説明

テレビ電話のための呼出方法およびシステム

【課題】テレビ電話のための呼出方法を提供する。
【解決手段】この方法では、マルチメディアリングバックトーンサーバと呼出端末との間で、第1のローダが確立され、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンが再生される。被呼出端末が呼出を受け取ったことが検出されたら、被呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、第2のローダが確立される。別の呼出方法が提供され、この方法では、マルチメディアリングバックトーンサーバと呼出端末との間で、第3のローダが確立され、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンが再生される。呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話の第4のローダが確立され、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話通信が実行されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年3月12出願の国際出願第PCT/CN2008/070478号の継続出願であり、2007年3月31日出願の「METHODS AND SYSTEMS FOR CONTROLLING AND COMMUNICATING MULTIMEDIA RING BACK TONE INFORMATION(マルチメディアリングバックトーン情報の制御および通信のための方法とシステム)」と題された中国特許出願第200710073941.8号、および2007年9月4日出願の「CALLING METHODS AND SYSTEMS FOR VIDEO PHONE(テレビ電話のための呼出方法およびシステム)」と題された中国特許出願第200710149813.7号の優先権を主張するものである。これらのすべての出願は、それらの全体が、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、通信およびマルチメディア技術の分野に関し、特に、テレビ電話のための呼出技術に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチメディアリングバックトーン(Multimedia Ring Back Tone)は、パーソナライズされたリングバックトーンサービス(personalized ring back tone service)とも呼ばれ、これは、通常のリングバックトーンの代わりに、1つの楽曲またはその他の記録を、呼出ユーザ(calling user)に提供するように、被呼出ユーザ(called user)によってカスタマイズされるサービスである。顧客がマルチメディアリングバックトーンサービスをいったん申し込んだら、パーソナライズされたリングバックトーンが所望に応じて設定されてもよい。この顧客が呼び出された場合は、通常のリングバックトーンではなく、パーソナライズされた楽曲またはその他の記録が、呼出ユーザに対して再生される。特に、パーソナライズされたリングバックトーンは、任意の音楽、歌、記録、映像、その他であってもよい。映像である場合、映像を体験するためには、呼出ユーザの端末は、対応する映像メディア再生機能を有していなければならず、その場合、このサービスは、マルチメディアリングバックトーンサービス(MRBTサービス)またはマルチメディア発呼者識別サービス(Multimedia Caller Identification Service)(MCIDサービス)と呼ばれる。
【0004】
テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスは、被呼出ユーザが呼出ユーザによってテレビ電話の方法で呼び出される場合に、通常のリングバックトーンの代わりに、1つの心地よく音調のよいマルチメディア発呼者識別を呼出ユーザに提供するように、被呼出ユーザによってカスタマイズされる、テレビ電話サービスの1つである。
【0005】
テレビ電話サービスは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunication System)(UMTS)において定義された、音声と映像とを同時に利用してもよい、ポイントツーポイント通信サービスである。テレビ電話サービスは、2つの携帯映像端末の間、携帯映像端末と固定映像端末との間、または携帯映像端末とパーソナルコンピュータ(PC)との間での、音声および映像の両方の、双方向リアルタイム通信を可能にする。テレビ電話サービスに関与する、マルチメディア通信のための制御シグナリングプロトコルH.245について、以下で紹介する。
【0006】
現在、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスは、マルチメディアリングバックトーンを実施するための機能モジュールを端末内に統合することによって達成される。すなわち、ユーザがマルチメディアリングバックトーンをダウンロードおよび設定した場合、そのユーザの端末は、そのユーザの端末をテレビ電話の方法で呼び出す呼出端末(calling terminal)に対して、マルチメディアリングバックトーンを再生する。通信事業者(operators)は、通信事業者のネットワーク側での再構築なしに、マルチメディアリングバックトーンをダウンロードするユーザから情報料を請求することによって利益を得る。特に、ユーザ端末は、テレビ電話端末に基づいて、マルチメディアリングバックトーンの機能モジュールが追加された、再構築されたテレビ電話端末である。別の端末からの呼出要求(calling request)を受信した場合、被呼出端末(called terminal)は、呼出側(calling party)に、呼出中(alerting)メッセージを送信し、次に、ベアラ確立プロセスを開始するために、接続中(connecting)メッセージを送信する。その間、マルチメディアリングバックトーンのコンテンツを再生する準備のために、端末のマルチメディアリングバックトーンアプリケーションが開始され、一方、マルチメディアリングバックトーンのベアラが、被呼出端末と呼出端末との間で、H.245によって確立される。ベアラ確立プロセスが終了した後で、被呼出端末のマルチメディアリングバックトーンモジュールは、確立されたベアラを介して、マルチメディアリングバックトーンを再生し、一方、呼出端末のユーザは、テレビ電話のベアラを介して、マルチメディアリングバックトーンのコンテンツを聞く、または見る。被呼出ユーザが呼出に応答したら、被呼出端末のマルチメディアリングバックトーンモジュールはコンテンツの再生を停止し、そして、端末のユーザに制御権を移す。次に、マルチメディアリングバックトーンサービスのプロセス全体が完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明の発明者によって見出されたように、従来技術の方式では、呼出中にマルチメディアリングバックトーンのコンテンツを再生するためには、端末を再構築して、マルチメディアリングバックトーンを実施するための機能モジュールを追加することが要求される。さらに、マルチメディアリングバックトーンを実施するための機能モジュールと、テレビ電話呼出のための機能モジュールとは、相互に協働するように統合されなければならない。したがって、端末に対する要求は高度である。端末が多くのマルチメディアリングバックトーンのコンテンツを選択する場合、コンテンツはローカルに記憶される。さらに、通信事業者は、マルチメディアリングバックトーンをダウンロードするユーザから情報料を請求することによってのみ利益を得るが、これは、通信事業者の従来の収入様式を大幅に変更し、したがって、通信事業者の要求から逸脱している。
【0008】
他方、シグナリングモードの問題のため、端末は、マルチメディアリングバックトーンが再生されている間、テレビ電話の通信プロセスがすでに開始されていると誤って見なす場合がある。したがって、端末が通信の継続時間について正確に料金を請求することは不可能であり、その結果、ユーザからの苦情がもたらされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法およびシステムを提供し、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスを低コストで実施する。
【0010】
本発明の一実施形態は、テレビ電話のための呼出方法を提供し、この方法は、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第1のベアラを確立することと、
第1のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することと、
被呼出端末が呼出に応答したことが検出されたら、被呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラを確立することと、
第1のベアラと第2のベアラとを介して、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話通信を実行することとを含む。
【0011】
本発明の一実施形態は、テレビ電話のための呼出方法を提供し、この方法は、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第3のベアラを確立することと、
第3のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することと、
呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話の第4のベアラを確立し、そして、第4のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話通信を実行することとを含む。
【0012】
本発明の一実施形態は、テレビ電話のための呼出システムを提供し、このシステムは、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間でテレビ電話の第1のベアラを確立するように構成された、ベアラ確立ユニット(bearer establishment unit)と、
ベアラ確立ユニットによって確立された第1のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生するように構成された、マルチメディアリングバックトーン再生ユニット(Multimedia Ring Back Tone playback unit)と、
被呼出端末が呼出に応答したかどうかを検出するように、そして、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、被呼出端末が呼出に応答したことをベアラ確立ユニットに指示するように構成された、検出ユニット(detection unit)であって、ベアラ確立ユニットは、検出ユニットからのこの指示を受信したら、被呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラを確立するようにさらに構成された、検出ユニットと、
ベアラ確立ユニットによって確立された第1のベアラと第2のベアラとを介して、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話通信を実行するように構成された、通信ユニット(communication unit)とを含む。
【0013】
本発明の一実施形態は、テレビ電話のための別の呼出システムを提供し、このシステムは、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間でテレビ電話の第3のベアラを確立するように、そして、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話の第4のベアラを確立するように構成された、ベアラ確立ユニットと、
ベアラ確立ユニットによって確立された第3のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生するように構成された、マルチメディアリングバックトーン再生ユニットと、
ベアラ確立ユニットによって確立された第4のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話通信を実行するように構成された、通信ユニットとを含む。
【0014】
従来技術と比較すると、本発明の実施形態によって提供されるマルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて実施されてもよい。さらに、マルチメディアリングバックトーンサーバによって、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することにより、端末のための、プロトコル層の再構築が回避され、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスの実施によって発生する、端末への影響は最小となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図5】本発明の第4の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第5の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第6の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図8】本発明の第7の実施形態による、テレビ電話のための呼出システムの構成図である。
