説明

テレビドアホン装置

【課題】簡素かつ安価な回路構成を用いて照明灯の点滅の周期又は点消灯の周期を時間の経過とともにデジタル制御し、当該照明灯の光量を増加させる。
【解決手段】子機1a、1bの光量制御部を構成する照明灯駆動回路108a、108b及び子機制御回路110a、110bにより、カメラ101a、101bにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯102a、102bの点滅の周期をPFM駆動して点滅の周期を時間の経過に伴い変化させる、又は照明灯の点消灯の周期をPWM駆動して点消灯の周期を時間の経過に伴い変化させることで、当該照明灯の光量を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機のカメラにて撮像された映像を親機のモニタに出画するテレビドアホン装置に係り、特に、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯の光量を、時間の経過とともに変化させることができるテレビドアホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、夜間時等においてカメラにて撮像される映像の明るさを確保するために照明灯を点灯させるにあたり、来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を抑えるため、照明灯の光量を時間の経過とともに増加させる種々の手段が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3586071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載した特許文献1のカラーテレビドアホン装置によれば、コンデンサが有する充電特性を利用して照明LEDの光量の時間的な変化を制御しているため、部品点数の増加やコンデンサ容量の公差によって、その変化が変動していた。
【0005】
また、特許文献1のカラーテレビドアホン装置において、照明LEDの光量の変化の最大値は一定であり、被写体の明るさに関係なく最大の光量で点灯されるものであった。
【0006】
さらに、近年より、照明用の素子として多用されているLEDを同一な電流で点灯させた場合、発光時の輝度にはバラツキがあり、照度の確保のためには、通常、低輝度の当該LEDでの発光電流に設定されているため、高輝度の当該LEDが使用された場合には過多な光量の発光となり、来訪者等の人物の目に対する過度な刺激となるばかりでなく、LEDの照射範囲における被写体の照度も必要以上に大きくなるため、照射範囲外の被写体照度とのバランスが崩れ、撮像される映像が部分的に飽和(「白飛び」)し易くなる等の難点があった。
【0007】
本発明は、これらの難点を解消するためになされたもので、簡素かつ安価な回路構成を用いて照明灯の点滅の周期、点消灯の周期又は電圧振幅を時間の経過とともに制御し、当該照明灯の光量を可変させることにより、照明灯の駆動時における輝度バラツキを抑えてカメラにて撮像される映像の視認性を高めたテレビドアホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるテレビドアホン装置は、カメラを有する子機と、子機のカメラにて撮像された被写体の映像を出画するためのモニタを有する親機とを備えるテレビドアホン装置である。子機には、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯と、被写体又はカメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路と、照度検出回路にて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯の駆動を開始させ、照明灯の駆動後に照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベル未満であるとき照明灯の光量を時間の経過に伴い増加させるとともに、照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部とを備えている。
【0009】
また、本発明の第2の態様であるテレビドアホン装置は、カメラを有する子機と、子機のカメラにて撮像された被写体の映像を出画するためのモニタを有する親機とを備えている。子機には、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯と、被写体又はカメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路と、照度検出回路にて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯の駆動を開始させ、照明灯の駆動後に照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベル未満であるとき照明灯の点滅の周期をPFM駆動して点滅の周期を時間の経過に伴い変化させることで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部とを備えている。
【0010】
また、本発明の第3の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第2の態様において、光量制御部は、照明灯の点滅の周期が予め設定された最大の光量となる点滅の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持するものである。
【0011】
また、本発明の第4の態様であるテレビドアホン装置は、カメラを有する子機と、子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタを有する親機とを備えている。子機には、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯と、被写体又はカメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路と、照度検出回路にて検出される第1の照度レベル未満であるとき照明灯の駆動を開始させ、照明灯の駆動後に照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベル未満であるとき照明灯の点消灯の周期をPWM駆動して点消灯の周期を時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部とを備えている。
【0012】
