説明

テレビジョン受信装置

【課題】 電力供給会社から供給される電力を有効に使うことができるテレビジョン受信装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、バッテリーで駆動可能なテレビジョン受信装置は、受信部と、第1の切換え手段と、第2の切換え手段と、電源コントローラとを具備する。受信部は、第1、第2のモード指定信号を受信する。第1の切換え手段は、受信部により受信された第1のモード指定信号に応じてバッテリー駆動モードのオン、オフを切り換える。第2の切換え手段は、受信部により受信された第2のモード指定信号に応じて節電モードのオン、オフを切り換える。電源コントローラは、第1、第2の切換え手段により設定されたモードに応じて電源制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はバッテリーによって駆動可能なテレビジョン受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナルコンピュータ(PC)やPDAなどの携帯可能な電子機器が種々開発されている。この種の電子機器は、AC商用電源が無い携帯時の使用と、オフィスや家庭内などにおける屋内での使用との双方を考慮し、バッテリーとAC電源のどちらでも駆動できるように構成されている。バッテリーとしては、通常、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの充電可能な二次電池が用いられる。
【0003】
商用電源あるいはバッテリーを使用するかはACアダプタの接続の有無で決まることが多い。PCにACアダプタが接続されている時は、PCの電源供給元は、バッテリーからACアダプタに切り換えられるとともに、ACアダプタによってバッテリーの充電が行われる。ACアダプタがPCから取り外されている間はバッテリーが駆動電源として使用される。
【0004】
一方、電源供給元をバッテリーとACアダプタとで切り換えるタイミングを予め決めておいて、決められた時間になったら、自動的にバッテリーとACアダプタとを切り換える装置も考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−222564号公報
【特許文献2】特許第3730414号公報
【特許文献3】特開2007−219234号公報
【特許文献4】特開平06−149173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電力供給会社の発電プラントから供給される電力量に対して需要電力量が上回り大規模停電が生じる可能性が予想されている。これを回避するために、電力供給会社により一定の地域ごとに電力供給を順次停止/再開させる計画停電、あるいは輪番停電を実施することが考えられている。一般家庭の電気機器の中でテレビジョン受信装置は比較的消費電力が大きいので、テレビジョン受信装置による電力需要を削減することが検討されている。例えば、従来のPCのようにバッテリーを内蔵し、AC商用電源あるいはバッテリーで駆動可能にすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、従来のPCのバッテリー制御をそのままテレビジョン受信装置に応用しても、電力需要をそれほど削減することができない。
【0008】
本発明の目的は電力供給会社から供給される電力を有効に使うことができるテレビジョン受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、バッテリーで駆動可能なテレビジョン受信装置は、受信部と、第1の切換え手段と、第2の切換え手段と、電源コントローラとを具備する。受信部は、第1、第2のモード指定信号を受信する。第1の切換え手段は、受信部により受信された第1のモード指定信号に応じてバッテリー駆動モードのオン、オフを切り換える。第2の切換え手段は、受信部により受信された第2のモード指定信号に応じて節電モードのオン、オフを切り換える。電源コントローラは、第1、第2の切換え手段により設定されたモードに応じて電源制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態によるテレビジョン受信装置の全体構成の代表的な一例を示すブロック図である。
【図2】図1のリモートコントローラの代表的な概要を示す図である。
【図3】図1のテレビジョン受信装置が表示器に出力する幾つかの表示例の代表的な例を示す図である。
【図4】図1のテレビジョン受信装置の動作の一例である代表的なフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートの節電モードの詳細を示す代表的なフローチャートである。
【図6】図4のフローチャートのバッテリー駆動モードの詳細を示す代表的なフローチャートである。
【図7】図1のテレビジョン受信装置が節電動作を行っている際の表示器における画面の代表的な例を示す図である。
【図8】図1のテレビジョン受信装置の表示器におけるバックライト機構の一構成例を示す図である。
【図9】図1のテレビジョン受信装置の表示器におけるバックライト機構の他の構成例を示す図である。
【図10】図1のテレビジョン受信装置の表示器におけるバックライトの照度を低減する例を示す図である。
【図11】図1のテレビジョン受信装置に対して節電のための省エネ設定を行うときのメニューの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態が適用された据え置き型のテレビジョン受信装置の一例である。UHFアンテナ101は、地上波テレビジョン放送の電波をキャッチすることができる。受信電波の強度が弱い場合は、アンテナ101にブースター(増幅器)102が接続される。受信電波の強度が強い場合は、ブースター102の代わりにアッテネーター(減衰器)が接続される。ブースター102、アッテネーターには電力が供給されている。現行の地上波デジタル放送では、12セグメント(フルセグメント、或いはフルセグと称しても良い)の放送信号と、ワンセグメントの放送信号が設定されている。UHFアンテナ101は、フルセグメントの放送信号を受信するために利用される。ワンセグメントの放送信号を受信する場合には、室内アンテナ105が利用される。
