テント倉庫
【課題】 通常の荷物だけでなくパレットに積載した荷物やテント倉庫自体をフォークリフト等に依り移動できる様にしたテント倉庫に於て、既存のパレットを用いたものより大きな収容スペースを確保する事ができると共に、ベース上に置く荷物が損傷しない様にする。
【解決手段】 フォークポケット6を備えて既存のパレットより大きな金属製のベース2と、ベース2の側面に取付けられてベース2の四周に所定の空隙Aを形成する為のスペーサ3と、スペーサ3に取付けられてベース2及び空隙Aの上方に所定の収容空間Bを形成する為のテントフレーム4と、テントフレーム4に着脱可能に被覆されるテントシート5とで構成し、とりわけベース2を既存のパレットより大きな金属製にすると共に、スペーサ3をベース2の側面に取付ける。
【解決手段】 フォークポケット6を備えて既存のパレットより大きな金属製のベース2と、ベース2の側面に取付けられてベース2の四周に所定の空隙Aを形成する為のスペーサ3と、スペーサ3に取付けられてベース2及び空隙Aの上方に所定の収容空間Bを形成する為のテントフレーム4と、テントフレーム4に着脱可能に被覆されるテントシート5とで構成し、とりわけベース2を既存のパレットより大きな金属製にすると共に、スペーサ3をベース2の側面に取付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の荷物だけでなくパレットに積載した荷物やテント倉庫自体をフォークリフト等に依り移動できる様にしたテント倉庫の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテント倉庫としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
これは、フォークポケットを備えてベースとなるパレットと、パレットに着脱可能に取付けられてパレットの四周に空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてパレット及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートとから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−108492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この様なものは、既存のパレットを使用する関係上、ベースの大きさが限られてしまい、テント倉庫としても大きな収容スペースを確保する事ができなかった。
加えて、パレットの四隅には、スペーサが外嵌されていたので、パレットの上面には、スペーサの上板の厚み分だけの段差が形成されてしまい、パレット上に置く荷物がこの段差に当たって損傷する惧れがあった。
【0005】
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、既存のパレットを用いたものより大きな収容スペースを確保する事ができると共に、ベース上に置く荷物が損傷しない様にしたテント倉庫を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテント倉庫は、基本的には、フォークポケットが形成されて既存のパレットより大きな金属製のベースと、ベースの側面に取付れられてベースの四周に所定の空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてベース及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートと、から構成した事に特徴が存する。
【0007】
テント倉庫のベースの上には、通常の荷物やパレットに積載された荷物が載置されて収容される。
テントフレームにテントシートが着脱可能に被覆されるので、収容された荷物が雨除けや日除けされて保護される。
ベースの四周には、スペーサに依って所定の空隙が形成されているので、その分だけ収容空間が広くなり、荷物がテントフレーム等に接触してこれらが損傷する事がない。とりわけ、パレットに積載された荷物をフォークリフト等に依り出し入れする際には、この事が顕著である。
荷物が収容されたテント倉庫は、荷物の重量に依り安定化されて強風等に依って転倒する惧れがなくなる。
ベースのフォークポケットにフォークリフト等のフォークを挿入すれば、テント倉庫自体及び荷物を収容したテント倉庫全体を移動する事ができる。
【0008】
ベースは、金属製にされているので、既存の木製や合成樹脂製のパレットを用いる場合に比べて強度や剛性や耐久性を大幅に高める事ができる。この為、ベースを既存のパレットより大きくする事ができると共に、ベースの破損等が防止されて寿命の延伸を図る事ができる。
ベースを既存のパレットより大きくしたので、テント倉庫としても大きな収容空間を確保する事ができる。
スペーサは、ベースの側面に取付けたので、ベースの上面には、段差が形成される事がなく、ベース上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【0009】
ベースは、トラックに積載可能な大きさに分割されると共に、着脱可能に取付けられるのが好ましい。この様にすれば、トラックに積載して運搬する事ができると共に、任意の大きさのものにする事ができる。
【0010】
パレットの四周に形成される空隙のうちフォークが挿入される側の空隙を小さくするのが好ましい。この様にすれば、フォークリフト等のフォークが短い場合でも、容易に挿入できて運搬する事ができる。
【0011】
テントフレームは、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数の門型枠体を備えているのが好ましい。この様にすれば、所定の大きさの収容空間を形成する事ができる。
【0012】
テントフレームは、前後方向に伸縮可能であるのが好ましい。この様にすれば、テントフレームを収縮させる事に依りベースを露出する事ができ、荷物の出し入れが容易に行える。
【0013】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する左右方向に伸縮可能なカーテンとを備えているのが好ましい。この様にすれば、カーテンを開いた時には、カーテンが左右方向の一側に位置するので、これが邪魔にならずに荷物の出し入れが容易に行える。
