説明

テルミサルタンナトリウム塩の医薬製剤

【課題】テルミサルタン製剤がそれ程複雑ではない形態で調製されることを可能にする形態のテルミサルタンを提供すること。
【解決手段】本発明は4'-〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゾイミダゾール-1-イルメチル〕ビフェニル-2-カルボン酸(テルミサルタン)の結晶性ナトリウム塩の医薬製剤及びその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は4'-〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゾイミダゾール-1-イルメチル〕ビフェニル-2-カルボン酸(テルミサルタン)の結晶性ナトリウム塩の医薬製剤だけでなく、その調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物テルミサルタンは欧州特許EP 502 314 B1により知られており、下記の化学構造を有する。
【0003】
【化1】

【0004】
テルミサルタン、及びその生理学上許される塩は、有益な薬理学的性質を有する。テルミサルタンはアンギオテンシンアンタゴニスト、特にアンギオテンシン-II-アンタゴニストであり、これはその薬理学的性質のために、例えば、高血圧及び心不全を治療し、虚血性末梢循環障害、心筋虚血(アンギーナ)を治療し、心筋梗塞後の心不全の進行を予防し、糖尿病性神経障害、緑内障、胃腸疾患及び膀胱疾患を治療するのに使用し得る。その他の可能な治療適用がEP 502314 B1及びWO 02/15891に見られ、これらの内容がここに参考にされる。
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)は浮腫及び高血圧を治療するのに経口服用されるチアジド利尿薬である。HCTZの化学名は6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド-1,1-ジオキサイドであり、その化合物は下記の構造式により記載される。
【0005】
【化2】

【0006】
テルミサルタンはブランド名ミカルジス(登録商標)として商業上得られ、一方、テルミサルタンとヒドロクロロチアジド(HCTZ)の組み合わせはブランド名ミカルジス・プラス(登録商標)として商業上得られる。テルミサルタンの遊離酸から開始して、これらの製剤は複雑な噴霧乾燥方法により製造される。遊離酸の制限された溶解性のために、別の製剤を調製するそれ程複雑ではない方法は得るのに困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的はこの活性物質の製剤がそれ程複雑ではない形態で調製されることを可能にする形態のテルミサルタンを提供することである。一般に、医薬活性物質を含む組成物の製造は活性成分それ自体の性質に連関される種々のパラメーターに依存することが留意されるべきである。束縛されたくないが、これらのパラメーターの例は異なる環境条件下の出発物質の作用の安定性、医薬製剤の製造中の安定性及び医薬製剤の最終組成物における安定性である。上記医薬組成物を調製するのに使用される医薬活性物質はできるだけ純粋であるべきである。同時に、長期貯蔵におけるその安定性が種々の環境条件下で保証される必要がある。これは、適当な活性物質に加えて、その分解生成物を含む医薬組成物が使用されることを防止するために、絶対に必須である。このような場合には、それから製造された製剤中に存在する活性物質の含量が特定の量よりも小さいことがある。
固体製剤の製造に重要である別の局面は活性物質が医薬製剤の医薬品質に最も安定な可能な結晶形態を有するべきであることである。これがそうではない場合、活性物質の形態が製剤の製造の条件下の或る状況で変化し得る。このような変化は順に製造方法の再現性に影響し、こうして医薬製剤に課せられる高品質要件を満足しない最終製剤をもたらし得る。この程度まで、その物理的かつ化学的安定性を改良し得る医薬組成物の固体状態への変化が同薬物のそれ程安定ではない形態に対して有意な利点を生じることが一般に留意されるべきである。
こうして、本発明の目的は医薬活性物質に課せられる上記の厳しい要件と合致するテルミサルタンの安定な形態を含む新規医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くことに、テルミサルタンが式のそのナトリウム塩の形態で、結晶性形態で得られることがわかった。
【0009】
【化3】

【0010】
製造条件の好適な選択により、上記要件を満足する結晶性ナトリウム塩の多形形態が選択的に得られる。
テルミサルタンのナトリウム塩のこの結晶性形態はT=245±5℃(DSC=示差走査熱量計により測定される;加熱速度:10K/分)の融点を特徴とする。
下記の表1はその塩の分光分析で得られたデータを要約する。
【0011】
【表1】

【0012】
上記表中、値“2θ〔°〕”は回折の角度(単位:度)を表し、また値“d〔Å〕”はÅで測定された格子面間隔を表す。
表1に示された知見によれば、結晶性テルミサルタンナトリウム塩はX線粉末図中でそれがとりわけ特徴的な値d=20.95Å、17.72Å、13.97Å及び13.63Åを有することを特徴とする。
