリッドを形成するようにデザインした。このような条件下では、高度の相補性を有する単一核酸ストランドのみが互いにハイブリッドを形成することになる。このような高度の相補性のない単一核酸ストランドはハイブリッドを形成しないであろう。したがって、アッセイ条件の厳しさが、ハイブリッドを形成するために2つの核酸ストランドの間に存在するはずの相補性の量を決める。条件の厳しさは、プローブと標的核酸との間に形成されたハイブリッドと、プローブとテスト試料中に存在する非標的核酸との間の潜在的ハイブリッドとの間の安定性の差を最大にするように選ばれる。
【0078】
適切な特異性は、非標的生物体の配列に対して完全な相補性を有する検出プローブの長さを最小にし、非標的核酸に対して相補性のGおよびCに富む領域を回避し、非標的配列を不安定にする不一致をできるだけ多く含むプローブを作ることにより達成することができる。プローブが、生物体の特異的なタイプのみを検出するのに適切であるかどうかは、プローブ:標的ハイブリッドとプローブ:非標的ハイブリッドとの間の熱安定性の差に大いに依存する。プローブのデザインでは、これらT値の差は、できるだけ大きくする必要がある(2−5℃またはそれ以上が好ましい)。Tの操作は、プローブの長さおよびプローブの組成(例えば、GC含有量対AT含有量)を変えることにより達成することができる。
【0079】
一般に、オリゴヌクレオチドプローブの最適ハイブリダイゼーション温度は、任意の二重鎖の融解温度よりも約5℃低い。最適温度より低い温度での培養は、不一致の塩基配列をハイブリダイゼーションさせることができ、したがって、特異性を下げることができる。プローブが長いほど、塩基ペアの間の水素結合が多くなり、一般に、Tが高くなる。GおよびCのパーセンテージが上がると、G−C塩基ペアは追加の水素結合を示し、したがって、A−T塩基ペアよりも熱安定性が上がるので、Tも上がる。このような考察は当該技術分野では周知である。(例えば、J.Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,11章(第2版、1989)を参照のこと。)
を測定する好ましい方法は、Arnold et al.,の”Homogeneous Protection Assay”と題する米国特許第5,283,174号により開示されている周知のハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)を用いてハイブリダイゼーションを測定する。該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。Tは次のようにしてHPAを用いて測定することができる。プローブ分子は、アクリジニウムエステルを用いて標識を付け、過剰量の標的を用いてコハク酸リチウムバッファー(0.1Mコハク酸リチウムバッファー、pH4.7、20mMのEDTA、15mMのアルドリチオール−2、1.2MのLiCl、3%(v/v)絶対エタノール、2%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム)中でプローブ:標的ハイブリッドを形成することがで
きる。プローブ:標的ハイブリッドを含む溶液のアリコートは、次いで、コハク酸リチウム緩衝溶液中で希釈し、予想T(通常55℃)の温度以下でスタートする種々の温度で5分間培養し、2−5℃ずつ上げる。この溶液は、次いで、弱アルカリ性ボレートバッファー(600mMホウ酸、240mMのNaOH、1%(v/v)登録商標TriTon X−100洗剤、pH8.5)で希釈し、等しいかより低い温度(例えば、50℃)で10分間培養する。
【0080】
これらの条件下で、単一鎖プローブに取り付けられたアクリジニウムエステルは、加水分解される。一方、ハイブリダイゼーションされたプローブに取り付けられたアクリジニウムエステルは加水分解から比較的保護されている。したがって、加水分解処理後に残されているアクリジニウムエステルの量は、ハイブリッド分子の数に比例する。残っているアクリジニウムエステルは、この溶液に過酸化水素とアルカリを添加することにより残りのアクリジニウムエステルから作られた化学発光をモニターして測定することができる。化学発光は、登録商標LEADER HC+d)照度計(カリフォルニア州SanDiego,Gen−Probe Incorporated,カタログ番号4747)などの照度計で測定することができる。得られたデータは、最大シグナルのパーセント(通常、最低温度から)対温度としてプロットする。Tは最大シグナルの50%が残っている温度として定義される。上の方法に加えて、Tは当業者に周知のアイソトープ法により決められる(例えば、Hogan et al.,米国特許第5,840,488号を参照のこと)。
【0081】
検出プローブの標的に対する該プローブの特異性を保証するためには、非常に厳しい条件下で標的核酸にのみハイブリダイゼーションするプローブをデザインすることが好ましい。相補性の高い配列のみが、高度に厳しい条件下でハイブリッドを形成するであろう。したがって、アッセイ条件の厳しさが、安定なハイブリッドを形成するために2つの配列の間で必要な相補性の量を決める。プローブ:標的ハイブリッドおよび潜在的なプローブ:非標的ハイブリッドの間の安定性の差を最大にするためには厳しさを選ぶ必要がある。
【0082】
特定のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の実施例は、後に実施例のセクションで提示される。もちろん、当業者は、この開示(例えば、Sambrook et
al.,上記を参照、11章)に基づいて代わりのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を決めることができる。
【0083】
標的核酸配列領域の長さ、したがって、プローブ配列の長さも重要である。一部の場合には、位置および長さが変動する特殊な領域からの配列があり、該特殊な領域は所望のハイブリダイゼーション特性を有するプローブのデザインに使われる。他の場合では、1つのプローブは、ただ単一塩基がそのプローブから異なる別のプローブよりも特異性について顕著に優れていてもよい。完全に相補的ではない核酸はハイブリダイゼーションすることができるが、完全に相補性塩基、並びに塩基組成物の最長のストレッチが、一般に、ハイブリッドの安定性を決めるであろう。
【0084】
ハイブリダイゼーションを抑制する強い内部構造を形成することが知られているrRNAの領域は、あまり好ましくない標的領域である。同様に、特定の例外については後で説明するが、一般に、広い自己相補性を有するプローブは回避されるべきである。ストランドの全体または一部が分子内または分子間のハイブリッドに含まれるならば、反応条件を変えずに新しい分子間のプローブ:標的ハイブリッドの形成に参加することはできないであろう。リボソームRNA分子は、水素結合により、非常に安定な分子内らせんおよび二次構造を形成することが知られている。ハイブリダイゼーション条件下で実質的に単一鎖に留まっている標的核酸の領域にプローブをデザインすることにより、プローブ:標的の間のハイブリダイゼーションの速度および範囲は増大するとしてもよい。
【0085】
ゲノムリボソーム核酸(rDNA)の標的は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の産物と同様に、二重鎖の形で自然に存在する。これらの二重鎖標的はプローブによるハイブリダイゼーションを自然に抑制し、ハイブリダイゼーションの前に変性する必要がある。適切な変性およびハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野では周知である(例えば、Southern,E.M.,J.Moi.Biol.,98:503(1975)。
【0086】
オリゴヌクレオチドの標的核酸に完全に一致したオリゴヌクレオチドの融解温度を推定する多数の式が利用できる。このような式の1つは、T=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(画分G+C)−(600/N)(式中、N=多数のヌクレオチド中のオリゴヌクレオチドの長さ)であり、長さが14と60〜70ヌクレオチドの間のオリゴヌクレオチドのTをうまく推定する。このような計算から、Tの次の経験的検証または「微調整」が当該技術分野で周知のスクリーニング技法を用いて行うことができる。ハイブリダイゼーションおよびオリゴヌクレオチドプローブに関するさらなる情報として、Sambrook et al.,上記を参照、11章を参照することができる。この文献は、とりわけ当該技術分野では周知の文献であり、ハイブリッドのTに対する不一致の効果を推定することもできる。したがって、2またはそれ以上の生物体のリボソームRNA(またはDNA)の任意の領域の周知のヌクレオチド配列から、これらの生物体を互いに区別するためにオリゴヌクレオチドをデザインすることができる。
【0087】
(C.核酸の増幅)
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシヌクレオチドであり、核酸ポリメラーゼによる伸長産物合成の基板として使用するのに十分な長さがあるのが好ましい。最適増幅オリゴヌクレオチドの長さは、反応温度、増幅オリゴヌクレオチドの構造および塩基組成、および増幅オリゴヌクレオチドを使用する方法を含むいくつかの因子について考慮する必要がある。例えば、最適特異性についてはオリゴヌクレオチド増幅オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列の複雑さによって、長さは少なくとも塩基12個分である必要がある。このような特異性が必須でないならば、より短い増幅オリゴヌクレオチドが使える。そのような場合、鋳型核酸を用いて安定なハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度で反応を行うのが望ましい。
【0088】
望ましい特性を有する増幅オリゴヌクレオチドおよび検出プローブをデザインする有用な指針は、後で「オリゴヌクレオチドの合成」と題するセクションで説明する。増幅および精査する最適部位は、C.pneumoniae核酸の少なくとも2つ、好ましくは3つの保存領域を含む。これらの領域は、塩基長約15〜350、塩基長約15と150との間にあるのが好ましい。
【0089】
増幅オリゴヌクレオチドのセット(例えば、プライマーおよび/またはプロモーター−プライマー)について観察された増幅度は、増幅オリゴヌクレオチドの特異的な標的配列に増幅オリゴヌクレオチドがハイブリッドする能力および酵素を用いて伸長またはコピーする能力を含むいくつかの因子に依存する。種々の長さの増幅オリゴヌクレオチドおよび塩基組成が使われるが、この発明において好ましい増幅オリゴヌクレオチドは、標的の予想Tが約42℃である塩基15〜40個分の標的結合領域を有する。
【0090】
標的配列のT、相補性、および二次構造などのプローブハイブリダイゼーションに影響を及ぼすパラメータは、増幅オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションにも、したがって、増幅オリゴヌクレオチドの性能にも影響を及ぼす。非特異的な伸長(プライマーダイマーまたは非標的コピー)の度合いは、増幅効率にも影響を及ぼすことができる。したがって、増幅オリゴヌクレオチドは、特にこれらの配列の3’末端において低い自己相補性または交差相補性を有するように選択される。それにも関わらず、後で説明する「シグナルプライマー」は自己相補性の領域を含むように修飾し、それにより、これらを「分子トーチ」または「分子指標」シグナルプライマーに変換することができることに留意する必要がある。「分子トーチ」または「分子指標」という用語は、下で定義する。長いホモポリマー連続体および高いGC含有量は、偽りのプライマーの伸びを低減するために回避される。この態様のデザインを助長するために、Oligo Tech分析ソフトウエアを含むコンピュータプログラムが利用することができ、該ソフトウエアはOligos
Etc.Inc.から入手でき、URLにおけるハイパーテキスト転送プロトコル(http)を用いてwww.oligosetc.com/analysis.phpにおいてWorld Wide Webにアクセスすることができる。
【0091】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドに関連して使われる核酸ポリメラーゼは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかまたは両方を、鋳型に依存する様式にて核酸ポリマーまたはストランド内に組み込む化学、物理または生物の各薬剤に言及している。核酸ポリメラーゼの実施例には、DNA指向性DNAポリメラーゼ、RNA指向性DNAポリメラーゼ、およびRNA指向性RNAポリメラーゼがある。DNAポリメラーゼは、鋳型に依存する様式で、5’から3’の方向に核酸合成を引き起こす。二重鎖核酸における2つのストランドの典型的な逆平行配向のために、この方向は鋳型上の3’領域から鋳型上の5’領域へ向かう方向である。DNA指向性DNAポリメラーゼの実施例には、大腸菌DNAポリメラーゼ1、サーマスアクアチクス(Taq)からの熱安定性DNAポリメラーゼ、およびバシラスステアロサーモフィリス(Bst)からのDNAポリメラーゼ1の大きなフラグメントがある。RNA指向性DNAポリメラーゼの実施例には、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素または鳥類の骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素などの種々のレトロウイルス逆転写酵素がある。
【0092】
大抵の核酸増幅反応の間に、核酸ポリメラーゼは、鋳型として標的核酸を用いてプライマーの3’末端にヌクレオチド残基を加え、したがって、標的核酸の領域に一部または完全に相補性のヌクレオチド配列を有する第2の核酸ストランドを合成する。多くの核酸増幅反応において、得られる二重鎖構造を含む2つのストランドは、増幅反応を進行させるために化学的または物理的な手段により分離されねばならない。一方、新たに合成された鋳型ストランドは、鎖置換またはオリジナル標的ストランドの一部またはすべてを消化する核酸分解酵素の使用などの他の手段による第2プライマーまたはプロモーター−プライマーを用いてハイブリダイゼーションに利用することができる。このようにして、このプロセスは多数のサイクルを介して反復され、標的ヌクレオチド配列を有する核酸分子の数が大幅に増加することになる。
【0093】
第1または第2の増幅オリゴヌクレオチドのいずれか、または両方が、プロモーター−プライマーであってよい。(一部の適用では、増幅オリゴヌクレオチドは、Kacian
et al.,の”Nucleic Acid Sequence Amplification Method,Composition and Kit”と題する米国特許第5,554,516号により開示されたセンスストランドに相補性であるプロモーター−プライマーのみからなり、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。)プロモーター−プライマーは、通常、標的核酸分子またはプライマー伸長産物中に存在する核酸配列に対して相補性でないオリゴヌクレオチドを含む(Kacian et al.,の”Nucleic Acid Sequence Amplification Method”と題する米国特許第5,399,491号を参照のこと。該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている)。これらの非相補性配列は、増補オリゴヌクレオチドの相補性配列に対して5’に位置してよく、核酸ポリメラーゼの作用により二重鎖を作った場合RNA合成を開始する遺伝子座を提供してよい。このようにして提供されたプロモーターは、標的核酸配列のRNAの複数のコピーをインビトロで転写することが認められる。この明細書のプライマーを参照した場合、このような参照は、この文献の文脈が明確に指示しないかぎり、やはりプロモーター−プライマーのプライマー態様を含むように意図していると認識されるであろう。
【0094】
いくつかの増幅システム(例えば、Dattagupta et al.,の「Isothermal Strand Displacement Amplification」と題する米国特許第6,087,133号を参照のこと。該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている)では、増幅オリゴヌクレオチドはストランド置換を助長する5’非相補性ヌクレオチドを含んでもよい。さらに、5’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼに関連して使われた場合、増幅オリゴヌクレオチドは酵素による消化を防ぐためにこれらの5’末端において修飾することができる。一方、核酸ポリメラーゼは、このようなヌクレアーゼ活性を持たない活性ポリメラーゼフラグメントを生じるプロテアーゼを用いた処理により、5’エキソヌクレアーゼ活性を除去するために修飾することができる。そのような場合、該ポリメラーゼのプライマーはこれらの5’末端において修飾する必要はない。