【0014】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する上方に巻き上げ可能なドアシートとを備えているのが好ましい。この様にすれば、ドアシートを開いた時には、ドアシートが上方に位置するので、これが邪魔にならずに荷物の出し入れが容易に行える。
【0015】
カーテンは、上端がテントフレームに設けられたカーテンレールに依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサを構成する第二連結体に依り案内される縦方向の芯材を備えているのが好ましい。この様にすれば、カーテンの開閉が適正に行なえると共に、カーテンの下端が搖動する事がなく、確実に閉状態を保つ事ができる。
【0016】
ドアシートは、下端にウエイトバーを備えていると共に、テントフレームには、閉状態のドアシートのウエイトバーを受け入れる担持片を備えているのが好ましい。この様にすれば、ドアシートの下端が搖動する事がなく、確実に閉状態を保つ事ができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) ベース、スペーサ、テントフレーム、テントシートとで構成し、とりわけベースを既存のパレットより大きな金属製にしたので、既存のパレットを用いたものより大きな収容スペースを確保する事ができる。
(2) ベース、スペーサ、テントフレーム、テントシートとで構成し、とりわけスペーサをベースの側面に取付けたので、ベースの上面に段差が形成される事がなく、ベース上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一例に係るテント倉庫を示す正面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】ベースとスペーサを示す斜視図(一方のベースは裏返して表描している)。
【図5】本発明の第二例に係るテント倉庫を示す正面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】図5の背面図。
【図8】図5の平面図。
【図9】ベースとスペーサを示す斜視図(一方のベースは裏返して表描している)。
【図10】図5の要部正面図。
【図11】収縮状態を示す図6と同様図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1乃至図4に於て、テント倉庫1は、ベース2、スペーサ3、テントフレーム4、テントシート5とからその主要部が構成されている。
【0020】
ベース2は、フォークポケット6を備えて既存のパレットより大きな金属製のもので、この例では、横長の平面長方形状を呈し、二方向にフォークポケット6を備えたものにしてあり、既存のパレットより大きな大きさ(略四倍)を備えている。
ベース2は、前後方向に二分割されて着脱可能に取付けられるものにしてあり、横長の平面長方形状を呈する上板7と、左右方向に所定の間隔を置いて配設された適数(六つ)の桁板8と、各桁板8の前側及び後側を連結する前後の下板9と、桁板8間に形成された左右のフォークポケット6と、フォークポケット6を除く桁板8間に設けられた適数(前後に三つづつ合計六つ)の連結板10とを備えて居り、鋼板等の金属板を溶接して作製されている。
【0021】
而して、各連結板10には、適数(三つ)の貫孔11が穿設されて居り、ベース2は、複数(二つ)のものが前後方向に配置されて連結板10が突き合わされ、貫孔11を利用してボルト・ナット等の締結具(図示せず)に依り締結されて一体化されている。
ベース2のフォークポケット6には、図略しているが、倉庫設置現場等に配備されたフォークリフト等のフォークが挿入される。
【0022】
スペーサ3は、ベース2の側面に取付けられてベース2の四周に所定の空隙Aを形成する為のもので、この例では、ベース2の左右両端に着脱可能に取付けられる前中後の左右一対の取付体12と、各取付体12の先端に立設された柱体13と、左側及び右側の前中後の取付体12同士を連結する第一連結体14と、前側及び後側の取付体12同士を連結する第二連結体15とを備えている。
【0023】
前後の取付体12は、平面略S型を呈し、基端が取付具に依りベース2の側面に取付けられている。中間の取付体12は、平面略T型を呈し、基端が取付具に依りベース2の側面の継目部分に跨って取付けられている。取付具は、ベース2の側面に螺設された螺孔と、取付体12に穿設されたボルト孔と、これに挿通されて螺孔に螺合されるボルトとを備えている。各取付体12は、ベース2の上面から突出しない様にされている。
柱体13は、丸パイプ製にしてあり、各取付体12の先端に付設されている。
第一連結体14は、前中後の取付体12に付設された支板と、これらの間に配置される丸パイプ製の連結杆と、支板と連結杆とを締結する連結具(ボルト・ナット)とを備えている。
第二連結体15は、前後の取付体12に付設された支板と、これらの間に位置されるワイヤ等の連結杆と、支板と連結杆とを調整移動可能に連結する調整具(頭なしボルト・ナット)とを備えている。
而して、ベース2の四周に形成される空隙Aのうちフォークが挿入される側の空隙つまり前側と後側の空隙A´は、他の空隙より小さくされている。
【0024】
テントフレーム4は、スペーサ3に取付けられてベース2及び空隙Aの上方に所定の収容空間Bを形成する為のもので、この例では、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数(五つ)の門型枠体16と、各門型枠体16の上部同士を連結する上位連結体17と、前から奇数番目の門型枠体16同士を連結する左右一対の中位連結体18と、前から奇数番目の門型枠体16同士を連結する左右一対の下位連結体19とを備えている。
【0025】
門型枠体16は、天井部20と、これの両端から垂下された左右の支柱21とを備えている。
天井部20は、基本的には、丸パイプ製の弧状材と、これらの下部同士を連結する角パイプ製の梁材とを備えている。前から偶数番目の天井部20は、梁材が省略されている。
支柱21は、角パイプ製にしてあり、基本的には、その上部に天井部20の下端部が内嵌されると共に、その下部にスペーサ3の柱体13の上端部が内嵌される様になって居り、上部には、天井部20の下端部を受け止める為の受止具(植付けナット・ボルト)と、天井部20の下端部を固定する為の固定具(植付けナット・蝶ボルト)とが設けられていると共に、下部には、スペーサ3の柱体13の上端部を固定する為の同様の固定具(植付けナット・蝶ボルト)が設けられている。前から偶数番目の支柱21は、下半が省略されて中位連結体18に立設されている。
