説明

テラヘルツ光発生器及びその製造方法

【課題】テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるようにする。
【解決手段】テラヘルツ光発生器を、テラヘルツ光を透過する光透過性基板1と、光透過性基板1の第1の面に形成され、可視光を発光する発光素子2と、光透過性基板2の第2の面に形成され、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子3とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ光発生器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テラヘルツ光(THz光)は、周波数100GHz〜10THz、波長30μm〜3mmの領域に存在する電磁波であり、物質の測定、検査、イメージ化などに利用され始めている。
しかしながら、テラヘルツ光は、人間の目で見ることができず、また、テラヘルツ光を観察し得る簡便な観察ツールも存在しない。
【0003】
このため、テラヘルツ光学系、例えばテラヘルツ時間領域分光法実験系を構築する場合、テラヘルツ光発生器、放物面鏡、テラヘルツ光検出器等のアライメントに手間を要していた。つまり、テラヘルツ光学系を構築する場合、実際にテラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整(微調整)を繰り返してアライメントを行なう必要があり、その作業に手間を要していた。
【0004】
そこで、別途用意した可視光源からの可視光、あるいは、テラヘルツ光発生用フェムト秒レーザからのプローブ光を基準光として用い、その照射位置等を肉眼で直接的に観察しながらアライメントを行なうことが提案されている。
例えば、テラヘルツ光発生用フェムト秒レーザからのプローブ光を用いてテラヘルツ光学系のアライメントを行なう技術(第1の技術)がある。
【0005】
この第1の技術では、まず、テラヘルツ光発生器とテラヘルツ光検出器との間に配置されたビームスプリッタでフェムト秒レーザからのプローブ光を検出器側へ反射させ、テラヘルツ光検出器の適切な位置に集光するように曲面鏡及び検出器のアライメントを行なう。次に、ビームスプリッタを90度回転させ、ビームスプリッタでプローブ光を発生器側へ反射させ、テラヘルツ光発生器のテラヘルツ光発生点に集光するように曲面鏡及び発生器のアライメントを行なう。このようにして、テラヘルツ光発生用フェムト秒レーザからのプローブ光を用いて、テラヘルツ光学系のアライメントを行なうようにしている。
【0006】
なお、フェムト秒レーザは、780nm〜800nmの近赤外光であるが、近赤外光に感応して可視光を発光する材料をシート部材に塗布したカード式赤外センサー等により容易に観察可能である。
また、例えば、別途用意した可視光源からの可視光を用いてテラヘルツ光学系のアライメントを行なう技術(第2の技術)がある。
【0007】
この第2の技術では、別途用意した可視光源からの可視光を光半透過板によって反射させて、可視光の光軸をテラヘルツ光の光軸へ重畳させ、テラヘルツ光の光軸を可視光によって模擬的に目視可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−303574号公報
【特許文献2】特開2004−317573号公報
【特許文献3】特開2008−262221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述の第1の技術では、プローブ光を観察することで、曲面鏡、テラヘルツ光検出器及びテラヘルツ光発生器の位置関係の調整を行なうことはできる。
しかしながら、上述の第1の技術では、テラヘルツ光発生器の向きや煽り角は、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返して最適化する必要があり、その作業には手間がかかる。
【0010】
また、上述の第2の技術では、可視光の光軸をテラヘルツ光の光軸へ重畳させる前に、テラヘルツ光検出器及びアパーチャを用いてテラヘルツ光の光軸を特定する必要がある。このため、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら、テラヘルツ光検出器及びアパーチャの位置の調整を繰り返して最適化する必要があり、その作業に手間がかかる。
【0011】
そこで、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるようにしたいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本テラヘルツ光発生器は、テラヘルツ光を透過する光透過性基板と、光透過性基板の第1の面に形成され、可視光を発光する発光素子と、光透過性基板の第2の面に形成され、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子とを備えることを要件とする。
また、本テラヘルツ光発生器の製造方法は、テラヘルツ光を透過する光透過性基板の第1の面に、可視光を発光する発光素子を形成し、光透過性基板の第2の面に、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子を形成することを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本テラヘルツ光発生器及びその製造方法によれば、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の構成を示す模式的断面図である。
