テレスコープ装置用の保持要素
【課題】装置に触れるか又は損傷することなく容易に抜き取ることができるテレスコープ装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2つのセクションを備えるテレスコープ装置において、短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばし、これらセクションを伸長構造で固定するために抜き取り力が必要とされ、少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、保持手段が2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、保持手段の切り離し強さが抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい、テレスコープ装置に関する。これにより、保持手段がテレスコープ装置を少なくとも1つの取付点から切り離す前に、テレスコープ装置をその伸長構造に適切に伸ばすことが可能である。
【解決手段】少なくとも2つのセクションを備えるテレスコープ装置において、短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばし、これらセクションを伸長構造で固定するために抜き取り力が必要とされ、少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、保持手段が2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、保持手段の切り離し強さが抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい、テレスコープ装置に関する。これにより、保持手段がテレスコープ装置を少なくとも1つの取付点から切り離す前に、テレスコープ装置をその伸長構造に適切に伸ばすことが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレスコープ装置を抜き取るための保持要素が設けられたテレスコープ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膀胱から排出するためのカテーテルは、断続的ならびに留置又は永続的カテーテル法のためにますます使用されている。典型的に、カテーテルは、尿閉を患っている患者によって、あるいは自発的な排尿を許容する制御を有することができず、またカテーテル法が排尿の方法であることが可能な両下肢麻痺又は四肢麻痺のような障害を有する個人によって使用される。
【0003】
このように、カテーテル法は、多数の患者の生活の質を大きく改善する日常生活の処置になっている。
【0004】
既存のカテーテルは、連続的なカテーテル管の単一ピースから作られる。カテーテル管の外径は、典型的に、その長さの全体にわたって典型的に一定である。
【0005】
カテーテルの長さにより、尿が流れ始めるまで、尿道内にある長さを挿入することが可能である。この時点において、カテーテルのある程度の超過長が利用可能であるべきである。超過長により、ユーザはカテーテルを確実に保持して、廃棄位置に尿を案内し、また安全にかつ尿道内にカテーテルが見失われる危険なしにカテーテルを引き抜くことができる。
【0006】
カテーテルは、つぶれ又はキンクせず、これによって、尿がカテーテルを通して排出する通路を遮断することが重要である。既存のカテーテルは、典型的に、形状安定しまた比較的硬いが、なお曲げ可能な管、例えば、PVC、PU、PE、シリコン又はラテックスから作られる。管の硬度は、キンクを回避する観点から比較的高く選択されるので、カテーテルは、それらの曲がり半径又は曲率が余りに小さい場合、つぶれる可能性がある。
【0007】
したがって、既存のカテーテルは、著しい長さを有するのみならず、典型的に細長い状態で包装される。したがって、既存のカテーテルは、特に、1日当たり数回行われるカテーテル法が日常生活の処置である個人にとって、その取り扱い及び携行が厄介であるかもしれない。
【0008】
特許文献1は、テレスコープ式に配置される2つのカテーテルセクションを備えるカテーテルを開示しており、カテーテルセクションの第1のセクションは、人間の膀胱内に挿入するために意図することが可能であり、これに対し、カテーテルセクションの第2のセクションは、通常、カテーテルの使用中に人間の膀胱の外側にカテーテルの延長部を形成するために意図されている。使用時、すなわち、2つのカテーテルセクションの第1の相互の構造では、第2のカテーテルセクションは、第1のカテーテルセクションの遠位端から離れた第1のカテーテルセクションと共に伸びることが好ましい。通常、テレスコープキットが格納されて搬送される構造である第2の相互の構造では、第1のカテーテルセクションの少なくとも一部分は、第2のカテーテルセクションによって囲まれることが可能である。ユーザが、カテーテルの挿入可能な部分に触れることなく、第1のカテーテルセクションを第2のカテーテルセクションから引き抜くことを可能にするために、ロック係合して第1のカテーテルセクションに係合するように、容器を設けることができることが好ましい。これによって、第1のカテーテルセクションを第2のカテーテルセクションから引き抜くために、容器を使用することが可能である。第2のカテーテルセクションは、第1の密封封鎖及び第2の密封封鎖によって密封され、第2の密封封鎖には、カテーテルアイに係合するために構成された半径方向内側に伸びる内部突出部が設けられる。このように、第2の密封封鎖は、第1のカテーテルセクションを容易に引き出すための内側方向に伸びる突出部によって第1のカテーテルセクションに係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/002179A2号
【0010】
既存のカテーテルは、粘膜内の傷の危険性を最小にし、また挿入中に痛みの感覚を実質的に与えないように設計される。したがって、公知のカテーテルには、典型的に、尿道内への安全で快適な挿入のために最適化された滑らかで滑りやすい表面が設けられる。したがって、特に障害のあるユーザにとって、滑りやすい超過長を操作してカテーテルを取り扱うことは、しばしば難しいかもしれない。
【0011】
したがって、テレスコープ装置の第1のセクションを固定するより優れた方法の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、装置に触れるか又は損傷することなく容易に抜き取ることができるテレスコープ装置を提供することと理解することができる。
【0013】
さらに、本発明の目的は、テレスコープ装置の最大の伸長及び固定を容易かつ安全に実現するテレスコープ装置を提供することと理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施例に示したように、問題を解決する1つの方法は、例えば紐(保持要素)をカテーテル(テレスコープ装置)に、またカテーテルを収容する容器に取り付けることによって行うことが可能である。カテーテルの自由端を引っ張ることによって、カテーテルは完全な伸長状態まで伸び、2つのセクションの間のロックが完了する。次に、引張りが継続するとき、力が増加し、紐の破壊強さを上回り、このように紐が破壊する。その結果、カテーテルは容器から解放され、紐がカテーテルから引き抜かれる。紐は、カテーテルの表面に何のマークも(すなわち非常に僅かなマークも)残さず、コーティングはなお実際に無傷のままである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】図1aは、本発明の好ましい一実施形態を示している。
【図1b】図1bは、本発明の他の実施形態を示している。
【図2a】図2aは、本発明の他の実施形態を示している。
【図2b】図2bは、図2aの本発明の実施形態を示している。
【図3a】図3aは、製品容器7の内部に配置された図1aによる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図3b】図3bは、製品容器7に組み立てられた内側プラグ8を示している。
【図4a】図4aは、カテーテル及び内側固定リング11の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図4b】図4bは、製品容器12に押し込まれた紐2A及び内側固定リング11を有するカテーテルを示している。
【図5a】図5aは、カテーテル及び底端で閉じられる製品容器14の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図5b】図5bはカテーテルを示している。
【図6a】図6aは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し垂直に撮影したカテーテルの写真を示している。
【図6b】図6bは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し接線方向に撮影したカテーテルの写真を示している。
【図7】図7は、球16が存在するセクションに対し方向Fに力が加えられたときに、伸長構造のテレスコープ装置がつぶれることを回避するために、球16が設けられたテレスコープ装置の概略部分断面図を示している。
【図8a】図8aは、別個の孔6を含む先端を有するカテーテル4を示している。
【図8b】図8bは図8aのカテーテル4を示している。
【図8c】図8cは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【図8d】図8dは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【図8e】図8eは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
このように、本発明の一形態は、少なくとも2つのセクションを備えるテレスコープ装置であって、短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばし、伸長構造でセクションを固定するために、抜き取り力が必要とされ、少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、保持手段が2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、また保持手段の切り離し強さが抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい、テレスコープ装置に関する。
【0017】
これにより、保持手段がテレスコープ装置を少なくとも1つの取付点から切り離す前に、テレスコープ装置をその伸長構造に適切に伸ばすことが可能である。
【0018】
切り離し強さは、少なくとも一方のセクションを少なくとも1つの取付点から切り離し、これによって、取付点に取り付けられたテレスコープ装置のセクションと、取付点との間の相対運動を可能にするために克服されるべき強さである。
【0019】
本発明によるテレスコープ装置の一実施形態において、保持手段は、2つのセクションの少なくとも一方に、また保持部材に設けられた少なくとも1つの取付点に取り付けられた少なくとも1つの保持要素を備え、保持要素の破壊強さは抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい。
【0020】
このことは、取付点からのテレスコープ装置の分離が保持要素の破壊強さによって決定され、この強さを比較的容易に有利に決定でき、保管期間中等のその変化が僅かに過ぎないという効果を有する。さらに、例えば要素を切り離す代わりに保持要素を破壊することによって、保持要素及び保持部材の再使用が防止される。
【0021】
保持要素は、例えば、プラスチックの射出成形又は押出しによって形成可能である一体の要素でもよいが、適切な一体の要素を製造するための他の方法が当業者によって予想されることができることを理解すべきである。さらに、保持要素の破壊強さは、保持要素が少なくとも2つの部片に破壊する強さであることも理解すべきである。言及したように、この強さの決定は容易であり、かつ小さな公差内で再現することが容易であり、大量生産にとって適切できる。
【0022】
保持要素はまた、例えば2つの構成要素の射出成形によって又は機械的に2つの構成要素を組み立てることによって、いくつかの構成要素から形成してもよいことを理解すべきである。しかし、保持要素として使用する場合、保持要素は、意図しない大きな修復を行う必要なしには、テレスコープセクション及び取付点を簡単に再び取り付けることができないように、ある点で破壊する。
【0023】
保持要素は、2つのセクションの少なくとも一方を、保持部材に設けられた少なくとも1つの取付点に取り付ける。これにより、保持要素が取り付けられるセクションと、保持部材との間の相対運動が防止される。これによって、相対運動は、保持要素を破壊した後に初めて可能である。このように、本実施形態によるテレスコープ装置は、保持手段と比較して変形に対しより安定しており、この場合、テレスコープカテーテルと保持部材との間の結合は、互いに係合する2つの別個の部分によって付与される。このような保持手段は、互いに対する変形シフトの場合、したがって切り離し強さに望ましくない影響を及ぼす可能性がある。
【0024】
本発明は、一例として、カテーテル及びストローを使用して実施例として記載される。しかし、本発明の範囲は、これらの実施例によって決して制限されない。当業者は、他の用途の本発明を認識するであろう。
【0025】
本発明に使用されるテレスコープは、互いの内部に配置された異なる断面積を有する少なくとも2つのセクションを備える。テレスコープは、セクションが互いの内部で最大に引っ込んだコンパクトな構造、又はセクションがテレスコープの最大長さに最大に抜き取られる伸長構造であることができ、コンパクトな構造と伸長構造との間に不確定の数の中間位置がある。短くかつコンパクトなテレスコープ構造では、少なくとも2つのセクションは、ほぼ互いの内部に位置し、例えば取り付け用のセクションは他のセクションの内部にあるか、あるいはその逆である。構造に関する「短い」という用語は、典型的に、「つぶれた」、「圧縮した」、「引っ込んだ」等と呼ばれる。取り付け用のセクションは、保持要素によって取付点に固定される1つのセクションとして規定される。取付点は、保持要素をこの取付点に固定できるように、固定箇所を提供する任意の可能な取付点として規定され、この場合、保持要素と接続されるテレスコープ装置は一方の端部に固定される。このように、取付点及び保持要素は、テレスコープ装置を伸長構造に引っ張りつつ、テレスコープ装置の端部における保持方法を提供する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、延長セクションは、取り付け用のセクションに対し反対側セクションとして規定される。カテーテルの実施例では、このことは、延長セクションは、尿道に挿入すべきカテーテルの近位端に対しカテーテルの遠位端であることを意味する。この遠位端には、典型的に、尿道に挿入されない超過長さが付与されるので、取り付け用セクションに適用されるのと同一の慎重な取扱いの必要性は、延長セクションには適用されない。
