説明

テトラヒドロカルバゾール誘導体およびそれらの薬学的使用

本発明は、ヒト・パピローマウイルスの治療に有用である式(I)の新規な化合物、ならびにそのような化合物の製造方法および使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト・パピローマウイルスの治療に有用である新規な化合物、ならびにそのような化合物の製造方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト・パピローマウイルス(HPV)は、多くの症状および疾患に関与する、被膜を持たない小型のDNAウイルスである。例えば、HPVは、非常にさまざまな良性および前悪性の腫瘍を引き起こす。
【0003】
HPVは、直接接触により拡延する。HPVは、皮膚吸収性と粘膜性という2つのカテゴリーに分類できる。皮膚吸収性HPVは、手や足に、尋常疣贅、足底疣贅、糸状疣贅、扁平疣贅などの疣贅(いぼ)を生じさせる。粘膜性HPVタイプは、肛門性器領域および口腔に感染する。現在まで、約100種の異なるHPVタイプが特性付けられている。約40種のHPVタイプは、特に陰部および口腔の粘膜に感染する。
【0004】
粘膜性HPVは、最も多くは性行為により感染し、発生率は単純ヘルペスウイルス感染のほぼ2倍である。HPVは、世界中で最も広く見られる性感染症(STD)の1つであると考えられる。
【0005】
ヒト・パピローマウイルス(HPV)に感染しても、何の症状も顕れない場合もあり、必ずしも目に見える性器疣贅を発症するわけではない。症状が顕れる場合は、通常、そのウイルスに感染した2〜3ヶ月後に発症する。しかし、症状は、感染が起こった3週間から長年にわたって続くことが知られている。したがって、HPVは、気づかない間に拡延する可能性がある。
【0006】
肛門性器での疾患に関連する25種を超えるHPVタイプは、大まかには、低危険型または高危険型として分類される。HPV-6およびHPV-11などの低危険型HPVは、性器疣贅(尖圭コンジローム)の病因である。HPV-16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59および68などの高危険型HPVでは、通常、目に見える性器疣贅は起こらない。むしろ、高危険型のウイルス型は、DNA試験によって同定できるのである。HPV-16やHPV-18などの高危険型HPVは、Papスクリーニングテストで見つけることができ、前癌性子宮頚細胞変化、子宮頚部形成異常および子宮頚癌と関連している可能性がある。事実、16、18、31、33および35などの高危険型のHPV型は、子宮頚部の前癌性変化および癌性変化と密接に関連している。子宮頚癌の大部分(約90%)は、これらの高危険型の1つを含んでいる。高危険型HPV感染では、感染を処置していない場合、浸潤癌の生涯リスクが5〜10%の範囲になる。
【0007】
高危険型HPVは、子宮頚癌だけでなく、多くの肛門/肛門周囲癌にも関連している。
【0008】
現在の性器疣贅および子宮頚部形成異常の治療としては、冷寒療法のような物理的除去および外科的切除が含まれる。現在、HPV感染に対する有効な抗ウイルス治療は存在しない。
【発明の開示】
【0009】
発明の概要
本発明は、式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体を包含する。
【化1】

【0010】
[式中、
nは、0、1または2であり;
Xは、NH、OまたはS(O)mであり;
Rはそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3 -R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択され;
R1はそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択され;
mはそれぞれ、独立して、0、1または2であり;
R10はそれぞれ、同一であるか異なって、アルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレンまたはアルキニレンから独立して選択され;
pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4または5から選択され;
R2およびR3はそれぞれ、同一であるか異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)wまたは-R10NR4R5からなる群から独立して選択され;
wは、1〜10であり;
R4およびR5はそれぞれ、同一であるか異なって、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayは、アリール基を表わし;
Hetは、5員または6員のヘテロシクリル基またはヘテロアリール基を表わし;
環Aは、アリールまたはヘテロアリールである。]
好ましくは、XはNHである。
【0011】
好ましくは、アルキルについて言及する場合はC1〜C6アルキルを含み、アルコキシについて言及する場合はC1〜C6アルコキシを含み、ハロアルキルについて言及する場合はC1〜C6ハロアルキルを含む。
【0012】
1つの実施形態では、少なくともpまたはqは0ではない。別の実施形態では、pとqが共に、それぞれ1である。1つの実施形態では、pは1であり、qは0〜2である。
【0013】
好ましくは、nは、0、1または2である。さらに好ましくは、nは1である。
【0014】
好ましくは、Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、シアノ、ニトロまたはアジドから選択される。さらに好ましくは、Rは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3またはシアノから選択される。さらにいっそう好ましくは、Rは、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルから選択される。1つの実施形態では、Rは、図示のN原子に対してパラで置換されている。別の実施形態では、Rは、ClまたはBrであり、図示のN原子に対してパラで置換されている。
【0015】
好ましくは、R1は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドから選択される。さらに好ましくは、R1は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2、シアノまたはニトロから選択される。1つの実施形態では、好ましくは、qは1または2であり、さらに好ましくは1である。
【0016】
1つの実施形態では、好ましくは、A環はアリールである。さらに好ましくは、A環はフェニルである。
【0017】
別の実施形態では、好ましくは、A環はヘテロアリールである。さらに好ましくは、そのヘテロアリールは、ピリミジニル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルである。さらに好ましくは、そのヘテロアリールはピリミジニルまたはピリジルである。さらに、好ましくは、qは0〜2である。
【0018】
1つの実施形態では、pが0ではない場合、Rはそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択される。
【0019】
特に好ましい本発明の化合物としては、次のものが含まれる。
【0020】
6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル;
N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン;
6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート;
6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩;
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;および
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール。
【0021】
さらに特に好ましい化合物としては、次のものが含まれる。
【0022】
6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル;
N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン;
6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート;
6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩;
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;および
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール。
【0023】
さらに特に好ましい化合物としては、次のものが含まれる。
【0024】
6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;および
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール。
【0025】
本発明の別の実施形態は、
【化2】