X線粉末図はSSD(=部位感受性検出器)(CuKα-放射線=1.5418Å、30kV、40mA)を備えたブルカーD8アドバンスドを使用して本発明の範囲内で記録された。
本発明のテルミサルタンの結晶性ナトリウム塩はまたその溶媒和物及び水和物の形態、好ましくは水和物の形態、最も好ましくはその半水和物の形態で存在してもよい。
別の局面において、本発明は本発明のテルミサルタンの結晶性ナトリウム塩の製造方法に関する。本発明のテルミサルタンの結晶性ナトリウム塩を調製するのに使用される出発物質はテルミサルタンの遊離酸であってもよく、これは当業界で知られている方法(例えば、EP 502314 A1記載の)により得られてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の結晶性ナトリウム塩を調製するために、テルミサルタンの遊離酸が好適な溶媒、好ましくは有機非プロトン性溶媒、最も好ましくは有機の、非プロトン性かつ無極性の溶媒に吸収される。本発明に従って使用される溶媒はトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert.ブチルエーテル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン又はアセトニトリルであることが最も好ましく、そのうちトルエン、ベンゼン及びメチルイソブチルケトンが特に好ましい。本発明によれば、トルエンが溶媒として格別重要である。
原則として、上記溶媒0.5〜5ml、好ましくは1〜3ml、最も好ましくは1.5〜2.5mlがテルミサルタンの遊離酸1g当り使用される。
次いで好適なナトリウム塩が塩基としてこの溶液又は懸濁液に添加される。本発明の範囲内の好適なナトリウム塩として、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はナトリウムアルコキシドが挙げられる。ナトリウムアルコキシドは低級アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、tert-ブタノール、sec.-ブタノール、イソブタノール、n-ブタノール及びtert.-アミルアルコールの中から選ばれたアルコールで生成されるナトリウム塩を意味する。
本発明によれば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシド及びナトリウムメトキシドの中から選ばれたナトリウム塩が特に重要である。これらのうち、水酸化ナトリウム及びナトリウムメトキシドが本発明によれば特に重要である。上記ナトリウム塩は反応混合物に固体として添加されてもよい。しかしながら、水酸化ナトリウムの場合、これは水溶液の形態で添加されることが好ましい。水酸化ナトリウムの濃厚な水溶液を使用することが特に好ましい。例えば、水酸化ナトリウム溶液は約45重量%の濃度で使用されてもよい。
【0014】
使用されるナトリウム塩の量は使用される遊離酸テルミサルタンの量に当然に依存する。本発明によれば、少なくとも1モルのナトリウム塩がテルミサルタン1モル当り添加される必要がある。また本発明によれば、過剰のナトリウム塩を添加することが可能である。好ましくは1-2.5モル、更に好ましくは1-2モル、最も好ましくは1-1.5モルのナトリウム塩が使用される酸アルミサルタン1モル当り添加される。
水酸化ナトリウムがナトリウム塩として使用され、これが水溶液の形態で添加される場合、本発明の方法の好ましい実施態様によれば、水混和性有機溶媒を添加することが或る場合に役に立つかもしれない。これはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、tert.-ブタノール、2-ブタノール、ブタノール、グリコール、エチルジグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、tert.-アミルアルコール、アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ニトロエタン及びメトキシ-2-プロパノールの中から選ばれることが好ましく、そのうち上記アルコールが特に重要である。本発明の方法の範囲内で、メタノール又はエタノール、とりわけエタノールを使用することが特に好ましい。この溶媒、好ましくは50〜500ml、更に好ましくは100〜400ml、最も好ましくは200〜350mlが本発明に従って使用されるテルミサルタン1モル当り使用される。
【0015】
次いでその反応混合物が反応の進行を加速するために加熱されてもよい。反応混合物は充分に混合しながら好ましくは>40℃の温度、最も好ましくは60℃以上に加熱される。選ばれてもよい最高温度は使用される溶媒の沸騰温度により当然決められる。本発明に従って好ましい溶媒が使用される場合、その混合物は70℃以上に加熱されることが好ましい。
この加熱は一般に15分から2時間までの期間、好ましくは20分〜1時間にわたって行なわれる。次いで得られた溶液が濾過され、フィルター中に残っている固体が一種以上の上記溶媒で洗浄される。