【0027】
このように、別の一実施形態において、テレスコープ装置は、近位セクションと遠位セクションとを有するカテーテルであり、保持要素は近位セクションに取り付けられ、また保持部材は、カテーテルを収容するための容器である。
【0028】
本発明の一実施形態において、テレスコープ装置は中空である。このように、テレスコープ装置は、例えばガス又は液体の輸送媒体として使用することができる。
【0029】
一実施形態において、本発明は、セクションが通過流を提供する中空であるテレスコープ装置に関する。このように、流体又はガス用の通路がテレスコープ装置を通して提供される。
【0030】
一形態において、本発明は、近位セクションに入口を有し、遠位セクションに出口を有するテレスコープ装置に関する。
【0031】
好ましい実施形態において、本発明は、医療装置であるテレスコープ装置に関する。医療装置は、例えば内視鏡又は胃鏡であることができるであろう。
【0032】
好ましい一実施形態において、テレスコープ装置はカテーテルである。この説明の詳細としての実施例は、テレスコープカテーテルで例示される。しかし、当業者は、同一の原理が他の装置にも適用されることを認識するであろう。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態は、尿カテーテルであるテレスコープ装置に関する。
【0034】
本明細書に使用されているように、カテーテルは、開口部に挿入するための近位端を有し、また流体を導管内に排出するための開口部を備え、導管は、反対側の遠位端に向かって伸び、カテーテルは、近位セクションと遠位セクションとを備える。このように、カテーテルの近位端は、尿道又は他の人間の孔内に挿入するために意図される端部である。
【0035】
一実施形態において、テレスコープ装置は、すぐ使用できるテレスコープカテーテルである。このことは、カテーテル上のコーティングを湿った状態に維持する湿潤流体と共にカテーテルを容器に格納することによって典型的に達成され、これによって、カテーテルは滑らかであり、容器を開いた直後に例えば尿路に挿入することが容易である。
【0036】
抜き取り力という用語は、本出願では、テレスコープ装置を完全に伸ばすために必要な力を説明するために使用され、この力は、テレスコープ装置が最大に抜き取られて、伸長構造に達するように、2つの隣接するセクションを相互ロックするために必要な力を含む。2つの隣接するセクションを相互ロックするために、テレスコープ装置に固定手段が設けられる。好ましい実施形態において、テレスコープ装置に機械的固定手段が設けられる。好ましい実施形態において、機械的固定手段は、図7に示したように、カテーテルの近位セクションの球又は円形突出部である。このような球は、カテーテルの遠位セクションと近位セクションとの間の機械的ロックとして作用し、一方向の移動を可能にするが他方向の移動を可能にしない。粘膜を傷つけないために、カテーテルのセクションの間に滑らかな移行部を設けることが重要である。挿入中に、球は、移行部の箇所との接触を回避するために粘膜を「持ち上げる」。好ましい実施形態において、カテーテルにはまた、伸長構造のカテーテルが両方向で固定されるように、球に対し反対方向にカテーテルを固定するための第2の固定手段が設けられる。
【0037】
分離力という用語は、本出願では、テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために、すなわち、互いにもはや接触しない箇所まで少なくとも2つのセクションを完全に分離するために必要な力を説明するために使用される。明快さのため、抜き取り力及び分離力は同一の方向に向かうことが指摘される。
【0038】
好ましい実施形態において、保持要素の破壊強さは抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい。他の好ましい実施形態において、破壊強さはまた、保持要素がテレスコープ装置を切り抜くか又はさもなければ損傷する危険が生じる前に保持要素が破壊するように、テレスコープ装置を損傷するために必要な力よりも小さい。
【0039】
テレスコープ装置の自由端を引っ張ることによって、装置は完全な伸長状態まで伸び、少なくとも2つのセクションの間のロックが完了する。次に、引張りが継続するとき、力が増大し、保持要素の破壊強さが克服され、このように保持要素が破壊する。その結果、テレスコープ装置が保持部材、例えば容器から解放され、破壊した保持要素がカテーテルから引き抜かれる。
【0040】
好ましい実施形態において、保持要素の破壊強さ以上の力にさらされるとき、保持要素は、少なくとも2つの別個の部分に破壊する。
【0041】
表面がコーティングされた挿入されたカテーテルは、約0.2Nの力で、位置、例えば人間の膀胱から引き抜かれる。コーティングされていないカテーテルでは、この引き抜き力は2Nの範囲にある。カテーテルの2つのセクションの間の移行部は、移行部が引き抜き力に耐えるように構成されることが非常に好ましい。さもなければ、カテーテルは2つの部片に分離することがあり、近位セクションは尿道内に留まる。カテーテルを少なくとも2つの部片に分離するために必要な力は、分離力として規定される。
【0042】
典型的に、カテーテルを挿入するために必要な力、押し込み力は、コーティングされたカテーテルでは約1Nである。このように、カテーテルの2つのセクションの間の移行部は、移行部が押し込み力に耐えるように構成されることが非常に好ましい。さもなければ、カテーテルは、挿入中に非伸長構造につぶれることがあるであろう。一般に親指では、押し込み力に耐える能力は、大きな押し込み力にさらされたときに、カテーテルが非伸長構造につぶれる傾向を有する前に、カテーテルが曲がる傾向を有するようなものでなければならない。カテーテルを挿入するために、1ONよりも大きな力は不必要である。
【0043】
カテーテルは、尿道からの挿入及び引き出しを容易にするために、外側に親水性のコーティングを有することが多い。提案した保持要素を使用することによって、1つの滑りやすいセクションを確実に保持する方法が提供される。しかし、滑りやすいカテーテルを確実に保持できるのみならず、保持それ自体はコーティングもカテーテルも傷つけない。損傷した(典型的に除去された)コーティングを有する領域が余りに大きすぎる場合、カテーテルを着脱することがより難しくなる。コーティングに損傷した領域を有するカテーテルは、膀胱(粘膜)の内部を傷つけ、不快感及び出血を引き起こすかもしれない。
【0044】
人間の膀胱に挿入されるとき、感染しやすいカテーテルは無菌であることが好ましい。したがって、使用する前に伸長構造に抜き取ったとき、無菌カテーテルに触れないことが重要である。本発明は、尿道に接触することになるカテーテルの一部に触れることなく、ユーザがカテーテルを完全に抜き取ることを可能にする抜き取り手段を提供する。
【0045】
本発明において、抜き取り時に、カテーテルの1つのセクションを確実に保持するために使用される保持要素は、抜き取り中にカテーテルに対する損傷を生じない。このことは、カテーテル表面が無傷であることを意味し、このように、膀胱及び粘膜を傷つける危険を最小にする。
【0046】
本発明の他の実施形態では、テレスコープ装置はストローである。伸縮式ストローは、旅行等に持って行くための例えばジュースカートンに使用できる。触れることなく伸縮式ストローを抜き取ることができることがより衛生的であり、本発明はこの利点を提供する。さらに、本発明は、ストローが完全に伸ばされて、固定されるときを確実に知る利点を提供するが、この理由は、ストローが伸長構造に達して固定されるまで、保持要素が破壊しないからである。このことは、ストローが移行点で完全に固定されず、したがって十分にシールされない場合、飲み物をこぼすことに関する問題を排除する。さらに、保持要素の破壊強さは分離力より小さいので、保持要素は破壊し、これによって、完全な伸長構造に達したことをユーザに示し、このようにストローを抜き取るときに余りに激しく引っ張る危険を排除する。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態は、取り付け用のセクションがカテーテルの遠位端であるテレスコープ装置に関する。
【0048】
本発明の他の実施形態は、取り付け用のセクションがカテーテルの近位端であるテレスコープ装置に関する。
【0049】
本発明の一形態は、取付点が容器に配置されるテレスコープ装置に関する。容器は、例えばPPで射出成形できることが好ましい。容器は、製造後及び使用前にテレスコープ装置を保護することが好ましい。好ましい実施形態において、容器は、抜き取り中に容器がテレスコープ装置の少なくとも一部分を覆うように、抜き取り中にテレスコープ装置も保護する。容器の保持要素の取り付けは、例えば、図4aと図4bに示したように、保持要素が容器の内面と内側固定リングとの間に固定されるように、内側固定リングの使用によって行うことができる。本実施形態の1つの利点は、完全にシールされた容器にテレスコープ装置を配置できることであり、このことは、例えばテレスコープ装置が液体を有する容器に格納されるならば好ましい。このことはまた、例えばテレスコープ装置が無菌である場合に利点であるが、この理由は、完全にシールされた容器が汚染障壁を提供するからからである。内側固定リングは、例えば、PPで押出/又は射出成形することができる。
【0050】
本発明の他の形態は、取付点が容器に配置されるテレスコープ装置に関する。好ましい実施形態において、容器は、図3aと図3bに図示したように、対応する内側プラグを有する開放端容器である。プラグの外面は、好ましい実施形態において、容器の内面に対する把持及びシールを高めるために、例えばリブが設けられる。保持要素は、好ましい実施形態において、図3aと図3bに図示したように、容器の内面と内側プラグの外面との間に固定される。
【0051】
他の方法は、保持要素がカテーテル及び容器の全体を通過するようにさせ、次に、例えば図5aと図5bに示したように、保持要素が容器の外面と固定キャップ又はリングの内面との間に固定されるように、固定キャップ又はリングによって保持要素を固定することである。例えば、固定キャップは、例えばPPで射出成形することができ、また例えば、固定リングは、例えばPPで押出成形又は射出成形することができる。例えば、容器は、針の貫通を容易にするために底端部の壁厚を薄くして、例えばPPで射出成形することができる。好ましい実施形態において、接着剤が保持要素の容器の孔に適用され、これによって、孔はシールされ、かつ保持要素が固定される。別の代替例として、保持要素が容器を通過する孔をシールするために、また保持要素を容器に固定するために、少量のポリプロピレン(PP)を容器に溶接してもよい。
【0052】
本発明の一形態は、取付点がソフトドリンク用の容器に配置されるテレスコープ装置に関する。例えば、テレスコープ装置がソフトドリンク用の容器上のストローである場合、テレスコープ装置が完全に伸ばされるまで、テレスコープ装置の1つのセクションの一方の端部を保持するように、テレスコープ装置の1つのセクションの一方の端部を容器に固定してもよい。このように、触れることなく伸縮式ストローを抜き取ることができることがより衛生的であり、本発明はこの利点を提供する。
【0053】
本発明の一形態は、保持要素が紐であるテレスコープ装置に関する。これは、好ましい実施形態であるが、これは、保持要素からテレスコープ装置を解放するために必要な力の計算が、紐の破壊強さに依拠するに過ぎないので非常に簡単であるからである。紐の破壊強さは、明確に規定された特性であり、当業者に公知である。さらに、異なる特性及び破壊強さを有する非常に多様な紐は、容易にまた商業的に入手できる。これは、この特徴が追加の工具又は特殊又は余分の製造段階を必要としないので、別の利点を提供する。特定の種類の紐は、「縫合(ポリプロピレン)紐、異なる種類の(ナイロン)釣り糸、ポリエステル及びポリウレタンワイヤ」のような、例えば公知の及び入手可能なモノフィラメントワイヤのような本発明に適切な様々な紐から選択することができる。テレスコープ装置が完全に伸ばされ、加えられた引っ張り力が紐の破壊強さを超えたとき、紐は破壊し、紐の破壊した自由端部はテレスコープ装置から滑って出る。コーティングされたカテーテルの実施例では、紐は、カテーテルの表面に僅かなマークを残し、コーティングは、図6aと図6bに示したようになお無傷のままである。
【0054】
本発明の一実施形態において、紐は、テレスコープ装置がその伸長構造に向かって移動されるとき、テレスコープ装置の延長方向に対し45°未満の角度を形成する。延長方向は、装置がその短いテレスコープ構造からその伸長構造に伸びる方向であり、典型的に、この方向はテレスコープ装置の中心軸線に対し平行であることを理解すべきである。さらに好ましい実施形態では、紐は、延長方向に対し略平行である。
【0055】
これにより、伸長した紐と抜き取り方向との間の角度が低減されるとき、紐の角力成分が低減されるので、紐の破壊強さのより容易な決定が可能になる。さらに、このことはまた、紐の破壊強さが主に紐それ自体の特性によって決定され、紐がテレスコープセクション又は取付点に取り付けられる角度のような外側要因によっては決定されないので、大量生産に適切な保持要素を提供する。これにより、結果として、本発明によるテレスコープ装置の再現がより容易になる。
【0056】
伸長した紐と抜き取り方向との間の角度を低減するために、一実施形態では、紐は緩くてもよく、すなわち、紐は取付点の間できつく伸ばされず、このように、力が紐に加えられないときにある緩みを提供する。例えば、このことは、紐を使用することによって実現可能であり、この場合、取付点の間の紐の長さは、取付点の間の最短の長さの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍である。十分な長さを提供し、これによって、緩みにより紐を緩ませることにより、テレスコープ装置がその伸長構造に向かって引っ張られるとき、紐を抜き取り方向に対しほぼ平行に整列して伸ばすことができ、結果として、張力が紐に加えられる。
【0057】
なお、他の実施形態において、紐の2つの端部は、伸縮セクションをループで取り付ける同一の取付点で互いに隣接して取り付けてもよい。これにより、同様に、伸長した紐と抜き取り方向との間に小さな角度が付与される。
【0058】
一実施形態において、緩いストリングの端部は、同一の取付点に取り付けられる。
【0059】
