説明

テリスロマイシンを含む固形医薬組成物

本発明は、活性成分としてテリスロマイシン、またはこの医薬的に許容される酸の付加塩の1種類を含む固形医薬組成物に関する。本発明は、組成物がこの組成物の総重量を基準にして次の成分、すなわち0.1から80wt%の間のテリスロマイシン、またはこの医薬的に許容される酸の付加塩の1種類と、10から50wt%の塑性的性状を有する少なくとも1種類の希釈剤とを含むことを特徴とする。有利には本発明は、顕著に小さなサイズを有するが、同じ用量のテリスロマイシンを可能にし、および改良された機械的性質を示すテリスロマイシン錠剤の形態をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に患者による楽な嚥下を可能にするテリスロマイシンの新規な固形医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
固形医薬組成物を介して経口投与される活性成分の単位量は、小児はもちろん、だが小児だけでなく多くの患者によるこの嚥下を困難なものにする恐れのあるようなサイズの錠剤に調製することを必要とすることがしばしばある。さらにこの活性成分の性質は、この製剤の凝集を確実にするために、しかしまた、例えばこの活性成分の味感のマスキングが望ましい場合、重要なまたは不可欠とさえいえる機能を果たすために、時にはこれら自体かなりの量である幾種類もの賦形剤をこれに加えることを必要とする。これは、特にテリスロマイシンなどのマクロライド/−ケトライド型の化合物の場合顕著である。
【0003】
活性成分テリスロマイシンすなわち11,12−ジデオキシ−3−デ((2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−α−L−ribo−ヘキソピラノシル)オキシ)−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−(オキシカルボニル−((4−(4−(3−ピリジニル)−H−イミダゾール−1−イル)ブチルイミノ))−エリスロマイシンは、欧州特許第0 680 967号に記載されている。経口投与は抗生特性を有するこの活性成分にとって都合のよい投与形態である。
【0004】
こうして400mgおよび300mgの用量を含有するテリスロマイシン錠剤が現在売られている。これらの錠剤は、コーティング前の錠剤の総重量を基準にして50重量%の割合の活性成分を含有し、またさらにかなりの割合の造粒用賦形剤(30重量%に近いラクトース)、崩壊用賦形剤(きわめて高い割合のトウモロコシデンプンおよびきわめて低い割合のクロスカルメロースナトリウムの13重量%に近い混合物)と、低いパーセンテージの希釈剤(4から5重量%の間の微晶質セルロース)と、低いパーセンテージの結合剤(2重量%未満)および低いパーセンテージの滑沢剤(1重量%未満)との混合物を含有し、これら錠剤はフィルムコーティングで被覆される。
【0005】
その結果、テリスロマイシンを400mgおよび300mg含有するこれら錠剤は、それぞれ800mgおよび600mgの総質量(フィルムコーティングを含まない)を有し、またそれぞれ(18mm×9mm)および(13.9mm×8.7mm)の大きな寸法の長円形状を有する。したがってこのような錠剤の患者による嚥下が時に困難になることは容易に予想できる。
【0006】
したがってこれらテリスロマイシン錠剤のサイズを小さくすることが望ましかった。
【0007】
単に錠剤の組成中の活性成分の割合を増すこと、したがって等しい用量の活性成分でこのサイズを小さくすることによってこの問題を解決することを考えることができる。しかしテリスロマイシン活性成分は、この現在売られている錠剤にとってこれが可能でないような特有の機械的性質を有する。すなわちこの売られている錠剤のコーティング前の組成物中ではテリスロマイシンは50重量%の割合が最大比率となる。
【0008】
さらに、この特定の活性成分に固有の錠剤サイズの問題のほかにも、この錠剤を調製するための工業的方法の適用にあたり明らかになるテリスロマイシンに関係する別の欠点が存在する。
【0009】
テリスロマイシンは、圧搾することが実際に難しい活性成分である。その結果、得られる錠剤の機械的特性は、特に高処理量の生産を可能にするのに満足なものでない。圧縮工程の間に錠剤が砕ける傾向が現れることがあり、これが凝集力の不足に関係した外見上の欠陥が原因で不適合であると宣告される高い不良率の錠剤を生じ、またその結果として著しい経済的損失をもたらす。
【発明の開示】
【0010】
完全に驚くべきことに、また思いがけなくテリスロマイシン錠剤用の新規な組成物がここに見出され、これにより上記の主要な欠点、具体的には第一にフィルムコーティングを除いて錠剤を80重量%までの範囲のずっと高い割合のテリスロマイシン活性成分を含むことができ、その結果、等しい用量の活性成分で実質上非常に小さなサイズの錠剤を提供することができること、また第二にコーティング前の錠剤の破壊強度を事実上著しく増すことができ、その結果、凝集力の不足に関係した外見上の欠陥に原因する錠剤の不良率を工業的規模で実質上非常に減らすことができることを同時に改善することができる。
