説明

テルル含有化合物の局所製剤

局所適用に好適なテルル含有化合物の新規の製剤が開示される。製剤は、高い化学的安定性および物理的安定性によって特徴付けられ、扱いやすく、使用しやすい。本発明の例示的製剤は、少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物を約25重量パーセントまでの量で含み、かつ医薬的に許容されうるキャリアを含む局所適用のための製剤であって、前記キャリアは、前記テルル含有化合物が10重量パーセントの濃度で製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、および/または懸濁可能であり;かつ製剤が少なくとも30日の間の室温での保存で化学的および物理的に安定であるように選択される製剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月11日に出願した米国特許仮出願番号第60/843402号の利益を主張し、その開示は参考として全体が本明細書中に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、テルル含有化合物の新規の製剤に関し、特に、局所適用のために設計されるテルル含有製剤に関する。本発明のテルル含有化合物の新規の製剤は、化学的および物理的安定性によって特徴付けられ、それはテルル含有化合物が低濃度、ならびに高濃度および非常に高濃度で製剤中に存在するときに適用可能である。
【背景技術】
【0003】
種々のテルル含有化合物は、治療活性を有するものとして当該分野において記載されている。テルル含有化合物の特に効果的なファミリーは、例えば、米国特許番号第4752614号、同第4761490号、同第4764461号および同第4929739号において教示され、別の効果的なファミリーは、例えば、PCT国際特許出願番号PCT/IL2005/000989において教示される。これらの特許および特許出願はすべて、本明細書中に完全に記載されていたかのように参考として援用される。
【0004】
これらの特許で記載された非常に有望な化合物のうちの1つは、トリクロロ(ジオキシエチレン−O,O’)テルル酸アンモニウムであり、これは本明細書中および当該分野ではAS101として示される。本明細書の上記で議論されるテルル含有化合物のファミリーの代表的な例として、AS101は、抗ウイルス活性(Nat.Immun.Cell Growth Regul.7(3):163−8,1988;AIDS Res Hum Retroviruses.8(5):613−23,1992)および殺腫瘍活性(Nature 330(6144):173−6,1987;J.Clin.Oncol.13(9).2342−53,1995;J Immunol.161(7):3536−42,1998)を示す。
【0005】
別の有望なテルル含有化合物は、[TeO(COCHH)であり、これもまた本明細書中および当該分野ではSASとして示される。
【0006】
SASおよび他の二テルル含有化合物は、カスパーゼ−1/インターロイキン−1β酵素b(ICE)の効果的な阻害剤として作用することが示され、そして種々の付加的な治療用途におけるそれらの使用もまた記載されている(例えば、PCT/IL2005/000989(前出)を参照のこと)。
【0007】
AS101、SAS、および他のテルル含有化合物が、先天的免疫応答および後天的免疫応答を刺激する免疫調節剤として作用することが示唆されている。例えば、AS101が、マウス(J.Natl.Cancer Inst.88(18):1276−84、1996)およびヒト(Nat.Immun.Cell Growth Regul.9(3):182−90、1990;Immunology、70(4):473−7、1990;J.Natl.Cancer Inst.88(18):1276−84、1996)においてインターフェロン(IFN)の強力な活性化剤であることが示されている。AS101ならびに他のテルル含有免疫調節剤が、様々なサイトカイン(例えば、IL−1α、IL−6、およびTNF−α)の分泌を誘導すること、および、マクロファージがAS101のための1つの主要な標的であること(Exp.Hematol.23(13):1358−66、1995)が明らかにされている。さらに、AS101が、IL−10をmRNAレベルで阻害すること、およびこの阻害が、IL−12およびIFN−γの増大を生じうること(Cell Immunol.176(2):180−5、1997;J.Natl.Cancer Inst.88(18):1276−84、1996)が見出された。
【0008】
ICEの阻害が有益である状態を処置するための、AS101およびSASのようなテルル含有化合物の使用もまた示されている(例えば、国際特許出願番号PCT/IL2005/000990およびPCT/IL2005/000989(前出)を参照のこと)。別の例において、テルル含有化合物、特にAS101は、骨髄細胞に対する刺激効果を有することが示された(米国特許番号第4946437号)。
【0009】
さらに、テルル含有化合物、特にAS101は、胃炎または消化性の潰瘍を処置または予防すること(米国特許第5576347号)、バベシア症またはダニ媒介の疾患を処置または予防すること(米国特許第5610179号)が知られている。AS101はまた、放射線療法および化学療法の致死効果および亜致死効果に対して防護効果を有することが示されている(Blood 85:1555,1995;J.Nat.Cancer Inst.88:1276,1996;In.J.Cancer 86:281,2000;J.Immunol.156:1101,1996;J.Immunol.145:1507,1990;Cancer Res.51:1499,1991)。
【0010】
AS101および他のテルル含有化合物によって処置可能な医学的状態のさらなる例は、例えば、WO 2005/069735、米国特許仮出願番号第60/716924号、同第60/716923号、同第60/610660号、PCT国際出願番号PCT/IL2005/000992、WO 2005/060341、米国特許出願番号第11/226375号、ならびに米国特許番号第4752614号、同第4761490号、同第4764461号、および同第4929739号(前出)において記載される。
【0011】
従って、AS101および他のテルル含有化合物によって処置可能であることが知られている例示的な医学的状態には、例えば、IL−1媒介疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊性骨障害、増殖性障害、感染性疾患、変性疾患、細胞死と関連する疾患、過剰の食餌性アルコール摂取疾患、網膜障害、ブドウ膜炎、炎症性腹膜炎、変形性関節炎、膵炎、喘息、成人呼吸窮迫症候群、糸球体腎炎、慢性関節リウマチ、硬皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性の溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕、ヒトパピローマウイルス関連の皮膚および粘膜の病気、乳頭種、コンジローム、いぼ、脱毛症および毛髪の減少に関連する他の状態、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、火傷後の器官アポトーシス、骨粗鬆症、白血病および関連障害、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫関連の骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、基底細胞癌、光線性角化症、UV皮膚損傷、放射線療法および化学療法関連効果、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、出血性ショック、敗血症、敗血性ショック、火傷、細菌性赤痢、アルツハイマー病、ハンチントン病、ケネディ病、プリオン病、脳虚血、てんかん、心筋虚血、急性および慢性の心疾患、心筋梗塞、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈バイパス移植、脊髄筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、HIV関連脳炎、老化、脳卒中による神経損傷、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、外傷性脳損傷、脊髄損傷、B型肝炎、C型肝炎、G型肝炎、黄熱、デング熱、または日本脳炎、種々の形態の肝疾患、腎臓疾患、多嚢胞性の腎疾患、H.ピロリ菌関連の胃十二指腸潰瘍疾患、HIV感染、結核、種々の形態の癌を処置するための免疫療法、バベシア症、臓器機能不全、髄膜炎、および冠状動脈バイパス移植に関連する合併症が含まれる。
【0012】
AS101はまた、AS101の静脈内投与および筋肉内投与の後のラットにおけるLD50値が免疫学的に効果的な用量よりも500〜1000倍高いという、低い毒性によって特徴付けられる。従って、AS101は、魅力的な治療活性薬剤として考えられる。
【0013】
テルル含有化合物およびその医薬組成物の局所適用は、種々の皮膚関連疾患および皮膚関連障害の処置において有効であることが見出されている。
【0014】
従って、テルル含有化合物は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる皮膚および粘膜の病気を処置することにおいて非常に有効であることが見出された(例えば、WO 2005/069735(前出)を参照のこと)。HPVはごく一般的なウイルスであり、それは、身体の皮膚上に異常な細胞の増殖または組織の増大を引き起こし、従って、足、手、声帯、口、および生殖器官(性器)上に異常な組織変化を引き起こす。
【0015】
テルル含有化合物の別の局所使用は、脱毛症および毛髪の減少に関連する他の状態の処置または予防における使用である(例えば、米国特許仮出願番号第60/610660号(前出)、米国特許番号第6552089号および同第5262149号を参照のこと)。ヒトの臨床研究(FASEB J 18:400−402,2004)において、AS101は、化学療法によって誘発される骨髄毒性および脱毛症の両方から癌患者を保護する能力を示した。AS101は、ヌードマウス、正常なマウス、およびヒトにおいて毛髪の生長を誘発することが見出されている。ヌードマウスにおいて、AS101は、全身的に、経口的に、または局所的に適用されたときにこの効果を発揮することが示されている。
【0016】
テルル含有化合物の局所適用によって処置されうる他の皮膚状態には、基底細胞癌(BCC)、光線性角化症(AK)(米国特許仮出願番号第60/716923号(前出))、UV照射への曝露によって引き起こされる損傷(米国特許仮出願番号第60/716924号(前出))、乾癬(米国特許番号第6472381号)、アトピー性皮膚炎(湿疹としても知られる)、カポジ肉腫、硬皮症、火傷、瘢痕(米国特許仮出願番号第60/610660号を参照のこと)、および転移性黒色腫(Sunら、「Anticarcinoma activity of a novel drug,3−ethyl−3’−methyl−thiatelluracarbocyanine iodide(Te),a tellurium−containing cyanine targeted at mitochondria」,Clinical Cancer Research,1996,Vol 2,Issue 8,1335−1340)が含まれる。
【0017】
当該分野において広く認識されているように、局所適用のための医薬組成物は、典型的には、比較的高い濃度の適用される有効成分を含む。
【0018】
テルル含有化合物が治療活性を示すために求められる特徴を研究しているときに、二酸化テルルに由来し、従って、1個または複数個のテルルジオキソ部分を有する有機および無機のテルル含有化合物が、治療的に活性な薬剤として高度に効力を持つことが見出された。
【0019】
このようなテルル含有化合物は、酸化電位を示すことが知られており、特定の条件下では、物理的にも化学的にも不安定であると考えられる。医薬組成物、特に濃度が比較的高い局所適用のための医薬組成物中に配合されるとき、テルルジオキソ部分を含有する化合物は、酸化反応および他の反応に関与するかもしれず、それは例えば、医薬組成物の着色、その中に含まれる種々の成分の分解、および/または特定の包装材料との不適合をもたらしうる。このようなテルルジオキソ含有化合物の特定の欠点は、それを含有する組成物が包装されるか、または金属物質と接触されるときに見られる。アルミニウムのような金属は、これらの化合物によって迅速に酸化される。従って、現在まで、局所適用のために意図されるテルル含有医薬組成物は、比較的低濃度の有効成分を含むことが多い。
【0020】
活性なテルル含有化合物を局所適用のための組成物に配合することに関連するさらなる制限は、水性キャリアまたは油性キャリアにおけるAS101およびSASのような化合物の比較的劣った溶解性から生じる。いくつかの局所製剤は、油および他の疎水性キャリアに基づくが、水性キャリアまたは両親媒性キャリアに基づく製剤は、使用の簡便さ、適用しやすさ、非脂肪性、特に洗浄可能性によって有利に特徴付けられる。
【0021】
テルル含有化合物および種々のキャリアの医薬組成物は、例えば、国際特許出願番号PCT/IL2005/000990およびPCT/IL2005/000989、ならびに米国特許番号第4752614号、同第4761490号、同第4764461号、および同第4929739号(前出)において記載されている。ちなみに、それらにおいて引用される種々のキャリアの中で、ポリエチレングリコール(PEG)を含むキャリアが言及されている。しかしながら、局所使用のためのPEGベースのテルル含有製剤の適用可能性、ならびにこのような製剤の化学的および物理的安定性は、今までに一度も確立または実施されなかった。
【0022】
本明細書の上記において記載される、二酸化テルルに由来し、従って1個または複数個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物の優れた治療特性に鑑みると、局所適用のための安定なテルル含有製剤に対する必要性が広く認識され、それを有することは高度に有利であるだろう。
【発明の概要】
【0023】
本発明の1つの側面は、少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物、および医薬的に許容されうるキャリアを含む局所適用のための製剤であって、キャリアは、
テルル含有化合物が10重量パーセントの濃度で製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、および/または懸濁可能であり;かつ
製剤が少なくとも30日の間の室温での保存で化学的および物理的に安定である
ように選択される、製剤を提供する。
【0024】
本発明の別の側面は、少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物を約25重量パーセントまでの量で含み、かつ医薬的に許容されうるキャリアを含む局所適用のための製剤であって、前記キャリアは、
テルル含有化合物が10重量パーセントの濃度で製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、および/または懸濁可能であり;かつ
製剤が少なくとも30日の間の室温での保存で化学的および物理的に安定である
ように選択される、製剤を提供する。
【0025】
以下に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、1種以上のキャリアが、製剤が少なくとも6ヶ月の間の室温での保存で安定であるように選択される。
【0026】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が少なくとも30日の間の40℃での保存で安定であるように選択される。
【0027】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が少なくとも60日の間の40℃での保存で安定であるように選択される。
【0028】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が少なくとも90日の間の40℃での保存で安定であるように選択される。
【0029】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が48時間毎に−10℃から40℃まで4回交互に替わる温度でのサイクルで安定であるように選択される。
【0030】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が約48時間毎に約−10℃から約40℃まで少なくとも3回交互に替わる温度でのサイクルで安定であるように選択される。
【0031】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、製剤が10分間の約3,000RPMでの遠心分離、次いでさらなる10分間の10,000RPMでの遠心分離で安定であるように選択される。
【0032】
本発明の別の側面は、化学的および物理的に安定な局所適用のための製剤であって、少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物を製剤の全重量の少なくとも5重量パーセントの濃度で含み、かつ医薬的に許容されうるキャリアを含む製剤を提供する。
【0033】
以下に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤のいずれか1つにおいて、キャリアは、グリコールまたはアルコールを含む。
【0034】
以下に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤のいずれか1つにおいて、キャリアは、少なくとも1個のC1−4アルキレングリコールを含む。
【0035】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1個のアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールを含む。
【0036】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、ポリエチレングリコールは、約100Da〜約10000Daの範囲の平均分子量を有する。
【0037】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、局所製剤に適用可能な所望の稠度(例えば、粘度)を製剤に与えるように、および/または都合良く適用および/または吸収される製剤を提供するように選択されるポリエチレングリコールの混合物を含む。
【0038】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、安定剤、浸透増強剤、湿潤剤、消臭剤、芳香剤、発汗抑制剤、日焼け止め剤、サンレス・タンニング剤(sunless tanning agent)、ヘアコンディショナー、pH調節剤、日焼け防止剤、キレート化剤、保存剤、乳化剤、閉塞剤、皮膚軟化剤、増粘剤、可溶化剤、抗刺激剤、着色剤、噴射剤、および界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分をさらに含む。
【0039】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、追加の成分は、プロピレングリコールおよびDMSOからなる群から選択される。
【0040】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、少なくとも1種の浸透増強剤をさらに含む。
【0041】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、浸透増強剤の濃度は、約1重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲である。
【0042】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1種の浸透増強剤は、プロピレングリコール(PG)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アラントイン、ウラゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、デシルメチルスルホキシド(C10 MSO)、ポリエチレングリコールモノラウラート(PEGML)、プロピレングリコールモノラウラート(PGML)、Phosal、グリセロールモノラウラート(GML)、レシチン、1−置換のアザシクロヘプタン−2−オン、アルコール、植物油、ホスファチジルコリン濃縮物(PC)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、キャリアは、少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む。
【0044】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1種の界面活性剤の濃度は、約1重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲である。
【0045】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両親媒性界面活性剤からなる群から選択される。
【0046】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、界面活性剤は、Tween、トライトン、チロキサポール、プルロニック、Brije、Span、ポロキサマー、およびエムルフォアからなる群から選択される。
【0047】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤のいずれか1つは、追加の活性薬剤をさらに含む。
【0048】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、追加の活性薬剤は、抗生物質剤、抗微生物剤、抗ざ瘡剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、麻酔剤、かゆみ止め剤、抗原虫剤、抗酸化剤、化学療法剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、ホルモン、角質溶解剤、およびふけ防止剤からなる群から選択される。
【0049】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、テルル含有化合物の濃度は、約0.01重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲である。
【0050】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、テルル含有化合物の濃度は、約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である。
【0051】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、テルル含有化合物の濃度は、約10重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である。
【0052】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、テルル含有化合物は、二酸化テルル(TeO)、TeOの錯体、一般式Iを有する化合物:

一般式IIを有する化合物:

一般式IIIを有する化合物:

および
一般式IVを有する化合物:

(式中、
t、uおよびvのそれぞれは独立して0または1である;
mおよびnのそれぞれは独立して0〜3の整数である;
jおよびkのそれぞれは独立して0〜4の整数である;
Yは、アンモニウム、ホスホニウム、カリウム、ナトリウムおよびリチウムからなる群から選択される;
Xはハロゲン原子である;かつ
〜R22のそれぞれは独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシル、アミド、シアノ、N−モノアルキルアミドアルキル、N,N−ジアルキルアミドアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、カルバミル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、スルホニル、スルフィニル、スルファート、アミン、アリール、ヘテロアリール、ホスファート、ホスホナートおよびスルホンアミドからなる群から選択される)
からなる群から選択される。
【0053】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、テルル含有化合物は、一般式Iを有する。
【0054】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、t、uおよびvはそれぞれ0である。
【0055】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、R、R、R、およびR10はそれぞれ水素である。
【0056】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、Xはクロロである。
【0057】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、Yはアンモニウムである。
【0058】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は親水性の製剤である。
【0059】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は洗浄可能な製剤である。
【0060】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は、室温で約1,000cpi〜約1,000,000cpiの範囲の粘度を有する。
【0061】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は、室温で約3,000cpi〜約30,000cpiの範囲の粘度を有する。
【0062】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は、包装材中に包装されかつテルル含有化合物の局所適用が有益である医学的状態の処置における使用について包装材中にまたは包装材上に印刷で特定される。
【0063】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、医学的状態は、硬皮症、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕、ヒトパピローマウイルスに関連する皮膚および/または粘膜の病気、コンジローム、いぼ、脱毛症、毛髪の減少、転移性黒色腫、基底細胞癌、光線性角化症、およびUV皮膚損傷からなる群から選択される。
【0064】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、本明細書中に記載される製剤は、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、乳液、懸濁物、溶液、エアロゾル、スプレー、泡、シャンプー、ムース、漿液、綿球、綿撒糸、パッド、チンキ剤、パッチ、および石けんからなる群から選択される形態である。
【0065】
本発明の追加の側面によれば、テルル含有化合物の局所適用が有益な状態を処置または予防する方法であって、処置または予防を必要とする対象に、本明細書中に記載される製剤の治療効果的な量を投与することを含む方法が提供される。
【0066】
本発明のさらなる側面によれば、本明細書中に記載される製剤を調製するプロセスであって、テルル含有化合物とキャリアを混合することを含むプロセスが提供される。
【0067】
以下に記載される本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、混合することは、約10℃〜約100℃の範囲の温度で行われる。
【0068】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0069】
本明細書中で使用される用語「方法(method)」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
【0070】
本明細書中で使用される用語「処置する(treating)」は、状態の進行を終わらせること、実質的に阻害すること、遅らせること、または逆転させること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善すること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に防止することを包含する。
【0071】
用語「含む(comprising)」は、最終結果に影響しない他の工程および成分が加えられうることを意味する。この用語は、用語「からなる(consisting of)」および用語「から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。
【0072】
表現「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分および/または工程が、主張される組成物または方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物または方法がさらなる成分および/または工程を含みうることを意味する。
【0073】
本明細書中で使用される用語「医薬的に許容されうる」は、動物、特にヒトにおける使用について、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されているか、あるいは、米国薬局方または他の一般的に認められている薬局方に収載されていることを意味する。本明細書中において、表現「生理学的に許容されうるキャリア」および表現「医薬的に許容されうるキャリア」は交換可能に使用することができ、生物に対する著しい刺激を生じさせず、かつ、投与されたコンジュゲートの生物学的活性および生物学的性質を阻害しないキャリアまたは希釈剤を示す。
【0074】
本明細書中で使用される場合、単数形態「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含しうる。
【0075】
本開示を通して、本発明の種々の側面が範囲形式で提示されることができる。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
【0076】
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲にある/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
【0077】
本明細書中で使用される用語「約」は、+/−10%を意味する。
【0078】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0079】
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【0080】
以下に、図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1Aおよび1Bは、アルミニウム積層非密閉キャップを有するシンチレーションガラス瓶における周囲温度での30日間の保存後の、AS101粉末(図1A)およびDMSO中のAS101の20(重量)%溶液(図1B)の写真を示す。
【0082】
【図2】図2A〜2Dは、偏光下の、AS101粉末(図2A)、DMSO中のAS101の20(重量)%溶液(図2B)、およびDMSO/ワセリン中のAS101軟膏(図2Cおよび2D)の写真を示す。
【0083】
【図3】図3Aおよび3Bは、100倍(図3A)および400倍(図3B)での偏光下の、本発明の好ましい実施形態によるテルル含有PGB3製剤の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0084】
本発明は、テルル含有化合物の新規な製剤の発明である。より具体的には、本発明は、局所適用のために設計されるテルル含有製剤の発明である。本発明のテルル含有化合物の新規な製剤は、テルル含有化合物が低濃度、ならびに高濃度および非常に高濃度で製剤中に存在するときの化学的および物理的安定性によって特徴付けられる。
【0085】
本発明による組成物および方法の原理および作用が、付随する説明を参照してより十分に理解されることができる。
【0086】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明において示される細部、または、実施例によって例示される細部に限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または、様々な方法で実施または実行される。また、本明細書中で用いられる表現法および用語法は記述のためであって、限定であると見なしてはならないことを理解しなければならない。
【0087】
本明細書の上記の背景技術の節において言及したように、テルル含有化合物、例えば、トリクロロ(ジオキシエチレン−O,O’)テルル酸アンモニウム(AS101としても当該分野において知られる)、および[TeO(COCH)(SASとしても当該分野において知られる)は、証明された治療特性を有する。特に、テルル含有化合物およびその医薬組成物の局所適用は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる皮膚および粘膜の病気のような種々の皮膚関連状態、皮膚関連疾患、および皮膚関連障害の処置において、脱毛症および毛髪の減少に関連する他の状態の処置または予防において、および基底細胞癌(BCC)、光線性角化症(AK)、UV照射への曝露によって引き起こされる損傷、アトピー性皮膚炎、カポジ肉腫、硬皮症、火傷、瘢痕、および転移性黒色腫の処置において有効であることが見出されている(例えば、WO 2005/069735、米国特許仮出願番号第60/610660号、同第60/716923号、および同第60/716924号、米国特許番号第6552089号、同第5262149号、および同第6472381号、Sunら、1996(前出)を参照のこと)。
【0088】
本明細書の上記の背景技術の節においてさらに議論されたように、テルル含有化合物、特に二酸化テルルに由来し、従って少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物は、酸化電位を示すことが知られており、特定の条件下では、物理的にも化学的にも不安定であると考えられる。従って、医薬組成物、特に濃度が比較的高いことが多い局所適用のための医薬組成物中に配合されるとき、テルルジオキソ部分を含有する化合物は、酸化反応および他の反応に関与するかもしれず、それは例えば、医薬組成物の着色、および/またはその中に含まれる種々の成分の分解をもたらしうる。背景技術の節において詳述されるように、このようなテルルジオキソ含有化合物が包装されるか、またはアルミニウムのような金属物質と接触されるときに、金属は、テルル含有化合物によって迅速に酸化される。
【0089】
テルル含有化合物の酸化性は、以下の実施例の節において再度実証され、そこでは、AS101の例示的サンプル(粉末として、DMSO中の20重量パーセント溶液として、およびワセリンと組み合わせてDMSO溶液を含有する軟膏としてのサンプル)が、視覚的に試験された。図1A〜1Bにおいて見られるように、AS101粉末(図1A)およびDMSO中の20%AS101溶液(図1B)の両方が保存された瓶のアルミニウム積層キャップは実際に分解された。さらに、金属装置とテルル含有化合物(AS101)が接触すると濃い黒色が生成され、テルル含有化合物の酸化性を再度確認した。さらに、DMSO溶液製剤および軟膏製剤は、保存時に分解することが明らかであった。
【0090】
本明細書全体を通じて、表現「テルルジオキソ部分」および表現「二酸化テルル部分」は交換可能に使用され、−O−Te−O−基(式中、テルル中心は、さらに置換されることができる)を記載する。
【0091】
従って、テルル含有化合物を含む現在利用可能な局所製剤は、中程度の安定性しか持っておらず、その取扱い、包装、保存、および実施時に特別な密閉容器の使用を必要とする。これらの特別な必要条件は、テルル含有化合物に基づく医薬製品の製造コストを常に増大させ、それらの使用の実用性を低下する。
【0092】
本明細書の上記の背景技術の節においてさらに議論されるように、テルル含有化合物は、水性キャリアにおいて非常に低い溶解性を有し、従って、現在利用可能な製剤のほとんどは、疎水性キャリア(例えば、ワセリンクリームのようなペトロラタム)に基づいており、それは、脂肪性でありかつ着色することが多いためにあまり望ましくない。以下の実施例の節において示されるように、例示的なテルル含有化合物(AS101)は、一方で、DMSO中で溶解される(図2B)が中程度に安定(図1B)であり、他方で、DMSO/ワセリン軟膏において溶解せず、他の多形型へと再結晶化した(図2Cおよび2D)。
【0093】
従って、局所適用のために好適である、テルル含有化合物を含む新規の安定な水性製剤は非常に望ましい。
【0094】
このような新規の製剤の研究において、驚くべきことに、テルル含有化合物が、本明細書の上記に記載される現在知られているテルル含有局所製剤に関連する欠点を有さない、安定な水性局所製剤へと調剤されうることが見出された。
【0095】
以下の実施例の節において示されるように、12%のテルル含有化合物AS101を含有する例示的な局所製剤が、実質的に溶解されたテルル含有化合物のプロトタイプ製剤として開発されている。製剤は、FDAおよび欧州の当局によって局所用処方薬について認可される医薬的に不活性な成分をさらに含む。得られた製品は、半固体の親水性軟膏であり、良好な皮膚感触、適用しやすさ、および非脂肪性、非粘着性の性質によって特徴付けられる。この製剤は、一連の加速された不安定性の物理的試験を成功裏に通過し、さらに良好な化学的安定性を示した。15%のテルル含有化合物AS101を含有する別の例示的な局所製剤が開発されており、それもまた保存時に安定なままであることが見出された。12%のテルル含有化合物AS101を含有する他の例示的な製剤もまた与えられる。
【0096】
従って、本発明は、局所適用のために好適である、治療的に活性なテルル含有化合物の化学的および物理的に安定な製剤を提供することによって、現在知られている形態の欠点に対処することに成功しており、いかなる所望の濃度でも安定なテルル含有化合物を配合することを可能にしている。
【0097】
従って、本発明の1つの側面によれば、テルル含有化合物、好ましくは1個または複数個のテルルジオキソ部分を有する二酸化テルルに由来する化合物を含む局所適用のための製剤が提供される。本発明のこの側面によれば、製剤は、医薬的に許容されうるキャリアをさらに含み、このキャリアは、テルル含有化合物が10重量パーセントの濃度で製剤中に存在するときに、製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、および/または懸濁可能であり、かつ製剤が少なくとも30日の間の室温での保存で化学的および物理的に安定であるように選択される。
【0098】
以降、表現「医薬的に許容されうるキャリア」は、対象に対する著しい刺激を生じさせず、かつ、投与された化合物の生物学的活性および生物学的性質を阻害しないキャリアまたは希釈剤を示す。本明細書中で使用される用語「キャリア」は、治療剤が一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、またはビヒクルを示す。
【0099】
本明細書中で用語「賦形剤」は、有効成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性な物質を示す。賦形剤の非限定的な例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0100】
以降、表現「局所適用」は、身体組織の外部表面または腔への直接適用を示す。
【0101】
本明細書中に記載されるテルル含有化合物の局所適用は、好ましくは、処置される皮膚または粘膜領域への治療効果的な量のテルル含有化合物の適用によって行われる。
【0102】
処置される領域は、例えば、顔、耳、頸部、頭皮、肩、背中、前腕、手、胸、脚、または膣であることができる。
【0103】
本明細書中で表現「処置される領域」は、影響を受ける領域ならびに影響を受ける領域を囲む組織を包含する。局所適用は、臨床的徴候の上および周囲に行われる。
【0104】
用語「治療効果的な量」または用語「医薬的に効果的な量」は、有効成分が指示される治療効果を提供する、有効成分または有効成分を含む組成物の用量を示す。本発明に関連した使用のために好適な医薬組成物としては、有効成分が、その意図された目的を達成するために有効な量で含有される組成物が含まれる。より具体的には、「治療効果的な量」は、処置されている対象の疾患の症状を予防、緩和あるいは改善するために効果的であるか、または、治療されている対象の生存を延ばすために効果的である、有効成分の量を意味する。治療効果的な量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0105】
治療効果的な量または用量は、生体外アッセイ(例えば、ヒトまたは動物の皮膚で実施されるもの)から最初に推定されることができる。例えば、用量は、動物モデルにおいて定められることができ、このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用されることができる。
【0106】
本明細書中に記載される有効成分の毒性および治療効力は、生体外、細胞培養物、実験動物、またはヒトにおける標準的な薬学的手法によって決定されることができる。これらの生体外、細胞培養アッセイおよび動物研究またはヒトの研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投与量範囲を定めるために使用されることができる。投与量は、用いられる投薬形態および利用される投与経路に依存して変化しうる。正確な配合、投与経路および投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択されることができる(例えば、Finglら、(1975)「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1 p.1を参照のこと)。
【0107】
処置される状態の重篤度および応答性に依存して、投薬は、単回または複数回投与で行われることができ、この場合、処置期間は、数日から数週間まで、または治療が達成されるまで、または疾患状態の軽減が達成されるまで続く。
【0108】
以下の実施例の節において示されるように、好適なキャリアを選択することによって、テルル含有製剤は、化学的および物理的に安定な製剤として得られることが可能であり、その結果、10重量パーセントの活性なテルル含有化合物を含む例示的な製剤(製剤PGB3)は、製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、かつ/または懸濁可能であり;同時に、少なくとも30日間、少なくとも60日間、少なくとも90日間、および6ヶ月間までもの室温での保存で化学的および物理的に安定であり、少なくとも30日間、90日以上もの間の40℃での保存でさえ安定である。特定の実施形態において、本発明の製剤はキットとして提供され、そのキットは、例えば、使用および投与についての指示書を含むことができる。
【0109】
表現「化学的に安定」は、溶解状態または固体状態での保存でテルル含有化合物のいかなる化学変化も存在しないことを示す。化学変化に関与する過程の例としては、限定されないが、加水分解、酸化などが含まれる。特に、テルル含有化合物が酸化電位を示すという公知の知見に鑑みると、化学変化に関与する過程は、酸化還元反応を含むことができる。従って、「化学的に安定」な製剤において、種々の化学成分、特にテルル含有化合物は、顕著な化学変化を示さない。