【0095】
(1.オリゴヌクレオチドの調製)
本発明の検出プローブ、捕捉プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドは、当該技術分野で周知の方法により容易に調製することができる。オリゴヌクレオチドは固体相方法を用いて合成するのが好ましい。例えば、Caruthersはホスホジエステル結合によるヌクレオチドの接合に標準ホスホラジミテ固体相化学を用いて説明している。Caruthers et al.,”Chemical Synthesis of Deoxynucleotides by the Phosphoradite Method”,Methods Enzymol.,154:287(1987)を参照のこと。シアノエチルホスホラジミテ前駆体を用いた自動化固体相化学合成は、Baroneにより説明されている。Barone et al.,”In Situ Activation
of bis−dialkylaminephosphines−a New Method for Synthesizing Deoxynucleotides on
Polymer Supports”,Nucleic Acids Res.,12(10):4051(1984)を参照のこと。同様に、Bhattの”Method and Reagent for Sulfurization of Organophosphorous Compunds”と題する米国特許第5,449,769号がホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドを合成する操作を開示している。さらに、Riley et al.,の”Process for the Purification of Oligomers”と題する米国特許第5,811,538号がメチルホスホネート結合を含む種々の結合を有するオリゴヌクレオチドの合成を開示している。その上、オリゴヌクレオチドを有機合成する方法は当業者には周知のことであり、例えば、Sambrook et al.,上記を参照、10章で説明されている。前述の文献の各々は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0096】
特定のオリゴヌクレオチドの合成に続いて、オリゴヌクレオチドの精製および品質の調節のためにいくつかの方法を利用することができる。適切な操作には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高圧液体クロマトグラフィがある。これら両方の操作は当業者には周知の方法である。
【0097】
検出プローブであろうと、捕捉プローブであろうと、または増幅オリゴヌクレオチドであろうと、本発明のすべてのオリゴヌクレオチドは、これらの性能を高めるため、または増幅産物のキャラクテリゼーションを容易にするために化学基を用いて修飾することができる。
【0098】
例えば、オリゴヌクレオチドを特定のポリメラーゼの核酸分解活性に対して耐性にするか、または増幅またの反応におけるこのような酵素の使用を可能にするヌクレアーゼ酵素に対して耐性にする、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、2’−O−アルキル、またはペプチド基を有するものなどの骨格修飾オリゴヌクレオチド。修飾の別の実施例には、プローブまたはプライマーの核酸鎖の間に組み込まれ、プローブのハイブリダイゼーションまたはプライマーのハイブリダイゼーションおよび伸長を防止しない非ヌクレオチドリンカーを用いる方法が含まれる。(Arnold et al.,の”Non−Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide
Probes”と題する米国特許第6,031,091号を参照のこと。なお該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。)本発明のオリゴヌクレオチドは、所望の修飾および天然の両ヌクレオチドの混合物を含んでもよい。
【0099】
増幅オリゴヌクレオチド、特にプロモーター−プライマーの3’末端は、Kacian
et al.,の米国特許第5,554,516号、およびKolk et al.,の”Single−Primer Nucleic Acid Amplification Methods”と題する米国特許仮出願第60/639,110号により開示されているように、DNA合成の開始を防止または抑制するように修飾またはブロックされてよい。なお、これらの特許の内容は、引用により本明細書に組み込まれている。該プライマーの3’末端は、当該技術分野で周知の種々の方法にて修飾することができる。一例として、プロモーター−プライマーの適切な修飾は、リボヌクレオチド、3’デオキシヌクレオチド残基(例えば、コルディセピン)、2’,3’−ジデオキシヌクレオチド残基、ホスホロチオエートなどの修飾ヌクレオチド、およびArnold et al.,の米国特許第6,031,091号により開示されているものなどの非ヌクレオチド結合またはアルカンジオール修飾(Wilk et al.,”Backbone−Modified Oligonucleotides Containing a Butanediol−1,3 Moiety as a ’Vicariou Segment’for the Deoxyribosyl Moiety−Synthesis and
Enzyme Studies”,Nucleic Acids Res.,18(8):2065(1990)、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている)の添加を含むことができ、またはこの修飾は、標的核酸配列に対して非相補性であるプライミング配列の領域3’から単に構成されている。さらに、3’ブロックされた種々のプロモーター−プライマーまたは3’ブロックされたプロモーター−プライマーおよびブロックされていないプロモーター−プライマーの混合物は、この文献で説明されているように核酸増幅の効率を上げることができる。
【0100】
上で開示されたように、プライマーの5’末端はいくつかの核酸ポリメラーゼ中に存在する5’−エキソヌクレアーゼに耐性があるように修飾することができる。このような修飾は、Arnold et al.,の米国特許第6,031,091号により開示されている技法を用いてプライマーの末端5’ヌクレオチドに非ヌクレオチド基を添加することにより行うことができる。
【0101】
一旦合成されると、選択されたオリゴヌクレオチドは周知の方法(例えば、Sambrook et al.,上記を参照、10章を参照のこと)により標識を付けてよい。有用な標識には、放射性アイソトープ並びに非放射性報告基がある。アイソトープ標識には、H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cがある。アイソトープ標識は、ニックトランスレーション、末端標識付け、第2のストランド合成、逆転写の使用などの当該技術分野で周知の技法、および化学的方法によりオリゴヌクレオチド内に導入することができる。放射性標識を付けたプローブを用いた場合、ハイブリダイゼーションはオートラジオグラフィ、シンチレーション計数、またはガンマ計数により検出することができる。選択された検出方法は、標識として用いた特定の放射性アイソトープに依存するであろう。
【0102】
非アイソトープ物質も、標識として使用することができ、さらに核酸配列の内部または核酸配列の末端に導入してもよい。修飾ヌクレオチドは、酵素を用いるか化学的に組み込むことができる。プローブの化学的修飾は、プローブの合成中または後に、例えば、Arnold et al.,の米国特許第6,031,091号により開示された非ヌクレオチドリンカー基を使用して行える。非アイソトープ標識には、蛍光分子(Tyagi et al.,の”Detectably Labeled Dual Conformation Oligonucleotide Probes”と題する米国特許第5,925,517号により開示された蛍光共鳴エネルギー移動などの個々の標識または標識の組み合わせ)、化学発光分子、酵素、補助因子、酵素基質、ハプテンまたは他のリガンドがある。
【0103】
本発明の検出プローブを用いる場合は、これらのプローブはアクリジニウムエステルと非ヌクレオチドリンカーを用いて標識を付けるのが好ましい。アクリジニウムエステル標識は、Arnold et al.,の”Acridinium Ester Labelling and Purification of Nucleotide Probes”と題する米国特許第5,185,439号により開示された方法で行え、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0104】
(2.Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸の増幅)
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、C.pneumoniae由来のリボソーム核酸の23S領域に向けられている。これらの増幅オリゴヌクレオチドは、核酸増幅アッセイにおいてC.pneumoniaeの存在を検出するために使われる検出プローブ(またはその相補体)の標的配列の少なくとも1つの側面に位置するか、該配列の少なくとも1つに重なるか、または該配列の少なくとも1つの内部に含まれる。上で指摘したように、増幅オリゴヌクレオチドはRNAポリメラーゼを結合し、鋳型として標的核酸を用いてRNA転写を方向づけることができるプロモーター配列を含むこれらのオリゴヌクレオチドの5’末端において非相補性塩基を含むこともできる。配列番号97などのT7プロモーター配列が使える。
【0105】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、増幅条件下でC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸由来の核酸の領域を増幅することができる。1つの実施形態では、本発明の第1の増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号37、配列番号38、配列番号39および配列番号40からなる群から選択された第1の標的領域内に含まれる標的配列に、増幅条件下で、安定にハイブリダイゼーションする長さが塩基40個分までの標的結合領域を含むのが好ましい。標的結合領域の塩基配列は、塩基配列41、塩基配列42、塩基配列43、塩基配列44、塩基配列45、塩基配列46、塩基配列47、塩基配列48、塩基配列49、塩基配列50、塩基配列51、塩基配列52、塩基配列53、塩基配列54、塩基配列55、塩基配列56、塩基配列57、塩基配列58、塩基配列59、塩基配列60、塩基配列61、塩基配列62、塩基配列63、塩基配列64、塩基配列65、塩基配列66、塩基配列67、塩基配列68、塩基配列69、塩基配列70、塩基配列71または塩基配列72からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列から本質的になるか、この塩基配列に実質的に対応するか、この塩基配列からなるか、またはこの塩基配列に含まれ、かつこの塩基配列のうちの連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含むのがより好ましい。第1標的領域に実質的に対応するか、第1標的領域からなり、または第1標的領域に含まれる標的配列に、第1増幅オリゴヌクレオチドが完全にハイブリダイゼーションするのが、より一層好ましい。
【0106】
別の実施形態では、本発明の第2増幅オリゴヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75および配列番号76からなる群から選択された第2標的領域内に含まれる標的配列に、増幅条件下で、安定にハイブリダイゼーションする長さが塩基40個分までの標的結合領域を含むのが好ましい。標的結合領域の塩基配列は、塩基配列77、塩基配列78、塩基配列79、塩基配列80、塩基配列81、塩基配列82、塩基配列83、塩基配列84、塩基配列85、塩基配列86、塩基配列87、塩基配列88、塩基配列89、塩基配列90、塩基配列91、塩基配列92、塩基配列93、塩基配列94、塩基配列95または塩基配列96からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列から本質的になるか、この塩基配列に実質的に対応するか、この塩基配列からなるか、またはこの塩基配列に含まれ、かつこの塩基配列のうちの連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含むのがより好ましい。第2標的領域に実質的に対応するか、第2標的領域からなるか、または第2標的領域に含まれる標的配列に、第2増幅オリゴヌクレオチドが完全にハイブリダイゼーションするのがより一層好ましい。
【0107】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、C.pneumoniae由来の核酸を増幅する少なくとも2つのセットの増幅オリゴヌクレオチドとして提示されるのが好ましい。増幅オリゴヌクレオチドの各セットは、少なくとも1つのアンチセンス増幅オリゴヌクレオチドと少なくとも1つのセンス増幅オリゴヌクレオチドを有するのが好ましい。増幅オリゴヌクレオチドの好ましいセットは、上記第2増幅オリゴヌクレオチドのいずれかと組み合わせて上記増幅オリゴヌクレオチドを少なくとも1つ含む。増幅オリゴヌクレオチドのセットは、転写ベースの増幅操作で使われ、少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドがRNAポリメラーゼにより識別されたプロモーター配列を含むのがより好ましい。
【0108】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、ブロックされた3’および/または5’末端(上で説明したように)またはRNAポリメラーゼにより認識された特定のヌクレオチド配列(例えば、T7、T3またはSP6 RNAポリメラーゼのプロモーター配列)、RNAポリメラーゼによるRNA転写の開始または伸長を促す配列、分子内塩基ペア作りを提供および二次または三次核酸酵素の形成を助長する配列を含むがこれらに限定されない配列付加などの修飾がありうる。
【0109】
増幅オリゴヌクレオチドは、現在知られているか、後に開発される適切な何らかの核酸増幅操作において使われる。既存の増幅操作には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列をベースとする増幅(NASBA)、自立した配列複製(3SR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ストランド変位増幅(SDA)、およびループ媒介等温増幅(LAMP)があり、これらの各々は当該技術分野で周知である。例えば、Mullisの”Process for Amplifying Nucleic Acid Sequences”と題する米国特許第4,683,202号、Erlich et al.,の”Kits for Amplifying and Detecting Nucleic Acid Sequences”と題する米国特許第6,197,563号、Walker et al.,のNucleic Acids Res.,20:1691−1696(1992)、Fahy et al.,”Self−sustained Sequence Replication(3SR):An
