テレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法
【課題】 携帯電話で蓄積コンテンツを視聴するシステムで、エラーで視聴できない場合に、簡単な操作で自宅で続きを視聴できるようにする。
【解決手段】
携帯電話からの視聴要求に従い、テレビ受信装置100は、D−VHS130からのデータを順次、受信しつつ、エンコーダ122により携帯電話300での受信・再生に適したフォーマットに変換する。このフォーマット変換の後、テレビ受信装置100は、TCP/IPでの送信に利用するシーケンス番号とコンテンツの位置情報を表すタイムスタンプを再生位置記憶部124に格納する。携帯電話は、受信データのデコードエラーをテレビ受信装置100に通知する。携帯電話からの正常再生の確認応答を受信すると、テレビ受信装置100は、記憶部124のデータをクリアし、それ以外では、記憶部124のデータを保持する。
【解決手段】
携帯電話からの視聴要求に従い、テレビ受信装置100は、D−VHS130からのデータを順次、受信しつつ、エンコーダ122により携帯電話300での受信・再生に適したフォーマットに変換する。このフォーマット変換の後、テレビ受信装置100は、TCP/IPでの送信に利用するシーケンス番号とコンテンツの位置情報を表すタイムスタンプを再生位置記憶部124に格納する。携帯電話は、受信データのデコードエラーをテレビ受信装置100に通知する。携帯電話からの正常再生の確認応答を受信すると、テレビ受信装置100は、記憶部124のデータをクリアし、それ以外では、記憶部124のデータを保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法に関し、更に詳しく述べると、携帯端末と連携し、外出先でも家庭内のテレビ受信装置の制御可能なコンテンツを制御・視聴することが可能なネットワークシステムに於いて、移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上で様々なエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により再視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することを可能にするテレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−77839号公報
【0004】
デジタル放送波を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯端末で視聴する技術や、テレビ受信装置で受信した放送コンテンツ又はテレビ受信装置で制御可能な蓄積コンテンツを携帯端末に送信し、視聴する技術が、期待されている。これらの技術により、ユーザは、家庭のリビングルームから離れた場所にいながら、コンテンツの視聴を楽しむことが可能になる。
【0005】
一例に地上波デジタル放送が挙げられる。地上波デジタル放送の特徴の一つとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)を採用したことがあり、これにより、マルチパス干渉に強くなる。従って、移動によって電波の干渉条件が時々刻々変化しても、映像が乱れにくく、且つ屋外に設置するような大型アンテナを使用せずに、機器に内蔵した小型アンテナで電波を受信できる。こうした技術的な特徴を基に、携帯端末で放送コンテンツを視聴するといった技術が確立されようとしている。
【0006】
また、一度蓄積したコンテンツを携帯端末で受信したいとする希望がある。このような装置、方法及びシステムが、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術では、携帯端末からネットワークを介しテレビ放送受信機能付き録画機に録画の要求を送信し、この要求を受信した録画機は、指定されたコンテンツを録画する。録画機はまた、携帯端末からの指示に従いネットワークを介して録画コンテンツを携帯端末に送信する。この技術を用いることで、蓄積されたコンテンツを外出先から携帯端末を用いて視聴することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯端末により外出先で家庭内のテレビ受信装置のコンテンツを制御・視聴することが可能なネットワークシステム及びそのようなテレビ受信装置は、ユーザニーズも大きく、大変期待されている技術である。
【0008】
このような技術により、ユーザは、予期せぬ突然の外出や録画予約のし忘れなどにより所望のコンテンツを見逃してしまうという危険性を回避することが出来るばかりか、移動中に所望のコンテンツを見られることになり、時間をより有効に活用することが可能になる。
【0009】
しかし、このような技術を利用するにあたり懸念される問題点が幾つかある。例えば、移動中の携帯端末では、受信状態によりエラーが度々発生してしまう。このようなエラーにより正常な視聴が困難となった場合、ユーザは帰宅後にコンテンツの続きを視聴することが考えられるが、その際の操作が煩雑になる。
【0010】
また、ユーザが外出先で携帯端末を利用してテレビ受信装置で制御可能なコンテンツを視聴しながら移動している状況を想定する。このユーザが電車や自動車など、比較的高速での移動手段を利用していた場合、携帯端末の受信環境は、時々刻々と変化することになる。時には、トンネル内など受信状態の悪いエリアに入ってしまうこともあれば、携帯端末の受信カバーエリアの範囲外に出てしまうこともある。このような場合、携帯端末は電波を受信することが出来ず、受信エラーの状態となり、ユーザにコンテンツを提示することが不可能になる。このような受信エラー以外にも、回線の通信負荷状況に起因する通信エラー、及び携帯端末の処理能力に起因するデコードエラーなど、様々なエラーが考えられる。当然の如く、程度の差こそあれ、徒歩などの低速移動中に於いても同様である。
【0011】
上記したように、外出先で携帯端末を利用してテレビ受信装置で制御可能なコンテンツの視聴時にエラーが発生し、視聴が困難になった場合、ユーザは帰宅後にそのコンテンツを再視聴することが予想される。ユーザがそのコンテンツに対し、特別な思い入れがある場合には、始めから視聴し直すことも十分有り得るが、通常は、視聴済みの箇所を飛ばし、視聴が困難になったあたりから視聴し直すという使い方をすると考えられる。
【0012】
携帯端末でのエラー発生の仕方によっては、所々視聴困難な箇所があった場合に、その箇所だけを帰宅後確認したいという視聴方法も考えられる。
【0013】
このような種々の状況に於いて、ユーザは、帰宅後、コンテンツを再視聴する為にテレビ受信装置を視聴可能な状態にし、コンテンツをテレビ受信装置に表示させ、もしコンテンツの再生位置が所望のものと異なっていた場合、早送り/巻き戻し又はこれに相当する操作によって再生位置を調整することで初めて、所望の位置からの視聴が可能になる。このように、ユーザは、帰宅直後に上記した複数の操作を一度に強いられる。更には、視聴を望む再生位置が複数箇所に及ぶ場合、以上の操作を何度も繰り返すことによって初めて、所望の箇所を全て視聴することが可能になる。
【0014】
テレビのようなコンシューマ製品は、パーソナルコンピュータ等とは異なり、より広いユーザ層が利用すると考えられる。中には、機器の細かな操作に精通しているとは言いかねるユーザもいる。そのようなユーザが上述したような操作を好んで遂行するとは非常に考えがたい。例え技術的に優れ、ユーザからの期待が大きくても、ユーザ・インタフェースの観点からユーザに支持されなければ、普及しない。
【0015】
このように、外出先で携帯端末により視聴していたコンテンツの続きをテレビ受信装置で視聴する場合、ユーザ・インタフェースの観点で良好な操作性が望まれる。
【0016】
本発明は、所望のコンテンツ視聴を簡単に行うことを可能にするテレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るテレビ受信装置は、ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置であって、動画データを再生制御する再生制御手段と、前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出手段と、前記動画データの送信中に、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るネットワークシステムは、ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムであって、前記情報端末装置は、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするためのデコーダと、前記デコーダのデコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知手段とを有し、前記テレビ受信装置は、動画データを再生制御する再生制御手段と、前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、前記動画データの送信中に、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るテレビ受信装置の制御方法は、ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置の制御方法であって、動画データを再生制御する再生制御ステップと、再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する送信ステップと、前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出ステップと、前記動画データの送信中に、前記検出ステップで前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るネットワークシステムの制御方法は、ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムの制御方法であって、前記テレビ受信装置が動画データを再生制御する再生制御ステップと、再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から前記情報端末装置に送信する送信ステップと、前記情報端末装置が、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするデコードステップと、デコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記情報端末装置から前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知ステップと、前記テレビ受信装置が、前記動画データの送信中に前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上でエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により所望のコンテンツ視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することが出来、ユーザにとって煩わしい操作を回避することを可能にする。
【0022】
非常に煩雑な操作が予想されるコンテンツの再視聴に於いて、最適なユーザ・インタフェース及びシステムを提供することで、快適な視聴環境を実現することが出来るようになった。
【0023】
移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上で様々なエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により欠落した場面の再視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することが出来る。
【0024】
移動中にテレビ受信装置のコンテンツを受信・表示している携帯端末上でのエラーにより、携帯端末上でのコンテンツ視聴ができない部分又は見難い部分が発生した場合に於いて、ユーザは帰宅後テレビ受信装置にて再視聴する際、所望の箇所を探してから視聴するといった煩わしい操作を回避し、特別な設定なしに所望のコンテンツ視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施例に係るテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【図2】D−VHSの概略構成ブロック図。
【図3】携帯電話の外観を示す図
【図4】携帯電話の概略構成ブロック図。
【図5】ネットワークシステムの一構成例を示す図。
【図6】携帯電話、テレビ受信装置及びD−VHS間のデータ通信の制御フローを示す図。
【図7】携帯電話の画面に表示されるコンテンツリストの一例を示す図。
【図8】テレビ受信装置の動作説明図。
【図9】携帯端末の動作説明図。
【図10】TCPヘッダのフォーマットを示す図。
【図11】TCPヘッダの予約領域の各ビットの役割を示す図。
【図12】テレビ受信装置が表示するメッセージの一例を示す図。
【図13】第2実施例におけるテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【図14】テレビ受信装置が表示するメッセージの一例を示す図。
【図15】第3実施例におけるテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の一実施例であるデジタルテレビ受信装置100の概略構成ブロック図を示す。