【図9】本発明の第7の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図10】本発明の第8の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図11】本発明の第9の実施形態による、テレビ電話のための呼出方法のフローチャートである。
【図12】本発明の第11の実施形態による、テレビ電話のための呼出システムのブロック図である。
【図13】本発明の第12の実施形態による、テレビ電話のための呼出システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術方式、および利点をさらに明らかにするために、本発明の実施形態を、添付の図面と組み合わせて、以下でさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明の第1の実施形態は、テレビ電話の呼出方法に関する。本実施形態において、マルチメディアリングバックトーンサーバは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された、テレビ電話の第1のベアラを介して、呼出端末のためのマルチメディアリングバックトーンを再生する。被呼出端末が呼出に応答したことが検出されたら、被呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラが確立される。確立された第1および第2のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話通信が実行されてもよい。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のネットワーク構成は、モバイルスイッチングセンタ(Mobile Switching Center)(MSC)サーバと、メディアゲートウェイ(Media Gateway)(MGW)と、ビジタロケーションレジスタ(Visitor Location Register)(VLR)と、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller)(RNC)と、ノード基地局(Node Base Station)(Node B)と、ホームロケーションレジスタ(Home Location Register)(HLR)と、認証センタ(Authentication Center)(AuC)と、マルチメディアリングバックトーンを提供するためのマルチメディアリングバックトーンサーバなどの、ネットワーク要素と、呼出端末および被呼出端末とを含む。MSCサーバとVLRとは、組み合わせられたネットワーク要素として一緒に統合されてもよい。MSCサーバは、H.248のプロセスによって、MGWとの接続を確立する。HLRとAuCとは、組み合わせられたネットワーク要素として一緒に統合されてもよい。(実際のネットワーキング状況では、AuCは存在しなくてもよい。)図2に示すように、具体的なフローは、以下のステップを含む。
【0019】
ステップ201で、呼出端末すなわちユーザ装置(User Equipment)(UE)Aは、接続されたMSCサーバAに、SETUP(セットアップ)メッセージを、このメッセージ内で運ばれるBC_IEセル内のITCを「UDI」にし、Other Rate Adaptation(その他のレートアダプテーション)(ORA)を「H.223&H.245」にして、送信する。
【0020】
ステップ202で、MSCサーバAは、ルーティング情報を問い合わせるために、被呼出端末すなわちUE BのHLR Bに、Send Routing Information(送信ルーティング情報)(SRI)要求を発行する。
【0021】
ステップ203で、HLR Bは、UE Bの移動局ローミング番号(Mobile Station Roaming Number)(MSRN)を要求するために、UE
Bに接続されたMSCサーバBに、Provide Roaming Number(提供ローミング番号)(PRN)メッセージを送信する。
【0022】
ステップ204で、MSCサーバBは、HLR Bに、UE BのMSRNを返す。ただし、MSCサーバBがプリコーリング(pre−calling)をサポートする場合は、UE BのMSRNが返される前に、プリコーリングプロセスが開始される。
【0023】
ステップ205で、HLR Bは、被呼出ユーザ(UE Bのユーザ)がマルチメディアリングバックトーンサービスをカスタマイズしたかどうかについての情報を運ぶ、UE
Bのルーティング情報(すなわち、UE BのMSRN)を、MSCサーバAに返す。
【0024】
ステップ206で、MSCサーバAは、UE BのMSRNを取得したら、UE AへのCall_Proceeding(呼出_進行中)のプロセスを開始する。
【0025】
ステップ207で、MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーンサーバに、ISUP IAMメッセージ(Integrated Service Digital
Network User Part Initial Address Message(統合サービスデジタルネットワークユーザ部の初期アドレスメッセージ))を発行する。被呼出ユーザが、発呼者番号表示サービス(calling number display service)に加入している場合、ISUP IAMメッセージは、発呼者番号と、サービスプレフィクス情報とを運んでもよい。マルチメディアリングバックトーンサーバは、テレビ電話ユーザにマルチメディアリングバックトーンを提供するためのシステムであり、マルチメディアリングバックトーンを記憶、再生、および管理する機能を有し、そして、ベアラ非依存呼制御(Bearer Independent Call Control)(BICC)/ISDNユーザ部(ISUP)プロトコルをサポートする。被呼出ユーザがマルチメディアリングバックトーンサービスを申し込んでいる場合、サーバは、マルチメディアリングバックトーンの再生を呼出端末に提供してもよく、そして、被呼出ユーザが呼出に応答したら、マルチメディアリングバックトーンの再生を自動的に終了してもよい。
【0026】
ステップ208で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバBに、ISUP IAMメッセージを発行する。被呼出ユーザが、発呼者番号表示サービスに加入している場合、ISUP IAMメッセージは、発呼者番号を運ぶ。
【0027】
ステップ209で、MSCサーバBがHLR BにUE BのMSRNを返す前にプリコーリングプロセスが開始されていない場合、このステップにおいて、MSCサーバBは、UE Bに、calling request(呼出要求)メッセージを送信する。
【0028】
ステップ210で、UE Bは、MSCサーバBに、calling response(呼出応答)メッセージを返す。
【0029】
ステップ211で、MSCサーバBは、UE Bに、SETUPメッセージを、メッセージ内で運ばれるBC_IEセル内のITCを「UDI」にし、ORAを「H.223&H.245」にして、送信する。
【0030】
ステップ212で、UE Bは、MSCサーバBに、新しいBC_IEを運ばないCALL CONFIRMED(呼出確認)メッセージを返し、これは、テレビ電話呼出がサポートされていることを示している。次に、UE Bはリンギングを開始する。
【0031】
ステップ213で、UE Bは、UE Bがリングした後に、MSCサーバBに、Alerting(アラーティング)メッセージを返す。
【0032】
ステップ214で、MSCサーバBは、マルチメディアリングバックトーンサーバに、Address Complete Message(アドレス完了メッセージ)(ACM)を送信する。
【0033】
ステップ215で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバBから送信されたACMを受信したら、MSCサーバAに、マルチメディアリングバックトーン情報を運ぶAMCを送信する。
【0034】
ステップ216で、MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーン情報を識別して、UE Aに、Alertingを送信する。
【0035】
ステップ217で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、Answer Message(応答メッセージ)(ANM)を送信して、UE AにConnect(接続)メッセージを送信するようMSCサーバAをトリガする。ANMメッセージは、マルチメディアリングバックトーンサーバからMSCサーバAに送信されるANM信号であり、マルチメディアリングバックトーンサーバとUE Aとの間の通信が確立されてもよいということを指示し、そして、Connectメッセージをトリガする。本実施形態では、このステップは必須ではなく、実際的な要求に応じて個別に選択されてもよい。MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーンサーバから、マルチメディアリングバックトーン情報を運ぶAMCを受信したら、UE AにConnectメッセージを送信してもよいということに留意すべきである。すなわち、Connectメッセージの送信は、ANMメッセージによってトリガされなくてもよい。
【0036】
ステップ218で、UE Aは、Connectメッセージを受信したら、MSCサーバAに、Connect ACKメッセージを送信する。
【0037】
ステップ219で、テレビ電話シグナリングプロトコルのプロセス(video phone signaling protocol process)を介して、UE Aとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第1のベアラが確立される。テレビ電話シグナリングプロトコルは、H.324、H.323、またはセッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)の、テレビ電話シグナリングプロトコルであってもよい。本実施形態は、H.323内のH.245のプロセスを介して、テレビ電話の第1のベアラを確立する例によって説明する。
【0038】
ステップ220で、UE Aは、マルチメディアリングバックトーンサーバを介して、映像のマルチメディアリングバックトーン(video Multimedia Ring Back Tone)を表示する。
【0039】
ステップ221で、UE Bは、UE Bが電話を取る動作を終了した後で、MSCサーバBに、Connectメッセージを送信する。被呼出側の応答プロセス(called party answering process)が開始される。
【0040】
ステップ222で、MSCサーバBは、マルチメディアリングバックトーンサーバに、ANMメッセージを送信する。
【0041】
ステップ223で、MSCサーバBは、UE Bに、Connect_ACKメッセージを送信する。
【0042】
ステップ224で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、ANMメッセージを送信し、そして次に、UE Aに接続されたMSCサーバAは、テレビ電話通信についての課金を開始する。テレビ電話通信は、UE Bが呼出に応答したことが検出されたら課金されるため、マルチメディアリングバックトーンサービスの実施プロセスの中で、通信の継続時間は正確に計算および制御されてもよい。次に、MSCサーバAは、UE Aに、Connectシグナリングを送信してもよい。実際の適用例では、MSCサーバAは、UE Aに、Connectシグナリングを送信しなくてもよく、または、たとえそれが送信されても、UE Aは、Connectメッセージを処理しなくてもよい。言い換えると、Connectメッセージを送信するステップは、省略可能なステップである。UE Aが、Connectメッセージを受信し、そしてそのメッセージを処理することを決定した場合、UE Aは、MSCサーバAに、Connect_ACKメッセージを使用して応答してもよく、または、いかなるメッセージを使用した応答もしなくてもよい。
【0043】
ステップ225で、マルチメディア通信制御シグナリングプロトコルH.245のプロセスを介して、マルチメディアリングバックトーンサーバとUE Bとの間で、テレビ電話の第2のベアラが確立される。
【0044】
ステップ226で、UE Aとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立されたテレビ電話の第1のベアラと、UE Bとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立されたテレビ電話の第2のベアラとを介して、UE AとUE Bとの間で、第3世代(3G)回線ドメインのテレビ電話通信が行われる。
【0045】
