説明

テトラフェノール(TP)置換構造を基礎とする有機燐化合物

本発明は、テトラフェノール置換された構造、殊にメタ置換されたキシレンの合成に関する。このテトラフェノール種の構造は、有機燐化合物、殊にオルガノホスファイトに変換される。更に、本発明の対象は、前記の有機燐化合物と共に遷移金属を有する、触媒作用する組成物の製造である。更に、本発明の対象において、触媒作用する組成物は、例えばHCN、CO、水素およびアミンのような小さな分子との化学反応で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の有機化合物、その燐誘導体、または有機燐化合物ならびに遷移金属を有する前記化合物の錯体化合物、これらの化合物の製造法およびこれらの化合物の触媒反応への使用に関する。
【0002】
C原子富有のアルデヒドへの触媒の存在下でのオレフィン化合物と一酸化炭素と水素との反応は、ヒドロホルミル化(オキソ化)として公知である。しばしば、これらの反応においては、触媒として、元素の周期系の第8族ないし第10族の遷移金属の化合物、殊にロジウムの化合物およびコバルトの化合物が使用される。ロジウム化合物によるヒドロホルミル化は、コバルト化合物を用いる触媒反応と比較して、一般に、より選択性が高いという利点を提供するため、多くの場合には、より経済的である。ロジウムによって触媒反応されたヒドロホルミル化の場合には、たいていロジウムおよび有利に配位子としての三価燐化合物からなる錯体が使用される。公知の配位子は、例えばホスフィン、ホスファイトおよびホスホナイトの種類からの化合物である。オレフィンのヒドロホルミル化に関する概要は、B.CORNILS,W.A.HERRMANN,"Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds,Vol.1&2,VCH,Weinheim,New York,1996に見出せる。
【0003】
それぞれの触媒系(コバルトまたはロジウム)は、それらの特定の長所を有する。原料および目的生成物に応じて、異なる触媒系が使用される。ロジウムおよびトリフェニルホスフィンを用いて作業すると、α−オレフィンは、より低い圧力でヒドロホルミル化することができる。燐含有配位子としては、一般に、トリフェニルホスフィンが過剰に使用され、その際、商業的に所望されるn−アルデヒド生成物への反応の選択性を高めるためには高い配位子/ロジウム比が必要となる。
【0004】
米国特許第4694109号明細書および米国特許第4879416号明細書の記載は、ビスホスフィン配位子および低い合成ガス圧でのオレフィンのヒドロホルミル化におけるビスホスフィン配位子の使用に関連している。特に、プロペンのヒドロホルミル化では、この種の配位子を用いて、高い活性および高いn/i選択性が達成される。
【0005】
WO95/30680号には、二座のホスフィン配位子および触媒反応における、とりわけヒドロホルミル化反応における前記ホスフィン配位子の使用が記載されている。
【0006】
フェロセン架橋されたビスホスフィンは、例えば米国特許第4169861号明細書、米国特許第4201714号明細書および米国特許第4193943号明細書においてヒドロホルミル化のための配位子として開示されている。
【0007】
二座のホスフィン配位子の欠点は、製造に比較的費用が掛かることにある。従って、このようなシステムを工業的プロセスに使用することは、しばしば引き合わないことになる。
【0008】
ロジウム−モノホスファイト錯体は、内部二重結合を有する分枝鎖状オレフィンのヒドロホルミル化に適した触媒であるが、しかし、末端でヒドロホルミル化された化合物についての選択性は低い。
【0009】
欧州特許出願公開第0155508号明細書の記載から、ビスアリーレン置換されたモノホスファイトを、立体障害オレフィン、例えばイソブテンのロジウム触媒反応によるヒドロホルミル化で使用することは、公知である。
【0010】
ロジウム−ホスファイト錯体は、末端二重結合と内部二重結合を有する直鎖状オレフィンのヒドロホルミル化を促進させ、その際、主に末端ヒドロホルミル化された生成物が生成するのに対して、内部二重結合を有する分枝鎖状オレフィンは、僅かな程度でしか変換されない。前記ホスファイトは、このホスファイトが遷移金属中心に配位すると、活性が高められた触媒をもたらすが、この触媒系の寿命挙動は、とりわけそのホスファイト配位子の加水分解感受性のため不十分である。欧州特許出願公開第0214622号明細書または欧州特許出願公開第0472071号明細書の記載と同様に、ホスファイト配位子のための出発物質として置換ビスアリールジオールを使用することによって、顕著な改善を達成することができた。
【0011】
前記の刊行物によれば、前記配位子のロジウム錯体は、α−オレフィンのための極めて活性のヒドロホルミル化触媒である。米国特許第4668651号明細書、米国特許第4748261号明細書および米国特許第4885401号明細書には、α−オレフィンだけでなく、2−ブテンも高い選択性で反応して、末端ヒドロホルミル化された生成物を生じうるポリホスファイト配位子が記載されている。米国特許第5312996号明細書では、前記種類の二座の配位子がブタジエンのヒドロホルミル化のためにも使用されている。
【0012】
感光性の皮膜形成材料−フォトラッカーと呼称され、または英語でフォトレジストとも呼称される−の範囲から、テトラフェノールの概念の下にまとめられる物質種は、公知である。特開平05−034915号公報および特開2004−277358号公報には、例えばこのような代表例が記載されている。Journal of Chemical Society,Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999)(1994),(13),1879−82および特開2004−277358号公報には、必要な前駆物質の製造法ならびにテトラフェノールのような化合物が示されている。
【0013】
Macromolecules(Washington,DC,United States)(2008),41(20),7306−7315には、例えば酸化エチレンと酸化プロピレンとの開環重合の際にテトラフェノールのような化合物を使用することが記載されている。
【0014】
前記のビスホスファイトは、ロジウムベースのヒドロホルミル化触媒系のための良好な錯体配位子であるにも拘わらず、新規種類の容易に製造可能なホスファイトを、例えばヒドロホルミル化における当該ホスファイトの作用をさらに改善するために開発ことが望まれている。
【0015】
即ち、本発明の課題は、その構造の点でテトラフェノールに分類することができる有機化合物を製造し、かつ相応する燐誘導体に変換することである。
【0016】
この場合には、有機化合物ならびにこの化合物に由来する有機燐化合物が工業的および経済的に費用が掛からずに製造されるという課題を伴っている。この場合、モジュラー構造は、一面で少ない製造工程で変動可能な構造を生じ、ならびに他面そのために大工業的に有利に使用可能な出発物質または反応体をつかむという課題には大変重要である。
【0017】
前記の燐化合物または冒頭に記載した有機燐化合物は、遷移金属で触媒作用する組成物にさらに加工される。更に、小さな分子、例えばCO、HCN、水素、またはアミンと、純粋な形ならびに混合物で不飽和炭化水素化合物との反応において前記の触媒作用する組成物を使用するという課題が存在する。それに伴って、前記の触媒作用する組成物が、例えば不飽和炭化水素化合物のヒドロホルミル化において長い寿命を有し、ひいては配位子として使用される有機燐化合物が加水分解感受性ならびに直鎖状の、即ちn−ヒドロホルミル化された生成物に対する高い選択性を有するという課題が存在する。
【0018】
本発明の対象は、式1
【化1】

