説明

テトロドトキシンの安定な凍結乾燥医薬製剤

本発明は、良い安定性を有し、ヒトの注射用に安全であり、かつ室温で長時間貯蔵できる、1用量当たり0.5〜60μgの量のテトロドトキシン又はその類似体を含んでなる凍結乾燥医薬製剤を提供する。前記製剤は、テトロドトキシン分子又はその類似体のC-4ヒドロキシル活性を低減できる、二糖類のいずれか1つ、フィコール、その誘導体又はそれらの混合物から選択されるグルコシド結合含有化合物のような化合物と、テトロドトキシン又はその類似体の安定性を高める共溶媒とをも含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
この発明は、凍結乾燥医薬製剤、特にヒトの注射用に安全なテトロドトキシンの凍結乾燥医薬製剤に関する。
【0002】
(発明の背景)
天然に存在する非タンパク質の神経毒であるテトロドトキシンは、高い特異性と高い親和性でナトリウムチャンネルのSS1/SS2サブユニットと結合し、数十年間、薬理学研究、特に神経薬理学及び筋肉生理学でツール薬物として広く使用されてきた。市場ではSigma-Aldrichが1mgのテトロドトキシンを含有する凍結乾燥固体クエン酸塩粉末である典型的なテトロドトキシン製品を供給している(製品番号T5881)。
その科学的研究での用途に加え、発明者らの会社によって治療用途が発見され、1998年という早期に、薬物中毒や疼痛の治療のためのテトロドトキシン注射(水溶液)用クラスワン新薬の承認を申請した(米国特許第5,846,975号, Panら;及び米国特許第6,407,088号, Dongら)。
しかしながら、注射用テトロドトキシン溶液(水溶液)は温度に非常に敏感である。テトロドトキシンは高温下で容易に分解してしまう。すなわち、温度が高いほどテトロドトキシンは速く分解する。活性医薬成分であるテトロドトキシンの含量が表示量の90%未満に減少するか、又は関連物質の相対含量が医療標準による規定限界を超える(コントロール溶液の主ピーク範囲より高い)と、その薬物はもはや臨床使用に適さない。発明者らは、テトロドトキシン注射剤をHPLCでテトロドトキシンの含量と関連物質の相対含量について調べ、テトロドトキシンの含量が貯蔵温度と貯蔵期間によって変わることを発見した。その結果は、テトロドトキシンの含量が40℃で日1に91.9%に下がり(8.1%減少)、日3にはさらに89.37%に下がり、全低下は10.6%であることを示唆する(表1参照)。これら結果は、テトロドトキシン注射剤は、3日間40℃にさらした後、その含量が規定限界未満に低下するので医療基準を満たせないことを示している。さらに、25℃で1ヶ月間この注射剤を貯蔵後はテトロドトキシンの含量は95.34%に下がり、4.66%の低下であり、一方、関連物質はコントロール溶液の主ピーク範囲より高い相対含量を有し、規定限界を超え、かつ医療基準を満たさなかった。3カ月後、テトロドトキシンの含量は89.77%に下がり、10.23%の低下であり、一方、関連物質はコントロール溶液の主ピークより高い相対含量を有し、やはり医療基準を満たさなかった(表2参照)。
【0003】
これら結果は、注射用テトロドトキシンの品質は25℃では維持できず、1カ月後には関連物質の含量が規定限界を超え、医療基準を満たさないことを示している。品質を保証し、かつテトロドトキシン含量の減少と関連物質含量の増大を阻止するためには、冷蔵庫内で4〜8℃の温度範囲でテトロドトキシン注射剤を貯蔵しなければならない。この要求は、貯蔵、輸送、荷積みと荷下ろし、卸売りと小売り、病院と投薬を含むすべての関連時に温度を4〜8℃に保たなければならないので、テトロドトキシン注射剤の臨床使用を困難かつ不便にし、そうでなくても高温は臨床的有効性に有害だろう。従って、室温で貯蔵できる安全かつ安定な製品を開発することによってこの問題を解決する必要がある。