【0026】
[式中、
R6は、H、アルキル、-OR2、-NR2R3、Ay、Het、-C(O)R2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)mR2またはオキソであり、ここで、R2およびR3は上記で定義したとおりであり;
R7は、Hまたはアルキルであり;但し、R6とR7の両者がHではない]
ならびに塩、溶媒和物および薬学的に機能性の誘導体が含まれる。
【0027】
本発明の別の態様は、1種以上の本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。
【0028】
本発明の別の態様は、活性な治療用物質として使用するための本発明の化合物を含む。
【0029】
本発明の別の態様は、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポバウイルス科を含む腫瘍原性ウイルスにより引き起こされる疾患および症状の治療または予防において使用するための、本発明の化合物を含む。
【0030】
本発明の別の態様は、HPV感染による症状または障害の治療または予防において使用するための、本発明の化合物を含む。特に、その症状または疾患は、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である。さらに特定すると、その癌は、肛門性器癌、頭頚部癌または皮膚癌である。さらに特定すると、その肛門性器癌は、子宮頚癌、肛門/肛門周囲癌、外陰癌、膣癌または陰茎癌であり;その頭頚部癌は、咽頭口部癌および食道癌であり;その皮膚癌は、基底細胞癌および扁平上皮癌である。
【0031】
本発明の別の態様は、本発明の化合物の、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポバウイルス科を含む腫瘍原性ウイルスの治療または予防において使用するための医薬の製造における使用を含む。したがって、本発明は、本発明の化合物の、HPV感染による症状または障害の治療または予防において使用するための医薬の製造における使用を含む。さらに特定すると、その症状または障害は、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である。
【0032】
本発明の別の態様は、本発明の化合物を投与することを含む、腫瘍原性ウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス科およびパポバウイルス科の小型DNA腫瘍ウイルス(例えば、ポリオーマウイルスおよびパピローマウイルス)を治療または予防する方法を含む。したがって、本発明は、本発明の化合物を投与することを含む、HPV感染による症状または障害を治療または予防する方法を含む。さらに特定すると、その症状または障害は、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である。
【0033】
本明細書中で記されているように、pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4または5として定義される。特に、当業者であれば理解されるように、pおよび/またはqの値は、図示の環の置換可能な位置を超えてはならない。
【0034】
好ましい実施形態の詳細な説明
用語は、それらが承認されている意味の範囲内で用いられる。以下の定義は、定義されている用語を明らかにしようとするものであり、限定するものではない。
【0035】
本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状の炭化水素を言い、これは場合により置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。本明細書中で用いられる「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチルおよびそれらの置換形態が含まれる。
【0036】
本明細書全体をとおして用いられている、原子(例えば炭素原子)の好ましい個数は、例えば「Cx〜Cyアルキル」という語句で表わされ、これは、特定の個数の炭素原子を含む本明細書中で定義されるようなアルキル基について言う。同様の命名法が、他の好ましい用語および範囲にも適用される。
【0037】
本明細書中で用いられる「アルケニル」という用語は、1個以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を言い、これは場合により置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。例としては、限定するものではないが、ビニル、アリルなど、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0038】
本明細書中で用いられる「アルキニル」という用語は、1個以上の炭素−炭素三重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を言い、これは場合により置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。例としては、限定するものではないが、エチニルなど、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0039】
本明細書中で用いられる「アルキレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状の二価の炭化水素基を言う。本明細書中で定義されるアルキレン基は、場合によっては置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。本明細書中で用いられる「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0040】
本明細書中で用いられる「アルケニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の二価の炭化水素基を言い、これは場合により置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。例としては、限定するものではないが、ビニレン、アリレンまたは2-プロペニレンなど、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0041】
本明細書中で用いられる「アルキニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素−炭素三重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の二価の炭化水素基を言い、これは場合により置換されていてもよく、本発明の範囲には多重置換が含まれる。例としては、限定するものではないが、エチニレンなど、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0042】
本明細書中で用いられる「シクロアルキル」という用語は、場合により置換されている非芳香族環状炭化水素環を言い、これは場合により、それを介してシクロアルキルが結合し得るアルキレンリンカーを含み、本発明の範囲には多重置換が含まれる。代表的な「シクロアルキル」基としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ならびにそれらの置換形態が含まれる。本明細書中で用いられる「シクロアルキル」という用語は、場合により置換されている縮合多環式炭化水素飽和環および芳香族環系、すなわち、最大数より少ない非累積二重結合を有する多環式炭化水素を含み、そこにおいて、例えば、飽和炭化水素環(例えばシクロペンチル環)が芳香族環(本明細書で「アリール」という、例えばベンゼン環)と縮合して、例えばインダンなどの基を形成している。
【0043】
本明細書中で用いられる「シクロアルケニル」という用語は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む、場合により置換されている非芳香族環状炭化水素環を言い、これは、場合により、シクロアルケニルが結合し得るアルキレンリンカーを含み、本発明の範囲には多重置換が含まれる。代表的な「シクロアルケニル」基としては、限定するものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0044】
本明細書中で用いられる「シクロアルキレン」という用語は、場合により置換されている二価の非芳香族環状炭化水素環を言い、本発明の範囲には多重置換が含まれる。代表的な「シクロアルキレン」基としては、限定するものではないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0045】
本明細書中で用いられる「シクロアルケニレン」という用語は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む、場合により置換されている二価の非芳香族環状炭化水素環を言い、本発明の範囲には多重置換が含まれる。代表的な「シクロアルケニレン」基としては、限定するものではないが、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0046】
本明細書中で用いられる「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、一以上の不飽和度を含み、また1個以上のヘテロ原子を含んでいる、場合により置換されている単環式または多環式の環系を言う。好ましいヘテロ原子としては、N、Oおよび/またはS、ならびにN酸化物、イオウ酸化物および二酸化物が含まれる。好ましくは、この環は、3〜12員であり、完全不飽和であるか、あるいは一以上の不飽和度を有する。本定義には、多重置換が含まれる。そのような環は、場合により、1つ以上の他の「複素環式」の環またはシクロアルキル環に縮合していてもよい。「複素環式」基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピランおよびテトラヒドロチオフェンが含まれる。
【0047】
本明細書中で用いられる「アリール」という用語は、場合により置換されているベンゼン環または場合により置換されている縮合ベンゼン環系、例えばアントラセン、フェナントレンまたはナフタレン環系を言う。本定義には、多重置換が含まれる。「アリール」基の例としては、限定するものではないが、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチル、ならびにそれらの置換誘導体が含まれる。
【0048】
本明細書中で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、場合により置換されている単環式の5〜7員芳香族環またはそのような芳香族環を2つ含む場合により置換されている縮合二環式芳香族環系を言う。これらのヘテロアリール環は、1個以上の窒素原子、イオウ原子および/または酸素原子を含み、N酸化物、イオウ酸化物および二酸化物は可能性のあるヘテロ原子置換物である。本定義には、多重置換が含まれる。本明細書中で用いられる「ヘテロアリール」基の例としては、限定すべきものではないが、限定すべきものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ならびにそれらの置換形態が含まれる。
【0049】
本明細書中で用いられる「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を言う。
【0050】
本明細書中で用いられる「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個のハロゲンで置換されている、本明細書中で定義されるようなアルキル基を言う。本発明において有用な分枝鎖状または直鎖状の「ハロアルキル」基の例としては、限定するものではないが、独立して1つ以上のハロゲンで置換されている(例えばフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびt-ブチルが含まれる。「ハロアルキル」という用語は、そのような置換基をパーフルオロアルキル基などとして含むものと解釈すべきである。
【0051】
本明細書中で用いられる「アルコキシ」という用語は、基-ORaを言い、この式中、Raは上記で定義されるようなアルキルである。
【0052】
本明細書中で用いられる「アルコキシカルボニル」という用語は、
【化3】

【0053】
などの基を言い、この式中、Raは本明細書中で定義されるようなアルキル基を表わす。
【0054】
本明細書中で用いられる「アリールオキシカルボニル」という用語は、
【化4】

【0055】
などの基を言い、この式中、Ayは本明細書中で定義されるようなアリール基を表わす。
【0056】
本明細書中で用いられる「ヘテロアリールオキシカルボニル」という用語は、
【化5】

