説明

テラヘルツ波発生検出装置及びテラヘルツ波伝播装置

【課題】テラヘルツ波を伝播させるテラヘルツ波伝播装置において、複数の放物面鏡を用いてコリメート及び集光する際に、従来の技術より少ない数の放物面鏡を用いてテラヘルツ波の伝播が可能なテラヘルツ波伝播装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るテラヘルツ波伝播装置200においては、テラヘルツ波発生部107からの入射テラヘルツ波108は、放物面鏡201によってコリメートされる。さらにコリメートされた入射テラヘルツ波108は放物面鏡203で集光され、被測定物109に入射する。被測定物109から出射された出射テラヘルツ波110は、放物面鏡203によってコリメートされる。コリメートされた出射テラヘルツ波110は放物面鏡202で集光され、テラヘルツ波検出部111に入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物にテラヘルツ波を入射し、被測定物で反射されたテラヘルツ波を測定する装置において、テラヘルツ波を伝播させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定物にテラヘルツ波を入射し、被測定物で反射されたテラヘルツ波を測定することによって、被測定物のテラヘルツ波応答特性(例えば、複素屈折率、複素誘電率等)を測定することができることが知られている。テラヘルツ波は、放物面鏡を用いてコリメート及び集光を行うことによって、テラヘルツ波発生部から被測定物、また被測定物からテラヘルツ波検出部の間の空間を伝播することができる。
【0003】
特許文献1に記載されているテラヘルツ波発生検出装置800の模式図を図9に示す。図9では、テラヘルツ波発生部801から出射されたテラヘルツ波は、楕円面鏡802で反射され、被測定物803に入射する。さらに、被測定物803を透過したテラヘルツ波は、楕円面鏡804で反射され、テラヘルツ波検出部805に入射する。楕円面鏡を用いると、入射側の焦点と出射側の焦点の位置がそれぞれ一意に決まる。したがって、例えば、テラヘルツ波発生部801の位置を変えると、楕円面鏡802、被測定物803、楕円面鏡804及びテラヘルツ波検出部805の全ての位置に影響する。そのため、テラヘルツ光学系のアライメントが難しい。また、固定された被測定物803上で測定対象とする位置を変えたい場合には、テラヘルツ波発生部801、楕円面鏡802、楕円面鏡804及びテラヘルツ波検出部805の全ての位置を変える必要がある。
【0004】
特許文献2に記載されているテラヘルツ波発生検出装置900の模式図を図10に示す。図10では、テラヘルツ波発生部901により発生されたテラヘルツ波は、第1の軸外し放物面鏡902でコリメートされた後、第2の軸外し放物面鏡903で集光され、被測定物904に入射する。さらに、被測定物904により反射されたテラヘルツ波は、第3の軸外し放物面鏡905でコリメートされた後、第4の軸外し放物面鏡906で集光され、テラヘルツ波検出部907に入射する。この構成によれば、第1の軸外し放物面鏡902と第2の軸外し放物面鏡903との間、及び第3の軸外し放物面鏡905と第4の軸外し放物面鏡906との間では、コリメート光が伝播されるため、各放物面鏡間の距離を変えることができる。そのため、特許文献1に記載の構成に比べて、テラヘルツ光学系のアライメントが容易である。しかしながら、特許文献2においては、テラヘルツ波の伝播のために、4つの軸外し放物面鏡が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−057407号公報
【特許文献2】特開2010−156544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術は、少ない部品数での構成が可能であるが、楕円面鏡を用いているため、テラヘルツ光学系のアライメントが難しい。一方、特許文献2に開示された技術は、テラヘルツ波を放物面鏡によってコリメート及び集光して伝播させるため、4つの放物面鏡を必要とする。
【0007】
本発明の目的は、テラヘルツ波を放物面鏡によってコリメート及び集光して伝播させるテラヘルツ波伝播装置において、より少ない数の放物面鏡を用いてテラヘルツ波の伝播が可能なテラヘルツ波伝播装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、テラヘルツ波伝播装置であって、第1のテラヘルツ波をコリメートするための第1の放物面鏡と、前記第1の放物面鏡に対向して設けられ、前記第1の放物面鏡によりコリメートされた前記第1のテラヘルツ波を集光して被測定物に入射し、前記第1のテラヘルツ波が入射された前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波をコリメートするための第2の放物面鏡と、前