【0026】
上位連結体17は、帯板状を呈し、門型枠体16の天井部20に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
中位連結体18は、角パイプ製にしてあり、支柱21に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
下位連結体19は、丸パイプ製のX型の筋交いにしてあり、各端部が支柱21に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
【0027】
テントシート5は、テントフレーム4に着脱可能に被覆されるもので、この例では、ビニール等のシート材料で作製されていると共に、テントフレーム4の下面(底面)を除く前面と後面と左面と右面と上面(天面)を覆うものにしてあり、前後二つの出入口22と、これを開閉する左右方向に伸縮可能なカーテン23とを備えている。
カーテン23は、上端がテントフレーム4の門型枠体16を構成する天井部20の梁材に設けられたカーテンレール24に依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサ3を構成する第二連結体15の連結杆に依り案内される縦方向の芯材25を備えている。芯材25は、丸パイプ製にしてあり、カーテン23の左右方向に所定の間隔を置いて適数(左右両端と中程の三つ)だけ設けられている。スペーサ3の第二連結体15は、取付体12同士を連結する連結機能と、カーテン24の下部を案内する案内機能とを兼備している。
【0028】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
カーテン23を開閉すると、出入口22が開閉される。カーテン23は、芯材25を備えているので、引戸の様に適正に開閉する事ができ、開位置及び閉位置に確実に保持できる。
テント倉庫1のベース2の上には、開かれた出入口22から、通常の荷物やパレットに積載された荷物が載置されて収容される。
ベース2の四周には、スペーサ3に依って所定の空隙Aが形成されているので、その分だけ収容空間Bが広くなり、荷物がテントフレーム4やテントシート5等に接触してこれらが損傷する事がない。
【0029】
荷物が収容されたテント倉庫1は、荷物の重量に依り安定化されて強風等に依って転倒する惧れがなくなる。
テント倉庫1のベース2のフォークポケット6にフォークリフト等のフォークを挿入すれば、テント倉庫1自体及び荷物を収容したテント倉庫1全体を移動する事ができる。
【0030】
ベース2は、既存のパレットよりも大きくされているので、テント倉庫1としても、収容スペースが大きくなり、多くの荷物を収容する事ができる。
スペーサ3は、ベース2の側面に取付けたので、ベース2の上面には、段差が形成される事がなく、ベース2上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【0031】
次に、本発明の第二例を、図5乃至図11に基づいて説明する。
第二例は、ベース2とスペーサ3とテントフレーム4を第一例とは異ならせたものであり、とりわけ、テントフレーム4を前後方向に伸縮可能にしたものである。
【0032】
ベース2は、この例では、第一例と同様のものを用いている。
【0033】
スペーサ3は、この例では、ベース2の左右両端に着脱可能に取付けられる前中後の左右一対の取付体12を備えている。取付体12は、取付具に依りベース2の側面に取付けられている。取付具は、ベース2の側面に植設された植付ボルトと、取付体12に穿設されたボルト孔と、ボルト孔に挿通された植付ボルトに螺合されるナットとを備えている。
【0034】
テントフレーム4は、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数(五つ)の門型枠体16と、これらを前後方向に伸縮可能に連結する伸縮手段26と、門型枠体16を伸縮可能に案内する案内手段27と、門型枠体16を伸長状態に掛止する為の掛止手段28と、門型枠体16を伸長状態に保つ為の伸長保持手段29とを備えている。
【0035】
門型枠体16は、天井部20と、これの両端から垂下された左右の支柱21とを備えている。
最も後側に位置する門型枠体16は、左右方向の中程でベース2との間に着脱可能に設けられた中央支柱30を備えて居り、この中央支柱30と左右の支柱21とは、下部同士が連結体31に依り連結されている。連結体31は、支柱21と中央支柱30に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
【0036】
伸縮手段26は、この例では、各門型枠体16の支柱21間に設けられて上下端のうち一方(下端)が各支柱21に枢結されて各支柱21を前後方向に伸縮可能に連結するX型リンク32と、各支柱21に設けられる上下方向の案内杆33と、X型リンク32の上下端のうち他方(上端)に設けられて各案内杆33に遊嵌される環体34とを備えている。
【0037】
X型リンク32は、二つの丸パイプ製のリンクがX型にされてその交点が横軸(ボルトと袋ナット)に依り枢結されたものが左右に二つづつ設けられている。
各X型リンク32の下端のうち最外端に位置する前後のものは、横軸(植付けボルトとカラーと袋ナット)に依り支柱21の下側内面に枢結されていると共に、これ以外のものは、隣接するものどうしが重ねられて同一の横軸に依り支柱21に枢結されている。各X型リンク32の上端のうち最外端に位置する前後のものは、横軸(頭部なしボルトと袋ナット)が設けられていると共に、これ以外のものは、隣接するものどうしが重ねられて同一の横軸に依り枢結されている。
案内杆33は、略横U型を呈する丸棒製のものにしてあり、両端が各支柱21の上側内面に溶接に依り取付けられている。
環体34は、アイナットにしてあり、支柱21に溶接する前の案内杆33に挿通されて居り、各X型リンク32の上端に設けられた横軸(頭部なしボルト)に螺合して取付けられている。
【0038】
案内手段27は、スペーサ3に着脱可能に設けられたガイドレール35と、門型枠体16の支柱21の下部に設けられてガイドレール35に依り案内される車輪36とを備えている。最も後側に位置する門型枠体16には、車輪36が設けられて居らず、ガイドレール35の後側上部に設けられた固定体37に着脱可能に取付けられている。
