説明

テトラフルオロプロペンおよびハイドロフルオロカーボンの共沸混合物様組成物

冷媒組成物、冷凍システム、発泡剤組成物およびエーロゾル推進薬における用途を含む、テトラフルオロプロペンおよびハイドロフルオロカーボンを含む共沸混合物様組成物およびその使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に1,1,3,3-テトラフルオロプロペンを含む組成物に関する。より具体的には、本発明は、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを含む共沸混合物様組成物およびその用途を提供する。
【背景技術】
【0002】
フルオロカーボンベースの流体は、冷媒、エーロゾル推進薬、発泡剤、熱伝達媒体およびガス絶縁を含む産業上の多数の適用で、広範囲の用途が認められている。いくつかのこれらの流体の使用に関連して予想される環境上の問題には、該流体と関連する比較的高い地球温暖化係数が含まれるが、該問題故、ハイドロフルオロカーボン(“HFCs”)の様な、オゾン減少可能性が低いまたはゼロでさえある流体の使用が望ましい。このように、クロロフルオロカーボン(“CFCs”)またはハイドロクロロフルオロカーボン(“HCFCs”)を含まない流体の使用が望ましい。さらに、あるHFC流体は、それに関して比較的高い地球温暖化係数を有する場合もあるが、使用特性に望ましい性能を維持しつつ可能な限り低い地球温暖化係数を有するハイドロフルオロカーボンまたはその他のフッ素化流体を用いることが望ましい。加えて、実質上沸騰および蒸発で分留されない、単一成分の流体または共沸混合物様組成物の使用が望ましい。しかしながら、新規の環境上安全な分留されない混合物の同定は、共沸混合物形成が容易には予想できないと言う事実故、複雑である。
【0003】
産業界は、CFCsおよびHCFCsの代わりに、代替品を提供し、環境上より安全性を考慮した、新たなフルオロカーボンベース混合物を探求し続けている。特に、ハイドロフルオロカーボンおよびその他のフッ素化化合物を含む混合物であって、その両方がオゾンを減少させる可能性が低い、該混合物が興味深い。そのような混合物およびそれらの用途が、本発明の主題である。
【発明の開示】
【0004】

本発明は、CFCsおよびHCFCsの代替品として永く続く必要性を満足させることを助けるいくつかの組成物を開発した。ある実施態様では、本発明は、1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(“HFO-1234ze”)、好ましくはトランス-1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(“transHFO-1234ze”)、ならびに、1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a”)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(“HFC-125”)および2以上のこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの化合物成分を含む、または本質的にからなる共沸混合物様組成物を提供する。従って、本発明は、好ましい実施態様では、実質上CFCsおよびHCFCsを含まず、比較的一定の沸点および蒸気圧特性を示す共沸混合物様組成物を提供することによって、前述の欠点を克服する。
【0005】
本発明の好ましい組成物は、該組成物を自動車用空調およびヒートポンプシステム内、ならびに固定式空調および冷凍内の冷媒として含まれる多数の適用での使用に特に望ましくする特性を示す傾向がある。特に、出願人らは、本組成物が比較的低い地球温暖化係数(“GWPs”)(global warming potentials)、好ましくは、約1000未満、より好ましくは約500未満、さらにより好ましくは約150未満の値を示す傾向にあることを確認した。また、本組成物の好ましい実施態様は、多数の慣用のHFC冷媒、例えばHFC-134a、と類似した、またはより高い冷凍能力を有する傾向にある。従って、出願人らは、そのような組成物を、冷媒、エーロゾルおよびその他の適用内の、ジクロロジフルオロメタン(CFC-12)の様なCFC、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)の様なHCFCs、およびテトラフルオロエタン(HFC-134a)の様なHFCs、ならびにCFC-12と1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)の組み合わせ(CFC-12:HFC-152aの質量比が73.8:26.2である組み合わせはR-500として知られている)の様なHFCsとCFCsの組み合わせの代替品として含む、多数の適用に非常に有利に用いうることを確認した。
【0006】
さらに、出願人らは、本発明の共沸混合物様組成物が本明細書中に含まれる教えにかんがみて存在し容易に形成されうることを、驚きを持って認識した。従って、本発明の一つの態様は、HFO-1234、好ましくはHFO-1234ze、さらにより好ましくはtransHFO-1234zeと、1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a”)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(“HFC-125”)および2以上のこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物を、共沸混合物様組成物を作り出すために有効な量で配合する工程を含む。
【0007】
用語“HFO-1234”は、本明細書中では、全テトラフルオロプロパンを指すために用いられる。テトラフルオロプロペンの中には、HFO-1234yfならびにシス-およびトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)が含まれる。用語HFO-1234zeは、本明細書中では、一般的に、シス-またはトランス-型に関わらず、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを指すために用いられる。用語“cisHFO-1234ze”および“transHFO-1234z3”は、本明細書中では、それぞれシス-およびトランス-型の1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを表すために用いられる。それ故、用語“HFO-1234ze”は、その範囲内に、cisHFO-1234ze、transHFO-1234zeおよびこれらの全組み合わせおよび混合物を含む。
【0008】
cisHFO-1234zeとtransHFO-1234zeの性質は、少なくともいくつかの点で異なるが、本発明の共沸混合物様組成物は、主にtransHFO-1234zeをベースにしているが、cisHFO-1234ze型も、ある実施態様では、共沸混合物様組成物の本質的な性質を否定しない量で存在して良いことが期待される。従って、用語“HFO-1234ze”および1,3,3,3-テトラフルオロプロペンは、両立体異性体を指すことを理解すべきであり、該用語の使用は、他に示さない限り、シス型およびトランス型のそれぞれが記載された目的に適しているおよび/または有用であることを示すつもりである。
【0009】
HFO-1234化合物は材料として既知であり、Chemical Abstractsデータベースに記載されている。様々な飽和および不飽和のハロゲン含有C3化合物の触媒気相フッ素化(catalytic vapor phase fluorination)によるCF3CH=CCH2の様なフルオロプロペンの製造は、米国特許第2,889,379号;第4,798,818号;および第4,465,786号に記載されており、そのそれぞれを本明細書中に参照として採用する。EP974,571もまた、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を、気相中でクロムベースの触媒と共に高温で、または、液相中でKOH、NaOH、Ca(OH)2、またはMg(OH)2のアルコール溶液と共に、接触させることによる、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンの製造を開示しており、本明細書中に参照として採用する。さらに、本発明に従って化合物を製造する方法は、一般的には、「フルオロプロペンの製造方法」(“Process for Producing Fluoropropenes”)と題された係属米国特許出願(弁理士事件整理番号H0003789(26267))に関連して記載されており、本明細書中に参照として採用する。