上記方法により得られた濾液が>40℃、好ましくは60℃以上の温度、最も好ましくは沸点に加熱されている有機溶媒に徐々に、好ましくは滴下して、添加される。使用される溶媒は好ましくは有機非プロトン性溶媒、更に好ましくは有機の、非プロトン性かつ無極性の溶媒である。本発明に従って使用し得る溶媒は、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert.ブチルエーテル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン又はアセトニトリルであることが最も好ましく、そのうちトルエン、ベンゼン及びメチルイソブチルケトンが特に好ましい。溶媒トルエンが本発明によれば格別重要である。濾液が加熱された溶媒に添加されると同時に、本発明の好ましい実施態様において、溶媒の一部が蒸留して除かれる(必要により共沸により)。全ての濾液が添加された後、更なる溶媒(例えば、この段階までに添加された溶媒の合計量の約1/3〜2/3)が必要により蒸留により除去されてもよい。
こうして得られた濃厚な溶液が、好ましくは周囲温度に、冷却され、その後にテルミサルタンナトリウム塩が結晶化する。結晶化が完結した後、結晶が分離され、必要により上記有機溶媒で洗浄され、最後に乾燥させられる。
本発明の結晶性テルミサルタンナトリウム塩はまた式
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、H-Xは塩酸、臭化水素酸、トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸の中から選ばれた酸を表す)
の酸付加塩から出発して得られてもよい。式の上記酸付加塩のうち、H-Xが塩酸を表す塩が特に重要である。この酸付加塩はまた以下にテルミサルタン塩酸塩と称される。
の化合物は、例えば、従来技術により知られているtert.-ブチル4'-〔〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンゾイミダゾール-2-イル)-ベンゾイミダゾール-1-イル〕-メチル〕-ビフェニル-2-カルボキシレート(=テルミサルタンのtert.-ブチルエステル)から酸H-Xの存在下の酢酸中のケン化により得られてもよい。
の酸付加塩から出発して本発明の式の結晶性テルミサルタンナトリウム塩を調製するために、下記の操作が本発明に従って使用されてもよい。
【0018】
の化合物が好適な溶媒に吸収され、好適なナトリウム塩と合わされる。
溶媒はトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert.ブチルエーテル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン及びアセトニトリルの中から選ばれた非プロトン性有機溶媒と混合された水及び/又は好適なアルコール、例えば、メタノール、エタノール又はイソプロパノールであってもよい。溶媒として、トルエン、ベンゼン及びメチルイソブチルケトンの中から選ばれた非プロトン性有機溶媒、最も好ましくはトルエンと混合されたエタノール又はイソプロパノールと混合された水を使用することが特に好ましい。水、イソプロパノール及びトルエンの混合物がその合成のこの工程に特に適していると判明した。
使用される溶媒又は溶媒混合物の量は使用される酸付加塩の量に依存する。上記溶媒又は溶媒混合物約0.3-3.5L、好ましくは約1-2.5L、更に好ましくは約1.5-2Lが使用される化合物1モル当り使用されることが好ましい。使用される溶媒が水及び非プロトン性有機溶媒に加えてアルコールを第三成分として含む本発明の好ましい溶媒混合物である場合、本発明の水対非プロトン性有機溶媒の容積比は1:5から1:50までの範囲であり、使用される水対アルコールの比は2:1から1:40までの範囲であることが好ましい。この種の溶媒混合物中で、水対非プロトン性有機溶媒の比は1:10から1:30までの範囲、好ましくは1:15から1:25までの範囲であり、使用される水対アルコールの比は1:1から1:20までの範囲、好ましくは1:5から1:15までの範囲であることが好ましい。
上記溶媒又は溶媒混合物は1モル当り、水約10〜100ml、好ましくは水約30〜80ml、最も好ましくは水約40〜70mlを含むことが好ましい。使用される溶媒又は溶媒混合物はまた1モル当り、アルコール約100〜1000ml、好ましくはアルコール約300〜800ml、最も好ましくはアルコール約400〜700mlを含むことが好ましい。最後に、使用される溶媒又は溶媒混合物は溶媒の第三成分として、1モル当り、上記非プロトン性有機溶媒約200〜2000ml、好ましくは約600〜1600ml、最も好ましくは上記非プロトン性有機溶媒約800〜1400mlを含むことが好ましい。
【0019】