記第2の放物面鏡に対向して設けられ、前記第2の放物面鏡によりコリメートされた前記第2のテラヘルツ波を集光するための第3の放物面鏡と、を備え、前記第2の放物面鏡は、前記第1の放物面鏡及び前記第3の放物面鏡よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様は、テラヘルツ波発生検出装置であって、被測定物に入射するテラヘルツ波を発生するためのテラヘルツ波発生手段と、前記被測定物から出射されるテラヘルツ波を検出するためのテラヘルツ波検出手段と、テラヘルツ波をコリメート及び集光することで伝播するためのテラヘルツ波伝播装置と、を備え、前記テラヘルツ波伝播装置は、前記テラヘルツ波発生手段で発生される第1のテラヘルツ波をコリメートするための第1の放物面鏡と、前記第1の放物面鏡に対向して設けられ、前記第1の放物面鏡によりコリメートされた前記第1のテラヘルツ波を集光して前記被測定物に入射し、前記第1のテラヘルツ波が入射された前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波をコリメートするための第2の放物面鏡と、前記第2の放物面鏡に対向して設けられ、前記第2の放物面鏡によりコリメートされた前記第2のテラヘルツ波を集光して前記テラヘルツ波検出手段に入射するための第3の放物面鏡と、を有し、前記第2の放物面鏡は、前記第1の放物面鏡及び前記第3の放物面鏡よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つの放物面鏡と該放物面鏡より小さい2つの放物面鏡とを用いることにより、入射されるテラヘルツ波をコリメート及び集光して被測定物に入射し、さらに被測定物から反射されるテラヘルツ波をコリメート及び集光して出射することができる。これにより、従来技術に比べて、放物面鏡の数及び放物面鏡を取り付ける部材の数を削減することができ、さらに装置の製造工程の削減も可能になるため、装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波発生検出装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の上面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波伝播装置の側面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る、テラヘルツ波発生検出装置の概略図である。
【図9】従来のテラヘルツ波発生検出装置の概略図である。
【図10】従来のテラヘルツ波発生検出装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0013】
各図中の破線は、パルス光及びテラヘルツ波の伝播経路を模式的に表すものである。また、各図中の矢印は、パルス光及びテラヘルツ波を進行方向と共に模式的に表すものである。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るテラヘルツ波伝播装置200を含むテラヘルツ波発生検出装置100の概略図である。ここで、テラヘルツ波発生検出装置とは、被測定物にテラヘルツ波を入射して、被測定物のテラヘルツ波応答特性(例えば、被測定物の複素屈折率、複素誘電率等)を検出する装置を指す。テラヘルツ波伝播装置とは、入射されるテラヘルツ波を伝播して被測定物に入射し、さらに被測定物で反射されるテラヘルツ波を伝播して出射するための装置を指す。
【0015】
なお、本発明の独自の構成は、テラヘルツ波伝播装置200にある。したがって、テラヘルツ波発生検出装置100のうち、テラヘルツ波伝播装置200以外の部分、つまりテラヘルツ波を発生する部分及びテラヘルツ波を検出する部分は、本発明の本質ではない。テラヘルツ波伝播装置200以外の部分は、本明細書に記載する装置構成に限らず、テラヘルツ波の発生及び検出が可能でさえあれば、任意の装置構成が適用できる。
【0016】
テラヘルツ波発生検出装置100は、レーザ発振器101と、レーザ発振器101により発生された光パルス102をポンプ光103とプローブ光104に分割するスプリッタ105とを有する。
【0017】
レーザ発振器101として、Erドープファイバレーザ、Ybドープファイバレーザ、チタンサファイアレーザ等、目的とするテラヘルツ波を発生するためのパルス光が生成できる任意のレーザ発振器を用いることができる。Erドープファイバレーザを用いる場合は、例えばパルス幅17fs、繰り返し周波数50MHz、平均強度110mWのパルス光を発生する。
【0018】
レーザ発振器101により発生された光パルス102は、スプリッタ105に入射される。スプリッタ105は、光パルス102を、ポンプ光103とプローブ光104とに分割し、2方向に出射する。
【0019】