【0010】
さらに、出願人らは、本発明の共沸混合物様組成物が、熱伝導組成物(自動車用空調およびヒートポンプシステム中、ならびに固定式空調、ヒートポンプおよび冷凍システム内での冷媒を含む)、発泡剤、推進薬および安定剤を含む多数の適用としての使用、または適用内での使用に該共沸混合物様組成物を有利にする性質を示すことを確認した。従って、本発明のさらなるその他の態様は、本発明の1以上の共沸混合物様組成物およびこれらおよびその他の使用に関連する方法を提供する。
【0011】
もう一つの実施態様では、本発明の組成物を、噴霧可能な組成物中の推進薬として、単独または既知の推進薬と組み合わせて、用いることができる。推進薬組成物は、本発明の組成物を含む、より好ましくは本質的にからなる、さらにより好ましくはからなる。不活性成分、溶媒およびその他の材料と共に噴霧される活性成分もまた、噴霧可能混合物中に存在して良い。好ましくは、噴霧可能組成物は、エーロゾルである。噴霧される適当な活性材料には、限定するものではないが、脱臭剤の様な化粧品材料、香水、ヘアスプレー、クリーニング溶媒、潤滑剤、ならびに抗喘息薬の様な医薬材料が含まれる。
【0012】
本組成物は、エーロゾル組成物を含む方法およびシステムに、特に医薬組成物、クリーニング組成物およびその他の噴霧可能組成物に特に有利であると分かる。当業者らは、過度の実験を行うことなく、本組成物をそのような適用での使用に容易に適合できるであろう。
共沸混合物様組成物
本明細書中で用いられている用語「共沸混合物様」(“azeotrope-like”)は、広い意味で、厳密に共沸である組成物と共沸混合物に似た挙動を示す組成物の両方を含むつもりである。基本的理論から、流体の熱力学状態は、圧力、温度、液体組成および蒸気組成によって決まる。共沸混合物は、液体組成と蒸気組成が一定圧力および一定温度で等しい、2つ以上の成分系である。実際問題として、このことは、共沸混合物成分が一定沸騰であり、相-変化の間に分離されないことを意味している。
【0013】
共沸混合物様組成物は、一定沸騰である、または本質的に一定沸騰である。言い換えれば、共沸混合物様組成物では、沸騰または蒸発中に形成される蒸気の組成は、元々の液体組成と同一、または実質上同一である。従って、沸騰または蒸発に伴って、液体組成は、もし少しでも変化するなら、最少または無視できる範囲でのみ、変化する。このことは、沸騰または蒸発中、液体組成物が相当程度変化する非共沸混合物様組成物と対照的である。示された範囲内の本発明の全共沸混合物様組成物ならびにこれらの範囲の外側のある組成物が、共沸混合物様である。
【0014】
本発明の共沸混合物様組成物は、新たな共沸混合物様系を形成しないさらなる成分、または第一蒸留カット内でない更なる成分を含んで良い。第一蒸留カットは、蒸留カラムが全還流条件下で定常状態運転を示した後に採取される第一カットである。成分の付加が、本発明の外側にあるような新たな共沸混合物系を形成するか否かを決定するための一つの方法は、非共沸混合物が分離成分として分離されると予想される条件下で、その成分と共に組成物サンプルを蒸留することである。もし、付加成分を含む混合物が非共沸混合物様であれば、付加成分は共沸混合物様成分から分留されるであろう。混合物が共沸混合物様であれば、一定沸騰である、または単一物質としての挙動を示す、混合物成分のすべてを含む多少の限定量の第一蒸留カットが得られるであろう。
【0015】
これから、共沸混合物様組成物のもう一つの特徴は、共沸混合物様であるまたは一定沸騰である様々な割合で同一成分を含む組成物の範囲があることであると分かる。そのような組成物のすべてを、用語「共沸混合物様」および「一定沸騰」によってカバーするつもりである。例として、異なる圧力では、与えられた共沸混合物の組成は、組成物の沸点と同様に、少なくともわずかに変化するであろう。従って、共沸混合物AとBは、温度および/または圧力によって様々な組成を有するが、特異な型の関係を示す。共沸混合物様組成物に関して、共沸混合物様である様々な割合で同一成分を含む組成物の範囲があることが分かる。そのような組成物のすべてを、本明細書中で使用されているように、共沸混合物様と言う言葉でカバーするつもりである。
【0016】
共沸混合物の形成を予測することが不可能であることは、この技術分野で充分認識されている。(例えば、米国特許第5,648,017号(カラム3、64−65行)および米国特許第5,182,040号(カラム3、62−63行)を参照されたい。また両特許を本明細書中に参照として採用する。)出願人らは、HFO-1234とHFCs、特に上記のHFCs、が共沸混合物様組成物を形成することを予期することなく発見した。
【0017】
ある好ましい実施態様では、本発明の共沸混合物様組成物は、有効量のHFO-1234および上記HFCsを含む、好ましくはからなる。本明細書中に用いられている用語「有効量」は、他の成分との組み合わせ時に、本発明の共沸混合物様組成物を形成する、個々の成分の量を指す。
【0018】
本発明の共沸混合物様組成物は、有効量のHFO-1234、ならびに、好ましくは流体形の1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea“)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(”HFC-134a“)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(”HFC-125”)および2以上のこれら成分の組み合わせからなる群より選択される成分、を配合することによって製造できる。
【0019】
組成物を形成させるために2以上の成分を配合するための本技術分野で既知の任意の広範な方法を、本方法での使用に適合させて、共沸混合物様組成物を製造することができる。例えば、transHFO-1234zeとHFC-152aを、手および/または機械で、バッチの部分または連続反応および/または処理として、または2以上のそのような工程の組み合わせを通して、混合、ブレンド、その他の方法では配合することができる。本明細書中の開示にかんがみて、当業者らは、過度の実験を行うことなく、本発明に従って、共沸混合物様組成物を容易に製造できるであろう。
【0020】
好ましくは、そのような共沸混合物様組成物は、0より大きく約99重量%までのHFO-1234、好ましくはtransHFO-1234ze、ならびに、1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a”)および1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(“HFC-125”)を含む群より選択される1以上の成分を約1重量%から100重量%未満含む、好ましくは本質的にからなる。一般に、transHFO-1234ze製造が製品中にtransHFO-1234zeでない化合物を少ない割合で含むであろうことは、当業者らによって理解されるであろう。例えば、transHFO-1234zeと呼ばれる製造物が、少量%の、例えば約0.5%から約1重量%までの、特にcisHFO-1234zeおよび/またはHFO-1234ylを含む他成分を含むことが一般に予想される。本明細書中に用いられている用語「実質的にtransHFO-1234zeからなる」は、一般的にそのような組成物を含むつもりである。
【0021】