他の実施形態において、本発明は、実施例4によって例示されかつ図8a〜図8eに図示されているように、保持要素が保持矢印であるテレスコープ装置に関する。保持矢印は、破裂に必要な牽引力に関し弱化された矢印の円錐部分18の直下に、セクション17を含むことができる。このように、テレスコープ装置に加えられた引っ張り力が、セクション17の保持矢印の破壊強さを超えると、保持矢印は、矢印の円錐部分18の下の弱化領域を破壊する。破壊された保持矢印は、保持矢印2Bの円錐部分18と、保持矢印2Bの下方部分22とを備える。好ましい実施形態において、テレスコープ装置は、装置が完全に伸ばされた後にテレスコープ装置に留まる破壊された矢印の部分が装置の主導管20と接触しないように、テレスコープ装置の先端部分の区画19を備える(図8d参照)。セクション17の破壊強さを変更することによって、所望のように、保持力を調整することができる。一実施形態において、保持矢印(テレスコープ装置の内部を通過する)の破壊後に、内側の環状リブ21を設けるためにテレスコープ装置の先端に比較的近接して(図8e参照)、装置の内径が保持矢印2Bの円錐部分18の外径未満に、例えば1.0mmに低減されるようにテレスコープ装置を先端形成することによって、円錐部分18の自由移動が妨げられる。円錐部分18の自由移動を妨げるためのこのような手段の他の実施形態は、テレスコープ装置の内面の1つ以上の隆起部又は突出部であるできるであろう。
【0060】
代わりに、保持矢印全体は、一体でテレスコープ装置から取り出すことができる。このように、テレスコープ装置及び/又は保持矢印は、引っ張り力が保持力を超えるときに加えられる引っ張り力によって破壊する。この場合、保持力を調整するために、適切な最大の矢印直径D(a)が選択される。
【0061】
本発明の好ましい実施形態において、紐は、テレスコープ装置全体を通り、両方のその端部は少なくとも1つの取付点に固定される。このように、この取付点は、テレスコープ装置を通して走る紐の中央にある。これにより、紐が破壊するとき、材料、例えば紐の部片はテレスコープ装置に残されない利点が提供される。破壊した紐は、その破壊後にテレスコープ装置から簡単に滑って出る。
【0062】
一形態において、本発明は、保持装置が接着剤であるテレスコープ装置に関する。
【0063】
本発明の一実施形態は、保持要素が、カテーテルのアイを通して取り付けるためのセクションに取り付けられるテレスコープ装置に関する。この特定の実施形態は、カテーテル壁部のさらなる貫通が必要とされないように、カテーテルの既存のアイを利用する追加の利点を提供する。このように、追加の貫通によるカテーテルの損傷の危険性が最小にされる。カテーテルアイを通して保持要素を案内する代わりの一方法は、カテーテルの先端と最も近いカテーテルアイとの間のほぼ中央に配置された予め製作した孔(例えば0.5〜0.8mmの直径)を通して保持要素を案内することである。
【0064】
カテーテルのいわゆるアイは、カテーテルの側面に、典型的に、例えば尿路に挿入されるカテーテルの部分に形成される開口部/孔であり、また典型的に1つ又は複数のアイは、カテーテルの近位端、すなわち本体に最も遠くに挿入される端部に近接して配置される。
【0065】
本発明の他の形態は、保持要素が、カテーテルを通して縫うためのセクションに取り付けられるテレスコープ装置に関する。針による縫合を使用することによって、貫通領域は、実施例1及び図6aと図6bに示したように、カテーテル及びカテーテルの可能なコーティングが損傷されないように最小にされる。カテーテルに保持要素を縫うことは、カテーテルを特定の方法で配向する必要はないので、さらに有利である。カテーテルの配向のための追加の製造段階は、時間を浪費させ、したがって、カテーテル製造において製造速度はコスト面で重要であるので、上記の縫う方法により相当の利点が提供される。
【0066】
好ましい実施形態において、本発明は、男性用のカテーテルであるテレスコープ装置に関する。男性用のカテーテルは、男性及び女性の尿道の長さの差のため、女性用のカテーテルよりも典型的に長い。コンパクトなカテーテルの必要性と組み合わせた男性の尿道の長さは、男性用のカテーテルに関し本発明を非常に有利にする。男性の尿道の長さは、テレスコープカテーテルの所望の短い構造よりも典型的に長く、すなわち、テレスコープカテーテルの1つ以上のセクションを尿道に挿入しなければならない。このことは、1つのセクションと他のセクションとの間の移行部が、挿入中に尿道を刺激しないように、可能な限り滑らかでなければならないことを意味する。このように、本発明は、男性用カテーテルとして非常に適切であるコンパクトなカテーテルを提供する。
【0067】
前に説明したように、抜き取り力、破壊強さ及び分離力の間の関係が、テレスコープ装置を適切かつ安全に取り扱うために重要であることを理解すべきである。
【0068】
抜き取り力は、セクションを使用態勢の伸長構造に置くために、テレスコープセクションを互いに対し移動するために必要な力であり、破壊強さは、保持要素が破壊するために超えなければならない強さであり、また分離力は、役に立たないテレスコープ装置を一般に離れるセクションのために、テレスコープセクションを互いに対し移動するために必要な力である。
【0069】
このように、一実施形態において、抜き取り力は、0.1N〜5Nであることが有利であり、破壊力は1N〜15Nであり、また分離力は50N超である。特定の実施形態内の範囲は、テレスコープ装置の確実な機能を提供するために各々重なり合ってはならないことを理解すべきである。
【0070】
好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜10Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0071】
他の好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜5Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0072】
なお、他の好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜3Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0073】
一形態において、本発明は、テレスコープ装置を製造するための方法であって、
(a)テレスコープ装置を用意する段階と、
(b)段階(a)のテレスコープ装置に保持要素を取り付ける段階であって、保持要素が、テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力よりも小さな破壊強さと、伸長位置でセクションを固定することを含む短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばすために必要とされる抜き取り力よりも大きな破壊強さとを有する、段階と、
(c)保持要素を取付点に取り付ける段階と、
を含む方法に関する。
【0074】
他の形態において、本発明は、テレスコープ装置を製造するための方法であって、
(a)テレスコープ装置を用意する段階と、
(b)伸長位置でセクションを固定することを含む短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばすために必要とされる抜き取り力を測定する段階と、
(c)テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力を測定する段階と、
(d)保持要素に、分離力より小さくまた抜き取り力よりも大きな破壊強さを付与する段階と、
(e)保持要素の第1の部分をテレスコープ装置に取り付ける段階と、
(f)保持要素の第2の部分を取付点に取り付ける段階と、
を含む方法に関する。
【0075】
テレスコープカテーテルを用意する方法の例として、次の方法を追求することができる。
【0076】
取り付け用のセクション(近位端/セクション)の製造:
1)押出成形のPUR管を用意し、取り付け用のセクションの長さに切断する。
2)例えばニッケルフォームの誘導加熱によって、近位端を先端形成して、丸い(例えば閉じた)端部を形成する。
3)例えばニッケルフォームで誘導加熱することによって、遠位端に機械的固定手段を形成し、円錐形の外側形状を形成するために取り付け用のセクションの直径が緩やかに増加する。
4)先端(近位端)に近いカテーテル壁部に孔をパンチして、カテーテルアイを形成する。
5)取り付け用のセクションを親水性コーティングで選択的にコーティングする。
【0077】
延長セクション(遠位端/セクション)の製造:
1)押出成形のPUR管を用意し、延長セクション用の長さに切断する。
2)例えばニッケルフォームで、遠位端に機械的固定手段を形成する。
3)例えばニッケルフォームで誘導加熱することによって、遠位端に機械的固定手段を形成し、円錐形の外側形状を形成するために「第2のセクション」の直径が緩やかに減少する。
4)延長セクションを親水性コーティングで選択的にコーティングする。
【0078】
近位端を最初に、取り付け用のセクションを延長セクションの遠位端に挿入する。
【0079】
代わりに、取り付け用セクション及び延長セクションの両方は、成形技術によって製造してもよい。
【0080】
カテーテルは、例えば、次の材料、すなわち、シリコン又は熱可塑性のエラストマ材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマ材料、ポリアミド樹脂又はエラストマあるいはそれらの任意の混合物から製造することができ、すなわち、群は、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PU(ポリウレタン)、PE(ポリエチレン)、ラテックス、ペバックス(登録商標)及び/又はクラトン(登録商標)のようなスチレン系ブロックコポリマ、のような材料を含むことが可能である。
【0081】
抜き取り力ならびに分離力の測定は、例えば、ばね秤又は引張強度装置を使用することによって行うことができる。
【0082】
保持要素は、例えば、紐、接着剤、保持矢印又は当業者によって認識される他の任意の適切な保持要素であることができる。
【0083】
好ましい一実施形態において、本発明は、テレスコープ装置がカテーテルである方法に関する。
【0084】
他の好ましい実施形態において、本発明は、テレスコープ装置が男性用のカテーテルである方法に関する。
【0085】
なお、他の形態において、本発明は、テレスコープ装置のセクションを取付点に取り付けるための保持手段の使用であって、テレスコープ装置が伸長構造に移動された後に、保持要素が破壊する使用に関する。使用する保持手段が、とりわけ、本明細書に記載した保持手段及び保持要素でもよいことを理解すべきである。
【0086】
実施例
実施例1:保持紐の取り付け及び配置後のカテーテルの分析
カテーテルへの保持紐の取り付け:
1)図1aに示したように、
a)標準Ch12(フランスの寸法)Coloplast(コロプラスト)(PUR)非親水性のコーティングカテーテル
b)縫合用プロレーヌ(Prolene)6/0の紐を用いて行った。
製品容器への保持紐の取り付け:
2)図3aと図3bに示したように、
取付け紐が裂けるまでカテーテルを引っ張った。
3)「ソルタースーパサムソン(Salter Super Samson)」のばね秤をカテーテルのコネクタ端部に取り付け、製品容器の内部のカテーテルは、紐2Aによって製品容器に取り付けた。
4)ばね秤を、紐が裂け、カテーテルが製品容器から解放されるまで、他方の手で製品容器を保持しつつ一方の手でゆっくりと引っ張った。破裂力、すなわち破壊強さをばね秤で読み取った。
顕微鏡によるカテーテルの表面の検査:
5)項目4の仕上後1分以内に、カテーテル表面(紐がカテーテルを貫通していた)を、ニコンSMZ800ステレオ顕微鏡(ニコンDN100カメラ及びルシア(Lucia)ネットv.1.16.5ソフトウェア)及び約25の倍率を使用して検査した。次のように検査を行った:
a)カテーテル表面に対し垂直に、図6a参照、
b)カテーテル表面に対し接線方向に、図6b参照。
【0087】
検査によって、1つ又は複数の形成された孔が非常に小さく、基本的に、カテーテル壁部を通して開口部がなかったことが示された。
指及び舌によるカテーテルの表面の検査:
項目5に続き、紐がカテーテルを貫通していた場所にわたって、
a)指を滑らせ、次に
b)舌を滑らせることによってカテーテル表面を検査した。
これによって、この場所が、実際に、カテーテル表面の残部から識別/区別できないことが実証される。
【0088】
実施例2:紐の破壊強さの試験
紐が縫われたカテーテルを使用し(図1a)、また図3aと図3bに示したように紐2Aを製品容器に固定し、紐が破壊する−最大引っ張り力−例えば破壊強さを−「ソルタースーパサムソン(Salter Super Samson)」のばね秤(0〜5kg)で測定した。
【表1】
【0089】
実施例3:滅菌及び格納による破壊強さの変化の試験
一実施形態において、テレスコープ装置は、製造及び使用の間に容器に格納されるカテーテルである。例えば、尿カテーテルのような医療用途では、使用前にカテーテルを殺菌する必要があり、また殺菌が紐の形状の保持要素にどのような影響か及ぼすかを確認するために、カテーテルが試験された。
【0090】
試験は、異なる種類の3つの紐によりロイズ張力試験機械で実施された。
【表2】
【0091】
3つの種類の紐の各々の破壊強さを、次の3つの状態の各々の紐について20回測定した。
1.製造業者から提供された紐。
2.PVP(ポリビニルピロリドン)水内で、2x40kGyで電子線消毒された紐。
3.2x40kGyで電子線消毒し、PVP水内でまた40℃で7x24時間ねかせた紐。
【0092】
試験は、次の結果を示した。
【表3】
特に状態1と3では、破壊強さの差がほとんどないことを認識できる。さらに状態1と3は、製品がユーザに利用可能になるには典型的に少なくとも数日を要するので、考慮すべき最も重要な状態である。
【0093】
このように、上述の種類の紐を使用するとき、破壊強さの試料間の変化は非常に小さく、また紐の消毒後、破壊強さの変化は非常に小さく、大量生産に有利であることを示すであろう。特に、このことは、複数のバッチの紐の間の標準偏差が非常に小さく、このように、保持要素として紐を使用することにより、信頼性が高くかつ製品間でほぼ同じである破壊強さが提供されることを示している。
【0094】
実施例4:保持矢印
1)誘導加熱先端形成工具(ニッケル)を使用して、カテーテル(約0.8mmの直径)の先端に別個の孔6を有するように、カテーテル4(PUR製、寸法(フランス)ch12、図2参照)を先端形成する。
2)カテーテルを選択的に親水性コーティングする。
3)次に、保持矢印2B(例えば1.6mmの直径D(a)のPPに例えば射出成形)の先端を別個の孔6を通して押圧する。
4)カテーテル4を引っ張ると、保持矢印2Bが破壊し、円錐部分はカテーテル(管)の内部に留まる、図8c、図8dと図8e参照。
【0095】
図面の説明
図1aは、本発明の好ましい一実施形態を示しており、紐の形状の保持要素2は、カテーテル1の壁部全体を通り抜け、これによって、紐をカテーテルの近位セクションに取り付ける。