【図2】第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の表面側(発光素子側)の構成を示す模式図である。
【図3】(A),(B)は、第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の裏面側(光伝導性アンテナ素子側)の構成を示す模式図であって、(A)はその平面図であり、(B)は(A)中、A−A′線に沿う断面図である。
【図4】(A)〜(G)は、第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図5】第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器を用いたテラヘルツ時間領域分光法の実験系を示す模式図である。
【図6】第2実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の構成を示す模式図であって、(A)はその平面図であり、(B)は(A)中、A−A′線に沿う断面図である。
【図7】第3実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の構成を示す模式的断面図である。
【図8】第4実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の構成を示す模式的断面図である。
【図9】(A)〜(C)は、第4実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図10】第4実施形態の変形例にかかるテラヘルツ光発生器の構成を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面により、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法について説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器は、図1に示すように、テラヘルツ光を透過する光透過性基板1の表面側に、可視光を発光する発光素子2を備え、光透過性基板1の裏面側に、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子3を備えるテラヘルツ光発生素子12と、直流電源9とを備える。なお、光伝導性アンテナ素子3を、テラヘルツ光発生用光伝導性アンテナ素子ともいう。また、この場合、光透過性基板1の表面とは、可視光を発光する発光素子2を備える面(第1の面)であり、裏面とは、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子3を備える面(第2の面)である。
【0017】
なお、本実施形態では、テラヘルツ光発生器を、直流電源9を備えるものとして構成しているが、これに限られるものではなく、テラヘルツ光発生器は直流電源9を備えないものとして構成し、外部に設けられた直流電源から電流を供給するようにしても良い。
ここでは、光透過性基板1は、テラヘルツ光を透過する半導体基板、例えば、半絶縁性GaAs基板である。
【0018】
発光素子2は、光透過性基板1の表面上に、複数の半導体層4,5を積層させることによって形成されている。
本実施形態では、発光素子2は、電流印加によって可視領域で発光するpn接合型発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であって、半導体基板1の表面上に、n型半導体層4、p型半導体層5を順に積層させることによって形成される。ここでは、n型半導体層4はn型AlGaAs層であり、p型半導体層5はp型AlGaAs層である。
【0019】
この発光素子2の発光領域には、p型半導体層5上に、例えばIZO(Indium Zinc Oxide;酸化インジウム亜鉛)やITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)などの透明導電性材料からなる透明電極6が形成されている。また、この透明電極6上に、図1、図2に示すように、例えば金(Au)などの金属からなるp型半導体層用電極7(電極パッド)が形成されている。
【0020】
また、発光領域以外の領域、即ち、p型半導体層5が除去され、表面にn型半導体層4が露出している領域には、n型半導体層4上に、例えば金(Au)などの金属からなるn型半導体層用電極8(電極パッド)が形成されている。
そして、図1に示すように、p型半導体層用電極7及びn型半導体層用電極8に直流電源9が接続されており、発光素子2に電流を流すことができるようになっている。p型半導体層用電極7及びn型半導体層用電極8を介して発光素子2に電流を流すと、発光素子2は、pn接合界面で可視光を発光する。ここでは、例えば発光ピーク波長660nmの可視光が出射される。
【0021】
特に、本実施形態では、発光素子2は、p型半導体層用電極7及びn型半導体層用電極8を除き、テラヘルツ光を透過する材料によって形成されている。これにより、基板裏面側の光伝導性アンテナ素子3によって発生させたテラヘルツ光が発光素子2を透過して表面側から出射されるようになっている。