また、本発明の第5の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第4の態様において、光量制御部は、照明灯の点消灯の周期が予め設定された最大の光量となる点滅の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持するものである。
【0013】
また、本発明の第6の態様であるテレビドアホン装置は、カメラを有する子機と、子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタを有する親機とを備えるテレビドアホン装置である。子機には、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯と、被写体又はカメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路と、照度検出回路にて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯の駆動を開始させ、照明灯の駆動後に照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベル未満であるとき、照明灯の電圧振幅をPAM駆動して電圧振幅を時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路にて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部とを備えている。
【0014】
また、本発明の第7の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第6の態様において、光量制御部は、照明灯の電圧振幅が予め設定された最大の電圧振幅に到達したき当該到達時の光量で保持するものである。
【0015】
また、本発明の第8の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第1の態様乃至第7の態様において、第2の照度レベルは、第1の照度レベルよりも高いものである。
【0016】
また、本発明の第9の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第1の態様乃至第8の態様において、照度検出回路は、カメラに内蔵される撮像素子で兼用するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のテレビドアホン装置によれば、子機のカメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯の点滅の周期、点消灯の周期又は電圧振幅を、簡素かつ安価な回路構成を用いて時間の経過とともに制御することにより、当該照明灯の光量を可変させることができるため、照明灯の駆動時における輝度バラツキによる来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を抑えて最適な光量の確保が可能となることにより、カメラにて撮像される映像の視認性が高められるばかりでなく、必要以上に大きな光量とせずに最適な光量での保持が可能となるために過多な電力消費が抑えられて省電力化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1乃至第3の実施例によるテレビドアホン装置の全体構成を示すシステム説明図である。
【図2】図2は、本発明の第1、第2の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本発明の第1の実施例によるテレビドアホン装置において照明灯の駆動制御のために適用されるパルス波形図、動作フローチャート図、時間−明るさ特性図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本発明の第2の実施例によるテレビドアホン装置において照明灯の駆動制御のために適用されるパルス波形図、動作フローチャート図、時間−明るさ特性図である。
【図6】図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本発明の第3の実施例によるテレビドアホン装置において照明灯の駆動制御のために適用されるパルス波形図、動作フローチャート図、時間−明るさ特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のテレビドアホン装置を適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1乃至第3の実施例によるテレビドアホン装置の全体構成図である。このテレビドアホン装置には、玄関、エントランス等の屋外に設置される子機(以下、第1乃至第3の子機という。)1a、1b、1cと、住戸内に設置され子機・親機ラインLを経由して第1乃至第3の子機1a、1b、1cに接続される親機2とで構成されている。
【0021】
同図に示す第1乃至第3の子機1a、1b、1cには、子機操作部100a、100b100c、カメラ101a、101b、101c、照明灯102a、102b、102c、子機マイク103a、103b、103c及び子機スピーカ104a、104b、104cが備えられている。
【0022】
この第1乃至第3の子機1a、1b、1cにおいて、子機操作部100a、100b、100cは、玄関、エントランス等の住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出すために操作するものであり、例えば、呼出ボタンにて構成されている。また、カメラ101a、101b、101cは、被写体である例えば、呼出操作を行った来訪者や住戸外における当該子機の周囲近傍の映像(監視映像を含む。)を撮像するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の撮像素子にて構成されている。また、照明灯102a、102b、102cは、カメラ101a、101b、101cにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯されるものであり、白色光のような可視光を発光する発光体、ここでは、図2、図3に示す(発光)LED120a、120b、120cにて構成されている。さらに、子機マイク103a、103b、103c及び子機スピーカ104a、104b、104cは、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。
【0023】
また、同図に示す親機2には、親機操作部200、モニタ201、親機マイク202及び親機スピーカ203が備えられている。
【0024】
