説明

テレフタル酸のポリエステル、これらの製造方法及びこれらの使用

本発明は、テレフタル酸及び/又は二価アルコールを含むテレフタル酸誘導体の重縮合生成物をベースにするポリエステルに関する。
前記ポリエステルは、(I)40〜90未満モル%のエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオールと、(II)60〜10よりも多いモル%のエチレングリコール以外のアルカン−1,2−ジオールとが混合され、このポリエステルが(DIN EN ISO53765に従った)約145〜250℃の融点を有することを特徴とする。
前記ポリエステルは比較的低い融点を有しているので、より低い温度での再加工が可能である。またこれにより、再加工の間に望ましくない二次的及び分解反応が防止され、エネルギーコストの低下が可能になる。
この独創的なポリエステルは、溶融紡糸による繊維またはフィラメント、射出成形方法によるフィルム、ボトル又は他の成形物品の製造に特に適している。
この繊維は加工して高品質の不織布材料とすることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体と二価アルコールとの重縮合生成物をベースにするポリエステル、このようなポリエステルの製造方法並びにこれらの使用及び得られる生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の種類のポリエステル、これらの製造及び有利な応用可能性は公知である。しかしながら、高い巻取速度でのポリエステルからの繊維及びフィラメントの製造に於いて、多数の実際的な問題点が解決されていない。4000m/分以上の速度でのPET−POY(予備配向ヤーン)の製造の間に、より高い紡糸応力のために、紡糸結晶化度に於ける急激な上昇が起こる。続く加工工程、特に、テクスチャー化の間に、より高い糸及び毛管破壊並びに劣った捲縮値が、これからもたらされる。POY製造に関連させて、より高い巻取速度を実施するようにする修正が、しばしば参照される。その目的は、結晶化の開始をより高い紡糸速度に移動させ、それによって生産性に於ける増加を保証することである。多数の研究によって、分子構造への影響、特に、目標にした物理的及び化学的修正による紡糸結晶化度の抑制が記述されている。
【0003】
高い巻取速度での物理的修正によるポリエステルPOYに於ける繊維品質の最適化は、先行技術に於いて、雑誌Chemical Fibres Int.第49巻(1999年)、第59頁に記載されている、「EVO速度概念(EVO Speed Concept)」によって保証することができる。より高い経済効率は、また、巻き取り直前の、特別に開発されたスチームチャンバー内での処理により、制御された繊維製造の構造を許容する、Chemical Fibres Int.第48巻(1998年)、第220頁に記載されている、H5S工程に於いて保証される。
【0004】
溶融紡糸工程の化学的修正の可能性も、技術文献に記載されている。それに従うと、減少した結晶化度で4000m/分よりも高い紡糸速度が、分枝鎖の中への枝分かれ剤の含有により又はコポリマーにより可能になっている。中でも、US−A−4,113,704、US−A−4,923,662、DE197 33 799 A1、Journal of Applied Polymer Science、第31巻(1986年)、第2753頁及びChemical Fibres Int.第53巻(2003年)、第445頁を、特別の先行技術に関して挙げることができる。
【0005】
これらの新規なPOY技術は、これらが、しばしば、高いコストに繋がり、ヤーンの一定品質レベルが達成されないので、未だ、大規模に於いて工業的に認められていない。
【0006】
高い巻取速度で製造された繊維の収縮値に於ける増加が、実際的条件下で探求されている。5000m/分よりも高い巻取速度で製造される未変性PET繊維(PET=ポリエチレンテレフタレート)は、高い紡糸結晶化度のために、10%よりも十分に低い収縮値を有する。この低い収縮値は、殆ど全ての次の加工工程、特に製織に於いて悪影響を有する。
【0007】
PETのための染色温度の低下が、先行技術に於ける重要な開発目的である。それは、130℃でのHT染色(HT=高温度)が、高いエネルギーコスト及び移動したオリゴマーのために不均一な染色結果に繋がるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、溶融温度が低下し、従って、それらの製造及び加工をより低い温度で実施することができるように、前記のポリエステルを変性することであり、それから、特に、二次的及び分解反応のより低い量並びにより低いエネルギーコストがもたらされると考えられる。本発明の他の課題は、前記の種類のポリエステルの構造(特に、結晶化度)の目標とする感化を許容し、著しく改良された特性を達成することである。本発明の特別の目的は、また、エネルギーコストを減少するために、低下した温度、例えば、約100℃での染色を許容することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体と二価アルコールとの重縮合生成物をベースにするポリエステルであって、(I)40〜90未満モル%のエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオールを、(II)60〜10よりも多い重量%のエチレングリコール以外のアルカン−1,2−ジオールに加え、そしてこのポリエステルが(DIN EN ISO53765に従った)約145〜250℃の融点を有するポリエステルによって、本発明に従って解決される。
