説明

テレビジョン受像機、携帯情報端末、それらを含む情報交換システム

【課題】すれ違ったユーザ同士がテレビ番組に対する意見交換を行うことができる臨場感のある情報交換システムを提供することである。
【解決手段】テレビジョン受像機1と、テレビジョン受像機1及び他の携帯情報端末3と近距離通信する携帯情報端末2とを含む情報交換システムにおいて、テレビジョン受像機1は、指定された番組の識別子及び番組名を含む番組情報を放送波から取得し、該番組情報を近距離通信の範囲内にある携帯情報端末2に送信し、携帯情報端末2は、テレビジョン受像機1から番組情報を取得し、取得した番組情報に関連付けてコメントの入力を受け付け、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末3との間でコメントを交換する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像機、携帯情報端末、テレビジョン受像機と携帯情報端末とを含む情報交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以前はデータの送受信やダウンロードを行うためにネットワークへ接続するにはユーザの指示が必要であった。しかし、近年、携帯情報端末においてアクセスポイントとの距離が一定でない環境であるために常時接続ができない状況であっても、必要なときに自動的にアクセスポイントへの接続を試みることで、常時接続に類似した接続状態を実現できるいわゆる「すれ違い通信」と呼ばれる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これにより、携帯情報端末はユーザからの指示がなくても必要なときにアクセスポイントへ接続し、所定のデータ通信処理を行うことができる。この技術は「すれ違い通信機能」として携帯型ゲーム機器に搭載されてきた。
【0004】
ところで、視聴したテレビ番組や毎週視聴しているテレビ番組について、多くのメンバーや見知らぬ人達と感想/意見を交換したいと思った場合、インターネット上のコミュニティに投稿する方法が一般的となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4676033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コミュニティを利用する場合、ユーザが所望する情報だけでなく、ユーザにとって無益な情報又は不快な情報も含まれていることがある。また、ユーザが感想/意見をコミュニティに投稿していない時も他人の投稿は更新されていくため、ユーザにとって参加している感覚が希薄になりがちである。そのため、あまり活用することができず、有益な情報交換ができない。
【0007】
一方、上述したすれ違い通信ではコミュニティを介さずに他のユーザと情報交換することができるので、新たなコミュニケーション手段となる可能性がある。
【0008】
本発明は、すれ違ったユーザ同士がテレビ番組に対する意見交換を行うことができる臨場感のある情報交換システムを提供することを目的とする。また、そのシステムを実現するテレビジョン受像機及び携帯情報端末を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の情報交換システムは、テレビジョン受像機と、該テレビジョン受像機及び他の携帯情報端末と近距離通信する携帯情報端末とを含む情報交換システムにおいて、前記テレビジョン受像機は、指定された番組の識別子及び番組名を含む番組情報を放送波から取得し、該番組情報を近距離通信の範囲内にある前記携帯情報端末に送信し、前記携帯情報端末は、前記テレビジョン受像機から前記番組情報を取得し、取得した番組情報に関連付けてコメントの入力を受け付け、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記コメントを交換することを特徴とする。
【0010】
上記の情報交換システムにおいて、前記携帯情報端末は、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記識別子を比較し、一致した識別子に関連付けてあるコメントを交換するようにしてもよい。
【0011】
また上記の情報交換システムにおいて、前記コメントは、ユーザの意見及び評価を含み、前記携帯情報端末は、前記評価を集計し、前記携帯情報端末又は前記テレビジョン受像機は、前記評価の集計結果を表示するようにしてもよい。
【0012】
また上記の情報交換システムにおいて、前記携帯情報端末は、他の携帯情報端末との近距離通信の実行条件を設定できるようにしてもよい。
【0013】
また上記の情報交換システムにおいて、前記近距離通信の実行条件は、ユーザのプロフィール情報を含むようにしてもよい。
【0014】
また上記の情報交換システムにおいて、前記携帯情報端末は、現在地の位置情報を取得する現在地取得部を有し、他の携帯情報端末とコメントを交換した場所を取得し、交換したコメントに関連付けるようにしてもよい。