この親機2において、親機操作部200は、居住者が来訪者からの呼出しに応答して親機マイク202及び親機スピーカ203の使用による通話を開始する応答操作又は当該通話を終了するための終話操作や、居住者が第1乃至第3の子機1a、1b、1cの照明灯102a、102b、102cの駆動を開始させるための操作等を行うものであり、例えば、通話ボタン、照明ボタンやタッチパネルにて構成されている。また、モニタ201は、第1乃至第3の子機1a、1b、1cのカメラ101a、101b、101cにて撮像された映像を出画するためのものであり、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の表示・出画媒体にて構成され、このモニタ201は、来訪者による第1乃至第3の子機1a、1b、1cからの呼出しを報知するための呼出報知機能も有している。さらに、親機マイク202及び親機スピーカ203は、居住者が来訪者の間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものであり、この親機スピーカ203は、来訪者による第1乃至第3の子機1a、1b、1cからの呼出しを報知するための呼出報知機能も有している。
【0025】
次に、本発明の第1、第2の実施例に適用される第1、第2の子機1a、1b及び親機2の具体的な構成について図2のブロック図を参照して説明するとともに、第3の実施例に適用される第3の子機1c及び親機2の具体的な構成については、図3のブロック図を参照して説明する。
【0026】
図2に示す第1、第2の子機1a、1bには、前述の子機操作部100a、100b、カメラ101a、101b、照明灯102a、102b、子機マイク103a、103b及び子機スピーカ104a、104bと、子機映像処理回路105a、105b、子機音声処理回路106a、106b、照度検出回路107a、107b、照明灯駆動回路108a、108b、子機電源回路109a、109b、子機制御回路110a、110b及び子機I/F111a、111bとが備えられている。また、図3に示す第3の子機1cには、前述の子機操作部100c、カメラ101c、照明灯102c、子機マイク103c及び子機スピーカ104cと、子機映像処理回路105c、子機音声処理回路106c、照度検出回路107c、照明灯駆動回路108c、子機電源回路109c、子機制御回路110c、子機I/F111c及びD/A変換回路112cとが備えられている。
【0027】
この第1乃至第3の子機1a、1b、1cにおいて、子機映像処理回路105a、105b、105cは、カメラ101a、101b、101cにて撮像された映像(映像信号)について所定の信号処理を行うものであり、例えば、FM変調や増幅を行うことができる。また、子機音声処理回路106a、106b、106cは、子機マイク103a、103b、103c及び子機スピーカ104a、104b、104cにて入出力される音声(音声信号)について所定の信号処理を行うものであり、例えば、音声(音声信号)の4線/2線変換や2線/4線変換を行うことができる。また、照度検出回路107a、107b、107cは、前述の被写体又はカメラ101a、101b、101cにて撮像される映像の明るさを検出するためのものであり、ここでは、カメラ101a、101b、101cに内蔵される撮像素子で兼用されている。また、子機電源回路109a、109b、109cは、親機2の後述する親機電源回路206から供給されてくる(子機用の)待受電源又は動作電源を受電し、当該子機の構成各部/回路に電源供給するためのものである。また、子機制御回路110a、110b、110cは、当該子機の構成各部/回路を制御するためのものである。さらに、子機I/F111a、111b、111cは、子機映像処理回路105a、105b、105cから子機・親機ラインLへの映像(映像信号)の信号伝送路、子機音声処理回路106a、106b、106c及び子機・親機ラインL間における音声(音声信号)の信号伝送路(通話路)、子機・親機ラインLを経由して親機2から供給されてくる(子機用の)待受電源又は動作電源の子機電源回路109a、109b、109cへの電源供給路、子機制御回路110a、110b、110c及び子機・親機ラインL間における制御用の信号伝送路をそれぞれ形成するためのものである。
【0028】
また、本発明の第1の実施例に適用される第1の子機1aの照明灯駆動回路108aは、照度検出回路107aにて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯102aの駆動を開始させ、照明灯102aの駆動後に照度検出回路107aにて検出される明るさが、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高い第2の照度レベル未満であるとき、照明灯102aの点滅の周期fをPFM(Pulse Frequency Modulation)駆動して点滅の周期fを時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路107aにて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持し、さらには照明灯102aの光量が増加しても第2の照度レベルに到達しない場合には、点滅の周期fが予め設定された最大の光量となる点滅の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持するために、子機制御回路110aにより制御されるものであって、トランジスタ(スイッチングトランジスタ)180a、抵抗(電流制限抵抗)181aが備えられている。このトランジスタ180aのベースは子機制御回路110a(の制御出力側)に、コレクタは抵抗181aを経由してLED120a(のカソード)に、エミッタは基準電位点にそれぞれ接続されている。
【0029】
また、本発明の第2の実施例に適用される第2の子機1bの照明灯駆動回路108bは、照度検出回路107bにて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯102bの駆動を開始させ、照明灯102bの駆動後に照度検出回路107bにて検出される明るさが、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高い第2の照度レベル未満であるとき、照明灯102bの点消灯の周期をPWM(Pulse Width Modulation)駆動して点消灯の周期を時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路107aにて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持し、さらには照明灯102bの光量が増加しても第2の照度レベルに到達しない場合には、点消灯の周期が予め設定された最大の光量となる点消灯の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持するために、子機制御回路110bにより制御されるものであって、トランジスタ(スイッチングトランジスタ)180b、抵抗(電流制限抵抗)181bが備えられている。このトランジスタ180bのベースは子機制御回路110b(の制御出力側)に、コレクタは抵抗181bを経由してLED120b(のカソード)に、エミッタは基準電位点にそれぞれ接続されている。