【0012】
UHFアンテナ101は、外部アンテナ或いは屋外アンテナと称してもよいし、室内アンテナ105は、内部アンテナ或いは屋内アンテナと称しても良い。
【0013】
UHFアンテナ101は、アンテナ接続基板108を介して、チューナ110に接続されることができる。室内アンテナ105も、アンテナ接続基板108を介して、チューナに接続されることができる。アンテナ接続基板108のアンテナコネクタが1つの場合は、UHFアンテナ101の使用状態から、室内アンテナ105の使用状態に変更されるときは、UHFアンテナ101の端子がアンテナ接続板108の1つのコネクタから抜き取られ、代わりに室内アンテナ105の端子がアンテナ接続板108の前記1つのコネクタに接続される。アンテナ接続基板108のアンテナコネクタが2つある場合は、アンテナ接続板108の2つのコネクタに、UHFアンテナ101と室内アンテナ105が常時接続されており、何れか一方が、図示しない切替えスイッチにより選択されて、選択されたアンテナが使用状態となる。
【0014】
チューナ110は、フルセグメント受信回路111と、ワンセグメント受信回路112を含み、いずれか一方の受信状態に設定される。受信状態を切替えるための制御信号は、制御ブロック120から出力される。制御ブロック120については、後でさらに詳しく説明する。
【0015】
チューナ110で選択されたチャンネル内に含まれる復調された番組信号は、信号処理器200に入力される。信号処理器200は、映像信号処理回路201、オーディオ信号処理回路202を含む。映像信号処理回路201は、符号化(エンコード)されている映像信号を元のベースバンドの映像信号に復号化(デコード)する。符号化・復号化方式は、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group), H.264/AVC(Advanced Video Coding)などの方式がある。映像信号処理回路201は画像の解像度を向上する高画質化プロセッサ201aを内蔵する。高画質化プロセッサ201aは解像度補間に限らず、色深度やダイナミックレンジを広げる処理やフレーム数を増やす処理も行う。映像信号処理回路201から出力されるベースバンドの映像信号が、表示器300に供給される。表示器300は液晶表示器、プラズマ表示器、有機EL表示器等からなる。
【0016】
オーディオ信号処理回路202は、番組信号からオーディオストリームを取り出し復号する。復号されたオーディオ信号は、デジタルアナログ変換器203にてアナログ信号に変換されて、音声出力される。図1では、音声出力機器としては消費電力の少ないヘッドホーン204を示しているが、ヘッドホーン204に限定されるものではなく、据え置き型のスピーカであってもよいことは勿論である。
【0017】
信号処理器200は、制御ブロック400の制御の元で、外部機器との接続が可能である。例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)205を介して、外部の情報記録再生装置、例えば光ディスク(DVD、BD(登録商標)など)記録再生装置と接続されることが可能である。従って、信号処理器200は、外部の情報記録再生装置からの再生信号を受け取り、表示出力のための信号処理、オーディオ出力のための信号処理を行うことができる。また、外部の情報記録再生装置に向けて、記録のための信号や制御信号を伝送することが可能である。これにより、外部の情報記録再生装置をテレビジョン受信装置のリモートコントローラ(後述)で共通に制御可能である。HDMI205はデジタル映像/音声信号を高品質のまま外部機器に伝送できる。デジタル信号は480i、480p、720p、1080i、1080pに対応している。
【0018】
信号処理器200は、制御ブロック400の制御の元で、USB(Universal Serial Bus)206を介して、ハードディスクドライブ(HDD)207との接続も可能である。このハードディスクドライブ207は、バッテリー208を搭載しており、停電時には、例えば2−3時間程度の自力ドライブが可能である。
【0019】
制御ブロック400は、主マイクロプロセシングユニット(以下主MPUと記す)401と、副マイクロプロセシングユニット(副MPUと記す)402を含む。主MPU401は、電子プログラムガイド管理系(以下EPG管理系)401a,動作状態制御系401b、表示状態制御系401c、インターフェース制御系401dを含む。
【0020】
なお制御ブロック400の名称、主MPU401、副MPU402の名称、EPG管理系401a,動作状態制御系401b、表示状態制御系401c、インターフェース制御系401dの名称は、このような名称に限定されるものではない。例えば主制御回路、副制御回路、EPG処理回路、動作状態制御回路、表示状態制御回路、HDMI状態制御回路或いは回路の代わりにモジュール或いはブロックを用いてもよい。また、ここでは名称を機能毎に分類したが、各機能が一体となった、或いは各機能が組み合わせられた名称が付されてもよい。
【0021】
EPG管理系401aは、インターネット或いは放送信号に含まれる番組情報を取得して、番組表データを作成し、ランダムアクセスメモリ(以下RAMと記す)451に格納することができる。またEPG管理系401aは、表示状態制御系401cの制御動作と協働して、RAM451に格納している番組表を読出し、表示器300へ出力することができる。さらにまた、定期的にRAM451に格納している番組表の情報を修正、変更することができる。
【0022】
なおRAM451は、書き込み読出しが可能なメモリであればよく、不揮発性メモリなども含まれる。またRAM451には、オンスクリーンディスプレイ(OSD)のための各種のデータ(アイコン、警告文字情報、チャンネル番号など)が格納されていてもよいことは勿論である。また制御ブロック400には、リードオンリーメモリ(ROM)452が接続されており、ROM452には、例えば、テレビジョン受信装置で利用される各種のソフトウェアが格納されている。ソフトウェアは、テレビジョン受信装置が動作するとき、例えばRAM451に展開されて、操作信号や指令信号に応じて動作手順を実行する。
【0023】