また、発光素子2の表面(特に、表面に露出したn型半導体層4の表面)は、例えば酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層24によって覆われている。特に、保護層24には、光伝導性アンテナ素子3と発光素子2との位置合わせを行なうのに用いる位置合わせ用マークが設けられている。
【0022】
一方、光伝導性アンテナ素子3は、図1、図3(A),(B)に示すように、光透過性基板1の裏面上に、光伝導層10を形成し、この光伝導層10上に光伝導性アンテナ11を形成することによって構成される。
本実施形態では、半導体基板1の裏面上に、光伝導層10として、光伝導性半導体層が形成されている。ここでは、光伝導性半導体層10は、低温成長GaAs層[LT(Low-Temperture)−GaAs層]である。
【0023】
そして、この光伝導性半導体層10上に、光伝導性アンテナ11として、例えばニッケル(Ni)、金(Au)などの金属からなるダイポールアンテナが形成されている。なお、光伝導性アンテナ11を、テラヘルツ光発生用光伝導性アンテナともいう。また、ダイポールアンテナ11を、テラヘルツ光発生用ダイポールアンテナともいう。
このように構成される光伝導性アンテナ素子3に、短パルスレーザ光を照射することよって、テラヘルツ光を発生させることができる。つまり、光伝導性アンテナ11としてのダイポールアンテナに直流電圧を印加した状態で、ダイポールアンテナ11の中心位置(中心部)にフェムト秒レーザからのレーザ光(ポンプ光)を照射することによって、基板側にテラヘルツ光を放射させることができる。なお、ダイポールアンテナ11には、外部に設けられた電源37(図5参照)から直流電圧が印加されるようになっている。
【0024】
そして、本実施形態では、図1に示すように、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とは、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ設けられている。このように、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とを一体形成するようにし、製造段階で、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3との位置合わせを行なうことで、テラヘルツ光と可視光とが光軸が一致した状態で出射されるようにしている。これにより、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、アライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
【0025】
なお、可視光の光軸を、可視光の放射軸、あるいは、発光素子2の出射光軸ともいう。また、テラヘルツ光の光軸を、テラヘルツ光の放射軸、あるいは、光伝導性アンテナ素子3の出射光軸ともいう。
次に、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
【0026】
なお、発光素子2は、pn接合型発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であり、その一般的な製造方法を説明する。
まず、図4(A),(B)に示すように、半絶縁性ガリウム砒素[SI(Semi-insulating)−GaAs]基板1の表面上に、例えばテルル(Te)を僅かに加えたn型AlGaAs層4を、例えば約0.2μm結晶成長させる。これにより、n型半導体層4が形成される。
【0027】
次いで、例えば亜鉛(Zn)を僅かに加えたp型AlGaAs層5を、例えば約0.2μm結晶成長させる。これにより、p型半導体層5が形成される。
なお、結晶成長方法は、液相成長法(LPD:Liquid Phase Deposition)、気相成長法(VPE:Vapor Phase Epitaxy)、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などを用いれば良い。
【0028】
次に、例えば250μm×250μm程度の発光領域を覆うようにフォトレジストマスク(図示省略)を形成した後、図4(C)に示すように、例えばドライエッチングによって、発光領域以外のp型半導体層5を除去する。
次いで、発光領域上に開口部を有するレジストマスク(図示省略)を形成した後、例えばIZO(酸化インジウム亜鉛)やITO(酸化インジウムスズ)などの透明導電性材料を、例えば蒸着又はスパッタリングなどで約0.2μm成膜し、リフトオフする。これにより、図4(D)に示すように、発光領域のp型半導体層5上に、250μm×250μmの透明電極6(図2参照)が形成される。
【0029】
次に、同様のリフトオフ工程によって、図4(E)に示すように、例えば、金(Au)などの金属からなり、50μm×50μm程度のn型半導体層用電極8及びp型半導体層用電極7(約0.2μm厚;図2参照)を形成する。
次いで、図4(E)に示すように、例えば酸化マグネシウム(MgO)を例えばスパッタリングなどによって約0.2μm成膜して、保護層24を形成する。この保護層24には、素子から十分に離れた位置に位置合わせ用マーク(図示省略)が形成されている。