【0030】
また、本発明の第3の実施例に適用される第3の子機1cの照明灯駆動回路108cは、照度検出回路107cにて検出される明るさが第1の照度レベル未満であるとき照明灯102cの駆動を開始させ、照明灯102cの駆動後に照度検出回路107cにて検出される明るさが、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高い第2の照度レベル未満であるとき、照明灯102cの電圧振幅AnをPAM(Pulse Amplitude Modulation)駆動して電圧振幅Anを時間の経過に伴い変化(An=A1、A2、・・・A3)することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、照度検出回路107cにて検出される明るさが第2の照度レベルに到達したとき、光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持し、さらには照明灯102cの光量が増加しても第2の照度レベルに到達しない場合には、電圧振幅Anが予め設定された最大の光量となる電圧振幅An=A3に到達したとき当該到達時の光量で保持するために、子機制御回路110cにより制御されるものであって、トランジスタ(スイッチングトランジスタ)180c、抵抗(電流制限抵抗)181cが備えられている。このトランジスタ180cのベースは、D/A変換回路112cを経由して子機制御回路110c(の制御出力側)に、コレクタは抵抗181cを経由してLED120c(のカソード)に、エミッタは基準電位点にそれぞれ接続されている。なお、子機制御回路110cには、前述の電圧振幅An=A1、A2、・・・A3に係るデジタルデータが予め記憶されたテーブルTBが備えられている。
【0031】
さらに、本発明の第3の実施例に適用される第3の子機1cのD/A変換回路112cは、子機制御回路110cのテーブルTBから読み出されるデジタルデータをアナログ(D/A)変換して照明灯駆動回路108cのトランジスタ180cのベースに入力させるためのものである。このD/A変換回路112cについては、子機制御回路110cに内蔵させた態様で設けることもできる。
【0032】
次に、図2、図3に示す親機2には、前述の親機操作部200、モニタ201、親機マイク202及び親機スピーカ203と、親機映像処理回路204、親機音声処理回路205、親機電源回路206、親機制御回路207及び親機I/F208とが備えられている。
【0033】
この親機2において、親機映像処理回路204は、子機・親機ラインL間を経由して第1乃至第3の子機1a、1b、1cから伝送されてくる映像(映像信号)について所定の信号処理を行うものであり、例えば、FM復調や増幅を行うことができる。また、親機音声処理回路205は、親機マイク202及び親機スピーカ203にて入出力される音声(音声信号)について所定の信号処理を行うものであり、例えば、音声(音声信号)の4線/2線変換や2線/4線変換を行うことができる。また、親機電源回路206は、図示しない商用電源を整流・平滑して得られる直流電源をもとに(親機用の)待受電源又は動作電源を生成して当該親機の構成各部/回路に電源供給するとともに、(子機用の)待受電源又は動作電源を生成するためのものである。また、親機制御回路207は、当該親機の構成各部/回路を制御するためのものである。さらに、親機I/F208は、子機・親機ラインLから親機映像処理回路204への映像(映像信号)の信号伝送路、親機音声処理回路205及び子機・親機ラインL間における音声(音声信号)の信号伝送路(通話路)、親機電源回路206から子機・親機ラインLへの(子機用の)待受電源又は動作電源の電源供給路、親機制御回路207及び子機・親機ラインL間における制御用の信号伝送路をそれぞれ形成するためのものである。
【0034】
このように構成された本発明の第1乃至第3の実施例によるテレビドアホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0035】
最初に、本発明の第1の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な動作について、図1、図2及び図4(A)、(B)、(C)を参照して説明するにあたって、当該装置が待受状態であるとき、図2に示す親機2の親機電源回路206は、待受電源を生成して当該親機の構成各部/回路に電源供給している。また、親機電源回路206は、同様に生成した子機用の待受電源を、親機I/F208、子機・親機ラインL、第1の子機1aの子機I/F111aを経由して子機電源回路109aに供給することにより、この子機電源回路109aから当該子機の構成各部/回路に待受電源が電源供給されることになる。
【0036】
前述の待受状態である例えば、夜間時等において、来訪者が居住者を呼出すにあたり、図1、図2に示す第1の子機1aの子機操作部100aを使用して所定の呼出操作を行うと、この操作を検出した子機制御回路110aにて呼出信号が生成される。また、子機制御回路110aにて生成された呼出信号は、子機I/F111a、子機・親機ラインL、親機2の親機I/F208を経由して親機制御回路207に伝送される。
【0037】
親機2の親機制御回路207は、子機・親機ラインLを経由して第1の子機1aから伝送されてきた呼出信号をもとに来訪者からの呼出しがあることを検出し、その旨の呼出報知について例えば、親機スピーカ203からの呼出音や音声メッセージ等の出力、モニタ201への文字メッセージや絵データ等の表示を利用して行うことができる。また、親機制御回路207は、親機電源回路206を制御して前述の待受電源よりも高い電圧レベルの動作電源を当該親機の構成各部/回路に電源供給するとともに、同様に電圧レベルが制御された子機用の動作電源を生成し、親機I/F208、子機・親機ラインL、第1の子機1aの子機I/F111aを経由して子機電源回路109aに供給することにより、この子機電源回路109aから当該子機の構成各部/回路に動作電源が電源供給されることになる。
【0038】
