説明

テレビゲームシステム及びカード

【課題】格闘・戦闘・冒険・アクション・スポーツ等のテレビゲームにカードゲームにおけるデッキの構築の面白さを付加する。
【解決手段】カードにおけるバーコードリーダでの読み取り範囲内に設定された7個の所定位置に、ゲーム補助情報(ゲームに反映させる情報又はそのインデックス情報)をバーコードで表した1個の記録部と残り6個分に相当する穿孔部及び/又は非穿孔部とをそれぞれ所定サイズで設けておく。7枚のカードC1〜C7を適当な順序で組み合わせてデッキ5を構築し、そのデッキ5の読み取り範囲をバーコードリーダで読み取り、読み取り可能なバーコードのゲーム補助情報をゲームに反映させる。デッキ5を構築の仕方によって得られるゲーム補助情報が異なり、テレビゲームとデッキの構築の面白さを融合できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレビゲームシステム及びカードに係り、家庭用テレビゲーム機や業務用テレビゲーム機等のテレビゲームシステムに適用され、遊戯用カード等でデッキを構築する面白さとカードに記録された情報がテレビゲームに反映される面白さを同時に体験できるテレビゲームシステムとそれを実現するカードの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、家庭用テレビゲームシステムや業務用テレビゲームシステムでは、CD(Compact Disk)やROM等の記録媒体やボードで提供される本来のゲームプログラムに加えて、バーコード読み取り装置等で構成されたカードリーダによってカードに記録された追加的なキャラクタやアイテムや技等の情報を読み取り、その情報をテレビゲームに反映させることが行われている。
そのようなテレビゲームシステムによれば、従来のシステムが初期にロードされたプログラムに基づく内容の範囲でしかテレビゲームを実行できなかったのに対して、テレビゲームに反映させるべき情報又はそのインデックス情報(以下、「ゲーム補助情報」という)を簡単で個別的な記録媒体であるカードに記録して利用するようにすると、個々のユーザがカードを用いてテレビゲーム自体を独自に拡張・展開できるという面白みがある。
【0003】
一方、遊戯用カードの分野においては、テレビアニメーションのキャラクタ等のイメージや特徴(属性,体力,攻撃力,守備力等)が印刷されたカードを用いた対戦型カードゲームが小中学生の間で盛んに行われている。
そのカードゲームは、各プレイヤーが手札から引いたカード同士の情報を比較して勝負を決めることを基本とするが、手札は多数枚のカードの組合せであるデッキから所定枚数のカードを順に引いて構成されるものであり、カードの組合せや順番を考慮してより強いデッキを構築することがゲームの勝敗に大きく影響する。
従って、プレイヤーは、市販されているカードセット(一般的に勝負に有効で価値の高いとされるカードと通常のカードとの組合せ)とプレイヤー同士で取引(交換)したカードを用いて、より勝負強い独自のデッキを作成することに注力し、この種のカードゲームの面白さのかなりの部分がデッキの構築段階にあると言える。
【0004】
そして、下記特許文献1には、前記のようなバーコード読み取り手段を備えた業務用のテレビゲーム装置が開示されており、バーコード付きカードを挿入させて読み取らせることによりテレビゲームが開始され、プレイヤーがゲームを有利に展開させて終了すると、別のテレビゲームの実行を開始させるためのバーコード付きカードを排出させるシステムが開示されている。
また、下記特許文献2には、家庭用テレビゲームシステムにおいて、実際のカードに描かれている図柄を読み取って、そのカードに関するカードデータをデータカートリッジから読み出してテレビゲームに利用する方式が開示されている。
更に、下記特許文献3には、対戦型カードゲーム用のカードに磁気テープやバーコードを施して個別カードの識別情報を記録しておき、一方、テレビゲームシステムはカードリーダを備えていると共に、前記識別情報に対応させて個別カードのイメージ・名称・属性・体力・攻撃力・守備力・コメント等の情報を格納しており、個別カードを1枚ずつカードリーダで読み取らせてデッキを構築し、対戦型カードゲームをテレビゲームとして実行させる方式が開示されている。
【特許文献1】特開平6−154421号公報
【特許文献2】特開2004−222755号公報
【特許文献3】特開2003−946号公報)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の特許文献2,3に開示されている技術はテーブルゲームであるカードゲームをテレビゲームシステムにそのまま取り込んでの画面上で擬似的に実行させるものであり、プレイヤーはデッキの構築や対戦ゲームの面白さを体験でき、またテレビゲームであるために一人で行うことも可能になるが、ゲームの内容はあくまでカードゲームに限定される。