【0010】
この二価アルコールは、(I)89〜70モル%、特に89〜80モル%のエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオールを、(II)11〜30モル%、特に11〜20モル%のアルカン−1,2−ジオールに加えるような方式で選択することが、特に好ましい。
【0011】
従って、1種のジオール又はジオール混合物は、(I)と指定した群及び(II)と指定した群から、本発明に従って選択される。群(II)のアルカン−1,2−ジオールは、 下記の式(I):
【化1】

(式中、Rは、アルキル及び/又はシクロアルキル残基を示す)
によって特徴付けられる。このアルキル残基は、好ましくは、1〜12個の炭素原子を有し、そしてシクロアルキル残基は3〜6個の炭素原子を有する。特に好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル残基が好ましく、これには、ノルマル又は異性体形での、メチル、エチル、プロピル及び/又はブチル残基が含まれる。シクロアルキル残基は、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及び/又はシクロヘキシル残基である。個々の場合に於いて、アルキル残基及び/又はシクロアルキル残基が、アリール、アルケニル及び/又はシクロアルケニル残基によって、完全に又は部分的に置換されている場合、有利であるかもしれない。アリール残基が、フェニル、ベンジル及び/若しくはナフチル残基であり、アルケニル残基が、ビニル、アリル及び/若しくはイソプロペニル残基であり並びに/又はシクロアルケニル残基が、2−シクロペンチル及び/若しくはシクロヘキセニル残基である場合が好ましい。一般的に、アルキル及びシクロアルキル残基のこの置換は、10モル%未満、特に約5モル%未満でなくてはならない。
【0012】
対応する置換は、また、本発明に従ったポリエステルのテレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体についても存在する。個々の場合に、これらは、他のジカルボン酸、特に、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ヘキサメチレン−1,6−ジカルボン酸及び/又はテトラメチレン−1,4−ジカルボン酸のブロックによって、完全に又は部分的に置換されていてよい。しかしながら、一般的に、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体の約10モル%未満、特に約5モル%未満が、他のジカルボン酸によって置換されていることが好ましい。
【0013】
テレフタル酸誘導体を選択する際に、本発明は著しい制限を受けない。単純なエステル、例えば、テレフタル酸ジメチルエステルが、特にここで含まれる。
【0014】
本発明に従ったポリエステルは、約145〜275℃の比較的低い融点範囲によって特徴付けられる。275℃の融点を超えることは、品質の低下に至る多数の副生物及び分解生成物を意味し、他方、145℃の融点に達しないことは、そのポリエステルが、通常の上昇した温度での更なる加工の間に、最早十分に形状安定性でないことを意味する。275℃の融点を超える際の上記の考慮は、250℃の最高温度を超えることにも適用される。250℃の最高値を維持することは、そのポリエステルで得られる成形物品の品質改良及び形状安定性に於ける増加を意味する。155〜250℃の融点範囲が、特に有利である。約190〜250℃の範囲が、非常に特に好ましい。低下した融点のために、望ましくない二次的及び分解反応が、低下した程度に起こる。エネルギーコストも減少する。
【0015】
DIN35728に従った、約0.5〜0.7dl/g、特に約0.55〜0.65dl/gの、本発明に従ったポリエステルの極限粘度数は、有利な融点と一定の相関関係にある。約0.5dl/gに達しないことは、成形物品中の繊維の加工性に於ける低下を意味し、他方、0.7dl/gを超えることは、成形物品中の繊維の加工性に於いて、また欠点が生じることを意味する。
【0016】
融点及び粘度に於ける上記のコメントは、下記の観点から、次の利点に至る。重縮合は、最初に、有利に溶融物中で起こる。最終重縮合は、また、固相での溶融物中で又は連鎖延長剤との意図的な反応により有利であろう。
【0017】