より好ましくは、本共沸混合物様組成物は、約5重量%から約90重量%のHFO-1234、好ましくはtransHFO-1234ze、および1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a”)、および1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(“HFC-125”)からなる群より選択された約10重量%から約90重量%の1以上の成分を含む、好ましくは本質的にからなる。他の好ましい組成物は、0より大きく約60重量%までのHFO-1234、好ましくはtransHFO-1234ze、ならびに1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a”)および1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(“HFC-125”)からなる群より選択された約40重量%から100重量%未満の1以上の成分を含む、または本質的にからなる。他に示さない限り、本明細書中で報告した全重量%は、HFO-1234および共沸混合物様組成物中の示された群から選択された1以上の成分の全量をベースにしている。
【0022】
ある好ましい実施態様では、このtransHFO-1234ze共沸混合物様組成物は、約14psiaで、約−15℃から約−50℃、さらにより好ましくは約−28℃から約−50℃の沸点を有する。ある好ましい実施態様では、本組成物は、約−23℃±2℃の沸点を有する。その他の好ましい実施態様では、本組成物は、約―18℃±1℃の沸点を有する。さらに、他の好ましい実施態様では、本組成物は、約−47℃±2℃の沸点を有する。好ましくは、本発明のHFO-1234含有組成物は、実質上均質な共沸混合物様組成物である。
HFO-1234/HFC-134a
本発明のある好ましい実施態様は、transHFO-1234zeおよびHFC-134aを含む共沸混合物様組成物を提供する。好ましくは、本発明の新規の共沸混合物様組成物は、有効量のtransHFO-1234zeおよびHFC-134aを含む。好ましくは、これらの実施態様は、0より大きく約75重量%までのtransHFO-1234zeおよび約25重量%から100重量%未満のHFC-134a、より好ましくは0より大きく約60重量%までのtransHFO-1234zeおよび約40重量%から100重量%未満のHFC-134a、さらにより好ましくは、約1重量%から約40重量%のtransHFO-1234zeおよび約60重量%から約99重量%のHFC-134aを含む、より好ましくは本質的にからなる。ある好ましい実施態様では、共沸混合物様組成物は、約5重量%から約35重量%のtransHFO-1234zeおよび約65重量%から約95重量%のHFO-134aを含む、好ましくは本質的にからなる。
【0023】
好ましくは、本発明のHFO-1234/HFC-134a組成物は、約14psiaで約−26℃から約―23℃の沸点を有する。
【0024】
好ましくは、本発明のHFO-1234/HFC-134a組成物は、約14psiaで約−25℃±3℃の沸点を有する。ある実施態様では、組成物は、好ましくは約−25℃±2℃、さらにより好ましくは−25℃±1℃の沸点を有する(すべて約14psiaで測定した)。
【0025】
好ましくはこの実施態様のHFO-1234zeは、transHFO-1234zeである。
HFO-1234/HFC-125
あるその他の好ましい実施態様では、本発明は、transHFO-1234zeとHFC-125を含む共沸混合物様組成物を提供する。好ましくは、本発明のそのような新規の共沸混合物様組成物は、有効量のtransuHFO-1234zeおよびHFC-125を含む、または本質的にからなる。好ましくは、これらの実施態様は、0より大きく約99重量%までのtransHFO-1234zeおよび約1重量%から100重量%未満のHFC-125、より好ましくは0より大きく約75重量%までのtransHFO-1234zeおよび約25重量%から100重量%未満のHFC-125、さらにより好ましくは約0より大きく約60重量%までのtransHFO-1234zeおよび約40から100重量%未満のHC-125、さらにより好ましくは約1%から約40重量%のtransHFO-1234zeおよび約60重量%から約99重量%のHFC-125を含む、好ましくは本質的にからなる。ある好ましい実施態様では、共沸混合物様組成物は、約2重量%から約15重量%のtransHFO-1234zeおよび約85重量%から約98重量%のHFC-125を含む、好ましくは本質的にからなる。
【0026】
その他の好ましい組成物は、0より多く約45重量%までのtransHFO-1234zeおよび約55から100重量%未満までのHFC-125を含む、または本質的にからなる。
【0027】
好ましくは、本発明のHFO-1234ze/HFC-125組成物は、約14psiaで、約−44℃から約−50℃までの沸点を有する。
【0028】
好ましくは、本発明のHFO-1234ze/HFC-125組成物は、約14psiaで、約−47℃±2℃、好ましくは約−47℃±1℃の沸点を有する。
HFO-1234/HFC-152a
あるその他の好ましい実施態様では、本発明は、transHFO-1234zeおよびHFC-152aを含む共沸混合物様組成物を提供する。好ましくは、本発明のそのような新規共沸混合物様組成物は、有効量のtransHFO-1234zeおよびHFC-152aを含む、または本質的にからなる。好ましくは、これらの実施態様は、0より多く約99重量%までのtransHFO-1234zeおよび約1重量%から100重量%未満のHFC-152a、より好ましくは0より多く約50重量%までのtransHFO-1234zeおよび約50重量%から100重量%未満のHFC-152a、さらにより好ましくは0より多く約40重量%までのtransHFO-1234zeおよび約60重量%から100重量%未満のHFC-227eaを含む、好ましくは本質的にからなる。ある好ましい実施態様では、共沸混合物様組成物は、約15重量%から約30重量%のtransHFO-1234zeおよび約70重量%から85重量%のHFC-152aを含む、好ましくは本質的にからなる。
【0029】
好ましくは、本発明のHFO-1234/HFC-152a組成物は、約14psiaで、約−22℃から約−24℃迄の沸点を有する。
【0030】
好ましくは、本発明のHFO-1234ze/HFC-152a組成物は、約14psiaで、約−23℃±2℃の沸点を有する。ある好ましい実施態様では、該組成物は、好ましくは約14psiaで約−23℃±1℃の沸点を有する。
【0031】
好ましくは、これらの実施態様のHFO-1234は、transHFO-1234zeである。
HFO-1234/HFC-227ea
本発明のある好ましい実施態様では、transHFO-1234zeおよびHFC-227eaを含む共沸混合物様組成物を提供する。好ましくは、本発明の新規共沸混合物様組成物は、有効量のtransHFO-1234zeおよびHFC-227eaを含む。好ましくは、これらの実施態様は、0より多く約75重量%までのHFC-227eaおよび約25重量%から100重量%未満のtransHFO-1234ze、より好ましくは0より多く約60重量%までのHFC-227eaおよび約40重量%から100重量%未満のtransHFO-1234ze、さらにより好ましくは約1から約40重量%のHFC-227eaおよび約60重量%から99重量%のtransHFO-1234zeを含む、好ましくは本質的にからなる、共沸混合物様組成物を提供する。ある好ましい実施態様では、共沸混合物様組成物は、約5重量%から約35重量%のHFC-227eaおよび約65重量%から95重量%のtransHFO-1234zeを含む、好ましくは本質的にからなる。
【0032】
好ましくは、本発明のHFO-1234/HFC-227ea組成物は、約14psiaで、約−17℃から約−19℃の沸点を有する。
【0033】
好ましくは、本発明のHFO-1234ze/HFC-227ea組成物は、約14psiaでの測定で、約−18℃±2℃、さらにより好ましくは約−18℃±1℃の沸点を有する。
【0034】
好ましくは、これらの実施態様のHFO-1234は、transHFO-1234zeである。
組成物付加物
本発明の共沸混合物様組成物は、さらに、潤滑剤、安定剤、メタルパッシベーター(metalpassivators)、腐食防止剤および火炎抑制剤等を含む任意の様々な所望の添加剤を含んでいても良い。
【0035】
ある実施態様では、本発明の共沸混合物様組成物は、さらに安定剤を含む。本発明の共沸混合物様組成物の安定化に適した任意の様々な化合物を用いることができる。ある好ましい安定剤の例としては、安定化ジエンベース化合物、および/あるいはフェノール化合物、ならびに/または芳香族エポキシド、アルキルエポキシド、アルケニルエポキシドおよび2以上のその組み合わせからなる群より選択されるエポキシドを含む安定剤組成物が含まれる。