で示される有機化合物であり、
上記式中:
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつ少なくとも2回置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものである。
【0019】
1つの好ましい実施態様において、式1に由来しうる可能性のある構造の多様性は、以下の限定が導入されることによって減少し、この場合:
G1は、少なくともジ置換された1,2−、1,3−または1,4−フェニル基であり;
G2は、三級または四級置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4は、同一であり、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、それぞれOH基を有する少なくともジ置換の芳香族基である。
【0020】
前記の好ましい実施態様の例は、次の構造であり、この場合G1は、1,3−置換基を有する:
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
また、好ましい実施態様の例は、例えば次の通りである:
【化5】

【0024】
この場合G1は、1,4−置換基を有し、一方、式28の次の実施態様は、1つの代表例であり、この場合G1は、1,2−置換基を示す:
【化6】

【0025】
また、この実施態様の例示的な代表例は、G1のためにトリ置換基、ヘテロ芳香族基または縮合された芳香族系を有する、式29〜38の次の誘導体である:
【化7】

【0026】
【化8】

【0027】
【化9】

【0028】
更に、式1の好ましい実施態様は、次の通りである:
G1は、少なくともジ置換された1,3−フェニル基であり;
G2は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4は、同一であり、少なくともジ置換された、OH、C1〜C6O−アルキルならびにC1〜C6アルキルを備えた芳香族基である。
【0029】
この実施態様の例示的な代表例は、例えば式11〜26ならびに29〜31に記載されている。製造は、本発明による製造例において以下のように開示されている方法で行なわれる。
【0030】
式1の別の好ましい実施態様は、次の通りである:
G1は、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4は、同一であり、OHならびに2個の第三ブチル基でトリ置換された芳香族基である。
【0031】
この実施態様の特許保護が請求された代表例は、例えば式12、15、16および18に開示されており、本発明による製造例に基づいて合成されうる。本発明による製造例において、特許保護が請求された代表例は、判り易くするためにTP0、TP'0およびTP''0と呼称される。
【0032】
更に、本発明の対象は、式2の有機燐化合物である:
【化10】

上記式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造である。
【0033】
G5およびG6は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位である。
【0034】
特に、式2の実施態様は、次の通りである:
G1は、少なくともジ置換された1,2−、1,3−または1,4−フェニル基であり;
G2は、三級または四級置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4は、同一であり、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された芳香族基である。
【0035】
G5およびG6は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、同一のものである。
【0036】
特に、式2の実施態様は、次の通りである:
G1は、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2は、水素またはメチルで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびC4は、第三ブチルフェノキシ、メトキシ−第三ブチルフェノキシまたはジ−第三ブチルフェノキシの群から選択された同一のものである。
G5およびG6は、第三ブチルフェノキシ、メトキシ−第三ブチルフェノキシ、ナフトキシ、ジ−第三ブチルフェノキシ、メチル−第三ブチルフェノキシまたはピロールの群から選択された同一のものである。
【0037】
前記の実施態様により特許保護が請求された、有機燐化合物、テトラフェノール配位子またはテトラフェノール置換されたビスホスファイトとも呼称される、は、以下、本発明による製造例においてさらに開示され、および特性決定されている。
【0038】
判り易くするために、特許保護が請求されたテトラフェノール配位子は、本発明による製造例において、TP1〜TP7と呼称される。特許保護が請求されたテトラフェノール配位子に属する構造は、同様に本発明による製造例において反応式1で開示されている。
【0039】
更に、本発明による式2の実施態様は、TPと呼称される以下の構造で例示的に記載されている:
【化11】