Isothermal Transcription−Based Amplification System Alternative to PCR”,PCR Methods and Applications,1:25−33(1991)、Kacian et al.,の米国特許第5,399,491号、Kacian et al.,の”Nucleic Acid Sequence Amplification Methods”と題する米国特許第5,480,784号、Davey et al.,の”Nucleic Acid Amplification Methods”と題する米国特許第5,554,517号、Birkenmeyer et al.,の”Amplification of Target Nucleic Acids Using Gap Filling Ligase Chain Reaction”と題する米国特許第5,427,930号、Marshall et al.,の”Amplification of RNA Sequences Using the Ligase Chain Reaction”と題する米国特許第5,686,272号、Walkerの”Strand Displacement Amplification”と題する米国特許第5,712,124号、Notomi et al.,の”Process for Synthesizing Nucleic Acid”と題する欧州特許出願公開第1020534号A1、Dattagupta et al.,の”Isothermal Strand Displacement Amplification”と題する米国特許第6,214,587号、およびHelen H.Lee et al.,”Nucleic Acid Amplification Technologies”:Application to Disease Diagnosis(1997)を参照のこと。(前述の増幅に関する各文献は引用により本明細書に組み込まれている。)上記「核酸の増幅」の定義に合致している他の何らかの増幅操作も、発明者が熟慮している。
【0110】
本発明の増幅オリゴヌクレオチドは、標識を付けない方が好ましいが、検出プローブと併用または該プローブを排除して標的核酸の検出を容易にするために1つまたはそれ以上のレポーター基を含めてもよい。増幅検出プローブを検出するために多種多様な方法が利用できる。例えば、ヌクレオチド基質または増幅オリゴヌクレオチドは、新たに合成されたDNAに組み込まれている検出可能な標識を含むことができる。得られる標識付き増幅産物は、次いで、一般に、未使用標識付きヌクレオチドまたは増幅オリゴヌクレオチドから分離され、該標識は分離産物画分中で検出される。(例えば、Wuの”Detection of Amplified Nucleic Acid Using Secondary Capture Oligonucleotides and Test Kit”と題する米国特許第5,387,510号を参照のこと。)
増幅オリゴヌクレオチドが、例えば、ドナー/アクセプター染料ペアを形成する2つの染料などの相互作用標識ペアにそれを連結して修飾されるならば、分離工程は必要ない。修飾増幅オリゴヌクレオチドはデザインすることができるので、増幅オリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイゼーションせず、それにより2つの染料を物理的に分離するかぎり、1つの染料ペアメンバーの蛍光は他の染料ペアメンバーにより消光されたままでいる。その上、増幅オリゴヌクレオチドはさらに修飾して2つの染料の間に位置する制限エンドヌクレアーゼ識別部位を含むことができるので、ハイブリッドが修飾増幅オリゴヌクレオチドと標的核酸との間に形成され、制限エンドヌクレアーゼ識別部位二重鎖にされ、適切な制限エンドヌクレアーゼによる切断またはニッキングに利用できる。次いで、ハイブリッドの切断またはニッキングが2つの染料を分離し、テスト試料中の標的生物体の存在の指標として検出することができる消光の低下による蛍光の変化を生じる。「シグナルプライマー」と呼ばれるこの型の修飾増幅オリゴヌクレオチドは、Nadeau et al.,の”Detection of Nucleic Acids by Fluorescence Quenching”と題する米国特許第6,054,279号により開示されている。
【0111】
検出可能な標識として役立つことが、当該技術分野で知られている物質には、放射性アイソトープ、蛍光分子、化学発光分子、発色団、並びにビオチンおよびハプテンなどのリガンドがある。ビオチンおよびハプテンは、直接には検出できないが、これらの特定の結合パートナー、例えば、それぞれ、アビジンおよび抗体の標識付の形態と反応させることにより容易に検出することができる。
【0112】
別のアプローチは、検出できるように標識を付けたオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイゼーションし、得られるハイブリッドを普通の方法で測定して増幅産物を検出するアプローチである。特に、化学発光アクリジニウムエステルで標識を付けたオリゴヌクレオチドプローブを標的配列にハイブリダイゼーションし、ハイブリダイゼーションされていないプローブ上に存在するアクリジニウムエステルを選択的に加水分解し、残りのアクリジニウムエステルから作られた化学発光を照度計で測定して産物を分析することができる。(例えば、Arnold et al.,の米国特許第5,283,174号、およびNorman C.Nelson et al.,”Nonisotopic Probing,Blotting,and Sequencing,17章(Larry J.Kricka編集、第2版、1995)。)
(D.試料処理)
標的配列の増幅または検出の前に試料処理することは、試料中に存在する非標的核酸から標的配列を選別するために必要または有用である。試料処理の操作には、例えば、不均一なアッセイにおける液相から核酸および/またはオリゴヌクレオチドの直接または間接固定がある。いくつかの操作を用いると、このような固定は複数のハイブリダイゼーション事象を必要とするとしてもよい。例えば、Ranki et al.,の”Detection of Microbial Nucleic Acids by a One−Step Sandwich Hybridization Test”と題する米国特許第4,486,539および4,563,419号は、標的核酸の異なる領域に対して相補性である標識付き核酸プローブおよび標的相補性配列を有する固体相結合核酸の使用を含む1工程核酸「サンドイッチ」ハイブリダイゼーション方法を開示している。Stabinskyの”Methods and Kits for Performing
Nucleic Acid Hybridization Assays”と題する米国特許第4,751,177号は、伝えられるところでは、固体支持体から固定プローブの漏洩により生じるRanski法の感受性の問題を解決している「メディエーター」ポリヌクレオチドを含む方法を開示している。標的核酸を直接固定する代わりに、Stabinskyのメディエーターポリヌクレオチドが結合するのに使われ、溶液中でフリーに形成した標的ポリヌクレオチドとプローブポリヌクレオチド複合体を間接的に固定する。
【0113】
周知の固体支持体は、溶液中でフリーのマトリックスおよび粒子などの試料処理に使われる。例えば、固体支持体は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン ポリプロピレンおよび、好ましくは、試料の回収および/または非結合核酸またの試料成分の除去を容易にする磁荷を有する粒子でよい。特に好ましい支持体は、単分散(即ち、サイズが±5%の範囲で均一)である磁性球であり、これらを用いると一貫した結果が得られ、自動操作で使用する場合に特に有利である。このような自動操作の一つが、Ammann et al.,の”Automated Process for Isolating and Amplifying a
Target Nucleic Acid Sequence”と題する米国特許第6,335,166号により開示され、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【0114】
固体支持体上に標的核酸を固定するオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件(例えば、増幅および/または検出の条件)下で安定であるリンケージまたは相互作用により固体支持体に直接または間接に結合してよい。本明細書では「固定プローブ」と呼ばれている、このオリゴヌクレオチドは直接標的核酸に結合してよく、または該オリゴヌクレオチドはホモポリマー性トラクト(例えば、ポリdT)または捕捉プローブ上に存在する相補性塩基配列領域にハイブリダイゼーションする単純な短い反復配列(例えば、AT反復)などの塩基配列領域を含んでもよい。直接結合は、中間基がない場合に、固定プローブが固体支持体に結合するときに生じる。例えば、直接結合は、共有リンケージ、キレート化またはイオン相互作用を介してもよい。間接結合は、固定プローブが1つまたはそれ以上のリンカーにより固体支持体に結合するときに生じる。「リンカー」は、少なくとも2種類の分子が安定な複合体内に結合する手段であり、結合パートナーセットの1つまたはそれ以上の成分を含む。
【0115】
結合パートナーセットのメンバーは、互いに認識して結合することができる。結合パートナーセットは、例えば、レセプターとリガンド、酵素と基質、酵素と補助因子、酵素と助酵素、抗体と抗原、砂糖とレクチン、ビオチンとストレプトアビジン、リガンドとキレート化剤、ニッケルとヒスチジン、実質的に相補性のオリゴヌクレオチド、および相補性ホモポリマー性核酸またはポリマー性核酸のホモポリマー性部分でよい。結合パートナーセットの成分は、結合に参加するメンバーの領域である。
【0116】
使用しやすく、迅速であるという実益を有する好ましい試料処理システムは、本明細書では「固定プローブ結合領域」と呼ばれる捕捉プローブの塩基配列に相補性である塩基配列を含む固定プローブを含む。捕捉プローブは、さらに、本明細書では「標的結合領域」と呼ばれる塩基配列を含み、該塩基配列はアッセイ条件下で標的核酸に含まれる標的配列に特異的にハイブリダイゼーションすることができる。(標的核酸の領域の捕捉プローブの標的結合領域の特異性は、分離工程後の試料から残っている非標的核酸の数を最小限にするのが好ましく、それは捕捉プローブが標的核酸の単離にのみ使われるならば、本発明の捕捉プローブの要件ではない。)捕捉プローブが、標的配列のその後の増幅の場合に標的核酸を単離するのに使われないならば、捕捉プローブは置換または未置換のアクリジニウムエステルなどの標的結合領域内または近くに取り付けられた検出可能な標識をさらに含む。標識付き捕捉プローブは、捕捉プローブなどの単一鎖核酸を検出せずにハイブリッド核酸を特異的に検出するために均一または半均一アッセイで使われる。このシステムで使われる好ましい均一アッセイは、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)であり、これは「ハイブリダイゼーション条件およびプローブデザイン」と題するセクションにて上で論議する。HPAフォーマットの後、標的核酸にハイブリダイゼーションしない捕捉プローブに関連した標識は、弱塩基を添加して加水分解され、一方、捕捉プローブと標識ハイブリッドに関連した標識は加水分解から保護されるであろう。
【0117】
この後のアッセイシステムは、本明細書で説明した他の試料処理操作において必要な複数のこのような事象(例えば、捕捉プローブと標的およびプローブと標的またはプローブとアンプリコン)よりも、ただ1つの標的特異性ハイブリダイゼーション事象(捕捉プローブと標的)が標的の検出に必要なことである。また、標的核酸が捕捉、検出される全体の速度は、最も遅いハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドにより制限されるので、アッセイにおける比較的少数のオリゴヌクレオチドが速さと単純さの面でアッセイを最適にする傾向がある。捕捉プローブの標的結合領域は代わりのアッセイシステムにおいてあまり特異的ではないが、非標的核酸を用いた捕捉プローブのかなりの飽和を回避することは、なおも十分稀なことであらねばならない。したがって、2つの別の特異的な標的配列がこれらの代わりのシステムにおいて識別される要件は、適切な標的の識別に対して制約を与えることになる。一方、捕捉プローブが同時に検出プローブとして機能する場合は、このような標的配列は1つだけでよい。
【0118】
どちらのアプローチが採用されても、該アッセイは、テスト試料中に存在する標的核酸を検出する手段を含む必要がある。核酸検出の当業者には、検出可能な標識の存在を必要としない手段を含む、標的核酸を検出する多様な手段が知られている。それにも関わらず、検出可能な標識を含むプローブが好ましい。標的核酸の存在を検出する標識付きプローブは、標的核酸に含まれた標的配列に実質的に相補性であり、標的核酸に含まれた標的配列に特異的にハイブリダイゼーションする塩基配列を含まねばならないであろう。一旦プローブが標的核酸に安定に結合すると、得られた標的とプローブとのハイブリッドは直接または間接に固定され、未結合プローブは洗い流されるか不活性化され、残りの結合したプローブは検出および/または測定することができる。
【0119】
好ましい試料処理システムは、検出および核酸増幅の両エレメントを結びつける。これらのシステムは、まず、捕捉プローブを標的核酸を直接または間接に固定し、捕捉された標的核酸は、とりわけ、細胞の破片、非標的核酸および試料含有容器からの増幅抑制剤を除去して精製し、次いで、標的核酸に含まれた標的配列を増幅する。次いで、増幅した産物は、好ましくは、標識付きプローブを有する溶液中で検出する。(標的核酸は、増幅中固定した状態に留まってもよいし、またはまず捕捉プローブ:標的複合体のTおよび/または捕捉プローブ:固定プローブ複合体のTより上の温度で培養するなどの適切な条件を用いて増幅する前に固体支持体から溶離してもよい。)このシステムの好ましい実施形態は、Weisburg et al.,の”Two−Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide”と題する米国特許第6,110,678号により開示され、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。このシステムでは、捕捉プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーションし、固定プローブは種々のハイブリダイゼーション条件下で捕捉プローブ:標的複合体にハイブリダイゼーションする。第1セットのハイブリダイゼーション条件下で、標的核酸への捕捉プローブのハイブリダイゼーションは、固定プローブへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションより優先される。したがって、この第1セットのハイブリダイゼーション条件下で、捕捉プローブは固体支持体に結合されているよりも溶液中にあることが多く、それによりフリー捕捉プローブの濃度を最大にし、標的核酸へのハイブリダイゼーションの有利な液相動力学を利用する。捕捉プローブが標的核酸へのハイブリダイゼーションする十分な時間を有した後、捕捉プローブ:標的複合体が固定プローブにハイブリダイゼーションすることを可能にしている第2セットのハイブリダイゼーション条件が課され、それにより試料溶液中の標的核酸を単離する。次いで、固定標的核酸は精製され、標的核酸中に存在する標的核酸は増幅され、検出される。粗製試料(例えば、臨床試料)とともに処理する場合は、試料中に存在する物質による酵素抑制および/または核酸分解を防ぐために、1つまたはそれ以上の洗浄工程を含む精製操作が一般に望ましい。
【0120】
好ましい増幅方法は、Kacian et al.,の”Nucleic Acid Sequence Amplification Methods”と題する米国特許第5,480,789号により開示された転写媒介増幅方法であり、該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。この方法によると、標的の一部に相補性の3’領域を有するプロモーター−プライマーおよび5’プロモーター領域および標的の一部と同じヌクレオチド配列を有するプライマーは、標的RNA分子と接触する。プライマーおよびプロモーター−プライマーは、標的分子上に存在するセンスおよびその相補体の両方を含む、増幅されるべき標的領域の境界、したがって、アンプリコンの長さおよび配列を規定する。この好ましい実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドおよび固定標的RNAは、有効量のモロニーマウス白血病ウイルス由来の逆転写酵素およびT7RNAポリメラーゼ、リボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドトリホスフェートの両方、および必要な塩類および補助因子の存在下、42℃において接触させられる。これらの条件下で、核酸増幅が起こり、標的核酸のセンスと反対のセンスのRNAアンプリコンの産生を主として生じる。これらのアンプリコンは、例えば、Arnold et al.,の米国特許第5,283,174号により開示されたHPAを用いて、標的核酸と同じセンスのアクリジニウムエステル標識付きハイブリダイゼーションアッセイプローブを用いて溶液中で検出することができる。