本実施形態では、マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて達成されてもよい、ということは明白である。さらに、マルチメディアリングバックトーンサーバによって、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することにより、端末のための、プロトコル層の再構築が回避され、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスの実施によって発生する、端末への影響は最小となる。それに加えて、UE AとUE Bとは、それぞれが、マルチメディアリングバックトーンサーバとの1つのテレビ電話ベアラを確立するのみであり、UE AとUE Bとは、マルチメディアリングバックトーンサーバを介してテレビ電話を完全なものにする。さらに、本実施形態は、MSCサーバと端末との両方について、再構築をほとんど要求せず、したがって実施が容易である。
【0046】
本実施形態の、ステップ218および223におけるConnect ACKメッセージは、Connectメッセージへの肯定応答のために使用され、そして、実際的な要求に応じて、存在してもよく、または存在しなくてもよいということに留意すべきである。
【0047】
本発明の第2の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第1の実施形態とほぼ類似しているが、第1の実施形態における、(ステップ217におけるように)MSCサーバAが、UE AにConnectメッセージを送信することによって、テレビ電話の第1のベアラを確立するようUE Aに通知するという点は、異なる。一方、本実施形態では、UE AにAlertingメッセージを送信した後で、UE Aに、ステップ217に示すようにConnectメッセージを送信する代わりに、(図3に示すように)MSCサーバAは、UE Aに送信されるAlertingメッセージ内でサービス識別子を運ぶ。例えば、Alertingメッセージ内の情報要素「User−User(ユーザ−ユーザ)」によって、マルチメディアリングバックトーンサービスを識別する特別なテキストが運ばれ、その結果、UE Aは、マルチメディアリングバックトーンを受信するかどうかを識別してもよい。UE Aは、Alertingメッセージ内でサービス識別子が運ばれていない場合は、通常のフローに従ってテレビ電話の通信を開始し、または、Alertingメッセージ内でサービス識別子が運ばれている場合は、テレビ電話の第1のベアラを確立する。
【0048】
それに加えて、図3に示すように、被呼出端末UE Bが呼出に応答し、かつ、MSCサーバAがマルチメディアリングバックトーンサーバからANMメッセージを受信した場合、MSCサーバAは、UE Aに、Connectメッセージを送信する(すなわち、第1の実施形態におけるステップ224)。
【0049】
マルチメディアリングバックトーンサービスをサポートしていない端末に柔軟に対応するように、Alertingメッセージ内でサービス識別子を運ぶことによって、マルチメディアリングバックトーンサービスをサポートしていない端末がAlertingメッセージを受信した場合、通常の継続は影響を及ぼされなくてもよい。さらに、後続のフローの迅速な進行のために、UE Aは、Alertingメッセージを受信した後で、3G−324Mプロトコル相互作用を開始する必要があり、ネットワークは、この時、回線交換データ(Circuit Switch Data)(CSD)64の回線リンクを確立する必要がある。
【0050】
本発明の第3の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第1の実施形態とほぼ類似しているが、第1の実施形態では、ネットワーク側は、呼出端末(すなわち、UE A)に、テレビ電話通信の継続時間についての課金情報を通知する必要はないのに対して、本実施形態では、被呼出端末(すなわち、UE B)が呼出に応答したことを検出するよりも前に、ネットワーク側は、呼出端末に、ネットワーク側は課金していないことを指示する「Facility(ファシリティ)」メッセージを送信することによって、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知し、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、ネットワーク側は、呼出端末に、ネットワーク側が課金を開始したことを示す「Facility」メッセージを送信することによって、課金または時間測定を行うよう呼出端末に通知する、という点が異なる。説明の便宜上、第1の「Facility」メッセージは、「Facility」メッセージFAと呼び、第2の「Facility」メッセージは、「Facility」メッセージFBと呼ぶ。
【0051】
具体的なフローは図4に示すとおりであり、ここで、ステップ401〜420は、それぞれ、ステップ201〜220と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0052】
ステップ421で、MSCサーバAまたはマルチメディアリングバックトーンサーバは、UE Aに、これは通常の通信ではなく、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを知らせる、「Facility」メッセージFAを、UE Aに送信する。
【0053】
ステップ422〜425は、それぞれ、ステップ221〜224と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0054】
ステップ426で、MSCサーバAまたはマルチメディアリングバックトーンサーバは、UE Aに、通常の通信が開始され、ネットワーク側は課金を開始したということを知らせる、「Facility」メッセージFBを、UE Aに送信する。
【0055】
テレビ電話の通常のプロセスの間、UE Aは、ステップ417におけるConnectメッセージを受信したら、テレビ電話のベアラを確立し、次に、UE Aは、ユーザに、「in video phone communication(テレビ電話通信中)」を表示し、そして通常は、「00:19」などの、テレビ電話通信の継続時間を追加する。マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話に基づいて追加されるサービスであるが、UEが再構築されていない場合、テレビ電話アプリケーションは、マルチメディアリングバックトーンサービスのプロセスを、テレビ電話通信のプロセスと見なし、したがって、マルチメディアリングバックトーンの再生中に、「in video phone communication(テレビ電話通信中)」および対応する時間測定情報を表示する。
【0056】
通常のテレビ電話通信に影響を及ぼさないように、サービスによって引き起こされるテレビ電話への変更をできるだけ減らしながら、ユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、UEは、ステップ417においてConnectメッセージを受信した後で、通常の状況に従って時間を測定してもよく、そして、ネットワーク側は課金を開始していないということを指示するメッセージ、すなわち、「Facility」メッセージFAを受信した後で、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを示す情報をユーザに表示する。例えば、表示されている時間測定情報は消去されてもよく、そして、「playing ring back tone without charging(課金せずにリングバックトーンを再生中)」などの情報が、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということをユーザに知らせるために、画面上に表示されてもよい。ネットワーク側が課金を開始したということを指示するメッセージ、すなわち、「Facility」メッセージFBを、UEが受信した後で、テレビ電話アプリケーションは、テレビ電話についての時間測定/課金を開始し、そして、「in video phone(テレビ電話中)」などのテキストを表示する。
【0057】
ステップ417におけるConnectメッセージは必須ではないため、システム側から配送されるConnectメッセージをUEが受信せず、かつ、Connectメッセージの機能は、その他のシグナリングメッセージによって取って代わられる場合、Connectメッセージの機能に取って代わるシグナリングを受信したら、UEは、時間測定情報を表示せずに、または「00:00」のように表示しながら、マルチメディアリングバックトーンに関して表示する、すなわち、「playing ring back tone(リングバックトーンを再生中)」などのテキストを表示する。Connectメッセージを受信したら、通常のテレビ電話表示プロセスに関する、すべての内容が表示される。
【0058】
ステップ427および428は、それぞれ、ステップ225および226と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0059】
本実施形態の、ステップ418および424におけるConnect ACKメッセージは、実際的な要求に応じて、存在してもよく、または存在しなくてもよい、ということに留意すべきである。それに加えて、「Facility」メッセージFAは、図4に示すステップ421において送信されてもよく、または、ステップ416より後、かつステップ425より前の、任意のステップにおいて送信されてもよい。
【0060】
本実施形態のステップ425において、MSCサーバAは、UE Aに、Connectメッセージを送信してもよく、または、送信しなくてもよい。MSCサーバAは、Connectメッセージを送信する場合、マルチメディアリングバックトーンサーバから送信されたANMを受信した後で、UE Aに、Connectメッセージを送信する。UE Aは、このメッセージを処理してもよく、または、処理しなくてもよい。
【0061】
本実施形態における、ステップ421および426の主要な機能は、呼出端末のユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、ネットワーク側で計算される通信継続時間を呼出端末が正確に取得してもよいように、実際のテレビ電話が開始されたかどうかを呼出端末に示して、マルチメディアリングバックトーンの再生中に端末がいつ課金を開始するかに関する問題を解決することである、ということは明白である。
【0062】
本実施形態において、MSCサーバAが、ステップ416またはステップ417においてUE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージを介して、現在のリンギングがUE Aへのマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報を、それに従ってUE Aが正確に時間を測定してもよいように、さらに送信してもよいということは、言及する価値がある。例えば、この情報がメッセージ内に含まれていない場合、UE Aは、通常の方法で時間測定を開始してもよく、一方、この情報がメッセージ内に含まれている場合、第1のConnectメッセージを受信したら時間測定を開始するのではなく、UE Aは、時間測定を開始するよう指示する後続のメッセージをネットワークが送信するのを待ち、そして、このメッセージを受信したら、時間測定を開始する。
【0063】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報は、メッセージ内のfacility(ファシリティ)フィールド、または、Connectメッセージ内のUser−User(ユーザ−ユーザ)フィールドを拡張することによって実装されてもよい。例えば、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が1である場合、これは、第1のConnectメッセージを受信しても時間測定を行わないようUE Aに指示し、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が0である場合、これは、通常の方法で時間測定を開始するようUE Aに指示する。
【0064】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報が、UE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージ内で運ばれる場合、これは、ステップ421が実行されることと同等であり、したがって、「Facility」メッセージFAの送信は省略されてもよい、ということは明白である。しかし、時間測定を開始するよう指示する前述のメッセージである、「Facility」メッセージFBは、やはり送信されるべきである。
【0065】
本発明の第4の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第1の実施形態とほぼ類似しているが、第1の実施形態では、ネットワーク側は、呼出端末(すなわち、UE A)に、関連するテレビ電話通信の継続時間についての課金情報を通知しなくてもよいのに対して、本実施形態では、被呼出端末(すなわち、UE B)が呼出に応答したことを検出するよりも前に、ネットワーク側は、呼出端末に、ネットワーク側は課金していないことを示すショートメッセージサービス(Short Message Service)(SMS)メッセージを送信することによって、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知し、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、ネットワーク側は、呼出端末に、ネットワーク側が課金を開始したことを示すSMSメッセージを送信することによって、課金または時間測定を行うよう呼出端末に通知する、という点が異なる。説明の便宜上、第1のSMSメッセージは、SMSメッセージSAと呼び、第2のSMSメッセージは、SMSメッセージSBと呼ぶ。