スプリッタ105からポンプ光103が分割されて出射される側には、強度変調器106が設けられる。強度変調器106は、ポンプ光103の強度変調を行って出射し、それと共に同期検波のための参照信号114をロックインアンプ115に出力する。強度変調器106として、チョッパ、音響光学素子(AOM)や電気光学変調器(EOM)等を用いることができる。
【0020】
強度変調器106から変調されたポンプ光103が出射される側には、テラヘルツ波発生部107が設けられる。テラヘルツ波発生部107は、強度変調器106により変調されたポンプ光103を受けて、入射テラヘルツ波108を発生する。テラヘルツ波発生部107として、DAST結晶等、テラヘルツ波が発生可能な非線形結晶を用いてもよいし、低温成長GaAs光伝導アンテナデバイス等の光伝導アンテナデバイスを用いてもよい。
【0021】
テラヘルツ波発生部107からテラヘルツ波が出射される側には、テラヘルツ波伝播装置200が設けられる。テラヘルツ波発生部107により発生された入射テラヘルツ波108は、テラヘルツ波伝播装置200を介して、支持面116に固定される被測定物109に入射する。さらに入射テラヘルツ波108は、被測定物109で反射され、出射テラヘルツ波110として出射される。出射テラヘルツ波110は、テラヘルツ波伝播装置200を介してテラヘルツ波検出部111に入射する。
【0022】
スプリッタ105からプローブ光104が分割されて出射される側には、光学遅延部112が設けられる。光学遅延部112は、例えば、駆動部により駆動可能なミラーを有しており、上記駆動部を駆動させることにより、プローブ光104に所定の遅延を付与するようにミラーを移動させることができる。すなわち、テラヘルツ波の測定を行う際には、光学遅延部112を駆動しながらポンプ光103とプローブ光104との時間差を調整する。なお、本実施形態では1台のレーザ発振器101からの光パルスを2つに分割し、遅延させる構成にしているが、2台のレーザ発振器からそれぞれ異なる繰り返し周波数を持つ光パルスを発生させ、非同期サンプリングを行う構成にしてもよい。その場合には、駆動部を省略した構成にすることが可能となる。
【0023】
光学遅延部112から遅延されたプローブ光104が出射される側には、テラヘルツ波検出部111が設けられる。テラヘルツ波検出部111は、光学遅延部112により遅延されたプローブ光104と被測定物109から出射される出射テラヘルツ波110とを受けて、電流信号113を出力する。テラヘルツ波検出部111として、低温成長GaAs光伝導アンテナデバイス等の光伝導アンテナデバイスを用いてもよいし、非線形結晶を用いてEO検出を行ってもよい。
【0024】
ロックインアンプ115は、強度変調器106及びテラヘルツ波検出部111に接続され、強度変調器106から出力される参照信号114とテラヘルツ波検出部111から出力される電流信号113とを受けて同期検波を行うことにより、被測定物109のテラヘルツ波応答特性を検出する。テラヘルツ波検出部111とロックインアンプ115の間に、電流信号113を増幅するための電流増幅器を設けることが好ましい。なお、本実施形態においては高感度検出を目的としてロックインアンプを用いているが、電流信号が十分に強い場合、又はスキャン速度が十分に大きい場合には、ロックインアンプを用いず、電流信号を直接検出してもよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係るテラヘルツ波伝播装置200の上面図である。図3は、図2に示すテラヘルツ波伝播装置200をA−A線から見た側面図である。図4は、図2に示すテラヘルツ波伝播装置200の立体配置を示すための斜視図である。
【0026】
テラヘルツ波伝播装置200は、放物面鏡201と、放物面鏡202と、該放物面鏡201及び該放物面鏡202より大きい放物面鏡203と、を含む。テラヘルツ波発生部107からの入射テラヘルツ波108は、放物面鏡201によってコリメートされる。さらにコリメートされた入射テラヘルツ波108は放物面鏡203で集光され、被測定物109に入射する。入射テラヘルツ波108は被測定物109で反射され、出射テラヘルツ波110として出射される。被測定物109は、放物面鏡203によって入射テラヘルツ波108が集光されて入射される位置に備えられる支持面116上に固定される。
【0027】
被測定物109からの出射テラヘルツ波110は、放物面鏡203によってコリメートされる。さらにコリメートされた出射テラヘルツ波110は放物面鏡202で集光され、テラヘルツ波検出部111に入射する。
【0028】