動作状態制御系401bは、外部或いは内部の状態信号、或いは外部からの操作信号に応答して、テレビジョン受信装置内のブロックの状態を制御する。例えば、チューナ110に置ける受信状態を、ワンセグ受信状態からフルセグ受信状態に切替えたり、或いはフルセグ受信状態からワンセグ受信状態に切替えることができる。さらに信号処理器200における信号処理状態を制御することができる。例えば、自動或いは手動に関わらす、設定された条件に応じてカラー調整、輝度調整、電源の部分シャットオフなどを制御することも可能である。
【0024】
表示状態制御系401cは、表示器300の表示エリア、バックライトの調整、バックライトの照明エリアの制御行うことができ、さらにまた映像信号の輝度制御、拡大縮小制御、さらには表示位置の移動制御などを行うことができる。
【0025】
インターフェース制御系401dはHDMI端子に接続されている外部機器に問合せ信号を送信し、その応答信号に基づいて、どのような外部の情報記録再生装置が接続されているか、あるいは外部の情報記録再生装置の動作状態を認識し、認識結果に応じた制御信号あるいは情報を信号処理器200を介して外部情報記録再生装置に送信、あるいは受信する処理を行う。
【0026】
副MPU402は、電源制御系402a、操作信号対応系402bを含む。操作信号対応系402bは、リモートコントローラ700から送信された操作信号が、リモコン信号受信器455を介して入力したとき前記操作信号を解析する。リモコン信号受信器455は表示器300の前面の枠体の一部に設けられる。操作信号対応系402bは、操作信号を解析した結果に応じて、テレビジョン受信装置の動作状態を制御する。動作状態としては、主電源のオンオフ、副MPU401の起動/停止、副MPUP401への指令伝達などを行う。なお操作信号は、リモコン受信器455からだけでなく、手動操作部456からも入力することができる。主動操作部456は表示器300の側面等に設けられる。手動操作部456がユーザにより操作されると、操作信号が操作信号対応系402bにより解析される。
【0027】
次に、電源系統について説明する。コンセントに接続されるプラグ551から取り込まれる商用交流電源が、ACアダプタ552を介して直流電源(例えば、12V/3A)として電源出力回路500に入力される。また、電源出力回路500は、バッテリー553からの電源を取り込むことができる。電源出力回路500は、ACアダプタ552あるいはバッテリー553からの電圧をDC/DC変換器501で変換して、種々の値の直流電圧(例えば、5V、3.3V、1.8V)を生成することができる。あるいは、ACアダプタ552を用いない場合は、電源出力回路500がAC商用電源からの電力を整流する。
【0028】
電源出力回路500は、電源制御系402の制御の元で、テレビジョン受信装置の電源使用状態を、商用電源使用状態、バッテリー電源使用状態に切り替わることができる。この電源使用状態は、スイッチ502が電源制御系402により制御されることで切り替わることができる。
【0029】
制御ブロック400には、送受信器460が接続されている。この送受信器460は、近距離無線通信器461を含む。近距離無線通信器461は、アンテナ462を介して、図示しない携帯端末との通信を行うことができる。さらに送受信器460は、ネットワーク通信器463を含む。ネットワーク通信器463は、ネットワーク610に接続され、サーバ611と通信を行うことができる。
【0030】
図2は、リモートコントローラ700の各種の操作ボタンを示している。711は、テレビジョン受信装置の電源をオン/オフする電源ボタンである。電源ボタン711が繰り返し操作されることにより、テレビジョン受信装置の電源のオン、オフを繰り返すことができる。
【0031】
表示器300の枠体の下部には電源表示ランプ302が設けられている。電源がオフの時に、手動操作部456の電源ボタン(図示せず)またはリモートコントローラ700の電源ボタン711を押すと、表示ランプ302が緑色に点灯する。電源表示ランプ302の緑色点灯中は、電源がオンであること、番組表情報の取得中であること、ソフトウェアのダウンロード中であることを示す。この状態で手動操作部456の電源ボタンまたはリモートコントローラ700の電源ボタン711を押すと、表示ランプ302が赤色に点灯する。電源表示ランプ302の赤色点灯中は電源がオフであること(待機状態)、バッテリー533が満充電であることを示す。バッテリー533の充電中の場合は、電源表示ランプ302はオレンジ色で点灯する。電源プラグ551を抜いた状態や、バッテリー533の使用時に電源を切った場合は、電源表示ランプ302は消灯する。
【0032】
手動操作部456の電源ボタンまたはリモートコントローラ700の電源ボタン711によりテレビジョン受信装置の電源がオフされた状態であっても、図1で説明した副MPU402、リモコン信号受信器455は、電源出力回路500からの補助電源が供給されており、リモートコントローラ700からの操作信号を受け付けることができる。
【0033】
入力切換ボタン712は、テレビジョン受信装置に接続されている外部機器からの入力の取り込み状態と、非取り込み状態を切替えるためのボタンである。例えば入力切換ボタン712が繰り返し押されると、デジタル放送受信状態→HDMI205からの信号取り込み状態→ビデオ入力状態→D端子(図1には図示せず)入力状態→デジタル放送受信状態と変化する。
【0034】
ピークシフトボタン721は、電力供給源(電力会社の電力供給プラント)からの電力の消費量の低減協力を行うために利用することができる。このピークシフトボタン721が操作されると、テレビジョン受信装置は、商用電源の使用状態と内蔵バッテリー553の使用状態とで切り換えられる。そのため、ピークシフトボタン721を押す度に、電源プラグ551とバッテリー533からの電源供給が切り換わる。真夏の昼の時間帯等の電力需要が増大し、供給電力量を上回る可能性のある時間帯に、ピークシフトボタン721を押して、バッテリー駆動に切り換えることにより、ピーク時の電力需要を低減することができる。このようにバッテリー553を使用すると、社会的な電力消費のピークを回避することに寄与できる。あるいは、電力需要が供給電力量を上回る可能性のある時間帯にサーバ611が駆動切り換え指令を出して、商用電源駆動とバッテリー駆動とを自動的に切り換えるようにしてもよい。自動的にバッテリー駆動に切り換わっても、その後ピークシフトボタン721を再度押すと、商用電源駆動モードに戻すことができる。