【0057】
などの基を言い、この式中、Hetは本明細書中で定義されるようなヘテロアリール基を表わす。
【0058】
本明細書中で用いられる「ニトロ」という用語は、基-NO2を言う。
【0059】
本明細書中で用いられる「シアノ」という用語は、基-CNを言う。
【0060】
本明細書中で用いられる「アジド」という用語は、基-N3を言う。
【0061】
本明細書中で用いられる「アシル」という用語は、基RbC(O)-を言い、この式中、Rbはそれぞれ本明細書中で定義されるようなアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。
【0062】
本明細書中で用いられる「オキソ」という用語は、基=Oを言う。
【0063】
また、本明細書全体をとおして用いられる「場合により置換されている」という表現またはその変形表現は、場合により1つ以上の置換基によって置換されていることを表わし、多重置換を含む。この表現は、本明細書中で記載および図示されている置換基が重複してもよいものと解釈すべきではない。代表的な場合により用いられる置換基としては、アシル; アルキル;アルケニル;アルキニル;アルキルスルホニル;アルコキシ;アルコキシカルボニル;シアノ;ハロゲン;ハロアルキル;ヒドロキシ;ニトロ;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリール;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリール;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールスルホニル;場合によりアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールオキシ;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールオキシ;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールオキシカルボニル;アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル;または-N(R*)2が含まれ、この式中、存在するR*はそれぞれ、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニルまたはヘテロアリールスルホニルから選択され、存在するそのようなアリールまたはヘテロアリールはそれぞれ、1つ以上のアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシまたはニトロで置換されていてもよいか、あるいは、2つのR*が一緒になって、場合によりさらなるヘテロ原子を有し、場合により一以上の不飽和度を有し、場合によりさらにアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシもしくはニトロで置換されている環を形成していてもよい。
【0064】
式(I)の化合物は、2種以上の形態で結晶化でき(多形として知られる特徴)、そのような多形形態(「多形体」)は式(I)の範囲に含まれる。多形は、一般に、温度、圧力またはそれらの両者の変化に応答して起こり得る。また、多形は、結晶過程の多様性によっても生じ得る。多形は、X線回析パターン、溶解度および融点などの当分野で公知の種々の物理的特徴によって区別できる。
【0065】
本明細書に記載されている化合物の中には、1つ以上のキラル中心を含むものがあり、あるいは、複数の立体異性体として存在することができるものがある。本発明の範囲には、立体異性体の混合物、ならびに精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマー/ジアステレオマーを豊富に含む混合物が含まれる。また、式(I)で表わされる化合物の個々の異性体、ならびにそれらの完全もしくは部分的に平衡化された混合物もまた、本発明の範囲に含まれる。また、本発明は、上記の式で表わされる化合物の個々の異性体を、1つ以上のキラル中心が反転しているその異性体との混合物としても含む。
【0066】
典型的には(しかし、必ずしもそうでなくてもよいが)、本発明の塩は、薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」という用語に包含される塩とは、本発明の化合物の非毒性の塩を言う。本発明の化合物の塩は、酸付加塩を含むことができる。代表的な塩としては、次のものが含まれる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム、カルシン酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、スバセテート(subacetate)、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオダイド(triethiodide)、トリメチルアンモニウム、ならびに吉草酸塩。本発明の化合物の調製では、薬学的に許容されない他の塩も有用となる場合があり、これらは本発明のさらに別の態様を構成するものと考えるべきである。
【0067】
本明細書中で用いられる「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では、式Iの化合物またはその塩もしくは生理学的に機能性の誘導体)と溶媒によって形成される種々の化学量論の複合体をいう。本発明の目的のためのそのような溶媒は、溶質の生物学的活性に干渉しないものとすべきである。好適な溶媒の非限定的な例としては、限定するものではないが、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が含まれる。好ましくは、用いられる溶媒は、薬学的に許容される溶媒である。好適な薬学的に許容される溶媒の非限定的な例としては、水、エタノールおよび酢酸が含まれる。最も好ましくは、用いられる溶媒は水である。
【0068】
本明細書で用いられる「生理学的に機能性の誘導体」という用語は、哺乳動物に投与されると本発明の化合物またはそれらの活性代謝産物を(直接的または間接的に)供給することができる、本発明の化合物の薬学的に許容されるいずれかの誘導体を言う。そのような誘導体(例えば、エステルおよびアミド)は、当業者であれば、過度の実験を行わずとも明らかである。Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 第5版, 第1巻: Principles And Practice(これは、参照により、それが生理学的に機能性の誘導体を教示する程度に本明細書に組み込まれる)の教示を参照すればよい。
【0069】
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、例えば研究者または臨床医によって求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的な応答を引き起こす薬物または医薬剤の量を意味する。「治療上有効量」という用語は、そうした量が投与されていない対応する被験者と比較して、疾患、障害もしくは副作用の治療の向上、治癒、予防もしくは改善、あるいは、疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。また、この用語は、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量もその範囲に包含する。治療において用いる場合、治療上有効量の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、未加工の化学物質として投与してもよい。さらに、この活性成分は、医薬組成物として提供することも可能である。
【0070】
したがって、本発明は、有効量の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体と、1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物をさらに提供する。式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、本明細書中で記載したようなものである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と適合性であり、かつその医薬組成物のレシピエントにとって有害ではない、という意味において許容されるものでなければならない。
【0071】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体と1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤との混合物を含む医薬製剤の調製方法も提供される。
【0072】
本発明の化合物の治療上有効量は、多くの要因によって決まる。例えば、レシピエントの種、年齢および体重、治療を必要とする症状そのものおよびその重篤度、製剤の性質、ならびに投与経路は全て、考慮しなければならない要因である。治療上有効量は、最終的には、担当の医師または獣医師の判断に委ねられるべきである。いずれにしても、弱っているヒトを治療する場合の式(I)の化合物の有効量は、一般に、1日当たり0.1〜100mg/kg(レシピエント(哺乳動物)の体重)の範囲とすべきである。さらに一般的には、その有効量は、1日当たり1〜10mg/kg(体重)の範囲とすべきである。つまり、70kgの哺乳動物成体では、1日当たりの実際の量は、通常、70〜700mgである。この量は、1日当たり単回投薬で投与してもよいし、あるいは1日当たり合計1日用量が同じになるように何回か(例えば、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上)の分割用量で投与してもよい。その塩、溶媒和物または生理学的に機能性の誘導体の有効量は、式(I)の化合物そのものの有効量の一部として決定できる。本明細書中で述べる他の症状を治療する場合、同様の投薬量を適当とすべきである。
【0073】
医薬製剤は、単位用量当たり所定量の活性成分を含む単位剤形で提供することができる。そのような単位は、非限定的な一例として、治療しようとする症状、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および病態に応じて、0.5mg〜1gの式(I)の化合物を含むことができる。好ましい単位剤形製剤は、活性化合物を、本明細書において上記で述べたような1日用量もしくは分割用量またはそれらの適当な一部を含むものである。そのような医薬製剤は、製薬の分野で周知の方法のいずれかにより調製できる。
【0074】
医薬製剤は、任意の適切な経路、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸、鼻腔内、局所(口腔内、舌下もしくは経皮を含む)、膣内または非経口(腹腔内、筋内、静脈内もしくは皮内を含む)経路による投与に適合させることができる。かかる製剤は、製薬分野において公知である任意の方法により、例えば活性成分と担体または賦形剤とを組み合わせることにより調製できる。一例として(本発明を限定しようとするものではない)、本発明の化合物が有用であると思われる特定の症状および疾患に関しては、ある経路が他の経路よりも好ましいとされる。HPV感染に関連することが多い身体的兆候に基づけば、直腸、局所または膣の投与経路が好ましい場合がある。一例として、子宮頚部形成異常を治療または予防する場合、好ましい経路は膣経路である。
【0075】
経口投与に適合した医薬製剤は、カプセルまたは錠剤、粉末または顆粒、水性もしくは非水性液による溶液または懸濁物、食用のフォーム(泡)またはホイップ、あるいは水中油型乳濁液または油中水型乳濁液などの別個の単位として提供してもよい。例えば、錠剤またはカプセルの形態で経口投与する場合、活性薬物成分を、エタノール、グリセロール、水などの経口用で非毒性の薬学上許容される不活性担体と組み合わせることができる。一般に、粉末は、上記化合物を粉砕して適切な微細サイズとし、これを同様に粉砕した製薬用担体(例えば、デンプンまたはマンニトールなどの食用の炭水化物)と混合することにより調製する。矯味矯臭剤、保存剤、分散剤および着色剤を存在させることもできる。
【0076】
カプセルは、粉末、液体または懸濁液混合物を調製し、これをゼラチンまたは他の適当な外殻材料に充填することにより調製する。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に上記混合物に加えることができる。また、アガー-アガー、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えて、カプセルが摂取された時の医薬の有効性を改善することもできる。さらに、所望の場合または必要な場合には、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を上記混合物中に組み入れることもできる。適切な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖(グルコースまたはβラクトースなど)、トウモロコシ甘味料、天然ゴムおよび合成ゴム(アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形で有用な滑沢剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤としては、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。
【0077】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、粒状にするかまたは強打し、滑沢剤および崩壊剤を加えてから、押圧して錠剤とすることにより製剤化する。粉末混合物は、適切に粉砕した上記化合物を、上記の希釈剤または基剤と混合することにより調製できる。任意で用いられる成分としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリンもしくは第二リン酸カルシウムなどの吸収剤が含まれる。粉末混合物は、シロップ、デンプン糊、アカディアゴム粘液またはセルロース系材料もしくは高分子材料などの溶液のような結合剤で湿らせ、強制的に篩に通すことにより、粒状にすることができる。造粒の代替法として、その粉末混合物を打錠機に通すことが可能であり、その結果、不完全に形成された小塊が壊れて顆粒となる。その顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えて滑らかにすることにより、錠剤形成用の打ち型に付着するのを防ぐことができる。その後、滑らかにした混合物を押圧して錠剤とする。本発明の化合物は、自由流動性の不活性担体と組み合わせて、これを造粒または打錠工程を経ることなく直接押圧して錠剤とすることもできる。シェラックの密閉コート、糖または高分子材料のコーティング、およびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明な保護コーティングを施すことができる。染料をこれらのコーティングに加えることにより、異なる単位用量を区別することができる。
【0078】
溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口用の液を単位剤形で調製することにより、一定量中に所定量の活性成分を含有させることができる。シロップは、例えば適当に風味付けした水溶液中に上記化合物を溶解することにより調製でき、一方、エリキシルは、非毒性のアルコール性媒体を利用して調製する。懸濁物は一般に、上記化合物を非毒性の媒体中に分散させることにより製剤化できる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ハッカ油などの矯味矯臭用添加物、天然甘味料、サッカリンもしくは他の人工甘味料などを加えてもよい。
【0079】
適切であれば、経口投与用の投与単位製剤をマイクロカプセルとすることができる。また、この製剤は、例えば粒子材料をポリマー、ワックスなどでコーティングするかまたはその中に埋め込んで調製することにより、放出を延長または持続させることもできる。
【0080】
また、式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、小単層小胞、大単層小胞および多層小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することも可能である。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質から形成することができる。
【0081】
また、式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、その化合物分子を結合させる個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達してもよい。
【0082】
また、上記化合物は、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させてもよい。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル基で置換したポリエチレンオキシドポリリシンが含まれ得る。さらに、上記化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な一群の生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに結合させてもよい。
【0083】
経皮投与に適合した医薬組成物は、レシピエントの表皮と長時間にわたってぴったりと接触し続けることを目的とした別個のパッチとして提供してもよい。例えば、活性成分を、全般的にPharmaceutical Research, 3(6):318 (1986)に記載されているイオン導入によりパッチから送達してもよい。
【0084】
局所投与に適合した医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁物、ローション、粉末、溶液、ペースト(パスタ)、ジェル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化してもよい。
【0085】
眼または他の外部組織(例えば口および皮膚)を治療する場合、上記製剤を、好ましくは局所用の軟膏またはクリームとして適用する。軟膏中に製剤化する場合は、活性成分をパラフィン性または水混和性の軟膏基剤と併用してもよい。 あるいは、活性成分を、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤と共にクリーム中に製剤化してもよい。
【0086】
眼への局所投与に適合した医薬組成物としては、活性成分を適切な担体(特に水性溶媒)中に溶解または懸濁した点眼液が含まれる。
【0087】
口内における局所投与に適合した医薬組成物としては、ロゼンジ、トローチ剤およびうがい薬が含まれる。
【0088】
担体が固体である、鼻腔内投与に適合した医薬組成物としては、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末が含まれる。粉末は、鼻に近づけた粉末容器から鼻腔を経た急速な吸入によって嗅剤が服用されるように投与される。担体が液体である、鼻腔用スプレーまたは点鼻薬として投与するための適切な製剤としては、活性成分の水性または油性溶液が含まれる。
【0089】
吸入による投与に適合した医薬組成物としては、種々のタイプの定量加圧型エアロゾル、噴霧器または注入器により生成しうる微粒子粉末またはミストが含まれる。
【0090】
直腸投与に適合した医薬組成物は、坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0091】
膣内投与に適合した医薬組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤として提供することができる。
【0092】
非経口投与に適合した医薬組成物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および対象とするレシピエントの血液と製剤とを等張にする溶質を含有していてもよい水性および非水性滅菌注射液、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含有していてもよい水性および非水性滅菌懸濁物が含まれる。この組成物は、単位用量または複数回用量用の容器、例えば密閉アンプルおよびバイアル中で提供してもよく、また使用直前に滅菌液状担体、例えば注射用蒸留水を加えるだけで済むフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。用時調合注射用の溶液および懸濁物を、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製してもよい。
【0093】
特に上記で述べた成分に加えて、上記組成物は、対象となる製剤の種類を考慮に入れた上で当分野で常用される他の薬剤を含むことができる。例えば、経口投与に適合した組成物は矯味矯臭剤または着色剤を含むことができる。
【0094】
本発明の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用できる。式(I)の化合物と他の薬学的に活性な薬剤は、一緒に投与してもよいし、別々に投与してもよく、別々に投与する場合は、同時または(いずれの順序でも)逐次に投与することができる。式(I)の化合物および他の薬学的に活性な薬剤の量、ならびに相対的な投与のタイミングは、目的とする併用療法効果を達成するように選択される。式(I)の化合物、その塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能性の誘導体を他の治療薬と組み合わせた投与は、(1)両者の化合物を含む単一の医薬組成物;または(2)それぞれがそれら化合物の一方を含む別個の医薬組成物で同時に投与することにより組み合わせることができる。あるいはまた、その組合せは、逐次的に別々に投与することも可能であり、この場合、まず一方の治療薬を投与し、次に他方の薬剤を投与する(その逆も可能である)。そのような逐次投与は時間の間隔をあけずに行ってもよいし、間隔をあけて行ってもよい。
【0095】
本発明の化合物は、それ自体が種々の障害および症状の治療に使用することができ、本発明の化合物は、それらの障害または症状の治療または予防に有用な種々の他の適切な治療薬と組み合わせて使用することもできる。治療は、HPV感染の性質およびタイプによって決まる。上記で簡単に述べたように、疣贅の治療は、除去法と内科法とに分類できる。本発明の化合物は、いずれか一方の方法または両者の方法と組み合わせることができる。
【0096】
切除方法としては、古典的な外科的切除と、電気乾固、レーザーもしくは液体窒素による破壊とが含まれる。したがって、本発明の化合物は、そうした方法と併用して、またはそうした方法の後で再発した際に使用することができる。
【0097】
あるいはまた、本発明は、種々の細胞傷害性または抗ウイルス性の薬剤を含む他の内科用治療薬と組み合わせることも可能である。例えば、限定するものではないが、本発明の化合物は、5-フルオロウラシル、レチノイン酸、ポドフィリン、ポドフィロックス、角質溶解剤(サリチル酸および/もしくは乳酸など)、ハプテン(ジフェンシプロン(DPC)、四角酸ジブチルエステル(SADBE)もしくはジニトロクロロベンゼン(DNCB)など)、ホルマリン、局所トリクロロ酢酸、局所トレチノイン、シドフォビル、イミキモド、ならびに/またはサイトカイン(インターフェロンα-2bなど)の他の治療薬と組み合わせることができる。
【0098】
本発明の1つの態様は、限定するものではないが腫瘍原性ウイルス(アデノウイルス、パポバウイルス、レトロウイルスなど)、特にはアデノウイルスならびにパポバウイルス科(ポリオーマおよびパピローマ)の小型DNA腫瘍ウイルス、さらに特定するとパピローマウイルスの感染により引き起こされる疾患および症状を含む種々の障害を治療または予防するための、本発明の化合物の使用である。本発明は、それを必要とする被験体に、治療上有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能性の誘導体を投与することを含む。
【0099】
さらに具体的には、本発明は、パピローマウイルス感染に関連する症状または疾患の治療または予防を含む。これらの症状および疾患としては、疣贅(例えば足底疣贅)、性器疣贅、再発性呼吸器パピローマ症(咽頭パピローマ)、およびパピローマウイルス感染に関連する癌が含まれる。パピローマウイルス感染に関連している癌としては、肛門性器癌(子宮頚癌、肛門/肛門周囲癌、外陰癌、膣癌、陰茎癌)、頭頚部癌(咽頭口部癌、食道癌)、および皮膚癌(基底細胞癌、扁平上皮癌)が含まれる。本発明は、それを必要とする被験体に、治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能性の誘導体を投与することを含む。
【0100】
本発明の化合物は、周知の標準的な合成方法を含む種々の方法により製造できる。例示としての一般的な合成方法を下記に述べるが、そこでは、実施例において本発明の特定の化合物を調製している。
【0101】
下記に記載する全ての実施例において、必要であれば、合成化学の一般原理にしたがって、感受性または反応性の基に対して保護基を用いる。保護基は、有機合成の標準的な方法にしたがって操作される(T. W. GreenおよびP. G. M. Wuts (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons、保護基に関して参照により本明細書に組み入れられる)。これらの基は、当業者であれば容易に明らかである方法を用いて化合物合成の適当な段階で除去する。プロセスの選択ならびに反応条件およびそれらの実施順序は、式(I)の化合物の調製に合致するものでなければならない。
【0102】
当業者であれば、式(I)の化合物には立体中心が存在するかもしれないことが理解されよう。したがって、本発明は、可能性のある全ての立体異性体を包含し、ラセミ化合物だけでなく個々のエナンチオマーも包含する。この化合物が単一のエナンチオマーとして望まれる場合、そうした物質は立体特異的合成、最終生成物もしくは任意の好都合な中間体の分割、または当分野で公知であるキラルクロマトグラフィー法により得ることができる。最終生成物、中間体または出発物質の分割は、当分野で公知の適切ないずれかの方法により行うことができる。例えば、E. L. Eliel、S. H. WilenおよびL. N. Mander によるStereochemistry of Organic Compounds(Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい(この文献は、立体化学に関して、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0103】
実験の項
略語
本明細書中で用いられる、これらのプロセス、スキームおよび実施例で用いる記号および規則は、例えばJournal of the American Chemical Society やJournal of Biological Chemistryなどの現代の科学文献で用いられるものと一致するものとする。具体的には、実施例および明細書全体を通して、次の略語を用いることができる。
【0104】
g(グラム); mg(ミリグラム);
L(リットル); mL(ミリリットル);
μL(マイクロリットル); psi(平方インチあたりのポンド);
M(モル); mM(マイクロモル);
Hz(ヘルツ); MHz(メガヘルツ);
mol(モル); mmol(ミリモル);
RT(室温); h(時間);
min(分); TLC(薄層クロマトグラフィー);
mp(融点); RP(逆相);
Tr(保持時間); TFA(トリフルオロ酢酸);
TEA(トリエチルアミン); THF(テトラヒドロフラン);
TFAA(無水トリフルオロ酢酸); CD3OD(重水素化メタノール);
CDCl3(重水素化クロロホルム); DMSO(ジメチルスルホキシド);
SiO2(シリカ); atm(気圧);
EtOAc(酢酸エチル); CHCl3(クロロホルム);
HCl(塩酸): Ac(アセチル);
DMF(N,N-ジメチルホルムアミド); Me(メチル);
Cs2CO3(炭酸セシウム); EtOH(エタノール);
Et(エチル); tBu(tert-ブチル);
MeOH(メタノール)。
【0105】
特に指示がない限り、全ての温度は℃(摂氏)で表わす。全ての反応は、特に明記されていない限り、室温で行った。
【0106】
1H NMRスペクトルは、Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置またはGeneral Electric QE-300で記録した。化学シフトは百万分の1(ppm、δ単位)で表わす。カップリング定数はヘルツ(Hz)の単位とする。分裂パターンは見かけの倍数で記載し、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br(ブロード)として割り当てる。
【0107】
質量スペクトルは、Micromass Ltd., Altricham, UKのMicromass PlatformまたはZMD質量スペクトロメーターで、大気圧化学イオン化(APCI)またはエレクトロスプレーイオン化(ESI)を用いて得た。
【0108】
分析用薄層クロマトグラフィーは、単離不可能であるか十分な特性決定にはあまりに不適当である中間体の純度の確認ならびに反応の進行の追跡に用いた。
【0109】
式(I)の化合物[式中、共通する用語は上記で定義したとおりであり、LVはハロゲン(F、Cl、Br、I)、SOAy、SO2Ay、SORa、SO2Raなどの脱離基であり、ここで、Raはアルキル基である]は、下記のスキーム1に概記したプロセスにより好都合に調製できる。
【0110】
スキーム1
【化6】