【0040】
この場合、式TPによれば、G3とG4は、同一であるかまたは異なり、少なくとも1個置換された環式構造であり、例えば次の通りである。
【0041】
【化12】

【0042】
この場合、G5およびG6は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であり;例えば次の通りであり、
【化13】

およびRは、例えば水素、メチル、トリフルオロメチルまたはフェニルであり;
ならびにR’は、例示的に次の基によって表される:
【化14】

【0043】
【化15】

【0044】
また、本発明の対象は、式3の有機燐化合物である:
【化16】

上記式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3は、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつそれぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G4は、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7およびG8は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、およびG7は、それぞれG8と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である。
【0045】
更に、本発明の対象は、式4
【化17】

〔式中、
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3は、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつそれぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G4は、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7およびG8は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、およびG7は、それぞれG8と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0046】
また、本発明の対象は、式5
【化18】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7およびG8は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG6は、それぞれG7と、およびG8は、それぞれG9と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0047】
更に、本発明の対象は、式6
【化19】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基またはヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7およびG8は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG6は、それぞれG7と、およびG8は、それぞれG9と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0048】
また、本発明の対象は、式7
【化20】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7、G8、G9、G10、G11およびG12は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、G7は、それぞれG8と、G9は、それぞれG10と、およびG11は、それぞれG12と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0049】
特に、式7の実施態様は、次の通りである:
G1は、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびC4は、第三ブチルフェノキシまたはジ−第三ブチルフェノキシの群から選択された同一のものであり;
G5、G6、G7、G8、G9、G10、G11およびG12は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、G7は、それぞれG8と、G9は、それぞれG10と、およびG11は、それぞれG12と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である。
【0050】
前記の実施態様の例示的な構造は、次の通りである:
【化21】

【0051】
この場合、式39中のPR2は、例えば次の置換基を有する:
【化22】

【0052】
この場合、式40中のRは、例示的に次の基を表わす:
【化23】

【0053】
Rが2,4−ジ−第三ブチルフェノキシである式40の代表例は、本発明により特許保護が請求された1つの実施態様であり、テトラフェノールを基礎とするテトラホスファイトであり、このテトラホスファイトは、式TP8の利用下でさらに本発明による製造例中に開示される。
【0054】
更に、本発明の対象は、式8
【化24】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3は、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつそれぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G4は、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7およびG8は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、G7は、それぞれG8と、およびG9は、それぞれG10と共有結合した、1価の、Pと結合した単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0055】
また、本発明の対象は、式9
【化25】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3は、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつそれぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G4は、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、1価の、Pと結合した単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0056】
更に、本発明の対象は、式10
【化26】