【0035】
電源が切れている状態でピークシフトボタン721が押されると、バッテリー533で動作する。
【0036】
バッテリー533を使ってテレビを見るには、バッテリー533が充電されていることが条件である。電源表示ランプ302がオレンジ色に点灯している時は、バッテリー533の充電中であり、使用できない。
【0037】
電源プラグ551がコンセントに接続されると、バッテリー533の充電は開始し、電源表示ランプ302がオレンジ色に点灯する。充電が終了すると、電源表示ランプ302が赤色に変わる。満充電に近い状態では、充電は始まらず、電源表示ランプ302が赤色に点灯する。電源が入った状態(電源表示ランプ302が緑色に点灯)では、充電されない。しかし、テレビジョン受信装置は、番組視聴中には充電は行なわないという仕様である。つまり電源出力回路500は、商用電源からバッテリー553へ充電する機能を有するが、テレビジョン受信装置が番組表示動作状態にあるときは、充電動作を禁止している。
【0038】
バッテリー533の充電は随時行うのではなく、使用電力量が日中に比べ少ない夜間の時間帯(例えば、夜の10時から朝の9時までの時間帯)の待機状態の場合に行われるように、制御ブロック400の制御の下でタイマ制御してもよい。こうすると、使用電力ピーク量を低減できるとともに、電力料金の節約を図ることも可能となる。例えば、テレビジョン受信装置は、充電に関するメニューを表示することができる。このメニュー表示の項目内には、充電時間を設定できる項目が用意されている。ユーザは、リモートコントローラ700を操作して、所望の時間帯を選択し、決定ボタン741を操作すると、停電状態でないことを条件にして、バッテリーへの充電が所望の時間帯に実行される。
【0039】
また、停電時にはアンテナ用のブースター102の給電も止まり放送が見られないこともあるが、屋内アンテナ105に切り換えることで、停電時などでもワンセグメント受信が可能である。例えばこのテレビジョン受信装置は、計画停電の最大の時間に合わせて約3時間のバッテリー駆動が可能であることを目標としている。バッテリー駆動時間を確実に確保できるように、バッテリー駆動に切り換わると、消費電力を低減するために、画面の明るさを低くしてもよい。あるいは、バッテリー駆動時間を予め設定しておき、バッテリー駆動時間の残り時間とバッテリー残量とに応じて低減する消費電力量を可変にしても良い。
【0040】
停電の検出方法としては、各種の対応が可能である。電源制御系402aは、停電になったとしても、所定時間の動作が可能なように例えばバックアップコンデンサが接続されている。したがって、電源ラインの電圧変動の検出、ACアダプタの出力検出などを行うことで可能である。
【0041】
図3の(A)には、商用電源使用状態からバッテリー使用状態に切換ったときの案内画面の一例を示している。停電時にバッテリー使用状態に切換ったときは、外部アンテナのブースター102への電源供給も停止するので、画像を視聴できなくなる可能性がある。ユーザがテレビジョン受信装置の故障と勘違いする可能性を無くすために、この場合、画面上に、バッテリー駆動により、例えば、「本機は現在バッテリー使用状態にあります。ワンセグ受信状態に移行します。内部アンテナを使用してください。」などの案内コメント311を表示しても良い。内部アンテナは、付属アンテナ、ワンセグ用アンテナと称されても良い。
【0042】
図3の(B)には、商用電源使用時にテレビジョン受信装置の画面に表示されるアイコン312の例を示している。商用電源使用状態のときは、画面の隅に例えばプラグのアイコン312が表示される。
【0043】
図3の(C)には、バッテリー使用時にテレビジョン受信装置の画面に表示されるアイコン313の例を示している。バッテリーの使用状態のときは、バッテリーマークのアイコンは、同時にバッテリー残量(斜めラインの数がバッテリー残量に相当する)も表示している。アイコンの形態は、図に示す形態に限らず、電源の種類を識別可能であれば他の変形例が種々可能であり、文字を含むバナー等でもよい。さらに、画面上に表示されるアイコンに限らず、表示器300の枠体に設けられたLED等の発光部の色により商用電源使用かバッテリー使用かを識別するようにしてもよい。
【0044】
節電ボタン722は、テレビジョン受信装置の節電状態(或いは節電モード)のオン、オフを切替えることができる。この節電ボタン722が操作され、節電モードがオンされると、バッテリー553の長時間の駆動時間を確保するために、テレビジョン受信装置は、例えば、画面の明るさが暗くなるとともに、画質パラメータが省電力を実現できるような値に変更され、節電状態となる。節電状態で、節電ボタン722が再度操作されると、節電モードがオフとなり、画面の明るさが標準の明るさに戻る。節電は画面の明るさを低減するのみならず、映像のサイズを縮小したり、高画質化プロセッサ201aをオフにしたり、インターフェース制御系401aをオフにしたり、スピーカ出力の代わりにヘッドホーン出力にする等の消費電力を削減できる種々の要素を含む。
【0045】
地デジ(地上デジタル放送の略)のボタン723を操作すると、フルセグメント受信状態となる。ワンセグのボタン724を操作すると、ワンセグメント受信状態となる。フルセグメント受信状態とワンセグメント受信状態に応じて、図1で説明した室内アンテナ105が利用される。ワンセグメント受信状態はフルセグメント受信状態よりも消費電力が少ないので、節電ボタン722が押された時に、フルセグメント受信状態からワンセグメント受信状態に自動的に切り換えても消費電力を削減できる。さらに、音声出力のモノラル出力はステレオ出力よりも消費電力が小さいので、節電ボタン722が押された時に、ステレオ出力状態からモノラル出力状態に自動的に切り換えても消費電力を削減できる。
【0046】
UHFアンテナ101と室内アンテナ105の使用状態がアンテナ接続基板108のスイッチ回路において自動的に切替えられてもよい。ボタン1−12は、チャンネル選択ボタン群730である。ボタン726は、音量調整用であり、+側を押すと、音量が増大し、−側を押すと音量が低下する。ボタン727は、チャンネル切換用であり、ボタンの上側(図面上)を押さえるとチャンネル番号が増加する方向へ受信チャンネルが変化し、ボタンの下側(図面上)を押さえるとチャンネル番号が低下する方向へ受信チャンネルが変化する。