へと反応させるのに使用し得る好適なナトリウム塩として、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はナトリウムアルコキシドが挙げられる。ナトリウムアルコキシドは低級アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、tert-ブタノール、sec.-ブタノール、イソブタノール、n-ブタノール及びtert.-アミルアルコールの中から選ばれたアルコールで生成されるナトリウム塩を意味する。本発明によれば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシド及びナトリウムメトキシドの中から選ばれたナトリウム塩が特に重要であり、一方、ナトリウムアルコキシド、ナトリウムエトキシド及びナトリウムメトキシド、特にナトリウムメトキシドが本発明によればこの反応工程に特に重要である。上記ナトリウム塩は反応混合物に固体として添加されてもよい。しかしながら、ナトリウムメトキシドの場合、それをメタノール溶液の形態で添加することが好ましい。それを少なくとも10%、最も好ましくは約20-40%(w/w)の濃度で含むナトリウムメトキシドのメタノール溶液が、特に好ましい。例えば、使用されるメタノール性ナトリウムメトキシド溶液は約30重量%の濃度を有してもよい。
使用されるナトリウム塩の量は使用される遊離酸テルミサルタンの量に当然に依存する。本発明によれば、少なくとも2モルのナトリウム塩が使用される式のテルミサルタン酸付加塩1モル当り添加される必要がある。また本発明によれば、過剰のナトリウム塩を添加することが可能である。
【0020】
活性炭を上記反応混合物に添加することが或る場合に有益であるかもしれない。例えば、それは使用される1モル当り約5-50gの量、好ましくは使用される1モル当り約10-40gの量で添加されてもよい。
ナトリウム塩及び必要により活性炭が添加された後に、得られた反応混合物が約10分から2時間までの期間、好ましくは約20-45分にわたって約50-100℃、好ましくは約60-90℃、最も好ましくは約70-80℃の温度に加熱される。この加熱の経過中に、溶媒の一部、好ましくは溶媒の合計量の約10-50%、最も好ましくは約20-40%が蒸留されて除かれてもよい。
次いで残りの懸濁液が濾過され、フィルター残渣が必要により上記非プロトン性有機溶媒の一種、好ましくはその反応にまた使用される非プロトン性有機溶媒で洗浄されてもよい。
次いで得られた濾液が溶媒又は溶媒の混合物で希釈される。これについて水及び上記非プロトン性有機溶媒の混合物を使用することが好ましい。この時点で、水約10〜100ml、好ましくは水約30〜80ml、最も好ましくは水約40〜70mlが最初に使用された化合物1モル当り使用されることが好ましい。この時点で、非プロトン性有機溶媒250〜3000ml、好ましくは約800〜2000ml、最も好ましくは約1200〜1800mlが最初に使用された化合物1モル当り使用される。
希釈後、得られた混合物が還流される。次いで溶媒約1-2L、好ましくは約1200〜1800mlが最初に使用された化合物1モル当り蒸留されて除かれる。溶媒が蒸留されて除かれた後に、本発明のテルミサルタンナトリウム塩が結晶化する。得られた結晶が単離され、必要により上記非プロトン性有機溶媒の一種で洗浄されてもよく、最後に乾燥させられる。
【0021】
結晶性テルミサルタンナトリウム塩はまたその溶媒和物又は水和物の形態、好ましくはその水和物の形態、最も好ましくは半水和物の形態で上記方法により得られてもよい。
本発明の結晶性テルミサルタンナトリウム塩の医薬活性に鑑みて、それは医薬組成物を調製するのに使用され、特に治療有効用量の一種以上のアンギオテンシン-II-アンタゴニストが治療利益を与え得る疾患の予防又は治療のための医薬組成物を調製するのに使用される。好ましくは、本発明は高血圧、心不全、虚血性末梢循環障害、心筋虚血(アンギーナ)、心筋梗塞、心筋梗塞後の心不全の進行の中から選ばれた疾患の予防又は治療、心血管死亡、卒中、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、緑内障、胃腸疾患及び膀胱疾患の予防、高血圧、心不全、心筋梗塞及び卒中の予防又は治療並びに心血管死亡の予防(これが特に好ましい)のための医薬組成物を調製するための結晶性テルミサルタンナトリウム塩の使用に関する。
それ故、本発明は必要によりその他の活性物質、例えば、利尿薬と組み合わされてもよいテルミサルタンナトリウム塩を含むことを特徴とする医薬組成物に関する。
この目的のために、一種以上の活性物質が一般に一種以上の賦形剤、例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、サッカロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム塩(セルロースカルボキシメチルエーテルナトリウム塩、架橋されたもの)、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換されたもの)、トウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースもしくは澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ポリ酢酸ビニル、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪或いはこれらの好適な混合物とともに、通常のガレン製剤、例えば、単純錠剤もしくは被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液又は座薬に製剤化される。