〔式中:
Oは、それぞれ酸素原子であり、
Pは、それぞれ燐原子に相当し;
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3は、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G4は、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5およびG6は、それぞれ同一かまたは異なり、1価の、Pと結合した単位であるか、または
G5は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれG6と共有結合した、1価の、Pと結合した単位である〕で示される有機燐化合物である。
【0057】
また、本発明の対象は、元素の周期律表の第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族または第10族の金属およびTP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に記載された1つ以上の有機燐化合物を含有する金属錯体である。
【0058】
特に、1つの実施態様において、本発明による金属錯体は、金属がロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、コバルトまたはルテニウムであることによって特徴付けられる。
【0059】
更に、1つの実施態様において、TP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された有機燐化合物の少なくとも1つおよび/またはロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、コバルトまたはルテニウムを基礎とする金属錯体は、触媒反応に使用される。
【0060】
更に、1つの実施態様において、TP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された有機燐化合物の少なくとも1つおよび/またはロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、コバルトまたはルテニウムを基礎とする金属錯体は、均質な触媒反応に使用される。
【0061】
殊に、1つの実施態様において、TP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された有機燐化合物の少なくとも1つおよび/またはロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、コバルトまたはルテニウムを基礎とする金属錯体は、オレフィン含有混合物をヒドロホルミル化する方法に使用される。
【0062】
本発明による製造例において、特許保護が請求された金属錯体は、さらに開示され、および特性決定される。
【0063】
また、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、触媒作用する組成物を使用してペンテンニトリル含有流をヒドロシアン化するための方法である。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0064】
特に、ヒドロシアン化するための本発明による方法の実施態様は、分枝鎖状ニトリルへの異性体化を排除してヒドロシアンかが行なわれることによって特徴付けられる。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0065】
更に、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP2を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、触媒作用する組成物を使用してブタジエン含有流をヒドロシアン化する方法である。
【0066】
特に、ブタジエン含有流をヒドロシアン化するための方法の実施態様は、ブタジエンが99%を上廻るn−/イソ選択率で直鎖状ペンテンニトリルにヒドロシアン化されることによって特徴付けられる。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0067】
また、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用して不飽和炭化水素混合物をヒドロホルミル化する方法である。
【0068】
特に、不飽和炭化水素混合物をヒドロホルミル化する本発明による方法の実施態様は、触媒作用する組成物がTP1、TP2、TP3、TP4またはTP5を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物およびロジウムを含有することによって特徴付けられる。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0069】
更に、不飽和炭化水素混合物をヒドロホルミル化する本発明による方法の1つの実施態様は、不飽和炭化水素混合物として少なくとも4〜20個のC原子を有するオレフィン含有流が使用されることによって特徴付けられる。
【0070】
1つの好ましい実施態様において、不飽和炭化水素混合物として次の流れが使用される:
市販の組成物中のラフィネートI;
C4アルカン、直鎖状C4アルケンならびにイソブテンおよびC5アルカンの残基を含有する、市販の組成物中のラフィネートIII;
C4アルカン、直鎖状C4アルケンおよびC5アルカンを含有する、いわゆる粗製ブタン;
ジメチルヘキセン、メチルヘプテンならびにn−オクテンの群から選択されたC8オレフィンを、C8オレフィンの全体量に対して少なくとも98質量%含有する、いわゆるジブテン;
C11オレフィンおよびC12オレフィンの全体量に対してC11オレフィンおよびC12オレフィン少なくとも98質量%からなる混合物を含有する、いわゆるトリブテン。
【0071】
この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0072】
更に、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP6を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用して不飽和の炭化水素混合物をヒドロアミノアルキル化する方法である。
【0073】
特に、ヒドロアミノアルキル化するための本発明による方法の実施態様は、触媒作用する組成物がTP6を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物およびロジウムを含有することによって特徴付けられる。
【0074】
更に、ヒドロアミノアルキル化するための本発明による方法の実施態様は、生成物アミンに関連する化学選択率が90%を上廻り、副生成物の形成率が10%を下廻ることによって特徴付けられる。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0075】
また、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP1を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用して不飽和炭化水素混合物を水素化する方法である。この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【0076】
更に、本発明の対象は、触媒作用する組成物がTP3を有する本発明による製造例中に示された1つの有機燐化合物を含有することを特徴とする、第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用してカルボニル化合物をヒドロシリル化する方法である。
【0077】
この開示のさらなる詳細は、本発明による方法例中に見出せる。
【実施例】
【0078】

以下の例は、本発明を詳説するものである。
【0079】
本発明による製造例
【化27】

【0080】
【表1】

【0081】
合成例:
テトラフェノール基本骨格TP0の製出:
4,4',4'',4'''−テトラ−t−ブチル−2,2',2'',2'''−(フェニレンメタンジイル)テトラフェノール
【化28】

【0082】
テトラフェノール基本骨格TP0を変更した刊行物の規定[C.Gruettner,V.Boehmer,R.Assmus,S.Schert,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1995,93−94]により製出した。
【0083】
4−第三ブチルフェノール(72g、0.48mol)とイソフタルジカルボキシアルデヒド(8.1g、0.06mol)との混合物を撹拌下に、均質な溶融液が生じるまで加熱する(100〜110℃)。
【0084】
次に、HCl(8ml)を供給し、さらに6時間攪拌する。過剰のフェノールを水蒸気蒸留により除去し、残留物をアセトンから再結晶させる。
【0085】

48584*2(CH3)COについての元素分析:
計算値(実測値):%C79.57(79.74)、%H8.66(8.43)。
【0086】
テトラフェノール基本骨格TP'0の製出:
4,4',4'',4'''−テトラ−t−ブチル−2,2',2'',2'''−(フェニレンメチルメタンジイル)テトラフェノール
【化29】

【0087】
4−第三ブチルフェノール(138.7g、0.924mol)と1,3−ジアセチルベンゼン(10.0g、0.0616mol)との混合物を撹拌下に、均質な溶融液が生じるまで加熱する(140℃)。
【0088】
その後に、メタンスルホン酸(5.3g、0.0553mol、3.59ml)を添加し、反応混合物を24時間加熱する。過剰のフェノールを水蒸気蒸留により除去し、残留物をアセトンから再結晶させる。
【0089】

【0090】
テトラフェノール基本骨格TP''0の製出:
6,6',6'',6'''−テトラ−o−メチル−2,2',2'',2'''−(フェニレンメタンジイル)テトラフェノール
【化30】

【0091】
o−クレゾール(52g、0.48mol)とイソフタルジカルボキシアルデヒド(8.1g、0.06mol)との混合物を撹拌下に、均質な溶融液が生じるまで加熱する(100〜110℃)。次に、HCl(8ml)を供給し、さらに6時間攪拌する。その後に、過剰のフェノールを水蒸気蒸留により除去し、粗製生成物をNMR分光分析法により分析する。90〜95%の目的生成物の純度を検出した。
【0092】