【0121】
固定プローブおよび捕捉プローブの3’末端は、核酸ポリメラーゼ活性の鋳型としてこれらの使用を防止または抑制するために「キャップ」されるかブロックされるのが好ましい。キャッピングは、3’デオキシリボヌクレオチド(コルジセピンなど)、3’,2’−ジデオキシヌクレオチド残基、Arnold et al.,の米国特許第6,031,091号により開示されたものなどの非ヌクレオチドリンカー、アルカンジオール修飾、または3’末端における非相補性ヌクレオチド残基の付加を含めてもよい。
【0122】
当業者は、上記方法論が、説明したとおりか明らかに修飾しているかのいずれかにしても、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、Qβレプリカーゼ媒介増幅、自立した配列複製(3SR)、ストランド変位増幅(SDA)、核酸配列をベースとする増幅(NASBA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)を含む他の種々の増幅スキームに従うことを認識するであろう。
【0123】
(E.Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸を単離する捕捉プローブ)
本発明の捕捉プローブは、非標的核酸の存在下でC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸由来の核酸に結合し、該核酸を単離するようにデザインされる。そのようなものとして、捕捉プローブは標的結合領域と固定プローブ結合領域との両方を含むのが好ましい。捕捉プローブの標的結合領域は、アッセイ条件下でC.pneumoniae由来の核酸内に含まれた標的配列にハイブリダイゼーションする塩基配列を含む。必須ではないが、標的結合領域は、アッセイ条件下非標的核酸の存在下で標的配列に対して特異性を示すのは好ましい。固定プローブ結合領域は、ポリヌクレオチドを含む固定プローブまたはポリヌクレオチド配列を含むキメラにハイブリダイゼーションする塩基配列を有する。該塩基配列はテスト試料中に存在する固体支持体に直接または間接に結合している。標的結合領域および固定プローブ結合領域は、直接または、例えば、ヌクレオチド塩基配列、塩基脱落配列または非ヌクレオチドリンカーにより互いに結合することができる。
【0124】
好ましい実施形態では、本発明による捕捉プローブは、長さは塩基100個分までであり、アッセイ条件下でC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸から導かれる標的配列に安定して結合する標的結合領域を含み、該標的配列は配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択された標的領域内に含まれる。標的結合領域の塩基配列は、塩基配列29、塩基配列30、塩基配列31、塩基配列32、塩基配列33、塩基配列34、塩基配列35および塩基配列36からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列から本質的になるか、この塩基配列に実質的に対応するか、この塩基配列からなるか、またはこの塩基配列に含まれ、かつこの塩基配列のうちの連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含むのが好ましい。これら好ましい捕捉プローブの固定プローブ結合領域は、アッセイ条件下でテスト試料に与えられた固体支持体に直接または間接に結合した固定プローブにハイブリダイゼーションする塩基配列を含む。固定プローブ結合領域は捕捉プローブの3’末端に位置したホモポリマー性領域(例えば、ポリdA)を含み、該捕捉プローブは固定プローブの5’末端に位置したホモポリマー領域(例えば、ポリdT)に対して相補性であるのが好ましい。固定プローブ結合領域は、配列番号102のtttaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaの塩基配列からなるのが好ましい。(テール部分は、固定プローブ結合領域に結合する場合に、より柔軟な捕捉プローブを作るために、標的結合部分とオリゴ(dA)30配列との間に割り込んだ5’−ttt−3’スペーサ配列を含む。)他の塩基配列は、例えば、短い反復配列を含む固定プローブ結合領域内に組み込まれる。
【0125】
望ましくない交差ハイブリダイゼーション反応を防止するために、本発明の捕捉プローブは、標的結合領域のヌクレオチド塩基領域以外のヌクレオチド塩基配列を排除するのが好ましい。該塩基配列は、アッセイ条件下でテスト試料中に存在しうる生物体由来の核酸に安定結合することができる。このアプローチと一致して、かつ形成される捕捉プローブ:標的複合体の固定を最大にするために、該塩基配列はアッセイ条件下で固定プローブ中に存在するヌクレオチド塩基には安定結合できるが、テスト試料中に存在するとしてもよい生物体由来の核酸には安定結合しないように固定プローブ結合領域のヌクレオチド塩基配列はデザインされるのが好ましい。
【0126】
標的結合領域および捕捉プローブの固定プローブ結合領域は、捕捉プローブ:標的複合体は、捕捉プローブと固定プローブとの複合体のTよりも高いTを有するように選択される可能性がある。このように、第1セットの条件は、固定プローブよりも標的配列への捕捉プローブのハイブリダイゼーションを助長する条件が課され、それにより標的配列への捕捉プローブのハイブリダイゼーションの最適液相ハイブリダイゼーション動力学を与える。捕捉プローブが標的配列に結合するのに十分な時間が一旦経過すると、第2セットのあまり厳しくない条件が課され、固定プローブへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションが可能になる。
【0127】
本発明の捕捉プローブには、テスト試料中の標的配列を直接検出するための標識または相互作用する標識のペアも含まれる。標識、標識の組み合わせおよびプローブに標識を付ける手段の無数にある実施例は、「オリゴヌクレオチドの調製」と題する実施例が上のセクションで、「Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸の検出プローブ」と題する実施例が下のセクションで説明されている。標的の核酸にハイブリダイゼーションした捕捉プローブの存在を検出する特に有効な方法は、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)であり、このアッセイは「ハイブリダイゼーション条件およびプローブのデザイン」と題してこのセクションの上で説明されている。HPAは均一なアッセイで、このアッセイは標的の核酸にハイブリダイゼーションしたプローブとハイブリダイゼーションせずに残っているプローブとを区別する。HPA反応容器から検出されたシグナルは、テスト試料中の標的生物体の存在の指標または量を与える。
【0128】
これらは直接検出アッセイに適用できるにも関わらず、捕捉プローブの最も普通の使用は、標的核酸に含まれた標的配列を増幅する前に標的核酸を単離し、精製することである。増幅する前に標的核酸を単離し、精製することにより、意図しない増幅反応(即ち、非標的核酸の増幅)の数を厳しく制限することができる。さらに、捕捉プローブ自身を、増幅条件下でかつ増幅試薬の存在中に核酸ポリメラーゼの鋳型として機能することから防止または抑制するために、捕捉プローブの3’末端はキャップをするか、ブロックした方がよい。キャッピング剤の実施例には、3’デオキシリボヌクレオチド、3’,2’−ジデオキシヌクレオチド残基、非ヌクレオチドリンカー、アルカンジオール修飾剤、および3’末端における非相補性ヌクレオチド残基がある。
【0129】
(F.Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸に対する検出プローブ)
本発明のこの実施形態は、新規な検出プローブに関係している。ハイブリダイゼーションは、相補性核酸の単一ストランドを2つ結びつけて水素結合した二重ストランドを形成することである。核酸配列は、検出されることを求められた核酸配列(「標的配列」)にハイブリダイゼーションすることができる核酸配列が、標的配列のプローブとして役立ちうる。DNA/DNA、DNA/RNAおよびRNA/RNAを含む相補性核酸ストランドの間、並びに単一ストランド核酸の間でハイブリダイゼーションが起こり、得られるハイブリッドの1つまたは両方のストランドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオベース、および/または塩基と塩基とのリンケージを含む。いずれにしても、相補性が十分の2つの単一ストランドは、ハイブリダイゼーションして二重鎖構造を形成し、該構造では2つのストランドは相補性塩基配列のペアの間の水素結合により団結させられる。上に記載したように、一般的にはAはTまたはUに水素結合し、GはCに水素結合する。したがって、ハイブリダイゼーションしたストランドに沿ったいずれの点においても、古典的な塩基ペアATまたはAU、TAまたはUA、GC、またはCGが存在してよい。したがって、核酸の第1の単一ストランドが第2に対して十分連続した相補性塩基を含む場合は、これら2つのストランドはこれらのハイブリダイゼーションを促進する条件下で接合され、二重鎖核酸が生じるであろう。したがって、適切な条件下では、二重鎖核酸ハイブリッドが形成されてもよい。
【0130】
ハイブリダイゼーションの速度および範囲は、多数の因子により影響を受ける。例えば、2つのストランドの1つの全体または一部がハイブリッドに含まれるならば、新しいハイブリッドの形成に参加するのが困難になるようである。興味深い配列の実質的な部分が単一鎖になりうるようにプローブをデザインすることにより、ハイブリダイゼーションの速度と範囲とは一般に増大する。また、標的が統合ゲノム配列であるならば、PCRの産物の場合のように、標的は二重鎖形になるであろう。これらの二重鎖標的は、単一鎖プローブを用いたハイブリダイゼーションに対して当然抑制的であり、ハイブリダイゼーション工程の前に変性(少なくともプローブにより標的とされる領域において)を必要とする。さらに、十分な自己相補性があるならば、プローブ内では分子内および分子間ハイブリッドが形成されうる。ハイブリダイゼーションに対して抑制的な強い内部構造を形成することが知られているか、見込まれる核酸の領域は、あまり好ましくない。このような構造の実施例にはヘアピンループがある。同様に、広い自己相補性を有するプローブは、一般に、回避する必要がある。これらすべての望ましくない構造は、プローブを注意してデザインすることにより回避することができ、Oligo Tech分析ソフトウエアなどの市販のコンピュータプログラムをこれらの型の相互作用の調査に利用できる。
【0131】
しかし、一部の用途では、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブは、検出の前にまず望ましくないプローブの除去を必要とせずにテスト試料中のプローブと標的との二重鎖の検出を容易にすることは望ましい。「分子トーチ」はBeckeret al.,の”Molecular torches”と題する米国特許第6,361,945号により開示された型の自己相補性プローブである。分子トーチは、「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」と呼ばれる自己相補性の異なった領域を有し、これらのドメインは結合領域により接続され、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイゼーションする。変性条件に曝露した時に、分子トーチの相補性領域(完全にまたは一部が相補性)は融解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件が回復した時に標的配列へのハイブリダイゼーションに利用できる標的結合ドメインを残す。さらに、ストランド置換条件に曝露した場合は、標的配列の一部が標的結合ドメインに結合し、標的結合ドメインから標的閉鎖ドメインを移動させる。分子トーチは、標的結合ドメインが、標的閉鎖ドメインよりも標的配列へのハイブリダイゼーションを利するようにデザインされている。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが標的核酸にハイブリダイゼーションする時とは反対に分子トーチが自己ハイブリダイゼーションする時に異なるシグナルが作られるように配置された相互作用する標識(例えば、発光標識/消光剤)を含み、それにより存続性標識またはそれと関連した標識を有するハイブリダイゼーションしていないプローブの存在下でテスト試料中にプローブと標的との二本鎖の検出ができる。
【0132】
自己相補性を有する検出プローブの別の実施例は、Tyagi et al.,の米国特許第5,925,517号により開示された分子指標である。分子指標は、標的相補体配列を有する核酸分子、標的核酸配列がない場合に閉鎖立体構造中に保持する親和性ペア(または核酸アーム)およびプローブが閉鎖立体構造中にある場合に相互作用する標識ペアを含む。標的核酸および標的相補体配列のハイブリダイゼーションは、親和性ペアのメンバーを分離し、それによりプローブを開いた高次構造にシフトさせる。開いた高次構造へのシフトは、標識ペアの低減した相互作用により検出でき、標識ペアは、例えば、DABCYLおよびEDANSなどの蛍光プローブおよび消光剤でよい。
【0133】
プローブがその標的にハイブリダイゼーションする速度は、プローブ領域における標的二次構造の熱安定性の1つの指標である。ハイブリダイゼーション速度の標準測定は、C1/2であり、これはリッター×秒あたりのヌクレオチドのモル数として測定される
。したがって、最大ハイブリダイゼーションの50%がその濃度で起きるのはプローブの濃度×時間である。この値は、一定時間の間に一定量の標的へのハイブリダイゼーションする種々の量のプローブにより決められる。C1/2は標準操作によりグラフから判
明する。プローブと標識とのハイブリッドの融解温度は、当業者には周知のアイソトープ法により決められる。任意のハイブリッドの融解温度(T)は、使われるハイブリダイゼーション溶液により変わるであろう。
【0134】
好ましい検出プローブは、標的核酸配列またはその相補体に対して十分相補性であり、塩濃度が約0.6−0.9Mの範囲にある場合約60℃の温度に対応するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でこれらの核酸配列またはその相補体とハイブリダイゼーションする。好ましい塩類には、塩化リチウムがあるが、塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムなどの他の塩類もハイブリダイゼーション溶液において使用することができる。高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の実施例は、一方では、約60℃の温度において0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを含む、0.48Mの燐酸ナトリウム緩衝液および各々1mMのEDTAおよびEGTA、または約60℃の温度において1%のラウリル硫酸リチウム(LLS)を含む、0.6MのLiClおよび各々10mMのEDTAおよびEGTAにより提供される。
【0135】
したがって、第1の態様では、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でC.pneumoniae由来の核酸に選択的にハイブリダイゼーションする検出プローブの能力により、C.pneumoniae由来の核酸を非C.pneumoniae核酸(例えば、C.trachomatisおよびC.psittaci)から区別することができる検出プローブに特徴がある。具体的に述べると、該検出プローブは、C.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的配列に実質的に相補性である塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0136】
ハイブリダイゼーションアッセイの場合、標的核酸配列の長さ、したがって、プローブ配列の長さが重要である。いくつかの場合、位置と長さが変わる特定の領域からのいくつかの配列があり、これらが所望のハイブリダイゼーション特性を有するプローブをもたらすことになる。他の場合、1つの配列が塩基1つだけに違いがある別の配列よりも優れたハイブリダイゼーション特性を有するとしてもよい。完全に相補性ではない核酸がハイブリダイゼーションすることは可能であるが、完全に相同性の塩基配列の最長のストレッチが、通常、主としてハイブリッドの安定性を決定することになる。種々の長さおよび塩基組成のプローブが、使われるが、本発明のプローブは長さが塩基100個分までのものが好ましく、塩基13〜35個分の長さのものがより好ましく、塩基15〜25個分の長さのものがより一層好ましい。