【0015】
また上記の情報交換システムにおいて、前記携帯情報端末は、コメントの交換が行われた場合、その旨を報知するようにしてもよい。
【0016】
また本発明のテレビジョン受像機は、携帯情報端末と近距離通信するテレビジョン受像機において、指定された番組の識別子及び番組名を含む番組情報を放送波から取得し、該番組情報を近距離通信の範囲内にある前記携帯情報端末に送信することを特徴とする。
【0017】
上記のテレビジョン受像機において、前記携帯情報端末から前記番組情報に関連付けられたコメントを取得して表示するようにしてもよい。
【0018】
また本発明の携帯情報端末は、テレビジョン受像機及び他の携帯情報端末と近距離通信する携帯情報端末において、前記テレビジョン受像機から番組の識別子及び番組名を含む番組情報を取得し、取得した番組情報に関連付けてコメントの入力を受け付け、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記コメントを交換することを特徴とする。
【0019】
上記の携帯情報端末において、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記識別子を比較し、一致した識別子に関連付けてあるコメントを交換するようにしてもよい。
【0020】
また上記の携帯情報端末において、前記コメントは、ユーザの意見及び評価を含み、前記評価を集計し、前記評価の集計結果を表示するようにしてもよい。
【0021】
また上記の携帯情報端末において、他の携帯情報端末との近距離通信の実行条件を設定できるようにしてもよい。
【0022】
また上記の携帯情報端末において、前記近距離通信の実行条件は、ユーザのプロフィール情報を含むようにしてもよい。
【0023】
また上記の携帯情報端末において、現在地の位置情報を取得する現在地取得部を有し、他の携帯情報端末とコメントを交換した場所を取得し、交換したコメントに関連付けるようにしてもよい。
【0024】
また上記の携帯情報端末において、コメントの交換が行われた場合、その旨を報知するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、ユーザが活動する場所ならどこでも番組に関する情報交換を行うことができる環境を提供することができる。したがって、街中等の公共の場、毎日通う道や行きつけの店において、すれ違った見知らぬユーザ同士で直ぐに直接意見交換ができるため、街中へ出かけたくなるような、あるいはいつもの場所においても、今までになかった臨場感あるコミュニケーションを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の情報交換システムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の携帯情報端末の平面図である。
【図3】メニュー画面の一例を示す図である。
【図4】情報交換に関するテレビジョン受像機の動作を示すフローチャートである。
【図5】情報交換に関する携帯情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】コメントの入力画面の一例を示す図である。
【図7】図6のコメントの入力画面にポップアップ画面を重畳表示した図である。
【図8】情報交換に関する携帯情報端末間の動作を示すフローチャートである。
【図9】情報交換した番組のコメントの一覧画面の一例を示す図である。
【図10】集計結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、各図面を用いながら以下に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報交換システムのブロック図である。情報交換システムは、テレビジョン受像機1と、携帯情報端末2、3とを含んでいる。
【0029】
テレビジョン受像機1は、チューナ/デスクランブラ11、DEMUX回路12、AVデコーダ13、信号処理回路14、入力切替回路15、映像処理回路16、スケーラ17、複合回路18、映像出力回路19、ディスプレイ20、音声処理回路21、音声出力回路22、スピーカ23、リモコン送信機24、リモコン受光器25、システムコントローラ26、メモリ27、およびOSD表示回路28、インターネット処理回路29、通信IF(インターフェース)31などを備えている。
【0030】
テレビジョン受像機1にはアンテナ等が接続されており、複数種のテレビ放送(例えば、CS/BSデジタル放送、地上デジタル放送、CATVなど)の信号が伝送される。またテレビジョン受像機1にはコンテンツの外部再生機器(例えば、DVDプレイヤなど)が接続されており、当該外部再生機器から出力された外部再生(外部入力)信号が伝送される。
【0031】