一方、テレビゲーム用のゲームソフトには格闘・戦闘・冒険・アクション・スポーツ等の各種内容のものがあり、それらのゲームを実行する際に個々のユーザがカードを用いてゲーム補助情報(例えば、ゲームに登場するキャラクタ等に一定の能力を付与する等)を入力して独自に拡張・展開できるテレビゲームシステムが実施されていることは上記のとおりである。
【0006】
そこで、本発明は、各種内容のテレビゲームにおいて、上記のようにカードを用いてゲーム補助情報を入力する方式にカードゲームにおけるデッキの構築のコンセプトを導入し、構築したデッキによってゲーム補助情報を如何に多数・有効に与えることができるかという面白さを付加することを目的として創作された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、テレビゲーム機がカードリーダを備え、カードにはゲーム補助情報を記録しておき、前記カードリーダが前記カードから前記ゲーム補助情報を読み取り、前記テレビゲーム機がそのゲームプログラムの実行過程で前記ゲーム補助情報に対応する内容をテレビゲームに反映させるテレビゲームシステムにおいて、前記カードは、少なくとも3箇所以上の所定位置に所定サイズで構成される部分領域の内、1個が前記ゲーム補助情報の記録部として選択的に配置・形成されていると共に、他の部分領域が穿孔部及び/又は非穿孔部として選択的に配置・形成されており、一方、前記カードリーダは、前記カードを複数枚積層した状態で構築されたデッキの装填が可能であって、前記デッキの表面側から第1枚目のカードにおける前記部分領域の記録部と穿孔部に現れる前記ゲーム補助情報を光学的に読み取る機能を有しており、前記テレビゲーム機が前記カードリーダにより前記デッキの表面側から読み取った前記ゲーム補助情報の内容をテレビゲームに反映させることを特徴とするゲームシステムに係る。
【0008】
また、第2の発明は、テレビゲーム機がカードリーダを備え、カードにはゲーム補助情報を記録しておき、前記カードリーダが前記カードから前記ゲーム補助情報を読み取り、前記テレビゲーム機がそのゲームプログラムの実行過程で前記ゲーム補助情報に対応する内容をテレビゲームに反映させるテレビゲームシステムに適用されるカードであって、少なくとも3箇所以上の所定位置に所定サイズで構成される部分領域の内、1個が前記ゲーム補助情報の記録部として選択的に配置・形成されていると共に、他の部分領域が穿孔部及び/又は非穿孔部として選択的に配置・形成されており、複数枚積層した状態で構築したデッキを前記カードリーダに装填し、前記カードリーダにより前記デッキの表面側から第1枚目のカードにおける前記部分領域の記録部と穿孔部に現れる前記ゲーム補助情報を光学的に読み取った場合に、その読み取られた前記ゲーム補助情報の内容がテレビゲームに反映されるように構成されていることを特徴とするカードに係る。
【0009】
本発明は前記のようにゲームシステム及びそのシステムに用いられるカードを提案している。
本発明によれば、カードで構築されたデッキの表面は当然に第1枚目のカードで構成されるが、そのカードの部分領域におけるゲーム補助情報の記録部には第1枚目のカードのゲーム補助情報が形成されており、非穿孔部がある場合には第2枚目以降のカードでその部分領域に対応する位置にゲーム補助情報の記録部があってもデッキの表面側からは見えず、穿孔部がある場合にはその部分領域に第2枚目のカードのゲーム補助情報の記録部と穿孔部と非穿孔部がどのように対応しているかが問題となる。
即ち、デッキとして複数枚のカードが重ね合わされた状態で、第2枚目以降のカードにおけるゲーム補助情報の記録部が表面側から見えるためには、それより表面側にあるカードの穿孔部がそのゲーム補助情報の記録部に対応した位置に形成されているという条件が成立していなければならない。
従って、カードリーダによって、より多くのゲーム補助情報が読み取られるようにする、又はゲーム実行上でより有効なゲーム補助情報が読み取られるようにするには、前記の条件を熟慮しながらデッキを構築する必要があり、その良否がゲームを有利に展開できるか否かの決め手となる。
尚、本発明においても「ゲーム補助情報」とは上記のように「テレビゲームに反映させるべき情報又はそのインデックス情報」と定義され、制御情報そのものであってもよいが、制御情報を特定して選択するためのコード情報であってもよい。