【0030】
そして、n型半導体層用電極8、p型半導体層用電極7、及び、発光領域(透明電極6)上に開口部を有するレジストマスク(図示省略)を形成する。そして、図4(F)に示すように、エッチングによって、n型半導体層用電極8、p型半導体層用電極7、及び、発光領域(透明電極6)上の保護層24を除去する。
このようにして、テラヘルツ光を透過する光透過性基板1としてのSI−GaAs基板の表面側に、可視光を発光する発光素子2を形成する。つまり、可視光を発光する発光素子2(発光ピーク波長660nm)が形成される。
【0031】
次に、図4(F)に示すように、SI−GaAs基板1の裏面上に、例えば分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)によって、例えば300℃程度の低温にてGaAs層10を約1.5μm結晶成長させた後、例えば600℃程度で熱処理を施す。これにより、低温成長GaAs層(LT−GaAs層)10が形成される。
次いで、図4(G)に示すように、例えばニッケル(Ni)、金(Au)などの金属によって、図3(A),(B)に示すようなテラヘルツ光発生用ダイポールアンテナ(光伝導性アンテナ)11を、例えばリフトオフなどによって形成する。
【0032】
この際、両面位置決め機能付きマスクアライナによって、上述のようにして発光素子2の保護層24に形成された位置合わせ用マークを基準にして、テラヘルツ光発生用ダイポールアンテナ11と発光素子2の中心位置(発光中心;発光点)を合わせる。
このようにして、テラヘルツ光を透過する光透過性基板1としてのSI−GaAs基板の裏面側に、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子3を形成する。
【0033】
これにより、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とを備えるテラヘルツ光発生器が製造される。
ところで、上述のように構成されるテラヘルツ光発生器を用いて、テラヘルツ光学系、例えば図5に示すようなテラヘルツ時間領域分光法実験系を構築することができる。
テラヘルツ時間領域分光法実験系は、例えば図5に示すように、上述のように構成されるテラヘルツ光発生器30、フェムト秒レーザ31、発生器側の2つの非軸放物面鏡32,33、検出器側の2つの非軸放物面鏡34,35、テラヘルツ光検出器36等を備える。
【0034】
そして、テラヘルツ光発生器30の光伝導性アンテナ素子3に電源37から電圧を印加した状態で、フェムト秒レーザ31からのレーザ光を、ビームスプリッタ38、ミラー39及び集光レンズ40を介して、テラヘルツ光発生器30の光伝導性アンテナ素子3に照射する。これにより、テラヘルツ光発生器30の光伝導性アンテナ素子3からテラヘルツ光が放射される。
【0035】
また、テラヘルツ光発生器30から出射されたテラヘルツ光は、2つの非軸放物面鏡32,33によって、平行光にされた後、被測定物41の集光位置に集光される。被測定物41を透過したテラヘルツ光は、2つの非軸放物面鏡34,35によって、平行光にされた後、テラヘルツ光検出器36に集光される。テラヘルツ光検出器36からの検出値は、電流アンプ48、ロックインアンプ49などを含む信号処理回路を経て、コンピュータ50へ送られ、被測定物41の特性等が求められる。
【0036】
また、テラヘルツ光検出器36においてテラヘルツ光の検出に必要なキャリアを発生させるために、フェムト秒レーザ31からのレーザ光を、ビームスプリッタ38、ミラー42、可動ミラー43、ミラー44、ミラー45、ミラー46、及び、集光レンズ47を介して、テラヘルツ光検出器36に入射させるようにしている。
そして、上述のように構成されるテラヘルツ光発生器を用いる場合、このようなテラヘルツ光学系、例えば図5に示すようなテラヘルツ時間領域分光法実験系を構築する際に、以下のようにしてアライメントを行なうことができる。
【0037】
まず、光伝導性アンテナ11としてのダイポールアンテナに、例えば10Vの直流電圧を印加した状態で、ダイポールアンテナ11の中心部にフェムト秒レーザからの例えば波長800nmのレーザ光を例えば平均出力20mW程度で照射する。これにより、SI−GaAs基板1側にテラヘルツ光が放射される。
この場合、発光素子2を構成している材料は、n型半導体層用電極8及びp型半導体層用電極7を除き、テラヘルツ光に透過性を有する材料であるため、テラヘルツ光は発光素子2を透過して出射されることになる。
【0038】
一方、発光素子2に、例えば20mA程度の電流を流すことにより、発光素子2から例えば発光ピーク波長660nmの可視光が出射される。製造段階で光伝導性アンテナ素子3と発光素子2との位置合わせを行なっているため、テラヘルツ光と可視光とが光軸が一致した状態で出射されることになる。
このため、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、テラヘルツ光学系のアライメントを行なうことができる。つまり、テラヘルツ光発生器のアライメントを含め、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわなくても良くなる。
【0039】