【0047】
ボタン731は、現在受信しているチャンネルの放送局名、番組名、チャンネル番号、ワンセグメント又はフルセグメント、音声の種類(モノラル又はステレオ)などの詳細情報を一時的に表示するために利用される。ボタン732は、音声出力を停止させる(所謂消音させる)ために用いられる。ボタン733は、クイックメニュー(所謂簡易メニュー)を表示するために用いられる。クイックメニューのボタン733を押すと、映像設定項目、音声設定項目、省エネ設定項目、受信機能設定項目などが表示される。ユーザは、所望の項目をカーソル移動により選択し、決定ボタン(図示せず)を押すと、選択した項目内に設定されている詳細項目が表示される。
【0048】
ボタン74L,74R,74U,74Dは、カーソルを移動させることができるボタンであり、それぞれのボタンを操作すると、カーソルを画面上で左、右、上、下に移動させることができる。またボタン741は、決定を行うときに操作するボタンである。
【0049】
ボタン745は、映像メニューを表示させるための操作ボタンであり、ボタン746は番組表を表示させるための操作ボタンである。ボタン747は、操作経過において、以前の操作状態に戻るための操作ボタンである。ボタン747は、現在のモードを終了させるための操作ボタンである。
【0050】
リモートコントローラ700のいくつかのボタン、例えば、ピークシフトボタン721、節電ボタン722、音量調整ボタン726、チャンネル切換ボタン727に相当するボタンは手動操作部456にも配置されている。
【0051】
図4は図1のテレビジョン受信装置の動作の一例である代表的なフローチャートである。プラグ551がコンセントに接続されると、ブロックB102で手動操作部456の電源ボタンまたはリモートコントローラ700の電源ボタン711によりテレビジョン受信装置の電源がオンされたか否か判定する。電源がオンされると、ブロックB104で通常モードの動作が実施される。通常モードでは、商用電源が使用され、フルセグメント受信回路112によりフルセグメント受信状態とされ、高画質化プロセッサ201aはオンされ、HDMIインターフェース制御系401aはオンされ、音声信号はスピーカ(図示せず)に出力される。通常モードは節電を考慮しない状態であり、これ以外の要素も節電を考慮しない状態に設定される。なお、ブロックB104では、通常モードに限らず、前回の電源オフの直前に設定されていたモードの動作を実施しても良い。このためには、電源がオフされると、直前に設定されていたモードの情報をRAM451に格納し、ブロックB104でこの情報に基づいてモードを設定すればよい。
【0052】
ブロックB106で手動操作部456の節電ボタン(図示せず)またはリモートコントローラ700の節電ボタン722がオンされたか否か判定する。節電ボタンがオンされる毎に、ブロックB108で節電モードのオン、オフが切換えられる。すなわち、節電モードがオフの時に節電ボタンがオンされると、節電モードがオンされ、節電モードがオンの時に節電ボタンがオンされると、節電モードがオフされる。節電モードの動作の一例は図5に示す。
【0053】
ブロックB106で節電ボタンのオンが検出されない場合、あるいはブロックB108の次に、ブロックB110で手動操作部456のピークシフトボタン(図示せず)またはリモートコントローラ700のピークシフトボタン721がオンされたか否か判定する。ピークシフトボタンがオンされる毎に、ブロックB112でバッテリー駆動モードのオン、オフが切換えられる。すなわち、バッテリー駆動モードがオフの時にピークシフトボタンがオンされると、バッテリー駆動モードがオンされ、バッテリー駆動モードがオンの時にピークシフトボタンがオンされると、バッテリー駆動モードがオフされる。バッテリー駆動モードの一例は図6に示す。
【0054】
ブロックB110でピークシフトボタンのオンが検出されない場合、あるいはブロックB112の次に、ブロックB114で手動操作部456の電源ボタンまたはリモートコントローラ700の電源ボタン711によりテレビジョン受信装置の電源がオフされたか否か判定する。電源がオフされていない場合は、ブロックB106に戻る。
【0055】
このように、節電ボタンとピークシフトボタンはそれぞれ操作される毎に節電モードとバッテリー駆動モードがオン/オフされる。そのため、本実施形態のテレビジョン受信装置は、2つのモードのオン/オフ状態に従って、(1)節電モード、(2)バッテリー駆動モード、(3)(節電+バッテリー駆動)モード、(4)通常(非節電+商用電源駆動)モードの4つのモードのいずれかに設定される。(3)(節電+バッテリー駆動)モードの節電はバッテリーの駆動時間を確保するための節電であるが、(1)節電モードは、電力の需要のピーク時等の大規模停電を避けるために、商用電源駆動時に電力会社から供給される電力を少しでも使わないようにするための節電である。
【0056】
図5は図4のブロックB108の節電モードのオン/オフ切換え動作の一例を示す。節電モードは複数の節電要素を含み、いずれの要素で節電するかは、ユーザ設定により予め決めておくことができる。初期設定は全ての要素で節電するようになっている。ユーザ設定はメニューから節電要素の選択ができるようになっている。ここでは、説明の便宜上、節電要素は最大で(1)画面の輝度、(2)映像サイズ、(3)高画質化処理、(4)HDMIリンク、(5)音声出力の5つが設定可能であるとする。各要素が設定されているか否かを判定し、設定されている節電要素に応じた処理が実施される。節電要素としては、これら以外にも、ワンセグメント受信状態やモノラル音声出力状態を含めても良い。
【0057】
ブロックB122で輝度が設定されているか否か判定する。設定されている場合は、ブロックB124でバックライトの照度を低減する。これにより、バックライトの消費電力を削減することができる。照度低減動作の詳細は後述する。
【0058】
ブロックB126で映像サイズが設定されているか否か判定する。設定されている場合は、ブロックB128で表示する映像のサイズを縮小する。これによっても消費電力を削減することができる。映像サイズ縮小動作の詳細は後述する。
【0059】
ブロックB130で高画質化処理が設定されているか否か判定する。設定されている場合は、ブロックB132で高画質化プロセッサ201aをオフする。これにより、高画質化プロセッサ201aの消費電力を削減することができる。