【0111】
一般に、式(I)の化合物[式中、LVは上記で定義したような脱離基であり、XはNHである(全ての式および全ての他の変数は上記で定義してある)]の調製方法は、
a)式(II)の化合物をギ酸エチルと反応させるステップと;
b)式(III)の化合物を式(IV)のジアザ化合物と反応させるステップと;
c)式(V)の化合物をインドール化して、式(VI)の化合物を調製するステップと;
d)式(VI)の化合物の還元的アミノ化を行って、式(VII)の化合物を形成するステップと;
e)求核置換により、またはパラジウム触媒カップリング条件を用いることにより、化合物(VII)から式(I)の化合物を形成するステップ;あるいはまた
f)化合物(VI)の還元的アミノ化により式(I)の化合物を形成するステップと
を含む。
【0112】
さらに具体的には、式(I)の化合物[式中、全ての変数は上記で定義したとおりである]は、還元剤の存在下で式(VI)の化合物を式(VIII)のアミンと反応させることにより調製できる(この式中でも、全ての変数は本明細書中で定義したとおりである)。
【化7】

【0113】
この反応は、二段階プロセスとして行うことができ、この場合、イミンは、水を除去できる条件下で形成され、続いて還元される。あるいはまた、この反応は、アミン(VIII)および還元剤を逐次または同時に添加することによりワンポットで行うこともできる。
【0114】
二段階プロセスの場合、典型的には、式(VI)の化合物を不活性溶媒(トルエンなど)に溶解させ、同量または過剰な式(VIII)のアミンを添加し、次に、場合によっては酸触媒(パラ-トルエンスルホン酸など)を添加する。水を共沸除去するために、反応物を加熱還流する。場合により、モレキュラーシーブまたは脱水剤(トリメチルオルトホルメートなど)を用いて水を除去してもよい。
【0115】
イミンは、単離してもよいし、あるいは次のステップにそのまま使用してもよい。イミンを適当な溶媒に溶解し、還元剤の添加により還元する。好適な溶媒としては、メタノールやエタノールなどの低級アルコール、テトラヒドロフラン、または当業者に周知の同様の溶媒が含まれる。好適な還元剤としては、限定するものではないが、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、水素化ホウ素ナトリウムなどが含まれる。
【0116】
ワンポットプロセスの場合、式(VI)の化合物を不活性溶媒に溶解する。この溶液に式(VIII)のアミンを添加し、続いて適当な還元剤を添加する。反応物は、場合により、約50〜150℃に加熱してもよい。好適な溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが含まれる。好適な還元剤としては、限定するものではないが、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが含まれる。
【化8】