【0022】
唯一の活性物質としてテルミサルタンナトリウム塩を含む医薬組成物において、一種以上の賦形剤、例えば、ソルビトール、キシリトール、サッカロース、クロスカルメロースナトリウム塩、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースもしくはステアリルフマル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪或いはこれらの好適な混合物が特に使用されてもよい。相当する錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を一種以上の賦形剤と混合し、続いてそれらを圧縮することにより得られてもよい。賦形剤の例は
・不活性希釈剤、例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、サッカロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びラクトース、
・崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウム塩(セルロースカルボキシメチルエーテルナトリウム塩、架橋されたもの)、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換されたもの)及びトウモロコシ澱粉、
・バインダー、例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース又は澱粉、
・滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びタルク、
・遅延放出を得るための薬剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート及びポリ酢酸ビニル、並びに
・医薬上許される着色剤、例えば、着色された鉄酸化物
である。錠剤はまた数層からなってもよい。
【0023】
錠剤の性質はそれらが圧縮される前に個々の成分及び活性物質を造粒し、次いでそれらをその他の賦形剤とともに圧縮するだけで時折また影響されることがある。
活性物質としてのテルミサルタンナトリウム塩それ自体又は利尿薬ヒドロクロロチアジドと一緒の直接圧縮に特に適した賦形剤はソルビトール及びステアリン酸マグネシウムであり、これらの賦形剤は必要により直接錠剤形成に適したその他の賦形剤、例えば、マンニトール又はサッカロースにより置換されてもよい。活性物質の異なる組成物を含む錠剤を目視で区別するために、これらの錠剤を異なる色にすることが有益である。この目的のために、着色賦形剤、例えば、着色された鉄酸化物又はその他の医薬上許される着色剤が圧縮プロセスの前に添加されてもよい。
活性物質の特に良好な溶解度特性は錠剤を形成する圧縮の前にテリミサルタンナトリウム塩を乾式造粒方法で造粒することにより調製された錠剤で得られる。その塩は、例えば、マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロースそして必要により着色賦形剤、例えば、赤色鉄酸化物と好適なミキサー中で混合され、次いで篩分けられ、最後に、例えば、ロール圧縮機中で乾式造粒にかけられる。記載された賦形剤は、例えば、ラクトース又は微結晶性セルロースの如き賦形剤により置換されてもよい。次いで得られた顆粒が必要により別の活性物質、例えば、ヒドロクロロチアジドだけでなく、賦形剤、例えば、マンニトール、微結晶性セルロース、澱粉グリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムそして必要により着色賦形剤、例えば、赤色鉄酸化物と好適なミキサー中で混合されてもよく、最後に錠剤にプレスされる。また、ラクトース又はクロスカルメロースナトリウム塩(セルロースカルボキシメチルエーテルナトリウム塩、架橋されたもの)の如き賦形剤がまた使用されてもよい。
【0024】
テルミサルタンナトリウム塩の含量は錠剤、被覆錠剤又はカプセル当りその塩、通常60-90mg、30-60mg又は15-30mgである。80-85mg、40-45mg又は20-25mgの量が好ましい。これらの量は遊離酸テルミサルタンの、夫々、80mg、40mg及び20mgの含量におよそ相当する。
これらの製剤がまたヒドロクロロチアジドを含む場合、それは10-15mg又は20-30mg、好ましくは12-13mg又は24-26mgの量で夫々の錠剤、被覆錠剤又はカプセル中に存在する。上記医薬組成物の調製方法、特に活性物質が錠剤に圧縮される方法がまた本発明の主題である。
必要によりテルミサルタンナトリウム塩と一緒に製剤に混入されてもよい医薬活性物質は
−利尿薬、例えば、ヒドロクロロチアジド、
−坑高血圧薬、例えば、
--ACEインヒビター(例えば、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル及びペリンドプリル)、
--アンギオテンシン受容体アンタゴニスト(例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン及びバルサルタン)、