これは、典型的に、カテーテルの壁部を容易に穿孔して紐を案内するために、縫合針(図示せず)を使用して行われる。このような「縫合」手順を実行する1つのこのような実施例は、次の5つの段階で説明される。
1)丸い先端及び2つのカテーテルアイ3を有する標準の親水性コーティングカテーテル1(PUR(ポリウレタン製)、寸法(フランス)ch12を使用した。
2)「メージャー6600(Major 6600)」縫製機械及びプリム(Prym)No.70/10(ジーンズ標準)針を使用して、紐:エティコール(Ethicor)/プロレーヌ(Prolene)6/0又は5/0(モノフィラメントポリプロピレン手術用縫合糸)又はマキシマパーフェキシオン(Maxima Perfexion)(0.11mmの釣り糸)を、カテーテルの先端と最も近いカテーテルアイとの間のほぼ中央のカテーテルを通して縫った。代わりに、ポリエステルモノフィラメントワイヤ、直径0.12〜0.15mm、種類:RhodiaからのM183を使用することができる。
3)紐を有する針がカテーテルを通過すると、また針をカテーテルから引き戻すために針移動を反転する前に、紐が針と共にカテーテルを通して引き戻されることを回避するために、紐をカテーテルの出口側(針が出る箇所)に固定/保持した。
4)次に、針をカテーテルから引き抜き、紐の約20〜40mmがいずれかの側のカテーテルから掛かるように紐を切断した。
5)次に、カテーテルは、紐を1つ又は複数の取付点に取り付ける用意ができた。
【0096】
図1bは、本発明の他の実施形態を示しており、保持要素2はカテーテルアイ3を通して案内され、これによって、紐をカテーテルの近位セクションに取り付ける。
これは、例えば、次の5つの段階によって達成できる。
1)丸い先端及び2つのカテーテルアイ3を有する標準の親水性コーティングカテーテル1(PUR製)、寸法(フランス)ch12を使用する。
2)縫製機械及び鋭い端部のない針を使用して、一方のカテーテルアイに入り、他方のカテーテルアイを通過して出ることによって、カテーテルを通して紐を案内する。
3)紐を有する針がカテーテルを通過すると、また針をカテーテルから引き戻すために針移動を反転する前に、紐が針と共にカテーテルを通して引き戻されることを回避するために、紐をカテーテルの出口側(針が出る箇所)に固定/保持する。
4)次に、針をカテーテルから引き抜き、紐の約20〜40mmがいずれかの側のカテーテルから掛かるように紐を切断する。
5)今や、カテーテルは、紐が取り付けられる用意ができている。
【0097】
図2aは、本発明の他の実施形態を示しており、この場合、先端を有するカテーテル4は、孔の中心線がカテーテルの長手方向軸線に対し平行である端部孔6を備える。カテーテルの下に、保持矢印2Bが示されている。
【0098】
図2bは、図2aの本発明の実施形態を示している。保持矢印2Bは、端部孔6を通してカテーテル内に押し込まれている。これは、カテーテル4及び保持矢印2Bが、最後の製造段階の後に、またカテーテルが使用のため伸縮式に伸ばされる前に、互いに対し配置される方法である。これにより、保持手段が提供され、この場合、保持矢印及びカテーテルセクションが互いに係合するので、テレスコープカテーテルと保持部材との間の結合が提供される。
図2aと図22bに示したようなテレスコープ装置は、このように、次の2つの段階に従って形成することが可能である。
1)誘導加熱先端形成工具(ニッケル)を使用して、カテーテル(約0.8mmの直径)の先端に別個の孔を有するように、カテーテル4(PUR製、寸法(フランス)ch12、図2参照)を先端形成した。
2)次に、保持矢印2B(機械加工によってPOM(ポリオキシメチレン)で製造)の先端を別個の孔6を通して押圧する。
最大矢印直径D(a)、1.35〜1.75mmを変更することによって、所望のように切り離し強さを調整することができる。
【0099】
図3aは、製品容器7の内部に配置された図1aによる紐2Aを有するカテーテル1を示している。カテーテル1の下に、内側プラグ8が示されている。
【0100】
図3bは、製品容器7に組み立てられた内側プラグ8を示しており、紐2Aは、内側プラグ8と製品容器7との間の第1の接触面9に固定される。同時に、内側プラグ8と製品容器との間の第2の接触面10が、シールを形成する。
【0101】
典型的に、図3aと図3bの実施形態は、次のように形成可能である。
1)例えば図1aと図1bに関し説明したような紐を有するカテーテル。
2)底端に孔を有する製品容器7(SLA製:例えばPPで射出成形できるであろう)を使用した。
3)内側プラグ8(SLA製:例えばPPで射出成形できるであろう)を使用した。
4)紐を有するカテーテルの先端を製品容器の底部孔を通して押圧した。
5)次に、内側プラグ8を製品容器の底部孔に半分押し込んだ。
6)この時点で、紐が製品容器の外に出ないように、紐2Aを切断した。
7)次に、内側プラグ8を製品容器全体に押し込んだ(図3bに示したように)。
【0102】
図4aは、カテーテル及び内側固定リング11の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。カテーテル1の下に、底端で閉じられ、内側凹部13を有する製品容器12が示されている。
【0103】
図4bは、製品容器12に押し込まれた紐2A及び内側固定リング11を有するカテーテルを示しており、この場合、固定リング11は、製品容器12の凹部13の下に固定され、紐2Aは、内側固定リングと製品容器12との間の接触面に固定されている。
【0104】
内側固定リングを使用して、保持紐を製品容器に取り付けるために、次の段階を特定の実施形態に実行してもよい。
1)カテーテル1、紐2A及び内側固定リングを使用する。
2)底端で閉じられる製品容器7を使用する。
3)紐2Aを、図4aに示したように、カテーテル及び内側固定リングの両方を通して縫う。
4)次に、内側固定リングが製品容器の凹部13を通過する程度に、カテーテル(及び紐)を有する固定リングを製品容器に押し込み、これによって、内側固定リングは、図4bに示したように製品容器に固定される。
【0105】
図5aは、カテーテル及び底端で閉じられる製品容器14の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
カテーテル1及び製品容器14の下に、外側シール及び固定キャップ15が示されている。
【0106】
図5bはカテーテルを示しており、この場合、外側シール及び固定キャップは、製品容器の底端の上方に押圧され、これによって、紐2Aは、製造容器と、外側シール及び固定キャップとの間の境界面/接触面に固定され、同時に、紐2Aが通過する製品容器の孔をシールする。
【0107】
特定の一実施形態において、保持紐は、次の段階によって外側シール及び固定キャップ又はリングを使用することにより、製品容器に取り付けられる。
1)カテーテル1、紐2A、外側シール及び固定キャップ15、及び底端で閉じられる製品容器14を使用する。
2)紐2Aを、図5aに示したように、カテーテル及び製品容器の底端の両方を通して縫う。
3)次に、外側シール及び固定キャップ15を製品の底端に押し込み、例えば摩擦又は接着によって固定する。
【0108】
代わりに、
a)外側シール及び固定キャップ15はリングである。
b)外側リング(又はシール及び固定キャップ)を使用する代わりに、接着剤(例えばロクタイト(Loctite)4304)を製品容器の孔で紐2Aに塗布し、これによって、孔をシールし、紐2Aを固定する。代わりに、少量のPPを製品容器に溶接して、紐2Aが製品容器を通過する孔を閉じ、また紐2Aを製品容器に固定する。
【0109】
図6aは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し垂直に撮影したカテーテルの写真を示している。
【0110】
図6bは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し接線方向に撮影したカテーテルの写真を示している。
【0111】
図7は、球16が存在するセクションに対し方向Fに力が加えられたときに、伸長構造のテレスコープ装置がつぶれることを回避するために、球16が設けられたテレスコープ装置の概略部分断面図を示している。テレスコープ装置がカテーテルである実施例では、
この力は、カテーテルが尿道に挿入されるとき加えられる押し込み力である。
【0112】
図8aは、別個の孔6を含む先端を有するカテーテル4を示しており、この場合、孔6の中心線はカテーテル4の長手方向軸線に対し平行である。カテーテル4の下に、保持矢印2Bが示されている。保持矢印は、破裂に必要な牽引力に関し弱化される円錐部分の直下に、セクション17を含む。
【0113】
図8bは図8aのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは、カテーテル4の別個の孔6を通してカテーテル4に押し込まれている。
【0114】
図8cは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、保持矢印2Bの円錐部分18はカテーテル4の内部に位置する。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【0115】
図8dは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、また保持矢印2Bの円錐部分18は、テレスコープカテーテルに留まる破壊した保持矢印2Bの部分がカテーテル4の主導管20と接触しないように、区画19のカテーテル4の内部に位置する。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【0116】
図8eは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、保持矢印2Bの円錐部分18はカテーテル4の内部に位置する。カテーテル4の内面には、保持矢印2Bの円錐部分18がカテーテル4の主導管20に入ることを防止する環状リブ21が設けられる。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレスコープ装置を抜き取るための保持要素が設けられたテレスコープ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膀胱から排出するためのカテーテルは、断続的ならびに留置又は永続的カテーテル法のためにますます使用されている。典型的に、カテーテルは、尿閉を患っている患者によって、あるいは自発的な排尿を許容する制御を有することができず、またカテーテル法が排尿の方法であることが可能な両下肢麻痺又は四肢麻痺のような障害を有する個人によって使用される。
【0003】
このように、カテーテル法は、多数の患者の生活の質を大きく改善する日常生活の処置になっている。
【0004】
既存のカテーテルは、連続的なカテーテル管の単一ピースから作られる。カテーテル管の外径は、典型的に、その長さの全体にわたって典型的に一定である。
【0005】
カテーテルの長さにより、尿が流れ始めるまで、尿道内にある長さを挿入することが可能である。この時点において、カテーテルのある程度の超過長が利用可能であるべきである。超過長により、ユーザはカテーテルを確実に保持して、廃棄位置に尿を案内し、また安全にかつ尿道内にカテーテルが見失われる危険なしにカテーテルを引き抜くことができる。
【0006】
カテーテルは、つぶれ又はキンクせず、これによって、尿がカテーテルを通して排出する通路を遮断することが重要である。既存のカテーテルは、典型的に、形状安定しまた比較的硬いが、なお曲げ可能な管、例えば、PVC、PU、PE、シリコン又はラテックスから作られる。管の硬度は、キンクを回避する観点から比較的高く選択されるので、カテーテルは、それらの曲がり半径又は曲率が余りに小さい場合、つぶれる可能性がある。
【0007】
したがって、既存のカテーテルは、著しい長さを有するのみならず、典型的に細長い状態で包装される。したがって、既存のカテーテルは、特に、1日当たり数回行われるカテーテル法が日常生活の処置である個人にとって、その取り扱い及び携行が厄介であるかもしれない。
【0008】
特許文献1は、テレスコープ式に配置される2つのカテーテルセクションを備えるカテーテルを開示しており、カテーテルセクションの第1のセクションは、人間の膀胱内に挿入するために意図することが可能であり、これに対し、カテーテルセクションの第2のセクションは、通常、カテーテルの使用中に人間の膀胱の外側にカテーテルの延長部を形成するために意図されている。使用時、すなわち、2つのカテーテルセクションの第1の相互の構造では、第2のカテーテルセクションは、第1のカテーテルセクションの遠位端から離れた第1のカテーテルセクションと共に伸びることが好ましい。通常、テレスコープキットが格納されて搬送される構造である第2の相互の構造では、第1のカテーテルセクションの少なくとも一部分は、第2のカテーテルセクションによって囲まれることが可能である。ユーザが、カテーテルの挿入可能な部分に触れることなく、第1のカテーテルセクションを第2のカテーテルセクションから引き抜くことを可能にするために、ロック係合して第1のカテーテルセクションに係合するように、容器を設けることができることが好ましい。これによって、第1のカテーテルセクションを第2のカテーテルセクションから引き抜くために、容器を使用することが可能である。第2のカテーテルセクションは、第1の密封封鎖及び第2の密封封鎖によって密封され、第2の密封封鎖には、カテーテルアイに係合するために構成された半径方向内側に伸びる内部突出部が設けられる。このように、第2の密封封鎖は、第1のカテーテルセクションを容易に引き出すための内側方向に伸びる突出部によって第1のカテーテルセクションに係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/002179A2号
【0010】
既存のカテーテルは、粘膜内の傷の危険性を最小にし、また挿入中に痛みの感覚を実質的に与えないように設計される。したがって、公知のカテーテルには、典型的に、尿道内への安全で快適な挿入のために最適化された滑らかで滑りやすい表面が設けられる。したがって、特に障害のあるユーザにとって、滑りやすい超過長を操作してカテーテルを取り扱うことは、しばしば難しいかもしれない。
【0011】
したがって、テレスコープ装置の第1のセクションを固定するより優れた方法の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、装置に触れるか又は損傷することなく容易に抜き取ることができるテレスコープ装置を提供することと理解することができる。
【0013】