【0137】
検出プローブは、23SリボソームRNA(rRNA)、またはC.pneumoniaeの符号化DNA(rDNA)中に存在する標的配列に実質的に相補性である塩基配列を含む。したがって、検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でC.pneumoniae由来の標的配列に安定にハイブリダイゼーションすることができる。検出プローブは、標的にされた核酸領域の外側に追加の塩基を有してもよく、該核酸領域はC.pneumoniae由来の核酸に対して相補性であってもなくてもよいが、テスト試料中に存在してよい非標的生物体から核酸に相補性であってはならない。
【0138】
本発明のプローブ(および増幅オリゴヌクレオチド)は、固体支持体に結合する固定オリゴヌクレオチド中に存在する実質的に相補性の塩基配列に、所定のハイブリダイゼーション条件下で、ハイブリダイゼーションすることができる塩基配列(標的配列にハイブリダイゼーションしようとした塩基配列とは異なる)から構成された捕捉テールを含むようにデザインすることもできる。固定オリゴヌクレオチドは、プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションするのに十分な時間が経過した後、精製工程中に反応容器内で単離することができる磁荷を帯びた粒子に結合するのが好ましい。(このような精製工程を行うために使用することができる装置の実施例は、登録商標DTS400標的捕捉システム(Gen−Probe;カタログ番号5202)である。)このプローブは、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度がプローブと固定オリゴヌクレオチドとのハイブリッドの融解温度よりも高くなるようにデザインするのが好ましい。このようにして、固定オリゴヌクレオチドへのプローブのハイブリダイゼーションの前に標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションを容易にするために種々のセットのハイブリダイゼーションアッセイ条件を使うことができ、それによりフリープローブの濃度を最大にし、液相ハイブリダイゼーション動力学を有利にする。この「2段」標的捕捉方法は、Weisburg et al.,の米国特許第6,110,678号により開示されている。本発明に容易に適合される他の標的適合スキームは、当該技術分野で周知のスキームであり、例えば、Ranki et al.,の”Detection of Microbial Nucleic Acids by a One−Step Sandwich Hybridization Test”と題する米国特許第4,486,539号、Stabinskyの”Methods and Kits for Performing Nucleic Acid Hybridization Assays”と題する米国特許第4,751,177号、およびBoom et al.,の”Process for Isolating Nucleic Acid”と題する米国特許第5,234,809号を含み、これらの文献の各々は引用により本明細書に組み込まれている。
【0139】
C.pneumoniae検出プローブの場合、用語「標的核酸配列」、「標的ヌクレオチド配列」、「標的配列」、および「標的領域」は、すべて、C.pneumoniaeのrRNAまたはrDNA、またはこれらに相補性の配列内に存在する核酸配列を指しており、該核酸配列は密接に関係する種の核酸中に存在するものと同一ではない。標的配列に相補性のヌクレオチド配列を有する核酸は、本明細書のどこかで開示された標的増幅技法により作られる。
【0140】
C.pneumoniaeに密接に関係した生物体は、Chlamydia trachomatisおよびChlamydophila psittaciを含む。さらに、市中肺炎の原因には、Chlamydophila pneumoniaeの他に、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、ヘモフィラスインフルエンザ菌、レジオネラニューモフィラ、肺炎マイコプラズマ、およびコクシエラバーネッティがある。本発明の検出プローブは、これらの生物体のいずれか由来の核酸とC.pneumoniae由来の核酸とを区別できる必要がある。さらに、本発明のC.pneumoniae検出プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でプローブと安定にハイブリダイゼーションしない非C.pneumoniae核酸からC.pneumoniae由来の核酸を区別するのに使用することができる。
【0141】
本発明の好ましい実施形態では、C.pneumoniae検出プローブは、長さは塩基100個分までが好ましく、標的結合領域を含み、該領域はC.pneumoniae23Sリボソーム核酸から誘導され、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された標的領域内に含まれた標的配列と、検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する。より好ましくは、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列から本質的になるか、この塩基は入れtにじっっしつ的に
対応するか、この塩基配列からなるか、またはこの塩基配列内に含まれ、かつこの塩基配列のうちの連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含む。検出プローブは、標的領域に実質的に対応するか、標的領域からなるか、または標的領域内に含まれる標的領域に完全にハイブリダイゼーションするのがより一層好ましい。該プローブは、テスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸よりも、C.pneumoniae由来の核酸に厳しい条件下で選択的にハイブリダイゼーションする。特に、該プローブは、用いた条件下でChlamydia trachomatisまたはChlamydophila psittaciを用いて検出する場合に安定なハイブリッドを形成しない。
【0142】
一旦合成されると、これらのプローブは周知の方法により、検出可能な標識またはレポーター基を用いて標識を付けられる。(例えば、Sambrook et al.,上記を参照、10章を参照のこと。)プローブは、標的配列の検出を容易にするために、放射性アイソトープ、抗原または化学発光部分などの検出可能な部分を用いて標識を付けてよい。有用な標識には、放射性アイソトープ並びに非放射性報告基がある。アイソトープ標識には、H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cがある。アイソトープ標識は、ニックトランスレーション、末端標識付け、第2のストランド合成、逆転写などの当該技術分野で周知の技法、および化学的方法によりオリゴヌクレオチド内に導入することができる。放射性標識を付けたプローブを用いた場合、ハイブリダイゼーションはオートラジオグラフィ、シンチレーション計数、またはガンマ計数などの技法により検出することができる。検出方法は、標識付けに用いた特定の放射性アイソトープによって選択する。
【0143】
非アイソトープ物質も、標識付けに使用することができ、さらにヌクレオチドの間の内部またはオリゴヌクレオチド末端に導入してもよい。修飾ヌクレオチドは、酵素を用いるか、または化学的に組み込むことができる。オリゴヌクレオチドの化学的修飾は、オリゴヌクレオチドの合成の間または後に行える。例えば、Arnold et al.,の米国特許第6,031,091号により開示された非ヌクレオチドリンカー基を使用して行える。非アイソトープ標識には、蛍光分子、化学発光分子、蛍光化学発光分子、燐光分子、電気化学発光分子、発色団、酵素、酵素補助因子、酵素基質、染料およびハプテンまたは他のリガンドがある。別の有用な標識付け技法は、厳しい条件下で標的核酸に安定にハイブリダイゼーションすることができない塩基配列である。本発明のプローブは、アクリジニウムエステルで標識付けするのが好ましい。(アクリジニウムエステル標識は、Arnold et al.,の米国特許第5,185,439号により開示されている。)
選択された検出プローブは、次いで、C.pneumoniaeを含むと思われるテスト試料と接触させることができる。一般に、テスト試料は未知の生物体も含む源に由来する。通常、テスト試料の源は呼吸器検体などの患者の検体である。テスト試料由来の核酸とプローブを接触させた後、プローブおよび試料由来の核酸は、テスト試料中に存在する他の生物体由来の核酸の存在下でテスト試料中に存在する可能性があるC.pneumoniae由来の標的核酸にプローブを選択的にハイブリダイゼーションすることを可能にする条件下で培養することができる。
【0144】
検出プローブは、C.pneumoniae由来の標的核酸への結合を容易にする1つまたはそれ以上の標識付きでないヘルパープローブと組み合わせることもできる。(Hogan et al.,の”Means and Method for Enhancing Nucleic Acid Hybridization”と題する米国特許第5,030,557号を参照のこと。該特許の内容は引用により本明細書に組み込まれている。)テスト試料中に存在する標的核酸に検出プローブがハイブリダイゼーションした後、得られるハイブリッドは、ヒドロキシアパタイト吸着および放射性モニタリングなどの当該技術分野で周知の種々の技法により分離され、検出される。他の技法には、Arnold et al.,の米国特許第5,283,174号により開示された、ハイブリダイゼーションされていないプローブと関係がある標識を選択的に分解させ、次いで、ハイブリダイゼーションプローブと関係がある残りの標識の量を測定することを含む技法がある。発明者らは、この後の方の技法を特に好む。
【0145】
(G.アッセイ方法)
本発明は、テスト試料中のC.pneumoniae由来の核酸の存在または量を検定する種々の方法を熟慮している。当業者は、使われる正確なアッセイ条件、プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドが、使われる特定のアッセイフォーマットおよび試料源によって変動することを理解するであろう。
【0146】
本発明の1つの態様は、テスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体由来の核酸よりも、C.pneumoniae由来の標的核酸に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイゼーションしうる検出プローブと、テスト試料とをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で接触させることによりテスト試料中のC.pneumoniaeの存在または量を決める方法に関係している。このような方法では、本発明のプローブは、塩基100個分までの長さが好ましく、標的結合領域を含み、この領域はC.pneumoniaeの23Sリボソーム核酸由来でかつ配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4からなる群から選択された標的領域内に含まれた標的配列と、検出に関して安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成する。(試料源により、テスト試料は、この方法のプローブが区別できる未知の生物体を含むとしてもよい。)より好ましくは、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列を本質的に含むか、またはこの塩基配列内に含まれかつこの塩基配列内の連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含む。より一層好ましいのは、この方法による検出プローブは、実質的に標的領域に対応し、標的領域からなり、または標的領域内に含まれる標的配列に完全にハイブリダイゼーションすることである。検出プローブは、さらに、テスト試料中に検出を容易にするための標識を含むことができる。特に好ましいモードでは、本発明の方法において使われる検出プローブは、Arnold et al.,の米国特許第5,185,439および6,031,091号の開示によりプローブに結合されたアクリジニウムエステル標識を含む。
【0147】
本発明の別の態様は、核酸ポリメラーゼと接触した時に、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号73、配列番号74、配列番号75および配列番号76からなる群から選択された塩基配列を有する核酸領域に結合するか、または該核酸領域を介して伸長する1つまたはそれ以上の増幅オリゴヌクレオチドを用いる増幅条件下でテスト試料に接触することによりテスト試料中のC.pneumoniae23Sリボソーム核酸由来の標的配列を増幅する方法に関係している。この方法の増幅オリゴヌクレオチドは、任意に、RNAポリメラーゼにより認識されたか、またはRNAポリメラーゼにより開始または伸長を促す核酸配列を含む。この方法で使用されうる特定の増幅オリゴヌクレオチドおよび増幅オリゴヌクレオチドの組み合わせは、上で「Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸」という表題の下、および下の実施例で説明している。
【0148】
好ましい実施形態では、テスト試料中のC.pneumoniae由来の核酸を増幅する方法は、テスト試料中に存在する非C.pneumoniae生物体からの核酸よりも、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、増幅C.pneumoniae標的核酸に選択的にハイブリダイゼーションすることができる検出プローブを用いたストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、さらに、テスト試料を接触させる工程を含む。増幅ための十分な期間が経過した後に、テスト試料は、一般に、検出プローブと接触させるが、検出プローブが上で論議した分子トーチなどの自己ハイブリダイゼーションするプローブである場合のように、増幅オリゴヌクレオチドおよび検出プローブはいずれの順番でも試料に加えてよい。テスト試料を検出プローブと接触させるこの工程は、テスト試料中のC.pneumoniaeの存在または量が決められるように行われる。この方法で使用するのが好ましい検出プローブは、上の「Chlamydophila pneumoniaeリボソーム核酸の検出プローブ」と題するセクションで説明されている。
【0149】
本発明のさらに別の態様は、テスト試料中のC.pneumoniae23Sリボソーム核酸由来の標的核酸を固定する方法に関する。本発明の捕捉プローブは、塩基100個分までの長さが好ましく、配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択された標的領域内に含まれる標的配列に、アッセイ条件下で、安定にハイブリダイゼーションする標的結合領域を含む。標的結合領域の塩基配列は、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号356および配列番号36からなる群から選択された塩基配列を含むか、この塩基配列と重なるか、この塩基配列から本質的になるか、この塩基配列に実質的に対応するか、この塩基配列からなるか、またはこの塩基配列に含まれ、かつこの塩基配列のうちの連続した15塩基のうちの少なくとも12、13、14または15個を含むのがより好ましい。この方法による検出プローブは、実質的に標的領域に対応するか、標的領域からなるか、または標的領域内に含まれる標的配列に完全にハイブリダイゼーションするのがより一層好ましい。固定標的核酸に含まれる標的配列の増幅または特異的な検出を妨害したり、防止するおそれのあるテスト試料の1つまたはそれ以上の成分を除去するための精製工程に続いて、一般に、固定工程がある。
【0150】
本発明の固定方法は、好ましくは、標的結合領域と固定プローブ結合領域をテスト試料に提供し、第1セットのハイブリダイゼーション条件下で捕捉プローブが標的核酸に安定結合するのを可能にし、それにより捕捉プローブ:標的複合体を形成し、次いで、第2セットのハイブリダイゼーション条件下で捕捉プローブがテスト試料中の固定プローブに安定結合するのを可能にし、それにより固定プローブと捕捉プローブ:標的複合体を形成する。ハイブリダイゼーション条件の第1および第2のセットは、同じか異なり、捕捉プローブおよび標的からなる複合体は、第2セットのハイブリダイゼーション条件下で安定している。