本発明におけるテレビゲーム機は家庭用テレビゲーム、業務用テレビゲーム、又はパーソナルコンピュータゲームを含み、また、カードリーダは、デッキが装填でき、その表面側から記録部のゲーム補助情報が読み取れる機能を有していればよく、バーコード方式に限らず各種の光学的情報読み取り方式を適用できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテレビゲームシステム及びカードは、各種内容のテレビゲームにおいてカードを用いたゲーム補助情報の入力を行う場合に、構築したデッキ単位でゲーム補助情報を読み取るようにし、デッキ構築の模索によってゲーム補助情報を如何に多数・有効に与えることができるかという面白さを付加する。
また、プレイヤーのカード収集意欲を喚起し、カード自体に独立した商品としての価値を持たせることができる。
尚、本発明では、カードリーダがデッキの装填とその読み取りが可能なもととなっているが、カードリーダにカードを1枚ずつ読み取らせてもよく、従来技術のゲーム補助情報読み取り方式とのコンパチビリティを確保させることは容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明のテレビゲームシステム及びカードの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図1はテレビゲームシステムの外観構成図であり、ゲーム機本体(この実施形態では家庭用テレビゲーム機)1に対してゲームコントローラ2とディスプレイ3とカード読み取りユニット4がケーブルを介して接続されている。
【0012】
また、図2は前記テレビゲームシステムのシステム回路図である。
同図において、ゲーム機本体1は、CPU10と、システム制御プログラムを格納したROM11と、各種ワークエリアとして用いられるRAM12と、ロードされたゲームプログラムを格納するハードディスク装置13と、カード読み取りユニット4との間の通信インターフェイス14と、ゲームコントローラ2との間の通信インターフェイス15と、内蔵のCDドライブ16と、CDドライブに対するバス接続用インターフェイス17と、ディスプレイ3に対するインターフェイス18と、ネットワークインターフェイス19とがそれぞれバス接続された構成からなり、CPU10が通信インターフェイス15を介してゲームコントローラ2から受信したコントロール信号に基づいてROM11のシステム制御プログラムを実行することによりシステム全体を制御し、またハードディスク装置13のゲームプログラムを読み出してゲームを実行させる。尚、ハードディスク装置13のゲームプログラムは、CDドライブ16にセットされたCDからロードされる場合と、通信インターフェイス19を介してネットワークからダウンロードされる場合とがある。
【0013】
ゲームコントローラ2は、CPU20と、コントロール信号の入出力制御プログラムを格納したROM21と、信号入出力用ワークエリアとして用いられるRAM22と、操作用キー・スイッチ部23と、ゲーム機本体1との間の通信インターフェイス24とからなり、操作用キー・スイッチ部23が操作されることにより、CPU21が通信インターフェイス24を介してゲーム機本体1側へ操作に対応するコントロール信号を出力させる。
【0014】
カード読み取りユニット4は、CPU40と、このユニット4の動作制御プログラムを格納したROM41と、信号入出力用ワークエリアとして用いられるRAM42と、複数のカードからなるデッキ5の装填を検知するセンサ43と、装填されたデッキ5の所定部分を操作してバーコードを読み取るバーコードリーダ44と、ゲーム機本体1との間の通信インターフェイス45とからなり、ゲーム機本体1がデッキ読み取りモードが設定された状態で、CPU21がバーコードリーダ44を駆動させてデッキ5のバーコードを読み取らせ、そのバーコードデータを通信インターフェイス45からゲーム機本体1側へ出力させる。
【0015】
ところで、前記デッキ5を構築している各カードの表面側は図3に示すような構成を有している。但し、この実施形態では戦闘対戦ゲームを例にとり、カードは同ゲームに対してゲーム補助情報を与えるものとし、ここでのゲーム補助情報はゲームに反映させるべき制御情報に対応付けられたインデックスコードであるとする。
先ず、51はカード種別の印刷領域であり、例えば、「SKILL」(選択した戦闘キャラクタに別の技を使えるようにする)や、「ASSIST」(選択した戦闘キャラクタを支援する別のキャラクタを召喚する)や、「ITEM」(選択した戦闘キャラクタの能力アップを図る等の各種項目を付与する)というような種別が印刷されている。
【0016】