【0117】
あるいはまた、式(I)の化合物は、式(VII)のアミンから形成することもできる。式(VI)の化合物を不活性溶媒中でアンモニウム塩および還元剤により処理し、場合によっては加熱することにより、式(VII)のアミンが得られる。好適な溶媒としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが含まれる。好適な還元剤としては、限定するものではないが、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが含まれる。好適なアンモニウム塩としては、限定するものではないが、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウムなどが含まれる。また、式(VII)のアミンは、式(VI)の化合物をヒドロキシルアミンで処理し、続いて適当な還元剤(限定するものではないが、水素化アルミニウムリチウムなどが含まれる)で還元することにより形成してもよい。
【0118】
式(VII)の化合物を式(IX)の化合物と縮合させることにより、式(I)の化合物が得られる。この縮合は、場合によっては加熱しながら、またはマイクロ波中で、無溶媒系(ニート)で行ってもよいし、溶媒の存在下で行ってもよい。好適な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタンなどが含まれる。場合により、縮合反応物に塩基を添加してもよく、好適な塩基の例としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミンなどが含まれる。
【0119】
さらに、上記で示したように、当分野で認知されているような適当なPd触媒カップリングを用いて式(VII)のアミンを式(IX)の化合物とカップリングさせて、式(I)の化合物を得てもよい。
【0120】
式(VI)の化合物は、文献に記載されているのと同様にして調製される(J. Med. Chem. 1973, 16, 425およびJ. Org. Chem. 1968, 32, 1265)。
【0121】
当業者であれば理解されているように、式(I)の化合物は、別の式(I)の化合物へと変換することができる。
スキーム2
【化9】

【0122】
一般に、式(I)の化合物[式中、XはOである]の調製方法は、
1.式(VI)の化合物を還元して、式VII-Bの化合物を得ること;
2.式VII-Bの化合物を式VIII-Bの化合物と反応させて、式Iの化合物を得ること(ここで、全ての変動し得る置換基は本明細書中で定義したとおりである)
からなる。
【0123】
さらに具体的には、式(VII-B)の化合物[式中、全ての変数は上記で定義したとおりである]は、式(VI)の化合物の還元により調製できる。好適な還元剤としては、限定するものではないが、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン錯体などが含まれる。好適な溶媒としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどが含まれる。式(I)の化合物は、ジエチルアゾジカルボキシレートもしくはジイソプロピルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンの存在下で式(VII-B)の化合物を式(VIII-B)の化合物と反応させることにより形成できる。好適な溶媒としては、テトラヒドロフランなどが含まれる。
【実施例】
【0124】
実施例1:6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化10】

【0125】
a)シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン。濃塩酸(5mL)中の4-クロロアニリン(5.6g、44mmol)の冷(0℃)溶液に、水(10mL)に溶解させた亜硝酸ナトリウム(3.0g、44mmol)を、20分間にわたり何回かに分けて添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。別のフラスコ内で、メタノール(30mL)中の2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(Organic Syntheses, Collective Vol 4, 1963、pg. 536)(5.0g、40mmol)の冷溶液を、水(25mL)中の酢酸ナトリウム(8.3g、101mmol)の溶液で処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、上記のジアゾニウム塩スラリーを添加した。合わせた混合物を10〜15分間撹拌し、濾過により回収し、エタノールで粉砕し、濾過により回収して、シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(4.6g、49%の収率)を黄色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 9.93 (s, 1H), 7.29 (m, 4H), 2.55 (m, 2H), 2.40 (m, 2H), 1.84-1.75 (m, 4H)。
【0126】
b)6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン。塩酸(2mL)および酢酸(8mL)中のシクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(2.3g、9.7mmol)の溶液を、120℃で20分間加熱した。混合物を少し冷却し、氷水で処理した。得られた析出物を濾過により回収して、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.9g、88%の収率)を褐色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.78 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 2.92 (t, 2H), 2.55 (t, 2H), 2.13 (q, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0127】
実施例2:6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化11】

【0128】
メタノール(9mL)中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500mg、2.3mmol)および酢酸アンモニウム(1.8g、23mmol)の溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(720mg、11.5mmol)を添加した。60℃で15時間加熱した後、混合物を冷却し、pH=1となるまで濃塩酸で処理した。有機相を減圧下で除去し、得られた析出物を濾過により回収し、酢酸エチルおよびメタノールに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。相を分離させ、有機相を濃縮して、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(260mg、52%の収率)を明褐色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.90 (s, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.27 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 3.90 (t, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.04-1.89 (m, 2H), 1.66 (m, 1H), 1.50 (m, 1H); MS m/z 221 (M+1)。
【0129】
実施例3:6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化12】

【0130】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンは、ブロモアニリンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから実施例1で記載したのと同様にして調製して、褐色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.30(d, 2H), 2.97 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.27 (quint, 2H); MS m/z 265 (M+1)。
【0131】
実施例4:6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化13】

【0132】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、実施例2で記載したのと同様にして調製して、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.58 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.12 (t, 1H), 2.70 (t, 2H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.92 (m, 3H), 1.66 (m, 1H); MS m/z 266 (M+1)。
【0133】
実施例5:6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化14】

【0134】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンは、p-トルイジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから実施例1で記載したのと同様にして調製して、黄褐色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.65 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 2.98 (t, 2H), 2.65 (t, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.26 (quint, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0135】
実施例6:6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化15】

【0136】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、実施例2で記載したのと同様にして調製して、固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.5 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.98 (t, 1H), 3.30 (s, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.65 (m, 1H); MS m/z 201 (M+1)。
【0137】
実施例7a:2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化16】

【0138】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンは、アニリン(2.9g、31mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.5g、28mmol)から実施例1で記載したのと同様にして調製して、2.5g(49%)の褐色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 2.90 (t, 2H), 2.56 (t, 2H), 2.15 (quint, 2H); MS m/z 186 (M+1)。
【0139】
実施例7b:2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化17】

【0140】
エタノール(20mL)中の2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.5g、8.10mmol)の溶液に、水(10mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(1.13g、16.2mmol)の溶液および水(10mL)中の酢酸ナトリウム(2.19g、26.7mmol)の溶液を添加した。反応混合物を2時間にわたり加熱還流し、冷却し、濃縮した。残渣を水で希釈し、酢酸エチル(2回×100mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、褐色固体を得た。このオキシムをTHF(80mL)に溶解し、LAH(1.0MのTHF溶液、24.3mL)を滴下した。反応物を7時間にわたり加熱還流し、氷浴内で冷却した。気泡の発生が停止するまでメタノールを滴下した。混合物を酒石酸Na/K水溶液で希釈し、15分間強く撹拌し、酢酸エチル(2回×100mL)で抽出した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。この粗製アミンを、 シリカでのフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン2%〜5%の勾配)により精製して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色油状物として得た。この油状物をジエチルエーテルで希釈し、HCl(1.0Mのジエチルエーテル溶液)を添加した。得られた析出物を濾過により回収して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(760mg、42%)を明褐色固体として得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.54 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.09 (t, 1H), 4.66 (t, 1H), 2.95-2.73 (m, 2H), 2.39-2.28 (m, 1H), 2.18-2.03 (m, 3H); MS m/z (M + 1) 170。
【0141】
実施例8:6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化18】

【0142】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンは、p-アニシジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから実施例1で記載したのと同様にして調製して、黄褐色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.77 (br s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.98 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.28 (quint, 2H); MS m/z 216 (M+1)。
【0143】
実施例9:6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化19】

【0144】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、上記で記載したのと同様にして調製して、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.38 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.06 (t, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.67 (t, 2H), 2.18 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 217 (M+1)。
【0145】
実施例10:6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化20】

【0146】
6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンは、4-(トリフルオロメチル)アニリン(5.5g、34mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.9g、31mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、2.25g(29%)の暗褐色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.05 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (s, 2H), 3.00 (t, 2H), 2.58 (t, 2H), 2.19-2.13 (m, 2H)。
【0147】
実施例11:2-ブロモ-7,8,9,10-テトラヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
【化21】

【0148】
2-ブロモ-7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オンは、4-ブロモアニリン(7.8g、46mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘプタノン(5.8g、41mmol)から実施例1で記載したのと同様にして調製して、3.5 g(31%)の暗褐色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.95 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 3.09 (t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H), 2.02-1.96 (m, 2H); MS m/z (M+1) 278、280。
【0149】
実施例12:2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化22】

【0150】
2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩は、2-ブロモ-7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(1.5g、5.4mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、0.98g(57%)の明褐色固体を得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.65 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 2H), 4.67 (t, 1H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.31-2.25 (m, 1H), 2.14-1.93 (m, 4H), 1.65-1.55 (m, 1H)。
【0151】
実施例13:6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化23】

【0152】
トルエン(15mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500mg、1.9mmol)、アニリン(350mg、3.8mmol)およびp-トルエンスルホン酸(触媒量)の溶液を、Dean-Starkトラップを所定の位置に配置して16時間にわたり加熱還流した。反応物を冷却し、濃縮し、そのイミンをシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン5%〜50%の勾配)により精製した。そのイミンをメタノール(10mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(140mg、3.8mmol)を何回かに分けて添加した。反応物を30分間撹拌し、水でクエンチし、濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機相を分離し、珪藻土に吸収させ、シリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン2%〜20%の勾配)により精製して、6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色油状物として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.04 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.25-7.21 (m, 4H), 6.80-6.72 (m, 3H), 4.84-4.78 (m, 1H), 3.86-3.82 (m, 1H), 2.27-2.21 (m, 2H), 2.08-2.00 (m, 1H), 1.89-1.78 (m, 3H)。この油状物をジエチルエーテルに溶解し、HCl(1.0Mのジエチルエーテル溶液)を添加した。得られた析出物を濾過により回収して、6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(352mg、51%)を黄色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.12 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.15-7.13 (m, 3H), 6.88-6.78 (m, 2H), 6.72-6.64 (m, 1H), 4.82-4.79 (m, 1H), 2.69-2.45 (m, 2H), 1.96-1.90 (m, 2H), 1.83-1.73 (m, 2H); MS m/z (M-1) 339, 341。
【0153】
実施例14:6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化24】

