説明

テントとそのテントを立てる方法

【課題】 ワイヤを用いるテントにおいて斬新な形状のものを提供する。
【解決手段】 本願発明では、フレーム1と、フレーム1に被せられた幕体2とを備え、フレーム1は、4本の支柱と、この4本の支柱を頂点とする四角形の辺において各支柱間に渡された剛性のある梁とを備え、上記4角形の対角線上において対向する支柱間に渡された柔軟性のあるワイヤとを備え、上記対角線の交点に支持部を備え、この支持部に中央柱の下端側が支持され、この中央柱の上端側に幕体2の中央が支持されたテントにおいて、中央柱は、ワイヤの上方に位置し、上下に伸びるものであり、支持部は中央柱の下部を受ける当接部を備えたものであり、中央柱の下部が当接部に当接することにより、中央柱が支持部に回動可能に支持されるものであり、中央柱を支持部に対し回動させることにて、組立てて幕体を張るときに生じるよじれを解消するテントを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、テントとそのテントを立てる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3662830号公報
【特許文献2】特許第4041426号公報
【0003】
従来、大型テントでは、特に屋根の構造が重要であり、一般にはトラス等で小屋組みを形成し、これに幕を取り付けていた。
しかし、このような構造の大型テントは、骨組が堅固となるため長期の設営には適しているが、一時的な設営に使用する場合には過剰な部材構成であったし、又剛な骨組で幕を支持していたため幕に弛みが生じてしまう欠点があった。即ち、幕は小屋組みの頂部から柱間に設けられる梁材を覆う形で展開するが、単に幕と部材を所々で係止するだけの構成であったので、幕に張力が与えられなかった。幕に弛みが生ずると、その箇所に雨水が溜まり雨漏りが生じてしまう恐れがあった。
【0004】
このため、特許文献1に示される発明が提案されている。この発明は、大型テントであっても構成が簡易で、幕に弛みが生じ難く、雨漏りのおそれのないテントを提供することを目的とし、更に、風圧による屋根材の振動が小さい、設営作業が大掛りにならず少ない作業員でも設営・撤収が可能な、短辺と長辺の比率変更が可能な、又かなり大きなサイズであっても線材の緊張が可能なテントを提供することを目的としている。
即ち、この発明のテントは、頂部に三叉の端部ジョイントを止着する4本の柱材と、隣接する柱材の端部ジョイント同士を相互に連結する梁材と、対角線上の端部ジョイント間に張力調整部材を介在して張架する線材と、交差する線材上に伸縮可能に立設して幕を支持する束材とを備える。
このような構成を採ることにより、この特許文献1のテントは、柱材を結ぶ対角線に線材を張り、束材で幕を突き上げながら支持するもので、緊張した線材交差部で束材下端を支持すると同時に幕の下縁を梁材に係止し、線材は弾性的に上下動可能であるため束材を介して幕に常に一定のテンションを付与することができ、張架した後張力調整部材を使用することで線材に十分なテンションを付与することができ幕に弛みが生じ難くなるものとされる。
又束材が伸縮可能であるため、線材の張力に合わせて束材の高さを変更することができ、柱梁が完全に固定されるまでは束材の高さを低めにして線材が緩んだ状態に対応できるようにし、柱梁の箱状骨組を形成した後に束材先端に幕を取り付けると同時に所定の長さまで伸長し、その後線材の張力調整を行うと設営が容易になるとされる。
この他、特許文献1に示すテントと同様、線材を用いるものとして、特許文献2に示すテントが提案されている。
【0005】
しかし、上記の特許文献1及び2のテントにおいて、テントの頂点を支持する中央柱(特許文献1の短柱10及び特許文献2の頂点支柱30)は、地面に設置され梁が渡されてテント全体を支持する他の4本の支柱(特許文献1の柱材2及び特許文献2の支柱4)と比較して短く、トラス等で小屋組みを形成しこれに幕を取り付けたそれまでのテントと、外観上大きな違いがなく、線材を用いて軽量化を図ったものであるのに、その機能面での優位性を、テントのデザイン上従来品との差別化に十分反映させることはできていなかった。
そのため本願発明者は、中央柱を長くして、とんがり帽子のような屋根を形作ることで、従来品との明確な差別化を図ろうとした。
ところが、中央柱を長くした場合、幕体のねじれが生じやすく、綺麗に幕体を張ることが困難となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、線材を利用したテントにおいて、中央柱の長さの如何にかかわらず、綺麗に幕体を張ることができるようにしたテントの提供を目的とする。
また、本願発明は、線材を利用したテントにおいて、中央柱の長さの如何にかかわらず、綺麗に幕体を張ることができるという課題を解決すると同時に、中央柱の外れを防止して、安全性を確保したテントの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本願の請求項1の発明は、フレームと、このフレームに被せられた幕体とを備え、フレームは、4本の支柱と、この4本の支柱を頂点とする四角形の辺において各支柱間に渡された剛性のある梁とを備え、上記4角形の対角線上において対向する支柱間に渡された柔軟性のあるワイヤとを備えるものであり、上記対角線の交点に支持部を備え、この支持部に中央柱の下端側が支持され、この中央柱の上端側に幕体の中央が支持されたテントにおいて、上記中央柱は、ワイヤの上方に位置し、上下に伸びるものであり、上記支持部は上記中央柱の下部を受ける当接部を備えたものであり、上記中央柱の下部が上記当接部に当接することにより、上記中央柱が支持部に回動可能に支持されるものであり、上記中央柱を支持部に対して回動させることにより、テントを組立てて幕体を張るときに生じるよじれを解消することができるものであることを特徴とするテントを提供する。