52はカード読み取りユニット4のバーコードリーダ44による読み取り範囲であり、その中には7個の同一サイズの円形部分領域が等間隔で配置されている。そして、1個の円形部分領域の内、1個はバーコードが印刷されたゲーム補助情報の記録部53とされ、他の6個の円形部分領域は穿孔部54と非穿孔部55の組合せとなっているか、又は全てが穿孔部54又は非穿孔部55となっている。
ここで、バーコードで与えられるゲーム補助情報は前記の「SKILL」等に係るゲーム実行上の制御情報に対応付けられたものであり、バーコードリーダ44で読み取られることによって、選択した戦闘キャラクタに対して前記の「SKILL」等を付与することになる。
尚、一般には、記録部53と穿孔部54や非穿孔部55の配置位置はカード毎に相違するように設定されているが、記録部53のゲーム補助情報が異なっている場合には同一の配置位置になっていてもよい。
【0017】
56は絵柄の印刷領域であり、前記の「SKILL」であればその技の発現状態が、「ASSIST」であれば召喚するキャラクタが、「ITEM」であれば各種項目のイメージが印刷されている。
更に、57は技やキャラクタや各種項目の名称等の印刷領域であり、58は前記の技やキャラクタや各種項目に係る具体的内容の説明文の印刷領域である。
【0018】
そして、この実施形態において、デッキを構築するカードとして図4に示すような7枚のカードC1〜C7でデッキを構成する場合を仮定する。即ち、2枚の「SKILL」カードと3枚の「ASSIST」カードと2枚の「ITEM」カードを用いて自己の選択した戦闘キャラクタに可能な限り有利となるゲーム補助情報を与える場合を考える。
この実施形態のカード読み取りユニット4では、バーコードリーダ44にデッキ5が装填されると、デッキ5の表面側から第1枚目のカードの読み取り範囲52を走査してバーコード情報を読み取り、そのバーコードデータをゲーム機本体1へ送信する。
そして、そのバーコードデータが前記のようにゲーム補助情報を与えるものであるため、デッキ5を構築した状態で表面側から全ての記録部53が見えて、各カードC1〜C7のバーコードによるゲーム補助情報が読み取り可能になることが理想的である。
【0019】
今、図4に示したカードC1〜C7を用いて、図5(A)に示すように表面側からC7→C1→C6→C4→C3→C2→C5の順で重ね合わせたデッキ5を構築すると、図5(B)に示すように、カードC7のゲーム補助情報の記録部53と共に、他のカードC1,C6,C4,C3,C2,C5の各穿孔部54が表面側から巧く組み合わされていることで他の全てのカードのゲーム補助情報の記録部53も表面側から見えるようになり、前記の理想的なデッキが構築できていることになる。
従って、そのデッキ5をカード読み取りユニット4のバーコードリーダ44で読み取ると、図7(A)に示すように、ビームが走査されることにより、表面にあるカードC7の記録部53のバーコード情報と、他のカードC1,C6,C4,C3,C2,C5の穿孔部54の重なりによって構成されている凹部の底面にある各カードC1,C6,C4,C3,C2,C5の記録部53のバーコード情報とを全て読み取ることができる。
【0020】
一方、図5に示したようなデッキ5の構築を思い付かず、図6(A)に示すように表面側からC1→C7→C2→C3→C4→C6→C5の順で重ね合わせたデッキ5を構築すると、図6(B)に示すように、カードC1,C2,C5の3つのゲーム補助情報の記録部53しか見えない組み合わせとなり、そのデッキ5をカード読み取りユニット4のバーコードリーダ44で読み取った際には、図7(B)に示すように、カードC1,C2,C5のバーコード情報しか読み取れない。
その結果、手持ちのカードC1〜C7のゲーム補助情報を最大限有効に利用したデッキ5が構築されておらず、ゲームを有利に展開できない可能性が高くなる。
【0021】
ところで、図4で示したカードC1〜C7のように全てのカードのゲーム補助情報が揃う理想的なデッキの構築が可能な組合せを保有している場合はむしろ稀であり、また対戦相手のキャラクタによってはたとえ理想的なデッキを組めたとしても効果的でない「SKILL」や「ITEM」しか揃わないこともある。
従って、従来のカードゲームと同様に、カードセットを購入したり、プレイヤー同士で取引(交換)することで、様々な対戦条件に合ったデッキを構築できるようにしておくことが求められる。
換言すれば、この実施形態のテレビゲームシステムとカードによれば、本来のテレビゲームの面白さと共に、カードゲームにおけるデッキの構築の面白さが加わり、更にこのテレビゲーム専用のカードが独立した商品としての価値を有するようになる。
【0022】
次に、この実施形態のテレビゲームシステムにおけるデッキ読み取り動作について、図1と図2の構成、及び図8のフローチャートを参照しながら説明する。