【0036】
ある好ましい実施態様では、本発明の組成物は、さらに潤滑剤を含む。任意の様々な慣用および非慣用の潤滑剤を、本発明の組成物内で用いることができる。潤滑剤に重要な要求は、冷媒系内で用いる場合、コンプレッサーに油を差すように系のコンプレッサーに充分な潤滑剤を戻さねばならないことである。従って、任意の与えられた系での潤滑剤の適合性は、部分的には冷媒/潤滑剤特性によって、また、部分的には用いる予定の系の特性によって、決定される。適した潤滑剤の例としては、一般的にはハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒、クロロフルオロカーボン冷媒およびハイドロクロロフルオロカーボン冷媒を用いる、または用いるように設計された冷凍機で通常用いられる潤滑剤であり、鉱物油、シリコーン油、ポリアルキルベンゼン(PABsと呼ぶこともある)、ポリオールエステル(POEsと呼ぶこともある)、ポリアルキレングリコール(PAGsとも呼ばれる)、ポリアルキレングリコールエステル(PAGエステルと呼ばれることもある)、ポリビニルエーテル(PVEsとも呼ばれる)、ポリ(α-オレフィン)(PAOsと呼ぶこともある)およびハロカーボンオイル、特にポリ(クロロトリフルオロエチレン)等が含まれる。鉱物油には、パラフィン油またはナフテン油が含まれ、市販されている。市販の鉱物油には、WitcoからのWitco LP250(登録商標)、Shrieve ChemicalからのZerol 300(登録商標)、WitcoからのSunisco 3GS、およびCalumetからのCalumet R015 が含まれる。市販のポリアルキルベンゼン潤滑剤には、Zerol 150(登録商標)が含まれる。市販エステルには、Emery2917(登録商標)およびHatcol2370(登録商標)として入手可能なネオペンチルグリコールジペラルゴネートが含まれる。市販のPAGsには、Fordから入手可能なMotorcraft PAG Refrigerant Compressor Oilが、Dowから入手可能な類似の製品と共に含まれる。市販のPAOsには、CPI EngineeringからのCP-4600が含まれる。市販のPVEsは、出光興産から入手可能である。市販のPAGエステルは、Chryslerから入手できる。その他の有効なエステルには、リン酸エステル、二塩基酸エステルおよびフルオロエステルが含まれる。
【0037】
HFCsを用いている、または用いるように設計された冷凍システムでは、特に圧縮冷凍、空調(特に自動車用空調)およびヒートポンプを含むシステムでは、潤滑剤としてPAGs、PAGエステル、PVEsおよびPOEsを用いることが、一般的に好ましい。CFCsまたはHCFCsを用いている、または用いるように設計された冷凍システムでは、一般的に、潤滑剤として鉱物油またはPABを用いることが好ましい。ある好ましい実施態様では、本発明の潤滑剤は、炭素に対する酸素の割合を有する、炭素、水素および酸素からなり、用いられる量の組合せで、冷媒と共に有効な溶解性および/または浸透性を提供し、コンプレッサーへの潤滑剤の充分なリターンを確保することが含まれる有機化合物である。この溶解性および浸透性は、好ましくは、約−30℃から70℃までの少なくとも一温度に存在する。
【0038】
PAGsおよびPAGエステルは、オリジナル装置可動式空調システムの様な特定の用途での使用に一般的であるため、ある実施態様では特に好ましい。ポリオールエステルは、住宅用、商業用および工業用の空調ならびに冷凍のような、特定の非可動適用での使用に一般的であるため、その他のある実施態様で特に好ましい。もちろん、潤滑剤の異なる型の異なる混合物を用いても良い。
組成物の用途
本組成物は、広範囲の適用に用途を有する。例えば、本発明の一つの実施態様は、本発明の共沸混合物様組成物を含む冷媒組成物の様な熱伝達組成物と関連する。本発明の熱伝達組成物は、熱伝達適用での使用、即ち加熱および/または冷却媒体としての使用、に一般に適している。本発明の組成物は、1以上の他の化合物の組み合わせまたは化合物の組み合わせの内に広範な量で本共沸混合物様組成物を含んで良いと考えられるが、冷媒組成物を含む本発明の熱伝達組成物は、本共沸混合物様組成物から本質的になり、ある実施態様ではからなることが一般に好ましい。
【0039】
本発明の熱伝達組成物は、(固定式および可動式の空調システムを含む)空調、冷凍およびヒートポンプ系等を含む任意の広範な冷凍システムに用いることができる。ある好ましい実施態様では、本発明の組成物は、例えば、HFC-134aの様なHFC-冷媒、または例えばHCFC-22の様なHCFC冷媒を用いるように最初から設計された冷凍システム内で用いられる。本発明の好ましい組成物は、非可燃性および慣用のHFC-冷媒のGWPと同様に低い、またはより低い該GWP、およびそのような冷媒と実質上類似しているまたは実質上匹敵する、および好ましくは同様に高いまたはより高い能力を含む、HFC-134aおよびその他のHFC-冷媒の多くの望ましい特徴を示す傾向がある。特に、出願人らは、本組成物が、好ましくは約1000未満、より好ましくは約500未満、さらにより好ましくは約150未満の、比較的低い地球温暖化係数(“GWPs”)(global warming potential)を示す傾向にあることを確認した。さらに、本発明の組成物の比較的一定な沸騰特性は、多くの適用での冷媒としての使用に関して、R-404A、またはHFC-32、HFC-125およびHFC-134aの組み合わせ(HFC-32:HFC-125:HFC-134aの重量比率がおおよそ23:25:52の組み合わせをR-407Cと呼ぶ)のようなある慣用のHFCsより、本発明の組成物をより望ましいものにする。本発明の熱伝達組成物は、HFC-134、HFC-152a、HFC-22、R-12およびR-500の代替品として特に好ましい。本組成物はまた、エーロゾルおよび発泡剤等の様なその他の適用での上記組成物の代替品としても適当であると確信される。
【0040】
あるその他の好ましい実施態様では、本組成物を、一般的には熱伝達系内で、および特別にはCFC-冷媒で使用するために元来設計された冷凍系内で使用する。本発明の好ましい冷凍組成物を、鉱物油、ポリアルキルベンゼンおよびポリアルキレングリコール等の様なCFC-冷媒と共に慣用に用いられる潤滑油を含む冷凍系内で用いて良く、また、HFC冷媒と共に伝統的に用いられるその他の潤滑剤と共に用いても良い。
【0041】
本明細書中で用いられる用語「冷凍系」は、一般的に冷却を提供するために冷媒を用いる、任意の系あるいは装置、またはそのような系あるいは装置の任意の部分または部分を指す。そのような冷凍系には、例えば、空調、電気冷蔵庫、チラー(遠心圧縮機を用いるチラーを含む)、輸送冷凍システムおよび商業用冷凍システム等が含まれる。
【0042】
ある実施態様では、本発明の組成物を用いて、HFC、HCFCおよび/またはCFC-冷媒、ならびにそれと共に慣用に用いられる潤滑剤を含む冷凍システムを改装することもできる。好ましくは、本方法は、置換される冷媒および潤滑剤を含む冷凍システムの再負荷を含み、(a)該システム内の潤滑剤の実質的部分を保持しつつ冷凍システムから置き換えられる冷媒を除去する工程;および(b)本発明の組成物をシステムに導入する工程:を含む。本明細書中に用いられている用語「実質的部分」は、一般的に、塩素含有冷媒の除去前に冷凍システム内に含まれる潤滑剤の少なくとも約50(重量)%の量である潤滑剤の量を示す。好ましくは、本発明によるシステム内の潤滑剤の実質的部分は、冷凍システムに元来含まれる潤滑剤の少なくとも約60%の量、より好ましくは少なくとも約70%の量である。本明細書中に用いられている用語「冷凍システム」は、一般的に、冷媒を用いて冷却を提供する任意のシステムあるいは装置、またはそのようなシステムあるいは装置の任意の部分あるいは部分を指す。そのような冷凍システムには、例えば、空調、電気冷蔵庫、チラー、輸送冷凍システムおよび商業用冷凍システム等が含まれる。
【0043】