【0151】
C.pneumoniae由来の核酸を固定し、任意に精製する方法は、C.pneumoniae由来の標的核酸を増幅および/または該核酸の存在を検出する上で説明した方法のいずれかを先行させてもよい。精製工程が含まれるならば、標的核酸は固定プローブから間接的に溶離させてもよいし、または標的配列を増幅または検出する前にサンプル条件を変えることにより固定プローブと捕捉プローブおよび標的からなる複合体の捕捉プローブから直接溶離してもよい。
【0152】
(H.診断体系)
本発明はキットの形をした診断体系も熟慮している。本発明の診断体系は、少なくとも1つのアッセイに対して十分な量の、包装された本発明の検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドのいずれかを含むキットを具備している。通常、キットは、テスト試料中のC.pneumoniaeの存在または量を測定する増幅および/または検出アッセイにおける包装されたプローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドを使用するために有形の形(例えば、紙に記録されているか、またはディスク、CD−ROM、DVDまたはビデオテープなどの電子媒体に記録されている)に記録された使用説明書も含む。
【0153】
診断体系の種々の成分は、種々の形態で提供される。例えば、必要な酵素、ヌクレオチドトリホスフェート、プローブおよび/またはプライマーは凍結乾燥された試薬として提供される。これらの凍結乾燥された試薬は凍結乾燥する前に予め混合されているので、凍結乾燥する前にもどした場合は、各成分が適正な比率をした完全な混合物を形成しており、アッセイにおいて直ぐに使用できる。さらに、本発明の診断体系は、キットの凍結乾燥試薬を再構成するための再構成試薬を含んでいる。C.pneumoniae由来の標的核酸を増幅する好ましいキットでは、酵素、ヌクレオチドトリホスフェートおよび酵素に必要な補助因子が、再構成する場合、この増幅方法で使用する適切な試薬を形成する単一の凍結乾燥試薬として用意されている。これらのキットでは、凍結乾燥プライマー試薬も用意されている。他の好ましいキットでは、凍結乾燥試薬が用意されている。
【0154】
代表的な包装材料には、ガラス、プラスチック、紙、ホイル、微粒子および本発明の検出プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドを固定限界内に保持できるものなどがある。したがって、例えば、包装材料はmg以下(例えば、ピコグラムまたはナノグラム)の量の熟慮したプローブまたはプラスチックを含むためにガラスの小瓶を含むことができ、または包装材料は本発明のプローブまたはプライマーが動作可能なように取り付けられ、本発明の増幅および/または検出方法に関与しうるように結合されたマイクロタイタープレートウエルでありうる。
【0155】
使用説明書は、通常、試薬および/または試薬の濃度および、例えば、試料の量あたり使用する試薬相対量としてもよい少なくとも1つのアッセイ方法パラメータを示している。さらに、メインテナンス、期間、温度および緩衝条件などの仕様が含まれていることがある。
【0156】
本発明の診断体系は、テスト試料中のC.pneumoniaeの存在または量を増幅および/または測定する場合に使用する、個々に用意されているかまたは上で説明された好ましい組み合わせの1つで用意されているにしても、本明細書で説明された検出プローブ、捕捉プローブおよび/または増幅オリゴヌクレオチドのいずれかを有するキットを熟慮している。
【実施例】
【0157】
本発明の種々の態様および実施形態を説明している実施例を下に提示している。これらの実施例は、実際に行われた実験の細部を正確に反映していると考えられるが、しかし、実際に行われた研究と下に説明した実験の細部との間に小さな食い違いが存在する可能性はあるが、これは、これらの実験の結論には影響を及ぼさない。当業者は、これらの実施例は本発明をそこで説明した具体的な実施形態に限定するものではないことを認識するであろう。
【0158】
(1.生物体の溶解)
下の実施例の全細胞は、「試薬」のセクションにおいて「溶解バッファー」として下で説明した輸送媒体中で化学的に溶解した。この輸送媒体は、洗剤含有緩衝溶液であり、この溶液は細胞溶解に加えてテスト試料中に存在するRNaseの活性を抑制することにより放出されたRNAを保護する。
【0159】
(2.オリゴヌクレオチドの合成)
下の実施例で取り上げたオリゴヌクレオチドは、検出プローブ、ヘルパー、プローブ、プライマーおよび捕捉プローブを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、標準ホスホルアミジテの化学を用いて合成し、該化学の種々の方法が当該技術分野で知られている。例えば、Caruthers et al.,Methods in Enzymol.,154:287(1987)を参照のこと。合成は、商品名Expedite8909核酸合成装置(カリフォルニア州Foster City,Applied Biosystems)を用いて行った。検出プローブも、Arnold et al.,米国特許第5,585,481および5,639,604号により開示されている非ヌクレオチドリンカーを具備するために合成し、Arnold et al.,の米国特許第5,185,439号により開示された化学発光アクリジニウムエステルで標識を付けた。
【0160】
(3.転写媒介増幅)
以下の実施例における標的配列の増幅は、例えば、Kacian et al.,の米国特許第5,399,491および5,480,784号およびLee et al.,上記参照、第8章により開示された転写媒介増幅(TMA)操作によるものであった。TMAは、等温増幅操作であり、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ(下の「酵素試薬」を参照のこと)を用いて標的配列のコピー数を10億倍以上に上げることができる。TMA反応は、一対の増幅オリゴヌクレオチド(その内の1つは5’RNAポリメラーゼ特異性プロモーター配列を有する)の存在下で逆転写酵素により、単一鎖の標的配列の二重鎖のDNA中間体への変換を含む。この実施形態では、DNA中間体は、RNAポリメラーゼにより認識される二重鎖プロモーター配列を含み、標的配列の転写をRNAの数百のコピーに向けさせる。これら転写されたRNA分子の各々は、次々に、二重鎖DNA中間体に変換され、該中間体は追加のRNAの産生に使われる。したがって、TMA反応は指数関数的に進行する。以下の実施例で使われるTMA反応の詳細は、以下で説明する。
【0161】
(4.試薬)
以下の実施例では、溶解バッファー、標的捕捉試薬、増幅試薬、オイル試薬、酵素試薬、ハイブリダイゼーション試薬、選択試薬、および検出試薬を含む種々の試薬が参照されている。これらの試薬は以下すべての実施例で同じであると考えられているが、実施例1および2で使われた試薬の具体的処方およびpH値は次のとおりであった。
【0162】
溶解バッファー。「溶解バッファー」は、15mMの水酸化ナトリウム、15mMのNaOH、1.0mMのEDTA、1.0mMのEGTA、および110mMのラウリル硫酸リチウム(”LLS”)を含む。
【0163】
標的捕捉試薬。「標的捕捉試薬」は、250mMのN−2−ヒドロキシエテルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(”HEPES”)、310mMのLiOH、1.88MのLiCl、100mMのEDTAを含み、pH6.4に調節し、およびカルボキシレートに共有結合した5’−アミノ修飾オリゴ(dT)14を有する250μg/mLの登録商標Sera−Mag磁性カルボキシレート−修飾ミクロ粒子(インディアナ州Indianapolis,Seradyn,Inc.,;カタログ番号2415−2105)を含む。
【0164】
増幅試薬。「増幅試薬」は、26.7mMのrATP、33.3mMのrGTP、5.0mMのrUTP、125mMのHEPES、8%(w/v)のトレハロース、1.33
mMのdATP、1.33mMのdCTP、1.33mMのdGTP、1.33mMのdTTP、0.003%フェノールレッド、0.5%を含む3.6mLの溶液の凍結乾燥した形態をし、pH7.5に調節していた。増幅試薬は、下で説明する9.7mLの増幅試薬再構成溶液として再構成した。
【0165】
増幅試薬再構成溶液。「増幅試薬再構成溶液」は、0.4%(v/v)エチルアルコー
ル、0.10%(w/v)メチルパラベン、0.02%(w/v)プロピルパラベン、33mMKCl、および30.6mMMgClを含んだ。
【0166】
洗浄溶液。「洗浄溶液」は、10mMのHEPES、6.5mMのNaOH、1mMのEDTA、0.3%(v/v)エチルアルコール、0.02%(w/v)メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、150mMのNaClおよび0.1%(w/v)のラウリル硫酸ナトリウムを含み、pH7.5に調節した。
【0167】
酵素試薬。「酵素試薬」は、20mMのHEPES、125mMのN−アセチル−L−システィン(”NALC”)、0.1mMのEDTA、0.2%(v/v)の登録商標T
RITON X−100洗剤、および0.2Mのトレハロースから構成された酵素凍結乾燥バッファー中に900RTU/μLモロニーマウス白血病ウイルス(”MMLV”)逆転写酵素と200U/μL T7 RNAポリメラーゼを含み、pH7.0に調節した1.45mLの酵素試薬溶液の凍結乾燥物であった。(活性の1「ユニット」または「RTU」は、MMLV逆転写酵素の場合37℃で15分間、5.75fmolのcDNAの合成および放出として定義され、およびT7 RNAポリメラーゼの場合、活性の1「ユニット」または「U」は、37℃で20分間、5.0fmolのRNA転写物の産生として定義される。)酵素試薬は、下に説明した3.6mLの酵素試薬再構成溶液として再構成した。
【0168】
酵素試薬再構成溶液。「酵素試薬再構成溶液」は、50mMのHEPES、1mMのEDTA、10%(v/v)登録商標TRITON X−100洗剤、120mMKCl
、および20%(v/v)グリセロールを含み、pH7.0に調節した。
【0169】
ハイブリダイゼーション試薬。「ハイブリダイゼーション試薬」は、100mMのコハク酸、2%(w/v)のLLS、100mMのLiOH、15mMのアルドリチオール−
2、1.2MのLiCl、20mMのEDTA、および3.0%(v/v)のエチルア
ルコールを含み、pH4.7に調節した。
【0170】
選択試薬。「選択試薬」は、600mMのホウ酸、182.5mMのNaOHペレット、および1%(v/v)登録商標TRITON X−100洗剤を含み、pHを8.5に
調節した。
【0171】
検出試薬。次の実施例の「検出試薬」は、1mMのHNOおよび32mMのHを30%(v/v)含む検出試薬I、および1.575MのNaOHをペレットとして含
む検出試薬IIを含む。
【0172】
オイル試薬。次の実施例の「オイル試薬」は、シリコーンオイル(ペンシルバニア州BristolのUnited Chemical Technologies,Inc.,;カタログ番号PS038)であった。
【0173】
(実施例1 C.pneumoniae増幅アッセイの特異性)
この実験は、密接な関係にある種であるChlamydia trachomatisおよびChlamydophila psittaciから導かれるChlamydophila abortusを含む、多数の非標的生物体由来の核酸よりもC.pneumoniaeのrRNAの23S領域を標的とする増幅アッセイの感受性および特異性を決定するために行った。テストした生物体またはrRNAの各量について、テスト試料の複製を2つ作った。負の対照の3つの複製も作り、テストした。
【0174】
これらのテスト試料および負の対照は、400μLの溶解バッファーと100μLの標的捕捉試薬とを配合して、10管装置(カリフォルニア州San DiegoのGen−Probe Inc.,カタログ番号TU0022)の反応管内にまず組み立てた。各テスト試料について、該溶解バッファーはさらに下の表1に示した量の生物体またはrRNAを入れた。標的捕捉試薬は、配列番号103の配列:gctaaagttttaggtggtacaggtttaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaを有する2.5pmolの標的捕捉プローブを含む。この捕捉プローブは、5’標的結合領域(配列番号33)および3’固定プローブ結合領域(配列番号102)を含む。(該固定プローブ結合領域は、標的結合部分とオリゴ(dA)30配列の間に入れた5’−ttt−3’スぺーサ配列を含み、固定オリゴ(dA)14に結合するために捕捉プローブをより柔軟にする。)反応管は、密封カード(Gen−Probe;カタログ番号2085)でカバーし、手で振とうし、62℃で30分間培養し、捕捉プローブの標的結合領域の標的核酸へのハイブリダイゼーションを可能にするために62℃で30分間培養した。この培養に続いて、反応管を60秒間渦流状態にし、次いで、磁気粒子に結合したオリゴ(dT)14に捕捉プローブの固定プローブ結合領域のオリゴ(dA)30配列のハイブリダイゼーションを容易にするために室温で30分間冷却した。試料を冷却後、登録商標DTS400標的捕捉システム(Gen−Probe;カタログ番号5202)を用いて磁気粒子を単離し、洗浄した。登録商標DTS400標的捕捉システムは、10管テスト装置(”TTU”)を配置し、反応管に磁場をかけるために試験管ベイを有する。TTUは登録商標DTS400標的捕捉システム上の試験管ベイ内に磁場の存在下で5分間置き、TTUから試料物質を吸引する前に反応管内で磁気粒子を単離する。各反応管には、次いで、1mLの洗浄溶液を入れ、密封カードでカバーし、渦流状態にして磁気粒子を再び懸濁させる。TTUは登録商標DTS400標的捕捉システム上の試験管ベイに戻し、室温で5分間放置して、洗浄溶液を吸引する。
【0175】
標的の捕捉に続いて、再構成増幅試薬の75μLのアリコートを各反応管に添加した。再構成増幅試薬の各アリコートは、配列番号81の配列を有する14pmolのプライマーおよび配列番号104の配列:aatttaatacgactcactatagggagacacactatcagtt cctccgaagの配列を有する20pmolのプロモーター−プライマーでスパイクした。該プロモーター−プライマーは、3’標的結合部分(配列番号45)および5’T7プロモーター配列(配列番号97)を具備した。該反応管には、次いで、200μLのオイル試薬を入れ、密封カードでカバーし、10秒間渦流状態にして標的核酸へのプロモーター−プライマーの結合を助長するために最初のアニール工程の間62℃で10分間培養する。該反応管は、42℃でさらに5分間培養し、次いで、各反応管にμLの再構成酵素試薬を添加する。反応管は再び密封カードでカバーし、これらの内容物は手で穏やかに混合した。混合後、反応管は42℃で60分間培養した。
【0176】
C.pneumoniae増幅産物の検出では、20fmolの検出プローブを含む100μLのハイブリダイゼーション試薬を各反応管に添加した。該検出プローブは、配列番号105の塩基配列:gcuaacacaaggucg(配列番号6の2’−O−メチル修飾バージョン)および5’から3’へと読み取ってヌクレオチド8と9との間に配置された非ヌクレオチドリンカーによりプローブに結合した標準アクリジニウムエステル標識を有した。反応管は密封カードでカバーし、10秒間渦流状態にし、次いで、62℃で20分間培養し、反応管内に存在する増幅産物に検出プローブのハイブリダイゼーションを可能にした。これらの反応管は室温で5分間冷却し、次いで、各反応管に250μLの選択試薬を添加した。これらの反応管は再び密封カードでカバーし、10秒間渦流状態にし、次いで、62℃で10分間培養し、ハイブリダイゼーションしていないプローブと関連があるアクリジニウムエステル標識を加水分解した。次いで、これらの反応管を室温で15分間冷却し、検出試薬1の自動注入、次いで検出試薬2の自動注入を行える、登録商標LEADER HC+照度計(Gen−Probe,カタログ番号4747)で分析した。この実験におけるネガティブな結果の切捨ては、50,000RLUであった。
【0177】
この実験の結果は、下の表1にまとめており、C.pneumoniaeアッセイは、C.trachomatis、C.abortus、またはテストした他の細菌のいずれか由来の核酸との交差反応なしに、増幅および検出したC.pneumoniae由来の核酸をテストしていることを示している。この表の用語「RLU」は相対的な光単位を表している。
【0178】
【表1−1】