さらに、本発明の目的は、テレスコープ装置の最大の伸長及び固定を容易かつ安全に実現するテレスコープ装置を提供することと理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施例に示したように、問題を解決する1つの方法は、例えば紐(保持要素)をカテーテル(テレスコープ装置)に、またカテーテルを収容する容器に取り付けることによって行うことが可能である。カテーテルの自由端を引っ張ることによって、カテーテルは完全な伸長状態まで伸び、2つのセクションの間のロックが完了する。次に、引張りが継続するとき、力が増加し、紐の破壊強さを上回り、このように紐が破壊する。その結果、カテーテルは容器から解放され、紐がカテーテルから引き抜かれる。紐は、カテーテルの表面に何のマークも(すなわち非常に僅かなマークも)残さず、コーティングはなお実際に無傷のままである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】図1aは、本発明の好ましい一実施形態を示している。
【図1b】図1bは、本発明の他の実施形態を示している。
【図2a】図2aは、本発明の他の実施形態を示している。
【図2b】図2bは、図2aの本発明の実施形態を示している。
【図3a】図3aは、製品容器7の内部に配置された図1aによる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図3b】図3bは、製品容器7に組み立てられた内側プラグ8を示している。
【図4a】図4aは、カテーテル及び内側固定リング11の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図4b】図4bは、製品容器12に押し込まれた紐2A及び内側固定リング11を有するカテーテルを示している。
【図5a】図5aは、カテーテル及び底端で閉じられる製品容器14の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
【図5b】図5bはカテーテルを示している。
【図6a】図6aは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し垂直に撮影したカテーテルの写真を示している。
【図6b】図6bは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し接線方向に撮影したカテーテルの写真を示している。
【図7】図7は、球16が存在するセクションに対し方向Fに力が加えられたときに、伸長構造のテレスコープ装置がつぶれることを回避するために、球16が設けられたテレスコープ装置の概略部分断面図を示している。
【図8a】図8aは、別個の孔6を含む先端を有するカテーテル4を示している。
【図8b】図8bは図8aのカテーテル4を示している。
【図8c】図8cは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【図8d】図8dは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【図8e】図8eは図8aと図8bのカテーテル4を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
このように、本発明の一形態は、少なくとも2つのセクションを備えるテレスコープ装置であって、短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばし、伸長構造でセクションを固定するために、抜き取り力が必要とされ、少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、保持手段が2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、また保持手段の切り離し強さが抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい、テレスコープ装置に関する。
【0017】
これにより、保持手段がテレスコープ装置を少なくとも1つの取付点から切り離す前に、テレスコープ装置をその伸長構造に適切に伸ばすことが可能である。
【0018】
切り離し強さは、少なくとも一方のセクションを少なくとも1つの取付点から切り離し、これによって、取付点に取り付けられたテレスコープ装置のセクションと、取付点との間の相対運動を可能にするために克服されるべき強さである。
【0019】
本発明によるテレスコープ装置の一実施形態において、保持手段は、2つのセクションの少なくとも一方に、また保持部材に設けられた少なくとも1つの取付点に取り付けられた少なくとも1つの保持要素を備え、保持要素の破壊強さは抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい。
【0020】
このことは、取付点からのテレスコープ装置の分離が保持要素の破壊強さによって決定され、この強さを比較的容易に有利に決定でき、保管期間中等のその変化が僅かに過ぎないという効果を有する。さらに、例えば要素を切り離す代わりに保持要素を破壊することによって、保持要素及び保持部材の再使用が防止される。
【0021】
保持要素は、例えば、プラスチックの射出成形又は押出しによって形成可能である一体の要素でもよいが、適切な一体の要素を製造するための他の方法が当業者によって予想されることができることを理解すべきである。さらに、保持要素の破壊強さは、保持要素が少なくとも2つの部片に破壊する強さであることも理解すべきである。言及したように、この強さの決定は容易であり、かつ小さな公差内で再現することが容易であり、大量生産にとって適切できる。
【0022】
保持要素はまた、例えば2つの構成要素の射出成形によって又は機械的に2つの構成要素を組み立てることによって、いくつかの構成要素から形成してもよいことを理解すべきである。しかし、保持要素として使用する場合、保持要素は、意図しない大きな修復を行う必要なしには、テレスコープセクション及び取付点を簡単に再び取り付けることができないように、ある点で破壊する。
【0023】
保持要素は、2つのセクションの少なくとも一方を、保持部材に設けられた少なくとも1つの取付点に取り付ける。これにより、保持要素が取り付けられるセクションと、保持部材との間の相対運動が防止される。これによって、相対運動は、保持要素を破壊した後に初めて可能である。このように、本実施形態によるテレスコープ装置は、保持手段と比較して変形に対しより安定しており、この場合、テレスコープカテーテルと保持部材との間の結合は、互いに係合する2つの別個の部分によって付与される。このような保持手段は、互いに対する変形シフトの場合、したがって切り離し強さに望ましくない影響を及ぼす可能性がある。
【0024】
本発明は、一例として、カテーテル及びストローを使用して実施例として記載される。しかし、本発明の範囲は、これらの実施例によって決して制限されない。当業者は、他の用途の本発明を認識するであろう。
【0025】
本発明に使用されるテレスコープは、互いの内部に配置された異なる断面積を有する少なくとも2つのセクションを備える。テレスコープは、セクションが互いの内部で最大に引っ込んだコンパクトな構造、又はセクションがテレスコープの最大長さに最大に抜き取られる伸長構造であることができ、コンパクトな構造と伸長構造との間に不確定の数の中間位置がある。短くかつコンパクトなテレスコープ構造では、少なくとも2つのセクションは、ほぼ互いの内部に位置し、例えば取り付け用のセクションは他のセクションの内部にあるか、あるいはその逆である。構造に関する「短い」という用語は、典型的に、「つぶれた」、「圧縮した」、「引っ込んだ」等と呼ばれる。取り付け用のセクションは、保持要素によって取付点に固定される1つのセクションとして規定される。取付点は、保持要素をこの取付点に固定できるように、固定箇所を提供する任意の可能な取付点として規定され、この場合、保持要素と接続されるテレスコープ装置は一方の端部に固定される。このように、取付点及び保持要素は、テレスコープ装置を伸長構造に引っ張りつつ、テレスコープ装置の端部における保持方法を提供する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、延長セクションは、取り付け用のセクションに対し反対側セクションとして規定される。カテーテルの実施例では、このことは、延長セクションは、尿道に挿入すべきカテーテルの近位端に対しカテーテルの遠位端であることを意味する。この遠位端には、典型的に、尿道に挿入されない超過長さが付与されるので、取り付け用セクションに適用されるのと同一の慎重な取扱いの必要性は、延長セクションには適用されない。
【0027】
このように、別の一実施形態において、テレスコープ装置は、近位セクションと遠位セクションとを有するカテーテルであり、保持要素は近位セクションに取り付けられ、また保持部材は、カテーテルを収容するための容器である。
【0028】
本発明の一実施形態において、テレスコープ装置は中空である。このように、テレスコープ装置は、例えばガス又は液体の輸送媒体として使用することができる。
【0029】
一実施形態において、本発明は、セクションが通過流を提供する中空であるテレスコープ装置に関する。このように、流体又はガス用の通路がテレスコープ装置を通して提供される。
【0030】
一形態において、本発明は、近位セクションに入口を有し、遠位セクションに出口を有するテレスコープ装置に関する。
【0031】
好ましい実施形態において、本発明は、医療装置であるテレスコープ装置に関する。医療装置は、例えば内視鏡又は胃鏡であることができるであろう。
【0032】
好ましい一実施形態において、テレスコープ装置はカテーテルである。この説明の詳細としての実施例は、テレスコープカテーテルで例示される。しかし、当業者は、同一の原理が他の装置にも適用されることを認識するであろう。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態は、尿カテーテルであるテレスコープ装置に関する。
【0034】
本明細書に使用されているように、カテーテルは、開口部に挿入するための近位端を有し、また流体を導管内に排出するための開口部を備え、導管は、反対側の遠位端に向かって伸び、カテーテルは、近位セクションと遠位セクションとを備える。このように、カテーテルの近位端は、尿道又は他の人間の孔内に挿入するために意図される端部である。
【0035】
一実施形態において、テレスコープ装置は、すぐ使用できるテレスコープカテーテルである。このことは、カテーテル上のコーティングを湿った状態に維持する湿潤流体と共にカテーテルを容器に格納することによって典型的に達成され、これによって、カテーテルは滑らかであり、容器を開いた直後に例えば尿路に挿入することが容易である。
【0036】
抜き取り力という用語は、本出願では、テレスコープ装置を完全に伸ばすために必要な力を説明するために使用され、この力は、テレスコープ装置が最大に抜き取られて、伸長構造に達するように、2つの隣接するセクションを相互ロックするために必要な力を含む。2つの隣接するセクションを相互ロックするために、テレスコープ装置に固定手段が設けられる。好ましい実施形態において、テレスコープ装置に機械的固定手段が設けられる。好ましい実施形態において、機械的固定手段は、図7に示したように、カテーテルの近位セクションの球又は円形突出部である。このような球は、カテーテルの遠位セクションと近位セクションとの間の機械的ロックとして作用し、一方向の移動を可能にするが他方向の移動を可能にしない。粘膜を傷つけないために、カテーテルのセクションの間に滑らかな移行部を設けることが重要である。挿入中に、球は、移行部の箇所との接触を回避するために粘膜を「持ち上げる」。好ましい実施形態において、カテーテルにはまた、伸長構造のカテーテルが両方向で固定されるように、球に対し反対方向にカテーテルを固定するための第2の固定手段が設けられる。
【0037】
分離力という用語は、本出願では、テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために、すなわち、互いにもはや接触しない箇所まで少なくとも2つのセクションを完全に分離するために必要な力を説明するために使用される。明快さのため、抜き取り力及び分離力は同一の方向に向かうことが指摘される。
【0038】
好ましい実施形態において、保持要素の破壊強さは抜き取り力よりも大きいが、分離力よりも小さい。他の好ましい実施形態において、破壊強さはまた、保持要素がテレスコープ装置を切り抜くか又はさもなければ損傷する危険が生じる前に保持要素が破壊するように、テレスコープ装置を損傷するために必要な力よりも小さい。
【0039】
テレスコープ装置の自由端を引っ張ることによって、装置は完全な伸長状態まで伸び、少なくとも2つのセクションの間のロックが完了する。次に、引張りが継続するとき、力が増大し、保持要素の破壊強さが克服され、このように保持要素が破壊する。その結果、テレスコープ装置が保持部材、例えば容器から解放され、破壊した保持要素がカテーテルから引き抜かれる。
【0040】
好ましい実施形態において、保持要素の破壊強さ以上の力にさらされるとき、保持要素は、少なくとも2つの別個の部分に破壊する。
【0041】
表面がコーティングされた挿入されたカテーテルは、約0.2Nの力で、位置、例えば人間の膀胱から引き抜かれる。コーティングされていないカテーテルでは、この引き抜き力は2Nの範囲にある。カテーテルの2つのセクションの間の移行部は、移行部が引き抜き力に耐えるように構成されることが非常に好ましい。さもなければ、カテーテルは2つの部片に分離することがあり、近位セクションは尿道内に留まる。カテーテルを少なくとも2つの部片に分離するために必要な力は、分離力として規定される。
【0042】
典型的に、カテーテルを挿入するために必要な力、押し込み力は、コーティングされたカテーテルでは約1Nである。このように、カテーテルの2つのセクションの間の移行部は、移行部が押し込み力に耐えるように構成されることが非常に好ましい。さもなければ、カテーテルは、挿入中に非伸長構造につぶれることがあるであろう。一般に親指では、押し込み力に耐える能力は、大きな押し込み力にさらされたときに、カテーテルが非伸長構造につぶれる傾向を有する前に、カテーテルが曲がる傾向を有するようなものでなければならない。カテーテルを挿入するために、1ONよりも大きな力は不必要である。
【0043】
カテーテルは、尿道からの挿入及び引き出しを容易にするために、外側に親水性のコーティングを有することが多い。提案した保持要素を使用することによって、1つの滑りやすいセクションを確実に保持する方法が提供される。しかし、滑りやすいカテーテルを確実に保持できるのみならず、保持それ自体はコーティングもカテーテルも傷つけない。損傷した(典型的に除去された)コーティングを有する領域が余りに大きすぎる場合、カテーテルを着脱することがより難しくなる。コーティングに損傷した領域を有するカテーテルは、膀胱(粘膜)の内部を傷つけ、不快感及び出血を引き起こすかもしれない。
【0044】
人間の膀胱に挿入されるとき、感染しやすいカテーテルは無菌であることが好ましい。したがって、使用する前に伸長構造に抜き取ったとき、無菌カテーテルに触れないことが重要である。本発明は、尿道に接触することになるカテーテルの一部に触れることなく、ユーザがカテーテルを完全に抜き取ることを可能にする抜き取り手段を提供する。