【0154】
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンおよびアニリンから実施例13で記載したのと同様にして調製して、200mg(74%の収率)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.04 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.27-7.20 (m, 2H), 7.17 (dd, 1H), 7.10 (dd, 1H), 6.79 (m, 1H), 6.74 (m, 2H), 4.81 (m, 1H), 3.85 (s, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.93-1.78 (m, 2H); MS m/z 295 (M-1)。
【0155】
実施例15:6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化25】

【0156】
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンおよび4-メトキシアニリンから実施例13で記載したのと同様にして調製して、32mg(21%の収率)の褐色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.13 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.23 (dd, 1H), 7.14 (dd, 1H), 6.92-6.84 (m, 2H), 6.79-6.73 (m, 2H), 4.76 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 2.74 (m, 2H), 2.28 (m, 1H), 2.08 (m, 1H), 1.98-1.75 (m, 2H); MS m/z 325 (M-1)。
【0157】
実施例16:6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化26】

【0158】
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンおよび4-クロロアニリンから実施例13で記載したのと同様にして調製して、25mg(16%の収率)の黄褐色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.01 (m, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.21-7.14 (m, 3H), 7.11 (dd, 1H), 6.65 (d, 2H), 4.76 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.94-1.75 (m, 2H); MS m/z 329 (M-1)。
【0159】
実施例17:6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化27】

【0160】
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンおよび4-フルオロアニリンから実施例13で記載したのと同様にして調製して、63mg(43%の収率)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.03 (s, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.23-7.05 (m, 2H), 6.95 (m, 2H), 6.66 (m, 2H), 4.72 (s, 1H), 3.70 (s, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.21 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.93-1.71 (m, 2H); MS m/z 313 (M-1)。
【0161】
実施例18:6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化28】

【0162】
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンおよびp-トルイジンから実施例13で記載したのと同様にして調製して、59mg(41%の収率)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.10 (s, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 6.72 (d, 2H), 4.82 (m, 1H), 3.74 (s, 1H), 2.74 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.27 (m, 1H), 2.07 (m, 1H), 1.98-1.76 (m, 2H); MS m/z 309 (M-1)。
【0163】
実施例19:6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化29】

【0164】
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)およびp-アニシジン(94mg、0.76mmol)から実施例13で記載したのと同様にして調製して、41mg(29%)の明褐色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.05 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.11 (d, 1H), 6.73-6.66 (m, 4H), 5.48 (d, 1H), 4.70-4.65 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 2.66-2.53 (m, 2H), 1.98-1.89 (m, 2H), 1.79-1.71 (m, 2H); MS m/z (M-1) 369、371。
【0165】
実施例20:6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化30】

【0166】
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)および4-クロロアニリン(97mg、0.76mmol)から実施例13で記載したのと同様にして調製して、29mg(20%)のオフホワイト色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13-7.08 (m, 3H), 6.71 (d, 2H), 6.20 (d, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 1.99-1.85 (m, 2H), 1.80-1.74 (m, 2H); MS m/z (M-1) 373, 375。
【0167】
実施例21:6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化31】

【0168】
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)および4-フルオロアニリン(84mg、0.76mmol)から実施例13で記載したのと同様にして調製して、26mg(19%)のオフホワイト色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 6.92 (t, 2H), 6.70-6.68 (m, 2H), 5.89 (d, 1H), 4.73-4.71 (m, 1H), 2.68-2.53 (m, 2H), 1.99-1.73 (m, 4H); MS m/z (M-1) 357, 359。
【0169】
実施例22:6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化32】

【0170】
N,N-ジメチルホルムアミド(1.0mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(43mg、0.16mmol)および2-クロロピリミジン(56mg、0.49mmol)の溶液をマイクロ波バイアルに入れて密閉し、Smith Synthesizeマイクロウェーブにより150℃で15分間加熱した。混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(2回×10mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、シリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン20%〜50%の勾配)により精製して、6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを得た。このアミンをジエチルエーテル(3mL)で希釈し、塩化水素(1.0Mのジエチルエーテル溶液)を添加した。この懸濁液を濃縮し、アセトニトリルと水で希釈し、凍結し、解凍して、6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(16mg、26%)を黄色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.94 (s, 1H), 8.44-8.39 (m, 2H), 8.03-7.96 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 6.72 (t, 1H), 5.37-5.32 (m, 1H), 2.63-2.59 (m, 2H), 2.09-1.95 (m, 2H), 1.87-1.75 (m, 2H); MS m/z (M-1) 341, 343。
【0171】
実施例23:6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化33】

【0172】
N,N-ジメチルホルムアミド(0.50mL)中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50mg、0.23mmol)および2-メチルスルホニルピリミジン(69mg、0.44mmol)の溶液を、Smith Synthesizeマイクロウェーブで150℃で900秒間加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、5%塩化リチウム水溶液で抽出した。有機層を単離し、濃縮してシリカにのせた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン0〜30%)により精製して、6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(8mg、12%の収率)を黄色固体として得た。
【0173】
あるいはまた、6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、N,N-ジメチルホルムアミド中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロスルホニルピリミジンの混合物を60℃で15時間加熱することにより、9%の収率で調製することができた。
【0174】
1H-NMR (CDCl3): δ 8.88 (s, 1H), 8.37 (m, 2H), 7.46 (m, 1H), 7.19 (d, 1H), 7.09 (dd, 1H), 6.66 (t, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.22 (m, 1H), 2.72 (m, 2H), 2.29 (m, 1H), 2.06-1.90 (m, 3H); MS m/z 297 (M-1)。
【0175】
実施例24:6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化34】

【0176】
6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび4,6-ジメトキシ-2-メチルスルホニルピリミジンから上記で記載したのと同様にして調製して、8mg(10%の収率)の淡黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.08 (dd, 1H), 5.50 (s, 1H), 5.24 (m, 1H), 5.18 (m, 1H), 3.88 (2s, 6H), 2.70 (m, 2H), 2.28 (m, 1H), 2.04-1.83 (m, 3H); MS m/z 359 (M+1)。
【0177】
実施例25:6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化35】

【0178】
6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび4-メチル-2-メチルスルホニルピリミジンから上記で記載したのと同様にして調製して、6mg(7%の収率)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.05 (s, 1H), 8.23 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 6.52 (d, 1H), 5.36 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.29 (m, 1H), 2.02-1.85 (m, 3H); MS m/z 311 (M-1)。
【0179】
実施例26:6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化36】

【0180】
6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび2-クロロ-4,6-ジメチルピリミジンから上記で記載したのと同様にして調製して、6mg(8%の収率)の淡黄色油状物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.23 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.16 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 6.42 (s, 1H), 5.25 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.35 (s, 6H), 2.29 (m, 1H), 2.03-1.83 (m, 3H); MS m/z 327 (M+1)。
【0181】
実施例27:6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化37】

【0182】
6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩は、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.57mmol)および2-アミノピリジン(107mg、1.1mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、塩酸塩として10mgの白色粉末を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.92-7.86 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.09-7.02 (m, 1H), 6.91-6.86 (m, 1H), 5.30-5.25 (m, 1H), 2.76-2.60 (m, 1H), 2.16-2.09 (m, 1H), 1.95-1.82 (m, 3H); MS m/z (M-1) 340, 、342。
【0183】
実施例28:6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化38】

【0184】
6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75mg、0.28mmol)および5-プロピル-2-クロロピリミジン(0.5mL)から上記で記載したのと同様にして調製して、5mg(5%)の黄色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.86 (s, 1H), 8.17 (s, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 5.30-5.23 (m, 1H), 2.63-2.56 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.06-1.96 (m, 2H), 1.84-1.73 (m, 2H), 1.56-1.47 (m, 2H), 0.88 (t, 3H); MS m/z (M-1) 383, 385。
【0185】
実施例29:6-メチル-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化39】

【0186】
6-メチル-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび2-クロロピリミジンから上記で記載したのと同様にして調製して、5mg(4%)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.63 (s, 1H), 8.40 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.24 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.24 (q, 1h), 2.74 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.36 (t, 1H), 2.00 (m, 3H); MS m/z 279 (M+1)。
【0187】
実施例30:6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化40】

【0188】
6-メトキシ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび2-クロロピリミジンから上記で記載したのと同様にして調製して、4mg(4%)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.72 (s, 1H), 8.40 (d, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.84 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.24 (q, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.74 (m, 2H), 2.36 (t, 1H), 2.00 (m, 3H); MS m/z 295 (M+1)。
【0189】
実施例31:N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化41】

【0190】
N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩は、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび2-クロロ-4,6-ジメトキシピリミジンから実施例22で記載したのと同様にして調製して、12mg(8%)の赤色がかった固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 10.4 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.13 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 5.46 (d, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.08 (s, 6H), 2.65 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.06 (m, 2H), 1.80 (m, 2H); MS m/z 339 (M+1)。
【0191】
実施例32:6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化42】

【0192】
6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩は、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50mg、0.19mmol)および4,6-ジメチル-2-クロロピリミジン(134mg、0.94mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、12mg(16%)の黄色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.98 (s, 1H), 8.40 (br s, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.16 (d, 1H), 6.77 (s, 1H), 5.52-5.48 (m, 1H), 2.68-2.61 (m, 2H), 2.41 (2s, 6H), 2.15-2.06 (m, 1H), 2.04-1.96 (m, 1H), 1.91-1.76 (m, 2H); MS m/z (M+1) 371、373; (M-1) 369, 371。
【0193】
実施例33:6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化43】