但し、ここではプレイヤーによって1Pプレーの選択がなされて、既にシステム側とプレイヤー側の各戦闘キャラクタの選択を完了させており、プレイヤー側の戦闘キャラクタに対して前記の「SKILL」や「ASSIST」や「ITEM」等を付加する場合の手順に係る。
先ず、プレイヤーがゲームコントローラ2の操作用キー・スイッチ部23を操作することによってデッキ読み取りモードの設定を指示入力すると、ゲーム機本体1のCPU10がハードディスク装置13のゲームプログラムに基づいて同モードを設定し、カード読み取りユニット4をレディ状態とする(S1)。
【0023】
ここで、プレイヤーが予め構築したデッキ5をカード読み取りユニット4にセットすると、センサ43がそれを検知することによりゲーム機本体1側へ通知され、その通知を受けたゲーム機本体1ではディスプレイ3に“デッキの読み取りがOKか?”のメッセージを表示させる(S2〜S4)。
前記メッセージに対してプレイヤーが操作用キー・スイッチ部23の操作によって“YES”の選択を行うと、カード読み取りユニット4による読み取り動作が開始し、バーコードリーダ44が装填されたデッキ5の表面側にあるカードの読み取り範囲を図7に示した如くレーザビームで走査し、同範囲に現れているバーコードデータを読み取り、そのデータをRAM42へ一旦格納させた後、ゲーム機本体1へ転送する(S4〜S6)。
【0024】
バーコードデータを受信したゲーム機本体1では、そのデータを一旦RAM12に格納させ、それをデコードして得られたゲーム補助情報(コード情報)を再度RAM12に格納し直す(S7)。
また、そのゲーム補助情報に基づいてハードディスク装置13のゲームプログラムに格納されている図3での「カード種別」(51)や「技やキャラクタや各種項目の名称」(57)や「具体的内容の説明文」(58)に相当するデータ(即ち、ゲームへの具体的反映内容に係るデータ)をディスプレイ用のインターフェイス18へ読み出し、それらがプレイヤー側の戦闘キャラクタに付与されることをディスプレイ3の画面に確認的に表示させる(S8)。
【0025】
そして、プレイヤーが操作用キー・スイッチ部23を操作して“YES”の選択を行うと、RAM12のゲーム補助情報がハードディスク装置13へ転送され、ゲームプログラムにおけるプレイヤー側の戦闘キャラクタに関連付けた「SKILL」や「ASSIST」や「ITEM」等の制御データとして対応付けられる(S9,S10)。即ち、ゲーム補助情報がゲームプログラムに組み込まれ、プレイヤー側の戦闘キャラクタに対してゲーム実行上で「SKILL」や「ASSIST」や「ITEM」等が付与されることになる。
【0026】
デッキ読み取りモードは前記のゲーム補助情報のゲームプログラムへの組み込みにより解除されて本来の対戦ゲームモードへの移行が可能になるが(S10,S11)、ステップS4やステップS9において“NO”を選択した場合にもデッキ読み取りモードが解除され、その場合には新たにデッキ5を組み直す等して再度デッキ読み取りモードを実行すればよい(S4,S9→S11)。
【0027】
尚、前記の実施形態ではカードの片面にのみ図3に示したような構成で印刷と穿孔が施されているが、カードの両面を用いてもよい。
その場合、カードの裏面側の構成は表面側に対して穿孔部54と非穿孔部55とが裏返しになった位置関係で現れ、ゲーム補助情報の記録部は非穿孔部55の任意の位置に設けることができ、そのゲーム補助情報は表面側の情報と異なるものにすることもできる。
例えば、図4におけるカードC5であれば、その裏面側を図9に示すような構成にすることができ、デッキ5を構築する際に表面側を使うか裏面側を使うかによって、そのカードのゲーム補助情報の内容が異なると共に他のカードのゲーム補助情報の使い方にも影響するため、デッキ5の構築に係る興味をより幅広く深いものにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は家庭用テレビゲームや業務用テレビゲームやパーソナルコンピュータゲーム等のテレビゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係るテレビゲームシステムの外観構成図である。
【図2】テレビゲームシステムのシステム回路図である。
【図3】カードの表面側の構成を一般的に説明するための図である。
【図4】事例的なデッキを構築する7枚のカードの表面側を示す図である。
【図5】(A)は図4のカードC1〜C7をC7→C1→C6→C4→C3→C2→C5の順で重ね合わせてデッキを構成した場合の斜視図であり、(B)はそのデッキを表面側から見た平面図である。