【0039】
ガイドレール35は、上方が開放したチャンネル材と、これのフランジの中央上面に付設されたアングル材と、チャンネル材の前後の下面に垂設された取付板とを備えて居り、各取付板がスペーサ3の取付体12に取付具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。このガイドレール35は、前後のスペーサ3同士を連結する連結体(第一例の第二連結体15に相当する)としても兼用させている。ガイドレール35のチャンネル材の前側には、脱輪を防止する為のストッパ(ボルト・ナット)38が設けられている。
車輪36は、門型枠体16の支柱21の下部に取付けられる略逆U型を呈するホルダと、これに左右方向軸廻りに回転可能に設けられてガイドレール35のアングル材上を転動する主輪と、ホルダの左右両側に左右方向軸廻りに回転可能に設けられてガイドレール35のチャンネル材のウエブに当合して浮き上がりを防止する副輪とを備えている。
【0040】
掛止手段28は、門型枠体16の前側の支柱21に設けられた支持体39と、これに昇降及び縦軸廻りに回動可能に設けられて上方位置に掛止し得る略倒立L型を呈する丸棒製の落し棒40と、ガイドレール35の前側に設けられて下降時の落し棒40が嵌入される丸パイプ製の受筒41とを備えている。
【0041】
伸長保持手段29は、前後方向の門型枠体16の各支柱21間に介設されて居り、倒立略U型を呈する丸棒製の保持杆42と、支柱21の内面に溶接に依り設けられて保持杆42の両端が着脱可能に嵌合される丸パイプ製の受筒43とを備えている。
【0042】
テントシート5は、この例では、前側に一つの出入口22と、これを開閉する上方に巻き上げ可能なドアシート44とを備えている。
つまり、テントシート5の前面には、出入口22が形成されて居り、ファスナ45に依り開閉可能なドアシート44が設けられている。
テントフレーム4とドアシート44の間には、ドアシート44を上方に巻き上げる為の巻上手段(図示せず)が設けられている。巻上手段は、周知の如く、テントフレーム4の上部に設けられた滑車と、これに掛渡されて一端がドアシート44の下端に止結されたロープ等に依り構成されている。
而して、ドアシート44は、下端にウエイトバー46を備えていると共に、テントフレーム4には、閉状態のドアシート44のウエイトバー46を受け入れる側面略U型の担持片47を備えている。
【0043】
この様なものは、第一例と同様に使用する事ができるばかりでなく、テントフレーム4を伸縮可能にしたので、テントフレーム4を収縮させる事に依りベース2を露出する事ができ、上方からの荷物の出し入れが容易に行える。
ドアシート44の下端には、ウエイトバー46を備えていると共に、テントフレーム4には、担持片47を備えているので、ドアシート44が閉状態に確実に保持され、風等に依り搖動する惧れがない。
【0044】
尚、スペーサ3は、先の例では、ベース2の側面に着脱可能に取付けたが、これに限らず、例えばベース2の側面に溶接に依り固定しても良い。
スペーサ3は、第一例では、螺孔とボルトから成る取付具を用いてベース2に取付け、第二例では、植付ボルトとナットから成る取付具を用いてベース2に取付けたが、これに限らず、例えばこれら以外の取付具を用いて取付けても良い。
テントシート5は、第一例では、出入口22が二つ、第二例では、出入口22が一つであったが、これに限らず、例えば任意の数にしても良い。
【符号の説明】
【0045】
1…テント倉庫、2…ベース、3…スペーサ、4…テントフレーム、5…テントシート、6…フォークポケット、7…上板、8…桁板、9…下板、10…連結板、11…貫孔、12…取付体、13…柱体、14…第一連結体、15…第二連結体、16…門型枠体、17…上位連結体、18…中位連結体、19…下位連結体、20…天井部、21…支柱、22…出入口、23…カーテン、24…カーテンレール、25…芯材、26…伸縮手段、27…案内手段、28…掛止手段、29…伸長保持手段、30…中央支柱、31…連結体、32…X型リンク、33…案内杆、34…環体、35…ガイドレール、36…車輪、37…固定体、38…ストッパ、39…支持体、40…落し棒、41…受筒、42…保持杆、43…受筒、44…ドアシート、45…ファスナ、46…ウエイトバー、47…担時片、A,A´…空隙、B‥収容空間。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の荷物だけでなくパレットに積載した荷物やテント倉庫自体をフォークリフト等に依り移動できる様にしたテント倉庫の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテント倉庫としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
これは、フォークポケットを備えてベースとなるパレットと、パレットに着脱可能に取付けられてパレットの四周に空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてパレット及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートとから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−108492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この様なものは、既存のパレットを使用する関係上、ベースの大きさが限られてしまい、テント倉庫としても大きな収容スペースを確保する事ができなかった。
加えて、パレットの四隅には、スペーサが外嵌されていたので、パレットの上面には、スペーサの上板の厚み分だけの段差が形成されてしまい、パレット上に置く荷物がこの段差に当たって損傷する惧れがあった。
【0005】
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、既存のパレットを用いたものより大きな収容スペースを確保する事ができると共に、ベース上に置く荷物が損傷しない様にしたテント倉庫を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテント倉庫は、基本的には、フォークポケットが形成されて既存のパレットより大きな金属製のベースと、ベースの側面に取付れられてベースの四周に所定の空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてベース及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートと、から構成した事に特徴が存する。