【0093】
ビスホスファイトTP1の製出
THF35ml中のPCl3(0.6mg、6.5mmol)からなる溶液にテトラフェノール基本骨格TP0(2.1g、3mmol)およびEt3N(5.4ml、36mmol)を−10℃で滴加し、この溶液を30分間攪拌する。
【0094】
その後に、THF10ml中に溶解した4−第三ブチルフェノール(6.05mmol)を−10℃で滴加する。この溶液を室温で1時間攪拌し、塩を塩基性酸化アルミニウムの層(4cm)を介して濾別し、濾液を蒸発濃縮して乾燥させる。
【0095】

688062についての元素分析:
計算値(実測値):%C77.39(77.33)、%H7.64(7.45)。
【0096】
ビスホスファイトTP2の製出
TP1と同様の規定、4−第三ブチルフェノールの代わりに、4−ヒドロキシ−3−第三ブチルアニソールを添加する。
【0097】

【0098】
ビスホスファイトTP3の製出
TP1と同様の規定、4−第三ブチルフェノールの代わりに、1−ナフトールを添加する。
【0099】

686862についての元素分析:
計算値(実測値):%C78.29(77.93)、%H6.57(6.23)。
【0100】
ビスホスファイトTP4の製出
TP1と同様の規定、4−第三ブチルフェノールの代わりに、2,4−ジ−第三ブチルフェノールを添加する。
【0101】

769662*CH2Cl2についての元素分析:
計算値(実測値):%C73.84(74.32)、%H7.89(8.19)。
【0102】
ビスホスファイトTP5の製出
TP1と同様の規定、4−第三ブチルフェノールの代わりに、2−第三ブチル−6−メチルフェノールを添加する。
【0103】

708462*CH2Cl2についての元素分析:
計算値(実測値):%C72.99(72.32)、%H7.42(7.57)。
【0104】
ビスホスホルアミジットTP6の製出
TP1と同様の規定、4−第三ブチルフェノールの代わりに、ピロールを添加する。31P NMR(CD2Cl2):δ 122.77。
【0105】
ビスホスファイトTP7の製出
テトラフェノール基本骨格TP0(0.3g、0.41mmol)およびEt3N(0.2ml、1.4mmol)を−10℃でTHF5ml中のPCl3(0.1mg、1.13mmol)からなる溶液に滴加し、この反応溶液を30分間攪拌する。その後に、THF1ml中に溶解された、2,4−ジ−第三ブチルフェノール(0.17g、0.825mmol)を−10℃で滴加し、引続き室温で1時間攪拌する。塩を塩基性酸化アルミニウムの層(4cm)を介して濾別し、濾液を蒸発濃縮して乾燥させる。
【0106】

【0107】
テトラホスファイトTP8の製出
【化31】

【0108】
THF30ml中のPCl3(0.3ml、3.25mmol)からなる溶液に−10℃で順次に2,4−ジ−第三ブチルフェノール(1.355g、6.5mmol)およびEt3N(2.4ml、16.0mmol)を滴下法で添加し、30分間攪拌する。その後に、THF5ml中のテトラフェノール基本骨格TP0(0.57g、0.812mmol)の溶液を−10で滴加し、室温で1時間攪拌する。塩を塩基性酸化アルミニウムの層(4cm)を介して濾別し、濾液を蒸発濃縮して乾燥させる。31P NMR(THF):δ 128.0。
【0109】
白金錯体(TP1)PtCl2の合成
Pt(cod)Cl2(35mg、94μmol)およびTP1(121mg、113μmol)をCH2Cl2/CH3CN(3/2混合物)中で室温で1時間攪拌した。−30℃で1週間の後、X線結晶構造解析に適した結晶物を得た。
【0110】

【0111】
ニッケル錯体(L)Ni(CO)2の合成[C.J.Cobley and P.G.Pringle,Inorg. Chim.Acta 1997,265,107−115]
Ni(cod)2 10mg(0.036mmol)および1モル当量のTP配位子(0.036mmol)をトルエン2ml中に溶解した。明黄色の溶液に30分間COを貫流したので、この溶液は、無色になった。この溶液を乾燥するまで真空中で蒸発濃縮し、残留する固体をATR−IR分光分析法により試験する:
【表2】

【0112】
(TP2)Ni(cod)の合成
ベンゼン−d6 1ml中のTP2(22.0mg、0.018mmol)の溶液をNi(cod)2(5.0mg、0.018mmol)に添加し、シュレンク器具中で30分間攪拌した。
【0113】

【0114】
(TP2)Ni(2M3BN)−ZnCl2の合成
トルエン−d8 3ml中のTP2(89.0mg、0.079mmol)の溶液をNi(cod)2(22.0mg、0.079mmol)に添加し、シュレンク器具中で5分間攪拌した。2M3BN(10μl、1当量)をエッペンドルフピペットを用いて添加し、ならびにZnCl2をルイス酸(22.0mg、1当量)として添加した。この溶液を39分間攪拌し、試料(800μl)をNMR分析のために取出し、残留する溶液を真空中で蒸発濃縮し、乾燥させた。赤橙色の粉末をIR分光分析法により試験した。
【0115】