【0011】
したがって本発明の主題は、テリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸の付加塩を活性成分として含む固形医薬組成物であり、この組成物は、組成物の総重量を基準にして、
・テリスロマイシンの割合が0.1から80重量%の間のテリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸の付加塩、および
・10から50重量%の割合の塑性的性状を有する少なくとも1種類の希釈剤
を含むことを特徴とする。
【0012】
別段の指示がない限り、組成物の総重量に対して重量で示される割合は、この錠剤の任意の可能なコーティング、具体的にはフィルムコーティングを考慮に入れない組成物の総重量に対するものであることを意味するものと理解されたい。
【0013】
より具体的にはテリスロマイシン活性成分に対して示される重量単位の割合は、この医薬的に許容される酸の付加塩の形態で存在してもしなくても、この錠剤の任意の可能なコーティング、具体的にはフィルムコーティングを考慮に入れない組成物の総重量に対するテリスロマイシン化合物の重量によって計算された割合である。
【0014】
医薬的に許容される酸のテリスロマイシンの可能な付加塩としては、具体的には無機または有機酸、特に酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、またはリン酸で形成される塩、またもっと特定すればステアリン酸、エチルコハク酸、またはラウリル硫酸の付加塩を挙げることができる。
【0015】
本発明による組成物は、好ましくはテリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸の付加塩を、この組成物の総重量を基準にしてテリスロマイシンを50から80重量%の間、もっと特定すれば60から80重量%の間、さらに特定すれば60から70重量%の間の割合で含む。
【0016】
本発明によれば、驚くべきことに上記で示したテリスロマイシン錠剤用のすでに売られている組成中の賦形剤のうちの1種類の割合を、この同じ既知の組成の他の2種類の特定の賦形剤が実質上なくなるほどまでに増すことによって、特に組成物の圧縮工程の間の錠剤の破壊強度を改善しながら同時にテリスロマイシン活性成分の割合を少なくとも80重量%まで増すことが両方とも可能なことに特に着目した。いかなる理論にも固執したくはないが、特に微晶質セルロース中のこの特定の賦形剤、すなわち希釈剤の割合を実質上非常に増すこと、だがこの同じ既知の組成中にすでに存在している他の2種類の特定の賦形剤、すなわちラクトースおよびトウモロコシデンプンがなくなるほどまでに増すことが、特にこの圧縮の間のテリスロマイシン組成物の機械的性質にとって決定的なものである可塑化機能、したがってこの語句「塑性的性状を有する希釈剤」をこの希釈剤に付与することを可能にすることになるように見える。
【0017】
したがって語句「塑性的性状を有する希釈剤」は、本発明によれば、希釈剤のこの機能と、10から50重量%の間の重量単位の割合でのテリスロマイシン組成物に関する、特にこの圧縮の間のこの可塑化機能との両方を示すことが当業者に知られている任意の賦形剤を意味するものである。
【0018】
さらにこの思いがけないほどの有利な結果は、売られている錠剤の組成中にもまた存在するその他の賦形剤に作用することによってさらに向上することに注目することができた。
【0019】
したがって、好ましくは本発明によるこの医薬組成物はさらにこの組成物の総重量を基準にして、
・2.5から3.5重量%の割合の少なくとも1種類の結合剤、
・3から8重量%の割合の少なくとも1種類の崩壊剤、および
・0.6から1重量%の割合の少なくとも1種類の滑沢剤
を含む。
【0020】
好ましくはこの塑性的性状を有する希釈剤は、本発明による組成物の総重量を基準にして20から30重量%の間の割合で存在する。
【0021】
より具体的には本発明によるこの医薬組成物は、この組成物の総重量を基準にして、
・テリスロマイシンの割合が50から80重量%の間、もっと特定すれば60から80重量%の間、さらに特定すれば60から70重量%の間のテリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸の付加塩、
・20から30重量%の割合の塑性的性状を有する少なくとも1種類の希釈剤、
・2.8から3重量%の割合の少なくとも1種類の結合剤、
・3.5から6重量%の割合の少なくとも1種類の崩壊剤、および
・0.6から1重量%の割合の少なくとも1種類の滑沢剤