【0110】
表現「物理的に安定」は、不溶解性および/または溶解性の集合物の形成、ならびに任意の製剤成分の何らかの構造的変形、変色、および/または黒色化を示す。この表現は、粘度の維持、離漿に対する耐性、および乳剤の場合における相分離に対する耐性に関連して本明細書においてさらに使用される。従って、「物理的に安定」な製剤は、溶解性、色、粘度、相分離などを含む製剤の物理的性質の顕著な変化を示さない。
【0111】
本明細書中で用語「化学的に安定」および「物理的に安定」は別個に定義されているが、それらは必ずしも明確には区別されず、互いに影響しうる。
【0112】
以下の実施例の節において示されるように、本発明の実施形態による例示的な製剤は、48時間続く、−10℃〜40℃の4回の毎日の温度サイクルからなる熱的安定性試験に供された。別の実験において、各サンプルはさらに、加速試験のために90日間40℃の安定チャンバに入れられた。
【0113】
従って、製剤の安定性はその熱的安定性に基づいて規定されることができ、一方、本発明の好ましい実施形態によれば、キャリアは、製剤が48時間毎に−10℃から40℃まで交互に替わる温度でのサイクル(ミキシング)で安定であるように選択される。
【0114】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、キャリアは、製剤が約10分間の約3,000RPMでのミキシング(遠心分離)、次いで10分間の10,000RPMでの遠心分離で安定であるように選択される。
【0115】
以下の実施例の節において示されるように、12%または15%のAS101を含有する局所製剤が、半固体の親水性軟膏(それぞれ、製剤PGB3および製剤PGB5として本明細書中に示される)として調製され、それらは局所適用に十分に適している。現在開発される製剤は、良好な皮膚感触を有し、適用しやすく、脂肪性または粘着性の性質を有さない。これらの製剤は、一連の加速された不安定性の物理的試験を成功裏に通過している。AS101粉末またはAS101溶液はいかなる軽微な酸化でも灰色または黒色になることが知られているので、AS101の化学的安定性は、加速された安定性試験の間に変色が無いことによって評価された(例えば、実施例1を参照のこと)。
【0116】
特定の実施形態は、約12%のAS101、約13%のAS101、約14%のAS101、および約15%のAS101を含む。他の実施形態において、約12%より少なくかつ約15%より多い量のAS101を含む局所製剤が使用され、そのような量は、限定されないが、約10%、約11%、約10%〜約12%、約5%〜約10%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約12%〜約15%、約15%〜約20%、約20%〜約25%、約25%〜約30%、約30%〜約35%、および約35%〜約40%のAS101を含む。
【0117】
活性な医薬成分の可溶化された形態または分子形態は、有効成分が結晶形態で存在する製剤と比べて、良好な皮膚吸収と一般的に関連する。テルル含有化合物の可溶化された形態を含む製剤を開発するために、これらの化合物の溶解性が、多種類の一般的に使用される溶媒について評価された。
【0118】
以下の実施例の節において示されるように、実験の過程において多くの医薬的に許容されうるキャリアが試験されたが、いくつかのキャリアは不適合であることが見出された。例えば、以下の表1に示されるように、化粧品用途において一般的に許容されるシリコーン油およびヒドロキシセルロースのような溶媒の存在下において、溶液の望ましくない着色が観察され、これはテルル含有組成物のためのキャリアとしてのこれらの溶媒の使用が制限されることを示唆する。
【0119】
従って、キャリアが本明細書中に記載される化学的および物理的安定性を提供するという条件つきで、1種以上のいかなるキャリアも本発明の製剤の調製において使用されることができる。これは、本明細書中に記載され、かつ以下の実施例の節において例示される化学的および物理的安定性試験に従って容易に決定可能である。
【0120】
上記の背景技術の節において詳述されたように、C1〜4アルキレングリコールキャリア(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))を含む局所用のテルル含有製剤はついでに言及されたにすぎず、このような安定な製剤は実証されていない。テルル含有化合物の安定な局所製剤の調製におけるキャリアとしての、PEGのようなC1〜4アルキレングリコールの使用は、今や予想外に実証された。従って、本発明の例示的実施形態によれば、キャリアは、少なくとも1個のC1〜4アルキレングリコールを含む。好ましくは、少なくとも1個のアルキレングリコールはポリエチレングリコールを含む。
【0121】
ポリエチレングリコールは、一般式:HO−CH−O−(CH−O−CH−OCHOH(式中、nはオキシエチレン基の数を表し、1〜100,000のいずれかの整数であることができる)を有するエチレンオキシドのポリマーである。PEGは、所定のグレードに対して平均分子量を示す数値によって示される。室温で、600より低い分子量を有するPEGは液体であり、1000を超える分子量を有するPEGは固体である。PEGは、非毒性および非刺激性であると一般的に考えられる。
【0122】
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリエチレングリコールは、約100〜約10,000の範囲の平均分子量を有する。
【0123】
以下の実施例の節において見られるように、このような分子量の範囲内にあるPEGは、テルル含有化合物を含む局所製剤におけるキャリアとして好適であることが確認された。
【0124】
以下の実施例の節においてさらに見られるように、本発明の局所製剤の調製において、PEG200、PEG400、およびPEG4000が使用され、それらの組合せは、安定なテルル含有製剤を獲得した(実施例3を参照のこと)。
【0125】
従って、本発明の例示的な実施形態によれば、ポリエチレングリコールは、PEG200、PEG400、PEG4000、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0126】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、キャリアは追加の好適なキャリアを含む。
【0127】
分子量が600より低いPEGは液体であること、およびテルル含有化合物は少なくとも部分的に液化されていることが好ましいことから、製剤は、600より低い平均分子量を有する少なくとも1種のポリエチレングリコールを含む。液体PEG(すなわち、600より低い平均分子量を有するもの)の濃度は、好ましくは、組成物の総重量の約30重量パーセント〜約90重量パーセントの範囲である。
【0128】
以下の実施例の節において見られるように、本発明による好ましい製剤は、約39重量パーセントのPEG200と約30重量パーセントのPEG400を含む。これらの製剤は、約35〜40重量パーセントのPEG200(例えば、36%、37%、38%、39%、および40%)または約30〜50重量パーセントのPEG200と、約25〜35重量%のPEG400(例えば、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、および35%)を含む他の実施形態を例示する。特定の好ましい実施形態において、PEG200またはPEG400のいずれかの濃度は、ぞれぞれ、組成物の総重量の約10重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲である。
【0129】
しかしながら、局所製剤において、製剤の粘度を増大させることはしばしば望ましいが、もし1000を超える分子量のPEGが室温で固体であるなら、1000より高い平均分子量を有する少なくとも1種のポリエチレングリコールが製剤に有利に添加されることができる。固体PEG(すなわち、1000より高い平均分子量を有するもの)の濃度は、好ましくは、約5重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である。
【0130】
以下の実施例の節において見られるように、本発明による好ましい製剤は、約10重量パーセントのPEG4000を含む。
【0131】
従って、PEG4000の好ましい濃度は、約5重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である。
【0132】
しかしながら、他の液体PEGおよび/または固体PEG、例えばPEG150、PEG200、PEG600、PEG1500、PEG3500、およびPEG6000、ならびにそれらの任意の組合せが、製剤の所望の稠度を選択/構成するときに、本実施形態の関連における使用に好適であることは当業者には明らかなはずである。
【0133】
従って、種々の分子量を有する種々のPEGが、本明細書の以下に詳細にさらに議論されるように、製剤の所望の稠度(例えば、本明細書の以下に詳述されるような粘度に関して)、製剤を局所的に適用するための所望の簡便さ、および組成物の所望の吸収度を達成するために選択されることができる。
【0134】
本明細書の上記に与えられるこれらの濃度の全ては、FDAおよび欧州の当局によって公表されている不活性成分のガイドラインの制限を満たす。
【0135】
本明細書中に記載される製剤は、任意選択的に、組成物に追加の使用利益を与えるのに好適な種々の成分をさらに含むことができる。このような慣習的な任意成分は当業者によく知られており、本明細書において「成分」として示される。これらの成分の非限定的な代表例の一部には、浸透増強剤、安定剤、湿潤剤、消臭剤、芳香剤、発汗抑制剤、日焼け止め剤、サンレス・タンニング剤、ヘアコンディショナー、pH調節剤、キレート化剤、保存剤、乳化剤、閉塞剤、皮膚軟化剤、増粘剤、可溶化剤、抗刺激剤、着色剤、噴射剤、および界面活性剤が含まれる。
【0136】
しかしながら、追加の成分が、テルル含有化合物と組み合わせて配合されるのに好適なように(適合するように)選択されることに注意されるべきである。
【0137】
本明細書中に記載される研究の過程において、特定の成分の添加により、安定性が増強された製剤が得られたことが見出されている。従って、例えば、テルル含有化合物にプロピレングリコールを添加すると、配合工程およびその後の保存の間に、分解、着色、または他のいかなる有害な特徴も観察されなかったことが見出されている。さらに、製剤中の比較的少量のDMSO(約5%)の存在が、製剤を高度に安定にしたことが見出されている。プロピレングリコールおよびDMSOの両方が、非常に有効な浸透増強剤として本明細書中で認識され、従って、添加剤としてのそれらの製剤中の包含は非常に有益である。
【0138】
テルル含有化合物および/またはその残余量(ppm)の不純物の安定化剤として作用することができる他の物質は、本明細書中に記載される製剤中に含まれることができる。あるいは、製剤の均一性、なめらかさ、および稠度に関して製剤の安定性に影響する安定剤は、好ましくは、本明細書中に記載される製剤内に含まれる。このような安定剤は、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および/または両親媒性界面活性剤であることができる。好ましくは、安定剤は非イオン性界面活性剤であり、例えば限定されないが、ポリエトキシル化脂肪アルコールおよびグリセロール誘導体である。界面活性剤の代表的な例には、限定されないが、Tween、トライトン、チロキサポール、プルロニック、Brije、Span、ポロキサマー、およびエムルフォアが含まれる。特に現在好ましい例示的な界面活性剤は、ICI Americas,Inc.によって商標「BRIJ」で市販されるポリエトキシル化脂肪アルコールである。
【0139】
あるいは、安定剤は、限定されないが、アルキルおよびアリールのスルホン酸塩またはリン酸塩のようなアニオン性界面活性剤である。あるいは、安定剤はまた、セチルピリジニウムクロリドまたはセチルピリジニウムブロミド、およびセチルトリメチルアンモニウムブロミドのようなカチオン性界面活性剤である。代替的にかつ好ましくは、安定剤は、限定されないが、アルキルベタイン誘導体、ココアンホ二酢酸誘導体、ラウロアンホ二酢酸、およびホスファチジルグリセロールのような両親媒性界面活性剤である。
【0140】
さらに、本明細書の上記で言及されたように、本明細書中に記載される製剤は、浸透増強剤を含むことができる。当該分野においてよく知られているように、浸透増強剤は、皮膚層を通しての有効成分の経皮的な浸透を増強することができる化合物である。本発明の関連において使用可能である好適な浸透増強剤には、限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アラントイン、ウラゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、デシルメチルスルホキシド(C10 MSO)、ポリエチレングリコールモノラウラート(PEGML)、プロピレングリコール(PG)、プロピレングリコールモノラウラート(PGML)、Phosal(登録商標)、グリセロールモノラウラート(GML)、レシチン、1−置換のアザシクロヘプタン−2−オン、特に、1−n−ドデシルシクラザシクロヘプタン−2−オン、アルコールなどが含まれる。浸透増強剤はまた、植物油であることもできる。このような油は、例えば、ベニバナ油、綿実油およびトウモロコシ油が含まれる。以下に例示されるような好ましい浸透増強剤は、プロピレングリコールおよびPhosal−50PGTMである。
【0141】
本発明の関連において使用可能である保湿剤の代表的な例には、限定されないが、グアニジン、グリコール酸、およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウム塩および第四級アルキルアンモニウム塩)、その様々な形態のいずれかでのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル)、アラントイン、ウラゾール、ポリヒドロキシアルコール(例えば、ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびヘキシレングリコールなど)、糖およびデンプン、糖誘導体およびデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、ヒアルロン酸、ラクタミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、ならびに、それらの任意の組合せが含まれる。
【0142】
本発明の組成物は、pH調節剤をさらに含むことができる。pH調節剤の添加は、組成物が皮膚上に局所的に適用されるときに特に好ましい。これらの処置領域のpHは、典型的には、6.0より低い。従って、皮膚に対する刺激または生殖器領域における細菌集団の不均衡の誘導を回避するように、本発明の組成物が約4〜約7(好ましくは、約4〜約6)のpHを有することが好ましい。好適なpH調節剤には、例えば、アジピン酸、グリシン、クエン酸、水酸化カルシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、緩衝剤の1種または複数種、あるいはそれらの任意の組合せが含まれる。
【0143】
本発明の関連において使用可能である消臭剤の代表的な例には、限定されないが、第四級アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ナトリウムN−ラウリルサルコシン、ナトリウムN−パルミチルサルコシン、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、カリウムN−ラウリルサルコシン、ステアリル、トリメチルアンモニウムクロリド、クロロヒドロキシ乳酸アルミニウムナトリウム、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、ジアミノアルキルアミド、例えば、L−リシンヘキサデシルアミドなど、シトラート、サリチラートおよびピロクトースの重金属塩(特に、亜鉛塩)およびその酸、ピリチオンの重金属塩(特に、亜鉛ピリチオンおよびフェノール硫酸亜鉛)が含まれる。他の消臭剤には、限定されないが、臭気吸収物質、例えば、炭酸塩および重炭酸塩、例えば、アルカリ金属の炭酸塩および重炭酸塩、炭酸アンモニウムおよび重炭酸アンモニウムならびに炭酸テトラアルキルアンモニウムおよび重炭酸テトラアルキルアンモニウム、特に、ナトリウム塩およびカリウム塩、あるいは、上記の任意の組合せが含まれる。
【0144】
発汗抑制剤は、可溶化形態または粒子状形態のいずれかで本発明の組成物に組み込まれることができ、発汗抑制剤には、例えば、アルミニウムまたはジルコニウムの収斂性の塩または錯体が含まれる。
【0145】
本発明の関連において使用可能である日焼け止め剤の代表的な例には、限定されないが、p−アミノ安息香酸、その塩および誘導体(エチルエステル、イソブチルエステル、グリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニル酸エステル(すなわち、o−アミノ安息香酸エステル;メチルエステル、メンチルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、フェニルエチルエステル、リナリルエステル、テルピニルエステルおよびシクロヘキセニルエステル);サリチル酸エステル(アミルエステル、フェニルエステル、オクチルエステル、ベンジルエステル、メンチルエステル、グリセリルエステルおよびジプロピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチルエステルおよびベンジルエステル、a−フェニルシンナモニトリル;ブチルシンナモイルピルバート);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト−ウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチンおよびそれらのグルコシド、エスクリンおよびダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトンおよびベンザルアセトフェノン;ナフトスルホナート(2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸および2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシナフトエ酸およびその塩;o−ヒドロキシビフェニルジスルホナートおよびp−ヒドロキシビフェニルジスルホナート;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール系(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトキサゾール、様々なアリールベンゾチアゾール);キニン塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩およびタンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩、2−フェニルキノリン);ヒドロキシ置換またはメトキシ置換のベンゾフェノン;尿酸およびビオルル酸;タンニン酸およびその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルボトール)(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン系(オキシベンゼン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン);4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;オクトクリレン;[3−(4’−メチルベンジリデンボルナン−2−オン)および4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ならびに、それらの任意の組合せが含まれる。
【0146】
本発明の関連において使用可能であるサンレス・タンニング剤の代表的な例には、限定されないが、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド、インドール類およびそれらの誘導体が含まれる。サンレス・タンニング剤は、日焼け止め剤との組合せで使用することができる。
【0147】