多くの現存する冷凍システムは、現在の所、現存する冷媒と関連する使用に適しており、本発明の組成物は、システムの改変を伴うか、伴わないかのいずれかで、多数のそのようなシステムでの使用に適合できると確信される。多くの適用では、本発明の組成物は、例えば、小さい冷凍能力を必要とするシステム、それによって比較的小さいコンプレッサーへの置換の必要性が指図される、現在ある冷媒をベースにしたより小さいシステムにおける置換として利点を提供できる。さらに、本発明のより低い能力の冷媒組成物を使用することが望ましい実施態様では、例えばより高い能力の冷媒を置換する効率性に関して、本組成物のそのような実施態様は、潜在的利点を提供する。従って、ある実施態様では、本発明の組成物、特にHFC-134a;CFC-12;HCFC-22;HFC-152a;ペンタフルオロエタン(HFC-125)、トリフルオロエタン(HFC-143a)およびテトラフルオロエタン(HFC-134a)の組み合わせ(HFC-125:HFC-143a:HFC-134aの重量比率がおおよそ44:52:4である組み合わせをR-404Aと呼ぶ);HFC-32、HFC-125およびHFC-134aの組み合わせ(HFC-32:HFC-125:HFC-134aの重量比率がおおよそ23:25:52である組み合わせをR-407Cと呼ぶ);フッ化メチレン(HFC-32)およびペンタフルオロエタン(HFC-125)の組み合わせ(HFC-32:HFC-125の重量比率がおおよそ50:50である組み合わせをR-410Aと呼ぶ)、CFC-12および1,1-ジフルオロエタン(HFC-125a)の組み合わせ(CFC-12:HFC-152aの重量比率が73.8:26.2の組み合わせをR-500という);ならびにHFC-125とHFC-143aの組み合わせ(HFC-125:HFC-143aの重量比がおおよそ50:50である組み合わせをR-507Aという):の様な、現存する冷媒の置き換えとして本共沸混合物様組成物の実質的な部分を含み、ある実施態様では、本質的にからなる組成物を用いることが、好ましい。ある実施態様では、HFC-32:HFC-125:HFC-134aの重量比率がおおよそ20:40:40のR-407Aと呼ばれる組み合わせ、重量比率がおおよそ15:15:70のR-407Dと呼ばれる組み合わせから形成された冷媒の置換に関連して本組成物を用いることもまた、有益である。本発明の熱伝達組成物は、R-22、R-32、R-404A、R-407A、R-407D、R-410AおよびR-507Aの代わりとして、特に好ましい。また、本組成物は、エーロゾルおよび発泡剤等のようなその他の適用において上記組成物の代わりとして適当であると確信される。
【0044】
ある適用では、本発明の冷媒は、より大きい置換コンプレッサーの有益な使用を将来可能にし、それによってHFC-134aのような他の冷媒より良いエネルギー効率を生じる。それ故、本発明の冷媒組成物は、冷媒置換適用についてのエネルギーベースで競争的利益を達成する可能性を提供する。本発明の組成物もまた、典型的には商業用空調および冷凍システムと関連して用いられるチラーで、(オリジナルシステムまたはCFC-12、HCFC-22、HFC-134a、HFC-152a、R-404A、R-410A、R-407A、R-500およびR-507Aのような冷媒の置換として用いられる場合のいずれかで)長所を有する。あるそのような実施態様では、本組成物内に、約0.5から約30重量%、ある場合にはより好ましくは約0.5%から約15重量%の補助火炎抑制剤が含まれることが好ましい。この点に関しては、本組成物の共沸混合物様組成物内のHFO-1234ze成分およびその他の化合物は、ある実施様態では組成物内のその他の成分に関しては火炎抑制剤として作用することを記載しておく。例えば、HFO-1234zeより可燃性のその他の成分が組成物内に含まれる場合、HFO-1234zeは、そのような他の成分の可燃性を抑制するように機能することができる。従って、組成物内での可燃性抑制剤機能を有する任意の付加成分を、本明細書中では、補助可燃性抑制剤と言うこともある。
【0045】
ある実施態様では、例えばHFCs、HCFCsおよびCFCsを含む共冷媒を、1以上の下の化合物、ならびにその任意のおよび全ての異性体:
トリクロロフルオロメタン(CFC-11)
ジクロロジフルオロメタン(CFC-12)
ジフルオロメタン(HFC-32)
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)
1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)

CO2:
を含む、本発明の熱伝達組成物内に含んでも良い。
【0046】
任意の上述成分ならびに本組成物中に含まれて良い任意の付加成分の相対量は、組成物に関する特定の用途に依存した量で取り込まれて良く、また、好ましくはそのような成分が本明細書中に記載の好ましい組成物の共沸混合物様の性質を無効にしない限りにおいて、そのような相対量はすべて本明細書中の態様内であると考えられる。
【0047】
このように、本方法、システムおよび組成物は、自動車用空調システムおよび装置、商業用冷凍システムおよび装置、(遠心圧縮機を用いるシステムを含む)チラー、住宅用冷蔵庫および冷凍庫、一般空調システムならびにヒートポンプ等に関連した使用に適している。
【0048】
任意の広範な既知の方法を用いると、システム内に含まれる潤滑剤の主要部分以下の部分を除去しながら、冷凍システムから置換される冷媒を取り除くことができる。例えば、冷媒は伝統的な炭化水素ベースの潤滑剤と比較してきわめて揮発性である(冷媒の沸点は一般的に10℃より低く、これに対して鉱物油の沸点は一般的に200℃以上である)ため、潤滑剤が炭化水素ベースの潤滑剤である実施態様では、除去工程は、液体状態の潤滑剤を含む冷凍システムからガス状態の塩素含有冷媒をポンプで吸い出すことにより、容易に実行されうる。そのような除去は、Ohio州のRobinairによって製造された回収システムのような冷媒回収システムを用いることを含む、本技術分野で既知の任意の多くの方法で達成されうる。代替法として、冷却し真空排気した冷媒容器を冷凍システムの低圧側に接して置き、ガス状冷媒を真空排気した容器内に引き込み、除去することができる。さらに、コンプレッサーを冷凍システムに接して置き、冷媒をシステムから真空排気した容器にポンプで吸い出す。上記開示にかんがみて、当業者らは、塩素含有潤滑剤を冷凍システムから容易に除去し、本発明による炭化水素ベースの潤滑剤および実質上塩素非含有の冷媒をシステム内に有する冷凍システムを提供できるであろう。
【0049】
本冷媒組成物を冷凍システムに導入する任意の広範な方法を、本発明内で用いることができる。例えば、一つの方法は、冷凍システムの低圧側に冷媒容器を隣接配置し、冷凍システムコンプレッサーを稼働させて冷媒をシステム内に引き込むことを含む。そのような実施態様では、冷媒容器をはかりの上に置き、システムに入る冷媒組成物の量をモニターすることができる。所望量の冷媒組成物をシステム内に導入したならば、充填を停止する。代替法として、広範な負荷道具も、当業者らに既知であり、市販されている。従って、上記開示にかんがみて、当業者らは、過度の実験を行うことなく、本発明に従って、本発明の冷媒組成物を冷凍システム内に容易に導入できるであろう。
【0050】
あるその他の実施態様に従って、本発明は、本発明の冷媒を含む冷凍システム、ならびに本発明の組成物を凝縮および/または蒸発することによって加熱または冷却する方法を提供する。ある好ましい実施態様では、直接あるいは間接または物体直接あるいは間接のいずれかで他の流体を冷却することを含む冷却方法は、本発明の共沸混合物様組成物を含む冷媒組成物を凝縮し、その後冷却される流体または物体に隣接させた該冷媒組成物を蒸発させることを含む。物品を加熱するためのある好ましい方法は、本発明の共沸混合物様組成物を含む冷媒組成物を加熱される流体または物体の近隣で凝縮し、その後該冷媒組成物を蒸発させることを含む。本明細書中で用いられている用語「物体」(“body”)は、無生物物体のみならず、一般的には動物組織、特別にはヒト組織を含む生きた組織をも指すつもりである。例えば、本発明のある態様は、痛み抑制技術(pain killing technique)、予備麻酔、または、治療される身体の温度を低下させることを含む治療の一部分のような、1以上の治療目的でのヒト組織への本組成物の適用を含んでいた。ある実施態様では、物体への適用は、液体形の本組成物を加圧下で、好ましくは一方向充填バルブおよび/またはノズルを有する加圧容器内に提供する工程、および物体に組成物を噴霧または他の方法で適用することによって加圧容器から液体を放出する工程を含む。本明細書での開示にかんがみ、当業者らは、過度の実験を行うことなく、本発明に従って、物品を容易に加熱および冷却できるであろう。