を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態によれば上記で定義した塑性的性状を有する希釈剤は、微晶質セルロースである。
【0023】
一つの特定の実施形態によれば本発明によるこの医薬組成物は、
・結合剤が、ポビドンK25、ポビドンK30、コポビドン、およびヒドロキシプロピルセルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムおよび微粉化ステアリン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される
ことを特徴とする。
【0024】
さらに特定すれば本発明によるこの医薬組成物は、
・結合剤が、ポビドンK25およびポビドンK30、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、および
・滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである
ことを特徴とする。
【0025】
最後に、最も特定された好ましい実施形態によれば本発明によるこの医薬組成物は、この組成物の総重量を基準にして、
・60から70重量%のテリスロマイシン、
・20から30重量%の微晶質セルロース、
・ポビドンK25およびポビドンK30、およびこれらの混合物からなる群から選択される2.8から3重量%のポビドン、
・3.5から6重量%のクロスカルメロースナトリウム、および
・0.6から1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明による固形組成物は、もちろん圧縮工程にかけることを意図した組成物、すなわちこの工程から得られる組成物からなることができる。したがって具体的には本発明によるこの医薬組成物は錠剤の形態であることを特徴とする。
【0027】
具体的にはこのテリスロマイシンは、本発明による組成物中では造粒、特に湿式造粒により得られる粒状材料の形態で存在することができ、したがって圧縮工程の前または後に本発明によるこの医薬組成物は、この組成物の他の成分を含む外相中に分散しているテリスロマイシン粒状材料を含む。具体的にはこのテリスロマイシン粒状材料はさらに上記結合剤も含み、また外相は上記崩壊剤および滑沢剤を含む。塑性的性状を有する希釈剤が上記テリスロマイシン粒状材料および上記外相中に存在することができることを確認することができた。
【0028】
この組成物を圧縮工程にかけた場合、これから得られる錠剤を、具体的にはさらにコーティング作業、具体的には当業者に周知の運転条件によるフィルムコーティングを用いたコーティング作業にかけることができる。したがって具体的には本発明による医薬組成物は、錠剤の形態であること、およびフィルムコーティングで被覆されることを特徴とする。より詳細にはこのフィルムコーティングは、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、タルク、黄色酸化鉄、および赤色酸化鉄、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の成分を含むことができる。
【0029】
最終的に本発明によるこの医薬組成物は、好ましくはテリスロマイシンを50mgから600mg、特にテリスロマイシンを400mg、または300mg含む。
【0030】
したがって本発明によるこの新規な組成物により、テリスロマイシン活性成分400および300mgの薬用量、すなわち既存の錠剤と同一の薬用量に対して小さな寸法を有することが可能になる。本発明によるこの錠剤は、それぞれ(13.9mm×8.7mm)および(12.5mm×7.8mm)の寸法を有する。
【0031】
結局、本発明によるこの組成物は、その結果、有利なことに売られている組成の錠剤と比べて錠剤の形態の小さなサイズを有することが可能であり、それにもかかわらず等しいテリスロマイシンの用量でこれが可能であり、これは患者の許容の点と完成医薬品の生産コスト低減の点の両方で、それ自体きわめて重要な利点を提供する。その上、これ以降の検討で示すようにこれらの小さなサイズの錠剤は優れた硬さを示し、これは工業的規模では凝集力の不足に関係した外見上の欠陥による不良率のきわめて有利な低下、例えば300mgのテリスロマイシン錠剤の場合、2%から0.02%へ低下することに反映される。
【実施例】
【0032】
下記の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決してこの範囲を限定する力があるものと解釈すべきではない。
【0033】
(実施例1)
400mgのテリスロマイシンを含有する錠剤
組成を下記の表1に記すテリスロマイシンを基剤とする錠剤(フィルムコーティングで被覆された本発明による組成物)を調製する。
【0034】
この場合、この手順は下記の方法で実施される。
1.1 錠剤の調製