【0028】
不図示のアンテナで受信された信号はチューナ部101に入力する。チューナ部101は、入力信号に復調及び誤り訂正等の処理を施し、トランスポートストリームと呼ばれる形式のデジタルデータを生成する。生成されたトランスポートストリーム(TS)データは、デスクランブラ102に入力する。
【0029】
デスクランブラ102は、視聴制限のためのスクランブルがかけられているTSデータがチューナ部101から入力された場合、TSデータに含まれるデスクランブルのための鍵情報とICカード制御部117から出力される鍵情報とに基づいて、スクランブルを解除し、スクランブルを解除したTSデータをデマルチプレクサ103に出力する。
【0030】
ICカード部117は、ユーザの契約情報及びTSデータに含まれるデスクランブラのための鍵情報を解くための鍵情報が格納されているICカードを含み、デスクランブラ102から入力されたデスクランブルのための鍵情報を解くための鍵情報があった場合、その鍵情報をデスクランブラ102に出力する。
【0031】
また、デスクランブラ102は、チューナ部101からスクランブルがかけられていないTSデータが入力した場合には、そのTSデータをそのままデマルチプレクサ103に出力する。デスクランブラ102の出力データは、複数チャネル分の映像音声データ、電子番組ガイド(EPG)データ及びデータ放送データ等が時分割多重化されたTSデータである。
【0032】
デマルチプレクサ103は、デスクランブラ102から入力するTSデータの中から、操作部114又はリモコン116の操作により選択されたチャネルの映像データD1及び音声データD2を取り出し、映像データD1をビデオデコーダ104に出力し、音声データD2をオーディオデコーダ105に出力する。また、デマルチプレクサ103は、TSデータからデータ放送/EPGデータD3を取り出し、データストリーム処理部106に出力する。データストリーム処理部106によって処理されたデータ放送/EPGデータは、バス120を介してメモリ107に取り込まれ、CPUによるソフトウェア処理の後に不図示の記録媒体に格納される。
【0033】
TSデータはパケット単位で伝送される。そのパケットの先頭部分には、PID(Packet IDentification)が付加されている。デマルチプレクサ103は、このPIDを読み取ることで、映像データD1、音声データD2及びデータ放送/EPGデータD3を識別する。
【0034】
映像データの処理を説明する。ビデオデコーダ104は、デマルチプレクサ103から出力される映像データD1にMPEG2デコード処理を施し、復号した映像データを表示制御部109に出力する。表示制御部109は、ビデオデコーダ104及び画面構成部108からの画像データを、リモコン116の操作に応じて、切り換え又は多重して画像表示部112に表示させる。複数の画像データ・音声データ・データ放送/EPGデータを受信した場合は、ここで画像を合成し、画像表示部112に出力する。画面表示部112は、不図示のモニタ及び映像信号入力端子を含む。
【0035】
次に、音声データの処理を説明する。オーディオデコーダ105は、デマルチプレクサ103から出力される音声データD2にMPEG2デコード処理を施し、復号した音声データをデジタル/アナログ変換器(DAC)110に印加する。DAC110は、オーディオデコーダ105から出力される音声データをアナログ信号に変換して、音声出力部113に印加する。音声出力部113は、不図示のスピーカ及び音声信号入力端子を含む。
【0036】
データ放送/EPGデータD3の処理を説明する。電子番組ガイド(EPG)データは、社団法人電波産業会(通称「ARiB」)に於ける標準規格「デジタル放送に使用する番組陳列情報」等で規定されるデータ構造で伝送される。主要な構成データとして、編成チャンネルの名称及び放送事業者の名称等の、編成チャンネルに関する情報を伝送するSDT(Service Description Table)、ブーケ(編成チャンネルの集合)の名称及び含まれる編成チャンネル等の、ブーケに関する情報を伝送するBAT(Bouquet Association Table)、番組の名称、放送開始日時及び内容の説明等の、番組に関する情報を伝送するEIT(Event Information Table)、並びに、現在の日付・時刻の情報を伝送するTDT(Time Data Table)等がある。
【0037】
データ放送/EPGデータD3は、SDT、EIT及びTDT等のデータを含む。データストリーム処理部106は、先ずTDTを読み出し、現在時刻の情報を取得すると共に、CPU118に現在時刻の情報を出力する。CPU118は、現在時刻に対応したEPG表示の時間帯を判別し、適当な時間帯情報をデータストリーム処理部106に出力する。
【0038】
次に、データストリーム処理部106は、CPU118からの時間帯情報に基づいて、メモリ107からSDTを読み出し、番組表の有無を確認し、自他ストリームのチャンネル名及びチャンネル番号等の情報を取得する。データストリーム処理部106は、更に、メモリ107からEITを読み出し、自他ストリームの各チャンネル中の番組名、その開始時刻、カテゴリ及び番組の説明等の情報を取得する。データストリーム処理部106は、メモリ107から読み出されたデータ放送/EPGデータD3にデコード処理を施し、復号されたEPGデータを画面構成部108に出力する。
【0039】
画面構成部108は、データストリーム処理部106からのEPGデータに基づいて、EPG画面を構成する為のキャラクタ信号を表示制御部109に出力する。
【0040】
表示制御部109は、操作部114及びリモコン116の操作に応じて、ビデオデコーダ104から出力される映像データに係る映像と、画面構成部108から出力されるキャラクタ信号に係るEPG画面を切り換えて表示するように、画像表示部112に映像信号を出力する。表示制御部109は、操作部114及びリモコン116でEPG画面表示の指示操作があった場合、画面構成部108から出力されるキャラクタ信号のEPG画面を映像表示部112に出力する。
【0041】
データ放送では、ISO/IEC13818−6に規定されているDSM−CCのデータカルーセル方式により放送局から繰り返しデジタルデータが送出される。デマルチプレクサ103によってフィルタリングされたデータ放送データは、テキスト情報、スクリプト情報、画像情報及び映像・音声データを含み、テキスト情報は、W3Cの規定するXML(eXtensible Markup Language)によって記述されている。
【0042】
データストリーム処理部106は、データ放送/EPGデータD3から、テキスト情報と画像情報からなるEPGデータと、テキスト情報、画像情報及び映像・音声データからなるデータ放送データを復号処理し、これらのデータは、バス120を介してメモリ107に格納される。
【0043】
受光部115は、リモコン116からのユーザの操作情報を赤外線信号として受信し、バス120を介してCPU118に送信する。
【0044】
CPU118は、種々の情報に従い、テレビ受信装置100を統合的に制御する。
【0045】
バス120には更に、IEEE1394インターフェース121、エンコーダ122、通信制御部123及び再生位置記憶部124が接続する。IEEE1394インターフェース121は、テレビ受信装置100に外部のD-VHS130及びプリンタ131等を接続するのに使用される。エンコーダ122は、D-VHS130及び不図示の記憶媒体からの蓄積コンテンツデータを携帯端末の受信・再生に適したデータフォーマットに変換する為に用いられる。通信制御部123はインターネットに接続し、携帯端末とTCP/IPを用いて通信を行うことが可能である。再生位置記憶部124は、通信制御部123から送られるコンテンツの再生開始位置としてTCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプを記憶する。再生位置記憶部124の詳細は、後述する。
【0046】
図2を用いて、D−VHS130を説明する。IEEE1394インターフェース201は、他のIEEE1394インターフェース、この実施例では、テレビ受信装置100のIEEE1394インターフェース121に接続する。D−VHS本体部202は、映像音声データを記録媒体に記録し、記録媒体の記録映像音声データ(ビデオデータ)を再生する。エンコーダ/デコーダ203は、テレビ受信装置100との間で映像データを送受信するためにデータフォーマットを変換する。制御部204は、D-VHS本体部202とエンコーダ/デコーダ203を統括的に制御する。
【0047】
テレビ受信装置100は、リモコン116及び後述する携帯端末経由により、ユーザからD−VHS130の制御要求を受けた場合、IEEE1394 AVCコマンドによる通信プロトコルを用いてD−VHS130を制御する。ここで説明する蓄積コンテンツは、D−VHS130に蓄積されているものとする。
【0048】
図3は、携帯電話の外観を示し、図4は、携帯端末の概略構成ブロック図を示す。
【0049】
携帯電話300には、送受信用のアンテナ301が、引き出し及び収容可能に取り付けられている。スピーカ302から通話先の音声が出力される。ディスプレイ303は、電波状態及び保存されている電話帳などの各種情報を表示するとともに、テレビ受信装置100からのコンテンツデータを表示する。各種操作のための操作キー304は、テンキーを含む。マイクロフォン305は、通話時のユーザの音声を集音する。携帯電話本体部307は、アンテナ301及びマイクロフォン305を含む一般的な携帯電話の機能を提供する。通信制御部308は、公衆回線網に設けられたサーバを介して簡易トランスポートプロトコルによりインターネットに接続する機能を具備する。デコーダ309は、通信制御部308で受信したコンテンツデータをデコードし、表示部303に出力する。バッファ・メモリ310は、簡易トランスポートプロトコルでウインドウ制御を行う為に用意される。
【0050】
図5は、本実施例で使用するネットワークシステムの一例を示す。携帯端末300は、例えばW-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)などにより固定無線基地局401と無線接続されている。W−CDMAでは、高速移動時144kbps、歩行時384kbps、静止時2Mbpsのデータ伝送能力があり、動画・音声によるリアルタイムの通信が可能となっている。固定無線基地局401は、更に、ゲートウェイの役割を果たしており、後述するTCPとw-TCP(Wireless Profiled TCP)のインターフェースとなる。
【0051】
固定無線基地局401は有線で公衆回線網402に接続し、公衆回線網402は、インターネット403、並びに図示しない多くの加入者有線端末及びコンピュータネットワークに接続する。インターネット403には図示しないWWWサーバを含む多数のサーバが接続し、携帯端末300及びテレビ受信装置100とは、これらのサーバとTCP/IPプロトコルに従って通信可能である。ゲートウェイ404は、インターネット403とテレビ受信装置100との間のインターフェースの役割を果たす。
【0052】
テレビ受信装置100は、接続されたD−VHS130を制御し、コンテンツをインターネット403を介して携帯端末300に送出する。テレビ受信装置100からインターネット403を介して固定無線基地局401までは、全てTCP/IPプロトコルが使用され、固定無線基地局401から携帯端末300までは、簡易トランスポートプロトコルとして上述のw-TCPが使用される。
【0053】
w-TCPを簡単に説明する。トラフィックが狭い無線通信には、従来、TCP/IPよりも通信シーケンスの少ないUDP/IPが使用されていた。しかし、UDP/IPでは、大きなデータを受信することが出来ない。そこで、TCP/IPに存在する幾つかのパラメータ設定を無線通信用にチューニングしたものがw-TCPである。新たにプロトコルを作成したというよりは、TCP/IPに無線に適したデフォルト値を与えて作ったものと考えることが出来る。本実施例は、TCP/IPを一部拡張して使用する。例えば、ヘッダの一部の予約領域をデコードエラーの検出用に利用するなどである。ここで、使用する拡張仕様に関しての詳細は、後述する。
【0054】
図5に示すネットワークシステムにおいて、携帯端末300からテレビ受信装置405に制御信号を送信でき、また、テレビ受信装置100は、D-VHS130の蓄積コンテンツである動画データを携帯端末300に送信出来る。この動作の詳細を説明する。
【0055】
図6は、携帯電話300、テレビ受信装置100及びD−VHS130間のデータ通信フローを示す。
【0056】
携帯電話300は、テレビ受信装置100とTCP/IPによる通信を行う為に、通信許可を要請するコマンドをテレビ受信装置100に送信する。このコマンドを受信したテレビ受信装置100は、通信を許可するか否かを判断し、OKの場合は、その旨と共に携帯電話300への通信許可を要請するコマンドを送信する。このコマンドを受信した携帯端末300が最後に通信許可を示すコマンドをテレビ受信装置100に送ることで、TCPコネクションが確立され、通信路が確保されたことになる(500)。
【0057】