【0051】
出願人らは、本発明のシステムにおいて、多くの重要な冷凍システム性能パラメーターがR-134aに関するパラメーターと比較的近いことを見出した。多くの現存する冷凍システムは、R-134aのために、またはR-134aに類似した性質を有するその他の冷媒のために設計されているため、当業者らは、システムに対して比較的最少の改変で、R-134aまたはその類似冷媒の代わりとして用いることのできる、低GWPおよび/または低オゾン分解性の冷媒の実質的利点を予想できるであろう。ある実施態様では、本発明は、実質的なシステムの改変なしに本発明の組成物で現存するシステム内の冷媒を置換する工程を含む改装方法を提供する。ある好ましい実施態様では、置換工程は、本発明の冷媒を収容するために、システムの実質的な再設計を必要とせず、装置の主要なアイテムを置換するに必要もないと言う意味で、ドロップイン置換(drop-in replacement)である。ある好ましい実施態様では、この方法は、システムの能力が、置換前のシステム能力の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%、さらにより好ましくは少なくとも約90%である、ドロップイン置換を含む。ある好ましい実施態様では、この方法は、システムの吸引圧力および/または出力圧力さらにより好ましくはその両方が、置換前のシステム能力の少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは少なくとも約95%である、ドロップイン置換を含む。ある好ましい実施態様では、この方法は、システムのマスフローが置換前のシステム能力の少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約90%である、ドロップイン置換を含む。
【0052】
もう一つの実施態様では、本発明の共沸混合物様組成物を、噴霧可能組成物中の推進薬として、単独で、または既知の推進薬と組み合わせて、用いることができる。推進薬組成物は、本発明の共沸混合物様組成物を含む、より好ましくは本質的にからなる、さらにより好ましくはからなる。不活性成分、溶媒およびその他の材料と共に噴霧される活性成分もまた、噴霧可能混合物内に存在していても良い。好ましくは、噴霧可能組成物はエーロゾルである。噴霧される適当な活性材料には、限定するつもりはないが、脱臭剤のような化粧品材料、香料、ヘアスプレー、およびクリーニング溶剤ならびに抗喘息薬のような医療材料が含まれる。用語の医療材料は、本明細書中では、治療、診断、痛みの軽減および類似の治療に関連して有効である、または少なくとも有効であると信じられる任意のおよびすべての材料を含む、最も広い意味で用いられ、それ自体では、例えば、薬品および生物学的に活性な物質が含まれる。
【0053】
本発明のさらなるもう一つの実施態様は、本発明の1以上の共沸混合物様組成物を含む発泡剤に関する。一般に、発泡剤は、広範囲の量で本発明の共沸混合物様組成物を含んで良い。しかしながら、発泡剤は、発泡剤の少なくとも約5重量%、さらにより好ましくは少なくとも約15重量%の量で本共沸混合物様組成物を含むことが、一般に好ましい。ある好ましい実施態様では、発泡剤は、本組成物の少なくとも約50重量%を含み、ある実施態様では、発泡剤は、本質的に本共沸混合物様組成物からなる。ある好ましい実施態様では、発泡剤は、本組成物に加えて、1以上の共発泡剤、充填剤、蒸気圧調節剤、火炎抑制剤、安定剤および補助剤等を含む。
【0054】
その他の実施態様では、本発明は、泡形成組成物を提供する。一般に、本発明の泡形成組成物は、本発明に従って、一般的細胞構造を有する泡形成能力を有する1以上の組成物および発泡剤を含む。ある実施態様では、該1以上の成分は泡形成能力を有する熱硬化性組成物および/または泡形成組成物を含む。熱硬化性組成物の例としては、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート泡組成物、ならびにフェノール性泡組成物もまた含まれる。および泡形成方法。そのような熱硬化性泡の実施態様では、1以上の本共沸混合物様組成物を、泡形成組成物内の発泡剤として、または2以上の泡形成組成物部の一部として含み、好ましくは、該組成物は、本技術分野で良く知られているように、泡またはセル構造を形成するために適当な条件下で反応し泡形成する能力を有する1以上のさらなる追加成分を含む。あるその他の実施態様では、該1以上の成分は、熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリマーおよび/または樹脂を含む。熱硬化性泡成分の例としては、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタレート(PET)の様なポリオレフィン、およびそれから形成される泡、好ましくは低密度泡が含まれる。ある実施態様では、熱可塑性泡形成組成物は、押出可能な組成物である。
【0055】
特に本発明に含まれる開示にかんがみて、本発明の発泡剤を形成するおよび/または泡形成組成物に加える順序ならびに方法は、一般的に本発明の操作性に影響しないことを、当業者らは認識するであろう。例えば、押出可能な泡の場合、発泡剤の様々な成分、さらに本組成物の成分さえも押出装置への導入前に混合せず、または、該成分を押出装置内の同じ位置に加えさえしないことが可能である。このように、ある実施態様では、該成分が押出機内で一緒になる、および/または、この様式でより効率的に作用するとの予想から、発泡剤の1以上のその他の成分を付加する場所の上流にある、押出機内の第一位置に該発泡剤の1以上の成分を導入することが望ましいであろう。それにも関わらず、ある実施態様では、該発泡剤の2以上の成分をあらかじめ配合し、直接またはその後泡形成組成物の他の部分に加えられる前混合の部分としてのいずれかで、泡形成組成物内に共に導入する。
【0056】
また、本発明は、好ましくは発泡剤の部分として、本発明の組成物を含むポリマー泡形成から製造される泡、および好ましくは密閉細胞泡に関する。
【0057】
ある好ましい実施態様では、分散剤、細胞安定剤、界面活性剤およびその他の付加物もまた、本発明の発泡剤組成物内に取り込んで良い。界面活性剤は、所望によるが好ましくは加えられ、細胞安定剤として作用する。いくつかの類似材料は、DC-193、B-8404およびL-5340の名の下に販売されており、一般的に米国特許第2,834,748号、第2,917,480号および第2,846,458号に開示されているようなポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーであり、該特許は参照として本明細書中に採用される。発泡剤混合物に関するその他の所望の付加物には、トリ(2-クロロエチル)ホスフェート、トリ(2-クロロプロピル)ホスフェート、トリ(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、リン酸二アンモニウム、様々なハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物および塩化ポリビニル等の様な、難燃剤または火炎抑制剤が含まれて良い。
【0058】
「ポリウレタンの化学および技術」(“Polyurethanes Chemistry and Technology”)第IおよびII巻、SaudersおよびFrisch,1962、John Wiley and Sons,New York,NY(本明細書中に参照として採用する)に記載の方法のようなこの技術分野で周知の任意の方法は、本発明の泡実施態様に従って、使用されうる、または使用に適している。
【0059】
本共沸混合物様組成物のその他の用途には、溶媒、クリーニング剤等としての用途が含まれる。当業者らは、過度の実験を行うことなく、そのような適用での用途に、本組成物を容易に適応できるであろう。
【実施例】
【0060】
さらに、本発明は、以下の実施例に示されるが、以下の実施例は、具体的な説明を目的としており、いかなる様式でも制限を目的とするものではない。実施例1-4では、Swietolslowski著「沸点測定」(“Ebulliometric Measurements“)に記載された一般型の沸点測定器を用いた。