本願の請求項2に係る発明は、上記中央柱と上記支持部とが軸方向に外れることを防止する脱落防止手段を備え、上記脱落防止手段は、上記中央柱と上記支持部との何れか一方に対して回動可能に取り付けられる環状部と、この環状部に設けられた接続部とを備え、
上記環状部は上記中央柱と上記支持部との何れか一方に対して回動可能且つ軸方向に外れないように取り付けられたものであり、上記接続部は、上記環状部を回動させることによって、上記中央柱と上記支持部との何れか他方に軸方向に抜けないように接続されるものであること特徴とする請求項1記載のテントを提供する。
本願の請求項3に係る発明は、上記支持部は、上端が開口した筒状をなすと共に、その下部に上記ワイヤを挿通する貫通孔を備えたものであり、この貫通孔より上方に上記当接部を備えたものであり、上記支持部の上記開口から、上記支持部の内部に上記中央柱の下端部が挿入され、上記中央柱の下端が上記当接部に当接することにより、上記中央柱が上記支持部に回動可能に支持されるものであることを特徴とする請求項2記載のテントを提供する。
本願の請求項4に係る発明は、上記環状部は、上記中央柱の外周面に回動可能に取り付けられ、上記接続部は上記環状部から下方に伸びるものであり、上記接続部の下部と上記支持部とには、周方向に移動して互いに係止して軸方向には外れなくなる係止部が設けられ、上記中央柱にはストッパが設けられ、このストッパによって上記環状部が上記中央柱から下方に外れることが防止されたものであることを特徴とする請求項2又は3記載のテントを提供する。
本願の請求項5に係る発明は、上記環状部は、上記支持部の外周面に回動可能に取り付けられ、上記接続部は上記環状部から上方に伸びるものであり、上記接続部の下部と上記支持部とには、周方向に移動して互いに係止して軸方向には外れなくなる係止部が設けられ、上記中央柱にはストッパが設けられ、このストッパによって上記環状部が上記中央柱から下方に外れることが防止されたものであることを特徴とする請求項2又は3記載のテントを提供する。
本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5記載のテントを立てる方法において、支柱が伸縮又は折り畳み可能な高低調整手段を備えたものであり、この高低調整手段が低い状態で4本の支柱間にワイヤを張ると共に、上記幕体の中央に上記中央柱の上端側を接続し、次に、中央柱の下端側を上記支持部に支持させると共に上記幕体を張り、次に、上記中央柱を上記支持部に対して回動させることにより、上記中央支柱を組立てて上記幕体を張るときに生じるよじれを解消することを特徴とするテントを立てる方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願発明は、中央柱の下端側を支持部に回動可能に支持させるため、幕体を張った後にでも、中央柱を回動させて、幕体のゆがみを矯正できる。これによって、中央柱の長さの如何にかかわらず、綺麗に幕体を張ることができるようにしたものである。
特に、脱落防止手段を設けて、支持部と中央柱とが外れないようにした場合にも、中央柱を回転できるようにしたため、綺麗に幕体を張ることができるという課題を解決すると同時に、中央柱の外れを防止して、安全性を確保したテントを提供することができたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1(A)は本願発明の一実施の形態に係るテントの使用状態を示す全体斜視図、図1(B)は図1(A)のテントの幕体を透視した状態の斜視図である。図2(A)は図1のテントの組立て途中の斜視図、図2(B)は図1(A)のx1付近の一部切欠要部斜視図、図2(C)は図1(A)のx2付近の一部切欠斜視図、図2(D)は図1(A)x3付近の一部切欠要部斜視図である。図3は図2(D)に示す要部についての詳細を示す一部切欠分解斜視図である。図4は図3の組み付け後の一部切欠斜視図である。図5(A)は図2(A)のテントから外した状態の1ユニットの斜視図、図5(B)はそのユニットの折り畳み状態を示す斜視図であり、図5(C)は図5(A)(B)において梁及び支柱を折り畳み可能に結合するヒンジ部材の斜視図である。図6(A)〜(D)は、上記テントの支柱の折り畳みの手順を示す一部切欠要部斜視図である。図7(A)は上記テントに幕体を取り付ける途中の一部切欠要部斜視図、図7(B)は当該幕体を取り付けた後の一部切欠要部斜視図である。図8(A)〜(C)は上記テントの高低調整手段の変更例を示す斜視図である。図9(A)は上記テントの梁についての変更例を示す組立て途中の斜視図、図9(B)は図9(A)のx4付近の一部切欠要部斜視図、図9(C)は図9(A)のx5付近の一部切欠要部斜視図である。
図1(A)へ示す通り、このテントは、フレーム1と、このフレーム1に被せられた幕体2とを備える。
フレーム1は、図1(B)へ示す通り、4本の支柱3...3と、梁4...4と、ヒンジ部材5...5と、ワイヤ6,6と、支持部7と、中央柱8とを備える。
【0010】
支柱3...3は、鉄やアルミニウムなどの金属で形成されたパイプである。支柱3...3の夫々は、平面視において、四角形の頂点をなすように配置されている。
図2(A)へ示す通り、支柱3...3の夫々は、上下2本のパイプ31,32と、両パイプ31,32同士を折り畳み可能に接続する関節部材33とを備える。図2(A)は、上パイプ31に対して、関節部材33を中心に下パイプ32を折って、各支柱3...3の関節部材33を地面に着けて、テントの高さを低くした状態を示している。この実施の形態において、当該関節部材33が、請求項2の、高低調整手段に対応する。
【0011】