通信経路の確立が終了すると、携帯端末300は、テレビ受信装置100のHTMLで記述された制御可能なコンテンツ一覧をHTTPで要求する(501)。テレビ受信装置100で制御可能なコンテンツとは、例えば、IEEE1394で接続された機器のコンテンツ及び内蔵HDDに蓄積されたコンテンツなどであり、本実施例では、D-VHS130のコンテンツである。要求を受けたテレビ受信装置100は、制御可能なコンテンツのリストをHTMLに従って作成し、HTTPで携帯端末300に送信する(502)。図7は、携帯電話300が受信し、表示するコンテンツリストの一例を示す。
【0058】
ユーザは、携帯電話300の表示部303に表示されたGUIを操作入力部304により操作し、視聴を希望するコンテンツを選択する。携帯電話300は、ユーザにより何れかのコンテンツが選択された場合、選択されたコンテンツの送信要求をテレビ受信装置100に送信する(503)。
【0059】
コンテンツ送信要求を受信したテレビ受信装置100は、指定されたコンテンツを蓄積している機器からコンテンツを取得する。即ち、指定されたコンテンツがD−VHS130内に格納されていることを認識すると、D−VHS130にコンテンツ取得の為のIEEE1394 AV/Cコマンドを送信する(504)。AV/Cコマンドを受信したD−VHS130は、コンテンツを再生し、IEEE1394経由でTV受信装置100に送信する(505)。
【0060】
テレビ受信装置100は、D−VHS130からのデータを順次、受信しつつ、エンコーダ122により携帯電話300での受信・再生に適したフォーマットに変換する(506)。このフォーマット変換の後、テレビ受信装置100は、TCP/IPでの送信に利用するシーケンス番号とコンテンツの位置情報を表すタイムスタンプを再生位置記憶部124に格納する(507)。ここで、タイムスタンプは、フォーマット変換前後で共通のコンテンツ再生位置を表すものとする。この情報により、テレビ受信装置100は、送信エラー又はデコードエラーの起こったコンテンツの位置を一意に識別出来る。テレビ受信装置100は、再生位置を記録した後、携帯電話300にTCP/IPでコンテンツの送信を開始する(508)。
【0061】
コンテンツを受信した携帯電話300は、通信制御部308で受信したTCP/IPヘッダを解析し、順次、バッファ310に格納する。デコーダ309は、格納されたコンテンツデータをバッファ310から順次、取り出してデコードし、デコードされたデータを表示部303に表示させる(509)。携帯電話300は、エラー有無の情報を含む受信確認通知をテレビ受信装置100に返信する(510)。
【0062】
以上の手順により、ユーザは、所望のコンテンツを携帯電話300で視聴することが可能となる。
【0063】
コンテンツの再生が全て終了するか、又は通信状況の悪化などにより通信を切断させる場合は、テレビ受信装置100は、通信を終了する旨のコマンドを携帯電話300に送信する。このコマンドを受信した携帯電話300は、終了の許否を示すレスポンスを返信すると共に、テレビ受信装置100に通信終了要求を送信する。このレスポンスを受信したテレビ受信装置100は、切断の受け入れを示すレスポンスを返信する。これで、TCPコネクションの切断が完了する(511)。
【0064】
図8を参照して、蓄積コンテンツの取得から携帯電話300との通信に関するテレビ受信装置100の動作を詳しく説明する。
【0065】
上述したように、テレビ受信装置100は、制御可能な蓄積コンテンツすると(S700)、エンコーダ122で携帯電話300での視聴に適したフォーマットに変換する(S701)。
【0066】
テレビ受信装置100は、フォーマット変換の後、TCP/IPでデータを携帯電話300に送信するが、そのとき、TCPヘッダで利用するシーケンス番号とコンテンツの再生位置情報を識別するタイムスタンプとを対応付けて、再生位置記憶部124に保存する(S702)。TCPヘッダについては後述する。テレビ受信装置100は、通信制御部123から上記シーケンス番号でコンテンツを携帯電話300にコンテンツデータを送信する(S703)。
【0067】
TCPでは、信頼性の高い通信を実現する為に、途中でTCPセグメントが紛失した場合に、それを検出し再送する仕組みがある。途中でTCPセグメントが紛失するケースとしては、送信したTCPセグメントが途中でなくなるケースと、受信側からの確認の応答が途中で無くなるケースの2つの可能性が考えられる。これらの通信エラーを、テレビ受信装置100が主体となって検出する。テレビ受信装置100は、TCPセグメントを送信したら、これに対応する確認応答(ACK)を期待する。この確認応答が一定時間以内に返ってこなかったとき、テレビ受信装置100は、途中でTCPセグメントが紛失したと判断する。通常のTCP/IPでは、再度、TCPセグメントを送信するが、本実施例のテレビ受信装置100は、確認応答の有無で処理を分岐する(S704)。
【0068】
確認応答が戻ってこなかった場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124にセグメントに関する情報としてシーケンス番号とタイムスタンプを残したまま、次のセグメントの送信を開始する。確認応答が戻って来た場合、携帯端末300がユーザにコンテンツを正常に提示出来たか否で処理を分岐させる(S705)。デコードエラーなどにより、ユーザにコンテンツを提示できなかった場合、確認応答が戻ってこなかった場合と同様に、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124にセグメントに関する情報としてシーケンス番号とタイムスタンプを残したまま、次のセグメントの送信を開始する。他方、携帯端末300が正常にコンテンツの再生を完了した場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124に記憶してあるセグメントに関する情報(シーケンス番号とタイムスタンプ)をクリアし、次のセグメントの送信を開始する(S706)。
【0069】
このような手順により、通信エラー又はデコードエラーがあった時の再生位置の情報だけが、テレビ受信装置100の再生位置記憶部124に蓄積されていく。また、一定時間内に通信エラー又はデコードエラーが頻発する場合、テレビ受信装置100は、携帯電話300との間の通信状態が悪化したと判断し、携帯電話300とのTCPコネクションを切断する。
【0070】
図9は、コンテンツの受信から確認応答の送信に関する携帯電話300の動作のフローを示す。図9を参照して、携帯電話300におけるコンテンツの受信から確認応答の送信までの動作を詳しく説明する。
【0071】
携帯端末300は、通信制御部308によりテレビ受信装置100から送信されるTCPセグメントを受信する(S800)。携帯電話300は、受信したデータをTCPコネクション確立の際に通知したウインドウ・サイズ分だけバッファ310にバッファリングする(S801)。その後、順次、デコーダ309がデコードを開始する(S802)。ここでデコードエラーが発生したか否かによって処理が分岐する(S803)。デコードエラーが発生しなかった場合、通常のTCP/IPの処理に従い確認応答を返信し、次の処理に移行する(S805)。他方、デコードエラーが発生し、ユーザに対して正常にコンテンツ提示を行うことが出来なかった場合、TCPヘッダのデコードエラーフラグをオンにし(S804)、確認応答を返信する(S805)。デコードエラーフラグに関しては、後述する。
【0072】
図10は、本実施例で適用するTCPヘッダのフォーマットを示す。送信元ポート番号及び宛て先ポート番号は、それぞれ16ビットの情報であり、このTCPセグメントを使用するアプリケーションを識別するものである。従ってここには、テレビ受信装置100のアプリケーション及び携帯電話300のアプリケーションを識別する番号が記載される。
【0073】
シーケンス番号とは、TCPセグメントを送るたびに増加する番号であり、通信先にTCPセグメントの順番を認識させるために使用される。本実施例では、上記したように、このシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプを対応させて記憶することで、通信時にエラーが発生した場合でも、紛失したデータの再生位置を特定出来る。
【0074】
また、確認応答番号は、TCPセグメントを正しく受け取ったことを相手に通知する為の番号であり、シーケンス番号と共に使用される。携帯電話300でデコード時にエラーが発生した場合でも、通信データを正常に受信できている限り、携帯電話300は、この確認応答番号を記載したデータを返信する。
【0075】
予約領域は6ビットからなり、通常のTCP/IPでは将来的な拡張のために確保された未使用領域である。本実施例では、この領域の一部をデコードエラーの有無を検出するために利用する。図12は、予約領域の説明図である。「予約」と付記した上位5ビットは、本実施例でも使用されず、通常、’0’が格納される。デコードエラーと付記した最下位ビットには、携帯端末300のデコーダ309で何らかのエラーが発生した場合、’1’が格納され、正常にデコードが完了した場合には’0’が格納される。このように予約領域を利用することで、テレビ受信装置100は、携帯電話300のデコードエラーを検出出来るようになる。
【0076】
ユーザがテレビ受信装置100で制御可能なコンテンツを形態電話300で視聴している間に、受信状態の悪化などで通信エラー又はデコードエラーが頻発した際、ユーザは、コンテンツの視聴を断念し、通信を切断することが予想される。また、電波受信自体が困難な場合、この事態を受けテレビ受信装置100が送信を停止することもありうる。
【0077】
このような状況において、ユーザは、帰宅した際、途中で断念せざるを得なかったコンテンツを自宅のテレビ受信装置100で視聴することが予想される。このとき、ユーザは、初めから視聴し直すこともあるであろうが、多くの場合は、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部、即ち、中断箇所以降を視聴するという利用が考えられる。
【0078】
テレビ受信装置100は、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置を再生位置記憶部124に保持している。帰宅後、ユーザにより電源を投入されると、テレビ受信装置100は、画像表示部112に図12に示すようなメッセージを表示する。ユーザは、テレビ受信装置100のリモコン116又は操作部114により、表示されたGUIの「見てないところだけを見る」を選択した場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124に記憶されているタイムスタンプから再生開始位置を決定し、D−VHS130にその位置からの再生を指示するAV/Cコマンドを送信する。これにより、テレビ受信装置100は、ユーザが視聴できなかった箇所からコンテンツを再生表示する。
【0079】
このようにして、本実施例では、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツを、その記録位置を手動で検索すること無しに、テレビ受信装置で視聴できる。
【0080】
本実施例では、テレビ受信装置が制御可能なコンテンツとして蓄積コンテンツを例に挙げ説明したが、放送波からのコンテンツを使用し、提示出来なかった箇所から記憶媒体に録画を開始し、帰宅後、これを提示するという構成にすることも可能である。
【0081】
本実施例では、蓄積コンテンツとしてIEEE1394で接続されたD−VHSのコンテンツを利用したが、テレビ受信装置に内蔵されるHDD(ハードディスクドライブ)又はその他の機器を利用する構成に変更することもできる。
【0082】
本実施例では、TCP/IPを用いて通信を行うとしたが、それ以外の通信プロトコルを用いてもよい。
【0083】
本実施例では、通信エラーとデコードエラーの際に再送を行わないとしたが、一定回数の再送を試みるようにしてもよい。
【0084】
本実施例では、予約領域を使用し通知するエラーはデコードエラーのみであるが、未使用の予約領域を利用してその他のエラーを通知すること可能である。
【0085】
本実施例では、携帯端末の一例として携帯電話を使用するとしたが、カーナビゲーションシステムのような移動体通信機器を利用する構成に適用することも可能である。
【実施例2】
【0086】
以下、本発明の第2実施例を説明する。第2実施例は、第1実施例に係るエラー検出時に保存する情報、及び、ユーザへのコンテンツ開始位置提示方法について、異なる特徴を有する。第1実施例との相違点のみを説明する。
【0087】
図13は、第2実施例に係るテレビ受信装置100aの概略構成ブロック図を示す。図1に示すテレビ受信装置100と同じ構成要素には同じ符号を付してある。テレビ受信装置100との相違点として、テレビ受信装置100aは、静止画キャプチャ装置125を具備する。
【0088】
テレビ受信装置100aは、携帯電話300に対しTCP/IPによりコンテンツを送信する。テレビ受信装置100aは、コンテンツ送信に先立ち、TCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプに加え、該当するタイムスタンプに対応するコンテンツの静止画情報を静止画キャプチャ装置125で取得し、再生位置情報記憶部124に記憶する。
【0089】
携帯端末からの確認応答(ACK)により正常動作を確認した場合、対応するシーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報はクリアされる。他方、通信エラーによりTCPセグメント又は確認応答を紛失した場合、及びデコードエラーが発生した場合、テレビ受信装置100aは、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報を保持しつづける。テレビ受信装置100aは、ユーザによる携帯電話300からの送信停止要求がない限り、送信を試みつづける。