キレート化剤が、任意選択的に、保存剤または保存剤系を強化するように本発明の組成物に添加される。好ましいキレート化剤は穏やかに作用する薬剤であり、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA誘導体、または、その任意の組合せである。
【0148】
本発明の関連において使用することができる好適な保存剤には、限定されないが、1つまたは複数のアルカノール、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)二ナトリウム、EDTA塩、EDTA脂肪酸コンジュゲート、イソチアゾリノン、パラベン類(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベンなど)、プロピレングリコール、ソルバート、ウレア誘導体(例えば、ジアゾリンジニルウレアなど)、あるいは、それらの任意の組合せが含まれる。
【0149】
本発明の関連において使用することができる好適な乳化剤には、例えば、1つまたは複数のソルビタン、アルコキシル化脂肪アルコール、アルキルポリグリコシド、石けん、アルキルスルファート、モノアルキルホスファートおよびジアルキルホスファート、アルキルスルホナート、アシルイソチオナート、あるいは、それらの任意の組合せが含まれる。
【0150】
本発明の関連において使用することができる好適な閉塞剤には、例えば、ワセリン、鉱油、蜜ろう、シリコーン油、ラノリンおよび油溶性ラノリン誘導体、飽和および不飽和の脂肪アルコール(例えば、ベヘニルアルコールなど)、炭化水素(例えば、スクアレンなど)、ならびに、様々な動物油および植物油(例えば、アーモンド油、ピーナッツ油、コムギ胚種油、アマニ油、ホホバ油、杏仁油、クルミ油、パームナッツ油、ピスタチオナッツ油、ゴマ種子油、ナタネ油、カデ油、トウモロコシ油、桃仁油、ケシ油、パイン油、ひまし油、ダイズ油、アボカド油、ベニバナ油、ヤシ油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、ブドウ種子油およびヒマワリ種子油など)が含まれる。
【0151】
本発明の関連において使用されることができる好適な皮膚軟化剤には、例えば、ドデカン、スクアレン、コレステロール、イソヘキサデカン、イソノナン酸イソノニル、PPGエーテル、ワセリン、ラノリン、ベニバナ油、ひまし油、ヤシ油、綿実油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ダイズ油、ポリオールのカルボン酸エステル、その誘導体、および、それらの任意の混合物が含まれる。
【0152】
本発明の関連において使用されることができる好適な増粘剤には、例えば、非イオン性の水溶性ポリマー、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)250または同350の商標で市販されている)など、カチオン性の水溶性ポリマー、例えば、Polyquat37(Synthalenの商標で市販されている)など、脂肪アルコール、脂肪酸およびそのアルカリ塩、ならびに、それらの混合物が含まれる。
【0153】
本発明の関連において使用可能である可溶化剤の代表的な例には、限定されないが、錯体形成性の可溶化剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、メタリン酸ナトリウム、コハク酸、ウレア、シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、オルト安息香酸ジエチルアンモニウムなど、およびミセル形成性の可溶化剤、例えば、TWEENおよびSPAN(例えば、TWEEN80)などが含まれる。本発明の組成物のために使用可能である他の可溶化剤は、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンn−アルキルエーテル、n−アルキルアミンn−オキシド、ポロキサマー、有機溶媒、リン脂質およびシクロデキストリンである。
【0154】
本発明の関連において使用されることができる好適な抗刺激剤には、例えば、ステロイド系および非ステロイド系の抗炎症剤、あるいは、他の物質、例えば、アロエベラ、カミツレ、α−ビサボロール、コラノキ(cola nitida)抽出物、緑茶抽出物、ティーツリー油、甘草抽出物、アラントイン、カフェインまたは他のキサチン類、グリシルリジン酸およびその誘導体が含まれる。
【0155】
化粧品工業において一般的な添加剤であるシリコーン油およびセルロースポリマーのようないくつかの不活性な成分が、テルル含有化合物と反応して、色の許容されない変化を引き起こすことが見出されたことに注目することは重要である(実施例2を参照のこと)。
【0156】
本発明の製剤は、限定されないが、充填剤、塩、糖、および/またはグリセリンのような1種以上の添加剤をさらに含むことができる。これらの添加剤は、典型的には、製剤の機械的強度を強化するために、製剤の拡散特性または吸収特性を改変するため、および/または製品の費用効果を改良するために製剤に添加される。
【0157】
上記に記載されるテルル含有化合物に加えて、本明細書中に記載される製剤は、処置される病気、処置される病気に関連する状態、または心理的効果および予防的効果のような他のパラメータに関して追加の有益な効果を提供するために、追加の活性薬剤をさらに含むことができる。
【0158】
従って、本発明の追加の実施形態によれば、本明細書中に記載される製剤のそれぞれは、本明細書の以下に記載されるような、テルル含有化合物の局所製剤によって処置される医学的状態を処置するために使用されることが知られている追加の活性薬剤をさらに含むことができる。
【0159】
追加の活性薬剤は、例えば、抗生物質剤、抗微生物剤、抗ざ瘡剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、麻酔剤、かゆみ止め剤、抗原虫剤、抗酸化剤、化学療法剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、ホルモン、角質溶解剤、およびふけ防止剤であることができる。活性薬剤は、その適合性に関してテルル含有化合物と組み合わせられるのに好適であるように選択される。
【0160】
本発明の関連において使用される好適な抗ざ瘡剤には、限定されないが、角質溶解剤、例えば、サリチル酸、イオウ、グリコール酸、ピルビン酸、レゾルシノールおよびN−アセチルシステインなど、ならびに、レチノイド、例えば、レチノイン酸およびその誘導体(例えば、cisおよびtrans、エステル)などが含まれる。
【0161】
本発明の関連において使用される好適な抗生物質には、限定されないが、ベンゾイルペルオキシド、オクトピロクス、エリスロマイシン、亜鉛、テトラサイクリン、トリクロサン、アゼライン酸およびその誘導体、フェノキシエタノールおよびフェノキシプロパノール、エチルアセタート、クリンダマイシンおよびメクロサイクリン;皮脂阻止薬(sebostat)(例えば、フラビノイドなど);α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸;ならびに、胆汁酸塩(例えば、硫酸シムノール(scymnol)およびその誘導体など)、デオキシコール酸塩およびコール酸塩が含まれる。
【0162】
本発明の関連において使用可能である非ステロイド系抗炎症剤の代表的な例には、限定されないが、オキシカム系薬剤、例えば、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカムおよびCP−14,304など;サリチラート系薬剤、例えば、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサールおよびフェンドサールなど;酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナクおよびケトロラクなど;フェナマート系薬剤、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸など;プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロプフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェンおよびチアプロフェニクなど;ピラゾール系薬剤、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾンおよびトリメタゾンなどが含まれる。これらの非ステロイド系抗炎症剤の混合物もまた、これらの薬剤の皮膚科学的に許容されうる塩およびエステルと同様に用いることができる。例えば、エトフェナマート(フルフェナム酸誘導体)は局所適用のために特に有用である。
【0163】
ステロイド系抗炎症薬の代表的な例には、限定されないが、コルチコステロイド系薬剤が含まれ、例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、酢酸デスオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびそのエステルの残り、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、シクロペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルタマート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ならびに、その混合物が含まれる。
【0164】
好適なかゆみ止め剤には、限定されないが、メトジラジンおよびトリメプラジンの医薬的に許容されうる塩が含まれる。
【0165】
本発明の関連における使用に好適である麻酔剤の非限定的な例には、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、およびフェノールの医薬的に許容されうる塩が含まれる。
【0166】
本発明の関連において使用される好適な抗菌剤(これには、抗細菌剤、抗真菌剤、抗原虫剤および抗ウイルス剤が含まれる)には、限定されないが、β−ラクタム系薬物、キノロン系薬物、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、トリクロサン、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタムブトール、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシンおよびミコナゾールが含まれる。また、塩酸テトラサイクリン、ファルネソール、エリスロマイシンエストラート、ステアリン酸エリスロマイシン(塩)、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタムブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、トリクロサン、オクトピロクス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフタートおよびクロトリマゾール、ならびに、それらの混合物も含まれる。
【0167】
本発明の関連において使用可能である抗酸化剤の非限定的な例には、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ソルビン酸アスコルビル)、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびその塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(これはTroloxの商品名で市販されている)、没食子酸およびそのアルキルエステル(特に、没食子酸プロピル)、尿酸ならびにその塩およびアルキルエステル、ソルビン酸およびその塩、リポ酸、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸およびその塩、リシンピドラート(lycine pidolate)、アルギニンピロラート(pilorate)、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビオフラボノイド、クルクミン、リシン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドディスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウの皮/種子抽出物、メラニンおよびローズマリー抽出物が含まれる。
【0168】
本発明の関連において使用可能である抗新生物剤の非限定的な例には、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、アムルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、マイトマイシンC、5−FU、パクリタキセル、ドセタキセル、アクチノマシンD、コルヒチン、トポテカン、イリノテカン、ゲムシタビン、シクロスポリン、ベラパミル、バルスポドル、プロベネシド、MK571、GF120918、LY335979、ビリコダル、テルフェナジン、キニジン、ペルビレインAおよびXR9576が含まれる。
【0169】
本発明の関連において使用可能である抗うつ剤の非限定的な例には、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「NRI」)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込み阻害剤(「SNFI」)、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、NK1受容体アンタゴニスト、5−HT1A受容体のアゴニスト、アンタゴニストおよび部分的アゴニスト、ならびに、非定型抗うつ剤、ならびに、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、アミトリプチリン、デスメチルアミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミンオキシド、トリミプラミンなど、これらに限定されない);アジナゾラム、アミルトリプチリンオキシド、アモキサピン、デスイプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アミネプチン、ブトリプチリン、デメキシプチリン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、フルアシジン、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルクロリプラミン、ノキシプチリン、オピプラモール、ペルラピン、ピゾチリン、プロピゼピン、キヌプラミン、レボキセチン、チアネプチン、および、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、ビネダリン、m−クロロピペルジン、シタロプラム、ズロキセチン、エトペリドン、フェモキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、インダルピン、インデロキサジン、ミルナシプラン、ネファゾドン、オキサフラゾン、パロキセチン、プロリンタン、リタンセリン、セルトラリン、タンドスピロン、ベンラファキシンおよびジメルジンなど、これらに限定されない)が含まれる。
【0170】
本発明の関連において使用可能である例示的なふけ防止剤成分には、限定されないが、亜鉛ピリチオン、シェール油およびその誘導体(例えば、スルホン化シェール油など)、硫化セレン、イオウ;サリチル酸、コールタール、ポビドン−ヨウ素、イミダゾール系薬剤、例えば、ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリムバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾールニトリルなど、ならびに、それらの任意の可能な立体異性体および誘導体(例えば、アントラリンなど)、ピロクトンオラミン(Octopirox)、硫化セレンおよびシクロピロクスオラミン、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0171】
本発明の関連において使用可能であるビタミンの非限定的な例には、ビタミンAならびにそのアナログおよび誘導体(レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、トレチノイン、iso−トレチノイン)(これらはまとめてレチノイドとして知られている)、ビタミンE(トコフェロールおよびその誘導体)、ビタミンC(L−アスコルビン酸ならびにそのエステルおよび他の誘導体)、ビタミンB(ナイアシンアミドおよびその誘導体)、α−ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸およびクエン酸など)およびβ−ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸など)が含まれる。
【0172】
本発明の関連において使用可能である皮膚科学的有効成分の非限定的な例には、ホホバ油および芳香族油(例えば、サリチル酸メチル、ウインターグリーン油、ハッカ油、ベイ油、ユーカリ油およびかんきつ油など)、ならびに、フェノールスルホン酸アンモニウム、次没食子酸ビスマス、フェノールスルホン酸亜鉛およびサリチル酸亜鉛が含まれる。抗真菌剤の非限定的な例には、ミコナゾール、クロトリマゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、スルコナゾール、フルコナゾール、ハロプロギン、ケトナゾール、ケトコナゾール、オキシナゾール、エコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン、ナイスタチンおよびグリセオフルビンが含まれる。
【0173】
本発明の関連において使用可能である抗ヒスタミン剤の非限定的な例には、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリポリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、ピペラジン系薬剤、ピペリジン系薬剤、アステミゾール、ロラタジンおよびテルフェナジンが含まれる。
【0174】
本発明の関連において使用される好適なホルモンには、例えば、アンドロゲン化合物およびプロゲスチン化合物が含まれる。
【0175】
アンドロゲン化合物の代表的な例には、限定されないが、メチルテストステロン、アンドロステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、アンドロステロンジオール、アンドロステロンジオール−3−アセタート、アンドロステロンジオール−17−アセタート、アンドロステロンジオール−3,17−ジアセタート、アンドロステロンジオール−17−ベンゾアート、アンドロステロンジオン、アンドロステンジオン、アンドロステンジオール、デヒドロエピアンドロステロン、硫酸デヒドロエピアンドロステロンナトリウム、ドロモスタノロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エチルエストレノール、フルオキシメステロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、アンドロステロンジオール−3−アセタート−1−7−ベンゾアート、オキサンドロロン、オキシメトロン、スタノゾロール、テストステロン、デカン酸テストステロン、4−ジヒドロテストステロン、5α−ジヒドロテストステロン、テストラクトン、17α−メチル−19−ノルテストステロン、それらの医薬的に許容されうるエステルおよび塩、ならびに、前記のいずれかの組合せが含まれる。
【0176】
プロゲスチン化合物の代表的な例には、限定されないが、デソゲストレル、デヒドロゲステロン、二酢酸エチノジオール、メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、アリルエストレノール、19−ノルテストステロン、リノエストレノール、酢酸キンゲスタノール、メドロゲストン、ノルゲストリエノン、ジメチステロン、エチステロン、酢酸シプロテロン、酢酸クロルマジノン、酢酸メゲストロール、ノルゲスチマート、ノルゲストレル、デソグレストレル、トリメゲストン、ゲストデン、酢酸ノメグストロール、プロゲステロン、硫酸5α−プレグナン−3β,20α−ジオール、硫酸5α−プレグナン−3β,20β−ジオール、5α−プレグナン−3β−オール−20−オン、16,5α−プレグネン−3β−オール−20−オン、4−プレグネン−20β−オール−3−オン−20−スルファート、アセトキシプレグネロロン、酢酸アナゲストン、シプロテロン、ジヒドロゲステロン、酢酸フルロゲストン、ゲスタデン、酢酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシメチルプロゲステロン、酢酸ヒドロキシメチルプロゲステロン、3−ケトデソゲストレル、メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、ノルエチステロン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0177】