【0060】
ブロックB134でHDMIリンクが設定されているか否か判定する。設定されている場合は、ブロックB136でHDMIリンクをオフするためにインターフェース制御系401aをオフする。これにより、インターフェース制御系401aの消費電力を削減することができる。
【0061】
ブロックB138で音声出力が設定されているか否か判定する。設定されている場合は、ブロックB140で音声出力をヘッドホーン出力に切り換える。これにより、音声出力に関する消費電力を削減することができる。
【0062】
図6は図4のブロックB112のバッテリー駆動モードのオン/オフの切換え動作の一例を示す。ブロックB204でバッテリー駆動中か否か判定する。既に、バッテリー駆動中の場合は、ブロックB222でバッテリー533の使用状態からACアダプタ552の使用状態へ切り換える。ブロックB224でプラグアイコンを表示する(図3の(B)参照)。
【0063】
ブロックB204で商用電源駆動中が検出された場合は、ブロックB206でACアダプタ552の使用状態からバッテリー533の使用状態へ切り換える。このため、商用電源を介する電力供給会社からの電力を消費することがないので、需要のピーク時の使用電力を削減することができる。さらに、計画停電中等の商用電源が使えない時でも、ピークシフトボタンを押すことにより、バッテリー駆動に切り換えることができ、テレビ番組の視聴が可能となる。ブロックB208でバッテリーアイコンを表示する(図3の(C)参照)。
【0064】
ブロックB212でバッテリー残量をモニタし、一定量減ったか否か判定する。一定量減った場合は、ブロックB214で残量表示を更新する(図3の(C)の斜めラインを1本消す)。
【0065】
ブロックB216でバッテリー残量がしきい値(例えば、7V)以下か判定する。以下でない場合は、ブロックB212に戻り、以下の場合はバッテリー駆動が不可能であるので、商用電源使用状態にするために、ブロックB222が実施される。
【0066】
次に、ブロックB128の表示映像のサイズ縮小を説明する。図7の(A)は通常モードの画像の一例を示している。節電するために、表示領域をフル画面より小さい領域、例えば中央領域に設定することができる(図7の(B))。この場合、画面が小さくなるので、必ずしもフルセグメント受信状態である必要はなく、ワンセグメント受信状態に自動的に切り換えてもよい。
【0067】
ここで、常に同じ領域が使用されると、輝度が高い画像320の領域の表示画素と、画像320の周囲の輝度が低い部分の表示画素の使用時間の差、あるいは、明るさの高い画像320の領域のバックライト素子と、画像320の周囲の明るさの低い部分のバックライト素子の使用時間の差が生じる。この結果、画像表示のために常時使用する領域と使用しない領域の境界に目に付くラインが生じることがある。そこで、このテレビジョン受信装置は、画像320の表示位置を、例えば図7の(B)、(C)、(D)に示すように、移動させることができる。画像320の表示位置を移動させる時期は、例えばコマーシャルが始まったとき、あるいは一定時間が経過した時点、及びこれらを組み合わせた時点など種々の実施形態が可能である。
【0068】
さらに、節電を行う目的で、表示する画像320領域の面積(大きさ)を設定することができる(図7の(E))。
【0069】
図8の(A)、(B)は、表示エリアを可変可能な表示器300のエッジ型のバックライト部の構成例を示している。この表示器300は、導光板331を有し、この導光板331の垂直方向の厚み面に対向して、水平光源332が配置され、水平方向の厚み面に対向して垂直光源333が配置されている。各光源332、333から出射された光は、導光板331内で反射して導光板331の前面方向へ出力し、バックライトとして機能する。光源の素子としては、たとえば複数の発光素子(LED)が使用されている。各光源332、333からの出射光は、前面に向けて均一な光で出力するように導光板331内で拡散されている。
【0070】
水平光源332及び垂直光源333は、例えば、その8つの出射源H1−H8、V1−V8を有し、それぞれの出射源をオンオフ制御可能である。そのために、例えば、出射源H1、H8と、V1、V8をオフすると、導光板331の周囲の領域を暗くすることができる。暗い領域と明るい領域の境界が明確となるわけではないが、バックライト領域を制御することが可能である。
【0071】
したがって、図7の(B)から(E)で説明したような領域の画像320を表示する場合は、信号処理器は、画像320の周囲の信号は、輝度レベルゼロの画像として出力する。このように、図7の(B)から(E)で説明したような領域の画像320を表示した場合、バックライトの点灯領域を制御し、一層の節電を行うことができる。
【0072】
図9の(A)、(B)は、表示エリアを可変可能な表示器300の直下型のバックライト部の他の構成例を示している。この表示器300は、ガラス基板341の裏側に発光素子(LED)を2次元的に配列した基板342が配置されている。各発光素子は、任意の数の単位でオンオフ制御されることが可能である。したがって図示しないバックライトドライブ回路により、点灯する発光素子の領域を選択的に可変することができる。ガラス基板341の裏側には、光り拡散層が形成されており、外に出射する光が均一化するように工夫されている。したがって、バックライトの光により、全面から見たガラス基板341は、暗い領域と明るい領域の境界が必ずしも明確となるわけではないが、バックライト領域を制御することが可能である。
【0073】
したがって、図7の(B)から(E)で説明したような領域の画像320を表示する場合は、信号処理器は、画像320の周囲の信号は、輝度レベルゼロの画像として出力する。このように、図7の(B)から(E)で説明したような領域の画像320を表示した場合、バックライトの点灯領域を制御し、一層の節電を行うことができる。
【0074】
なお、表示器300のバックライトシステムは、上記の構成に限定されるものではなく、例えば複数の蛍光管を用いたものであってもよい。また表示領域の分割数は上記の説明に限定されるものではない。上記の説明と同じ手法により、表示領域の分割数は、種々設計変更可能である。
【0075】