【0007】
テント倉庫のベースの上には、通常の荷物やパレットに積載された荷物が載置されて収容される。
テントフレームにテントシートが着脱可能に被覆されるので、収容された荷物が雨除けや日除けされて保護される。
ベースの四周には、スペーサに依って所定の空隙が形成されているので、その分だけ収容空間が広くなり、荷物がテントフレーム等に接触してこれらが損傷する事がない。とりわけ、パレットに積載された荷物をフォークリフト等に依り出し入れする際には、この事が顕著である。
荷物が収容されたテント倉庫は、荷物の重量に依り安定化されて強風等に依って転倒する惧れがなくなる。
ベースのフォークポケットにフォークリフト等のフォークを挿入すれば、テント倉庫自体及び荷物を収容したテント倉庫全体を移動する事ができる。
【0008】
ベースは、金属製にされているので、既存の木製や合成樹脂製のパレットを用いる場合に比べて強度や剛性や耐久性を大幅に高める事ができる。この為、ベースを既存のパレットより大きくする事ができると共に、ベースの破損等が防止されて寿命の延伸を図る事ができる。
ベースを既存のパレットより大きくしたので、テント倉庫としても大きな収容空間を確保する事ができる。
スペーサは、ベースの側面に取付けたので、ベースの上面には、段差が形成される事がなく、ベース上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【0009】
ベースは、トラックに積載可能な大きさに分割されると共に、着脱可能に取付けられるのが好ましい。この様にすれば、トラックに積載して運搬する事ができると共に、任意の大きさのものにする事ができる。
【0010】
パレットの四周に形成される空隙のうちフォークが挿入される側の空隙を小さくするのが好ましい。この様にすれば、フォークリフト等のフォークが短い場合でも、容易に挿入できて運搬する事ができる。
【0011】
テントフレームは、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数の門型枠体を備えているのが好ましい。この様にすれば、所定の大きさの収容空間を形成する事ができる。
【0012】
テントフレームは、前後方向に伸縮可能であるのが好ましい。この様にすれば、テントフレームを収縮させる事に依りベースを露出する事ができ、荷物の出し入れが容易に行える。
【0013】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する左右方向に伸縮可能なカーテンとを備えているのが好ましい。この様にすれば、カーテンを開いた時には、カーテンが左右方向の一側に位置するので、これが邪魔にならずに荷物の出し入れが容易に行える。
【0014】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する上方に巻き上げ可能なドアシートとを備えているのが好ましい。この様にすれば、ドアシートを開いた時には、ドアシートが上方に位置するので、これが邪魔にならずに荷物の出し入れが容易に行える。
【0015】
カーテンは、上端がテントフレームに設けられたカーテンレールに依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサを構成する第二連結体に依り案内される縦方向の芯材を備えているのが好ましい。この様にすれば、カーテンの開閉が適正に行なえると共に、カーテンの下端が搖動する事がなく、確実に閉状態を保つ事ができる。
【0016】
ドアシートは、下端にウエイトバーを備えていると共に、テントフレームには、閉状態のドアシートのウエイトバーを受け入れる担持片を備えているのが好ましい。この様にすれば、ドアシートの下端が搖動する事がなく、確実に閉状態を保つ事ができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) ベース、スペーサ、テントフレーム、テントシートとで構成し、とりわけベースを既存のパレットより大きな金属製にしたので、既存のパレットを用いたものより大きな収容スペースを確保する事ができる。
(2) ベース、スペーサ、テントフレーム、テントシートとで構成し、とりわけスペーサをベースの側面に取付けたので、ベースの上面に段差が形成される事がなく、ベース上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一例に係るテント倉庫を示す正面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】ベースとスペーサを示す斜視図(一方のベースは裏返して表描している)。
【図5】本発明の第二例に係るテント倉庫を示す正面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】図5の背面図。
【図8】図5の平面図。
【図9】ベースとスペーサを示す斜視図(一方のベースは裏返して表描している)。
【図10】図5の要部正面図。
【図11】収縮状態を示す図6と同様図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1乃至図4に於て、テント倉庫1は、ベース2、スペーサ3、テントフレーム4、テントシート5とからその主要部が構成されている。
【0020】
ベース2は、フォークポケット6を備えて既存のパレットより大きな金属製のもので、この例では、横長の平面長方形状を呈し、二方向にフォークポケット6を備えたものにしてあり、既存のパレットより大きな大きさ(略四倍)を備えている。
ベース2は、前後方向に二分割されて着脱可能に取付けられるものにしてあり、横長の平面長方形状を呈する上板7と、左右方向に所定の間隔を置いて配設された適数(六つ)の桁板8と、各桁板8の前側及び後側を連結する前後の下板9と、桁板8間に形成された左右のフォークポケット6と、フォークポケット6を除く桁板8間に設けられた適数(前後に三つづつ合計六つ)の連結板10とを備えて居り、鋼板等の金属板を溶接して作製されている。
【0021】