本明細書の上記に詳述されるように、組成物に含められることができる適切なキャリアおよび任意選択的に他の成分を選択することによって、本発明の関連において使用されるテルル含有化合物は、局所適用のために典型的に用いられるいかなる形態にも配合されることができる。従って、本発明の製剤は、例えば、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、乳液、懸濁物、エアロゾル、スプレー、泡、シャンプー、ヘアコンディショナー、漿液、綿球、綿撒糸、パッド、パッチおよび石けんの形態であることができる。
【0178】
軟膏は、典型的にはワセリンまたはワセリン誘導体に基づく半固体の調製物である。使用される具体的な軟膏基剤は、所与の製剤のために選ばれた活性薬剤についての最適な送達を提供し、かつ、好ましくは、他の所望される特徴(例えば、皮膚軟化性)も同様に提供するものである。他のキャリアまたはビヒクルの場合と同様に、軟膏基剤は不活性で、安定で、非刺激性で、かつ、非感作性でなければならない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第19版、Easton、Pa.:Mack Publishing Co.(1995)、1399頁〜1404頁)に説明されるように、軟膏基剤は、油性基剤、乳化性基剤、エマルション系基剤および水溶性基剤の4つの種類に分類されることができる。油性の軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および、石油から得られる半固体の炭化水素が含まれる。乳化性の軟膏基剤(これはまた吸収性の軟膏基剤として知られている)は、水をほとんど含有しないか、または、水を全く含有せず、これには、例えば、ヒドロキシステアリンスルファート、無水ラノリンおよび親水性ワセリンが含まれる。エマルション系の軟膏基剤は油中水型(W/O)エマルションまたは水中油型(O/W)エマルションのいずれかであり、これには、例えば、セチルアルコール、グリセリルモノステアラート、ラノリンおよびステアリン酸が含まれる。
【0179】
ローションは、摩擦を伴うことなく皮膚表面に適用されるべき調製物である。ローションは、典型的には、活性薬剤を含めて、固体粒子が水またはアルコールの基剤に存在する液体または半固体の調製物である。ローションは、より多くの流体組成物を適用することが容易であるために、典型的には、大きい体表面を治療するために好ましい。ローションは、典型的には固体の懸濁物であり、また、水中油型タイプの液体油性エマルションをしばしば含む。ローション中の不溶物は細かく分割されていることが一般に必要である。ローションは、典型的には、より良好な分散物をもたらすための懸濁化剤、ならびに、活性薬剤を皮膚との接触で局在化し、かつ保持するために有用な化合物(例えば、メチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)を含有する。
【0180】
クリームは粘性の液体または半固体のエマルション(水中油型または油中水型のいずれか)である。クリーム基剤は、典型的には、水で洗浄可能であり、油相、乳化剤および水相を含有する。油相(これはまた「内部」相とも呼ばれる)は、一般的には、ワセリンおよび/または脂肪アルコール(例えば、セチルアルコールまたはステアリルアルコールなど)から構成される。水相は、典型的には、必ずしも必要ではないが、体積において油相を上回り、一般的には保湿剤を含有する。クリーム配合物における乳化剤は、一般的には、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両親媒性の界面活性剤である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)をさらなる情報のために参照することができる。
【0181】
ペーストは、生物活性な薬剤が好適な基剤に懸濁される半固体の投薬形態である。基剤の性質に依存して、ペーストは、脂肪ペースト、または、単相水性ゲルから作製されたペーストの間で分割される。脂肪ペーストにおける基剤は、一般に、ワセリンおよび親水性ワセリンなどである。単相水性ゲルから作製されたペーストは、一般に、基剤としてカルボキシメチルセルロースなどを含む。Remington:The Science and Practice of Pharmacyをさらなる情報のためにさらに参照することができる。
【0182】
ゲル製剤は、半固体の懸濁物タイプの系である。単相ゲルは、典型的には水性であるキャリア液体の全体に実質的に均一に分布する有機高分子を含有し、しかし、好ましくは、アルコールおよび場合によりオイルをも含有する。好ましい有機高分子(すなわち、ゲル化剤)は、架橋されたアクリル酸ポリマーであり、例えば、カルボマーポリマーの一群(例えば、CarbopolTMの商標で市販されているカルボキシポリアルキレン)などである。この関連における他のタイプの好ましいポリマーは、親水性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体およびポリビニルアルコールなど;セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートおよびメチルセルロースなど;ガム、例えば、トラガカントガムおよびキサンタンガムなど;アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンである。均一なゲルを調製するために、分散化剤(例えば、アルコールまたはグリセリンなど)を加えることができ、あるいは、ゲル化剤を、粉砕、機械的な混合もしくは撹拌、またはその組合せによって分散させることができる。
【0183】
スプレーは、一般的には、活性薬剤を、送達のために皮膚に噴霧されることができる水溶液および/またはアルコール性溶液において提供する。そのようなスプレーには、送達後の投与部位における活性薬剤の溶液の濃縮をもたらすために配合されたスプレーが含まれる。例えば、スプレー液は、活性薬剤が溶解され得るアルコールまたは他の同様な揮発性液体から主に構成され得る。皮膚に送達されたとき、キャリアが蒸発し、これにより、濃縮された活性薬剤を投与部位に残す。
【0184】
泡組成物は、典型的には、単相または多相の液体形態で配合され、場合により、容器からの組成物の放出を容易にし、従って、適用したときに組成物を泡に変換する噴射剤と一緒に好適な容器に入れられる。他の泡形成化技術には、例えば、“Bag−in−a−can”配合技術が含まれる。そのように配合された組成物は、典型的には、低沸点の炭化水素(例えば、イソプロパン)を含有する。体温でのそのような組成物の適用および撹拌は、加圧されたエアロゾル泡形成系と類似した方法で、イソプロパンを気化させ、泡を生じさせる。泡は、水性またはヒドロアルコール性が可能であるが、典型的には、高アルコール含有量とともに配合され、使用者の皮膚に適用されたとき、アルコールが迅速に蒸発し、有効成分が上部皮膚層を通って処置部位に至る。
【0185】
皮膚パッチは、典型的には、活性薬剤を含有するリザーバーが取り付けられる支持体を含む。リザーバーは、例えば、活性薬剤または組成物が分散または浸漬されるパッドでありうるか、あるいは、液体リザーバーでありうる。パッチは、典型的には、デバイスを処置領域に接着および固定する前面の水透過性接着部をさらに含む。自己接着性を有するシリコーンゴムが代わりに使用されることができる。両方の場合において、保護的な透過性層が、その使用の前のパッチの接着面を保護するために使用されることができる。皮膚パッチはさらに、貯蔵時にパッチを保護するために役立つ除去可能なカバーを含むことができる。
【0186】
局所適用または全身適用される医薬組成物であって、本明細書中に記載の1種または複数種のテルル含有化合物を含有し、かつ任意選択的に医薬的に許容されうるキャリアおよび賦形剤を含有する医薬組成物は、従来の方法(例えば、Harry’s Cosmeticology(第7版、編者:JB.WilkinsonおよびRJ Moore、Longmann Scientific&Technical、1982)、第13章「化粧品の製造」、757頁〜799頁;および“Remington’s Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版)を参照のこと)を使用して、(本明細書の上記において詳述されるような)クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、泡、ムースなどとして配合される。
【0187】
本発明の組成物は、任意の好都合な方法で包装または提供されることができる。例えば、組成物は、当業者に広く知られている技術を使用して、およびRemington’s Pharmaceutical Science(第15版)などの参考書籍に示されるように、チューブ、ビンまたは加圧容器に詰められることができる。包装は、容器が開封される前およびその後での組成物の汚染を最小限に抑えるために、未使用の組成物が環境と接触することを最小限に抑えるような方法で行われることが好ましい。
【0188】
製剤は、好ましくは、テルル含有化合物の局所適用が有益であるいかなる医学的状態の処置における使用についても、包装材内または包装材上において印刷で特定される。
【0189】
本発明の実施形態による例示的な製剤は、種々のポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはDMSO、Phosal−50PGTM、およびBrij72の組合せを含む。これらの成分を含む製剤は、均質であることが見出されており、偏光下でみられるように非常に微細な粒子を持ち(例えば、図3Aおよび図3Bにおける製剤PGB3を参照のこと)、そしてさらに周囲温度でその粘度を維持しながら、安定でありかつ分離または変色することなく一連の安定性試験に耐えることがさらに見出された。
【0190】
従って、テルル含有化合物が、比較的高い濃度でも、その化学的、物理的、および視覚的安定性、ならびに最適な安定性を維持しながら、局所用の水性製剤に配合されることができ、滑らかで心地よい感触をもたらすことは、本明細書において初めて実証されている。
【0191】
親水性であるため、これらの製剤は非脂肪性であり、製剤と接触する布または衣服を汚さないだろう。
【0192】
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、上記に詳述される製剤のいずれかは、親水性の製剤として提供される。
【0193】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、上記に詳述される製剤のいずれかは、洗浄可能な製剤として提供される。
【0194】
これらの製剤は、種々の条件に対して製剤の粘度を維持することによってさらに特徴付けられる。
【0195】
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、本明細書中に記載される製剤の各々は、室温で1,000〜1,000,000cpiの範囲の粘度、好ましくは室温で約3,000〜約30,000cpiの粘度によって特徴付けられる。
【0196】
本明細書中で使用される用語「約」は±10%を記載する。
【0197】
本明細書中に記載される製剤の各々において、製剤中のテルル含有化合物の濃度は、好ましくは、組成物の総重量の約0.01重量パーセント〜約50重量パーセントであり、より好ましくは、約1重量パーセント〜約20重量パーセントである。特定の実施形態において、製剤中のテルル含有化合物は、約25重量パーセントまでの量で存在する。
【0198】
従って、処置される状態および組成物の形態に依存して、テルル含有化合物の濃度は、例えば、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、または少なくとも5重量パーセントであることができる。より高い濃度もまた使用可能であり、従って、例えば、組成物の総重量の、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、ならびに、組成物の総重量の、少なくとも20重量パーセントまで、少なくとも25重量パーセントまで、少なくとも30重量パーセントまで、少なくとも40重量パーセントまで、少なくとも50重量パーセントまで、少なくとも60重量パーセントまで、少なくとも70重量パーセントまで、少なくとも80重量パーセント、および少なくとも85重量パーセントまでであることができる。
【0199】
例示的な製剤において、テルル含有化合物は、12重量パーセントの濃度で存在する。別の例示的製剤において、テルル含有化合物は、15重量パーセントの濃度で存在する。
【0200】
本明細書の上記の背景技術の節において記載されるように、局所製剤は、所望の治療効果を提供するために必要とされる有効成分の高い濃度、典型的には1重量パーセントよりも高い濃度、より好ましくは5重量パーセントよりも高い濃度によって特徴付けられることが多い。現在まで、このような比較的高い濃度のテルル含有化合物を有するテルル含有組成物は、安定性および外観の点で局所適用について不十分な適合性によって特徴付けられていた。本明細書中に示されるように、テルル含有局所製剤は、容易に得られることができ、局所製剤に典型的な高い濃度においても高い安定性によって特徴付けられる。
【0201】
従って、さらに本発明によれば、局所適用のための化学的および物理的に安定な製剤であって、本明細書中に記載されるテルル含有化合物を少なくとも3重量パーセントの濃度で含み、かつ医薬的に許容されうるキャリアを含む製剤が提供される。しばしば、乾癬および関連する皮膚の障害の処置において、有効成分は製剤の3〜4重量パーセントを構成する。
【0202】
好ましくは、製剤は有効成分を、少なくとも3重量パーセント、より好ましくは少なくとも4重量パーセント、より好ましくは少なくとも5重量パーセント、より好ましくは少なくとも6重量パーセント、より好ましくは少なくとも7重量パーセント、より好ましくは少なくとも8重量パーセント、より好ましくは少なくとも9重量パーセント、より好ましくは少なくとも10重量パーセント、より好ましくは少なくとも11重量パーセント、より好ましくは少なくとも12重量パーセント、より好ましくは少なくとも13重量パーセント、より好ましくは少なくとも14重量パーセント、より好ましくは少なくとも15重量パーセント、より好ましくは少なくとも16重量パーセント、より好ましくは少なくとも17重量パーセント、より好ましくは少なくとも18重量パーセント、より好ましくは少なくとも19重量パーセント、より好ましくは少なくとも20重量パーセント含む。
【0203】
本発明の製剤は、当該分野でよく知られているプロセスによって、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造されることができる。
【0204】
本発明の別の側面によれば、本明細書中に記載される製剤は、本明細書中に定義されるようなテルル含有化合物とキャリアを混合することによって容易に調製される。好ましくは、混合は、約10℃〜約100℃の範囲の温度で行われる。
【0205】
本明細書の上記の背景技術の節において例示されるように、テルル含有化合物は、HPVによって引き起こされる皮膚および粘膜の病気(WO2005/069735、前出)の処置において、脱毛症および毛髪の減少に関連する他の状態(米国特許仮出願番号第60/610660号(前出)、米国特許番号第6552089号および同第5262149号(前出))の処置または予防において、BCCおよびAK(米国特許仮出願番号第60/716923号、前出)の処置において、UV照射への曝露によって引き起こされる損傷(米国特許仮出願番号第60/716924号、前出)、乾癬(米国特許番号第6472381号)、アトピー性皮膚炎、カポジ肉腫、硬皮症、火傷、瘢痕(米国特許仮出願番号第60/610660号を参照のこと)および転移性黒色腫(Sunら、1996、前出)の処置において顕著に有効であることが見出された。
【0206】
従って、テルル含有製剤によって処置可能な医学的状態には、例えば、硬皮症、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕、ヒトパピローマウイルスに関連する皮膚および/または粘膜の病気、コンジローム、いぼ、脱毛症、毛髪の減少、転移性黒色腫、基底細胞癌、光線性角化症、およびUV皮膚損傷が含まれる。
【0207】
用語「硬皮症」は、皮膚を硬くして毛髪の減少を生じさせうる、皮膚および結合組織の疾患を示す。
【0208】
用語「アトピー性皮膚炎」は湿疹としても知られており、皮膚をかゆくさせ、うろこ状にして剥がれ落ちさせる、アレルギー性の皮膚障害を示す。
【0209】
用語「瘢痕」は、身体の皮膚および他の組織における創傷修復の生物学的過程を示す。ほぼ全ての創傷(例えば、事故、疾患、または手術の後の創傷)はある程度の瘢痕を生じると考えられる。
【0210】
用語「黒色腫」は、わずかに盛り上がった不規則な茶色かがった腫瘍として現れることが多い、皮膚の悪性腫瘍を示す。
【0211】
用語「カポジ肉腫」(KS)は、皮膚または(口内、直腸内、または膣内の)粘膜上に平らなまたは盛り上がった紫斑として現れる腫瘍を示す。KSはまた、食道、腸、結腸、または肺のような内部器官にも広がりうる。
【0212】
本明細書中で使用される表現「HPVによって引き起こされる皮膚または粘膜の病気」はまた、「HPVによって引き起こされる病気」として本明細書において交換可能に示され、任意のタイプのHPVに直接的にかまたは間接的にかのいずれかで関連するいかなる病気をも包含する。
【0213】
現在までに、70を超える特定された異なったタイプのHPVが存在する。これらの異なるタイプは、皮膚型および粘膜型の2つの大きなカテゴリーに分けられている。本明細書の上記でさらに議論されるように、HPVにより引き起こされる病気の一部は子宮頸癌に発達しうるので、これらの異なるウイルスタイプは、この点で、その危険性度によってさらに分類されており、従って、低危険性HPVタイプ、中度危険性HPVタイプおよび高危険性HPVタイプを包含する。
【0214】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、皮膚または粘膜の病気には、限定されないが、例えば、尋常性疣贅、足底いぼ、手掌いぼ、爪周囲いぼ、扁平いぼ、モザイク状疣贅、性器いぼ、性病性いぼ(尖形コンジローム)、ブッチャーズワート、悪性の疣贅状表皮異形成、進行した上皮性異形成、子宮頸部ガン、疣贅状表皮異形成、免疫抑制患者における皮膚いぼ、咽頭乳頭腫および口腔乳頭腫がある。
【0215】
しかしながら、本特許の権利期間の間に、多くの関連する医学的状態がテルル含有局所製剤によって処置可能であると見出されることが予想されており、従って、表現「テルル含有化合物の局所適用が有益であるいかなる医学的状態の処置における使用についても」の範囲は、そのような新しい医学的状態を先験的に含むことが意図される。
【0216】
本明細書中で使用される表現「テルル含有化合物」は、1個または複数個のテルル原子を含むいかなる化合物をも包含する。
【0217】
テルル含有化合物は、無機化合物または有機化合物であることができる。
【0218】
無機テルル含有化合物は、例えば、二酸化テルル(TeO)自体を含む。
【0219】
有機テルル含有化合物は、例えば、TeOを最終生成物として水溶液中に形成することができる、クエン酸またはエチレングリコールとのTeO錯体のような有機錯体の形態であることができる。後者の代表的な例が、錯体TeOHOCHCHOHNHClである。そうでない場合、本明細書中に記載されるテルル含有化合物は、1個または複数個のテルル原子およびそれに結合される1個または複数個の有機部分を含み、例えば、二座の環状部分がテルル原子に結合しているハロゲン化テルル含有化合物のアンモニウム塩または任意の他の塩が含まれる。二座環状部分は、好ましくは、2つの酸素原子がテルル原子に結合しているジオキソ部分である。二座環状部分はジチオ部分であることが可能であり、この場合、2つのイオウ原子がテルル原子に結合される。
【0220】
このカテゴリーにおける好ましい化合物はまとめて一般式Iによって表される:

【0221】
上記の一般式Iにおいて、t、uおよびvのそれぞれは独立して、化合物が、5員環、6員環、または7員環を含むことができるように0または1である。好ましくは、t、uおよびvのそれぞれは、化合物が5員環を含むように0である。
【0222】
Xは、本明細書の上記で記載されるようにハロゲン原子であり、好ましくはクロロである。
【0223】
一部の実施形態において、Yはカチオンである。好ましい実施形態において、Yは、アンモニウム、ホスホニウム、カリウム、ナトリウムおよびリチウムからなる群から選択され、好ましくはアンモニウムである。
【0224】
〜R10のそれぞれは独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシル、アミド、シアノ、N−モノアルキルアミドアルキル、N,N−ジアルキルアミドアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、カルバミル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、スルホニル、スルフィニル、スルファート、アミン、アリール、ヘテロアリール、ホスファート、ホスホナートおよびスルホンアミドからなる群から選択される。
【0225】
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、直鎖基および分枝鎖基を含む飽和した脂肪族炭化水素を示す。好ましくは、アルキル基は1個〜20個の炭素原子を有する。より好ましくは、アルキルは、1個〜10個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキルである。最も好ましくは、他に示さない限り、アルキルは、1個〜5個の炭素原子を有する低級アルキルである。アルキル基は、置換または非置換であることができる。置換されるとき、置換基は、Rについて本明細書中に記載される通りであることができる。
【0226】
本明細書中で使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書中で定義されるようなヒドロキシ基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシ−n−ブチルを含む。
【0227】
本明細書中で使用される用語「ハロゲン」(これはまた、本明細書中では交換可能に、「ハロゲン原子」または「ハロ」として示される)には、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、ヨード(I)およびフルオロ(F)が含まれる。
【0228】
用語「ハロアルキル」は、本明細書中で定義されるようなハロゲンで置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えばクロロメチル、2−ヨードエチル、4−ブロモ−n−ブチル、ヨードエチル、4−ブロモ−n−ペンチルなどを含む。
【0229】
用語「アルカノイルオキシ」は、本明細書中で定義されるようなカルボニル基を示し、例えばアセチル、プロピオニル、ブタノイルなどを含む。
【0230】
用語「カルボキシアルキル」は、本明細書中で定義されるようなカルボキシ基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えばカルボキシメチル、カルボキシエチル、エチレンカルボキシなどを含む。
【0231】
用語「アルキルカルボニルアルキル」は、本明細書中で定義されるようなカルボニル基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えばメタノイルメチル、エタノイルエチルなどを含む。
【0232】
用語「アミドアルキル」は、本明細書中で定義されるようなアミド基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えば−CHCONH;−CHCHCONH;−CHCHCHCONHなどを含む。
【0233】
用語「シアノアルキル」は、本明細書中で定義されるようなシアノ基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、例えば−CHCN;−CHCHCN;−CHCHCHCNなどを含む。
【0234】
用語「N−モノアルキルアミドアルキル」は、本明細書中で定義されるようなアミド基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、ここでR’およびR”の一方がアルキルであり、例えば−CHCHCONHCHおよび−CHCONHCHCHを含む。
【0235】
用語「N,N−ジアルキルアミドアルキル」は、本明細書中で定義されるようなアミド基で置換された本明細書中で定義されるようなアルキルを示し、ここでR’およびR”の両方がアルキルであり、例えば−CHCON(CH;CHCHCON(CH−CHなどを含む。
【0236】
「シクロアルキル」基は、環の1つまたは複数が完全共役のπ電子系を有さない、すべて炭素からなる単環基または縮合環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。シクロアルキル基の非限定な例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエン、およびアダマンタンがある。シクロアルキル基は、置換または非置換であることができる。置換されるとき、置換基は、Rについて本明細書中に記載される通りであることができる。
【0237】
「アルケニル」基は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなるアルキル基を示す。
【0238】
「アルキニル」基は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなるアルキル基を示す。
【0239】
「アリール」基は、完全共役のπ電子系を有する、すべて炭素からなる単環基または縮合多環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフタレニル、およびアントラセニルがある。アリール基は、置換または非置換であることができる。置換されるとき、置換基は、Rについて本明細書中に記載される通りであることができる。
【0240】
「ヘテロアリール」基は、例えば、窒素、酸素およびイオウなどの1個または複数個の原子を環(1つまたは複数)に有し、さらには完全共役のπ電子系を有する単環基または縮合環(すなわち、隣接炭素原子対を共有する環)基を示す。ヘテロアリール基の非限定的な例には、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンおよびプリンが含まれる。ヘテロアリール基は、置換または非置換であることができる。置換されるとき、置換基は、Rについて本明細書中に記載される通りであることができる。
【0241】
「複素脂環」基は、例えば、窒素、酸素およびイオウなどの1個または複数個の原子を環(1つまたは複数)に有する単環基または縮合環基を示す。環はまた、1つまたは複数の二重結合を有することができる。しかしながら、環は完全共役のπ電子系を有しない。複素脂環基は、置換または非置換であることができる。置換されるとき、置換基は、Rについて本明細書中に記載される通りであることができる。
【0242】
「ヒドロキシ」基は−OH基を示す。
【0243】
「アルコキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−O−アルキル基および−O−シクロアルキル基の両方を示す。
【0244】
「アリールオキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−O−アリール基および−O−ヘテロアリール基の両方を示す。
【0245】
「チオヒドロキシ」基は−SH基を示す。
【0246】
「チオアルコキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−S−アルキル基および−S−シクロアルキル基の両方を示す。
【0247】
「チオアリールオキシ」基は、本明細書中で定義されるように、−S−アリール基および−S−ヘテロアリール基の両方を示す。
【0248】
「カルボニル」基は、本明細書中で定義されるように、−C(=O)−R’基(式中、R’は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、(環の炭素を通して結合された)ヘテロアリール、または(環の炭素を通して結合された)ヘテロ脂環式である)を示す。
【0249】
「チオカルボニル」基は、−C(=S)−R’基(式中、R’は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0250】
「カルボキシ」基は、−C(=O)−O−R’基または−O−C(=O)R’基(式中、R’は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0251】
「スルフィニル」基は、−S(=O)−R’基(式中、R’は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0252】
「スルホニル」基は、−S(=O)−R’基(式中、R’は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0253】
「スルファート」基は、−O−S(=O)−OR’基(式中、R’は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0254】
「スルホンアミド」基は、−S(=O)−NR’R”基またはR’S(=O)−NR”基(式中、R’は本明細書中で定義される通りであり、R”はR’について定義されるのと同様である)を示す。
【0255】
「カルバミル」基または「カルバメート」基は、−OC(=O)−NR’R”基またはR”OC(=O)−NR’−基(式中、R’およびR”は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0256】
「チオカルバミル」基または「チオカルバメート」基は、−OC(=S)−NR’R”基またはR”OC(=S)NR’−基(式中、R’およびR”は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0257】
「アミノ」基は、−NR’R”基(式中、R’およびR”は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0258】
「アミド」基は、−C(=O)−NR’R”基またはR’C(=O)−NR”基(式中、R’およびR”は本明細書中で定義される通りである)を示す。
【0259】
「ニトロ」基は−NO基を示す。
【0260】
「シアノ」基は−C=N基を示す。
【0261】
用語「ホスホニル」は、−O−P(=O)(OR’)(OR”)基を示し、式中、R’およびR”は上述の通り定義される。
【0262】
用語「ホスフィニル」は、−PR’R”基(式中、R’およびR”は上述の通り定義される)を示す。
【0263】
上で引用する通り、このカテゴリーの化合物は有機テルル含有化合物の塩である。この塩は、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、およびカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩などのようなアルカリ金属塩であることができる。
【0264】
ここで、上記式I中のYは、本明細書中で定義されるようなホスホニウム基、本明細書中で定義されるようなアンモニウム基、カリウム(K)、ナトリウム(Na)またはリチウム(Li)であることができる。
【0265】
本明細書中で使用される用語「ホスホニウム」は、−PR’R”R’’’基を記述し、式中、R’およびR”は本明細書中で定義される通りであり、R’’’はR’について定義されるのと同様である。用語「ホスホニウム」は本明細書中で使用される通り、−P基をさらに示し、式中、6つのR置換基の各々は独立してR’、R”およびR’’’について定義されるのと同様である。
【0266】
用語「アンモニウム」は−NR’R”R’’’基を記述し、式中、R’、R”およびR’’’は本明細書中で定義される通りである。
【0267】
このカテゴリーにおけるより好ましい化合物には、Yがアンモニウムまたはホスホニウムであり、t、uおよびvがそれぞれ0であり、R、R、RおよびR10のそれぞれが独立して水素またはアルキルである、上記の一般式Iを有する化合物が含まれる。このような化合物は下記の構造によって表すことができる:

式中、R、R、RおよびR10のそれぞれは独立して水素またはアルキル(好ましくは、メチル)であり、Xはハロゲン(好ましくは、クロロ)である。
【0268】
本発明の関連において使用される現在最も好ましい化合物は、下記の構造を有する:

【0269】
この化合物は、トリクロロ(ジオキシエチレン−O,O’)テルル酸アンモニウムであり、これはまた、本明細書中およびこの分野ではAS101として示される。
【0270】
本発明の関連における使用に好適である有機テルル含有化合物のさらなる代表的な例には、二座環状部分がテルル原子に結合しているハロゲン化テルルが含まれる。二座環状部分は、好ましくは、2つの酸素原子がテルル原子に結合しているジオキソ配位子である。あるいは、二座環状部分はジチオ配位子であることが可能であり、この場合、2つのイオウ原子がテルル原子に結合する。
【0271】
このカテゴリーにおける好ましい化合物は、一般式IIによって表すことができる:

式中、t、u、v、XおよびR〜R10は本明細書中上記で定義される通りである。
【0272】
より好ましい化合物は、t、uおよびvがそれぞれ0であり、かつ、Xがクロロである化合物であり、例えば、限定されないが、下記の構造を有する化合物である:

【0273】
上記化合物はまた、AS103としても知られており、本明細書においてAS103として示される。
【0274】
式Iおよび式IIを有する有機テルル含有化合物は、米国特許第4752614号、同第4761490号、同第4764461号および同第4929739号(それらは参考として全体が本明細書中に記載されるように援用される)に詳しく記載されるように、テトラハロテルリド(例えば、TeClなど)をジヒドロキシ化合物と反応することによって容易に調製されることができる。
【0275】
本発明の関連における使用に好適である有機テルル含有化合物の追加の代表的な例には、2つの二座環状部分がテルル原子に結合する化合物が含まれる。好ましくは、その環状部分のそれぞれがジオキソ部分である。あるいは、環状部分の1つまたは複数がジチオ部分である。
【0276】
このカテゴリーにおける好ましい化合物は、まとめて一般式IIIによって表される:

【0277】
上記の一般式IIIにおいて、jおよびkのそれぞれは独立して、化合物が、5員環、6員環、7員環、8員環、および/または9員環を含むことができるように0〜4の整数である。好ましくは、jおよびkのそれぞれは、化合物が、5員環、6員環、および/または7員環を含むように0〜2の整数である。より好ましくは、jおよびkのそれぞれは0である。
【0278】
〜R12は、R〜R10について本明細書の上記に定義される通りである。
【0279】
このカテゴリーにおけるより好ましい化合物は、jおよびkのそれぞれが0であり、R、R、RおよびR10のそれぞれが水素である、下記の構造を有する化合物である:

式中、R11〜R14のそれぞれは独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシル、アミド、シアノ、N−モノアルキルアミドアルキル、N,N−ジアルキルアミドアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、カルバミル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、スルホニル、スルフィニル、スルファート、アミン、アリール、ヘテロアリール、ホスファート、ホスホナートおよびスルホンアミドからなる群から選択される(これらの用語は本明細書中で定義される)。
【0280】
このカテゴリーにおける最も好ましい化合物は、R11〜R14のそれぞれが水素である化合物である。この化合物はまた、AS102としても知られる。
【0281】
本発明の関連における使用に好適である有機テルル含有化合物の追加の代表的な例には、一般式IVを有する最近開示された二テルル化合物が含まれる:

式中、R15〜R22のそれぞれは独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシル、アミド、シアノ、N−モノアルキルアミドアルキル、N,N−ジアルキルアミドアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、カルバミル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、スルホニル、スルフィニル、スルファート、アミン、アリール、ヘテロアリール、ホスファート、ホスホナート、およびスルホンアミドからなる群から選択され(これらの用語は本明細書中で定義される)、そして
mおよびnはそれぞれ0〜3の整数である。
【0282】
このカテゴリーにおける好ましい化合物は、mおよびnがそれぞれ0である化合物である。
【0283】
このファミリーにおける現在最も好ましい化合物は、R15、R18、R19およびR22がすべて水素であり、SASとして以下に示され、かつ、下記の構造を有する化合物である:

【0284】
本発明の最も好ましい実施形態によれば、テルル含有化合物は式Iの化合物であり、最も好ましくは、AS101としても知られる、Yがアンモニウムであり、t、uおよびvがそれぞれ0であり、R、R、RおよびR10のそれぞれが独立してメチルであり、Xがクロロである化合物である。
【0285】
以下の実施例の節において示されるように、例示的なテルル含有化合物としてAS101を含む局所製剤が形成され(実施例3、製剤PGB3)、それは良好に溶解され(図3Aおよび3B)ること、ならびに一連の熱的安定性試験、外観試験および遠心分離試験に供されるときに高度に安定であることが見出された。
【0286】
本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴が、限定であることが意図されない下記の実施例を検討したとき、当業者には明らかになる。加えて、本明細書の上記に描かれるような、また、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
【実施例】
【0287】
材料および方法
AS101は、Bar Ilan Universityの化学科からM.Albeckによって3つの形態:粉末として、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の20%溶液として、およびワセリンと組み合わせてDMSO溶液を含有する軟膏として供給された。
【0288】
サンプルの顕微鏡評価および偏光結晶学:製剤安定性の測定
熱的安定性:各製剤サンプルは、プラスチックのエッペンドルフチューブに入れられ、−10℃〜40℃に4回、毎日交替させられた(各サイクルは48時間続く)。各サンプルはさらに、加速試験のために90日の間40℃の安定チャンバに入れられた。
【0289】
遠心分離:各製剤サンプルは、プラスチックのエッペンドルフチューブに入れられ、10分間3,000RPMで遠心分離され、次いで10分間10,000PRMで遠心分離された。
【0290】
実施例1
AS101の粉末、溶液、および軟膏の特徴付け
結晶性および溶解性に対するAS101の本発明の製剤の効果を評価するために、AS101の3種のサンプル:粉末、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の20(重量)%溶液、およびワセリンと組み合わせてDMSO溶液を含有する軟膏が試験された。
【0291】
図1A〜1Bは、周囲温度で30日間の保存時の、AS101粉末(図1A)およびDMSO中のAS101の20(重量)%溶液(図1B)が与えられた容器の内容成分および包装成分の画像を示す。
【0292】
サンプルは偏光によってさらに特徴付けられ、得られた画像は図2A〜Bに示される。
【0293】
AS101粉末:白色の結晶状粗粉末が、非密閉キャップを有するシンチレーションガラス瓶に入れられた。保存後、アルミニウム積層キャップは試験され、キャップの内部層の黒い粒子が粉末中に落ちており、化学的および物理的に分解されたことが明らかであった(図1A)。AS101粉末は、図2Aにおいてみられるように、直径約20〜40ミクロンの粒子と偏光下で複屈折を生成する別個の結晶とを有するものとして特徴付けられた。
【0294】
DMSO中のAS101溶液:DMSO中のAS101の20(重量)%溶液が調製された。溶液は、混合すると濁った分散が生じる黄色の液体のように見えた。それを非密閉キャップを有するシンチレーションガラス瓶に入れ、保存後のアルミニウム積層キャップを再度調べた後に、図1Bにおいて見られるような分解が観察された。図2Bにおいて示されるように、偏光下で結晶は検出されなかった。しかしながら、いくつかの未確認の粒子が観察された。
【0295】
AS101軟膏:DMSO中のAS101の20%溶液がワセリンと混合されて、少量の液体を上に有する白色の蝋状物質を得た。図2Cおよび2Dは、偏光下でのAS101軟膏の2種のサンプルを示し、AS101がDMSO中では可溶化されるが、DMSO/ワセリン軟膏において可溶化せず、他の多形型へと再結晶化することを確認した。
【0296】
実施例2
AS101溶解性プロフィール
局所適用のための改良された製剤の研究において、種々の親水性溶媒および脂肪親和性溶媒におけるAS101の溶解性および(着色検出による)安定性が決定された。局所的に適用される製剤が、活性医薬成分が可溶化されているかまたは分子形態であるときに良好な皮膚吸収および皮膚感触を有することは一般的に知られているので、望ましい局所製剤は、製剤中の有効成分の高い溶解性および/または分散可能性によって特徴付けられるべきである。
【0297】
従って、各溶媒において10重量%のAS101を含有する溶液は、周囲温度で溶媒中にAS101を混合することによって調製された。24時間後に観察された溶解性および着色の結果は、下記の表1に示される。