【0004】
【表1】

注:テトロドトキシンの含量が90%未満の場合、基準を満たさない。
【0005】
【表2】

注:テトロドトキシンの含量が90%未満であるか、又は関連物質の含量がコントロール溶液の主ピークより多い場合、基準を満たさない。
【0006】
この研究は、テトロドトキシン注射剤(液状形態)が室温では安定でなく、4〜8℃の低温での貯蔵を必要とするので、テトロドトキシン注射剤が輸送及び貯蔵に不便であることを示す。この問題の簡単な解決法は、テトロドトキシンの凍結乾燥製剤である考えられる。一般に、水溶液で不安定な生物活性物質は、凍結乾燥及び脱水することによってその貯蔵寿命を延長できる。その後、臨床使用前に注射用無菌水を添加することによって薬物を再生することができる。しかし、医薬用途のテトロドトキシンの用量は0.5〜60μgと非常に少ないので、凍結乾燥及び脱水後のテトロドトキシンの溶液から固形残留物を生成させされない。従って、極微量のテトロドトキシンが付着して、凍結乾燥及び脱水後に固形残留物の生成を可能にする骨組みを与えるような医薬的に許容しうる賦形剤を添加する必要がある。
【0007】
しかしながら、テトロドトキシンという科学的ツール薬物で用いられるクエン酸塩も最も一般的な賦形剤であるマンニトールも我々の実験で許容しうる結果を生成できない。本研究は、賦形剤としてクエン酸塩を使用すると、凍結乾燥製剤の外観が40℃で収縮し台無しになり、医療基準を満たさず、テトロドトキシンの含量が徐々に減少し、日5には関連物質の含量がコントロール溶液の主ピークより多くなり、規定限界を超え、やはり医療基準を満たさないことを示す。賦形剤としてマンニトールを使用すると、製品の外観は基準を満たしたが、テトロドトキシンの含量が徐々に減少し、日5には関連物質の含量がコントロール溶液の主ピークより多くなり、規定限界を超えて医療基準を満たさなかった(表3参照)。賦形剤としてクエン酸塩を用いて25℃で6カ月間貯蔵すると、テトロドトキシンの含量が月0の100%から95.1%に減少した(4.9%の低下)。一方では、関連物質はコントロール溶液の主ピークより多い相対含量を有し、規定限界を超え、基準を満たさなかった。賦形剤としてマンニトールを用いた場合、テトロドトキシンの含量は月0の100%から6カ月で96.59%に減少した(3.41%の低下)。一方、関連物質はコントロール溶液の主ピークより多い相対含量を有し、規定限界を超え、基準を満たさなかった(表4参照)。
【0008】
【表3】























【0009】
【表4】

注:テトロドトキシンの含量が90%未満であるか、又は関連物質の含量がコントロール溶液の主ピークより多い場合、基準を満たさない。
【0010】
これら結果は、現行の製剤技術における賦形剤は製剤を物理的に安定化するのに役立つことを示唆している。刊行物の検索によって、極微量しかテトロドトキシンを含まない散剤の化学的安定性を改良しうる関連添加剤については何ら見出されなかった。発明者らは、テトロドトキシンの化学構造について研究することによって、温度に対するテトロドトキシン製剤の安定性を改良するための新しいアプローチを見つける必要があることを認識した。
テトロドトキシンの化学名はオクタヒドロ-12-(ヒドロキシメチル)-2-イミノ-5,9:7,10α-ジメタノ-10αH-[1,3]ジオキソシノ[6,5-d]-ピリミジン-4,7,10,11,12-ペントールであり、分子式C111738、分子量319.28で、以下の構造を有する。
【化1】

【0011】
テトロドトキシンは、220℃以上で分解せずに暗くなる。[α]25D-8.64(希酢酸中でC=8.55)。pKa 8.76(水);9.4(50%アルコール)。テトロドトキシンは希酢酸に溶け、水、無水アルコールに溶けず、他の有機溶媒にも不溶である。この毒素は強酸及びアルカリ溶媒で破壊される(Merck Index. 13th Ed. 2001, 9318)。
固体状態のテトロドトキシンは温度に対して比較的安定であるが、水溶液中、特に希酢酸水溶液中低濃度で安定でない(US 6,559,154, Kangら)。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
本発明の目的は、テトロドトキシン又はその類似体の凍結乾燥医薬製剤を提供することである。
この目的を達成するため、本発明は、極微量の生物活性成分、すなわちテトロドトキシン又はその類似体と、安定剤と、共溶媒とを含む安定な凍結乾燥医薬製剤であって、前記テトロドトキシン又はその類似体が1用量当たり0.5〜60μgの量を有し、前記製剤がテトロドトキシン分子のC-4ヒドロキシルの活性を低減できる化合物、好ましくは二糖類若しくはフィコール、又はその誘導体或いはグルコシド結合を含む1つの化合物又は該化合物の混合物をも含有する、前記凍結乾燥医薬製剤を提供する。
さらに詳しくは、上記目標を果たすため本発明者らは以下のことを研究かつ調査した。
(1)なぜテトロドトキシン含量は酸性水溶液中で減少するか?
(2)テトロドトキシン含量減少後の分解生成物は何か? 分解生成物とテトロドトキシンとの差異は何か?
(3)テトロドトキシンの分解の機構は何か?
(4)どうやってテトロドトキシンの分解を阻止できるか?
【0013】
疑問1:なぜテトロドトキシン含量は酸性水溶液中で減少するか?
1965年、T. Gotoらは、酸がテトロドトキシンのエピマー化を触媒して4-エピ-テトロドトキシン、さらに4,9-デヒドロ-テトロドトキシンを形成すると指摘した(Tetrahedron, 1965, Vol.21, 2059-2088)。さらに、加熱還流時、テトロドトキシンはテトロドン酸(tetrodonic acid)に変換した(Annals New York Academy of Sciences, 1985, 479:32-43)。
【化2】