チューナ/デスクランブラ11は、外部から伝送されてきたテレビ放送信号に対して、現時点で設定されている受信チャンネルの信号を抽出する処理(選局処理)、ならびに、所定の高周波処理、スクランブル解除処理、および復調処理などを施す。これらの処理により得られた信号は、パケットとしてDEMUX回路12に送出される。なお「受信チャンネル」については、システムコントローラ26によって切替可能となっている。
【0032】
DEMUX回路12は、チューナ/デスクランブラ11から受取ったパケットの復号を行う。ここで当該パケットは、DEMUX回路12において、テレビ番組の内容を表すMPEGデータと付属情報とに分類される。そしてMPEGデータはAVデコーダ13へ、付属情報はシステムコントローラ26へ、それぞれ送出される。なお付属情報は、例えば現在放送中または将来放送される予定のテレビ番組の番組情報(番組固有の識別子(以下、番組IDと記すことがある)及び番組名を含む)、電子番組案内(EPG)、放送業者からのお知らせ等の情報であり、テレビ番組のコンテンツの情報とともに所定の時間間隔で放送されるものである。
【0033】
付加情報は、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)の場合はSI/PSIに記載されており、ATSC(Advanced Television Systems Committee)の場合はPSIPに記載されている。
【0034】
AVデコーダ13は、DEMUX回路12から受取ったMPEGデータを映像信号と音声信号にデコードし、映像信号および音声信号を、入力切替回路15へ送出する。
【0035】
信号処理回路14は、外部から受取った外部再生信号に基づいて、再生内容(コンテンツ)を表す映像信号と音声信号を取得する。信号処理回路14は、取得した映像信号および音声信号を、入力切替回路15へ送出する。
【0036】
入力切替回路15は、テレビ放送信号および外部再生信号のうちの一方を、入力対象として設定する。そして入力切替回路15は、前段側から伝送されてきた映像信号および音声信号のうち、現時点での入力対象に対応するものだけを、後段側の回路に伝送する。
【0037】
すなわち入力切替回路15は、テレビ放送信号が入力対象に設定されているときは、AVデコーダ13から伝送されてきた映像信号および音声信号を、それぞれ映像処理回路16および音声処理回路21へ伝送する。一方、外部再生信号が入力対象に設定されているときは、信号処理回路14から伝送されてきた映像信号および音声信号を、それぞれ映像処理回路16および音声処理回路21へ伝送する。なお入力対象については、システムコントローラ26によって切替可能となっている。
【0038】
また映像処理回路16は、入力切替回路15から受取った映像信号に対し、各種の処理を施してスケーラ17に送出する。映像処理回路16が行う処理には、各種の画質調整の処理(例えば、コントラスト調整、輝度調整、シャープネス調整など)が含まれている。
【0039】
スケーラ17は、システムコントローラ26の指示に応じて、映像が子画面化されて表示されるようにする処理(子画面化処理)を映像信号に施し、複合回路18に送出する。
【0040】
複合回路18は、スケーラ17から映像信号を、OSD表示回路28からOSD信号(OSD表示画面を表す信号)を、インターネット処理回路29からネットコンテンツの映像信号をそれぞれ受取り、これらの信号の表示内容を複合させた(重ね合わせた)内容を表す表示信号を生成する。当該表示信号は、映像出力回路19に送出される。
【0041】
映像出力回路19は、受取った表示信号をディスプレイ20に送出し、当該表示信号の内容がディスプレイ20に表示されるようにする。なおディスプレイ20は、例えばCRT[Cathode Ray Tube]や液晶ディスプレイなど、種々のディスプレイが採用され得る。
【0042】
音声処理回路21は、入力切替回路15から受取った音声信号に対し、必要な所定処理を施して音声出力回路22に送出する。また音声出力回路22は、受取った音声信号をスピーカ23に送出し、当該音声信号が表す音声が出力されるようにする。
【0043】
リモコン[リモートコントロール]送信機24は、テレビジョン受像機1の遠隔操作に用いられる操作手段である。リモコン送信機24は、押しボタン式の各種操作キーを有し、操作キーに応じた操作内容を示すリモコン信号を生成してテレビジョン受像機1の本体側に無線送信する。テレビジョン受像機1の本体側では、リモコン受光器25を通じたリモコン信号の受信が行われ、操作内容の情報がシステムコントローラ26に伝送される。なおリモコン送信機24の他に、本体側に取付けられた複数種の操作キー(不図示)が、テレビジョン受像機1の操作手段として設けられている。
【0044】
これらの操作手段が設けられていることにより、テレビジョン受像機1は、各種動作にユーザの操作(ユーザの意図)を反映させることが可能となっている。なおリモコン送信機24や本体側に設けられている操作キーの種類としては、「入力切替(INPUT)」キー、「チャンネル+」キー、「チャンネル−」キー、「メニュー(MENU)」キー、各数字キー(「0」〜「9」)、選択キー(「上」、「下」、「右」、「左」、「ENTER」)、「インターネット(NET@)」キー、赤緑黄青のカラーキー(「R」、「G」、「Y」、「B」)「取消(RECALL)」キー、「イグジット(EXIT)」キーなどが用意されている。