【0298】
表1において示されるように、AS101は、PEG、ブチレングリコール、グリコフロール、プロピレングリコール、およびトランスクトールのような両親媒性グリコールの溶媒において、試験期間の間にAS101の沈降または再結晶化が観察されることなく良好に可溶化された。
【0299】
さらに、化粧用製剤の皮膚感触を改良する一般的に使用される不活性な成分であり局所製剤に心地よい皮膚感触のような有利な特性を与える、シリコーン油およびヒドロキシセルロースのような溶媒は、許容されることができない溶液の着色のために不適合であることが見出された。
【0300】
AS101は、種々のPEGにおいて良好に可溶化され、周囲温度で沈降または再結晶化しないので、さらなる研究は、例示的な最適キャリアとしてのPEG混合物の使用に焦点を定めた。
【0301】
実施例3
AS101製剤
AS101製剤は、PEG溶媒(PEG200およびPEG400)の混合物におけるAS101の可溶化に基づいて開発され、一方、各PEG溶媒の濃度はFDAによって公表されるような不活性成分のガイドラインの制限を満たすように選択された。PEG4000は、局所用途のために製剤の粘度を変更するために添加された。
【0302】
1つの例示的な製剤において、プロピレングリコールおよびPhosal−50PGTMが添加された。プロピレングリコールはまた、製剤を安定させることが見出された。
【0303】
このような例示的な製剤(以降、PGB3と呼ばれる)は、下記の表2において示される:

【0304】
オールガラスまたはテフロン(登録商標)のビーカー、撹拌器、および混合ヘッドが、AS101製剤の調製において使用された。PEG400、PEG200およびプロピレングリコールは、適度に混合しながら、80℃〜85℃の水蒸気浴上でガラスビーカーにおいて加熱された。次いで、目に見える流体の乱れを確実にするように適度に混合しながら、AS101が添加された。混合は、AS101が完全に溶解されるまで継続され、BrijおよびPEG4000がその後に添加され、均質な溶液が観察されるまでさらなる混合が行われた。次いで、混合物が水蒸気浴から除去され、攪拌が続けられながら冷やされた。約50℃において、Phosalが添加され、均質な溶液が得られるまで混合が継続された。得られた製剤は、プラスチックの、金属不含チューブ/クロージャー中に保存された。
【0305】
代替的な手順において、プロピレングリコールは、目に見える流体の乱れを確実にするように適度に混合しながらAS101に最初に添加された。混合は、AS101が完全に溶解されるまで継続され、BrijおよびPEGがその後に添加され、均質な溶液が観察されるまでさらなる混合が行われた。
【0306】
AS101とプロピレングリコールの混合物を加熱したとき、変化は観察されなかった。
【0307】
同様のプラセボ製剤(以降、PGB3Pと呼ばれる)は、混合物にAS101を添加せずに同様の方法で調製された。
【0308】
PGB3製剤は均質であり、偏光下で見られるように非常に微細かつ一様な組織を有した(図3Aおよび3B)。PGB3製剤は視覚的に安定であり、種々の安定性試験を通して分離または変色せず、周囲温度での製剤の粘度を維持した。
【0309】
本明細書の上記に記載されるように、製剤は、凍結融解サイクル(FTC)試験、遠心分離試験、および加速された温度安定性試験に供された。PGB3製剤は視覚的に安定であり、全ての安定性試験の間、分離または変色しなかった。製品の粘度は、安定性試験の後に周囲温度で保持された。
【0310】
AS101製剤は、40℃で30日の間、アルミニウムチューブのフェノールエポキシ内部ライナーと反応しなかったが、チューブに穴を開けてプラスチックキャップを開放し、最初に小分けにするとすぐに、不可逆的な方法でチューブ開口部のアルミニウムと直ちに反応した。
【0311】
15重量%のAS101を含有する追加の例示的AS101製剤は、本明細書中に記載されるPEG溶媒(PEG200、PEG400およびPEG4000)およびDMSOの混合物を使用して同様に調製された。PEGおよびDMSOの混合物中にAS101を溶解した後に、Phosal 50PGおよびBrij72が添加された。製剤は室温での3ヶ月の間の保存で安定なままであった。
【0312】
以下に、本発明の実施形態による追加の例示的製剤を記載する:


【0313】
明確にするため別個の実施形態で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0314】
本発明はその特定の実施形態によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。本明細書中で言及した刊行物、特許および特許願はすべて、個々の刊行物、特許または特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のテルルジオキソ部分を有するテルル含有化合物を約25重量パーセントまでの量で含み、かつ医薬的に許容されうるキャリアを含む局所適用のための製剤であって、前記キャリアは、
前記テルル含有化合物が10重量パーセントの濃度で製剤中で溶解可能であり、分散可能であり、および/または懸濁可能であり;かつ
製剤が少なくとも30日の間の室温での保存で化学的および物理的に安定である
ように選択される、製剤。
【請求項2】
前記キャリアは、製剤が少なくとも6ヶ月の間の室温での保存で安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記キャリアは、製剤が少なくとも30日の間の40℃での保存で安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記キャリアは、製剤が少なくとも60日の間の40℃での保存で安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記キャリアは、製剤が少なくとも90日の間の40℃での保存で安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記キャリアは、製剤が約48時間毎に約−10℃から約40℃まで少なくとも3回交互に替わる温度でのサイクルで安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
前記キャリアは、製剤が10分間の約3,000RPMでの遠心分離、次いでさらなる10分間の10,000RPMでの遠心分離で安定であるように選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
前記キャリアは、グリコールまたはアルコールを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の製剤。
【請求項9】
前記キャリアは、少なくとも1個のC1−4アルキレングリコールを含む、請求項8に記載の製剤。
【請求項10】
前記少なくとも1個のアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールを含む、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
前記ポリエチレングリコールは、約100Da〜約10000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
前記キャリアは、局所製剤に適用可能な所望の稠度(例えば、粘度)を製剤に与えるように、および/または都合良く適用および/または吸収される製剤を提供するように選択されるポリエチレングリコールの混合物を含む、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
前記キャリアは、安定剤、浸透増強剤、湿潤剤、消臭剤、芳香剤、発汗抑制剤、日焼け止め剤、サンレス・タンニング剤、ヘアコンディショナー、pH調節剤、日焼け防止剤、キレート化剤、保存剤、乳化剤、閉塞剤、皮膚軟化剤、増粘剤、可溶化剤、抗刺激剤、着色剤、噴射剤、および界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分をさらに含む、請求項9〜12のいずれかに記載の製剤。
【請求項14】
前記追加の成分は、プロピレングリコールおよびDMSOからなる群から選択される、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
前記キャリアは、少なくとも1種の浸透増強剤をさらに含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項16】
前記浸透増強剤の濃度は、約1重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲である、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
前記少なくとも1種の浸透増強剤は、プロピレングリコール(PG)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アラントイン、ウラゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、デシルメチルスルホキシド(C10 MSO)、ポリエチレングリコールモノラウラート(PEGML)、プロピレングリコールモノラウラート(PGML)、Phosal、グリセロールモノラウラート(GML)、レシチン、1−置換のアザシクロヘプタン−2−オン、アルコール、植物油、ホスファチジルコリン濃縮物(PC)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の製剤。
【請求項18】
前記キャリアは、少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項19】
前記少なくとも1種の界面活性剤の濃度は、約1重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲である、請求項18に記載の製剤。
【請求項20】
前記少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両親媒性界面活性剤からなる群から選択される、請求項18に記載の製剤。
【請求項21】
前記界面活性剤は、Tween、トライトン、チロキサポール、プルロニック、Brije、Span、ポロキサマー、およびエムルフォアからなる群から選択される、請求項20に記載の製剤。
【請求項22】
追加の活性薬剤をさらに含む、請求項1〜21のいずれかに記載の製剤。
【請求項23】
前記追加の活性薬剤は、抗生物質剤、抗微生物剤、抗ざ瘡剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、麻酔剤、かゆみ止め剤、抗原虫剤、抗酸化剤、化学療法剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン、ホルモン、角質溶解剤、およびふけ防止剤からなる群から選択される、請求項22に記載の製剤。
【請求項24】
前記テルル含有化合物の濃度は、約0.01重量パーセント〜約25重量パーセントの範囲である、請求項1〜23のいずれかに記載の製剤。
【請求項25】
前記テルル含有化合物の濃度は、約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である、請求項1〜23のいずれかに記載の製剤。
【請求項26】
前記テルル含有化合物の濃度は、約10重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲である、請求項1〜23のいずれかに記載の製剤。
【請求項27】
前記テルル含有化合物は、二酸化テルル(TeO)、TeOの錯体、一般式Iを有する化合物:

一般式IIを有する化合物:

一般式IIIを有する化合物:

および
一般式IVを有する化合物:

(式中、
t、uおよびvのそれぞれは独立して0または1である;
mおよびnのそれぞれは独立して0〜3の整数である;
jおよびkのそれぞれは独立して0〜4の整数である;
Yは、カチオンである;
Xはハロゲン原子である;かつ
〜R22のそれぞれは独立して、水素、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルキルカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシル、アミド、シアノ、N−モノアルキルアミドアルキル、N,N−ジアルキルアミドアルキル、シアノアルキル、アルコキシアルキル、カルバミル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、スルホニル、スルフィニル、スルファート、アミン、アリール、ヘテロアリール、ホスファート、ホスホナートおよびスルホンアミドからなる群から選択される)
からなる群から選択される、請求項1〜26のいずれかに記載の製剤。
【請求項28】
前記テルル含有化合物は、一般式Iを有する、請求項27に記載の製剤。
【請求項29】
t、uおよびvはそれぞれ0である、請求項28に記載の製剤。
【請求項30】
、R、R、およびR10はそれぞれ水素である、請求項29に記載の製剤。
【請求項31】
Xはクロロである、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
Yはアンモニウム、ホスホニウム、カリウム、ナトリウムおよびリチウムからなる群から選択される、請求項31に記載の製剤。
【請求項33】
親水性の製剤である、請求項1〜32のいずれかに記載の製剤。
【請求項34】
洗浄可能な製剤である、請求項1〜32のいずれかに記載の製剤。
【請求項35】
室温で約1,000cpi〜約1,000,000cpiの範囲の粘度を有する、請求項1〜32のいずれかに記載の製剤。
【請求項36】
室温で約3,000cpi〜約30,000cpiの範囲の粘度を有する、請求項1〜32のいずれかに記載の製剤。
【請求項37】
包装材中に包装され、かつ前記テルル含有化合物の局所適用が有益である医学的状態の処置における使用について包装材中にまたは包装材上に印刷で特定される、請求項1〜35のいずれかに記載の製剤。
【請求項38】
前記医学的状態は、硬皮症、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕、ヒトパピローマウイルスに関連する皮膚および/または粘膜の病気、コンジローム、いぼ、脱毛症、毛髪の減少、転移性黒色腫、基底細胞癌、光線性角化症、およびUV皮膚損傷からなる群から選択される、請求項37に記載の製剤。
【請求項39】
クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、乳液、懸濁物、溶液、エアロゾル、スプレー、泡、シャンプー、ムース、漿液、綿球、綿撒糸、パッド、チンキ剤、パッチ、および石けんからなる群から選択される形態である、請求項1〜38のいずれかに記載の製剤。
【請求項40】
テルル含有化合物の局所適用が有益な状態を処置または予防する方法であって、処置または予防を必要とする対象に、請求項1〜39のいずれかに記載される製剤の治療効果的な量を投与することを含む方法。
【請求項41】
テルル含有化合物の局所適用が有益な状態の処置または予防における、請求項1に記載の製剤の使用。
【請求項42】
前記状態は、硬皮症、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕、ヒトパピローマウイルスに関連する皮膚および/または粘膜の病気、コンジローム、いぼ、脱毛症、毛髪の減少、転移性黒色腫、基底細胞癌、光線性角化症、およびUV皮膚損傷からなる群から選択される、請求項40または41に記載の方法または使用。
【請求項43】
前記テルル含有化合物と前記キャリアを混合することを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の製剤を調製するプロセス。
【請求項44】
前記混合することは、約10℃〜約100℃の範囲の温度で行われる、請求項43に記載のプロセス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−502764(P2010−502764A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527926(P2009−527926)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/IB2007/004220
【国際公開番号】WO2008/032227
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509071574)バイオマス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】