【0014】
テトロドトキシンは酸性水溶液中でエピマー化して4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンになるので、その含量が減少する。テトロドトキシンは加熱還流時に変化してテトロドン酸になる。
上記結論は、テトロドトキシンの抽出、精製及び構造変化、並びに長時間にわたる4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンの定量についての発明者らの研究によって明らかになった。
【0015】
疑問2:テトロドトキシン含量減少後の分解生成物は何か? 分解生成物とテトロドトキシンとの差異は何か?
テトロドトキシンは酸性水溶液中で4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化すると報告されている。この発見を立証するため、テトロドトキシンについて熱力学的研究を行った。
この研究は以下のように行った:同濃度であるが、pH値が異なるいくつかのテトロドトキシン溶液をそれぞれ80℃±1℃及び90℃±1℃で水溶液中で平衡にした。次に、種々の平衡時点で試料を採取して-18℃に凍結させた。分解生成物及びその含量をHPLCで測定した(米国特許第6,562,968号, Zhouら)。結果を表5及び6に示す。





【0016】
【表5】

【0017】
表5に示されるように、テトロドトキシンは酸性水溶液中80℃で4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化した。
【表6】

【0018】
表6に示されるように、テトロドトキシンは酸性水溶液中90℃で4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化し、さらに一部はテトロドン酸に変化した。
【化3】

【0019】
上記研究は、テトロドトキシンが酸性水溶液中90℃で4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化し、さらに90℃ではテトロドン酸に変化することを確認した。
テトロドトキシン、4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンは、同様の化学的性質を有する。4-エピ-テトロドトキシンはテトロドトキシンと同じ分子式と分子量を有するが、そのC4上のヒドロキシル基が異なった立体化学的位置を有する。4,9-デヒドロ-テトロドトキシンの分子式はテトロドトキシン及び4-エピ-テトロドトキシンの化学式と比べてH2Oを失っており、分子量が18少ないが、これらには生物活性に有意な区別がある。例えば、テトロドトキシンの毒性は4500マウスユニット/mg;4-エピ-テトロドトキシンは710マウスユニット/mg;4,9-デヒドロ-テトロドトキシンはたった92マウスユニット/mgである(Toxicon. 1985, 23:271〜276)。このような生物活性の有意な差異のため、テトロドトキシンは一旦4-エピ-テトロドトキシン又は4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変換すると、その生物活性を失うので、その生物活性は大いに減少する。
【0020】
疑問3:テトロドトキシンの4-エピ-テトロドトキシン又は4,9-デヒドロ-テトロドトキシンへの変換の化学的機構は何か?
テトロドトキシンの化学構造は、C-4はNに隣接し、エクアトリアル位置にあるヒドロキシルとアキシャル位置にあるプロトンを連結しているのでC-4が特殊であることを示している。従って、テトロドトキシン分子のC-4ヒドロキシル基は特殊な化学活性と生理活性を有する。溶液中にH+が存在すると、H+はC-4ヒドロキシルの酸素原子に結合するので、構造Aから構造Bが反転される。よって、構造BはH2Oを失ってカチオンを有する構造Cを形成する。構造Cが水分子に結合している溶液中では、水分子が先のH2Oが失われた位置又は先のH2Oが失われた位置の反対の位置に結合している場合、構造E又は構造Dが形成される。構造DからH+が除去されると、構造A(すなわちテトロドトキシン)が形成される。構造EからH+が除去されると、構造Fが形成される。構造Fと構造Aとの差異は、プロトンとヒドロキシルの位置が相互に変わっていることである。構造AのC-4プロトンはアキシャル位置、ヒドロキシルはエクアトリアル位置にあり;一方、構造FのC-4プロトンはエクアトリアル位置、ヒドロキシルはアキシャル位置にある。AとFのような構造は化学的にエピマーである。エピマー化の化学的機構は以下のとおりである。
【0021】
【化4】