次に、前述のような動作電源が電源供給されると、第1の子機1aの子機制御回路110aの制御によってカメラ101aが能動となり、被写体である呼出操作を行った来訪者の映像(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の撮像が開始される(ステップST1a)。この映像は、子機映像処理回路105a、子機I/F111a、子機・親機ラインL、親機2の親機I/F208、親機映像処理回路204を経由してモニタ201に伝送されることにより、被写体である呼出操作を行った来訪者(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の映像のモニタ201への出画動作が開始されることになる。
【0039】
また、前述のように第1の子機1aのカメラ101aが能動となると、このカメラ101aに内蔵された撮像素子として兼用されている照度検出回路107aにて被写体又は映像(映像信号)の明るさが検出される。その検出データをもとに、被写体又は映像信号の明るさが予め設定された第1の照度レベル未満であると子機制御回路110aが判断すると、この子機制御回路110aは、照明灯駆動回路108aを経由した照明灯102aへの駆動を開始し(ステップST2a、ST3a)、照明灯102aを構成するLED120aの点滅の周期を図4(A)に示す周期でPFM駆動させ、点滅の周期fを時間の経過に伴い変化するようにトランジスタ120aへの出力パルスを制御する。具体的には、図4(A)、(C)に示すように、実効的な光量が少ない早い点滅パターンの周期f1をもとに微分処理を行い一定幅のパルスを算出した後、一定時間t内にその数が増減するパルスの積分処理を行うことで直流成分を導き出すことにより、点滅の周期fが実効的な光量が大きい遅い点滅パターンの周期f2に移行されるように制御(デジタル制御)することによって、時間の経過に伴い照明灯102aの光量が増加される。一方、照度検出回路107aの検出データが第1の照度レベル以上であり、前述の来訪者による呼出時である夜間時とは異なる例えば、昼間時等の明るいレベルであると子機制御回路110aが判断した場合には、照明灯駆動回路108aは何ら動作せず、ゆえに照明灯102aは消灯のまま保持される(ステップST4a)。
【0040】
また、第1の子機1aの子機制御回路110aは、照明灯102aの駆動が開始された後のタイミングにおいて、前述のように照度検出回路107aにて検出される被写体又は映像信号の明るさに係る検出データと、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高く予め設定されている第2の照度レベルとの比較を行う(ステップST5a)。その比較結果として、検出データの明るさが第2の照度レベルに到達したと子機制御回路110aが判断すると、この子機制御回路110aは、前述の光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持することができる。これにより、照明灯102aの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で、来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を与えることがない最適な光量が保持されることになる(ステップST6a)。
【0041】
さらに、第1の子機1aの照明灯102aの駆動が開始された後のタイミングにおいて子機制御回路110aにて比較される前述の検出データ及び第2の照度レベルのその結果として照明灯102aの光量が増加しても第2の照度レベルに到達しない場合、これを検出した子機制御回路110aは、照明灯102aを構成するLED120aの点滅の周期fが予め設定された最大の光量となる点滅の周期f2に到達したとき、到達時の光量で保持することができる(ステップST7a、ST8a、ST9a)。これにより、照明灯102aの駆動時において、最大の光量よりも大きいような必要以上に大きな光量とせずに最適な光量で保持されるため、過多な電力消費が抑えられて省電力化が図られる。
【0042】
なお、前述のような呼出報知をもとに来訪者による第1の子機1aからの呼出しがあり、照明灯102aの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で明るさが確保された視認性の高い来訪者の映像(映像信号)を確認した居住者が親機2の親機操作部200を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機制御回路207及び子機制御回路110aの制御により、親機マイク202から親機音声処理回路205、親機I/F208、子機・親機ラインL、子機I/F111a、子機音声処理回路106aを経由して子機スピーカ104aへの信号伝送路と、子機マイク103aから子機音声処理回路106a、子機I/F111a、子機・親機ラインL、親機I/F208、親機音声処理回路205、親機スピーカ203への信号伝送路とがそれぞれ形成され、形成された信号伝送路を経由して音声信号を送受信することにより、特に、居住者にとっては、視認性の高い来訪者の映像を確認しつつ、この来訪者との間の通話を成立させることができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な動作について、図1、図2及び図5(A)、(B)、(C)を参照して説明するにあたって、当該装置が待受状態であり、例えば、夜間時等において、来訪者が居住者を呼出すにあたり第2の子機1bの子機操作部100bを使用して所定の呼出操作を行った際の親機2の親機制御回路207の制御による呼出報知までの動作、親機制御回路207の制御による動作電源の供給動作については、本発明の第1の実施例の該当動作と同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0044】
第1の実施例と同様な動作電源が電源供給されると、第2の子機1bの子機制御回路110bの制御によってカメラ101bが能動となり、被写体である呼出操作を行った来訪者の映像(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の撮像が開始される(ステップST1b)。この映像は、子機映像処理回路105b、子機I/F111b、子機・親機ラインL、親機2の親機I/F208、親機映像処理回路204を経由してモニタ201に伝送されることにより、被写体である呼出操作を行った来訪者(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の映像のモニタ201への出画動作が開始されることになる。
【0045】