次に、ブロックB124のバックライトの照度の低減を説明する。図7の例では、映像サイズの縮小に伴いバックライトの点灯領域を縮小し、その結果バックライトの消費電力を低減した。しかし、節電のためには、映像サイズはフルサイズでバックライトの照度の大小を制御してもよい。つまり全体の明るさを低下させることにより、消費電力が低減され節電効果を得ることができる。ブロックB124では映像サイズはフル画面に表示され、バックライトのみ部分的に消灯される。バックライトの照度を低減する場合も、必ずしもフルセグメント受信状態である必要はなく、ワンセグメント受信状態に切り換えてもよい。
【0076】
図10の(A)、(B)はバックライトを間引くものである。図10の(A)の例は、水平ラインのバックライトの制御単位毎に点灯(実線)、消灯(破線)をくり返し、バックライトの照度を半減させる。図8のエッジ型のバックライトの場合は、出射源H1、H3、H5、H7をオンし、出射源H2、H4、H6、H8をオフすることにより、図10(A)の発光パターンが実現できる。図9の直下型のバックライトの場合は、発光させたい水平ラインの直下の発光素子のみをオンすることにより、図10の(A)の発光パターンが実現できる。
【0077】
図10の(B)の例は、水平、垂直方向のバックライトの制御単位毎に点灯(実線のハッチング)、消灯(空白)をくり返し、バックライトの照度を半減させる。図8のエッジ型のバックライトの場合は、出射源H1、H3、H5、H7、V1、V3、V5、V7をオンし、出射源H2、H4、H6、H8、V2、V4、V6、V8をオフすることにより、図10の(B)の発光パターンが実現できる。図9の直下型のバックライトの場合は、発光させたい水平ラインの直下の発光素子のみをオンすることにより、図10の(B)の発光パターンが実現できる。
【0078】
図10の(A)、(B)は間引き率は50%であるが、間引き率はこれに限らず、達成したい節電効果に応じて任意に設定することができる。
【0079】
図10の(C)はバックライトの各光源の照度を低減する例を示す。一点鎖線は照度が低減されていることを示す。低減率も半減に限らず、任意の低減率を設定可能である。
【0080】
図10の(A)〜(C)によれば、映像はフル画面で表示されるが、バックライトの照度を低減することにより、消費電力を任意の割合で低減することができる。
【0081】
図10の(D)はバックライトの発光領域を中央部に限定する例を示す。映像は中央部が重要である場合が多いので、周辺部のバックライトの照度を低減しても番組の視聴に支障がない場合が多い。
【0082】
図10の(A)、(B)の間引き制御あるいは図10の(C)の光源の照度可変制御と、図10の(D)の発光領域制御とを組み合わせてもよい。
【0083】
表示器300が大型化している昨今、ディスプレイの消費電力を節約することは、社会全体の節電の観点からみると、有効な手立てである。またテレビジョン受信装置が、ワンセグ受信状態に切換るだけであっても節電効果を得ることができる。
【0084】
このテレビジョン受信装置は上記した動作が可能である。このテレビジョン受信装置は、制御ブロック400の設けられるアプリケーションにより、上記した動作を種々の組み合わせた動作を得ることができる。
【0085】
ワンセグメント受信状態で、制御ブロック400は、信号処理器200の出力映像信号が供給される表示器を、全画面領域での画像表示状態にすることができる。また別の態様では、ワンセグメント受信状態で、制御ブロック400は、信号処理器200の出力映像信号が供給される表示器を、画面の一部領域での画像表示状態にし、かつバックライトの一部領域をオフすることができる。さらにまた別の態様では、ワンセグメント受信状態で、制御ブロック400は、信号処理器200の出力映像信号が供給される表示器を全画面領域での画像表示状態から、前記バッテリーの残量が所定の値に低下すると、画面の一部領域での画像表示状態にし、かつバックライトの一部領域をオフすることができる。また別の態様では、ワンセグメント受信状態で、制御ブロック400は、信号処理器200の出力映像信号が供給される表示器を全画面領域の画像表示状態にした状態と、前記表示器の画面の一部領域の画像表示状態でかつバックライトの一部領域をオフすることができ、視聴者の操作に基づいて入力される選択信号に応答して、何れか一方の画像表示状態を設定することができる。また視聴者に対して視聴者の操作を促すコメントを表示器で表示することができる。
【0086】
またさらに別の態様では、ワンセグメント受信状態に移行した場合、チューナ110は外部アンテナからの放送信号を入力し、電源出力回路500は外部アンテナ101のブースター102に電源を供給することができる。また別の態様では、ワンセグメント受信状態に移行した場合、チューナ110は外部アンテナ101からの放送信号を入力し、電源出力回路500は外部アンテナのブースター102への電源供給を停止することができる。また別の態様では、ワンセグメント受信状態に移行した場合、チューナへの入力が付属アンテナからの放送信号を入力に切換り、電源出力回路500は外部アンテナのブースター102への電源供給を停止することができる。このときアンテナは自動的に切換られてもよいし、表示器により視聴者に対して、アンテナの切換を促すコメントを表示しても良い。
【0087】
また別の実施態様では、バッテリーの残量或いは視聴者の操作に応じて、図7の(A)〜(E)で説明した画像320の表示領域の大きさを可変することができる。または、映像出力を活かして、音声系統の回路をオフし、電力節約することができるし、または、音声を活かして、映像出力を停止して電力節約を図ることができる。
【0088】
図11には、上記テレビジョン受信装置の各種設定を行うためのメニューの例を示している。リモートコントローラ700のクイックメニューのボタン733(図2参照)を操作すると、メニューが表示器300に表示され、このメニューの項目として「映像設定」、「音声設定」、「省エネ設定」、「受信器設定」の項目がある。ここで、視聴者は、ボタン74U或いはボタン74Dを操作し、カーソルを移動させ、所望の項目を選択することができる。今、視聴者が「省エネ設定」の項目331をカーソルにより選択し、決定ボタン741を押すと、次の階層のメニューが表示される。このメニューには、項目として、「番組情報取得設定」、「無操作自動電源オフ」、「オンエアー無信号オフ」、「外部入力無信号オフ」、「夜間充電」という項目が含まれる。各項目にカーソルを移動させると、それぞれ項目をオン又はオフするためのオンオフボタンが表示される。