詳しくは、図6(A)〜(D)へ示す通り、上下に伸びる上パイプ31の下端に関節部材33が固定されている。関節部材33は、平面視略U字状に湾曲する鞘状の板状体であり、上パイプ31の下端は、この鞘内に上方から挿入された状態にされて、関節部材33に固定されている。下パイプ32の上端は、下方から、関節部材33が呈する当該鞘に挿入された状態にされて、上パイプ31の下方に位置する。この実施の形態において、下パイプ32の先端は、その中心軸を外れた位置において、ピン或いはボルト・ナットなどの固定具33aにて関節部材33へ軸止されている。具体的には、下パイプ32の上端外周面に、筒状部32aが略水平に設けられており、関節部材33が呈するU字の両先端間に、この筒状部32aが介されて、上記固定具33aが、関節部材33及び筒状部32aに挿通されるとにより、固定具33aを中心に回動自在に、下パイプ32が関節部材33へ取り付けられている。但し、上パイプ31に対して下パイプ32を伸ばす方向に回動した際、下パイプ32の外周面が関節部材33の内周面と当接して重なり、回動範囲が規制される。下パイプ32は、上記筒状部32aよりも下方に、ピン或いはボルト・ナットなど副固定具32bを備える。具体的には、下パイプ32には、筒状部32aよりも下方に、その外周面より互いに並んで突出する2枚の突出片32c,32cが設けられている。突出片32c,32cには、夫々、下パイプ32の軸方向と平行に伸びる長孔32d,32dが、突出片32c,32cを貫通するように設けられている。図6の各図において、32eは、両突出片32c,32c間に設けられて、両突出片32c,32cの間隔を保持する前覆部を示している。
両長孔32d,32dに副固定具32bが通される。副固定具32bは、長孔32d,32d内において、長孔32d,32dの長手方向に移動可能とされている。副固定具32bの両端は、長孔32d,32dより外部へ露出する。
関節部材33は、固定具33aが取り付けられた位置から下方に間隔を開けて、副固定具32bの係合部33b,33bを備える。係合部33b,33bは、夫々上方に向けて開放されたフック状の板状部である。
【0012】
図6(A)から図6(B)へ示すように、上パイプ31に対して下パイプ32を折った状態から、下パイプ32を回動して開く。図6(C)へ示す通り、上パイプ31に対して下パイプ32が略一直線となるように開くと、下パイプ31の外周面が関節部材33の内周面と当接して、上記の通り回動が規制される。このとき、長孔32dの下縁と、上記係合部33bの懐とが重なり、副固定具32bは、長孔32d内を下方に移動し、図6(D)へ示す通り、副固定具32b両端の前記露出部分が係合部33bに係止される。
このように、副固定具32bが係合部33bへ係止されることにより、上パイプ31に対して下パイプ32が開いた状態に固定される。
上記において、関節部材33を、上パイプ31に設けたが、下パイプ32に設けてもよい。
【0013】
梁4...4は、鉄やアルミニウムなどの金属で形成された、剛性を有するパイプであり、4本の支柱3...3を頂点とする四角形の辺において各支柱3...3間に渡される。
一つ梁4は、2本の梁用パイプ41,41と、両梁用パイプ41,41同士を接続して一本の梁4とする梁接続部42とにて構成されている。
梁接続部42としては、2本の梁用パイプ41,41同士を、着脱自在に接続可能な周知の接続構造を採用する。例えば、実用新案登録第2576306号に示されたテント骨組みの接続構造を採用することができる。この接続構造は、一方の梁用パイプの一端に嵌合受け部を、他の梁用パイプの一端に嵌合部を設け、嵌合部を嵌合受け部に差し込み、嵌合させうるようにし、何れか一方の梁用パイプの接続端部分の外周面適宜位置に弾力性を有する係合腕部を回動自在に設け、この係合腕部の先端には梁用パイプの外周面と着脱自在に係合する弾力性を有する係合部を形成し、この係合部が他の梁用パイプの係合される位置よりも接続端部側位置の外周面に段部を形成して、係合部が係合された他の梁用パイプの当該段部と、係合部が当接して、パイプを抜け止めできるものである。
このような接続構造を採用することにより、接続された梁用パイプ同士間で、回動することができ、接続後の向きの調整が行いやすい。
【0014】
図2(A)及び図5(A)へ示す通り、このフレーム1は、上記のワイヤ6,6と支持部7と中央柱8とを除き、4つのユニット10...10に分割することができる。
隣接するユニット10,10同士は、上記梁接続部42にて、互いに分離可能に接続されている。
具体的には、一つのユニット10は、図5(A)へ示す通り、前記ヒンジ部材5と、このヒンジ部材5に固定された2本の梁用パイプ41,41と、このヒンジ部材5に固定された1本の支柱3とを備える。
2本の梁用パイプ41,41は、夫々、隣り合う梁4,4の構成部材である。
ヒンジ部材5は、図5(C)へ示す通り、支柱固定部51と、2つの梁固定部52,52と、ワイヤ係止部53とを備える。
支柱固定部51は、筒状に形成されたものであり、支柱3の上端に嵌められる。梁固定部52,52は、夫々、支柱固定部51の外周面に設けられた、断面視略C字状の部材即ち半割り状の筒状体であり、内部に梁用パイプ41の一端が挿入され、ピン或いはボルト・ナットなどの固定具54が通されて、ヒンジ部材5に対して回動自在に梁用パイプ41を固定する。但し、梁用パイプ41の外周面が、支柱固定部51の当接することによって、回動範囲が規制される。半円筒形の両梁固定部52,52同士は、平面視において、軸方向を支柱固定部51を挟んで略直角とする。
図5(C)において、41aは梁用パイプ41に設けられた固定具54を通す貫通孔を示し、52aは梁固定部52に設けられた固定具54を通す貫通孔を示している。
ワイヤ係止部53は、図5(C)へ示す通り、両梁固定部52,52間において、支柱固定部51の外周面に設けられたフックである。