133.00kgのテリスロマイシンおよび39.20kgの微晶質セルロース(Avicel PH 101)をミキサー−グラニュレーターに導入し、5分間混合する。
【0035】
60.60kgの純水および6.00kgのポビドンK25を別個に混合し、次いでこの得られた透明な溶液を上記で得た粉末混合物上に撹拌を続けながら注ぐ。
【0036】
このようにして得られる湿潤状態の粒状材料を、メッシュサイズ9.5mmの篩を備えたCoMil回転式サイジング装置を用いて粉砕し、次いでこの粉砕した粒状材料を乾燥槽に移す。これを2%未満の残留溶媒和が得られるまで流動空気床乾燥機中に60℃でこの中に保つ。
【0037】
次いでこの乾燥後の粒状材料をメッシュサイズ1.6mmの篩を備えたサイジング装置を用いてふるい分けする。
【0038】
この調整済み粒状材料に12.000kgの微晶質セルロース(Avicel PH 101)および7.980kgのクロスカルメロースナトリウムを加え、次いでこの混合物を撹拌せずに10分間保つ。
【0039】
次いで1.320kgのステアリン酸マグネシウムを加え、次いでこの混合物を4分間撹拌し続ける。
【0040】
次いで、このようにして得られる粒状材料を所望の400mgの薬用量に必要な装備を有する圧縮プレスを用いて圧縮する。
【0041】
このようにして表1に示す組成を有する錠剤(フィルムコーティングなし)が得られ、このサイズは売られている錠剤の(18mm×9mm)の代わりに(13.9mm×8.7mm)である。
【0042】
2.2 錠剤のフィルムコーティング
フィルムコーティング溶液を次のように調製する。
【0043】
下記の成分、
・24.000kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース6cP(ヒプロメロース6cP)、
・1.050kgのポリエチレングリコール8000、
・1.800kgのタルク、
・5.100kgの二酸化チタン、
・0.750kgの黄色酸化鉄、
・0.150kgの赤色酸化鉄、
を133.5kgの純水中に1種類ずつ撹拌しながらゆっくり導入し、この混合物を均一な懸濁液が得られるまで撹拌し続ける。
【0044】
次いで133.5kgの純水をさらに加え、次いで5分間撹拌を続ける。
【0045】
得られた懸濁液を使用して、上記で得た錠剤にAccela Cota film−coating pan中でフィルムコーティングする。
【0046】
【表1】

【0047】
本発明による錠剤の形態の組成物の破壊強度の検討
粉末の圧縮性は、圧力をかけた場合にこれが圧密体を形成する能力によって評価する。これは、ストレーンゲージを載せた杵を備えた代わりの圧縮プレスを用いて上記で例示した方法の脈絡の中で行われる。増幅システムおよび変換機が、圧縮サイクルの間に加わる力をいつでも記録することを可能にする。形成された錠剤の破壊強度をこの工程の終りに硬さ試験台で測定する。このようにして錠剤の破壊強度または「硬さ」の測定値(単位N)が、所与の圧縮力(単位kN)に対して得られる。試験される粉末に対してこの過程を数回繰り返し、図1のような曲線を描くことができる。
【0048】
これと共に対比実験を、テリスロマイシン活性成分の粉末に関して、また圧縮およびフィルムコーティングの前の売られている錠剤の生産に用いられている組成物(フィルムコーティングなしでテリスロマイシンを50重量%含有する)に関して、また上記実施例1.1で調製した圧縮およびフィルムコーティングの前の本発明による組成物(フィルムコーティングなしでテリスロマイシンを66.7重量%含有する)に関して行った。
【0049】
これら対比実験の結果を図1中の3本のそれぞれの曲線の形で示す。
【0050】
これら対比実験は本発明による組成によって得られる改善を示し、これは加えた圧力に比例して錠剤の凝集力が増すことを証明する曲線の長さの違いによって示される。曲線を越えると錠剤の硬さは足踏み状態または低下し、劈開現象を示す。
【0051】
工業的規模では、似ているが300mgの薬用量のテリスロマイシンを含有する錠剤の場合、この改善は、凝集力の不足に関係した外見上の欠陥に原因する錠剤の不良率が2%から0.02%へきわめて有利に低下することに反映されるのを見ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】後述の破壊強度試験による圧縮力(単位kN)の関数として3つの錠剤の硬さ(単位N)を示す3本の破線曲線を表す。最も小さい破線を有する曲線は実施例1.1で調製した本発明による組成物(圧縮およびフィルムコーティングの前)についての試験に対応し、最も大きい破線を有する曲線は売られている錠剤の組成物(圧縮およびフィルムコーティングの前)についての試験に対応し、また中間の大きさの破線を有する曲線はテリスロマイシン活性成分の粉末についての試験に対応する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としてテリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸との付加塩を含む固形医薬組成物であって、前記組成物の総重量を基準にして、