【0066】
具体的なフローは図5に示すとおりであり、ここで、ステップ501〜520は、それぞれ、ステップ201〜220と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0067】
ステップ521で、MSCサーバAは、UE Aに、これは通常の通信ではなく、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを知らせる、SMSメッセージSAを、UE Aに送信する。UE Aは、SMSメッセージSAを受信したら、ユーザに、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを示す情報を表示してもよい。例えば、「playing ring back tone without charging(課金せずにリングバックトーンを再生中)」などの情報が、ネットワーク側は課金を開始していないということをユーザに知らせるために、画面上に表示されてもよい。
【0068】
ステップ522〜525は、それぞれ、ステップ221〜224と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0069】
ステップ526で、MSCサーバAは、UE Aに、通常の通信が開始され、ネットワーク側は課金を開始したということを知らせる、SMSメッセージSBを、UE Aに送信する。
【0070】
ステップ521および526におけるSMSメッセージの送信は、本質的に、論理プロセスである。実際の実施においては、SMSは、MSCサーバAによって、または、ショートメッセージゲートウェイなどの補助装置と連携するMSCサーバAによって、送信されてもよい。本実施形態では、MSCサーバAがSMSメッセージを送信するということは、SMSメッセージが何らかの装置によってトリガされ、そして、MSCサーバAを介して送信されるということを意味する。
【0071】
ステップ527および528は、それぞれ、ステップ225および226と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0072】
本実施形態の、ステップ518および524におけるConnect ACKメッセージは、実際的な要求に応じて、存在してもよく、または存在しなくてもよい、ということに留意すべきである。それに加えて、SMSメッセージAは、図5に示すステップ521において送信されてもよく、または、ステップ516より後、かつステップ525より前の、任意のステップにおいて送信されてもよい。
【0073】
本実施形態のステップ525において、MSCサーバAは、UE Aに、Connectメッセージを送信してもよく、または、送信しなくてもよい。MSCサーバAは、Connectメッセージを送信する場合、マルチメディアリングバックトーンサーバから送信されたANMを受信した後で、UE Aに、Connectメッセージを送信する。UE Aは、このメッセージを処理してもよく、または、処理しなくてもよい。
【0074】
本実施形態における、ステップ521および526の主要な機能は、呼出端末のユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、ネットワーク側で計算される通信継続時間を呼出端末が正確に取得してもよいように、実際のテレビ電話が開始されたかどうかを呼出端末に示して、それにより、マルチメディアリングバックトーンの再生中に端末がいつ課金を開始するかに関する問題を解決することである、ということは明白である。SMSは端末のための一般的な通信方法であるため、ネットワーク側が課金を開始したかどうかを示す情報は、SMSによって運ばれる内容によって表されてもよい。対応する情報は、あらかじめ定義されてもよい内容を、SMS内で運ぶことによって表されてもよい。例えば、SMSメッセージによって運ばれる「MRBT Begin」を利用することによって、テレビ電話はまだ開始されていないこと、および、現在はマルチメディアリングバックトーンサービスであることを示してもよい。呼出端末は、現在のセッションをテレビ電話通信として処理するのではなく、SMSメッセージを受信した後、現在のセッションをマルチメディアリングバックトーンセッションと見なしてもよい。SMSメッセージによって運ばれる「VP Begin」を、テレビ電話の開始のためのフラグとして利用してもよい。呼出端末は、このSMSメッセージを受信した後で、現在のセッションをテレビ電話通信と見なしてもよく、そして、現在のセッションを通常のテレビ電話通信として処理してもよい。SMSメッセージは、さまざまな内容および情報を運んでもよいため、SMSメッセージによって表される情報は、あらかじめ行われる定義に応じてさまざまであってもよい。
【0075】
それに加えて、本実施形態では、呼出端末は、SMSメッセージによって、ネットワーク側が課金を開始したかどうかを知らされるということが、例によって示されているのに対して、実際の適用例では、呼出端末は、マルチメディアメッセージサービス(Multimedia Message Services)(MMS)、電子メール(Electronic mail)(E−mail)、インスタントメッセンジャー(Instant Messenger)(IM)、プッシュメッセージ(Push Message)などの、その他の手段によって知らされてもよいということは、言及する価値がある。具体的な実施方法は、本実施形態のものと類似しており、ここでは繰り返さない。
【0076】
本実施形態において、MSCサーバAが、ステップ516またはステップ517においてUE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージを介して、現在のリンギングがUE Aへのマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報を、それに従ってUE Aが正確に時間を測定してもよいように、さらに送信してもよいということに留意すべきである。例えば、この情報がメッセージ内に含まれていない場合、UE Aは、通常の方法で時間測定を開始してもよく、一方、この情報がメッセージ内に含まれている場合、第1のConnectメッセージを受信したら時間測定を開始するのではなく、UE Aは、時間測定を開始するよう指示する後続のメッセージをネットワークが送信するのを待ち、そして、このメッセージを受信したら、時間測定を開始する。
【0077】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報は、メッセージ内のfacilityフィールド、または、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドを拡張することによって実装されてもよい。例えば、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が1である場合、これは、第1のConnectメッセージを受信しても時間測定を行わないようUE Aに指示し、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が0である場合、これは、通常の方法で時間測定を開始するようUE Aに指示する。
【0078】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報が、UE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージ内で運ばれる場合、これは、ステップ521が実行されることと同等であり、SMSメッセージAの送信は省略されてもよい、ということは明白である。しかし、時間測定を開始するよう指示する前述のメッセージである、SMSメッセージSBは、やはり送信されるべきである。
【0079】
本発明の第5の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第1の実施形態とほぼ類似しているが、第1の実施形態では、ネットワーク側は、呼出端末(すなわち、UE A)に、関連するテレビ電話通信の継続時間についての課金情報を通知しなくてもよいのに対して、本実施形態では、被呼出端末(すなわち、UE B)が呼出に応答したことを検出するよりも前に、ネットワーク側は、被呼出端末に、ネットワーク側は課金を開始していないことを指示する、H.245のCommand(コマンド)またはIndication(インディケーション)メッセージを送信することによって、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知し、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、ネットワーク側は、被呼出端末に、ネットワーク側が課金を開始したことを指示する、H.245のCommandまたはIndicationメッセージを送信することによって、課金または時間測定を行うよう呼出端末に通知する、という点が異なる。説明の便宜上、以下では、第1の、H.245のCommandまたはIndicationメッセージは、H.245のCommandまたはIndicationメッセージAと呼び、第2の、H.245のCommandまたはIndicationメッセージは、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHBと呼ぶ。
【0080】
具体的なフローは図6に示すとおりであり、ここで、ステップ601〜620は、それぞれ、ステップ201〜220と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0081】
ステップ621で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、UE Aに、これは通常の通信ではなく、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを知らせる、H.245のCommandまたはIndicationメッセージAを、UE Aに送信する。UE Aは、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHAを受信したら、ユーザに、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを示す情報を表示してもよい。例えば、「playing ring back tone without charging(課金せずにリングバックトーンを再生中)」などの情報が、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということをユーザに知らせるために、画面上に表示されてもよい。
【0082】
ステップ622〜625は、それぞれ、ステップ221〜224と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0083】
ステップ626で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、UE Aに、通常の通信が開始され、ネットワーク側は課金を開始したということを知らせる、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHBを、UE Aに送信する。
【0084】
ステップ627および628は、それぞれ、ステップ225および226と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0085】
本実施形態の、ステップ618および624におけるConnect ACKメッセージは、実際的な要求に応じて、存在してもよく、または存在しなくてもよい、ということに留意すべきである。それに加えて、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHAは、図6に示すステップ621において送信されてもよく、または、ステップ616より後、かつステップ625より前の、任意のステップにおいて送信されてもよい。
【0086】
本実施形態のステップ625において、MSCサーバAは、UE Aに、Connectメッセージを送信してもよく、または、送信しなくてもよい。MSCサーバAは、Connectメッセージを送信する場合、マルチメディアリングバックトーンサーバから送信されたANMを受信した後で、UE Aに、Connectメッセージを送信する。UE Aは、このメッセージを処理してもよく、または、処理しなくてもよい。
【0087】
本実施形態における、ステップ621および626の主要な機能は、呼出端末のユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、ネットワーク側で計算される通信継続時間を呼出端末が正確に取得してもよいように、実際のテレビ電話が開始されたかどうかを呼出端末に示して、それにより、マルチメディアリングバックトーンの再生中に端末がいつ課金を開始するかに関する問題を解決することである、ということは明白である。マルチメディアリングバックトーンの展開プロセス全体で、H.245のサポートが必要とされるため、ネットワーク側が課金を開始したかどうかを示す情報は、H.245のCommandまたはIndicationメッセージによって表されてもよい。対応する情報は、あらかじめ定義された、H.245のCommandまたはIndicationメッセージによって表されてもよく、例えば、H.245におけるUSER INPUTのIndicationメッセージが、次のフォーマット、
Indication Message:user input