放物面鏡201、放物面鏡202及び放物面鏡203は、軸外し放物面鏡である。放物面鏡201は、放物面鏡203に対して、互いの反射面が向き合うように配置される。放物面鏡202は、放物面鏡203に対して、互いの反射面が向き合うように配置される。放物面鏡201からの入射テラヘルツ波は、放物面鏡203の中心点Zを通らない位置に入射するように配置される。この構成により、放物面鏡201からの入射テラヘルツ波108は、放物面鏡203の中心点Zを通らない部分において集光され、被測定物109に対して0度より大きい入射角をもって入射する。つまり、支持面116の法線Nと入射ヘルツ108とのなす角度は、0度より大きい。被測定物109の測定対象箇所が平面であれば、入射テラヘルツ波108は、被測定物109上で入射角と同じ反射角で反射されて出射テラヘルツ波110として出射され、放物面鏡203上の入射時とは別の部分(つまり、放物面鏡203の反射面上で中心点Zについて反対側の部分)においてコリメートされる。この構成を実現するために、放物面鏡202の大きさは、放物面鏡201からのコリメート光を入射し、かつ放物面鏡203へのコリメート光を出射するために十分な大きさ(例えば、放物面鏡202の直径は放物面鏡201の直径と放物面鏡203の直径との和よりも大きい)であることが望ましい。
【0029】
放物面鏡203と、放物面鏡201及び放物面鏡202との間には、ポンプ光を除去するためのフィルタを設けてもよい。例えば、フィルタにはゲルマニウム基板、ブラックポリエチレン等を用いることができる。フィルタを設けることにより、被測定物109又はテラヘルツ波検出部111にポンプ光が入射されて破壊されたり、ポンプ光により雑音が発生したりすることを防ぐ又は低減することができる。
【0030】
各構成要素は、放物面鏡203が、テラヘルツ波発生部107からの入射テラヘルツ波108を、放物面鏡201を介して被測定物109の測定対象箇所に入射し、さらに出射される出射テラヘルツ波110を、放物面鏡202を介してテラヘルツ波検出部111に入力できるように配置する必要がある。各構成要素の配置は、軸外し放物面鏡の反射方向を基に、幾何光学を用いて計算するか、又は光線解析ソフトを用いることによって、決定してもよい。各構成要素の配置は、光路を調べるための実験を行うことによって、決定してもよい。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態においては、放物面鏡203を回転可能に構成することができる。本実施形態では、図5に示すように、テラヘルツ波伝播装置200が、回転部204をさらに備え、回転部204によって放物面鏡203が回転軸X及び回転量Yで回転される。回転部204は、回転軸Xの向き及び回転量Yが可変であれば任意の手段(例えば、アクチュエーター)が使用できる。図6は、放物面鏡203が回転された後の状態の一例を示すテラヘルツ波伝播装置300の上面図である。また、図7は、図6に示すテラヘルツ波伝播装置300をB−B線から見た側面図である。なお、図6においては、被測定物309は手前側に位置するため図示されないことを理解されたい。
【0032】
テラヘルツ波伝播装置300は、放物面鏡201と、放物面鏡202と、該放物面鏡201及び該放物面鏡202より大きい回転後の放物面鏡303とを含む。図6及び図7において、回転後の放物面鏡303は、図2の放物面鏡203が回転された後の状態を示す。テラヘルツ波発生部107、テラヘルツ波検出部111、放物面鏡201及び放物面鏡202は、図2と同じ状態である。被測定物309は、回転後の放物面鏡303によって入射テラヘルツ波108が集光されて入射される位置に備えられる支持面216上に固定される。回転前の支持面116と回転後の支持面216とは、回転の前後の状態に対応する別々の位置に設けられてもよいし、回転前の支持面116の位置から回転後の支持面216の位置に移動可能な単一の支持面でもよい。
【0033】
テラヘルツ波発生部107からの入射テラヘルツ波108は、放物面鏡201によってコリメートされる。さらにコリメートされた入射テラヘルツ波108は、回転後の放物面鏡303で集光され、被測定物309に入射する。入射テラヘルツ波108は被測定物309上で反射され、出射テラヘルツ波110として出射される。
【0034】
被測定物309からの出射テラヘルツ波110は、回転後の放物面鏡303によってコリメートされる。さらにコリメートされた出射テラヘルツ波110は放物面鏡202で集光され、テラヘルツ波検出部111に入射する。
【0035】
本実施形態に係るテラヘルツ波伝播装置によれば、放物面鏡203を回転させることにより、テラヘルツ波が集光される位置、すなわち被測定物の位置を変更することができる。図9に示す特許文献1の構成では、楕円面鏡802及び804を回転させても、測定物803の位置を変更することはできず、被測定物803の位置を変更するためには装置全体を回転させるか、各放物面鏡の空間配置を変える必要がある。図10に示す特許文献2の構成では、放物面鏡902、903、905及び906を回転させても被測定物704の位置を変更することはできず、被測定物904の位置を変更するためには装置全体を回転させるか、各放物面鏡の空間配置を変える必要がある。それに対して、本実施形態に係るテラヘルツ波伝播装置によれば、放物面鏡203だけを回転させることによって被測定物の位置を変更できるため、自由度の高い装置構成を実現することができ、また被測定物の位置を変更する場合に必要となる手間を低減できるという効果がある。