【0090】
ユーザは、帰宅した際、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100aで視聴することが予想される。このとき、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部を確認するという利用が考えられる。
【0091】
テレビ受信装置100aは、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置及びそれに対応する静止画像を再生位置記憶部124に保持している。帰宅後、ユーザにより電源が投入されると、テレビ受信装置100aは、再生記憶部124に保持される情報を基に図14に示すようなGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を画像表示部112に表示する。連続したコンテンツ情報が再生位置記憶部124に保持されている場合は、先頭の静止画像をインデックスとして使用する。ユーザが視聴できなかったコンテンツの静止画像がインデックスとして一覧表示される。ユーザがリモコン116又は操作部114により特定の静止画像が選択すると、TV受信装置100aは、その位置からの再生要求をD−VHS200に送信し、その位置からのコンテンツが再生される。
【0092】
以上の手順により、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの位置を手動で検索することなく、テレビ受信装置で視覚的に所望のコンテンツ位置を確認して視聴できる。
【0093】
本実施例では、静止画キャプチャ装置125は、専用のハードウェアとしても、ソフトウエアとしても実装可能である。
【0094】
本実施例では、静止画像を逐一記憶するとしたが、インデックス作成時にコンテンツのタイムスタンプを基に静止画データを取得し表示するという構成に変更してもよい。
【0095】
本実施例では、再生位置を特定する静止画像をインデックス表示するとしたが、スライドショーその他の表示・選択法を用いてもよい。
【実施例3】
【0096】
本発明の第3実施例を説明する。第3実施例は、第2実施例とは再視聴コンテンツの提示方法で異なる特徴を有する。
【0097】
図13は、第3実施例に係るテレビ受信装置100bの概略構成ブロック図を示す。図1及び図13に示す実施例と同じ構成要素には同じ符号を付してある。テレビ受信装置100bには、HDD126を追加してある。
【0098】
テレビ受信装置100bは、コンテンツ送信に先立ち、TCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプに加え、そのタイムスタンプに対応するコンテンツの静止画情報を静止画キャプチャ装置125により取得し、再生位置情報記憶部124に記憶する。
【0099】
携帯端末からの確認応答(ACK)により正常動作を確認した場合、対応するシーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報はクリアされる。他方、通信エラー又はデコードエラーを検出した場合、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報を保持しつづける。
【0100】
ある期間、連続して通信エラー又はデコードエラーが検出された場合、正常通信及び正常デコードが確認されたタイミングで、エラーで表示されなかったコンテンツのダイジェストストリームを生成し、HDD126に保持する。その期間は、初めにエラーが検出されてから、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の連続した情報が存在するまでの期間である。HDD126には、テレビ受信装置100bでの視聴に適したフォーマットで記録される。即ち、HDD126への記録には、携帯電話300に適したフォーマットへの変換は行われない。
【0101】
以下の説明では、エラーが検出されたが、連続していない場合、テレビ受信装置100bは、3分間のダイジェストストリームを生成し、HDD126に蓄積するものとする。
【0102】
ユーザは、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、帰宅した際に、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100bで視聴することが予想される。このとき、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部を確認するという利用が考えられる。
【0103】
上述した手段により、テレビ受信装置100bは、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置及びそれに対応する静止画像を再生位置記憶部124に保持している。
【0104】
帰宅後、ユーザにより電源が投入されると、テレビ受信装置100bは、再生記憶部124に保持してある情報を基に図14に示すようなGUIを画像表示部112に表示する。再生記憶部124に連続したコンテンツ情報が保持されている場合、先頭の静止画像をインデックスとして使用する。ユーザが視聴できなかったコンテンツの静止画像が、インデックスとして一覧表示される。リモコン116又は操作部114により特定の静止画像が選択されると、テレビ受信装置100bは、事前に蓄積されている指定位置からのダイジェストストリームをHDD126から取得し、画像表示部112に表示させる。これにより、ユーザは所望のコンテンツを画面上で視覚的に確認できる。
【0105】
以上の手順により、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの位置を手操作で検索することなく、テレビ受信装置100bで視覚的に所望の位置からのコンテンツのみを簡単に確認出来る。
【実施例4】
【0106】
本発明の第4実施例を説明する。第4実施例は、上述した第1、第2及び第3実施例とは、再生位置情報の保存方法で異なる特徴を有する。
【0107】
第4実施例では、テレビ受信装置100b,100cは、再生位置記憶部124に蓄積した、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置情報及びそれに対応する静止画情報を、携帯電話300との通信が切断された時点で、インターネット403に接続された図示しないサーバにユーザIDと共に送信する。ユーザIDは、テレビ受信装置100b,100cが通信している携帯電話300を識別する為に利用する情報であり、テレビ受信装置100b,100cと携帯電話300との間のTCP/IPコネクション確立の際、携帯電話300からテレビ受信装置100b,100cに送信される。サーバにこれらの情報を送信したテレビ受信装置100b,100cは、再生位置記憶部124からその情報を消去する。
【0108】
ユーザは、帰宅した際、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100b,100cで視聴することが予想される。ユーザは、自分の携帯電話300を識別する為のユーザIDをテレビ受信装置100b,100cに入力する。テレビ受信装置100b,100cは、そのために必要な情報を上記したサーバから獲得し、ユーザが所望の箇所より再視聴しやすいように制御を行う。
【0109】
このような構成をとることで、複数のユーザの利用が快適になるばかりか、テレビ受信装置100b,100cのリソースをより有効に活用出来る。
【0110】
本実施例では、テレビ受信装置100b,100cは、通信相手の携帯電話300との通信が切断された時点で、サーバに情報を送信するとしたが、通信途中に逐一、情報を送信する構成に変更してもよい。
【0111】
本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することが出来る。従って、上述の第1〜第4実施例は、あらゆる点に於いて単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0112】
100,100a,100b:テレビ受信装置
101:チューナ
102:デスクランブラ
103:デマルチプレクサ
104:ビデオデコーダ
105:オーディオデコーダ
106:データストリーム処理部
107:メモリ部
108:画像構成部
109:表示制御部
110:DAC
112:画像表示部
113:音声出力部
116:リモコン
118:CPU
122:エンコーダ
123:通信制御部
124:再生位置記憶部
125:静止画キャプチャ装置
126:HDD
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法に関し、更に詳しく述べると、携帯端末と連携し、外出先でも家庭内のテレビ受信装置の制御可能なコンテンツを制御・視聴することが可能なネットワークシステムに於いて、移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上で様々なエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により再視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することを可能にするテレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−77839号公報
【0004】
デジタル放送波を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯端末で視聴する技術や、テレビ受信装置で受信した放送コンテンツ又はテレビ受信装置で制御可能な蓄積コンテンツを携帯端末に送信し、視聴する技術が、期待されている。これらの技術により、ユーザは、家庭のリビングルームから離れた場所にいながら、コンテンツの視聴を楽しむことが可能になる。
【0005】
一例に地上波デジタル放送が挙げられる。地上波デジタル放送の特徴の一つとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)を採用したことがあり、これにより、マルチパス干渉に強くなる。従って、移動によって電波の干渉条件が時々刻々変化しても、映像が乱れにくく、且つ屋外に設置するような大型アンテナを使用せずに、機器に内蔵した小型アンテナで電波を受信できる。こうした技術的な特徴を基に、携帯端末で放送コンテンツを視聴するといった技術が確立されようとしている。
【0006】
また、一度蓄積したコンテンツを携帯端末で受信したいとする希望がある。このような装置、方法及びシステムが、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術では、携帯端末からネットワークを介しテレビ放送受信機能付き録画機に録画の要求を送信し、この要求を受信した録画機は、指定されたコンテンツを録画する。録画機はまた、携帯端末からの指示に従いネットワークを介して録画コンテンツを携帯端末に送信する。この技術を用いることで、蓄積されたコンテンツを外出先から携帯端末を用いて視聴することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯端末により外出先で家庭内のテレビ受信装置のコンテンツを制御・視聴することが可能なネットワークシステム及びそのようなテレビ受信装置は、ユーザニーズも大きく、大変期待されている技術である。
【0008】
このような技術により、ユーザは、予期せぬ突然の外出や録画予約のし忘れなどにより所望のコンテンツを見逃してしまうという危険性を回避することが出来るばかりか、移動中に所望のコンテンツを見られることになり、時間をより有効に活用することが可能になる。
【0009】
しかし、このような技術を利用するにあたり懸念される問題点が幾つかある。例えば、移動中の携帯端末では、受信状態によりエラーが度々発生してしまう。このようなエラーにより正常な視聴が困難となった場合、ユーザは帰宅後にコンテンツの続きを視聴することが考えられるが、その際の操作が煩雑になる。
【0010】
また、ユーザが外出先で携帯端末を利用してテレビ受信装置で制御可能なコンテンツを視聴しながら移動している状況を想定する。このユーザが電車や自動車など、比較的高速での移動手段を利用していた場合、携帯端末の受信環境は、時々刻々と変化することになる。時には、トンネル内など受信状態の悪いエリアに入ってしまうこともあれば、携帯端末の受信カバーエリアの範囲外に出てしまうこともある。このような場合、携帯端末は電波を受信することが出来ず、受信エラーの状態となり、ユーザにコンテンツを提示することが不可能になる。このような受信エラー以外にも、回線の通信負荷状況に起因する通信エラー、及び携帯端末の処理能力に起因するデコードエラーなど、様々なエラーが考えられる。当然の如く、程度の差こそあれ、徒歩などの低速移動中に於いても同様である。
【0011】
上記したように、外出先で携帯端末を利用してテレビ受信装置で制御可能なコンテンツの視聴時にエラーが発生し、視聴が困難になった場合、ユーザは帰宅後にそのコンテンツを再視聴することが予想される。ユーザがそのコンテンツに対し、特別な思い入れがある場合には、始めから視聴し直すことも十分有り得るが、通常は、視聴済みの箇所を飛ばし、視聴が困難になったあたりから視聴し直すという使い方をすると考えられる。
【0012】