本発明に従ったポリエステルは、製造の間の如何なる顕著な加工制限も受けない。原則として、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体並びに二価アルコール又はジオールは、通常の様式で、好ましくは溶融物中で、(I)エチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオール並びに(II)対応するアルカン−1,2−ジオールの形態で、上昇した温度、特に約180〜290℃の温度で転化される。製造に於ける290℃の値を超えることは、望ましくない反応が起こること及びこれらが、本発明に従ったポリエステルから製造される製品の品質に悪影響を与えることを意味し得る。約180〜270℃の範囲が、本発明に従って維持される場合が、特に有利である。270℃の最高値は、290℃の最高値に比して更なる利点に至り、従って、方法の製品の品質に於ける改良に至るであろう。約180℃に達しないことは、ポリエステルが応用温度に於いて最早形状安定性ではない状態に至るであろう。従って、出発材料の転化が、約220〜270℃で起こる場合が好ましい。更に、出発材料を、請求項1の定性的及び定量的情報に一致するように調節すること並びに得られるポリエステルが、(DIN EN ISO53765に従った)約145〜250℃の融点を得ることが、本発明に従った方法を実施するために重要である。
【0018】
本発明に従った方法は、回分方式で、即ち、回分式反応器内で又は連続的に運転することができる。連続式方法が好ましい。次いで、撹拌容器カスケード又は環状ディスク反応器が適切に使用される。
【0019】
本発明の方法の間に起こる重縮合は、種々の方式で実施することができる。例えば、種々の添加物、例えば、連鎖延長剤を含有させることができる。ビス−2−オキサゾリン及び/又はビス−アシルラクタマートの形での連鎖延長剤が、特に好ましい。
【0020】
本発明に従ったポリエステルの利点は、製造方法を非常に経済的に運転することができるそれらの製造に於いてのみならず、特に、それらから製造された成形物品に於いて現れる。これらは、特に、溶融紡糸によって得られる繊維及びフィラメントである。本発明に従ったポリエステルを、射出成形方法に従って、フィルム、ボトル又は他の成形物品に加工することも有利である。本発明に従ったポリエステルから繊維又はフィラメントを製造するための溶融紡糸工程は、好ましくは、220〜285℃、特に約220〜270℃の温度範囲内で実施され、約245〜270℃の範囲内が特に好ましい。特に好ましい範囲は、約245〜265℃である。
【0021】
従って、本発明に従った情報で、有利な成形物品は、特に、本発明の一部である繊維及びフィラメントの形で得られる。溶融紡糸工程の後で得られる繊維は、高価値の不織布に加工することができる。これは、例えば、空気流方法により又は電界内での紡糸により起こる。
【0022】
本発明の更なる例示のために、下記のものを示す。前記の2個の群(I)及び(II)からのジオールの組合せは、前記の種類のポリエステルの製造のために、特に繊維の製造のために、先行技術に於いてこれまでは考えられなかった。ポリエステルを形成するための重縮合に関連して、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体に関連する、本発明に従った選択は、更に驚くべき利点に至る。このポリエステルは、反応の目標とする運転により、特に、正確な温度保全及び出発物質を選択することにより、顕著な量の望ましくない副生成物無しに、費用効果的に製造することができる。これは、ジオール成分とテレフタル酸又はその誘導体とのエステル化を運転することにより、特に、テレフタル酸のジメチルエステルとのエステル交換反応により、回分方式で又は連続的に起こり得る。前記の2個の群からのジオールを、合成の間に直接的に使用することができる。
【0023】
本発明に従ったポリエステルの使用及び溶融紡糸したポリエステルフィラメント又は繊維又はヤーンの特性を改良するためのその適切性は、この技術界で知られていなかった。ポリエステルフィラメント及びヤーンの結晶化度に於ける減少が、高い巻取速度で達成できたことは、先行技術から推定できなかった。
【0024】
本発明に従ってコモノマーとして使用されるアルカン−1,2−ジオールは、容易に入手でき、安価である。本発明に従ったポリエステルは、純粋なポリエチレンテレフタレートよりも遙かに低い温度で製造することができる。より低い温度での加工性は、ポリエステルの低下した融点のために、ここでは結局は特に有利になる。このポリエステルは、高い巻取速度での溶融紡糸のために好ましく適している。遙かに低い結晶化度によって特徴付けられる迅速紡糸POYヤーンを、この方法で製造することができる。本発明に従ったポリエステルから得られたヤーンは、更なる加工のために最も良く適合されている。
【0025】
本発明は、未変化の繊維品質及びポリエチレンテレフタレートPOYの改良された更なる加工特性で、製造を増加するためのその使用に於いて特別の関心のあるものである。本発明に従ったポリエステルが、溶融紡糸によって有利な繊維に、簡単に且つ経済的に加工できることは、特に驚くべきことであると考えられる。この利点は、特に、これらが、純粋なポリエチレンテレフタレートに関して低下した融点を有し、それで、ポリエステルの製造及び溶融紡糸工程による繊維又はフィラメントの製造をより低い温度で実施することができ、従って、一層制限された副生物/分解生成物及びより低いエネルギーコストによって特徴付けられるようになるという事実からもたらされる。