このように、上述のように構成されるテラヘルツ光発生器を用いることで、テラヘルツ光学系、例えば図5に示すようなテラヘルツ時間領域分光法実験系を構築する際のアライメントが容易になり、また、アライメントを効率良く、かつ、精度良く行なえるようになる。つまり、テラヘルツ光と一致した光軸を有する可視光を基準光として用いることで、テラヘルツ光学系を構築する際のアライメントを容易に行なえるようになり、また、アライメントを効率良く、かつ、精度良く行なえるようになる。
【0040】
したがって、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法によれば、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるという利点がある。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法について、図6を参照しながら説明する。
【0041】
本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器は、上述の第1実施形態(図1参照)のものに対し、発光素子が円環状発光素子2Aである点で異なる。
つまり、本テラヘルツ光発生器は、図6(A),(B)に示すように、発光素子として、テラヘルツ光が放射される領域に開口部2aを有する円環状発光素子2Aを備えるテラヘルツ光発生素子12Aと、直流電源9とを備える。なお、図6では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。また、図6では直流電源9は省略している。
【0042】
本実施形態では、円環状発光素子2Aの中心位置(発光中心;発光点)に、光伝導性アンテナ11としてのダイポールアンテナの中心位置(発光中心;発光点)が位置するように、円環状発光素子2Aと光伝導性アンテナ素子3とが設けられている。つまり、発光素子2Aと光伝導性アンテナ素子3とは、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ設けられている。つまり、発光素子2Aと光伝導性アンテナ素子3とを一体形成するようにし、製造段階で、発光素子2Aと光伝導性アンテナ素子3との位置合わせを行なうことで、テラヘルツ光と可視光とが光軸が一致した状態で出射されるようにしている。これにより、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、アライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
【0043】
ここで、円環状発光素子2Aの開口部2aの直径(円環状発光素子の内径)は、テラヘルツ光のGaAs基板1から空気へ通る際の臨界角をθc(約17度)、GaAs基板1+LT−GaAS層10+n型半導体層4+p型半導体層5+透明電極6の厚さをdとすると、(d×tanθc)よりも広いことが望ましい。
このように構成することで、光伝導性アンテナ素子3から放射されたテラヘルツ光は、円環状発光素子2Aの開口部2aを通って出射されることになる。
【0044】
このように、光伝導性アンテナ素子3から放射されたテラヘルツ光の光路上に発光素子2Aが存在しない。つまり、テラヘルツ光は発光素子2Aを透過しない。これにより、テラヘルツ光が発光素子2Aによって反射又は吸収されないようにすることができる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0045】
したがって、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法によれば、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるという利点がある。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法について、図7を参照しながら説明する。
【0046】
本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器は、上述の第1実施形態(図1参照)のものに対し、図7に示すように、さらに放物面鏡13を備える点が異なる。
つまり、本テラヘルツ光発生器は、図7に示すように、その内部に、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ発光素子2及び光伝導性アンテナ素子3を備えるテラヘルツ光発生素子12と、直流電源9と、放物面鏡13とを備える。なお、図7では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。また、図7では直流電源9は省略している。
【0047】
そして、放物面鏡13は、その焦点が、光伝導性アンテナ素子3の発光重心(発光中心)と発光素子2の発光重心(発光中心)との中点と一致するように設けられている。つまり、放物面鏡13は、可視光の発光点(放射点)とテラヘルツ光の放射点(発光点)との中点と放物面の焦点とが一致するように設けられている。
ここで、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とは、上述の第1実施形態の場合と同様に、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ設けられている。つまり、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とを一体形成するようにし、製造段階で、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3との位置合わせを行なうことで、テラヘルツ光と可視光とが光軸が一致した状態で出射されるようにしている。