携帯端末でのエラー発生の仕方によっては、所々視聴困難な箇所があった場合に、その箇所だけを帰宅後確認したいという視聴方法も考えられる。
【0013】
このような種々の状況に於いて、ユーザは、帰宅後、コンテンツを再視聴する為にテレビ受信装置を視聴可能な状態にし、コンテンツをテレビ受信装置に表示させ、もしコンテンツの再生位置が所望のものと異なっていた場合、早送り/巻き戻し又はこれに相当する操作によって再生位置を調整することで初めて、所望の位置からの視聴が可能になる。このように、ユーザは、帰宅直後に上記した複数の操作を一度に強いられる。更には、視聴を望む再生位置が複数箇所に及ぶ場合、以上の操作を何度も繰り返すことによって初めて、所望の箇所を全て視聴することが可能になる。
【0014】
テレビのようなコンシューマ製品は、パーソナルコンピュータ等とは異なり、より広いユーザ層が利用すると考えられる。中には、機器の細かな操作に精通しているとは言いかねるユーザもいる。そのようなユーザが上述したような操作を好んで遂行するとは非常に考えがたい。例え技術的に優れ、ユーザからの期待が大きくても、ユーザ・インタフェースの観点からユーザに支持されなければ、普及しない。
【0015】
このように、外出先で携帯端末により視聴していたコンテンツの続きをテレビ受信装置で視聴する場合、ユーザ・インタフェースの観点で良好な操作性が望まれる。
【0016】
本発明は、所望のコンテンツ視聴を簡単に行うことを可能にするテレビ受信装置、ネットワークシステム及びこれらの制御方法を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るテレビ受信装置は、ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置であって、動画データを再生制御する再生制御手段と、前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出手段と、前記動画データの送信中に、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るネットワークシステムは、ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムであって、前記情報端末装置は、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするためのデコーダと、前記デコーダのデコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知手段とを有し、前記テレビ受信装置は、動画データを再生制御する再生制御手段と、前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、前記動画データの送信中に、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るテレビ受信装置の制御方法は、ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置の制御方法であって、動画データを再生制御する再生制御ステップと、再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する送信ステップと、前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出ステップと、前記動画データの送信中に、前記検出ステップで前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るネットワークシステムの制御方法は、ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムの制御方法であって、前記テレビ受信装置が動画データを再生制御する再生制御ステップと、再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から前記情報端末装置に送信する送信ステップと、前記情報端末装置が、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするデコードステップと、デコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記情報端末装置から前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知ステップと、前記テレビ受信装置が、前記動画データの送信中に前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上でエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により所望のコンテンツ視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することが出来、ユーザにとって煩わしい操作を回避することを可能にする。
【0022】
非常に煩雑な操作が予想されるコンテンツの再視聴に於いて、最適なユーザ・インタフェース及びシステムを提供することで、快適な視聴環境を実現することが出来るようになった。
【0023】
移動中にコンテンツを受信・表示している携帯端末上で様々なエラーが発生し、携帯端末上で視聴が困難になった場合でも、特別な操作なしに簡単にテレビ受信装置により欠落した場面の再視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供することが出来る。
【0024】
移動中にテレビ受信装置のコンテンツを受信・表示している携帯端末上でのエラーにより、携帯端末上でのコンテンツ視聴ができない部分又は見難い部分が発生した場合に於いて、ユーザは帰宅後テレビ受信装置にて再視聴する際、所望の箇所を探してから視聴するといった煩わしい操作を回避し、特別な設定なしに所望のコンテンツ視聴を行うことの出来る視聴環境をユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施例に係るテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【図2】D−VHSの概略構成ブロック図。
【図3】携帯電話の外観を示す図
【図4】携帯電話の概略構成ブロック図。
【図5】ネットワークシステムの一構成例を示す図。
【図6】携帯電話、テレビ受信装置及びD−VHS間のデータ通信の制御フローを示す図。
【図7】携帯電話の画面に表示されるコンテンツリストの一例を示す図。
【図8】テレビ受信装置の動作説明図。
【図9】携帯端末の動作説明図。
【図10】TCPヘッダのフォーマットを示す図。
【図11】TCPヘッダの予約領域の各ビットの役割を示す図。
【図12】テレビ受信装置が表示するメッセージの一例を示す図。
【図13】第2実施例におけるテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【図14】テレビ受信装置が表示するメッセージの一例を示す図。
【図15】第3実施例におけるテレビ受信装置の概略構成ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の一実施例であるデジタルテレビ受信装置100の概略構成ブロック図を示す。
【0028】
不図示のアンテナで受信された信号はチューナ部101に入力する。チューナ部101は、入力信号に復調及び誤り訂正等の処理を施し、トランスポートストリームと呼ばれる形式のデジタルデータを生成する。生成されたトランスポートストリーム(TS)データは、デスクランブラ102に入力する。
【0029】
デスクランブラ102は、視聴制限のためのスクランブルがかけられているTSデータがチューナ部101から入力された場合、TSデータに含まれるデスクランブルのための鍵情報とICカード制御部117から出力される鍵情報とに基づいて、スクランブルを解除し、スクランブルを解除したTSデータをデマルチプレクサ103に出力する。
【0030】
ICカード部117は、ユーザの契約情報及びTSデータに含まれるデスクランブラのための鍵情報を解くための鍵情報が格納されているICカードを含み、デスクランブラ102から入力されたデスクランブルのための鍵情報を解くための鍵情報があった場合、その鍵情報をデスクランブラ102に出力する。
【0031】
また、デスクランブラ102は、チューナ部101からスクランブルがかけられていないTSデータが入力した場合には、そのTSデータをそのままデマルチプレクサ103に出力する。デスクランブラ102の出力データは、複数チャネル分の映像音声データ、電子番組ガイド(EPG)データ及びデータ放送データ等が時分割多重化されたTSデータである。
【0032】
デマルチプレクサ103は、デスクランブラ102から入力するTSデータの中から、操作部114又はリモコン116の操作により選択されたチャネルの映像データD1及び音声データD2を取り出し、映像データD1をビデオデコーダ104に出力し、音声データD2をオーディオデコーダ105に出力する。また、デマルチプレクサ103は、TSデータからデータ放送/EPGデータD3を取り出し、データストリーム処理部106に出力する。データストリーム処理部106によって処理されたデータ放送/EPGデータは、バス120を介してメモリ107に取り込まれ、CPUによるソフトウェア処理の後に不図示の記録媒体に格納される。
【0033】
TSデータはパケット単位で伝送される。そのパケットの先頭部分には、PID(Packet IDentification)が付加されている。デマルチプレクサ103は、このPIDを読み取ることで、映像データD1、音声データD2及びデータ放送/EPGデータD3を識別する。
【0034】
映像データの処理を説明する。ビデオデコーダ104は、デマルチプレクサ103から出力される映像データD1にMPEG2デコード処理を施し、復号した映像データを表示制御部109に出力する。表示制御部109は、ビデオデコーダ104及び画面構成部108からの画像データを、リモコン116の操作に応じて、切り換え又は多重して画像表示部112に表示させる。複数の画像データ・音声データ・データ放送/EPGデータを受信した場合は、ここで画像を合成し、画像表示部112に出力する。画面表示部112は、不図示のモニタ及び映像信号入力端子を含む。
【0035】
次に、音声データの処理を説明する。オーディオデコーダ105は、デマルチプレクサ103から出力される音声データD2にMPEG2デコード処理を施し、復号した音声データをデジタル/アナログ変換器(DAC)110に印加する。DAC110は、オーディオデコーダ105から出力される音声データをアナログ信号に変換して、音声出力部113に印加する。音声出力部113は、不図示のスピーカ及び音声信号入力端子を含む。
【0036】
データ放送/EPGデータD3の処理を説明する。電子番組ガイド(EPG)データは、社団法人電波産業会(通称「ARiB」)に於ける標準規格「デジタル放送に使用する番組陳列情報」等で規定されるデータ構造で伝送される。主要な構成データとして、編成チャンネルの名称及び放送事業者の名称等の、編成チャンネルに関する情報を伝送するSDT(Service Description Table)、ブーケ(編成チャンネルの集合)の名称及び含まれる編成チャンネル等の、ブーケに関する情報を伝送するBAT(Bouquet Association Table)、番組の名称、放送開始日時及び内容の説明等の、番組に関する情報を伝送するEIT(Event Information Table)、並びに、現在の日付・時刻の情報を伝送するTDT(Time Data Table)等がある。
【0037】
データ放送/EPGデータD3は、SDT、EIT及びTDT等のデータを含む。データストリーム処理部106は、先ずTDTを読み出し、現在時刻の情報を取得すると共に、CPU118に現在時刻の情報を出力する。CPU118は、現在時刻に対応したEPG表示の時間帯を判別し、適当な時間帯情報をデータストリーム処理部106に出力する。
【0038】
次に、データストリーム処理部106は、CPU118からの時間帯情報に基づいて、メモリ107からSDTを読み出し、番組表の有無を確認し、自他ストリームのチャンネル名及びチャンネル番号等の情報を取得する。データストリーム処理部106は、更に、メモリ107からEITを読み出し、自他ストリームの各チャンネル中の番組名、その開始時刻、カテゴリ及び番組の説明等の情報を取得する。データストリーム処理部106は、メモリ107から読み出されたデータ放送/EPGデータD3にデコード処理を施し、復号されたEPGデータを画面構成部108に出力する。
【0039】
画面構成部108は、データストリーム処理部106からのEPGデータに基づいて、EPG画面を構成する為のキャラクタ信号を表示制御部109に出力する。
【0040】
表示制御部109は、操作部114及びリモコン116の操作に応じて、ビデオデコーダ104から出力される映像データに係る映像と、画面構成部108から出力されるキャラクタ信号に係るEPG画面を切り換えて表示するように、画像表示部112に映像信号を出力する。表示制御部109は、操作部114及びリモコン116でEPG画面表示の指示操作があった場合、画面構成部108から出力されるキャラクタ信号のEPG画面を映像表示部112に出力する。
【0041】