【0036】
放物面鏡203を回転させる際には、テラヘルツ波発生部107からの入射テラヘルツ波108が放物面鏡201によってコリメートされ、回転後の放物面鏡303によって集光されて被測定物309の測定対象箇所に入射し、さらに被測定物309から出射された出射テラヘルツ波110が回転後の放物面鏡303によってコリメートされ、放物面鏡202によって集光されてテラヘルツ波検出部111に入力できるように、回転後の放物面鏡303が配置される必要がある。この条件を満たすために、放物面鏡203の回転軸X及び回転量Yは、軸外し放物面鏡の反射方向を基に、幾何光学を用いて計算するか、又は光線解析ソフトを用いることによって、決定することができる。回転軸X及び回転量Yの具体的な計算方法は本発明の範囲から外れるため省略するが、周知技術を用いて回転軸X及び回転量Yを確定できることは当業者には理解されるであろう。
【0037】
放物面鏡203の回転軸X及び回転量Yは、予め決定しておいてもよい。その場合には、被測定物を固定可能な複数の位置に対して、それぞれの位置に対応する放物面鏡203の回転X及び回転量Yを予め決定しておき、テラヘルツ波の発生及び検出を行う際に、被測定物の位置に応じて予め決定された放物面鏡203の回転軸X及び回転量Yを、回転部204に適用すればよい。一方で、放物面鏡203の回転軸X及び回転量Yは、テラヘルツ波の発生及び検出を行う際に、その都度決定してもよい。
【0038】
回転部204としては、放物面鏡203の位置を、決定された回転軸X及び回転量Yにしたがって回転された後の位置に変更できるものであれば、任意の手段が利用できる。例えば、回転部204として回転機構、例えばアクチュエータを用い、それによって放物面鏡203を回転させてもよい。ねじ留め等により固定された放物面鏡203を一旦取り外し、回転後の放物面鏡303の位置に変え、再度固定してもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係るテラヘルツ発生検出装置400の概略図である。 本実施形態では、テラヘルツ発生検出装置400の各々の構成要素を光ファイバデバイスとし、該構成要素の各々を光ファイバにて接続して空間伝播部を排除している。従って、光パルスの伝播部となる光ファイバをコンパクトに巻くことができるため、装置の小型化、安定化を図ることができる。また、本実施形態では、上記各構成要素を接続している光ファイバは偏光保持ファイバ(PMF)であることが望ましい。従って、環境変化、ファイバの曲げに対して、生成される光パルスの強度、パルス波形、偏光方向を安定にすることができる。
【0040】
テラヘルツ波発生検出装置400は、レーザ発振器401と、レーザ発振器401により発生された光パルス402をポンプ光403とプローブ光404に分割するスプリッタ405とを有する。
【0041】
レーザ発振器401は、例えばパルス幅500fs、繰り返し周波数100MHz、平均強度40mWのパルス光を発生する。
【0042】
レーザ発振器401により発生された光パルス402は、スプリッタ405に入射される。スプリッタ405は、光パルス402を、ポンプ光403とプローブ光404との2つに分岐する。
【0043】
スプリッタ405からポンプ光403が分岐される側の出射端には、強度変調器406がPMFにより接続される。強度変調器406は、ポンプ光403の強度変調を行って出射し、それと共に同期検波のための参照信号414をロックインアンプ415に出力する。
【0044】
光ファイバカプラ420aは、2つの入射端と、1つの出射端とを有し、2つの入射端の一方と、強度変調器406の出射端とがPMFにより接続されており、2つの入射端の他方と、励起レーザ419aとがPMFにより接続されており、上記2つの入射端のそれぞれから入射された光を上記出射端から出射する。励起レーザ419aは、後述するファイバ増幅器421に増幅機能を持たせるための励起光を発振する。
【0045】
光ファイバカプラ420aの出射端と、ファイバ増幅器421の入射端とがPMFにより接続されている。該ファイバ増幅器421は、分散特性が正常分散値を有するエルビウム添加ファイバであることが望ましい。このように、正常分散のエルビウム添加ファイバを増幅ファイバとして用いることにより、パルス分裂などの測定性能に悪影響を及ぼす非線形効果を低減することができる。ファイバ増幅器421は、励起用レーザダイオードである励起レーザ419aからの励起光が光ファイバカプラ420aを介して注入されることにより、ポンプ光403を増幅することができる。ファイバ増幅器421により、ポンプ光403のパワーを、テラヘルツ発生に必要なパワーまで増幅させる。
【0046】