而して、各連結板10には、適数(三つ)の貫孔11が穿設されて居り、ベース2は、複数(二つ)のものが前後方向に配置されて連結板10が突き合わされ、貫孔11を利用してボルト・ナット等の締結具(図示せず)に依り締結されて一体化されている。
ベース2のフォークポケット6には、図略しているが、倉庫設置現場等に配備されたフォークリフト等のフォークが挿入される。
【0022】
スペーサ3は、ベース2の側面に取付けられてベース2の四周に所定の空隙Aを形成する為のもので、この例では、ベース2の左右両端に着脱可能に取付けられる前中後の左右一対の取付体12と、各取付体12の先端に立設された柱体13と、左側及び右側の前中後の取付体12同士を連結する第一連結体14と、前側及び後側の取付体12同士を連結する第二連結体15とを備えている。
【0023】
前後の取付体12は、平面略S型を呈し、基端が取付具に依りベース2の側面に取付けられている。中間の取付体12は、平面略T型を呈し、基端が取付具に依りベース2の側面の継目部分に跨って取付けられている。取付具は、ベース2の側面に螺設された螺孔と、取付体12に穿設されたボルト孔と、これに挿通されて螺孔に螺合されるボルトとを備えている。各取付体12は、ベース2の上面から突出しない様にされている。
柱体13は、丸パイプ製にしてあり、各取付体12の先端に付設されている。
第一連結体14は、前中後の取付体12に付設された支板と、これらの間に配置される丸パイプ製の連結杆と、支板と連結杆とを締結する連結具(ボルト・ナット)とを備えている。
第二連結体15は、前後の取付体12に付設された支板と、これらの間に位置されるワイヤ等の連結杆と、支板と連結杆とを調整移動可能に連結する調整具(頭なしボルト・ナット)とを備えている。
而して、ベース2の四周に形成される空隙Aのうちフォークが挿入される側の空隙つまり前側と後側の空隙A´は、他の空隙より小さくされている。
【0024】
テントフレーム4は、スペーサ3に取付けられてベース2及び空隙Aの上方に所定の収容空間Bを形成する為のもので、この例では、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数(五つ)の門型枠体16と、各門型枠体16の上部同士を連結する上位連結体17と、前から奇数番目の門型枠体16同士を連結する左右一対の中位連結体18と、前から奇数番目の門型枠体16同士を連結する左右一対の下位連結体19とを備えている。
【0025】
門型枠体16は、天井部20と、これの両端から垂下された左右の支柱21とを備えている。
天井部20は、基本的には、丸パイプ製の弧状材と、これらの下部同士を連結する角パイプ製の梁材とを備えている。前から偶数番目の天井部20は、梁材が省略されている。
支柱21は、角パイプ製にしてあり、基本的には、その上部に天井部20の下端部が内嵌されると共に、その下部にスペーサ3の柱体13の上端部が内嵌される様になって居り、上部には、天井部20の下端部を受け止める為の受止具(植付けナット・ボルト)と、天井部20の下端部を固定する為の固定具(植付けナット・蝶ボルト)とが設けられていると共に、下部には、スペーサ3の柱体13の上端部を固定する為の同様の固定具(植付けナット・蝶ボルト)が設けられている。前から偶数番目の支柱21は、下半が省略されて中位連結体18に立設されている。
【0026】
上位連結体17は、帯板状を呈し、門型枠体16の天井部20に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
中位連結体18は、角パイプ製にしてあり、支柱21に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
下位連結体19は、丸パイプ製のX型の筋交いにしてあり、各端部が支柱21に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
【0027】
テントシート5は、テントフレーム4に着脱可能に被覆されるもので、この例では、ビニール等のシート材料で作製されていると共に、テントフレーム4の下面(底面)を除く前面と後面と左面と右面と上面(天面)を覆うものにしてあり、前後二つの出入口22と、これを開閉する左右方向に伸縮可能なカーテン23とを備えている。
カーテン23は、上端がテントフレーム4の門型枠体16を構成する天井部20の梁材に設けられたカーテンレール24に依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサ3を構成する第二連結体15の連結杆に依り案内される縦方向の芯材25を備えている。芯材25は、丸パイプ製にしてあり、カーテン23の左右方向に所定の間隔を置いて適数(左右両端と中程の三つ)だけ設けられている。スペーサ3の第二連結体15は、取付体12同士を連結する連結機能と、カーテン24の下部を案内する案内機能とを兼備している。
【0028】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
カーテン23を開閉すると、出入口22が開閉される。カーテン23は、芯材25を備えているので、引戸の様に適正に開閉する事ができ、開位置及び閉位置に確実に保持できる。
テント倉庫1のベース2の上には、開かれた出入口22から、通常の荷物やパレットに積載された荷物が載置されて収容される。
ベース2の四周には、スペーサ3に依って所定の空隙Aが形成されているので、その分だけ収容空間Bが広くなり、荷物がテントフレーム4やテントシート5等に接触してこれらが損傷する事がない。
【0029】
荷物が収容されたテント倉庫1は、荷物の重量に依り安定化されて強風等に依って転倒する惧れがなくなる。
テント倉庫1のベース2のフォークポケット6にフォークリフト等のフォークを挿入すれば、テント倉庫1自体及び荷物を収容したテント倉庫1全体を移動する事ができる。
【0030】
ベース2は、既存のパレットよりも大きくされているので、テント倉庫1としても、収容スペースが大きくなり、多くの荷物を収容する事ができる。
スペーサ3は、ベース2の側面に取付けたので、ベース2の上面には、段差が形成される事がなく、ベース2上に置かれる荷物が段差に依り損傷する事がない。
【0031】
次に、本発明の第二例を、図5乃至図11に基づいて説明する。
第二例は、ベース2とスペーサ3とテントフレーム4を第一例とは異ならせたものであり、とりわけ、テントフレーム4を前後方向に伸縮可能にしたものである。
【0032】
ベース2は、この例では、第一例と同様のものを用いている。