テントを使用しないとき、図5(B)へ示す通り、ヒンジ部材5へ固定された支柱3に対して、上記固定具54を中心として両梁用パイプ41,41を回動し折り畳むことができ、支柱3に両梁用パイプ41,41を略平行に並べることができる。
【0015】
ワイヤ6,6は、図1(B)及び図2(A)へ示す通り、柔軟性を備えた金属製の線材であり、支柱3...3がなす上記4角形の対角線上において、対向する支柱3,3間に渡される。
図2(B)(C)へ示す通り、ワイヤ6,6は夫々、両端に係止用リング60が取り付けられている。図2(C)へ示すように、各ワイヤ6の一端の係止用リング60は、直接上記ヒンジ部材5のワイヤ係止部53に係止される。また、図2(B)へ示すように、各ワイヤ6の他の一端の係止用リング60は、ターンバックル61に係止され、ターンバックル61のフックが、上記ヒンジ部材5のワイヤ係止部53に係止される。ターンバックルの調整によって、ワイヤの張りを調整することができる。
【0016】
支持部7は、筒状に形成され、図2(D)へ示すように、当該筒の周面の内外に貫通する4つの貫通孔71...71を備える。貫通孔71...71は、夫々支持部7の周方向について等間隔に設けられている。この貫通孔71...71に、ワイヤ6,6が通され、支持部7内にて、2本のワイヤ6,6は交差する。即ち、ワイヤ6,6の交差部に、支持部7が設けられて、支持部7はワイヤ6,6を介して、支柱3...3に支持される。
支持部7の上端は開口し、支持部7の内部には、上記貫通孔71...71よりも上方に、当接部72が設けられている。当接部72は、中央柱8の下端を受けるものである。当接部72は、この実施の形態において、環状の円盤であり、支持部7の内周面に溶接にて固定されている。
【0017】
中央柱8は、ワイヤ6,6の上方に位置し、上下に伸びるものである。
上記の支持部7は、この中央柱8の下端を受けるものであり、中央柱8は、支持部7に支持される。即ち、図2(D)に示す支持部7の上端開口部から、支持部7の内部に、中央柱8の下端部が挿入され、中央柱8の当該下端が、上記当接部72の上面に当接することにより、中央柱8は、支持部7へ支持される。
中央柱8の上端側が、幕体2の裏側中央と当接し、中央柱8は幕体2中央を支持する。
この実施の形態では、中央柱8は、上記4本の支柱3...3夫々よりも長いものである。具体的には、図1(A)(B)に示す通り、関節部材33を中心に上パイプ31と下パイプとを伸ばした支柱3の長さよりも、中央柱8の長さは大きいものである。これにより、とんがり帽子のような人目を引くデザインのテントを提供できる。但し、中央柱8を、支柱3より短いもので実施することも可能である。
【0018】
中央柱8の下端部は、支持部7に遊嵌しており、支持部7に対し、中央柱8は回動自在であり、テントを組立て幕体2を張るときに生じるよじれを、当該回動によって解消することができる。
中央柱8が支持部7から脱落しないようにする脱落防止の好ましい手段について、図3及び図4を用いて説明する。この脱落防止は、上記のように、幕体2を張って、中央柱8を回動させてねじれを解消した後に行なうことが望ましいが、これに限定するものではない。
図3へ示す通り、中央柱8の脱落防止手段は、支持部7の外周面に設けられた第1係止部73と、支持部7とは別体に形成された接続部74と、中央柱8の外周面に設けられたストッパ81とを備える。
この実施の形態において、第1係止部73は、側面視において、逆J字状に湾曲する板状部材であり、J字の直線部分が支持部7の外周面に溶接にて固定されている。
ストッパ81は、中央柱8に固定され或いは中央柱8と一体に形成されて、中央柱8の外周面から突出する。
接続部74は、環状部75と、環状部75に設けられた第2係止部76とを備える。環状部75は、中央柱8の上端から中央柱8に通され、ストッパ81の上端と当接し、ストッパ81よりも下方に移動不能である。但し、環状部75は中央柱8に遊嵌しており、接続部74は中央柱8に対して回動可能である。上記の第2係止部76は、中央柱8に取り付けられた環状部75の下端から下方に突出する鉤形の板状体である。
【0019】
支持部7に、中央柱8の下端部を挿入して、中央柱8を支持部7へ支持させた状態において、接続部74を回動することにより、図4へ示す通り、第2係止部76に、支持部7の第1係止部73を引掛ける。第1係止部73を第2係止部76に引掛けることによって、接続部74は、支持部7と一体となり、支持部7に対して回転不能となる。中央柱8は、ストッパ81が、接続部74と当接して、突風などにより中央柱8が支持部7から上方に移動しようとするのを防止する。但し、このように中央柱8が支持部7に固定されても、接続部74に対して中央柱8は回動可能である。
従来、テントのパイプ同士の接続の脱落防止には、一方に穴を形成し他方にこれに合致する出没ピンを設けたり、或いは、双方に合致する穴を形成して両者を貫通するピンを設けたりする例が一般的であったが、これらの場合には、穴とピンとを合わせたり、穴同士を合わせたりする必要があった。ところが、本願発明では、上記のように、中央柱8を回動させる必要があり、穴とピン等の位置を合致させることができない。そこで、上記ような脱落防止手段を開発することによって、中央柱8を回動させた場合にも、脱落防止が可能となったものである。
なお、上記の例とは上下反対にして実施することもできるものであり、環状部75、接続部74及びストッパ81を支持部7に設け、第1係止部73を中央柱8に設けるようにしてもよい。この場合、接続部74は、環状部75から上方に向けて伸びることとなると共に、環状部75の上にストッパ81が設けられて、環状部75が上方に外れることを防止することとなる。
さらに、この例では、支持部7に中央柱8の下端を挿入したが、これとは逆に、中央柱8の下端に、支持部7を挿入するようにしてもよい。