【0179】
【表1−2】

【0180】
【表1−3】

(実施例2 2つのC.pneumoniae検出プローブの比較)
この実験の目的は、2つの検出プローブの内、C.pneumoniae、C.trachomatisおよびC.psittaciを最もよく区別するプローブを決めることであった。この実験の検出プローブには、実施例1の検出プローブ(”プローブ1”)および配列番号21と、5’から3’へと読み取ってヌクレオチド7とヌクレオチド8との間に配置された非ヌクレオチドリンカーによりプローブに結合された標準アクリジニウムエステル標識とを有する検出プローブ(”プローブ2”)を具備した。この実験の検出工程において、増幅産物にハイブリダイゼーションしたプローブは、各反応管に250μLの選択試薬を添加し、62℃で5、10、15または20分間試料を培養して選択した。これらの試料は、各選択時間について5個の複製についてテストした。各選択期間の最後に、その時間グループの反応管は氷上に貯蔵し、すべての反応管はすべての選択時間の完了時にさらに5分間氷上に貯蔵した。次いで、反応管を室温で10分間温め、ハイブリダイゼーションされたプローブは実施例1で説明した方法で検出した。検出プローブ(0.1pmol/試料)およびプライマー(15pmol/非T7プライマー試料および15pmol/T7プロモーター−プライマー試料)の濃度を除いて、この実験の試薬の残り、材料および操作は実施例1で説明したものと実質的に同じであった。
【0181】
この実験の結果は、下の表2および3に示し、C.pneumoniaeアンプリコンにハイブリダイゼーションした両プローブのRLU値が高いことを示している。したがって、プローブ1は、選択時間5分においてC.trachomatisおよびC.psittaciとの交差反応性を示し、一方、プローブ2は、選択時間5分および10分においてC.psittaciとの交差反応性を示した。これらの結果は、両プローブがC.pneumoniaeを特異的に検出しうることを示しているが、プローブ1がベストであることが判明した。両プローブは、62℃の選択温度で良好な特異性を示すものと見込まれている。
【0182】
【表2】