【0116】
本発明による方法例:
ヒドロシアン化
3−ペンテンニトリル(3PN)のニッケル触媒反応によるヒドロシアン化:Ni(cod)2(5.0mg、0.018mmol)に配位子溶液(溶剤2ml中のTP配位子0.018mmol)を添加する。その後に、3−ペンテンニトリル(300μ;、170当量)をエッペンドルフピペットを用いて添加し、ならびにn−デカン50μlを内部標準として、およびルイス酸(1当量)を添加する。得られた溶液を15mlのシュレンク器具中に移す。次に、アセトンシアンヒドリン(400μl、250当量)をエッペンドルフピペットを用いて添加し、シュレンク器具を90℃になるまで油浴中で加熱する。この溶液を4時間攪拌し、次に0℃に冷却し、アルゴン流で1分間ストリッピングし、微量のHCNを除去する。試料をガスクロマトグラフィーにより内部標準としてのn−デカンを用いて測定する。全ての反応を二回実施し、その際に±2%または±1%の変換率および選択率の変動幅を確認した。
【0117】
【表3】

条件:Ni(cod)2 0.018mmol、Ni:L:Zn:S:ACH=1:1:1:170:過剰量、HCN源としてのアセトンシアンヒドリン(ACH)、T=90℃、トルエン2ml、t=4時間。
a)内部標準としてのn−デカンを用いてのガスクロマトグラフィーによる測定。変換率は、未反応の基質の量に基づくものである[mmol]。
b)2−ペンテンニトリルまたは4−ペンテンニトリルの収率;c)ジニトリル:アジポニトリル(ADN)+メチルグルタルニトリル(MGD)の収率
【0118】
【表4】

条件:Ni(cod)2 0.018mmol、Ni:L:Zn:S:ACH=1:1:1:170:過剰量、HCN源としてのアセトンシアンヒドリン(ACH)、T=90℃、THF2ml、t=4時間、配位子としてのTP2。
a)内部標準としてのn−デカンを用いてのガスクロマトグラフィーによる測定。変換率は、未反応の基質の量に基づくものである[mmol]。
b)2−ペンテンニトリル、4−ペンテンニトリルおよび2−メチル−2−ブテンニトリルの収率;c)ジニトリル:アジポニトリル+メチルグルタルニトリルの収率;d)T=110℃;e)次の構造を有するベンチマーク配位子としてのBIPPP:
【化32】

【0119】
【表5】

条件:Ni(cod)2 0.018mmol、Ni:L:Zn:S:ACH=1:1:1:170:過剰量、HCN源としてのアセトンシアンヒドリン(ACH)、T=90℃、THF2ml、t=4時間、配位子としてのTP2。
a)内部標準としてのn−デカンを用いてのガスクロマトグラフィーによる測定。変換率は、未反応の基質の量に基づくものである[mmol]。
b)2−ペンテンニトリルまたは3−ペンテンニトリルの収率;c)ジニトリル:アジポニトリル(ADN)+メチルグルタルニトリル(MGD)の収率。
【0120】
【表6】

条件:Ni(cod)2 0.018mmol、Ni:L:Zn:S:ACH=1:1:1:125:過剰量、HCN源としてのアセトンシアンヒドリン(ACH)、T=90℃、ジオキサン2ml、t=5時間。
a)内部標準としてのn−デカンを用いてのガスクロマトグラフィーによる測定。変換率は、未反応の基質の量に基づくものである[mmol]。
b)ホスファイト=[1,1’]−ビナフテニル−2,2’−ビス[ジ−(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト]。
【0121】
異性体化試験のための一般的な規定:Ni(cod)2(5.0mg、0.018mmol)に配位子溶液(溶剤2ml中のTP配位子0.018mmol)を添加し、および不活性ガス雰囲気下で5分間攪拌する。2−メチル−3−ブテンニトリル、2M3BN、(200μl、100当量)をエッペンドルフピペットを用いて添加し、ならびに内部標準としてのn−デカン50μlおよびルイス酸としてのZnCl2(5.0mg、1当量)を添加する。シュレンク器具を油浴中で90℃に加熱し、試料をGC分析のために規則的に取り出す。選択率を3PN/(Σニトリル)として定義する。
【0122】
ヒドロホルミル化
例示的にモデル基質との反応により、1−オクテン、トランス−2−オクテン、n−オクテン混合物、ジブテン、イソブテンおよびシス−2−ブテンが製出されている。ロジウム濃度は、40ppmおよび200ppmであった。
【0123】
例示的に次に、1−オクテンおよびトランス−2−オクテンのヒドロホルミル化の結果が表わされている。この反応をAMTEC SPR16パラレル反応器中で実施した。Rh(acac)(CO)2(3.7mg、14.4μmol)および配位子4当量(57.6μmol)をトルエン5ml中に溶解し、およびアルゴンが充填された反応容器中に移した。この反応容器を80℃に温度調節し、20バールの合成ガスで反応作用させた。2時間の予めの形成の時間後に、基質混合物(内部標準としての1−オクテン18mmolおよびn−デカン6mmol)を供給した。80℃および20バールの合成ガスの場合に、反応溶液を24時間攪拌した。
【0124】
【表7】