UserInputIndication::=CHOICE

nonStandard NonStandardParameter,
alphanumeric GeneralString,
・・・

を採用する場合、USER INPUTのIndicationメッセージ内の「GeneralString」フィールドを使用して10000を運ぶことによって、テレビ電話はまだ開始されていないということと、現在はマルチメディアリングバックトーンサービスであるということとを指示してもよい。このメッセージを受信したら、呼出端末は、現在のセッションをテレビ電話の呼として処理するのではなく、現在のセッションを、マルチメディアリングバックトーンセッションと見なしてもよい。他方、USER INPUTのIndicationメッセージ内の「GeneralString」フィールドを使用して10001を運ぶことによって、マルチメディアリングバックトーンサービスが終了することと、テレビ電話が開始されることとを指示してもよい。このメッセージを受信したら、呼出端末は、現在のセッションをテレビ電話通信と見なしてもよく、そして、現在のセッションを、通常のテレビ電話通信として処理してもよい。USER INPUTのIndicationメッセージは、さまざまなデータを運んでもよいため、前述の手法は、可能な1つの方法と値とであるにすぎない。
【0088】
H.245 Commandメッセージを例に取ると、H.245 CommandメッセージAは、端末の時間測定を停止するようUE Aに指示する、デュアルトーンマルチ周波数(Dual−tone multi−frequency)(DTMF)a信号を、USER INPUT Indication(UII)によって、さらに送信してもよい。このメッセージを受信したら、UE Aは、時間測定を停止し、タイマをクリアし、そして、マルチメディアリングバックトーンが再生されるということをユーザに示す。H.245 Commandメッセージbは、DTMF B信号を送信することによって、UE Aに、時間測定を開始するよう指示してもよい。このメッセージを受信したら、UE Aは、時間測定を開始し、そして、通常の通信を開始するようユーザに指示する。
【0089】
H.245の、その他のcommandおよびindication、あるいは、その他のメッセージが、具体的な実施プロセスにおいて使用されてもよい。具体的な実施方法は、本実施形態のものと類似しているため、ここでは繰り返さない。
【0090】
本実施形態において、MSCサーバAが、ステップ616またはステップ617においてUE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージを介して、現在のリンギングがUE Aへのマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報を、それに従ってUE Aが正確に時間を測定してもよいように、さらに送信してもよいということに留意すべきである。例えば、この情報がメッセージ内に含まれていない場合、UE Aは、通常の方法で時間測定を開始してもよく、一方、この情報がメッセージ内に含まれている場合、第1のConnectメッセージを受信したら時間測定を開始するのではなく、UE Aは、時間測定を開始するよう指示する後続のメッセージをネットワークが送信するのを待ち、そして、このメッセージを受信したら、時間測定を開始する。
【0091】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報は、メッセージ内のfacilityフィールド、または、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドを拡張することによって実装されてもよい。例えば、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が1である場合、これは、第1のConnectメッセージを受信しても時間測定を行わないようUE Aに指示し、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が0である場合、これは、通常の方法で時間測定を開始するようUE Aに指示する。
【0092】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報が、UE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージ内で運ばれる場合、これは、ステップ621が実行されることと同等であり、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHAの送信は省略されてもよい、ということは明白である。しかし、時間測定を開始するよう指示する前述のメッセージである、H.245のCommandまたはIndicationメッセージHBは、やはり送信されるべきである。
【0093】
本発明の第6の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第1の実施形態とほぼ類似しているが、第1の実施形態では、ネットワーク側は、呼出端末(すなわち、UE A)に、関連するテレビ電話通信の継続時間についての課金情報を通知しなくてもよいのに対して、本実施形態では、被呼出端末(すなわち、UE B)が呼出に応答したことを検出するよりも前に、ネットワーク側は、被呼出端末に、ネットワーク側はまだ課金を開始していないことを示す非構造付加サービスデータ(Unstructured Supplementary Service Data)(USSD)信号を送信することによって、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知し、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、ネットワーク側は、被呼出端末に、ネットワーク側が課金を開始したことを示すUSSD信号を送信することによって、課金または時間測定を行うよう呼出端末に通知する、という点が異なる。説明の便宜上、第1のUSSD信号は、USSD信号Aと呼び、第2のUSSD信号は、USSD信号Bと呼ぶ。
【0094】
具体的なフローは図7に示すとおりであり、ここで、ステップ701〜720は、それぞれ、ステップ201〜220と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0095】
ステップ721で、MSCサーバAは、UE Aに、これは通常の通信ではなく、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを知らせる、USSD信号Aを、UE
Aに送信する。UE Aは、USSD信号Aを受信したら、ユーザに、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということを示す情報を表示してもよい。例えば、「playing ring back tone without charging(課金せずにリングバックトーンを再生中)」などの情報が、ネットワーク側はまだ課金を開始していないということをユーザに知らせるために、画面上に表示されてもよい。
【0096】
ステップ722〜725は、それぞれ、ステップ221〜224と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0097】
ステップ726で、MSCサーバAは、UE Aに、通常の呼が開始され、ネットワーク側は課金を開始したということを知らせる、USSD信号Bを、UE Aに送信する。
【0098】
ステップ727および728は、それぞれ、ステップ225および226と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0099】
本実施形態の、ステップ718および724におけるConnect ACKメッセージは、実際的な要求に応じて、存在してもよく、または存在しなくてもよい、ということに留意すべきである。それに加えて、USSD信号Aは、図7に示すステップ721において送信されてもよく、または、ステップ716より後、かつステップ725より前の、任意のステップにおいて送信されてもよい。
【0100】
本実施形態のステップ725において、MSCサーバAは、UE Aに、Connectメッセージを送信してもよく、または、送信しなくてもよい。MSCサーバAは、Connectメッセージを送信する場合、マルチメディアリングバックトーンサーバから送信されたANMを受信した後で、UE Aに、Connectメッセージを送信する。UE Aは、このメッセージを処理してもよく、または、処理しなくてもよい。
【0101】
本実施形態における、ステップ721および726の主要な機能は、呼出端末のユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、ネットワーク側で計算される通信継続時間を呼出端末が正確に取得してもよいように、テレビ電話が実際に開始されたかどうかを呼出端末に示して、それにより、マルチメディアリングバックトーンの再生中に端末がいつ課金を開始するかに関する問題を解決することである、ということは明白である。USSDは端末のための一般的な通信方法であるため、ネットワーク側が課金を開始したかどうかを示す情報は、USSD信号によって運ばれてもよい。対応する情報は、あらかじめ定義されたUSSD信号を運ぶことによって表されてもよい。例えば、USSD信号内で運ばれる、マルチメディアリングバックトーンが開始されたことを示すフラグによって、現在はマルチメディアリングバックトーンサービスであることを、呼出端末に示してもよい。このUSSD信号を受信したら、呼出端末は、現在のセッションをテレビ電話通信として処理するのではなく、現在のセッションをマルチメディアリングバックトーンセッションと見なしてもよい。他方、テレビ電話が開始されたことを示す、USSD信号内で運ばれるフラグによって、テレビ電話が開始されたことを、呼出端末に示してもよい。このUSSD信号を受信したら、呼出端末は、現在のセッションをテレビ電話通信と見なしてもよく、そして、現在のセッションを通常のテレビ電話通信として処理してもよい。事前の定義に応じて、さまざまなUSSD信号が、さまざまな情報を表してもよい。
【0102】
それに加えて、本実施形態では、呼出端末は、USSD信号によって、ネットワーク側が課金を開始したかどうかを知らされるということが、例によって示されているということは、言及する価値がある。
実際の適用例では、呼出端末は、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hyper Text Transfer Protocol)(HTTP)、リアルタイムストリーミングプロトコル(Real−time Streaming Protocol)(RTSP)シグナリングなどの、その他の手段によって知らされてもよい。具体的な実施方法は、下層のリンクを除き、本実施形態のものと類似しており、ここでは繰り返さない。
【0103】
本実施形態において、MSCサーバAが、ステップ716またはステップ717においてUE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージを介して、現在のリンギングがUE Aへのマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報を、それに従ってUE Aが正確に時間を測定してもよいように、さらに送信してもよいということに留意すべきである。例えば、この情報がメッセージ内に含まれていない場合、UE Aは、通常の方法で時間測定を開始してもよく、一方、この情報がメッセージ内に含まれている場合、第1のConnectメッセージを受信したら時間測定を開始するのではなく、UE Aは、時間測定を開始するよう指示する後続のメッセージをネットワークが送信するのを待ち、そして、このメッセージを受信したら、時間測定を開始する。
【0104】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報は、メッセージ内のfacilityフィールドを拡張することによって実装されてもよく、または、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドを拡張することによって実施されてもよい。例えば、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が1である場合、これは、第1のConnectメッセージを受信しても時間測定を行わないようUE Aに指示し、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が0である場合、これは、通常の方法で時間測定を開始するようUE Aに指示する。
【0105】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報が、UE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージ内で運ばれる場合、これは、ステップ721が実行されることと同等であり、USSD信号Aの送信は省略されてもよい、ということは明白である。しかし、時間測定を開始するよう指示する前述のメッセージである、USSD信号Bは、やはり送信されるべきである。
【0106】