【0089】
例えば、「番組情報取得設定」にカーソルを合わせると、同時にオンオフボタンが表示される。ここで、視聴者がボタン74U或いはボタン74Dを操作し、「オン」を選択して決定ボタン741を押すと、電源がオフのとき(待機状態のとき)デジタル放送の番組情報を取得する機能が設定される、しかし「オフ」を選択して決定ボタン741を押すと、番組情報を取得しないように設定される。
【0090】
次に、「無操作自動電源オフ」にカーソルを合わせると、同時にオンオフボタンが表示される。ここで、視聴者がボタン74U或いはボタン74Dを操作し、「オン」を選択して決定ボタン741を押すと、テレビジョン受信装置の無操作状態が約3時間続くと、電源がオフとなり待機状態となる。「オフ」を選択した場合は、無操作状態の時間が約3時間続いても、電源はオンのままとなる。
【0091】
次に、「オンエアー無信号オフ」にカーソルを合わせると、同時にオンオフボタンが表示される。ここで、視聴者がボタン74U或いはボタン74Dを操作し、「オン」を選択して決定ボタン741を押すと、放送受信時に、無信号状態が約15分続くと、電源がオフとなり、待機状態となる。「オフ」を選択した場合は、無信号状態が続いても電源はオンのままである。
【0092】
次に、「外部入力無信号オフ」にカーソルを合わせると、同時にオンオフボタンが表示される。ここで、視聴者がボタン74U或いはボタン74Dを操作し、「オン」を選択して決定ボタン741を押すと、外部入力選択時に無信号状態が約15分続くと、電源がオフとなり、待機状態となる。「オフ」を選択した場合は、無信号状態が続いても電源はオンのままである。
【0093】
次に、「夜間充電」にカーソルを合わせると、同時にオンオフボタンが表示される。ここで、視聴者がボタン74U或いはボタン74Dを操作し、「オン」を選択して決定ボタン741を押すと、例えば夜の10時から朝の9時までの間に自動的にバッテリーを充電する(ただし装置が待機状態にあるとき)。「オフ」を選択した場合は、装置の電源がオフであり、待機状態にあるときにバッテリーを充電する。
【0094】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0095】
101…UHFアンテナ、102…ブースター、110…チューナ、111…フルセグメント受信回路、112…ワンセグメント受信回路、200…信号処理器、201…映像信号処理回路、201a…高画質化プロセッサ、300…表示器、302…電源表示ランプ、400…制御ブロック、401…主MPU、402…副MPU、455…リモコン信号受信部、456…手動操作部、500…電源出力回路、552…ACアダプタ、553…バッテリー、700…リモートコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーで駆動可能なテレビジョン受信装置であって、
第1、第2のモード指定信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記第1のモード指定信号に応じてバッテリー駆動モードのオン、オフを切り換える第1の切換え手段と、
前記受信部により受信された前記第2のモード指定信号に応じて節電モードのオン、オフを切り換える第2の切換え手段と、
前記第1、第2の切換え手段により設定されたモードに応じて電源制御を行う電源コントローラと、
を具備するテレビジョン受信装置。
【請求項2】
表示部をさらに具備し、
前記電源コントローラは節電モード時に前記表示部のバックライトの照度を低減する手段を具備する請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項3】
前記電源コントローラは節電モード時に前記表示部のバックライトを1行または複数行毎にオフする手段を具備する請求項2記載のテレビジョン受信装置。
【請求項4】
前記電源コントローラは節電モード時に前記表示部のバックライトを部分的にオフする手段を具備する請求項2記載のテレビジョン受信装置。
【請求項5】
前記表示部で表示される映像信号のサイズを前記バックライトの部分的にオフされた領域に応じて小さくする手段をさらに具備する請求項4記載のテレビジョン受信装置。
【請求項6】
高画質化処理部をさらに具備し、
前記電源コントローラは節電モード時に前記高画質化処理部をオフする手段を具備する請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項7】
所定の規格のインターフェースケーブルを介して外部機器が接続される該所定の規格の端子と、
前記端子に前記インターフェースケーブルが接続されているか否かを判定する問合せ部とをさらに具備し、
前記電源コントローラは節電モード時に前記問合せ部をオフする手段を具備する請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項8】
ヘッドホーン端子とスピーカとをさらに具備し、
前記電源コントローラは節電モード時に音声信号を前記ヘッドホーン端子に出力する手段を具備する請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項9】
前記モード切換え信号はリモートコントローラから送信される請求項1記載のテレビジョン受信装置。
【請求項10】
バッテリー駆動モードのオフを表す第1のアイコンと、バッテリー駆動モードのオン及びバッテリーの残量を表す第2のアイコンとを表示する表示部をさらに具備する請求項1記載のテレビジョン受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−5104(P2013−5104A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132405(P2011−132405)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【特許番号】特許第5060641号(P5060641)
【特許公報発行日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】