ファイバ増幅器421が偏光保持ファイバではない場合、偏波コントローラをファイバ増幅器421の前に設置して偏波を調整してもよい。ファイバ増幅器421を多段構成にし、それぞれ偏波コントローラを設置してもよい。また、各ファイバ増幅器の後(ファイバ増幅器の出力側)には戻り光を防ぐためにアイソレータを挿入するとよい。
【0047】
ファイバ増幅器421の出射端と、ファイバ圧縮器422とがPMFを介して接続されている。該ファイバ圧縮器422は、大口径の定偏波フォトニッククリスタルファイバ等のラージモードエリアファイバであり、入射されたポンプ光403のパルス幅を50fsに圧縮するように構成されている。
【0048】
スプリッタ405からプローブ光404が分岐される側の出射端には、遅延ラインスキャナ417がPMFにより接続されている。該遅延ラインスキャナ417は、テラヘルツ波検出用のプローブ光404を所定の遅延時間だけ遅延させるように構成されている、ファイバピグテール付のインライン型の遅延ラインスキャナである。該遅延ラインスキャナ417は、駆動部により駆動可能なミラーを有しており、上記駆動部を駆動させることにより、プローブ光404に所定の遅延を付与するようにミラーを移動させることができる。すなわち、テラヘルツ波の測定を行う際には、遅延ラインスキャナ417を駆動しながらポンプ光403とプローブ光404との時間差を調整する。
【0049】
遅延ラインスキャナ417と、インライン型の光路長調整器418の入射端とがPMFにより接続されている。該光路長調整器418は、手動により位置を変位可能なミラーを有している。該ミラーの位置を変位させることにより、プローブ光404の光路長を調節することができる。この光路長調整器418は、ポンプ光403とプローブ光404の光路長を調整するときに用いるもので、一度調整してしまえばその後測定の度に時間差を調整する必要はない。
【0050】
光ファイバカプラ420bは、2つの入射端と、1つの出射端とを有し、2つの入射端の一方と、光路長調整器418の出射端とがPMFにより接続されており、2つの入射端の他方と、励起レーザ419bとがPMFにより接続されており、上記2つの入射端のそれぞれから入射された光を上記出射端から出射する。該励起レーザ419bは、後述するファイバ増幅器423に増幅機能を持たせるための励起光を発振する。
【0051】
光ファイバカプラ420bの出射端と、ファイバ増幅器423の入射端とがPMFにより接続されている。該ファイバ増幅器423は、異常分散特性を有するファイバ増幅器及び正常分散特性を有するファイバ増幅器を2段に設けた構造を有してもよい。すなわち、ファイバ増幅器423へのプローブ光404の入射側に異常分散特性を有する第1のファイバ増幅器が設けられており、プローブ光404の進行方向の後段側には、正常分散特性を有する第2のファイバ増幅器が設けられている。このような構成により、本実施形態では、ファイバ増幅器423は、励起用レーザダイオードである励起レーザ419bからの励起光が光ファイバカプラ420bを介して注入されることにより、プローブ光404のパワーを、テラヘルツ検出に必要なパワーまで増幅することができる。
【0052】
ファイバ増幅器423の出射端と、ファイバ圧縮器424の入射端とがPMFにより接続されている。該ファイバ圧縮器424は、シングルモード光ファイバであり、該シングルモード光ファイバにより、上記ファイバ増幅器423から出射されたプローブ光404をパルス圧縮することができる。本実施形態では、ファイバ圧縮器424は、プローブ光404のパルス幅を50fsまで細くするように構成されている。
【0053】
ファイバ圧縮器422の出射端は、テラヘルツ波発生部407に接続されている。テラヘルツ波発生部407は、ファイバ圧縮器422によりパルス幅が細くされたポンプ光403を受けて、入射テラヘルツ波408を発生する。テラヘルツ波発生部407として、DAST結晶等、テラヘルツ波が発生可能な非線形結晶を用いてもよいし、低温成長GaAs光伝導アンテナデバイス等の光伝導アンテナデバイスを用いてもよい。テラヘルツ波発生部407の種類に応じて、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)等の波長変換素子を備えてもよい。
【0054】
テラヘルツ波発生部407からテラヘルツ波が出射される側には、テラヘルツ波伝播装置500が設けられる。テラヘルツ波発生部407により発生された入射テラヘルツ波408は、テラヘルツ波伝播装置500を介して、支持面416に固定される被測定物409に入射する。さらに入射テラヘルツ波408は、被測定物409で反射され、出射テラヘルツ波410として出射される。出射テラヘルツ波410は、テラヘルツ波伝播装置500を介してテラヘルツ波検出部411に入射する。
【0055】