【0020】
幕体2は、袋状に形成され、図1(A)(B)へ示す通り、中央柱81に被せられることにより頂部11を備える山型部分20を呈する。図7(A)へ示す通り、幕体2の四隅には、幕体2の表裏に貫通し、ハトメが打たれた固定用孔21...21が設けられており、各支柱3...3には、当該固定用孔21を引掛ける引掛け部30が設けられている。この実施の形態において、各梁用パイプ41,41と支柱3との間に補強部材34,34が設けられており、補強部材34,34を固定する支柱3側の固定用金具35に上記引掛け部30となる突起が設けられている。
【0021】
テントの組立てについて説明する。
先ず各ユニット10において、図5(B)に示すように、伸ばされた支柱3に対し折り畳まれて略平行に並べられられた2本の梁用パイプ41,41を、ヒンジ部材5に対して回動させて開いた後、伸ばされていた支柱3について、図5(A)へ示すように関節部材33にて下パイプ32を折り曲げ、背を低くする。
そして、図2(A)へ示す通り、梁接続部42にて、隣り合うユニット10,10の梁用パイプ41,41同士を接続する。
4つのユニット10...10を、接続した状態において、図2(A)〜(C)へ示す通り、ターンバックル61を介して、支柱3,3間にワイヤ6を張る。前記ワイヤ係止部53にワイヤ6,6を固定する前に、上記支持部7の貫通孔71...71へ、ワイヤ6,6を通し、両ワイヤ6,6の交差点に、支持部7を配置しておく。ワイヤ係止部53にワイヤ6,6を固定した後、ワイヤ6の張りをターンバックル61の長さ調整により調整し、ワイヤ6の弛みを抑える。
そして、図2(A)及び図3へ示す通り、上方から支持部7に、中央柱8の下端を挿入し、図4へ示す通り第1係止部73を接続部側係止部83に引掛けて、中央柱8を支持部7へ固定する。支持部7へ中央柱8を立てた後、図7(A)へ示す通り、幕体2を、フレーム1に被せ、図7(B)へ示す通り、引掛け部30に上記固定用孔21を引掛けることにより、幕体2がフレーム1に固定され、中央柱8に幕体2の中央が支持される。
前述の通り、中央柱8は、支持部7に対して回動自在であるので、幕体2の捩れを、中央柱8の回動により解消することができる。
幕体2をフレーム1に取り付けた後、上記関節部材33にて折り曲げていた支柱3の下パイプ32を伸ばして、テントの組立てを完了する。
テントを使用しないとき及び組立て後のテントにおいて、個々のユニットの支柱3は伸ばされた状態とされるが、テント組み立て時ユニット10同士の接続から幕体2を装着するまでの間、支柱3を折って、ワイヤを張る作業や背の高い中央柱8に対して幕体2を張る作業を低い位置で行うことができる。従って、特に中央柱8の長さを、幕体2を掛けるのに人手が届く範囲に抑える必要がなく、中央柱8に長いものを採用して、人目を引く奇抜な外観のテントを提供することができる。
また、図2(A)へ示すように、下パイプ32を折って、支柱3...3の背を低いものとしても、上パイプ31の高さ分地面から上方の位置にて、幕体2を張る作業が行え、雨天の場合など、組立て作業中地面の泥水に触れて幕体2が汚れるのを防ぐことができる。特に、中央柱8を外した後は、ワイヤが幕体2を受けるので幕体2を地面に垂れさせない。
組み立てられたテントにおいて、剛性のある梁4や支柱3にて、中央柱8と共に幕体2を支持するものであることは、従来と変わりないのであるが、幕体2の中央を直接支持する中央柱8は、支柱3...3よりも長く且つ柔軟なワイヤに支持されるものであるため、中央柱8を中心に屋根を若干回転させる遊びが得られ、テントの屋根が風になびいて動き、テントを見るものの目を楽しませることができる。従って、独特の外観と共に風になびく、このようなテントの特徴が一目瞭然である。
【0022】
例えば、支柱3の長さを、通常の1.5mから、その1.5倍の2.25mとした場合、それだけでも、テントを目立たせることができるが、2.25mの高さから、更に上方に伸びる中央柱8に対して幕体2を掛けるのは至難の業である。しかし、上記の通り、高低調整手段により、即ち、関節部材33にて支柱3を折り高さを低くすることにより、難なく幕体2を張ることができため、中央柱8も従来にない、支柱3よりも長いものを採用することができるのである。
下パイプ32を折ったときの作業の効率を考慮して、上パイプ31の長さを、支柱全体の半分以下の長さとしておけばよい。特に、上パイプ31は、60〜70cmとするのが好ましい。
また、例えば、張ったワイヤが幕体や中央柱の重みで下方に沈む分、中央柱を長いものとしておけば、従来よりも長尺の支柱3を用いた場合、テント全体の高さを支柱3の倍とすることができ、極めて目を引く。従って、ワイヤの沈む幅を支柱の長さに加えた長さよりも、中央柱8を長いものとしておけば、テントの屋根部分を更に目立つものとすることができる。
通常ワイヤが沈む幅は、130mm前後であるので、支柱を上記の通り、2.25mとする場合、中央柱8は、2.38m以上とするのが好ましい。但し、中央柱8は、支柱3より長いものであればよく、このような数値に限定されるものではない。支柱3が短いものであれば、支柱3よりも長いことを条件に、中央柱8も短くすることができるし、逆に、支柱8を短く形成した分、中央柱8を長いものとしても実施できる。
【0023】
図6に示す高低調整手段は、上パイプ31に対して下パイプ32を折り畳み自在とし、パイプが伸ばされた状態から、関節部材33を中心として、折ることによって、支柱3の高さを低くすることができるものであった。高低調整手段については、この他、図8(A)へ示す通り、中空の上パイプ31の下端側に対し下パイプ32の上端側を挿入し、ネジ或いはボルト・ナットなどの固定具33aを、上パイプ31と下パイプ32の重なる部分に通して、両パイプを固定するものとし、図8(C)へ示す通り、上パイプ31において軸方向の異なる位置に、当該固定具33aを通す穴31aを複数設けて、図8(B)へ示す通り、固定具33aを通す穴31aを変えて、支柱3の長さを調整できるものでとしてもよい。この場合、図8(B)へ示す通り上パイプが備える下方の穴31aへ固定具33aを通すことによって支柱3を伸ばした状態とし、図8(A)へ示す通り上パイプが備える下方の穴31aへ通すことによって支柱3を縮めた状態とすることができる。