本発明の第7の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関する。本実施形態において、マルチメディアリングバックトーンサーバは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された、テレビ電話の第3のベアラを介して、呼出端末のためのマルチメディアリングバックトーンを再生する。テレビ電話の第4のベアラが、呼出端末と被呼出端末との間で確立され、テレビ電話通信は、第4のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間で実行される。第3および第4のベアラは、H.324、H.323、またはSIPのテレビ電話プロトコルによって確立されるテレビ電話通信リンクであり、本実施形態は、H.323内のH.245のプロセスを使用して第3および第4のベアラを確立する例によって説明する。
【0107】
本実施形態のネットワーク構成は、図8に示されており、異なる領域内で確立される異なるマルチメディアリングバックトーンサーバを有し、ここで、MSCサーバとVLRとは、やはり、組み合わせられたネットワーク要素として一緒に統合され、MSCサーバは、やはり、H.248のプロセスによって、MGWとの接続を確立し、HLRとAuCとは、やはり、組み合わせられたネットワーク要素として一緒に統合される。具体的なフローは、図9に示されている。
【0108】
ステップ901で、呼出端末すなわちUE Aは、接続されたMSCサーバAに、SETUPメッセージを、メッセージ内で運ばれるBC_IEセル内のITCを「UDI」にし、ORAを「H.223&H.245」にして、送信する。
【0109】
ステップ902で、MSCサーバAは、被呼出端末すなわちUE BのHLR Bに、SRI要求を発行する。
【0110】
ステップ903で、HLR Bは、UE Bに接続されたMSCサーバBから、UE Bの移動局ローミング番号(MSRN)を取得する。
【0111】
ステップ904で、MSCサーバBは、HLR Bに、UE BのMSRNを返す。ただし、MSCサーバBがプリコーリングをサポートする場合は、UE BのMSRNが返される前に、プリコーリングプロセスが開始される。
【0112】
ステップ905で、HLR Bは、被呼出ユーザ(UE Bのユーザ)がマルチメディアリングバックトーンサービスをカスタマイズしたかどうかについての情報を運ぶ、UE
Bのルーティング情報(すなわち、UE BのMSRN)を、MSCサーバAに返す。
【0113】
ステップ906で、MSCサーバAは、UE BのMSRNを取得した後で、UE AへのCall_Proceedingのプロセスを開始する。
【0114】
ステップ907で、MSCサーバAは、MSCサーバBに、ISUP IAMメッセージを発行する。被呼出ユーザが、発呼者番号表示サービスに加入している場合、ISUP
IAMメッセージは、発呼者番号を運ぶ。
【0115】
ステップ908で、MSCサーバBが、HLR Bに、UE BのMSRNを返す前に、プリコーリングプロセスが開始されていない場合、このステップにおいて、MSCサーバBは、UE Bに、calling requestメッセージを送信する。
【0116】
ステップ909で、UE Bは、MSCサーバBに、calling responseメッセージを返す。
【0117】
ステップ910で、MSCサーバBは、UE Bに、SETUPメッセージを、メッセージ内で運ばれるBC_IEセル内のITCを「UDIにし」、ORAを「H.223&H.245」にして、送信する。
【0118】
ステップ911で、UE Bは、MSCサーバBに、新しいBC_IEを運ばないCALL CONFIRMEDメッセージを返し、テレビ電話呼出がサポートされていることを示す。
【0119】
ステップ912で、UE Bは、UE Bがリングした後に、MSCサーバBに、Alertingメッセージを返す。
【0120】
ステップ913で、MSCサーバBは、MSCサーバAに、BICC ACMメッセージを返す。
【0121】
ステップ914で、MSCサーバAは、MSCサーバBに、Alertingメッセージを返す。
【0122】
ステップ915で、MSCサーバAは、UE Bがマルチメディアリングバックトーンサービスをカスタマイズしたかどうかについての情報を運ぶ、BICC IAMメッセージを、マルチメディアリングバックトーンサーバに発行する。
【0123】
ステップ916で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、BICC ACMメッセージを返す。MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーンサーバから送信されたACMメッセージを識別し、そして、呼出端末にAlertingメッセージを送信しない。
【0124】
ステップ917で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、BICC ANMメッセージを送信する。BICC ANMメッセージを受信した後で、MSCサーバAは、呼出端末UE Aに、接続中シグナリングCONNECTを送信し、一方で、MSCサーバBからメッセージが返されるかどうかをリスンする。このANMメッセージは、マルチメディアリングバックトーンサーバとUE Aとの間の通信が確立されてもよいということを表し、そして、Connectメッセージをトリガするために使用される。本実施形態では、このステップは省略可能なステップであり、実際的な要求に応じて個別に選択されてもよい。
【0125】
ステップ918で、UE Aは、Connectメッセージを受信したら、MSCサーバAに、Connect ACKメッセージを送信する。
【0126】
ステップ919で、UE Aとマルチメディアリングバックトーンサーバとは、マルチメディア通信制御シグナリングプロトコルH.245のプロセスを介して、テレビ電話の第3のベアラを確立する。テレビ電話の第3のベアラの確立が完了した後で、マルチメディアリングバックトーンサーバによって再生されるマルチメディアリングバックトーン情報が表示されてもよい。
【0127】
ステップ920で、被呼出端末UE Bは、MSCサーバBに、応答メッセージCONNECTを送信する。
【0128】
ステップ921で、MSCサーバBは、MSCサーバAに、BICC ANMメッセージを返す。
【0129】
ステップ922で、MSCサーバBは、UE Bに、Connect ACKメッセージを返す。
【0130】
ステップ923で、MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーンサーバに、マルチメディアリングバックトーンサーバとUE Aとの間で確立された第3のベアラを除去するよう指示する、BICC Release(BICC解放)メッセージを送信する。
【0131】
ステップ924で、マルチメディアリングバックトーンサーバとUE Aとの間で確立された、テレビ電話の第3のベアラが除去される。
【0132】
ステップ925で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、BICC Release Complete(BICC解放完了)メッセージを返す。
【0133】
ステップ926で、UE AとUE Bとは、マルチメディア通信制御シグナリングプロトコルH.245のプロセスを介して、テレビ電話の第4のベアラを確立する。
【0134】
ステップ927で、UE AとUE Bとの間で確立されたテレビ電話の第4のベアラを介して、UE AとUE Bとの間で、3G回線ドメインにおけるテレビ電話通信が実行される。
【0135】
ステップ928で、テレビ電話の呼が終了した後で、UE AとUE Bとの間で確立された、第4のベアラと、下層の回線とが除去される。
【0136】
本実施形態では、マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて達成されてもよい、ということは明白である。さらに、マルチメディアリングバックトーンサーバによって、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することにより、端末のための、プロトコル層の再構築が回避され、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスの実施によって発生する、端末への影響は最小となる。
【0137】
さらに、テレビ電話の第4のベアラを確立するよりも前に、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された第3のベアラは、被呼出端末が呼出に応答したことが検出されたら除去され、その結果、マルチメディアリングバックトーンサーバによって占められる回線は、ユーザ通信が接続されたら直ちに解放されてもよく、それにより、限られた回線リソースが節約される。
【0138】
本実施形態では、マルチメディアリングバックトーンサービスの実施プロセスの中で、通信の継続時間が正確に計算および制御されてもよいように、呼出端末と被呼出端末との間の第4のベアラの確立が完了した後で、ネットワーク側は、テレビ電話通信についての課金を行う、ということは言及する価値がある。
【0139】
本実施形態において、MSCサーバAが、ステップ914またはステップ917においてUE Aに配送されるAlertingメッセージまたはConnectメッセージを介して、現在のリンギングがUE Aへのマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報を、それに従ってUE Aが正確に時間を測定してもよいように、さらに送信してもよいということに留意すべきである。例えば、この情報がメッセージ内に含まれていない場合、UE Aは、通常の方法で時間測定を開始してもよく、一方、この情報がメッセージ内に含まれている場合、第1のConnectメッセージを受信したら時間測定を開始するのではなく、UE Aは、時間測定を開始するよう指示する後続のメッセージをネットワークが送信するのを待ち、そして、このメッセージを受信したら、時間測定を開始する。
【0140】
現在のリンギングがマルチメディアリングバックトーンの再生をトリガしてもよいかどうかに関する情報は、メッセージ内のfacilityフィールド、または、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドを拡張することによって実施されてもよい。例えば、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が1である場合、これは、第1のConnectメッセージを受信しても時間測定を行わないようUE Aに指示し、Connectメッセージ内のUser−Userフィールドの値が0である場合、これは、通常の方法で時間測定を開始するようUE Aに指示する。
【0141】
本発明の第8の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、第7の実施形態とほぼ類似しているが、第7の実施形態では、第3および第4のベアラは、H.324、H.323、またはSIPのテレビ電話プロトコルを介して確立されるテレビ電話通信リンクであるのに対して、本実施形態では、第3および第4のベアラはCSDリンクであり、そして、テレビ電話の論理チャネルは、H.324、H.323、またはSIPのテレビ電話プロトコルを介して、CSDリンク上で確立される、という点が異なる。第3のベアラは、呼出端末から呼出端末のMSCサーバまでの、第5のベアラと、呼出端末のMSCサーバからマルチメディアリングバックトーンサーバまでの、第6のベアラとに分解されてもよく、第4のベアラは、呼出端末から呼出端末のMSCサーバまでの、第5のベアラと、呼出端末のMSCサーバから被呼出端末までの、第7のベアラとに分解されてもよい。
【0142】
具体的なフローは図10に示すとおりであり、ここで、ステップ1001〜1018は、それぞれ、ステップ901〜918と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0143】
ステップ1019で、第5のベアラが、UE AとMSCサーバAとの間で確立され、そして、第6のベアラが、MSCサーバAとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立される。第5および第6のベアラは両方ともCSDリンクである。次に、H.245のプロセスが、第5および第6のベアラに基づいて確立される。確立の後で、マルチメディアリングバックトーンサーバによって再生されるマルチメディアリングバックトーンを、呼出端末のユーザは見てもよい。
【0144】
ステップ1020〜1024は、それぞれ、ステップ920〜924と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0145】
ステップ1025で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、BICC Release Completeメッセージを返す。MSCサーバAは、UE Aに、MSCサーバAとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間のベアラ(すなわち、第6のベアラ)は除去されたということ、および、MSCサーバAとMSCサーバBとの間でCS64kbpsベアラリンクが確立されたということを指示する、Facilityメッセージを送信する。明らかに、facilityメッセージによってこの情報を運ぶことは、1つの具体的な実施方法にすぎず、実際には、その他のメッセージが代わりに使用されてもよい。このステップの主要な目的は、テレビ電話の呼出プロセス全体の間に、2つのH.245ベアラプロセスの確立が含まれてもよいということを、呼出端末すなわちUE Aに示すことと、facilityメッセージを受信したら、第2のH.245ベアラプロセスのための準備をするよう、すなわち、既存のCS64kbpsリンクに基づいた、UE Bとのベアラの確立のための準備をするよう、UE Aに指示することとである。