【0045】
「入力切替」キーは、先述した入力対象を切替えさせるための操作キーである。「チャンネル+」キーは、先述した受信チャンネルを昇順に切替えさせるための操作キーであり、「チャンネル−」キーは、受信チャンネルを降順に切替えさせるための操作キーである。「メニュー」キーは、テレビジョン受像機1の動作モードを、通常モードとメニューモードの間で交互に切替えさせるための操作キーである。
【0046】
システムコントローラ26は、テレビジョン受像機1が正常に動作するように、テレビジョン受像機1の各部を制御する。なおテレビジョン受像機1の主な動作内容については、改めて説明する。
【0047】
メモリ27は、各種のOSD表示画面(ディスプレイ20にOSD表示させるための画面)などの情報を格納している。なおOSD表示画面としては、メニュー画面、ミニメニュー画面、各種項目の画質調整画面、各種項目の音質調整画面、及び各種項目のヘルプ画面などが、予め既定画面として用意されており、それぞれの情報がメモリ27に格納されている。
【0048】
OSD表示回路28は、システムコントローラ26からOSD制御信号(OSD表示画面の情報を含んでいる)を受取り、この信号に基づいてOSD表示画面を表すOSD信号を生成し、複合回路18に送出する。これにより、ディスプレイ20にOSD表示画面がOSD表示されることになる。システムコントローラ26がメモリ27からOSD表示画面の情報を読出してOSD制御信号を生成し、OSD表示回路28に送出することにより、このOSD表示画面がディスプレイ20にOSD表示される。
【0049】
インターネット処理回路29は、インターネット30への接続を行う機能、インターネット30を通じて所定のサーバからネットコンテンツの提供を受け、このネットコンテンツの映像信号を複合回路18へ送出し、ネットコンテンツの音声信号を音声出力回路22へ送出する。
【0050】
また、インターネット処理回路29は、システムコントローラ26の指示に応じて、ネットコンテンツが子画面化されて表示されるようにする処理(ティッカー方式などの子画面化処理)を施し、複合回路18に送出する。なお、子画面化処理には、ネットコンテンツの一部の情報が所定位置に表示されるようにする処理などが含まれる。
【0051】
通信IF(インターフェース)31は、携帯情報端末2と近距離通信する。近距離通信の手段としては、IEEEによってIEEE802.15.1として標準化されているBluetoothなどを用いることができる。この場合、システムコントローラ26と携帯情報端末2、3には機器間で無線ネットワークを構築するために策定されたPAN(Personal Area Network)が実装される。システムコントローラ26はこのプロファイルにしたがったプロトコルにより通信制御信号及び通信データ(例えば指定された番組情報)を通信IF31に送出し、通信IF31は近距離通信の範囲内にある携帯情報端末2とハンドシェークをとりながら通信データを送信する。
【0052】
携帯情報端末2、3は、スマートフォンをはじめ、各種携帯電話機、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)などである。図2は、携帯情報端末2、3の一例の平面図である。携帯情報端末2、3は、タッチパネルディスプレイ40と、押しボタン式の各種操作キーからなるキー操作部41と、LED表示部42と、情報交換システムのプログラムと、番組情報やコメント等を保存するメモリと、現在地の位置情報を取得するGPS部(現在地取得部)と、時計部と、近距離通信を行う通信IFと、を備えている。
【0053】
テレビジョン受像機1を購入したユーザは、携帯情報端末2、3のアプリケーションをインターネットからダウンロードして利用する。また、製造時にテレビジョン受像機1に携帯情報端末2、3のアプリケーションを保存しておき、テレビジョン受像機1を購入したユーザがテレビジョン受像機1からアプリケーションを取得するようにしてもよい。
【0054】
携帯情報端末2は、テレビジョン受像機1から番組情報(通信データ)を取得して保存し、取得した番組情報に関連付けてユーザによるコメント(意見や評価)の入力を受け付ける。そして、携帯情報端末2は近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末3との間でコメントを(必要であれば番組情報も)交換し、他の携帯情報端末3とコメントを交換した場所を取得し、交換したコメントに関連付けて保存する。
【0055】
なお、近距離通信は、携帯情報端末2、3同士が直接通信する場合と、街中に設置された中継ポイント(不図示)を介して間接的に通信する場合とを含む。中継ポイントを介する場合、一時的に中継ポイントに通信データを記憶しておくことで、時間差で送受信することができる。中継ポイントから位置情報を取得してもよく、この場合、携帯情報端末2、3はGPS部を備えていなくてもよい。携帯情報端末2、3同士の近距離通信には、Bluetooth、Wi−Fi、3G機能等を用いることができる。