--カルシウムアンタゴニスト(例えば、ニフェジピン及びベラパミル)、又は
--α-又はβ-受容体ブロッカー(例えば、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、アテノロール、アセブトロール、メトプロロール、プロプラノロール及びピンドロール)、
−坑糖尿病薬、例えば、ナテグリニド、レパグリニド及びメトフォルミン、
−血小板凝集インヒビター、例えば、クロピドグレル、アセチルサリチル酸又はジピリダモル、
−血管拡張薬、例えば、ミノキシジル、
−脂質又はコレステロール低下薬、例えば、プロクボール、シトステロール、MTPインヒビター、HMG-CoA-レダクターゼインヒビター、例えば、ロバスタチン、シムバスタチン及びアトルバスタチン又はフィブレートである。
以下の合成の実施例が例として行なわれる結晶性テルミサルタンナトリウム塩の調製方法を説明するのに利用できる。それは例として示される可能な操作としてのみ意図され、本発明をその内容に限定するものではない。
【実施例】
【0025】
合成実施例1:テルミサルタンから出発する結晶性テルミサルタンナトリウム塩の調製
本発明の結晶性テルミサルタンナトリウム塩を調製するのに使用される出発物質はその遊離酸であってもよく、これは従来技術により知られている方法(例えば、EP 502314 A1記載の)により得られてもよい。
テルミサルタン154.4gを好適な反応容器中のトルエン308.8mlに入れる。その懸濁液を44.68%の水酸化ナトリウム溶液27.8g及びエタノール84.9mlと合わせ、約30分間にわたって78℃に加熱し、次いで混合物を濾過する。所望により、多量の固体がフィルターに残されている場合には、これがトルエン61.8ml及びエタノール15.3mlの混合物で洗浄されてもよい。
トルエン463.2mlを別の反応容器に入れ、還流する。上記方法により得られた濾液を沸騰温度でそれに徐々に滴下して添加し、同時に共沸蒸留する。それが全て添加された後に、フィルターを洗浄することにより得られてもよい溶液をまた添加し、再度共沸蒸留する。その混合物を103℃まで蒸留し、その懸濁液を周囲温度に冷却する。結晶を吸引濾過し、トルエン154.4mlで洗浄し、循環空気乾燥機中で60℃で乾燥させる。
収量: 無色の結晶154.6 g (96%) ;
C33H29N4O2Na x 0.5H2O 計算値: C 72.51 H 5.72 N 10.25
実測値: C 72.57 H 5.69 N 10.21
【0026】
合成実施例2:テルミサルタン塩酸塩から出発する結晶性テルミサルタンナトリウム塩の調製
A)テルミサルタン塩酸塩の調製
tert.-ブチル4'-〔〔2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンゾイミダゾール-2-イル)-ベンゾイミダゾール-1-イル〕-メチル〕-ビフェニル-2-カルボキシレート411gを氷酢酸822ml中で懸濁させ、濃塩酸水溶液(37%)213gと合わせる。その混合物を還流し、溶媒約640mlを蒸留して除く。残っている残渣を50-60℃で水約620mlと徐々に合わせる。この混合物に、活性炭(例えば、ノリットSX2ウルトラ)20gを添加し、得られる混合物を一定温度で約10分間撹拌する。濾過後、残渣を氷酢酸25ml及び水約620mlで3回洗浄する。得られた濾液を約50-60℃に再度加熱し、水約2Lを添加する。約23℃で約12時間にわたって撹拌した後、生成した結晶を吸引濾過し、水約500mlで2回、アセトン約900mlで1回洗浄し、次いで約60℃で乾燥させる。
収量:無色の結晶、367g(92.5%)、融点=278℃
B)テルミサルタン塩酸塩からの結晶性テルミサルタンナトリウム塩の調製
テルミサルタン塩酸塩55.1gをトルエン110.2ml、水5.5ml、イソプロパノール55.1mlに吸収させ、この混合物をナトリウムメトキシド(メタノール中30%)36.9g及び活性炭(ソリットSX2ウルトラ)2.75gと合わせる。次いでその混合物を約75℃に加熱し、溶媒混合物約50mlを一定温度で約30分間にわたって蒸留して除く。得られた懸濁液を濾過し、残渣をトルエン約20mlで洗浄する。濾液を水約5ml及びトルエン約150mlと合わせる。得られた混合物を還流する。この時間中に、溶媒混合物約150mlを共沸蒸留して除く(102℃まで)。その混合物を100℃で1時間にわたって結晶化させる。結晶を吸引濾過し、トルエン約50mlで洗浄し、約60℃で乾燥させる。
収量: 無色の結晶53.6 g (99%);
C33H29N4O2Na.0.5H2O 計算値: C 72.51 H 5.72 N 10.25
実測値: C 72.44 H 5.68 N 10.20
【0027】