【0022】
構造Aは“テトロドトキシン”として知られ、フグ科の魚から抽出される天然のテトロドトキシン(“TTX”)の主成分である。構造Fは4-エピ-テトロドトキシンとして知られ、H+の存在下ではH2O分子が容易に隣接C-4ヒドロキシル基及びC-9ヒドロキシル基から除去されるので、より安定な4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに容易に変換する。これら3タイプの“フグ毒”は化学的性質は少し異なるだけであるが、生物活性は有意に異なる。
従って、我々は、プロトンがエピマー化を引き起こして4,9-デヒドロ-テトロドトキシンを形成するので、テトロドトキシンは水分子の相互作用下で不安定になると結論した。テトロドトキシンのエピマー化を阻止するため、C-4ヒドロキシルはエピマー化されてはいけない。従って、テトロドトキシンの安定性を改良するための最良のアプローチは、C-4ヒドロキシルを減らすことである。この目的のため、我々は以下に示される構造の4-デオキシ-テトロドトキシンを合成した。
【化5】

【0023】
4-デオキシ-テトロドトキシンは水溶液中で2時間沸騰させた後でもHPLC分析で確証されるように変化しないので、非常に安定である。しかしながら、そのLD50は3336.5μg/kgであり、その毒性はテトロドトキシンの毒性より330倍低い。その鎮痛効果をマウスで酢酸誘導苦悶で調べると、その鎮痛効果はテトロドトキシンの効果より約330倍低かった。 上記実験結果に基づき、テトロドトキシン分子のC-4ヒドロキシル基はその生物活性の重要な位置であり、生物活性において重要な役割を果たすと結論した。従って、C-4ヒドロキシルをエクアトリアル位置に保つことが重要である。水分子はC-4ヒドロキシル基をアキシャル位置に変えうる;よって疑問4(どうやってテトロドトキシンの分解を阻止できるか?)が生じる。極微量のテトロドトキシンを含有する凍結乾燥医薬製剤を選択するとき、テトロドトキシンの安定性を高めるため、C-4ヒドロキシル基をエクアトリアル位置に固定(lock)できる添加剤を見つける必要がある。
そこで、本発明者らは上記問題の解決法を見出した。
テトロドトキシン分子のC-4ヒドロキシル基の立体化学的位置はその生物活性において重要な役割を果たすので、本発明者らは、これをC-4ヒドロキシル基の立体化学的位置を変化させず、ひいてはそれがエピマー化するのを阻止する医薬的に許容しうる賦形剤を探す出発点として使用する。第1に、ヒドロキシルのプロトンは酸素原子のような電気陰性原子と水素結合を形成しやすい。酸素原子の外殻には6個の電子があり、化合物を形成した後に未使用の2対の電子が残るので、結果として強い電気陰性となり、C-4ヒドロキシル基のプロトン及び窒素原子のプロトンと水素結合を形成することができる。これら水素結合の形成の結果6員環となり、それによってC-4ヒドロキシルを“固定化(locking)”する。すなわちC-4ヒドロキシルの立体化学的位置が固定される。第2に、テトロドトキシン分子の2つの6員環の立体化学的構造はイス形なので、テトロドトキシンと同様の構造を有し、かつテトロドトキシン分子を包囲できるいくつかの化合物を見つけることを考えた。これら2つの要求を満たす化合物は、二糖類のようなグルコシド結合を含む化合物である。上記分析及び持続的研究に基づき、我々はラクトース、スクロース、セロビオース及びマルトースのような二糖類を一定量テトロドトキシン製剤に添加してから凍結乾燥すると実にその安定性を高めることを発見した。室温で1年間貯蔵後、テトロドトキシン及び関連物質の含量は有意な変化を示さず、よって製剤は標準的な医療基準を満たす。例として、ラクトースを用いて、テトロドトキシンと二糖類との間の水素結合の形成によってC-4ヒドロキシル基がエピマー化するのを阻止する機構を説明する。
【0024】
【化6】

【0025】
グルコシド結合は、構造がテトロドトキシンと類似しているポリグルコース及びデキストランのようなフィコール、又はヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンのようなその誘導体にも存在する。従って、本研究は、フィコールもテトロドトキシンを安定化できることを示している。グルコシド結合のない単糖類(グルコース、フルクトース、及びマンノース)のようなものはC-4ヒドロキシルの立体化学的位置を固定できないので、テトロドトキシンのエピマー化を阻止し損なう。この理由は、β-異性体のC-1ヒドロキシルの双極子と単糖類のエポキシ原子の双極子との間の相反をもたらすような相互作用と似ているだろう。このような双極子-双極子相反はエポキシ原子が6員環内で水素結合を形成するのを助けない(Jingyan WANG et al., Biochemistry, Beijing Advanced Education Publishing, 2002,13)。