【0056】
次に、情報交換システムの主な動作内容について説明する。まず、テレビジョン受像機1の主要な動作について説明する。テレビジョン受像機1は基本動作(通常モードでの動作)として、現時点での入力対象や受信チャンネルに応じたコンテンツ信号を継続的に受信し、受信されたコンテンツ信号のリアルタイムな映像表示(コンテンツの表示)および音声出力を行う。
【0057】
なお「入力切替」キーが操作された場合、システムコントローラ26はこれを受け、入力対象を切替える。また「チャンネル+」キー或いは「チャンネル−」キーが操作された場合、システムコントローラ26はこれを受け、受信チャンネルを切替える。なお各数字キー(「0」〜「9」)を用いた1桁〜4桁のチャンネル番号の入力により、受信チャンネルをその番号のチャンネルに直接切替えることも可能となっている。
【0058】
このようにして入力対象或いは受信チャネルが切替えられたときは、受信されるコンテンツ信号が切替り、以降は、切替後の新たなコンテンツ信号の映像および音声が出力されることになる。つまり、ディスプレイ20に表示される表示コンテンツの切替が行われることになる。
【0059】
またシステムコントローラ26は、受信により得られている付属情報等に基づいて、テレビ番組のタイトルやガイド等のOSD表示画面を表すOSD制御信号を生成し、ディスプレイ20にこれらを表示することが可能となっている。
【0060】
また通常モードにおいて「メニュー」キーが操作されたとき、テレビジョン受像機1の動作モードはメニュー画面を表示するメニューモードに移行する。一方、メニューモードにおいて「メニュー」キーが操作されたとき、テレビジョン受像機1の動作モードは通常モードに移行する。
【0061】
図3は、メニュー画面の一例である。図3ではメニュー画面中の「番組関連」を選択し、次に表示されたその下位項目の中の「番組情報出力」にカーソルが位置している状態を示している。
【0062】
次に、情報交換に関する動作について説明する。図4は、情報交換に関するテレビジョン受像機1の動作を示すフローチャートである。まず、テレビジョン受像機1が通常モードであり、ユーザが視聴中である状態において、ユーザがその番組について他のユーザと感想等の情報を交換したいと思った場合に、リモコン送信機24の「メニュー」キーが操作される。
【0063】
それに応じてテレビジョン受像機1は、ステップ10において、「メニュー」キーが操作されたことを検出し、ステップS11へ進んでメニュー画面を表示する。そして、ステップS12へ進んでメニュー画面において図3に示した「番組情報出力」が選択されたか否かを判別する。
【0064】
ステップS12において「番組情報出力」が選択された場合、ステップS13へ進んで視聴中の番組(換言すれば、指定された番組)の付属情報から番組情報(少なくとも番組ID及び番組名を含む)を抽出する。続いてステップS13へ進んで通信IF31を通じて近距離通信の範囲内にある携帯情報端末2へ番組情報を送信し、処理を終了する。このとき、送信が完了した旨をディスプレイ20に表示し、その後、視聴中の番組の画面に切り替える。
【0065】
図5は、情報交換に関する携帯情報端末2の動作を示すフローチャートである。ステップS20において、携帯情報端末2はテレビジョン受像機1から番組情報を受信して保存する。そして、ステップS21においてユーザの操作により情報交換システムのアプリケーションの起動が指示されると、ステップS22へ進んで、図6に示すように、取得した番組情報に関連付けたコメントの入力画面50を表示し、入力を受け付ける。コメントは、ユーザの意見及び評価(総合評価)を含み、本実施形態ではさらに印象も含んでいる。
【0066】
図6の画面50は、コメントを入力する番組名51と、取得した他の番組情報の番組名に切り替えるためのボタン52と、感想や意見を入力する入力欄53と、印象を入力する入力欄54と、総合評価を入力する入力欄55と、入力完了ボタン56と、ホームボタン57と、感想意見ボタン58と、通信条件ボタン59と、集計結果ボタン60と、通信履歴ボタン61と、TV同期ボタン62とで構成される。
【0067】
感想意見ボタン58を操作すると、入力欄53にカーソルが表示され、文字入力が可能となる。そして、ユーザはこの番組に対する意見や感想を入力する。この状態で入力欄54を操作すると、図7に示すようなポップアップ画面63が重畳表示され、何れかの印象を選択することができる。また、図6の状態で入力欄55の1〜5(悪〜良)を操作することで総合評価を5段階から選択することができる。図6では5の評価を選択した状態を示している。
【0068】
携帯情報端末2の動作説明に戻る。ステップ22からはステップS23へ進んで入力完了ボタンが操作されたか否かを判別する。ステップS23において各欄の入力が完了して入力完了ボタンが操作されると、ステップS24へ進んで入力された内容をメモリに保存する。