また、前述のように第2の子機1bのカメラ101bが能動となると、このカメラ101bに内蔵された撮像素子として兼用されている照度検出回路107bにて被写体又は映像(映像信号)の明るさが検出される。その検出データをもとに、被写体又は映像信号の明るさが予め設定された第1の照度レベル未満であると子機制御回路110bが判断すると、この子機制御回路110bは、照明灯駆動回路108bを経由した照明灯102bへの駆動を開始し(ステップST2b、ST3b)、照明灯102bを構成するLED120bの点消灯の周期を図5(A)に示す周期でPWM駆動させ点消灯の周期を時間の経過に伴い変化するようにトランジスタ120bへの出力パルスを制御する。具体的には、図5(A)、(C)に示すように、点消灯の周期を時間で表す消灯時間t2と比較して短い点灯時間t1の関係「t2>t1、但し、t1+t2=一定」から、消灯時間t2と比較して長い点灯時間t1の関係「t2<t1、但し、t1+t2=一定」の関係に移行されるように制御(デジタル制御)することにより、時間の経過に伴い照明灯102bの光量が増加される。一方、照度検出回路107bの検出データが第1の照度レベル以上であり、前述の来訪者による呼出時である夜間時とは異なる例えば、昼間時等の明るいレベルであると子機制御回路110bが判断した場合には、照明灯駆動回路108bは何ら動作せず、ゆえに照明灯102bは消灯のまま保持される(ステップST4b)。
【0046】
また、第2の子機1bの子機制御回路110bは、照明灯102bの駆動が開始された後のタイミングにおいて、前述のように照度検出回路107bにて検出される被写体又は映像信号の明るさに係る検出データと、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高く予め設定されている第2の照度レベルとの比較を行う(ステップST5b)。その比較結果として、検出データの明るさが第2の照度レベルに到達したと子機制御回路110bが判断すると、この子機制御回路110bは、前述の光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持することができる。これにより、照明灯102bの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で、来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を与えることがない最適な光量が保持されることになる(ステップST6b)。
【0047】
さらに、第2の子機1bの照明灯102bの駆動が開始された後のタイミングにおいて子機制御回路110bにて比較される前述の検出データ及び第2の照度レベルのその結果として照明灯102bの光量が増加しても第2の照度レベルに到達しない場合、これを検出した子機制御回路110bは、点消灯の周期を時間で表す点灯時間t1及び消灯時間t2の関係「t1=t+1、t2=t2−1、t1+t2=一定」の消灯時間t2が「t2=0」となるまでの間、前述の光量の増加動作に係る制御を継続し、最大の光量となる「t2=0」に到達したとき、到達時の光量で保持することができる(ステップST7b、ST8b、ST9b)。これにより、照明灯102bの駆動時において、最大の光量よりも大きいような必要以上に大きな光量とせずに最適な光量で保持されるため、過多な電力消費が抑えられて省電力化が図られる。
【0048】
なお、前述のような呼出報知をもとに来訪者による第2の子機1bからの呼出しがあり、照明灯102bの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で明るさが確保された視認性の高い来訪者の映像(映像信号)を確認した居住者が親機2の親機操作部200を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機制御回路207及び子機制御回路110bの制御により、親機マイク202から親機音声処理回路205、親機I/F208、子機・親機ラインL、子機I/F111b、子機音声処理回路106bを経由して子機スピーカ104bへの信号伝送路と、子機マイク103bから子機音声処理回路106b、子機I/F111b、子機・親機ラインL、親機I/F208、親機音声処理回路205、親機スピーカ203への信号伝送路とがそれぞれ形成され、形成された信号伝送路を経由して音声信号を送受信することにより、特に、居住者にとっては、視認性の高い来訪者の映像を確認しつつ、この来訪者との間の通話を成立させることができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な動作について、図1、図3及び図6(A)、(B)、(C)を参照して説明するにあたって、当該装置が待受状態であり、例えば、夜間時等において、来訪者が居住者を呼出すにあたり第3の子機1cの子機操作部100cを使用して所定の呼出操作を行った際の親機2の親機制御回路207の制御による呼出報知までの動作、親機制御回路207の制御による動作電源の供給動作については、本発明の第1(、第2)の実施例の該当動作と同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0050】
第1(、第2)の実施例と同様な動作電源が電源供給されると、第3の子機1cの子機制御回路110bの制御によってカメラ101bが能動となり、被写体である呼出操作を行った来訪者の映像(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の撮像が開始される(ステップST1c)。この映像は、子機映像処理回路105c、子機I/F111c、子機・親機ラインL、親機2の親機I/F208、親機映像処理回路204を経由してモニタ201に伝送されることにより、被写体である呼出操作を行った来訪者(当該子機の周囲近傍の映像を含む。)の映像のモニタ201への出画動作が開始されることになる。
【0051】
また、前述のように第3の子機1cのカメラ101cが能動となると、このカメラ101cに内蔵された撮像素子として兼用されている照度検出回路107cにて被写体又は映像(映像信号)の明るさが検出される。その検出データをもとに、被写体又は映像信号の明るさが予め設定された第1の照度レベル未満であると子機制御回路110cが判断すると、この子機制御回路110cは、照明灯駆動回路108cを経由した照明灯102bへの駆動を開始し(ステップST2c、ST3c)、照明灯102cを構成するLED120cの電圧振幅を、デジタルテーブルTBに予め記憶されている図6(A)に示す周期でPAM駆動させ当該電圧振幅を時間の経過に伴い変化するようにトランジスタ120cへの出力パルスを制御する。具体的には、図6(A)、(C)に示すように、デジタルテーブルTBに予め記憶されている時間の経過とともに大きくなる電圧振幅An=A1、A2、・・・A3をもとに制御することにより、時間の経過に伴い照明灯102cの光量が増加される。一方、照度検出回路107cの検出データが第1の照度レベル以上であり、前述の来訪者による呼出時である夜間時とは異なる例えば、昼間時等の明るいレベルであると子機制御回路110cが判断した場合には、照明灯駆動回路108cは何ら動作せず、ゆえに照明灯102cは消灯のまま保持される(ステップST4c)。