【0026】
【化7】

β-異性体のC-1ヒドロキシルの双極子と単糖のエポキシの双極子と類似の相互作用
【0027】
本発明は、以下のように実施することができる。
現行技術の欠陥、すなわち活性成分であるテトロドトキシンが水溶液中又は凍結乾燥クエン酸塩形態で不安定であるという欠陥を克服するため、発明者らはテトロドトキシンの安定な凍結乾燥医薬製剤及びその製造方法を発明した。前記医薬製剤は凍結乾燥形態であり、室温で長時間貯蔵できる。使用する前に、医薬的に受け入れられている水溶液を添加して製剤を再生してから注射で投与することができる。
本発明は、極微量の生物活性成分、すなわちテトロドトキシンと、安定剤と、共溶媒とを含む、テトロドトキシンの安定な凍結乾燥医薬製剤を提供し、前記テトロドトキシンは1用量当たり0.5〜60μgの量を有し、残りが安定剤と共溶媒である。
テトロドトキシンとして、テトロドトキシン又はその類似体、例えばデヒドロ-テトロドトキシン、アミノ-テトロドトキシン、メトキシ-テトロドトキシン及びエポキシ-テトロドトキシンが挙げられる。生物活性なテトロドトキシンはフグ科魚類、海産哺乳動物;又は両生類、渦虫類、紐形動物、ステロイデア(steroidea)、矢状動物(sagitta)、及び腹足類のような他の種の卵巣及び肝臓;又はビブリオ-アルギノリチクス(alginolyticus)のような細菌から抽出される。Zhouらの米国特許第6,552,191号のような先行技術で開示されている方法を用いて抽出を行うことができる。テトロドトキシンの構造を改変することによってその類似体が得られる。
【0028】
この発明では、0.5μg〜60μgの範囲の薬用量でヒトの注射用に安全な極微量の活性成分としてテトロドトキシンを使用する。凍結乾燥製剤はテトロドトキシンのみを用いて製造できないので、医薬賦形剤を添加して、凍結乾燥前に溶液の濃度を高めなければならない。本研究は、1又は複数の安定化物質を添加したときだけ、貯蔵中のテトロドトキシンが4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンにエピマー化するのを阻止できることを見出した。この発明では、このような物質は、1用量当たり5〜100mgの範囲のラクトース、スクロース、マルトース、フィコール(ポリグルコース、デキストランを含む);又はその類似体(ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含む)である。
この発明の生物活性テトロドトキシンはほとんど水に溶けないので、テトロドトキシンを溶解させるのを助けて必要な濃度を得るために共溶媒を添加する必要がある。テトロドトキシンは化学的には有機塩基なので、酸性溶液に可溶である。しかしながら、強酸はテトロドトキシンを分解するので、不揮発性の有機酸、好ましくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸又はラクトビオン酸(lactobionic acid)がテトロドトキシンと有機塩を形成して水に溶かす。その間に、酸性度を制御することは容易である。実験結果は、製剤に使用される共溶媒の量が0.00005〜0.0005mgの範囲であり、凍結乾燥前の溶液のpH値が3.0〜6.0の範囲であることを示唆する。
【0029】
この発明は、生物活性テトロドトキシンと二糖類若しくはポリグルコース又はその類似体との水溶液又は水溶性溶媒中溶液の凍結乾燥による固形医薬製剤を提供する(Reminton's Pharmaceutical Sciences, Seventeenth Edition, 1985, 1314)。前記水溶液は、0.22μmのメンブランを通した後10000限界ろ過膜を通すことで容易に得られ、凍結乾燥して無菌かつ発熱物質のない凍結乾燥粉末を得ることができ、これは安定で、かつ長時間生物活性テトロドトキシンの変換を阻止できる。
凍結乾燥粉末の一定かつ適切なpH値を得るため、また局所組織への刺激又は壊死を阻止するため、特定量の共溶媒を加えてpH値を3.0〜6.0の範囲に制御する。溶液のpHが3.0未満の場合、希水酸化ナトリウム(カリウム)を添加してpHを調整することができ、pH値が3.0〜6.0の場合はpH値を調整する必要がない。
【0030】