活性物質を含む医薬組成物、特に経口投与される医薬組成物、最も好ましくは錠剤を調製するために、当業界で知られている操作が使用されてもよい。好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、サッカロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウム塩(セルロースカルボキシメチルエーテルナトリウム塩、架橋されたもの)、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換されたもの)又はトウモロコシ澱粉、バインダー、例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース又は澱粉、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム又はタルク及び/又は遅延放出を得るための薬剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた数層を含んでもよい。
以下は本発明に従って使用し得る医薬製剤の幾つかの実施例である。それらは純粋に例示として意図され、本発明の主題をそれに限定するものではない。
【0028】
製剤実施例1:錠剤1
成分: mg
テルミサルタンナトリウム塩 83.417
マンニトール 299.083
微結晶性セルロース 100.000
クロスカルメロースナトリウム塩 10.000
ステアリン酸マグネシウム 7.500
合計 500.000
【0029】
製剤実施例2:錠剤2
成分: mg
テルミサルタンナトリウム塩 83.417
ソルビトール 384.083
ポリビドンK25 25.000
ステアリン酸マグネシウム 7.500
合計 500.000
製剤実施例3:錠剤3
成分: mg
テルミサルタンナトリウム塩 41.708
マンニトール 149.542
微結晶性セルロース 50.000
クロスカルメロースナトリウム塩 5.000
ステアリン酸マグネシウム 3.750
合計 250.000
【0030】
製剤実施例4:
テルミサルタンナトリウム塩を賦形剤ソルビトール及びステアリン酸マグネシウムとともに直接に圧縮することにより、錠剤を得、その活性物質の濃度はテルミサルタンの遊離酸80mg、40mg及び20mgの量に相当する。
遊離テルミサルタン80mgの均等物を含む錠剤:
【0031】
【表2】

【0032】
形状:卵形
寸法:16.2x7.9mm
遊離テルミサルタン40mgの均等物を含む錠剤:
【0033】
【表3】

【0034】
形状:卵形
寸法:12x5.9mm
遊離テルミサルタン20mgの均等物を含む錠剤:
【0035】
【表4】

【0036】
形状:丸形
寸法:7mm
製剤実施例5:
テルミサルタンナトリウム塩を最初に強力ミキサー(“高せん断ミキサー”)中でマンニトール、赤色鉄酸化物及びヒドロキシプロピルセルロースと混合する。次いでステアリン酸マグネシウムを0.8mmの篩中をシフトすることにより添加し、その混合物をロール圧縮機中で乾式造粒にかける。平行して、ヒドロクロロチアジドを強力ミキサー中でマンニトール、微結晶性セルロース、ナトリウムグリコール澱粉及び赤色鉄酸化物と混合する。
この混合物及び造粒されたテルミサルタンナトリウム塩の両方を0.8mmの篩により篩分け、自由落下ブレンダー中で一緒に混合し、最後に0.8mmの篩により篩分けられたステアリン酸マグネシウムとともに最後の混合方法にかける。組成物を得、これを問題なく圧縮することができ、それから製造された錠剤は活性物質について良好な溶解性を示す。活性物質及び賦形剤のこの組成物を好適な錠剤プレス(例えば、コルシュEK0又はフェッテP1200)で圧縮する。下記の組成の錠剤を調製し、夫々の錠剤中に含まれるテルミサルタンナトリウム塩の量はテルミサルタンの遊離酸80mgの量に相当する。
【0037】
【表5】

【0038】
錠剤の組成はまた以下のとおりであってもよい。
【0039】
【表6】

【0040】
錠剤は下記の性質を有する:
寸法:16.2x7.9mm(r=5.86mm)
重量:598.7mg±0.22%
厚さ:平均で6.16mm
破断強さ:平均で145N
磨耗:0.09%
分解時間:平均で153秒
テルミサルタンナトリウム塩の95±3.1%が撹拌しながら(75rpm)0.1Mリン酸塩緩衝液(pH 7.5)900ml中で30分後に溶解する。ヒドロクロロチアジドの88±3.8%が0.1M HCl900ml中で30分後に溶解する(100rpm)。
【0041】
製剤実施例6:
ヒドロクロロチアジド、テルミサルタンナトリウム塩、ソルビトール及び赤色鉄酸化物を自由落下ブレンダー中で混合し、0.8mmの篩に通し、ステアリン酸マグネシウムの添加後に、自由落下ブレンダー中で処理して粉末混合物を生成する。
次いで好適な錠剤プレス(例えば、コルシュEK0又はフェッテP1200)を使用して、活性物質及び賦形剤の組成物を錠剤に圧縮する。下記の組成の錠剤を調製し、夫々の錠剤中に含まれるテルミサルタンナトリウム塩の量はテルミサルタンの遊離酸80mgの量に相当する。
【0042】
【表7】

【0043】
3種のバッチの錠剤は下記の性質を有する:
バッチ1:
寸法:16.2x7.9mm(r=5.86mm)
重量:600.7mg±0.34%
厚さ:平均で5.96mm
破断強さ:平均で142N
磨耗:0.12%
分解時間:平均で304秒
バッチ2:
寸法:16.2x7.9mm(r=5.86mm)
重量:600.6mg±0.28%
厚さ:平均で6.11mm
破断強さ:平均で115N
磨耗:0.17%
分解時間:平均で331秒
バッチ3:
寸法:16.2x7.9mm(r=5.86mm)
重量:591.1mg±0.56%