【0048】
そして、テラヘルツ光は、光伝導性アンテナ素子3の発光中心を点光源として放射される。また、可視光も、指向性はあるものの、発光素子2の発光重心から広がって放射される。
本実施形態では、テラヘルツ光発生器の内部に放物面鏡13を設けることで、テラヘルツ光発生器から放射されるテラヘルツ光及び可視光をいずれもほぼ平行光にするようにしている。もちろん、テラヘルツ光発生素子12から出射される時にテラヘルツ光と可視光とが同軸上にあるため、放物面鏡(反射鏡)13によって反射されたテラヘルツ光及び可視光も同軸上にあることになる。
【0049】
このため、上述の第1実施形態で説明したテラヘルツ時間領域分光法実験系(図5参照)を構築するのに、発生器側の1つの非軸放物面鏡32は不要となる。これにより、テラヘルツ時間領域分光法実験系を構築する際に、テラヘルツ光発生器から出射されたテラヘルツ光を平行光にするためのアライメントが不要となり、アライメントが容易になる。
また、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、テラヘルツ光学系のアライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
【0050】
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法によれば、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるという利点がある。
[第4実施形態]
第4実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法について、図8を参照しながら説明する。
【0051】
本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器は、上述の第1実施形態(図1参照)のものに対し、図8に示すように、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3が設けられている位置、及び、さらに2つの反射鏡14,15を備える点が異なる。
本テラヘルツ光発生器は、図8に示すように、その内部に、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ発光素子2及び光伝導性アンテナ素子3を備えるテラヘルツ光発生素子12と、直流電源9と、第1反射鏡14と、第2反射鏡15とを備える。なお、図8では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
【0052】
特に、本実施形態では、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが基板1に平行な方向にずれるように、光伝導性アンテナ素子3の近傍に発光素子2が設けられている。つまり、発光素子2は、テラヘルツ光が放射される領域以外の領域に設けられている。このため、テラヘルツ光が放射される領域は、発光素子2が形成されていない領域となる。
ここで、発光素子2が形成されていない領域は、テラヘルツ光のGaAs基板1から空気へ通る際の臨界角をθc(約17度)、GaAs基板1+LT−GaAS層10+n型半導体層4+p型半導体層5+透明電極6の厚さをdとして、光伝導性アンテナ素子3の中心位置(発光中心;発光点)を中心とした半径(d×tanθc)の円よりも広い領域とするのが望ましい。
【0053】
このように構成することで、光伝導性アンテナ素子3から放射されたテラヘルツ光は、発光素子2が形成されていない領域を通って出射されることになる。
このように、光伝導性アンテナ素子3から放射されたテラヘルツ光の光路上に発光素子2が存在しない。つまり、テラヘルツ光は発光素子2を透過しない。これにより、テラヘルツ光が発光素子2によって反射又は吸収されないようにすることができる。
【0054】
また、第1反射鏡14及び第2反射鏡15は、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように、テラヘルツ光発生素子12の近傍に設けられている。
ここで、第2反射鏡15は、テラヘルツ光に対して透過性を有し、かつ、可視光の反射率が高い材料、例えば、高抵抗シリコン(Si)からなるものとする。第1反射鏡14は、可視光の反射率が高い材料からなるものであれば良い。
【0055】
これにより、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、テラヘルツ光学系のアライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
次に、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器の製造方法について、図9を参照しながら説明する。
まず、上述の第1実施形態の場合と同様の方法で、図9(A),(B)に示すように、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ発光素子2及び光伝導性アンテナ素子3を備えるテラヘルツ光発生素子12を作製する。