【0024】
また、図1〜図8へ示す実施の形態では、テントを使用しないとき、フレーム1は、夫々、支柱3と2本の梁用パイプ41,41と、ヒンジ部材5とを備えた4つのユニット10...10単位に分割することができ、撤収後の嵩を抑えると共に部品の散逸による紛失を防ぐことができる。また、各ユニット10には同じものを使用できるので、コストの低減にも効果がある。
但し、本願発明を、このようなユニット10...10単位で分割するものに限定するものではない。例えば、図9へ示すものは、1つの梁4を、2本の梁用パイプにて構成するのではなく、1つの梁部材にて構成し、テント撤収に際して、支柱3...3と梁部材とを分離するものとしている。この実施の形態において、梁部材は、夫々、隣接する支柱3,3間に渡される2本の主パイプ43、44と、両者間に斜めに渡された傾斜パイプとを備える。このフレーム1は、ヒンジ部材5を備えず、図9(A)(B)へ示す通り、上記主パイプ43の両端へ下方に向け突出する差込部45,45が設けられている。そして、支柱3の上部外周面には、当該差込部45,45が差し込まれる被差込部46,46が設けられている。
組立て時は、差込部45,45を被差込部46,46に差し込む。撤収時には、差込部45,45を被差込部46,46から抜けばよい。
この図9に示す実施の形態において、特に記載した事項以外の事項については、図1〜図8に示す実施の形態と同様である。
【0025】
図1〜図9に示す各実施の形態において、テントの屋根の頂部は、1つであったが、図10へ示すように、山型部分20を2つ持ち、2つの頂部11,11を備えるものとしても実施できる。図11へ示す通り、このテントは、6本の支柱3...3と、支柱3,3間に渡された7本の梁4...4と、2本の中央柱8,8とを備える。6本の支柱3...3のうち4つの支柱は、平面視長方形の4つの頂点をなすように配置される。そして、残り2本の支柱3,3は、上記長方形の長辺の中央に配置される。この長辺中央柱3,3間にも梁4が渡される。この中間の梁によって、フレーム1は平面視2つの正方形に区画される。そして、夫々の正方形の対角線上に、ワイヤ6...6が張られる。そして、両正方形の対角線上のワイヤ6,6の交点の夫々に、支持部7,7が配置される。支持部7,7は、夫々、図2(D)や、図3、図4に示すものと同様の構造を採るものである。
この実施の形態において、フレーム1は、図2(A)及び図5(A)へ示すものと同様の上記長方形の四隅に配置される4つのユニット10...10の他、図12へ示す通り、更に2つの副ユニット12,12を備える。この副ユニット12,12は、夫々、上記長方形の長辺中央に位置する支柱3,3と、当該長方形の長辺上に位置する梁4を構成する2本の梁用パイプ41,41と、長方形を2つの正方形に区画する梁4を構成する1本の梁用パイプ41とを備える。
【0026】
詳しくは、副ユニット12は、図13(A)へ示す通り、1本の支柱3と、3本の梁用パイプ41...41と、副ヒンジ部材50とを備える。
副ヒンジ部50は、図13(C)へ示す通り、図5(C)へ示すヒンジ部材5へ、更に、1つの梁固定部52とワイヤ係止部53とを追加したものである。即ち、平面視において支柱固定部51を挟んで互いに略直角をなす前述の梁固定部52,52の一方に対して、その直角の外側に向けて更に直角をなすように梁固定部52が設けられている。そして、夫々の梁固定部52...52に梁用パイプ41...41が、ピン或いはボルト・ナットなどの固定具にて回動自在に固定される。
この副ユニット12においても、テント撤収の際、その梁用パイプ41...41を、梁接続部42にて接続されていた他のユニットの梁用パイプ41...41と分離し、副ヒンジ部材50を中心に、各梁用パイプ部材41...41を回動させて、副ヒンジ部材50の支柱固定部51に固定され且つ伸ばされた状態の支柱3に対して略平行に並べる。
尚、フレーム1の副ユニットやワイヤの数、中央柱の数を増やすことによって、3つ以上の頂部11を備えたテントを形成することもできる。
図10〜図13に示す実施の形態においても、特に記載した事項以外の事項(構成や組立て方法)については、上記図1〜図8に示す実施の形態と同様である。
【0027】
この他、図14及び図15へ示す通り、テントの組立て時間を短縮するために、フレーム1をユニット単位に分割するものとするのではなく、撤収時フレーム1全体を折り畳むものとしても実施できる。
図14へ示す通り、梁4...4の夫々は、複数のリンク部材47...47をリンクすることによって、伸縮自在に形成されている。
この実施の形態において、詳しくは、1つの梁4は、4本のリンク部材47...47を備える。2本のリンク部材47,47を一対とし両リンク部材はX状に交差し、Xの交差点においてピンなどの第1固定具48aにて止められている。このXの交差点を中心に、一方のリンク部材47が他方のリンク部材47に対して相対的に回動することができる。1対のリンク部材47,47が呈するXの端部は、他のリンク部材47,47の対が呈するXの端部へピンなどの第2固定具48bによりリンクされている。当該リンクにて、X状のリンク部材47の対を2対結合して1つの梁4が構成されている。当該梁4の両端に位置するリンク部材47,47の端部のうち上方に位置する端部は、ピンなどの第3固定具48cにて支柱3の頂部へ回動自在に取り付けられている。各支柱3には、環状体36が、上下に移動可能に装着されている。梁4の両端に位置するリンク部材47,47の端部のうち下方に位置する端部は、環状体36へピンなどの第4固定具48dにて回動自在に取り付けられている。