ファイバ圧縮器424の出射端は、テラヘルツ波検出部411に接続されている。テラヘルツ波検出部411は、ファイバ圧縮器424によりパルス幅が細くされたプローブ光404と、被測定物409からの出射テラヘルツ波410とを受けて、電流信号413を出力する。テラヘルツ波検出部411として、低温成長GaAs光伝導アンテナデバイス等の光伝導アンテナデバイスを用いてもよいし、非線形結晶を用いてEO検出を行ってもよい。テラヘルツ波検出部411の種類に応じて、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)等の波長変換素子を備えてもよい。
【0056】
ロックインアンプ415は、強度変調器406及びテラヘルツ波検出部411に接続され、強度変調器406から出力される参照信号414とテラヘルツ波検出部411から出力される電流信号413とを受けて同期検波を行うことにより、被測定物409のテラヘルツ波応答特性を検出する。テラヘルツ波検出部411とロックインアンプ415の間に、電流信号413を増幅するための電流増幅器を設けることが好ましい。なお、本実施形態においては高感度検出を目的としてロックインアンプを用いているが、電流信号が十分に強い場合、又はスキャン速度が十分に大きい場合には、ロックインアンプを用いず、電流信号を直接検出してもよい。
【0057】
テラヘルツ発生検出装置400が備えるテラヘルツ伝播装置500は、図2乃至図4に示すテラヘルツ伝播装置200と同一の構成でよい。この構成により、テラヘルツ波発生部407から出射された入射テラヘルツ波408がテラヘルツ伝播装置200を介して、被測定物409に入射される。さらに被測定物409から出射された出射テラヘルツ波410は、テラヘルツ伝播装置200を介して、テラヘルツ波検出部411に入射される。
【0058】
テラヘルツ発生検出装置400が備えるテラヘルツ伝播装置500は、図5乃至図7に示すテラヘルツ伝播装置300と同一の構成でもよい。この構成によれば、入射テラヘルツ波408及び出射テラヘルツ波410がテラヘルツ伝播装置300を介して伝播される点では、テラヘルツ伝播装置200を用いる場合と同様だが、放物面鏡203を回転することによってテラヘルツ波の集光位置を変えることができるため、被測定物409の位置を可変にすることができる。
【0059】
広帯域テラヘルツ波の発生には、高パワーかつ細いパルス幅の光パルスが必要となる。しかしながら、高パワーかつ細いパルス幅の光パルスをレーザ発振器から発生させる場合、光パルスの伝播時に波長分散の効果や非線形光学効果によりパルス幅が広がってしまい、テラヘルツ波発生部及びテラヘルツ波検出部に到達するまでに細いパルス幅が維持できない。それに対して、本実施形態によれば、レーザ発振器401からはテラヘルツ波発生及び検出のために最終的に必要となる値よりも低いパワーかつ広いパルス幅を有する光パルスを発生し、テラヘルツ波発生部407及びテラヘルツ波検出部411の直前に設けられるファイバ増幅器421、423及びファイバ圧縮器422、424により、光パルスを高パワーかつ細いパルス幅にする。この構成によって、より高パワーかつ細いパルスの光パルスをテラヘルツ波発生部407及びテラヘルツ波検出部411に入射し、広帯域テラヘルツ波の発生が可能になる。
【符号の説明】
【0060】
100 テラヘルツ波発生検出装置
101、401 レーザ発振器
102、402 光パルス
103、403 ポンプ光
104、404 プローブ光
105、405 スプリッタ
106、406 強度変調器
107、407 テラヘルツ波発生部
108、408 入射テラヘルツ波
109、309、409 被測定物
110、410 出射テラヘルツ波
111、411 テラヘルツ波検出部
112 光学遅延部
113、413 電流信号
114、414 参照信号
115、415 ロックインアンプ
116、216、416 支持面
200、300、500 テラヘルツ波伝播装置
201、202、203、303 放物面鏡
204 回転部
417 遅延ラインスキャナ
418 光路長調整器
419a、419b 励起レーザ
420a、420b 光ファイバカプラ
421、423 ファイバ増幅器
422、424 ファイバ圧縮器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ波伝播装置であって、
第1のテラヘルツ波をコリメートするための第1の放物面鏡と、
前記第1の放物面鏡に対向して設けられ、前記第1の放物面鏡によりコリメートされた前記第1のテラヘルツ波を集光して被測定物に入射し、前記第1のテラヘルツ波が入射された前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波をコリメートするための第2の放物面鏡と、
前記第2の放物面鏡に対向して設けられ、前記第2の放物面鏡によりコリメートされた前記第2のテラヘルツ波を集光するための第3の放物面鏡と、
を備え、
前記第2の放物面鏡は、前記第1の放物面鏡及び前記第3の放物面鏡よりも大きい