条件:Rh:L:S=4:1250、80℃、CO/H20バール(1:1)、トルエン、[Rh]=1.92mM、Rh前駆物質=Rh(acac)(CO)2、Vtot=8ml、t=24時間;a)20%の変換率でのTOF測定。
【0125】
【表8】

条件:Rh:L:S=1:4:1250、トルエン、[Rh]=1.92mM、Rh前駆物質=Rh(acac)(CO)2;a)20%の変換率でのTOF測定;b)Rh:L=1:20。
【0126】
C4オレフィンの二量体化から得られたジブテン(C8−オレフィン混合物、直鎖状異性体および分枝鎖状異性体)を溶剤不含になるまで配位子TP1でヒドロホルミル化した。
【0127】
【表9】

条件:Rh:L=1:4;CO/H250バール(1:1)、6時間、[Rh]=40ppm、溶剤不含、ジ−n−ブテン1kg;a)化学選択率=アルデヒド/変換率;b)[Rh]=20ppm。
【0128】
C4オレフィン(第8表)およびC8オレフィン(第9表)をヒドロホルミル化するための次の例を、圧力一定保持器、ガス流量測定器および羽根形撹拌機を備えたParr−100ml−オートクレーブ中で実施した。前記オートクレーブに、アルゴン雰囲気下に、以下に記載される全ての化合物を充填したが、しかし、まだヒドロホルミル化すべきオレフィン混合物は充填しなかった。合成ガス(CO/H2 1:1)で押し流すことによりアルゴン雰囲気を交換した後に、前記反応混合物を撹拌しながら(1000rpm)および合成ガス圧下に、それぞれ記載した温度に加熱し、その後20バールの正確な設定圧に調節した。引続き、ヒドロホルミル化すべきオレフィン混合物を添加した。合成ガス圧を全反応時間中に圧力調節器により一定に保持した。ヒドロホルミル化試験の反応時間は、それぞれ720分であり、その際、その間で試料を、前記オートクレーブから、GC分析のために取り出した。引続き、反応混合物を室温に冷却し、前記オートクレーブを放圧し、かつアルゴンで押し流した。
【0129】
【表10】

条件:Rh:L=1:4;C4オレフィン6g、120℃、CO/H220バール(1:1)、t=720分、トルエン、[Rh]=40ppm、Rh前駆物質=Rh(acac)(CO)2;a)n選択率=ペンタナール/総和 アルデヒド、時点tに対して=720分。
【0130】
【表11】

条件:Rh:L=1:4;C8オレフィン10g、CO/H220バール(1:1)、t=720分、トルエン、[Rh]=40ppm、Rh前駆物質=Rh(acac)(CO)2;a)n選択率=ノナナール/総和 アルデヒド、時点tに対して=720分;b)k(min-1)異性体化後、初期速度でない。
【0131】
ヒドロアミノメチル化
TP6での1−オクテンのヒドロアミノメチル化
【化33】

【0132】
ヒドロホルミル化および還元的アミン化からなる前記カスケード反応には、[Rh(cod)2]BF4を前駆化合物として使用した。この反応をトルエン/メタノール混合物中で110℃および36バールCO/H2(1:2)および800rpmの攪拌機速度で実施した。2時間後に、活性が際立って高い完全な変換が達成された。この反応は、急速に極めて化学選択的に進行する。
【0133】
【表12】

【0134】
水素化
TP1でのイタコン酸ジメチルエステルの水素化
【化34】

【0135】
[Rh(cod)2]BF4(4mg、9.85μmol)をCHCl22ml中に溶解し、TP1(10μmol)に添加した。黄色の触媒溶液を室温で30分間攪拌し、その後にこの溶液をCHCl23ml中のイタコン酸ジメチルエステル(300mg、2mmol)からなる溶液に計量供給した。この溶液を室温で1バールのH2雰囲気下で24時間攪拌した。基質の変換率は、100%である(GC)。
【0136】
ヒドロシリル化
TP3でのアセトフェノンのヒドロシリル化
【化35】

【0137】
50mlのシュレンク器具中で、[Rh(nbd)2]BF4(11.5mg、4.75μmol)とTHF0.36ml中のTP3(150mg、14.25μmol)とからなる溶液にアセトフェノン0.36mlおよびジフェニルシラン0.58mlをシリンジにより滴加し、得られた溶液をアルゴン雰囲気下で室温で18時間攪拌する。その後に、HCl6ml(H2O中で10%)を添加し、この溶液を2回それぞれジエチルエーテル6mlで抽出した。変換率は、46%であった(GC)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

〔式中:
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1個のOH基で置換されており、かつ少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものである〕で示される有機化合物。
【請求項2】
式2
【化2】

〔式中:
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された環式構造であり;
G5およびG6は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位である〕で示される有機燐化合物。
【請求項3】
式7
【化3】