【0045】
本発明において、抜き取り時に、カテーテルの1つのセクションを確実に保持するために使用される保持要素は、抜き取り中にカテーテルに対する損傷を生じない。このことは、カテーテル表面が無傷であることを意味し、このように、膀胱及び粘膜を傷つける危険を最小にする。
【0046】
本発明の他の実施形態では、テレスコープ装置はストローである。伸縮式ストローは、旅行等に持って行くための例えばジュースカートンに使用できる。触れることなく伸縮式ストローを抜き取ることができることがより衛生的であり、本発明はこの利点を提供する。さらに、本発明は、ストローが完全に伸ばされて、固定されるときを確実に知る利点を提供するが、この理由は、ストローが伸長構造に達して固定されるまで、保持要素が破壊しないからである。このことは、ストローが移行点で完全に固定されず、したがって十分にシールされない場合、飲み物をこぼすことに関する問題を排除する。さらに、保持要素の破壊強さは分離力より小さいので、保持要素は破壊し、これによって、完全な伸長構造に達したことをユーザに示し、このようにストローを抜き取るときに余りに激しく引っ張る危険を排除する。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態は、取り付け用のセクションがカテーテルの遠位端であるテレスコープ装置に関する。
【0048】
本発明の他の実施形態は、取り付け用のセクションがカテーテルの近位端であるテレスコープ装置に関する。
【0049】
本発明の一形態は、取付点が容器に配置されるテレスコープ装置に関する。容器は、例えばPPで射出成形できることが好ましい。容器は、製造後及び使用前にテレスコープ装置を保護することが好ましい。好ましい実施形態において、容器は、抜き取り中に容器がテレスコープ装置の少なくとも一部分を覆うように、抜き取り中にテレスコープ装置も保護する。容器の保持要素の取り付けは、例えば、図4aと図4bに示したように、保持要素が容器の内面と内側固定リングとの間に固定されるように、内側固定リングの使用によって行うことができる。本実施形態の1つの利点は、完全にシールされた容器にテレスコープ装置を配置できることであり、このことは、例えばテレスコープ装置が液体を有する容器に格納されるならば好ましい。このことはまた、例えばテレスコープ装置が無菌である場合に利点であるが、この理由は、完全にシールされた容器が汚染障壁を提供するからからである。内側固定リングは、例えば、PPで押出/又は射出成形することができる。
【0050】
本発明の他の形態は、取付点が容器に配置されるテレスコープ装置に関する。好ましい実施形態において、容器は、図3aと図3bに図示したように、対応する内側プラグを有する開放端容器である。プラグの外面は、好ましい実施形態において、容器の内面に対する把持及びシールを高めるために、例えばリブが設けられる。保持要素は、好ましい実施形態において、図3aと図3bに図示したように、容器の内面と内側プラグの外面との間に固定される。
【0051】
他の方法は、保持要素がカテーテル及び容器の全体を通過するようにさせ、次に、例えば図5aと図5bに示したように、保持要素が容器の外面と固定キャップ又はリングの内面との間に固定されるように、固定キャップ又はリングによって保持要素を固定することである。例えば、固定キャップは、例えばPPで射出成形することができ、また例えば、固定リングは、例えばPPで押出成形又は射出成形することができる。例えば、容器は、針の貫通を容易にするために底端部の壁厚を薄くして、例えばPPで射出成形することができる。好ましい実施形態において、接着剤が保持要素の容器の孔に適用され、これによって、孔はシールされ、かつ保持要素が固定される。別の代替例として、保持要素が容器を通過する孔をシールするために、また保持要素を容器に固定するために、少量のポリプロピレン(PP)を容器に溶接してもよい。
【0052】
本発明の一形態は、取付点がソフトドリンク用の容器に配置されるテレスコープ装置に関する。例えば、テレスコープ装置がソフトドリンク用の容器上のストローである場合、テレスコープ装置が完全に伸ばされるまで、テレスコープ装置の1つのセクションの一方の端部を保持するように、テレスコープ装置の1つのセクションの一方の端部を容器に固定してもよい。このように、触れることなく伸縮式ストローを抜き取ることができることがより衛生的であり、本発明はこの利点を提供する。
【0053】
本発明の一形態は、保持要素が紐であるテレスコープ装置に関する。これは、好ましい実施形態であるが、これは、保持要素からテレスコープ装置を解放するために必要な力の計算が、紐の破壊強さに依拠するに過ぎないので非常に簡単であるからである。紐の破壊強さは、明確に規定された特性であり、当業者に公知である。さらに、異なる特性及び破壊強さを有する非常に多様な紐は、容易にまた商業的に入手できる。これは、この特徴が追加の工具又は特殊又は余分の製造段階を必要としないので、別の利点を提供する。特定の種類の紐は、「縫合(ポリプロピレン)紐、異なる種類の(ナイロン)釣り糸、ポリエステル及びポリウレタンワイヤ」のような、例えば公知の及び入手可能なモノフィラメントワイヤのような本発明に適切な様々な紐から選択することができる。テレスコープ装置が完全に伸ばされ、加えられた引っ張り力が紐の破壊強さを超えたとき、紐は破壊し、紐の破壊した自由端部はテレスコープ装置から滑って出る。コーティングされたカテーテルの実施例では、紐は、カテーテルの表面に僅かなマークを残し、コーティングは、図6aと図6bに示したようになお無傷のままである。
【0054】
本発明の一実施形態において、紐は、テレスコープ装置がその伸長構造に向かって移動されるとき、テレスコープ装置の延長方向に対し45°未満の角度を形成する。延長方向は、装置がその短いテレスコープ構造からその伸長構造に伸びる方向であり、典型的に、この方向はテレスコープ装置の中心軸線に対し平行であることを理解すべきである。さらに好ましい実施形態では、紐は、延長方向に対し略平行である。
【0055】
これにより、伸長した紐と抜き取り方向との間の角度が低減されるとき、紐の角力成分が低減されるので、紐の破壊強さのより容易な決定が可能になる。さらに、このことはまた、紐の破壊強さが主に紐それ自体の特性によって決定され、紐がテレスコープセクション又は取付点に取り付けられる角度のような外側要因によっては決定されないので、大量生産に適切な保持要素を提供する。これにより、結果として、本発明によるテレスコープ装置の再現がより容易になる。
【0056】
伸長した紐と抜き取り方向との間の角度を低減するために、一実施形態では、紐は緩くてもよく、すなわち、紐は取付点の間できつく伸ばされず、このように、力が紐に加えられないときにある緩みを提供する。例えば、このことは、紐を使用することによって実現可能であり、この場合、取付点の間の紐の長さは、取付点の間の最短の長さの少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍である。十分な長さを提供し、これによって、緩みにより紐を緩ませることにより、テレスコープ装置がその伸長構造に向かって引っ張られるとき、紐を抜き取り方向に対しほぼ平行に整列して伸ばすことができ、結果として、張力が紐に加えられる。
【0057】
なお、他の実施形態において、紐の2つの端部は、伸縮セクションをループで取り付ける同一の取付点で互いに隣接して取り付けてもよい。これにより、同様に、伸長した紐と抜き取り方向との間に小さな角度が付与される。
【0058】
一実施形態において、緩いストリングの端部は、同一の取付点に取り付けられる。
【0059】
他の実施形態において、本発明は、実施例4によって例示されかつ図8a〜図8eに図示されているように、保持要素が保持矢印であるテレスコープ装置に関する。保持矢印は、破裂に必要な牽引力に関し弱化された矢印の円錐部分18の直下に、セクション17を含むことができる。このように、テレスコープ装置に加えられた引っ張り力が、セクション17の保持矢印の破壊強さを超えると、保持矢印は、矢印の円錐部分18の下の弱化領域を破壊する。破壊された保持矢印は、保持矢印2Bの円錐部分18と、保持矢印2Bの下方部分22とを備える。好ましい実施形態において、テレスコープ装置は、装置が完全に伸ばされた後にテレスコープ装置に留まる破壊された矢印の部分が装置の主導管20と接触しないように、テレスコープ装置の先端部分の区画19を備える(図8d参照)。セクション17の破壊強さを変更することによって、所望のように、保持力を調整することができる。一実施形態において、保持矢印(テレスコープ装置の内部を通過する)の破壊後に、内側の環状リブ21を設けるためにテレスコープ装置の先端に比較的近接して(図8e参照)、装置の内径が保持矢印2Bの円錐部分18の外径未満に、例えば1.0mmに低減されるようにテレスコープ装置を先端形成することによって、円錐部分18の自由移動が妨げられる。円錐部分18の自由移動を妨げるためのこのような手段の他の実施形態は、テレスコープ装置の内面の1つ以上の隆起部又は突出部であるできるであろう。
【0060】
代わりに、保持矢印全体は、一体でテレスコープ装置から取り出すことができる。このように、テレスコープ装置及び/又は保持矢印は、引っ張り力が保持力を超えるときに加えられる引っ張り力によって破壊する。この場合、保持力を調整するために、適切な最大の矢印直径D(a)が選択される。
【0061】
本発明の好ましい実施形態において、紐は、テレスコープ装置全体を通り、両方のその端部は少なくとも1つの取付点に固定される。このように、この取付点は、テレスコープ装置を通して走る紐の中央にある。これにより、紐が破壊するとき、材料、例えば紐の部片はテレスコープ装置に残されない利点が提供される。破壊した紐は、その破壊後にテレスコープ装置から簡単に滑って出る。
【0062】
一形態において、本発明は、保持装置が接着剤であるテレスコープ装置に関する。
【0063】
本発明の一実施形態は、保持要素が、カテーテルのアイを通して取り付けるためのセクションに取り付けられるテレスコープ装置に関する。この特定の実施形態は、カテーテル壁部のさらなる貫通が必要とされないように、カテーテルの既存のアイを利用する追加の利点を提供する。このように、追加の貫通によるカテーテルの損傷の危険性が最小にされる。カテーテルアイを通して保持要素を案内する代わりの一方法は、カテーテルの先端と最も近いカテーテルアイとの間のほぼ中央に配置された予め製作した孔(例えば0.5〜0.8mmの直径)を通して保持要素を案内することである。
【0064】
カテーテルのいわゆるアイは、カテーテルの側面に、典型的に、例えば尿路に挿入されるカテーテルの部分に形成される開口部/孔であり、また典型的に1つ又は複数のアイは、カテーテルの近位端、すなわち本体に最も遠くに挿入される端部に近接して配置される。
【0065】
本発明の他の形態は、保持要素が、カテーテルを通して縫うためのセクションに取り付けられるテレスコープ装置に関する。針による縫合を使用することによって、貫通領域は、実施例1及び図6aと図6bに示したように、カテーテル及びカテーテルの可能なコーティングが損傷されないように最小にされる。カテーテルに保持要素を縫うことは、カテーテルを特定の方法で配向する必要はないので、さらに有利である。カテーテルの配向のための追加の製造段階は、時間を浪費させ、したがって、カテーテル製造において製造速度はコスト面で重要であるので、上記の縫う方法により相当の利点が提供される。
【0066】
好ましい実施形態において、本発明は、男性用のカテーテルであるテレスコープ装置に関する。男性用のカテーテルは、男性及び女性の尿道の長さの差のため、女性用のカテーテルよりも典型的に長い。コンパクトなカテーテルの必要性と組み合わせた男性の尿道の長さは、男性用のカテーテルに関し本発明を非常に有利にする。男性の尿道の長さは、テレスコープカテーテルの所望の短い構造よりも典型的に長く、すなわち、テレスコープカテーテルの1つ以上のセクションを尿道に挿入しなければならない。このことは、1つのセクションと他のセクションとの間の移行部が、挿入中に尿道を刺激しないように、可能な限り滑らかでなければならないことを意味する。このように、本発明は、男性用カテーテルとして非常に適切であるコンパクトなカテーテルを提供する。
【0067】
前に説明したように、抜き取り力、破壊強さ及び分離力の間の関係が、テレスコープ装置を適切かつ安全に取り扱うために重要であることを理解すべきである。
【0068】
抜き取り力は、セクションを使用態勢の伸長構造に置くために、テレスコープセクションを互いに対し移動するために必要な力であり、破壊強さは、保持要素が破壊するために超えなければならない強さであり、また分離力は、役に立たないテレスコープ装置を一般に離れるセクションのために、テレスコープセクションを互いに対し移動するために必要な力である。
【0069】
このように、一実施形態において、抜き取り力は、0.1N〜5Nであることが有利であり、破壊力は1N〜15Nであり、また分離力は50N超である。特定の実施形態内の範囲は、テレスコープ装置の確実な機能を提供するために各々重なり合ってはならないことを理解すべきである。
【0070】
好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜10Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0071】
他の好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜5Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0072】
なお、他の好ましい実施形態において、本発明は、破壊強さが1〜3Nの範囲にあるテレスコープ装置に関する。
【0073】
一形態において、本発明は、テレスコープ装置を製造するための方法であって、
(a)テレスコープ装置を用意する段階と、
(b)段階(a)のテレスコープ装置に保持要素を取り付ける段階であって、保持要素が、テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力よりも小さな破壊強さと、伸長位置でセクションを固定することを含む短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばすために必要とされる抜き取り力よりも大きな破壊強さとを有する、段階と、
(c)保持要素を取付点に取り付ける段階と、
を含む方法に関する。
【0074】
他の形態において、本発明は、テレスコープ装置を製造するための方法であって、
(a)テレスコープ装置を用意する段階と、
(b)伸長位置でセクションを固定することを含む短いテレスコープ構造から伸長構造に装置を伸ばすために必要とされる抜き取り力を測定する段階と、
(c)テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力を測定する段階と、