本発明は、以下のようなテトロドトキシンの凍結乾燥医薬製剤の製造方法を提供する:共溶媒、安定剤及びpH調整剤をそれぞれ水に溶かす工程;及び特定量の共溶媒に極微量のテトロドトキシンを溶かし、上記溶液を混ぜ合わせる工程;注射用水を添加して指定体積にし、その溶液のpHが3.0〜6.0の範囲内であるか調べ、そうでない場合は水酸化ナトリウム(カリウム)又は有機酸の対応するナトリウム(カリウム)塩でpHを調整し、ろ過及び限外ろ過で細菌を除去し、バイアルに満たし、ストッパーをルーズに置き、凍結乾燥し、適所にストッパーを置き、カバーを巻く工程。
上記凍結乾燥組成物は、清澄な無菌かつ発熱物質のない液体を得るためにヒト用に好適な、また筋肉内又は皮下注射用に整った水溶液を添加して再生することができる。前記水溶液は、体積が0.5〜5mL、好ましくは1〜2mLの無菌水又は注射用に適した他の水溶液でよい。
【0031】
前記医薬製剤の製造方法は以下の工程を含む:
1.注射用水に特定量の共溶媒を溶解させる工程;
2.注射用水にpH調整剤を溶解させる工程;
3.注射用水に安定剤として二糖類若しくはポリグルコース又はその類似体を溶解させる工程;
4.計算量の溶媒溶液に極微量のテトロドトキシンを添加し、溶解するまで撹拌する工程;
5.工程3の溶液に工程4の溶液を加え、かつ注射用水を添加して規定量にして十分に振り混ぜる工程;
6.溶液のpHが3.0〜6.0の範囲内かを調べ、そうでない場合、pH調整溶液でpHを調整する工程;
7.ろ過(例えば、Milliporeのろ過システムで)及び限外ろ過(例えば、Pullの限外ろ過システムで)で滅菌して清澄な無菌かつ発熱物質のない溶液を得る工程;
8.工程7の結果溶液をバイアルに各バイアルに規定量ずつ等分し、その上にカバーをルーズに載せて凍結乾燥機内に置き;表面温度が-40℃以下に下がるまで冷凍させてからさらに-50℃以下に凍結させ;真空ポンプのスイッチを入れ;圧力を5Pa以下で維持し、処置を施さずに温度を規定レベルに上昇させ;24時間静置してから10時間で30℃に温度を上昇させ;自動的にストッパーを閉じる工程;及び
9.バイアルを取り出してカバーを巻く工程。
【0032】
先行技術に比し、この発明は以下のような直接関係がありかつ有意な特徴を有する:
テトロドトキシン注射剤を冷蔵庫内(4〜8℃)又は室温で貯蔵することは難しい。室温では容易にエピマー化が起こり、テトロドトキシンが4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化してしまうので、テトロドトキシンはその医薬的価値を失う。発明者らは広範囲の研究を行い、テトロドトキシンがエピマー化するのを阻止して室温で製剤中の極微量のテトロドトキシンを安定に保つ安定剤を見出した。さらに詳細には、以下のとおりである:
1.二糖類若しくはポリグルコース又はその類似体のような安定剤を製剤に添加して貯蔵中テトロドトキシンがエピマー化するのを阻止、すなわちテトロドトキシンが4-エピ-テトロドトキシン及び4,9-デヒドロ-テトロドトキシンに変化するのを効率的に阻止し、それによって製品の質を保証し;
2.凍結乾燥技術を用いて、製剤中にほどんと水が残らないように製品の安定性を高め;
3.上記技術の併用が医薬製剤中の極微量のテトロドトキシンの安定性の問題を効率的に解決することができ;
4.医薬製剤を4〜8℃で貯蔵する必要がなく、室温で貯蔵でき;よって貯蔵及び輸送コストを低減でき、かつ臨床使用に便利であり;さらに重要なことに、この発明は、安定した品質を有し、1年以上室温で貯蔵可能な安全かつ信頼性の高い製品を提供する。
【0033】
〔発明の最良の形態〕
〔実施例1〕
表7で規定したとおりにテトロドトキシンと二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース及びセロビオース)を含む凍結乾燥製剤を調製した。製剤1では賦形剤としてフルクトース(単糖)を用い、製剤2、3、4及び5では安定剤(賦形剤も)として二糖類を使用した。クエン酸(共溶媒)と安定剤を別個に注射用水に溶かし;このクエン酸溶液にテトロドトキシンを溶かした後、上記溶液に安定剤溶液を混ぜ合わせ、規定体積まで注射用水を加えた。結果溶液を十分に撹拌し、そのpHを4.0に調整し;次にろ過及び限外ろ過で細菌を除去した。結果溶液をガラスバイアルに詰めて規定体積にし;次にカバーをルーズに載せ、バイアルを凍結乾燥機に入れた。バイアルの温度が-40℃に低下後、凍結チャンバーのスイッチを入れてさらにバイアルの温度を-50℃に下げた。真空ポンプを動かして圧力を5Pa以下に維持し;処置せずに温度を規定レベルまで上昇させた。バイアルを24時間静置させた後、少なくとも10時間かかて温度を自然に30℃に上昇させた。ストッパーをきつく締めカバーを巻いた。
【0034】
【表7】