〔式中:
G1は、少なくとも2個置換された環式構造であり、この環式構造は、それぞれ1価でG2と結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択されたものであり;
G2は、アルキル基であり、それぞれ1価でG1、G3および/またはG4と結合されており;
G3およびG4は、同一かまたは異なり、それぞれ1価でG2およびOと結合された、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族基または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも2個置換された環式構造であり;
G5、G6、G7、G8、G9、G10、G11およびG12は、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5は、それぞれG6と、G7は、それぞれG8と、G9は、それぞれG10と、およびG11は、それぞれG12と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である〕で示される有機燐化合物。
【請求項4】
G1が、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびC4が、第三ブチルフェノキシまたはジ−第三ブチルフェノキシの群から選択された同一のものであり;
G5、G6、G7、G8、G9、G10、G11およびG12が、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アシル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、それぞれ同一かまたは異なる、1価の、Pと結合した単位であるか、またはG5が、それぞれG6と、G7が、それぞれG8と、G9が、それぞれG10と、およびG11が、それぞれG12と共有結合した、1価の、Pと結合した、前記群から選択された単位である、請求項3に記載の式7の有機燐化合物。
【請求項5】
G1が、少なくともジ置換された1,2−、1,3−または1,4−フェニル基であり;
G2が、三級または四級置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4が、同一であり、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、それぞれOH基を有する少なくともジ置換の芳香族基である、請求項1に記載の式1の有機化合物。
【請求項6】
G1が、少なくともジ置換された1,3−フェニル基であり;
G2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4が、同一であり、少なくともジ置換された、OH、C1〜C6O−アルキルならびにC1〜C6アルキルを備えた芳香族基である、請求項5に記載の式1の有機化合物。
【請求項7】
G1が、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、トリフルオロメチルまたはアリールで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4が、同一であり、OHならびに2個の第三ブチル基でトリ置換された芳香族基である、請求項5に記載の式1の有機化合物。
【請求項8】
G1が、少なくともジ置換された1,2−、1,3−または1,4−フェニル基であり;
G2が、三級または四級置換されたC1アルキル基であり;
G3およびG4が、同一であり、任意の他の置換基を有する、芳香族基、ヘテロ芳香族基、縮合された芳香族系または縮合されたヘテロ芳香族系の群から選択された、少なくとも1個置換された芳香族基であり;
G5およびG6が、O−アルキル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロアリール、O−シクロアルキル、O−シリル、アシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ペルフルオロアルキル、N−アルキル、N−アリール、N−ヘテロアリール、N−シクロアルキル、N−シリルの群から選択された、同一のものである、請求項2に記載の式2の有機燐化合物。
【請求項9】
G1が、1,3−ジ置換されたフェニル基であり;
G2が、水素またはメチルで置換されたC1アルキル基であり;
G3およびC4が、第三ブチルフェノキシ、メトキシ−第三ブチルフェノキシまたはジ−第三ブチルフェノキシの群から選択された同一のものであり;
G5およびG6が、第三ブチルフェノキシ、メトキシ−第三ブチルフェノキシ、ナフトキシ、ジ−第三ブチルフェノキシ、メチル−第三ブチルフェノキシまたはピロールの群から選択された同一のものである、請求項8に記載の式2の有機燐化合物。
【請求項10】
第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用して不飽和炭化水素混合物をヒドロホルミル化する方法において、触媒作用する組成物が請求項2から4までのいずれか1項に記載の有機燐化合物を含有することを特徴とする、第8族〜第10族の遷移金属を含有する、触媒作用する組成物を使用して不飽和炭化水素混合物をヒドロホルミル化する方法。
【請求項11】
触媒作用する組成物が請求項8または9に記載の有機燐化合物およびロジウムを含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
不飽和炭化水素混合物として少なくとも4〜20個のC原子を有するオレフィンを含有する流れを使用する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
元素の周期律表の第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族または第10族の金属および請求項2から4までのいずれか1項、または請求項8または9に記載の1つ以上の有機燐化合物を含有する金属錯体。
【請求項14】
金属がロジウム、パラジウム、ニッケル、白金、コバルトまたはルテニウムである、請求項13記載の金属錯体。
【請求項15】
触媒反応における、請求項2から4までのいずれか1項、または請求項8または9に記載の有機燐化合物および/または請求項13または14に記載の金属錯体の使用。
【請求項16】
均質な触媒反応における、請求項2から4までのいずれか1項、または請求項8または9に記載の有機燐化合物および/または請求項13または14に記載の金属錯体の使用。
【請求項17】
オレフィン含有混合物をヒドロホルミル化するための方法における、請求項2、3、4、8または9に記載の有機燐化合物および/または請求項13または14に記載の金属錯体の使用。
【請求項18】
他の燐含有配位子が存在する、請求項17に記載の使用。

【公表番号】特表2013−503208(P2013−503208A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527285(P2012−527285)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062466
【国際公開番号】WO2011/023756
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(398054432)エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (63)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Oxeno GmbH
【住所又は居所原語表記】Paul−Baumann−Strasse 1, D−45764 Marl, Germany
【Fターム(参考)】