【0026】
本発明に従ったポリエステルでの繊維製造の間に、特にPOY繊維製造に於いて、追加の利点が生じることも示された。ここで、非常に高い巻取速度、特に3000〜10000m/分、特に3500〜6000m/分の巻取速度を使用できる。増加した生産性が、この高い巻取速度からもたらされる。更に、近年の機械製作部門に於ける開発の可能性を利用できる。
【0027】
本発明に従ったポリエステルの変性によって、それから製造された、高い巻取速度で製造された繊維の収縮値が、実際的必要条件に従って増加される。更に、このポリエステル繊維は、約80〜130℃、特に約100℃の染色温度でも、既に、染色の間の改良された染料吸収を有する。本発明に従った繊維は、例えば、高価値の不織布への更なる加工に付すことができる。
【発明の効果】
【0028】
従って、本発明は、その種々の実施形態に於いて、先行技術の匹敵する製品に関して顕著な利点を提供する結果になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
下記の実施例は本発明を説明する。
【実施例】
【0030】
10モル%のブタン−1,2−ジオールによる変性
12,126gのテレフタル酸ジメチル(62.44モル)、7,848.8gのエチレングリコール(126.45モル)及び1,266.22gのブタン−1,2−ジオールを、20Lのステンレススチール反応器内で、Mn(OAc)2・4H2Oによる触媒作用により、一般的なメタノール開裂により、エステル交換反応させ、形成されたコポリエステルを、Sb23による触媒作用によってコポリエステルに重縮合させた。この反応は、ここで260℃で運転することができた。
DSC測定を、30〜300℃の温度範囲内で、10K°/分の加熱速度で、窒素雰囲気下で行った。
このポリエステルを、溶融紡糸工程に従って、繊維に従来通り紡糸した。3000〜6000m/分の範囲内で、非常に良好な紡糸性が見出された。
下記の表1に、融点及び紡糸温度への、変性の影響を示す。
【0031】
【表1】

【0032】
繊維の結晶化度を、密度勾配カラム内で、n−ヘプタン及びテトラクロロメタンからの密度測定によって決定した。繊維内の収縮挙動は、沸騰水中で決定した(沸騰収縮)。選択した実施例に於いて、5000m/分で紡糸した繊維について、結晶化度及び収縮挙動を表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
繊維を、25%残留伸びで延伸した。織物布を、この延伸した繊維から編み機で製造した。100℃及び130℃での染色実験を、この編布上で、HT染色装置内で実施した。次いで、編布の染料吸収の尺度であるK/S値を決定した。このK/S値を表3に示す。
【0035】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体と二価アルコールとの重縮合生成物をベースにするポリエステルであって、二価アルコールが、(I)40〜90未満モル%のエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオールを、(II)60〜10よりも多いモル%のエチレングリコール以外のアルカン−1,2−ジオールに加えるような方式で選択され、そしてこのポリエステルが(DIN EN ISO53765に従った)約145〜250℃の融点を有することを特徴とするポリエステル。
【請求項2】
二価アルコールが、(I)89〜70モル%、特に89〜80モル%のエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオールを、(II)11〜30モル%、特に11〜20モル%のアルカン−1,2−ジオールに加えるような方式で選択されることを特徴とする、請求項1記載のポリエステル。
【請求項3】
ポリエステルの融点が、約155〜250℃、特に約190〜250℃であることを特徴とする、請求項1又は2記載のポリエステル。
【請求項4】
ポリエステルが、約0.5〜0.7dl/g、特に約0.55〜0.65dl/gの、(DIN53728に従った)極限粘度数を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル。
【請求項5】
アルカン−1,2−ジオールが、下記の式(I):

(式中、Rは、アルキル又はシクロアルキル残基を示す)
によって表されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル。
【請求項6】
アルキル残基が1〜12個の炭素原子を有し、そしてシクロアルキル残基が3〜6個の炭素原子を有することを特徴とする、請求項5記載のポリエステル。
【請求項7】
アルキル残基が、1〜6個の炭素原子を有し、特に、メチル、エチル、プロピル及び/又はブチル残基を表し、そしてシクロアルキル残基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル残基を表すことを特徴とする、請求項6記載のポリエステル。
【請求項8】