ことを特徴とするテラヘルツ波伝播装置。
【請求項2】
前記第2の放物面鏡は回転可能であり、
前記第2の放物面鏡を回転させることで、前記第1のテラヘルツ波が集光される位置が変更される
ことを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波伝播装置。
【請求項3】
前記第2の放物面鏡を回転させるための回転手段を更に備える
ことを特徴とする、請求項2に記載のテラヘルツ波伝播装置。
【請求項4】
前記被測定物を固定するための第1の支持面及び第2の支持面を更に備え、
前記第2の放物面鏡を回転させることによって、前記第1のテラヘルツ波が集光される位置を、前記第1の支持面と前記第2の支持面とのどちらかに切り替えることが可能である
ことを特徴とする、請求項2に記載のテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項5】
前記第1の放物面鏡によりコリメートされる前記第1のテラヘルツ波と、前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波とが、前記第2の放物面鏡が有する反射面の異なる部分に入射する
ことを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波伝播装置。
【請求項6】
前記被測定物を固定するための支持面を更に備え、
前記第1のテラヘルツ波は、前記支持面に対して0度より大きい入射角をもって入射される
ことを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波伝播装置。
【請求項7】
テラヘルツ波発生検出装置であって、
被測定物に入射するテラヘルツ波を発生するためのテラヘルツ波発生手段と、
前記被測定物から出射されるテラヘルツ波を検出するためのテラヘルツ波検出手段と、
テラヘルツ波をコリメート及び集光することで伝播するためのテラヘルツ波伝播装置と、
を備え、
前記テラヘルツ波伝播装置は、
前記テラヘルツ波発生手段で発生される第1のテラヘルツ波をコリメートするための第1の放物面鏡と、
前記第1の放物面鏡に対向して設けられ、前記第1の放物面鏡によりコリメートされた前記第1のテラヘルツ波を集光して前記被測定物に入射し、前記第1のテラヘルツ波が入射された前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波をコリメートするための第2の放物面鏡と、
前記第2の放物面鏡に対向して設けられ、前記第2の放物面鏡によりコリメートされた前記第2のテラヘルツ波を集光して前記テラヘルツ波検出手段に入射するための第3の放物面鏡と、を有し、
前記第2の放物面鏡は、前記第1の放物面鏡及び前記第3の放物面鏡よりも大きい
ことを特徴とするテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項8】
前記第2の放物面鏡は回転可能であり、
前記第2の放物面鏡を回転させることで、前記第1のテラヘルツ波が集光される位置が変更される
ことを特徴とする、請求項7に記載のテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項9】
前記第2の放物面鏡を回転させるための回転手段を更に備える
ことを特徴とする、請求項8に記載のテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項10】
前記被測定物を固定するための第1の支持面及び第2の支持面を更に備え、
前記第2の放物面鏡を回転させることによって、前記第1のテラヘルツ波が集光される位置を、前記第1の支持面と前記第2の支持面とのどちらかに切り替えることが可能である
ことを特徴とする、請求項8に記載のテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項11】
前記第1の放物面鏡によりコリメートされる前記第1のテラヘルツ波と、前記被測定物から出射される第2のテラヘルツ波とが、前記第2の放物面鏡が有する反射面の異なる部分に入射する
ことを特徴とする、請求項7に記載のテラヘルツ波発生検出装置。
【請求項12】
前記被測定物を固定するための支持面を更に備え、
前記第1のテラヘルツ波は、前記支持面に対して0度より大きい入射角をもって入射される
ことを特徴とする、請求項7に記載のテラヘルツ波発生検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−68527(P2013−68527A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207420(P2011−207420)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】