【0035】
上記凍結乾燥製剤及びテトロドトキシン注射剤(液状形態)について40℃で同じ時間安定性試験を行った。試料は日1、3、5、及び10に採取した。テトロドトキシン及び関連物質の含量をHPLCで測定し、日0の試料と比較した。結果を表8に示す。






【0036】
【表8−1】




【表8−2】

【0037】
製剤1では賦形剤としてフルクトースを用い、その外観は基準を満たさなかった。40℃試験では、この製剤中のテトロドトキシンの含量は日0の100%から徐々に低下して日10には95.99%、つまり4.01%減少した。他方、関連物質の含量範囲はコントロール溶液の主ピーク範囲を超え、基準を満たさなかった。従って、フルクトースはテトロドトキシンがエピマー化するのを阻止するために使用できず、テトロドトキシンの安定性の保護に役立たない。
製剤2、3、4及び5では、それぞれ安定剤としてラクトース、スクロース、マルトース及びセロビオースのような二糖類を用いた。40℃で10日間静置後、これら製剤はテトロドトキシン又は関連物質の含量に有意な変化を示さなかった。テトロドトキシンの含量はそれぞれ99.97%、99.56%、99.18%、及び99.75%であり、関連物質の含量範囲はコントロール溶液の主範囲よりすべて少なかった。これら結果は、これら製剤が大いに改良された安定性を有して医薬品の基準を満たしており、かつ二糖類はテトロドトキシンがエピマー化するのを阻止でき、ひいては本発明の目標を達成できることを示している。製剤6は液状形態のテトロドトキシン注射剤であり、同じ試験条件下でテトロドトキシンの含量が日0の100%から日10の90.06%に低下、つまり9.94%減少し、関連物質の含量は日3からコントロール溶液の主ピーク範囲を超え始め、基準を満たさなかった。従って、これら結果は、安定剤として二糖類を有する凍結乾燥テトロドトキシン製剤が液状形態のテトロドトキシン注射剤より高い安定性を有することを示唆している。
上記凍結乾燥テトロドトキシン製剤及び液状形態のテトロドトキシン注射剤について、月1、2、3、6、9及び12に採取した試料で、室温における長期間の安定性研究を行った。テトロドトキシンと関連物質の含量をHPLCで測定し、日0の含量と比較した。結果を表9に示した。






























【0038】
【表9−1】




【表9−2】

【0039】
製剤1では賦形剤としてフルクトースを用い、その外観は基準を満たさなかった。貯蔵期間中、テトロドトキシン含量は月0の100%から徐々に低下して月12には83.19%、つまり16.81%減少した。月2では、関連物質の含量はコントロール溶液の主ピーク範囲を超えて基準を満たさず、医療使用には適格でなかった。製剤2、3、4及び5では、それぞれ安定剤としてラクトース、スクロース、マルトース及びセロビオースのような二糖類を用いた。室温で12ヶ月間静置後、これら製剤は外観、テトロドトキシン又は関連物質の含量に有意な変化を示さなかった。テトロドトキシンの含量はそれぞれ101.92%、99.89%、99.87%、及び99.47%であり、関連物質の含量範囲はコントロール溶液の主範囲よりすべて少なく、医療使用の基準を満たした。製剤6は液状形態のテトロドトキシン注射剤であり、同じ貯蔵条件下でテトロドトキシンの含量が月0の100%から月12の73.38%に低下、つまり26.62%減少した。月2以降、その関連物質の含量はコントロール溶液の主ピーク範囲を超え、基準を満たさず、不十分な安定性を示した。従って、二糖類は極微量のテトロドトキシンを非常によく保護するので、室温で12カ月貯蔵後でさえテトロドトキシンと関連物質の含量は臨床使用の要求を満たしている。よって、テトロドトキシン製剤の安定性が維持される。
【0040】
〔実施例2〕
30μgの生物活性テトロドトキシンと30mgのデキストランを含有する凍結乾燥製剤の製造方法は以下のとおりである。
実施例1で述べた方法に従い、0.003%のテトロドトキシンと3%のデキストランのpH3.0の溶液を凍結乾燥させて緩んだ白色のケーク状固体を得た。次に、日1、3、5、10に採取した試料で40℃におけるその安定性を調べ;表10に示されるように、テトロドトキシンと関連物質の含量をHPLCで測定し、日0の結果と比較した。
【0041】
【表10】