【0028】
図14へ示す通り、このフレーム1は、各梁4と中央柱8との間に掛け渡される4本の桟40...40を備える。
詳しくは、中央柱8には、副環状体82が装着され、桟40...40の夫々の一端は、当該副環状体82にピンなどの固定具にて回動自在に取り付けられている。そして、各桟40...40の他の一端は、上記第2固定具48bにてリンクされた下方のリンク部材47,47の端部にピンなどの固定具にて回動自在に取り付けられている。
副環状体82は、中央柱8に対して上下に移動することができる。
図15(A)に示す通り、第1固定具48a,48aにて止められたリンク部材47,47を回動することにより、梁4の長さを縮めて、フレーム1を折り畳むことができる。この折り畳み中、中央柱8は地面側に向け下方に移動する。
図15(A)において、図面の煩雑を避けるため、桟40...40は、省略しているが、上記折り畳みに際して、副環状体82が、支柱に対して相対的に上方へ移動するのに伴い、桟40...40は、副環状体82側の端部を上方にし、梁4側の端部を下方にして中央柱8と支柱3...3との間に畳み込まれる。
図15(B)へ示す通り、このテントにおいて、ワイヤ6,6の両端は、支柱3の上記環状体36へ固定されている。そして、このテントは、フレームの折り畳みのとき上記ワイヤ6を折り曲げる、副ワイヤ62...62を備える。図15(B)へ示すように、各副ワイヤ62の一端は、支柱3の頂部に固定されており、副ワイヤ62の他の一端は、ワイヤ6の支柱3と支持部7の間に固定されている。
【0029】
テントを図15(A)へように折り畳んでゆく際の、ワイヤ6,6の動きについて、図15(B)〜(D)を参照して具体的に説明する。
図15(A)へ示す通り、折り畳み前、ワイヤ6,6は、略水平に張られている。そして、図15(A)(C)へ示す通り、フレーム1の折り畳みにて中央柱8が下方に移動することにより、中央柱8と支柱3との間隔が狭まった分、副ワイヤ62に引っ張られて、ワイヤ6は、副ワイヤ62端部が取り付けられた位置にて二つ折りにされる。最終的に、中央柱8と各支柱3...3とは寄せられ互いに略平行に並べられ、二つ折りにされたワイヤ6と副ワイヤ62とは、略一直線状になる。
図14及び図15へ示す実施の形態において、支柱3の高低調整手段としては、図8に示すものを採用するのが好ましい。
また、この実施の形態において、1つの梁4を構成するリンク部材47の数は4本としたが、このような数に限定するものではなく、更に多数のリンク部材を用いて、梁を構成するものとしても実施できる。
この図14及び図15へ示す実施の形態においても、特に言及しなかった事項については、上記図1〜図13へ示す他の実施の形態と同様である。
【0030】
図16へ更に他の実施の形態を示す。図16(A)へ示す通り、このテントは、図14及び図15に示すテントに、伸縮桟49...49を設けたものである。この伸縮桟49...49は、桟4と同様にX字状にリンクされた2枚のリンク部材の対を、複数リンクすることによって形成されたものである。伸縮桟49の一端において、上端部が上記副環状体82へ、下端部が中央柱8に対し副環状体82の下方に装着された環状部材84へ、夫々リンクされており、伸縮桟49の他の一端において、上端部が支柱3の頂部へ、下端部が環状体36にリンクされている。このような構成を採ることによって、図16(A)の使用状態から、図16(B)及び図16(C)へ示す通り、伸縮桟49の各リンク部材が呈するXの交差角度を変えて、フレームを折り畳むことができる。
この図16に示す実施の形態において、伸縮桟49...49を設けたこと以外の事項については、図14及び図15へ示す実施の形態と同様である。但し図面の煩雑を避けるため、図16において、ワイヤ6,6や支持部7などの構成は省略して描いている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)は本願発明の一実施の形態に係るテントの使用状態を示す全体斜視図、(B)は(A)のテントの幕体を透視した状態の斜視図。
【図2】(A)は図1のテントの組立て途中の斜視図、(B)は図1(A)のx1部分の一部切欠要部斜視図、(C)は図1(A)のx2付近の一部切欠斜視図、(D)は図1(A)x3付近の一部切欠要部斜視図。
【図3】図2(D)に示す要部の詳細を示す一部切欠分解斜視図。
【図4】図3の組み付け後の一部切欠斜視図。
【図5】(A)は図2(A)のテントから外した状態の1ユニットの斜視図、(B)はそのユニットの折り畳み状態を示す斜視図、(C)は図5(A)(B)において梁及び支柱を折り畳み可能に結合するヒンジ部材の斜視図。
【図6】(A)〜(D)は、上記テントの支柱の折り畳みの手順を示す一部切欠要部斜視図。
【図7】(A)は上記テントに天幕を取り付ける途中の一部切欠要部斜視図、(B)は当該天幕を取り付けた後の一部切欠要部斜視図である。
【図8】(A)〜(C)は上記テントの支柱の高低調整手段の変更例を示す斜視図である。
【図9】(A)は上記テントの梁についての変更例を示す組立て途中の斜視図、(B)は(A)のx4付近の一部切欠要部斜視図、(C)は(A)のx5付近の一部切欠要部斜視図。
【図10】他の実施の形態に係るテントの使用状態を示す全体斜視図。
【図11】図10のテントの幕体を透視した状態の斜視図。
【図12】図10のテントの組立て途中の斜視図。
【図13】(A)は図12のテントから外した状態の1ユニットの斜視図、(B)はそのユニットの折り畳み状態を示す斜視図、(C)は(A)及び図12において梁及び支柱を折り畳み可能に結合するヒンジ部材の斜視図。