【0194】
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75mg、0.28mmol)および2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-ピリミジン(0.5mL)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、5mg(4%)の黄色固体を得た。80℃にて測定した1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.94-10.88 (m, 1H), 8.69-8.62 (m, 1H), 8.30-8.24 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.13-7.10 (m, 1H), 7.02 (d, 1H), 5.40-5.27 (m, 1H), 2.62-2.58 (m, 2H), 2.08-1.96 (m, 2H), 1.87-1.76 (m, 2H); MS m/z (M-1) 409, 411。
【0195】
実施例34:6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化44】

【0196】
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75mg、0.28mmol)および5-(トリフルオロメチル)-2-ブロモピリジン(192mg、0.85mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、6.5mg(6%)のオフホワイト色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.95 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.62 (d, 1H), 5.40-5.36 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 2H), 2.06-1.78 (m, 4H); MS m/z (M-1) 408, 410。
【0197】
実施例35:6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル
【化45】

【0198】
6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリルは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75mg、0.28mmol)および6-クロロニコチノニトリル(118mg、0.85mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、6.5mg(6%)の明褐色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.95 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.62 (d, 1H), 5.40-5.35 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 2H), 2.07-1.78 (m, 4H); MS m/z (M-1) 365, 367。
【0199】
実施例36: N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化46】

【0200】
N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75mg、0.28mmol)および2-クロロベンゾチアゾール(143mg、0.84mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、11mg(10%)の黄色固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.31 (s, 1H), 7.70-7.62 (m, 3H), 7.39 (t, 1H), 7.29-7.17 (m, 4H), 5.38-5.32 (m, 1H), 2.77-2.75 (m, 2H), 2.45-2.38 (m, 1H), 2.10-1.99 (m, 3H); MS m/z (M-1) 396, 398。
【0201】
実施例37:N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化47】

【0202】
N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(150mg、0.81mmol)および2-クロロピリミジン(184mg、1.62mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、16mg(8%)の黄色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.63 (s, 1H), 8.32 (d, 2H), 7.43 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.01-6.97 (m, 1H), 6.93-6.89 (m, 1H), 6.60 (t, 1H), 5.32-5.28 (m, 1H), 2.68-2.57 (m, 2H), 2.04-1.97 (m, 2H), 1.87-1.75 (m, 2H)。
【0203】
実施例38:2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン
【化48】

【0204】
2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミンは、2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(150mg、0.54mmol)および2-クロロピリミジン(123mg、1.07mmol)から実施例22で記載したのと同様にして調製して、18mg(9%)の黄色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.80 (s, 1H), 8.31 (d, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.07-7.04 (m, 1H), 6.60 (t, 1H), 5.36-533 (m, 1H), 2.94-2.89 (m, 1H), 2.70-2.63 (m, 1H), 2.05-1.94 (m, 2H), 1.89-1.59 (m, 4H); MS m/z (M+1) 357, 359; (M-1) 355, 357。
【0205】
実施例39:6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化49】

【0206】
6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩は、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.10g、0.5mmol)および2-アミノピリジン(0.51g、0.55mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、褐色固体(0.002g、1.0%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.72 (s, 1H), 8.23 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.00 (d, 1H) 6.69 (t, 1H), 6.49 (d, 1H), 5.25 (d, 1H), 4.71 (d, 1H) 2.80-2.75 (m, 2H), 2.40-2.28 (m, 1H), 2.09-1.91 (m, 3H); MS m/z 183 (M-94)。
【0207】
実施例40:メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート
【化50】

【0208】
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレートは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.05g、0.19mmol)、酢酸パラジウム(0.04g、0.02mmol)、dppf(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)(0.01g、0.02mmol)およびトリエチルアミン(0.025mL、0.19mmol)から調製した。これらの試薬をジメチルスルホキシド:メタノールの3:1混合物(5.0mL)と共に、撹拌子を入れた丸底フラスコに入れ、一酸化炭素の周囲圧力下で85℃にて4時間にわたり加熱した。溶液を室温まで冷却し、水(5.0mL)および酢酸エチル(25mL)を添加し、層を分離し、有機層を水(5.0mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて油状物を得て、これをクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン5〜50%の勾配)により精製して、白色固体(0.03g、65%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.35 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.45 (d, 1H), 3.95 (t, 3H), 3.06 (t, 2H), 2.69 (t, 2H) 2.30 (t, 2H); MS m/z 244 (M+1)。
【0209】
実施例41:メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート
【化51】

【0210】
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレートは、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.03g、0.11mmol)およびアニリン(0.13mL、0.13mmol)から上記で記載したようにして調製した。 逆相HPLC(Waters C18 Symmetryカラム、8.5分間にわたりアセトニトリル/水50〜90%、35mL/分)によりさらに精製して、黄色固体(0.005g、13%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.27 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.27 (t, 2H), 7.23 (d, 1H), 6.79 (t, 1H) 6.75 (d, 2H), 4.83 (t 1H), 3.93 (s, 3H) 2.78 (t, 2H), 2.28-2.20 (m, 1H), 2.07-2.00 (m, 1H), 1.92-1.80 (m, 1H); MS m/z 228 (M-93)。
【0211】
実施例42:6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩
【化52】

【0212】
6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩は、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(0.10g、0.50mmol)および6-クロロニコチノニトリル(0.138g、0.1mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、明褐色固体(0.005g、3.0%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.49 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.18 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 6.42 (d, 1H), 5.31 (d, 1H), 5.15 (d, 1H) 2.77-2.70 (m, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.00-1.92 (m, 3H); MS m/z 301 (M-1)。
【0213】
実施例43:N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化53】

【0214】
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩は、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.59mmol)およびアニリン(110mg、1.2mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、15mg(7%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.36 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 4H), 7.14-7.10 (m, 2H), 6.81-6.58 (m, 2H), 4.83-4.80 (m, 1H), 2.75-2.58 (m, 2H), 2.08-1.80 (m, 4H); MS m/z (M-1) 329。
【0215】
実施例44:N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化54】

【0216】
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150mg、0.81mmol)およびアニリン(1.0g、11mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、24mg(11%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.83 (s, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.09 (t, 2H), 7.03 (t, 1H), 6.94 (t, 1H), 6.72 (d, 2H), 6.54 (t, 1H), 5.91 (d, 1H), 4.79-4.75 (m, 1H), 2.73-2.67 (m, 1H), 2.64-2.57 (m, 1H), 2.01-1.73 (m, 4H); MS m/z (M-93) 170。
【0217】
実施例45:6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化55】

【0218】
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)およびm-アニシジン(94mg、0.76mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、37mg(26%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.04 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 6.97 (t, 1H), 6.32-6.27 (m, 2H), 6.13 (dd, 1H), 5.96 (d, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.68-2.52 (m, 2H), 2.00-1.87 (m, 2H), 1.82-1.74 (m, 2H); MS m/z (M-1) 369, 371。
【0219】
実施例46:6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化56】

【0220】
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.38mmol)および3-フルオロアニリン(84mg、0.76mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、17mg(12%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.14-7.04 (m, 2H), 6.53-6.48 (m, 2H), 6.36-6.26 (m, 2H), 4.78-4.76 (m, 1H), 2.69-2.53 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.81-1.76 (m, 2H); MS m/z (M+1) 357, 359。
【0221】
実施例47:6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化57】

【0222】
6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100mg、0.76mmol)および5-アミノインドール(100mg、0.76mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、54mg(37%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 10.61 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.14-7.11 (m, 2H), 7.10 (d, 1H), 6.84-6.83 (m, 1H), 6.65 (dd, 1H), 6.18-6.17 (m, 1H), 5.21 (d, 1H), 4.77-4.71 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 2.02-1.89 (m, 2H), 1.84-1.73 (m, 2H); MS m/z (M+1) 378, 380。
【0223】
実施例48:6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化58】

【0224】
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(200mg、0.76mmol)およびo-アニシジン(187mg、1.52mmol)から上記で記載したのと同様にして調製し、アセトニトリルから再結晶させて、30mg(11%)を黄色結晶として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.84-6.73 (m, 3H), 6.60-6.56 (m, 1H), 4.85-4.80 (m, 1H), 4.72 (d, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.70-2.53 (m, 2H), 2.00-1.75 (m, 4H); MS m/z (M-1) 369, 371。
【0225】
実施例49:6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化59】

【0226】
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(200mg、0.76mmol)および2-クロロアニリン(193mg、1.51mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、43mg(15%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.27-7.23 (m, 2H), 7.16-7.12 (m, 2H), 6.92 (d, 1H), 6.64-6.60 (m, 1H), 5.12 (d, 1H), 4.95-4.90 (m, 1H), 2.71-2.56 (m, 2H), 2.04-1.76 (m, 4H); MS m/z (M-1) 373, 375。
【0227】
実施例50:6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化60】

【0228】
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(200mg、0.76mmol)および2-フルオロアニリン(168mg、1.51mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、37mg(14%)の白色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.04 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.05-6.85 (m, 3H), 6.59-6.54 (m, 1H), 5.53 (m, 1H), 4.87-4.82 (m, 1H), 2.68-2.57 (m, 2H), 2.04-1.92 (m, 2H), 1.87-1.72 (m, 2H)。
【0229】
実施例51:6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化61】