厚さ:平均で5.89mm
破断強さ:平均で116N
磨耗:0.13%
分解時間:平均で416秒
3種のバッチからの錠剤のテルミサルタンナトリウム塩は夫々92±1.5%、96±1.8%及び100±1.0%で0.1Mリン酸塩緩衝液(pH 7.5)900ml中で30分の撹拌(75rpm)後に溶解する。ヒドロクロロチアジドは夫々69±6.3%、72±2.1%及び78±1.8%で0.1M HCl 900ml中で30分後に溶解した(100rpm)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テルミサルタンナトリウム塩及び利尿薬を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
マンニトール、ソルビトール、キシリトール、サッカロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム塩、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースもしくは澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ポリ酢酸ビニル、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪或いはこれらの好適な混合物の中から選ばれた一種以上の製剤賦形剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
テルミサルタンナトリウム塩、必要により利尿薬、及びソルビトール、キシリトール、サッカロース、クロスカルメロースナトリウム塩、クロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンとその他のビニル誘導体のコポリマー(コポビドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースもしくはステアリルフマル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪或いはこれらの好適な混合物の中から選ばれた一種以上の製剤賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項4】
利尿薬ヒドロクロロチアジド(HCTZ)を含む、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
ヒドロクロロチアジドが10-15mg又は20-30mgの量で含まれることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
テルミサルタンのナトリウム塩が60-90mgの量で含まれることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
テルミサルタンのナトリウム塩が80-85mgの量で含まれることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
テルミサルタンのナトリウム塩が30-60mgの量で含まれることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
テルミサルタンのナトリウム塩が40-45mgの量で含まれることを特徴とする、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ヒドロクロロチアジドが12-13mg又は24-26mgの量で含まれることを特徴とする、請求項7又は9記載の組成物。
【請求項11】
活性物質が、賦形剤ソルビトール及びステアリン酸マグネシウムと一緒に錠剤に直接圧縮されていることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
活性物質が、ヒドロクロロチアジド、マンニトール、微結晶性セルロース及びナトリウムグリコール澱粉の混合物とともに賦形剤マンニトール、ステアリン酸マグネシウム及びヒドロキシプロピルセルロースを含むテルミサルタンナトリウム塩の圧縮された乾燥顆粒として存在することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
テルミサルタンナトリウム塩が付加的な医薬活性物質とともに製剤化されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
活性物質を賦形剤とともに圧縮して錠剤を形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の医薬組成物の調製方法。

【公開番号】特開2010−138207(P2010−138207A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59404(P2010−59404)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願2006−500100(P2006−500100)の分割
【原出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】