(d)保持要素に、分離力より小さくまた抜き取り力よりも大きな破壊強さを付与する段階と、
(e)保持要素の第1の部分をテレスコープ装置に取り付ける段階と、
(f)保持要素の第2の部分を取付点に取り付ける段階と、
を含む方法に関する。
【0075】
テレスコープカテーテルを用意する方法の例として、次の方法を追求することができる。
【0076】
取り付け用のセクション(近位端/セクション)の製造:
1)押出成形のPUR管を用意し、取り付け用のセクションの長さに切断する。
2)例えばニッケルフォームの誘導加熱によって、近位端を先端形成して、丸い(例えば閉じた)端部を形成する。
3)例えばニッケルフォームで誘導加熱することによって、遠位端に機械的固定手段を形成し、円錐形の外側形状を形成するために取り付け用のセクションの直径が緩やかに増加する。
4)先端(近位端)に近いカテーテル壁部に孔をパンチして、カテーテルアイを形成する。
5)取り付け用のセクションを親水性コーティングで選択的にコーティングする。
【0077】
延長セクション(遠位端/セクション)の製造:
1)押出成形のPUR管を用意し、延長セクション用の長さに切断する。
2)例えばニッケルフォームで、遠位端に機械的固定手段を形成する。
3)例えばニッケルフォームで誘導加熱することによって、遠位端に機械的固定手段を形成し、円錐形の外側形状を形成するために「第2のセクション」の直径が緩やかに減少する。
4)延長セクションを親水性コーティングで選択的にコーティングする。
【0078】
近位端を最初に、取り付け用のセクションを延長セクションの遠位端に挿入する。
【0079】
代わりに、取り付け用セクション及び延長セクションの両方は、成形技術によって製造してもよい。
【0080】
カテーテルは、例えば、次の材料、すなわち、シリコン又は熱可塑性のエラストマ材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマ材料、ポリアミド樹脂又はエラストマあるいはそれらの任意の混合物から製造することができ、すなわち、群は、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PU(ポリウレタン)、PE(ポリエチレン)、ラテックス、ペバックス(登録商標)及び/又はクラトン(登録商標)のようなスチレン系ブロックコポリマ、のような材料を含むことが可能である。
【0081】
抜き取り力ならびに分離力の測定は、例えば、ばね秤又は引張強度装置を使用することによって行うことができる。
【0082】
保持要素は、例えば、紐、接着剤、保持矢印又は当業者によって認識される他の任意の適切な保持要素であることができる。
【0083】
好ましい一実施形態において、本発明は、テレスコープ装置がカテーテルである方法に関する。
【0084】
他の好ましい実施形態において、本発明は、テレスコープ装置が男性用のカテーテルである方法に関する。
【0085】
なお、他の形態において、本発明は、テレスコープ装置のセクションを取付点に取り付けるための保持手段の使用であって、テレスコープ装置が伸長構造に移動された後に、保持要素が破壊する使用に関する。使用する保持手段が、とりわけ、本明細書に記載した保持手段及び保持要素でもよいことを理解すべきである。
【0086】
実施例
実施例1:保持紐の取り付け及び配置後のカテーテルの分析
カテーテルへの保持紐の取り付け:
1)図1aに示したように、
a)標準Ch12(フランスの寸法)Coloplast(コロプラスト)(PUR)非親水性のコーティングカテーテル
b)縫合用プロレーヌ(Prolene)6/0の紐を用いて行った。
製品容器への保持紐の取り付け:
2)図3aと図3bに示したように、
取付け紐が裂けるまでカテーテルを引っ張った。
3)「ソルタースーパサムソン(Salter Super Samson)」のばね秤をカテーテルのコネクタ端部に取り付け、製品容器の内部のカテーテルは、紐2Aによって製品容器に取り付けた。
4)ばね秤を、紐が裂け、カテーテルが製品容器から解放されるまで、他方の手で製品容器を保持しつつ一方の手でゆっくりと引っ張った。破裂力、すなわち破壊強さをばね秤で読み取った。
顕微鏡によるカテーテルの表面の検査:
5)項目4の仕上後1分以内に、カテーテル表面(紐がカテーテルを貫通していた)を、ニコンSMZ800ステレオ顕微鏡(ニコンDN100カメラ及びルシア(Lucia)ネットv.1.16.5ソフトウェア)及び約25の倍率を使用して検査した。次のように検査を行った:
a)カテーテル表面に対し垂直に、図6a参照、
b)カテーテル表面に対し接線方向に、図6b参照。
【0087】
検査によって、1つ又は複数の形成された孔が非常に小さく、基本的に、カテーテル壁部を通して開口部がなかったことが示された。
指及び舌によるカテーテルの表面の検査:
項目5に続き、紐がカテーテルを貫通していた場所にわたって、
a)指を滑らせ、次に
b)舌を滑らせることによってカテーテル表面を検査した。
これによって、この場所が、実際に、カテーテル表面の残部から識別/区別できないことが実証される。
【0088】
実施例2:紐の破壊強さの試験
紐が縫われたカテーテルを使用し(図1a)、また図3aと図3bに示したように紐2Aを製品容器に固定し、紐が破壊する−最大引っ張り力−例えば破壊強さを−「ソルタースーパサムソン(Salter Super Samson)」のばね秤(0〜5kg)で測定した。
【表1】
【0089】
実施例3:滅菌及び格納による破壊強さの変化の試験
一実施形態において、テレスコープ装置は、製造及び使用の間に容器に格納されるカテーテルである。例えば、尿カテーテルのような医療用途では、使用前にカテーテルを殺菌する必要があり、また殺菌が紐の形状の保持要素にどのような影響か及ぼすかを確認するために、カテーテルが試験された。
【0090】
試験は、異なる種類の3つの紐によりロイズ張力試験機械で実施された。
【表2】
【0091】
3つの種類の紐の各々の破壊強さを、次の3つの状態の各々の紐について20回測定した。
1.製造業者から提供された紐。
2.PVP(ポリビニルピロリドン)水内で、2x40kGyで電子線消毒された紐。
3.2x40kGyで電子線消毒し、PVP水内でまた40℃で7x24時間ねかせた紐。
【0092】
試験は、次の結果を示した。
【表3】
特に状態1と3では、破壊強さの差がほとんどないことを認識できる。さらに状態1と3は、製品がユーザに利用可能になるには典型的に少なくとも数日を要するので、考慮すべき最も重要な状態である。
【0093】
このように、上述の種類の紐を使用するとき、破壊強さの試料間の変化は非常に小さく、また紐の消毒後、破壊強さの変化は非常に小さく、大量生産に有利であることを示すであろう。特に、このことは、複数のバッチの紐の間の標準偏差が非常に小さく、このように、保持要素として紐を使用することにより、信頼性が高くかつ製品間でほぼ同じである破壊強さが提供されることを示している。
【0094】
実施例4:保持矢印
1)誘導加熱先端形成工具(ニッケル)を使用して、カテーテル(約0.8mmの直径)の先端に別個の孔6を有するように、カテーテル4(PUR製、寸法(フランス)ch12、図2参照)を先端形成する。
2)カテーテルを選択的に親水性コーティングする。
3)次に、保持矢印2B(例えば1.6mmの直径D(a)のPPに例えば射出成形)の先端を別個の孔6を通して押圧する。
4)カテーテル4を引っ張ると、保持矢印2Bが破壊し、円錐部分はカテーテル(管)の内部に留まる、図8c、図8dと図8e参照。
【0095】
図面の説明
図1aは、本発明の好ましい一実施形態を示しており、紐の形状の保持要素2は、カテーテル1の壁部全体を通り抜け、これによって、紐をカテーテルの近位セクションに取り付ける。
これは、典型的に、カテーテルの壁部を容易に穿孔して紐を案内するために、縫合針(図示せず)を使用して行われる。このような「縫合」手順を実行する1つのこのような実施例は、次の5つの段階で説明される。
1)丸い先端及び2つのカテーテルアイ3を有する標準の親水性コーティングカテーテル1(PUR(ポリウレタン製)、寸法(フランス)ch12を使用した。
2)「メージャー6600(Major 6600)」縫製機械及びプリム(Prym)No.70/10(ジーンズ標準)針を使用して、紐:エティコール(Ethicor)/プロレーヌ(Prolene)6/0又は5/0(モノフィラメントポリプロピレン手術用縫合糸)又はマキシマパーフェキシオン(Maxima Perfexion)(0.11mmの釣り糸)を、カテーテルの先端と最も近いカテーテルアイとの間のほぼ中央のカテーテルを通して縫った。代わりに、ポリエステルモノフィラメントワイヤ、直径0.12〜0.15mm、種類:RhodiaからのM183を使用することができる。
3)紐を有する針がカテーテルを通過すると、また針をカテーテルから引き戻すために針移動を反転する前に、紐が針と共にカテーテルを通して引き戻されることを回避するために、紐をカテーテルの出口側(針が出る箇所)に固定/保持した。
4)次に、針をカテーテルから引き抜き、紐の約20〜40mmがいずれかの側のカテーテルから掛かるように紐を切断した。
5)次に、カテーテルは、紐を1つ又は複数の取付点に取り付ける用意ができた。
【0096】
図1bは、本発明の他の実施形態を示しており、保持要素2はカテーテルアイ3を通して案内され、これによって、紐をカテーテルの近位セクションに取り付ける。
これは、例えば、次の5つの段階によって達成できる。
1)丸い先端及び2つのカテーテルアイ3を有する標準の親水性コーティングカテーテル1(PUR製)、寸法(フランス)ch12を使用する。
2)縫製機械及び鋭い端部のない針を使用して、一方のカテーテルアイに入り、他方のカテーテルアイを通過して出ることによって、カテーテルを通して紐を案内する。
3)紐を有する針がカテーテルを通過すると、また針をカテーテルから引き戻すために針移動を反転する前に、紐が針と共にカテーテルを通して引き戻されることを回避するために、紐をカテーテルの出口側(針が出る箇所)に固定/保持する。
4)次に、針をカテーテルから引き抜き、紐の約20〜40mmがいずれかの側のカテーテルから掛かるように紐を切断する。
5)今や、カテーテルは、紐が取り付けられる用意ができている。
【0097】
図2aは、本発明の他の実施形態を示しており、この場合、先端を有するカテーテル4は、孔の中心線がカテーテルの長手方向軸線に対し平行である端部孔6を備える。カテーテルの下に、保持矢印2Bが示されている。
【0098】
図2bは、図2aの本発明の実施形態を示している。保持矢印2Bは、端部孔6を通してカテーテル内に押し込まれている。これは、カテーテル4及び保持矢印2Bが、最後の製造段階の後に、またカテーテルが使用のため伸縮式に伸ばされる前に、互いに対し配置される方法である。これにより、保持手段が提供され、この場合、保持矢印及びカテーテルセクションが互いに係合するので、テレスコープカテーテルと保持部材との間の結合が提供される。
図2aと図22bに示したようなテレスコープ装置は、このように、次の2つの段階に従って形成することが可能である。
1)誘導加熱先端形成工具(ニッケル)を使用して、カテーテル(約0.8mmの直径)の先端に別個の孔を有するように、カテーテル4(PUR製、寸法(フランス)ch12、図2参照)を先端形成した。
2)次に、保持矢印2B(機械加工によってPOM(ポリオキシメチレン)で製造)の先端を別個の孔6を通して押圧する。
最大矢印直径D(a)、1.35〜1.75mmを変更することによって、所望のように切り離し強さを調整することができる。
【0099】
図3aは、製品容器7の内部に配置された図1aによる紐2Aを有するカテーテル1を示している。カテーテル1の下に、内側プラグ8が示されている。
【0100】
図3bは、製品容器7に組み立てられた内側プラグ8を示しており、紐2Aは、内側プラグ8と製品容器7との間の第1の接触面9に固定される。同時に、内側プラグ8と製品容器との間の第2の接触面10が、シールを形成する。
【0101】
典型的に、図3aと図3bの実施形態は、次のように形成可能である。
1)例えば図1aと図1bに関し説明したような紐を有するカテーテル。
2)底端に孔を有する製品容器7(SLA製:例えばPPで射出成形できるであろう)を使用した。
3)内側プラグ8(SLA製:例えばPPで射出成形できるであろう)を使用した。
4)紐を有するカテーテルの先端を製品容器の底部孔を通して押圧した。
5)次に、内側プラグ8を製品容器の底部孔に半分押し込んだ。
6)この時点で、紐が製品容器の外に出ないように、紐2Aを切断した。
7)次に、内側プラグ8を製品容器全体に押し込んだ(図3bに示したように)。
【0102】
図4aは、カテーテル及び内側固定リング11の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。カテーテル1の下に、底端で閉じられ、内側凹部13を有する製品容器12が示されている。
【0103】
図4bは、製品容器12に押し込まれた紐2A及び内側固定リング11を有するカテーテルを示しており、この場合、固定リング11は、製品容器12の凹部13の下に固定され、紐2Aは、内側固定リングと製品容器12との間の接触面に固定されている。
【0104】
内側固定リングを使用して、保持紐を製品容器に取り付けるために、次の段階を特定の実施形態に実行してもよい。
1)カテーテル1、紐2A及び内側固定リングを使用する。
2)底端で閉じられる製品容器7を使用する。
3)紐2Aを、図4aに示したように、カテーテル及び内側固定リングの両方を通して縫う。
4)次に、内側固定リングが製品容器の凹部13を通過する程度に、カテーテル(及び紐)を有する固定リングを製品容器に押し込み、これによって、内側固定リングは、図4bに示したように製品容器に固定される。
【0105】
図5aは、カテーテル及び底端で閉じられる製品容器14の両方を通して縫われる紐2Aを有するカテーテル1を示している。
カテーテル1及び製品容器14の下に、外側シール及び固定キャップ15が示されている。
【0106】
図5bはカテーテルを示しており、この場合、外側シール及び固定キャップは、製品容器の底端の上方に押圧され、これによって、紐2Aは、製造容器と、外側シール及び固定キャップとの間の境界面/接触面に固定され、同時に、紐2Aが通過する製品容器の孔をシールする。
【0107】
特定の一実施形態において、保持紐は、次の段階によって外側シール及び固定キャップ又はリングを使用することにより、製品容器に取り付けられる。
1)カテーテル1、紐2A、外側シール及び固定キャップ15、及び底端で閉じられる製品容器14を使用する。
2)紐2Aを、図5aに示したように、カテーテル及び製品容器の底端の両方を通して縫う。
3)次に、外側シール及び固定キャップ15を製品の底端に押し込み、例えば摩擦又は接着によって固定する。
【0108】
代わりに、
a)外側シール及び固定キャップ15はリングである。
b)外側リング(又はシール及び固定キャップ)を使用する代わりに、接着剤(例えばロクタイト(Loctite)4304)を製品容器の孔で紐2Aに塗布し、これによって、孔をシールし、紐2Aを固定する。代わりに、少量のPPを製品容器に溶接して、紐2Aが製品容器を通過する孔を閉じ、また紐2Aを製品容器に固定する。