【図6】(A)は図4のカードC1〜C7をC1→C7→C2→C3→C4→C6→C5の順で重ね合わせてデッキを構成した場合の斜視図であり、(B)はそのデッキを表面側から見た平面図である。
【図7】図5及び図6のデッキについて読み取り範囲に断面をとってビーム走査状態を示した図と、デッキの読み取り範囲を表面側から見た図と、バーコードの読み取り信号を示す図である。
【図8】テレビゲームシステムにおけるデッキ読み取り動作を示すフローチャートである。
【図9】図4のカードC4について裏面側をゲームに用いられるようにした場合におけるその裏面側の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1…ゲーム機本体、2…ゲームコントローラ、3…ディスプレイ、4…カード読み取りユニット、5…デッキ、10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…ハードディスク装置、14…通信インターフェイス、15…通信インターフェイス、16…CDドライブ、17…バス接続用インターフェイス、18…ディスプレイ用インターフェイス、19…ネットワークインターフェイス、20…CPU、21…ROM、22…RAM、23…操作用キー・スイッチ部、24…通信インターフェイス、40…CPU、41…ROM、42…RAM、43…センサ、44…バーコードリーダ、45…通信インターフェイス、51…カード種別の印刷領域、52…読み取り範囲、53…ゲーム補助情報の記録部、54…穿孔部、55…非穿孔部、56…絵柄の印刷領域、57…技やキャラクタや各種項目の名称等の印刷領域、58…技やキャラクタや各種項目に係る具体的内容の印刷領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビゲーム機がカードリーダを備え、カードにはテレビゲームに反映させるべき情報又はそのインデックス情報(以下、「ゲーム補助情報」という)を記録しておき、前記カードリーダが前記カードから前記ゲーム補助情報を読み取り、前記テレビゲーム機がそのゲームプログラムの実行過程で前記ゲーム補助情報に対応する内容をテレビゲームに反映させるテレビゲームシステムにおいて、
前記カードは、少なくとも3箇所以上の所定位置に所定サイズで構成される部分領域の内、1個が前記ゲーム補助情報の記録部として選択的に配置・形成されていると共に、他の部分領域が穿孔部及び/又は非穿孔部として選択的に配置・形成されており、
一方、前記カードリーダは、前記カードを複数枚積層した状態で構築されたデッキの装填が可能であって、前記デッキの表面側から第1枚目のカードにおける前記部分領域の記録部と穿孔部に現れる前記ゲーム補助情報を光学的に読み取る機能を有しており、
前記テレビゲーム機が前記カードリーダにより前記デッキの表面側から読み取った前記ゲーム補助情報の内容をテレビゲームに反映させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
テレビゲーム機がカードリーダを備え、カードにはゲーム補助情報を記録しておき、前記カードリーダが前記カードから前記ゲーム補助情報を読み取り、前記テレビゲーム機がそのゲームプログラムの実行過程で前記ゲーム補助情報に対応する内容をテレビゲームに反映させるテレビゲームシステムに適用されるカードであって、
少なくとも3箇所以上の所定位置に所定サイズで構成される部分領域の内、1個が前記ゲーム補助情報の記録部として選択的に配置・形成されていると共に、他の部分領域が穿孔部及び/又は非穿孔部として選択的に配置・形成されており、
複数枚積層した状態で構築したデッキを前記カードリーダに装填し、前記カードリーダにより前記デッキの表面側から第1枚目のカードにおける前記部分領域の記録部と穿孔部に現れる前記ゲーム補助情報を光学的に読み取った場合に、その読み取られた前記ゲーム補助情報の内容がテレビゲームに反映されるように構成されていることを特徴とするカード。
【請求項3】
請求項2のカードにおいて、裏面側からみて、表面側の前記ゲーム補助情報の記録部に対応する位置以外の部分領域にある非穿孔部を、表面側の前記ゲーム補助情報と異なる裏側面のゲーム補助情報の記録部として選択的に配置・形成したことを特徴とするカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−174979(P2006−174979A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370313(P2004−370313)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(397077483)株式会社アリカ (4)
【Fターム(参考)】