実施例1
コンデンサーを備えた真空ジャケット付きチューブからなり、さらにその頂部にQuartz Thermometerを備え付けた沸点測定器を用いた。約21gのHFC-134aを沸点測定器に充填し、HFO-1234zeを、少量の測定された増量分として加えた。HFO-1234をHFC-134aに加えた場合に温度低下が認められ、このことは二成分最少沸騰共沸混合物が形成されていることを示している。約0より多く約51重量%までのHFO-1234zeでは、該組成物の沸点は、約1.3℃未満変化した。表1に示した二成分混合物について調査すると、該組成物の沸点は、約2℃未満変化した。該組成物は、この範囲では共沸混合物および/または共沸混合物様特性を示す。
表1.HFO-1234/HFC-134a組成物(14.41psia)
【0061】
【表1】

【0062】
実施例2
コンデンサーを備えた真空ジャケット付きチューブからなり、さらにその頂部にQuartz Thermometerを備え付けた沸点測定器を用いた。約35gのHFC-125を沸点測定器に充填し、次にHFO-1234zeを、少量の測定された増量分として加えた。HFO-1234zeをHFC-125に加えた場合に温度低下が認められ、このことは二成分最少沸騰共沸混合物が形成されていることを示している。約0より大きく約24重量%までのHFO-1234zeでは、該組成物の沸点は、約2℃未満変化した。表1に示した二成分混合物について調査すると、該組成物の沸点は、約6℃未満変化した。該組成物は、この範囲では、共沸混合物および/または共沸混合物様特性を示している。
表2.HFO-1234/HFC-125組成物(14.40psia)
【0063】
【表2】

【0064】
実施例3
コンデンサーを備えた真空ジャケット付きチューブからなり、さらにその頂部にQuartz Thermometerを備え付けた沸点測定器を用いた。約17gのHFC-152aを沸点測定器に充填し、次にHFO-1234を、少量の測定された増量分として加えた。HFO-1234をHFC-152aに加えた場合に温度低下が認められ、このことは二成分最少沸騰共沸混合物が形成されていることを示している。約0より大きく約30重量%までのHFO-1234では、該組成物の沸点は、約0.8℃未満変化した。表1に示した二成分混合物について調査すると、該組成物の沸点は、約1℃未満変化した。該組成物は、この範囲では、共沸混合物および/または共沸混合物様特性を示している。
表3.HFO-1234/HFC-152a組成物(14.39psia)
【0065】
【表3】

【0066】
実施例4
コンデンサーを備えた真空ジャケット付きチューブからなり、さらにその頂部にQuartz Thermometerを備え付けた沸点測定器を用いた。約18gのHFO-1234を沸点測定器に充填し、次にHFC-227eaを、少量の測定された増量分として加えた。HFC-227eaをHFO-1234に加えた場合に温度低下が認められ、このことは二成分最少沸騰共沸混合物が形成されていることを示している。約0より大きく約53重量%までのHFC-227eaでは、該組成物の沸点は、約0.7℃未満変化した。表1に示した二成分混合物について調査すると、該組成物の沸点は、約1℃以下で変化した。該組成物は、この範囲では、共沸混合物および/または共沸混合物様特性を示している。
表3.HFO-1234/HFC-227ea組成物(14.44psia)
【0067】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のトランス-1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(transHFO-1234ze)、ならびに1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(”HFC-125“)およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される化合物を含む、共沸混合物様組成物。
【請求項2】
有効量のtransHFO-1234ze、ならびに1,1-ジフルオロエタン(“HFC-152a”)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(“HFC-227ea”)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(“HFC-134a)および1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(”HFC-125“)からなる群より選択される成分を含む、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項3】
実質的に、0より大きく約75重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約25から100重量%未満までのHFC-134aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項4】
実質的に、0より大きく約60重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約40から100重量%未満までのHFC-134aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項5】
実質的に、約1より大きく約40重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約60から約99重量%までのHFC-134aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項6】
実質的に、約5から約35重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約65から95重量%以下までのHFC-134aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項7】
約14.4psiaの圧力で約−26℃から約−23℃の沸点を有する、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項8】
約14.4psiaの圧力で約−26℃から約−23℃の沸点を有する、請求項6記載の共沸混合物様組成物。
【請求項9】
実質的に、0より大きく約75重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約25から100重量%未満までのHFC-125からなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項10】
実質的に、0より大きく約60重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約40から100重量%未満までのHFC-125からなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項11】
実質的に、約1から約40重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約60から99重量%までのHFC-125からなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項12】
実質的に、約2から約15重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約85から98重量%までのHFC-125からなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項13】
約14.4psiaの圧力で約−26℃から約−23℃の沸点を有する、請求項12記載の共沸混合物様組成物。
【請求項14】
実質的に、0より大きく約75重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約25から100重量%未満までのHFC-152aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項15】