【0146】
このステップは、図10に示す位置であってもよく、または、ステップ1023と1026との間の任意の位置であってもよく、主要な機能は、2つのH.245ベアラプロセスの確立を指示することである。
【0147】
ステップ1026で、UE AとMSCサーバAとの間の、既存の第5のベアラと、MSCサーバAとUE Bとの間の、第7のベアラとに基づいて、H.245のプロセスが確立される、すなわち、呼出端末UE Aと被呼出端末UE Bとの間の、第4のベアラが確立される。
【0148】
ステップ1027および1028は、それぞれ、ステップ927および928と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0149】
第7の実施形態と比較して、本実施形態は、2つのH.245ベアラプロセスの、より高速な確立プロセスを、ほとんど変更なしに、かつ実施を妨げるものなしに提供してもよい、ということは明白である。
【0150】
本発明の第9の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関する。第7の実施形態に基づいて、本実施形態は、UE Aとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間の、テレビ電話の第3のベアラを除去するという目的を、UE Aと、マルチメディアリングバックトーンサーバとによって、それぞれ、H.245のセルフハングアップ(self−hangup)プロセスを開始することによって、達成する。具体的なフローは、図11に示されている。
【0151】
ステップ1101〜1120は、それぞれ、ステップ901〜920と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0152】
ステップ1121で、MSCサーバBは、MSCサーバAに、BICC ANMメッセージを返す。さらに、MSCサーバAは、UE Aに、facilityメッセージを送信する。facilityメッセージを受信した後で、UE Aは、(通信の相手方にハングアップシグナリング「End Session(セッション終了)」を送信することなく)H.245のセルフハングアッププロセスを開始し、そして、ローカルリソースを直接解放する。
【0153】
ステップ1122は、ステップ923と完全に同一である。
【0154】
ステップ1123で、MSCサーバAは、マルチメディアリングバックトーンサーバに、BICC Releaseメッセージを送信し、マルチメディアリングバックトーンサーバは、このメッセージを受信したら、(通信の相手方にハングアップシグナリング「End Session」を送信することなく)H.245のセルフハングアッププロセスを開始する。
【0155】
ステップ1124で、H.245のセルフハングアッププロセスが完了した後で、UE
Aは、第2のH.245ベアラの確立を開始する、すなわち、第7の実施形態で説明した、UE AとUE Bとの間の、テレビ電話の第4のベアラの確立プロセスを開始する。
【0156】
ステップ1125で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAに、BICC Release Completeメッセージを返す。
【0157】
ステップ1126および1127は、それぞれ、ステップ927および928と完全に同一であり、ここでは繰り返さない。
【0158】
本実施形態は、ネットワーク側が、マルチメディアリングバックトーンサービスの再生プロセスが終了したことを呼出端末に指示し、第2のH.245ベアラを確立するよう呼出端末に要求する、指示メッセージ(すなわち、上記のfacilityメッセージ)を、呼出端末に配送するという点で、第7の実施形態と異なるということは明白である。呼出端末は、この指示メッセージを受信したら、セルフハングアッププロセスを開始してもよい。このようにして、マルチメディアリングバックトーンサーバを相手に確立された、最初のH.245ベアラは、呼出端末によって通信リンクをハングアップすることにより終了する。そのようなプロセスは、通常の通信フローと一致し、ネットワーク継続の全継続時間をさらに減少させ、それにより、サービスの間の切り替えにおいて消費される時間を減少させ、ユーザの体験を向上させる。
【0159】
マルチメディアリングバックトーンサービス全体は、2つの通信と見なされてもよく、第1の通信は、マルチメディアリングバックトーンサービスであり、第2は、テレビ電話の通常の通信である。呼出端末は、ネットワーク側から配送された指示メッセージに従って、セルフハングアップを行うことにより、マルチメディアリングバックトーン全体のセッションを終了し、そして、通常のテレビ電話通信を正常に達成するために、セッションのセルフハングアップを行った後で、テレビ電話通信のための新しいH.245ベアラの確立プロセスを開始する。
【0160】
ステップ1123で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、MSCサーバAからBICC Release Completeメッセージを受信したら、セルフハングアッププロセスを開始する。マルチメディアリングバックトーンサーバは、マルチメディアリングバックトーンサービス全体の間、マルチメディアリングバックトーンのコンテンツを提供するための論理端末(logic terminal)として働いてもよい。マルチメディアリングバックトーンのコンテンツを提供するプロセスが終了した後で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、マルチメディアリングバックトーンベアラを除去するプロセス全体に、セッションの相手(party)として関与してもよい。
【0161】
UE Aによって開始されるセルフハングアッププロセスは、マルチメディアリングバックトーンサーバによって開始されるセルフハングアッププロセスと実質的に同様の機能(すなわち、UE Aとマルチメディアリングバックトーンサーバとの間のベアラを除去する)を達成する。したがって、セルフハングアッププロセスは、UE Aのみの中で、または、マルチメディアリングバックトーンサーバのみの中で、開始されてもよい。しかし、システム全体の協働を考慮して、かつ、システムエラーの可能性をできるだけ減らすために、セルフハングアッププロセスは、UE A、およびマルチメディアリングバックトーンサーバの、それぞれの中で開始されてもよい。さらに、2つのセルフハングアッププロセスは、実際の適用例において、厳密な順序を有さない。さらに、本発明のステップ1123において、MSCサーバAが、マルチメディアリングバックトーンサーバに、BICC Releaseメッセージを送信することは、本質的に、マルチメディアリングバックトーンサーバにセルフハングアッププロセスを実行するよう指示するために使用される。したがって、マルチメディアリングバックトーンサーバがセルフハングアッププロセスを実行しない場合、ステップ1123は省略されてもよい。
【0162】
本発明の第1〜第6の実施形態においては、マルチメディアリングバックトーンサービス全体が終了した後で、マルチメディアリングバックトーンサーバは、テレビ電話の後続の通信プロセスにおいて、バックツーバック(back−to−back)サーバとして働きながら、依然として存在する、ということは明白である。説明の便宜上、この方式は、ブリッジング方式(bridging scheme)と呼ぶ。本発明の第7〜第9の実施形態においては、マルチメディアリングバックトーンサービス全体が終了した後で、マルチメディアリングバックトーンサーバと呼出端末との間の通信リンクは除去され、そして、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話のための通信リンクが確立される。この方式における最も重要な特徴は、呼出端末が、マルチメディアリングバックトーンサーバおよび被呼出端末の、それぞれを相手に、H.245ベアラを確立するということである。説明の便宜上、この方式は、非ブリッジング方式(non−bridging scheme)と呼ぶ。
【0163】
本発明の第10の実施形態は、テレビ電話のための呼出方法に関し、そして、本発明の第1〜第6の実施形態におけるブリッジング方式と、本発明の第7〜第9の実施形態における非ブリッジング方式との組み合わせである。
【0164】
特に、呼出端末は、MSCサーバAに送信されるSETUPメッセージ内で、この端末によってサポートされるマルチメディアリングバックトーン方式のタイプ(すなわち、ブリッジング方式を、または非ブリッジング方式をサポートするということ)を運ぶ。例えば、端末がブリッジング方式をサポートするか、非ブリッジング方式をサポートするかは、SETUPメッセージ内のUser−Userフィールドの値によって指示されてもよい。0であるUser−Userフィールドは、端末がブリッジング方式をサポートすることを表し、1であるUser−Userフィールドは、端末が非ブリッジング方式をサポートすることを表すということが、あらかじめ定義されてもよい。
【0165】
呼出端末はブリッジング方式をサポートするということを、ネットワーク側が認識した場合、後続のフローは、上記の第1〜第6の実施形態のうちのいずれかと同一であってもよく、呼出端末は非ブリッジング方式をサポートするということを、ネットワーク側が認識した場合、後続のフローは、上記の第7〜第9の実施形態のうちのいずれかと同一であってもよく、それらの実施形態についてはここでは繰り返さない。
【0166】
本発明の第11の実施形態は、図12に示す、テレビ電話のための呼出システムに関し、このシステムは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間でテレビ電話の第1のベアラを確立するための、ベアラ確立ユニットと、ベアラ確立ユニットによって確立された第1のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生するための、マルチメディアリングバックトーン再生ユニットと、被呼出端末が呼出に応答したかどうかを検出するための、そして、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、被呼出端末が呼出に応答したことをベアラ確立ユニットに指示するための、検出ユニットであって、ベアラ確立ユニットは、検出ユニットからのこの指示を受信したら、被呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラを確立するようにさらに構成された、検出ユニットと、ベアラ確立ユニットによって確立された第1のベアラと第2のベアラとを介して、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話通信を実行するための、通信ユニットとを含む。
このようにして、マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて達成されてもよい。さらに、マルチメディアリングバックトーン再生ユニットによって、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することにより、端末のための、プロトコル層の再構築が回避され、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスの実施によって発生する、端末への影響は最小となる。
【0167】
マルチメディアリングバックトーン再生ユニットは、マルチメディアリングバックトーンサーバ内にあり、ベアラ確立ユニットは、テレビ電話シグナリングプロトコルのプロセスを介して、第1および第2のベアラを確立する。テレビ電話シグナリングプロトコルは、H.324、H.323、またはSIPのテレビ電話シグナリングプロトコルであってもよい。
【0168】
本実施形態におけるテレビ電話のための呼出システムは、テレビ電話通信について課金するための課金ユニット(charging unit)をさらに含んでもよく、ここで、検出ユニットは、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、被呼出端末が呼出に応答したことを課金ユニットに指示するように、さらに構成され、そして、課金ユニットは、この指示を受信したら、テレビ電話通信についての課金を開始することは、言及する価値がある。したがって、マルチメディアリングバックトーンサービスの実施プロセスの中で、通信の継続時間は正確に計算および制御されてもよい。
【0169】
本実施形態におけるテレビ電話のための呼出システムは、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知するための、および、課金または時間測定を開始するよう呼出端末に通知するための、通知ユニット(notify unit)をさらに含んでもよい。検出ユニットは、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、被呼出端末が呼出に応答したことを通知ユニットに指示するように、さらに構成される。通知ユニットは、検出ユニットからこの指示を受信するよりも前に、課金または時間測定を無視するよう呼出端末に通知し、検出ユニットからこの指示を受信したら、課金または時間測定を開始するよう呼出端末に通知する。したがって、呼出端末のユーザが課金情報を誤解するのを避けるために、呼出端末は、ネットワーク側で計算される通信継続時間を正確に取得してもよい。