【0230】
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンは、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(200mg、0.76mmol)および3,4-ジクロロアニリン(245mg、1.51mmol)から上記で記載したのと同様にして調製して、12mg(4%)のオフホワイト色固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.70 (dd, 1H), 6.52 (d, 1H), 4.79-4.77 (m, 1H), 2.68-2.52 (m, 2H), 1.99-1.72 (m, 4H); MS m/z (M-1) 409。
【0231】
実施例52:6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
【化62】

【0232】
a)6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール
メタノール(20mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500mg、1.9mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(144mg、3.8mmol)を何回かに分けて添加した。反応混合物を1時間撹拌し、水(5mL)でクエンチした。反応物を濃縮し、塩化メチレンで希釈し、水で洗浄した。有機相を濃縮し、この粗製アルコールを シリカでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン5%〜30%の勾配)により精製して、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(255mg、50%)を明褐色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.99 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.75-4.70 (m, 1H), 2.64-2.53 (m, 2H), 2.02-1.91 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 2H); MS m/z (M-1) 339, 341。
【0233】
b)6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
THF(5mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(50mg、0.19mmol)の溶液に、p-フルオロフェノール(43mg、0.38mmol)、ポリマー担持トリフェニルホスフィン(1.67mmol/g、228mg、0.38mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(77mg、0.38mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌し、追加のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(77mg、0.38mmol) を添加した。反応物を16時間撹拌し、濾過し、濃縮した。この粗製生成物をシリカでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン2%〜20%の勾配)により精製して、6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(8mg、12%)を白色固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.16-7.06 (m, 5H), 5.53 (t, 1H), 2.75-2.69 (m, 1H), 2.57-2.50 (m, 1H), 2.02-1.76 (m, 4H)。
【0234】
生物学的実験およびデータ
本発明の化合物は、HPV感染に関連する症状および疾患の治療および/または予防に有用であると思われる。HPVにより媒介される活性は、以下のW-12細胞アッセイを用いて測定した。
【0235】
細胞培養および培地
使用したW12細胞系は、HPV16 DNAを含むものであり、Margaret Stanleyによる低悪性度子宮頚部形成異常の組織から誘導し、続いてPaul Lambert(University of Wisconsin)によりクローン選別した。これらのクローンの中の1つであるW12-20850は、1000コピーのエピソーム性HPV16 DNAを含んでおり、細胞ベースアッセイで用いた。W12-20850細胞を、ガンマ線照射済み(6000rads)栄養補給層である3T3細胞と共に、常法により培養した。しかし、アッセイは、3T3栄養補給層の不在下で行った。W12-20850細胞および3T3細胞は、コンフルエント直前に達したら、常法により分けた。W12-20850は、25%のDMEM(Gibco BRL、Cat # 12430-047)、75%のF12培地(Gibco BRL、Cat # 11765-021)および2.5%のFBSから構成されるW12培地で増殖させた。添加剤としては、24.0mg/mlのアデニン(Sigma、Cat # A-9795)、0.4mg/mlの ヒドロコルチゾン(Calbiochem、Cat # 386698)、5.0mg/mlのウシ・インスリン(Sigma、Cat # I-1882)、8.4ng/mlの コレラ毒素((Fluka、Cat # 26694)および10ng/mlのEGF(Invitrogen、Cat # 13247-051)を含ませる。3T3細胞を、10%のFBSを含有するDMEMで増殖させた。細胞系を5%CO2の存在下で37℃でインキュベートした。
【0236】
細胞ベースアッセイ
このアッセイでは、W12-20850細胞を、化合物を含む96ウェルプレートに播種した。プレートを4日間にわたり5%CO2の存在下で37℃でインキュベートした。4日目に、細胞を溶解させ、エピソーム性HPV-16 DNAの量を、HPV-16に特異的な捕捉用プローブおよび検出用プローブを用いた非放射性ハイブリッドキャプチャー法を用いて定量した。次に、未処理対照細胞に対する阻害率(%)を求めた。
【0237】
ハイブリッドキャプチャー
ハイブリッドキャプチャーアッセイは、96ウェルプレートフォーマットで行う。ハイブリダイゼーションプレート(Nunc Maxイソrb Cat # 450320)を、捕捉用プローブとReactiBind溶液との混合物で少なくとも4時間にわたって被覆し、次に0.2X SSC、0.05% Tween20(SSCT)で洗浄した後、150μl/ウェルの0.2N NaOH、1% Igepal、10mg/ml hsDNAで6〜8時間にわたりブロッキングした。ハイブリダイゼーションは、27μlの溶解細胞を6Mイソチオシアン酸グアニジン中の変性させた検出用プローブ45μlと混合することにより行った。蒸発を防止するために、50μlの鉱油を各ウェルに加えた。次に、プレートを6.5分間にわたり90℃まで加熱し、ハイブリダイゼーションを42℃で一夜継続した。アッセイプレートをSSC/Tで6回洗浄した。抗ジゴキシゲニンHRP結合Ab(Boeh環er Mannheim 1207733、1:5000)をそのウェル内で室温で30分間インキュベートし、次にPBS/0.05% Tween-20で洗浄した。SuperSignal LBA基質(Pierce Cat # 37070)を添加し、Wallac 1420 Victorプレートリーダーを用いて化学蛍光を測定した。
【表1】

【0238】
試験化合物は遊離形態または塩の形態で用いた。
【0239】
全ての研究は、the principles of laboratory animal care(動物の扱いに関する実験動物管理の主義)(NIH発行No. 85-23、1985改定)およびGlaxoSmithKlineの指針に則った。
【0240】
本明細書では本発明の特定の実施形態を例示して詳細に説明してきたが、本発明はそれらに限定されない。上記の詳細な説明は、本発明の例示として提供したものであり、発明をいかようにも限定しようとするものではない。当業者であれば改変形態は明らかであり、本発明の精神から逸脱していない全ての改変形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体:
【化1】

[式中、
nは、0、1または2であり;
Xは、NH、OまたはS(O)mであり;
Rはそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3 -R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択され;
R1はそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択され;
mはそれぞれ、独立して、0、1または2であり;
R10はそれぞれ、同一であるか異なって、アルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレンまたはアルキニレンから独立して選択され;
pおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4または5から選択され;
R2およびR3はそれぞれ、同一であるか異なって、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)wまたは-R10NR4R5からなる群から独立して選択され;
wは、1〜10であり;
R4およびR5はそれぞれ、同一であるか異なって、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayは、アリール基を表わし;
Hetは、5員または6員のヘテロシクリル基またはヘテロアリール基を表わし;
環Aは、アリールまたはヘテロアリールである]。
【請求項2】
XがNHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
アルキルがC1〜C6アルキルであり、アルコキシがC1〜C6アルコキシであり、ハロアルキルがC1〜C6ハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
少なくともpまたはqが0ではない、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
pとqの両者がそれぞれ1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
nが1または2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
nが1である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Rが、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、シアノ、ニトロまたはアジドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Rが、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3またはシアノから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Rが、ハロゲン、アルキルまたはハロアルキルから選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
RがClまたはBrから選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Rが図示のN原子に対してパラで置換されている、請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
R1が、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R1が、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2、シアノまたはニトロから選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R1が、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2から選択される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
qが1または2である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
A環がアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
A環がフェニルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
環Aがヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
ヘテロアリールが、ピリミジニル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
ヘテロアリールがピリミジニルまたはピリジルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
qが0、1または2である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
pが0ではない場合、Rはそれぞれ、同一であるか異なって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロまたはアジドからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
以下のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル;
N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン;
6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート;
6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩;
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;および
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール。
【請求項25】
以下のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル;
N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン;
6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
メチル1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボキシレート;
6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩;
N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩;
N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;
6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン;および
6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール。
【請求項26】
式(I)の化合物が、さらに
【化2】

[式中、
R6は、H、アルキル、-OR2、-NR2R3、Ay、Het、-C(O)R2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)mR2またはオキソであり、ここで、R2およびR3は上記で定義したとおりであり;
R7は、Hまたはアルキルであり、但し、R6とR7の両者がHではない]
ならびに塩、溶媒和物および薬学的に機能性の誘導体を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
実施例のいずれか1つに関して実質的に上記で定義されている、請求項1〜26に記載の化合物。
【請求項28】
請求項1〜26に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項29】
活性な治療用物質として使用するための、請求項1〜26に記載の化合物。
【請求項30】
アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポバウイルス科を含む腫瘍原性ウイルスにより引き起こされる疾患および症状の治療または予防において使用するための、請求項1〜26に記載の化合物。
【請求項31】
HPV感染による症状または障害の治療または予防において使用するための、請求項1〜26に記載の化合物。
【請求項32】
症状または疾患が、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
癌が、肛門性器癌、頭頚部癌および皮膚癌である、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
肛門性器癌が、子宮頚癌、肛門/肛門周囲癌、外陰癌、膣癌または陰茎癌であり;
頭頚部癌が、咽頭口部癌および食道癌であり;
皮膚癌が、基底細胞癌および扁平上皮癌である、
請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポバウイルス科を含む腫瘍原性ウイルスの治療または予防において使用するための医薬の製造における、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項36】
HPV感染による症状または疾患の治療または予防において使用するための医薬の製造における、請求項1〜26に記載の化合物の使用。
【請求項37】
症状または障害が、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である、請求項36に記載の化合物の使用。
【請求項38】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポバウイルス科を含む腫瘍原性ウイルスを治療または予防する方法。
【請求項39】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、HPV感染による症状または障害を治療または予防する方法。
【請求項40】
症状または障害が、疣贅、性器疣贅、子宮頚部形成異常、再発性呼吸器パピローマ症またはパピローマウイルス感染に関連する癌である、請求項39に記載の方法。

【公表番号】特表2007−501284(P2007−501284A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533561(P2006−533561)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017660
【国際公開番号】WO2004/110999
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】