【0069】
図8は、情報交換に関する携帯情報端末2、3間の動作を示すフローチャートである。携帯情報端末2が街中に持ち出されているとき、ステップS30において、携帯情報端末2は近距離通信の範囲内に他の携帯情報端末3が入ってきたか否かを判別する。ここで他の携帯情報端末も同じ情報交換システムのアプリケーションを搭載していることが前提となる。
【0070】
ステップS30において、街中でユーザ同士がすれ違った場合など、近距離通信の範囲内に他の携帯情報端末3が入ってきた場合、ステップS31へ進んで、他の携帯情報端末3との通信を構築し、携帯情報端末2、3がそれぞれ保存している番組IDを交換し、一致している番組IDがあるか比較する。
【0071】
一致する番組IDがあった場合、ステップS32へ進んで、その一致する番組IDに関連付けて携帯情報端末2、3がそれぞれ保存しているコメントをデータ通信により交換する。このとき、他の携帯情報端末3とコメントを交換した場所及び日時も取得し、交換したコメントに関連付けて保存する。なお、既にさらに他の携帯情報端末との情報交換によって一致する番組IDに関連付けられたコメントを取得している場合は、そのコメントも交換する。
【0072】
コメントの交換が完了すると、ステップS33へ進んで携帯情報端末2は、コメントの交換が行われた旨を報知する。報知方法としては、LED表示部42を点滅させたり、タッチパネルディスプレイ40にメッセージを表示したりすればよい。
【0073】
一方、ステップS31において一致するIDがない場合は処理を終了する。これにより、興味のない番組に関するコメントを取得することがない。なお、ステップS31は必ずしも必要ではなく、ステップS31を省略してステップS30からステップS32へ進むようにしてもよい。この場合、それぞれの携帯情報端末2、3が有するコメント及び番組名を全て交換すればよい。取得したコメントのうち、本携帯情報端末のユーザが見てない番組については、コメント及び番組名を違う色で表示するとより識別しやすい。これは受信したコメントに関連付けられた番組IDを有していたか否かで判別できる。
【0074】
そして、ユーザが報知に気付いてコメントを表示させる操作がなされると、図9に示すように、情報交換した番組のコメントの一覧画面70を表示する。一覧画面70には、AさんとBさんのコメントを新たに受信したことを示すNewのアイコン72が付加されている。また、それぞれのコメントには、受信した日時と場所とが付加されている。この一覧画面70は、ホームボタン57が操作された場合にも表示される。
【0075】
また、図6や図9の画面において、集計結果ボタン60が操作された場合は図10に示すような集計結果画面80を表示する。集計結果画面80は、情報交換した番組毎に、その総合評価の5段階別の人数及び棒グラフと、印象の円グラフとで構成されている。これにより、一目でその番組に関する他のユーザの評価がわかる。この集計結果は、携帯情報端末2で取得したコメントに基づいて算出する。
【0076】
また、通信履歴ボタン61が操作された場合は、例えば、他の携帯情報端末との間で情報交換した履歴を各1行で表示する。履歴としては、情報交換した日時、ユーザ名、番組名などを受信した最新の順番で適宜表示すればよい。
【0077】
また、通信条件ボタン59が操作された場合は、どのような携帯情報端末と情報交換を行うか実行条件を設定する画面(不図示)を表示し、各条件をユーザが設定できるようにする。条件としては、例えば、ユーザのプロフィール(年齢層、性別、居住地域など)や趣向性(番組のジャンルなど)を選択できるようにすればよい。これらの条件を設定した場合は、条件の合致した携帯情報端末とだけ情報交換を行う。
【0078】
また、TV同期ボタン62が操作された場合又はテレビジョン受像機1のメニュー画面で端末同期が選択された場合は、携帯情報端末2が現在表示している図6、7、9、10に示した画面をテレビジョン受像機1へ送信し、テレビジョン受像機1でその画面を表示する。これにより、大画面で表示することができ、特に集計結果等の画面が見やすい。
【0079】
なお、本発明においてテレビジョン受像機が録画機能を有する場合、録画時に番組ID及び番組名を保存しておくことで、再生時にメニュー画面から番組情報出力が可能となる。また、携帯情報端末2がテレビジョン受像機1から番組情報を取得していない過去の番組について情報交換したい場合は、携帯情報端末2で過去の番組情報をインターネット30から取得することで可能となる。また、将来の番組について情報交換したい場合は、テレビジョン受像機1でEPGを利用して番組情報を取得することで可能となる。
【0080】
なお、本発明において番組情報の交換は1週間等、所定の期限内だけ行うようにしてもよい。この場合、期限を過ぎた番組情報は自動的に削除してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 テレビジョン受像機