実質的に、0より大きく約50重量%迄のtransHFO-1234zeおよび約50から100重量%未満までのHFC-152aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項16】
実質的に、約15から約30重量%までのtransHFO-1234zeおよび約70から85重量%までのHFC-152aからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項17】
約14.4psiaの圧力で約−26℃から約−23℃の沸点を有する、請求項16記載の共沸混合物様組成物。
【請求項18】
実質的に、0より大きく約75重量%迄のHFC-227eaおよび約25から100重量%未満までのtransHFO-1234zeからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項19】
実質的に、0より大きく約50重量%迄のHFC-227eaおよび約50から100重量%未満までのtransHFO-1234zeからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項20】
実質的に、約5から約35重量%迄のHFC-2227eaおよび約65から95重量%までのtransHFO-1234zeからなる、請求項1記載の共沸混合物様組成物。
【請求項21】
約14.4psiaの圧力で約−17℃から約−19℃の沸点を有する、請求項20記載の共沸混合物様組成物。
【請求項22】
請求項1記載の組成物、ならびに補助潤滑剤、融和剤、界面活性剤,補助火炎抑制剤、可溶化剤、分散剤、細胞安定剤、化粧品、研磨剤、医薬品、洗浄剤、防火剤、着色料、化学滅菌剤、安定剤、ポリオール、ポリオール混合前成分およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの補助剤を含む組成物。
【請求項23】
該補助剤が少なくとも1つの潤滑剤を含む、請求項22記載の組成物を含む熱伝達組成物。
【請求項24】
該補助潤滑剤が、鉱物油、シリコーン油、ポリアルキルベンゼン(PABs)、ポリオールエステル(POEs)ポリアルキレングリコール(PAGs)、ポリアルキレングリコールエステル(PAGエステル)、ポリビニルエーテル(PVEs)、ポリα-オレフィン)(PAOs)およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項23記載の熱伝達組成物。
【請求項25】
該補助剤がさらに少なくとも1つの融和剤を含む、請求項24記載の熱伝達組成物。
【請求項26】
約0.5から約5重量%の少なくとも一つの該融和剤を含む、請求項25記載の熱伝達組成物。
【請求項27】
該補助潤滑剤が共に熱伝達組成物の約5から約50重量%の量で存在する、請求項24記載の熱伝達組成物。
【請求項28】
1つ以上の補助火炎抑制剤を含む、請求項23記載の熱伝達組成物。
【請求項29】
1以上の該火炎抑制剤が共に熱伝達組成物の約0.5から約30重量%の量で存在する、請求項28記載の熱伝達組成物。
【請求項30】
請求項1記載の共沸混合物様組成物を含む熱伝達組成物。
【請求項31】
少なくとも約50重量%の請求項1記載の組成物を含む、熱伝達組成物。
【請求項32】
請求項31記載の熱伝達組成物を含む冷媒。
【請求項33】
請求項32記載の熱伝達組成物を含む冷凍システム。
【請求項34】
自動車用空調システム、住宅用空調システム、商業用空調システム、住宅用冷蔵庫システム、住宅用冷凍庫システム、商業用冷蔵庫システム、商業用冷凍庫システム、チラー空調システム、チラー冷凍システム、ヒートポンプシステムおよびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項33記載の冷凍システム。
【請求項35】
請求項1記載の共沸混合物様組成物を含む発泡剤。
【請求項36】
少なくとも約5重量%の請求項1記載の共沸混合物様組成物を含む発泡剤。
【請求項37】
泡形成能力を有する1以上の成分および請求項1記載の共沸混合物様組成物を含む、泡形成組成物。
【請求項38】
泡形成能力を有する1以上の該成分が、熱可塑性泡、ポリスチレン泡、ポリエチレン泡、低密度ポリエチレン泡、押出熱可塑性泡、ポリウレタン泡およびポリイソシアヌレート泡からなる群より選択される泡形成能力を有する1以上の成分を含む、請求項37記載の泡形成組成物。
【請求項39】
分散剤、細胞安定剤、界面活性剤、難燃剤およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項38記載の泡形成組成物。
【請求項40】
請求項37記載の泡形成組成物から形成される泡。
【請求項41】
請求項40記載の泡を含む密閉細胞泡。
【請求項42】
冷媒システム内に含まれる現存する泡を置換する方法であって、該現存冷媒の少なくとも一部を該システムから除去し、該システム内に請求項1記載の組成物を含む冷媒組成物を導入することによって該現存冷媒の少なくとも一部を置換することを含む、該方法。
【請求項43】
該現存冷媒が、HFC-134a、R-12,R-500、HFC-152aおよびHFC-22ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項42記載の方法。
【請求項44】
該現存冷媒システムが第一置換を有する少なくとも1つの第一コンプレッサーを含み、さらに該第一コンプレッサーをシステムから除去する工程、および該システム内に該第一コンプレッサーより大きな置換を有する少なくとも一つの第2コンプレッサーを挿入する工程を含む、請求項42記載の方法。
【請求項45】
該現存冷媒システムを自動車用空調システム、住宅用空調システム、商業用空調システム、住宅用冷蔵庫システム、住宅用冷凍庫システム、商業用冷蔵庫システム、商業用冷凍庫システム、チラー空調システム、チラー冷凍システム、ヒートポンプシステムおよびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選択する、請求項42記載の方法。
【請求項46】
請求項1記載の該冷媒が約1000未満の地球温暖化係数(GWP)(GlobalWarming Potential)を有する、請求項42記載の方法。
【請求項47】
噴霧される材料および請求項1記載の共沸混合物様組成物を含む推進薬を含む噴霧可能組成物。
【請求項48】
エーロゾルの形の請求項47記載の噴霧可能組成物。
【請求項49】
噴霧される該材料を化粧品、洗浄溶媒、潤滑剤および医薬材料からなる群より選択する、請求項48記載の噴霧可能組成物。
【請求項50】
医薬材料が薬または生体活性物質である、該医薬材料を含む請求項49記載の噴霧可能組成物。
【請求項51】
物品を請求項1記載の組成物を含む組成物と接触させることを含む、該物品の滅菌方法。
【請求項52】
請求項1記載の組成物を凝縮し、その後冷却される物品の近隣で該組成物を蒸発させることを含む、物品の冷却方法。
【請求項53】
請求項1記載の組成物を加熱される物品の近隣で凝縮し、その後該組成物を蒸発させることを含む、物品の加熱方法。
【請求項54】
少なくとも約50重量%の請求項1記載の組成物を含む、発泡剤。
【請求項55】
該物品を請求項1記載の組成物を含む組成物と接触させることを含む、物品の滅菌方法。
【請求項56】
噴霧される材料および請求項1記載の組成物を含む推進薬を含む噴霧可能組成物。
【請求項57】
噴霧可能組成物がエーロゾルである、請求項56記載の噴霧可能組成物。
【請求項58】
噴霧される該材料を化粧品、クレンザー、研磨剤および医薬材料からなる群より選択する、請求項56記載の噴霧可能組成物。
【請求項59】
医薬材料が薬または生体活性物質である、該医薬材料を含む請求項58記載の噴霧可能組成物。


【公表番号】特表2007−538115(P2007−538115A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511025(P2007−511025)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/014874
【国際公開番号】WO2005/108522
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】