【0056】
但し、本実施形態では、光伝導性アンテナ素子3の直上及びその近傍の領域には、発光素子2を形成しないようにする。これにより、光伝導性アンテナ素子3から放射されるテラヘルツ光の発光素子2による反射又は吸収の影響を低減することができる。
次に、上述のようにして作製したテラヘルツ光発生素子の近傍に、第1反射鏡14及び第2反射鏡15を配置する。
【0057】
つまり、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが一致するように、第1反射鏡14及び第2反射鏡15の位置調整を行なって、テラヘルツ光発生素子12の近傍に第1反射鏡14及び第2反射鏡15を配置する。
本実施形態では、発光素子2と光伝導性アンテナ素子3とは同一基板1上に形成されている。また、発光素子2から出射される可視光及び光伝導性アンテナ素子3から出射されるテラヘルツ光は、いずれも、基板表面に対して垂直な方向へ出射される。このため、発光素子2から出射される可視光の光軸と、光伝導性アンテナ素子3から出射されるテラヘルツ光の光軸とは平行になる。
【0058】
そこで、第1反射鏡14を、発光素子2から出射される可視光の光路上に、基板表面に対して45度傾けて配置すれば、発光素子2から出射される可視光を、基板表面に対して平行な方向へ反射させることができる。そして、第2反射鏡15は、光伝導性アンテナ素子3から出射されるテラヘルツ光の光路上に、基板表面に対して45度傾けて配置すれば、第1反射鏡14によって反射されてきた可視光を、基板表面に対して垂直な方向へ反射させることができる。
【0059】
また、第2反射鏡15によって反射された可視光の光軸が光伝導性アンテナ素子3の中心位置(発光中心;発光点)に一致するように、第2反射鏡15の位置を調整する。この場合、第2反射鏡15を回転させるようにし、発光素子3からの可視光を用いて第2反射鏡15の位置調整を行なっても良いし、別途設けられた可視光源からの可視光を用いて第2反射鏡15の位置調整を行なっても良い。
【0060】
このようにして、第1反射鏡14及び第2反射鏡15の位置調整を行なうことで、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するようにすることができる。これにより、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、アライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
したがって、本実施形態にかかるテラヘルツ光発生器及びその製造方法によれば、テラヘルツ光検出器の検出信号の強度を確認しながら調整を繰り返すという作業を行なわずに、テラヘルツ光学系のアライメントを容易に行なえるという利点がある。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した具体的な構成や条件等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0062】
例えば、上述の各実施形態及び変形例では、発光素子2,2Aを、半導体基板1の表面上に、n型半導体層4、p型半導体層5を順に積層させることによって形成しているが、これに限られるものではなく、例えば、n型半導体層4とp型半導体層5との間に発光層を設けても良い。
また、例えば、可視光を発光する発光素子2,2Aとして、AlGaAsを主材料とするLEDを用いる場合を例に挙げて説明したが、例えば、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)、ガリウム砒素リン(GaAsP)、ガリウムリン(GaP)、インジウムガリウム窒素(InGaN)などの他の化合物半導体材料を主材料として用いて、可視光を発光する発光素子を構成しても良い。この場合も、テラヘルツ光に対して透過性を有する発光素子を構成することができる。なお、この場合、材料に応じた適切な結晶成長方法を採用すれば良い。
【0063】
また、例えば、上述の各実施形態では、発光素子2,2Aを、n型半導体層用電極8及びp型半導体層用電極7を除き、テラヘルツ光に透過性を有する材料を用いて構成しているが、上述の第2実施形態及び第4実施形態では、発光素子2,2Aを、テラヘルツ光に透過性を有する材料を用いて構成しなくても良い。つまり、上述の第2実施形態及び第4実施形態の構成の場合、発光素子2,2Aを、テラヘルツ光を透過しない材料によって形成しても良い。
【0064】
また、例えば、上述の第4実施形態の構成において、図10に示すように、LED(面型発光素子)の代わりに、半導体レーザ16を形成しても良い。半導体レーザ16としては、例えば、GaAs活性層17をn型AlGaAsクラッド層(n型半導体層)18とp型AlGaAsクラッド層(p型半導体層)19とで挟んだダブルヘテロ接合型半導体レーザを形成すれば良い。この場合、半絶縁性半導体基板(光透過性基板)1上に、n型半導体層用電極20、n型半導体層18、活性層17、p型半導体層19、及び、p型半導体層用電極21を順に積層して、半導体レーザ16を形成することになる。なお、符号24は保護層である。
【0065】