【0052】
また、第2の子機1cの子機制御回路110cは、電圧振幅An=A1の照明灯102cの駆動が開始された後のタイミングにおいて、前述のように照度検出回路107cにて検出される被写体又は映像信号の明るさに係る検出データと、この明るさとの対比において第1の照度レベルよりも高く予め設定されている第2の照度レベルとの比較を行う(ステップST5c)。その比較結果として、検出データの明るさが第2の照度レベルに到達したと子機制御回路110cが判断すると、この子機制御回路110cは、前述の光量の増加動作を停止して到達時の光量、例えば、電圧振幅An=A2による光量で保持することができる。これにより、照明灯102cの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で、来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を与えることがない最適な光量が保持されることになる(ステップST6c)。
【0053】
さらに、第2の子機1cの照明灯102cの駆動が開始された後のタイミングにおいて子機制御回路110cにて比較される前述の検出データ及び第2の照度レベルのその結果として第2の照度レベル未満であると当該子機制御回路が判断すると、この子機制御回路110cは、デジタルテーブルTBに予め記憶されている「An=An+1=A3」となるまでの間、前述の光量の増加のための電圧振幅Anの動作に係る制御を継続し、最大な光量となる電圧振幅An=A3に到達したとき、到達時の光量で保持することができる(ステップST7c、ST8c、ST9c)。これにより、照明灯102cの駆動時において、最大の光量よりも大きいような必要以上に大きな光量とせずに最適な光量で保持されるため、過多な電力消費が抑えられて省電力化が図られる。
【0054】
なお、前述のような呼出報知をもとに来訪者による第3の子機1cからの呼出しがあり、照明灯102cの駆動時における輝度バラツキが抑えられた状態で明るさが確保された視認性の高い来訪者の映像(映像信号)を確認した居住者が親機2の親機操作部200を使用して所定の応答操作を行うと、この操作を検出した親機制御回路207及び子機制御回路110cの制御により、親機マイク202から親機音声処理回路205、親機I/F208、子機・親機ラインL、子機I/F111c、子機音声処理回路106cを経由して子機スピーカ104cへの信号伝送路と、子機マイク103cから子機音声処理回路106c、子機I/F111c、子機・親機ラインL、親機I/F208、親機音声処理回路205、親機スピーカ203への信号伝送路とがそれぞれ形成され、形成された信号伝送路を経由して音声信号を送受信することにより、特に、居住者にとっては、視認性の高い来訪者の映像を確認しつつ、この来訪者との間の通話を成立させることができる。
【0055】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1乃至第3の実施例によれば、第1乃至第3の子機1a、1b、1cのカメラ101a、101b、101cにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯102a、102b、102cの点滅の周期、点消灯の周期又は電圧振幅を、簡素かつ安価な回路構成を用いて時間の経過とともに制御することにより、当該照明灯の光量を可変させることができるため、照明灯102a、102b、102cの駆動時における輝度バラツキによる来訪者等の人物の目に対する過度な刺激を抑えて最適な光量の確保が可能となることにより、カメラ101a、101b、101cにて撮像される映像の視認性が高められるばかりでなく、必要以上に大きな光量とせずに最適な光量での保持が可能となるために過多な電力消費が抑えられて省電力化を図ることもできる。
【0056】
本発明のテレビドアホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。具体的には、第1乃至第3の子機1a、1b、1cの照明灯102a、102b、102cの光量を可変させる手段として、点滅の周期、点消灯の周期又は電圧振幅を制御したが、これらの手段に限定されるものではない。
【0057】
また、本発明の実施例においては、第1乃至第3の子機1a、1b、1cのカメラ101a、101b、101cにて映像を撮像するタイミングとして、来訪者が子機操作部100a、100b、101cを使用して呼出操作を行った呼出時を適用したが、このタイミングに限定されるものではない。例えば、居住者が住戸外の様子を親機2のモニタ201を使用して監視するにあたり、親機操作部200を使用して所定の監視操作を行い、カメラ101a、101b、101cにて監視映像を撮像する場合であっても同様な効果を奏することができる。
【0058】
さらに、本発明の実施例においては、第1乃至第3の子機1a、1b、1cに設けられる照度検出回路107a、107b、107cを、カメラ101a、101b、101cに内蔵される撮像素子として兼用させたが、この態様に限定されるものではない。例えば、カメラ101a、101b、101cから独立して設けられる照度センサ等を適用した場合であっても同様な効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0059】
1a、1b、1c……第1乃至第3の子機
101a、101b、101c……カメラ
108a、108b、108c……照明灯駆動回路(光量制御部)
110a、110b、110c……子機制御回路(光量制御部)
2……親機
201……モニタ
f1、f2……(照明灯の)点滅の周期
t1、t2……(照明灯の)点消灯の周期
A1、A2、・・・A3……(照明灯の)電圧振幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ(101a、101b、101c)を有する子機(1a、1b、1c)と、前記子機のカメラにて撮像された被写体の映像を出画するためのモニタ(201)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホン装置であって、