【図14】更に他の実施の形態に係るテントの幕体を透視した状態の斜視図。
【図15】(A)は図14のテントの折り畳み途中のフレームを示す斜視図、(B)〜(D)は夫々図14に示すテントの折り畳みの過程を示す要部側面図。
【図16】(A)はまた更に実施の形態に係るテントの全体斜視図、(B)及び(C)はその折り畳み途中の斜視図。
【符号の説明】
【0032】
1...フレーム
10...ユニット
10...各ユニット
10...時ユニット
11...頂部
12...副ユニット
2...幕体
20...山型部分
21...固定用孔
3...支柱
30...部
31...下パイプ
31...上パイプ
31a...穴
32...下パイプ
32a...筒状部
32b...副固定具
32c...突出片
32d...長孔
33...関節部材
33a...固定具
33b...係合部
34...補強部材
35...固定用金具
36...環状体
4...梁
40...桟
41...梁用パイプ
42...梁接続部
43...主パイプ
44...主パイプ
45...差込部
46...被差込部
47...リンク部材
48a...固定具
48b...固定具
48c...固定具
48d...固定具
49...伸縮桟
5...ヒンジ部材
50...副ヒンジ部材
51...支柱固定部
52...梁固定部
53...ワイヤ係止部
54...固定具
6...ワイヤ
60...係止用リング
61...ターンバックル
62...副ワイヤ
7...支持部
71...貫通孔
72...当接部
73...支持部側係止部
74...接続部
75...環状部
76...接続部側係止部
8...支柱
8...中央柱
81...ストッパ
81...中央柱
82...副環状体
83...鉤受部
84...環状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、このフレームに被せられた幕体とを備え、
フレームは、4本の支柱と、この4本の支柱を頂点とする四角形の辺において各支柱間に渡された剛性のある梁とを備え、
上記4角形の対角線上において対向する支柱間に渡された柔軟性のあるワイヤとを備えるものであり、
上記対角線の交点に支持部中心柱を備え、この支持部に中央柱の下端側が支持され、この中央柱の上端側に幕体の中央が支持されたテントにおいて、
上記中央柱は、ワイヤの上方に位置し、上下に伸びるものであり、
上記支持部は上記中央柱の下部を受ける当接部を備えたものであり、上記中央柱の下部が上記当接部に当接することにより、上記中央柱が支持部に回動可能に支持されるものであり、上記中央柱を支持部に対して回動させることにより、テントを組立てて幕体を張るときに生じるよじれを解消することができるものであることを特徴とするテント。
【請求項2】
上記中央柱と上記支持部とが軸方向に外れることを防止する脱落防止手段を備え、
上記脱落防止手段は、上記中央柱と上記支持部との何れか一方に対して回動可能に取り付けられる環状部と、この環状部に設けられた接続部とを備え、
上記環状部は上記中央柱と上記支持部との何れか一方に対して回動可能且つ軸方向に外れないように取り付けられたものであり、
上記接続部は、上記環状部を回動させることによって、上記中央柱と上記支持部との何れか他方に軸方向に抜けないように接続されるものであること特徴とする請求項1記載のテント。
【請求項3】
上記支持部は、上端が開口した筒状をなすと共に、その下部に上記ワイヤを挿通する貫通孔を備えたものであり、この貫通孔より上方に上記当接部を備えたものであり、
上記支持部の上記開口から、上記支持部の内部に上記中央柱の下端部が挿入され、上記中央柱の下端が上記当接部に当接することにより、上記中央柱が上記支持部に回動可能に支持されるものであることを特徴とする請求項2記載のテント。
【請求項4】
上記環状部は、上記中央柱の外周面に回動可能に取り付けられ、
上記接続部は上記環状部から下方に伸びるものであり、上記接続部の下部と上記支持部とには、周方向に移動して互いに係止して軸方向には外れなくなる係止部が設けられ、
上記中央柱にはストッパが設けられ、このストッパによって上記環状部が上記中央柱から下方に外れることが防止されたものであることを特徴とする請求項2又は3記載のテント。
【請求項5】
上記環状部は、上記支持部の外周面に回動可能に取り付けられ、
上記接続部は上記環状部から上方に伸びるものであり、上記接続部の下部と上記支持部とには、周方向に移動して互いに係止して軸方向には外れなくなる係止部が設けられ、
上記中央柱にはストッパが設けられ、このストッパによって上記環状部が上記中央柱から下方に外れることが防止されたものであることを特徴とする請求項2又は3記載のテント。
【請求項6】
請求項1〜5記載のテントを立てる方法において、
支柱が伸縮又は折り畳み可能な高低調整手段を備えたものであり、
この高低調整手段が低い状態で4本の支柱間にワイヤを張ると共に、上記幕体の中央に上記中央柱の上端側を接続し、
次に、中央柱の下端側を上記支持部に支持させると共に上記幕体を張り、
次に、上記中央柱を上記支持部に対して回動させることにより、上記中央支柱を組立てて上記幕体を張るときに生じるよじれを解消することを特徴とするテントを立てる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−179276(P2011−179276A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46411(P2010−46411)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(391010149)株式会社越智工業所 (10)
【Fターム(参考)】