2、3 携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受像機と、該テレビジョン受像機及び他の携帯情報端末と近距離通信する携帯情報端末とを含む情報交換システムにおいて、
前記テレビジョン受像機は、指定された番組の識別子及び番組名を含む番組情報を放送波から取得し、該番組情報を近距離通信の範囲内にある前記携帯情報端末に送信し、
前記携帯情報端末は、前記テレビジョン受像機から前記番組情報を取得し、取得した番組情報に関連付けてコメントの入力を受け付け、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記コメントを交換することを特徴とする情報交換システム。
【請求項2】
前記携帯情報端末は、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記識別子を比較し、一致した識別子に関連付けてあるコメントを交換することを特徴とする請求項1記載の情報交換システム。
【請求項3】
前記コメントは、ユーザの意見及び評価を含み、
前記携帯情報端末は、前記評価を集計し、
前記携帯情報端末又は前記テレビジョン受像機は、前記評価の集計結果を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の情報交換システム。
【請求項4】
前記携帯情報端末は、他の携帯情報端末との近距離通信の実行条件を設定できることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の情報交換システム。
【請求項5】
前記近距離通信の実行条件は、ユーザのプロフィール情報を含むことを特徴とする請求項4記載の情報交換システム。
【請求項6】
前記携帯情報端末は、現在地の位置情報を取得する現在地取得部を有し、他の携帯情報端末とコメントを交換した場所を取得し、交換したコメントに関連付けることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の情報交換システム。
【請求項7】
前記携帯情報端末は、コメントの交換が行われた場合、その旨を報知することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の情報交換システム。
【請求項8】
携帯情報端末と近距離通信するテレビジョン受像機において、
指定された番組の識別子及び番組名を含む番組情報を放送波から取得し、該番組情報を近距離通信の範囲内にある前記携帯情報端末に送信することを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項9】
前記携帯情報端末から前記番組情報に関連付けられたコメントを取得して表示することを特徴とする請求項8記載のテレビジョン受像機。
【請求項10】
テレビジョン受像機及び他の携帯情報端末と近距離通信する携帯情報端末において、
前記テレビジョン受像機から番組の識別子及び番組名を含む番組情報を取得し、取得した番組情報に関連付けてコメントの入力を受け付け、近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記コメントを交換することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項11】
近距離通信の範囲内に入ってきた他の携帯情報端末との間で前記識別子を比較し、一致した識別子に関連付けてあるコメントを交換することを特徴とする請求項10記載の携帯情報端末。
【請求項12】
前記コメントは、ユーザの意見及び評価を含み、
前記評価を集計し、前記評価の集計結果を表示することを特徴とする請求項10又は11記載の携帯情報端末。
【請求項13】
他の携帯情報端末との近距離通信の実行条件を設定できることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の携帯情報端末。
【請求項14】
前記近距離通信の実行条件は、ユーザのプロフィール情報を含むことを特徴とする請求項13記載の携帯情報端末。
【請求項15】
現在地の位置情報を取得する現在地取得部を有し、他の携帯情報端末とコメントを交換した場所を取得し、交換したコメントに関連付けることを特徴とする請求項10〜14の何れかに記載の携帯情報端末。
【請求項16】
コメントの交換が行われた場合、その旨を報知することを特徴とする請求項10〜15の何れかに記載の携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図7】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−74498(P2013−74498A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212714(P2011−212714)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】