アルキル残基及び/又はシクロアルキル残基が、アリール、アルケニル及び/又はシクロアルケニル残基によって、完全に又は部分的に置換されていることを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも1項に記載のポリエステル。
【請求項9】
アリール残基が、フェニル、ベンジル及び/若しくはナフチル残基を表し、アルケニル残基が、ビニル、アリル及び/若しくはイソプロペニル残基を表し並びに/又はシクロアルケニル残基が、2−シクロペンテニル及び/若しくはシクロヘキセニル残基を表すことを特徴とする、請求項8記載のポリエステル。
【請求項10】
テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体が、他のジカルボン酸、特に、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ヘキサメチレン−1,6−ジカルボン酸及び/又はテトラメチレン−1,4−ジカルボン酸のブロックによって、完全に又は部分的に置換されていることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも1項に記載のポリエステル。
【請求項11】
テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体の約10モル%未満が、他のジカルボン酸によって置換されていることを特徴とする、請求項10記載のポリエステル。
【請求項12】
置換が約5モル%未満であることを特徴とする、請求項11記載のポリエステル。
【請求項13】
テレフタル酸誘導体がテレフタル酸ジメチルエステルとして表されることを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも1項に記載のポリエステル。
【請求項14】
特に繊維又はフィラメントの形での、請求項1〜13の少なくとも1項に記載のポリエステルで得られた成形物品。
【請求項15】
テレフタル酸及び/又はテレフタル酸誘導体並びに(I)エチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール及び/又はブタン−1,4−ジオール並びに(II)対応するアルカン−1,2−ジオール(群)の形態での二価アルコールを、約180〜290℃の上昇した温度で、特に約180〜270℃の温度で転化させることを特徴とする、請求項1〜14の少なくとも1項に記載のポリエステルの製造方法であって、出発材料を、請求項1の定性的及び定量的情報に従って調節し、この方法を、得られるポリエステルが、(DIN EN ISO53765に従った)約145〜250℃の融点を有するような方式で運転する製造方法。
【請求項16】
転化が約220〜270℃の温度で起こることを特徴とする、請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
前記方法を連続的に運転することを特徴とする、請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
前記方法を、流動チューブ、撹拌容器カスケード又は環状ディスク反応器内で、連続的に運転することを特徴とする、請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
連鎖延長剤を、重縮合の間に、特にビス−2−オキサゾリン及び/又はビス−アシルラクタマートの形で使用することを特徴とする、請求項15〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
成形物品、特に、溶融紡糸により繊維及びフィラメントを、並びに射出成形方法に従ってフィルム、ボトル又は他の成形物品を製造するための、請求項1〜13の少なくとも1項に記載のポリエステルの使用。
【請求項21】
溶融紡糸工程を、約220〜270℃、特に約245〜270℃、特に245〜265℃の温度で運転することを特徴とする、請求項20記載の使用。
【請求項22】
繊維製造、特にPOY繊維製造の間に、高い巻取速度、特に3000〜10000m/分、特に約3500〜6000m/分の巻取速度を使用することを特徴とする、請求項19又は20記載の使用。
【請求項23】
溶融紡糸工程によって得られた繊維を、不織布に加工することを特徴とする、請求項19〜22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
得られたポリエステル繊維を、約80〜130℃、特に約100℃の温度で染色することを特徴とする、請求項22又は23記載の使用。

【公表番号】特表2009−510181(P2009−510181A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523191(P2008−523191)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007156
【国際公開番号】WO2007/014646
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(508029882)
【Fターム(参考)】