・テリスロマイシンの割合が0.1から80重量%の間となる、テリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸との付加塩、および
・10から50重量%の割合の、塑性的性状を有する少なくとも1種類の希釈剤
を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
組成物の総重量を基準にして、
・2.5から3.5重量%の割合の、少なくとも1種類の結合剤、
・3から8重量%の割合の、少なくとも1種類の崩壊剤、および
・0.6から1重量%の割合の、少なくとも1種類の滑沢剤
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
組成物の総重量を基準にして、
・テリスロマイシンの割合が50から80重量%の間となるテリスロマイシンまたはこの医薬的に許容される酸との付加塩、
・20から30重量%の割合の、塑性的性状を有する少なくとも1種類の希釈剤、
・2.8から3重量%の割合の、少なくとも1種類の結合剤、
・3.5から6重量%の割合の、少なくとも1種類の崩壊剤、および
・0.6から1重量%の割合の、少なくとも1種類の滑沢剤
を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
塑性的性状を有する希釈剤が微晶質セルロースであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
・結合剤が、ポビドンK25、ポビドンK30、コポビドン、およびヒドロキシプロピルセルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムおよび微粉化ステアリン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
・結合剤が、ポビドンK25およびポビドンK30、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
・崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムであり、および
・滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
組成物の総重量を基準にして、
・60から70重量%のテリスロマイシン、
・20から30重量%の微晶質セルロース、
・ポビドンK25およびポビドンK30、およびこれらの混合物からなる群から選択される2.8から3重量%のポビドン、
・3.5から6重量%のクロスカルメロースナトリウム、および
・0.6から1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
錠剤の形態であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
錠剤の形態であること、およびフィルムコーティングで被覆されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記フィルムコーティングが、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、タルク、黄色酸化鉄、および赤色酸化鉄、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の成分を含むことを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項11】
テリスロマイシンを50mgから600mg含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
テリスロマイシンを400mg含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
テリスロマイシンを300mg含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−531529(P2008−531529A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556635(P2007−556635)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000411
【国際公開番号】WO2006/090067
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(500152119)アバンテイス・フアルマ・エス・アー (65)
【Fターム(参考)】