データ放送では、ISO/IEC13818−6に規定されているDSM−CCのデータカルーセル方式により放送局から繰り返しデジタルデータが送出される。デマルチプレクサ103によってフィルタリングされたデータ放送データは、テキスト情報、スクリプト情報、画像情報及び映像・音声データを含み、テキスト情報は、W3Cの規定するXML(eXtensible Markup Language)によって記述されている。
【0042】
データストリーム処理部106は、データ放送/EPGデータD3から、テキスト情報と画像情報からなるEPGデータと、テキスト情報、画像情報及び映像・音声データからなるデータ放送データを復号処理し、これらのデータは、バス120を介してメモリ107に格納される。
【0043】
受光部115は、リモコン116からのユーザの操作情報を赤外線信号として受信し、バス120を介してCPU118に送信する。
【0044】
CPU118は、種々の情報に従い、テレビ受信装置100を統合的に制御する。
【0045】
バス120には更に、IEEE1394インターフェース121、エンコーダ122、通信制御部123及び再生位置記憶部124が接続する。IEEE1394インターフェース121は、テレビ受信装置100に外部のD-VHS130及びプリンタ131等を接続するのに使用される。エンコーダ122は、D-VHS130及び不図示の記憶媒体からの蓄積コンテンツデータを携帯端末の受信・再生に適したデータフォーマットに変換する為に用いられる。通信制御部123はインターネットに接続し、携帯端末とTCP/IPを用いて通信を行うことが可能である。再生位置記憶部124は、通信制御部123から送られるコンテンツの再生開始位置としてTCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプを記憶する。再生位置記憶部124の詳細は、後述する。
【0046】
図2を用いて、D−VHS130を説明する。IEEE1394インターフェース201は、他のIEEE1394インターフェース、この実施例では、テレビ受信装置100のIEEE1394インターフェース121に接続する。D−VHS本体部202は、映像音声データを記録媒体に記録し、記録媒体の記録映像音声データ(ビデオデータ)を再生する。エンコーダ/デコーダ203は、テレビ受信装置100との間で映像データを送受信するためにデータフォーマットを変換する。制御部204は、D-VHS本体部202とエンコーダ/デコーダ203を統括的に制御する。
【0047】
テレビ受信装置100は、リモコン116及び後述する携帯端末経由により、ユーザからD−VHS130の制御要求を受けた場合、IEEE1394 AVCコマンドによる通信プロトコルを用いてD−VHS130を制御する。ここで説明する蓄積コンテンツは、D−VHS130に蓄積されているものとする。
【0048】
図3は、携帯電話の外観を示し、図4は、携帯端末の概略構成ブロック図を示す。
【0049】
携帯電話300には、送受信用のアンテナ301が、引き出し及び収容可能に取り付けられている。スピーカ302から通話先の音声が出力される。ディスプレイ303は、電波状態及び保存されている電話帳などの各種情報を表示するとともに、テレビ受信装置100からのコンテンツデータを表示する。各種操作のための操作キー304は、テンキーを含む。マイクロフォン305は、通話時のユーザの音声を集音する。携帯電話本体部307は、アンテナ301及びマイクロフォン305を含む一般的な携帯電話の機能を提供する。通信制御部308は、公衆回線網に設けられたサーバを介して簡易トランスポートプロトコルによりインターネットに接続する機能を具備する。デコーダ309は、通信制御部308で受信したコンテンツデータをデコードし、表示部303に出力する。バッファ・メモリ310は、簡易トランスポートプロトコルでウインドウ制御を行う為に用意される。
【0050】
図5は、本実施例で使用するネットワークシステムの一例を示す。携帯端末300は、例えばW-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)などにより固定無線基地局401と無線接続されている。W−CDMAでは、高速移動時144kbps、歩行時384kbps、静止時2Mbpsのデータ伝送能力があり、動画・音声によるリアルタイムの通信が可能となっている。固定無線基地局401は、更に、ゲートウェイの役割を果たしており、後述するTCPとw-TCP(Wireless Profiled TCP)のインターフェースとなる。
【0051】
固定無線基地局401は有線で公衆回線網402に接続し、公衆回線網402は、インターネット403、並びに図示しない多くの加入者有線端末及びコンピュータネットワークに接続する。インターネット403には図示しないWWWサーバを含む多数のサーバが接続し、携帯端末300及びテレビ受信装置100とは、これらのサーバとTCP/IPプロトコルに従って通信可能である。ゲートウェイ404は、インターネット403とテレビ受信装置100との間のインターフェースの役割を果たす。
【0052】
テレビ受信装置100は、接続されたD−VHS130を制御し、コンテンツをインターネット403を介して携帯端末300に送出する。テレビ受信装置100からインターネット403を介して固定無線基地局401までは、全てTCP/IPプロトコルが使用され、固定無線基地局401から携帯端末300までは、簡易トランスポートプロトコルとして上述のw-TCPが使用される。
【0053】
w-TCPを簡単に説明する。トラフィックが狭い無線通信には、従来、TCP/IPよりも通信シーケンスの少ないUDP/IPが使用されていた。しかし、UDP/IPでは、大きなデータを受信することが出来ない。そこで、TCP/IPに存在する幾つかのパラメータ設定を無線通信用にチューニングしたものがw-TCPである。新たにプロトコルを作成したというよりは、TCP/IPに無線に適したデフォルト値を与えて作ったものと考えることが出来る。本実施例は、TCP/IPを一部拡張して使用する。例えば、ヘッダの一部の予約領域をデコードエラーの検出用に利用するなどである。ここで、使用する拡張仕様に関しての詳細は、後述する。
【0054】
図5に示すネットワークシステムにおいて、携帯端末300からテレビ受信装置405に制御信号を送信でき、また、テレビ受信装置100は、D-VHS130の蓄積コンテンツである動画データを携帯端末300に送信出来る。この動作の詳細を説明する。
【0055】
図6は、携帯電話300、テレビ受信装置100及びD−VHS130間のデータ通信フローを示す。
【0056】
携帯電話300は、テレビ受信装置100とTCP/IPによる通信を行う為に、通信許可を要請するコマンドをテレビ受信装置100に送信する。このコマンドを受信したテレビ受信装置100は、通信を許可するか否かを判断し、OKの場合は、その旨と共に携帯電話300への通信許可を要請するコマンドを送信する。このコマンドを受信した携帯端末300が最後に通信許可を示すコマンドをテレビ受信装置100に送ることで、TCPコネクションが確立され、通信路が確保されたことになる(500)。
【0057】
通信経路の確立が終了すると、携帯端末300は、テレビ受信装置100のHTMLで記述された制御可能なコンテンツ一覧をHTTPで要求する(501)。テレビ受信装置100で制御可能なコンテンツとは、例えば、IEEE1394で接続された機器のコンテンツ及び内蔵HDDに蓄積されたコンテンツなどであり、本実施例では、D-VHS130のコンテンツである。要求を受けたテレビ受信装置100は、制御可能なコンテンツのリストをHTMLに従って作成し、HTTPで携帯端末300に送信する(502)。図7は、携帯電話300が受信し、表示するコンテンツリストの一例を示す。
【0058】
ユーザは、携帯電話300の表示部303に表示されたGUIを操作入力部304により操作し、視聴を希望するコンテンツを選択する。携帯電話300は、ユーザにより何れかのコンテンツが選択された場合、選択されたコンテンツの送信要求をテレビ受信装置100に送信する(503)。
【0059】
コンテンツ送信要求を受信したテレビ受信装置100は、指定されたコンテンツを蓄積している機器からコンテンツを取得する。即ち、指定されたコンテンツがD−VHS130内に格納されていることを認識すると、D−VHS130にコンテンツ取得の為のIEEE1394 AV/Cコマンドを送信する(504)。AV/Cコマンドを受信したD−VHS130は、コンテンツを再生し、IEEE1394経由でTV受信装置100に送信する(505)。
【0060】
テレビ受信装置100は、D−VHS130からのデータを順次、受信しつつ、エンコーダ122により携帯電話300での受信・再生に適したフォーマットに変換する(506)。このフォーマット変換の後、テレビ受信装置100は、TCP/IPでの送信に利用するシーケンス番号とコンテンツの位置情報を表すタイムスタンプを再生位置記憶部124に格納する(507)。ここで、タイムスタンプは、フォーマット変換前後で共通のコンテンツ再生位置を表すものとする。この情報により、テレビ受信装置100は、送信エラー又はデコードエラーの起こったコンテンツの位置を一意に識別出来る。テレビ受信装置100は、再生位置を記録した後、携帯電話300にTCP/IPでコンテンツの送信を開始する(508)。
【0061】
コンテンツを受信した携帯電話300は、通信制御部308で受信したTCP/IPヘッダを解析し、順次、バッファ310に格納する。デコーダ309は、格納されたコンテンツデータをバッファ310から順次、取り出してデコードし、デコードされたデータを表示部303に表示させる(509)。携帯電話300は、エラー有無の情報を含む受信確認通知をテレビ受信装置100に返信する(510)。
【0062】
以上の手順により、ユーザは、所望のコンテンツを携帯電話300で視聴することが可能となる。
【0063】
コンテンツの再生が全て終了するか、又は通信状況の悪化などにより通信を切断させる場合は、テレビ受信装置100は、通信を終了する旨のコマンドを携帯電話300に送信する。このコマンドを受信した携帯電話300は、終了の許否を示すレスポンスを返信すると共に、テレビ受信装置100に通信終了要求を送信する。このレスポンスを受信したテレビ受信装置100は、切断の受け入れを示すレスポンスを返信する。これで、TCPコネクションの切断が完了する(511)。
【0064】
図8を参照して、蓄積コンテンツの取得から携帯電話300との通信に関するテレビ受信装置100の動作を詳しく説明する。
【0065】
上述したように、テレビ受信装置100は、制御可能な蓄積コンテンツすると(S700)、エンコーダ122で携帯電話300での視聴に適したフォーマットに変換する(S701)。
【0066】
テレビ受信装置100は、フォーマット変換の後、TCP/IPでデータを携帯電話300に送信するが、そのとき、TCPヘッダで利用するシーケンス番号とコンテンツの再生位置情報を識別するタイムスタンプとを対応付けて、再生位置記憶部124に保存する(S702)。TCPヘッダについては後述する。テレビ受信装置100は、通信制御部123から上記シーケンス番号でコンテンツを携帯電話300にコンテンツデータを送信する(S703)。
【0067】
TCPでは、信頼性の高い通信を実現する為に、途中でTCPセグメントが紛失した場合に、それを検出し再送する仕組みがある。途中でTCPセグメントが紛失するケースとしては、送信したTCPセグメントが途中でなくなるケースと、受信側からの確認の応答が途中で無くなるケースの2つの可能性が考えられる。これらの通信エラーを、テレビ受信装置100が主体となって検出する。テレビ受信装置100は、TCPセグメントを送信したら、これに対応する確認応答(ACK)を期待する。この確認応答が一定時間以内に返ってこなかったとき、テレビ受信装置100は、途中でTCPセグメントが紛失したと判断する。通常のTCP/IPでは、再度、TCPセグメントを送信するが、本実施例のテレビ受信装置100は、確認応答の有無で処理を分岐する(S704)。
【0068】
確認応答が戻ってこなかった場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124にセグメントに関する情報としてシーケンス番号とタイムスタンプを残したまま、次のセグメントの送信を開始する。確認応答が戻って来た場合、携帯端末300がユーザにコンテンツを正常に提示出来たか否で処理を分岐させる(S705)。デコードエラーなどにより、ユーザにコンテンツを提示できなかった場合、確認応答が戻ってこなかった場合と同様に、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124にセグメントに関する情報としてシーケンス番号とタイムスタンプを残したまま、次のセグメントの送信を開始する。他方、携帯端末300が正常にコンテンツの再生を完了した場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124に記憶してあるセグメントに関する情報(シーケンス番号とタイムスタンプ)をクリアし、次のセグメントの送信を開始する(S706)。
【0069】
このような手順により、通信エラー又はデコードエラーがあった時の再生位置の情報だけが、テレビ受信装置100の再生位置記憶部124に蓄積されていく。また、一定時間内に通信エラー又はデコードエラーが頻発する場合、テレビ受信装置100は、携帯電話300との間の通信状態が悪化したと判断し、携帯電話300とのTCPコネクションを切断する。
【0070】
図9は、コンテンツの受信から確認応答の送信に関する携帯電話300の動作のフローを示す。図9を参照して、携帯電話300におけるコンテンツの受信から確認応答の送信までの動作を詳しく説明する。