前記子機には、前記カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯(102a、102b、102c)と、前記被写体又は前記カメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路(107a、107b、107c)と、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第1の照度レベル未満であるとき前記照明灯の駆動を開始させ、前記照明灯の駆動後に前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第2の照度レベル未満であるとき前記照明灯の光量を時間の経過に伴い増加させるとともに、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが前記第2の照度レベルに到達したとき、前記光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部(108a、108b、108c、110a、110b、110c)とを備えることを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項2】
カメラ(101a)を有する子機(1a)と、前記子機のカメラにて撮像された被写体の映像を出画するためのモニタ(201)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホン装置であって、
前記子機には、前記カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯(102a)と、前記被写体又は前記カメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路(107a)と、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第1の照度レベル未満であるとき前記照明灯の駆動を開始させ、前記照明灯の駆動後に前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第2の照度レベル未満であるとき前記照明灯の点滅の周期(f1、f2)をPFM駆動して前記点滅の周期を時間の経過に伴い変化させることで当該照明灯の光量を増加させるとともに、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが前記第2の照度レベルに到達したとき、前記光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部(108a、110a)とを備えることを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項3】
前記光量制御部は、前記照明灯の点滅の周期が予め設定された最大の光量となる点滅の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持することを特徴とする請求項2記載のテレビドアホン装置。
【請求項4】
カメラ(101b)を有する子機(1b)と、前記子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタ(201)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホン装置であって、
前記子機には、前記カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯(102b)と、前記被写体又は前記カメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路(107b)と、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第1の照度レベル未満であるとき前記照明灯の駆動を開始させ、前記照明灯の駆動後に前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第2の照度レベル未満であるとき前記照明灯の点消灯の周期(t1、t2)をPWM駆動して前記点消灯の周期を時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが前記第2の照度レベルに到達したとき、前記光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部(108b、110b)とを備えることを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項5】
前記光量制御部は、前記照明灯の点消灯の周期が予め設定された最大の光量となる点滅の周期に到達したとき当該到達時の光量で保持することを特徴とする請求項4記載のテレビドアホン装置。
【請求項6】
カメラ(101c)を有する子機(1c)と、前記子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタ(201)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホン装置であって、
前記子機には、前記カメラにて撮像される映像の明るさを確保するために点灯される照明灯(102c)と、前記被写体又は前記カメラにて撮像される映像の明るさを検出するための照度検出回路(107c)と、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第1の照度レベル未満であるとき前記照明灯の駆動を開始させ、前記照明灯の駆動後に前記照度検出回路にて検出される前記明るさが第2の照度レベル未満であるとき、前記照明灯の電圧振幅(A1、A2、・・・A3)をPAM駆動して前記電圧振幅を時間の経過に伴い変化することで当該照明灯の光量を増加させるとともに、前記照度検出回路にて検出される前記明るさが前記第2の照度レベルに到達したとき、前記光量の増加動作を停止して到達時の光量で保持するための光量制御部(108c、110c)とを備えることを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項7】
前記光量制御部は、前記照明灯の電圧振幅が予め設定された最大の電圧振幅に到達したとき当該到達時の光量で保持することを特徴とする請求項6記載のテレビドアホン装置。
【請求項8】
前記第2の照度レベルは、前記第1の照度レベルよりも高いものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち何れか1項記載のテレビドアホン装置。
【請求項9】
前記照度検出回路は、前記カメラに内蔵される撮像素子で兼用することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち何れか1項記載のテレビドアホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−175609(P2012−175609A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38102(P2011−38102)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】