【0033】
スペーサ3は、この例では、ベース2の左右両端に着脱可能に取付けられる前中後の左右一対の取付体12を備えている。取付体12は、取付具に依りベース2の側面に取付けられている。取付具は、ベース2の側面に植設された植付ボルトと、取付体12に穿設されたボルト孔と、ボルト孔に挿通された植付ボルトに螺合されるナットとを備えている。
【0034】
テントフレーム4は、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数(五つ)の門型枠体16と、これらを前後方向に伸縮可能に連結する伸縮手段26と、門型枠体16を伸縮可能に案内する案内手段27と、門型枠体16を伸長状態に掛止する為の掛止手段28と、門型枠体16を伸長状態に保つ為の伸長保持手段29とを備えている。
【0035】
門型枠体16は、天井部20と、これの両端から垂下された左右の支柱21とを備えている。
最も後側に位置する門型枠体16は、左右方向の中程でベース2との間に着脱可能に設けられた中央支柱30を備えて居り、この中央支柱30と左右の支柱21とは、下部同士が連結体31に依り連結されている。連結体31は、支柱21と中央支柱30に付設された支板との間で連結具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。
【0036】
伸縮手段26は、この例では、各門型枠体16の支柱21間に設けられて上下端のうち一方(下端)が各支柱21に枢結されて各支柱21を前後方向に伸縮可能に連結するX型リンク32と、各支柱21に設けられる上下方向の案内杆33と、X型リンク32の上下端のうち他方(上端)に設けられて各案内杆33に遊嵌される環体34とを備えている。
【0037】
X型リンク32は、二つの丸パイプ製のリンクがX型にされてその交点が横軸(ボルトと袋ナット)に依り枢結されたものが左右に二つづつ設けられている。
各X型リンク32の下端のうち最外端に位置する前後のものは、横軸(植付けボルトとカラーと袋ナット)に依り支柱21の下側内面に枢結されていると共に、これ以外のものは、隣接するものどうしが重ねられて同一の横軸に依り支柱21に枢結されている。各X型リンク32の上端のうち最外端に位置する前後のものは、横軸(頭部なしボルトと袋ナット)が設けられていると共に、これ以外のものは、隣接するものどうしが重ねられて同一の横軸に依り枢結されている。
案内杆33は、略横U型を呈する丸棒製のものにしてあり、両端が各支柱21の上側内面に溶接に依り取付けられている。
環体34は、アイナットにしてあり、支柱21に溶接する前の案内杆33に挿通されて居り、各X型リンク32の上端に設けられた横軸(頭部なしボルト)に螺合して取付けられている。
【0038】
案内手段27は、スペーサ3に着脱可能に設けられたガイドレール35と、門型枠体16の支柱21の下部に設けられてガイドレール35に依り案内される車輪36とを備えている。最も後側に位置する門型枠体16には、車輪36が設けられて居らず、ガイドレール35の後側上部に設けられた固定体37に着脱可能に取付けられている。
【0039】
ガイドレール35は、上方が開放したチャンネル材と、これのフランジの中央上面に付設されたアングル材と、チャンネル材の前後の下面に垂設された取付板とを備えて居り、各取付板がスペーサ3の取付体12に取付具(ボルト・ナット)に依り着脱可能に取付けられている。このガイドレール35は、前後のスペーサ3同士を連結する連結体(第一例の第二連結体15に相当する)としても兼用させている。ガイドレール35のチャンネル材の前側には、脱輪を防止する為のストッパ(ボルト・ナット)38が設けられている。
車輪36は、門型枠体16の支柱21の下部に取付けられる略逆U型を呈するホルダと、これに左右方向軸廻りに回転可能に設けられてガイドレール35のアングル材上を転動する主輪と、ホルダの左右両側に左右方向軸廻りに回転可能に設けられてガイドレール35のチャンネル材のウエブに当合して浮き上がりを防止する副輪とを備えている。
【0040】
掛止手段28は、門型枠体16の前側の支柱21に設けられた支持体39と、これに昇降及び縦軸廻りに回動可能に設けられて上方位置に掛止し得る略倒立L型を呈する丸棒製の落し棒40と、ガイドレール35の前側に設けられて下降時の落し棒40が嵌入される丸パイプ製の受筒41とを備えている。
【0041】
伸長保持手段29は、前後方向の門型枠体16の各支柱21間に介設されて居り、倒立略U型を呈する丸棒製の保持杆42と、支柱21の内面に溶接に依り設けられて保持杆42の両端が着脱可能に嵌合される丸パイプ製の受筒43とを備えている。
【0042】
テントシート5は、この例では、前側に一つの出入口22と、これを開閉する上方に巻き上げ可能なドアシート44とを備えている。
つまり、テントシート5の前面には、出入口22が形成されて居り、ファスナ45に依り開閉可能なドアシート44が設けられている。
テントフレーム4とドアシート44の間には、ドアシート44を上方に巻き上げる為の巻上手段(図示せず)が設けられている。巻上手段は、周知の如く、テントフレーム4の上部に設けられた滑車と、これに掛渡されて一端がドアシート44の下端に止結されたロープ等に依り構成されている。
而して、ドアシート44は、下端にウエイトバー46を備えていると共に、テントフレーム4には、閉状態のドアシート44のウエイトバー46を受け入れる側面略U型の担持片47を備えている。
【0043】
この様なものは、第一例と同様に使用する事ができるばかりでなく、テントフレーム4を伸縮可能にしたので、テントフレーム4を収縮させる事に依りベース2を露出する事ができ、上方からの荷物の出し入れが容易に行える。
ドアシート44の下端には、ウエイトバー46を備えていると共に、テントフレーム4には、担持片47を備えているので、ドアシート44が閉状態に確実に保持され、風等に依り搖動する惧れがない。
【0044】
尚、スペーサ3は、先の例では、ベース2の側面に着脱可能に取付けたが、これに限らず、例えばベース2の側面に溶接に依り固定しても良い。
スペーサ3は、第一例では、螺孔とボルトから成る取付具を用いてベース2に取付け、第二例では、植付ボルトとナットから成る取付具を用いてベース2に取付けたが、これに限らず、例えばこれら以外の取付具を用いて取付けても良い。
テントシート5は、第一例では、出入口22が二つ、第二例では、出入口22が一つであったが、これに限らず、例えば任意の数にしても良い。