【0170】
本発明の第12の実施形態は、図13に示す、テレビ電話のための呼出システムに関し、このシステムは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間でテレビ電話の第3のベアラを確立するための、および、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話の第4のベアラを確立するための、ベアラ確立ユニットと、ベアラ確立ユニットによって確立された第3のベアラを介して、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生するための、マルチメディアリングバックトーン再生ユニットと、ベアラ確立ユニットによって確立された第4のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間でテレビ電話通信を実行するための、通信ユニットとを含む。このようにして、マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて達成されてもよい。
【0171】
本実施形態における、テレビ電話のための呼出システムは、被呼出端末が呼出に応答したかどうかを検出するための、検出ユニットと、ベアラを除去するための、ベアラ除去ユニット(bearer removal unit)とをさらに含んでもよい。
【0172】
第3および第4のベアラが、回線交換データ(CSD)リンクである場合、第3のベアラは、呼出端末から呼出端末のMSCサーバまでの、第5のベアラと、呼出端末のMSCサーバからマルチメディアリングバックトーンサーバまでの、第6のベアラとに分解されてもよく、一方、第4のベアラは、第5のベアラと、呼出端末のMSCサーバから被呼出端末までの、第7のベアラとに分解されてもよく、その場合、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、検出ユニットは、被呼出端末が呼出に応答したことをベアラ除去ユニットに指示し、ここで、ベアラ除去ユニットは、この指示を受信した後で、呼出端末のMSCサーバからマルチメディアリングバックトーンサーバまでの、第6のベアラを除去する。
【0173】
第3および第4のベアラが、H.324、H.323、またはSIPのテレビ電話プロトコルを介して確立されたテレビ電話通信リンクである場合、被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、検出ユニットは、被呼出端末が呼出に応答したことをベアラ除去ユニットに指示し、ここで、ベアラ除去ユニットは、この指示を受信した後で、ベアラ確立ユニットによって確立された第3のベアラを除去し、そして、ベアラ確立ユニットに、第4のベアラを確立するよう指示する。
【0174】
以上からわかるように、マルチメディアリングバックトーンサーバによって占められる回線は、ユーザ通信が接続されたら(すなわち、被呼出端末が呼出に応答したことを、検出ユニットが検出したら)、ただちに解放されてもよく、それにより、限られた回線リソースが効果的に節約される。
【0175】
上述のように、本発明の実施形態において、マルチメディアリングバックトーンサーバは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された、テレビ電話の第1のベアラによって、呼出端末のためのマルチメディアリングバックトーンを再生する。被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラが確立される。確立された第1のベアラと第2のベアラとを介して、呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話通信が実行されてもよい。または、マルチメディアリングバックトーンサーバは、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された、テレビ電話の第3のベアラによって、呼出端末のためのマルチメディアリングバックトーンを再生する。テレビ電話の第4のベアラが、呼出端末と被呼出端末との間で確立され、テレビ電話通信は、第4のベアラを介して、呼出端末と被呼出端末との間で実行される。このようにして、マルチメディアリングバックトーンサービスは、テレビ電話のための従来のネットワークフレームワークに基づいて達成されてもよい。さらに、マルチメディアリングバックトーンサーバによって、呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することにより、端末のための、プロトコル層の再構築が回避され、それにより、テレビ電話のマルチメディアリングバックトーンサービスの実施によって発生する、端末への影響は最小となる。
【0176】
テレビ電話通信は、被呼出端末が呼出に応答したことが(または、第4のベアラの確立が完了したことが)検出されたら課金されるため、マルチメディアリングバックトーンサービスの実施プロセスの中で、通信の継続時間は正確に計算および制御されてもよい。
【0177】
呼出端末は、被呼出端末が呼出に応答したことが検出されるよりも前に、課金または時間測定を無視するよう通知され、そして、被呼出端末が呼出に応答したことが検出されたら、課金または時間測定を開始するよう通知され、その結果、呼出端末は、課金情報に関する、呼出端末のユーザの誤解を避けるために、ネットワーク側で計算される通信継続時間を正確に取得してもよい。
【0178】
第4のベアラを介してテレビ電話通信を実行する方式においては、テレビ電話の第4のベアラを確立するよりも前に、呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された第3のベアラは、被呼出端末が呼出に応答したことが検出されたら除去され、その結果、マルチメディアリングバックトーンサーバによって占められる回線は、ユーザ通信が接続されたら直ちに解放されてもよく、それにより、限られた回線リソースが節約される。
【0179】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を参照して、本発明について例示および説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細における、本発明へのさまざまな変更が行われてもよいということが、当業者によって理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ電話のための呼出方法であって、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第1のベアラを確立することと、
前記第1のベアラを介して、前記呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することと、
被呼出端末が呼出に応答したことを検出したら、前記被呼出端末と前記マルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第2のベアラを確立することと、
前記第1のベアラと前記第2のベアラとを介して、前記呼出端末と前記被呼出端末との間で、テレビ電話通信を実行することとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のベアラおよび前記第2のベアラは、テレビ電話シグナリングプロトコルのプロセスを介して確立され、
前記テレビ電話シグナリングプロトコルは、H.324、H.323、またはセッション開始プロトコル(SIP)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被呼出端末が前記呼出に応答したことを検出したら、前記テレビ電話通信について課金することを、さらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
テレビ電話の前記第1のベアラを確立することよりも前に、前記方法は、
前記マルチメディアリングバックトーンサーバから前記呼出端末に送信されるAlertingメッセージ内で、マルチメディアリングバックトーンサービスを識別する特別なテキストを運ぶこと、または、
前記第1のベアラを確立するよう前記呼出端末に通知するために、前記呼出端末にConnectメッセージを送信することを、さらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記被呼出端末が前記呼出に応答したことを検出するよりも前に、課金または時間測定を無視するよう前記呼出端末に通知することと、前記被呼出端末が前記呼出に応答したことを検出したら、課金または時間測定を開始するよう前記呼出端末に通知することとを、さらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
課金または時間測定を無視するよう前記呼出端末に通知するプロセスは、前記呼出端末に対する前記課金はまだ開始されていないことを示す情報を送信することを含み、
課金または時間測定を開始するよう前記呼出端末に通知するプロセスは、前記呼出端末に対する前記課金が開始されたことを示す情報を送信することを含み、
前記2つのタイプの情報は、前記呼出端末に送信される、メッセージ、シグナリング、信号、または電子メールによって運ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、H.245のcommand、H.245のindication、ショートメッセージ、マルチメディアメッセージ、Facilityメッセージ、Alertingメッセージ、Connectメッセージ、インスタントメッセージ、またはプッシュメッセージであり、
前記信号は、デュアルトーンマルチ周波数(DTMF)信号、または非構造付加サービスデータ(USSD)信号であり、
前記シグナリングは、SIPシグナリング、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)シグナリング、またはリアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)シグナリングである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)におけるテレビ電話のための呼出方法であって、
呼出端末とマルチメディアリングバックトーンサーバとの間で、テレビ電話の第3のベアラを確立することと、
前記第3のベアラを介して、前記呼出端末へのマルチメディアリングバックトーンを再生することと、
前記呼出端末と被呼出端末との間で、テレビ電話の第4のベアラを確立し、そして、前記第4のベアラを介して、前記呼出端末と前記被呼出端末との間で、テレビ電話通信を実行することと、を含み、
前記第3のベアラおよび前記第4のベアラは、H.324またはH.323であるテレビ電話シグナリングプロトコルのプロセスを介して確立されたテレビ電話通信リンクであり、
テレビ電話の前記第4のベアラを確立することよりも前に、前記方法は、前記呼出端末が前記呼出に応答したことを検出したら、前記呼出端末と前記マルチメディアリングバックトーンサーバとの間で確立された、前記第3のベアラを除去する、ことを更に含む、
方法。
【請求項9】
前記第3のベアラは、
セルフハングアッププロセスを開始するよう前記呼出端末に指示するメッセージを、前記呼出端末に送信するプロセスと、
セルフハングアッププロセスを開始するよう前記マルチメディアリングバックトーンサーバに指示するメッセージを、前記マルチメディアリングバックトーンサーバに送信するプロセスとのうちの、少なくとも1つによって除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
テレビ電話の前記第4のベアラを確立するプロセスは、
元のテレビ電話通信リンクに基づいて、H.245の再確立プロセスを開始すること、または、
前記呼出端末によって、H.324テレビ電話通信の再確立プロセスを開始することを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
テレビ電話の前記第4のベアラを確立することよりも後に、前記方法は、
前記テレビ電話通信について課金することを、さらに含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜7の何れか1項記載の方法に従って、テレビ電話のための呼出方法を実施するための手段を含むテレビ電話のための呼出システム。
【請求項13】
請求項8〜11の何れか1項記載の方法に従って、テレビ電話のための呼出方法を実施するための手段を含むテレビ電話のための呼出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−249329(P2012−249329A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183019(P2012−183019)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2009−549763(P2009−549763)の分割
【原出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(503433420)華為技術有限公司 (107)
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian Longgang District, Shenzhen 518129 P.R. China
【Fターム(参考)】