【0071】
携帯端末300は、通信制御部308によりテレビ受信装置100から送信されるTCPセグメントを受信する(S800)。携帯電話300は、受信したデータをTCPコネクション確立の際に通知したウインドウ・サイズ分だけバッファ310にバッファリングする(S801)。その後、順次、デコーダ309がデコードを開始する(S802)。ここでデコードエラーが発生したか否かによって処理が分岐する(S803)。デコードエラーが発生しなかった場合、通常のTCP/IPの処理に従い確認応答を返信し、次の処理に移行する(S805)。他方、デコードエラーが発生し、ユーザに対して正常にコンテンツ提示を行うことが出来なかった場合、TCPヘッダのデコードエラーフラグをオンにし(S804)、確認応答を返信する(S805)。デコードエラーフラグに関しては、後述する。
【0072】
図10は、本実施例で適用するTCPヘッダのフォーマットを示す。送信元ポート番号及び宛て先ポート番号は、それぞれ16ビットの情報であり、このTCPセグメントを使用するアプリケーションを識別するものである。従ってここには、テレビ受信装置100のアプリケーション及び携帯電話300のアプリケーションを識別する番号が記載される。
【0073】
シーケンス番号とは、TCPセグメントを送るたびに増加する番号であり、通信先にTCPセグメントの順番を認識させるために使用される。本実施例では、上記したように、このシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプを対応させて記憶することで、通信時にエラーが発生した場合でも、紛失したデータの再生位置を特定出来る。
【0074】
また、確認応答番号は、TCPセグメントを正しく受け取ったことを相手に通知する為の番号であり、シーケンス番号と共に使用される。携帯電話300でデコード時にエラーが発生した場合でも、通信データを正常に受信できている限り、携帯電話300は、この確認応答番号を記載したデータを返信する。
【0075】
予約領域は6ビットからなり、通常のTCP/IPでは将来的な拡張のために確保された未使用領域である。本実施例では、この領域の一部をデコードエラーの有無を検出するために利用する。図12は、予約領域の説明図である。「予約」と付記した上位5ビットは、本実施例でも使用されず、通常、’0’が格納される。デコードエラーと付記した最下位ビットには、携帯端末300のデコーダ309で何らかのエラーが発生した場合、’1’が格納され、正常にデコードが完了した場合には’0’が格納される。このように予約領域を利用することで、テレビ受信装置100は、携帯電話300のデコードエラーを検出出来るようになる。
【0076】
ユーザがテレビ受信装置100で制御可能なコンテンツを形態電話300で視聴している間に、受信状態の悪化などで通信エラー又はデコードエラーが頻発した際、ユーザは、コンテンツの視聴を断念し、通信を切断することが予想される。また、電波受信自体が困難な場合、この事態を受けテレビ受信装置100が送信を停止することもありうる。
【0077】
このような状況において、ユーザは、帰宅した際、途中で断念せざるを得なかったコンテンツを自宅のテレビ受信装置100で視聴することが予想される。このとき、ユーザは、初めから視聴し直すこともあるであろうが、多くの場合は、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部、即ち、中断箇所以降を視聴するという利用が考えられる。
【0078】
テレビ受信装置100は、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置を再生位置記憶部124に保持している。帰宅後、ユーザにより電源を投入されると、テレビ受信装置100は、画像表示部112に図12に示すようなメッセージを表示する。ユーザは、テレビ受信装置100のリモコン116又は操作部114により、表示されたGUIの「見てないところだけを見る」を選択した場合、テレビ受信装置100は、再生位置記憶部124に記憶されているタイムスタンプから再生開始位置を決定し、D−VHS130にその位置からの再生を指示するAV/Cコマンドを送信する。これにより、テレビ受信装置100は、ユーザが視聴できなかった箇所からコンテンツを再生表示する。
【0079】
このようにして、本実施例では、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツを、その記録位置を手動で検索すること無しに、テレビ受信装置で視聴できる。
【0080】
本実施例では、テレビ受信装置が制御可能なコンテンツとして蓄積コンテンツを例に挙げ説明したが、放送波からのコンテンツを使用し、提示出来なかった箇所から記憶媒体に録画を開始し、帰宅後、これを提示するという構成にすることも可能である。
【0081】
本実施例では、蓄積コンテンツとしてIEEE1394で接続されたD−VHSのコンテンツを利用したが、テレビ受信装置に内蔵されるHDD(ハードディスクドライブ)又はその他の機器を利用する構成に変更することもできる。
【0082】
本実施例では、TCP/IPを用いて通信を行うとしたが、それ以外の通信プロトコルを用いてもよい。
【0083】
本実施例では、通信エラーとデコードエラーの際に再送を行わないとしたが、一定回数の再送を試みるようにしてもよい。
【0084】
本実施例では、予約領域を使用し通知するエラーはデコードエラーのみであるが、未使用の予約領域を利用してその他のエラーを通知すること可能である。
【0085】
本実施例では、携帯端末の一例として携帯電話を使用するとしたが、カーナビゲーションシステムのような移動体通信機器を利用する構成に適用することも可能である。
【実施例2】
【0086】
以下、本発明の第2実施例を説明する。第2実施例は、第1実施例に係るエラー検出時に保存する情報、及び、ユーザへのコンテンツ開始位置提示方法について、異なる特徴を有する。第1実施例との相違点のみを説明する。
【0087】
図13は、第2実施例に係るテレビ受信装置100aの概略構成ブロック図を示す。図1に示すテレビ受信装置100と同じ構成要素には同じ符号を付してある。テレビ受信装置100との相違点として、テレビ受信装置100aは、静止画キャプチャ装置125を具備する。
【0088】
テレビ受信装置100aは、携帯電話300に対しTCP/IPによりコンテンツを送信する。テレビ受信装置100aは、コンテンツ送信に先立ち、TCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプに加え、該当するタイムスタンプに対応するコンテンツの静止画情報を静止画キャプチャ装置125で取得し、再生位置情報記憶部124に記憶する。
【0089】
携帯端末からの確認応答(ACK)により正常動作を確認した場合、対応するシーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報はクリアされる。他方、通信エラーによりTCPセグメント又は確認応答を紛失した場合、及びデコードエラーが発生した場合、テレビ受信装置100aは、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報を保持しつづける。テレビ受信装置100aは、ユーザによる携帯電話300からの送信停止要求がない限り、送信を試みつづける。
【0090】
ユーザは、帰宅した際、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100aで視聴することが予想される。このとき、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部を確認するという利用が考えられる。
【0091】
テレビ受信装置100aは、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置及びそれに対応する静止画像を再生位置記憶部124に保持している。帰宅後、ユーザにより電源が投入されると、テレビ受信装置100aは、再生記憶部124に保持される情報を基に図14に示すようなGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を画像表示部112に表示する。連続したコンテンツ情報が再生位置記憶部124に保持されている場合は、先頭の静止画像をインデックスとして使用する。ユーザが視聴できなかったコンテンツの静止画像がインデックスとして一覧表示される。ユーザがリモコン116又は操作部114により特定の静止画像が選択すると、TV受信装置100aは、その位置からの再生要求をD−VHS200に送信し、その位置からのコンテンツが再生される。
【0092】
以上の手順により、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの位置を手動で検索することなく、テレビ受信装置で視覚的に所望のコンテンツ位置を確認して視聴できる。
【0093】
本実施例では、静止画キャプチャ装置125は、専用のハードウェアとしても、ソフトウエアとしても実装可能である。
【0094】
本実施例では、静止画像を逐一記憶するとしたが、インデックス作成時にコンテンツのタイムスタンプを基に静止画データを取得し表示するという構成に変更してもよい。
【0095】
本実施例では、再生位置を特定する静止画像をインデックス表示するとしたが、スライドショーその他の表示・選択法を用いてもよい。
【実施例3】
【0096】
本発明の第3実施例を説明する。第3実施例は、第2実施例とは再視聴コンテンツの提示方法で異なる特徴を有する。
【0097】
図13は、第3実施例に係るテレビ受信装置100bの概略構成ブロック図を示す。図1及び図13に示す実施例と同じ構成要素には同じ符号を付してある。テレビ受信装置100bには、HDD126を追加してある。
【0098】
テレビ受信装置100bは、コンテンツ送信に先立ち、TCP/IPヘッダのシーケンス番号とコンテンツのタイムスタンプに加え、そのタイムスタンプに対応するコンテンツの静止画情報を静止画キャプチャ装置125により取得し、再生位置情報記憶部124に記憶する。
【0099】
携帯端末からの確認応答(ACK)により正常動作を確認した場合、対応するシーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報はクリアされる。他方、通信エラー又はデコードエラーを検出した場合、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の情報を保持しつづける。
【0100】
ある期間、連続して通信エラー又はデコードエラーが検出された場合、正常通信及び正常デコードが確認されたタイミングで、エラーで表示されなかったコンテンツのダイジェストストリームを生成し、HDD126に保持する。その期間は、初めにエラーが検出されてから、シーケンス番号、タイムスタンプ及び静止画像の連続した情報が存在するまでの期間である。HDD126には、テレビ受信装置100bでの視聴に適したフォーマットで記録される。即ち、HDD126への記録には、携帯電話300に適したフォーマットへの変換は行われない。
【0101】
以下の説明では、エラーが検出されたが、連続していない場合、テレビ受信装置100bは、3分間のダイジェストストリームを生成し、HDD126に蓄積するものとする。
【0102】
ユーザは、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、帰宅した際に、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100bで視聴することが予想される。このとき、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの一部を確認するという利用が考えられる。
【0103】
上述した手段により、テレビ受信装置100bは、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置及びそれに対応する静止画像を再生位置記憶部124に保持している。
【0104】
帰宅後、ユーザにより電源が投入されると、テレビ受信装置100bは、再生記憶部124に保持してある情報を基に図14に示すようなGUIを画像表示部112に表示する。再生記憶部124に連続したコンテンツ情報が保持されている場合、先頭の静止画像をインデックスとして使用する。ユーザが視聴できなかったコンテンツの静止画像が、インデックスとして一覧表示される。リモコン116又は操作部114により特定の静止画像が選択されると、テレビ受信装置100bは、事前に蓄積されている指定位置からのダイジェストストリームをHDD126から取得し、画像表示部112に表示させる。これにより、ユーザは所望のコンテンツを画面上で視覚的に確認できる。
【0105】
以上の手順により、ユーザは、外出先で見ることの出来なかったコンテンツの位置を手操作で検索することなく、テレビ受信装置100bで視覚的に所望の位置からのコンテンツのみを簡単に確認出来る。
【実施例4】
【0106】
本発明の第4実施例を説明する。第4実施例は、上述した第1、第2及び第3実施例とは、再生位置情報の保存方法で異なる特徴を有する。
【0107】