【符号の説明】
【0045】
1…テント倉庫、2…ベース、3…スペーサ、4…テントフレーム、5…テントシート、6…フォークポケット、7…上板、8…桁板、9…下板、10…連結板、11…貫孔、12…取付体、13…柱体、14…第一連結体、15…第二連結体、16…門型枠体、17…上位連結体、18…中位連結体、19…下位連結体、20…天井部、21…支柱、22…出入口、23…カーテン、24…カーテンレール、25…芯材、26…伸縮手段、27…案内手段、28…掛止手段、29…伸長保持手段、30…中央支柱、31…連結体、32…X型リンク、33…案内杆、34…環体、35…ガイドレール、36…車輪、37…固定体、38…ストッパ、39…支持体、40…落し棒、41…受筒、42…保持杆、43…受筒、44…ドアシート、45…ファスナ、46…ウエイトバー、47…担時片、A,A´…空隙、B‥収容空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークポケットが形成されて既存のパレットより大きな金属製のベースと、ベースの側面に取付けられてベースの四周に所定の空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてベース及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートと、から構成した事を特徴とするテント倉庫。
【請求項2】
ベースは、トラックに積載可能な大きさに分割されると共に、着脱可能に取付けられる請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項3】
ベースの四周に形成される空隙のうちフォークが挿入される側の空隙を小さくした請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項4】
テントフレームは、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数の門型枠体を備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項5】
テントフレームは、前後方向に伸縮可能である請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項6】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する左右方向に伸縮可能なカーテンとを備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項7】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する上方に巻き上げ可能なドアシートとを備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項8】
カーテンは、上端がテントフレームに設けられたカーテンレールに依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサを構成する第二連結体に依り案内される縦方向の芯材を備えている請求項6に記載のテント倉庫。
【請求項9】
ドアシートは、下端にウエイトバーを備えていると共に、テントフレームには、閉状態のドアシートのウエイトバーを受け入れる担持片を備えている請求項7に記載のテント倉庫。
【請求項1】
フォークポケットが形成されて既存のパレットより大きな金属製のベースと、ベースの側面に取付けられてベースの四周に所定の空隙を形成する為のスペーサと、スペーサに取付けられてベース及び空隙の上方に所定の収容空間を形成する為のテントフレームと、テントフレームに着脱可能に被覆されるテントシートと、から構成した事を特徴とするテント倉庫。
【請求項2】
ベースは、トラックに積載可能な大きさに分割されると共に、着脱可能に取付けられる請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項3】
ベースの四周に形成される空隙のうちフォークが挿入される側の空隙を小さくした請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項4】
テントフレームは、フォークが挿入される前後方向に所定の間隔を置いて配された倒立略U型の複数の門型枠体を備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項5】
テントフレームは、前後方向に伸縮可能である請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項6】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する左右方向に伸縮可能なカーテンとを備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項7】
テントシートは、少なくとも一つの出入口と、出入口を開閉する上方に巻き上げ可能なドアシートとを備えている請求項1に記載のテント倉庫。
【請求項8】
カーテンは、上端がテントフレームに設けられたカーテンレールに依り左右方向に案内されると共に、下端がスペーサを構成する第二連結体に依り案内される縦方向の芯材を備えている請求項6に記載のテント倉庫。
【請求項9】
ドアシートは、下端にウエイトバーを備えていると共に、テントフレームには、閉状態のドアシートのウエイトバーを受け入れる担持片を備えている請求項7に記載のテント倉庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−106194(P2011−106194A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263623(P2009−263623)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500094381)株式会社サンエープロテント (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500094381)株式会社サンエープロテント (24)
【Fターム(参考)】
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