【0183】
【表3】

(実施例3 C.pneumoniae増幅アッセイの特異性)
この実験の目的は、C.pneumoniaeのrRNAの23S領域を標的とする別の増幅アッセイの特異性を決定することであった。この実験では、C.pneumoniaeおよび密接に関連したC.trachomatisおよびC.psittaciを含む11種類の生物体からのRNAを、3種類の濃度において2つの複製についてテストした。負の対照の3つの複製も、このC.pneumoniae増幅アッセイを用いてテストした。
【0184】
これらのテスト試料および負の対照は、400μLの洗剤含有輸送媒体と200μL標的捕捉試薬を配合してTTU(Gen−Probe;カタログ番号TU0022)の反応管内にまず組み立てた。これらのテスト試料は、下の表4に示した量のRNA転写物によりスパイクした。標的捕捉試薬には、結合オリゴ(dT)配列を有する磁気反応粒子および配列番号106の配列:gctccatcgtctacgcatttgtgctttaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaを有する5pmolの捕捉プローブが含まれていた。該配列は、5’標的結合領域(配列番号33)および3’固定プローブ結合領域(配列番号102)を具備した。これらの反応管の内容物は混合し、60℃で10分間培養し、捕捉プローブの標的結合領域を標的核酸にハイブリダイゼーションさせることができた。次いで、これらの試料を室温で5分間冷却し、捕捉プローブのオリゴ(dA)30配列を磁気反応粒子のオリゴ(dT)配列にハイブリダイゼーションさせることができた。磁気反応粒子を単離するために、実施例1で説明したように、登録商標DTS400標的捕捉システムを用いて10分間磁場に曝露させ、これらの反応管から試料物質を吸引した。磁気反応粒子は、各反応管に1mLの緩衝洗浄溶液を添加し、渦流状態にし、反応管の内容物をさらに5分間登録商標DTS400標的捕捉システムの磁場にかけ、次いで各反応管から緩衝洗浄溶液を吸引して洗浄した。この洗浄操作を一度反復した。
【0185】
標的捕捉工程の後、75μLの増幅試薬を各反応管に添加した。増幅試薬は、配列番号77の配列を有するプライマーおよび配列番号107の配列:aatttaatacgactcactatagggagaccttgcgccacactatcを有するT7プロモーター−プライマーを各々15pmolを含有し、配列番号107の配列は配列番号65の配列を有する3’標的結合部分および5’T7プロモーター配列(配列番号97)を具備した。増幅試薬は、rNTP類、dNTP類、塩類、バッファー類、およびTMA反応においてC.pneumoniae標的配列を増幅するのに必要な補助因子も含有した。次いで、各反応管に100μLのシリコーン油を入れ、渦流状態にし、標的核酸へのプロモーター−プライマーの結合を促進するために初期のアニール工程の間60℃で10分間培養した。初期のアニール工程に続いて、反応管を42℃で5分間培養し、逆転写酵素とT7RNAポリメラーゼを含む酵素試薬を各反応管に25μL添加した。次いで、反応管の内容物を手で混合し、42℃で60分間培養した。
【0186】
増幅後、配列番号108の配列:caa ugagacugguuaguagの2’−O−メチル修飾バージョン、および5’から3’へと読み取ってヌクレオチド9とヌクレオチド10との間に配置された非ヌクレオチドリンカーによりプローブに結合したアクリジニウムエステル標識を有する検出プローブを10pmol含有する100μLのプローブ試薬。反応管は60℃で20分間培養し、反応管内に存在する増幅産物への検出プローブのハイブリダイゼーションを可能にした。その後、300μLの選択試薬を各反応管に添加した。次いで、反応管を60℃で10分間培養し、ハイブリダイゼーションしなかったプローブに関連したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。次いで、反応管の内容物は、氷上で1分間冷却し、ハイブリダイゼーションプローブに関連したアクリジニウムエステル標識を検出するための試薬の自動注入を行える、登録商標LEADER450hc照度計で分析した。
【0187】
この実験の結果は、下の表4で説明し、C.trachomatisRNAとこのアッセイの交差反応性を示している。さらに、C.pneumoniaeのRNAに関連したRLU値は、このアッセイが標的核酸に対して低い感受性を有することを示唆している。
【0188】
【表4−1】

【0189】
【表4−2】

(実施例4 C.pneumoniae23S rRNAの増幅における種々のプライマーセットの有効性)
この実験は、C.pneumoniae23S rRNA標的配列の増幅における種々のプライマーセットの性能を評価するためにデザインした。試料は4個の複製についてテストし、C.pneumoniae標的配列を含む転写コピーを200か2000個有した。テストした負の対照には、評価した各プライマーセットについて2個の複製が含まれていた。
【0190】
反応管は、まず、200μLの標的捕捉試薬および転写物のコピーを0、200または2000個を有する、洗剤含有輸送媒体を400μL含むように設定した。標的捕捉試薬は、結合オリゴ(dT)配列を有する磁気反応粒子および実施例1の捕捉プローブを含有した。反応管の内容物は、混合し、60℃で10分間培養し、捕捉プローブの標的結合領域の標的核酸へのハイブリダイゼーションを可能にした。次いで、これらの試料を室温で10分間冷却し、捕捉プローブのオリゴ(dA)30配列を磁気反応粒子のオリゴ(dT)配列にハイブリダイゼーションさせることができた。磁気反応粒子を単離するために、実施例1で説明したように、登録商標DTS400標的捕捉システムを用いて10分間磁場に曝露した。次いで、これらの反応管から試料物質を吸引し、磁気反応粒子は緩衝洗浄溶液で2度洗浄した。
【0191】
標的捕捉操作に続いて、各反応管にrNTP類、dNTP類、塩類、バッファー類、補助因子およびC.pneumoniae標的配列を増幅するプライマーセットを含む増幅試薬を75μL入れた。各プライマーセットは、TMA反応において使用する非T7プライマーおよびT7プロモーター−プライマーを各々15pmol含有した。これらのプライマーセットはグループA−Dに分割し、各グループはプライマーと5種類のプロモーター−プライマーを含有していた。グループAは配列番号81の配列を有するプライマーを含み、グループBは配列番号85の配列を有するプライマーを含み、グループCは配列番号89の配列を有するプライマーを含み、およびグループDは配列番号93の配列を有するプライマーを含む。グループA−Dの各々のプライマーは、次のプロモーター−プライマーの各々と組み合わせて別々にテストした。
配列番号104:aatttaatacgactcactatagggagacacactatcagttcctccgaag(「プロモーター−プライマー1」)
配列番号109:aatttaatacgactcactatagggagagcgccacactatcagttc(「プロモーター−プライマー2」)
配列番号110:aatttaatacgactcactatagggagaccttgcgccacactatcagttc(「プロモーター−プライマー3」)
配列番号111:aatttaatacgactcactatagggagaccttgcgccacactatc(「プロモーター−プライマー4」)および
配列番号112:aatttaatacgactcactatagggagagaaagccttgcgccacactat(「プロモーター−プライマー5」)。
【0192】
プロモーター−プライマーの各々は、3’標的結合部分および5’T7プロモーター配列(配列番号97)を具備した。配列番号104および109−112の標的結合部分は、それぞれ、配列番号45、53、57、65および69を有した。増幅試薬添加後、200μLのシリコーン油を各反応管に添加し、試料を渦流状態にし、60℃で10分間培養し、転写物へのプロモーター−プライマーの結合を開始した。これに続いて42℃で5分間培養し、その後各反応管に逆転写酵素とT7RNAポリメラーゼを含む25μLの酵素試薬を入れた。次いで、試料を42℃で60分間培養した。
【0193】
C.pneumoniae増幅産物を検出するために、各反応管に、5’から3’へと読み取ってヌクレオチド9とヌクレオチド10との間に配置された非ヌクレオチドリンカーによりプローブに接合したアクリジニウムエステル標識と配列番号108の配列を有する10pmolの検出プローブを含む100μLのプローブ試薬とを入れた。反応管は60℃で20分間培養し、反応管に存在する増幅産物への検出プローブのハイブリダイゼーションを可能にした。次いで、300μLの選択試薬を各反応管に添加した。次いで、反応管は60℃で10分間培養し、ハイブリダイゼーションしなかったプローブに関連したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。反応管の内容物は、次いで、氷上で1分間冷却し、ハイブリダイゼーションプローブに関連したアクリジニウムエステル標識を検出するための試薬の自動注入を行える、登録商標LEADER450hc照度計で分析した。
【0194】
この実験の結果は下の表5で説明し、グループAおよびCのプライマーおよび配列番号104、109および110の配列を有するプロモーター−プライマーが最高の性能を有することを示している。優れた性能を示した他の組み合わせは、配列番号112の配列を有するプロモーター−プライマーと組み合わせたグループAのプライマー、および配列番号104、109および112の配列を有するプロモーター−プライマーと組み合わせたグループDのプライマーであった。
【0195】
【表5】

(実施例5 C.pneumoniae23S rRNAの増幅に対するプライマー濃度変動の効果)
この実験は、種々のプライマー濃度における実施例4の好ましいプライマーセットの性能を評価するためにデザインした。操作は、プライマーセットおよび負の対照は5つの複製でテストしたことを除いて、実質的に実施例4の操作と同じであり、23rRNA C.pneumoniae転写物の2000コピーを含む試料のみをテストした。さらに、下で説明したプライマーのグループAのセットは、実施例4の捕捉プローブを用いてテストし、一方、下で説明したプライマーのグループBのセットを含むテストは、配列番号113の配列:gctccatcgtctacgcatttgtgctttaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaを有する捕捉プローブを用い、該配列は5’標的結合領域(配列番号29)および3’固定プローブ結合領域(配列番号102)を具備した。
【0196】
テストしたプライマーのグループAのセットは、配列番号104(「プロモーター−プライマー1」)、配列番号109(「プロモーター−プライマー2」)、または配列番号110(「プロモーター−プライマー3」)の配列を有するT7プロモーター−プライマーと併せて配列番号81の配列を有する非T7プライマーを具備した。テストしたプライマーのグループBのセットは、プライマーのグループAのセットのプロモーター−プライマー2またはプロモーター−プライマー3と併せて配列番号89の配列を有する非T7プライマーを具備した。プライマーの組み合わせの負の対照のシグナルは、平均2,089RLUであった。この実験の残りの結果は、下の表6および7に提示しており、これらの表はグループAの非T7プライマーが、テストした各プライマー濃度においてグループBの非T7プライマーよりも優れた性能を示した。これらの結果は、非T7プライマーのいずれかより高い濃度(15と30pmolとの間の)を用いると優れた増幅結果を達成できることも示している。
【0197】
【表6】

【0198】
【表7】

特定の好ましい実施形態を参照しながら、本発明についてかなり詳細に説明し、証明してきたが、当業者には、本発明の他の実施形態についても容易に認識できるであろう。したがって、本発明には、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に包含される改変形態および変形形態がすべて含まれると考えられる。
【0199】
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

【数17】

【数18】

【数19】

【数20】

【数21】

【数22】

【数23】

【数24】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Chlamydophila pneumoniae由来の核酸の標的領域を増幅する際に使用するためのオリゴヌクレオチドのセットであって、該オリゴヌクレオチドのセットが、
配列番号45、配列番号46、配列番号53、配列番号54、配列番号57、配列番号58、配列番号69、および配列番号70からなる群から選択された第1塩基配列および、必要に応じて、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列を含む、第1オリゴヌクレオチド、および
配列番号81、配列番号82、配列番号89、配列番号90、配列番号93、および配列番号94からなる群から選択された第2塩基配列および、必要に応じて、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列を含む、第2オリゴヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチドのセット。
【請求項2】
前記第1オリゴヌクレオチドの塩基配列が、前記第1塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなる群から選択される塩基配列からなり、
前記第2オリゴヌクレオチドの塩基配列が、前記第2塩基配列および必要に応じて、RNAポリメラーゼにより認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列からなる、請求項に記載のオリゴヌクレオチドのセット。
【請求項3】
前記第1塩基配列が、配列番号45または配列番号46の塩基配列である、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項4】
前記第1塩基配列が、配列番号53または配列番号54の塩基配列である、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項5】
前記第1塩基配列が、配列番号57または配列番号58の塩基配列である、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項6】
前記第1塩基配列が、配列番号69または配列番号70の塩基配列である、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項7】
前記第2塩基配列が、配列番号81または配列番号82の塩基配列である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項8】
前記第2塩基配列が、配列番号89または配列番号90の塩基配列である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項9】
前記第2塩基配列が、配列番号93または配列番号94の塩基配列である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドのセット
【請求項10】
前記第1オリゴヌクレオチドが、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促す5’配列を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドのセット。
【請求項11】
テスト試料中に存在するChlamydophila pneumoniae由来の核酸の標的領域を増幅するための方法であって、該方法が
a)請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記第1オリゴヌクレオチドおよび第2オリゴヌクレオチドと該テスト試料とを接触させる工程、ならびに
b)該テスト試料を前記標的領域を増幅するのに十分な時間にわたって増幅条件に曝露する工程、
を含む、方法。

【公開番号】特開2013−74903(P2013−74903A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−11814(P2013−11814)
【出願日】平成25年1月25日(2013.1.25)
【分割の表示】特願2008−515943(P2008−515943)の分割
【原出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(500506530)ジェン−プロウブ インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】