【0109】
図6aは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し垂直に撮影したカテーテルの写真を示している。
【0110】
図6bは、紐2Aがカテーテルを貫通した位置のカテーテル表面に対し接線方向に撮影したカテーテルの写真を示している。
【0111】
図7は、球16が存在するセクションに対し方向Fに力が加えられたときに、伸長構造のテレスコープ装置がつぶれることを回避するために、球16が設けられたテレスコープ装置の概略部分断面図を示している。テレスコープ装置がカテーテルである実施例では、
この力は、カテーテルが尿道に挿入されるとき加えられる押し込み力である。
【0112】
図8aは、別個の孔6を含む先端を有するカテーテル4を示しており、この場合、孔6の中心線はカテーテル4の長手方向軸線に対し平行である。カテーテル4の下に、保持矢印2Bが示されている。保持矢印は、破裂に必要な牽引力に関し弱化される円錐部分の直下に、セクション17を含む。
【0113】
図8bは図8aのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは、カテーテル4の別個の孔6を通してカテーテル4に押し込まれている。
【0114】
図8cは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、保持矢印2Bの円錐部分18はカテーテル4の内部に位置する。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【0115】
図8dは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、また保持矢印2Bの円錐部分18は、テレスコープカテーテルに留まる破壊した保持矢印2Bの部分がカテーテル4の主導管20と接触しないように、区画19のカテーテル4の内部に位置する。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【0116】
図8eは図8aと図8bのカテーテル4を示しており、この場合、保持矢印2Bは破壊されており、保持矢印2Bの円錐部分18はカテーテル4の内部に位置する。カテーテル4の内面には、保持矢印2Bの円錐部分18がカテーテル4の主導管20に入ることを防止する環状リブ21が設けられる。保持矢印2Bの下方部分22は、カテーテル4の下に示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのセクションを備える医療用テレスコープ装置において、
短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばし、前記セクションを伸長構造で固定するために抜き取り力が必要とされ、
前記少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、
保持手段が前記少なくとも2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、
前記保持手段の切り離し強さが前記抜き取り力よりも大きいが、前記分離力よりも小さく、
前記保持手段が、前記少なくとも2つのセクションの少なくとも一方に、前記保持部材に設けられた前記少なくとも1つの取付点に取り付けられた少なくとも1つの保持要素を備え、
前記保持要素の破壊強さが、前記抜き取り力よりも大きくかつ前記分離力よりも小さい医療用テレスコープ装置。
【請求項2】
前記医療用テレスコープ装置が中空である、請求項1に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項3】
前記医療用テレスコープ装置が、近位セクションに入口を有し、遠位セクションに出口を有する、請求項1又は2に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項4】
前記医療用テレスコープ装置が、近位セクションと遠位セクションとを有するカテーテルであり、前記保持要素が前記近位セクションに取り付けられ、前記保持部材が、前記カテーテルを収容するための容器である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項5】
前記医療用テレスコープ装置が尿カテーテル又はストローである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの取付点が容器に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの取付点が容器に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項8】
前記保持要素が紐である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項9】
前記紐が、前記医療用テレスコープ装置の延長方向に対し45°未満の角度を形成する、請求項8に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項10】
前記取付点の間の前記紐の長さは、前記取付点の間の最短の長さの少なくとも2倍である、請求項9に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項11】
前記紐の端部が、同一の取付点に取り付けられる、請求項9又は10に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項12】
前記保持要素が接着剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項13】
前記保持要素が、前記カテーテルのアイを通して取り付けるためのセクションに取り付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項14】
前記保持要素が、前記カテーテルを通して縫うためのセクションに取り付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項15】
医療用テレスコープ装置を製造するための方法において、
(a)医療用テレスコープ装置又は該医療用テレスコープ装置の部分を用意する段階と、
(b)前記段階(a)の前記医療用テレスコープ装置に保持要素を取り付ける段階であって、前記保持要素が、前記医療用テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる前記分離力よりも小さな破壊強さと、短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばすために必要とされる前記抜き取り力よりも大きな破壊強さとを有する、段階であって、伸長位置で前記セクションを固定する段階を含む段階と、
(c)前記保持要素を取付点に取り付ける段階とを備えている方法。
【請求項16】
医療用テレスコープ装置を製造するための方法において、
(a)医療用テレスコープ装置又は該医療用テレスコープ装置の部分を用意する段階と、
(b)伸長位置で前記セクションを固定する段階を含む、短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばすために必要とされる前記抜き取り力を測定する段階と、
(c)前記医療用テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力を測定する段階と、
(d)前記保持要素に、前記分離力より小さくまた前記抜き取り力よりも大きな破壊強さを付与する段階と、
(e)前記保持要素の第1の部分を前記医療用テレスコープ装置に取り付ける段階と、
(f)前記保持要素の第2の部分を取付点に取り付ける段階とを備えている方法。
【請求項17】
前記医療用テレスコープ装置が尿カテーテルである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
医療用テレスコープ装置のセクションを取付点に取り付けるための保持要素であって、前記医療用テレスコープ装置が伸長構造に移動された後に前記保持手段が破壊する、保持要素。
【請求項1】
少なくとも2つのセクションを備える医療用テレスコープ装置において、
短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばし、前記セクションを伸長構造で固定するために抜き取り力が必要とされ、
前記少なくとも2つのセクションを引き離すために分離力が必要とされ、
保持手段が前記少なくとも2つのセクションの少なくとも一方を少なくとも1つの取付点に結合し、
前記保持手段の切り離し強さが前記抜き取り力よりも大きいが、前記分離力よりも小さく、
前記保持手段が、前記少なくとも2つのセクションの少なくとも一方に、前記保持部材に設けられた前記少なくとも1つの取付点に取り付けられた少なくとも1つの保持要素を備え、
前記保持要素の破壊強さが、前記抜き取り力よりも大きくかつ前記分離力よりも小さい医療用テレスコープ装置。
【請求項2】
前記医療用テレスコープ装置が中空である、請求項1に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項3】
前記医療用テレスコープ装置が、近位セクションに入口を有し、遠位セクションに出口を有する、請求項1又は2に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項4】
前記医療用テレスコープ装置が、近位セクションと遠位セクションとを有するカテーテルであり、前記保持要素が前記近位セクションに取り付けられ、前記保持部材が、前記カテーテルを収容するための容器である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項5】
前記医療用テレスコープ装置が尿カテーテル又はストローである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの取付点が容器に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの取付点が容器に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項8】
前記保持要素が紐である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項9】
前記紐が、前記医療用テレスコープ装置の延長方向に対し45°未満の角度を形成する、請求項8に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項10】
前記取付点の間の前記紐の長さは、前記取付点の間の最短の長さの少なくとも2倍である、請求項9に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項11】
前記紐の端部が、同一の取付点に取り付けられる、請求項9又は10に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項12】
前記保持要素が接着剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項13】
前記保持要素が、前記カテーテルのアイを通して取り付けるためのセクションに取り付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項14】
前記保持要素が、前記カテーテルを通して縫うためのセクションに取り付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療用テレスコープ装置。
【請求項15】
医療用テレスコープ装置を製造するための方法において、
(a)医療用テレスコープ装置又は該医療用テレスコープ装置の部分を用意する段階と、
(b)前記段階(a)の前記医療用テレスコープ装置に保持要素を取り付ける段階であって、前記保持要素が、前記医療用テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる前記分離力よりも小さな破壊強さと、短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばすために必要とされる前記抜き取り力よりも大きな破壊強さとを有する、段階であって、伸長位置で前記セクションを固定する段階を含む段階と、
(c)前記保持要素を取付点に取り付ける段階とを備えている方法。
【請求項16】
医療用テレスコープ装置を製造するための方法において、
(a)医療用テレスコープ装置又は該医療用テレスコープ装置の部分を用意する段階と、
(b)伸長位置で前記セクションを固定する段階を含む、短いテレスコープ構造から伸長構造に前記医療用テレスコープ装置を伸ばすために必要とされる前記抜き取り力を測定する段階と、
(c)前記医療用テレスコープ装置の2つのセクションを引き離すために必要とされる分離力を測定する段階と、
(d)前記保持要素に、前記分離力より小さくまた前記抜き取り力よりも大きな破壊強さを付与する段階と、
(e)前記保持要素の第1の部分を前記医療用テレスコープ装置に取り付ける段階と、
(f)前記保持要素の第2の部分を取付点に取り付ける段階とを備えている方法。
【請求項17】
前記医療用テレスコープ装置が尿カテーテルである、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
医療用テレスコープ装置のセクションを取付点に取り付けるための保持要素であって、前記医療用テレスコープ装置が伸長構造に移動された後に前記保持手段が破壊する、保持要素。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図6a】
【図6b】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図6a】
【図6b】
【公開番号】特開2010−269175(P2010−269175A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177964(P2010−177964)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2008−510414(P2008−510414)の分割
【原出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2008−510414(P2008−510414)の分割
【原出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】
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