この場合、上述の第4実施形態の構成において、第1反射鏡14及び第2反射鏡15に代えて、1枚の反射鏡22をテラヘルツ光発生素子23の近傍に設ければ良い。この場合、反射鏡22は、テラヘルツ光に対して透過性を有し、かつ、可視光の反射率が高い材料からなるものとすれば良い。
発光素子として半導体レーザ16を用いる場合、半導体レーザ16から放射される可視光は、基板表面に対して平行な方向に出射される。このため、反射鏡22を、この基板表面に対して平行な方向に出射される可視光の光路上に、基板表面に対して約45度傾けて配置すれば、可視光を基板表面に対して垂直な方向へ反射させることができる。また、反射鏡22によって反射された可視光の光軸が光伝導性アンテナ素子3の中心位置(発光中心;発光点)に一致するように、上述の第4実施形態と同様に、反射鏡22の位置を調整する。このようにして、反射鏡22の位置調整を行なうことで、可視光の光軸とテラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するようにすることができる。これにより、テラヘルツ光と同軸上に存在している可視光を基準として、アライメントを、効率良く、かつ、精度良く行なうことが可能となる。
【0066】
また、上述の第3実施形態は、上述の第1実施形態の変形例として説明しているが、上述の第2実施形態の変形例として構成することもできる。つまり、上述の第2実施形態のものと上述の第3実施形態のものとを組み合わせることもできる。この場合、テラヘルツ光発生器は、その内部に、同一基板1の表面側及び裏面側にそれぞれ円環状発光素子2A及び光伝導性アンテナ素子3を備えるテラヘルツ光発生素子12Aと、放物面鏡13とを備えるものとなる。
【0067】
なお、テラヘルツ光は、バイオ・メディカル分野、安全・防犯分野、農業分野、工業分野、環境分野、宇宙分野、情報通信分野での利用が期待されている。このため、上述の各実施形態及び変形例におけるテラヘルツ光検出器は、それらの分野において光学系を構築する際に利用され、光学系構築工数を短縮できる。
【符号の説明】
【0068】
1 光透過性基板(半絶縁性GaAs基板)
2 発光素子
2A 円環状発光素子
2a 開口部
3 光伝導性アンテナ素子
4 n型半導体層(n型AlGaAs層)
5 p型半導体層(p型AlGaAs層)
6 透明電極
7 p型半導体層用電極
8 n型半導体層用電極
9 直流電源
10 光伝導層(光伝導性半導体層;低温成長GaAs層)
11 光伝導性アンテナ(ダイポールアンテナ)
12 テラヘルツ光発生素子
13 放物面鏡
14 第1反射鏡
15 第2反射鏡
16 半導体レーザ
17 活性層(GaAs活性層)
18 n型半導体層(n型AlGaAsクラッド層)
19 p型半導体層(p型AlGaAsクラッド層)
20 n型半導体層用電極
21 p型半導体層用電極
22 反射鏡
23 テラヘルツ光発生素子
30 テラヘルツ光発生器
31 フェムト秒レーザ
32,33 非軸放物面鏡
34,35 非軸放物面鏡
36 テラヘルツ光検出器
37 電源
38 ビームスプリッタ
39,42,44,45,46 ミラー
40,47 集光レンズ
41 被測定物
43 可動ミラー
48 電流アンプ
49 ロックインアンプ
50 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ光を透過する光透過性基板と、
前記光透過性基板の第1の面に形成され、可視光を発光する発光素子と、
前記光透過性基板の第2の面に形成され、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子とを備えることを特徴とするテラヘルツ光発生器。
【請求項2】
前記発光素子と前記光伝導性アンテナ素子とは、前記可視光の光軸と前記テラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように設けられていることを特徴とする、請求項1記載のテラヘルツ光発生器。
【請求項3】
前記発光素子は、前記テラヘルツ光が放射される領域に開口部を有する円環状発光素子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ光発生器。
【請求項4】
前記可視光の発光点と前記テラヘルツ光の放射点との中点と放物面の焦点とが一致するように設けられた放物面鏡を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ光発生器。
【請求項5】
前記発光素子は、前記テラヘルツ光が放射される領域以外の領域に設けられており、
前記可視光の光軸と前記テラヘルツ光の光軸とが同軸上に位置するように設けられた反射鏡を備えることを特徴とする、請求項1記載のテラヘルツ光発生器。
【請求項6】
テラヘルツ光を透過する光透過性基板の第1の面に、可視光を発光する発光素子を形成し、
前記光透過性基板の第2の面に、テラヘルツ光を発生させる光伝導性アンテナ素子を形成することを特徴とするテラヘルツ光発生器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−53529(P2011−53529A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203650(P2009−203650)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】