第4実施例では、テレビ受信装置100b,100cは、再生位置記憶部124に蓄積した、ユーザが携帯電話300で視聴できなかったコンテンツの位置情報及びそれに対応する静止画情報を、携帯電話300との通信が切断された時点で、インターネット403に接続された図示しないサーバにユーザIDと共に送信する。ユーザIDは、テレビ受信装置100b,100cが通信している携帯電話300を識別する為に利用する情報であり、テレビ受信装置100b,100cと携帯電話300との間のTCP/IPコネクション確立の際、携帯電話300からテレビ受信装置100b,100cに送信される。サーバにこれらの情報を送信したテレビ受信装置100b,100cは、再生位置記憶部124からその情報を消去する。
【0108】
ユーザは、帰宅した際、通信エラー及びデコードエラーなどにより携帯電話300による視聴を途中で断念せざるを得なかった場合、そのコンテンツを自宅のテレビ受信装置100b,100cで視聴することが予想される。ユーザは、自分の携帯電話300を識別する為のユーザIDをテレビ受信装置100b,100cに入力する。テレビ受信装置100b,100cは、そのために必要な情報を上記したサーバから獲得し、ユーザが所望の箇所より再視聴しやすいように制御を行う。
【0109】
このような構成をとることで、複数のユーザの利用が快適になるばかりか、テレビ受信装置100b,100cのリソースをより有効に活用出来る。
【0110】
本実施例では、テレビ受信装置100b,100cは、通信相手の携帯電話300との通信が切断された時点で、サーバに情報を送信するとしたが、通信途中に逐一、情報を送信する構成に変更してもよい。
【0111】
本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することが出来る。従って、上述の第1〜第4実施例は、あらゆる点に於いて単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0112】
100,100a,100b:テレビ受信装置
101:チューナ
102:デスクランブラ
103:デマルチプレクサ
104:ビデオデコーダ
105:オーディオデコーダ
106:データストリーム処理部
107:メモリ部
108:画像構成部
109:表示制御部
110:DAC
112:画像表示部
113:音声出力部
116:リモコン
118:CPU
122:エンコーダ
123:通信制御部
124:再生位置記憶部
125:静止画キャプチャ装置
126:HDD
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置であって、
動画データを再生制御する再生制御手段と、
前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、
前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出手段と、
前記動画データの送信中に、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、
前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするテレビ受信装置。
【請求項2】
前記ネットワークは、TCP/IPを用いたネットワークであり、
前記検出手段は、前記通信手段が前記ネットワークを介して送信したTCP/IPのセグメントを、前記情報端末装置が正常に受信したとの応答が返ってこなくなった場合に、前記ネットワークの通信エラーが発生したことを検知することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記再生位置情報とともに、前記再生位置情報の示す再生位置に対応する静止画像を前記記憶部に記憶し、
前記再生制御手段は、前記動画データを再生制御する際に、前記記憶部に記憶された前記静止画像を提示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ受信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムであって、
前記情報端末装置は、
前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするためのデコーダと、
前記デコーダのデコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知手段とを有し、
前記テレビ受信装置は、
動画データを再生制御する再生制御手段と、
前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、
前記動画データの送信中に、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、
前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項5】
前記ネットワークは、TCP/IPを用いたネットワークであり、
前記情報端末装置の前記通知手段は、TCP/IPのヘッダの一部をデコードエラーの通知に用いることを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記再生位置情報とともに、前記再生位置情報の示す再生位置に対応する前記動画データの静止画像を記憶し、
前記再生制御手段は、前記動画データを再生制御する際に、前記記憶部に記憶された前記静止画像を提示することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置の制御方法であって、
動画データを再生制御する再生制御ステップと、
再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する送信ステップと、
前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出ステップと、
前記動画データの送信中に、前記検出ステップで前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、
前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするテレビ受信装置の制御方法。
【請求項8】
ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムの制御方法であって、
前記テレビ受信装置が動画データを再生制御する再生制御ステップと、
再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から前記情報端末装置に送信する送信ステップと、
前記情報端末装置が、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするデコードステップと、
デコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記情報端末装置から前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知ステップと、
前記テレビ受信装置が、前記動画データの送信中に前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、
前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするネットワークシステムの制御方法。
【請求項1】
ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置であって、
動画データを再生制御する再生制御手段と、
前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、
前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出手段と、
前記動画データの送信中に、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、
前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするテレビ受信装置。
【請求項2】
前記ネットワークは、TCP/IPを用いたネットワークであり、
前記検出手段は、前記通信手段が前記ネットワークを介して送信したTCP/IPのセグメントを、前記情報端末装置が正常に受信したとの応答が返ってこなくなった場合に、前記ネットワークの通信エラーが発生したことを検知することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記検出手段により前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記再生位置情報とともに、前記再生位置情報の示す再生位置に対応する静止画像を前記記憶部に記憶し、
前記再生制御手段は、前記動画データを再生制御する際に、前記記憶部に記憶された前記静止画像を提示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ受信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムであって、
前記情報端末装置は、
前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするためのデコーダと、
前記デコーダのデコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知手段とを有し、
前記テレビ受信装置は、
動画データを再生制御する再生制御手段と、
前記再生制御手段により再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する通信手段と、
前記動画データの送信中に、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶手段とを有し、
前記再生制御手段は、前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項5】
前記ネットワークは、TCP/IPを用いたネットワークであり、
前記情報端末装置の前記通知手段は、TCP/IPのヘッダの一部をデコードエラーの通知に用いることを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記通知手段から前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記再生位置情報とともに、前記再生位置情報の示す再生位置に対応する前記動画データの静止画像を記憶し、
前記再生制御手段は、前記動画データを再生制御する際に、前記記憶部に記憶された前記静止画像を提示することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された情報端末装置との間で通信可能なテレビ受信装置の制御方法であって、
動画データを再生制御する再生制御ステップと、
再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記情報端末装置に送信する送信ステップと、
前記ネットワークの通信エラーの発生を検出する検出ステップと、
前記動画データの送信中に、前記検出ステップで前記通信エラーの発生が検出された場合に、前記通信エラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、
前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするテレビ受信装置の制御方法。
【請求項8】
ネットワークを介して接続されたテレビ受信装置と情報端末装置との間で通信可能なネットワークシステムの制御方法であって、
前記テレビ受信装置が動画データを再生制御する再生制御ステップと、
再生された前記動画データを、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から前記情報端末装置に送信する送信ステップと、
前記情報端末装置が、前記ネットワークを介して前記テレビ受信装置から受信した動画データをデコードするデコードステップと、
デコードエラーの発生を検出し、前記ネットワークを介して前記情報端末装置から前記テレビ受信装置に前記デコードエラーの発生を通知する通知ステップと、
前記テレビ受信装置が、前記動画データの送信中に前記デコードエラーの発生が通知された場合に、前記デコードエラーが発生したときの前記動画データの再生位置を示す再生位置情報を記憶部に記憶する記憶ステップとを有し、
前記記憶部に記憶された前記再生位置情報の示す再生位置から、前記動画データを再び再生させることが可能であることを特徴とするネットワークシステムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−225474(P2009−225474A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159944(P2009−159944)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【分割の表示】特願2003−410801(P2003−410801)の分割
【原出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【分割の表示】特願2003−410801(P2003−410801)の分割
【原出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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