【0042】
この結果は、デキストランはその化学構造が二糖類と類似しているので、この製剤中のテトロドトキシンを安定化することを示す。40℃という高温で、外観、テトロドトキシンと関連物質の含量が医療標準を満たす。
〔実施例3〕
60μgの生物活性テトロドトキシンと5mgのラクトース(又はスクロース、マルトース、セロビオース)を含有する凍結乾燥散剤の製造方法:
実施例1で述べた方法に従い、0.006%のテトロドトキシンと0.5%のラクトースのpH4.0の溶液を凍結乾燥させて緩んだ白色のケーク状固体を得た。上記固体を注射用無菌水又は医薬的に許容しうる水溶液に溶かし、筋肉内又は皮下注射に直接使用できる無菌かつ発熱物質のない清澄溶液を得た。
〔実施例4〕
0.5μgの生物活性テトロドトキシンと100mgのラクトース(又はスクロース、マルトース、セロビオース)を含有する凍結乾燥散剤の製造方法:
実施例1で述べた方法に従い、0.00005%のテトロドトキシンと10%のラクトースのpH6.0の溶液を凍結乾燥させて緩んだ白色のケーク状固体を得た。水溶液に溶解後、結果溶液は筋肉内又は皮下注射に直接使用できる。
〔実施例5〕
5μgの生物活性テトロドトキシン、15mgのラクトース及び15mgのスクロース(又はマルトース、セロビオース)を含有する凍結乾燥散剤の製造方法は以下のとおりである。
実施例1で述べた方法に従い、0.0005%のテトロドトキシン、1.5%のラクトース及び1.5%のスクロースのpH4.5の溶液を凍結乾燥させて緩んだ白色のケーク状固体を得た。上記固体を注射用無菌水又は医薬的に許容しうる水溶液に溶かして無菌かつ発熱物質のない清澄な溶液を得、これは筋肉内又は皮下注射に直接使用できる。
【0043】
〔実施例6〕
20μgの生物活性テトロドトキシン、15mgのラクトース(又はスクロース、マルトース、セロビオース)及び15mgのマンニトールを含有する凍結乾燥散剤の製造方法は以下のとおりである。
実施例1で述べた方法に従い、0.002%のテトロドトキシン、1.5%のラクトース及び1.5%のマンニトールのpH5.5の溶液を凍結乾燥させて緩んだ白色のケーク状固体を得た。上記固体を注射用無菌水又は医薬的に許容しうる水溶液に溶かして無菌かつ発熱物質のない清澄な溶液を得、これは筋肉内又は皮下注射に直接使用できる。
この方法で得た試料は室温で1年間貯蔵後99.65%のテトロドトキシン含量を有し、その関連物質の含量はコントロール溶液の主ピーク範囲より少なく、臨床使用の要求を満たしたが、マンニトールのみを用いた場合はこの目的を果たし損なった。従って、この結果は、ラクトース、スクロース、マルトース、又はセロビオースを凍結乾燥製剤に使用すると、テトロドトキシン製剤の安定性を有意に維持できることを示している。
【0044】
〔産業上の利用可能性〕
本発明の凍結乾燥製剤は医薬製剤として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としてテトロドトキシン又はその類似体を含む安定な凍結乾燥医薬製剤であって、前記テトロドトキシン又はその類似体が1用量当たり0.5〜60μgの量であり、前記製剤が、テトロドトキシン分子又はその類似体のC-4ヒドロキシルの活性を低減できる化合物をも含むことを特徴とする製剤。
【請求項2】
前記テトロドトキシン分子又はその類似体のC-4ヒドロキシルの活性を低減できる化合物がグルコシド結合を含む化合物である、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
前記グルコシド結合を含む化合物が、二糖類、フィコール、若しくはその誘導体又はそれらの混合物の1つから成る群より選択される、請求項2記載の製剤。
【請求項4】
テトロドトキシン又はその類似体が、テトロドトキシン、アンヒドロテトロドトキシン、アミノテトロドトキシン、メトキシテトロドトキシン及びエトキシテトロドトキシンから成る群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の製剤。
【請求項5】
前記グルコシド結合を含む化合物が、1用量当たり5〜100mgの量で存在する、請求項3記載の製剤。
【請求項6】
前記二糖類がラクトース、スクロース、マルトース及びセロビオースから成る群より選択され、前記フィコールがポリグルコース及びデキストランから成る群より選択され、前記誘導体がヒドロキシエチルスターチ及びヒドロキシプロピルシクロデキストリンから成る群より選択される、請求項3記載の製剤。
【請求項7】
前記製剤が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びラクトビオン酸から成る群より選択される共溶媒をも含み、かつ前記共溶媒が、凍結乾燥前にその溶液のpHを3.0〜6.0にする量で存在する、請求項1記載の製剤。
【請求項8】
前記共溶媒が、1用量当たり0.00005〜0.0005mgの量で存在する、請求項7記載の製剤。
【請求項9】
前記活性成分がテトロドトキシンである、請求項1記載の製剤。
【請求項10】
前記製剤が医薬的に許容しうる賦形剤をも含む、請求項1記載の製剤。

【公表番号】特表2007−507422(P2007−507422A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519747(P2006−519747)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000736
【国際公開番号】WO2005/004874
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(503185703)ナンニン メイプル リーフ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】